説明

加速度および角速度検出装置

【課題】本発明は、角度ズレや位置ズレが発生しないように、安定して実装基板に搭載することができつつ、高耐振動性を有した、低背で小型な加速度および角速度検出装置を提供することを目的とする。
【解決手段】加速度および角速度を検出する半導体素子1と、半導体素子1に接続される複数の端子2と、端子2の一部と半導体素子1とを一体にモールドしたパッケージ体とを備えた加速度および角速度検出装置8において、複数の端子2はパッケージ体4の一辺に沿って配列され、パッケージ体4における前記一辺に沿う方向に垂直な方向の長さ寸法L2が、前記一辺に沿う方向の長さ寸法L1に対して短くなるように構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、加速度および角速度検出装置に係り、特に、耐振動性や搭載安定性などが求められる車載用加速度および角速度検出装置に適用すると好適である。
【背景技術】
【0002】
近年、圧力,加速度,角速度など、様々な物理量を検出するセンサの開発が加速している。物理量センサは、角速度,加速度などの物理量を電気信号に変換,検出するセンサであることが多い。
【0003】
例えば、角速度センサにおいては、振動型,回転型,ガス型,光学型のセンサが開発されている。特に、近年では、量産性の向上や小型化を目的に、シリコンの微細加工技術を用いた振動型,回転型角速度センサの開発が主流となっている。
【0004】
振動型角速度センサは振動体を所定の共振周波数で振動させておき、外部からの角速度印加に伴う振動体の変位を、電気信号として検出するセンサである。
【0005】
このように、シリコンの微細加工技術を用いたセンサは、各物理量を検出するための半導体素子が有している構造体の変位を検出するものが多い。
【0006】
そのため、センサを実装基板へ組み付けする際に、角度ズレや位置ズレなどが発生してしまうと、そのズレ量を半導体素子が有している構造体の変位としてセンサが検出してしまうため、測定誤差となり、センサの信頼性を低下させてしまう。
【0007】
したがって、シリコンの微細加工技術を用いたセンサは、角度ズレや位置ズレが発生しないように、安定して実装基板に搭載できる構造とすることが必要不可欠である。
【0008】
また、このような検出装置を自動車に搭載する場合、エンジンルームなどの過酷な環境への搭載も可能とするため、高耐久性を有した実装構造とすることも必要不可欠である。特に、センサと実装基板との接続部におけるはんだ接続部の耐久性や、車両が走行することにより発生する振動に対する耐性を有した実装構造とすることが非常に重要である。
【0009】
そのため、特許文献1においては、センサ本体に補助端子を設けて、その端子が、実装時にはんだの表面張力に引っ張られることで理想的な位置に組み付けることができる構造になっており、角度ズレや位置ズレなどの発生を抑制できる構造となっている。また、特許文献2においては、センサ本体に設けられた中継基板の端部に外部接続端子を設けて、センサと実装基板などの外部とを接続できる構造になっており、耐振動性の安定化を図ることができる構造となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2009−231775号公報
【特許文献2】特開2008−139048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
特許文献1に記載の車両用運動センサの実装構造では、実装時に溶融した、はんだの表面張力を利用しているため、その表面張力で引っ張ることができない重量のややサイズが大きいセンサや、複数のリードが並べられた辺と異なる辺の長さが非常に小さいセンサなど、センサの形状によって、適用できないことがある。また、特許文献2に記載の振動型ジャイロセンサの実装構造では、センサの端部に外部接続端子を設け、リード線を用いずに実装基板などの外部に接続しているため、接続部への熱応力の印加などにより、その耐久信頼性の確保が困難である。また、振動素子を、制御基板に対して垂直に搭載する必要がある場合、配線部材を複雑に引き回す必要があるため、センサのサイズが大型化し、制御基板に対して、高背構造となってしまい、安定して制御基板に搭載することが困難である。
【0012】
本発明の目的は、角度ズレや位置ズレが発生しないように、安定して実装基板に搭載することができ、高耐振動性を有し、低背で小型な加速度および角速度検出装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
加速度および角速度を検出する半導体素子と、前記半導体素子に接続される複数の端子と、前記端子の一部と前記半導体素子とを一体にモールドしたパッケージ体とを備えた加速度および角速度検出装置において、前記複数の端子は前記パッケージ体の一辺に沿って配列され、前記パッケージ体における前記一辺に沿う方向に垂直な方向の長さ寸法が、前記一辺に沿う方向の長さ寸法に対して短くなるように構成した。
【発明の効果】
【0014】
本実施例によれば、角度ズレや位置ズレが発生しないように、安定して実装基板に搭載することができつつ、高耐振動性を有した、低背で小型な加速度および角速度検出装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明による加速度および角速度検出装置をECU基板に搭載した場合の実装構造を示した側面透視図である。
【図2】図1の実装構造を上方向から見た場合の実装構造を示した透視図である。
【図3】図1の実装構造を上方向から見た場合の実装構造を示した透視図である。
【図4】図1の実装構造をECU基板側から見た場合の実装構造を示した透視図である。
【図5】本発明による加速度および角速度検出装置をECU基板に搭載した場合の実装構造を示した側面図である。
【図6】本発明による加速度および角速度検出装置をECU基板に搭載した場合の実装構造を示した上面図である。
【図7】本発明による加速度および角速度検出装置をECU基板に搭載した場合の接続部を示した拡大上面図である。
【図8】本発明による加速度および角速度検出装置の保持用端子を備えずに、ECU基板に実装した場合の実装構造を示した上面図である。
【図9】本発明による加速度および角速度検出装置の保持用端子を備えずに、ECU基板に実装した場合の実装構造を示した上面図である。
【図10】本発明による加速度および角速度検出装置をECU基板に実装した場合の実装構造を示した上面図である。
【図11】本発明による加速度および角速度検出装置を自動車などのブレーキ制御用コントロールユニット内に搭載した場合の構造模式図である。
【図12】本発明による加速度および角速度検出装置を自動車などのブレーキ制御用コントロールユニット内に搭載した場合の構造模式図である。
【図13】本発明による加速度および角速度検出装置8を搭載したブレーキ制御用コントロールユニット13を自動車26に搭載した場合の透視側面図である。
【図14】本発明による加速度および角速度検出装置8を搭載したブレーキ制御用コントロールユニット13を自動車26に搭載した場合の透視上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明に係る実施例について説明する。本実施例では、車両制御などに用いられるECU基板に対して、加速度および角速度検出装置を搭載する場合について説明する。
【0017】
図1は、本発明に係る加速度および角速度検出装置8をECU基板7に搭載した場合の実装構造を示した側面透視図である。また、図2,図3は、図1の実装構造を上方向から見た場合の実装構造を示した透視図である。図4は、図1の実装構造をECU基板7側から見た場合の実装構造を示した透視図である。図5は、本発明による加速度および角速度検出装置8をECU基板7に搭載した場合の実装構造を示した側面図である。
【0018】
図1,図2に示すように、加速度および角速度検出装置8が、車両制御などに用いられるECU基板7に実装されている。
【0019】
加速度および角速度検出装置8は、加速度および角速度を検出する半導体素子1と、半導体素子1に金属製ワイヤ3(例えば、Auワイヤ)を用いて電気的に接続される入出力用リード端子2と、入出力用リード端子2の一部と半導体素子1とを一体にモールドしたパッケージ体4とからなり、ECU基板7に備えられた入出力用ランド6にはんだ5を用いて入出力用リード端子2を接続することにより固定されて用いられ、ECU基板7に対向するパッケージ体4の第一の面4aのみから入出力用リード端子2がパッケージ体4の外へ延び、半導体素子1の入出力用リード端子2に近い第一の辺1aの近傍に第一の辺1aに沿って並べられた、入出力用リード端子2と電気的に接続するためのパッド9が複数設けられ、パッド9と入出力用リード端子2とを金属製ワイヤ3(例えば、Auワイヤ)を用いて電気的に接続し、金属製ワイヤ3を接続するために必要な実装面積を低減することにより、パッケージ体4の第一の面4aに垂直な面4b,4dの長手方向(第一の面4aから第一の面4aに対して反対側の面4cに向かう方向)の長さL2が、第一の面4aの長手方向(入出力用リード端子2の整列(配列)方向であり、面4bから面4dに向かう方向)の長さL1より短くなるような構成となっている。
【0020】
本実施例では、半導体素子1が内包されたパッケージ体4が入出力用リード端子2で構成される端子群を介してECU基板7に支持固定される構成であり、端子群を構成する全ての端子は、第一の面4aからパッケージ体4の外部に引き出されている。このため、前記端子群を構成する全ての端子は、第一の面4aに沿って配列されていることになる。これは、前記端子群を構成する全ての端子が第一の面4aの長手方向に沿う辺に沿って配列されていることを意味する。ここで、前記端子群を構成する端子の中には、上記の入出力用リード端子2の他、後述する保持用端子10を設けている場合にはこの保持用端子10を含む。
【0021】
このような構成にすることにより、平板状の半導体素子1を板面がパッケージ体4の第一の面4aと垂直になるように構成する必要がある場合においても、ECU基板7に対する高さ方向の寸法を低減できるので、加速度および角速度検出装置8を、低背で小型なパッケージ体4として、提供することができる。
【0022】
なお、図3に示すように、本発明による加速度および角速度検出装置8は、加速度のみを検出する加速度検出素子24と、角速度のみを検出する角速度検出素子25とが、別体で、それぞれが一体にモールドしたパッケージ体4内に備えられていてもよい。
【0023】
端子群を構成する端子が、第一の面4aに沿って配列され、或いは、第一の面4aの長手方向に沿う辺に沿って配列されていることにより、ECU基板7に対して、安定して搭載することができる。
【0024】
また、図4に示すように、入出力用リード端子2が複数あって、パッケージ体4の第一の面4aの互いにオフセットした位置から、パッケージ体4外へ延ばすことにより、ECU基板7に対して、さらに安定して搭載することができ、図5に示すような、ECU基板7へ、振動が印加されたことによる、首振り現象などを抑制することができる、高耐振動性を有した、構造にしてもよい。
【0025】
また、入出力用リード端子2は、面4a,4b,4c,4dと接する面4e,4fからパッケージ体4の外部に引き出された後、第一の面4a側に延設されるようにしても良い。但し、この場合は、パッケージ体4の厚み方向(第一の面4aの長手方向に垂直な方向)における寸法が大きくなったり、入出力用リード端子2の折り曲げ回数が増える可能性がある。
【0026】
図6は、本発明による加速度および角速度検出装置8をECU基板7に搭載した場合の実装構造を示した上面図である。
【0027】
図6に示すように、本発明による加速度および角速度検出装置8は、パッケージ体4の第一の面4aの中央部に、例えば、電源端子,GND端子,センサ信号出力端子など、パッケージ体4内に備えられた、半導体素子1と金属製ワイヤ3で電気的に接続されている入出力用リード端子2が備えられ、その入出力用リード端子2よりも、辺境部に、パッケージ体4内の半導体素子1と、電気的に接続される必要がない保持用端子10が備えられている構成となっている。本実施例では、保持用端子10を第一の面4aの長手方向の両端部に配置すると共に、第一の面4aの長手方向に垂直な方向に対を成すように配置している。それほど機械的な強度が必要でない場合は、第一の面4aの対角に合計2つの保持用端子10を配置しても良い。さらに、1つの保持用端子10とすることも可能であり、その場合、保持用端子10の幅方向寸法や厚み方向寸法を工夫したり、入出力用リード端子2との位置関係を工夫することで、支持強度を高めることができる。
【0028】
本発明による加速度および角速度検出装置8を搭載する、ECU基板7の実装面には、入出力用リード端子2および保持用端子10に対応する位置に、それぞれの端子をはんだ付けなどにより、電気的および機械的に接続可能とするため、入出力用リード端子2に対応する位置には、ECU基板4の配線パターン18に接続されている、入出力用ランド11が備えられ、保持用端子10に対応する位置には、ECU基板7の配線パターン18に接続されていない、又は、GND配線パターン19などのセンサの入出力や性能に関係しない箇所に接続されている保持用ランド12が備えられている。
【0029】
図7は、本発明による加速度および角速度検出装置8をECU基板7に搭載した場合の接続部を示した拡大上面図である。
【0030】
図7(A)(B)に示すように、入出力用リード端子幅寸法20に対して、保持用端子幅寸法22の方を大きく設計しているが、厚さは同じであるので、1枚の金属板(例えば、42アロイ板など)をプレス加工などにより、打ち抜いて形成することができるため、安価で加工可能であり、かつ、加工精度(平行度や平面度など)確保が容易な構成になっている。
【0031】
ECU基板7などに、入出力用ランド11などを設け、はんだなどで電気的に接続する場合、高い接続信頼性を確保するため、図7(A)に示すように、入出力用ランド幅寸法21は、接続する入出力用リード端子幅寸法20よりも大きく配設するが、本発明の加速度および角速度検出装置8の保持用端子10は、入出力用リード端子2ほど接続信頼性を確保する必要がないため、図7(B)に示すように、保持用端子10を固定するための保持用ランド幅寸法23は、保持用端子10とほぼ同一に配設されている。このため、本発明の加速度および角速度検出装置8をECU基板7に搭載する際、保持用ランド12に保持用端子10を重ね合わせて、はんだ5などで固定することが可能であり、加速度および角速度検出装置8の角度ズレや位置ズレを低減し、ECU基板7などの実装基板に搭載することができる。なお、接続信頼性を確保する必要がある入出力用ランド幅寸法21は、入出力用リード端子幅寸法20よりも大きく配設し、高い接続信頼性を確保できる構造とすることが望ましい。
【0032】
図8,図9は、保持用端子10を備えずに、ECU基板7に加速度および角速度検出装置8を実装した場合の実装構造を示した上面図である。
【0033】
図8に示すように、保持用ランド12に保持用端子10が備えられておらず、パッケージ体4の中央部に入出力用リード端子2が、配設されている構成となっている場合、加速度および角速度検出装置8をECU基板7に搭載する際、入出力用ランド11の幅と入出力用リード端子2の幅に差があるため、角度ズレや位置ズレが容易に発生してしまう。
【0034】
図9に示すように、入出力用リード端子2をパッケージ体4の辺境部(第1の面4aの長手方向端部近傍)まで配設することにより、中央部に配設するよりは、角度ズレや位置ズレをやや低減することができるが、本発明の加速度および角速度検出装置8のように、ECU基板7に対向するパッケージ体4の第一の面4aが長方形である直方体のパッケージ体4で構成されている場合、ECU基板7とパッケージ体4および、入出力用リード端子2の熱膨張係数差により、パッケージ体4の端部の入出力用リード端子2と入出力用ランド11を電気的に接続しているはんだ5に、ひずみなどの応力が集中し、はんだクラックなどが発生しやすいため、高い接続信頼性を確保することは困難である。
【0035】
図10は、本発明による加速度および角速度検出装置8をECU基板7に実装した場合の実装構造を示した上面図である。
【0036】
図10に示すように、本発明の加速度および角速度検出装置8の保持用端子10は、角度ズレや位置ズレを低減することができるだけでなく、パッケージ体4の第一の面の中央部に備えられた、入出力用リード端子2よりも、辺境部に備えられているため、ECU基板7とパッケージ体4および、保持用端子10の熱膨張係数の差により、保持用端子10と保持用ランド12を機械的に接続している、はんだ5に、ひずみなどの応力が集中し、はんだクラック17などが発生しやすい構造となっている。そのため、パッケージ体4の中央部の入出力用リード端子2と入出力用ランド11を電気的に接続している、はんだ5には、ひずみなどの応力が集中しにくく、はんだクラック17などが発生しにくい構造となっており、入出力用リード端子2と入出力用ランド11の接続については、高い接続信頼性を確保できる構成となっている。なお、保持用端子10と保持用ランド12の接続は、高い接続信頼性を必要としていないため、はんだクラック17などが発生しても、本発明の加速度および角速度検出装置8の特性に影響することはない構成になっている。
【0037】
図11,図12は、本発明による加速度および角速度検出装置8を自動車などのブレーキ制御用コントロールユニット13内に搭載した場合の構造模式図である。
【0038】
図11に示すように、ブレーキ制御用コントロールユニット13は、コントロール部14に、電子部品15が搭載された、ECU基板7が備えられており、その実装面をモールド樹脂などで作製されたユニットカバー16で、覆っている構造であることが多い。そのため、例えば、本発明の加速度および角速度検出装置8をECU基板7の実装面上に搭載する場合、パッケージ体4の高さ寸法が実装された電子部品15の高さ寸法より大きいことにより、パッケージ体4とユニットカバー16が接触してしまい、ECU基板7の実装面を覆うことができないため、ブレーキ制御用コントロールユニット13のサイズを大きくする必要が発生してしまう場合がある。
【0039】
このような場合、図12に示すように、パッケージ体4の第一の面4a(本実施例ではECU基板7に略平行で且つECU基板7側に位置する面)に垂直な対向する2面4e,4fの長手方向の辺4g,4hに対して平行に、入出力用リード端子2および保持用端子10を並べた構造とし、ECU基板7にはパッケージ体4を一部挿入できる大きさの基板孔7aを設け、その基板孔7aに、パッケージ体4の一部を挿入して、入出力用リード端子2と保持用端子10とを、ECU基板7に電気的および機械的に接続する構成にするとよい。これにより、ECU基板7に加速度および角速度検出装置8を搭載する際の高さ寸法を低減し、パッケージ体4とユニットカバー16の接触を避け、ブレーキ制御用コントロールユニット13のサイズを拡大することなく、加速度および角速度検出装置8を搭載することができる。
【0040】
この構成では、半導体素子1が内包されたパッケージ体4が入出力用リード端子2で構成される端子群(保持用端子10を含んでいてもよい)を介してECU基板7に支持固定されており、端子群を構成する全ての端子は、面4eと面4fとからパッケージ体4の外部に引き出されている。このとき、前記端子群を構成する全ての端子は、ECU基板7に略平行で且つECU基板7側の面である第一の面4a、或いは第一の面4aの長手方向に沿う辺に沿って配列されていることになる。
【0041】
図13は、本発明による加速度および角速度検出装置8を搭載したブレーキ制御用コントロールユニット13を自動車26に搭載した場合の透視側面図である。図14は、本発明による加速度および角速度検出装置8を搭載したブレーキ制御用コントロールユニット13を自動車26に搭載した場合の透視上面図である。
【0042】
図13に示すように、ブレーキ制御用コントロールユニット13は、自動車26の車室29内やトランクルーム30内ではなく、自動車26の前側にあることが多いエンジンルーム27内に、固定治具28を用いて固定されている場合が多く、加速度および角速度検出装置8は、そのブレーキ制御用コントロールユニット13内に備えられ、自動車26の床面に対して、垂直になるように配設されたECU基板7に搭載されている。自動車26のエンジンルーム27内は、様々な部品などが配設されており、新たな部品などを搭載するスペースを確保することは、非常に困難であることが多い。そのため、ブレーキ制御用コントロールユニット13のサイズを拡大することなく、加速度および角速度検出装置8をブレーキ制御用コントロールユニット13に搭載することは、非常に重要であり、必要なことである。
【0043】
図14に示すように、加速度および角速度検出装置8は、自動車26に搭載された、ブレーキ制御用コントロールユニット13内に備えられ、自動車26の床面に対して、垂直になるように配設されたECU基板7に搭載され、自動車26の前後左右方向に加わる、印加加速度32および、自動車26の回転方向に加わる、印加角速度33を計測することに利用される。その計測結果は、自動車26の走行状態を検知することに利用され、その走行状態(主に、危険な走行状態の場合)により、4つのタイヤ31、それぞれにかかるブレーキ力を制御することにより、自動車26の安定した走行姿勢を維持することを可能としている。
【符号の説明】
【0044】
1 半導体素子
2 入出力用リード端子
3 金属製ワイヤ
4 パッケージ体
5 はんだ
6,11 入出力用ランド
7 ECU基板
8 加速度および角速度検出装置
9 パッド
10 保持用端子
12 保持用ランド
13 ブレーキ制御用コントロールユニット
14 コントロール部
15 電子部品
16 ユニットカバー
17 はんだクラック
18 配線パターン
19 GND配線パターン
20 入出力用リード端子幅寸法
21 入出力用ランド幅寸法
22 保持用端子幅寸法
23 保持用ランド幅寸法
24 加速度検出素子
25 角速度検出素子
26 自動車
27 エンジンルーム
28 固定治具
29 車室
30 トランクルーム
31 タイヤ
32 印加加速度
33 印加角速度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
加速度および角速度を検出する半導体素子と、前記半導体素子に接続される複数の端子と、前記端子の一部と前記半導体素子とを一体にモールドしたパッケージ体とを備えた加速度および角速度検出装置において、
前記複数の端子は前記パッケージ体の一辺に沿って配列され、前記パッケージ体における前記一辺に沿う方向に垂直な方向の長さ寸法が、前記一辺に沿う方向の長さ寸法に対して短くなるように構成されたことを特徴とする加速度および角速度検出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の加速度および角速度検出装置において、
前記複数の端子の全ては、前記パッケージ体が他の基板に固定された場合に前記他の基板と対向する第一の面から前記パッケージ体の外部に引き出され、
前記一辺が前記第一の面の長手方向に沿う辺であることを特徴とする加速度および角速度検出装置。
【請求項3】
請求項2に記載の加速度および角速度検出装置において、
前記半導体素子が、前記第一の面と垂直になるように構成されたことを特徴とする加速度および角速度検出装置。
【請求項4】
請求項2又は3に記載の加速度および角速度検出装置において、
前記端子は、前記第一の面の互いにオフセットした位置から前記パッケージ体の外部へ引き出されていることを特徴とする加速度および角速度検出装置。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれか1項に記載の加速度および角速度検出装置において、
前記端子には、前記半導体素子に接続された端子と、前記半導体素子に接続されていない端子とがあり、前記半導体素子に接続された端子は前記第一の面の中央部付近に配設され、前記半導体素子に接続されていない端子は前記半導体素子に接続された端子よりも辺境部に配設されたことを特徴とする加速度および角速度検出装置。
【請求項6】
請求項5に記載の加速度および角速度検出装置において、
前記半導体素子に接続された端子は前記他の基板の配線パターンに接続されたランドとはんだを用いて電気的および機械的に接続され、前記半導体素子に接続されていない端子は前記他の基板の配線パターンに接続されていないランドとはんだを用いて電気的および機械的に接続されたことを特徴とする加速度および角速度検出装置。
【請求項7】
請求項6に記載の加速度および角速度検出装置において、
前記半導体素子に接続された端子の幅寸法より、前記半導体素子に接続されていない端子の幅寸法が大きいことを特徴とする加速度および角速度検出装置。
【請求項8】
請求項1に記載の加速度および角速度検出装置において、
前記パッケージ体は、前記パッケージ体が他の基板に固定された場合に他の基板に対して略平行となり且つ前記一辺を含む第一の面を有し、
前記半導体素子に接続された端子と前記半導体素子に接続されていない端子とが、前記第一の面に垂直に構成される2面から、前記パッケージ体の外部へ引き出されると共に、前記一辺に対して平行に並べられ、
パッケージ体の一部を前記他の基板に形成した基板孔に挿入し、前記半導体素子に接続された端子と前記半導体素子に接続されていない端子とを前記他の基板に電気的および機械的に接続することを特徴とする加速度および角速度検出装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の加速度および角速度検出装置からの信号に基づいて、車両のブレーキ力を制御する車両運動制御装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2012−68178(P2012−68178A)
【公開日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−214660(P2010−214660)
【出願日】平成22年9月27日(2010.9.27)
【出願人】(509186579)日立オートモティブシステムズ株式会社 (2,205)
【Fターム(参考)】