説明

動物に対する鉄の送達

本発明は、動物に対して鉄を送達するための方法を提供する。本発明はさらに、動物における鉄欠乏を処置するための方法を提供する。上記の動物に対して鉄を送達するための方法は、上記動物に対して、鉄を含む脂質ベースの分散物を投与する工程;を包含する。本発明はまた、動物に対する鉄の送達のための医薬を調製するための、上記のような脂質ベースの分散物の使用を提供する。本発明はまた、鉄欠乏疾患または鉄欠乏状態を有する動物を処置するための、上記のような脂質ベースの分散物の使用を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の引用)
本特許文書は、2004年9月13日に出願された米国特許出願第60/609,491号に対する優先権を主張する。この出願は、本明細書中で参考として援用される。
【背景技術】
【0002】
(背景)
リポソームは、水性コアを取り囲む疎水性二重層を形成する、リン脂質およびコレステロールから作製されたミクロン未満の球状の小胞である。これらの構造は、広汎な種類の治療剤とともに使用されており、これらの構造は、薬物が、それ自体の疎水性(二重層捕捉)特性または親水性(水性区画における捕捉)特性に部分的に基づいて、そのリポソーム中に捕捉されることを可能にする。
【0003】
代表的には、リポソーム中に薬物を収容する(encapsulate)ことは、その薬物に関する生体分布パターンおよび薬物速度論を変化させ得る。特定の場合において、リポソーム収容(encapsulation)は、その薬物の毒性を低下させることが見出されている。特に、いわゆる長期循環リポソーム処方物が、広汎に研究されている。これらのリポソーム処方物は、単核食細胞系の器官(主に肝臓および脾臓)による取り込みを回避する。そのような長期循環リポソームは、そのリポソームと、リポソーム取り込みにおいて一定の役割を果たす血漿成分との間の相互作用を防止するように作用する、可撓性の水溶性ポリマーの表面コートを含む。あるいは、そのようなリポソームは、このコーティングを含まずに、代わりに、飽和した長鎖リン脂質およびコレステロールを含んで、作製され得る。
【0004】
鉄欠乏は、栄養欠乏の最も一般的な公知形態である。その罹患率(prevalence)は、若い子供および妊娠可能年齢の女性(特に、妊娠中の女性)の間で、最も高い。子供において、鉄欠乏は、発育遅延(delay)および行動障害(disturbance)を引き起こし、妊娠中の女性においては、鉄欠乏は、早期産および低出生体重(birthweight)の乳児(baby)の分娩の危険を増加させる。過去30年間において、乳児(infant)の間での鉄摂取増加は、米国において、小児鉄欠乏貧血の低下をもたらした。結果として、貧血についてのスクリーニング試験の使用は、いくつかの集団において鉄欠乏を検出するためのそれ程効率が良くない手段になっている。
【0005】
妊娠可能年齢の女性に関して、鉄欠乏は、蔓延(prevalent)している。人体において、鉄は、すべての細胞中に存在し、いくつかの重要な(vital)機能を有する。例えば、鉄は、肺から組織への酸素のキャリアとしてヘモグロビン(Hb)の形態で;筋肉における酸素の使用および貯蔵の促進剤(facilitator)としてミオグロビンとして;細胞における電子に関する輸送媒体としてシトクロムとして;そして種々の組織における酵素反応の必須(integral)部分として、存在する。少なすぎる鉄は、これらの重要な(vital)機能を妨害し得、罹病(morbidity)および致死(mortaity)をもたらし得る。
【0006】
現在、鉄欠乏の臨床的管理は、鉄置換製品を用いて患者を処置することを包含する。例示的な鉄治療の選択肢としては、経口鉄、INFeD(登録商標)(鉄デキストラン注射)、Venofer(登録商標)(静脈内鉄スクロース)、およびFerrlecit(登録商標)(静脈内用のスクロース中のグルコン酸ナトリウム鉄(III)(sodium ferric gluconate)複合体)が挙げられる。
【0007】
経口鉄補充(supplementation)が一般的に使用されるが、これは、いくつかの不利点を有し、その不利点としては、乏しい鉄胃腸吸収に起因する貧血を処置することにおける、副作用、コンプライアンスの乏しさ、吸収の乏しさ、および低い効力が挙げられる。胃腸(GI)副作用としては、便秘、嘔気、嘔吐、および胃炎が挙げられる。静脈内鉄治療は、経口鉄補充(supplementation)に関連するバイオアベイラビリティの問題を克服しており、赤血球産生を刺激することエリスロポエチン補充(supplementation)の効力を増加することが示されている。しかし、INFeD(登録商標)(鉄デキストラン注射)の使用は、この製品に関連するアナフィラキシー反応(デキストランの存在に起因する可能性が最も高い)の危険が原因で、最近減少している。INFeD(登録商標)(鉄デキストラン注射)とは異なり、Venofer(登録商標)(静脈内鉄スクロース)およびFerrlecit(登録商標)(静脈内用のスクロース中のグルコン酸ナトリウム鉄(III)(sodium ferric gluconate)複合体)は、患者においてアナフィラキシー反応を誘導する危険をほとんど有さないが、これらの製品に関連する有害な反応も存在し、その有害な反応としては、呼吸困難、喘鳴音、腹部痛もしくは背中痛、嘔気、嘔吐、および低血圧が挙げられる。これらの反応は、血流中に残る少量のイオン化「遊離」鉄を生じる静脈内(IV)鉄の多量投与によるトランスフェリン分子の過剰負荷(overload)にほぼ起因する。これは、正常レベル未満のトランスフェリンを有するヒトにおいて悪化し得る。さらに、過度の静脈内(IV)鉄過剰負荷(ovrload)は、ヘモシデリン沈着症、肝器官機能不全または心機能不全(過度の鉄沈着に由来する)、および細菌感染の危険を有する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、鉄欠乏の顕現(manifestation)(例えば、早産、低出生時体重、ならびに乳児および小児の発育遅延;または(例えば、癌もしくは透析に由来する)成人における貧血)を減少させ、従って公衆衛生(public health)を改善することを補助するための、新規な鉄治療法および鉄治療製品について、当該分野において必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(発明の特定の実施形態の要旨)
本発明の特定の実施形態は、動物に対して鉄を送達するための方法を提供する。この方法は、その動物に対して、鉄を含む脂質ベースの分散物を投与する工程を包含する。従って、本発明の特定の実施形態は、鉄欠乏ならびに関連する疾患および状態を、トランスフェリン過剰負荷(overload)を回避する能力を有する非経口リポソーム鉄製品を使用して処置するための方法を提供する。本発明の方法を使用すると、鉄は、循環の間にリポソーム内に捕捉され、それにより、例えば、肝臓および脾臓への、緩徐な組織取り込みを可能にする。さらに、イオン化「遊離」イオンレベルは、低く(事実上ゼロであり)、すべての鉄は、代表的には、トランスフェリンに結合しているか、またはリポソーム中に捕捉されているかのいずれかである。このことは、より短い注入時間、または同じ時間枠においてより多量の鉄を導入する能力を提供し得る。従って、上記方法は、低トランスフェリン血症(hypotransferrinemic)である患者において使用するために特に従う。
【0010】
従って、本発明の特定の実施形態は、動物における鉄欠乏を処置するための方法を提供し、この方法は、上記動物に対して、鉄(例えば、鉄(III)イオン(例えば、クエン酸鉄(III))または鉄(II)イオン)を含む脂質ベースの分散物を投与する工程を包含する。一実施形態において、上記動物は、哺乳動物(例えば、ヒト)である。本発明の特定の実施形態において、上記鉄欠乏疾患または鉄欠乏状態は、貧血である。
【0011】
(詳細な説明)
「鉄欠乏疾患または鉄欠乏状態」とは、不十分な食事、身体による鉄の吸収不足、および/または血液損失のいずれかに起因する、身体中に存在する鉄が少なすぎることに関連する疾患または病理学的状態を指す。鉄欠乏症はまた、小児における鉛中毒に関連し得、そして鉄欠乏性貧血をもたらし得る。
【0012】
定量的には、例えば、男性に関して約3.8g未満または女性に関して約2.3g未満の総身体鉄平均(これは、それぞれ、75kgの男性に関して50mg/kg体重と等価であり、55kgの女性に関して42mg/kg体重と等価である)が、代表的には、鉄欠乏状態を示す。身体中の鉄の総量は、当該分野で周知のアッセイを使用して、この鉱物の摂取、損失、および貯蔵によって決定される。例えば、ヘモグロビンアッセイおよび血清フェリチンアッセイが、貧血について試験するための一般的方法である。さらに、血清トランスフェリンレセプターアッセイが、鉄欠乏性貧血の存在を決定するために使用され得る。
【0013】
従って、「鉄欠乏疾患または鉄欠乏状態」とは、低血清鉄、増加した血清鉄結合能力、減少した血清フェリチン、および/または減少した骨髄鉄貯蔵により特徴付けられる疾患または状態(例えば、鉄欠乏性貧血(iron deficiency anemia)(鉄欠乏性貧血(hypoferric anemia)ともまた称される)、少ない(small)淡色の赤血球および鉄の枯渇により特徴付けられる慢性貧血、慢性的な血液の損失による貧血、低色素性小球性貧血、萎黄病、低色素性貧血(妊娠、新生児期、および小児期のもの)、出血後貧血、ならびに含または糖尿病に関連する貧血を包含するが、これらに限定はされない。
【0014】
「貧血」とは、1立方mmあたりの赤血球の数、100mlの血液中のヘモグロビンの量、または100mlの血液中の充填赤血球の量が通常より少ない、あらゆる状態をいう。貧血は、例えば、血液損失貧血、細胞および色素の産生の問題に関連する貧血、巨赤芽球性貧血、血球溶血性貧血、増加した溶血に関連する貧血、セロゲン(serogenic)溶血性貧血、および中毒性溶血性貧血のような型に分類され得る。
【0015】
特定の実施形態において、動物は、哺乳動物(例えば、ヒト)である。特定の実施形態において、この動物は、鉄欠乏の危険性が高い。特定の実施形態において、この哺乳動物は、雌性(例えば、妊娠した雌性のような妊娠可能年齢の雌性)である。特定の実施形態において、この雌性は、乳汁分泌期の雌性である。特定の実施形態において、この動物は、子供である。特定の実施形態において、この子供は、生後約1週間、生後約1ヶ月、生後約6ヶ月、または約1歳、約2歳、約3歳、約4歳、約5歳、約6歳、約7歳、約8歳、約9歳、約10歳、約11歳、約12歳、約13歳、約17歳、約15歳、約16歳、約17歳、もしくは約18歳である。特定の実施形態において、この子供は、生後約0ヶ月〜約6ヶ月である。特定の実施形態において、この子供は、生後約6ヶ月〜約9ヶ月である。特定の実施形態において、この子供は、生後約6ヶ月〜約12ヶ月である。特定の実施形態において、この子供は、約1歳〜約4歳である。特定の実施形態において、この子供は、青年期の子供である。特定の実施形態において、上記動物は、太りすぎの動物である。
【0016】
本発明の脂質ベースの分散物は、リポソーム形成脂質を含有する脂質層を備える。代表的に、この脂質は、少なくとも1種のホスファチジルコリンを含有し、このホスファチジルコリンは、このリポソームの一次充填/捕捉/構造的要素を提供する。代表的に、このホスファチジルコリンは、主としてC16以上の脂肪酸鎖を含む。鎖長は、リポソームの構造と、一体性と、安定性との全てを左右する。必要に応じて、1つの実施形態において、この脂肪酸鎖は、少なくとも1つの二重結合を有し得る。
【0017】
本明細書中で使用される場合、用語「ホスファチジルコリン」は、ダイズPC、卵PC、ジエライドイルホスファチジルコリン(DEPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジステアロイルホスファチジルコリン(DSPC)、水素化ダイズホスファチジルコリン(HSPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、1−パルミトイル−2−オレオホスファチジルコリン(POPC)、ジベヘノイルホスファチジルコリン(DBPC)、およびジミリストイルホスファチジルコリン(DMPC)、ならびにこれらの混合物を包含する。
【0018】
本明細書中で使用される場合、用語「ダイズPC」とは、種々のモノ不飽和脂肪酸、ジ不飽和脂肪酸、トリ不飽和脂肪酸、および飽和脂肪酸を含有する、ホスファチジルコリン組成物をいう。代表的に、ダイズPCは、約12重量%〜約33重量%の量で存在するパルミチン酸;約3重量%〜約8重量%の量で存在するステアリン酸;約4重量%〜約22重量%の量で存在するオレイン酸;約60重量%〜約66重量%の量で存在するリノール酸;および約5重量%〜約8重量%の量で存在するリノレン酸を含有する。
【0019】
本明細書中で使用される場合、用語「卵PC」とは、種々の飽和脂肪酸および不飽和脂肪酸(これらに限定はされない)を含有する、ホスファチジルコリン組成物をいう。代表的に、卵PCは、約34重量%の量で存在するパルミチン酸;約10重量%の量で存在するステアリン酸;約31重量%の量で存在するオレイン酸;および約18重量%の量で存在するリノール酸を含有する。
【0020】
本明細書中で使用される場合、用語「DEPC」および「DOPC」は、1つの飽和を有するC18脂肪酸を含有し、この脂肪酸が約90%〜約100%(好ましくは、約100%)の量で存在する、ホスファチジルコリン組成物をいう。
【0021】
コレステロールは、代表的に、リポソームに安定性を提供する。ホスファチジルコリン対コレステロールの比は、代表的に、モル比で約0.5:1〜約4:1である。好ましくは、ホスファチジルコリン対コレステロールの比は、モル比で約1:1〜約2:1である。より好ましくは、ホスファチジルコリン対コレステロールの比は、モル比で約2:1である。
【0022】
本明細書中で使用される場合、用語「総脂質」は、ホスファチジルコリンと、存在するあらゆるアニオン性リン脂質とを含む。
【0023】
上記リポソームはまた、動物血清との等張性を維持するために、生理学的に受容可能な塩を含有し得る。動物血清との等張性を達成する任意の薬学的に受容可能な塩(例えば、NaCl)が、認容可能である。
【0024】
(アニオン性リン脂質)
アニオン性リン脂質が使用され得、そして代表的に、上記リポソームにクーロン性を提供する。このクーロン性は、貯蔵の際にこの系を安定化させることを補助し得、そして融合または集合または凝集を防止し得る。このクーロン性はまた、凍結乾燥を容易にし得るか、または可能にし得る。このクーロン性はまた、直接的な直腸結腸内皮(recticuloendothelial)系標的化を補助し得る。ホスファチジン酸類、ホスファチジルグリセロール類、およびホスファチジルセリン類(PA、PG、およびPS)のリン脂質は、本発明の処方物において特に有用である。これらのアニオン性リン脂質は、代表的に、主としてC16以上の脂肪酸鎖を含有する。
【0025】
1つの実施形態において、上記アニオン性リン脂質は、卵PG(卵ホスファチジルグリセロール)、ダイズPG(ダイズホスファチジルグリセロール)、DSPG(ジステアロイルホスファチジルグリセロール)、DPPG(ジパルミトイルホスファチジルグリセロール)、DEPG(ジエライドイルホスファチジルグリセロール)、DOPG(ジオレオイルホスファチジルグリセロール)、DSPA(ジステアロイルホスファチジン酸)、DPPA(ジパルミトイルホスファチジン酸)、DEPA(ジエライドイル(Dielaidoy)ホスファチジン酸)、DOPA(ジオレオイルホスファチジン酸)、DSPS(ジステアロイルホスファチジルセリン)、DPPS(ジパルミトイルホスファチジルセリン)、DEPS(ジエライドイル(Dielaidoy)ホスファチジルセリン)、およびDOPS(ジオレオイルホスファチジルセリン)、ならびにこれらの混合物から選択される。別の実施形態において、上記アニオン性リン脂質は、DSPGである。
【0026】
(リポソームの調製)
本発明のリポソームは、リン脂質とコレステロールとの脂質層を備える。代表的に、リン脂質対コレステロールの比は、一旦患者に投与されると、実質的に迅速には溶解も崩壊もしないリポソームを形成するために充分である。これらのリン脂質およびコレステロールは、適切な溶媒または溶媒混合物に溶解される。適切な量の時間の後に、この溶媒は、真空乾燥および/または噴霧乾燥によって、除去される。得られる固体材料は、貯蔵され得るか、または即座に使用され得る。
【0027】
引き続いて、得られる固体材料は、適切な濃度の鉄を含有する水溶液中で、適切な温度で水和されて、多重膜リポソーム(MLV)を生じる。MLVを含有する溶液は、均質化によりサイズを減少されて、小さな単膜リポソーム(SUV)を形成し、この形成されるSUV内に、薬物が受動的に収容される。この得られたリポソーム溶液は、例えば、クロマトグラフィーまたは濾過により精製されて、収容されていない鉄を除去され得、次いで、使用のために濾過され得る。
【0028】
(鉄)
本明細書中で使用される場合、用語「鉄」は、本発明の方法において使用され得る任意の薬学的に受容可能な鉄化合物(鉄補充(例えば、鉄II(鉄(II))補充または鉄III(鉄(III))補充であり、例えば、硫酸鉄(II)、塩化鉄(III)、グルコン酸鉄(II)、乳酸鉄(II)、酒石酸鉄(II)、鉄−糖−カルボン酸複合体、フマル酸鉄(II)、コハク酸鉄(II)、グルタミン酸鉄(II)、クエン酸鉄(III)、クエン酸鉄(II)、ピロリン酸鉄(II)、コリンイソクエン酸鉄(II)、および炭酸鉄(II)などが挙げられる)を包含する。1つの実施形態において、上記鉄は、クエン酸鉄(III)である。
【0029】
(相対量)
本発明はまた、例えば、鉄を動物に送達するために有用な、本明細書中記載されるようなリポソーム、分散物、組成物および処方物を提供する。
【0030】
1つの実施形態において、上記脂質ベースの分散物は、ホスファチジルコリンに対するモル比で0.05%〜60%のアニオン性リン脂質を含有する。
【0031】
1つの実施形態において、総脂質(ホスファチジルコリン+アニオン性リン脂質)対鉄の重量比は、1:1より大きい。
【0032】
1つの実施形態において、総脂質(ホスファチジルコリン+アニオン性リン脂質)対鉄の重量比は、5:1より大きい。
【0033】
1つの実施形態において、総脂質(ホスファチジルコリン+アニオン性リン脂質)対鉄の重量比は、10:1より大きい。
【0034】
1つの実施形態において、総脂質(ホスファチジルコリン+アニオン性リン脂質)対鉄の重量比は、20:1より大きい。
【0035】
1つの実施形態において、本発明は、HSPC:コレステロール:DSPGを約2:1:0.2の比で含有するリポソーム中に鉄を含有する、処方物を提供する。
【0036】
別の実施形態において、本発明は、HSPC:コレステロール:DSPGを約2:1:0.3の比で含有するリポソーム中に鉄を含有する、処方物を提供する。
【0037】
別の実施形態において、本発明は、HSPC:コレステロール:DSPGを約2:1:0.4の比で含有するリポソーム中に鉄を含有する、処方物を提供する。
【0038】
別の実施形態において、本発明は、DEPC:コレステロールを約2:1の比で含有するリポソーム中に鉄を含有する、処方物を提供する。
【0039】
別の実施形態において、本発明は、DEPC:コレステロール:DSPGを約2:1:0.1の比で含有するリポソーム中に鉄を含有する、処方物を提供する。
【0040】
別の実施形態において、本発明は、DOPC:コレステロールを約2:1の比で含有するリポソーム中に鉄を含有する、処方物を提供する。
【0041】
本発明の1つの実施形態において、上記脂質ベースの分散物は、1種以上のホスファチジルコリン、コレステロール、鉄、および必要に応じて、1種以上のアニオン性リン脂質を有し得る。例えば、1つの実施形態において、上記脂質ベースの分散物は、約0.5:1〜約4:1の、ホスファチジルコリン対コレステロールのモル比(例えば、約1:1〜約2:1の、ホスファチジルコリン対コレステロールのモル比)を有し得る。上記ホスファチジルコリンは、例えば、DEPC、DOPC、DSPC、HSPC、DMPC、DPPC、またはこれらの混合物であり得る。例えば、上記ホスファチジルコリンは、HSPC、DOPC、DEPC、およびこれらの混合物であり得る。例えば、本発明の特定の実施形態において、上記脂質ベースの分散物は、約2:1:0.3の比のHSPC:コレステロール:DSPG;約2:1:0.2の比のHSPC:コレステロール:DSPG;約2:1:0.1の比のDEPC:コレステロール:DSPG;または2:1の比のDOPC:コレステロールを有し得る。
【0042】
(処方物)
本発明の処方物は、選択された投与経路に適合する種々の形態で、動物宿主(例えば、哺乳動物宿主であり、例えば、ヒト患者)に投与され得る。例えば、これらの処方物は、非経口投与されるように処方され得る。さらに、上記脂質ベースの分散物は、注入または注射による皮下投与、筋肉内投与、静脈内投与、または腹腔内投与のために処方され得る。これらの調製物はまた、微生物の増殖を防止するための防腐剤、緩衝剤、または酸化防止剤を、適切な量で含有し得る。
【0043】
本発明の処方物の有用な投与量は、これらのインビトロでの活性と、動物モデル内でのインビボでの活性を比較することによって、決定され得る。マウスおよび他の動物における有効投薬量の、ヒトへの外挿のための方法は、当該分野において公知である。例えば、米国特許第4,938,949号を参照のこと。
【0044】
本発明の脂質ベースの分散物は、代表的に、約1mg/mL〜約10mg/mLの鉄を有する。一般に、本発明の単位投薬形態中の鉄の濃度は、代表的には、この組成物の約0.5重量%〜約50重量%であり、好ましくは、この組成物の約2重量%〜約20重量%である。
【0045】
処置において使用するために必要とされるイオン化合物または補充の特定の型のみではなく、投与経路、処置される状態の性質ならびに患者の年齢および状態と共に変動する。必要とされる量は、最終的には、主治医または臨床医の判断による。
【0046】
望ましい量の処方物は、好都合には、単回用量または適切な間隔(例えば、1日あたり2回、3回、4回、またはそれより多くの部分用量)で投与される分割用量で提供され得る。部分用量自体が、例えば、緩く間隔を空けた不連続な投与数に、さらに分割され得る。
【0047】
本発明の処方物中の鉄について、および遊離鉄についての薬物速度論的データ(注入後の時間に対する血漿濃度)は、公知の動物モデルのアレイにおいて決定され得る。例えば、このデータは、ラットにおいて、試験Aを使用して決定され得る。
【0048】
(試験方法A−薬物速度論(PK))
薬物速度論的データ(注入後の時間に対する血漿濃度)は、リポソーム処方物あたりの1用量および対応する遊離薬物について得られる。Sprague DawleyラットまたはWistarラット(雌性、体重約150g)を使用する。代表的に、1つの用量群あたり6匹のラットが存在する。200マイクロリットルの引き抜いた血漿(眼窩洞からサンプリング)を、EDTAチューブに収集し、薬物の化学分析の前に、サンプルを凍結させる。
【0049】
12g/dLのヘモグロビン濃度を有する1mlの血液は、120mgヘモグロビン/mlを含有する。ヘモグロビンは、0.34%が鉄である。従って、120mg hb/mlを有する血液は、ヘモグロビン中に0.41mgFe/mlを含有する。12gヘモグロビン/dLを有する血液200mlの損失の結果として、82mgのFeを失う。
【0050】
本発明の処方物中の鉄について、および遊離鉄についての、最大許容投与量は、公知の動物モデルのアレイにおいて決定され得る。例えば、この用量は、試験Bを使用して決定され得る。
【0051】
(試験方法B−最大許容投与量(MTD))
ヌードマウス(NCr.nu/nu−マウス)に、各リポソーム処方物および遊離鉄を、静脈内投与により投与し、次いで、各処方物についての最大許容投与量(MTD)を決定する。代表的に、ある範囲の用量を、MTDが見出されるまで、1つの用量群あたり2匹のマウスを用いて与える。MTDの推定は、体重、死亡率、行動変化、および/または剖検の際の兆候の評価によって決定される。この実験の代表的な持続時間は、これらのマウスの4週間の観察であり、体重測定を、1週間あたり2回行う。
【0052】
あるいは、ボーラス静脈内用量または腹腔内用量のMTDは、低トランスフェリン血症マウス(例えば、Trenorら(2000)に記載される異型接合Trfrマウス)において評価され得る。あるいは、最大注入速度は、静脈内注入によって、動物中の各小物について決定され得る。
【0053】
本発明は、本発明の処方物の調整を記載する以下の実施例を参照することによって、さらに規定される。材料と方法との両方に対する多くの改変が、本発明の目的および興味から逸脱することなく実施され得ることが、当業者に明らかである。
【実施例】
【0054】
(リポソーム調製の一般的な手順)
水素化ダイズホスファチジルコリン(HSPC)、ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジエライドイルホスファチジルコリン(DEPC)、コレステロール(Chol)およびジステアロイルホスファチジルグリセロール(DSPG)を、以下のモル比で含有する、種々のリン脂質を含有する脂質層または脂質噴霧乾燥粉末を、調製した。
【0055】
HSPC:Chol:DSPGを、a)2:1:0.2 b)2:1:0.3 c)2:1:0.4
DOPC:Cholを、a)2:1
DEPC:Chol:DSPGを、a)2:1:0.1。
【0056】
(脂質層の調製)
各脂質成分のストック溶液を、クロロホルム:メタノールの1:1(v/v)有機溶媒系中で作製した。各脂質成分の最終濃度は、50mg/mlであった。脂質溶液を、指定されたモル比に従ってピペッティングし、そしてコニカルチューブ内で混合した。次いで、その溶媒を、温度を65℃に設定された熱ブロック中でこの溶液を加熱しながら、この溶液に通して窒素を流すことにより、除去した。次いで、この形成された脂質層を、使用されるまで(48時間より長時間)減圧下でデシケータ内に置いたままにして、残留有機溶媒を除去した。
【0057】
(噴霧乾燥された脂質粉末の調製)
全ての脂質成分を秤量し、そして丸底フラスコ内で混合した。クロロホルム:メタノールの1:1(v/v)の溶媒を、この脂質粉末に添加し、最終脂質濃度を、約100mg/mlにした。次いで、YAMATO GB−21噴霧乾燥機を、指定されたパラメータ設定で使用して、この脂質溶液を噴霧乾燥させて、脂質粉末を形成した。この脂質粉末中に残留する溶媒を、3時間〜5時間減圧乾燥させることにより、除去した。
【0058】
(クエン酸鉄(III)ストック溶液の調製)
クエン酸鉄(III)粉末を注射用水に室温で溶解することによって、600mg/mLの濃度のクエン酸鉄(III)ストック溶液を調製した。
【0059】
(脂質層または噴霧乾燥した脂質粉末のいずれかからのプローブ超音波処理による、リポソームの調製)
脂質層または脂質粉末を秤量し、そして65℃の水浴中で、600mg/mlのクエン酸鉄(III)ストック溶液で、約200mg/mlの脂質濃度で水和させた。この水和溶液を、この溶液が半透明になるまでプローブ超音波処理に供した。超音波処理の代表的な温度は、65℃であり、そして代表的な超音波処理の時間は、15分間〜20分間であった。超音波処理(すなわち、リポソームの形成)の完了後、この溶液を、9%スクロース溶液でか、または1mM〜10mMのNHClを含有してpHを5.0〜7.5に調整された9%スクロース溶液で、50倍に希釈した。得られたリポソーム溶液中の収容されていない遊離鉄を、9%スクロース溶液、または1mM〜10mMのNHClを含有してpHを5.0〜7.5に調整された9%スクロース溶液を用いる限外濾過/緩衝液交換により除去した。緩衝液交換後、この溶液を濃縮して50倍に戻した。得られた溶液を、0.2μm PES(ポリエーテルスルホン)フィルタを使用して滅菌濾過し、そして2℃〜8℃で無菌貯蔵した。
【0060】
(噴霧乾燥した脂質粉末からの均質化によるリポソームの調製)
脂質粉末を秤量し、そして65℃の水浴中で、600mg/mLのクエン酸鉄(III)ストック溶液で、約200mg/mlの脂質濃度で水和させた。この水和溶液を、Niroホモジナイザーを10,000PSIで65℃で使用して、この溶液が半透明になるまで均質化に供した。代表的に、この溶液をこのホモジナイザーに通して連続して約25回〜30回、またはこの溶液が半透明になるまで、ポンプ送りした。均質化(すなわち、リポソーム形成)の完了後、このリポソーム溶液を、9%スクロース溶液でか、または1mM〜10mMのNHClを含有してpHを5.0〜7.5に調整された9%スクロース溶液で、50倍に希釈した。得られたリポソーム溶液中の収容されていない遊離鉄を、9%スクロース溶液、または1mM〜10mMのNHClを含有してpHを5.0〜7.5に調整された9%スクロース溶液を用いる限外濾過/緩衝液交換により除去した。緩衝液交換後、この溶液を濃縮して50倍に戻した。得られた溶液を、0.2μm PES(ポリエーテルスルホン)フィルタを使用して滅菌濾過し、そして2℃〜8℃で無菌貯蔵した。
【0061】
(実施例1)
リポソームを、上記のように調製した。代表的なリポソームについての特徴付けデータを表1に示す。
【0062】
【表1】

(実施例2)
以下は、動物(例えば、ヒト)における治療的使用または予防的使用のための、本発明の脂質ベースの分散物を含有する代表的な薬学的投薬形態を示す。
【0063】
(表2)
(i)注射剤1(1mg/ml) mg/ml
「鉄」 1.0
ホスファチジルコリン 40
コレステロール 10
スクロース 90
0.1N水酸化ナトリウム溶液
(7.0〜7.5にpH調整) 充分な量
注射用水 1mLになるように充分な量。
【0064】
(ii)注射剤2(10mg/ml) mg/ml
「鉄」 10
ホスファチジルコリン 60
コレステロール 15
アニオン性リン脂質 3
0.1N水酸化ナトリウム溶液
(7.0〜7.5にpH調整) 充分な量
スクロース 90
注射用水 1mLになるように充分な量。
【0065】
上記処方物は、薬学分野において周知の従来の手順によって得られ得る。全ての刊行物、特許、および特許文献は、参照として個々に援用されるかのように、本明細書中で参考として援用される。本発明は、種々の特定の好ましい実施形態および技術を参照して記載された。しかし、本発明の趣旨および範囲内のままで、多くの変更および改変がなされ得ることが理解されるべきである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動物に対して鉄を送達するための方法であって、
該動物に対して、鉄を含む脂質ベースの分散物を投与する工程;
を包含する、方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法であって、前記脂質ベースの分散物は、鉄(III)イオンを含む、方法。
【請求項3】
請求項1〜2のうちのいずれか1項に記載の方法であって、前記脂質ベースの分散物は、クエン酸鉄(III)を含む、方法。
【請求項4】
請求項1〜3のうちのいずれか1項に記載の方法であって、前記脂質ベースの分散物は、鉄(II)イオンを含む、方法。
【請求項5】
請求項1〜4のうちのいずれか1項に記載の方法であって、前記脂質ベースの分散物は、
a)1種以上のホスファチジルコリン;
b)コレステロール;
c)鉄;および
必要に応じて、d)1種以上のアニオン性リン脂質;
を含む、方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、前記脂質ベースの分散物は、約0.5:1〜約4:1であるホスファチジルコリン:コレステロールのモル比を有する、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、前記脂質ベースの分散物は、約1:1〜約2:1であるホスファチジルコリン:コレステロールのモル比を有する、方法。
【請求項8】
請求項5〜7のうちのいずれか1項に記載の方法であって、前記脂質ベースの分散物は、約2:1であるホスファチジルコリン:コレステロールのモル比を有する、方法。
【請求項9】
請求項5〜8のうちのいずれか1項に記載の方法であって、前記ホスファチジルコリンは、DEPC、DOPC、DSPC、HSPC、DMPC、およびDPPC、ならびにそれらの混合物から選択される、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、前記ホスファチジルコリンは、HSPC、DOPC、およびDEPC、ならびにそれらの混合物から選択される、方法。
【請求項11】
請求項9に記載の方法であって、前記脂質ベースの分散物は、約2:1:0.4の比でHSPC:コレステロール:DSPGを含む、方法。
【請求項12】
請求項9に記載の方法であって、前記脂質ベースの分散物は、約2:1:0.3の比でHSPC:コレステロール:DSPGを含む、方法。
【請求項13】
請求項9に記載の方法であって、前記脂質ベースの分散物は、約2:1:0.2の比でHSPC:コレステロール:DSPGを含む、方法。
【請求項14】
請求項9に記載の方法であって、前記脂質ベースの分散物は、約2:1:0.1の比でDEPC:コレステロール:DSPGを含む、方法。
【請求項15】
請求項9に記載の方法であって、前記脂質ベースの分散物は、約2:1の比でDOPC:コレステロールを含む、方法。
【請求項16】
請求項1〜15のうちのいずれか1項に記載の方法であって、前記脂質ベースの分散物は、小さな単膜リポソーム(SUV)を含む、方法。
【請求項17】
請求項1〜16のうちのいずれか1項に記載の方法であって、前記脂質ベースの分散物は、多重膜リポソーム(MLV)を含む、方法。
【請求項18】
請求項1〜17のうちのいずれか1項に記載の方法であって、前記脂質ベースの分散物は、SUVおよびMLVを含む、方法。
【請求項19】
請求項1〜18のうちのいずれか1項に記載の方法であって、前記動物は、鉄欠乏疾患または鉄欠乏状態を有する、方法。
【請求項20】
請求項19に記載の方法であって、前記鉄欠乏疾患または鉄欠乏状態は、貧血を含む、方法。
【請求項21】
請求項1〜20のうちのいずれか1項に記載の方法であって、前記動物は、哺乳動物である、方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法であって、前記哺乳動物は、ヒトである、方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、前記ヒトは、女性である、方法。
【請求項24】
請求項21〜23のうちのいずれか1項に記載の方法であって、前記哺乳動物は、妊娠中の哺乳動物である、方法。
【請求項25】
請求項21〜24のうちのいずれか1項に記載の方法であって、前記哺乳動物は、乳汁分泌期の哺乳動物である、方法。
【請求項26】
請求項22に記載の方法であって、前記ヒトは、約18歳未満である、方法。
【請求項27】
請求項22に記載の方法であって、前記ヒトは、生後約0ヶ月〜約6ヶ月である、方法。
【請求項28】
請求項22に記載の方法であって、前記ヒトは、生後約6ヶ月〜約9ヶ月である、方法。
【請求項29】
請求項22に記載の方法であって、前記ヒトは、生後約6ヶ月〜約12ヶ月である、方法。
【請求項30】
請求項22に記載の方法であって、前記ヒトは、約1歳〜約4歳である、方法。
【請求項31】
請求項1〜30のうちのいずれか1項に記載の方法であって、前記脂質ベースの分散物は、非経口投与される、方法。
【請求項32】
動物に対する鉄の送達のための医薬を調製するための、請求項1〜18のうちのいずれか1項において記載される脂質ベースの分散物の使用。
【請求項33】
請求項32に記載の使用であって、前記動物は、鉄欠乏疾患または鉄欠乏状態を有する、使用。
【請求項34】
鉄欠乏疾患または鉄欠乏状態を有する動物を処置するための、請求項1〜18のうちのいずれか1項において記載される脂質ベースの分散物の使用。
【請求項35】
請求項33または34の使用であって、前記鉄欠乏疾患または鉄欠乏状態は、貧血を含む、使用。
【請求項36】
請求項32〜35のうちのいずれか1項に記載の使用であって、前記動物は、哺乳動物である、使用。
【請求項37】
請求項36に記載の使用であって、前記哺乳動物は、ヒトである、使用。
【請求項38】
請求項37に記載の使用であって、前記ヒトは、女性である、使用。
【請求項39】
請求項36〜38のうちのいずれか1項に記載の使用であって、前記哺乳動物は、妊娠中の哺乳動物である、使用。
【請求項40】
請求項36〜39のうちのいずれか1項に記載の使用であって、前記哺乳動物は、乳汁分泌期の哺乳動物である、使用。
【請求項41】
請求項37に記載の使用であって、前記ヒトは、約18歳未満である、使用。
【請求項42】
請求項37に記載の使用であって、前記ヒトは、生後約0ヶ月〜約6ヶ月である、使用。
【請求項43】
請求項37に記載の使用であって、前記ヒトは、生後約6ヶ月〜約9ヶ月である、使用。
【請求項44】
請求項37に記載の使用であって、前記ヒトは、生後約6ヶ月〜約12ヶ月である、使用。
【請求項45】
請求項37に記載の使用であって、前記ヒトは、約1歳〜約4歳である、使用。
【請求項46】
請求項32〜46のうちのいずれか1項に記載の使用であって、前記脂質ベースの分散物は、非経口投与される、使用。

【公表番号】特表2008−512499(P2008−512499A)
【公表日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−531459(P2007−531459)
【出願日】平成17年9月13日(2005.9.13)
【国際出願番号】PCT/US2005/032674
【国際公開番号】WO2006/031857
【国際公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【出願人】(500029420)ギリアード サイエンシーズ, インコーポレイテッド (141)
【Fターム(参考)】