説明

加熱調理器

【課題】収容部に要求される剛性を低減するとともに、内釜を安定状態で収容する。
【解決手段】調理器本体(炊飯器本体16)内の収容部17に内釜10を着脱可能に装着し、この内釜10の底部11または外周部12底側を加熱手段(誘導加熱コイル37)によって加熱することにより、内釜10内の調理物を加熱して調理する加熱調理器において、内釜10の上端または下端に、収容部17に位置決めする第1位置決め部14を設けるとともに、収容部17に、内釜10の第1位置決め部14を受ける第1受部23を設け、かつ、内釜10の外周部12上端と加熱手段37との間の中間位置に、外向きに突出して下側を載置面とする段状の第2位置決め部15を設けるとともに、収容部17内に、内釜10の第2位置決め部15を受ける段状の第2受部33を設けた構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、炊飯器、電磁調理器、もちつき機および製パン機などの加熱調理器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種の加熱調理器は、調理物を収容する上端開口の内釜を備えている。この内釜は、調理器本体内の収容部に着脱可能に装着される。例えば、炊飯器や電磁調理器では、内釜の上端開口に径方向外向きに突出するフランジ部(位置決め部)が設けられ、このフランジ部を収容部の上端(受部)に引っ掛けて、吊り下げるように装着する。また、もちつき機や製パン機では、内釜の底部に筒状に突出する固定部(位置決め部)を設け、この固定部を収容部の底に設けた被固定部(受部)に固定する。
【0003】
そして、これら加熱調理器は、調理器本体の収容部外に配設した誘導加熱コイルや収容部内に配設したヒータなどの加熱手段によって、内釜の底部または外周部底側を加熱することにより、内釜内の調理物を加熱して調理を行っている。また、炊飯器では、収容部の外側面に胴ヒータや誘導加熱コイルなどの加熱手段が配設され、内釜の外周部を加熱可能に構成している。かつ、内釜の上端開口を閉塞する蓋体に蓋ヒータが配設され、この蓋ヒータで内釜の内部上方を加熱可能に構成している。
【0004】
特許文献1には、この加熱調理器の1つである炊飯器が記載されている。この炊飯器は、内釜を均一に加熱して内釜内の米飯を炊きムラなく美味に炊き上げるとともに、保温時においても内釜への熱の伝達効率を向上するために、内釜の上端近傍に径方向外向きに突出する鍔部(位置決め部)を設けるとともに、収容部の上端に抵抗線ヒータを備えた加熱部を設け、内釜の外周部上側を直接加熱可能としている。
【0005】
また、特許文献2には、特許文献1と同様の炊飯器が記載されている。この炊飯器は、保護枠の中間位置に段部を設け、この段部の外部に電磁誘導コイルを配設している。また、内釜には、段部に載置される円環状の第1突部を設けるとともに、上端縁にも外向きに突出する第2突部を設けている。この第2突部は、保護枠の上端開口部の径より大径に形成され、内釜を保護枠内に収容した状態で、保護枠の上端より上方に位置し、保護枠および内釜の隙間を覆うように構成している。
【0006】
しかしながら、これらの加熱調理器は、調理物を収容した内釜を上端、中間位置および下端のうち1箇所だけで収容部に位置決めするため、収容部の受部の剛性を高める必要がある。また、特許文献1の構成では、収容部の上端に内釜を直接加熱する加熱手段を備えているため、ユーザが触れると余熱で火傷する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−65456号公報
【特許文献2】特開平9−37933号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、収容部に要求される剛性を低減できるとともに、内釜を安定状態で収容できる加熱調理器を提供することを課題とする。また、ユーザの使用上の安全性を確保するとともに、最適な調理を可能とすることを第2の課題とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
前記課題を解決するため、本発明の加熱調理器は、調理器本体内の収容部に内釜を着脱可能に装着し、この内釜の底部または外周部底側を下層加熱手段によって加熱することにより、前記内釜内の調理物を加熱して調理する加熱調理器において、前記内釜の上端または下端に、前記収容部に位置決めする第1位置決め部を設けるとともに、前記収容部に、前記内釜の第1位置決め部を受ける第1受部を設け、かつ、前記内釜の外周部上端と前記下層加熱手段との間の中間位置に、外向きに突出して下側を載置面とする段状の第2位置決め部を設けるとともに、前記収容部内に、前記内釜の第2位置決め部を受ける段状の第2受部を設けた構成としている。
【0010】
この加熱調理器は、内釜を第1および第2の位置決め部の2箇所が収容部の受部に位置決めされるため、収容部に加わる荷重を分散できる。よって、収容部の受部に要求される剛性を低減できる。また、内釜を収容部に対して安定状態で収容できるため、下層加熱手段による加熱の偏りを抑制できる。よって、予め設定した正常な調理を実行できる。
【0011】
この加熱調理器では、前記内釜は有底略逆円錐筒状をなし、前記第2位置決め部を、前記内釜の上端外径より小さい外径の円環状に形成することが好ましい。このようにすれば、内釜における第2位置決め部から下側部分を収容部内で略密閉できる。これにより、内釜の下部外側の放熱を抑制できるため、加熱効率を向上できるとともに、消費電力を削減できる。
【0012】
また、前記内釜の第2位置決め部または第2位置決め部の近傍を加熱する中間層加熱手段を更に設けることが好ましい。このようにすれば、内釜の中間層を直接加熱できる。そのため、内釜を上層から下層に至るまで均一に加熱できるため、調理ムラを防止できる。また、中間層加熱手段は、収容部の中間層に位置するため、ユーザが触れることは殆どない。よって、使用上の安全性を確保できる。
【0013】
この場合、前記中間層加熱手段は、周方向に沿って複数個に分割して設けることが好ましい。このようにすれば、第2位置決め部の下側と中間層加熱手段の間に異物が介入している部分があっても、介入していない部分では、中間層加熱手段を第2位置決め部の下側に確実に当接させ、正常に加熱を行うことができる。
また、前記内釜の中間位置の温度を検出する温度検出手段を、周方向に複数設けることが好ましい。このようにすれば、内釜の中間層の温度を複数箇所で検出できる。
【0014】
さらに、前記収容部の第2受部上に、前記内釜の第2位置決め部に当接する当接部材を上下方向に移動可能に設け、この当接部材を介して前記第2受部が前記内釜の第2位置決め部を受けることが好ましい。このようにすれば、収容部に多少の製造誤差や組付誤差があっても、内釜の第1位置決め部を第1受部で受け、第2位置決め部を第2受部で受けることができる。よって、内釜を収容部へ確実に安定状態で収容できる。
【0015】
この場合、前記当接部材の上方に、該当接部材の上向きの移動を規制するストッパ部を設けることが好ましい。このようにすれば、ユーザが錯誤によって当接部材を取り外すことを防止できる。
【0016】
具体的には、前記ストッパ部は、前記内釜の外周部上層を加熱する上層加熱手段の下端縁からなることが好ましい。このようにすれば、上層加熱手段の組付作業性を向上しつつ、当接部材の分離を防止できる。
または、前記調理器本体は、前記収容部内に連通する開口部を有する外装体を備え、前記開口部に略円筒状の筒部を下向きに突設するとともに、前記当接部材に、前記外装体の筒部の外側に一部が重畳し、前記内釜の外周部上層を加熱する上層加熱手段を配設し、前記ストッパ部を、前記筒部の上端外側部により構成することが好ましい。このようにすれば、下層加熱手段の組付作業性を向上しつつ、当接部材の分離を防止できる。しかも、米飯などの異物が当接部材と下層加熱手段との間に入り込むことがないため、清掃性を向上できる。また、下層加熱手段と内釜の加熱領域を一定とすることができる。
【0017】
また、前記調理器本体は、前記収容部内に連通する開口部を有する外装体を備え、前記開口部に略円筒状の筒部を下向きに突設するとともに、前記当接部材に、前記外装体の筒部の外側に一部が重畳し、前記内釜の外周部上層を加熱する上層加熱手段を配設することが好ましい。このようにすれば、米飯などの異物が当接部材と下層加熱手段との間に入り込むことがないため、清掃性を向上できる。また、下層加熱手段と内釜の加熱領域を一定とすることができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の加熱調理器では、内釜を第1および第2の位置決め部の2箇所で収容部に位置決めし、荷重を分散できるようにしているため、収容部の受部に要求される剛性を低減できる。また、内釜を収容部に対して安定状態で収容でき、上層加熱手段による加熱の偏りを抑制できるため、予め設定した正常な調理を実行できる。しかも、収容部の第2受部上に内釜の第2位置決め部に当接する当接部材を上下方向に移動可能に設けているため、収容部に多少の製造誤差や組付誤差があっても、内釜の第1位置決め部を第1受部で受け、第2位置決め部を第2受部で受けることができる。よって、内釜を収容部へ確実に安定状態で収容できる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の第1実施形態の加熱調理器である炊飯器を示す断面図である。
【図2】内釜と保護枠を示す分解斜視図である。
【図3】保護枠の平面図である。
【図4】(A),(B)は保護枠への内釜の装着工程を示す断面図である。
【図5】炊飯器の構成を示すブロック図である。
【図6】(A),(B)は第2実施形態の内釜を用いた炊飯器を示す断面図である。
【図7】第3実施形態の炊飯器の内釜および保護枠を示す分解斜視図である。
【図8】第4実施形態の炊飯器の内釜および保護枠を示す分解斜視図である。
【図9】(A),(B)は第5実施形態の炊飯器を示す断面図である。
【図10】(A),(B)は第6実施形態の炊飯器を示す断面図である。
【図11】(A),(B)は第7実施形態の炊飯器を示す断面図である。
【図12】(A),(B)は第8実施形態の炊飯器を示す断面図である。
【図13】第9実施形態の加熱調理器である炊飯器を示す断面図である。
【図14】内釜と保護枠と当接部材を示す分解斜視図である。
【図15】(A),(B)は保護枠への内釜の装着工程を示す断面図である。
【図16】(A),(B)は第10実施形態の炊飯器を示す断面図である。
【図17】他の加熱調理器である製パン機を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。
【0021】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態に係る加熱調理器である炊飯器を示す。この炊飯器は、調理物である飯米を水と一緒に収容する内釜10と、この内釜10を収容する炊飯器本体16(調理器本体)と、この炊飯器本体16に回動可能に取り付けられた蓋体46とからなる。そして、本実施形態の炊飯器は、内釜10を炊飯器本体16の収容部17に対して、上端と中間位置の2箇所で吊り下げるように位置決めして収容する構成としている。
【0022】
具体的には、内釜10は、図1および図2に示すように、熱伝導率が高い鉄(南部鉄)等を鋳造により形成したものである。この内釜10は、底部11を平坦な円板状として閉塞した有底略逆円錐筒状をなし、外周部12が上向きに徐々に拡径している。底部11と外周部12の間には、所定の曲率で湾曲させた稜部13が設けられている。そして、本実施形態の内釜10は、誘導加熱コイル37に高周波電流を流すことで発生した磁界により、底部11から稜部13にかけて渦電流が流れることにより誘導加熱される。
【0023】
また、内釜10には、上端に径方向外向きに突出するフランジ部からなる第1位置決め部14が設けられている。この第1位置決め部14は、その下側が収容部17の上端に形成された第1受部23に載置される載置面を構成する。また、内釜10には、フランジ部を設けた上端と誘導加熱コイル37によって加熱される稜部13の間の中間位置に、径方向外向きに突出する第2位置決め部15が設けられている。この第2位置決め部15は、第1位置決め部14の外径より小さい外径の円環状に形成され、段状をなす下側が収容部17内に形成された第2受部33に載置される載置面を構成する。そして、本実施形態では、第2位置決め部15は、中量の飯米を炊飯する場合の水面に位置するように設けられている。
【0024】
炊飯器本体16は、上下端を開口した筒状をなす金属(SUS430)製の胴体18と、胴体18の上端開口を閉塞する肩体19と、胴体18の下端開口を閉塞する底体25とを有する外装体を備えている。この外装体には、肩体19の一部と内胴27と保護枠28とで収容部17が形成され、この収容部17内に内釜10が着脱可能に収容される。
【0025】
図1に示すように、肩体19は、外装体の上側部分を構成するもので、胴体18の上端開口に内嵌して取り付けられる。この肩体19の背面側には、蓋体46を回転可能に取り付けるためのヒンジ接続部20が設けられている。また、肩体19には、図1中左側に位置する正面側に操作パネル部21が形成されている。さらに、肩体19には、収容部17の上端開口となる開口部22が設けられている。この開口部22は、上向きに隆起した略筒状をなし、その上端が内釜10の第1位置決め部14を受ける第1受部23を構成する。また、開口部22の周囲には、円筒状をなすように下向きに突出する内胴取付部24が設けられている。この内胴取付部24の上部には、内胴27の上端を位置決めする段部24aが設けられている。底体25は、外装体の下側部分を構成するもので、胴体18の下端開口に内嵌して取り付けられる。この底体25には、保護枠28を載置して固定するためのボス26が設けられている。
【0026】
内胴27は、金属製の円筒部材からなり、肩体19の内胴取付部24に内嵌して取り付けることにより、開口部22と連続して収容部17を構成するものである。この内胴27の上下端には、断面円形状をなすように外向きに湾曲(カール)する縁部が設けられ、これらにより剛性が高められている。
【0027】
保護枠28は、図1および図2に示すように、非導電性材料である樹脂からなり、内胴27の下端開口を覆うように配設することにより、収容部17の下側半分の領域を構成するものである。この保護枠28は、円板状をなす底壁部29と、この底壁部29から上向きに徐々に広がるように拡径する下側外壁部32とを備えた受皿形状をなす。底壁部29には、中心に内釜10の底部11の温度を検出するためのセンタセンサ取付部30が設けられている。このセンタセンサ取付部30は、下向きに突出する円筒形状をなし、その上端開口部には底壁部29より上向きに膨出する膨出部31を備えている。下側外壁部32は、内釜10の外周部12と所定間隔をもって並行に延びる逆円錐筒状をなす。この下側外壁部32の上部には、内釜10の第2位置決め部15を受ける第2受部33が設けられている。この第2受部33は、径方向外向きに屈曲させることにより、段状をなすように形成されている。また、第2受部33には、内釜10の第2位置決め部15を直接加熱するための中間層加熱ヒータ39A〜39Dを、上下方向に移動可能に挿通するための挿通孔34が設けられている。そして、第2受部33の外周縁には、内胴27の下端外周部を外嵌して受ける内胴受部35が設けられている。この内胴受部35には、底体25のボス26にネジ止めによって固定するためのブラケット部36が下向きに突設されている。
【0028】
図1に示すように、保護枠28の外面には、誘導加熱コイル37がフェライトコア38を介して固定されている。この誘導加熱コイル37は、内釜10を加熱する第1(下層)加熱手段であり、内釜10の底部11を誘導加熱するための第1巻回群37aと、内釜10の稜部13を誘導加熱するための第2巻回群37bとを備えている。フェライトコア38は、誘導加熱コイル37から発生する磁界を収束させるもので、保護枠28に対してネジ止めにより固定される。
【0029】
また、図2乃至図4(A),(B)に示すように、本実施形態の保護枠28の内部には、内釜10の中間層を直接加熱するための中間層加熱ヒータ39A〜39Dが配設されている。この中間層加熱ヒータ39A〜39Dは、内釜10を加熱する第2加熱手段であり、金属(アルミニウム)製の当接部材40A〜40D内に配設された線状ヒータからなる。これら中間層加熱ヒータ39A〜39Dは、個別に分割して配線され、個別に加熱制御可能に構成されている。
【0030】
当接部材40A〜40Dは、段状をなす第2受部33に沿って湾曲して延びる同心円弧状をなす。これら当接部材40A〜40Dは、第2受部33に設けた挿通孔34に挿通される挿通軸41を備えている。この挿通軸41には、保護枠28の外部に位置する下端にストッパ部材42が設けられている。また、当接部材40A〜40Dと第2受部33との間には、当接部材40A〜40Dを上向きに付勢する付勢部材であるスプリング43が配設されている。このスプリング43の内部には挿通軸41が貫通されている。
【0031】
この炊飯器本体16の内部には、内釜10の温度を検出する第1温度検出手段として、保護枠28のセンタセンサ取付部30に底温度センサ44が配設されている。また、炊飯器本体16の内部には、内釜10の温度を検出する第2温度検出手段として、当接部材40A〜40Dの内部にそれぞれ中間層温度センサ45A〜45Dが配設されている。
【0032】
図1に示すように、蓋体46は、上板と下板とからなり炊飯器本体16の上部を覆う外装体を備え、その内側面に内蓋51を着脱可能に配設するものである。この蓋体46の背面側は、炊飯器本体16のヒンジ接続部20に開閉可能に装着されている。また、蓋体46の正面側には、該蓋体46を開放するための開放操作部材47が配設されている。さらに、蓋体46は、内釜10内の蒸気を外部に排気するための排気経路を備え、その出口である下流側に蒸気口セット48が配設されている。そして、この蓋体46の内部には、内釜10の上部を加熱する第3(上部)加熱手段として蓋ヒータ49が配設されている。また、蓋体46の内部には、内釜10の温度を検出する第3温度検出手段として、内釜10の上部の空気層の温度を検出する蓋温度センサ50が配設されている。なお、内蓋51は、外周に内釜10の上端開口の内周部を密閉状態に覆うシール部材52を配設した周知のものである。
【0033】
なお、本実施形態では、内釜10の中間層を加熱する第2加熱手段として中間層加熱ヒータ39A〜39Dを配設しているが、内釜10の中間層の加熱量を確保するために、内胴27の外側に収容部17内の空間を介して内釜10の外周部12の上層を加熱する第4(上層)加熱手段として胴ヒータ53が更に配設されている。この胴ヒータ53は従来と同一構成のものである。
【0034】
このように構成した炊飯器は、炊飯器本体16内に制御基板(図示せず)が配設されている。そして、図5に示すように、この制御基板に実装した制御手段であるマイコン54により、予め記憶されたプログラムに従って、各温度センサ44,45A〜45D,50の検出温度に基づいて誘導加熱コイル37、中間層加熱ヒータ39A〜39D、蓋ヒータ49および胴ヒータ53の加熱(通電)制御を行い、予熱、昇温(中ぱっぱ)、電力制御、および、むらしなどの各工程を経て炊飯(調理)処理を実行するとともに、炊き上げた米飯を所定温度に保温する保温処理を実行する。
【0035】
次に、前記炊飯器の使用について説明する。
【0036】
例えば、ユーザは、炊飯処理および保温処理のいずれも実行していない待機状態で、蓋体46を開放して内釜10を取り出す。そして、内釜10内に所定量の飯米と水を内釜10内に収容させた後、内釜10を炊飯器本体16の収容部17に装着する。この際、炊飯器本体16の収容部17内では、図4(A)に示すように、第2受部33に配設した当接部材40A〜40Dがスプリング43の付勢力で上向きに移動した状態をなす。そして、この収容部17内に内釜10を配置すると、図4(B)に示すように、第2位置決め部15が当接部材40A〜40Dに当接し、内釜10の重量でスプリング43の付勢力に抗して当接部材40A〜40Dを下向きに移動させる。その後、スプリング43が最も収縮した状態になると、第1位置決め部14が収容部17の上端の第1受部23に当接するとともに、第2位置決め部15が収容部17内の第2受部33に当接部材40A〜40Dを介して当接した状態をなす。
【0037】
このように、本実施形態の炊飯器では、第1および第2位置決め部14,15により、内釜10の荷重を第1および第2受部23,33に分散した状態で収容される。よって、収容部17の受部23,33に要求される剛性を低減できる。また、内釜10を収容部17に対して安定状態で収容できる。そのため、中間層加熱ヒータ39A〜39Dによる加熱は勿論、誘導加熱コイル37および蓋ヒータ49による加熱の偏りを抑制できる。よって、予め設定した正常な調理を実行できる。
【0038】
そして、この炊飯器により炊飯処理を実行した際には、内釜10の中間層を中間層加熱ヒータ39A〜39Dにより直接加熱することが可能である。よって、内釜10の中間層にも十分な加熱を加えることができるため、内釜10を上層から下層に至るまで均一に加熱でき、調理ムラを防止した理想的な炊飯を実行できる。しかも、例え第2位置決め部15の下側と中間層加熱ヒータ39A〜39Dの間に異物が介入している部分がある状態で炊飯処理が実行されても、異物が介入していない他の中間層加熱ヒータ39A〜39Dは、スプリング43の付勢力で第2位置決め部15に確実に当接するため、正常に加熱を行うことができる。さらに、中間層加熱ヒータ39A〜39Dは、収容部17の中間層に位置するため、ユーザが触れることは殆どない。よって、使用上の安全性を確保できる。
【0039】
しかも、本実施形態の内釜10の第2位置決め部15は、円環状に形成されているため、この第2位置決め部15から下側部分を収容部17内で略密閉できる。これにより、内釜10の下部外側の放熱を抑制できるため、加熱効率を向上できるとともに、消費電力を削減できる。
【0040】
(第2実施形態)
図6(A),(B)は第2実施形態の炊飯器の要部を示す。この第2実施形態では、内釜10の第2位置決め部15の構成を変更した点でのみ、第1実施形態と相違する。具体的には、第2実施形態の内釜10は、径方向外向きに屈曲(拡開)させることにより、第2位置決め部15を形成している。この第2位置決め部15は、円環状をなすように突設した第1実施形態と同様に、第1位置決め部14の外径より小さい外径で形成され、段状をなす下側が収容部17内に形成された第2受部33に載置される載置面を構成する。そして、このように構成した第2実施形態では、第1実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。
【0041】
(第3実施形態)
図7は第3実施形態の炊飯器の内釜10および保護枠28を示す。この第3実施形態では、内釜10の第2位置決め部15および保護枠28の第2受部33を、不連続な形状で間欠的に設けた点で、第1実施形態と相違する。具体的には、内釜10の第2位置決め部15は、板状をなすように径方向外向きに突設した円弧状のもので、隣接する第2位置決め部15,15間を非形成部15aとしている。この非形成部15aは、隣接する中間層加熱ヒータ39A〜39D間に位置するように形成されている。保護枠28の第2受部33は、第1実施形態と同様に、径方向外向きに屈曲させることにより、段状をなすように形成されている。また、第2受部33には、中間層加熱ヒータ39A〜39Dが上下方向に移動可能に配設されている。そして、これら中間層加熱ヒータ39A〜39D間には、内釜10の第2位置決め部15,15間の非形成部15aに挿通される突出部55が設けられている。
【0042】
このように構成した第3実施形態では、第1実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。しかも、隣接する中間層加熱ヒータ39A〜39D間の隙間が突出部55により塞がれるため、第2位置決め部15から下側部分を収容部17内で密閉できる。そのため、内釜10の下部外側の放熱を更に抑制できるため、加熱効率を更に向上できるとともに、消費電力を更に削減できる。
【0043】
(第4実施形態)
図8は第4実施形態の炊飯器の内釜10および保護枠28を示す。この第4実施形態では、第2位置決め部15および中間層加熱ヒータ39A〜39Dと、非形成部15aおよび突出部55の形成比率を変更した点でのみ、第3実施形態と相違する。このように構成した第4実施形態では、第3実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。
【0044】
なお、非形成部15aおよび突出部55を形成する構成とした第3および第4実施形態では、内釜10を第1実施形態のように径方向外向きに突出する板状のもので構成したが、第2実施形態のように内釜10の外周部12を屈曲して形成する構成も可能である。
【0045】
(第5実施形態)
図9(A),(B)は第5実施形態の炊飯器を示す。この第5実施形態では、中間層加熱ヒータ39A〜39Dを径方向に移動可能に構成し、第2位置決め部15の近傍の下部を直接加熱するようにした点で、第1実施形態と大きく相違している。具体的には、第5実施形態では、保護枠28の第2受部33の下部内面に、径方向外向きに延びるヒータ配設部56が設けられている。このヒータ配設部56は、図中右側に位置する閉塞部に径方向外向きに延びる挿通孔(図示せず)が設けられている。また、中間層加熱ヒータ39A〜39Dは、内釜10の外周部12に当接する内端面が、外周部12に沿って傾斜して設けられている。
【0046】
このように構成した第5実施形態では、第1実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。しかも、第5実施形態では、第2受部33は、中間層加熱ヒータ39A〜39Dを配設する当接部材40A〜40Dを介して第2位置決め部15を受けるのではなく、直接受ける構成となるため、当接部材40A〜40Dに高い剛性が要求されない。よって、製造コストの低減を図ることができる。
【0047】
(第6実施形態)
図10(A),(B)は第6実施形態の炊飯器を示す。この第6実施形態では、中間層加熱ヒータ39A〜39Dによって内釜10の第2位置決め部15の近傍の上部を直接加熱するようにした点で、第1実施形態と大きく相違している。具体的には、第6実施形態では、保護枠28の第2受部33の上部内面に、スプリング43の一端を係止する第1係止部57が設けられるとともに、当接部材40A〜40Dに、スプリング43の他端を係止する第2係止部58が設けられている。そして、中間層加熱ヒータ39A〜39Dを内蔵した当接部材40A〜40Dを、スプリング43により揺動可能に配設している。なお、中間層加熱ヒータ39A〜39Dおよび中間層温度センサ45A〜45Dは、その配線がスプリング43の内部を挿通され、保護枠28に設けた挿通孔(図示せず)を通して外部に配設される。このように構成した第6実施形態では、第5実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。
【0048】
(第7実施形態)
図11(A),(B)は第7実施形態の炊飯器を示す。この第7実施形態では、第5実施形態と同様に中間層加熱ヒータ39A〜39Dによって内釜10の第2位置決め部15の近傍の下部を直接加熱する一方、内釜10の第2位置決め部15を第2当接部材70A〜70Dを介して第2受部33が受けるようにしている。
【0049】
保護枠28の第2受部33の下部内面にヒータ配設部56が設けられ、このヒータ配設部56に中間層加熱ヒータ39A〜39Dを内蔵した第1当接部材40A〜40Bが配設されている。また、第2受部33には、第2受部33に沿った同心円弧状をなす金属(アルミニウム)製の第2当接部材70A〜70Dが配設されている。これら第2当接部材70A〜70Dは、第2受部33に挿通される挿通軸71を備え、保護枠28の外部に位置する下端にストッパ部材72が配設されている。また、第2当接部材70A〜70Dと第2受部33との間には、第2当接部材70A〜70Dを上向きに付勢する付勢部材であるスプリング73が配設されている。
【0050】
この第7実施形態の炊飯器では、第2当接部材70A〜70Dに所定の剛性が必要になるが、収容部17に多少の製造誤差や組付誤差があっても、内釜10の第1位置決め部14を第1受部23で受け、第2位置決め部15を第2当接部材70A〜70Dを介して第2受部33で受けることができる。よって、内釜10を収容部17へ確実に安定状態で収容できる。
【0051】
(第8実施形態)
図12(A),(B)は第8実施形態の炊飯器を示す。この第8実施形態では、第6実施形態と同様に中間層加熱ヒータ39A〜39Dによって内釜10の第2位置決め部15の近傍の上部を直接加熱する一方、第7実施形態と同様に内釜10の第2位置決め部15を第2受部33が第2当接部材70A〜70Dを介して受けるようにしている。この第8実施形態では、第7実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。
【0052】
(第9実施形態)
図13から図15は第9実施形態の炊飯器を示す。この第9実施形態では、中間層加熱ヒータ39および当接部材40を連続した1個の環状に形成し、また、当接部材40の上向きの移動を規制するストッパ部を設けた点で、各実施形態と大きく相違している。なお、各実施形態と機能的に同一構成の部分は、同一符号を付して詳細な説明は省略する。
【0053】
保護枠28は、図13および図14に示すように、内釜10の第2位置決め部15を受ける第2受部33が内方下向きに傾斜するように設けられている。この第2受部33には、中間層加熱ヒータ39を配設する当接部材40を装着するための穴を有する装着部74が設けられている。第2受部33の上端外周縁には、内胴27の下端外周部を受ける内胴受部35の代わりに、内胴27より大径の上側外壁部75が設けられている。この上側外壁部75には、径方向内向きに突出するガイドリブ76が突設されている。
【0054】
保護枠28の内部には、環状をなす当接部材40が上下方向に移動可能に配設され、この当接部材40の内部に内釜10の第2位置決め部15を直接加熱する中間層加熱ヒータ39が配設されている。図14および図15に示すように、当接部材40は、略逆U字形状をなす樹脂製の枠体77を備え、その上面に金属製の伝熱部材78が配設されている。枠体77の外周部には、ガイドリブ76に対応するガイド溝79が設けられている。また、枠体77の上端には、径方向外向きに突出するフランジ部80が設けられ、このフランジ部80の外縁を保護枠の上側外壁部75に干渉させることにより摩擦を低減している。枠体77の下端開口はカバー81により覆われている。このカバー81には装着部74の対応位置が貫通され、その貫通孔に装着部材82が配設されている。この装着部材82は、軸方向に沿って一対のスリットを設けることにより、その間に弾性を有する係止爪部83が形成されている。また、装着部材82は、枠体77内に配設したスプリング(図示せず)により、下向きに突出する方向に付勢されている。この当接部材40は、フランジ部80の外径が内胴27の外径より大きい。そのため、組立状態では、当接部材40の上部に内胴27が位置する。そして、本実施形態では、この内胴27の下端縁を、当接部材40の上向きの移動を規制するストッパ部として構成している。
【0055】
この第9実施形態の炊飯器は、内釜10を炊飯器本体16の収容部17から取り出した状態では、図15(A)に示すように、第2受部33に配設した当接部材40が上向きに移動し、内胴27の下端に当接した状態をなす。この状態では、収容部17の上端(開口部22)から底(底壁部29)までの間に隙間がない。そのため、米飯などの異物が炊飯器本体16内に侵入することはない。
【0056】
そして、収容部17内に内釜10を配置すると、図15(B)に示すように、第2位置決め部15が当接部材40に当接し、この当接部材40を内釜10の重量で下向きに移動させる。その後、第1位置決め部14が収容部17の上端の第1受部23に当接し、第2位置決め部15が収容部17内の第2受部33に当接部材40A〜40Dを介して当接した状態をなす。
【0057】
そのため、第9実施形態の炊飯器は、第1実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。しかも、この実施形態では、連続した1巻きの中間層加熱ヒータ39からなるため、加熱量(ワット数)を高く設定できるとともに、電気的に接続する際の配線作業性を向上できる。
【0058】
また、本実施形態では、内鍋10を取り外した状態では、収容部17内には当接部材40が露出するが、この当接部材40は上方がストッパ部を構成する内胴27で規制されている。そのため、ユーザが錯誤によって当接部材40を取り外すことを防止できる。また、内胴27は、肩体19の段部24aと当接部材40との間に挟み込むように取り付ければよいため、組付作業性を向上できる。
【0059】
(第10実施形態)
図16(A),(B)は第10実施形態の炊飯器を示す。この第10実施形態では、胴ヒータ53を配設する内胴27を当接部材40に一体的に配設し、内胴27を肩体19の内胴取付部24の筒部24bの外側に相対的に移動可能に配設した点で、第9実施形態と相違している。
【0060】
肩体19は、開口部22に形成する筒部24に径方向内側に位置するように段部24aが設けられている。この段部24aの内側縁には、更に下向きに突出する筒部24bが設けられ、その外側に内胴27を配設する構成としている。また、内胴27は、その下端が当接部材40の外周部に一体的に組み付けられている。
【0061】
この第10実施形態では、内胴27が当接部材40と一緒に上下方向に移動する。そして、内胴27が当接部材40と一緒に上昇した状態では、図16(A)に示すように、内胴27の上端が筒部24bの上端外側部である段部24aの端面に当接する構成(ストッパ部)としている。また、内胴27が当接部材40と一緒に下降した状態では、図16(B)に示すように、内胴27の上部の一部が筒部24bに重畳(オーバーラップ)するように構成している。
【0062】
このように構成した第10実施形態では、第9実施形態と同様の作用および効果を得ることができる。しかも、米飯などの異物が当接部材40と胴ヒータ53の内胴27との間に入り込むことがないため、清掃性を向上できる。また、収容部17に対する内釜10の収容状態に拘わらず、内釜10に対する胴ヒータ53の加熱領域を一定とすることができる。
【0063】
なお、本発明の加熱調理器は、前記実施形態の構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能である。
【0064】
例えば、前記各実施形態では、収容部17内に設けた第2受部33に中間層加熱ヒータ39,39A〜39Dおよび中間層温度センサ45,45A〜45Dを配設する構成としたが、中間層温度センサ45,45A〜45Dを配設しない構成としてもよい。勿論、中間層加熱ヒータ39,39A〜39Dも配設しない構成としてもよい。また、第9および第10実施形態のように、1個の中間層加熱ヒータ39で構成する場合であっても、2以上の中間層温度センサを配設することにより、友好的な加熱制御を実行できる。
【0065】
また、前記各実施形態では、内釜10の上層を加熱する胴ヒータ53を配設したが、この胴ヒータ53は配設しない構成としてもよい。この場合、第9および第10実施形態では、肩体19の内胴取付部24を下向きに延ばして設け、この内胴取付部24の下端縁を当接部材40のストッパ部としてもよい。勿論、ストッパ部は、胴ヒータ53の内胴27や肩体19の内胴取付部24に限られず、ガイドリブ76を上部と下部に区画し、これらを周方向に所定間隔をもって設けることにより、当接部材40を回転させながらガイドリブ76の下部に装着することにより、ガイドリブ76の上部をストッパ部としてもよく、種々の変更が可能である。
【0066】
さらに、各実施形態では、本発明の加熱調理器として、炊飯器を例に挙げて説明したが、電磁調理器、もちつき機および製パン機などの加熱調理器であれば、いずれでも適用が可能であり、同様の作用および効果を得ることができる。
【0067】
具体的には、図17は、第2位置決め部15および第2受部33を設けた製パン機を示す。この製パン機は、内釜10を収容部17に着脱可能に構成したものである。内釜10の下端には、収容部17の底壁部29に固定するための固定部60が第1の位置決め部として設けられている。この固定部60は、羽根61を着脱可能に装着する回転可能な軸部62を備えている。製パン機本体63は、誘導加熱コイルの代わりに収容部17内に稜部13を加熱するヒータ37’が配設されている。収容部17には、底壁部29に被固定部64が第1の受部として設けられている。この被固定部64には、軸部62に連結する連結部65が設けられている。この連結部65は、収容部17外に配設した電動機66と伝達機構67を介して連結され、回転可能に構成されている。このように構成した製パン機は、羽根61の回転により製パン機本体63が振動するため、内釜10に第2位置決め部15を設けて収容部17の第2受部33に受ける構成とすることにより、動作時に内釜10の安定性を向上できる。
【0068】
このように、内釜10に第2位置決め部15を設けるとともに、収容部17に第2受部33を設けるという本発明の構成は、炊飯器に限られず、製パン機にも適用可能である。そして、電磁調理器は、各実施形態に示す炊飯器と略同一の構成であり、もちつき機は図11に示す製パン機と略同一の構成である。即ち、本発明は、調理器本体に内釜10を着脱可能に装着する加熱調理器であればいずれでも適用可能である。
【符号の説明】
【0069】
10…内釜
11…底部
12…外周部
13…稜部
14…第1位置決め部(上端)
15…第2位置決め部
16…炊飯器本体(調理器本体)
17…収容部
18…胴体(外装体)
19…肩体(外装体)
22…開口部
23…第1受部
24…内胴取付部
24a…段部
24b…筒部
25…底体(外装体)
27…内胴
28…保護枠
29…底壁部
32…下側外壁部
33…第2受部
37…誘導加熱コイル(下層加熱手段)
39A〜39D…中間層加熱ヒータ(中間層加熱手段)
44…底温度センサ(第1温度検出手段)
45A〜45D…中間層温度センサ(第2温度検出手段)
46…蓋体
49…蓋ヒータ(上部加熱手段)
50…蓋温度センサ(第3温度検出手段)
51…内蓋
52…シール部材
53…胴ヒータ(上層加熱手段)
54…マイコン(制御手段)
60…第1位置決め部(下端)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
調理器本体内の収容部に内釜を着脱可能に装着し、この内釜の底部または外周部底側を下層加熱手段によって加熱することにより、前記内釜内の調理物を加熱して調理する加熱調理器において、
前記内釜の上端または下端に、前記収容部に位置決めする第1位置決め部を設けるとともに、前記収容部に、前記内釜の第1位置決め部を受ける第1受部を設け、かつ、
前記内釜の外周部上端と前記下層加熱手段との間の中間位置に、外向きに突出して下側を載置面とする段状の第2位置決め部を設けるとともに、前記収容部内に、前記内釜の第2位置決め部を受ける段状の第2受部を設けたことを特徴とする加熱調理器。
【請求項2】
前記内釜は有底略逆円錐筒状をなし、前記第2位置決め部を、前記内釜の上端外径より小さい外径の円環状に形成したことを特徴とする請求項1に記載の加熱調理器。
【請求項3】
前記内釜の第2位置決め部または第2位置決め部の近傍を加熱する中間層加熱手段を更に設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の加熱調理器。
【請求項4】
前記中間層加熱手段は、周方向に沿って複数個に分割して設けられていることを特徴とする請求項3に記載の加熱調理器。
【請求項5】
前記内釜の中間位置の温度を検出する温度検出手段を、周方向に複数設けたことを特徴とする請求項3または請求項4に記載の加熱調理器。
【請求項6】
前記収容部の第2受部上に、前記内釜の第2位置決め部に当接する当接部材を上下方向に移動可能に設け、この当接部材を介して前記第2受部が前記内釜の第2位置決め部を受けるようにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の加熱調理器。
【請求項7】
前記当接部材の上方に、該当接部材の上向きの移動を規制するストッパ部を設けたことを特徴とする請求項6に記載の加熱調理器。
【請求項8】
前記ストッパ部は、前記内釜の外周部上層を加熱する上層加熱手段の下端縁からなることを特徴とする請求項7に記載の加熱調理器。
【請求項9】
前記調理器本体は、前記収容部内に連通する開口部を有する外装体を備え、前記開口部に略円筒状の筒部を下向きに突設するとともに、
前記当接部材に、前記外装体の筒部の外側に一部が重畳し、前記内釜の外周部上層を加熱する上層加熱手段を配設し、
前記ストッパ部を、前記筒部の上端外側部により構成したことを特徴とする請求項7に記載の加熱調理器。
【請求項10】
前記調理器本体は、前記収容部内に連通する開口部を有する外装体を備え、前記開口部に略円筒状の筒部を下向きに突設するとともに、
前記当接部材に、前記外装体の筒部の外側に一部が重畳し、前記内釜の外周部上層を加熱する上層加熱手段を配設したことを特徴とする請求項6に記載の加熱調理器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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