説明

加熱炉への原料供給方法

【課題】従来技術に基づくものよりシャープな粒径分布を持った微粒子(ナノ粒子)を効率的に製造することが可能な、微粒子製造装置に好適に用い得る加熱炉への微粒子製造用原料供給方法を提供すること。
【解決手段】微粒子製造用原料を加熱炉へ供給するための加熱炉への原料供給方法であって、前記微粒子製造用原料をジェットミルによって解砕・粉砕・分散した後に、前記加熱炉へ供給することを特徴とする加熱炉への原料供給方法である。ここで、前記微粒子製造用原料としては、金属または非金属を単体、もしくは化合物・混合物として含有する粉粒体を挙げることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加熱炉への原料供給方法に関し、より詳細には、気相法による金属または非金属の微粒子を製造する際に好適に用い得る、加熱炉への微粒子製造用原料の供給方法に関する。
【背景技術】
【0002】
金属あるいはある種の非金属微粒子については、粒径をnm(ナノメートル)サイズまで微細化すると、融点,結晶構造,光学特性,磁気特性,触媒能などに新しい機能が発現するが知られている。そして、これらはサイズ効果や表面効果と呼ばれ、この現象を利用することで、従来製品の高機能化や、全く新しい機能の付加を期待することができる。これに関しては、例えば、非特許文献1の記載を参考にすることができる。
【0003】
上記非特許文献1に記載されているように、粒径をnmサイズまで微細化した粒子(いわゆる、ナノ粒子)の製造プロセスは、気相法,液相法,固相法に大別することができ、目的とする材料種,粒子の特性,生産規模等に応じて選択される。このうちで、従来多用されているのは液相法であった(特許文献1,特許文献2等参照)。これは、液相法には、純度の高いものが得られるという利点があるほか、材料(微粒子製造用原料)の加熱炉への供給が、液体の噴霧というような形で比較的容易に行えるという利点があること等によると考えられる。
【0004】
これに対して、気相法のうちの代表的方法である気相化学反応法は、上記非特許文献1でも用いられているが、沸点の低い金属化合物を気化させて、熱分解反応や還元反応を起こさせて、気相から粒子を析出させる方法であり、プラズマ装置,レーザ装置,真空装置などの高価な装置を必要としないことから、これらと比較すると、極めて有効な方法ということができる。
【0005】
【非特許文献1】尾鍋等:「金属ナノ粒子」フジクラ技報第107号,2004年10月
【特許文献1】特表2006−507409号公報
【特許文献2】特開2007−290885号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、気相法においては、材料(微粒子製造用原料)の加熱炉への供給方法が予想外に困難であるという問題がある。すなわち、まず、微粒子製造用原料を、加熱炉へ供給するのに適した状態に調製することが必要であるが、これには種々の粒度分布を有する原料をある程度の粒径分布範囲内に収まるようにして、しかも、安定した均一供給速度(供給量)で供給することが難しいという問題がある。
【0007】
気相法を用いて、安定した状況で、シャープな粒子分布を有するナノ粒子を効率よく製造することが可能な製造方法ないし装置が、現状では知られてはいないのは、このような理由によるところが大きいと考えられる。
上述の非特許文献1は、このような状況を打開するための一つの方向を示すものと考えられる。
【0008】
周知のように、上述のナノ粒子は、具体的には、例えば携帯電話,デジタルカメラ等の小型形態電子機器に実装されている積層セラミックコンデンサの内部電極材料として大量に用いられている。ここで用いられているのは、現在のところは、平均粒径200〜400nmのNi粒子が主体であるが、今後は電子機器の小型・薄型化に伴い、ますます小径粒子が求められる。
【0009】
このような状況を考慮すると、粒子サイズが微小化されるとともに、粒径分布についてもよりシャープな粒径分布を持った微粒子が必要とされる。前述の非特許文献1によれば、80〜1000nmのNi,Ag,Cu,Ni−W微粒子を製造することが可能になっている。しかしながら、この方法においては、当該文献中の、粒径分布を示す図2のSEM写真並びに図3のグラフから明らかなように、粒径分布がかなりブロードであるという根本的な問題がある。
【0010】
また、非特許文献1に示される方法では、微粒子製造用の金属原料を塩化物等の形で熱分解するための加熱炉に供給し、ここで気化させるという方法を採用しているが、このような方法は、シャープな粒径分布を持った微粒子(ナノ粒子)を効率的に製造するための方法としては製造の効率からも好ましい方法であるとはいえない。すなわち、この方法では、微粒子製造用原料を、粒径をできるだけ揃えた形で安定して供給することができるかという点でも問題がある。
【0011】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、前記従来技術に基づく問題点を解消した、よりシャープな粒径分布を持った微粒子(ナノ粒子)を効率的に製造することが可能な、微粒子製造装置に好適に用い得る加熱炉への微粒子製造用原料供給方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために、本発明に係る加熱炉への原料供給方法は、微粒子製造用原料を加熱炉へ供給するための加熱炉への原料供給方法であって、前記微粒子製造用原料をジェットミルによって解砕・粉砕・分散した後に、前記加熱炉へ供給することを特徴とするものである。
【0013】
すなわち、本発明に係る加熱炉への原料供給方法は、固相法とも呼ぶべき化学反応等を全く伴わない新規な方法であり、微粒子製造用原料を加熱炉へ供給する前段の原料調製工程において、高性能の粒子解砕・粉砕・分散等の機能を備えたジェットミルを用いて、微粒子製造用原料をできるだけシャープな粒径分布を持った状態に解砕・粉砕・分散することを特徴とするものである。
ここで、上記加熱炉としては、製造能力等の要件に応じて、各種の加熱方式によるものを適宜選択して用いることができる。
【0014】
前記微粒子製造用原料は、金属または非金属を単体、もしくは化合物・混合物として含有する粉粒体であることが好ましい。
また、前記金属または非金属の化合物としては、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩、蓚酸塩、有機酸塩、ハロゲン化物、酸化物、燐化物、窒化物、水酸化物、水素化物、セレン化物、テルル化物、硅化物、硼化物、硫化物を含むことが好ましい。
【0015】
また、前記金属として、原子番号3〜6,11〜15,19〜34,37〜52,55〜60,62〜79および81〜83の元素よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましい。
また、前記加熱炉中の雰囲気は、還元雰囲気、不活性ガス雰囲気、もしくは酸化雰囲気であることが好ましい。
【0016】
このように、本発明に係る加熱炉への原料供給方法によって原料が供給された加熱炉内に、還元性ガス、不活性ガス、もしくは酸化性ガス等を導入して所定の温度範囲で処理することにより、加熱炉内を還元雰囲気、不活性ガス雰囲気、もしくは酸化雰囲気として熱分解を行わせることにより、所望の金属または非金属の、球形化したナノ粒子を製造することができるものである。
【0017】
なお、本発明に係る加熱炉への原料供給方法を実施するための装置としては、適宜の材料供給手段を有するジェットミルと、加熱炉、熱分解生成物の回収手段を備えた装置が好適に用い得る。ここで、前記ジェットミルとしては、円盤状の空洞として形成されるジェットミル本体と、このジェットミル本体のリング状の外壁に前記円盤状の空洞の中心に対して傾斜して配置され、前記円盤状の空洞に高速の気体流を生じさせる複数のエアノズルと、前記ジェットミル本体の前記円盤状の空洞の略中央部に配置される出口とを有し、前記円盤状の空洞は、前記外壁の内側に配置され、前記複数のエアノズルから供給される前記高速の気体流によって非粉砕物を粉砕するリング状の粉砕ゾーンと、この粉砕ゾーンの内側に配置されるとともに前記出口の空間に連通し、前記粉砕ゾーンの内側に配置され、前記粉砕ゾーンの内側に位置する、前記気体流によって被粉砕物を分級する分級ゾーンと、前記粉砕ゾーンと前記分級ゾーンとの間に配置され、前記粉砕ゾーンと前記分級ゾーンとを分割するとともに連通するリング状の狭隘路を有するものを用いることが好ましい。
【0018】
また、前記ジェットミルとしては、さらに、前記分級ゾーンとその内側に配置される前記出口との間に配置され、前記分級ゾーンと前記出口の空間とを分割するとともに連通するリング状の第2の狭隘路を有するものを用いることが好ましい。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、よりシャープな粒径分布を持った微粒子(ナノ粒子)を効率的に製造することが可能な微粒子製造装置に好適に用い得る、加熱炉への微粒子製造用原料供給方法を実現できるという顕著な効果を奏する。
【0020】
より具体的には、本発明は、後述する実施形態により示される、加熱炉への微粒子製造用原料供給装置のような構成を有する装置を用いることにより、好適に実施することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、図面に示す好適実施形態に基づいて、本発明を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る加熱炉への微粒子製造用原料供給方法を適用した熱プラズマによる熱分解法を用いる微粒子製造装置50の全体構成を示す模式図である。また、図2は、図1中に示したプラズマトーチ52付近の部分拡大図である。
【0022】
なお、ここで用いる熱プラズマによる熱分解法は、気相法の中の一つであり、熱プラズマ中で原材料を熱分解させて、微粒子を製造する方法である。この方法は、クリーンで生産性が高く、高温で熱容量が大きいため高融点材料にも対応可能であり、他の気相法に比べて複合化等も比較的容易であるといった多くの利点を有するため、微粒子を製造する方法として好適に利用することができる。
【0023】
図1に示す微粒子製造装置50は、熱プラズマ炎を発生させるプラズマトーチ52と、微粒子製造用材料をプラズマトーチ52内へ供給する材料供給装置54と、微粒子58を生成するための冷却槽としての機能を有するチャンバ56と、生成した微粒子58を回収する回収部60と、冷却用の気体をチャンバ56内に導入し、熱プラズマ炎64に向けて射出する気体導入装置68とを含んで構成されている。
【0024】
図2に示すプラズマトーチ52は、石英管52aと、その外側を取り巻く高周波発振用コイル52bとで構成されている。プラズマトーチ52の上部には、微粒子製造用材料とキャリアガスとをプラズマトーチ52内に導入するための後述する導入管54fがその中央部に設けられており、プラズマガス導入口52cがその周辺部(同一円周上)に形成されている。
【0025】
プラズマガスは、プラズマガス供給源62(図1参照)から上記プラズマガス導入口52cへ送り込まれる。プラズマガスとしては、例えばアルゴン、窒素、水素、酸素等が挙げられる。プラズマガス供給源62には、例えば2種類のプラズマガスが準備されている。プラズマガスは、プラズマガス供給源62からリング状に配置されたプラズマガス導入口52cを介して、矢印Pで示されるように、プラズマトーチ52内に送り込まれる。そして、高周波発振用コイル52bに高周波電圧が印加されることによって、熱プラズマ炎64が発生する。
【0026】
なお、石英管52aの外側は、同心円状に形成された管(図示されていない)で囲まれており、この管と石英管52aとの間に冷却水を循環させて石英管52aを冷却し、プラズマトーチ52内で発生した熱プラズマ炎64により石英管52aが高温になりすぎるのを防止している。
【0027】
材料供給装置54は、管66と導入管54fを介してプラズマトーチ52の上部に接続されており、微粒子製造用材料を分散させてプラズマトーチ52内へ導入する。本態様では、ジェットミル72により解砕・粉砕・分散された粉末材料を用いる。すなわち、後述するように、粉末状にされた微粒子製造用材料(以下、これを粉末材料ともいう)が、ジェットミル72により材料供給装置54から供給される。
【0028】
材料供給装置54は、微粒子製造用材料54aを入れる容器54bと、容器54b中の微粒子製造用材料54aを攪拌する攪拌機54cと、導入管54fを介して微粒子製造用材料54aを後に詳述するジェットミル72内に供給するためのスクリューフィーダ54dと、微粒子製造用材料54aを解砕・粉砕・分散ための上記ジェットミル72と、噴出ガスを供給する噴出ガス供給源54eと、この噴出ガスにより粉末材料をプラズマトーチ内部に導入する導入管54fとを含んで構成されている。
【0029】
噴出ガス供給源54eから送られる噴出ガスが、粉末材料と共に、図2中に矢印Gで示されるように導入管54fを介してプラズマトーチ52内の熱プラズマ炎64中へ供給される。導入管54fは、粉末材料をプラズマトーチ内の熱プラズマ炎64中に噴出するためのノズル機構を有しており、これにより、粉末材料をプラズマトーチ52内の熱プラズマ炎64中に噴出することができる。ここで、噴出ガスには、アルゴン,窒素,水素,酸素,空気等が単独または適宜組み合わせて用いられる。
【0030】
一方、図1に示したように、プラズマトーチ52の下方に隣接してチャンバ56が設けられている。プラズマトーチ52内の熱プラズマ炎64中に噴出された粉末材料は、高温により熱分解して、より微粒子化され、その直後に後述するようにしてチャンバ56内で急冷され、微粒子58が生成される。つまり、チャンバ56は冷却槽としての機能をも有する。
【0031】
ところで、前述のように、本実施形態に係る微粒子製造装置は、上記微粒子58を、その凝集を防止するために急冷することを主たる目的とする気体導入装置68を備えている。以下、この気体導入装置68について説明する。
【0032】
図1に示す気体導入装置68は、熱プラズマ炎64の尾部に向かって、図1中に矢印Qで示される所定の角度で気体を射出する気体射出口と、同じく図1中に矢印Rで示されるようにチャンバ56の内側壁に沿って上方から下方に向かって気体を射出する気体射出口と、チャンバ56内に導入される気体に押し出し圧力をかけるコンプレッサ68aと、チャンバ56内に導入される上記気体の供給源68bと、これらを接続する管68cとから構成されている。
なお、コンプレッサ68aと気体供給源68bは、管68cを介してチャンバ56の天板57に接続されている。ここで、熱プラズマ炎64の尾部とは、プラズマガス導入口52cと反対側の熱プラズマ炎の端、つまり、熱プラズマ炎の終端部である。
【0033】
上述のチャンバ56に供給される気体の供給量について説明する。前述の、微粒子58を急冷するのに十分な供給量とは、例えば、前記気相中の微粒子58を急冷するのに必要な空間を形成するチャンバ内に導入する気体のチャンバ56内における平均流速(チャンバ内流速)を、0.001〜60m/secとすることが好ましく、0.5〜10m/secとすることがより好ましい。これは、熱プラズマ炎64中に噴出され熱分解された微粒子58を急冷することにより、生成した微粒子58同士の衝突による凝集を防止するのに十分な気体の供給量であり、現実的には、チャンバ56の形状や大きさによりその値を適宜定めるのがよい。
【0034】
なお、図1に示したチャンバ56の側壁に設けられている圧力計56pは、チャンバ56内の圧力を監視するためのものであり、前述のようにチャンバ56内に供給される気体量の変動等を検知し、系内の圧力を制御するためにも用いられる。
【0035】
図1に示すように、チャンバ56の側方には、生成された微粒子58を回収する回収部60が設けられている。回収部60は回収室60aと、この回収室60a内に設けられたフィルタ60bと、回収室60a上部に設けられた管60cを介して接続された真空ポンプ(図示されていない)とを備える。生成された微粒子58は、上記真空ポンプで吸引されることにより、回収室60a内に引き込まれ、フィルタ60b表面で留まった状態になって回収される。
【0036】
次に、本実施形態に係る微粒子製造装置の特徴的構成である材料供給装置54について説明する。
図3は、本実施形態において用いられている材料供給装置54としてのジェットミル72を概念的に示す平面断面図であり、図4は、図3に示すジェットミルの側断面図であり、図5は、その具体的な構造の一例を示す側断面図である。
【0037】
図3〜図5に示すように、本実施形態において用いられるジェットミル72は、円盤(円筒または中空円板)状のジェットミル本体2のリング状の(円筒状)の外壁4にその接線(または中心線)に対して傾斜して配置されたエアノズル6から内側に向けて供給される高速の気体流によって、ジェットミル本体2内の粉砕室8の内部で被粉砕物を粉砕するものである。なお、気体流は一般に空気を用いればよいが、後工程の加熱炉での反応を考慮して適宜他の気体を用いてもよく、さらに加熱炉の温度を低下させないために気体を加熱しておくのが好ましい。粉砕室8は、ジェットミル本体2を形成する円板状の上板(上ケーシング)10と下板(下ケーシング)12との間および外壁4と出口パイプ32との間に囲まれたジェットミル本体2の内部の円盤状(リングドーナツ状または円筒状)の空洞(内部空間)として形成されている。そして、上板10と下板12および外壁4は、図5に示すように、気体や粉砕された被粉砕物の微粉末が外部に漏洩しないように、Oリングなどのシール材でシールされている。
【0038】
エアノズル6は、図3に示されているように、ジェットミル本体2の環状の外壁4に複数個が等間隔でその接線に対して傾斜して設けられており、このエアノズル6から供給される気体流が粉砕室8の内部に高速で噴出し、主に、それが持つ剪断作用により被粉砕物が粉砕される。また、その気体流が粉砕室8の内部で高速で旋回することによって、粉砕室8の内部に供給された被粉砕物も高速で旋回し、この旋回運動によって被粉砕物が相互にあるいは粉砕室8の壁面と衝突することによっても粉砕される。
【0039】
図示しない圧縮気体源から供給される圧縮気体が図示しない管路を経て供給され、エアノズル6で絞られて高速の気体流となり、この高速の気体流が粉砕室8の内部に噴出される。ここで、外壁4に傾斜して配置されるエアノズル6の角度は、環状の外壁4の接線に対して10〜50度(中心線に対して80〜40度)、より好ましくは20〜40度(中心線に対して70〜50度)とする。また、エアノズル6の数は、少なくとも4個以上あることが好ましく、ジェットミル本体2の大きさによっても異なるが、外壁4に配置されるエアノズル6のピッチがおおむね160mmを超えないことが好ましい。
【0040】
被粉砕物(粉末材料)は、エアノズル6と同様に、ジェットミル本体2の外壁4に対してほぼ同じ角度で傾斜して設けられた供給口14から供給される。この実施形態では、供給口14は、図5に詳細に示すように、被粉砕物を供給するためのロート16と、被粉砕物を粉砕室8に供給するための気体を供給する供給ノズル18,ロート16から供給された被粉砕物と供給ノズル18から供給された気体とを混合して粉砕室8の内部に供給するディフューザ20とからなっており、図示しない被粉砕物の供給装置から適正な量の被粉砕物がロート16に供給される。
【0041】
ロート16に供給された被粉砕物は、供給ノズル18から吹き込まれる高速の気体流によって、ディフューザ20を通って粉砕室8の内部に供給される。粉砕室8の内部に供給された被粉砕物は、エアノズル6から噴出する高速の気体流によって主に粉砕され、また、ディフューザ20から被粉砕物とともに噴出した気体流とエアノズル6から供給された気体流とによって、粉砕室8の内部を高速で旋回し、被粉砕物が相互に、あるいは粉砕室8の内部の壁面に衝突して微粉末に粉砕される。
【0042】
本実施形態のジェットミルでは、リングドーナツ状の空洞として形成された粉砕室8の半径方向の幅のほぼ中間の位置に、粉砕室8の内部に形成されたリング状の障壁である分級リング22,24が配置されており、粉砕室8を外側の円環(リングドーナツ)状の粉砕ゾーン26と内側の円環(リングドーナツ)状の分級ゾーン28とに分割している。そして、これらの分級リング22と24との間の間隙によって、本態様の特徴とする第1の狭隘路となる分級リングチャネル23が形成され、分割された粉砕ゾーン26と分級ゾーン28とを連通している。なお、このリング状の障壁である分級リング22,24は、ジェットミル本体2の内側に空洞として形成された粉砕室8の上面と下面とに所定の間隔(分級リングチャネル23の開口幅)を隔てて配置されており、ジェットミル本体2の上板10に上側の分級リング22が、ジェットミル本体2の下板12に同じ径で略対称となる形状の下側の分級リング24が固定されて、外側の粉砕ゾーン26と内側の分級ゾーン28とに分割するとともに連通するリング状の障壁となっている。
【0043】
すなわち、本態様の狭隘路となる分級リングチャネル23は、リング状の障壁となる上下の分級リング22と24との間の空間によって構成され、分級リング22および24によって分割された粉砕ゾーン26と分級ゾーン28とを連通する。
ここで、本態様においては、分級リング22および24として、両者の間隔(分級リングチャネル23の開口幅)が種々の間隔となるものを用意しておき、ジェットミル本体2の粉砕室8に配置する分級リング22および24を交換することにより、被粉砕物などに応じて分級リング22および24の間隔(すなわち、分級リングチャネル23の開口幅)を適切な間隔に容易に調整することができる。
【0044】
この粉砕室8に配置される分級リング22および24の粉砕ゾーン26側の壁面は、図4および図5に示すように、衝突した被粉砕物が、粉砕ゾーン26に確実に戻されるように、隅部を中心に向かって凸の曲線で構成した形状、あるいは中心に向かって傾斜した面とすることが好ましい。
また、分級リング22および24の分級ゾーン28側の壁面は、図4および図5に示すように、分級リング22および24の間の分級チャネル23を通過した被粉砕物が、分級ゾーン28に滑らかに流入するように、隅部を中心に向かって凸の曲線で構成した形状あるいは中心に向かって傾斜した面とすることが好ましい。
【0045】
また、本態様のジェットミルでは、分級ゾーン28の内側に出口リングチャネル30が配置されている。本実施形態では、出口リングチャネル30としては、粉砕室8の上板10の中央に配置された出口パイプ(円管)32の下端の突出部32aと、出口パイプ32の下端の直径とほぼ同じ直径であって粉砕室8の下板12の中央に配置された円板34とによって構成され、出口パイプ32の突出部32aの下端と円板34の上面とが所定の間隔を隔てて配置され、突出部32aの下端と円板34の上面との間の空間によって形成されている。
【0046】
ここで、粉砕室8を形成する上板10の中央に配置された出口パイプ32の下端の突出部32aについては、粉砕室8(分級ゾーン28)内への突出部32aの突出量を可変に構成して、出口リングチャネル30の開口幅を調整することも可能である。この具体例を図5を用いて説明する。すなわち、ジェットミル本体2の上ケーシングを、リング状の上板10と、この上板10に取り付けられ、出口パイプ32を上下動可能に支持する支持ブロック11とで構成し、出口パイプ32の外周面に形成された高さ調整用ねじ32bと螺合する雌ねじ部11aを支持ブロック11に形成しておくことにより、出口パイプ32を回転させて、その外周面に設けられている高さ調整用のねじ32bを螺合する支持ブロック11の雌ねじ部11aに対して前進または後退させることにより、出口パイプ32を上下動させ、出口パイプ32の下端の突出部32aの、粉砕室8(分級ゾーン28)内への(支持ブロック11の下側の内壁面または下端部からの)突出量を任意の量に調整して、出口リングチャネル30の開口幅(間隔)を調整することが可能である。
【0047】
この出口リングチャネル30は、粉砕室8の上板10から粉砕室8側へ突出したパイプ32の突出部32aや、粉砕室8の下板12の中央に固定された円板34によって形成されるものに限定されるものではなく、例えば、円板34に代えて、図6(a),(b)に示すように、粉砕室8の下板12の中央に設けられた短円管状の突起(短円管)35にするなど、任意の形状の部材を用いることができる。
なお、上板10、外壁4および下板12は、複数本のボルトおよびナットやねじやビス等の固定具により、それらの外側から複数箇所で固定され、支持ブロック11の上板10への固定、分級リング22の上板10への固定および分級リング24の下板12への固定には、複数本のボルトやねじやビス等の固定具を用いることができる。
【0048】
本実施形態のジェットミルは、このように構成されているので、被粉砕物は、粉砕室8の外側の粉砕ゾーン26に供給され、エアノズル6から噴出する高速の気体流によって、主に粉砕され、また、供給ノズル18から供給され、ディフューザ20から被粉砕物とともに噴出した気体流とエアノズル6から供給された気体流とによって、粉砕室8の粉砕ゾーン26を高速で旋回し、被粉砕物が相互に、あるいは粉砕ゾーン26における粉砕室8の内部の壁面に衝突して微粉末に粉砕される。
【0049】
そして、所定の粒度に粉砕された微粉末は、粉砕室8の内部を旋回する気体流に乗って浮遊し、粉砕ゾーン26から分級リング22と24との間の空間である分級リングチャネル23を通って排出される気体流に乗って粉砕室8の分級ゾーン28に流入する。このとき、粒子の粗い被粉砕物は、旋回する気体流によって生じる遠心力が大きいので粉砕ゾーン26に留まり、所定の粒度以下に粉砕された微粉末のみが分級リングチャネル23を通って分級ゾーン28に流入する。分級ゾーン28に流入した被粉砕物の微粉末は、分級ゾーン28を旋回する粉砕ゾーン26よりも整流された気体流に乗って浮遊し、混在している粒子の粗い被粉砕物を残して、所定の粒度分布に揃えられ、出口リングチャネル30を通り抜け、出口パイプ32から外部に排出される気体流とともに外部に排出され、微粉体材料として、後述する熱分解工程に送られる。
【0050】
分級ゾーン28内では、この領域に入ってきた粒子は、何度も分級ゾーン28内を旋回することで、より微粉に近い粒子は、気流とともにジェットミル72外に出て行き、粗粉に近い粒子は分級ゾーン28と粉砕ゾーン26との間を行き来するように動作して、粉砕ゾーン26に来るたびに粉砕される。これにより、多段粉砕分級の効果が得られ、より精度の高い分級が行われことになる。
【0051】
以下では、このような多段粉砕分級が行われるジェットミル72から排出される微粉体材料を、プラズマトーチ52、冷却槽としての機能を有するチャンバ56、生成した微粒子58を回収する回収部60等を備える熱プラズマによる熱分解法を用いる微粒子製造装置50内に供給して、シャープな粒径分布を持った微粒子(ナノ粒子)を効率的に製造する工程について説明する。
なお、ここでは、微粒子製造用原料(粉末材料)としてチタン酸バリウムを用いる例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0052】
材料供給装置54として、図3〜図5に示したジェットミル72を含むものを用い、平均粒径0.7μmのチタン酸バリウム粒子を解砕・粉砕・分散して、微粒子製造装置50内で熱プラズマにより熱分解し、微粒子(ナノ粒子)を製造した。ここで、ジェットミル72のエアノズル6から供給される圧縮空気の圧力を0.6MPa、原料供給量を1.5kg/hとした。
【0053】
微粒子製造装置50内での熱プラズマ炎64の温度は、熱分解する原材料(粉末材料)に応じて温度を適宜選択してよい。ここでは、熱プラズマ炎64の温度は8,000℃としている。
また、プラズマトーチ52内における圧力雰囲気は、大気圧以下であることが好ましい。ここで、大気圧以下の雰囲気については、特に限定されないが、例えば5〜750Torrとすることが考えられる。
【0054】
熱プラズマ炎64中で熱分解した原材料(粉末材料)を、チャンバ56内で急冷することにより、微粒子58が生成される。より詳細には、熱プラズマ64中で熱分解した原材料(粉末材料)が、チャンバ56の天板57に設けられている気体射出口を介して所定の角度および供給量で熱プラズマ炎64に向かって矢印Qで示される方向に射出される気体によって急冷され、微粒子58が生成される。
【0055】
生成直後の微粒子同士が衝突し、凝集体を形成することで粒径の不均一が生じると、品質低下の要因となる。これに対し、本態様に係る微粒子製造装置においては、前述の気体射出口を介して所定の角度および供給量で熱プラズマ炎の尾部(終端部)に向かって矢印Qで示される方向に射出される気体が、微粒子58を希釈することで、微粒子同士が衝突し凝集することを防止する。この希釈作用は、粒子径の微細化、および粒子径の均一化の両面に作用しており、このことは本態様の大きな特徴である。
【0056】
一方、導入気体は、気体射出口を介してチャンバ56内壁に沿って、図1に示す矢印Rの方向に上部から下部へも射出される。これによって、微粒子の回収の過程において、微粒子58がチャンバ56の内壁に付着することを防止し、生成した微粒子58の収率を向上させることができる。
最終的に、チャンバ56内で生成した微粒子58は、管60cに接続された真空ポンプ(図示されていない)により吸引され、回収部60のフィルタ60bで回収される。
【0057】
以下に、本発明の効果を具体的に示すために、先に詳述した、本発明の一実施形態に係る加熱炉への微粒子製造用原料供給方法を適用した熱プラズマによる熱分解法を用いる微粒子製造装置50を用いた場合と、この微粒子製造装置50においてジェットミルをエジェクターに替えた以外は同様の微粒子製造装置を用いた場合において製造される微粒子の粒子サイズ分布を説明する。
【0058】
図7(a)〜(c)は、その結果を示すSEM(走査電子顕微鏡)写真であり、(a)が原料粒子を示す図、また、(b)は比較例として上述のジェットミルに替えてエジェクターを用いる微粒子製造装置を用いた場合、(c)は本発明の一実施形態に係る加熱炉への微粒子製造用原料供給方法を適用した熱プラズマによる熱分解法を用いる微粒子製造装置50を用いた場合における、製造された微粒子を示す図である。
【0059】
図から明らかな通り、エジェクターを用いる微粒子製造装置を用いた場合には、大きな粒子(粗大粒子)が多数混在しているのに対して、本発明の一実施形態に係る熱プラズマによる熱分解法を用いる微粒子製造装置50を用いた場合には、このような粗大粒子は全く見られない。
このことからも、本発明の効果は明らかである。
【0060】
なお、上記比較実験に用いた微粒子製造装置50、および、比較に用いた一般的な微粒子製造装置の概略諸元は、下記の通りである。
微粒子製造装置50におけるスクリューフィーダ:FCμM−200F(日清エンジニアリング社製)、ジェットミル:SJ−100CB(日清エンジニアリング社製)、熱プラズマ装置:RF高周波誘導熱プラズマ装置300KVA(電気興業社製)
比較に用いたエジェクター:DN−154(日清エンジニアリング社製)
【0061】
図8は、本発明の一実施形態に係る加熱炉への微粒子製造用原料供給方法を適用した熱プラズマ法による微粒子製造装置の他の構成例を示す模式図である。
本実施形態に示す微粒子製造装置80は、図1に示した微粒子製造装置50と同一構成の材料供給装置54内のジェットミル72の材料出口パイプから供給される粉末材料を、加熱装置としての電気炉82内に供給し、ここで所定条件での熱分解を行った後、冷却部84により冷却して、回収部60内に回収するというものである。
【0062】
なお、上記実施形態においては、先の実施形態とは異なり、加熱装置として電気炉84を用いているが、加熱装置はこれに限られるものではなく、他の方式による加熱装置を、適宜選択して用いてもよいことはいうまでもない。
【0063】
また、材料供給装置54内に配置されるジェットミルとしても、例えば、図9に示すような構造を採用することにより、部品点数を大幅に減少させたジェットミル88を、好適に用いることが可能である。
【0064】
図9に示したジェットミル88の特徴的構成は、分級リングチャネル(第1の狭隘路)40,出口リングチャネル(第2の狭隘路)42を、それぞれ、上部ブロック36,下部ブロック38の形状を変形・改良することにより、これらの部材と一体的に構成して、構造を簡略化したものである。例えば、図9に示したジェットミル88中の符号39aで示されている突出部は、図5に示したジェットミル72の出口リングチャネル30を構成する円板34に代えて、下部ブロック38の一部を変形したものである。
【0065】
なお、上記実施形態は、本発明に係る加熱炉への微粒子製造用原料供給方法を適用した熱分解法を用いる微粒子製造装置の一例を示したものであり、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲内において、種々の変更や改良を行ってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】本発明の一実施形態に係る加熱炉への微粒子製造用原料供給方法を適用した微粒子製造装置の全体構成を示す模式図である。
【図2】図1中に示したプラズマトーチ付近の部分拡大図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るジェットミルの構成を概念的に示す平面断面図である。
【図4】図3に示すジェットミルの側断面図である。
【図5】図3に示すジェットミルの具体的な構造の詳細例を示す側断面図である。
【図6】図3に示すジェットミルに用いられる出口リングチャネルの構成部材の別の構成例の要部を示す図で、図5中の円Aで囲んだ部分の詳細を示しており、(a)は断面図、(b)は斜視図である。
【図7】本発明の一実施形態に係る微粒子製造装置と一般的な微粒子製造装置とにより製造した微粒子の粒子サイズ分布の比較結果を示すSEM写真である。
【図8】本発明の一実施形態に係る加熱炉への微粒子製造用原料供給方法を適用した微粒子製造装置の他の構成例を示す図である。
【図9】ジェットミルの他の構成例を示す側断面図である。
【符号の説明】
【0067】
2 ジェットミル本体
4 外壁
6 エアノズル
8 粉砕室
10 上板
11 支持ブロック
11a 雌ねじ部
12 下板
14 供給口
16 ロート
18 供給ノズル
20 ディフューザ
22,24 分級リング
23,40 分級リングチャネル(第1の狭隘路)
26 粉砕ゾーン
28 分級ゾーン
30,42 出口リングチャネル(第2の狭隘路)
32 出口パイプ
32a,37a,39a 突出部
32b 高さ調整用ねじ
34 円板
35 短円管状の突起(短円筒)
36 上部ブロック
38 下部ブロック
50,80 微粒子製造装置
52 プラズマトーチ
52a 石英管
52b 高周波発振用コイル
52c プラズマガス導入口
54 材料供給装置
54a 微粒子製造用材料
54b 容器
54c 攪拌機
54d スクリューフィーダ
54e 噴出ガス供給源
54f 導入管
56 チャンバ
56p 圧力計
57 天板
58 微粒子
60 回収部
60a 回収室
60b フィルタ
60c 管
62 プラズマガス供給源
64 熱プラズマ炎
64 管
68 気体導入装置
68a コンプレッサ
68b 気体供給源
68c 管
72,88 ジェットミル
82 加熱炉
84 冷却部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
微粒子製造用原料を加熱炉へ供給するための加熱炉への原料供給方法であって、
前記微粒子製造用原料をジェットミルによって解砕・粉砕・分散した後に、前記加熱炉へ供給することを特徴とする加熱炉への原料供給方法。
【請求項2】
前記微粒子製造用原料は、金属または非金属を単体、もしくは化合物・混合物として含有する粉粒体である請求項1に記載の加熱炉への原料供給方法。
【請求項3】
前記金属または非金属の化合物としては、炭酸塩、硝酸塩、硫酸塩、燐酸塩、蓚酸塩、有機酸塩、ハロゲン化物、酸化物、燐化物、窒化物、水酸化物、水素化物、セレン化物、テルル化物、硅化物、硼化物、硫化物を含む請求項2に記載の加熱炉への原料供給方法。
【請求項4】
前記金属または非金属として、原子番号3〜6,11〜15,19〜34,37〜52,55〜60,62〜79および81〜83の元素よりなる群から選ばれる少なくとも1種を含む請求項1〜3のいずれかに記載の加熱炉への原料供給方法。
【請求項5】
前記加熱炉中の雰囲気は、還元雰囲気、不活性ガス雰囲気、もしくは酸化雰囲気である請求項1〜4のいずれかに記載の加熱炉への原料供給方法。
【請求項6】
前記ジェットミルとして、
円盤状の空洞として形成されるジェットミル本体と、このジェットミル本体のリング状の外壁に前記円盤状の空洞の中心に対して傾斜して配置され、前記円盤状の空洞に高速の気体流を生じさせる複数のエアノズルと、前記ジェットミル本体の前記円盤状の空洞の略中央部に配置される出口とを有し、前記円盤状の空洞は、前記外壁の内側に配置され、前記複数のエアノズルから供給される前記高速の気体流によって非粉砕物を粉砕するリング状の粉砕ゾーンと、この粉砕ゾーンの内側に配置されるとともに前記出口の空間に連通し、前記粉砕ゾーンの内側に配置され、前記粉砕ゾーンの内側に位置する、前記気体流によって被粉砕物を分級する分級ゾーンと、前記粉砕ゾーンと前記分級ゾーンとの間に配置され、前記粉砕ゾーンと前記分級ゾーンとを分割するとともに連通するリング状の狭隘路を有するものを用いる請求項1〜5のいずれかに記載の加熱炉への原料供給方法。
【請求項7】
前記ジェットミルとして、
さらに、前記分級ゾーンとその内側に配置される前記出口との間に配置され、前記分級ゾーンと前記出口の空間とを分割するとともに連通するリング状の第2の狭隘路を有するものを用いる請求項6に記載の加熱炉への原料供給方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図8】
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【図9】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−173979(P2009−173979A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−12062(P2008−12062)
【出願日】平成20年1月22日(2008.1.22)
【出願人】(000226954)日清エンジニアリング株式会社 (30)
【Fターム(参考)】