説明

加熱調理器

【課題】調理庫のグリル扉体を開けて被調理物を引き出すことなく被調理物の調理状態を確認できる使い勝手のよい加熱調理器を得ること。
【解決手段】天面に配置され、光透過性を備えた非磁性体からなるトッププレート2と、トッププレートの下方に配設された複数の誘導加熱手段12と、複数の加熱手段の下方に配置され、内部に被調理物を収納する調理庫6と、調理庫内に離れて配置される2つの上部、下部加熱手段15、16と、調理庫の前側開口に開閉自在に取り付けられたグリル扉体7と、誘導加熱手段及び加熱手段を動作させるよう入力する操作手段8と、誘導加熱手段及び加熱手段の出力を制御する制御手段14とを備え、調理庫内の被調理物を撮影する撮影手段21を備え、トッププレートに表示窓10を設け、表示窓の直下に撮影手段が撮影した画像を表示する表示手段11を設けるようにしたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の加熱手段を具備する加熱調理器、詳しくは加熱手段の1つである調理庫の被調理物の焼け具合を確認することができる加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、調理庫を具備した加熱調理器で、器体上面に覗き窓を設け、被調理物の焼け具合を確認可能とし、覗き窓の汚れ防止手段を設けたものとしてガスグリル付きテーブルこんろが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、調理庫を具備した加熱調理器で、器体上面に除き窓を設け、被調理物の焼け具合を確認可能とし、覗き窓の汚れ防止手段を設け、汚れ防止手段の開閉に合わせて照明手段の点灯、消灯を連動させるようにしたものとしてガスグリル付きテーブルこんろが知られている(例えば特許文献2参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−300442号公報(第1頁、図1)
【特許文献2】特開2002−022186号公報(第1頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
また、誘導加熱コイル等の誘導加熱手段を有する加熱調理器では、ガスグリル付きテーブルこんろのように調理庫の上部が開放されておらず、調理庫の上部に誘導加熱コイル等の誘導加熱手段が配置される構成となっており、被調理物を載置した上部に覗き窓を設けることは困難であり、グリル扉体を開け、被調理物を引き出して調理状態を確認する必要があった。
しかし、グリル扉体を開け被調理物を引き出して調理状態を確認すると、加熱手段がガスグリルとは異なり、電熱ヒーターを用いている調理庫内の温度や被調理物の温度が低下してしまい、調理時間が延びたり、出来具合に影響を与えたりすることがあった。
【0005】
本発明は、かかる従来の課題を解決するためのもので、調理庫のグリル扉体を開け被調理物を引き出すことなく被調理物の調理状態を確認できる使い勝手の良い加熱調理器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の加熱調理器は、天面に配置され、被調理物を入れた容器が載置可能な、光透過性を備えた非磁性体からなるトッププレートと、該トッププレートの下方に配設された複数の誘導加熱手段と、これら複数の加熱手段の下方に配置され、前側を開口するように構成され、内部に被調理物を収納する調理庫と、該調理庫内に離れて配置される2つ以上の加熱手段と、調理庫の前側開口に開閉自在に取り付けられたグリル扉体と、前記誘導加熱手段及び前記加熱手段を動作させるよう入力する操作手段と、前記誘導加熱手段及び前記加熱手段の出力を制御する制御手段とを備えた加熱調理器であって、前記調理庫内の被調理物を撮影する撮影手段を備え、前記トッププレートに表示窓を設け、該表示窓の直下に前記撮影手段が撮影した画像を表示する表示手段を設けるようにしたものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明の加熱調理器においては、調理庫内の被調理物を撮影する撮影手段を備え、トッププレートに表示窓を設け、該表示窓の直下に撮影手段が撮影した画像を表示する表示手段を設けるようにしたので、調理庫のグリル扉体を開けて被調理物を引き出すことなく被調理物の調理状態を確認でき、調理時間の延長や短縮の操作が行え、調理の出来具合に対する使用者の不満を減らすことができ、調理の出来具合に影響が少ない使い勝手の良い加熱調理器を得ることができるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1の加熱調理器の全体構成を示す斜視図、図2は同加熱調理器の全体構成を示す右断面図、図3は同加熱調理器のグリル扉体を閉じた状態の右断面図、図4は同加熱調理器の表示窓の部分の断面図、図5は同加熱調理器の電気的構成を示すブロック図である。
図1に示すように、本発明の実施の形態1の加熱調理器は、加熱調理器本体1の天面に被加熱物を収容した容器(図示せず)を載置可能な、光透過性を備えた非磁性体、例えば結晶化ガラスからなるトッププレート2を備えている。
このトッププレート2には後述の表示手段11の表示内容を透過して表示する表示窓10を備えていて、トッププレート2の外周にはシリコン系接着剤で固着された金属、例えばステンレスで構成された枠体17に、シート状に構成された各種入力を行う上面操作部18を備えている。
【0009】
また、加熱調理器本体1内に被調理物3を載置したグリル網4を配置したグリル皿5を収容可能な調理庫6を備え、調理庫6の前方に、例えば撮影した画像を無線信号として送信する撮影手段12を備えて開閉可能に支持されたグリル扉体7を備え、各種入力を行う前面操作部8を備え、排気口を覆う排気口カバー9を備えている。
【0010】
また、図2に示すように、トッププレート2の直下には、例えば3つの誘導加熱コイル等の誘導加熱手段13を配置し、誘導加熱手段13と調理庫6の間の空間にマイコンやその他電子部品を搭載した制御基板からなり、前面操作部8と上面操作部17からの入力により加熱調理器を制御する制御手段14が配置されている。
【0011】
調理庫6の内部には、調理庫6の天面近傍に保持された、例えばシーズヒーターからなる上部加熱手段15と、調理庫6の底面近傍に保持された、例えばシーズヒーターからなる下部加熱手段16と、調理庫6内の温度を検知する温度検知手段19とを備えている。
また、図3に示すように、グリル扉体7を閉じると、グリル網4に載置された被調理物3が上部加熱手段15と下部加熱手段16の間に収容される。
さらに、図4に示すように、トッププレート2の表示窓10の直下には、表示手段である液晶表示手段11が配設されている。
この液晶表示手段11は、撮影手段12からの撮影した画像の無線信号を制御手段14を介して受信して画像を表示するための液晶表示本体11aと、液晶表示本体11aの出力する信号により画像表示する液晶表示面11bと、液晶表示本体11a及び液晶表示面11bを収容保持する液晶表示外周枠11cとから構成されている。
【0012】
次に、本発明の実施の形態1の加熱調理器の電気的構成について図5に基づいて説明する。
制御手段14はCPU101と記憶部102とを有し、制御手段14には前面操作部8と上面操作部17と温度検知手段19と撮影手段12等の各信号が入力される。
また、制御手段14は、加熱手段13を駆動するインバータ回路103と、上部加熱手段15を駆動するヒータ駆動回路104と、下部加熱手段16を駆動するヒータ駆動回路105と、液晶表示手段11を駆動するLCD駆動回路106とに各種指令を出力する。
【0013】
以上のように構成された本発明の実施の形態1の加熱調理器の動作について説明する。
前面操作部8又は上面操作部18が操作され、前面操作部8又は上面操作部18から調理庫6を加熱する操作信号が制御手段14に入力されると、制御手段14はヒータ駆動回路104、105に指令信号を出力し、ヒータ駆動回路104は上部加熱手段15を駆動すると共にヒータ駆動回路105は下部加熱手段16を駆動し、調理庫6内の上部加熱手段15と下部加熱手段16とによる加熱が開始される。
そうすると、調理庫6内の温度が上昇し被調理物3の調理が始まる。
【0014】
調理が開始された後、前面操作部8または上面操作部18に設けられた、例えば調理確認キー(図示省略)による操作信号が制御手段14に入力されると、制御手段14は撮影手段12を作動させ、撮影手段12が調理庫6内に収容された被調理物3を撮影し、撮影手段12の撮影画像の無線信号は制御手段14に送られ、制御手段14は受信して画像信号をLCD駆動回路106に送り、LCD駆動回路106は液晶表示手段11に被調理物3の画像を表示させ、その画像を表示窓10から見ることができるので、被調理物3の調理状態を確認でき、それによって調理時間の延長や短縮の操作が行え、調理の出来具合に対する使用者の不満を減らすことができ、調理の出来具合に影響を与えない使い勝手の良い加熱調理器を得ることができる。
【0015】
なお、本実施の形態1では、上面操作部18をトッププレート2の外周の枠体17にシート状に構成したが、トッププレート2上に静電型タイプのタッチスイッチで構成してもよい。それから、上面操作部18と前面操作部8を設けてあるが、上面操作部18だけでも良い。
【0016】
実施の形態2.
図6は本発明の実施の形態2の加熱調理器の全体構成を示す斜視図である。
図6において、実施の形態1と同様の構成は同一符号を付して重複した構成の説明を省略し、実施の形態1と相違する構成について説明する。
この実施の形態2は、実施の形態1と撮影手段の構成が異なるものである。
この実施の形態2では、グリル扉体7に、調理庫6内を撮像することができるレンズ体とレンズ体が撮像した画像を伝送する光ファイバーのような光伝送体とからなる画像伝送手段20が設けられている。
この画像伝送手段20の光伝送体の端部はグリル扉体7の図6において右端部まで延びている。
また、前面操作部8に撮影手段21が設けられており、グリル扉体7が閉められたときに、画像伝送手段20の光伝送体の端部を撮影手段21が撮影できるように配置されている。
さらに、前面操作部8に設けられた撮影手段21の出力側は制御手段14に無線ではなく有線で接続されている。
【0017】
従って、この実施の形態2では、実施の形態1と同様に、グリル扉体7が閉められて調理庫6内の上部加熱手段15と下部加熱手段16とによる加熱が開始され、調理庫6内の温度が上昇し被調理物3の調理が始まる。
そして、調理が開始された後、前面操作部8または上面操作部18に設けられた、例えば調理確認キー(図示省略)による操作信号が制御手段14に入力されると、制御手段14は撮影手段21を作動させ、撮影手段21がグリル扉体7に設けた映像伝送手段20を通して調理庫6内に収容された被調理物3を撮影し、撮影手段21の撮影画像の信号は制御手段14に送られ、制御手段14は受信して画像信号をLCD駆動回路106に送り、LCD駆動回路106は液晶表示手段11に被調理物3の画像を表示させ、その画像を表示窓10から見ることができるので、被調理物3の調理状態を確認でき、それによって調理時間の延長や短縮の操作が行え、調理の出来具合に対する使用者の不満を減らすことができ、調理の出来具合に影響を与えない使い勝手の良い加熱調理器を得ることができる。
【0018】
実施の形態3.
図7は本発明の実施の形態3の加熱調理器のグリル扉体を閉じた状態の右断面図である。
図7において、実施の形態1と同様の構成は同一符号を付して重複した構成の説明を省略し、実施の形態1と相違する構成について説明する。
この実施の形態3は、実施の形態1を改良したものである。
この実施の形態3では、実施の形態1と同様にグリル扉体7に撮影手段12を設けているが、さらに調理庫6の天面内側に鏡体22を設け、調理庫6の天面外側に庫内照明23を設け、庫内照明23の下になる調理庫6の天面部分には複数の小孔を開け、光が透過するようにしたものである。
【0019】
この実施の形態3では、実施の形態1と同様に、グリル扉体7が閉められて調理庫6内の上部加熱手段15と下部加熱手段16とによる加熱が開始され、調理庫6内の温度が上昇し被調理物3の調理が始まる。
そして、調理が開始された後、前面操作部8または上面操作部18に設けられた、例えば調理確認キー(図示省略)による操作信号が制御手段14に入力されると、撮影手段12が作動するのと連動して庫内照明23が点灯し、調理庫6内に収容された被調理物3を照射するので、調理庫6の天面内側に設けられた鏡体21に写された調理庫6内に収容された被調理物3を撮影手段12がしっかりと撮影することができる。
撮影手段12の撮影画像の無線信号は制御手段14に送られ、制御手段14は受信して画像信号をLCD駆動回路106に送り、LCD駆動回路106は液晶表示手段11に被調理物3の画像を表示させ、その画像を表示窓10から見ることができるので、被調理物3の調理状態を確認でき、それによって調理時間の延長や短縮の操作が行え、調理の出来具合に対する使用者の不満を減らすことができ、調理の出来具合に影響を与えない使い勝手の良い加熱調理器を得ることができる。
【0020】
なお、本実施の形態3では、庫内照明23を撮影手段12の動作と連動して点灯としたが、連動させず、照明点灯キーを設けて点灯させるようにしてもよい。
【0021】
実施の形態4.
図8は本発明の実施の形態4の加熱調理器の鏡体を遮蔽した状態の右断面図、図9は同加熱調理器の鏡体の遮蔽を外した状態の右断面図である。
この実施の形態4は、実施の形態3を改良したものである。
図8、図9において、実施の形態3と同様の構成は同一符号を付して重複した構成の説明を省略し、実施の形態3と相違する構成について説明する。
この実施の形態4では、実施の形態3と同様に、グリル扉体7に撮影手段12を設け、調理庫6の天面内側に鏡体22を設け、調理庫6の天面外側に庫内照明23を設け、庫内照明23の下になる調理庫6の天面部分には複数の小孔を開け、光が透過するようにしているが、さらに鏡体22を遮蔽する鏡体遮蔽手段23を調理庫6の天面部分に回動可能に設け、その鏡体遮蔽手段24を回動する例えばモーターからなる鏡体回動手段25を調理庫6の天面部分に設けるようにしたものである。
【0022】
この実施の形態4では、実施の形態1と同様に、グリル扉体7が閉められて調理庫6内の上部加熱手段15と下部加熱手段16とによる加熱が開始され、調理庫6内の温度が上昇し被調理物3の調理が始まる。
そして、調理が開始された後、前面操作部8または上面操作部18に設けられた、例えば調理確認キー(図示省略)による操作信号が制御手段14に入力されると、撮影手段12が作動するのと連動して庫内照明23が点灯し、さらに調理庫6の天面内側に設けられた鏡体22を遮蔽している鏡体遮蔽手段24が鏡体回動手段25により回動して、図9に示すように鏡体21部分から外れ、調理庫6内に収容された被調理物3を照射するので、調理庫6の天面内側に設けられた鏡体21に写された調理庫6内に収容された被調理物3を撮影手段12がしっかりと撮影することができる。
【0023】
撮影手段12の撮影画像の無線信号は制御手段14に送られ、制御手段14は受信して画像信号をLCD駆動回路106に送り、LCD駆動回路106は液晶表示手段11に被調理物3の画像を表示させ、その画像を表示窓10から見ることができるので、被調理物3の調理状態を確認でき、それによって調理時間の延長や短縮の操作が行え、調理の出来具合に対する使用者の不満を減らすことができ、調理の出来具合に影響を与えない使い勝手の良い加熱調理器を得ることができる。
また、調理庫6の天面内側に設けられた鏡体22は常時は鏡体遮蔽手段24によって遮蔽され、撮影手段12が作動するときに鏡体回動手段25により回動して、鏡体21部分から外れるようにしているので、鏡体22の汚れが防止される。
【0024】
実施の形態5.
図10は本発明の実施の形態5の加熱調理器のグリル扉体を閉じた状態の右断面図である。
この実施の形態5は、実施の形態3を改良したものである。
図10において、実施の形態3と同様の構成は同一符号を付して重複した構成の説明を省略し、実施の形態3と相違する構成について説明する。
上記実施の形態3は撮影手段12がグリル扉体7に設けられていたが、この実施の形態5では、撮影手段26が調理庫6の天面部分に設けられている点で実施の形態3と相違するものである。
即ち、この実施の形態5では、調理庫6の天面部分に開口を設け、その開口周縁に光透過性の耐熱ガラス27の外周縁部を例えばシリコン系接着剤で接着させ、その開口を耐熱ガラス27で覆うように封止する。そして、調理庫6の天面部分で耐熱ガラス27の外側に撮影手段26を配置するようにしたものである。
その撮影手段26の出力側は制御手段14に無線ではなく有線で接続されている。
なお、実施の形態3と同様に、調理庫6の天面外側に庫内照明23を設け、庫内照明23の下になる調理庫6の天面部分には複数の小孔を開け、光が透過するようにしている。
【0025】
この実施の形態5では、調理が開始された後、前面操作部8または上面操作部18に設けられた、例えば調理確認キー(図示省略)よる操作信号が制御手段14に入力されると、撮影手段26が作動するのと連動して庫内照明23が点灯し、調理庫6の天面外側に設けた庫内照明23は調理庫6内に収容された被調理物3を照射し、撮影手段26も調理庫6の天面外側に設けられているので、調理庫6内に収容された被調理物3を撮影手段26がしっかりと撮影することができる。
撮影手段26の撮影画像の無線信号は制御手段14に送られ、制御手段14は受信して画像信号をLCD駆動回路106に送り、LCD駆動回路106は液晶表示手段11に被調理物3の画像を表示させ、その画像を表示窓10から見ることができるので、被調理物3の調理状態を確認でき、それによって調理時間の延長や短縮の操作が行え、調理の出来具合に対する使用者の不満を減らすことができ、調理の出来具合に影響を与えない使い勝手の良い加熱調理器を得ることができる。
【0026】
実施の形態6.
図11は本発明の実施の形態6の加熱調理器の耐熱ガラスを遮蔽した状態の右断面図、図12は同加熱調理器の耐熱ガラスの遮蔽を外した状態の右断面図である。
この実施の形態6は、実施の形態5を改良したものである。
図11、図12において、実施の形態5と同様の構成は同一符号を付して重複した構成の説明を省略し、実施の形態5と相違する構成について説明する。
この実施の形態6では、実施の形態5と同様に、調理庫6の天面部分に撮影手段26を設け、調理庫6の天面外側に庫内照明23を設け、庫内照明23の下になる調理庫6の天面部分には複数の小孔を開け、光が透過するようにしているが、さらに耐熱ガラス26を遮蔽する耐熱ガラス遮蔽手段28を調理庫6の天面部分に回動可能に設け、その耐熱ガラス遮蔽手段28を回動する例えばモーターからなる耐熱ガラス回動手段29を調理庫6の天面部分に設けるようにしたものである。
【0027】
この実施の形態6では、調理が開始された後、前面操作部8または上面操作部17に設けられた、例えば調理確認キーによる操作信号が制御手段14に入力されると、撮影手段26が作動するのと連動し庫内照明23が点灯し、さらに調理庫6の天面開口を封止している耐熱ガラス27を遮蔽している耐熱ガラス遮蔽手段28が耐熱ガラス回動手段29により回動して、図12に示すように耐熱ガラス26部分から外れ、調理庫6内に収容された被調理物3を照射するので、調理庫6内に収容された被調理物3を撮影手段12がしっかりと撮影することができる。
また、調理庫6の天面外側に設けられた耐熱ガラス27は常時は耐熱ガラス遮蔽手段28によって遮蔽され、撮影手段12が作動するときに耐熱ガラス回動手段29により回動して、耐熱ガラス27部分から外れるようにしているので、耐熱ガラス27の汚れが防止される。
それ以外の作用、効果は実施の形態5と同じであるので、説明を省略する。
【産業上の利用可能性】
【0028】
以上のように、本発明の実施の形態1〜6にかかる加熱調理器は調理状態が確認出来るので、調理時間の延長や短縮の操作が行え、調理の出来具合に対する使用者の不満を減らすことができ、調理の出来具合に影響が少ない使い勝手の良い加熱調理器とすることができるので、家庭用の調理庫を備えた加熱調理器も利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施の形態1の加熱調理器の全体構成を示す斜視図。
【図2】同加熱調理器の全体構成を示す右断面図。
【図3】同加熱調理器のグリル扉体を閉じた状態の右断面図。
【図4】同加熱調理器の表示窓の部分の断面図。
【図5】同加熱調理器の電気的構成を示すブロック図。
【図6】本発明の実施の形態2の加熱調理器の全体構成を示す斜視図。
【図7】本発明の実施の形態3の加熱調理器のグリル扉体を閉じた状態の右断面図。
【図8】本発明の実施の形態4の加熱調理器の鏡体を遮蔽した状態の右断面図。
【図9】同加熱調理器の鏡体の遮蔽を外した状態の右断面図。
【図10】本発明の実施の形態5の加熱調理器のグリル扉体を閉じた状態の右断面図。
【図11】本発明の実施の形態6の加熱調理器の耐熱ガラスを遮蔽した状態の右断面図。
【図12】同加熱調理器の耐熱ガラスの遮蔽を外した状態の右断面図。
【符号の説明】
【0030】
1 加熱調理器本体、2 トッププレート、3 被調理物、4 グリル網、5 グリル皿、6 調理庫、7 グリル扉体、8 前面操作部、9 排気口カバー、10 表示窓、11 表示手段、12 撮影手段、13 加熱手段、14 制御手段、15 上部加熱手段、16 下部加熱手段、17 枠体、18 上面操作部、19 温度検知手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天面に配置され、被調理物を入れた容器が載置可能な、光透過性を備えた非磁性体からなるトッププレートと、該トッププレートの下方に配設された複数の誘導加熱手段と、これら複数の加熱手段の下方に配置され、前側に開口するように構成され、内部に被調理物を収納する調理庫と、該調理庫内に離れて配置される2つ以上の加熱手段と、調理庫の前側開口に開閉自在に取り付けられたグリル扉体と、前記誘導加熱手段及び前記加熱手段を動作させるよう入力する操作手段と、前記誘導加熱手段及び前記加熱手段の出力を制御する制御手段とを備えた加熱調理器であって、
前記調理庫内の被調理物を撮影する撮影手段を備え、前記トッププレートに表示窓を設け、該表示窓の直下に前記撮影手段が撮影した画像を表示する表示手段を設けたことを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記撮影手段は前記グリル扉体に設けられていることを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記グリル扉体に前記調理庫内を撮像することができるレンズ体とレンズ体が撮像した画像を伝送する光伝送体とからなる画像伝送手段を設け、前記撮影手段は前記前面操作部に設けられ、該撮影手段はグリル扉体が閉のときに、前記画像伝送手段の光伝送体の端部を撮影可能とするようにしたことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記撮影手段は前記調理庫の天面部に設け、前記調理庫の天面部に前記撮影手段を覆う光透過性の耐熱ガラスを設けたことを特徴とする請求項1記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記調理庫天面の庫内側に鏡体を設けたことを特徴とする請求項2又は3記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記調理庫天面の庫内側に前記鏡体を遮蔽自在とするよう回動自在に鏡体遮蔽手段を設け、前記調理庫天面の庫内側に前記鏡体遮蔽手段を回動させる鏡体回動手段を設け、
前記制御手段は、前記撮影手段及び前記表示手段が動作させられている場合に前記鏡体回動手段が前記鏡体遮蔽手段が前記鏡体を遮蔽しないように回動動作させることを特徴とする請求項5記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記調理庫天面の庫内側に前記耐熱ガラスを遮蔽自在とするよう回動自在にガラス遮蔽手段を設け、前記調理庫天面の庫内側に前記ガラス遮蔽手段を回動させるガラス回動手段を設け、
前記制御手段は、前記撮影手段及び前記表示手段が動作させられている場合に前記ガラス回動手段が前記ガラス遮蔽手段を前記ガラスを遮蔽しないように回動動作させることを特徴とする請求項4記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記調理庫内を照らす照明手段を備えたことを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項9】
前記制御手段は前記操作手段からの信号に基づいて前記照明手段を点灯させることを特徴とする請求項8記載の加熱調理器。
【請求項10】
前記制御手段は前記操作手段からの信号に基づいて前記撮影手段及び前記表示手段を動作させることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の加熱調理器。
【請求項11】
前記制御手段は前記操作手段からの信号に基づいて前記撮影手段及び前記表示手段を動作させると共にそれと連動して前記照明手段を点灯させることを特徴とする請求項1〜8記載の加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−40441(P2010−40441A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−204618(P2008−204618)
【出願日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【出願人】(000176866)三菱電機ホーム機器株式会社 (1,201)
【Fターム(参考)】