説明

加工肉製品を調製するための方法及び組成物

本発明は、硝酸塩を含む植物材料由来の、植物ベースの亜硝酸塩を含む加工剤、及び植物材料を、硝酸塩を亜硝酸塩に変換できる生物と接触させることを含む、加工剤を調製するための方法を提供する。当該加工剤は肉及び肉製品を保存又は加工するために用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
発明の背景
肉及び肉製品の保存は、燻蒸、塩又は硝酸塩による処理、又はそれらの組み合わせ等の種々の方法で、長年実施されてきた。加工肉及び加工肉製品を調製するための1つの方法においては、加工が望まれる肉又は肉製品が硝酸塩含有物質に曝露される。次いで、硝酸塩を亜硝酸塩に変換できる細菌又は他の生物を、加工すべき肉又は肉製品及び亜硝酸塩含有物質の混合物へ添加して、硝酸塩を亜硝酸塩に発酵させる。亜硝酸塩の存在により、有害な微生物の増殖が防止されるのに加え、肉に独特の色及び味わいがもたらされる。先行技術において記載された加工方法は、いくつかの問題を提示する。そのような加工方法に関与する工程の数及び敏感性により、ばらつきのある肉加工がもたらされ、一貫しない製品が生じる。更に、細菌又は別の生物を用いて硝酸塩を亜硝酸塩に変換する方法は、更なる加工時間を要し、従って先行技術の方法を遅くする。硝酸塩含有物質及び発酵により硝酸塩を亜硝酸塩に変換するための細菌又は他の生物を肉加工方法に導入することを含まない、従って以上概説した問題を解消する、肉及び肉製品の保存又は加工のための商業的に実行可能な方法のニーズが当分野にある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0002】
発明の要旨
本発明は、硝酸塩を含む植物材料に由来する、植物ベースの亜硝酸塩を含む加工剤を提供する。当該加工剤は、肉又は肉製品を加工でき、加工の間に維持することが求められる環境へ硝酸塩含有物質と共に細菌又は他の生物を導入する必要性を無くするために、肉加工方法とは別途に調製できる。これにより加工方法に関与する多くの工程が簡略化され、当該方法が起こるスピードが増加し、そして一般に、より一貫した製品がもたらされる。
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明は、加工剤を調製するための方法であって:(i)硝酸塩を含む植物材料を選択すること、(ii)当該植物材料を、硝酸塩を亜硝酸塩に変換できる生物と接触させること、及び(iii)所定の量の硝酸塩を亜硝酸塩に変換すること、を含む方法も提供する。
【0004】
本発明は更に、植物ベースの亜硝酸塩を肉又は肉製品に接触させることによる、肉又は肉製品を植物ベースの亜硝酸塩を含む加工剤に接触させることを含む、肉又は肉製品を保存するための方法であって、当該植物ベースの亜硝酸塩が硝酸塩を含む植物材料由来であり、肉又は肉製品が保存される、方法を提供する。
【0005】
本発明は、未加工の肉又は肉製品を植物ベースの亜硝酸塩を含む加工剤に曝露又はそれで処理することにより加工した、加工肉又は加工肉製品も提供する。本発明の加工剤は、当該加工剤に曝露される際、肉又は肉製品を加工するのに十分な量の亜硝酸塩を含む。同様に当該加工剤は、硝酸塩を亜硝酸塩に変換できる細菌又は他の生物に植物材料が曝露された場合に当該加工剤が肉又は肉製品を効果的に加工するのに十分な量の硝酸塩を有するように十分な量の硝酸塩を含む植物材料由来の、植物ベースの亜硝酸塩を含む。
【発明を実施するための形態】
【0006】
発明の詳細な説明
本発明によれば、硝酸塩を含む植物材料由来の、植物ベースの亜硝酸塩を含む加工剤が提供される。加工剤は、当該加工剤が肉又は肉製品を加工できるような量の亜硝酸塩を含む。
【0007】
本明細書中に記載の本発明に関する場合、用語、肉及び肉製品は、赤肉、豚肉(ポーク)、鶏肉、魚肉、野生の獲物の肉及びそれらの組み合わせを全て含む、動物界に分類される生物の分類群に由来する任意の可食組織又は肉(flesh)を意味する。
【0008】
加工剤は植物ベースの亜硝酸塩を含み、例えば、植物抽出物、植物ジュース、植物粉末、又は硝酸塩、好ましくは少なくとも約50ppmの硝酸塩を含有する任意の植物由来物を含む、任意の硝酸塩含有植物材料に由来し得る。好適な植物材料としては、セロリ、ビート、ホウレンソウ、レタス、キャベツ、キュウリ、ナス、マッシュルーム、ピーマン、ニホンカボチャ、ズッキーニ、混合サラダ用野菜、ニンジン、アーティチョーク、サヤマメ、ライマメ、ブロッコリー、カリフラワー、コラードグリーン、トウモロコシ、カラシ、オクラ、タマネギ、サヤエンドウ、ササゲ、グリーンピース、ジャガイモ、カブ、ザウアークラウト、及びダイコン等が挙げられるが、これらに限定されない。硝酸塩、好ましくは少なくとも約50ppmの硝酸塩、を含有する他の可食植物材料も用いることができる。加工剤を作製するために、植物材料のいずれの混合物又は組み合わせも用いることができる。好適な植物材料はFlorida Food Products, Inc.及びVegetable Juices, Inc.等の業者から入手できる。植物材料は、低温濃縮、混合、濾過、低温殺菌、及び真空乾燥等の、当業者に公知の多くの方法のいずれによっても処理できる。水性液体の植物材料、濃縮物又は乾燥粉末は、加工剤の作製に用いることができる。
【0009】
加工剤の作製のために用いる植物材料の硝酸塩濃度は、好ましくは少なくとも50ppmであり;より高い硝酸塩濃度を有する植物材料も有用である。従って、植物材料の硝酸塩濃度は例えば、少なくとも約100ppm(例、少なくとも約200ppm、少なくとも約300ppm、少なくとも約400ppm、少なくとも約500ppm、少なくとも約600ppm、又は少なくとも約700ppm)である。植物材料の硝酸塩濃度は、好ましくは約24,000ppm以下(例、約20,000ppm以下、約15,000ppm以下、約10,000ppm以下、約8000ppm以下、約5000ppm以下、約3000ppm以下、約2500ppm以下、又は約2000ppm以下)である。植物材料の硝酸塩濃度は、好ましくは例えば、約100ppm〜約10,000ppm、約100ppm〜約5000ppm、約200ppm〜約5000ppm、約300ppm〜約3000ppm、約400ppm〜約1000ppm、約50ppm〜約3000ppm、又は約100ppm〜約2500ppmである。
【0010】
本発明によれば、加工剤を形成するために、植物材料中に天然に存在する硝酸塩の少なくとも一部が、亜硝酸塩に変換される。本発明の好ましい実施形態においては、硝酸塩又は亜硝酸塩のいずれかを植物材料に添加するのは、必要でも望ましくもない。従って加工剤は、好ましい実施形態においては特に、非天然の硝酸塩及び亜硝酸塩を実質的に含まない。本明細書中に記載の本発明に関する場合、用語、非天然の硝酸塩又は亜硝酸塩は、植物材料に人為的に添加される、従って植物材料内に天然には含有されない、硝酸塩又は亜硝酸塩のいずれをも意味する。
【0011】
加工剤は、イーストエキストラクト、タンパク質加水分解物、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、及び炭水化物が挙げられるがこれらに限定されない追加の成分を、更に含むことができる。硝酸塩から亜硝酸塩への変換の前に、好適な酸、塩基、塩、又はそれらの組み合わせの添加により、植物材料のpH及び塩含有量を調節できる。硝酸塩から亜硝酸塩への変換の前に、植物材料を追加の処理工程に供することができる。そのような処理工程としては、熱処理、濾過滅菌、又は最初の微生物負荷を低減する過程が挙げられるが、これらに限定されない。
【0012】
本発明は、加工剤を調製するための方法であって、(i)硝酸塩、好ましくは少なくとも約50ppmの硝酸塩、を含む植物材料を選択すること、(ii)当該植物材料を、硝酸塩を亜硝酸塩に変換できる生物と接触させること、及び(iii)所定の量の硝酸塩を亜硝酸塩に変換することを含む、方法も提供する。
【0013】
本発明の方法においては、硝酸塩を亜硝酸塩に変換できるいずれの生物をも、用いることができる。硝酸塩を亜硝酸塩に変換できる硝酸レダクターゼ又は他の酵素を有する生物は、いずれも用いることができる。そのような生物としては、食品等級及び非食品等級の生物を両方挙げることができる。好適な生物としては、酵母菌、真菌及び細菌が挙げられるが、これらに限定されない。生物は例えば、E. coli、Rhodobacter sphaeroides、Paracoccus pantotrophus、Wautersia eutropha、Bradyrhizobium japonicum、任意のPseudomonas種、Campylobacter jejunii、Wollinella succinogenes、Haemophylus influenzae、Shewanella oneidensis、Desulfitobacterium hafniense、Rhodobacter capsulatus、Klebsiella pneumoniae、Bacillus subtilis、Cyanobacteria属、任意のSynechococcus種、任意のHaloferax属、Haloarcula属、及びThermus thermophilusであり得る。生物は好ましくは、Micrococcus及びStaphylococcusを含むMicrococcaceae科、Enterococcus、Lactococcus、Leuconostoc、Pediococcus、Streptococcus、及びStaphylococcusを含むグラム陽性球菌、並びに全ての乳酸細菌内の細菌株の、単一菌株又は組み合わせである。本発明の方法において有用な生物(単数又は複数)の例としては、M. varians、S. carnosus又はそれらの組み合わせが挙げられる。生物は植物材料中の硝酸塩と相互作用して、植物ベースの硝酸塩を(例、発酵、代謝、及び/又は酵素活性により)亜硝酸塩に還元すると考えられている。
【0014】
硝酸塩から亜硝酸塩への変換過程は、任意の好適なパラメータの下で起き得る。pHは、硝酸塩から亜硝酸塩への十分な変換が起こる任意のpHである。pHは好ましくは、少なくとも約5(例、少なくとも約5.5、少なくとも約6、少なくとも約6.5、少なくとも約7、又は少なくとも約7.5)である。pHは好ましくは、約9以下(例、約8以下、約7以下、約6.5以下、約6以下又は約5.5以下)である。pHは、例えば、約5〜約9、約6〜約8、約6.5〜約8、約6.5〜約7.5、又は約6.5〜約7である。
【0015】
変換が起こる温度は、任意の好適な温度であり得る。変換が起こる温度は好ましくは、少なくとも約0℃(例、少なくとも約15℃、少なくとも約20℃、少なくとも約25℃、少なくとも約30℃、又は少なくとも約35℃)である。変換が起こる温度は好ましくは、約50℃以下(例、約45℃以下、約40℃以下、約35℃以下、又は約30℃以下)である。変換が起こる温度は例えば、約0℃〜約50℃、約20℃〜約45℃、約21℃〜約43℃、又は約35℃〜約40℃であり得る。
【0016】
塩濃度は、硝酸塩から亜硝酸塩への変換が起きる塩濃度である。塩濃度は好ましくは、少なくとも約0.5重量%(例、少なくとも約1重量%、少なくとも約2重量%、少なくとも約3重量%、少なくとも約4重量%、又は少なくとも約5重量%)である。塩濃度は好ましくは、約8重量%以下(例、約6重量%以下、約5重量%以下、約4重量%以下、約3重量%以下、約2重量%以下、又は約1重量%以下)である。塩濃度は例えば、約0.1重量%〜約8重量%、約0.1重量%〜約7重量%、約0.5重量%〜約6重量%、約1重量%〜約7重量%、又は約1重量%〜約6重量%であり得る。
【0017】
硝酸塩から亜硝酸塩への変換過程は、所定の亜硝酸塩レベルに到達するまで、好気的又は嫌気的なエアレーション条件のいずれかの下で、pH制御、温度制御、又は震盪有り又は無しで、起こり得る。1つの実施形態において、変換過程は全体的な窒素通気及び弱い震盪により達成される嫌気的条件の下で起こる。別の実施形態においては、変換過程は弱い震盪により、通気無しで達成される嫌気的条件の下で起こる。別の実施形態においては、変換は、変換過程全体にわたり弱い空気通気及び震盪により達成される好気的な条件の下で起きる。別の実施形態においては、変換は、変換過程全体にわたって20%の溶存酸素レベルが維持される、震盪を伴う空気通気及び酸素通気により達成される好気的な条件の下で起こる。更なる実施形態においては、変換は、当初変換の半ばまでは震盪を伴う弱い通気で、その時点から酸素通気を加えることにより達成される、好気的な条件の下で起こる。更なる実施形態においては、変換は、20%の溶存酸素レベルが変換の半ばまで維持され、その時点から酸素通気が除かれて震盪レベルが弱められる、震盪を伴う空気通気及び酸素通気により達成される好気的な条件の下で起こる。亜硝酸塩レベルは、当業者に周知の技術である、硝酸塩の枯渇、亜硝酸塩の蓄積、光学密度、炭水化物の枯渇、又は発酵の進行のモニタリングに好適な他の方法等の技術を用いてモニタリングできる。
【0018】
所定の亜硝酸塩のレベルに到達したとき、加工剤は当業者に公知の方法を用いて不活性化できる。有用な不活性化方法としては、濾過滅菌、低温殺菌等の熱処理、滅菌、又は遠心分離が挙げられるが、これらに限定されない。所定の亜硝酸塩のレベルに到達したとき、生物は不活性化され、加工剤中に残り得るか、又は不活性化され、加工剤から除去される。
【0019】
加工剤の亜硝酸塩濃度は、未加工の肉又は肉製品を当該亜硝酸塩含有加工剤で曝露又は処理する際、肉又は肉製品を加工するのに十分な濃度である。加工剤の調製が当業者に公知の方法を用いることにより完了した後、当該加工剤は濃縮及び/又は乾燥され得る。同様に、当業者に公知の方法を用いることにより、肉又は肉製品と接触させる前に、濃縮加工剤を希釈し得る。濃縮加工剤の亜硝酸塩濃度は任意の好適な濃度であり得る。加工剤の亜硝酸塩濃度は好ましくは、少なくとも約50ppm(例、少なくとも約100ppm、少なくとも約200ppm、少なくとも約300ppm、少なくとも約400ppm、少なくとも約500ppm、又は少なくとも約600ppm)である。加工剤の亜硝酸塩濃度は好ましくは、約24,000ppm以下(例、約20,000ppm以下、約15,000ppm以下、約10,000ppm以下、約8000ppm以下、約5000ppm以下、約3000ppm以下、又は約2000ppm以下)である。加工剤の亜硝酸塩濃度は例えば、約50ppm〜約24,000ppm、約100ppm〜約10,000ppm、約200ppm〜約8000ppm、約300ppm〜約6000ppm、約400ppm〜約5000ppm、又は約500ppm〜約1000ppmであり得る。
【0020】
本発明は、肉又は肉製品を保存するための方法であって、当該肉又は肉製品を植物ベースの亜硝酸塩を含む加工剤に接触させることを含む、方法を提供する。植物ベースの亜硝酸塩は、未加工の肉又は肉製品を加工剤に曝露又はそれで処理することで加工するのに十分な量で硝酸塩を含む、植物材料に由来する。加工剤は好ましくは、少なくとも約50ppmの亜硝酸塩を含む。
【0021】
本発明は、肉又は肉製品が植物ベースの亜硝酸塩を含む加工剤で処理されており、当該植物ベースの亜硝酸塩が、硝酸塩、好ましくは少なくとも約50ppmの硝酸塩を含む植物材料由来である、加工肉又は加工肉製品も提供する。
【0022】
本明細書中に記載の本発明に関する場合、用語、保存(preserving、preserve(d))、及び加工(curing、cure(d))は、塩又は燻蒸等の任意の保存期限延長剤で調理も加工も保存も処理もされていない肉又は肉製品と比較した場合、加工剤により処理された肉又は肉製品が安全に保存できる時間量(例、保存期限)、或いは官能性、感覚刺激性、又は色が許容範囲であり続ける時間量における、任意の向上を意味する。
【0023】
本発明の加工剤は、加工が望まれる広範な種類の未加工肉又は未加工肉製品のいずれの加工にも用いることができる。本発明の加工剤により加工できる未加工の肉又は肉製品としては、全筋の肉、及び乳化した肉等が挙げられるが、これらに限定されない。加工肉又は肉製品としては、例えば、ハム、ターキー、チキン、ホットドッグ、ランチミート、及びベーコン等が挙げられる。
【0024】
肉又は肉製品と接触する加工剤の亜硝酸塩濃度は、任意の好適な濃度であり得る。肉又は肉製品と接触する加工剤の亜硝酸塩濃度は、少なくとも約10ppm(例、少なくとも約30ppm、少なくとも約50ppm、少なくとも約75ppm、少なくとも約100ppm、又は少なくとも約125ppm)であり得る。肉又は肉製品と接触する加工剤の亜硝酸塩濃度は、約300ppm以下(例、約250ppm以下、約200ppm以下、約175ppm以下、約156ppm以下、又は約125ppm以下)であり得る。肉又は肉製品と接触する加工剤の亜硝酸塩濃度は例えば、約10ppm〜約300ppm、約20ppm〜約275ppm、約30ppm〜約250ppm、約40ppm〜約220ppm、又は約50ppm〜約200ppmであり得る。
【0025】
以下の実施例は本発明を更に説明するが、当然ながら決してその範囲を限定するものと解釈してはならない。
【実施例】
【0026】
実施例1
本実施例により、種々の供給源の植物材料の、硝酸塩から亜硝酸塩への変換レベルに対する、発酵の影響を示す。
【0027】
各々の組成物において用いた植物材料の供給源を以下の表1中に表示する。各組成物は、脱イオン水で1:10に希釈して0.3重量%のイーストエキストラクトを添加した、表1中に明記した濃縮ジュースを含有した。各組成物のpHは、50%水酸化ナトリウムで7に調整した。組成物は121℃で15分間滅菌した。次いで、各組成物にM. variansを接種し、200rpmでシェーカー中に置き、31℃で8〜20時間インキュベートした。
【0028】
各組成物について、発酵前及び発酵後に亜硝酸塩濃度(ppm)を測定した。結果を表1中に示す。
【0029】
【表1】

【0030】
表1中に提示したデータにより、試験した各タイプの植物材料中の亜硝酸塩レベルが、発酵過程により増大したことが示される。
【0031】
実施例2
本実施例により、植物材料の硝酸塩から亜硝酸塩への変換レベルに対する、発酵過程の間に用いた塩化ナトリウムの影響を示す。
【0032】
各組成物において用いた細菌株及び塩化ナトリウム量を以下の表2中に表示する。各組成物は、脱イオン水で1:10に希釈して0.3重量%のイーストエキストラクトを添加した、濃縮セロリジュースを含有した。各組成物のpHは、50%水酸化ナトリウムで7に調整した。組成物は121℃で15分間滅菌した。次いで、各組成物にM. varians又はS. carnosusのいずれかを接種し、200rpmでシェーカー中に置き、31℃で8〜20時間インキュベートした。
【0033】
各組成物について、発酵後に亜硝酸塩濃度(ppm)を測定した。結果を表2中に示す。
【0034】
【表2】

【0035】
表2中に提示したデータにより、いずれの株の細菌を含有する組成物においても、10%以上の塩化ナトリウム濃度によって、亜硝酸塩形成が全て阻害されることが示される。
【0036】
実施例3
本実施例により、植物材料の硝酸塩から亜硝酸塩への変換レベルに対する、発酵過程の間に用いた温度の影響を示す。
【0037】
各組成物において用いた温度レベル及び細菌株を以下の表3中に表示する。各組成物は、脱イオン水で1:10に希釈して0.3重量%のイーストエキストラクトを添加した、濃縮セロリジュースを含有した。各組成物のpHは、50%水酸化ナトリウムで7に調整した。組成物は121℃で15分間滅菌した。次いで、各組成物にM. varians又はS. carnosusのいずれかを接種し、200rpmでシェーカー中に置き、表3中に表示した温度で8〜20時間インキュベートした。
【0038】
各組成物について、発酵後に亜硝酸塩濃度(ppm)を測定した。結果を表3中に示す。
【0039】
【表3】

【0040】
表3中に提示したデータにより、22.2℃〜43.3℃の温度で、いずれの細菌株で発酵した植物材料由来の亜硝酸塩生成量も増加したことが示される。
【0041】
実施例4
本実施例により、植物材料の硝酸塩から亜硝酸塩への変換レベルに対する、発酵過程の間で用いたpHの影響を示す。
【0042】
0時間及び20時間でのpH及び細胞数を以下の表4中に表示する。各組成物は、脱イオン水で1:10に希釈して0.3重量%のイーストエキストラクトを添加した、濃縮セロリジュースを含有した。組成物は121℃で15分間滅菌した。次いで、各組成物にM. variansを接種し、200rpmでシェーカー中に置き、31℃で20時間インキュベートした。
【0043】
各組成物について、発酵前及び20時間の発酵後に亜硝酸塩濃度(g/L)を測定した。結果を表4中に示す。
【0044】
【表4】

【0045】
表4中に提示したデータにより、6.5〜8のpHで、試験した植物材料中の亜硝酸塩生成量が増加したことが示される。
【0046】
実施例5
本実施例により、植物材料の硝酸塩から亜硝酸塩への変換レベルに対する、発酵過程の間に用いたエアレーション条件の影響を示す。
【0047】
各組成物のエアレーション条件及びインキュベート時間を以下の表5中に表示する。エアレーション条件が溶存酸素レベルに依存する場合、望ましい溶存酸素量を維持するために、震盪及びエアレーションのレベルが変動することに留意すべきである。各組成物は、脱イオン水で1:10に希釈して0.3重量%のイーストエキストラクトを添加した、濃縮セロリジュースを含有した。各組成物のpHは、50%水酸化ナトリウムで6.8〜6.5に調整した。組成物は121℃で20分間滅菌した。次いで、各組成物にM. variansを接種し、31℃でインキュベータ中に置いた。
【0048】
各組成物について、発酵後に亜硝酸塩濃度(mg/L)を測定した。結果を表5中に示す。
【0049】
【表5】

【0050】
表5中に提示したデータにより、嫌気的条件、好気的条件、又はそれらの種々の組み合わせにより、試験した植物材料中の硝酸塩から亜硝酸塩への変換がすべて可能であったことが示される。
【0051】
実施例6
本実施例により、加工ハム製品の調製における加工剤の使用を説明する。
【0052】
濃縮セロリジュースを含有した各組成物を、希釈して4.3%の固形分にした。組成物に0.3重量%のイーストエキストラクトを添加して、次いでM. variansを接種した。組成物のpHは、水酸化ナトリウムで6.8〜6.5に調整した。温度31℃及び10%の震盪レベルを、発酵過程の間中維持した。6時間の発酵の後、5 SCFMで空気通気を加えた。塩基の追加が水平になるまで発酵を継続した。発酵完了後、組成物のpHを、水酸化ナトリウムで7.5に調整した。発酵液の温度を20分間95℃にし、次いで発酵液を46%の固形分に濃縮した。次いで発酵液を121℃で15分間オートクレーブした。結果生じた加工剤は、約7500ppmの亜硝酸ナトリウムに相当する、約5000ppmの亜硝酸塩を含有していた。
【0053】
加工剤を、Swift & Company製の40%膨張ハム(NAMP 402F, ポークレッグ(フレッシュハム)、内)中に、ミートグリーン重量当たり、それぞれ50ppm、100ppm、及び133ppmの亜硝酸塩に相当する、75ppm、150ppm及び200ppmの亜硝酸ナトリウム濃度で配合した。ミートグリーン重量は他の成分の添加前又は調理前の生肉の重量であり、従って40%膨張ハムは肉以外の成分を40重量%含有する。更に、未加工ハム及び200ppm亜硝酸ナトリウムを直接添加したハムはコントロールの役割を果たした。表6〜8中に列挙した亜硝酸塩濃度は、すべて亜硝酸ナトリウムのppmとして算出されていることに留意すべきである。
【0054】
試験した5つの異なる配合物を以下の表6中に示す。
【0055】
【表6】

【0056】
水及び氷、トリポリリン酸ナトリウム、塩、加工剤又は亜硝酸ナトリウム、デキストロース、並びにエリソルビン酸ナトリウムを表6中に列挙した濃度で混合することにより、ブラインを調製した。次いで、ポークに40%のブラインを注入し、8rpmで2時間、減圧してタンブルさせた。製品は2.7℃で冷蔵の下、一晩保持した。次いで製品を15〜30分間タンブルし、熱収縮真空バッグ中に包装し、そして薫製場中湿度100%で、48.9℃で1時間、60℃で1時間、71℃で1時間、及び82℃でその内部温度が71℃に達するまで調理した。次いで製品に、温度が37.8℃より下に下がるまでシャワーをかけ、2.7℃で冷蔵の下保存した。次いで収率及び色の測定を行った。
【0057】
試験した5つの異なる配合物各々の収率を以下の表7中に表示する。提示したデータから明らかなように、加工剤の添加により製品の最終収率は有意(p>0.05)には増加も減少もしなかった。
【0058】
【表7】

【0059】
処理したハム製品のスライスの色も、Minolta Chroma-meter(CR-300)を用いて測定し、L*(100=白、0=黒)、a*(+60=赤、-60=緑)、及びb*(+60=黄、-60=青)を測定したものを以下の表8中に列挙する。a*値により、亜硝酸塩コントロールのハム製品及び加工剤処理したハム製品の両方が、未加工のサンプルと比較した場合、色がより赤色又は桃色に見えたことが示された。亜硝酸塩で処理された肉製品は、未処理の肉製品と比較した場合赤色/桃色の外観を典型的に有するので、このことは予想された。3通りの異なる濃度の加工剤で処理されたハム間の色における差異は、わずかであった。
【0060】
【表8】

【0061】
実施例7
本実施例により、加工ホットドッグ製品の調製における加工剤の使用を示す。
【0062】
濃縮セロリジュースを含有した各組成物を、希釈して4.3%の固形分にした。組成物に0.3重量%のイーストエキストラクトを添加して、次いでM. variansを接種した。組成物のpHは、水酸化ナトリウムで6.8〜6.5に調整した。温度31℃及び10%の震盪レベルを、発酵過程の間中維持した。6時間の発酵の後、5 SCFMで空気通気を加えた。塩基の追加が水平になるまで発酵を継続した。発酵完了後、組成物のpHを、水酸化ナトリウムで7.5に調整した。発酵液の温度を20分間95℃にし、次いで発酵液を46%の固形分に濃縮した。次いで発酵液を121℃で15分間オートクレーブした。結果生じた加工剤は、約7500ppmの亜硝酸ナトリウムに相当する、約5000ppmの亜硝酸塩を含有した。
【0063】
加工剤を、56%リーンポーク、31% 80/20ポークトリミング、及び13% 50/50ポークトリミングを含む、Amity Packing Company製の肉塊(NAMP 402F、ポークレッグ(フレッシュハム)及びNAMP 418、ポークトリミング)中に、ミートグリーン重量当たり、それぞれ50ppm及び104ppmの亜硝酸塩に相当する、75ppm及び156ppmの亜硝酸ナトリウム濃度で配合した。ミートグリーン重量は他の成分の添加前又は調理前の生肉の重量である。更に、未処理のホットドッグ及び156ppm亜硝酸ナトリウムを直接添加したホットドッグは、コントロールの役割を果たした。表9〜11中に列挙した亜硝酸塩濃度は、すべて亜硝酸ナトリウムのppmとして算出されていることに留意すべきである。
【0064】
試験した4つの異なる配合物を以下の表9中に示す。
【0065】
【表9】

【0066】
肉を予め挽き又は刻んで、表9中に列挙した濃度で、トリポリリン酸ナトリウム、塩、亜硝酸ナトリウム又は加工剤、並びに水及び氷の半量と共にチョッパーボウル中に置いた。製品を真空下でおおよそ3分間、均一な生地が形成されるまで刻んだ。残りの水及び氷、ポーク、並びに更なる成分(表9参照)を混合物に加えた。細かな生地ができるまで製品を混合した。次いで製品を、直径28mmのセルロースケーシングに真空充填した。製品を48.9℃/-17.8℃(乾球/湿球)で15分間、62.8℃/43.3℃で45分間、65.5℃/44.4℃で10分間、73.9℃/54.4℃で10分間、79.4℃/62.8℃で10分間、及び82.2℃/76.7℃で4分間調理し、製品内温度を71℃にし、続けて次に10分間シャワーした。製品を冷却し、収率及び色の測定を行った。
【0067】
試験した4つの異なる配合物各々の収率を以下の表10中に表示する。提示したデータから明らかなように、加工剤の添加により製品の最終収率は有意には増加も減少もしなかった。
【0068】
【表10】

【0069】
処理したホットドッグ製品のスライスの色も、Minolta Chroma-meter(CR-300)を用いて測定し、L*(100=白、0=黒)、a*(+60=赤、-60=緑)、及びb*(+60=黄、-60=青)を測定したものを以下の表11中に列挙する。a*値により、亜硝酸塩コントロールのホットドッグ製品及び加工剤処理したホットドッグ製品の両方が、未加工のサンプルと比較した場合、色がより赤色又は桃色に見えたことが示された。亜硝酸塩で処理された肉製品は、未処理の肉製品と比較した場合赤色/桃色の外観を典型的に有するので、このことは予想された。2通りの異なる濃度の加工剤で処理されたホットドッグ製品の間の色における差異は、わずかであった。
【0070】
【表11】

【0071】
本明細書中で引用した刊行物、特許出願、及び特許を含む全ての文献は、各文献が個々に且つ具体的に参照により組み込まれると明示され、且つその全体が本明細書中に記載されるのと同程度に、参照により本明細書に組み込まれるものである。
【0072】
本発明者らが知るところの、発明を実施するための最良の形態を含む、本発明の好ましい実施形態を本明細書中に記載する。前記記載を読めば、それら好ましい実施形態の変形は当業者に明白となり得る。従って本発明は、適用法が許容する限り、本明細書に添付した特許請求の範囲に記載した対象の全ての改変又は等価物を含む。更に、上述の要素のあらゆる可能な変形でのあらゆる組み合わせが、本明細書に別段の指示がない限り、又は明らかに文脈に矛盾しない限り、本発明に包含される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物ベースの亜硝酸塩を少なくとも約50ppm含む加工剤であって、当該植物ベースの亜硝酸塩が、硝酸塩を少なくとも約50ppm含む植物材料に由来する、肉又は肉製品を加工できる加工剤。
【請求項2】
前記植物ベースの亜硝酸塩が、セロリ、ビート、キャベツ、キュウリ、ナス、マッシュルーム、レタス、カボチャ、ズッキーニ、混合サラダ用野菜、ニンジン、アーティチョーク、サヤマメ、ライマメ、ブロッコリー、カリフラワー、コラードグリーン、トウモロコシ、カラシ、オクラ、タマネギ、サヤエンドウ、ササゲ、グリーンピース、ジャガイモ、カブ、ダイコン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される硝酸塩含有植物材料由来である、請求項1記載の加工剤。
【請求項3】
硝酸塩含有植物材料がセロリである、請求項2記載の加工剤。
【請求項4】
イーストエキストラクト、タンパク質加水分解物、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、炭水化物、塩、酸、塩基、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される要素を更に含む、請求項1記載の加工剤。
【請求項5】
約6重量%以下の量で塩化ナトリウムを更に含む、請求項4記載の加工剤。
【請求項6】
植物ベースの亜硝酸塩を少なくとも約50ppm含む、請求項1記載の加工剤。
【請求項7】
非天然の硝酸塩及び非天然の亜硝酸塩を実質的に含まない、請求項1記載の加工剤。
【請求項8】
加工剤を調製するための方法であって:
(i)少なくとも約50ppmの硝酸塩を含む植物材料を選択すること、
(ii)当該植物材料を、硝酸塩を亜硝酸塩に変換できる生物に接触させること、及び
(iii)所定の量の硝酸塩を亜硝酸塩に変換すること
を含む方法。
【請求項9】
生物に接触される前に、植物材料が熱処理又は濾過滅菌される、請求項8記載の方法。
【請求項10】
所定の量の亜硝酸塩が製造された後、加工剤が熱処理又は濾過滅菌される、請求項8記載の方法。
【請求項11】
所定の量の亜硝酸塩が製造された後、生物が不活性化されるか、又は加工剤から除去される、請求項8記載の方法。
【請求項12】
植物材料が、セロリ、ビート、キャベツ、キュウリ、ナス、マッシュルーム、レタス、カボチャ、ズッキーニ、混合サラダ用野菜、ニンジン、アーティチョーク、サヤマメ、ライマメ、ブロッコリー、カリフラワー、コラードグリーン、トウモロコシ、カラシ、オクラ、タマネギ、サヤエンドウ、ササゲ、グリーンピース、ジャガイモ、カブ、ダイコン、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項8記載の方法。
【請求項13】
植物材料がセロリである、請求項12記載の方法。
【請求項14】
植物材料が、イーストエキストラクト、タンパク質加水分解物、アミノ酸、ビタミン、ミネラル、炭水化物、塩、酸、塩基、及びそれらの組み合わせから成る群から選択される要素を更に含む、請求項8記載の方法。
【請求項15】
約6重量%以下の量で塩化ナトリウムを更に含む、請求項8記載の方法。
【請求項16】
生物が、Micrococcaceae科、Micrococcus属、Staphylococcus属、グラム陽性球菌、Enterococcus、Lactococcus、Leuconostoc、Pediococcus、Streptococcus、乳酸細菌、及びそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項8記載の方法。
【請求項17】
生物が、M. varians、S. carnosus、又はそれらの組み合わせである、請求項16記載の方法。
【請求項18】
加工剤が少なくとも約50ppmの亜硝酸塩を含む、請求項8記載の方法。
【請求項19】
植物材料と生物とが温度約0℃〜約50℃で接触させられる、請求項8記載の方法。
【請求項20】
植物材料と生物とがpH約5〜約9で接触させられる、請求項8記載の方法。
【請求項21】
植物材料と生物とが嫌気的エアレーション条件の下で接触させられる、請求項8記載の方法。
【請求項22】
非天然の硝酸塩及び非天然の亜硝酸塩を実質的に含まない、請求項8記載の方法。
【請求項23】
肉又は肉製品を保存するための方法であって、当該肉又は肉製品を植物ベースの亜硝酸塩を含む加工剤に接触させることを含み、当該植物ベースの亜硝酸塩が、少なくとも約50ppmの硝酸塩を含む植物材料由来である、肉又は肉製品が保存される方法。
【請求項24】
肉又は肉製品が全筋の加工肉又は乳化した加工肉である、請求項23記載の方法。
【請求項25】
肉又は肉製品が、ハム、ターキー、チキン、ホットドッグ、ランチミート、及びベーコンからなる群から選択される、請求項23記載の方法。
【請求項26】
加工剤が、肉又は肉製品と接触する前に濃縮される、請求項23記載の方法。
【請求項27】
加工剤中に、植物ベースの亜硝酸塩が約50ppm〜約200ppmの量で存在する、請求項23記載の方法。
【請求項28】
加工剤が、非天然の硝酸塩及び非天然の亜硝酸塩を実質的に含まない、請求項23記載の方法。
【請求項29】
肉又は肉製品が植物ベースの亜硝酸塩を含む加工剤で処理されたものであり、当該植物ベースの亜硝酸塩が少なくとも約50ppmの硝酸塩を含む植物材料由来である、加工肉又は加工肉製品。
【請求項30】
肉又は肉製品が全筋の加工肉又は乳化した加工肉である、請求項29記載の加工肉又は加工肉製品。
【請求項31】
肉又は肉製品が、ハム、ターキー、チキン、ホットドッグ、ランチミート、及びベーコンからなる群から選択される、請求項29記載の加工肉又は加工肉製品。
【請求項32】
加工剤が、肉又は肉製品と接触する前に濃縮される、請求項29記載の加工肉又は加工肉製品。
【請求項33】
加工剤中に、植物ベースの亜硝酸塩が約50ppm〜約200ppmの量で存在する、請求項29記載の加工肉又は加工肉製品。
【請求項34】
加工剤が、非天然の硝酸塩及び非天然の亜硝酸塩を実質的に含まない、請求項29記載の加工肉又は加工肉製品。

【公表番号】特表2010−528679(P2010−528679A)
【公表日】平成22年8月26日(2010.8.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512298(P2010−512298)
【出願日】平成20年6月10日(2008.6.10)
【国際出願番号】PCT/US2008/066418
【国際公開番号】WO2008/154536
【国際公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【出願人】(506153859)ケリー グループ サーヴィシーズ インターナショナル、リミテッド (5)
【Fターム(参考)】