説明

包装体

【課題】開封時における収容物の汚染を防げると共に、内部空間の低湿度状態をより良好に維持できる包装体を提供すること。
【解決手段】包装体1は、第1シート部材21と、第2シート部材22と、第1シート部材21及び第2シート部材22の第1側部同士が接合されて形成された第1接合部23A,23Bと、第1シート部材21及び第2シート部材22の第2側部同士が接合されて形成された第2接合部24A,24Bと、収容空間26と、収容空間26を第1空間261及び第2空間262に隔てる隔膜部材3と、第2空間262に収容される乾燥剤5と、を備え、隔膜部材3は、第2方向WDに沿って延びる第2隔膜側部32A,32Bのうちの一方の第2隔膜側部32Aが第1シート部材21に接合され、他方の第2隔膜側部32Bが第2シート部材22に接合される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装体に関する。より詳細には、内部の無菌性及び低湿度状態を良好に維持できる包装体に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、心臓外科、整形外科、脳神経外科、腹部外科及び産婦人科等の臨床分野において、外科手術後に、あるいは外傷によって、患部の生体組織が癒着することが重大な問題となっている。生体組織の癒着が発生すると、痛みや機能障害が生じてしまう。また、痛みや機能障害がひどい場合には、癒着を剥離するための手術が別途必要となってしまう。また、癒着により、原疾患に対する再手術が困難になるという問題も生じている。
【0003】
このような問題を解決するために、患部における生体組織の間に埋植することで、生体組織の癒着を防止するシート状の癒着防止材が提案されている。このような癒着防止材は、生体吸収性材料により構成されており、埋植後一定期間患部に残存し、その後加水分解されて生体内で吸収される。
このように、生体吸収性材料は、生体組織に埋植されるため無菌性を維持した状態で保管することが必要であり、また、埋植前の加水分解を防ぐために低湿度状態で保管する必要がある。
【0004】
以上のような生体吸収性材料を保管する技術として、上面に開口が設けられ生体吸収性材料が収容される第1収容容器と、この第1収容容器の上方に連続して設けられ乾燥剤が収容されると共に、上面に開口が設けられた第2収容容器と、第1収容容器の開口を覆うように配置され第1収容容器と第2収容容器とを隔てるガス透過性の滅菌シートと、第2収容容器の開口を覆うように配置される耐湿シートと、を備える包装体が提案されている(特許文献1参照)。
【0005】
特許文献1で提案された包装体には、以下のようにして生体吸収性材料が収容される。
まず、第1収容容器に生体吸収性材料を収容し、その後、第1収容容器の開口を滅菌シートで覆う。次いで、生体吸収性材料が収容され、開口が滅菌シートで覆われた状態の包装体を、エチレンオキサイドガス(以下、EOガスともいう)等で滅菌する。次いで、滅菌された包装体の第2収容容器に乾燥剤を収容し、その後、第2収容容器の開口を耐湿シートにより覆う。
【0006】
以上の包装体によれば、第1収容容器の内部空間に残存する水分は、ガス透過性の滅菌シートを透過して第2収容容器に収容された乾燥剤により吸収されるので、第1収容容器の内部空間の低湿度状態を維持できる。また、乾燥剤は滅菌処理されていないため、第2収容容器の内部空間は、無菌性を有していないものの、第1収容容器と第2収容容器とは、細菌不透過性の滅菌シートで隔てられているため、第1収容容器の内部空間の無菌性は維持できる。
【0007】
ここで、特許文献1で提案された包装体では、第1収容容器に収容された生体吸収性材料を使用する場合に、まず、第2収容容器の開口を覆う耐湿シートを剥がして乾燥剤を取り出した後、滅菌シートを剥がして生体吸収性材料を取り出す必要がある。このように、無菌状態の生体吸収性材料を取り出す前に、無菌性の保たれていない第2収容容器を開放する必要があるため、この特許文献1で提案された包装体では、包装体の開封時に生体吸収性材料が汚染されてしまうおそれがあった。
【0008】
そこで、第1外装材と第2外装材とにより形成された空間を、細菌不透過性でガス透過性の隔膜により、第1外装材と第2外装材と隔膜とで形成された第1空間と、第2外装材と隔膜とで形成された第2空間とに仕切り、第1空間に生体吸収性材料を収容し、第2空間に乾燥剤を収容した包装体が提案されている(特許文献2参照)。
【0009】
特許文献2で提案された包装体では、第1外装材の裏面をイージーピール処理することで、第1外装材と第2外装材との接合部、及び第1外装材と隔膜との接合部を剥離容易に接合し、かつ、第2外装材と隔膜との接合部を剥離困難に接合している。これにより、剥離容易に接合された第1外装材を第2外装材及び隔膜から剥離させることで、第2空間を開放することなく第1空間のみを開放できるので、包装体の開封時における生体吸収性材料の汚染を防げる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開平5−212058号公報
【特許文献2】特開平8−230952号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、特許文献2で提案された包装体では、第1外装材と隔膜とが剥離容易に弱接合され、かつ、第1外装材と隔膜との接合部分において隔膜の一部が外部に露出している。そのため、第1外装材と隔膜との接合条件(例えば、加熱条件や加圧条件)によっては、ガス透過性を有する隔膜部分から、水蒸気を含む外部の空気が第1空間に侵入してしまい、第1空間の低湿度状態が維持できなくなってしまうおそれがあった。
【0012】
従って、本発明は、開封時における収容物の汚染を防げると共に、内部空間の低湿度状態をより良好に維持できる包装体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、気体不透過性の第1シート部材と、前記第1シート部材に積層配置される気体不透過性の第2シート部材と、前記第1シート部材及び前記第2シート部材それぞれにおける第1方向に沿って延びる一対の第1側部同士が剥離困難に接合されて形成された一対の第1接合部と、前記第1シート部材及び前記第2シート部材それぞれにおける前記第1方向に交差する第2方向に沿って延びる一対の第2側部同士が接合されて形成された一対の第2接合部と、前記第1シート部材の内面と前記第2シート部材の内面との間に形成される収容空間と、前記第1シート部材と前記第2シート部材との間に配置されて前記収容空間を第1空間及び第2空間に隔てる気体透過性かつ細菌不透過性の隔膜部材と、前記第2空間に収容される乾燥剤と、を備え、前記隔膜部材は、前記第1方向に沿って延びる一対の第1隔膜側部が前記第1シート部材と前記第2シート部材との間に挟持されて前記第1接合部により接合され、前記第2方向に沿って延びる一対の第2隔膜側部のうちの一方の第2隔膜側部が前記第1シート部材の内面に剥離困難に接合され、前記一対の第2隔膜側部のうちの他方の第2隔膜側部が前記第2シート部材の内面に剥離困難に接合される包装体に関する。
【0014】
また、前記第1空間は、前記第1方向における前記隔膜部材よりも一端側に位置し、前記第2空間は、前記第1方向における前記隔膜部材よりも他端側に位置することが好ましい。
【0015】
また、前記一対の第1隔膜側部の外縁は、前記第1シート部材及び前記第2シート部材それぞれにおける前記一対の第1側部の外縁よりも内側に位置することが好ましい。
【0016】
また、包装体は、底部、該底部の周縁部から起立する側壁部、及び該側壁部の上端部から外側に延出するリブ部を有し上部が開口したトレイと、気体透過性かつ細菌不透過性のシート材により構成され前記リブ部に剥離容易に接合されて前記トレイの上部を塞ぐ蓋部と、を有する内包材を更に備え、前記第1空間には、生体吸収材料により構成されるシート状部材が前記内包材における前記トレイの底部に載置された状態で収容されることが好ましい。
【0017】
また、前記隔膜部材は、前記第2方向に延びて形成される折線を有すると共に、該折線が前記一対の第2隔膜側部と前記第1シート部材及び前記第2シート部材との接合部よりも前記第1方向における一端側に位置するように折り畳まれて前記第1シート部材と前記第2シート部材との間に配置されることが好ましい。
【0018】
また、前記隔膜部材は、前記第2方向に延びて形成される折線を有すると共に、該折線が前記一対の第2隔膜側部と前記第1シート部材及び前記第2シート部材との接合部よりも前記第1方向における他端側に位置するように折り畳まれて前記第1シート部材と前記第2シート部材との間に配置されることが好ましい。
【0019】
また、前記一方の第2隔膜側部と前記第1シート部材との接合位置は、前記他方の第2隔膜側部と前記第2シート部材との接合位置よりも前記第1方向における他端側に位置し、前記内包材は、前記蓋部が前記第2シート部材に対向するように前記第1空間に収容されることが好ましい。
【0020】
また、本発明は、第1方向に延びる帯状の第1シート部材の上面に隔膜部材を配置する隔膜部材配置工程と、前記隔膜部材が配置された前記第1シート部材の上面に帯状の第2シート部材を積層する第2シート部材積層工程と、前記隔膜部材において前記第1方向に交差する第2方向に延びる一対の第2隔膜側部のうちの一方の第2隔膜側部と前記第1シート部材とを剥離困難に接合する第1接合工程と、前記一対の隔膜側部のうちの他方の第2隔膜側部と前記第2シート部材とを剥離困難に接合する第2接合工程と、前記第1シート部材における前記第1方向に延びる一対の第1側部と前記第2シート部材における前記第1方向に延びる一対の第1側部とを剥離困難に接合して一対の第1接合部を形成すると共に前記第1方向の一端側が開口した第1空間及び前記第1方向の他端側が開口した第2空間を形成する第3接合工程と、前記第1シート部材及び前記第2シート部材それぞれにおける前記第2方向に延びる一対の第2側部のうちの前記一端側に位置する第2側部同士を剥離困難に接合して前記第1空間を密閉する第1空間密閉工程と、前記第1空間密閉工程により密閉された前記第1空間を滅菌する滅菌工程と、前記第2空間に乾燥剤を収容する乾燥剤収容工程と、前記第1シート部材及び前記第2シート部材それぞれにおける前記一対の第2側部のうちの前記他端側に位置する第2側部同士を剥離困難に接合して前記乾燥剤が収容された前記第2空間を密閉する第2空間密閉工程と、を備える包装体の製造方法に関する。
【0021】
また、前記隔膜部材配置工程において、前記隔膜部材を前記第2方向に延びる折線で折り畳んだ状態で配置することが好ましい。
【発明の効果】
【0022】
本発明の包装体によれば、開封時における収容物の汚染を防げると共に、内部空間の低湿度状態をより良好に維持できる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の第1実施形態に係る包装体を示す斜視図である。
【図2】第1実施形態の包装体を示す平面図である。
【図3】図2のX−X線断面図である。
【図4】第1実施形態の包装体の製造方法における隔膜部材配置工程〜第2接合工程を示す図である。
【図5】第1実施形態の包装体の製造方法における第3接合工程及びノッチ部形成工程を示す図である。
【図6】第1実施形態の包装体の製造方法における内包材収容工程〜第2空間密閉工程を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態に係る包装体を示す断面図である。
【図8】本発明の第3実施形態に係る包装体を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の包装体の好ましい各実施形態について、図面を参照しながら説明する。本発明の包装体1は、例えば、生体吸収性材料により構成されて外科手術等に用いられる医療用部材のような、無菌状態、かつ、低湿度状態で保管する必要のある部材を収容する。
【0025】
まず、第1実施形態の包装体1について、図1〜図3を参照しながら説明する。
第1実施形態の包装体1は、生体吸収性材料により構成されたシート状の癒着防止材10を収容する。生体吸収性材料とは、生体組織に埋植された場合に、一定期間は埋植部分に残存し、その後、加水分解されて生体内に吸収される材料である。
第1実施形態の包装体1に収容される癒着防止材10は、生体吸収性材料としてのラクチド−カプロラクトン共重合体(P(LA/CL))を主体として構成されている。
【0026】
癒着防止材10を構成する生体吸収性材料のポリマー原料は、特に制限されず、種々の生分解性ポリマーを使用できる。
前記生分解性ポリマーとしては、特に制限されないが、例えば、脂肪族ポリエステル、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリカーボネート、ポリアミド等があげられ、好ましくは、脂肪族ポリエステルである。
前記生分解性ポリマーを構成するモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、乳酸、ラクチド、ラクトン、グリコリド、グリコール酸、トリメチレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジイソシアナート、パラジオキサノン、エチレンオキサイド又は、これらの組み合わせによるコポリマー等があげられる。
前記ラクトンとしては、例えば、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、ε−カプロラクトン等があげられ、ε−カプロラクトンが好ましい。
【0027】
前記生分解性ポリマーがコポリマーの場合、前記モノマーの組み合わせ及び割合は、特に制限されない。
前記モノマーの組み合わせは、例えば、ラクチドとラクトン、グリコリドとラクトン等があげられ、好ましくは、ラクチドとラクトンであり、具体的には、例えば、ラクチドとε−カプロラクトン、グリコリドとε−カプロラクトン等があげられ、好ましくは、ラクチドとε−カプロラクトンである。
【0028】
また、前記生分解性ポリマーは、例えば、コラーゲン、ヒアルロン酸、エラスチン、キトサン、キチン、コンドロイチン硫酸、セルロース等の天然高分子であってもよい。
前記天然高分子は、例えば、生体の組織や細胞等からの抽出物でもよいし、形質転換体による産生物でもよいし、合成物でもよく、特に制限されない。
前記天然高分子は、例えば、前記抽出物、産出物又は合成物を、更に、修飾又は誘導体化したものであってもよい。
【0029】
第1実施形態の包装体1は、図1〜図3に示すように、外包材2と、隔膜部材3と、内包材4と、乾燥剤5と、を備える。
外包材2は、第1シート部材21と、この第1シート部材21に積層された第2シート部材22とが互いの周縁部で接合されて袋状に構成される。より具体的には、外包材2は、図1〜図3に示すように、第1シート部材21と、第2シート部材22と、一対の第1接合部23A,23Bと、一対の第2接合部24A,24Bと、ノッチ部25と、収容空間26と、を備える。
【0030】
第1シート部材21及び第2シート部材22は、同形同大の矩形形状に形成され、気体及び液体不透過性のバリア層と、熱可塑性樹脂フィルムにより構成されるシーラント層と、を含んで構成される(いずれも図示せず)。
バリア層を構成する気体及び液体不透過性の部材としては、アルミニウム箔、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、及びPETフィルムにアルミニウムを蒸着して形成したフィルム材等が挙げられる。
シーラント層を構成する熱可塑性樹脂フィルムは、所定の温度及び圧力条件により溶融して融着可能な樹脂により構成される。シーラント層を構成する熱可塑性樹脂としては、ポリプロピレンとポリスチレンのポリマーアロイ、ポリエチレンとポリプロピレンとポリスチレンのポリマーアロイ、ポリプロピレンとポリエチレンとのブレンド樹脂、ポリプロピレンとエラストマーとのブレンド樹脂等が挙げられる。
第1シート部材21と第2シート部材22とは、互いのシーラント層同士が対向するように積層される。
【0031】
一対の第1接合部23A,23Bは、第1シート部材21及び第2シート部材22それぞれにおける第1方向としての長手方向LDに沿って延びる一対の第1側部同士が剥離困難に接合されて形成される。
一対の第2接合部24A,24Bは、第1シート部材21及び第2シート部材22それぞれにおける長手方向LDに交差(直交)する第2方向としての幅方向WDに沿って延びる一対の第2側部同士が接合されて形成される(図2及び図3参照)。
第1実施形態では、一対の第1接合部23A,23B、及び一対の第2接合部24A,24Bは、いずれも、第1シート部材21及び第2シート部材のシーラント層同士をヒートシール処理によって強固に熱融着させることで剥離困難に接合されている。
【0032】
ノッチ部25は、図1及び図2に示すように、一対の第1接合部23A,23Bにおける長手方向LDの一端側に設けられる。より具体的には、ノッチ部25は、包装体1の長手方向LDにおいて、後述する第1空間261が位置する側の端部近傍に設けられる。ノッチ部25は、一対の第1接合部23A,23Bを構成する第1シート部材21及び第2シート部材22が切り欠かれて形成される。
【0033】
収容空間26は、図3に示すように、第1シート部材21の内面と第2シート部材22の内面との間に形成される。この収容空間26は、気体及び液体不透過性の第1シート部材21及び第2シート部材22、並びに、これら第1シート部材21と第2シート部材とが強固に熱融着された一対の第1接合部23A,23B及び一対の第2接合部24A,24Bにより外部と隔てられており、密閉性が確保されている。
【0034】
隔膜部材3は、図3に示すように、第1シート部材21と第2シート部材22との間に配置されて収容空間26を第1空間261及び第2空間262に隔てる。
第1空間261は、包装体1の長手方向LDにおける隔膜部材3よりも一端側である一方の第2接合部24A側に位置している。第2空間262は、包装体1の長手方向LDにおける隔膜部材3よりも他端側である他方の第2接合部24B側に位置している。
【0035】
より詳細には、隔膜部材3は、図1及び図2に示すように、包装体1の長手方向LDに沿って延びる一対の第1隔膜側部31が第1シート部材21と第2シート部材22との間に挟持されて一対の第1接合部23A,23Bにより接合されている。また、隔膜部材3における包装体1の幅方向WDに沿って延びる一対の第2隔膜側部32A,32Bのうちの一方の第2隔膜側部32Aは、図1及び図3に示すように、第1シート部材21の内面に剥離困難に接合され、他方の第2隔膜側部32Bは、第2シート部材22の内面に剥離困難に接合される。
【0036】
第1実施形態では、隔膜部材3は、図1〜図3に示すように、包装体1の幅方向WDに延びて形成される折線33を有している。そして、この折線33が一対の第2隔膜側部32A,32Bと第1シート部材21及び第2シート部材22との接合部の位置よりも長手方向LDの一端側(第1空間261が位置する側)に位置するように折り畳まれて第1シート部材21と第2シート部材22との間に配置されている。また、第2隔膜側部32Aと第1シート部材21の接合位置と、第2隔膜側部32Bと第2シート部材22の接合位置とは、図2及び図3に示すように、平面視において包装体1の厚さ方向に重なり合っている。
【0037】
隔膜部材3における包装体1の幅方向WDに沿う方向の長さは、図2に示すように、第1シート部材21及び第2シート部材22の幅方向WDの長さよりも短く構成されている。つまり、一対の第1隔膜側部31の外縁は、第1シート部材21及び第2シート部材22それぞれにおける一対の第1側部の外縁よりも内側に位置している。
【0038】
以上の隔膜部材3は、気体透過性を有し、かつ細菌不透過性のシート状部材により構成される。気体透過性を有し、かつ細菌不透過性のシート状部材としては、高密度ポリエチレン樹脂繊維により構成された不織布や、天然繊維又は合成樹脂繊維を抄紙して構成した滅菌紙が挙げられる。
第1実施形態では、隔膜部材3として、高密度ポリエチレン樹脂繊維により構成された不織布(商品名:タイベック(登録商標)、デュポン社製)を用いている。
【0039】
内包材4は、シート状の癒着防止材10を収容する。この内包材4は、図1及び図3に示すように、上部が開口し癒着防止材10が載置されるトレイ41と、この開口したトレイ41の上部を覆う蓋部42と、を備える。
トレイ41は、平面視で略正方形状を有する底部411と、この底部411の周縁部から起立する側壁部412と、この側壁部412の上端部から外側に延出するリブ部413と、を備える。
底部411は、癒着防止材10の平面視における面積よりも一回り大きく構成される。この底部411には、上面側に突出する突出溝が所定間隔をあけて行列状に形成されている(図1参照)。癒着防止材10は、この底部411の上面に載置される。
【0040】
側壁部412は、底部411の4つの側縁それぞれから、底部411に対して略垂直に起立して設けられる。側壁部412の高さは、癒着防止材10の厚さよりも高く構成されていればよく、具体的には、8mm〜15mm程度の高さに構成される。
リブ部413は、4つの側壁部412それぞれの上端縁に連続して設けられる。このリブ部413は、底部411と略平行に、外方に向けて延出する。
【0041】
蓋部42は、気体透過性かつ細菌不透過性のシート材により構成される。この蓋部42は、トレイ41のリブ部413の上面に剥離容易に接合されてトレイ41の上部を塞ぐ。
蓋部42とリブ部413とは、ヒートシール処理により弱接合される。
蓋部42は、上述の隔膜部材3と同様の部材を用いて構成できる。第1実施形態では、蓋部42として、高密度ポリエチレン樹脂繊維により構成された不織布(商品名:タイベック(登録商標)、デュポン社製)を用いている。
以上の内包材4は、トレイ41の底部411に癒着防止材10が載置された後に蓋部42により上部が覆われた状態で、第1空間261に収容される。
【0042】
乾燥剤5は、第2空間262に収容される。この乾燥剤5は、第2空間262中に存在する水分を吸収すると共に、気体透過性を有する隔膜部材3を介して第1空間261から水蒸気として第2空間262に透過してくる水分を吸収する。これにより、第1空間261の低湿度状態を維持できる。乾燥剤5としては、例えばシリカゲルを用いることができる。
【0043】
次に、第1実施形態の包装体1の製造方法の好ましい一実施態様につき、図4〜図6を参照しながら説明する。図4〜図6は、いずれも、包装体1の製造方法における各製造工程を模式的に示す図である。図4は、隔膜部材配置工程S1〜第2接合工程S4を示す図であり、各製造工程を断面視で示した図である。図5は、第3接合工程S5及びノッチ部形成工程S6を示す図であり、各製造工程を平面視で示した図である。図6は、内包材収容工程S7〜第2空間密閉工程S11を示す図であり、各工程を断面視で示した図である。
【0044】
本実施態様の包装体1の製造方法は、隔膜部材配置工程S1と、第2シート部材積層工程S2と、第1接合工程S3と、第2接合工程S4と、第3接合工程S5と、ノッチ部形成工程S6と、内包材収容工程S7と、第1空間密閉工程S8と、滅菌工程S9と、乾燥剤収容工程S10と、第2空間密閉工程S11と、を含んで構成される。
【0045】
図4に示すように、隔膜部材配置工程S1では、帯状の第1シート部材21の上面に隔膜部材3が配置される。この隔膜部材配置工程S1では、隔膜部材3は、折線33で二つ折りに折り畳まれた状態で、折線33が第1シート部材21の幅方向に沿うように配置される。
【0046】
第2シート部材積層工程S2では、隔膜部材3が配置された第1シート部材21の上面に、第2シート部材が積層される。
【0047】
第1接合工程S3では、隔膜部材3において第1シート部材21及び第2シート部材22の幅方向に沿って延びる一対の第2隔膜側部32A,32Bのうちの一方の第2隔膜側部32Aと第1シート部材21とが剥離困難に接合される。
【0048】
第2接合工程S4では、他方の第2隔膜側部32Bと第2シート部材22とが剥離困難に接合される。
【0049】
次いで、図5に示すように、第3接合工程S5では、第1シート部材21の一対の第1側部と第2シート部材22の一対の第1側部とが剥離困難に接合されて一対の第1接合部23A,23Bが形成される。また、この第3接合工程S5では、第1シート部材21、第2シート部材22及び隔膜部材3に囲まれ、長手方向LDの一端側が開口した第1空間261、及び第1シート部材21、第2シート部材22及び隔膜部材3に囲まれ、長手方向LDの他端側が開口した第2空間262が形成される(図1参照)。
【0050】
ノッチ部形成工程S6では、カッタ(図示せず)により一対の第1接合部23A,23Bの一部が切り欠かれてノッチ部25が形成される。
【0051】
以上の隔膜部材配置工程S1〜ノッチ部形成工程S6により、長手方向LDの一端側及び他端側が開口され、第1空間261及び第2空間262が開放された状態の外包材2が製造される(図1参照)。
【0052】
次いで、図6に示すように、内包材収容工程S7では、外包材2の長手方向LDの一端側の開口から内包材4が第1空間261に収容される。
【0053】
第1空間密閉工程S8では、第1シート部材21及び第2シート部材22それぞれにおける一対の第2側部のうちの第1空間261が位置する側に位置する第2側部同士が剥離困難に接合されて第2接合部24Aが形成される。これにより、第1空間261が密閉される。
【0054】
滅菌工程S9では、内包材4が収容された第1空間261が滅菌される。より具体的には、この滅菌工程S9では、外包材2の第2空間262側の開口からEOガスが供給される。すると、供給されたEOガスは、隔膜部材3を透過して第1空間261に供給され、これにより、密閉された第1空間261が滅菌される。ここで、隔膜部材3は、折線33で二つ折りに折り畳まれた状態で第1シート部材21及び第2シート部材22に接合されているので、図6に示すように、EOガスが第1空間261に供給されると、外包材2は厚さ方向に膨らむ。これにより、第1空間261には多くのEOガスが充填される。
【0055】
乾燥剤収容工程S10では、外包材2の長手方向LDの他端側の開口から第2空間262に乾燥剤が収容される。
【0056】
第2空間密閉工程S11では、第1シート部材21及び第2シート部材22それぞれにおける一対の第2側部のうちの第2空間262が位置する側に位置する第2側部同士が剥離困難に接合されて第2接合部24Bが形成される。これにより、第2空間262が密閉されて、包装体1が製造される。
【0057】
以上の包装体1は、図3に示すように、外包材2の収容空間26が隔膜部材3により第1空間261と第2空間262に隔てられており、第1空間261に癒着防止材10が収容された内包材4が収容され、第2空間262に乾燥剤5が収容される。
【0058】
以上説明した第1実施形態の包装体1、及び包装体1の製造方法によれば、以下のような効果を奏する。
【0059】
(1)第1シート部材21と第2シート部材22とにより形成された収容空間26を、隔膜部材3により第1空間261と第2空間262とに隔てると共に、隔膜部材3と第1シート部材21及び第2シート部材22とを剥離困難に接合した。これにより、隔膜部材3と第1シート部材21及び第2シート部材22とが強固に接合されるので、隔膜部材3と第1シート部材21及び第2シート部材22との接合部分から隔膜部材3を通じて第1空間261及び第2空間262に外部の空気が侵入しない。よって、第1空間261及び第2空間262の低湿度状態を良好に保てる。また、第1シート部材21及び第2シート部材22における第1空間261を形成する部分を開封することで、第2空間262を開放することなく第1空間261に収容された癒着防止材10を取り出せるので、包装体1の開封時における収容物の汚染を防げる。
【0060】
(2)第1空間261を包装体1の長手方向LDにおける一端側に位置させ、第2空間262を長手方向LDにおける他端側に位置させた。これにより、第1空間261と第2空間262とが包装体1の長手方向LDにずれて配置されるので、第1空間261と第2空間262とが包装体1の厚さ方向(上下方向)に重なり合う部分を少なくできる。よって、第2空間262に収容された乾燥剤5と第1空間261に収容された癒着防止材10とが包装体1の厚さ方向に重なり合わないので、乾燥剤5と癒着防止材10とが物理的に干渉することに起因する癒着防止材10の損傷を防げる。
【0061】
(3)隔膜部材3の一対の第1隔膜側部31の外縁を、第1シート部材21及び第2シート部材22の一対の第1側部の外縁よりも内側に位置させた。これにより、一対の第1接合部23A,23Bにおいて隔膜部材3が外部に露出しないので、第1空間261及び第2空間262への外部からの気体の侵入防止効果をより向上できる。
【0062】
(4)癒着防止材10を、気体透過性かつ細菌不透過性のシート材により構成した蓋部42により開口を塞いだトレイ41の底部411に載置した状態で第1空間261に収容した。これにより、癒着防止材10を二重に包装できるので、包装体1に外力が負荷された場合に癒着防止材10に与える影響をより低減できる。また、蓋部42を気体透過性かつ細菌不透過性のシート材により構成したので、内包材4の内部空間の水分も乾燥剤5により除去できる。よって、癒着防止材が載置される内包材4の内部空間の低湿度状態を良好に維持できる。
【0063】
(5)隔膜部材3を包装体1の幅方向WDに延びる折線33で折り返した状態で第1シート部材21と第2シート部材22との間に配置した。これにより、第1空間261にエチレンオキサイドガス(EOガス)を充填して滅菌処理を施す場合に、折り畳まれた隔膜部材3が包装体1の厚さ方向に広がることで第1空間261に多くのEOガスを供給できるので、第1空間261の滅菌効率を向上できる。また、隔膜部材3の表面積を広く構成できるので、この隔膜部材3を介した第1空間261と第2空間262との間の気体の流通性を向上できる。
【0064】
(6)隔膜部材配置工程S1〜ノッチ部形成工程S6により、包装体1の長手方向LDの一端側及び他端側が開口されて、第1空間261及び第2空間262が開放された状態の外包材2を形成した。これにより、第1空間261に収容する癒着防止材10、及び第2空間262に収容する乾燥剤5を、互いに、外包材2の長手方向LDにおける異なる方向から収容できる。よって、癒着防止材10及び乾燥剤5を包装体1における近接した位置から収容しないので、包装体1の製造工程において、癒着防止材10及び乾燥剤5を誤った空間に収容することを防げる。
【0065】
(7)第1空間密閉工程S8及び第2空間密閉工程S11において、第1シート部材21と第2シート部材22とを剥離困難に接合して第1空間261及び第2空間262を密閉した。これにより、外包材2に癒着防止材10及び乾燥剤5を収容した後に設けられる一対の第2接合部24A,24Bを、隔膜部材3を介在させることなく形成できる。よって、一対の第2接合部24A,24Bをより安定的に形成できるので、包装体1の密閉性をより向上できる。
【0066】
次に、本発明の包装体1の第2実施形態について図7を参照しながら説明する。図7は、本発明の第2実施形態に係る包装体1を示す断面図であり、図3に対応する図である。尚、第2実施形態以降の説明にあたって、同一構成要件については同一符号を付し、その説明を省略もしくは簡略化する。
【0067】
第2実施形態の包装体1は、主として、隔膜部材3における折線33の配置において第1実施形態と異なる。より具体的には、第2実施形態では、折線33が一対の第2隔膜側部32A,32Bと第1シート部材21及び第2シート部材22との接合部よりも長手方向LDにおける他端側である第2空間262が位置する側に位置するように折り畳まれて第1シート部材21と第2シート部材22との間に配置されている。
【0068】
第2実施形態の包装体1によれば、上述した(1)〜(7)の効果を奏する他、以下のような効果を奏する。
【0069】
(8)隔膜部材3を、折線33が包装体1の長手方向LDの他端側に位置するように折り畳んだ。よって、第1空間261の容積を大きく構成できる。
【0070】
次に、本発明の包装体1の第3実施形態について図8を参照しながら説明する。図8は、本発明の第3実施形態に係る包装体1を示す断面図であり、図3に対応する図である。
【0071】
第3実施形態の包装体1は、主として、隔膜部材3の配置において第1実施形態と異なる。より具体的には、第3実施形態では、隔膜部材3は、折線を有しておらず、折り畳まれずに第1シート部材21と第2シート部材22との間に配置される。
そして、図8に示すように、隔膜部材3の一方の第2隔膜側部32Aと第1シート部材21との接合位置は、他方の第2隔膜側部32Bと第2シート部材22との接合位置よりも長手方向LDにおける他端側である第2空間262が位置している側に位置している。また、内包材4は、蓋部42が第2シート部材22に対向するように第1空間261に収容されている。
【0072】
第3実施形態の包装体1によれば、上述した(1)〜(7)の効果を奏する他、以下のような効果を奏する。
【0073】
(9)一方の第2隔膜側部32Aと第1シート部材21との接合位置を、他方の第2隔膜側部32Bと第2シート部材22との接合位置よりも長手方向LDの他端側に位置させ、内包材4を、蓋部42が第2シート部材22に対向するように第1空間261に収容した。これにより、第1空間261において、内包材4の蓋部42に対向して配置される側の面(上面)を、隔膜部材3及び第2シート部材22により構成できるので、蓋部42の外面の全面が第2シート部材22に密着することを防げる。よって、内包材4の内部空間の気体の蓋部42を介した流通を阻害しないので、内包材4の内部空間の低湿度状態を良好に維持できる。
【0074】
以上、本発明の包装体1の好ましい各実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態に制限されることなく、種々の形態で実施することができる。
例えば、第1実施形態〜第3実施形態では、隔膜部材3の全体を高密度ポリエチレン樹脂繊維により構成された不織布により構成したが、これに限らない。即ち、隔膜部材を、主として第1シート部材及び第2シート部材と同様の材料により構成し、一部分を高密度ポリエチレン樹脂繊維により構成された不織布により構成してもよい。
【0075】
また、第1実施形態〜第3実施形態では、隔膜部材3の一対の第1隔膜側部31の外縁を、第1シート部材21及び第2シート部材22の一対の第1側部の外縁よりも内側に位置させたが、これに限らない。即ち、隔膜部材の一対の第1隔膜側部の外縁を、第1シート部材及び第2シート部材の一対の第1側部の外縁と同じ位置に位置させてもよい。
【0076】
また、第1実施形態〜第3実施形態では、包装体1に、生体吸収性材料により構成された癒着防止材10を収容したが、これに限らない。即ち、包装体に、生体吸収性材料により構成された手術用の糸や、骨折部分の骨を固定する骨ピンを収容してもよい。
【符号の説明】
【0077】
1 包装体
2 外包材
3 隔膜部材
4 内包材
5 乾燥剤
10 癒着防止材(シート状部材)
21 第1シート部材
22 第2シート部材
23A,23B 第1接合部
24A,24B 第2接合部
26 収容空間
31 第1隔膜側部
32A,32B 第2隔膜側部
33 折線
41 トレイ
42 蓋部
261 第1空間
262 第2空間
411 底部
412 側壁部
413 リブ部
S1 隔膜部材配置工程
S2 第2シート部材積層工程
S3 第1接合工程
S4 第2接合工程
S5 第3接合工程
S6 ノッチ部形成工程
S7 内包材収容工程
S8 第1空間密閉工程
S9 滅菌工程
S10 乾燥剤収容工程
S11 第2空間密閉工程

【特許請求の範囲】
【請求項1】
気体不透過性の第1シート部材と、
前記第1シート部材に積層配置される気体不透過性の第2シート部材と、
前記第1シート部材及び前記第2シート部材それぞれにおける第1方向に沿って延びる一対の第1側部同士が剥離困難に接合されて形成された一対の第1接合部と、
前記第1シート部材及び前記第2シート部材それぞれにおける前記第1方向に交差する第2方向に沿って延びる一対の第2側部同士が接合されて形成された一対の第2接合部と、
前記第1シート部材の内面と前記第2シート部材の内面との間に形成される収容空間と、
前記第1シート部材と前記第2シート部材との間に配置されて前記収容空間を第1空間及び第2空間に隔てる気体透過性かつ細菌不透過性の隔膜部材と、
前記第2空間に収容される乾燥剤と、を備え、
前記隔膜部材は、
前記第1方向に沿って延びる一対の第1隔膜側部が前記第1シート部材と前記第2シート部材との間に挟持されて前記第1接合部により接合され、
前記第2方向に沿って延びる一対の第2隔膜側部のうちの一方の第2隔膜側部が前記第1シート部材の内面に剥離困難に接合され、
前記一対の第2隔膜側部のうちの他方の第2隔膜側部が前記第2シート部材の内面に剥離困難に接合される包装体。
【請求項2】
前記第1空間は、前記第1方向における前記隔膜部材よりも一端側に位置し、
前記第2空間は、前記第1方向における前記隔膜部材よりも他端側に位置する請求項1に記載の包装体。
【請求項3】
前記一対の第1隔膜側部の外縁は、前記第1シート部材及び前記第2シート部材それぞれにおける前記一対の第1側部の外縁よりも内側に位置する請求項1又は2に記載の包装体。
【請求項4】
底部、該底部の周縁部から起立する側壁部、及び該側壁部の上端部から外側に延出するリブ部を有し上部が開口したトレイと、気体透過性かつ細菌不透過性のシート材により構成され前記リブ部に剥離容易に接合されて前記トレイの上部を塞ぐ蓋部と、を有する内包材を更に備え、
前記第1空間には、生体吸収材料により構成されるシート状部材が前記内包材における前記トレイの底部に載置された状態で収容される請求項1〜3のいずれかに記載の包装体。
【請求項5】
前記隔膜部材は、前記第2方向に延びて形成される折線を有すると共に、該折線が前記一対の第2隔膜側部と前記第1シート部材及び前記第2シート部材との接合部よりも前記第1方向における一端側に位置するように折り畳まれて前記第1シート部材と前記第2シート部材との間に配置される請求項1〜4のいずれかに記載の包装体。
【請求項6】
前記隔膜部材は、前記第2方向に延びて形成される折線を有すると共に、該折線が前記一対の第2隔膜側部と前記第1シート部材及び前記第2シート部材との接合部よりも前記第1方向における他端側に位置するように折り畳まれて前記第1シート部材と前記第2シート部材との間に配置される請求項1〜4のいずれかに記載の包装体。
【請求項7】
前記一方の第2隔膜側部と前記第1シート部材との接合位置は、前記他方の第2隔膜側部と前記第2シート部材との接合位置よりも前記第1方向における他端側に位置し、
前記内包材は、前記蓋部が前記第2シート部材に対向するように前記第1空間に収容される請求項4に記載の包装体。
【請求項8】
第1方向に延びる帯状の第1シート部材の上面に隔膜部材を配置する隔膜部材配置工程と、
前記隔膜部材が配置された前記第1シート部材の上面に帯状の第2シート部材を積層する第2シート部材積層工程と、
前記隔膜部材において前記第1方向に交差する第2方向に延びる一対の第2隔膜側部のうちの一方の第2隔膜側部と前記第1シート部材とを剥離困難に接合する第1接合工程と、
前記一対の隔膜側部のうちの他方の第2隔膜側部と前記第2シート部材とを剥離困難に接合する第2接合工程と、
前記第1シート部材における前記第1方向に延びる一対の第1側部と前記第2シート部材における前記第1方向に延びる一対の第1側部とを剥離困難に接合して一対の第1接合部を形成すると共に前記第1方向の一端側が開口した第1空間及び前記第1方向の他端側が開口した第2空間を形成する第3接合工程と、
前記第1シート部材及び前記第2シート部材それぞれにおける前記第2方向に延びる一対の第2側部のうちの前記一端側に位置する第2側部同士を剥離困難に接合して前記第1空間を密閉する第1空間密閉工程と、
前記第1空間密閉工程により密閉された前記第1空間を滅菌する滅菌工程と、
前記第2空間に乾燥剤を収容する乾燥剤収容工程と、
前記第1シート部材及び前記第2シート部材それぞれにおける前記一対の第2側部のうちの前記他端側に位置する第2側部同士を剥離困難に接合して前記乾燥剤が収容された前記第2空間を密閉する第2空間密閉工程と、を備える包装体の製造方法。
【請求項9】
前記隔膜部材配置工程において、前記隔膜部材を前記第2方向に延びる折線で折り畳んだ状態で配置する請求項8に記載の包装体の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−96847(P2012−96847A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−248509(P2010−248509)
【出願日】平成22年11月5日(2010.11.5)
【出願人】(000153030)株式会社ジェイ・エム・エス (452)
【Fターム(参考)】