説明

加熱調理器

【課題】焼き過ぎや発煙を防止し、美味しく調理することに対して満足のいく加熱調理器を提供すること。
【解決手段】調理物を下方から加熱する載置皿の温度を直接検知し温度制御を正確かつ安定して行い、調理物の表面を焼きすぎることなく加熱調理するとともに、調理室内の温度を精度よく検知し温度制御することで、調理性能に優れ、安全で使いやすい、両面加熱が可能な加熱調理器を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般家庭で魚、肉等の調理物を加熱調理する加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の加熱調理器、例えば誘導加熱調理器においては、図6に示すように、50は厨房家具などに組み込まれたロースタ本体(以下、本体と略す)で、内部に表面をほうろう加工した調理室51を有し、調理室51の入口に扉52を取り付けている。調理室51内の上部にはヒータ53を固定し、調理室51の入口と反対面の後部壁面51aには調理室51内で発生した調理中の蒸気や煙を外部に排出するための煙突54を後方上部に向けて設けている。また調理室51の後部壁面51aには温度センサ55を有している。温度センサ55は、アルミニウムなどの金属板により絶縁チューブで被覆したサーミスタを保持してなるもので、調理室51の後部壁面51aに固定している。温度センサ55は駆動回路(図示せず)と電気的に接続している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−174345号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、前記従来の構成では、調理室の温度を測定しているのみであるため、オーブン調理に関しては比較的調理性能を確保できるが、グリルや焼き調理に関しては精度よく温度調節をしながら、焼き過ぎを防止し美味しく調理することに対して満足のいくものではないという課題を有していた。例えば魚などの焼き調理においては、調理室内の温度および載置皿表面の温度は出来る限り一定の温度で均一に焼くのが理想に近い焼き方とされている。これを実現するために調理室内の温度とヒータの温度を一定温度に制御することが、魚などを美味しく調理するために必要不可欠な要素である。
【0005】
また、異常加熱に対してより安全というわけではなく、調理室や載置皿の温度が異常温度となり感温動作のスイッチが動作した際には、調理物から流れ出た油が発煙したり、ヒータは非常に高温になっていることが考えられるという課題を有していた。
【0006】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、調理性能に優れ、安全で使いやすい加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記従来の課題を解決するために、本発明の加熱調理器は、調理物を収納する調理室と、調理物を載置する載置皿と、調理物を上方から加熱する第1の加熱手段と、調理室底面を加熱する第2の加熱手段と、前記載置皿の温度を接触検知する第1の温度センサと、前記調理室後部壁面または後部壁面近傍に第2の温度センサと、制御手段を有し、前記載置皿と前記調理室底面は熱的に接続され、調理物を上下から加熱調理するようにした加熱調理器としたものである。
【0008】
上記発明のように、載置皿の温度を直接検知することができるため、載置皿の温度制御を正確かつ安定して行うことができる。また、第2の温度センサにより調理室内の温度を正確に検知することができるため、調理室内での水蒸気の発生などによる温度変動に対し
、加熱手段への通電量を制御することで調理室内を一定温度に保つことができる。よって、魚などの焼き調理において、理想に近い焼き方とされる一定温度による均一焼きに対し、本発明のように両面焼きが可能な加熱調理器の場合、特に調理物と接触している載置皿の温度を一定温度に制御することで、魚などを美味しく調理することができる。
【0009】
また、温度センサは調理物から離れた部位に設置されるため、調理物から流れ出る油や飛沫などによって汚れが付着し難く、温度センサの検知精度低下の可能性が低い。
【0010】
よって、調理性能に優れ、安全で使いやすく、両面加熱ができる加熱調理器を提供することができるものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明の加熱調理器は、調理室内の温度と載置皿の温度を直接検知することができ、調理室内の温度制御と調理物を下方から加熱する載置皿の温度制御を正確かつ安定して行い、調理物の表面を焼きすぎることなくより均一温度で加熱調理することで、調理性能に優れ、安全で使いやすいものである。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施の形態1における加熱調理器の断面図
【図2】本発明の実施の形態1における加熱調理器のaa断面図
【図3】本発明の実施の形態1における加熱調理器と従来の加熱調理器における第1の温度センサと第2の温度センサの検知温度を比較したグラフ
【図4】焼き油が発煙する可能性のある領域の境界線と、調理物によって最低限必要な温度を示したグラフ
【図5】本発明の実施の形態1における加熱調理器と従来の加熱調理器における第1の温度センサの検知温度を比較したグラフ
【図6】従来の加熱調理器の断面図
【発明を実施するための形態】
【0013】
第1の発明は、調理物を収納する調理室と、調理物を載置する載置皿と、調理物を上方から加熱する第1の加熱手段と、調理室底面を加熱する第2の加熱手段と、前記載置皿の温度を接触検知する第1の温度センサと、前記調理室後部壁面または後部壁面近傍に第2の温度センサと、制御手段を有し、前記載置皿と前記調理室底面は熱的に接続され、調理物を上下から加熱調理するようにした加熱調理器としたものである。
【0014】
上記発明のように、載置皿の温度を直接検知することができるため、載置皿の温度制御を正確かつ安定して行うことができる。また、第2の温度センサにより調理室内の温度を正確に検知することができるため、調理室内での水蒸気の発生などによる温度変動に対し、加熱手段への通電量を制御することで調理室内を一定温度に保つことができる。よって、魚などの焼き調理において、理想に近い焼き方とされる一定温度による均一焼きに対し、本発明のように両面焼きが可能な加熱調理器の場合、特に調理物と接触している載置皿の温度を一定温度に制御することで、魚などを美味しく調理することができる。
【0015】
また、温度センサは調理物から離れた部位に設置されるため、調理物から流れ出る油や飛沫などによって汚れが付着し難く、温度センサの検知精度低下の可能性が低い。
【0016】
よって、調理性能に優れ、安全で使いやすく、両面加熱ができる加熱調理器を提供することができるものである。
【0017】
第2の発明は、特に第1の発明における載置皿底面と前記調理室底面は平面形状とした
加熱調理器とすることにより、接触面積を広くできることで調理室底面から載置皿底面への熱伝導をスムーズにし加熱効率を向上させることができる。また、調理室底面は平面形状のため加熱中に調理物から飛散した飛沫などが加熱壁に付着した場合においても、容易に清掃することができ清潔に保つことができる。
【0018】
第3の発明は、特に第1または2の発明における加熱調理器に電流遮断手段を設け、前記電流遮断手段が動作して前記第1の加熱手段および第2の加熱手段への通電を停止するときの前記調理室内温度は、前記第2の温度センサによって前記第1および第2の加熱手段への通電を制御するときの前記調理室内温度より高い値に設定した加熱調理器とすることにより、電流遮断手段の方が第2の温度センサより先に動作することがない。また、ON/OFF温度の差を小さく設定した温度センサを用いて駆動回路を制御することにより、調理性能を低下させることなく加熱することができる。また、第2の温度センサが故障した場合には電流遮断手段が動作して異常加熱を停止することができ、安全性を高めることができる。
【0019】
第4の発明は、特に第1〜3の発明における載置皿の温度を、250℃以下に制御する加熱調理器とすることにより、調理物から流れ出て載置皿に溜まった油から発煙して、調理性能を悪化させることがない加熱調理器とすることができる。
【0020】
第5の発明は、特に第1〜3の発明における載置皿の温度を、200〜250℃に制御する加熱調理器とすることにより、調理物から流れ出て載置皿に溜まった油からの発煙を抑制するとともに、グリル調理において調理性能を十分に確保できる温度での加熱とすることで調理性能に優れた加熱調理器とすることができる。
【0021】
第6の発明は、特に第3の発明における電流遮断手段は、自動または手動復帰式のサーモスタットである加熱調理器とすることにより、簡単な構成で、設定された温度で確実に電流を遮断することができる。また、給電を自動または手動で復帰することができるので、温度が低下した際には容易に通常運転に戻すことができる。
【0022】
第7の発明は、特に第3の発明における電流遮断手段は、自動復帰式のサーモスタットと温度ヒューズの組合せとし、前記サーモスタットの方が温度ヒューズより応答が速い加熱調理器とすることにより、温度が低下した際には容易に通常運転に戻すことができるとともに、温度が低下しない場合には、サーモスタットが自動的に遮断と復帰を繰り返す間に温度ヒューズの温度が上昇し、温度ヒューズが溶断することで確実に電流を遮断することができる。
【0023】
第8の発明は、特に第1の発明における第1の温度センサと第2の温度センサはシース熱伝対とし、シース熱伝対先端部分を黒体塗装した加熱調理器とすることにより、発熱部の温度を直接測定するような高温での使用においても、耐久性と繰り返し信頼性に優れ、また輻射熱を効果的に受熱することで、温度検知精度が向上するものである。
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0025】
(実施の形態1)
図1は、本発明の第1の実施の形態における加熱調理器の断面図を示したものである。図2は、本発明の第1の実施の形態における加熱調理器のaa拡大断面図である。
【0026】
図1において、1は加熱調理器の本体であり、魚等の調理物2を焼く調理室3を有する。前面にハンドル4を設けており、このハンドル4を操作することにより調理室3前後に
スライドするものである。
【0027】
5は調理物2を上部から加熱する第1の加熱手段であり、マイカにフィルム状ヒータ線を螺旋状に巻きつけた平面ヒータ6を、調理室3の上面7に圧接して固定されている。加熱壁7の表面は放射率を高める表面処理(セラミック塗装)が施され、調理物2への放射による加熱効率を高めている。
【0028】
8は調理物2を下部から加熱する第2の加熱手段であり、マイカにフィルム状ヒータ線を螺旋状に巻きつけた平面ヒータ9を、調理室3の底面10に圧接して固定されている。
【0029】
11は調理物2を載置する載置皿である。載置皿11は、底面が平面形状で調理物を載置する載置面が波状に形成され外周には壁面が形成されている。載置皿11は、ハンドル4を操作することにより調理室3内外を前後にスライドし、調理室3内に底面10と面接触した状態でセットされる。載置皿11は、蓄熱性および耐熱性に優れた効果を有する鋳鉄を用いた。なお、鋳鉄に限定されるものではなく、蓄熱性および耐熱性に優れた材質であれば、ステンレスやアルミニウムなどを加工したものであってもよい。
【0030】
調理室3後部壁面には、バイメタルなどで構成されたオンオフ幅の大きいサーモスタットからなる電流遮断手段12と第1の温度センサ13が取り付けられている。電流遮断手段12と第1の加熱手段5および第2の加熱手段8は電源(図示しない)と電気的に直列接続されている。
【0031】
調理室3下部には、第2の温度センサ14が載置皿11に圧接して設けられている。温度センサ12と温度センサ14は、Kタイプの熱伝対をセラミックスなどの絶縁材で電気的に絶縁されたものを、ステンレスなどの金属により被覆したものを用いた。
【0032】
ここで、第1の温度センサ13と第2の温度センサ14の温度が所定の値になると駆動回路(図示しない)より第1の加熱手段5および第2の加熱手段8への通電を制御する機能を有しており、さらに、電流遮断手段12が動作して第1の加熱手段5および第2の加熱手段8への通電を停止するときの調理室3内の温度を、温度センサ13と第2の温度センサ14によって第1の加熱手段5および第2の加熱手段8への通電を制御するときの調理室3内の温度より高い値に設定している。
【0033】
以上のように、第1の温度センサ13および第2の温度センサ14に関する温度を制御するために制御手段(図示しない)を設けている。本実施の形態では、載置皿の温度を約250℃に温調した。
【0034】
以上のように構成された加熱調理器について、以下その動作、作用を説明する。
【0035】
まず、グリル調理の際、使用者がハンドル4を引き出すと、それと連動して載置皿11が調理室3からスライドして引き出される。そこで載置皿11に魚等の調理物2を載せ、ハンドル4を押し、スライドさせて調理室3内に収納する。この時、載置皿11は調理室3内に底面10と面接触した状態でセットされる。その後、図示しない操作部を操作することにより、調理物2を加熱する調理工程が開始し、制御手段は第1の加熱手段5と第2の加熱手段8に通電し温度上昇工程が開始する。
【0036】
この工程では、平面ヒータ6の熱が上面7に伝熱し上面7の温度が上昇し続けるとともに、平面ヒータ9の熱が底面10に伝熱しさらに載置皿11に伝熱することで載置皿11の温度が上昇し続ける。
【0037】
そして、第1の温度センサ13と第2の温度センサ14からの入力信号によって、調理室3と載置皿11との温度が調理所定温度(例えば、調理室3は約250℃、載置皿11は約250℃)まで上昇したことを検知すると、温度維持工程に移行し第1の加熱手段5と第2の加熱手段8へのデューティ制御を開始する。
【0038】
魚などの焼き調理においては、出来る限り一定の温度で均一に焼くのが理想に近い焼き方とされ、本実施の形態のように両面焼きが可能な加熱調理器の場合、特に載置皿11の温度を一定温度に制御するとともに、調理室3の温度を一定に保つことが魚などを美味しく調理するために必要不可欠な要素である。
【0039】
図3は、従来と本実施の形態の加熱調理器における第1の温度センサ13と第2の温度センサ14の検知温度を比較したグラフである。加熱条件は、調理室3内に調理物としてさんまを入れて魚焼きの調理シーケンスで行った。図3において、T1は図5に示す従来の加熱調理器において、第2の加熱手段を追加し両面焼きができるようにしたもので調理室の温度を熱伝対により検知し、検知温度の経時変化を示したものである。T2は本実施の形態における第1の温度センサ13の経時変化を示したものである。T3は本実施の形態における第2の温度センサ14の経時変化を示したものである。
【0040】
図3に示すように、従来例では調理室3後部壁面に取り付けられた温度センサのみによって、第1の加熱手段及び第2の加熱手段への通電を制御しているため、調理物を一定温度で加熱調理することができない。すなわち魚の下面に焼き色をつけるために、加熱初期に第1の加熱手段の温度を高温にし、次第に温度を低下させる焼き方にしている。このように、従来例では、魚を一定の温度で均一に焼くことが不可能となる。
【0041】
一方、本実施の形態における加熱調理器では、加熱初期から載置皿11の温度を約250℃になるように制御するとともに、調理室3の温度も250℃の一定温度に制御することで、魚の下面に適度な焼き色をつけ美味しく調理している。
【0042】
ここで、調理物から流れ出た焼き油の発煙がどのようになるか、さんまを調理して発煙評価を行った。
【0043】
図4は、載置皿11の温度と焼き油が発煙する可能性のある領域の境界線を実線で示すグラフで示し、調理物によっては最低限必要な温度を破線で示したものである。図4に示すように、載置皿11の温度が250℃より高い領域では発煙量が多くなる可能性があり、載置皿11の温度が200℃〜250℃の領域では調理室3の温度が300℃より低い領域では発煙量は微量であり、載置皿11の温度が200℃より低い領域では発煙が極めて少ない。
【0044】
実調理において、調理室の温度は室温から300℃より低いため、載置皿11の温度を250℃以下に温調することにより、多量発煙の可能性をなくすことができる。
【0045】
また、載置皿11の温度が200℃より低い場合にはさんまの標準的な調理時間である20分では十分な焼き色を得られず、また一部に十分に加熱されていない部分が見られる。
【0046】
よって、調理物の種類や調理時間に応じて載置皿11を200℃〜250℃の間で温調することにより、発煙量を少なくすることができ焼き性能に優れた加熱調理器とすることができる。
【0047】
また、魚などの調理物を調理する過程で調理物から発生する水蒸気が非常に多い場合に
は、一時的に調理室3内の温度が低下することがある。第1の温度センサ13がこの変化を素早く検知し、第1の加熱手段5への通電量を一時的に増加させることで調理室3内の温度を一定に保つように制御する。図5は以上の様子を示したもので、T4は調理物から発生した蒸気により調理室3内の温度が一時的に低下したことを第1の温度センサ13が検知したものである。これに対し、調理室3内の温度が一時的に低下したことを第1の温度センサ13が検知した直後に第1の加熱手段5への通電量を一時的に増加させることで、T5に示すように調理室3内の温度を250℃に保つことができる。
【0048】
以上のように、本実施の形態における加熱調理器では、載置皿11の温度を直接検知することができるため、載置皿11の温度制御を正確かつ安定して行うことができる。また、第1の温度センサにより調理室3内の温度を正確に検知することができるため、調理室3内での水蒸気の発生などによる温度変動に対し、加熱手段への通電量を制御することで調理室内を一定温度に保つことができる。
【0049】
また、第2の温度センサ14は調理物から離れた部位に設置されるため、調理物から流れ出る油や飛沫などによって汚れが付着し難く、第2の温度センサ14の検知精度低下の可能性が低い。
【0050】
よって、調理性能に優れ、安全で使いやすく、両面加熱ができる加熱調理器とすることができる。
【0051】
また、電流遮断手段12が動作して第1の加熱手段5および第2の加熱手段8への通電を停止するときの調理室3内の温度を、第1の温度センサ13によって第1の加熱手段5および第2の加熱手段8への通電を制御するときの調理室3内の温度より高い値に設定することによって、第1の温度センサ13と駆動回路との制御系より先に動作することがないので、調理性能を悪くすることがない。逆に、第2の温度センサ13などが故障しても、バイメタルによる電流遮断手段12で調理室3内の異常な温度上昇を感知して、第1の加熱手段5および第2の加熱手段8の通電を機械的に止めることができるので、安全性についても十分に確保できる。また、第1の温度センサ13と第2の温度センサ14はオンオフ差を小さくして第1の加熱手段5および第2の加熱手段8への通電が切れる温度と復帰する温度との差を少なくすることにより、調理性能をより向上させることができるものである。
【0052】
なお、本実施の形態における加熱調理器では、電流遮断手段としてはサーモスタットのみを用いたが、これを自動復帰式のサーモスタットと温度ヒューズの組合せとし、サーモスタットの方が温度ヒューズより応答が速いものとすることにより、温度が低下した際には容易に通常運転に戻すことができるとともに、温度が低下しない場合には、サーモスタットが自動的に遮断と復帰を繰り返す間に温度ヒューズの温度が上昇し、温度ヒューズが溶断することで確実に電流を遮断することができ、より安全性を向上させることができるものである。
【産業上の利用可能性】
【0053】
以上のように、本発明における加熱調理器は、調理室内の温度と載置皿の温度を直接検知することができ、調理室内の温度制御と調理物を下方から加熱する載置皿の温度制御を正確かつ安定して行い、調理物の表面を焼きすぎることなくより均一温度で加熱調理することで、調理性能に優れ、安全で使いやすい加熱調理器を提供することができるものである。よってロースタや電子レンジ、オーブンレンジ、オーブンあるいはグリラーなどの加熱調理機器として有用である。
【符号の説明】
【0054】
1 加熱調理器
2 調理物
3 調理室
4 ハンドル
5 第1の加熱手段
6 平面ヒータ
7 上面
8 第2の加熱手段
9 平面ヒータ
10 底面
11 載置皿
12 電流遮断手段
13 第1の温度センサ
14 第2の温度センサ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理物を収納する調理室と、調理物を載置する載置皿と、調理物を上方から加熱する第1の加熱手段と、調理室底面を加熱する第2の加熱手段と、前記載置皿の温度を接触検知する第1の温度センサと、前記調理室後部壁面または後部壁面近傍に第2の温度センサと、制御手段を有し、前記載置皿と前記調理室底面は熱的に接続され、調理物を上下から加熱調理するようにした加熱調理器。
【請求項2】
前記調理室底面と前記第2の加熱手段とを熱的に接続した請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記加熱調理器に電流遮断手段を設け、前記電流遮断手段が動作して前記第1の加熱手段および第2の加熱手段への通電を停止するときの前記調理室内温度は、前記第2の温度センサによって前記第1および第2の加熱手段への通電を制御するときの前記調理室内温度より高い値に設定した請求項1または2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記載置皿の温度を、250℃以下に制御する請求項1〜3のいずれか1項に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記載置皿の温度を、200〜250℃に制御する請求項1〜3のいずれか1項に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記電流遮断手段は、自動または手動復帰式のサーモスタットである請求項3に記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記電流遮断手段は、自動復帰式のサーモスタットと温度ヒューズの組合せとし、前記サーモスタットの方が温度ヒューズより応答が速いものとした請求項3に記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記第1の温度センサと第2の温度センサはシース熱伝対とし、シース熱伝対の先端部分を黒体塗装した請求項1に記載の加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−252832(P2010−252832A)
【公開日】平成22年11月11日(2010.11.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−102608(P2009−102608)
【出願日】平成21年4月21日(2009.4.21)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】