動的に無線資源を割り当てる装置及び方法
動的に周波数資源を用いる通信装置及び通信方法に関するもので、具体的に、動的に周波数割当が可能な移動端末及び通信方法を提供する。この移動端末は、動的に周波数割当が可能な移動端末であって、特定の周波数政策及び使用者により選択されたサービスに基づいて周波数帯域を検索し、検索された周波数帯域から特定の周波数帯域を選択する認知エンジンと、該選択された周波数帯域に対する設定を行なうプラットフォームブロック、及びプラットフォームブロックの設定によって特定のプロトコルによるデータ処理を行なう少なくとも一つの要素(Component)ブロックを含む通信システムブロックと、を含む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動的に周波数資源を使用する通信装置及び通信方法に関するもので、より具体的には、動的に周波数割当が可能な移動端末及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在サービスされている無線通信サービスは固定した帯域幅を用いてデータ送信及び受信を行なう。特に、移動通信システムは、特定帯域に割り当てられた資源とセル(cell)間の周波数配置を通じて最大の性能を得る方式を用いる。固定した帯域を用いて信号を送受信する技法は、変わらない周波数領域を通じて具現される。すなわち、現在用いているシステム規格に合せながらもより高いサービス質(例えば、スループット(throughput)、使用者の数)を支援するには、通常、セル構造をより細かく分けたり、既存システム規格を需要にしたがって拡張して新しいインフラ構造(infrastructure)を構築する方法を取る。
【0003】
従来の周波数資源を用いる方式は、固定した帯域幅(fixed bandwidth)を基盤とする技法と可変帯域幅(scalable bandwidth)を基盤とする技法とに区分される。
【0004】
固定した帯域幅(fixed bandwidth)を基盤とする技法を用いるシステムは、サービスの規格を定めるに当って、特定の帯域に適切で様々な送信/受信技法を適用して規格を作る。また、固定した帯域を基礎にサービスを提供し、規格に変化を与えるためにはサービスシステム全体に対する変更をしなければならない特徴がある。
【0005】
一方、上述した可変帯域幅(scalable bandwidth)を基盤とする技法は、様々な帯域幅オプションを選択的に適用する技法で、最近主流を占めつつある。この可変帯域幅を基盤とする規格は、固定した帯域幅(fixed bandwidth)の場合に比べて帯域幅の変化とサービスの質に対する制御がより容易である。しかし、この可変帯域幅を基盤とする場合にも、実際サービスが提供されている状況では、固定した帯域幅のシステムと同一に動作する。要するに、可変帯域幅を基盤とする技法を通じて周波数帯域が広くなったり狭くなったりしても、用いられる技術が変わらないという長所を得ることができる。また、周波数帯域が変わっても用いられる技術が変わらないので、ハードウェアの複雑性を増加させずにサービスの質を変化させることができる。
【0006】
これら従来の技法に代わる新しい技法が認知無線(cognitive radio:以下、“CR”という。)技法である。このCR技法は、1999年にMitolaが提示した技法で、周波数帯域の效率的な使用のために提案された。このCR技法は、基本的に、ソフトウェア的に定義されたラジオ(software defined radio:SDR)を基盤に具現される。CR技法は、周波数帯域を検索(scan)して使われていないスペクトラムを選択し、これを基本通信帯域と設定することができる。すなわち、CR技法は、スペクトラムセンシングを行なうことができる。また、このCR技法は、検索されたサービス種類によってSDR様式(architecture)に変形を加え、サービス種類を変化させたりサービスの質を変化させることを自ら判断して決定することができる。
【0007】
現在様々な無線サービスが提供されているという事実とCR技法が追求する基本概念を考慮すると、今後の無線端末は一つの融合した形態になると見込まれる。すなわち、今後、無線端末はCR技法によって運用されると予想される。上記CR技法は、現在IEEE802.22でTV帯域を共有してWRAN(Wireless Regional Area Network)サービスを提供するための技法として採用された。
【0008】
上述したCR技法の特徴の一部は、ISM(Industrial Scientific Medical)バンドを使用する一部通信規格の特徴と同一である。すなわち、上記ISMバンドなどを用いて通信を行なう一部規格では、“共存(coexistence)”という方法で周波数帯域認識と無線資源の衝突を防止させるプロトコルを提供する。この共存もまた、周波数感知を通じて様々な無線資源を使用するもので、上記のCR技法の特徴と重なる部分が存在する。
【0009】
要するに、周波数管理技法によって通信方式を区分すると、上述の固定した帯域幅(fixed−bandwidth)の通信方式と、可変帯域幅(scalable−bandwidth)の通信方式と、CR技法の通信方式とに分けられる。以下、それぞれの方式による通信方法について説明する。
【0010】
まず、固定した帯域幅の通信方式を説明する。
【0011】
図1は、固定した帯域幅の通信方法における無線資源の使用を示す図である。
【0012】
現在の移動通信システム(CDMA及びGSM等)や無線LAN(IEEE802.11及びHiper LAN等)、無線PAN(IEEE802.15)のようなサービスは、初期標準化段階で定められた帯域幅を用いてサービスを提供する。この帯域幅は、政府から周波数使用許可を受けたりあるいは公開された帯域の一部である。固定した帯域幅の通信方式の特徴は、時間による周波数帯域幅の増加や減少がないということである。すなわち、固定した帯域幅内でのサービスは、その帯域幅に対して最適化される。すなわち、現在トラフィック(traffic)の量によらずに既に定められた帯域幅(bandwidth)を引き続き使用する。
【0013】
次に、可変帯域幅(scalable−bandwidth)の通信方式について説明する。
【0014】
可変帯域幅を使用するサービスは、2種類の形態に分けることができる。第一の形態は、基地局のサービス帯域が一定な状態で、端末が用いる帯域幅が可変する場合である。第二の形態は、基地局が用いる帯域幅と端末が用いる帯域幅がいずれも可変する場合である。
【0015】
上記第一の形態の一例を、図2に示す。図2に示す一例は、OFDMを用いるIEEE802.16またはIEEE802.20規格であり得る。また、図2に示す一例は、3GPP LTE(Long Term Evolution)のようなサービスであっても良く、CDMA方式ではチャネルをまとめて端末に割り当てる方式であるEV−DO(Evolution Data Only)またはEV−DV(Evolution Data and Voice)であっても良い。図2の一例は、基地局が使用する総帯域幅が定められ、端末が使用する帯域幅は、該当の基地局から特定帯域幅が割り当てられる。端末は、割り当てられた帯域幅を通じてサービスを受ける。基地局が使用する帯域幅は、システム設置に当って定められる。
【0016】
次いで、上記CR技法の特徴の一部を受け入れた可変帯域幅の通信方法について説明する。図3は、CR技法の特徴の一部を受け入れた可変帯域幅の通信方法の無線資源使用方法を示す。図3に示すように、基地局がサービスする帯域幅は、時間によって変化することができる。図3の一例は、IEEE802.22規格であり得る。このIEEE802.22規格は、上記CR技法の特徴を受け入れながら生成されたサービスモデルである。すなわち、各時間別に使用可能な周波数帯域を感知し、基地局が可能な帯域幅内で自身のサービスを拡張する。結果として、IEEE802.22規格の端末は、変化する帯域幅をいずれも受容可能でなければならない。IEEE802.22規格では、TV帯域を共有しながらWRAN(Wireless Regional Area Network)サービスを提供するが、このサービス単位は、他のサービスで使われないチャネルから構成され、チャネルの併合/分割を基本とする。すなわち、基地局が、使われていないTVチャネルを把握した場合、このチャネルをWRANサービスに使用する。また、規格より提示した範囲内でTVチャネルが連続して使用可能であるとすれば、このチャネルをまとめて一つの帯域として使用し、この時、全体を用いたサービスを提供することができる。また、端末は、基地局のこのようなチャネル状況を全て把握し、同様に自身の受信能力を増やさなければならない。
【0017】
次に、CR技法について説明する。CR技法は、特定の周波数管理技法に制限されないということを特徴とする。すなわち、CR技法は、現在スペクトラム(すなわち、周波数資源)をより効率的に使用するために、端末の構成が周波数資源によって変化する特徴を有する。図4には、周波数資源のうち、使われていない部分がある場合、CR技法による端末(以下、‘CR端末’と称する。)がどのように無線資源を用いるかを示す。図4に示すように、CR端末は、自由にスペクトラムを検査し選択する。すなわち、CR端末は、図4に示すようなスペクトラムを観察し、401〜406の無線資源が使われていないということを認知できる。これにより、まず、401及び402領域中の“Conventional service with CR”で表示された帯域を通じて一般のCRサービスが提供される場合、この帯域を通じて一般のCRサービスを受信することができる。また、端末は、上記の401及び402領域を通じて新しいサービスを創造(creation)しても良い。
【0018】
一方、t1時点後に、上記の401及び402の無線資源をそれ以上使用できないとすれば、これを認識したCR端末は、t1時点後から403の無線資源を通じてサービスを受けたり新しいサービスを提供することができる。また、t2時点後に、403の無線資源がそれ以上使用不可能な場合には、端末はt2時点後に、図4に示すように、406の無線資源を選択して持続してサービスを受けたり提供することができる。
【0019】
このCR端末は、観察しようとするスペクトラム帯域があり、その帯域で使われていない領域が発見されると、その領域内でCR技法を通じて提供される通信サービスを受ける。もちろん、提供されるサービスは、固定した帯域幅によるサービスであっても良く、可変帯域幅によるサービスであっても良い。CR技法の特徴は、既存サービスとは違い、使用する周波数資源が時間によって変化するので、これを管理するための規格(すなわち、プロトコル)及び周波数資源に対する学習過程が必要であるという点にある。現在CR技法の特徴を持つ標準案の一例としてはIEEE802.22WRANシステムがある。
【0020】
上記CR技法は、その他の技法に比べて周波数帯域を自由に使用するという特徴がある。可変帯域幅の通信方法は時間によって帯域幅が変わるものの、通信システムで使用可能な帯域幅をあらかじめ設定し、あらかじめ設定された帯域幅内で帯域幅の大きさに変化を与えると通信を行なう。しかし、CR技法では、あらかじめ設定された制約無しで自由に周波数帯域を検索する。また、検索の結果、使用可能な帯域が発見されると、これを通じてサービスを受けたりサービスを創造するという特徴がある。
【0021】
上述した固定した帯域幅(fixed bandwidth)の技法と可変帯域幅(scalable bandwidth)の技法を用いる通信規格には、下記のような問題がある。
【0022】
現在のシステムは、以降、消費者の要求が発生すると修正される必要がある。すなわち、消費者の要求事項を受け入れるためには、新しい標準の創出と新しいシステムの提供が必要である。言い換えると、上記の固定した帯域幅を用いるシステム及び可変帯域幅を用いるシステムは、消費者の欲求に応じて常に規格が変化しなければならない。しかし、一つのサービスにおいては消費者の希望する形態のサービスを完璧に提供し難いため、色々なサービスが乱立することとなり、これによってスペクトラム効率は減少する。特に、使用者の限定された要求がある場合、スペクトラム使用は地域的/時間的に変化する。すなわち、このような限定された要求がある場合には非効率的なスペクトラム使用が問題とされる。したがって、変化する使用者の欲求を満たしながら色々な通信技法を受け入れるためには、無線端末はCR基盤へと進化せざるを得ない。
【0023】
しかし、このようなCR技法のための帯域使用技法及び通信技法は未だ提示されていないのが現状である。今のところ、既存の無線システムの形態をそのまま受け入れるSDR端末に周波数環境に対する認知/決定を行なう再構成要素に重点をおいている。しかし、このようなCR動作シナリオは全ての無線端末を一つに統合する効果はあるが、変化する使用者の要求を十分に満たすと共にスペクトラムを效率的に使用する方向への進化は考慮されていないという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
本発明は上記の問題を解決するためのもので、その目的は、遊休スペクトラムを利用できる通信方法及び通信装置を提供することにある。
【0025】
本発明の他の目的は、使用者の要求に效率的に対応できる周波数利用技法及び通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明に係る移動端末は、上述の目的を達成するために、特定の周波数政策及び使用者(User)により選択されたサービスに基づいて周波数帯域を検索し、検索された周波数帯域から特定の周波数帯域を選択する認知エンジンと、該選択された周波数帯域に対する設定を行なうプラットフォーム(platform)ブロック、及び該プラットフォームブロックの設定によって特定なプロトコルに従うデータ処理を行なう少なくとも一つの要素(component)ブロックを含む通信システムブロックと、を含んでなる。
【0027】
上記移動端末は、CR技法に基づくことが好ましい。
【0028】
また、特定な周波数政策を獲得する政策をさらに含むことが好ましい。また、プラットフォームブロックは、スペクトラムセンシングとスペクトラム設定を行なうことが好ましい。
【0029】
要素ブロックは、特定の通信規格に相応することが好ましい。
【0030】
該要素ブロックは、プラットフォームブロックの制御によって通信を行なうことが好ましい。
【0031】
本発明に係る通信方法は、動的に周波数割当が可能な送信端のサービス送受信方法において、特定の周波数政策及び使用者により選択されたサービスに基づいて周波数帯域を検索する段階と、この検索結果によって送信端が使用する周波数帯域を決定し、この決定された周波数帯域に対する設定を行なうプラットフォーム(platform)ブロックのための連結を行なう段階と、該決定された周波数帯域を通じてサービスを送受信する少なくとも一つの要素(component)ブロックのための連結を行なう段階と、を含む。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、次の効果が得られる。まず、本発明によると、遊休スペクトラムを效率的に使用することができる。また、本発明の特定実施形態では、プロバイダ間に割り当てられたスペクトラムを共有することもできる。
【0033】
本発明の一実施形態では、CR端末に対する包括的MAC/PHY形式を定義する。この実施形態によると、CR通信装置で使用可能なサービス種類をプラットフォーム(platform)形式のMAC/PHYに具現するので、様々なQoS(Quality of Service)を提供することができる。本発明によれば、バーストトラフィック(Burst traffic)に対して、使用者間QoSの減少方式に比べて、使用者か感じるチャネル輻輳現象を除去することができる。
【0034】
本発明の各実施形態は、自ら進化できる標準規格の形態を提示する。すなわち、本発明は、CR端末に現在の無線通信だけでなく未来の通信技法に対する包括的な枠組みを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】固定した帯域幅の通信方法における無線資源の使用を示す図である。
【図2】基地局のサービス帯域が一定な状態で、端末が使用する帯域幅が可変である場合における無線資源の使用を示す図である。
【図3】CR技法の特徴を一部受容した可変帯域幅の通信方法における無線資源の使用方法を示す図である。
【図4】CR端末が無線資源を検索して使用する方法を示す図である。
【図5】図5Aは、本実施例によるCR通信装置の一例を示すブロック図であり、図5Bは、本実施例によるCR通信装置の他の例を示すブロック図である。
【図6】本実施例によるCR通信装置に含まれるCR処理モジュール構造を示すブロック図である。
【図7】図7Aは、本実施例によるCR通信装置に含まれる通信システムブロックの一例を示すブロック図であり、図7Bは、本実施例によるCR通信装置に含まれる通信システムブロックの他の例を示すブロック図である。
【図8】本実施例による認知学習方法の一例を説明する図である。
【図9】本実施例による認知学習方法の他の例を説明する図である。
【図10】CR通信装置が処理すべきデータ量によってプラットフォームMAC/PHYが決定する周波数の帯域幅を示す図である。
【図11】CR通信装置で行なうチャネル設定の概念を示す図である。
【図12】使用者密度が互いに異なる地域で用いられる周波数帯域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の一実施例は、CR技法を基盤とする端末とこれを支援する基地局間の通信規格の基本構造を提案する。従来の通信規格は、その通信システム全体を一つの規格で定義したため、消費者の需要または企業の政策変化によるシステム変形が規格定義につながるという問題があった。すなわち、需要や政策の変化に従って新しいシステムを設置しなければならないという問題があった。
【0037】
本発明の一実施例は、このような需要や政策の変化にも規格を変えなくて済むCR技法に関する内容を提案する。すなわち、需要や政策の変化による周波数帯域、すなわち、スペクトラムの変化に影響を受けない通信技法を提案する。
【0038】
本発明の一実施例は、次世代通信端末及びシステムが持つ基本構造を提案し、次世代通信規格が持つべき基本構造及び周波数使用方法を提案する。
【0039】
以下、本実施例が提案するCR基盤の通信装置(例えば、端末及び基地局)のハードウェア構造を説明する。
【0040】
CR基盤の通信装置は、既存の端末と違い、RF(Radio frequency)プロセシングブロック以外のブロックをデジタル化し、ソフトウェアを基盤に動作する。
【0041】
図5Aは、CR基盤の通信装置の一例を示すブロック図である。すなわち、CR基盤の通信装置は、自由に周波数帯域を検索し、特定の周波数帯域からサービスを受けたりサービスを創造するため、全体周波数帯域のうち一部帯域をフィルタリングするフィルタリングモジュール501が必要とされる。このフィルタリングモジュール501は、CR基盤の通信装置の一般的な動作を制御する別の制御部(図示せず)またはCR処理モジュール(CR processing module)503を通じて制御されるバンドパスフィルタ(Bandpass filter)等で具現されることができる。このバンドパスフィルタは、特定の周波数帯域を可変的にフィルタリングすることができる。このフィルタリングモジュール501でフィルタリングされたアナログ信号は、A/D(Analog to Digital)変換モジュール502によりデジタル信号に変換される。このA/D変換モジュール502の出力は、CR処理モジュール503に入力される。このCR処理モジュール503は、後述される様々な周波数制御技法によってデータ処理を行なう。CR処理モジュール503はソフトウェアで具現され、必要によって特定の無線規格に関するモジュールをローディング(loading)し、所望のCR処理を行なう。すなわち、CR基盤の通信装置は上記SDRを基盤とする。
【0042】
ただし、図5Aの通信装置を具現する上で困難があり得る。したがって、図5BのようなCR基盤の通信装置を用いてCR技法を行なっても良い。現在の技術水準では、無線チャネルから受信される無線信号を一度に基底帯域(baseband)信号に変換することは難く、広帯域処理し難いため、ミキサー(Mixer)を用いた基底帯域変換と、他のフィルタを必要としている。図示の如く、図5BのCR基盤の通信装置は、無線周波数受信モジュール511でRF信号を受信する。このRF信号は、ダウンミキシング(down mixing)モジュール512により中間帯域周波数(IF)信号に変換され、フィルタリングモジュール513によりフィルタリングされる。すなわち、フィルタリングモジュール513の出力信号は、CR通信装置が使用しようとする周波数帯域から獲得した信号である。フィルタリングモジュール513の出力は、A/D変換モジュール502に入力され、A/D変換モジュール502の出力は、CR処理モジュール503に入力される。ダウンミキシングモジュール512は、基底帯域に信号をダウンミキシングすることもでき、このようにダウンミキシングされた信号はフィルタリング後にデジタル信号に変換され、CR処理モジュール503に入力されることができる。
【0043】
以下、図6を参照してCR処理モジュール503の構造と具体的な動作について説明する。このCR処理モジュール503は、ソフトウェアにより具現されるので、図6は、CR処理モジュールのソフトウェア構造について説明する。
【0044】
図6に示すように、CR処理モジュールのソフトウェア構造は、通信システムブロック601、認知エンジン(Cognitive Engine)602、政策エンジン(Policy Engine)603を含んでなる。
【0045】
通信システムブロック601は、CR通信装置で通信信号を処理するソフトウェアモジュールで、実際通信のためのデータ処理を行なう。すなわち、従来に提案された通信規格または新しく提案される様々な通信規格を用いて、A/D変換モジュール502によりデジタル信号に変換された信号に対するデータ処理を行なう。この通信システムブロック601は、後述されるプラットフォームMAC/PHY及び要素MAC/PHYを含む。プラットフォームMAC/PHYに含まれる要素MAC/PHYは、認知エンジン602により選択されることができる。すなわち、認知エンジン602が周波数帯域を検索し、検索結果により選択された特定の帯域を通じて通信をすると決定した場合、複数の特定の通信システムブロックのうちいずれか一つをローディングして通信を行なうことができる。通信システムブロック601は、実際通信のためのデータ処理を行なうので、各階層(PHY、MACなどの階層)によって区分されるデータ処理を行なうことが好ましい。
【0046】
同図の通信システムブロック601は、応用(Application)階層、トランスポート(Transport)階層、ネットワーク(Network)階層、MAC/Link階層、PHY階層を含む。応用階層は、最上位で使用者(user)と最も近く位置しており、データ通信の応用に関連した一般的なサービスを提供する。主要機能には、ファイル伝送、電子メール、遠隔ログイン、網管理、スプレッドシート、ワードプロセシングなどがある。トランスポート階層は、通信をする両使用者の終端間にend to end通信を担当する階層で、送信側から受信側までデータがエラー無しでシームレスに信頼性あるデータを伝送できるようにする機能を提供する。すなわち、使用者間の連結設定、伝送維持及び連結の解除、流れ制御、エラー制御、順序制御などを提供する。ネットワーク階層は、互いに異なる場所に位置した2つのシステム間の連結性と経路選択を提供する。すなわち、送信側から受信側までパケットをルーティングするが、ルーティングプロトコルが、互いに連結されたネットワークを通じて最適の経路を選択し、ネットワーク階層のプロトコルは選択された経路を通じて情報を送る。
【0047】
主要機能には、通信線路を確立するためのアドレス決定、経路選択、データ伝送及び中継機能がある。
【0048】
上述した応用階層、トランスポート階層、ネットワーク階層の機能は、一つの階層に含まれて具現されることができる。すなわち、応用階層、トランスポート階層、ネットワーク階層を含む一つの上位階層が存在することができる。
【0049】
MAC階層は、物理的リンクを通じた信頼性あるデータ伝送のために用いられ、Link階層は、特定の通信装置間に特定のサービスを通じて通信を行なう場合、各通信装置間の連結情報(connection information)を維持するのに用いられる。また、PHY階層は、通信装置間に物理的な媒体を通じて連結を確立する機能を行なう。MAC階層及びLink階層は、後述されるプラットフォームMACにより具現され、PHY階層は、後述されるプラットフォームPHYにより具現される。
【0050】
政策エンジン603は、周波数政策に対する管理を行なう。周波数政策とは、どの帯域が検索可能でどの帯域が検索不可能かなどに関する情報、特定の帯域にいかなるサービスが提供されているかに関する情報、特定の帯域でいかなる信号強さ(power)で通信を行なえるかに関する情報などを含む情報で、認知エンジン602が検索できる周波数帯域に対する各種制御情報のことを意味する。CR技法の基本概念は、自由に周波数帯域を検索しそれによってサービスを受信及び創造するということであるから、通信装置の位置する地域または国家の周波数政策に関する情報が必要である。政策エンジン603は、政策ドメイン(policy domain)604から、特定の周波数帯域の観察可否、使用可否、各周波数帯域を通じて提供したり創造できるサービスなどに関する情報を獲得する。政策エンジン603は、政策ドメイン604から獲得した情報に基づいて、通信システムブロック601、認知エンジン602などの動作を制御できる。例えば、認知エンジン602により特定の周波数帯域でデータ通信を提供する際に送信電力を増加させて伝送しようとする場合、地域または国家の周波数政策に反するという問題があり得るので、政策エンジン603の制御下に送信電力を決定して通信を行なうことが好ましい。
【0051】
認知エンジン602は、瞬時的な周波数帯域の変化を追跡して適切な対応を行なう。すなわち、認知エンジン602は、現在スペクトラム、すなわち、周波数帯域の使用現況と政策エンジン603が提供する情報に基づいてどんな帯域を通じてどんなサービスを行なうかを決定し、通信システムブロック601に対する最適化及び通信プロコルに対する制御を行なう。
【0052】
認知エンジン602は、CR通信装置の使用者の特定の要求を使用者ドメイン605から獲得し、無線チャネルで獲得したデジタル信号を用いて外部環境及びRFチャネル606に対する検索(scan)を行なうことができる。このような検索を通じて特定のサービスを提供を受けると決定する場合にも、政策エンジン603などの制御を受けることができる。認知エンジン602により特定の通信システムブロック601が選択され、認知エンジン602により特定の設定(configuration)が適用されることができ、外部環境及びRFチャネル606に対するデータ処理が行なわれることができる。通信システムブロック601の動作においても周波数政策による政策エンジン603の制御が行なわれることができる。
【0053】
もし、通信システムブロック601が周波数帯域の変化を受容できるようなプロトコルを有しているとすれば、認知エンジン602は、通信システムブロック601に対する特定の設定(configuration)を通じて変化する周波数帯域の環境に合う通信を行なうことができる。もし、通信システムブロック601が変化する周波数帯域を受け入れることができないとすれば、認知エンジン602が通信システムブロック601に対する設定を制御できないから、認知エンジン602は特定の通信システムブロック601を選択する機能のみを行なうこととなる。すなわち、上記CR通信装置は、従来の規格のうち一つを選択して使用することとなるので、結局としてマルチモード(multi−mode)サービスを支援する動作を行なうこととなる。
【0054】
以下、通信システムブロック601の構造について具体的に説明する。上述した通り、通信システムブロック601は複数個備えられ、認知エンジン602により選択されることができる。この場合、本実施例は、通信システムブロックを一つのプラットフォーム(platform)ブロックと一つのプラットフォームに含まれる多数の要素(component)ブロックとに区分することを提案する。
【0055】
図7Aは、本実施例による通信システムブロックの一例である。同図で、通信システムブロック601のMACとPHYブロックは、プラットフォーム(Platform)MACとプラットフォーム(Platform)PHYブロックを含む。プラットフォーム(Platform)MACは、複数個の要素MAC(component MAC1,2,3)を含む。また、プラットフォーム(Platform)PHYは、複数個の要素PHY(component PHY1,2,3)を含む。
【0056】
通信システムモジュールが変化する周波数帯域を支援するためには、既存のように全体を規定する単一プロトコルを構成することは好ましくない。特定のサービスを実際に支援するプロトコルは、個々の要素(component)MACまたはPHYを通じて定義し、それぞれの要素を管理するプラットフォームMACまたはプラットフォームPHYを別に定義することが好ましい。すなわち、MACとPHYを支援するプラットフォームMAC及びプラットフォームPHYの規格を定義し、各プラットフォーム規格内で受容可能な要素(component)形態の規格を作る。
【0057】
このプラットフォームMAC/PHY(Platform MAC/PHY)は、通信システムを具現するための基本的なプロトコル及びインターフェースを提供する。すなわち、認知エンジン602が特定の周波数を検索してサービスを選択すると、このような情報は、プラットフォームMAC/PHY(Platform MAC/PHY)に伝達される。
【0058】
プラットフォームMAC/PHYは、認知エンジン602が決定した帯域でいかなる通信規格を用いて通信を行なうか決定する。すなわち、プラットフォームMAC/PHYは、複数の要素MAC/PHYのうちいずれか一つを選択する。この場合、要素MAC/PHYは、特定の帯域に限定されたプロトコル及びインターフェースを提供することができる。この場合、認知エンジン602が決定した帯域で通信が行なわれるようにする設定は、プラットフォームMAC/PHYにより定められることができる。すなわち、プラットフォームMAC/PHYは、CR技法による通信をするための通信構造を支援する主体であり、要素MAC/PHYは実際通信のためのデータ処理などを行なう主体である。
【0059】
図7Bは、本実施例による通信システムブロックの他の例である。本実施例による通信システムブロックは、図7Aに示すように、一つの上位階層とそれによるプラットフォームMAC/PHYを含んでも良く、図7Bに示すように、複数の上位階層(第1、第2、第3上位階層)とプラットフォームMAC/PHYを含んでも良い。本実施例による移動端末は、様々なサービスを提供できるので、提供されるサービスによって複数の上位階層を含むことができる。
【0060】
次に、図6、図7A及び図7Bを参照して、CR端末の具体的動作の一例について説明する。例えば、まず、CR端末を用いる使用者は、3GPP移動通信サービスと無線LAN(WLAN)サービスを同時に受けることを選択することができる。使用者のこのような選択は、使用者ドメイン605から認知エンジン602に提供される。認知エンジン602は政策エンジン603の制御により国家や地域の周波数政策に基づいて周波数帯域を検索し、CR端末の位置している地域で3GPP移動通信サービスと無線LAN(WLAN)サービスを見出す。この場合、認知エンジン602は、そのような情報をプラットフォームMAC/PHY(Platform MAC/PHY)に伝達する。プラットフォームMAC/PHYは、従来の3GPP移動通信サービスのためのプロトコル及びインターフェースを処理する要素MAC/PHY(component MAC/PHY)と、従来のWLANサービスのためのプロトコル及び無線インターフェースを処理する要素MAC/PHYをローディングする。プラットフォームMAC/PHYは、認知エンジン602により見出された周波数帯域を通じて3GPP及びWLANサービスを提供できるように周波数設定を行なう。このような一連の動作によって使用者は3GPP移動通信サービスと無線LAN(WLAN)サービスを共に受ける。
【0061】
本実施例は、CR通信装置がデジタル信号を処理するにあたって図7のような規格モデルを提案する。上述した内容から、プラットフォームMAC/PHY及び要素MAC/PHYの特徴がわかる。
【0062】
プラットフォームMAC/PHY(Platform MAC/PHY)は、要素MAC/PHY(component MAC/PHY)が含む機能によって象徴的なプロトコルと具体的なプロトコルとにその特徴が区分されることができる。
【0063】
もし、それぞれの要素MAC/PHYが周波数帯域を検索して特定の帯域を選択するスペクトラムセンシング(spectrum sensing)を独自に行ない、センシングされたスペクトラムによってインターフェースを定義する場合、プラットフォームMAC/PHYは象徴的なプロトコルとして動作する。すなわち、それぞれの要素MAC/PHYがCR技法を支援する場合には、プラットフォームMAC/PHYは認知エンジン602から伝達されるデータを要素MAC/PHYに伝達する等の基本的な制御のみを行なう。
【0064】
もし、それぞれの要素MAC/PHYがCR技法を支援しない場合、すなわち、CR通信装置と通信して変化する周波数環境、すなわち時間によって変化する周波数帯域の使用現況を認知し判断するための機能がない場合に、プラットフォームMAC/PHYは具体的なプロトコルとして動作する。プラットフォームMAC/PHYが具体的なプロトコルとして動作する場合、要素MAC/PHYは、実際サービスを受けたり提供するインターフェースを提供する。
【0065】
また、プラットフォームMAC/PHYは、このような実際サービスを提供する要素MAC/PHYのための運営プラットフォーム(platform)として動作する。すなわち、具体的なプロトコルとしてのプラットフォームMAC/PHYは、CR通信装置と通信して周波数帯域の環境を認知し判断するスペクトラムセンシング機能を行ない、センシングされたスペクトラムに対する設定(configuration)を行なう。例えば、特定の周波数帯域に特定の制御チャネルを設定し、この制御チャネルにより指示される特定のデータチャネルを設定できる。このプラットフォームMAC/PHYにより設定されたスペクトラム(例えば、特定のデータチャネル)を用いて、要素MAC/PHYがサービスを受信することができる。
【0066】
一方、要素MAC/PHYは、ユーザーのが所望する特定のサービス、例えば、WLAN、携帯移動通信、WPAN、GPS、TV、ラジオなどのような無線サービスに該当するインターフェースを提供する。この要素MAC/PHYは、CR通信装置に受信されたデジタルデータを特定の通信規格(例えば、WLAN、3GPP、WPAN、GPS、TV等)に従って処理でき、これを通じて特定の無線サービスに該当するインターフェースを提供することができる。この要素MAC/PHYの様々なインターフェース(例えば、WLAN、3GPP、WPAN、GPS、TVに相応するインターフェース)は、プラットフォームMAC/PHY制御下に自由に選択される。
【0067】
上述した如く、プラットフォームMAC/PHYは、要素MAC/PHYのためのスペクトラムセンシング及びスペクトラム設定を行なう。すなわち、プラットフォームMAC/PHYは、周波数帯域を検索して周波数帯域を分析するスペクトラムセンシング及びセンシング結果によって周波数に対する設定を行なうスペクトラム設定を行なうことができる。この要素MAC/PHYは実際サービスの提供及び創造に関する役割を行なう。
【0068】
以下、上述したプラットフォームMAC/PHY(Platform MAC/PHY)のスペクトラムセンシング及びスペクトラム設定の具体的方法について説明する。プラットフォームMAC/PHYは、次の4つの動作を行なう。第一に、プラットフォームMAC/PHYは、認知エンジン602と共に認知学習(cognitive learning)を行なう。第二に、プラットフォームMAC/PHYは動的サービススペクトラム(dynamic service spectrum)制御を行なう。第三に、プラットフォームMAC/PHYはチャネル設定(channel configuration)を行なう。第四に、要素MAC/PHYのためのペイロード管理(payload management for component MAC/PHY)を行なう。
【0069】
まず、プラットフォームMAC/PHYの認知学習(cognitive learning)について説明する。
【0070】
認知学習(cognitive learning)は、CR技法の通信で重要な部分を占める手順で、周波数帯域上で使われている周波数領域と使われていない部分とを区別し、どんなプロトコルがどのスペクトラムに用いられているかを判別する。認知学習を行なうためには、CR通信装置が周波数帯域を観察し、これを判断し、これに関する情報を他のCR通信装置に知らせることが好ましい。例えば、CR端末とCR基地局との通信に問題がある場合、CR端末のみが独自に周波数帯域を観察するとしたら観察できる周波数の帯域には限界(距離による信号減殺、処理容量(processing capacity)などによる限界)があるわけである。また、CR基地局のみが独自に周波数帯域を観察しても全ての周波数帯域を観察できることはできず、よって、CR端末とCR基地局は周波数帯域を観察した結果を互いに共有すれば良い。すなわち、認知学習は、各CR端末が独自に判断する地域学習(local learning)と、全体ネットワーク上で多数のCR端末が提供する情報を基盤とする分散学習(distributed learning)とに区分できる。
【0071】
図8は、CR端末とCR基地局を含むネットワーク上での認知学習方法を示す図である。図8に示すように、CR端末とCR基地局のプラットフォームPHY/MACは、相互間のサービス伝達のために連結を設定する(S801)。すなわち、CR端末は、基地局への接近のために、自らスペクトラムを観察し、基地局のプラットフォームMAC/PHYが送る信号を見出す。その後、その基地局に接続してその他のサービスパラメータを得る。ただし、S801段階は、S802またはS803段階の後に行なわれることができる。
【0072】
S802は地域学習段階である。各CR端末及びCR基地局は検索可能な周波数帯域(スペクトラム)を観察し、どんな周波数帯域にどんなサービスが存在するか判断する。
【0073】
S803は分散学習段階である。各CR端末及びCR基地局は、地域学習段階を通じてどんな周波数帯域を通じてサービスを受信できるか、または、どんな周波数帯域が空いているか等に関する情報を交換できる。S803段階で、端末が独自に観察したスペクトラム情報を基地局に伝達し、基地局が総合的なスペクトラムに関する情報を整理できるようにする。
【0074】
S801乃至S803段階によってプラットフォームMAC/PHY間の連結が設定されると、提供されるサービスによる要素MAC/PHYを決定し、決定された要素MAC/PHYをローディングして要素MAC/PHY間の連結を設定する(S804)。以降、CR端末は特定サービスの要素MAC/PHYに接続して該当のサービスを受けながらプラットフォームMAC/PHYとの通信は継続する。
【0075】
CR端末で認知学習は次に説明する順序で動作できる。まず、無線チャネルから受信される情報をプラットフォームMAC/PHYで獲得し、このような受信信号に関する情報を認知エンジン602に伝達する。認知エンジン602は、政策エンジン603などの制御を受けて周波数帯域に対する検索結果及びどんなサービスが可能かに関する情報をプラットフォームMAC/PHYに伝達する。プラットフォームMAC/PHYは認知学習を終え、認知エンジン602にフィードバック情報を送り、要素MAC/PHYをローディングすることで、実際サービスを受けることができる。すなわち、認知学習は、認知エンジン602とプラットフォームMAC/PHYにより共に行なわれ、その結果によって実際提供される要素MAC/PHYを定めることができ、定められた要素MAC/PHYに対するパラメータ設定も可能になる。
【0076】
図9は、CR端末とCR基地局を含むネットワーク上における認知学習方法を示す図である。
【0077】
図9の場合には、基地局でCR技法を支援しないので、CR端末は地域学習及び分散学習を行なう必要がない。プラットフォームMAC/PHYは、基地局と通信できる要素MAC/PHYをローディングし、各要素MAC/PHYに対する設定を行なった後、サービスを受ける(S804)。
【0078】
以下、上記プラットフォームMAC/PHYの動的サービススペクトラム(dynamic service spectrum)制御について説明する。
【0079】
プラットフォームMAC/PHYは、認知学習を通じたスペクトラムを決定した後、CR通信装置がどのようにスペクトラムを設定するかを設定する。すなわち、プラットフォームMAC/PHYは、周波数帯域分析結果、提供されるサービスと関連した要素MAC/PHYの個数、及び全体トラフィックの量に基づいて必要な周波数帯域幅を動的に決定する。
【0080】
図10は、CR通信装置が処理すべきデータ量によってプラットフォームMAC/PHYが決定する周波数の帯域幅を示す図である。
【0081】
従来の通信技法では、周波数帯域に制限があったため、定められた周波数資源を全部使用した後に続けてサービスの要求が増加する場合、提供されるサービスの質(例えば、QoS)が低下してしまう。
【0082】
しかし、上記のプラットフォームMAC/PHYは、周波数帯域を自由に検索して所望のサービスを見出し、使われていない周波数帯域を用いるCR技法に基づく。したがって、トラフィックの増加に応じて周波数帯域幅を自由に調節することができる。すなわち、CR通信装置において帯域幅は瞬間的な借り/貸しの関係を形成する。したがって、より多いトラフィックを処理しなければならない場合、プラットフォームMAC/PHYは多くの周波数資源を用いるように動的割当を行なうことができる。また、トラフィックの量が減ると、それに応じて用いられる帯域幅を減少させることができる。プラットフォームMAC/PHYは、全体的なトラフィックの量とスペクトラム状況によって周波数帯域幅を調節する。したがって、国家や地域の周波数政策に反することなく使用可能周波数帯域が充分な場合、全てのトラフィックを処理できるような最大の帯域幅まで周波数帯域を増加させることができる。また、プラットフォームMAC/PHYは、全体的なトラフィックの量、チャネルの状況、必要とするサービスの種類によって、用いられる周波数帯域を再設定することもできる。
【0083】
一方、一つのCR基地局と複数のCR端末が通信する場合、無線端末が使用する周波数帯域が衝突する問題が発生し得る。したがって、CR通信装置は、他のCR通信装置と衝突なしに周波数帯域を用いるための共存(coexistence)のために特定の周波数帯域を互いに共有するプロトコルを提供することが好ましい。
【0084】
図10に示すように、トラフィックが増加する場合、CR通信装置は上述した認知学習を通じて周波数帯域を観察し、使用する帯域及びサービスを決定することができる。この場合、プラットフォームMAC/PHYは、認知学習を通じた周波数帯域の観察結果、サービスに使われる要素MAC/PHYの個数及び増加するトラフィックの量に基づいてより広い周波数帯域を通じてそれぞれの要素MAC/PHYが通信を行なうように設定することができる。CR技法の特性の上、地域や国家の周波数政策に反しない限り周波数帯域に制限はないので、処理すべきトラフィックを広い周波数帯域を通じて処理する利点がある。
【0085】
次に、プラットフォームMAC/PHYのチャネル設定(channel configuration)について説明する。
【0086】
CR通信装置のプラットフォームMAC/PHYは、他のCR通信装置との通信のために制御チャネルと基本データチャネルを設定することが好ましい。以下、このようなチャネル設定の一例としてCR基地局のプラットフォームMAC/PHYが設定する制御チャネル(control channel)と基本データチャネル(Basic data channel)について説明する。
【0087】
制御チャネル(control channel)は、CR通信装置が使用する帯域幅と各帯域幅に対するサービスの種類を定義する。制御チャネルは、複数のCR端末のプラットフォームMAC/PHYと基地局のプラットフォームMAC/PHY間の連結に用いられる。
【0088】
基本データチャネル(Basic data channel)は、基本的なデータチャネルの役割と制御チャネルの役割を共に果たすチャネルのことをいう。
【0089】
図11は、CR通信装置で行なうチャネル設定の概念を示す図である。
【0090】
図11の制御チャネル904は、プラットフォームMAC/PHYが使用する周波数資源の量、すなわち、スペクトラムの量に関する情報を提供する。また、図11の制御チャネル904は、複数のデータチャネル901,902,903,905,906のチャネルに関する情報を提供する。すなわち、CR基地局と通信するCR端末のプラットフォームMAC/PHYは、制御チャネル904を通じてCR基地局のプラットフォームMAC/PHYと連結を設定する。このような連結を通じてCR端末は、どんな周波数帯域で通信できるか、このような周波数帯域ではどんなサービスが提供されるかがわかる。また、制御チャネル904は、CR端末が各チャネルにどんな方法で接近しなければならないかに関する情報を含んでいる。制御チャネル904は、CR通信装置が周波数帯域を検索した結果によって決定されることが好ましい。
【0091】
図11の基本データチャネル(Basic data channel)903は、制御チャネル904に含まれる情報を含むことができる。すなわち、基本データチャネル903は、制御チャネルから拡張されたチャネルでありうる。例えば、CR基地局が広範囲な帯域を通じてサービスを提供しなければならない場合、制御チャネル904を通じて全ての制御情報を伝送できないという問題が生じうる。この場合、基本データチャネル903は、制御チャネル904の役割の一部を行なうことができる。また、基本データチャネル903は、その他の拡張データチャネル901,902,905,906などのようにデータチャネルの役割を行なうことができる。基本データチャネル903を通じて提供されるサービスは、通信規格により必ず提供されなければならないサービス(mandatory service)でありうる。
【0092】
図11に示すように、CR技法は特定の周波数帯域に限定されないので、時間の変化によってチャネルが使用する周波数帯域が変わる特徴がある。図11の場合、901,902,903,905,906のデータチャネルがそれぞれ異なる要素MAC/PHYにより用いられる。すなわち、特定のサービスのうち第1サービスは、901及び905のチャネルを通じて第2要素MAC/PHY(Component 2 MAC/PHY)により提供される。また、特定のサービスのうち第2サービスは、902チャネルを通じて第3要素MAC/PHY(Component 3 MAC/PHY)により提供される。また、特定のサービスのうち第3サービスは903チャネルを通じて第1要素MAC/PHY(Component 1 MAC/PHY)により、特定のサービスのうち第4サービスは906チャネルを通じて第4要素MAC/PHY(Component 4 MAC/PHY)により提供される。
【0093】
図示のように、プラットフォームMAC/PHYの設定によってそれぞれのサービスは互いに隣接する周波数帯域を通じて提供されて良く、互いに分離された周波数帯域を通じて提供されても良い。同様に、プラットフォームMAC/PHYの設定によって、一つの要素MAC/PHYは互いに隣接する周波数帯域を通じて通信しても良く、分散された周波数帯域を通じて通信しても良い。
【0094】
次に、プラットフォームMAC/PHYのペイロード管理(payload management for component MAC/PHY)について説明する。
【0095】
上述したように、プラットフォームMAC/PHYが用いるスペクトラムの量を決定すると、これは、図11の904チャネルのような制御チャネル(control channel)を通じて全ての端末がわかるように規格化されて放送される。この放送データを通じてCR端末は自身の所望するサービスを該当の基地局から受け取る。
【0096】
CR端末は、要素MAC/PHYを通じて実際にサービスを受ける、すなわち、CR端末の要素MAC/PHYはサービスのためのインターフェースを提供する。要素MAC/PHYは独自の伝送信号規格、すなわち、RF信号規格を備えたか否かによって2つの方式に区分される。その第一は、要素MAC/PHYの物理的伝送信号規格をプラットフォームMAC/PHYの規格に従うようにし、内部のペイロード構造(payload structure)のみ要素MAC/PHYで具現する方式であり、第二は、要素MAC/PHYの物理的伝送信号規格を独立的に定める方式である。第一の方式は、従属的要素MAC/PHY定義方法であり、第二の方式は、独立的要素MAC/PHY定義方法である。
【0097】
次に、従属的要素MAC/PHY定義方法について説明する。この場合、要素MAC/PHYの物理信号に関する規格は、プラットフォームMAC/PHYの規格に従って決定されるため、端末の要素MAC/PHYは、各サービスにしたがって個別的な物理的な同期化や仮想基地局検索などの過程を行なうことなく直接サービスに接近可能になる。ただし、サービスの規格に従って定められる上り/下りリンクの伝送チェーンに対する定義が別に存在し、支援されるトラフィックの種類によってそれぞれ異なるQoS(Quality of Service)を提供できる接近構造(access structure)を提供する従属的な要素MAC/PHYが定義されることが好ましい。伝送チェーンは、上位階層(例えば、MAC階層の上位に存在した階層)から伝達されるパケットに対する順序で、物理的な信号として伝送される前まで意味を持つ。伝送チェーンの例には、再伝送、スケジューリング、チャネルコーディング、ハイブリッドARQ、MIMO、断片化(fragmentation)などがある。伝送チェーンによって伝達されるパケットのQoSは、パケットを伝達する形式や構造によって決定されるが、各Qosは、プロトコルの種類によって区分されることができる。例えば、WLANでは実時間伝送が支援されないが、IEEE802.16eでは実時間伝送が支援される。したがって、上述したように、支援されるトラフィックの種類によってそれぞれ異なるQoSを提供できる接近構造を提供することが好ましい。
【0098】
次いで、独立的要素MAC/PHY定義方法について説明する。この場合、プラットフォームMAC/PHYにより用いられる周波数帯域が決定された後、制御チャネルに、特定帯域に対して特定サービスが使用されているということを表記する。例えば、図11の904チャネルを通じて901〜906帯域に特定のサービスが提供されることを知らせる。それぞれの帯域に接続してサービスを受けるための物理的伝送信号規格は、各要素MAC/PHYで定義される。すなわち、制御チャネルから各帯域に関する情報を提供する動作はプラットフォームMAC/PHYで行なわれ、その他の動作は要素MAC/PHYで行なわれる方法である。この方法は、既存の様々な無線通信機器をそのまま受容できる点から好まれる。この場合、各要素MAC/PHYは、従来の制限された帯域幅(例えば、従来のCDMA通信規格で使用する特定の帯域幅)に対するインターフェースを提供するので、プラットフォームMAC/PHYは、各要素MAC/PHYが接続しなければならないチャネルに関する情報を提供しなければならない。すなわち、プラットフォームMAC/PHYは、制御チャネル(例えば、図11の904チャネル)と必ず定義されなければならないデータチャネル(例えば、904チャネルに含まれるデータチャネルまたは903のチャネル)に対してインターフェースを定義し、拡張された帯域(例えば、図11の901,902,905,906のチャネル)に対しては特定の要素MAC/PHYを使用するように指示しなければならない。
【0099】
上述したプラットフォームMAC/PHY(platform MAC/PHY)の概念は、人口密度の異なる地域にサービスを提供する通信プロバイダに有利に活用されることができる。すなわち、上述したようにトラフィックの量によってサービスを提供する方法だけでなく、サービスが提供される地域によってそれぞれ異なるサービスを提供することができる。例えば、田舎と都市では使用者の密度が異なるが、これを勘案して新しいサービス競争モードを提供可能である。
【0100】
図12は、使用者密度がそれぞれ異なる地域で用いられる周波数帯域を示す図である。
【0101】
同図で、provider 1及びprovider 2は、市場の支配的なプロバイダである。CR技法によれば、CR端末のための特定サービスを提供する帯域でそれぞれ異なるプロバイダが共存できる。この場合に、市場の支配的なプロバイダは、使用者密度の高い地域と低い地域両方においてサービスを提供するために全ての地域にCR通信装置を設置することができる。しかし、一般的なプロバイダは、たとえ使用者密度の高い地域と低い地域両方でサービスを提供したいとしても、全ての地域にCR通信装置を設置し難い。この場合、一般的なプロバイダは、使用者密度の高い地域では該当のプロバイダのみのCR通信装置(例えば、CR基地局)を設置し、使用者密度の低い地域では支配的プロバイダのCR通信装置を介してサービスを提供すれば良い。特に、異なるプロバイダ同士は、CR技法を通じて同じ帯域を共有しながら、必要でない帯域に対しては貸与を通じて他のプロバイダに費用を請求することができる。また、特定プロバイダがサービスできる帯域をさらに使うために他のプロバイダから周波数帯域を借りる方案も可能である。
【0102】
本発明の精神及び必須特徴を逸脱しない範囲で様々な他の特定形態に本発明を具体化できるということは、当業者には自明である。したがって、上記の詳細な説明はいずれの面においても制約的に解釈されてはならず、例示的なものとして考慮されるべきである。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的解釈により定められるべきであり、その等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。
【技術分野】
【0001】
本発明は、動的に周波数資源を使用する通信装置及び通信方法に関するもので、より具体的には、動的に周波数割当が可能な移動端末及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在サービスされている無線通信サービスは固定した帯域幅を用いてデータ送信及び受信を行なう。特に、移動通信システムは、特定帯域に割り当てられた資源とセル(cell)間の周波数配置を通じて最大の性能を得る方式を用いる。固定した帯域を用いて信号を送受信する技法は、変わらない周波数領域を通じて具現される。すなわち、現在用いているシステム規格に合せながらもより高いサービス質(例えば、スループット(throughput)、使用者の数)を支援するには、通常、セル構造をより細かく分けたり、既存システム規格を需要にしたがって拡張して新しいインフラ構造(infrastructure)を構築する方法を取る。
【0003】
従来の周波数資源を用いる方式は、固定した帯域幅(fixed bandwidth)を基盤とする技法と可変帯域幅(scalable bandwidth)を基盤とする技法とに区分される。
【0004】
固定した帯域幅(fixed bandwidth)を基盤とする技法を用いるシステムは、サービスの規格を定めるに当って、特定の帯域に適切で様々な送信/受信技法を適用して規格を作る。また、固定した帯域を基礎にサービスを提供し、規格に変化を与えるためにはサービスシステム全体に対する変更をしなければならない特徴がある。
【0005】
一方、上述した可変帯域幅(scalable bandwidth)を基盤とする技法は、様々な帯域幅オプションを選択的に適用する技法で、最近主流を占めつつある。この可変帯域幅を基盤とする規格は、固定した帯域幅(fixed bandwidth)の場合に比べて帯域幅の変化とサービスの質に対する制御がより容易である。しかし、この可変帯域幅を基盤とする場合にも、実際サービスが提供されている状況では、固定した帯域幅のシステムと同一に動作する。要するに、可変帯域幅を基盤とする技法を通じて周波数帯域が広くなったり狭くなったりしても、用いられる技術が変わらないという長所を得ることができる。また、周波数帯域が変わっても用いられる技術が変わらないので、ハードウェアの複雑性を増加させずにサービスの質を変化させることができる。
【0006】
これら従来の技法に代わる新しい技法が認知無線(cognitive radio:以下、“CR”という。)技法である。このCR技法は、1999年にMitolaが提示した技法で、周波数帯域の效率的な使用のために提案された。このCR技法は、基本的に、ソフトウェア的に定義されたラジオ(software defined radio:SDR)を基盤に具現される。CR技法は、周波数帯域を検索(scan)して使われていないスペクトラムを選択し、これを基本通信帯域と設定することができる。すなわち、CR技法は、スペクトラムセンシングを行なうことができる。また、このCR技法は、検索されたサービス種類によってSDR様式(architecture)に変形を加え、サービス種類を変化させたりサービスの質を変化させることを自ら判断して決定することができる。
【0007】
現在様々な無線サービスが提供されているという事実とCR技法が追求する基本概念を考慮すると、今後の無線端末は一つの融合した形態になると見込まれる。すなわち、今後、無線端末はCR技法によって運用されると予想される。上記CR技法は、現在IEEE802.22でTV帯域を共有してWRAN(Wireless Regional Area Network)サービスを提供するための技法として採用された。
【0008】
上述したCR技法の特徴の一部は、ISM(Industrial Scientific Medical)バンドを使用する一部通信規格の特徴と同一である。すなわち、上記ISMバンドなどを用いて通信を行なう一部規格では、“共存(coexistence)”という方法で周波数帯域認識と無線資源の衝突を防止させるプロトコルを提供する。この共存もまた、周波数感知を通じて様々な無線資源を使用するもので、上記のCR技法の特徴と重なる部分が存在する。
【0009】
要するに、周波数管理技法によって通信方式を区分すると、上述の固定した帯域幅(fixed−bandwidth)の通信方式と、可変帯域幅(scalable−bandwidth)の通信方式と、CR技法の通信方式とに分けられる。以下、それぞれの方式による通信方法について説明する。
【0010】
まず、固定した帯域幅の通信方式を説明する。
【0011】
図1は、固定した帯域幅の通信方法における無線資源の使用を示す図である。
【0012】
現在の移動通信システム(CDMA及びGSM等)や無線LAN(IEEE802.11及びHiper LAN等)、無線PAN(IEEE802.15)のようなサービスは、初期標準化段階で定められた帯域幅を用いてサービスを提供する。この帯域幅は、政府から周波数使用許可を受けたりあるいは公開された帯域の一部である。固定した帯域幅の通信方式の特徴は、時間による周波数帯域幅の増加や減少がないということである。すなわち、固定した帯域幅内でのサービスは、その帯域幅に対して最適化される。すなわち、現在トラフィック(traffic)の量によらずに既に定められた帯域幅(bandwidth)を引き続き使用する。
【0013】
次に、可変帯域幅(scalable−bandwidth)の通信方式について説明する。
【0014】
可変帯域幅を使用するサービスは、2種類の形態に分けることができる。第一の形態は、基地局のサービス帯域が一定な状態で、端末が用いる帯域幅が可変する場合である。第二の形態は、基地局が用いる帯域幅と端末が用いる帯域幅がいずれも可変する場合である。
【0015】
上記第一の形態の一例を、図2に示す。図2に示す一例は、OFDMを用いるIEEE802.16またはIEEE802.20規格であり得る。また、図2に示す一例は、3GPP LTE(Long Term Evolution)のようなサービスであっても良く、CDMA方式ではチャネルをまとめて端末に割り当てる方式であるEV−DO(Evolution Data Only)またはEV−DV(Evolution Data and Voice)であっても良い。図2の一例は、基地局が使用する総帯域幅が定められ、端末が使用する帯域幅は、該当の基地局から特定帯域幅が割り当てられる。端末は、割り当てられた帯域幅を通じてサービスを受ける。基地局が使用する帯域幅は、システム設置に当って定められる。
【0016】
次いで、上記CR技法の特徴の一部を受け入れた可変帯域幅の通信方法について説明する。図3は、CR技法の特徴の一部を受け入れた可変帯域幅の通信方法の無線資源使用方法を示す。図3に示すように、基地局がサービスする帯域幅は、時間によって変化することができる。図3の一例は、IEEE802.22規格であり得る。このIEEE802.22規格は、上記CR技法の特徴を受け入れながら生成されたサービスモデルである。すなわち、各時間別に使用可能な周波数帯域を感知し、基地局が可能な帯域幅内で自身のサービスを拡張する。結果として、IEEE802.22規格の端末は、変化する帯域幅をいずれも受容可能でなければならない。IEEE802.22規格では、TV帯域を共有しながらWRAN(Wireless Regional Area Network)サービスを提供するが、このサービス単位は、他のサービスで使われないチャネルから構成され、チャネルの併合/分割を基本とする。すなわち、基地局が、使われていないTVチャネルを把握した場合、このチャネルをWRANサービスに使用する。また、規格より提示した範囲内でTVチャネルが連続して使用可能であるとすれば、このチャネルをまとめて一つの帯域として使用し、この時、全体を用いたサービスを提供することができる。また、端末は、基地局のこのようなチャネル状況を全て把握し、同様に自身の受信能力を増やさなければならない。
【0017】
次に、CR技法について説明する。CR技法は、特定の周波数管理技法に制限されないということを特徴とする。すなわち、CR技法は、現在スペクトラム(すなわち、周波数資源)をより効率的に使用するために、端末の構成が周波数資源によって変化する特徴を有する。図4には、周波数資源のうち、使われていない部分がある場合、CR技法による端末(以下、‘CR端末’と称する。)がどのように無線資源を用いるかを示す。図4に示すように、CR端末は、自由にスペクトラムを検査し選択する。すなわち、CR端末は、図4に示すようなスペクトラムを観察し、401〜406の無線資源が使われていないということを認知できる。これにより、まず、401及び402領域中の“Conventional service with CR”で表示された帯域を通じて一般のCRサービスが提供される場合、この帯域を通じて一般のCRサービスを受信することができる。また、端末は、上記の401及び402領域を通じて新しいサービスを創造(creation)しても良い。
【0018】
一方、t1時点後に、上記の401及び402の無線資源をそれ以上使用できないとすれば、これを認識したCR端末は、t1時点後から403の無線資源を通じてサービスを受けたり新しいサービスを提供することができる。また、t2時点後に、403の無線資源がそれ以上使用不可能な場合には、端末はt2時点後に、図4に示すように、406の無線資源を選択して持続してサービスを受けたり提供することができる。
【0019】
このCR端末は、観察しようとするスペクトラム帯域があり、その帯域で使われていない領域が発見されると、その領域内でCR技法を通じて提供される通信サービスを受ける。もちろん、提供されるサービスは、固定した帯域幅によるサービスであっても良く、可変帯域幅によるサービスであっても良い。CR技法の特徴は、既存サービスとは違い、使用する周波数資源が時間によって変化するので、これを管理するための規格(すなわち、プロトコル)及び周波数資源に対する学習過程が必要であるという点にある。現在CR技法の特徴を持つ標準案の一例としてはIEEE802.22WRANシステムがある。
【0020】
上記CR技法は、その他の技法に比べて周波数帯域を自由に使用するという特徴がある。可変帯域幅の通信方法は時間によって帯域幅が変わるものの、通信システムで使用可能な帯域幅をあらかじめ設定し、あらかじめ設定された帯域幅内で帯域幅の大きさに変化を与えると通信を行なう。しかし、CR技法では、あらかじめ設定された制約無しで自由に周波数帯域を検索する。また、検索の結果、使用可能な帯域が発見されると、これを通じてサービスを受けたりサービスを創造するという特徴がある。
【0021】
上述した固定した帯域幅(fixed bandwidth)の技法と可変帯域幅(scalable bandwidth)の技法を用いる通信規格には、下記のような問題がある。
【0022】
現在のシステムは、以降、消費者の要求が発生すると修正される必要がある。すなわち、消費者の要求事項を受け入れるためには、新しい標準の創出と新しいシステムの提供が必要である。言い換えると、上記の固定した帯域幅を用いるシステム及び可変帯域幅を用いるシステムは、消費者の欲求に応じて常に規格が変化しなければならない。しかし、一つのサービスにおいては消費者の希望する形態のサービスを完璧に提供し難いため、色々なサービスが乱立することとなり、これによってスペクトラム効率は減少する。特に、使用者の限定された要求がある場合、スペクトラム使用は地域的/時間的に変化する。すなわち、このような限定された要求がある場合には非効率的なスペクトラム使用が問題とされる。したがって、変化する使用者の欲求を満たしながら色々な通信技法を受け入れるためには、無線端末はCR基盤へと進化せざるを得ない。
【0023】
しかし、このようなCR技法のための帯域使用技法及び通信技法は未だ提示されていないのが現状である。今のところ、既存の無線システムの形態をそのまま受け入れるSDR端末に周波数環境に対する認知/決定を行なう再構成要素に重点をおいている。しかし、このようなCR動作シナリオは全ての無線端末を一つに統合する効果はあるが、変化する使用者の要求を十分に満たすと共にスペクトラムを效率的に使用する方向への進化は考慮されていないという問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
本発明は上記の問題を解決するためのもので、その目的は、遊休スペクトラムを利用できる通信方法及び通信装置を提供することにある。
【0025】
本発明の他の目的は、使用者の要求に效率的に対応できる周波数利用技法及び通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明に係る移動端末は、上述の目的を達成するために、特定の周波数政策及び使用者(User)により選択されたサービスに基づいて周波数帯域を検索し、検索された周波数帯域から特定の周波数帯域を選択する認知エンジンと、該選択された周波数帯域に対する設定を行なうプラットフォーム(platform)ブロック、及び該プラットフォームブロックの設定によって特定なプロトコルに従うデータ処理を行なう少なくとも一つの要素(component)ブロックを含む通信システムブロックと、を含んでなる。
【0027】
上記移動端末は、CR技法に基づくことが好ましい。
【0028】
また、特定な周波数政策を獲得する政策をさらに含むことが好ましい。また、プラットフォームブロックは、スペクトラムセンシングとスペクトラム設定を行なうことが好ましい。
【0029】
要素ブロックは、特定の通信規格に相応することが好ましい。
【0030】
該要素ブロックは、プラットフォームブロックの制御によって通信を行なうことが好ましい。
【0031】
本発明に係る通信方法は、動的に周波数割当が可能な送信端のサービス送受信方法において、特定の周波数政策及び使用者により選択されたサービスに基づいて周波数帯域を検索する段階と、この検索結果によって送信端が使用する周波数帯域を決定し、この決定された周波数帯域に対する設定を行なうプラットフォーム(platform)ブロックのための連結を行なう段階と、該決定された周波数帯域を通じてサービスを送受信する少なくとも一つの要素(component)ブロックのための連結を行なう段階と、を含む。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、次の効果が得られる。まず、本発明によると、遊休スペクトラムを效率的に使用することができる。また、本発明の特定実施形態では、プロバイダ間に割り当てられたスペクトラムを共有することもできる。
【0033】
本発明の一実施形態では、CR端末に対する包括的MAC/PHY形式を定義する。この実施形態によると、CR通信装置で使用可能なサービス種類をプラットフォーム(platform)形式のMAC/PHYに具現するので、様々なQoS(Quality of Service)を提供することができる。本発明によれば、バーストトラフィック(Burst traffic)に対して、使用者間QoSの減少方式に比べて、使用者か感じるチャネル輻輳現象を除去することができる。
【0034】
本発明の各実施形態は、自ら進化できる標準規格の形態を提示する。すなわち、本発明は、CR端末に現在の無線通信だけでなく未来の通信技法に対する包括的な枠組みを提供する。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】固定した帯域幅の通信方法における無線資源の使用を示す図である。
【図2】基地局のサービス帯域が一定な状態で、端末が使用する帯域幅が可変である場合における無線資源の使用を示す図である。
【図3】CR技法の特徴を一部受容した可変帯域幅の通信方法における無線資源の使用方法を示す図である。
【図4】CR端末が無線資源を検索して使用する方法を示す図である。
【図5】図5Aは、本実施例によるCR通信装置の一例を示すブロック図であり、図5Bは、本実施例によるCR通信装置の他の例を示すブロック図である。
【図6】本実施例によるCR通信装置に含まれるCR処理モジュール構造を示すブロック図である。
【図7】図7Aは、本実施例によるCR通信装置に含まれる通信システムブロックの一例を示すブロック図であり、図7Bは、本実施例によるCR通信装置に含まれる通信システムブロックの他の例を示すブロック図である。
【図8】本実施例による認知学習方法の一例を説明する図である。
【図9】本実施例による認知学習方法の他の例を説明する図である。
【図10】CR通信装置が処理すべきデータ量によってプラットフォームMAC/PHYが決定する周波数の帯域幅を示す図である。
【図11】CR通信装置で行なうチャネル設定の概念を示す図である。
【図12】使用者密度が互いに異なる地域で用いられる周波数帯域を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
本発明の一実施例は、CR技法を基盤とする端末とこれを支援する基地局間の通信規格の基本構造を提案する。従来の通信規格は、その通信システム全体を一つの規格で定義したため、消費者の需要または企業の政策変化によるシステム変形が規格定義につながるという問題があった。すなわち、需要や政策の変化に従って新しいシステムを設置しなければならないという問題があった。
【0037】
本発明の一実施例は、このような需要や政策の変化にも規格を変えなくて済むCR技法に関する内容を提案する。すなわち、需要や政策の変化による周波数帯域、すなわち、スペクトラムの変化に影響を受けない通信技法を提案する。
【0038】
本発明の一実施例は、次世代通信端末及びシステムが持つ基本構造を提案し、次世代通信規格が持つべき基本構造及び周波数使用方法を提案する。
【0039】
以下、本実施例が提案するCR基盤の通信装置(例えば、端末及び基地局)のハードウェア構造を説明する。
【0040】
CR基盤の通信装置は、既存の端末と違い、RF(Radio frequency)プロセシングブロック以外のブロックをデジタル化し、ソフトウェアを基盤に動作する。
【0041】
図5Aは、CR基盤の通信装置の一例を示すブロック図である。すなわち、CR基盤の通信装置は、自由に周波数帯域を検索し、特定の周波数帯域からサービスを受けたりサービスを創造するため、全体周波数帯域のうち一部帯域をフィルタリングするフィルタリングモジュール501が必要とされる。このフィルタリングモジュール501は、CR基盤の通信装置の一般的な動作を制御する別の制御部(図示せず)またはCR処理モジュール(CR processing module)503を通じて制御されるバンドパスフィルタ(Bandpass filter)等で具現されることができる。このバンドパスフィルタは、特定の周波数帯域を可変的にフィルタリングすることができる。このフィルタリングモジュール501でフィルタリングされたアナログ信号は、A/D(Analog to Digital)変換モジュール502によりデジタル信号に変換される。このA/D変換モジュール502の出力は、CR処理モジュール503に入力される。このCR処理モジュール503は、後述される様々な周波数制御技法によってデータ処理を行なう。CR処理モジュール503はソフトウェアで具現され、必要によって特定の無線規格に関するモジュールをローディング(loading)し、所望のCR処理を行なう。すなわち、CR基盤の通信装置は上記SDRを基盤とする。
【0042】
ただし、図5Aの通信装置を具現する上で困難があり得る。したがって、図5BのようなCR基盤の通信装置を用いてCR技法を行なっても良い。現在の技術水準では、無線チャネルから受信される無線信号を一度に基底帯域(baseband)信号に変換することは難く、広帯域処理し難いため、ミキサー(Mixer)を用いた基底帯域変換と、他のフィルタを必要としている。図示の如く、図5BのCR基盤の通信装置は、無線周波数受信モジュール511でRF信号を受信する。このRF信号は、ダウンミキシング(down mixing)モジュール512により中間帯域周波数(IF)信号に変換され、フィルタリングモジュール513によりフィルタリングされる。すなわち、フィルタリングモジュール513の出力信号は、CR通信装置が使用しようとする周波数帯域から獲得した信号である。フィルタリングモジュール513の出力は、A/D変換モジュール502に入力され、A/D変換モジュール502の出力は、CR処理モジュール503に入力される。ダウンミキシングモジュール512は、基底帯域に信号をダウンミキシングすることもでき、このようにダウンミキシングされた信号はフィルタリング後にデジタル信号に変換され、CR処理モジュール503に入力されることができる。
【0043】
以下、図6を参照してCR処理モジュール503の構造と具体的な動作について説明する。このCR処理モジュール503は、ソフトウェアにより具現されるので、図6は、CR処理モジュールのソフトウェア構造について説明する。
【0044】
図6に示すように、CR処理モジュールのソフトウェア構造は、通信システムブロック601、認知エンジン(Cognitive Engine)602、政策エンジン(Policy Engine)603を含んでなる。
【0045】
通信システムブロック601は、CR通信装置で通信信号を処理するソフトウェアモジュールで、実際通信のためのデータ処理を行なう。すなわち、従来に提案された通信規格または新しく提案される様々な通信規格を用いて、A/D変換モジュール502によりデジタル信号に変換された信号に対するデータ処理を行なう。この通信システムブロック601は、後述されるプラットフォームMAC/PHY及び要素MAC/PHYを含む。プラットフォームMAC/PHYに含まれる要素MAC/PHYは、認知エンジン602により選択されることができる。すなわち、認知エンジン602が周波数帯域を検索し、検索結果により選択された特定の帯域を通じて通信をすると決定した場合、複数の特定の通信システムブロックのうちいずれか一つをローディングして通信を行なうことができる。通信システムブロック601は、実際通信のためのデータ処理を行なうので、各階層(PHY、MACなどの階層)によって区分されるデータ処理を行なうことが好ましい。
【0046】
同図の通信システムブロック601は、応用(Application)階層、トランスポート(Transport)階層、ネットワーク(Network)階層、MAC/Link階層、PHY階層を含む。応用階層は、最上位で使用者(user)と最も近く位置しており、データ通信の応用に関連した一般的なサービスを提供する。主要機能には、ファイル伝送、電子メール、遠隔ログイン、網管理、スプレッドシート、ワードプロセシングなどがある。トランスポート階層は、通信をする両使用者の終端間にend to end通信を担当する階層で、送信側から受信側までデータがエラー無しでシームレスに信頼性あるデータを伝送できるようにする機能を提供する。すなわち、使用者間の連結設定、伝送維持及び連結の解除、流れ制御、エラー制御、順序制御などを提供する。ネットワーク階層は、互いに異なる場所に位置した2つのシステム間の連結性と経路選択を提供する。すなわち、送信側から受信側までパケットをルーティングするが、ルーティングプロトコルが、互いに連結されたネットワークを通じて最適の経路を選択し、ネットワーク階層のプロトコルは選択された経路を通じて情報を送る。
【0047】
主要機能には、通信線路を確立するためのアドレス決定、経路選択、データ伝送及び中継機能がある。
【0048】
上述した応用階層、トランスポート階層、ネットワーク階層の機能は、一つの階層に含まれて具現されることができる。すなわち、応用階層、トランスポート階層、ネットワーク階層を含む一つの上位階層が存在することができる。
【0049】
MAC階層は、物理的リンクを通じた信頼性あるデータ伝送のために用いられ、Link階層は、特定の通信装置間に特定のサービスを通じて通信を行なう場合、各通信装置間の連結情報(connection information)を維持するのに用いられる。また、PHY階層は、通信装置間に物理的な媒体を通じて連結を確立する機能を行なう。MAC階層及びLink階層は、後述されるプラットフォームMACにより具現され、PHY階層は、後述されるプラットフォームPHYにより具現される。
【0050】
政策エンジン603は、周波数政策に対する管理を行なう。周波数政策とは、どの帯域が検索可能でどの帯域が検索不可能かなどに関する情報、特定の帯域にいかなるサービスが提供されているかに関する情報、特定の帯域でいかなる信号強さ(power)で通信を行なえるかに関する情報などを含む情報で、認知エンジン602が検索できる周波数帯域に対する各種制御情報のことを意味する。CR技法の基本概念は、自由に周波数帯域を検索しそれによってサービスを受信及び創造するということであるから、通信装置の位置する地域または国家の周波数政策に関する情報が必要である。政策エンジン603は、政策ドメイン(policy domain)604から、特定の周波数帯域の観察可否、使用可否、各周波数帯域を通じて提供したり創造できるサービスなどに関する情報を獲得する。政策エンジン603は、政策ドメイン604から獲得した情報に基づいて、通信システムブロック601、認知エンジン602などの動作を制御できる。例えば、認知エンジン602により特定の周波数帯域でデータ通信を提供する際に送信電力を増加させて伝送しようとする場合、地域または国家の周波数政策に反するという問題があり得るので、政策エンジン603の制御下に送信電力を決定して通信を行なうことが好ましい。
【0051】
認知エンジン602は、瞬時的な周波数帯域の変化を追跡して適切な対応を行なう。すなわち、認知エンジン602は、現在スペクトラム、すなわち、周波数帯域の使用現況と政策エンジン603が提供する情報に基づいてどんな帯域を通じてどんなサービスを行なうかを決定し、通信システムブロック601に対する最適化及び通信プロコルに対する制御を行なう。
【0052】
認知エンジン602は、CR通信装置の使用者の特定の要求を使用者ドメイン605から獲得し、無線チャネルで獲得したデジタル信号を用いて外部環境及びRFチャネル606に対する検索(scan)を行なうことができる。このような検索を通じて特定のサービスを提供を受けると決定する場合にも、政策エンジン603などの制御を受けることができる。認知エンジン602により特定の通信システムブロック601が選択され、認知エンジン602により特定の設定(configuration)が適用されることができ、外部環境及びRFチャネル606に対するデータ処理が行なわれることができる。通信システムブロック601の動作においても周波数政策による政策エンジン603の制御が行なわれることができる。
【0053】
もし、通信システムブロック601が周波数帯域の変化を受容できるようなプロトコルを有しているとすれば、認知エンジン602は、通信システムブロック601に対する特定の設定(configuration)を通じて変化する周波数帯域の環境に合う通信を行なうことができる。もし、通信システムブロック601が変化する周波数帯域を受け入れることができないとすれば、認知エンジン602が通信システムブロック601に対する設定を制御できないから、認知エンジン602は特定の通信システムブロック601を選択する機能のみを行なうこととなる。すなわち、上記CR通信装置は、従来の規格のうち一つを選択して使用することとなるので、結局としてマルチモード(multi−mode)サービスを支援する動作を行なうこととなる。
【0054】
以下、通信システムブロック601の構造について具体的に説明する。上述した通り、通信システムブロック601は複数個備えられ、認知エンジン602により選択されることができる。この場合、本実施例は、通信システムブロックを一つのプラットフォーム(platform)ブロックと一つのプラットフォームに含まれる多数の要素(component)ブロックとに区分することを提案する。
【0055】
図7Aは、本実施例による通信システムブロックの一例である。同図で、通信システムブロック601のMACとPHYブロックは、プラットフォーム(Platform)MACとプラットフォーム(Platform)PHYブロックを含む。プラットフォーム(Platform)MACは、複数個の要素MAC(component MAC1,2,3)を含む。また、プラットフォーム(Platform)PHYは、複数個の要素PHY(component PHY1,2,3)を含む。
【0056】
通信システムモジュールが変化する周波数帯域を支援するためには、既存のように全体を規定する単一プロトコルを構成することは好ましくない。特定のサービスを実際に支援するプロトコルは、個々の要素(component)MACまたはPHYを通じて定義し、それぞれの要素を管理するプラットフォームMACまたはプラットフォームPHYを別に定義することが好ましい。すなわち、MACとPHYを支援するプラットフォームMAC及びプラットフォームPHYの規格を定義し、各プラットフォーム規格内で受容可能な要素(component)形態の規格を作る。
【0057】
このプラットフォームMAC/PHY(Platform MAC/PHY)は、通信システムを具現するための基本的なプロトコル及びインターフェースを提供する。すなわち、認知エンジン602が特定の周波数を検索してサービスを選択すると、このような情報は、プラットフォームMAC/PHY(Platform MAC/PHY)に伝達される。
【0058】
プラットフォームMAC/PHYは、認知エンジン602が決定した帯域でいかなる通信規格を用いて通信を行なうか決定する。すなわち、プラットフォームMAC/PHYは、複数の要素MAC/PHYのうちいずれか一つを選択する。この場合、要素MAC/PHYは、特定の帯域に限定されたプロトコル及びインターフェースを提供することができる。この場合、認知エンジン602が決定した帯域で通信が行なわれるようにする設定は、プラットフォームMAC/PHYにより定められることができる。すなわち、プラットフォームMAC/PHYは、CR技法による通信をするための通信構造を支援する主体であり、要素MAC/PHYは実際通信のためのデータ処理などを行なう主体である。
【0059】
図7Bは、本実施例による通信システムブロックの他の例である。本実施例による通信システムブロックは、図7Aに示すように、一つの上位階層とそれによるプラットフォームMAC/PHYを含んでも良く、図7Bに示すように、複数の上位階層(第1、第2、第3上位階層)とプラットフォームMAC/PHYを含んでも良い。本実施例による移動端末は、様々なサービスを提供できるので、提供されるサービスによって複数の上位階層を含むことができる。
【0060】
次に、図6、図7A及び図7Bを参照して、CR端末の具体的動作の一例について説明する。例えば、まず、CR端末を用いる使用者は、3GPP移動通信サービスと無線LAN(WLAN)サービスを同時に受けることを選択することができる。使用者のこのような選択は、使用者ドメイン605から認知エンジン602に提供される。認知エンジン602は政策エンジン603の制御により国家や地域の周波数政策に基づいて周波数帯域を検索し、CR端末の位置している地域で3GPP移動通信サービスと無線LAN(WLAN)サービスを見出す。この場合、認知エンジン602は、そのような情報をプラットフォームMAC/PHY(Platform MAC/PHY)に伝達する。プラットフォームMAC/PHYは、従来の3GPP移動通信サービスのためのプロトコル及びインターフェースを処理する要素MAC/PHY(component MAC/PHY)と、従来のWLANサービスのためのプロトコル及び無線インターフェースを処理する要素MAC/PHYをローディングする。プラットフォームMAC/PHYは、認知エンジン602により見出された周波数帯域を通じて3GPP及びWLANサービスを提供できるように周波数設定を行なう。このような一連の動作によって使用者は3GPP移動通信サービスと無線LAN(WLAN)サービスを共に受ける。
【0061】
本実施例は、CR通信装置がデジタル信号を処理するにあたって図7のような規格モデルを提案する。上述した内容から、プラットフォームMAC/PHY及び要素MAC/PHYの特徴がわかる。
【0062】
プラットフォームMAC/PHY(Platform MAC/PHY)は、要素MAC/PHY(component MAC/PHY)が含む機能によって象徴的なプロトコルと具体的なプロトコルとにその特徴が区分されることができる。
【0063】
もし、それぞれの要素MAC/PHYが周波数帯域を検索して特定の帯域を選択するスペクトラムセンシング(spectrum sensing)を独自に行ない、センシングされたスペクトラムによってインターフェースを定義する場合、プラットフォームMAC/PHYは象徴的なプロトコルとして動作する。すなわち、それぞれの要素MAC/PHYがCR技法を支援する場合には、プラットフォームMAC/PHYは認知エンジン602から伝達されるデータを要素MAC/PHYに伝達する等の基本的な制御のみを行なう。
【0064】
もし、それぞれの要素MAC/PHYがCR技法を支援しない場合、すなわち、CR通信装置と通信して変化する周波数環境、すなわち時間によって変化する周波数帯域の使用現況を認知し判断するための機能がない場合に、プラットフォームMAC/PHYは具体的なプロトコルとして動作する。プラットフォームMAC/PHYが具体的なプロトコルとして動作する場合、要素MAC/PHYは、実際サービスを受けたり提供するインターフェースを提供する。
【0065】
また、プラットフォームMAC/PHYは、このような実際サービスを提供する要素MAC/PHYのための運営プラットフォーム(platform)として動作する。すなわち、具体的なプロトコルとしてのプラットフォームMAC/PHYは、CR通信装置と通信して周波数帯域の環境を認知し判断するスペクトラムセンシング機能を行ない、センシングされたスペクトラムに対する設定(configuration)を行なう。例えば、特定の周波数帯域に特定の制御チャネルを設定し、この制御チャネルにより指示される特定のデータチャネルを設定できる。このプラットフォームMAC/PHYにより設定されたスペクトラム(例えば、特定のデータチャネル)を用いて、要素MAC/PHYがサービスを受信することができる。
【0066】
一方、要素MAC/PHYは、ユーザーのが所望する特定のサービス、例えば、WLAN、携帯移動通信、WPAN、GPS、TV、ラジオなどのような無線サービスに該当するインターフェースを提供する。この要素MAC/PHYは、CR通信装置に受信されたデジタルデータを特定の通信規格(例えば、WLAN、3GPP、WPAN、GPS、TV等)に従って処理でき、これを通じて特定の無線サービスに該当するインターフェースを提供することができる。この要素MAC/PHYの様々なインターフェース(例えば、WLAN、3GPP、WPAN、GPS、TVに相応するインターフェース)は、プラットフォームMAC/PHY制御下に自由に選択される。
【0067】
上述した如く、プラットフォームMAC/PHYは、要素MAC/PHYのためのスペクトラムセンシング及びスペクトラム設定を行なう。すなわち、プラットフォームMAC/PHYは、周波数帯域を検索して周波数帯域を分析するスペクトラムセンシング及びセンシング結果によって周波数に対する設定を行なうスペクトラム設定を行なうことができる。この要素MAC/PHYは実際サービスの提供及び創造に関する役割を行なう。
【0068】
以下、上述したプラットフォームMAC/PHY(Platform MAC/PHY)のスペクトラムセンシング及びスペクトラム設定の具体的方法について説明する。プラットフォームMAC/PHYは、次の4つの動作を行なう。第一に、プラットフォームMAC/PHYは、認知エンジン602と共に認知学習(cognitive learning)を行なう。第二に、プラットフォームMAC/PHYは動的サービススペクトラム(dynamic service spectrum)制御を行なう。第三に、プラットフォームMAC/PHYはチャネル設定(channel configuration)を行なう。第四に、要素MAC/PHYのためのペイロード管理(payload management for component MAC/PHY)を行なう。
【0069】
まず、プラットフォームMAC/PHYの認知学習(cognitive learning)について説明する。
【0070】
認知学習(cognitive learning)は、CR技法の通信で重要な部分を占める手順で、周波数帯域上で使われている周波数領域と使われていない部分とを区別し、どんなプロトコルがどのスペクトラムに用いられているかを判別する。認知学習を行なうためには、CR通信装置が周波数帯域を観察し、これを判断し、これに関する情報を他のCR通信装置に知らせることが好ましい。例えば、CR端末とCR基地局との通信に問題がある場合、CR端末のみが独自に周波数帯域を観察するとしたら観察できる周波数の帯域には限界(距離による信号減殺、処理容量(processing capacity)などによる限界)があるわけである。また、CR基地局のみが独自に周波数帯域を観察しても全ての周波数帯域を観察できることはできず、よって、CR端末とCR基地局は周波数帯域を観察した結果を互いに共有すれば良い。すなわち、認知学習は、各CR端末が独自に判断する地域学習(local learning)と、全体ネットワーク上で多数のCR端末が提供する情報を基盤とする分散学習(distributed learning)とに区分できる。
【0071】
図8は、CR端末とCR基地局を含むネットワーク上での認知学習方法を示す図である。図8に示すように、CR端末とCR基地局のプラットフォームPHY/MACは、相互間のサービス伝達のために連結を設定する(S801)。すなわち、CR端末は、基地局への接近のために、自らスペクトラムを観察し、基地局のプラットフォームMAC/PHYが送る信号を見出す。その後、その基地局に接続してその他のサービスパラメータを得る。ただし、S801段階は、S802またはS803段階の後に行なわれることができる。
【0072】
S802は地域学習段階である。各CR端末及びCR基地局は検索可能な周波数帯域(スペクトラム)を観察し、どんな周波数帯域にどんなサービスが存在するか判断する。
【0073】
S803は分散学習段階である。各CR端末及びCR基地局は、地域学習段階を通じてどんな周波数帯域を通じてサービスを受信できるか、または、どんな周波数帯域が空いているか等に関する情報を交換できる。S803段階で、端末が独自に観察したスペクトラム情報を基地局に伝達し、基地局が総合的なスペクトラムに関する情報を整理できるようにする。
【0074】
S801乃至S803段階によってプラットフォームMAC/PHY間の連結が設定されると、提供されるサービスによる要素MAC/PHYを決定し、決定された要素MAC/PHYをローディングして要素MAC/PHY間の連結を設定する(S804)。以降、CR端末は特定サービスの要素MAC/PHYに接続して該当のサービスを受けながらプラットフォームMAC/PHYとの通信は継続する。
【0075】
CR端末で認知学習は次に説明する順序で動作できる。まず、無線チャネルから受信される情報をプラットフォームMAC/PHYで獲得し、このような受信信号に関する情報を認知エンジン602に伝達する。認知エンジン602は、政策エンジン603などの制御を受けて周波数帯域に対する検索結果及びどんなサービスが可能かに関する情報をプラットフォームMAC/PHYに伝達する。プラットフォームMAC/PHYは認知学習を終え、認知エンジン602にフィードバック情報を送り、要素MAC/PHYをローディングすることで、実際サービスを受けることができる。すなわち、認知学習は、認知エンジン602とプラットフォームMAC/PHYにより共に行なわれ、その結果によって実際提供される要素MAC/PHYを定めることができ、定められた要素MAC/PHYに対するパラメータ設定も可能になる。
【0076】
図9は、CR端末とCR基地局を含むネットワーク上における認知学習方法を示す図である。
【0077】
図9の場合には、基地局でCR技法を支援しないので、CR端末は地域学習及び分散学習を行なう必要がない。プラットフォームMAC/PHYは、基地局と通信できる要素MAC/PHYをローディングし、各要素MAC/PHYに対する設定を行なった後、サービスを受ける(S804)。
【0078】
以下、上記プラットフォームMAC/PHYの動的サービススペクトラム(dynamic service spectrum)制御について説明する。
【0079】
プラットフォームMAC/PHYは、認知学習を通じたスペクトラムを決定した後、CR通信装置がどのようにスペクトラムを設定するかを設定する。すなわち、プラットフォームMAC/PHYは、周波数帯域分析結果、提供されるサービスと関連した要素MAC/PHYの個数、及び全体トラフィックの量に基づいて必要な周波数帯域幅を動的に決定する。
【0080】
図10は、CR通信装置が処理すべきデータ量によってプラットフォームMAC/PHYが決定する周波数の帯域幅を示す図である。
【0081】
従来の通信技法では、周波数帯域に制限があったため、定められた周波数資源を全部使用した後に続けてサービスの要求が増加する場合、提供されるサービスの質(例えば、QoS)が低下してしまう。
【0082】
しかし、上記のプラットフォームMAC/PHYは、周波数帯域を自由に検索して所望のサービスを見出し、使われていない周波数帯域を用いるCR技法に基づく。したがって、トラフィックの増加に応じて周波数帯域幅を自由に調節することができる。すなわち、CR通信装置において帯域幅は瞬間的な借り/貸しの関係を形成する。したがって、より多いトラフィックを処理しなければならない場合、プラットフォームMAC/PHYは多くの周波数資源を用いるように動的割当を行なうことができる。また、トラフィックの量が減ると、それに応じて用いられる帯域幅を減少させることができる。プラットフォームMAC/PHYは、全体的なトラフィックの量とスペクトラム状況によって周波数帯域幅を調節する。したがって、国家や地域の周波数政策に反することなく使用可能周波数帯域が充分な場合、全てのトラフィックを処理できるような最大の帯域幅まで周波数帯域を増加させることができる。また、プラットフォームMAC/PHYは、全体的なトラフィックの量、チャネルの状況、必要とするサービスの種類によって、用いられる周波数帯域を再設定することもできる。
【0083】
一方、一つのCR基地局と複数のCR端末が通信する場合、無線端末が使用する周波数帯域が衝突する問題が発生し得る。したがって、CR通信装置は、他のCR通信装置と衝突なしに周波数帯域を用いるための共存(coexistence)のために特定の周波数帯域を互いに共有するプロトコルを提供することが好ましい。
【0084】
図10に示すように、トラフィックが増加する場合、CR通信装置は上述した認知学習を通じて周波数帯域を観察し、使用する帯域及びサービスを決定することができる。この場合、プラットフォームMAC/PHYは、認知学習を通じた周波数帯域の観察結果、サービスに使われる要素MAC/PHYの個数及び増加するトラフィックの量に基づいてより広い周波数帯域を通じてそれぞれの要素MAC/PHYが通信を行なうように設定することができる。CR技法の特性の上、地域や国家の周波数政策に反しない限り周波数帯域に制限はないので、処理すべきトラフィックを広い周波数帯域を通じて処理する利点がある。
【0085】
次に、プラットフォームMAC/PHYのチャネル設定(channel configuration)について説明する。
【0086】
CR通信装置のプラットフォームMAC/PHYは、他のCR通信装置との通信のために制御チャネルと基本データチャネルを設定することが好ましい。以下、このようなチャネル設定の一例としてCR基地局のプラットフォームMAC/PHYが設定する制御チャネル(control channel)と基本データチャネル(Basic data channel)について説明する。
【0087】
制御チャネル(control channel)は、CR通信装置が使用する帯域幅と各帯域幅に対するサービスの種類を定義する。制御チャネルは、複数のCR端末のプラットフォームMAC/PHYと基地局のプラットフォームMAC/PHY間の連結に用いられる。
【0088】
基本データチャネル(Basic data channel)は、基本的なデータチャネルの役割と制御チャネルの役割を共に果たすチャネルのことをいう。
【0089】
図11は、CR通信装置で行なうチャネル設定の概念を示す図である。
【0090】
図11の制御チャネル904は、プラットフォームMAC/PHYが使用する周波数資源の量、すなわち、スペクトラムの量に関する情報を提供する。また、図11の制御チャネル904は、複数のデータチャネル901,902,903,905,906のチャネルに関する情報を提供する。すなわち、CR基地局と通信するCR端末のプラットフォームMAC/PHYは、制御チャネル904を通じてCR基地局のプラットフォームMAC/PHYと連結を設定する。このような連結を通じてCR端末は、どんな周波数帯域で通信できるか、このような周波数帯域ではどんなサービスが提供されるかがわかる。また、制御チャネル904は、CR端末が各チャネルにどんな方法で接近しなければならないかに関する情報を含んでいる。制御チャネル904は、CR通信装置が周波数帯域を検索した結果によって決定されることが好ましい。
【0091】
図11の基本データチャネル(Basic data channel)903は、制御チャネル904に含まれる情報を含むことができる。すなわち、基本データチャネル903は、制御チャネルから拡張されたチャネルでありうる。例えば、CR基地局が広範囲な帯域を通じてサービスを提供しなければならない場合、制御チャネル904を通じて全ての制御情報を伝送できないという問題が生じうる。この場合、基本データチャネル903は、制御チャネル904の役割の一部を行なうことができる。また、基本データチャネル903は、その他の拡張データチャネル901,902,905,906などのようにデータチャネルの役割を行なうことができる。基本データチャネル903を通じて提供されるサービスは、通信規格により必ず提供されなければならないサービス(mandatory service)でありうる。
【0092】
図11に示すように、CR技法は特定の周波数帯域に限定されないので、時間の変化によってチャネルが使用する周波数帯域が変わる特徴がある。図11の場合、901,902,903,905,906のデータチャネルがそれぞれ異なる要素MAC/PHYにより用いられる。すなわち、特定のサービスのうち第1サービスは、901及び905のチャネルを通じて第2要素MAC/PHY(Component 2 MAC/PHY)により提供される。また、特定のサービスのうち第2サービスは、902チャネルを通じて第3要素MAC/PHY(Component 3 MAC/PHY)により提供される。また、特定のサービスのうち第3サービスは903チャネルを通じて第1要素MAC/PHY(Component 1 MAC/PHY)により、特定のサービスのうち第4サービスは906チャネルを通じて第4要素MAC/PHY(Component 4 MAC/PHY)により提供される。
【0093】
図示のように、プラットフォームMAC/PHYの設定によってそれぞれのサービスは互いに隣接する周波数帯域を通じて提供されて良く、互いに分離された周波数帯域を通じて提供されても良い。同様に、プラットフォームMAC/PHYの設定によって、一つの要素MAC/PHYは互いに隣接する周波数帯域を通じて通信しても良く、分散された周波数帯域を通じて通信しても良い。
【0094】
次に、プラットフォームMAC/PHYのペイロード管理(payload management for component MAC/PHY)について説明する。
【0095】
上述したように、プラットフォームMAC/PHYが用いるスペクトラムの量を決定すると、これは、図11の904チャネルのような制御チャネル(control channel)を通じて全ての端末がわかるように規格化されて放送される。この放送データを通じてCR端末は自身の所望するサービスを該当の基地局から受け取る。
【0096】
CR端末は、要素MAC/PHYを通じて実際にサービスを受ける、すなわち、CR端末の要素MAC/PHYはサービスのためのインターフェースを提供する。要素MAC/PHYは独自の伝送信号規格、すなわち、RF信号規格を備えたか否かによって2つの方式に区分される。その第一は、要素MAC/PHYの物理的伝送信号規格をプラットフォームMAC/PHYの規格に従うようにし、内部のペイロード構造(payload structure)のみ要素MAC/PHYで具現する方式であり、第二は、要素MAC/PHYの物理的伝送信号規格を独立的に定める方式である。第一の方式は、従属的要素MAC/PHY定義方法であり、第二の方式は、独立的要素MAC/PHY定義方法である。
【0097】
次に、従属的要素MAC/PHY定義方法について説明する。この場合、要素MAC/PHYの物理信号に関する規格は、プラットフォームMAC/PHYの規格に従って決定されるため、端末の要素MAC/PHYは、各サービスにしたがって個別的な物理的な同期化や仮想基地局検索などの過程を行なうことなく直接サービスに接近可能になる。ただし、サービスの規格に従って定められる上り/下りリンクの伝送チェーンに対する定義が別に存在し、支援されるトラフィックの種類によってそれぞれ異なるQoS(Quality of Service)を提供できる接近構造(access structure)を提供する従属的な要素MAC/PHYが定義されることが好ましい。伝送チェーンは、上位階層(例えば、MAC階層の上位に存在した階層)から伝達されるパケットに対する順序で、物理的な信号として伝送される前まで意味を持つ。伝送チェーンの例には、再伝送、スケジューリング、チャネルコーディング、ハイブリッドARQ、MIMO、断片化(fragmentation)などがある。伝送チェーンによって伝達されるパケットのQoSは、パケットを伝達する形式や構造によって決定されるが、各Qosは、プロトコルの種類によって区分されることができる。例えば、WLANでは実時間伝送が支援されないが、IEEE802.16eでは実時間伝送が支援される。したがって、上述したように、支援されるトラフィックの種類によってそれぞれ異なるQoSを提供できる接近構造を提供することが好ましい。
【0098】
次いで、独立的要素MAC/PHY定義方法について説明する。この場合、プラットフォームMAC/PHYにより用いられる周波数帯域が決定された後、制御チャネルに、特定帯域に対して特定サービスが使用されているということを表記する。例えば、図11の904チャネルを通じて901〜906帯域に特定のサービスが提供されることを知らせる。それぞれの帯域に接続してサービスを受けるための物理的伝送信号規格は、各要素MAC/PHYで定義される。すなわち、制御チャネルから各帯域に関する情報を提供する動作はプラットフォームMAC/PHYで行なわれ、その他の動作は要素MAC/PHYで行なわれる方法である。この方法は、既存の様々な無線通信機器をそのまま受容できる点から好まれる。この場合、各要素MAC/PHYは、従来の制限された帯域幅(例えば、従来のCDMA通信規格で使用する特定の帯域幅)に対するインターフェースを提供するので、プラットフォームMAC/PHYは、各要素MAC/PHYが接続しなければならないチャネルに関する情報を提供しなければならない。すなわち、プラットフォームMAC/PHYは、制御チャネル(例えば、図11の904チャネル)と必ず定義されなければならないデータチャネル(例えば、904チャネルに含まれるデータチャネルまたは903のチャネル)に対してインターフェースを定義し、拡張された帯域(例えば、図11の901,902,905,906のチャネル)に対しては特定の要素MAC/PHYを使用するように指示しなければならない。
【0099】
上述したプラットフォームMAC/PHY(platform MAC/PHY)の概念は、人口密度の異なる地域にサービスを提供する通信プロバイダに有利に活用されることができる。すなわち、上述したようにトラフィックの量によってサービスを提供する方法だけでなく、サービスが提供される地域によってそれぞれ異なるサービスを提供することができる。例えば、田舎と都市では使用者の密度が異なるが、これを勘案して新しいサービス競争モードを提供可能である。
【0100】
図12は、使用者密度がそれぞれ異なる地域で用いられる周波数帯域を示す図である。
【0101】
同図で、provider 1及びprovider 2は、市場の支配的なプロバイダである。CR技法によれば、CR端末のための特定サービスを提供する帯域でそれぞれ異なるプロバイダが共存できる。この場合に、市場の支配的なプロバイダは、使用者密度の高い地域と低い地域両方においてサービスを提供するために全ての地域にCR通信装置を設置することができる。しかし、一般的なプロバイダは、たとえ使用者密度の高い地域と低い地域両方でサービスを提供したいとしても、全ての地域にCR通信装置を設置し難い。この場合、一般的なプロバイダは、使用者密度の高い地域では該当のプロバイダのみのCR通信装置(例えば、CR基地局)を設置し、使用者密度の低い地域では支配的プロバイダのCR通信装置を介してサービスを提供すれば良い。特に、異なるプロバイダ同士は、CR技法を通じて同じ帯域を共有しながら、必要でない帯域に対しては貸与を通じて他のプロバイダに費用を請求することができる。また、特定プロバイダがサービスできる帯域をさらに使うために他のプロバイダから周波数帯域を借りる方案も可能である。
【0102】
本発明の精神及び必須特徴を逸脱しない範囲で様々な他の特定形態に本発明を具体化できるということは、当業者には自明である。したがって、上記の詳細な説明はいずれの面においても制約的に解釈されてはならず、例示的なものとして考慮されるべきである。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的解釈により定められるべきであり、その等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
動的に無線資源を割り当てる装置であって、
特定の周波数政策及び使用者(User)により選択されたサービスに基づいて周波数帯域を検索し、該検索された周波数帯域から1つ以上の周波数帯域を選択する認知エンジンと、
前記選択された周波数帯域に対する設定を行なうプラットフォーム(platform)ブロック、及び前記プラットフォームブロックの設定によるプロトコルによるデータ処理を行なう少なくとも一つの要素(Component)ブロックを含む通信システムブロックと、
を含む、動的無線資源割当装置。
【請求項2】
無線チャネルから受信される無線信号の周波数帯域を変更する無線信号処理モジュールと、
前記変更された周波数帯域から受信されるアナログ信号をデジタル信号に変更するA/D(Analog to Digital)変換モジュールと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の動的無線資源割当装置。
【請求項3】
前記装置が位置する地域の周波数政策を獲得し、前記認知エンジンのための周波数政策を管理する政策エンジンをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の動的無線資源割当装置。
【請求項4】
前記プラットフォームブロックは、前記周波数帯域検索及び選択のための情報を前記認知モジュールに提供することを特徴とする、請求項1に記載の動的無線資源割当装置。
【請求項5】
前記プラットフォームブロックは、前記選択された周波数帯域のうち、前記装置が使用するスペクトラムの大きさを決定することを特徴とする、請求項1に記載の動的無線資源割当装置。
【請求項6】
前記プラットフォームブロックは、処理すべきトラフィックの量によって前記スペクトラムの大きさを決定することを特徴とする、請求項5に記載の動的無線資源割当装置。
【請求項7】
前記装置は移動端末であり、
前記プラットフォームブロックは、特定の制御チャネルを通じて基地局に含まれるプラットフォームブロックと連結を設定することを特徴とする、請求項1に記載の動的無線資源割当装置。
【請求項8】
前記制御チャネルは、サービスデータを送受信する少なくとも一つのデータチャネルに関する情報を含むことを特徴とする、請求項6に記載の動的無線資源割当装置。
【請求項9】
前記要素(Component)ブロックは、前記データチャネルを通じて送受信される前記サービスデータを処理することを特徴とする、請求項8に記載の動的無線資源割当装置。
【請求項10】
送信端のサービスデータ送受信方法であって、
特定の周波数政策及び使用者により選択されたサービスに基づいて周波数帯域を検索する段階と、
前記検索結果によって前記送信端が使用する周波数帯域を選択する段階と、
前記決定された周波数帯域に対する設定を行なうプラットフォームブロックのための連結を行なう段階と、
前記決定された周波数帯域を通じてサービスを送受信する少なくとも一つの要素(Component)ブロックのための連結を行なう段階と、
を含んでなる、サービスデータ送受信方法。
【請求項11】
前記送信端が位置する地域の周波数政策を獲得する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載のサービスデータ送受信方法。
【請求項12】
前記周波数帯域を検索した結果を受信端に伝送する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載のサービスデータ送受信方法。
【請求項13】
前記周波数帯域を検索する段階は、
使用可能な周波数帯域を検索し、特定サービスが前記周波数帯域を通じて提供されるか否かを判断する段階であることを特徴とする、請求項10に記載のサービスデータ送受信方法。
【請求項14】
前記プラットフォームブロックのための連結を行なう段階は、
前記送信端のプラットフォームブロックと受信端のプラットフォームブロック間の連結を行なう段階であることを特徴とする、請求項10に記載のサービスデータ送受信方法。
【請求項15】
前記選択された周波数帯域は、トラフィックの大きさによって決定されることを特徴とする、請求項10に記載のサービスデータ送受信方法。
【請求項16】
前記プラットフォームブロックのための連結を行なう段階は、
特定の制御チャネルを通じて行なわれることを特徴とする、請求項10に記載のサービスデータ送受信方法。
【請求項17】
前記制御チャネルは、前記サービスデータが送受信される少なくとも一つのデータチャネルに関する情報を含むことを特徴とする、請求項16に記載のサービスデータ送受信方法。
【請求項18】
前記要素ブロックのための連結を行なう段階は、
特定の制御チャネルを通じて指示されるデータチャネルを通じて行なわれることを特徴とする、請求項10に記載のサービスデータ送受信方法。
【請求項19】
前記要素ブロックは、前記プラットフォームブロックの設定による特定プロトコルによってデータ処理を行なうことを特徴とする、請求項10に記載のサービスデータ送受信方法。
【請求項1】
動的に無線資源を割り当てる装置であって、
特定の周波数政策及び使用者(User)により選択されたサービスに基づいて周波数帯域を検索し、該検索された周波数帯域から1つ以上の周波数帯域を選択する認知エンジンと、
前記選択された周波数帯域に対する設定を行なうプラットフォーム(platform)ブロック、及び前記プラットフォームブロックの設定によるプロトコルによるデータ処理を行なう少なくとも一つの要素(Component)ブロックを含む通信システムブロックと、
を含む、動的無線資源割当装置。
【請求項2】
無線チャネルから受信される無線信号の周波数帯域を変更する無線信号処理モジュールと、
前記変更された周波数帯域から受信されるアナログ信号をデジタル信号に変更するA/D(Analog to Digital)変換モジュールと、
をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の動的無線資源割当装置。
【請求項3】
前記装置が位置する地域の周波数政策を獲得し、前記認知エンジンのための周波数政策を管理する政策エンジンをさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の動的無線資源割当装置。
【請求項4】
前記プラットフォームブロックは、前記周波数帯域検索及び選択のための情報を前記認知モジュールに提供することを特徴とする、請求項1に記載の動的無線資源割当装置。
【請求項5】
前記プラットフォームブロックは、前記選択された周波数帯域のうち、前記装置が使用するスペクトラムの大きさを決定することを特徴とする、請求項1に記載の動的無線資源割当装置。
【請求項6】
前記プラットフォームブロックは、処理すべきトラフィックの量によって前記スペクトラムの大きさを決定することを特徴とする、請求項5に記載の動的無線資源割当装置。
【請求項7】
前記装置は移動端末であり、
前記プラットフォームブロックは、特定の制御チャネルを通じて基地局に含まれるプラットフォームブロックと連結を設定することを特徴とする、請求項1に記載の動的無線資源割当装置。
【請求項8】
前記制御チャネルは、サービスデータを送受信する少なくとも一つのデータチャネルに関する情報を含むことを特徴とする、請求項6に記載の動的無線資源割当装置。
【請求項9】
前記要素(Component)ブロックは、前記データチャネルを通じて送受信される前記サービスデータを処理することを特徴とする、請求項8に記載の動的無線資源割当装置。
【請求項10】
送信端のサービスデータ送受信方法であって、
特定の周波数政策及び使用者により選択されたサービスに基づいて周波数帯域を検索する段階と、
前記検索結果によって前記送信端が使用する周波数帯域を選択する段階と、
前記決定された周波数帯域に対する設定を行なうプラットフォームブロックのための連結を行なう段階と、
前記決定された周波数帯域を通じてサービスを送受信する少なくとも一つの要素(Component)ブロックのための連結を行なう段階と、
を含んでなる、サービスデータ送受信方法。
【請求項11】
前記送信端が位置する地域の周波数政策を獲得する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載のサービスデータ送受信方法。
【請求項12】
前記周波数帯域を検索した結果を受信端に伝送する段階をさらに含むことを特徴とする、請求項10に記載のサービスデータ送受信方法。
【請求項13】
前記周波数帯域を検索する段階は、
使用可能な周波数帯域を検索し、特定サービスが前記周波数帯域を通じて提供されるか否かを判断する段階であることを特徴とする、請求項10に記載のサービスデータ送受信方法。
【請求項14】
前記プラットフォームブロックのための連結を行なう段階は、
前記送信端のプラットフォームブロックと受信端のプラットフォームブロック間の連結を行なう段階であることを特徴とする、請求項10に記載のサービスデータ送受信方法。
【請求項15】
前記選択された周波数帯域は、トラフィックの大きさによって決定されることを特徴とする、請求項10に記載のサービスデータ送受信方法。
【請求項16】
前記プラットフォームブロックのための連結を行なう段階は、
特定の制御チャネルを通じて行なわれることを特徴とする、請求項10に記載のサービスデータ送受信方法。
【請求項17】
前記制御チャネルは、前記サービスデータが送受信される少なくとも一つのデータチャネルに関する情報を含むことを特徴とする、請求項16に記載のサービスデータ送受信方法。
【請求項18】
前記要素ブロックのための連結を行なう段階は、
特定の制御チャネルを通じて指示されるデータチャネルを通じて行なわれることを特徴とする、請求項10に記載のサービスデータ送受信方法。
【請求項19】
前記要素ブロックは、前記プラットフォームブロックの設定による特定プロトコルによってデータ処理を行なうことを特徴とする、請求項10に記載のサービスデータ送受信方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公表番号】特表2009−545227(P2009−545227A)
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−521705(P2009−521705)
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【国際出願番号】PCT/KR2007/003634
【国際公開番号】WO2008/013429
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年7月27日(2007.7.27)
【国際出願番号】PCT/KR2007/003634
【国際公開番号】WO2008/013429
【国際公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(502032105)エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド (2,269)
【Fターム(参考)】
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