動翼およびガスタービン
【課題】ガス曲げ応力や熱応力の集中を軽減することにより、信頼性の向上を図ることができる動翼およびガスタービンを提供する。
【解決手段】ロータに対して着脱可能な翼取付部21およびシャンク22と、シャンク22の外側端部からロータの軸方向および周方向に沿って延びるプラットフォーム23と、プラットフォーム23の外周面から径方向外側に延びる翼形部24と、プラットフォーム23と翼形部24の前縁51とが繋がる部分の内周面から径方向内側に、かつ、周方向に延びる側壁部61と、側壁部61の径方向内側の端部から、ロータの軸方向であって、翼形部24の後縁から前縁に向かう方向に、かつ、周方向に延びる動翼側突出部62と、側壁部61とプラットフォーム23との接続部における軸方向の寸法を短くする切欠き部64と、が設けられていることを特徴とする。
【解決手段】ロータに対して着脱可能な翼取付部21およびシャンク22と、シャンク22の外側端部からロータの軸方向および周方向に沿って延びるプラットフォーム23と、プラットフォーム23の外周面から径方向外側に延びる翼形部24と、プラットフォーム23と翼形部24の前縁51とが繋がる部分の内周面から径方向内側に、かつ、周方向に延びる側壁部61と、側壁部61の径方向内側の端部から、ロータの軸方向であって、翼形部24の後縁から前縁に向かう方向に、かつ、周方向に延びる動翼側突出部62と、側壁部61とプラットフォーム23との接続部における軸方向の寸法を短くする切欠き部64と、が設けられていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動翼およびガスタービンに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ガスタービンの動翼は高温ガスにさらされるため、耐熱性を有する材料から形成されている。その一方で、動翼が取り付けられるロータは製造コストの低減を図るため、耐熱性は劣るものの価格の安い材料から形成されている。
さらに、動翼の上流側、および、下流側には静翼が配置され、動翼と静翼との間には動翼の回転を可能とするために隙間が形成されている。
【0003】
上述の隙間から高温ガスが内部に流入すると、ロータの温度が高温ガスにより上昇して、ロータの強度が低下するおそれがあった。
【0004】
これまでに上述の問題を解決するため、動翼および静翼の間の隙間にシール構造を形成し、高温ガスの流入を防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
上述の特許文献1に記載の技術では、動翼のシャンク部分における上流側つまり前部に、静翼に向かって延びる板状のシールフィンを複数設けている。このようにすることで、ロータに向かう高温ガスの流れに対する流路抵抗が増大し、ロータまで流入する高温ガスを減少させることができた。
【特許文献1】特開2005−133726号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載する技術のように板状のシールフィンを動翼に設けると、動翼におけるシールフィンの取り付け部分の剛性が、他の部分の剛性よりも高くなるおそれがあった。
特に、シールフィンの取り付け部分は、動翼の翼における前縁の直下に当たるため、翼の付け根に応力が集中しやすく、不具合が発生しやすいという問題があった。
【0006】
つまり、翼の付け根の剛性はシールフィンの取り付け部分の剛性よりも低いため、動翼にガス曲げ応力や、熱応力が作用した際に、翼の付け根の部分に当該応力が集中しやすく、不具合が発生しやすいという問題があった。
【0007】
さらに、動翼における耐熱性の向上を図るために、翼の前縁に形成された貫通孔から、冷却空気を動翼の内部から外部に向けて噴出させる技術も知られている。
【0008】
しかしながら、上述のように翼の付け根の部分には上述の応力が集中しやすいため、翼の強度が低下する上述の貫通孔は、翼の付け根の部分に形成することが困難であった。そのため、動翼の周囲を流れる高温ガスの温度が上昇した場合に、上述の貫通孔を設けて動翼における耐熱性の向上を図ることが困難であった。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、ガス曲げ応力や熱応力の集中を軽減することにより、信頼性の向上を図ることができる動翼およびガスタービンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の動翼は、ロータに対して着脱可能に嵌め合わされる翼取付部と、該翼取付部から前記ロータの径方向外側に向かって延びるシャンクと、該シャンクの前記径方向外側端部から前記ロータの軸方向および周方向に沿って延びるプラットフォームと、該プラットフォームの外周面から前記径方向外側に向かって延びる翼形部と、前記プラットフォームと前記翼形部の前縁とが繋がる部分において前記プラットフォームの内周面から前記径方向内側に向かって、かつ、前記周方向に沿って延びる側壁部と、該側壁部の前記径方向内側の端部から、前記ロータの軸方向に沿う方向であって、前記翼形部の後縁から前縁に向かう方向に、かつ、前記周方向に沿って延びる動翼側突出部と、前記側壁部と前記プラットフォームとの接続部における前記軸方向の寸法を短くする切欠き部と、が設けられていることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、切欠き部により側壁部とプラットフォームとの接続部の幅が狭くなるため、側壁部とプラットフォームとの接続部における剛性が低下する。言い換えると、プラットフォームにおける前縁と繋がる部分、つまり翼形部の前縁の付け根と、その他の部分との間の剛性の差が小さくなるため、翼形部の前縁の付け根におけるガス曲げ応力や熱応力の集中が軽減される。
【0012】
上記発明においては、前記プラットフォームにおける前記側壁部から、前記翼形部の後縁側の前記径方向寸法は、前記プラットフォームにおける前記側壁部から前記前縁側の前記径方向寸法よりも薄いことが望ましい。
【0013】
本発明によれば、翼形部と繋がるプラットフォームにおける剛性が低下するため、翼形部における付け根近傍の剛性が低下する。その結果、翼形部における付け根と、その他の部分との間の剛性の差が小さくなり、翼形部の付け根におけるガス曲げ応力や熱応力の集中が軽減される。
【0014】
上記発明においては、前記側壁部における前記前縁側の面には、穴が形成されていることが望ましい。
【0015】
本発明によれば、側壁部における剛性が低下するため、側壁部とプラットフォームとの接続部における剛性がさらに低下する。その結果、プラットフォームにおける前縁と繋がる部分と、その他の部分との間の剛性の差がさらに小さくなる。
【0016】
上記発明においては、前記側壁部は、前記プラットフォームにおける前記前縁と繋がる部分よりも、前記ロータの軸方向に沿う方向であって、前記翼形部の後縁から前縁に向かう方向に突出した部分から前記径方向内側に向かって延びることが望ましい。
【0017】
本発明によれば、側壁部とプラットフォームとの接続部が、前縁とプラットフォームと繋がる部分よりも前縁方向に突出しているため、プラットフォームにおける剛性が高い部分が分散される。そのため、プラットフォームにおける剛性が高い部分と、剛性が低い部分との剛性の差がさらに小さくなる。
【0018】
上記発明においては、前記側壁部は、前記プラットフォームにおける前記前縁と繋がる部分よりも、前記ロータの軸方向に沿う方向であって、前記翼形部の前縁から後縁に向かう方向の部分から前記径方向内側に向かって延びることが望ましい。
【0019】
本発明によれば、側壁部とプラットフォームとの接続部が、前縁とプラットフォームと繋がる部分よりも後縁側になるため、プラットフォームにおける剛性が高い部分が分散される。そのため、プラットフォームにおける剛性が高い部分と、剛性が低い部分との剛性の差がさらに小さくなる。
【0020】
本発明の動翼は、ロータに対して着脱可能に嵌め合わされる翼取付部と、該翼取付部から前記ロータの径方向外側に向かって延びるシャンクと、該シャンクの前記径方向外側端部から前記ロータの軸方向および周方向に沿って延びるプラットフォームと、該プラットフォームの外周面から前記径方向外側に向かって延びる翼形部と、前記プラットフォームと前記翼形部の前縁とが繋がる部分において前記プラットフォームの内周面から前記径方向内側に向かって、かつ、前記周方向に沿って延びる側壁部と、該側壁部の前記径方向内側の端部から、前記ロータの軸方向に沿う方向であって、前記翼形部の後縁から前縁に向かう方向に、かつ、前記周方向に沿って延びる動翼側突出部と、前記プラットフォームと前記側壁部とを切り離す溝部と、が設けられていることを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、プラットフォームと側壁部とが切り離されるため、側壁部とプラットフォームとが接続されている場合と比較して、プラットフォームにおける前縁と繋がる部分と、その他の部分との剛性の差が小さくなる。そのため、翼形部の前縁の付け根におけるガス曲げ応力や熱応力の集中が軽減される。
【0022】
上記発明においては、前記溝部には、前記径方向および前記周方向に延び、前記溝部を閉塞する板部が着脱可能に設けられていることが望ましい。
【0023】
本発明によれば、溝部を板部により閉塞するため、例えば高温の流体が溝部を通過してロータに流入することが防止される。
さらに、板部は着脱可能に設けられるため、プラットフォームにおける板部との接触部近傍の剛性が高くなることが防止される。
【0024】
本発明の動翼は、ロータに対して着脱可能に嵌め合わされる翼取付部と、該翼取付部から前記ロータの径方向外側に向かって延びるシャンクと、該シャンクの径方向外側端部から前記ロータの軸方向および周方向に沿って延びるプラットフォームと、該プラットフォームの外周面から前記径方向外側に向かって延びる翼形部と、前記シャンクにける前記翼形部の前縁側の側面から、前記ロータの軸方向に沿う方向であって、前記翼形部の後縁から前縁に向かう方向に向かって、かつ、前記周方向に沿って延びる動翼側突出部と、が設けられていることを特徴とする。
【0025】
本発明によれば、プラットフォームと動翼側突出部とが独立して配置されることから、プラットフォームにおける前縁と繋がる部分と、その他の部分との間の剛性の差が小さくなる。そのため、翼形部の前縁の付け根におけるガス曲げ応力や熱応力の集中が軽減される。
【0026】
本発明のガスタービンは、上記本発明の動翼および静翼が設けられたガスタービンであって、前記静翼側から前記プラットフォームと前記突出部との間に向かって延び、前記動翼側突出部とともにシール構造を構成する静翼側突出部と、が設けられていることを特徴とする。
【0027】
本発明によれば、上記本発明の動翼が設けられているため、プラットフォームにおける翼形部の前縁との接続部におけるガス曲げ応力や、熱応力の集中が軽減される。
【発明の効果】
【0028】
本発明の動翼およびガスタービンによれば、切欠き部により側壁部とプラットフォームとの接続部の幅が狭くなり、プラットフォームにおける前縁と繋がる部分と、その他の部分との間の剛性の差が小さくなるため、翼形部の前縁の付け根におけるガス曲げ応力や熱応力の集中を軽減することができ、信頼性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【0029】
本発明の動翼およびガスタービンによれば、プラットフォームと側壁部とが切り離されることにより、プラットフォームにおける前縁と繋がる部分と、その他の部分との剛性の差が小さくなるため、翼形部の前縁の付け根におけるガス曲げ応力や熱応力の集中が軽減することができ、信頼性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【0030】
本発明の動翼およびガスタービンによれば、プラットフォームと動翼側突出部とが独立して配置されることから、プラットフォームにおける前縁と繋がる部分と、その他の部分との間の剛性の差が小さくなるため、翼形部の前縁の付け根におけるガス曲げ応力や熱応力の集中を軽減することができ、信頼性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の第1の実施形態に係るガスタービンついて図1から図7を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るガスタービンにおけるタービン動翼およびタービン静翼の周辺構造を説明する模式図である。
本実施形態では、本願の発明をガスタービンのタービン部における一段動翼に適用して説明するが、一段動翼に限られることなく、他の動翼に適用してもよく特に限定するものではない。
【0032】
ガスタービン1には、図1に示すように、タービン部の一段動翼であるタービン動翼(動翼)2と、一段静翼であるタービン静翼(静翼)3と、タービン動翼2が取り付けられるロータ4と、が設けられている。
【0033】
図2および図3は、図1のタービン動翼の構成を説明する部分拡大斜視図である。
タービン動翼2には、図1から図3に示すように、翼取付部21と、シャンク22と、プラットフォーム23と、翼形部24と、フィッシュマウスシール部25と、が設けられている。
【0034】
翼取付部21は、図1および図2に示すように、ロータ4に対して着脱可能に嵌め合わされるものであり、タービン動翼2をロータ4に取り付ける際に用いられる部分である。
なお、翼取付部21の形状としては、いわゆるクリスマスツリー形状などの公知の形状を採用することができ、特に限定するものではない。
【0035】
シャンク22は、図1および図2に示すように、翼取付部21からロータ4の径方向外側(図1の上方向)に延びる略角柱状に形成された部材である。言い換えると、翼取付部21とプラットフォーム23との間に配置された部材である。
【0036】
プラットフォーム23は、図1から図3に示すように、シャンク22における径方向外側の端部に配置され、ロータ4の軸方向(図1の左右方向)および周方向(図1の紙面に対して垂直方向)に延びる略板状の部材である。
プラットフォーム23における軸方向の両端部は、シャンク22よりも突出して形成されている。
【0037】
さらに、プラットフォーム23におけるフィッシュマウスシール部25よりも後縁52側の部分には、図2に示すように、凹部23Aが形成されている。言い換えると、プラットフォーム23の内周面における側壁部61よりも後縁52側の部分には、プラットフォーム23における板厚(径方向の寸法)を薄くする凹部23Aが形成されている。
【0038】
翼形部24は、図1および図3に示すように、プラットフォーム23における外周面(図1における上側の面)から、径方向外側に向かって延びる部材である。
翼形部24には、図3に示すように、タービン部を流れる高温流体における上流側(図3の右斜め下側)の端部である前縁51と、下流側の端部である後縁52と、前縁51と後縁52との間を繋ぐ凹状の曲面である正圧面53と、凸状の曲面である負圧面54と、が設けられている。
【0039】
フィッシュマウスシール部25は、図1に示すように、隣接するタービン静翼3との間にシール構造を形成し、タービン部を流れる高温流体が、タービン動翼2とタービン静翼3との間からロータ4の近傍まで流入することを防止するものである。
フィッシュマウスシール部25には、図2および図3に示すように、側壁部61と、リムシール(動翼側突出部)62と、シールフィン63と、が設けられている。
【0040】
側壁部61は、図2および図3に示すように、径方向内側(図2の下側)に向かって延びるとともに、周方向に沿って延びる略板状の部材である。より具体的には、径方向内側に向かって、上述の高温流体の上流側(図2の右側)に傾斜する略板状の部材である。
さらに、側壁部61は、プラットフォーム23の内周面であって、翼形部24の前縁51と対応する位置に接続される部材である。
【0041】
さらに、側壁部61におけるプラットフォーム23との接続部には、図2に示すように、前縁51側の面に向かって凹むとともに、周方向(図2の紙面に対して垂直方向)に沿って延びる溝状の切欠き部64が形成されている。言い換えると、側壁部61におけるプラットフォーム23との接続部には、側壁部61の板厚(軸方向の寸法)を薄くする切欠き部64が形成されている。
【0042】
リムシール62は、図2および図3に示すように、上述の高温流体の上流側に向かって、かつ、周方向に沿って延びる略板状の部材である。言い換えると、リムシール62は、側壁部61における径方向内側の端部から、上述の高温流体の上流側に向かって延びる部材である。
【0043】
シールフィン63は、図1に示すように、タービン静翼3における静翼側突出部33との間にシール構造の絞り部を形成するものである。
シールフィン63は、図2および図3に示すように、リムシール62の先端部から径方向外側に向かって、かつ、周方向に沿って延びる部材である。言い換えると、リムシール62の先端部から静翼側突出部33に接近する方向に延びる畝状の部材である。
【0044】
タービン静翼3には、図1に示すように、径方向に沿って延びる翼形部31と、翼形部31の径方向内側の端部に配置された内側シュラウド32と、が設けられている。
さらに、タービン静翼3には、フィッシュマウスシール部25とともにシール構造を形成する静翼側突出部33が設けられている。なお、静翼側突出部33は、タービン静翼3に直接設けられていてもよいし、タービン動翼2を組み合わされる他の部品に設けられていてもよく、特に限定するものではない。
【0045】
翼形部31は、タービン動翼2の翼形部24と同様な構成要素から構成され、各要素の形状がタービン静翼3の機能に適合した形状とされている点が異なるものである。
内側シュラウド32は、軸方向および周方向に延びる略板状の部材であって、プラットフォーム23とともにタービン部における高温流体が流れる流路を構成するものである。
【0046】
静翼側突出部33は、図1に示すように、タービン静翼3からタービン動翼2に向かって延び、かつ、周方向に沿って延びる略板状の部材である。より具体的には、フィッシュマウスシール部25におけるプラットフォーム23とリムシール62との間の空間に向かって延びる略板状の部材である。
静翼側突出部33におけるシールフィン63と対向する部分には、上述のシール構造におけるシール性向上を図るために、ハニカムシールなどの部材を設けてもよく、特に限定するものではない。
【0047】
次に、上記の構成からなるガスタービン1のタービン動翼2およびタービン静翼3の周辺における流れについて説明する。
図4は、図1のタービン動翼およびタービン静翼周辺の流れを説明する模式図である。
【0048】
ガスタービン1のタービン部を流れる高温の流体は、図4の実線矢印で示すように、タービン静翼3およびタービン動翼2の間を下流側(図4の左側)に向かって流れる。この高温流体の一部は、内側シュラウド32と、プラットフォーム23との隙間に流入する。
【0049】
その一方で、ガスタービン1のコンプレッサ(図示せず)などから冷却用およびシール用に抽気された圧縮空気の一部は、図4の点線矢印で示すように、タービン静翼3とタービン動翼2との間の空間にシール用空気として供給される。このシール用空気は、径方向外側(図4の上側)に向かって流れ、フィッシュマウスシール部25および静翼側突出部33により構成されるシール構造に流入する。このようにすることで、上述の高温流体がロータ4まで流入することを防止する。
【0050】
より具体的には、径方向外側に向かって流れるシール用空気は、シールフィン63および静翼側突出部33により構成された絞り部を介して、リムシール62、側壁部61、プラットフォーム23および内側シュラウド32により囲まれた空間に流入する。
【0051】
上述のように、内側シュラウド32とプラットフォーム23との隙間から、この空間に流入した高温流体は、上述のシール用空気と衝突し渦を形成する。そのため、高温流体はこの空間から径方向内側に配置されたロータ4の近傍まで流入することがない。
【0052】
次に、本実施形態の特徴であるタービン動翼2における翼形部24の付け根における応力集中の緩和について説明する。
【0053】
一般に、ガスタービン1の運転中には、タービン動翼2の翼形部24の周囲を高温流体が流れ、タービン動翼2は高温流体により回転駆動される。このとき、翼形部24は高温流体から力を受け、翼形部24などにガス曲げ応力が発生する。
特に、翼形部24とプラットフォーム23とのつなぎ目である翼形部24の付け根には、翼形部24とプラットフォーム23との剛性の差からガス曲げ応力が集中する。
【0054】
さらに、周囲を流れる高温流体からの熱により、翼形部24を含むタービン動翼2も高温になる。タービン動翼2の各部分は熱膨張し、各部分の熱膨張長さの差から熱応力が発生する。
特に、翼形部24の前縁51とプラットフォーム23、および、側壁部61とプラットフォーム23との接続部においては、他の部分と比較して熱伸びしにくく、熱膨張長さが小さく熱応力が集中する。
【0055】
本実施形態では、プラットフォーム23と側壁部61との接続部に切欠き部64が形成されているため、翼形部24の前縁51とプラットフォーム23、および、側壁部61とプラットフォーム23との接続部における剛性が低下し、他の部分との熱膨張長さの差が小さくなり、熱応力の集中が緩和される。
【0056】
さらに、翼形部24の前縁51とプラットフォーム23とが繋がる部分の剛性が低下することから、翼形部24の付け根におけるガス曲げ応力が分散され、応力の集中が緩和される。
【0057】
その一方で、プラットフォーム23に凹部23Aが形成されているため、翼形部24とプラットフォーム23との剛性の差が小さくなり、翼形部24の付け根におけるガス曲げ応力が分散され、応力の集中が緩和される。
【0058】
上記の構成によれば、切欠き部64により側壁部61とプラットフォーム23との接続部の幅が狭くなるため、側壁部61とプラットフォーム23との接続部における剛性が低下する。言い換えると、プラットフォーム23における前縁51とが繋がる部分と、その他の部分との間の剛性の差が小さくなるため、翼形部24の前縁51の付け根におけるガス曲げ応力や熱応力の集中を軽減することができる。
【0059】
その結果、前縁51の付け根における構造上の強度に余裕ができるため、翼形部24の内部から冷却用空気を供給する貫通孔、いわゆるシャワーヘッド孔を前縁51の付け根まで形成することができる。これにより、タービン動翼2の冷却性能の向上を図ることができ、特に高温の作動流体に対する強度上の信頼性向上を図ることができる。
【0060】
さらに、プラットフォーム23に凹部23Aを形成することで、翼形部24と接続するプラットフォーム23における剛性が低下するため、翼形部24における付け根近傍の剛性が低下する。その結果、翼形部24における付け根と、その他の部分との間の剛性の差が小さくなり、翼形部24の付け根におけるガス曲げ応力や熱応力の集中を軽減することができる。
【0061】
図5は、図2のプラットフォームの別の実施形態を説明する図である。
なお、上述の実施形態のように、凹部23Aを形成したプラットフォーム23を用いてもよいし、図5に示すように、凹部23Aを形成しないプラットフォーム23Bを用いてもよく、特に限定するものではない。
【0062】
図6は、図2のフィッシュマウスシール部の別の実施形態を説明する図である。
なお、上述の実施形態のように、フィッシュマウスシール部25における側壁部61には、切欠き部64のみを設けてもよいし、図6に示すように、側壁部61Bにプラットフォーム23と同様に凹部61Aを形成してもよく、特に限定するものではない。
【0063】
図7は、図2のフィッシュマウスシール部のさらに別の実施形態を説明する図である。
なお、上述の実施形態のように、フィッシュマウスシール部25における側壁部61には切欠き部64のみを設けてもよいし、図7に示すように、側壁部61における前縁51側の面に、側壁部61における剛性を下げる目的で穴61Cを形成してもよく、特に限定するものではない。
このようにすることで、側壁部61における剛性が低下して、側壁部61とプラットフォーム23との接続部における剛性が低下する。その結果、プラットフォーム23における前縁51と繋がる部分と、その他の部分との間の剛性の差を小さくすることができる。
【0064】
〔第1の実施形態の第1変形例〕
次に、本発明の第1の実施形態の第1変形例について図8および図9を参照して説明する。
本変形例のガスタービンの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、フィッシュマウスシール部の構成が異なっている。よって、本変形例においては、図8および図9を用いてフィッシュマウスシール部の周辺のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図8は、本変形例に係るガスタービンにおけるタービン動翼およびタービン静翼の周辺構造を説明する模式図である。図9は、図8のタービン動翼の構成を説明する部分拡大斜視図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0065】
ガスタービン101には、図8および図9に示すように、タービン部の一段動翼であるタービン動翼(動翼)102と、一段静翼であるタービン静翼3と、タービン動翼2が取り付けられるロータ4と、が設けられている。
【0066】
タービン動翼102には、翼取付部21と、シャンク22と、プラットフォーム23と、翼形部24と、フィッシュマウスシール部125と、が設けられている。
【0067】
フィッシュマウスシール部125は、隣接するタービン静翼3との間にシール構造を形成し、タービン部を流れる高温流体が、タービン動翼102とタービン静翼3との間からロータ4の近傍まで流入することを防止するものである。
フィッシュマウスシール部125には、側壁部161と、リムシール62と、シールフィン63と、が設けられている。
【0068】
側壁部161は、図8に示すように、径方向内側(図8の下側)に向かって延びるとともに、周方向に沿って延びる略板状の部材である。より具体的には、径方向内側に向かって、上述の高温流体の上流側(図8の右側)に傾斜する略板状の部材である。
さらに、側壁部161は、プラットフォーム23の内周面であって、翼形部24の前縁51よりも上流側(図8の右側)に突出した位置に接続される部材である。
【0069】
上記の構成によれば、側壁部161とプラットフォーム23との接続部が、前縁51とプラットフォーム23と繋がる部分よりも前縁51方向に突出して離れているため、プラットフォーム23における剛性が高い部分が分散されるとともに、当該部分の剛性が低くなる。その結果、プラットフォーム23における剛性が高い部分と、剛性が低い部分との剛性の差が小さくなり、翼形部24の前縁51の付け根におけるガス曲げ応力や熱応力の集中を軽減することができる。
【0070】
〔第1の実施形態の第2変形例〕
次に、本発明の第1の実施形態の第2変形例について図10および図11を参照して説明する。
本変形例のガスタービンの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、フィッシュマウスシール部の構成が異なっている。よって、本変形例においては、図10および図11を用いてフィッシュマウスシール部の周辺のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図10は、本変形例に係るガスタービンにおけるタービン動翼およびタービン静翼の周辺構造を説明する模式図である。図11は、図10のタービン動翼の構成を説明する部分拡大斜視図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0071】
ガスタービン201には、図10および図11に示すように、タービン部の一段動翼であるタービン動翼(動翼)202と、一段静翼であるタービン静翼3と、タービン動翼2が取り付けられるロータ4と、が設けられている。
【0072】
タービン動翼202には、翼取付部21と、シャンク22と、プラットフォーム23と、翼形部24と、フィッシュマウスシール部225と、が設けられている。
【0073】
フィッシュマウスシール部225は、隣接するタービン静翼3との間にシール構造を形成し、タービン部を流れる高温流体が、タービン動翼202とタービン静翼3との間からロータ4の近傍まで流入することを防止するものである。
フィッシュマウスシール部225には、側壁部261と、リムシール62と、シールフィン63と、が設けられている。
【0074】
側壁部261は、図10に示すように、径方向内側(図10の下側)に向かって延びるとともに、周方向に沿って延びる略板状の部材である。より具体的には、径方向内側に向かって、上述の高温流体の上流側(図10の右側)に傾斜する略板状の部材である。
さらに、側壁部261は、プラットフォーム23の内周面であって、翼形部24の前縁51よりも下流側(図10の左側)の位置に接続される部材である。
【0075】
上記の構成によれば、側壁部261とプラットフォーム23との接続部が、前縁51とプラットフォーム23と繋がる部分よりも後縁52方向に離れているため、プラットフォーム23における剛性が高い部分が分散されるとともに、当該部分の剛性が低くなる。その結果、プラットフォーム23における剛性が高い部分と、剛性が低い部分との剛性の差が小さくなり、翼形部24の前縁51の付け根におけるガス曲げ応力や熱応力の集中を軽減することができる。
【0076】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について図12および図13を参照して説明する。
本実施形態のガスタービンの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、フィッシュマウスシール部の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図12および図13を用いてフィッシュマウスシール部の周辺のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図12は、本実施形態に係るガスタービンにおけるタービン動翼およびタービン静翼の周辺構造を説明する模式図である。図13は、図12のタービン動翼の構成を説明する部分拡大斜視図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0077】
ガスタービン301には、図12および図13に示すように、タービン部の一段動翼であるタービン動翼(動翼)302と、一段静翼であるタービン静翼3と、タービン動翼2が取り付けられるロータ4と、が設けられている。
【0078】
タービン動翼302には、翼取付部21と、シャンク22と、プラットフォーム23と、翼形部24と、フィッシュマウスシール部325と、が設けられている。
【0079】
フィッシュマウスシール部325は、隣接するタービン静翼3との間にシール構造を形成し、タービン部を流れる高温流体が、タービン動翼302とタービン静翼3との間からロータ4の近傍まで流入することを防止するものである。
フィッシュマウスシール部225には、側壁部361と、リムシール62と、シールフィン63と、が設けられている。
【0080】
側壁部361は、図12に示すように、径方向内側(図12の下側)に向かって延びるとともに、周方向に沿って延びる略板状の部材である。より具体的には、径方向内側に向かって、上述の高温流体の上流側(図12の右側)に傾斜する略板状の部材である。
さらに、側壁部361は、プラットフォーム23内周面側であって、翼形部24の前縁51と対応する位置に接続される部材である。
【0081】
さらに、側壁部361とプラットフォーム23との間には、図12に示すように、軸方向(図12の左右方向)、および、周方向(図12の紙面に対して垂直方向)に沿って延びる溝状の溝部364が形成されている。言い換えると、側壁部361はプラットフォーム23から切り離され、側壁部361とプラットフォーム23との間に溝部364が形成されている。
【0082】
上記の構成によれば、プラットフォーム23と側壁部361とが切り離されるため、側壁部361とプラットフォーム23とが接続されている場合と比較して、プラットフォーム23における前縁51と繋がる部分の剛性が低下し、その他の部分との剛性の差が小さくなる。そのため、翼形部24の前縁51の付け根におけるガス曲げ応力や熱応力の集中を軽減することができる。
【0083】
〔第2の実施形態の変形例〕
次に、本発明の第2の実施形態の変形例について図14および図15を参照して説明する。
本変形例のガスタービンの基本構成は、第2の実施形態と同様であるが、第2の実施形態とは、フィッシュマウスシール部の構成が異なっている。よって、本変形例においては、図14および図15を用いてフィッシュマウスシール部の周辺のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図14は、本変形例に係るガスタービンにおけるタービン動翼およびタービン静翼の周辺構造を説明する模式図である。図15は、図14のタービン動翼の構成を説明する部分拡大斜視図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0084】
ガスタービン401には、図14および図15に示すように、タービン部の一段動翼であるタービン動翼(動翼)402と、一段静翼であるタービン静翼3と、タービン動翼2が取り付けられるロータ4と、が設けられている。
【0085】
タービン動翼402には、翼取付部21と、シャンク22と、プラットフォーム23と、翼形部24と、フィッシュマウスシール部425と、が設けられている。
【0086】
フィッシュマウスシール部425は、隣接するタービン静翼3との間にシール構造を形成し、タービン部を流れる高温流体が、タービン動翼402とタービン静翼3との間からロータ4の近傍まで流入することを防止するものである。
フィッシュマウスシール部225には、側板部(板部)461と、リムシール(動翼側突出部)462と、シールフィン63と、が設けられている。
【0087】
側板部461は、図14に示すように、径方向内側(図14の下側)に向かって延びるとともに、周方向に沿って延びる略板状の部材である。より具体的には、プラットフォーム23とリムシール462との間に着脱可能に配置される部材である。
【0088】
リムシール462は、図13および図14に示すように、シャンク22から上述の高温流体の上流側に向かって、かつ、周方向に沿って延びる略板状の部材である。言い換えると、リムシール462は、プラットフォーム23から径方向内側に離れた位置から、上述の高温流体の上流側に向かって延びる部材である。
さらに、リムシール462における周方向の幅は、プラットフォーム23における周方向の幅と略等しく形成されている。言い換えると、リムシール462は、シャンク22から周方向に突出して形成されている。
【0089】
プラットフォーム23とリムシール462との間には、図14に示すように、軸方向(図12の左右方向)、および、周方向(図12の紙面に対して垂直方向)に沿って延びる溝状の溝部464が形成されている。言い換えると、リムシール462はプラットフォーム23から切り離され、リムシール462とプラットフォーム23との間に溝部364が形成されている。
上述の側板部461は溝部464を塞ぐように、言い換えると、リムシール462とプラットフォーム23とを接続するように配置されている。
【0090】
上記の構成によれば、溝部464を側板部461により閉塞するため、例えば高温の流体が溝部464を通過してロータ4まで流入することを防止できる。
さらに、側板部461は着脱可能に設けられるため、プラットフォーム23における側板部461との接触部近傍の剛性が高くなることを防止できる。
【0091】
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について図16および図17を参照して説明する。
本実施形態のガスタービンの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、フィッシュマウスシール部の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図16および図17を用いてフィッシュマウスシール部の周辺のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図16は、本実施形態に係るガスタービンにおけるタービン動翼およびタービン静翼の周辺構造を説明する模式図である。図17は、図16のタービン動翼の構成を説明する部分拡大斜視図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0092】
ガスタービン501には、図16および図17に示すように、タービン部の一段動翼であるタービン動翼(動翼)502と、一段静翼であるタービン静翼3と、タービン動翼2が取り付けられるロータ4と、が設けられている。
【0093】
タービン動翼502には、翼取付部21と、シャンク22と、プラットフォーム23と、翼形部24と、フィッシュマウスシール部525と、が設けられている。
【0094】
フィッシュマウスシール部525は、隣接するタービン静翼3との間にシール構造を形成し、タービン部を流れる高温流体が、タービン動翼502とタービン静翼3との間からロータ4の近傍まで流入することを防止するものである。
フィッシュマウスシール部225には、リムシール(動翼側突出部)562と、シールフィン63と、が設けられている。
【0095】
リムシール562は、図17に示すように、シャンク22から上述の高温流体の上流側に向かって、かつ、周方向に沿って延びる略板状の部材である。言い換えると、リムシール562は、プラットフォーム23から径方向内側に離れた位置から、上述の高温流体の上流側に向かって延びる部材である。
さらに、リムシール562における周方向の幅は、シャンク22における周方向の幅と略等しく形成されている。
【0096】
上記の構成によれば、プラットフォーム23とリムシール562とが独立して配置されることから、プラットフォーム23における前縁51と繋がる部分と、その他の部分との間の剛性の差が小さくなる。そのため、翼形部24の前縁51の付け根におけるガス曲げ応力や熱応力の集中を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るガスタービンのタービン動翼およびタービン静翼の周辺構造を説明する模式図である。
【図2】図1のタービン動翼の構成を説明する部分拡大斜視図である。
【図3】図1のタービン動翼の構成を説明する部分拡大斜視図である。
【図4】図1のタービン動翼およびタービン静翼周辺の流れを説明する模式図である。
【図5】図2のプラットフォームの別の実施形態を説明する図である。
【図6】図2のフィッシュマウスシール部の別の実施形態を説明する図である。
【図7】図2のフィッシュマウスシール部のさらに別の実施形態を説明する図である。
【図8】本発明の第1の実施形態の第1変形例に係るガスタービンにおけるタービン動翼およびタービン静翼の周辺構造を説明する模式図である。
【図9】図8のタービン動翼の構成を説明する部分拡大斜視図である。
【図10】本発明の第1の実施形態の第2変形例に係るガスタービンにおけるタービン動翼およびタービン静翼の周辺構造を説明する模式図である。
【図11】図10のタービン動翼の構成を説明する部分拡大斜視図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係るガスタービンにおけるタービン動翼およびタービン静翼の周辺構造を説明する模式図である。
【図13】図12のタービン動翼の構成を説明する部分拡大斜視図である。
【図14】本発明の第2の実施形態の変形例に係るガスタービンにおけるタービン動翼およびタービン静翼の周辺構造を説明する模式図である。
【図15】図14のタービン動翼の構成を説明する部分拡大斜視図である。
【図16】本発明の第3の実施形態に係るガスタービンにおけるタービン動翼およびタービン静翼の周辺構造を説明する模式図である。
【図17】図16のタービン動翼の構成を説明する部分拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0098】
1,101,201,301,401,501 ガスタービン
2,102,202,302,402,502 タービン動翼(動翼)
3 タービン静翼(静翼)
4 ロータ
21 翼取付部
22 シャンク
23 プラットフォーム
24 翼形部
33 静翼側突出部
61,161,261,361 側壁部
61C 穴
62,462,562 リムシール(動翼側突出部)
64 切欠き部
364,464 溝部
461 側板部(板部)
【技術分野】
【0001】
本発明は、動翼およびガスタービンに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、ガスタービンの動翼は高温ガスにさらされるため、耐熱性を有する材料から形成されている。その一方で、動翼が取り付けられるロータは製造コストの低減を図るため、耐熱性は劣るものの価格の安い材料から形成されている。
さらに、動翼の上流側、および、下流側には静翼が配置され、動翼と静翼との間には動翼の回転を可能とするために隙間が形成されている。
【0003】
上述の隙間から高温ガスが内部に流入すると、ロータの温度が高温ガスにより上昇して、ロータの強度が低下するおそれがあった。
【0004】
これまでに上述の問題を解決するため、動翼および静翼の間の隙間にシール構造を形成し、高温ガスの流入を防止する技術が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
上述の特許文献1に記載の技術では、動翼のシャンク部分における上流側つまり前部に、静翼に向かって延びる板状のシールフィンを複数設けている。このようにすることで、ロータに向かう高温ガスの流れに対する流路抵抗が増大し、ロータまで流入する高温ガスを減少させることができた。
【特許文献1】特開2005−133726号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載する技術のように板状のシールフィンを動翼に設けると、動翼におけるシールフィンの取り付け部分の剛性が、他の部分の剛性よりも高くなるおそれがあった。
特に、シールフィンの取り付け部分は、動翼の翼における前縁の直下に当たるため、翼の付け根に応力が集中しやすく、不具合が発生しやすいという問題があった。
【0006】
つまり、翼の付け根の剛性はシールフィンの取り付け部分の剛性よりも低いため、動翼にガス曲げ応力や、熱応力が作用した際に、翼の付け根の部分に当該応力が集中しやすく、不具合が発生しやすいという問題があった。
【0007】
さらに、動翼における耐熱性の向上を図るために、翼の前縁に形成された貫通孔から、冷却空気を動翼の内部から外部に向けて噴出させる技術も知られている。
【0008】
しかしながら、上述のように翼の付け根の部分には上述の応力が集中しやすいため、翼の強度が低下する上述の貫通孔は、翼の付け根の部分に形成することが困難であった。そのため、動翼の周囲を流れる高温ガスの温度が上昇した場合に、上述の貫通孔を設けて動翼における耐熱性の向上を図ることが困難であった。
【0009】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、ガス曲げ応力や熱応力の集中を軽減することにより、信頼性の向上を図ることができる動翼およびガスタービンを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するために、本発明は、以下の手段を提供する。
本発明の動翼は、ロータに対して着脱可能に嵌め合わされる翼取付部と、該翼取付部から前記ロータの径方向外側に向かって延びるシャンクと、該シャンクの前記径方向外側端部から前記ロータの軸方向および周方向に沿って延びるプラットフォームと、該プラットフォームの外周面から前記径方向外側に向かって延びる翼形部と、前記プラットフォームと前記翼形部の前縁とが繋がる部分において前記プラットフォームの内周面から前記径方向内側に向かって、かつ、前記周方向に沿って延びる側壁部と、該側壁部の前記径方向内側の端部から、前記ロータの軸方向に沿う方向であって、前記翼形部の後縁から前縁に向かう方向に、かつ、前記周方向に沿って延びる動翼側突出部と、前記側壁部と前記プラットフォームとの接続部における前記軸方向の寸法を短くする切欠き部と、が設けられていることを特徴とする。
【0011】
本発明によれば、切欠き部により側壁部とプラットフォームとの接続部の幅が狭くなるため、側壁部とプラットフォームとの接続部における剛性が低下する。言い換えると、プラットフォームにおける前縁と繋がる部分、つまり翼形部の前縁の付け根と、その他の部分との間の剛性の差が小さくなるため、翼形部の前縁の付け根におけるガス曲げ応力や熱応力の集中が軽減される。
【0012】
上記発明においては、前記プラットフォームにおける前記側壁部から、前記翼形部の後縁側の前記径方向寸法は、前記プラットフォームにおける前記側壁部から前記前縁側の前記径方向寸法よりも薄いことが望ましい。
【0013】
本発明によれば、翼形部と繋がるプラットフォームにおける剛性が低下するため、翼形部における付け根近傍の剛性が低下する。その結果、翼形部における付け根と、その他の部分との間の剛性の差が小さくなり、翼形部の付け根におけるガス曲げ応力や熱応力の集中が軽減される。
【0014】
上記発明においては、前記側壁部における前記前縁側の面には、穴が形成されていることが望ましい。
【0015】
本発明によれば、側壁部における剛性が低下するため、側壁部とプラットフォームとの接続部における剛性がさらに低下する。その結果、プラットフォームにおける前縁と繋がる部分と、その他の部分との間の剛性の差がさらに小さくなる。
【0016】
上記発明においては、前記側壁部は、前記プラットフォームにおける前記前縁と繋がる部分よりも、前記ロータの軸方向に沿う方向であって、前記翼形部の後縁から前縁に向かう方向に突出した部分から前記径方向内側に向かって延びることが望ましい。
【0017】
本発明によれば、側壁部とプラットフォームとの接続部が、前縁とプラットフォームと繋がる部分よりも前縁方向に突出しているため、プラットフォームにおける剛性が高い部分が分散される。そのため、プラットフォームにおける剛性が高い部分と、剛性が低い部分との剛性の差がさらに小さくなる。
【0018】
上記発明においては、前記側壁部は、前記プラットフォームにおける前記前縁と繋がる部分よりも、前記ロータの軸方向に沿う方向であって、前記翼形部の前縁から後縁に向かう方向の部分から前記径方向内側に向かって延びることが望ましい。
【0019】
本発明によれば、側壁部とプラットフォームとの接続部が、前縁とプラットフォームと繋がる部分よりも後縁側になるため、プラットフォームにおける剛性が高い部分が分散される。そのため、プラットフォームにおける剛性が高い部分と、剛性が低い部分との剛性の差がさらに小さくなる。
【0020】
本発明の動翼は、ロータに対して着脱可能に嵌め合わされる翼取付部と、該翼取付部から前記ロータの径方向外側に向かって延びるシャンクと、該シャンクの前記径方向外側端部から前記ロータの軸方向および周方向に沿って延びるプラットフォームと、該プラットフォームの外周面から前記径方向外側に向かって延びる翼形部と、前記プラットフォームと前記翼形部の前縁とが繋がる部分において前記プラットフォームの内周面から前記径方向内側に向かって、かつ、前記周方向に沿って延びる側壁部と、該側壁部の前記径方向内側の端部から、前記ロータの軸方向に沿う方向であって、前記翼形部の後縁から前縁に向かう方向に、かつ、前記周方向に沿って延びる動翼側突出部と、前記プラットフォームと前記側壁部とを切り離す溝部と、が設けられていることを特徴とする。
【0021】
本発明によれば、プラットフォームと側壁部とが切り離されるため、側壁部とプラットフォームとが接続されている場合と比較して、プラットフォームにおける前縁と繋がる部分と、その他の部分との剛性の差が小さくなる。そのため、翼形部の前縁の付け根におけるガス曲げ応力や熱応力の集中が軽減される。
【0022】
上記発明においては、前記溝部には、前記径方向および前記周方向に延び、前記溝部を閉塞する板部が着脱可能に設けられていることが望ましい。
【0023】
本発明によれば、溝部を板部により閉塞するため、例えば高温の流体が溝部を通過してロータに流入することが防止される。
さらに、板部は着脱可能に設けられるため、プラットフォームにおける板部との接触部近傍の剛性が高くなることが防止される。
【0024】
本発明の動翼は、ロータに対して着脱可能に嵌め合わされる翼取付部と、該翼取付部から前記ロータの径方向外側に向かって延びるシャンクと、該シャンクの径方向外側端部から前記ロータの軸方向および周方向に沿って延びるプラットフォームと、該プラットフォームの外周面から前記径方向外側に向かって延びる翼形部と、前記シャンクにける前記翼形部の前縁側の側面から、前記ロータの軸方向に沿う方向であって、前記翼形部の後縁から前縁に向かう方向に向かって、かつ、前記周方向に沿って延びる動翼側突出部と、が設けられていることを特徴とする。
【0025】
本発明によれば、プラットフォームと動翼側突出部とが独立して配置されることから、プラットフォームにおける前縁と繋がる部分と、その他の部分との間の剛性の差が小さくなる。そのため、翼形部の前縁の付け根におけるガス曲げ応力や熱応力の集中が軽減される。
【0026】
本発明のガスタービンは、上記本発明の動翼および静翼が設けられたガスタービンであって、前記静翼側から前記プラットフォームと前記突出部との間に向かって延び、前記動翼側突出部とともにシール構造を構成する静翼側突出部と、が設けられていることを特徴とする。
【0027】
本発明によれば、上記本発明の動翼が設けられているため、プラットフォームにおける翼形部の前縁との接続部におけるガス曲げ応力や、熱応力の集中が軽減される。
【発明の効果】
【0028】
本発明の動翼およびガスタービンによれば、切欠き部により側壁部とプラットフォームとの接続部の幅が狭くなり、プラットフォームにおける前縁と繋がる部分と、その他の部分との間の剛性の差が小さくなるため、翼形部の前縁の付け根におけるガス曲げ応力や熱応力の集中を軽減することができ、信頼性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【0029】
本発明の動翼およびガスタービンによれば、プラットフォームと側壁部とが切り離されることにより、プラットフォームにおける前縁と繋がる部分と、その他の部分との剛性の差が小さくなるため、翼形部の前縁の付け根におけるガス曲げ応力や熱応力の集中が軽減することができ、信頼性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【0030】
本発明の動翼およびガスタービンによれば、プラットフォームと動翼側突出部とが独立して配置されることから、プラットフォームにおける前縁と繋がる部分と、その他の部分との間の剛性の差が小さくなるため、翼形部の前縁の付け根におけるガス曲げ応力や熱応力の集中を軽減することができ、信頼性の向上を図ることができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
〔第1の実施形態〕
以下、本発明の第1の実施形態に係るガスタービンついて図1から図7を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るガスタービンにおけるタービン動翼およびタービン静翼の周辺構造を説明する模式図である。
本実施形態では、本願の発明をガスタービンのタービン部における一段動翼に適用して説明するが、一段動翼に限られることなく、他の動翼に適用してもよく特に限定するものではない。
【0032】
ガスタービン1には、図1に示すように、タービン部の一段動翼であるタービン動翼(動翼)2と、一段静翼であるタービン静翼(静翼)3と、タービン動翼2が取り付けられるロータ4と、が設けられている。
【0033】
図2および図3は、図1のタービン動翼の構成を説明する部分拡大斜視図である。
タービン動翼2には、図1から図3に示すように、翼取付部21と、シャンク22と、プラットフォーム23と、翼形部24と、フィッシュマウスシール部25と、が設けられている。
【0034】
翼取付部21は、図1および図2に示すように、ロータ4に対して着脱可能に嵌め合わされるものであり、タービン動翼2をロータ4に取り付ける際に用いられる部分である。
なお、翼取付部21の形状としては、いわゆるクリスマスツリー形状などの公知の形状を採用することができ、特に限定するものではない。
【0035】
シャンク22は、図1および図2に示すように、翼取付部21からロータ4の径方向外側(図1の上方向)に延びる略角柱状に形成された部材である。言い換えると、翼取付部21とプラットフォーム23との間に配置された部材である。
【0036】
プラットフォーム23は、図1から図3に示すように、シャンク22における径方向外側の端部に配置され、ロータ4の軸方向(図1の左右方向)および周方向(図1の紙面に対して垂直方向)に延びる略板状の部材である。
プラットフォーム23における軸方向の両端部は、シャンク22よりも突出して形成されている。
【0037】
さらに、プラットフォーム23におけるフィッシュマウスシール部25よりも後縁52側の部分には、図2に示すように、凹部23Aが形成されている。言い換えると、プラットフォーム23の内周面における側壁部61よりも後縁52側の部分には、プラットフォーム23における板厚(径方向の寸法)を薄くする凹部23Aが形成されている。
【0038】
翼形部24は、図1および図3に示すように、プラットフォーム23における外周面(図1における上側の面)から、径方向外側に向かって延びる部材である。
翼形部24には、図3に示すように、タービン部を流れる高温流体における上流側(図3の右斜め下側)の端部である前縁51と、下流側の端部である後縁52と、前縁51と後縁52との間を繋ぐ凹状の曲面である正圧面53と、凸状の曲面である負圧面54と、が設けられている。
【0039】
フィッシュマウスシール部25は、図1に示すように、隣接するタービン静翼3との間にシール構造を形成し、タービン部を流れる高温流体が、タービン動翼2とタービン静翼3との間からロータ4の近傍まで流入することを防止するものである。
フィッシュマウスシール部25には、図2および図3に示すように、側壁部61と、リムシール(動翼側突出部)62と、シールフィン63と、が設けられている。
【0040】
側壁部61は、図2および図3に示すように、径方向内側(図2の下側)に向かって延びるとともに、周方向に沿って延びる略板状の部材である。より具体的には、径方向内側に向かって、上述の高温流体の上流側(図2の右側)に傾斜する略板状の部材である。
さらに、側壁部61は、プラットフォーム23の内周面であって、翼形部24の前縁51と対応する位置に接続される部材である。
【0041】
さらに、側壁部61におけるプラットフォーム23との接続部には、図2に示すように、前縁51側の面に向かって凹むとともに、周方向(図2の紙面に対して垂直方向)に沿って延びる溝状の切欠き部64が形成されている。言い換えると、側壁部61におけるプラットフォーム23との接続部には、側壁部61の板厚(軸方向の寸法)を薄くする切欠き部64が形成されている。
【0042】
リムシール62は、図2および図3に示すように、上述の高温流体の上流側に向かって、かつ、周方向に沿って延びる略板状の部材である。言い換えると、リムシール62は、側壁部61における径方向内側の端部から、上述の高温流体の上流側に向かって延びる部材である。
【0043】
シールフィン63は、図1に示すように、タービン静翼3における静翼側突出部33との間にシール構造の絞り部を形成するものである。
シールフィン63は、図2および図3に示すように、リムシール62の先端部から径方向外側に向かって、かつ、周方向に沿って延びる部材である。言い換えると、リムシール62の先端部から静翼側突出部33に接近する方向に延びる畝状の部材である。
【0044】
タービン静翼3には、図1に示すように、径方向に沿って延びる翼形部31と、翼形部31の径方向内側の端部に配置された内側シュラウド32と、が設けられている。
さらに、タービン静翼3には、フィッシュマウスシール部25とともにシール構造を形成する静翼側突出部33が設けられている。なお、静翼側突出部33は、タービン静翼3に直接設けられていてもよいし、タービン動翼2を組み合わされる他の部品に設けられていてもよく、特に限定するものではない。
【0045】
翼形部31は、タービン動翼2の翼形部24と同様な構成要素から構成され、各要素の形状がタービン静翼3の機能に適合した形状とされている点が異なるものである。
内側シュラウド32は、軸方向および周方向に延びる略板状の部材であって、プラットフォーム23とともにタービン部における高温流体が流れる流路を構成するものである。
【0046】
静翼側突出部33は、図1に示すように、タービン静翼3からタービン動翼2に向かって延び、かつ、周方向に沿って延びる略板状の部材である。より具体的には、フィッシュマウスシール部25におけるプラットフォーム23とリムシール62との間の空間に向かって延びる略板状の部材である。
静翼側突出部33におけるシールフィン63と対向する部分には、上述のシール構造におけるシール性向上を図るために、ハニカムシールなどの部材を設けてもよく、特に限定するものではない。
【0047】
次に、上記の構成からなるガスタービン1のタービン動翼2およびタービン静翼3の周辺における流れについて説明する。
図4は、図1のタービン動翼およびタービン静翼周辺の流れを説明する模式図である。
【0048】
ガスタービン1のタービン部を流れる高温の流体は、図4の実線矢印で示すように、タービン静翼3およびタービン動翼2の間を下流側(図4の左側)に向かって流れる。この高温流体の一部は、内側シュラウド32と、プラットフォーム23との隙間に流入する。
【0049】
その一方で、ガスタービン1のコンプレッサ(図示せず)などから冷却用およびシール用に抽気された圧縮空気の一部は、図4の点線矢印で示すように、タービン静翼3とタービン動翼2との間の空間にシール用空気として供給される。このシール用空気は、径方向外側(図4の上側)に向かって流れ、フィッシュマウスシール部25および静翼側突出部33により構成されるシール構造に流入する。このようにすることで、上述の高温流体がロータ4まで流入することを防止する。
【0050】
より具体的には、径方向外側に向かって流れるシール用空気は、シールフィン63および静翼側突出部33により構成された絞り部を介して、リムシール62、側壁部61、プラットフォーム23および内側シュラウド32により囲まれた空間に流入する。
【0051】
上述のように、内側シュラウド32とプラットフォーム23との隙間から、この空間に流入した高温流体は、上述のシール用空気と衝突し渦を形成する。そのため、高温流体はこの空間から径方向内側に配置されたロータ4の近傍まで流入することがない。
【0052】
次に、本実施形態の特徴であるタービン動翼2における翼形部24の付け根における応力集中の緩和について説明する。
【0053】
一般に、ガスタービン1の運転中には、タービン動翼2の翼形部24の周囲を高温流体が流れ、タービン動翼2は高温流体により回転駆動される。このとき、翼形部24は高温流体から力を受け、翼形部24などにガス曲げ応力が発生する。
特に、翼形部24とプラットフォーム23とのつなぎ目である翼形部24の付け根には、翼形部24とプラットフォーム23との剛性の差からガス曲げ応力が集中する。
【0054】
さらに、周囲を流れる高温流体からの熱により、翼形部24を含むタービン動翼2も高温になる。タービン動翼2の各部分は熱膨張し、各部分の熱膨張長さの差から熱応力が発生する。
特に、翼形部24の前縁51とプラットフォーム23、および、側壁部61とプラットフォーム23との接続部においては、他の部分と比較して熱伸びしにくく、熱膨張長さが小さく熱応力が集中する。
【0055】
本実施形態では、プラットフォーム23と側壁部61との接続部に切欠き部64が形成されているため、翼形部24の前縁51とプラットフォーム23、および、側壁部61とプラットフォーム23との接続部における剛性が低下し、他の部分との熱膨張長さの差が小さくなり、熱応力の集中が緩和される。
【0056】
さらに、翼形部24の前縁51とプラットフォーム23とが繋がる部分の剛性が低下することから、翼形部24の付け根におけるガス曲げ応力が分散され、応力の集中が緩和される。
【0057】
その一方で、プラットフォーム23に凹部23Aが形成されているため、翼形部24とプラットフォーム23との剛性の差が小さくなり、翼形部24の付け根におけるガス曲げ応力が分散され、応力の集中が緩和される。
【0058】
上記の構成によれば、切欠き部64により側壁部61とプラットフォーム23との接続部の幅が狭くなるため、側壁部61とプラットフォーム23との接続部における剛性が低下する。言い換えると、プラットフォーム23における前縁51とが繋がる部分と、その他の部分との間の剛性の差が小さくなるため、翼形部24の前縁51の付け根におけるガス曲げ応力や熱応力の集中を軽減することができる。
【0059】
その結果、前縁51の付け根における構造上の強度に余裕ができるため、翼形部24の内部から冷却用空気を供給する貫通孔、いわゆるシャワーヘッド孔を前縁51の付け根まで形成することができる。これにより、タービン動翼2の冷却性能の向上を図ることができ、特に高温の作動流体に対する強度上の信頼性向上を図ることができる。
【0060】
さらに、プラットフォーム23に凹部23Aを形成することで、翼形部24と接続するプラットフォーム23における剛性が低下するため、翼形部24における付け根近傍の剛性が低下する。その結果、翼形部24における付け根と、その他の部分との間の剛性の差が小さくなり、翼形部24の付け根におけるガス曲げ応力や熱応力の集中を軽減することができる。
【0061】
図5は、図2のプラットフォームの別の実施形態を説明する図である。
なお、上述の実施形態のように、凹部23Aを形成したプラットフォーム23を用いてもよいし、図5に示すように、凹部23Aを形成しないプラットフォーム23Bを用いてもよく、特に限定するものではない。
【0062】
図6は、図2のフィッシュマウスシール部の別の実施形態を説明する図である。
なお、上述の実施形態のように、フィッシュマウスシール部25における側壁部61には、切欠き部64のみを設けてもよいし、図6に示すように、側壁部61Bにプラットフォーム23と同様に凹部61Aを形成してもよく、特に限定するものではない。
【0063】
図7は、図2のフィッシュマウスシール部のさらに別の実施形態を説明する図である。
なお、上述の実施形態のように、フィッシュマウスシール部25における側壁部61には切欠き部64のみを設けてもよいし、図7に示すように、側壁部61における前縁51側の面に、側壁部61における剛性を下げる目的で穴61Cを形成してもよく、特に限定するものではない。
このようにすることで、側壁部61における剛性が低下して、側壁部61とプラットフォーム23との接続部における剛性が低下する。その結果、プラットフォーム23における前縁51と繋がる部分と、その他の部分との間の剛性の差を小さくすることができる。
【0064】
〔第1の実施形態の第1変形例〕
次に、本発明の第1の実施形態の第1変形例について図8および図9を参照して説明する。
本変形例のガスタービンの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、フィッシュマウスシール部の構成が異なっている。よって、本変形例においては、図8および図9を用いてフィッシュマウスシール部の周辺のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図8は、本変形例に係るガスタービンにおけるタービン動翼およびタービン静翼の周辺構造を説明する模式図である。図9は、図8のタービン動翼の構成を説明する部分拡大斜視図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0065】
ガスタービン101には、図8および図9に示すように、タービン部の一段動翼であるタービン動翼(動翼)102と、一段静翼であるタービン静翼3と、タービン動翼2が取り付けられるロータ4と、が設けられている。
【0066】
タービン動翼102には、翼取付部21と、シャンク22と、プラットフォーム23と、翼形部24と、フィッシュマウスシール部125と、が設けられている。
【0067】
フィッシュマウスシール部125は、隣接するタービン静翼3との間にシール構造を形成し、タービン部を流れる高温流体が、タービン動翼102とタービン静翼3との間からロータ4の近傍まで流入することを防止するものである。
フィッシュマウスシール部125には、側壁部161と、リムシール62と、シールフィン63と、が設けられている。
【0068】
側壁部161は、図8に示すように、径方向内側(図8の下側)に向かって延びるとともに、周方向に沿って延びる略板状の部材である。より具体的には、径方向内側に向かって、上述の高温流体の上流側(図8の右側)に傾斜する略板状の部材である。
さらに、側壁部161は、プラットフォーム23の内周面であって、翼形部24の前縁51よりも上流側(図8の右側)に突出した位置に接続される部材である。
【0069】
上記の構成によれば、側壁部161とプラットフォーム23との接続部が、前縁51とプラットフォーム23と繋がる部分よりも前縁51方向に突出して離れているため、プラットフォーム23における剛性が高い部分が分散されるとともに、当該部分の剛性が低くなる。その結果、プラットフォーム23における剛性が高い部分と、剛性が低い部分との剛性の差が小さくなり、翼形部24の前縁51の付け根におけるガス曲げ応力や熱応力の集中を軽減することができる。
【0070】
〔第1の実施形態の第2変形例〕
次に、本発明の第1の実施形態の第2変形例について図10および図11を参照して説明する。
本変形例のガスタービンの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、フィッシュマウスシール部の構成が異なっている。よって、本変形例においては、図10および図11を用いてフィッシュマウスシール部の周辺のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図10は、本変形例に係るガスタービンにおけるタービン動翼およびタービン静翼の周辺構造を説明する模式図である。図11は、図10のタービン動翼の構成を説明する部分拡大斜視図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0071】
ガスタービン201には、図10および図11に示すように、タービン部の一段動翼であるタービン動翼(動翼)202と、一段静翼であるタービン静翼3と、タービン動翼2が取り付けられるロータ4と、が設けられている。
【0072】
タービン動翼202には、翼取付部21と、シャンク22と、プラットフォーム23と、翼形部24と、フィッシュマウスシール部225と、が設けられている。
【0073】
フィッシュマウスシール部225は、隣接するタービン静翼3との間にシール構造を形成し、タービン部を流れる高温流体が、タービン動翼202とタービン静翼3との間からロータ4の近傍まで流入することを防止するものである。
フィッシュマウスシール部225には、側壁部261と、リムシール62と、シールフィン63と、が設けられている。
【0074】
側壁部261は、図10に示すように、径方向内側(図10の下側)に向かって延びるとともに、周方向に沿って延びる略板状の部材である。より具体的には、径方向内側に向かって、上述の高温流体の上流側(図10の右側)に傾斜する略板状の部材である。
さらに、側壁部261は、プラットフォーム23の内周面であって、翼形部24の前縁51よりも下流側(図10の左側)の位置に接続される部材である。
【0075】
上記の構成によれば、側壁部261とプラットフォーム23との接続部が、前縁51とプラットフォーム23と繋がる部分よりも後縁52方向に離れているため、プラットフォーム23における剛性が高い部分が分散されるとともに、当該部分の剛性が低くなる。その結果、プラットフォーム23における剛性が高い部分と、剛性が低い部分との剛性の差が小さくなり、翼形部24の前縁51の付け根におけるガス曲げ応力や熱応力の集中を軽減することができる。
【0076】
〔第2の実施形態〕
次に、本発明の第2の実施形態について図12および図13を参照して説明する。
本実施形態のガスタービンの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、フィッシュマウスシール部の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図12および図13を用いてフィッシュマウスシール部の周辺のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図12は、本実施形態に係るガスタービンにおけるタービン動翼およびタービン静翼の周辺構造を説明する模式図である。図13は、図12のタービン動翼の構成を説明する部分拡大斜視図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0077】
ガスタービン301には、図12および図13に示すように、タービン部の一段動翼であるタービン動翼(動翼)302と、一段静翼であるタービン静翼3と、タービン動翼2が取り付けられるロータ4と、が設けられている。
【0078】
タービン動翼302には、翼取付部21と、シャンク22と、プラットフォーム23と、翼形部24と、フィッシュマウスシール部325と、が設けられている。
【0079】
フィッシュマウスシール部325は、隣接するタービン静翼3との間にシール構造を形成し、タービン部を流れる高温流体が、タービン動翼302とタービン静翼3との間からロータ4の近傍まで流入することを防止するものである。
フィッシュマウスシール部225には、側壁部361と、リムシール62と、シールフィン63と、が設けられている。
【0080】
側壁部361は、図12に示すように、径方向内側(図12の下側)に向かって延びるとともに、周方向に沿って延びる略板状の部材である。より具体的には、径方向内側に向かって、上述の高温流体の上流側(図12の右側)に傾斜する略板状の部材である。
さらに、側壁部361は、プラットフォーム23内周面側であって、翼形部24の前縁51と対応する位置に接続される部材である。
【0081】
さらに、側壁部361とプラットフォーム23との間には、図12に示すように、軸方向(図12の左右方向)、および、周方向(図12の紙面に対して垂直方向)に沿って延びる溝状の溝部364が形成されている。言い換えると、側壁部361はプラットフォーム23から切り離され、側壁部361とプラットフォーム23との間に溝部364が形成されている。
【0082】
上記の構成によれば、プラットフォーム23と側壁部361とが切り離されるため、側壁部361とプラットフォーム23とが接続されている場合と比較して、プラットフォーム23における前縁51と繋がる部分の剛性が低下し、その他の部分との剛性の差が小さくなる。そのため、翼形部24の前縁51の付け根におけるガス曲げ応力や熱応力の集中を軽減することができる。
【0083】
〔第2の実施形態の変形例〕
次に、本発明の第2の実施形態の変形例について図14および図15を参照して説明する。
本変形例のガスタービンの基本構成は、第2の実施形態と同様であるが、第2の実施形態とは、フィッシュマウスシール部の構成が異なっている。よって、本変形例においては、図14および図15を用いてフィッシュマウスシール部の周辺のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図14は、本変形例に係るガスタービンにおけるタービン動翼およびタービン静翼の周辺構造を説明する模式図である。図15は、図14のタービン動翼の構成を説明する部分拡大斜視図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0084】
ガスタービン401には、図14および図15に示すように、タービン部の一段動翼であるタービン動翼(動翼)402と、一段静翼であるタービン静翼3と、タービン動翼2が取り付けられるロータ4と、が設けられている。
【0085】
タービン動翼402には、翼取付部21と、シャンク22と、プラットフォーム23と、翼形部24と、フィッシュマウスシール部425と、が設けられている。
【0086】
フィッシュマウスシール部425は、隣接するタービン静翼3との間にシール構造を形成し、タービン部を流れる高温流体が、タービン動翼402とタービン静翼3との間からロータ4の近傍まで流入することを防止するものである。
フィッシュマウスシール部225には、側板部(板部)461と、リムシール(動翼側突出部)462と、シールフィン63と、が設けられている。
【0087】
側板部461は、図14に示すように、径方向内側(図14の下側)に向かって延びるとともに、周方向に沿って延びる略板状の部材である。より具体的には、プラットフォーム23とリムシール462との間に着脱可能に配置される部材である。
【0088】
リムシール462は、図13および図14に示すように、シャンク22から上述の高温流体の上流側に向かって、かつ、周方向に沿って延びる略板状の部材である。言い換えると、リムシール462は、プラットフォーム23から径方向内側に離れた位置から、上述の高温流体の上流側に向かって延びる部材である。
さらに、リムシール462における周方向の幅は、プラットフォーム23における周方向の幅と略等しく形成されている。言い換えると、リムシール462は、シャンク22から周方向に突出して形成されている。
【0089】
プラットフォーム23とリムシール462との間には、図14に示すように、軸方向(図12の左右方向)、および、周方向(図12の紙面に対して垂直方向)に沿って延びる溝状の溝部464が形成されている。言い換えると、リムシール462はプラットフォーム23から切り離され、リムシール462とプラットフォーム23との間に溝部364が形成されている。
上述の側板部461は溝部464を塞ぐように、言い換えると、リムシール462とプラットフォーム23とを接続するように配置されている。
【0090】
上記の構成によれば、溝部464を側板部461により閉塞するため、例えば高温の流体が溝部464を通過してロータ4まで流入することを防止できる。
さらに、側板部461は着脱可能に設けられるため、プラットフォーム23における側板部461との接触部近傍の剛性が高くなることを防止できる。
【0091】
〔第3の実施形態〕
次に、本発明の第3の実施形態について図16および図17を参照して説明する。
本実施形態のガスタービンの基本構成は、第1の実施形態と同様であるが、第1の実施形態とは、フィッシュマウスシール部の構成が異なっている。よって、本実施形態においては、図16および図17を用いてフィッシュマウスシール部の周辺のみを説明し、その他の構成要素等の説明を省略する。
図16は、本実施形態に係るガスタービンにおけるタービン動翼およびタービン静翼の周辺構造を説明する模式図である。図17は、図16のタービン動翼の構成を説明する部分拡大斜視図である。
なお、第1の実施形態と同一の構成要素には同一の符号を付して、その説明を省略する。
【0092】
ガスタービン501には、図16および図17に示すように、タービン部の一段動翼であるタービン動翼(動翼)502と、一段静翼であるタービン静翼3と、タービン動翼2が取り付けられるロータ4と、が設けられている。
【0093】
タービン動翼502には、翼取付部21と、シャンク22と、プラットフォーム23と、翼形部24と、フィッシュマウスシール部525と、が設けられている。
【0094】
フィッシュマウスシール部525は、隣接するタービン静翼3との間にシール構造を形成し、タービン部を流れる高温流体が、タービン動翼502とタービン静翼3との間からロータ4の近傍まで流入することを防止するものである。
フィッシュマウスシール部225には、リムシール(動翼側突出部)562と、シールフィン63と、が設けられている。
【0095】
リムシール562は、図17に示すように、シャンク22から上述の高温流体の上流側に向かって、かつ、周方向に沿って延びる略板状の部材である。言い換えると、リムシール562は、プラットフォーム23から径方向内側に離れた位置から、上述の高温流体の上流側に向かって延びる部材である。
さらに、リムシール562における周方向の幅は、シャンク22における周方向の幅と略等しく形成されている。
【0096】
上記の構成によれば、プラットフォーム23とリムシール562とが独立して配置されることから、プラットフォーム23における前縁51と繋がる部分と、その他の部分との間の剛性の差が小さくなる。そのため、翼形部24の前縁51の付け根におけるガス曲げ応力や熱応力の集中を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るガスタービンのタービン動翼およびタービン静翼の周辺構造を説明する模式図である。
【図2】図1のタービン動翼の構成を説明する部分拡大斜視図である。
【図3】図1のタービン動翼の構成を説明する部分拡大斜視図である。
【図4】図1のタービン動翼およびタービン静翼周辺の流れを説明する模式図である。
【図5】図2のプラットフォームの別の実施形態を説明する図である。
【図6】図2のフィッシュマウスシール部の別の実施形態を説明する図である。
【図7】図2のフィッシュマウスシール部のさらに別の実施形態を説明する図である。
【図8】本発明の第1の実施形態の第1変形例に係るガスタービンにおけるタービン動翼およびタービン静翼の周辺構造を説明する模式図である。
【図9】図8のタービン動翼の構成を説明する部分拡大斜視図である。
【図10】本発明の第1の実施形態の第2変形例に係るガスタービンにおけるタービン動翼およびタービン静翼の周辺構造を説明する模式図である。
【図11】図10のタービン動翼の構成を説明する部分拡大斜視図である。
【図12】本発明の第2の実施形態に係るガスタービンにおけるタービン動翼およびタービン静翼の周辺構造を説明する模式図である。
【図13】図12のタービン動翼の構成を説明する部分拡大斜視図である。
【図14】本発明の第2の実施形態の変形例に係るガスタービンにおけるタービン動翼およびタービン静翼の周辺構造を説明する模式図である。
【図15】図14のタービン動翼の構成を説明する部分拡大斜視図である。
【図16】本発明の第3の実施形態に係るガスタービンにおけるタービン動翼およびタービン静翼の周辺構造を説明する模式図である。
【図17】図16のタービン動翼の構成を説明する部分拡大斜視図である。
【符号の説明】
【0098】
1,101,201,301,401,501 ガスタービン
2,102,202,302,402,502 タービン動翼(動翼)
3 タービン静翼(静翼)
4 ロータ
21 翼取付部
22 シャンク
23 プラットフォーム
24 翼形部
33 静翼側突出部
61,161,261,361 側壁部
61C 穴
62,462,562 リムシール(動翼側突出部)
64 切欠き部
364,464 溝部
461 側板部(板部)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロータに対して着脱可能に嵌め合わされる翼取付部と、
該翼取付部から前記ロータの径方向外側に向かって延びるシャンクと、
該シャンクの前記径方向外側端部から前記ロータの軸方向および周方向に沿って延びるプラットフォームと、
該プラットフォームの外周面から前記径方向外側に向かって延びる翼形部と、
前記プラットフォームと前記翼形部の前縁とが繋がる部分において前記プラットフォームの内周面から前記径方向内側に向かって、かつ、前記周方向に沿って延びる側壁部と、
該側壁部の前記径方向内側の端部から、前記ロータの軸方向に沿う方向であって、前記翼形部の後縁から前縁に向かう方向に、かつ、前記周方向に沿って延びる動翼側突出部と、
前記側壁部と前記プラットフォームとの接続部における前記軸方向の寸法を短くする切欠き部と、
が設けられていることを特徴とする動翼。
【請求項2】
前記プラットフォームにおける前記側壁部から、前記翼形部の後縁側の前記径方向寸法は、前記プラットフォームにおける前記側壁部から前記前縁側の前記径方向寸法よりも薄いことを特徴とする請求項1記載の動翼。
【請求項3】
前記側壁部における前記前縁側の面には、穴が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の動翼。
【請求項4】
前記側壁部は、前記プラットフォームにおける前記前縁と繋がる部分よりも、前記ロータの軸方向に沿う方向であって、前記翼形部の後縁から前縁に向かう方向に突出した部分から前記径方向内側に向かって延びることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の動翼。
【請求項5】
前記側壁部は、前記プラットフォームにおける前記前縁と繋がる部分よりも、前記ロータの軸方向に沿う方向であって、前記翼形部の前縁から後縁に向かう方向の部分から前記径方向内側に向かって延びることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の動翼。
【請求項6】
ロータに対して着脱可能に嵌め合わされる翼取付部と、
該翼取付部から前記ロータの径方向外側に向かって延びるシャンクと、
該シャンクの前記径方向外側端部から前記ロータの軸方向および周方向に沿って延びるプラットフォームと、
該プラットフォームの外周面から前記径方向外側に向かって延びる翼形部と、
前記プラットフォームと前記翼形部の前縁とが繋がる部分において前記プラットフォームの内周面から前記径方向内側に向かって、かつ、前記周方向に沿って延びる側壁部と、
該側壁部の前記径方向内側の端部から、前記ロータの軸方向に沿う方向であって、前記翼形部の後縁から前縁に向かう方向に、かつ、前記周方向に沿って延びる動翼側突出部と、
前記プラットフォームと前記側壁部とを切り離す溝部と、
が設けられていることを特徴とする動翼。
【請求項7】
前記溝部には、前記径方向および前記周方向に延び、前記溝部を閉塞する板部が着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項6記載の動翼。
【請求項8】
ロータに対して着脱可能に嵌め合わされる翼取付部と、
該翼取付部から前記ロータの径方向外側に向かって延びるシャンクと、
該シャンクの径方向外側端部から前記ロータの軸方向および周方向に沿って延びるプラットフォームと、
該プラットフォームの外周面から前記径方向外側に向かって延びる翼形部と、
前記シャンクにける前記翼形部の前縁側の側面から、前記ロータの軸方向に沿う方向であって、前記翼形部の後縁から前縁に向かう方向に向かって、かつ、前記周方向に沿って延びる動翼側突出部と、
が設けられていることを特徴とする動翼。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の動翼および静翼が設けられたガスタービンであって、
前記静翼側から前記プラットフォームと前記突出部との間に向かって延び、前記動翼側突出部とともにシール構造を構成する静翼側突出部と、
が設けられていることを特徴とするガスタービン。
【請求項1】
ロータに対して着脱可能に嵌め合わされる翼取付部と、
該翼取付部から前記ロータの径方向外側に向かって延びるシャンクと、
該シャンクの前記径方向外側端部から前記ロータの軸方向および周方向に沿って延びるプラットフォームと、
該プラットフォームの外周面から前記径方向外側に向かって延びる翼形部と、
前記プラットフォームと前記翼形部の前縁とが繋がる部分において前記プラットフォームの内周面から前記径方向内側に向かって、かつ、前記周方向に沿って延びる側壁部と、
該側壁部の前記径方向内側の端部から、前記ロータの軸方向に沿う方向であって、前記翼形部の後縁から前縁に向かう方向に、かつ、前記周方向に沿って延びる動翼側突出部と、
前記側壁部と前記プラットフォームとの接続部における前記軸方向の寸法を短くする切欠き部と、
が設けられていることを特徴とする動翼。
【請求項2】
前記プラットフォームにおける前記側壁部から、前記翼形部の後縁側の前記径方向寸法は、前記プラットフォームにおける前記側壁部から前記前縁側の前記径方向寸法よりも薄いことを特徴とする請求項1記載の動翼。
【請求項3】
前記側壁部における前記前縁側の面には、穴が形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の動翼。
【請求項4】
前記側壁部は、前記プラットフォームにおける前記前縁と繋がる部分よりも、前記ロータの軸方向に沿う方向であって、前記翼形部の後縁から前縁に向かう方向に突出した部分から前記径方向内側に向かって延びることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の動翼。
【請求項5】
前記側壁部は、前記プラットフォームにおける前記前縁と繋がる部分よりも、前記ロータの軸方向に沿う方向であって、前記翼形部の前縁から後縁に向かう方向の部分から前記径方向内側に向かって延びることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の動翼。
【請求項6】
ロータに対して着脱可能に嵌め合わされる翼取付部と、
該翼取付部から前記ロータの径方向外側に向かって延びるシャンクと、
該シャンクの前記径方向外側端部から前記ロータの軸方向および周方向に沿って延びるプラットフォームと、
該プラットフォームの外周面から前記径方向外側に向かって延びる翼形部と、
前記プラットフォームと前記翼形部の前縁とが繋がる部分において前記プラットフォームの内周面から前記径方向内側に向かって、かつ、前記周方向に沿って延びる側壁部と、
該側壁部の前記径方向内側の端部から、前記ロータの軸方向に沿う方向であって、前記翼形部の後縁から前縁に向かう方向に、かつ、前記周方向に沿って延びる動翼側突出部と、
前記プラットフォームと前記側壁部とを切り離す溝部と、
が設けられていることを特徴とする動翼。
【請求項7】
前記溝部には、前記径方向および前記周方向に延び、前記溝部を閉塞する板部が着脱可能に設けられていることを特徴とする請求項6記載の動翼。
【請求項8】
ロータに対して着脱可能に嵌め合わされる翼取付部と、
該翼取付部から前記ロータの径方向外側に向かって延びるシャンクと、
該シャンクの径方向外側端部から前記ロータの軸方向および周方向に沿って延びるプラットフォームと、
該プラットフォームの外周面から前記径方向外側に向かって延びる翼形部と、
前記シャンクにける前記翼形部の前縁側の側面から、前記ロータの軸方向に沿う方向であって、前記翼形部の後縁から前縁に向かう方向に向かって、かつ、前記周方向に沿って延びる動翼側突出部と、
が設けられていることを特徴とする動翼。
【請求項9】
請求項1から8のいずれかに記載の動翼および静翼が設けられたガスタービンであって、
前記静翼側から前記プラットフォームと前記突出部との間に向かって延び、前記動翼側突出部とともにシール構造を構成する静翼側突出部と、
が設けられていることを特徴とするガスタービン。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【公開番号】特開2010−1840(P2010−1840A)
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−162165(P2008−162165)
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年6月20日(2008.6.20)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】
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