説明

動脈硬化症の診断のためのポリペプチドマーカー

本発明は、動脈硬化症の診断のための、個体からの試料における一つ以上のペプチドマーカーの存在又は不在の使用、及びペプチドマーカーの存在又は不在が動脈硬化症の存在を表す、動脈硬化症の診断のための方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動脈硬化症の診断のための、被験者からの試料における一つ以上のペプチドマーカーの存在又は不在の使用、及び一つ以上のペプチドマーカーの存在又は不在が動脈硬化症の存在を表す、動脈硬化症の診断のための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
動脈硬化症もしくは血管又は動脈の石灰化であるアテローム性動脈硬化症は、最も多い病的血管変性である。動脈硬化症は、長年の間に形成され、最初は認識されないままである血管の変性である。血中脂質及び白血球が血管壁で富化し(プラーク形成)、血管が石灰化して、弾性を失い、血管直径が次第に狭くなる。動脈硬化症の形成についての危険因子は、高コレステロール血症、高血圧、喫煙、糖尿病、肥満、身体的不活発及び低い社会的状態を含むと考えられているが、他の因子にも密接に関連する。高トリグリセリド血症、リポタンパク質、ホモシステイン及びc反応性タンパク質(CRP)又はフィブリノーゲンなどの特定炎症パラメータの高い血中レベル、並びに慢性クラミジア又はヘリコバクターピロリ感染のようなさらなる危険因子が論じられている。
【0003】
動脈硬化症は長期間にわたって全く症状を引き起こさない。血管直径がプラークによって明らかに低下したとき又はプラークの領域で血餅(血栓)が形成されるときにのみ、症状が起こる。最も多い動脈硬化性心臓及び血管疾患は、冠状動脈心臓病、脳血管疾患及び末梢動脈閉塞性疾患である;これらの重篤な合併症、すなわち心筋梗塞、卒中又は下肢の喪失は、発展途上国に比べてドイツでは異例の頻度で起こり、公衆衛生に対して極めて高いコストを生じさせる。
【0004】
動脈硬化症が引き起こす心臓血管疾患は、死亡原因についてのドイツ統計のトップを占める。このため、1999年には、ドイツのStatistisches Bundesamtによれば、心臓血管疾患は48%を占める最も頻度の高い死亡原因であり、虚血性(冠状動脈)心臓病が21%、脳血管系の疾患が10%を占めた。これと比較して、致死的な結果に至る癌の割合は26%であり、呼吸器及び消化管の疾患の割合はそれぞれ6%と5%であった。
【0005】
動脈硬化変性はしばしば若年で既に起こるが、患者はほとんどが中高年になって初めて臨床徴候を発現する。
【0006】
動脈硬化症は薬剤によって治療することはできないが、予防によってのみ回避することができる。既に起こってしまった石灰化は破壊することができず、弾性を硬い血管壁に戻すことはできない。しかし、ニコチン離脱などにより、生活様式を変えることで危険因子に影響を及ぼすことによって、又は薬剤(例えばアセチルサリチル酸)によって、動脈硬化症の進行を明らかに遅らせることができる。加えて、重症の動脈石灰化のためには、バルーン血管形成術(PTA、経皮経管動脈形成術)、バイパス手術及びステントの挿入などの外科的方法が使用可能である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記で説明したように、動脈硬化変性は治療によって処置することができないが、回避する又は遅延させることだけが可能であるので、動脈硬化変性の早期検出は特に重要である。
【0008】
通常の状況下では、二次疾患の診断だけが、罹患者が動脈硬化症を有しているとの結論を可能にする。現在、このために、例えば造影剤又はX線又は超音波によって、血管の狭窄を検出する。加えて、通常は、高いコレステロールレベル又は糖尿病などの危険因子を検査する。しかし、これらの方法全てが動脈硬化症の早期及び信頼し得る診断のためには十分でない。特に、できる限り侵襲性の少ない、動脈硬化症の迅速で安価な早期検出の必要性が存在する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
意外にも、今や、被験者からの試料中の特定ペプチドマーカーが動脈硬化症の診断のために使用できることが見出された。
【0010】
このため本発明は、動脈硬化症の診断のための、被験者からの試料における少なくとも1個のペプチドマーカーの存在又は不在の使用に関し、前記ポリペプチドマーカーは、表1に示す分子量についての数値によって特徴付けられる、ポリペプチドマーカーNo.1、No.2、No.3、No.4、No.5、No.6、No.7、No.8又はNo.9から選択される。
【0011】
【表4】

【0012】
本発明により、非常に早期の段階で動脈硬化症を診断することが可能である。このため、初期段階で又はこの症状発現の前に公知の治療アプローチによって疾患を治療することができ、これにより、この後の経過を緩和することができる。本発明はさらに、ある程度非侵襲性の又は最小限の侵襲性の処置で、動脈硬化症の安価で迅速及び信頼し得る診断を可能にする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の特定の実施形態では、ポリペプチドマーカーは、この分子量によってのみならず、この泳動時間によっても特徴付けられる(表2参照):
【0014】
【表5】

【0015】
泳動時間は、キャピラリー電気泳動(CE)によって、例えば実施例の項目2で述べるように測定される。すなわち、長さ90cm、内径(ID)75μm、外径(OD)360μmのガラス細管を30kVの電圧で操作する。試料のための溶媒として、水中30%メタノール、0.5%ギ酸を使用する。
【0016】
CE泳動時間が変動し得ることが公知である。これにもかかわらず、ポリペプチドマーカーが溶出する順序は、典型的には使用するいずれのCEシステムに関しても同じである。泳動時間の差を相殺するために、泳動時間が公知である標準物質を用いてシステムを基準化し得る。これらの標準物質は、例えば実施例で述べるポリペプチドであり得る(実施例、項目3、「CE測定のための標準」参照)。
【0017】
表1から3に示すポリペプチドマーカーの特性決定を、例えばNeuhoffら(Rapid Communications in mass spectrometry、 Vol.20:149−156、2004)によって詳細に説明されている方法、キャピラリー電気泳動−質量分析法(CE−MS)によって実施した。個々の測定間又は異なる質量分析計の間での分子量の変動は比較的小さく、典型的には±0.1%の範囲内、好ましくは±0.05%の範囲内である。
【0018】
本発明に従ったポリペプチドマーカーは、タンパク質又はペプチドもしくはタンパク質又はペプチドの分解産物である。これらは、分解の範囲内で、例えばグリコシル化、リン酸化、アルキル化又はジスルフィド架橋などの翻訳後修飾によって又は他の反応によって、化学修飾されていてもよい。加えて、ポリペプチドマーカーはまた、試料の精製の範囲内で、化学変性されていてもよく、例えば酸化されていてもよい。
【0019】
ポリペプチドマーカーを決定するパラメータ(分子量及び泳動時間)から進んで、先行技術において公知の方法によって対応するポリペプチドの配列を特定することが可能である。
【0020】
本発明に従ったポリペプチド(表1又は2参照)は、動脈硬化症を診断するために使用される。「診断」は、症状又は現象を疾患又は障害に割り当てることによって知識を獲得する工程を意味する。この場合は、特定ポリペプチドマーカーの存在又は不在から動脈硬化症の存在が結論される。このため、本発明に従ったポリペプチドマーカーは被験者からの試料において測定され、この存在又は不在が動脈硬化症の存在を結論付けることを可能にする。ポリペプチドマーカーの存在又は不在は、先行技術において公知の何らかの方法によって測定できる。公知と考えられる方法を以下に例示する。
【0021】
ポリペプチドマーカーは、この測定値が少なくともこの閾値と同程度の高さである場合、存在するとみなされる。測定値がより低い場合は、ポリペプチドマーカーは存在しないとみなされる。閾値は、測定方法の感受性(検出限界)によって又は経験的に決定され得る。
【0022】
本発明に関して、好ましくはある分子量についての試料の測定値がブランク試料(例えば緩衝液又は溶媒のみ)の測定値の少なくとも2倍の高さである場合、より好ましくは測定値がブランク試料の数値の少なくとも3倍、さらに一層好ましくは少なくとも4倍、最も好ましくは少なくとも5倍の高さである場合、閾値を超えているとみなされる。
【0023】
一つ以上のポリペプチドマーカーは、この存在又は不在が測定され、この存在又は不在が動脈硬化症の指標であるように使用される。このため、ポリペプチドマーカーNo.1、No.7、No.8No.9のような、動脈硬化症(疾患)を有する患者において典型的に存在するが、動脈硬化症がない(対照)被験者では存在しないポリペプチドマーカーがある。加えて、動脈硬化症のない(対照)被験者では存在するが、動脈硬化症を有する被験者ではより頻度が低い又は全く存在しないポリペプチドマーカーがある。これらは、例えばポリペプチドマーカーNo.2、No.3、No.4、No.5及びNo.6である。
【0024】
【表6】

疾患 ポリペプチドマーカーが試料中に存在した動脈硬化症を有する被験者の割合
対照 ポリペプチドマーカーが試料中に存在した動脈硬化症に罹患していない被験者の割合
Δ (疾患―対照)の絶対値
【0025】
一つ以上のポリペプチドマーカーの存在又は不在を測定する試料が由来する被験者は、動脈硬化症に罹患する可能性があるいかなる被験者でもよく、例えば動物又はヒトであり得る。好ましくは、被験者は、イヌ、ウマ、ネコなどの哺乳動物であり、最も好ましくはヒトである。
【0026】
本発明の好ましい実施形態では、動脈硬化症を診断するために、1個のポリペプチドマーカーだけでなく、ポリペプチドマーカーの組合せを使用し、これらの存在又は不在から動脈硬化症の存在を結論することができる。複数のポリペプチドマーカーを比較することにより、疾患又は対照個体における典型的存在確率からの少数の個別逸脱による全体的結果のバイアスを低減する又は回避することができる。
【0027】
このため、本発明の好ましい実施形態では、表1又は2の2個のポリペプチドマーカーを動脈硬化症の診断のために使用する。特に、これらは以下のポリペプチドマーカーの組合せである:
−No.1とNo.2、No.1とNo.3、No.1とNo.4、No.1とNo.5、No.1とNo.6、No.1とNo.7、No.1とNo.8、No.1とNo.9、
−No.2とNo.3、No.2とNo.4、No.2とNo.5、No.2とNo.6、No.2とNo.7、No.2とNo.8、No.2とNo.9、
−No.3とNo.4、No.3とNo.5、No.3とNo.6、No.3とNo.7、No.3とNo.8、No.3とNo.9、
−No.4とNo.5、No.4とNo.6、No.4とNo.7、No.4とNo.8、No.4とNo.9、
−No.5とNo.6、No.5とNo.7、No.5とNo.8、No.5とNo.9、
−No.6とNo.7、No.6とNo.8、No.6とNo.9、
−No.7とNo.8、No.7とNo.9又は
−No.8とNo.9。
【0028】
本発明のもう1つのさらに一層好ましい実施形態では、表1又は2の3個のポリペプチドマーカーを動脈硬化症の診断のために使用する。特に、これらは以下のポリペプチドマーカーの組合せである:
−ペプチドマーカーNo.3、No.4、No.5、No.6、No.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1及びNo.2、
−ペプチドマーカーNo.4、No.5、No.6、No.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1及びNo.3、
−ペプチドマーカーNo.5、No.6、No.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1及びNo.4、
−ペプチドマーカーNo.6、No.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1及びNo.5、
−ペプチドマーカーNo.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1及びNo.6、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1及びNo.7、
−ペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.4、No.5、No.6、No.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.2及びNo.3、
−ペプチドマーカーNo.5、No.6、No.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.2及びNo.4、
−ペプチドマーカーNo.6、No.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.2及びNo.5、
−ペプチドマーカーNo.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.2及びNo.6、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.2及びNo.7、
−No.9と組み合わせたNo.2及びNov.8、
−ペプチドマーカーNo.5、No.6、No.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.3及びNo.4、
−ペプチドマーカーNo.6、No.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.3及びNo.5、
−ペプチドマーカーNo.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.3及びNo.6、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.3及びNo.7、
−No.9と組み合わせたNo.3及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.6、No.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.4及びNo.5、
−ペプチドマーカーNo.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.4及びNo.6、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.4及びNo.7、
−No.9と組み合わせたNo.4及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.5及びNo.6、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.5及びNo.7、
−No.9と組み合わせたNo.5及びNo.8、
−No.8又はNo.9と組み合わせたNo.6及びNo.7、
−No.9と組み合わせたNo.6及びNo.8、又は
−No.9と組み合わせたNo.7及びNo.8。
【0029】
本発明のもう1つのさらに一層好ましい実施形態では、表1又は2の4個のポリペプチドマーカーを動脈硬化症の診断のために使用する。特に、これらは以下のポリペプチドマーカーの組合せである:
−ペプチドマーカーNo.4、No.5、No.6、No.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.2及びNo.3、
−ペプチドマーカーNo.5、No.6、No.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.2及びNo.4、
−ペプチドマーカーNo.6、No.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.2及びNo.5、
−ペプチドマーカーNo.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.2及びNo.6、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.2及びNo.7、
−No.9と組み合わせたNo.1、No.2及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.5、No.6、No.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.3及びNo.4、
−ペプチドマーカーNo.6、No.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.3及びNo.5、
−ペプチドマーカーNo.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.3及びNo.6、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.3及びNo.7、
−No.9と組み合わせたNo.1、No.3及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.6、No.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.4及びNo.5、
−ペプチドマーカーNo.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.4及びNo.6、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.4及びNo.7、
−No.9と組み合わせたNo.1、No.4及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.5及びNo.6、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.5及びNo.7、
−No.9と組み合わせたNo.1、No.5及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.6及びNo.7、
−No.9と組み合わせたNo.1、No.6及びNo.8、
−No.9と組み合わせたNo.1、No.7及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.5、No.6、No.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.2、No.3及びNo.4、
−ペプチドマーカーNo.6、No.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.2、No.3及びNo.5、
−ペプチドマーカーNo.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.2、No.3及びNo.6、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.2、No.3及びNo.7、
−No.9と組み合わせたNo.2、No.3及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.6、No.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.2、No.4及びNo.5、
−ペプチドマーカーNo.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.2、No.4及びNo.6、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.2、No.4及びNo.7、
−No.9と組み合わせたNo.2、No.4及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.2、No.5及びNo.6、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.2、No.5及びNo.7、
−No.9と組み合わせたNo.2、No.5及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.2、No.6及びNo.7、
−No.9と組み合わせたNo.2、No.6及びNo.8、
−No.9と組み合わせたNo.2、No.7及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.6、No.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.3、No.4及びNo.5、
−ペプチドマーカーNo.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.3、No.4及びNo.6、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.3、No.4及びNo.7、
−No.9と組み合わせたNo.3、No.4及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.3、No.5及びNo.6、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.3、No.5及びNo.7、
−No.9と組み合わせたNo.3、No.5及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.3、No.6及びNo.7、
−No.9と組み合わせたNo.3、No.6及びNo.8、
−No.9と組み合わせたNo.3、No.7及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.4、No.5及びNo.6、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.4、No.5及びNo.7、
−No.9と組み合わせたNo.4、No.5及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.4、No.6及びNo.7、
−No.9と組み合わせたNo.4、No.6及びNo.8、
−No.9と組み合わせたNo.4、No.7及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.5、No.6及びNo.7、
−No.9と組み合わせたNo.5、No.6及びNo.8、
−No.9と組み合わせたNo.5、No.7及びNo.8、又は
−No.9と組み合わせたNo.6、No.7及びNo.8。
【0030】
本発明のもう1つのさらに一層好ましい実施形態では、表1又は2の5個のポリペプチドマーカーを動脈硬化症の診断のために使用する。特に、これらは以下のポリペプチドマーカーの組合せである:
−ペプチドマーカーNo.5、No.6、No.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.2、No.3及びNo.4、
−ペプチドマーカーNo.6、No.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.2、No.3及びNo.5、
−ペプチドマーカーNo.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.2、No.3及びNo.6、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.2、No.3及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.2、No.3及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.6、No.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.2、No.4及びNo.5、
−ペプチドマーカーNo.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.2、No.4及びNo.6、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.2、No.4及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.2、No.4及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.2、No.5及びNo.6、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.2、No.5及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.2、No.5及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.2、No.6及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.2、No.6及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.2、No.7及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.6、No.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.3、No.4及びNo.5、
−ペプチドマーカーNo.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.3、No.4及びNo.6、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.3、No.4及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.3、No.4及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.3、No.5及びNo.6、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.3、No.5及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.3、No.5及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.3、No.6及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.3、No.6及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.3、No.7及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.4、No.5及びNo.6、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.4、No.5及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.4、No.5及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.4、No.6及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.4、No.6及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.4、No.7及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.5、No.6及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.5、No.6及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.5、No.7及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.6、No.7及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.6、No.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.2、No.3、No.4及びNo.5、
−ペプチドマーカーNo.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.2、No.3、No.4及びNo.6、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.2、No.3、No.4及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.2、No.3、No.4及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.2、No.3、No.5及びNo.6、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.2、No.3、No.5及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.2、No.3、No.5及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.2、No.3、No.6及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.2、No.3、No.6及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.2、No.3、No.7及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.2、No.4、No.5及びNo.6、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.2、No.4、No.5及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.2、No.4、No.5及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.2、No.4、No.6及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.2、No.4、No.6及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.2、No.4、No.7及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.2、No.5、No.6及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.2、No.5、No.6及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.2、No.5、No.7及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.2、No.6、No.7及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.3、No.4、No.5及びNo.6、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.3、No.4、No.5及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.3、No.4、No.5及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.3、No.4、No.6及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.3、No.4、No.6及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.3、No.4、No.7及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.3、No.5、No.6及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.3、No.5、No.6及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.3、No.5、No.7及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.3、No.6、No.7及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.4、No.5、No.6及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.4、No.5、No.6及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.4、No.5、No.7及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.4、No.6、No.7及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.4、No.6、No.7及びNo.8、又は
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.5、No.6、No.7及びNo.8。
【0031】
本発明のもう1つのさらに一層好ましい実施形態では、表1又は2の6個のポリペプチドマーカーを動脈硬化症の診断のために使用する。特に、これらは以下のポリペプチドマーカーの組合せである:
−ペプチドマーカーNo.6、No.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.2、No.3、No.4及びNo.5、
−ペプチドマーカーNo.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.2、No.3、No.4及びNo.6、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.2、No.3、No.4及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.2、No.3、No.4及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.2、No.3、No.5及びNo.6、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.2、No.3、No.5及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.2、No.3、No.5及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.2、No.3、No.6及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.2、No.3、No.6及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.2、No.3、No.7及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.2、No.4、No.5及びNo.6、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.2、No.4、No.5及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.2、No.4、No.5及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.2、No.4、No.6及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.2、No.4、No.6及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.2、No.4、No.7及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.2、No.5、No.6及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.2、No.5、No.6及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.2、No.5、No.7及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.2、No.6、No.7及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.3、No.4、No.5及びNo.6、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.3、No.4、No.5及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.3、No.4、No.5及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.3、No.4、No.6及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.3、No.4、No.6及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.3、No.4、No.7及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.3、No.5、No.6及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.3、No.5、No.6及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.3、No.5、No.7及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.3、No.6、No.7及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.4、No.5、No.6及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.4、No.5、No.6及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.4、No.5、No.7及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.4、No.6、No.7及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.5、No.6、No.7及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.2、No.3、No.4、No.5及びNo.6、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.2、No.3、No.4、No.5及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.2、No.3、No.4、No.5及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.2、No.3、No.4、No.6及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.2、No.3、No.4、No.6及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.2、No.3、No.4、No.7及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.2、No.3、No.5、No.6及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.2、No.3、No.5、No.6及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.2、No.3、No.5、No.7及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.2、No.3、No.6、No.7及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.2、No.4、No.5、No.6及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.2、No.4、No.5、No.6及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.2、No.4、No.5、No.7及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.2、No.4、No.6、No.7及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.2、No.5、No.6、No.7及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.3、No.4、No.5、No.6及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.3、No.4、No.5、No.6及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.3、No.4、No.5、No.7及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.3、No.4、No.6、No.7及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.3、No.5、No.6、No.7及びNo.8、又は
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.4、No.5、No.6、No.7及びNo.8。
【0032】
本発明のもう1つのさらに一層好ましい実施形態では、表1又は2の7個のポリペプチドマーカーを動脈硬化症の診断のために使用する。特に、これらは以下のポリペプチドマーカーの組合せである:
−ペプチドマーカーNo.7、No.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.2、No.3、No.4、No.5及びNo.6、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.2、No.3、No.4、No.5及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.2、No.3、No.4、No.5及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.2、No.3、No.4、No.6及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.2、No.3、No.4、No.6及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.2、No.3、No.4、No.7及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.2、No.3、No.5、No.6及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.2、No.3、No.5、No.6及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.2、No.3、No.5、No.7及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.2、No.3、No.No.6、No.7及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.2、No.4、No.5、No.6及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.2、No.4、No.5、No.6及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.2、No.4、No.5、No.7及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.2、No.4、No.6、No.7及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.2、No.5、No.6、No.7及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.1、No.3、No.4、No.5、No.6及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.3、No.4、No.5、No.6及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.3、No.4、No.5、No.7及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.3、No.4、No.6、No.7及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.3、No.5、No.6、No.7及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.1、No.4、No.5、No.6、No.7及びNo.8、
−ペプチドマーカーNo.8又はNo.9の1個と組み合わせたNo.2、No.3、No.4、No.5、No.6及びNo.7、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.2、No.3、No.4、No.5、No.6及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.2、No.3、No.4、No.5、No.7及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.2、No.3、No.4、No.6、No.7及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.2、No.3、No.5、No.6、No.7及びNo.8、
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.2、No.4、No.5、No.6、No.7及びNo.8、又は
−ポリペプチドマーカーNo.9と組み合わせたNo.3、No.4、No.5、No.6、No.7及びNo.8。
【0033】
本発明のもう1つのさらに一層好ましい実施形態では、表1又は2の8個のポリペプチドマーカーを動脈硬化症の診断のために使用する。特に、これらは以下のポリペプチドマーカーの組合せである:
−No.1、No.2、No.3、No.4、No.5、No.6、No.7及びNo.8、
−No.1、No.2、No.3、No.4、No.5、No.6、No.7及びNo.9、
−No.1、No.2、No.3、No.4、No.5、No.6、No.8及びNo.9、
−No.1、No.2、No.3、No.4、No.5、No.7、No.8及びNo.9、
−No.1、No.2、No.3、No.4、No.6、No.7、No.8及びNo.9、
−No.1、No.2、No.3、No.5、No.6、No.7、No.8及びNo.9、
−No.1、No.2、No.4、No.5、No.6、No.7、No.8及びNo.9、
−No.1、No.3、No.4、No.5、No.6、No.7、No.8及びNo.9、
−No.2、No.3、No.4、No.5、No.6、No.7、No.8及びNo.9。
【0034】
本発明のもう1つのさらに一層好ましい実施形態では、表1又は2の9個のポリペプチドマーカーを動脈硬化症の診断のために使用する。特に、これらは以下のポリペプチドマーカーの組合せである:
−No.1、No.2、No.3、No.4、No.5、No.6、No.7、No.8及びNo.9。
【0035】
上記に挙げたポリペプチドマーカーに加えて、少なくとも1個のさらなるポリペプチドが動脈硬化症を表す又は動脈硬化症の不在(対照、例えば健常状態)を表す場合、このような少なくとも1個のさらなるポリペプチドの存在又は不在を動脈硬化症の診断のためのマーカーとして使用することができる。例えば上記ポリペプチドは、ペプチド結合を通して連結された少なくとも10個のアミノ酸から成る。好ましくは、ポリペプチドは最大限100個のアミノ酸から成る。より好ましくは、ポリペプチドは約500〜15,000Da、さらに一層好ましくは約750〜約10,000Da、特に約1000〜約7,500Daの分子量を有する。前記マーカーは、分解の範囲内で、例えばグリコシル化、リン酸化、アルキル化又はジスルフィド架橋などの翻訳後修飾によって又は他の反応によって、化学修飾されていてもよい。加えて、ポリペプチドマーカーはまた、試料の精製の範囲内で、化学変性されていてもよく、例えば酸化されていてもよい。
【0036】
本発明に従った一つ以上のペプチドマーカーの存在又は不在を測定する試料は、被験者の身体から得られるいかなる試料であってもよい。試料は、被験者の状態(動脈硬化症又は健常、すなわち動脈硬化症を有さない被験者)についての情報を提供するのに適するポリペプチド組成物を有する試料である。例えば血液、尿、滑液、組織液、体分泌物、汗、脳脊髄液、リンパ、腸液、胃液又は膵液、胆汁、涙液、組織試料、精液、膣液又は便試料であり得る。好ましくは液体試料である。
【0037】
好ましい実施形態では、試料は尿試料又は血液試料であり、最も好ましくは、血清又は血漿試料である。
【0038】
尿試料は、先行技術において好ましいとされているように採取することができる。好ましくは、本発明に関しては中間尿試料を前記尿試料として使用する。例えば尿試料はまた、WO01/74275に述べられている排尿装置によっても採取し得る。
【0039】
血液試料は、先行技術において公知の方法によって、例えば静脈、動脈又は毛細血管から採取することができる。通常、血液試料は、例えば被験者の腕から注射器を用いて静脈血を採取することによって得られる。「血液試料」という用語は、血漿又は血清などの、さらなる精製及び分離方法によって血液から得られる試料を包含する。
【0040】
血漿は、例えば遠心分離によって、血液から全ての細胞成分を除去することによって得られる。遠心分離は、凝固因子がまだ血漿中に存在するので、例えばクエン酸ナトリウムなどの凝固阻害剤の存在下で実施し得る。血清は、基本的には、例えば血液凝固によって、凝固活性タンパク質、主としてフィブリノーゲンを除去した血清に相当する。
【0041】
血清及び血清を作製するための方法は先行技術において一般的に公知である。加えて、WO04/65958は、血漿からフィブリノーゲンを除去するための方法を開示する。血清又は血漿の分離のための組成物は、例えばWO03/48674に開示されている(US2004/129631も参照)。血液から血漿又は血清試料を収集するための装置及び方法は、例えばUS2004/31746に述べられている。
【0042】
試料中のポリペプチドマーカーの存在又は不在は、ポリペプチドマーカーを測定するのに適した先行技術で公知の何らかの方法によって判定し得る。このような方法は当業者に公知である。原則として、ポリペプチドマーカーの存在又は不在は、質量分析法などの直接法によって、又は例えばリガンドによる、間接法によって判定することができる。
【0043】
必要に応じて又は所望する場合は、被験者からの試料、例えば尿又は血液試料を、何らかの適切な手段によって前処理してもよく、例えば一つ以上のポリペプチドマーカーの存在又は不在を測定する前に精製又は分離し得る。処理は、例えば精製、分離、希釈又は濃縮を含み得る。方法は、例えば遠心分離、ろ過、限外ろ過、透析、沈殿、又は、アフィニティー分離又はイオン交換クロマトグラフィーによる分離、電気泳動分離、すなわち電場を適用した時の溶液中での荷電粒子の異なる泳動による分離などの、クロマトグラフィー法であり得る。この特定例は、ゲル電気泳動、二次元ポリアクリルアミドゲル電気泳動(2D−PAGE)、キャピラリー電気泳動、金属アフィニティークロマトグラフィー、固定化金属アフィニティークロマトグラフィー(IMAC)、レクチン系アフィニティークロマトグラフィー、液体クロマトグラフィー、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、順相及び逆相HPLC、陽イオン交換クロマトグラフィー及び表面への選択結合である。これらの方法は全て当業者に周知であり、当業者は、使用する試料及び一つ以上のポリペプチドマーカーの存在又は不在を判定するための方法に応じて方法を選択することができる。
【0044】
本発明の1つの実施形態では、キャピラリー電気泳動によって分離する前に、試料を超遠心分離法によって精製する及び/又は限外ろ過によって特定分子サイズのポリペプチドマーカーを含む分画に分割する。
【0045】
好ましくは、ポリペプチドマーカーの存在又は不在を判定するために質量分析法を使用し、試料の精製又は分離はこのような方法の上流で実施し得る。現在使用されている方法と比較して、質量分析法は、試料の多くの(>100)ポリペプチドの濃度を1つの分析によって測定できるという利点を有する。いかなる種類の質量分析計も使用し得る。質量分析法によって、複雑な混合物において約±0.01%の測定精度で慣例的に、10fmolのポリペプチドマーカー、すなわち10kDタンパク質0.1ngを測定することが可能である。質量分析計では、イオン形成ユニットが適切な分析装置に連結されている。例えば液体試料中のイオンを測定するためには主にエレクトロスプレーイオン化(ESI)インターフェースが用いられ、個別に調製された試料からイオンを作製するためにはMALDI法が最も頻繁に使用される。様々な種類の分析装置、例えばイオントラップ型分析装置又はTOF型分析装置が使用可能である。ESI及びMALDIのどちらも、基本的に全ての種類の質量分析計と組み合わせ得るが、ESIは通常イオントラップ型と、及びMALDIはTOF型と組み合わせる。
【0046】
エレクトロスプレーイオン化法(ESI)では、溶液中に存在する分子を、特に高電圧(例えば1から8kV)の影響下で、噴霧し、これが最初は荷電した小滴を形成して、溶媒の蒸発によってより小さくなる。最終的に気相中での遊離イオンの形成が起こる。
【0047】
飛行時間型(TOF)質量分析計による質量分析法では、イオンに等しい量の運動エネルギーを与える特定加速電圧を適用する。この後、等しい量の運動エネルギーでは、イオンの速度はこれらの質量に依存するので、それぞれのイオンが飛行管を通って特定のドリフト距離を移動するのに要する時間が非常に正確に測定される。TOF質量分析計はとても早い走査速度を有し、このため優れた分離度が得られる。
【0048】
ポリペプチドマーカーの存在及び不在の判定のための好ましい方法は、レーザー脱離/イオン化質量分析法、SELDI−TOF(表面増強レーザー脱離/イオン化飛行時間型質量分析法)、MALDI−TOF MS(マトリックス支援レーザー脱離/イオン化飛行時間型質量分析法)、2D−PAGE/MS及びキャピラリー電気泳動質量分析法(CE−MS)などの気相イオン分光測定法を含む。
【0049】
2D−PAGEは通常ポリペプチドを分離するために用いられ、質量分析法と共に個々のポリペプチドの特定のために使用できる(2D−PAGE/MS)。1000以上のタンパク質スポットを2D−PAGEによって識別することができる。しかし、それぞれの単一ポリペプチドスポットは質量分析法によって別々に特定しなければならない。
【0050】
SELDIシステムでは、プロテインチップが最も重要な成分である。分析する試料をアレイ上に存在するスポットに直接適用する。種々のアレイが存在し、例えば疎水性、親水性、陽イオン交換、陰イオン交換及び固定化金属イオン親和性表面であるクロマトグラフィーアレイ、及び共有結合を可能にする化学基を有する前活性化アレイがある。陽イオン交換表面が好ましい。SELDI法では、実際にチップの表面に結合しているポリペプチドだけを測定する。試料ポリペプチドの結合後に、エネルギー吸収マトリックスを各々のスポットに適用する。マトリックスを結晶化させた後、プロテインチップアレイを、通常は分析のためのプロテインチップリーダーにおいて評価する。
【0051】
前記リーダーは、レーザーによってタンパク質を脱着し、イオン化するTOF(飛行時間型)質量分析計である。結晶化したタンパク質がスポット表面に等しく分布するので、イオン化レーザー光は常に分析物中の代表的平均の分子にヒットし、定量的測定を可能にする。イオン化後、ポリペプチドは電場において加速され、検出器に衝突する。アレイ表面のレーザー照射から検出器への分子の衝突までの飛行時間は、試料中のポリペプチドの分子量の正確な測定を可能にする(例えば以下の総説論文参照:Merchant,M.とWeinberger,S.R.、Electrophoresis、Vol.212:1164−1177、2000)。
【0052】
特に好ましい方法は、キャピラリー電気泳動を質量分析法と組み合わせるCE−MSである。この方法は、例えばドイツ特許出願DE10021737、Kaiserら(J Chromatogr A、Vol.1013:157−171、2003及びElectrophoresis、25:2044−2055、2004)及びWittkeら(Journal of Chromatography A、1013:173−181、2003)に少し詳しく述べられている。CE−MSテクノロジーは、短い時間内に小容量で、数百のポリペプチドマーカーの存在を同時に高い感受性で測定することを可能にする。ポリペプチドを含む試料を測定した後、測定したポリペプチドマーカーのパターンを作成し、このパターンを疾患又は健常ヒトのパターンと比較することができる。ほとんどの場合、動脈硬化症の診断のためには1個又は限られた数のポリペプチドマーカーを使用すれば十分である。特に、表1又は2からの1、2、3、4、5、6、7、8又は9個のポリペプチドマーカーを、好ましくは上記に示したポリペプチドマーカーの組合せで、測定することができる。例えばオンラインで、ESI−TOF分析装置に接続したキャピラリー電気泳動を含むCE−MS法はさらに好ましい。この場合は、試料を電気泳動細管に適用し、電圧、例えば50kVまで、特に30kVまでの電圧をかける。
【0053】
CE−MSのためには、揮発性溶媒に使用が好ましく、基本的に塩分を含まない条件下で作業することが最も適切である。このような溶媒の例は、アセトニトリル、イソプロパノール、メタノール等を含む。溶媒は、分析物をプロトン化するために水又は弱酸(例えば0.1%ギ酸)と混合することができる。試料中のポリペプチドマーカーは、細管内の飛行時間を決定する、これらの大きさと電荷によって分離される。
【0054】
キャピラリー電気泳動により、分子をこれらの電荷と大きさによって分離することが可能である。中性粒子は電流の適用時に電気浸透流の速度で泳動し、一方陽イオンは陰極に向かって加速され、陰イオンは遅延する。電気泳動における細管の利点は、電流フローの間に生じるジュール熱の良好な散逸を可能にする、表面対容積の良好な比率にある。これが次に、高電圧(通常は30kV)の適用を可能にし、このため高い分離性能と短い分析時間を可能にする。
【0055】
キャピラリー電気泳動では、通常シリカガラス細管を使用する。小さな内径の細管を使用することにより、放射状拡散と対流の両方が回避される。電圧適用時に細管内で電流によって生じる熱を環境へと十分に散逸させることができるように、細管の内径は小さく保持されねばならない。50から75μmの内径を有する細管が通常使用される。使用される長さは、例えば30から100cmである。このような寸法の細管を用いると、通常、放出されるイオン熱による細管内での温度上昇は細管内で気泡の形成を生じさせないことが確実になる。加えて、分離細管は通常、プラスチック被覆したシリカガラスで作られる。細管は、未処理、すなわちこれらの疎水性基が内側表面に露出されていてもよく、又は内表面で被覆されていてもよい。分離度を改善するために疎水性被覆を使用し得る。電圧に加えて、圧を適用してもよく、典型的には0から1psiの範囲内である。圧はまた、測定の間だけ適用してもよく又はこの間に変化させてもよい。
【0056】
分離度を改善するために、負荷の間、積層プロトコールを使用し得る:試料を負荷する前に、塩基を負荷し、次に試料を負荷し、この後酸を負荷する。分析物のイオンはこれによって酸と塩基の間に含まれる。電圧を適用したとき、正に荷電した分析物イオンは塩基の方へ移動する。塩基に到達すると、これらは負に荷電して、反対の方向へと移動し、ここで正電荷となる。酸と塩基が中和するまでこれが反復される。このため、濃縮された試料が得られる。負荷する前に、試料を適切な緩衝液で希釈してもよい。
【0057】
キャピラリー電気泳動によって分離されたポリペプチドマーカーの検出のために、好ましくはキャピラリー電気泳動装置を質量分析計に接続する。質量分析計は、高真空中での自由イオンの分子量の測定を可能にする。質量分析計は、イオンをこれらの質量−電荷比(m/z)によって分離する質量分析器と検出器を備える。
【0058】
試料中のポリペプチドマーカーを測定するためのさらに一層好ましい方法では、試料のポリペプチドマーカーをキャピラリー電気泳動によって分離し、次に直接イオン化して、検出のために接続された質量分析計へとインターフェースを通してオンラインで移動させる。
【0059】
本発明はさらに、
a)被験者からの試料において請求項1又は2で定義される少なくとも1個のポリペプチドマーカーの存在又は不在を測定すること;及び
b)前記被験者における動脈硬化症の存在の確率を判定すること、但し、
i)疾患被験者におけるポリペプチドマーカーの存在の確率が対照被験者における同じポリペプチドマーカーの存在の確率よりも高い場合、このポリペプチドマーカーの存在は動脈硬化症の存在のより高い可能性を表す;
ii)疾患被験者におけるポリペプチドマーカーの存在の確率が対照被験者における同じポリペプチドマーカーの存在の確率よりも低い場合、このポリペプチドマーカーの不在は動脈硬化症の存在のより高い可能性を表す;
iii)疾患被験者におけるポリペプチドマーカーの存在の確率が対照被験者における同じポリペプチドマーカーの存在の確率よりも高い場合、このポリペプチドマーカーの不在は動脈硬化症が存在しないことのより高い可能性を表す;
iv)疾患被験者におけるポリペプチドマーカーの存在の確率が対照被験者における同じポリペプチドマーカーの存在の確率よりも低い場合、このポリペプチドマーカーの存在は動脈硬化症が存在しないことのより高い可能性を表す、
による動脈硬化症の診断のための方法に関する。
【0060】
本発明に従った方法の1つの実施形態では、工程b)での動脈硬化症に罹患している被験者(疾患被験者)又は対照被験者におけるポリペプチドマーカーの存在の確率は以下の通りである:
【0061】
【表7】

【0062】
好ましい実施形態では、対照被験者は動脈硬化症に罹患していない被験者である。さらなる好ましい実施形態では、対照被験者は動脈硬化症に罹患していないヒトである。
【0063】
本発明に従った方法では、診断のためにいくつかのポリペプチドマーカーを使用することが好都合である。特に、表1又は表2の少なくとも2、3、4、5、6、7、8又は9個のポリペプチドマーカーを使用し得る。さらに一層好ましくは、ポリペプチドマーカーの組合せは上記で述べた組合せである。
【0064】
いくつかのマーカーを使用するときの動脈硬化症の存在の確率を決定するために、当業者に公知の統計方法を使用し得る。例えばS−Plusなどのコンピュータプログラムを利用することによってWeissingerら(Kidney Int.2004 Jim;65(6):2426−24;Random Forests method)が述べた方法を使用し得る。
【0065】
本発明に従った方法では、試料中のポリペプチドマーカーNo.1、No.7、No.8及び/又はNo.9の存在及び/又は試料中のポリペプチドマーカーNo.2、No.3、No.4、No.5及び/又はNo.6の不在は動脈硬化症の存在を表す。
【0066】
存在又は不在を判定するために、本発明に従った方法では上述した精製、分離及び検出方法を使用し得る。好ましくは、キャピラリー電気泳動、気相イオン分光測定法及び/又は質量分析法を一つ以上のポリペプチドの存在又は不在を検出するために使用する。
【0067】
特に好ましい実施形態では、ポリペプチドマーカーの分子量を測定する前に、一つ以上のポリペプチドの存在又は不在を検出するためにキャピラリー電気泳動を実施する及び/又は質量分析法を使用する。
【実施例】
【0068】
1.試料の作製
動脈硬化症のポリペプチドマーカーを検出するために、血漿を用いた。血漿を健常ドナー(対照)から並びに動脈硬化症に罹患している透析依存患者から採取した。健常ドナーから血漿を採取するためには、ヘパリンと共にS−Monovettes(Sarstedt、Nuembrecht、Germany)を使用し、一方透析患者からの血漿は、既にヘパリンを投与されていたので、直接採取した。ヘパリンは血液凝固とタンパク質分解作用を回避する働きをし、このためまた、血漿中に含まれるタンパク質とペプチドを酵素による分解から保護するのに役立つ。
【0069】
この後のCE−MS測定のために、アルブミン及び免疫グロブリンなどの非常に高濃度で血漿中に含まれるタンパク質を限外ろ過によって分離除去しなければならなかった。ここで、血漿500μlを取り、ろ過緩衝液(4mol/l尿素、0.1mol/l NaCl、0.01%アンモニア)2mlと混合した。この2.5mlの試料容量を限外ろ過した(Centrisart 20 MWCO、Vivascience、Hannover、Germany)。限外ろ過は、限外ろ液2mlが得られるまで遠心分離機において3400rpmで実施した。
【0070】
得られたろ液2mlを、次に、尿素、塩及び他の邪魔になる成分を除去するためにPharmacia C−2カラム(Pharmacia、Uppsala、Sweden)に適用した。結合ポリペプチドを、この後、水中50%アセトニトリル、0.5%ギ酸でC−2カラムから溶出し、凍結乾燥した。CE−MS測定のために、ポリペプチドを水20μl(HPLCグレード、Merck、Darmstadt、Germany)に再懸濁した。
【0071】
2.CE−MS測定
CE−MS測定を、Beckman Coulter(P/ACE MDQ System;Beckman Coulter Inc.、Fullerton、CA、USA)からのキャピラリー電気泳動システム及びApplied Biosystems(Mariner Biospectrometry Workstation;Applied Biosystems、Foster City、CA、USA)からのESI−TOF質量分析計で実施した。
【0072】
CE細管はBeckman Coulter(前出)より供給され、内径/外径75/360μm、長さ90cmであった。CE分離のための移動相は、水中30%メタノール及び0.5%ギ酸から成り、同じ混合物を2μl/分の流量でMSでの「シースフロー」のために使用した。CEとMSの連結は、CE−ESI−MS Sprayer Kit(Agilent Technologies、Waldbronn、Germany)によって実現した。
【0073】
試料を注入するために1psi(約6900Pa)の圧を適用し、注入期間は20秒間であった。これらのパラメータで、細管容積の約0.25%に相当する、約100nlの試料を差異管に注入した。細管内で試料を濃縮するために積層手法を用いた。このため、試料を注入する前に1mol/l NH溶液を7秒間注入し(1psiで)、試料を注入した後、2mol/lギ酸溶液を5秒間注入した。分離電圧(30kV)を適用したとき、分析物はこれらの溶液の間で自動的に濃縮された。
【0074】
この後のCE分離は圧法で実施した:0psiで40分間、次に0.1psiを2分、0.2psiを2分、0.3psiを2分、0.4psiを2分、及び最後に0.5psiを32分間。分離操作の合計期間は、このため、80分間であった。
【0075】
MSの側でできる限り良好なシグナル強度を得るために、ネブライザガスを止めた。エレクトロスプレーを生成するためにスプレー針に適用した電圧は3200Vであり、これは、細管全体に約27kVの有効分離電圧を生じさせた。Mariner質量分析計の他の設定条件は、製造者のプロトコールに従ってペプチド検出のために最適化した。m/z400からm/z2500までの質量範囲にわたってスペクトルを記録し、3秒ごとに累積した。
【0076】
3.CE測定のための標準
CE測定を確認し、標準化するために、示されているCE泳動時間によって特徴付けられる以下のタンパク質及びポリペプチドを使用した:
これらは、ペプチドマーカー1〜9並びに測定試料のCE時間を基準化するために使用し得る。
【0077】
タンパク質/ポリペプチド 泳動時間
アプロチニン(SIGMA、Taufkirchen、DE、
カタログ番号AI 153) 9.2分
リボヌクレアーゼ(SIGMA、Taufkirchen、DE、
カタログ番号R4875) 10.9分
リゾチーム(SIGMA、Taufkirchen、DE、カタログ番号L7651)
8.9分
「REV」、配列:REVQSKIGYGRQIIS 15.6分
「ELM」、配列:ELMTGELPYSHINNRDQIIFMVGR 23.4分
「KINCON」、配列:TGSLPYSHIGSRDQIIFMVGR 20.0分
「GIVLY」、配列:GIVLYELMTGELPYSHIN 36.8分
【0078】
タンパク質/ポリペプチドは、各々、水中10pmol/μlの濃度で使用した。
「REV」、「ELM」、「KINCON」及び「GIVLY」は合成ペプチドである。
【0079】
ペプチドの分子量及びMSで目に見える個々の電荷状態の質量は以下の通りである:
【0080】
【表8】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
動脈硬化症の診断のための、被験者からの試料における少なくとも1個のペプチドマーカーの存在又は不在の使用であって、動脈硬化症の診断のために前記ポリペプチドマーカーが分子量に関する以下の数値:
【表1】

によって特徴付けられる、ポリペプチドマーカーNo.1、No.2、No.3、No.4、No.5、No.6、No.7、No.8又はNo.9から選択される、前記使用。
【請求項2】
前記ポリペプチドマーカーが、分子量及び泳動時間に関する以下の数値:
【表2】

によって特徴付けられる、ポリペプチドマーカーNo.1、No.2、No.3、No.4、No.5、No.6、No.7、No.8又はNo.9から選択される、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
少なくとも2個のポリペプチドマーカー、特にポリペプチドマーカー:
−No.1とNo.2、No.1とNo.3、No.1とNo.4、No.1とNo.5、No.1とNo.6、No.1とNo.7、No.1とNo.8、No.1とNo.9、
−No.2とNo.3、No.2とNo.4、No.2とNo.5、No.2とNo.6、No.2とNo.7、No.2とNo.8、No.2とNo.9、
−No.3とNo.4、No.3とNo.5、No.3とNo.6、No.3とNo.7、No.3とNo.8、No.3とNo.9、
−No.4とNo.5、No.4とNo.6、No.4とNo.7、No.4とNo.8、No.4とNo.9、
−No.5とNo.6、No.5とNo.7、No.5とNo.8、No.5とNo.9、
−No.6とNo.7、No.6とNo.8、No.6とNo.9、
−No.7とNo.8、No.7とNo.9又は
−No.8とNo.9
を使用し、前記ポリペプチドマーカーが請求項1又は2で定義されるとおりである、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項4】
請求項1又は2で定義される少なくとも3個のポリペプチドマーカーを使用する、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項5】
請求項1又は2で定義される少なくとも4個のポリペプチドマーカーを使用する、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項6】
請求項1又は2で定義される少なくとも5個のポリペプチドマーカーを使用する、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項7】
請求項1又は2で定義される少なくとも6個のポリペプチドマーカーを使用する、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項8】
請求項1又は2で定義される少なくとも7個のポリペプチドマーカーを使用する、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項9】
請求項1又は2で定義される少なくとも8個のポリペプチドマーカーを使用する、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項10】
請求項1又は2で定義される9個のポリペプチドマーカーを使用する、請求項1又は2に記載の使用。
【請求項11】
少なくとも1個のさらなるポリペプチドをマーカーとして使用する、請求項1から10のいずれかに記載の使用。
【請求項12】
前記泳動時間が、長さ90cmのキャピラリーで、水中30容量%のメタノール、0.5容量%のギ酸の移動相において30kVでのキャピラリー電気泳動によって測定される、請求項2から11のいずれかに記載の方法。
【請求項13】
被験者からの前記試料が、尿試料又は血液試料、特に血清又は血漿試料である、請求項1から12のいずれかに記載の方法。
【請求項14】
動脈硬化症の診断のための方法であって、
a)被験者からの試料において請求項1又は2で定義される少なくとも1個のポリペプチドマーカーの存在又は不在を測定する;及び
b)前記被験者における動脈硬化症の存在の確率を判定する、但し、
i)疾患被験者におけるポリペプチドマーカーの存在の確率が対照被験者における同じポリペプチドマーカーの存在の確率よりも高い場合、このポリペプチドマーカーの存在は動脈硬化症の存在のより高い可能性を表す;
ii)疾患被験者におけるポリペプチドマーカーの存在の確率が対照被験者における同じポリペプチドマーカーの存在の確率よりも低い場合、このポリペプチドマーカーの不在は動脈硬化症の存在のより高い可能性を表す;
iii)疾患被験者におけるポリペプチドマーカーの存在の確率が対照被験者における同じポリペプチドマーカーの存在の確率よりも高い場合、このポリペプチドマーカーの不在は動脈硬化症が存在しないことのより高い可能性を表す;あるいは
iv)疾患被験者におけるポリペプチドマーカーの存在の確率が対照被験者における同じポリペプチドマーカーの存在の確率よりも低い場合、このポリペプチドマーカーの存在は動脈硬化症が存在しないことのより高い可能性を表す
工程を含む、方法。
【請求項15】
工程b)における個々の確率が以下のとおり:
【表3】

である、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
少なくとも2、3、4、5、6、7、8又は9個のポリペプチドマーカーを使用する、請求項14又は15に記載の方法。
【請求項17】
請求項3で定義するポリペプチドマーカーの組合せを使用する、請求項14から16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
ポリペプチドマーカーNo.1、No.7、No.8及び/又はNo.9の存在が動脈硬化症の存在を表す、請求項14から17のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
ポリペプチドマーカーNo.2、No.3、No.4、No.5及び/又はNo.6の不在が動脈硬化症の存在を表す、請求項14から18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記ポリペプチドマーカー(一つ又は複数)の存在又は不在を検出するためにキャピラリー電気泳動、気相イオン分光法及び/又は質量分析法を使用する、請求項14から19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
キャピラリー電気泳動を、前記ポリペプチドマーカーの分子量を測定する前に実施する、請求項14から20のいずれかに記載の方法。
【請求項22】
前記ポリペプチドマーカー(一つ又は複数)の存在又は不在を検出するために質量分析法を使用する、請求項14から21のいずれかに記載の方法。

【公表番号】特表2008−516191(P2008−516191A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−528880(P2007−528880)
【出願日】平成17年9月1日(2005.9.1)
【国際出願番号】PCT/EP2005/054314
【国際公開番号】WO2006/024660
【国際公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【出願人】(507067984)モザイク・ダイアグノステイツクス・アンド・テラピユーテイツクス・アー・ゲー (5)
【Fターム(参考)】