説明

包装体の梱包構造及び梱包方法

【課題】落下に際して内部の包装体へのダメージを極力小さくすることができるとともに、複数の包装体を梱包箱に詰める作業を簡単に行える包装体の梱包構造及び梱包方法を提供することである。
【解決手段】複数の包装体100が梱包箱10内に梱包された包装体の梱包構造であって、梱包箱10の底部11に緩衝部材20が設けられ、部分的に重なるように配置された複数の包装体100をその上方に空隙をもって内包する段ボール製の一または複数のスリーブ体30が緩衝部材20上に重ねられる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パウチ等の包装体が段ボール製のカートン箱等の梱包箱に梱包された包装体の梱包構造及びその梱包方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、軟質の医療用容器(包装体)を複数梱包した医療用容器梱包体が提案されている(特許文献1参照)。この医療用梱包体は、フラップ部(足部)を有する底板部材が包装箱本体の底部に当該フラップ部が当接するように置かれるとともに、前記底板部材のフラップ部より長いフラップ部(足部)を有する中板部材がそのフラップ部が前記底板部材のフラップ部と包装箱本体の内壁との間に差し込まれて底部に当接するように包装箱本体内に置かれた構造となっている。そして、複数の医療用容器が、中板部材の上板部との間に空隙が形成されるように底板部材の上板部上に重ね置かれ、更に、中板部材の上板部上に複数の医療用容器が重ね置かれる。
【0003】
このような医療用容器梱包体によれば、中板部材上に重ねられた医療用容器の荷重が、底板部材上に重ねられた医療用容器にかからないので、その梱包体を落下させた場合に、中板部材上に重ねられた医療用容器の荷重が当該中板部材にて吸収され得るようになる。また、底板部材上に重ねられた医療用容器と中板部材の上板部との間に空隙が形成されているので、梱包体を落下させた際に医療用容器の重みで中板部材が変形しても、その中板部材の変形部分が底板部材上に重ねられた医療用容器に達し難い。このため、落下時における医療用容器に対するダメージを極力小さくすることができる。
【特許文献1】特開2007−20710号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の医療用容器梱包体のような包装体の梱包構造では、包装箱本体内に底板部材を置いた状態で、中板部材の四縁全部のフラップ部を前記底板部材のフラップ部と包装箱本体の内壁との間に差し込まなければならず、その作業が極めて難しい。また、包装箱本体をひっくり返して底側から、中板部材を先に入れて底板部材を後から入れることも考えられるが、このようにすると、医療用容器を入れた後に包装箱本体をひっくり返す必要があり、このように医療用容器が入った状態で包装箱本体をひっくり返すと、収容されている医療用容器の配列が乱れてしまう。
また、梱包段数を増やしたい場合には、各段にフラップ部の長さが異なる別個の中板部材を用意しなければならない。
【0005】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、落下に際して内部の包装体へのダメージを極力小さくすることができるとともに、複数の包装体を梱包箱に詰める作業を簡単に行える包装体の梱包構造及び梱包方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る包装体の梱包構造は、複数の包装体が梱包箱内に梱包された包装体の梱包構造であって、前記梱包箱の底部に緩衝部材が設けられ、部分的に重なるように配置された複数の包装体をその上方に空隙をもって内包する段ボール製の一または複数のスリーブ体が前記緩衝部材上に重ねられた構成となる。
【0007】
このような構成により、部分的に重なるように配置された複数の包装体を内包するスリーブ体を梱包箱の底部に設けられた緩衝部材の上に重ねることによって、複数の包装体が当該梱包箱内に梱包される。このような構造にて複数の包装体が梱包された梱包箱が落下した場合、最下位のスリーブ体に内包される複数の包装体は、緩衝部材によってその衝撃が緩和され、それより上位のスリーブ体に内包される複数の包装体は、前記緩衝部材とともに下位のスリーブ体の空隙によってその衝撃が緩和される。更に、各スリーブ体に内包された複数の包装体の上方には空隙が形成されているので、当該スリーブ体より上方の包装体の重みによって当該スリーブ体が変形しても、その変形部分が複数の包装体に達し難い。
【0008】
また、本発明に係る包装体の梱包構造において、最上のスリーブ体上に部分的に重なるように配置された複数の包装体が置かれた構成とすることができる。
【0009】
このような構成により、最上位に積むべき複数の包装体については、スリーブ体を省くことができ、梱包材料の節約を図ることができる。
【0010】
更に、本発明に係る包装体の梱包構造において、最上のスリーブ体上に位置する前記複数の包装体の上に仕切り板が設けられ、部分的に重なるように配置された複数の包装体が前記仕切り板上に置かれた構成とすることができる。
【0011】
このような構成により、最上位の複数の包装体とその直下に位置する複数の包装体との間が仕切り板で仕切られるようになっているので、必要とするスリーブ体の数を減らすことができ、梱包材料の節約を図ることができる。前記最上位の複数の包装体とその直下に位置する複数の包装体とは、緩衝部材及びそれらより下位の各スリーブ体によって衝撃が緩和される。また、最上位の直下にある複数の包装体のそれぞれには、仕切り板を介して自重分程度の荷重しかかからない。
【0012】
また、本発明に係る包装体の梱包構造において、前記緩衝部材は、前記梱包箱の底部と前記スリーブ体との間に空隙が形成されるように前記スリーブ体を支持する構造となる構成とすることができる。
【0013】
このような構成により、スリーブ体のたわみが許容されるので、簡便な構造でスリーブ体にかかる衝撃を緩和することができる。
【0014】
また、本発明に係る包装体の梱包構造において、前記緩衝部材は、段ボール製であって、前記スリーブ体を支持する支持板部の縁から下方に足板部が延びた構造となる構成とすることができる。
【0015】
このような構成により、各スリーブ体の材料と同じ段ボールにて緩衝部材を形成するので、材料の効率的な利用を図ることができる。
【0016】
更に、本発明に係る包装体の梱包構造において、前記スリーブ体は、底板部、該底板部の縁から立ち上がる立上がり部、該立ち上がり部に続いて前記底板部に対向する支持板部及び該支持板部の前記立上がり部に続く縁と逆側の縁から立下り、前記底板部に突き当たる立下り部によってスリーブ状に形成され、前記複数の包装体を前記支持板部との間に空隙が形成されるように前記底板部と前記支持板部との間に内包する構成とすることができる。
【0017】
このような構成により、一枚の段ボール紙を折り曲げることにより、底板部、立上がり部、支持板部及び立下り部からなるスリーブ体を形成することができる。
【0018】
また、本発明に係る包装体の梱包構造において、前記複数の包装体のそれぞれは、所定の角部にスパウトの設けられたパウチであって、該複数のパウチは、前記スパウトが他のパウチのスパウトの設けられていない部分に重なるように配置された構成とすることができる。
【0019】
このような構成により、複数のスパウト付きパウチを落下に際して各スパウト及びその近傍のフィルム部を破損しないように梱包箱に詰めることができるようになる。
【0020】
本発明に係る包装体の梱包方法は、複数の包装体を梱包箱に梱包する際の梱包方法であって、前記梱包箱の底部に緩衝部材を設ける第1のステップと、部分的に重なるように配置された複数の包装体をその上方に空隙をもって内包する段ボール製の一または複数のスリーブ体を前記緩衝部材上に重ねる第2のステップとを有する構成となる。
【0021】
また、本発明に係る包装体の梱包方法において、前記スリーブ体は、底板部、該底板部の縁から立ち上がる立上がり部、該立上がり部に続き、前記底板部に対向する支持板部及び該支持板部の前記立上がり部に続く縁と逆側の縁から立下り、前記底板部に突き当たる立下り部によってスリーブ状に形成され、前記第2のステップにおいて一または複数のスリーブ体の少なくとも1つのスリーブ体を前記梱包箱内にセットする際に、前記底板部が露出するように前記支持板部を立ち上げた状態で、前記底板部を前記梱包箱内にセットし、前記底板部上に前記複数の包装体を部分的に重なるように配置しながら置き、前記立上がり部と前記支持板部との境界部を折り曲げて該支持板部を前記底板部に対向させるとともに前記立下り部を前記底板部に突き当てるようにした構成となる。
【0022】
このような構成により、梱包箱内で複数の包装体を収容しつつスリーブ体を組み立てていくことができるので、スリーブ体と梱包箱の内壁との間の隙間が少なくても、包装体の梱包箱体内への梱包作業を容易に行うことができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明に係る包装体の梱包構造及び梱包方法によれば、部分的に重なるように配置された複数の包装体を内包するスリーブ体を梱包箱の底部に設けられた緩衝部材の上に重ねることによって、複数の包装体を当該梱包箱内に梱包することができ、更にその梱包箱が落下した場合であっても、最下位のスリーブ体に内包される複数の包装体は、緩衝部材によってその衝撃が緩和され、それより上位のスリーブ体に内包される複数の包装体は、前記緩衝部材とともに下位のスリーブ体の空隙によってその衝撃が緩和され、また、各スリーブ体より上方の包装体の重みによって当該スリーブ体が変形しても、その変形部分が複数の包装体に達し難いので、落下に際して内部の包装体へのダメージを極力小さくすることができるとともに、複数の包装体を梱包箱に詰める作業を簡単に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。
【0025】
本発明の実施の形態に係る包装体の梱包構造は、図1乃至図9に示すように構成される。この例は、スパウト付きのパウチを段ボール製のカートン箱に梱包した梱包構造であって、図1は、その梱包構造を構成する各部材を示す斜視図であり、図2は、カートン箱(梱包箱)を示す斜視図であり、図3A及び図3Bは、緩衝部材を示す図であり、図4乃至図6は、スリーブ体を示す図であり、図7及び図8は、カートン箱にパウチを梱包する手順を示す図であり、図9は、パウチを梱包したカートン箱の断面図である。
【0026】
図1に示すように、この梱包構造では、カートン箱10(梱包箱)に、緩衝部材20、部分的に重なるように配置された複数(例えば、6個)のスパウト付きのパウチ100を内包するスリーブ体30、部分的に重なるように配置された複数(例えば、6個)のスパウト付きのパウチ100群、仕切り板40及び部分的に重なるように配置された複数(例えば、6個)のスパウト付きのパウチ100群が重ねられたものとなる。カートン箱10は、図2に示すように、段ボール製の直方体形状の箱体であり、底部11に対向する上面側の4辺に蓋片12a、12b、12c、12dが形成されている。これら蓋片12a、12b、12c、12dを内側に折り曲げることにより、カートン箱10が閉じられる。
【0027】
緩衝部材20は図3A及び図3Bに示すように構成される。この緩衝部材20は、段ボール製であって、図3Aに示すように、カートン箱10の底部11より僅かに狭い正方形又は長方形となる支持板部21の4つの縁から下方に足板部22a、22b、22c、22dが延びて台状の構造となっている。例えば、図3Bに示すように、原形段ボール紙の四隅を切り欠くことにより、支持板部21の4つの縁に足板部22a、22b、22c、22dが形成される。そして、足板部22a、22b、22c、22dを支持板部21に対して略垂直となるように折り曲げることにより、支持板部21の4つの縁から下方に足板部22a、22b、22c、22dが延びて台状となる構造の緩衝部材20が形成される。
【0028】
なお、指を引っ掛けるための孔部23a,23bが支持板部21と足板部22bとの境界部分の所定位置及び支持板部21と足板部22dの境界部分の所定位置に形成されている。これにより、緩衝部材20のカートン箱10への入れ込み及びカートン箱10からの取り出しを容易に行えるようになる。
【0029】
緩衝部材の構成は上記のものに限らず、カートン箱10の底部11とスリーブ体30との間に空隙が形成されるようにスリーブ体30を支持する構造であればよい。例えば、足板部に相当する4枚の部材を井桁状に組み合わせたもの、帯状の部材を「ロ」の字状ないし「8」の字状に折り曲げて足板部相当としたものでもよい。ロの字状の形態の場合、スリーブ体を確実に支持するように、角部を内側ないし外側へ折り返すのが好ましい。
【0030】
スリーブ体30は図4乃至図6に示すように構成される。このスリーブ体30は、ダンボール製であって、図4に示すように、略長方形形状の底板部31、底板部31の縁から立ち上がる第1の立上がり部32、第1の立上がり部32から続いて底板部31に対向する支持板部33、支持板部33の第1の立上がり部32と逆側の縁から立下り、底板部31に突き当たる立下り部34及び底板部31の第1の立上がり部32と逆側の縁から立ち上がる第2の立上がり部35によって断面長方形のスリーブ状に形成されている。例えば、図5に示すように、長方形の原形段ボール紙を底板部31、第1の立上がり部32、支持板部33、立下り部34、及び第2の立上がり部35に仕切って、それぞれの板部を図6に示すように略直角に折り曲げることにより、図4に示すようなスリーブ体30が形成される。
【0031】
なお、指を引っ掛けるための孔部36が支持板部33と立下り部34との境界部分の略中央に形成されるとともに、第2の立上がり部35の底板部31と逆側の縁の略中央に孔部36が隠れないようにする凹状の孔逃げ部37が形成されている。これにより、スリーブ30のカートン箱20への入れ込み及びカートン箱10からの取り出しを容易に行えるようになる。
【0032】
複数のスパウト付きのパウチ100は、次のようにして梱包される。
【0033】
図7に示すように、緩衝部材20が、蓋片12a、12b、12c、12dを広げた状態のカートン箱10に入れ込まれてその底部11に置かれる。この作業は、指を孔部23a、23bに引っ掛けて行うことができる。次に、スリーブ体30がカートン箱10内の緩衝部材20(支持板部21)上にセットされる。具体的には、図8に示すように、底板部31が露出するように支持板部33を第1の立上げ部32と同様に立ち上げた状態で、当該底板部31をカートン箱10内の緩衝部材20(支持板部21)上に置く。そして、露出した底板部31上に複数のスパウト付きのパウチ100を部分的に重なるように配置する。各パウチ100の所定の角部にスパウトが設けられているが、このような各パウチ100は、当該スパウトが他のパウチのスパウトの設けられていない部分に重なるように配置される。これにより、梱包されたパウチ100のスパウト同士がぶつかりあって破損することを防止することができる。また、カートン箱を落下した場合でも、スパウトがパウチの柔らかい胴部に乗っているので、衝撃を更に緩和することができる。
【0034】
なお、この実施形態では、全てのスパウト付きパウチ100についてスパウトが他のパウチに重なるように、パウチ100が向きを変えながら底板部31上を周回するように配置されている。パウチの配置形態はこれに限らず、例えば、同じ向きに揃えた複数のパウチを縦方向又は横方向へ平行にずらすようにして部分的に重ねながら配置してもよい。
【0035】
複数(例えば、6個)のパウチ100の配置が終了すると、支持板部材33に略直角になって続く立下り部34の縁が底板部31に当接するまで、支持板部33と第1の立上げ部32との境界で折り曲げて、スリーブ体30を完成させる。これにより、図9に示すように、緩衝部材20上にスリーブ体30が重ねられた状態となり、そのスリーブ体30に、部分的に重なるように配置された複数のパウチ100がその上方に空隙38をもって内包される。
【0036】
また、図9に示すように、カートン箱10内のスリーブ体30(支持板部33)上に部分的に重なるように配置された複数のスパウト付きのパウチ100が置かれ、更に、その複数のパウチ100の上に段ボール製の仕切り板40が置かれる。そして、仕切り板40の上に部分的に重なるように配置された複数のスパウト付きのパウチ100が置かれる。その後、カートン箱10の4つの蓋片12a、12b、12c、12d(図2及び図7参照)を閉じてシールすることにより、梱包作業が終了する。
【0037】
前述したようにカートン箱10に複数のスパウト付きのパウチ100が3段にて梱包された梱包構造によれば、部分的に重なるように配置された複数のパウチ100を内包するスリーブ体30をカートン箱10の底部11に設けられた緩衝部材20の上に重ね、更に、スリーブ体30の上に複数のパウチ100を重ね、また更にその上に仕切り板40を置いて複数のパウチ100を重ねることによって、複数のパウチ100をカートン箱10内に梱包することができるので、その作業が容易になる。
【0038】
更に、複数のパウチ100を内包するスリーブ体30を緩衝部材20の上に重ねる際に、スリーブ体30をまず広げた状態で緩衝部材20上にセットし(図8参照)、底板部31上に複数のパウチ100を配置した後に、正規のスリーブ体30を形成するようにしているので、スリーブ体30とカートン箱10の内壁との間の隙間が少なくても、パウチ100のカートン箱10内への梱包作業を容易に行うことができる。
また、複数のパウチ100を収納したカートン箱10を落下した場合、緩衝部材20が空隙25(図9参照)の範囲内で変形するので、スリーブ体30に内包されるパウチ100は、緩衝部材20の当該変形による緩衝作用によってその衝撃が緩和される。また、スリーブ30上に置かれた複数のパウチ100及び更に仕切り板40を介して更にその上に置かれた複数のパウチ100は、緩衝部材20ともにスリーブ30の空隙38(図9参照)によってその衝撃が緩和される。
【0039】
最上位の複数のパウチ100とその直下に位置する複数のパウチ100との間が仕切り板40で仕切られるようになっているので、必要とするスリーブ体30の数を減らすことができ、梱包材料の節約を図ることができる。前記最上位の複数のパウチ100とその直下に位置する複数のパウチ100とは、緩衝部材20及びスリーブ体30によって衝撃が緩和される。また、最上位の直下にある複数の包装体100のそれぞれには、仕切り板40を介して自重分程度の荷重しかかからない。
【0040】
なお、図10に示すように、図1に示す梱包構造における最上位の複数のパウチ100と仕切り板40を省くことができる。このような梱包構造によれば、スリーブ体30の上に重ねられる複数のパウチ100に対する荷重が全くなくなり、より袋厚の薄いパウチの梱包に適用することができるようになる。
【0041】
前述した各例では、スパウト付きのパウチ100の梱包について説明したが、スパウトの無いパウチ100の梱包も勿論できる。この場合、例えば、図11に示すように、スリーブ体30内にはスパウトの無い複数のパウチ200が部分的に重ねられるように配置され、また、スリーブ体30の上には、スパウトの無い複数のパウチが部分的に重ねられるように配置される。
【0042】
前述した各例では、複数のパウチ100を内包する単一のスリーブ体30がカートン箱10(梱包箱)に収納されるものであったが、図12に示すように、複数のパウチ100(200)を内包する複数(例えば、2個)の同一形状のスリーブ体30(1)、30(2)をカートン箱10内に重ねて収容することもできる。もちろん、最上のスリーブ体30(2)上の複数のパウチ100の上に仕切り板40を置いて、さらにもう一段の複数のパウチ100を積み重ねてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0043】
以上、説明したように、本発明の包装体の梱包構造及び梱包方法は、落下に際して内部の包装体へのダメージを極力小さくすることができるとともに、複数の包装体を梱包箱に詰める作業を簡単に行えるという効果を有し、パウチ等の包装体を段ボール製のカートン箱等の梱包箱に梱包する際の梱包構造及びその梱包方法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の実施の形態に係る包装体の梱包構造を構成する各部材を示す分解斜視図である。
【図2】図1に示す各部材のうちのカートン箱(梱包箱)を示す斜視図である。
【図3A】図1に示す各部材のうちの緩衝部材を示す斜視図である。
【図3B】図3Aに示す緩衝部材を展開した原形段ボール紙を示す図である。
【図4】図1に示す各部材のうちのスリーブ体を示す斜視図である。
【図5】図4に示すスリーブ体を展開した原形段ボール紙を示す図である。
【図6】図5に示す原形段ボール紙からスリーブ体を形成する過程を示す図である。
【図7】カートン箱にパウチを梱包する手順を示す図(その1)である。
【図8】カートン箱にパウチを梱包する手順を示す図(その2)である。
【図9】本発明の実施の形態に係る包装体の梱包構造を示す断面図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る包装体の梱包構造の変形例における各部材を示す分解斜視図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る包装体の梱包構造の変形例をスパウトの無いパウチの梱包に適用した場合の当該梱包構造の各部材を示す分解斜視図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る包装体の梱包構造の他の変形例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0045】
10 カートン箱(梱包箱)
11 底部
12a、12b、12c、12d 蓋辺
20 緩衝部材
21 支持板部
22a、22b、22c、22d 足板部
23a、23b 孔部
30 スリーブ体
31 底板部
32 第1の立上がり部
33 支持板部
34 立下り部
35 第2の立上がり部
36 孔部
37 孔逃げ部
40 仕切り板
100 スパウト付きパウチ(包装体)
200 パウチ(包装体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の包装体が梱包箱内に梱包された包装体の梱包構造であって、
前記梱包箱の底部に緩衝部材が設けられ、
部分的に重なるように配置された複数の包装体をその上方に空隙をもって内包する段ボール製の一または複数のスリーブ体が前記緩衝部材上に重ねられた、包装体の梱包構造。
【請求項2】
最上のスリーブ体上に部分的に重なるように配置された複数の包装体が置かれた、請求項1記載の包装体の梱包構造。
【請求項3】
最上のスリーブ体上に位置する前記複数の包装体の上に仕切り板が設けられ、
部分的に重なるように配置された複数の包装体が前記仕切り板上に置かれた、請求項2記載の包装体の梱包構造。
【請求項4】
前記緩衝部材は、前記梱包箱の底部と前記スリーブ体との間に空隙が形成されるように前記スリーブ体を支持する構造となる請求項1乃至3のいずれかに記載の包装体の梱包構造。
【請求項5】
前記緩衝部材は、段ボール製であって、前記スリーブ体を支持する支持板部の縁から下方に足板部が延びた構造となる請求項4に記載の包装体の梱包構造。
【請求項6】
前記スリーブ体は、底板部、該底板部の縁から立ち上がる立上がり部、該立ち上がり部に続いて前記底板部に対向する支持板部及び該支持板部の前記立上がり部に続く縁と逆側の縁から立下り、前記底板部に突き当たる立下り部によってスリーブ状に形成され、前記複数の包装体を前記支持板部との間に空隙が形成されるように前記底板部と前記支持板部との間に内包する、請求項1乃至5のいずれかに記載の包装体の梱包構造。
【請求項7】
前記複数の包装体のそれぞれは、所定の部位にスパウトの設けられたパウチであって、該複数のパウチは、前記スパウトが他のパウチのスパウトの設けられていない部分に重なるように配置された、請求項1乃至6のいずれかに記載の包装体の梱包構造。
【請求項8】
複数の包装体を梱包箱に梱包する際の梱包方法であって、
前記梱包箱の底部に緩衝部材を設ける第1のステップと、
部分的に重なるように配置された複数の包装体をその上方に空隙をもって内包する段ボール製の一または複数のスリーブ体を前記緩衝部材上に重ねる第2のステップとを有する包装体の梱包方法。
【請求項9】
前記スリーブ体は、底板部、該底板部の縁から立ち上がる立上がり部、該立上がり部に続き、前記底板部に対向する支持板部及び該支持板部の前記立上がり部に続く縁と逆側の縁から立下り、前記底板部に突き当たる立下り部によってスリーブ状に形成され、
前記第2のステップにおいて一または複数のスリーブ体の少なくとも1つのスリーブ体を前記梱包箱内にセットする際に、前記底板部が露出するように前記支持板部を立ち上げた状態で、前記底板部を前記梱包箱内にセットし、
前記底板部上に前記複数の包装体を部分的に重なるように配置しながら置き、
前記立上がり部と前記支持板部との境界部を折り曲げて該支持板部を前記底板部に対向させるとともに前記立下り部を前記底板部に突き当てるようにした、請求項8記載の包装体の梱包方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−23870(P2010−23870A)
【公開日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−186446(P2008−186446)
【出願日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【出願人】(000003768)東洋製罐株式会社 (1,150)
【Fターム(参考)】