説明

包装材セット

【課題】本発明の課題は、被包装物が複数品目あるような製品において、容易に包装でき、かつ、シンプルな構成の包装材セットを提供することにある。
【解決手段】包装材セット1は、第1部材3と、第1部材の上方に配置される第2部材2とを少なくとも有する被包装物を梱包するための包装材セット1であって、外装ケース10と、内部包装部材20と、固定部材30とを備える。外装ケースは、所定空間を囲う。内部包装部材は、第2部材を収納する第2スペースSP2を除く空間に配置され、第1部材を収納する第1スペースSP1を、所定空間の内部に区切る。固定部材は、内部包装部材が鉛直方向に移動しないように固定する。内部包装部材は、面状の部材を折り曲げて形成され、第1スペースを囲う面部21〜23を有する。面部は、第1スペースの上方を覆う上面部21を含む。固定部材は、上面部を押さえつけるように外装ケースに嵌められる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の部材で構成される被包装物を包装するための包装材セットに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の部材で構成される被包装物を包装する包装材セットには、特許文献1(特開2002−240859号公報)のようなものがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1(特開2002−240859号公報)では、梱包材の部品点数が多く、かつ、形状が複雑であり、梱包するのに多くの手間が掛かり、コストアップの原因となる。
【0004】
本発明の課題は、被包装物が複数品目あるような製品において、容易に包装でき、かつ、シンプルな構成の包装材セットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1発明に係る包装材セットは、第1部材と、第1部材の上方に配置される第2部材とを少なくとも有する被包装物を梱包するための包装材セットであって、外装ケースと、内部包装部材と、固定部材とを備える。外装ケースは、上面と、下面と、上面および下面を支える側面とを少なくとも有し、所定空間を囲う。内部包装部材は、第2部材を収納する第2スペースを除く空間に配置され、第1部材を収納する第1スペースを、所定空間の内部に区切る。固定部材は、内部包装部材が所定空間内部を鉛直方向に移動しないように固定する。内部包装部材は、面状の部材を折り曲げて形成され、第1スペースを囲う面部と、折り曲げ加工が施されている折り曲げ部とを有する。面部は、第1スペースの上方を覆う上面部を含む。固定部材は、上面部を押さえつけるように外装ケースに嵌められる。
【0006】
本発明の包装材セットは、外装ケースの内部に内部包装部材を配置して、内部包装部材の内部に第1部材を収納する。そして、固定部材により、内部包装部材の一部であって第1部材の上方を覆う上面部が押さえつけられて、外装ケースに嵌められた状態で収納される。
【0007】
このように本発明の包装材セットでは、内部包装部材の上面部を固定部材により固定した状態にすることができるため、残りの被包装物である第2部材をその上の空間に収める場合に、上面部が邪魔になることがなく収納作業を行うことができる。
【0008】
第2発明に係る包装材セットは、第1発明に係る包装材セットであって、被包装物は、第3部材をさらに有する。固定部材は、第2スペースと第3スペースとに第1スペースを除く所定空間をさらに分割する仕切り部を有する。第3スペースは、第3部材を収納可能である。仕切り部は、鉛直方向を含む矩形上の面からなる。
【0009】
本発明の包装材セットは、固定部材の一部である仕切り部が、第1スペース(内部包装部材が占有するスペース)を除く所定空間をさらに、第2スペースと第3スペースとに区切っている。そして、第2スペースに第2部材が収納され、第3スペースに第3部材が収納されることになる。すなわち、固定部材は、内部包装部材の上面部を抑えつつ、固定部材の一部である仕切り部により、第2スペースと第3スペースとを生み出していることになる。
【0010】
したがって、内部包装部材に収納される第1部材以外の第2部材および第3部材を、残りの第2スペースおよび第3スペースに収納させることができる。
【0011】
第3発明に係る包装材セットは、第2発明に係る包装材セットであって、仕切り部は、鉛直方向における両端の辺のうち、一方の辺の少なくとも一部が上面に接しており、他方の辺の少なくとも一部が上面部に接する。
【0012】
本発明の包装材セットは、固定部材のうちの仕切り部が内部包装部材の上面部から外装ケースの上面まで鉛直方向に延びているため、外装ケースが閉じた状態(すなわち、本発明の包装材セットが完全に密閉された状態)においては、少なくとも内部包装部材の上面部を開きにくくすることができる。したがって、輸送の際に、内部包装部材から第1部材が飛び出して、外装ケースの内部を第1部材が飛び跳ねるなどして動くことにより破損することを防ぐことができる。
【0013】
第4発明に係る包装材セットは、第3発明に係る包装材セットであって、内部包装部材は、所定空間の上部を除く空間のうちで、外装ケースの少なくとも一部の側面近傍の第4スペースを除いた部分を第1スペースとして区切る。仕切り部は、第4スペースにおいて、他方の辺のうちで少なくとも一部以外の辺が下面に接する。
【0014】
本発明の包装材セットでは、固定部材の仕切り部が、外装ケースの上面と下面との両方に接している部分がある。したがって、梱包された状態の包装材セットにおいて、鉛直方向における強度(例えば、上下からの圧力に対する強度)を確保することができる。これにより、鉛直方向における圧力などにより、非包装物が破損することを防ぐことができる。
【0015】
第5発明に係る包装材セットは、第4発明に係る包装材セットであって、固定部材は、仕切り部材の面上の水平方向における両端に、中心軸が第1方向に延びる筒状の2つの筒部をさらに有する。2本の筒部は、その一部が少なくとも第4スペースに配置され、その側面の少なくとも一部が側面に接しており、かつ、その両端が上面および下面に圧着している。
【0016】
本発明の包装材セットでは、固定部材における仕切り部の面上の水平方向における両端に、鉛直方向に延びる筒状の2つの筒部が配置されている。そして、2つの筒部は、その側面の一部が外装ケースの側面と接しており、その両端が外装ケースの上面から下面へと延びている。
【0017】
したがって、梱包された状態の包装材セットにおいて、鉛直方向における強度(例えば、上下からの圧力に対する強度)をより確保することができる。これにより、鉛直方向における圧力などにより、非包装物が破損することを防ぐことができる。また、水平方向における強度(外装ケースの側面へ掛かる圧力に対する強度)も確保することができる。
【0018】
第6発明に係る包装材セットは、第5発明に係る包装材セットであって、固定部材は、仕切り部が略平行になるように2つ並んで配置される。第2部材を収納する第2スペースは、2つの仕切り部と、筒部と、上面部と、上面とにより囲まれている。
【0019】
本発明の包装材セットでは、第2部材を、2つの仕切り部と、筒部と、上面部と、上面とが支えている。したがって、2つの仕切り部と、筒部と、上面部と、上面とにより形成される第2スペースの内部から第2部材がどの方向にも動かないように固定できる。
【0020】
第7発明に係る包装材セットは、第6発明に係る包装材セットであって、内部包装部材は、固定部材の第2スペースとは逆側に、固定部材が移動することを防止するスペーサをさらに有する。
【0021】
したがって、第2部材が輸送の際に動いて、第2スペースから移動することをさらに防ぐことができる。
【0022】
第8発明に係る包装材セットは、第1発明から第7発明のいずれかに係る包装材セットであって、内部包装部材は、外装ケースの側面と、少なくとも3箇所で接している。
【0023】
したがって、第1部材が輸送の際に動いて、内部包装部材が外装ケースの内部で移動することを防ぐことができる。
【0024】
第9発明に係る包装材セットは、第1発明から第8発明のいずれかに係る包装材セットであって、外装ケース、内部包装部材、および固定部材は、ダンボールから成る。
【0025】
したがって、組立を容易にでき、組立コストを安価にすることができる。
【0026】
第10発明に係る包装材セットは、外装ケース組立ステップと、内部包装部材組立ステップと、第1部材収納ステップと、密閉ステップと、固定ステップとを備える。外装ケース組立ステップでは、上面と、下面と、上面および下面を支える側面とを少なくとも有し、所定空間を囲う外装ケースを組み立てる。内部包装部材組立ステップでは、第1スペースを所定空間の内部に区切る内部包装部材を、所定空間の上部を除く空間に配置して組み立てる。第1部材収納ステップでは、第1部材を第1スペースに収納する。密閉ステップでは、内部包装部材の一部であって、第1スペースを覆う上面部を折り曲げて第1スペースを密閉する。固定ステップでは、内部包装部材が所定空間の内部を鉛直方向に移動しないように、上面部を押さえつけて外装ケースに固定部材を嵌める。
【0027】
本発明の梱包方法は、外装ケースの内部に内部包装部材を配置して、内部包装部材の内部に第1部材を収納する。そして、固定部材により、内部包装部材の一部であって第1部材の上方を覆う上面部が押さえつけられて、外装ケースに嵌められた状態で収納される。
【0028】
このように本発明の梱包方法では、内部包装部材の上面部を固定部材により固定した状態にすることができるため、例えば、残りの被包装物である第2部材をその上の空間に収める場合や外装ケースの蓋(すなわち上面)で塞ぐ場合などに、上面部が邪魔になることがなく収納作業を行うことができる。
【発明の効果】
【0029】
第1発明に係る包装材セットでは、内部包装部材の上面部を固定部材により固定した状態にすることができるため、例えば、残りの被包装物である第2部材をその上の空間に収める場合や外装ケースの蓋(すなわち上面)で塞ぐ場合などに、上面部が邪魔になることがなく収納作業を行うことができる。
【0030】
第2発明に係る包装材セットでは、内部包装部材に収納される第1部材以外の第2部材および第3部材を、残りの第2スペースおよび第3スペースに収納させることができる。
【0031】
第3発明に係る包装材セットでは、固定部材のうちの仕切り部が内部包装部材の上面部から外装ケースの上面まで鉛直方向に延びているため、外装ケースが閉じた状態(すなわち、本発明の包装材セットが完全に密閉された状態)においては、少なくとも内部包装部材の上面部を開きにくくすることができる。したがって、輸送の際に、内部包装部材から第1部材が飛び出して、外装ケースの内部を第1部材が飛び跳ねるなどして動くことにより破損することを防ぐことができる。
【0032】
第4発明に係る包装材セットでは、梱包された状態の包装材セットにおいて、鉛直方向における強度(例えば、上下からの圧力に対する強度)を確保することができる。これにより、鉛直方向における圧力などにより、非包装物が破損することを防ぐことができる。
【0033】
第5発明に係る包装材セットでは、梱包された状態の包装材セットにおいて、鉛直方向における強度(例えば、上下からの圧力に対する強度)をより確保することができる。これにより、鉛直方向における圧力などにより、非包装物が破損することを防ぐことができる。また、水平方向における強度(外装ケースの側面へ掛かる圧力に対する強度)も確保することができる。
【0034】
第6発明に係る包装材セットでは、2つの仕切り部と、筒部と、上面部と、上面とにより形成される第2スペースの内部から第2部材がどの方向にも動かないように固定できる。
【0035】
第7発明に係る包装材セットでは、第2部材が輸送の際に動いて、第2スペースから移動することをさらに防ぐことができる。
【0036】
第8発明に係る包装材セットでは、第1部材が輸送の際に動いて、内部包装部材が外装ケースの内部で移動することを防ぐことができる。
【0037】
第9発明に係る包装材セットでは、組立を容易にでき、組立コストを安価にすることができる。
【0038】
第10発明に係る梱包方法では、内部包装部材の上面部を固定部材により固定した状態にすることができるため、例えば、残りの被包装物である第2部材をその上の空間に収める場合や外装ケースの蓋(すなわち上面)で塞ぐ場合などに、上面部が邪魔になることがなく収納作業を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の一実施形態に係る梱包対象および梱包材の分解斜視図。
【図2】図1の梱包材の手前側の面、右側の面、および上面を除いた図。
【図3】図1のIII−III断面図。
【図4】内部収納ケースの展開図。
【図5】収納スペーサの展開図。
【図6】センサキット本体を包装する手順を示すフローチャート。
【図7】変形例(4)に係る図2に対応する図。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。なお、以下の第一実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。図1は、本発明の一実施形態に係る梱包対象および梱包材の分解斜視図であり、図2は、図1の梱包材の手前側の面、右側の面、および上面を除いた図である。図3は、図1の一点鎖線で記載した面で分割した部分のIII−III断面図である。
【0041】
<包装材セット>
包装材セット1は、センサキットなどの製品を梱包して、輸送の際の衝撃や傷つきから製品を保護するための部材である。以下は、センサキット本体2を梱包する包装材セットを例に説明する。
【0042】
<包装材セットの構成>
包装材セットは、主として、外装ケース10と、内部収納ケース20と、2つの収納スペーサ30とにより構成される。これらの、外装ケース10と、内部収納ケース20と、2つの収納スペーサ30とは、ダンボールによりなる。
【0043】
外装ケース10は、天面部材11、底面部材12、正面部材13、背面部材14、左側面部材15、および右側面部材16の面に囲まれる直方体形状の箱である。なお、図1において、手前側を正面、奥側を背面とする。
【0044】
内部収納ケース20は、外装ケース10の下部に配置され、第1スペースSP1としてセンサキット本体2に付属される付属品であるフランジ3を収納する。内部収納ケース20は、主に、上面部材21と、底面部材22と、2つの側面部材23とにより構成される(図1,2,4参照)。図4は、内部収納ケース20の展開図である。底面部材22は、外装ケース10の底面部材12の左右方向および前後方向においてほぼ同じ長さの部分があり、外装ケース10の側面を形成する正面部材13、背面部材14、左側面部材15、および右側面部材16に接している。すなわち、内部収納ケース20は、底面部材22が前後方向においては正面部材13と背面部材14とに挟まれて接しており、左右方向においては左側面部材15と右側面部材16とに挟まれて接していることになり、外装ケース10の内部において前後左右方向に固定される。また、内部収納ケース20は、外装ケース10の内部において底部のうちの正面部材13および背面部材14近傍の第4スペースSP4を除く空間を第1スペースSP1として区切っている。また、2つの側面部材23の、左右方向の両端にスペーサとしての延長部分23aが設けられている。
【0045】
内部収納ケース20に、フランジ3を収納する際には、フランジ3がちょうど嵌合するようにかたどったフランジ収納用スペーサ24(図3の網掛けのハッチングを参照)を配置する。さらに、上面部材21によりフランジ3の上面を覆う前に上面部材21とフランジ3との間にフランジ用緩衝材25(図3の斜線ハッチングを参照)を配置する。フランジ用緩衝材25はまた、フランジ3とフランジ3との間や、底面部材22とフランジ3との間にも挿入される。このように、第1スペースSP1においては、フランジ3が嵌合された状態のフランジ収納用スペーサ24とフランジ用緩衝材25とが積層された状態で密閉されることになる。これにより、フランジ3が第1スペースSP1においてどの方向にも動かないようにすることができ、輸送の際に振動や衝撃などがあっても安全に輸送でき、かつ、フランジ3やセンサキット本体2等の製品の破損を防ぐことができる。
【0046】
2つの収納スペーサ30は、主に、外装ケース10内部の空間のうちで第1スペースSP1を除く空間を分割する仕切り部31と、中心軸が鉛直方向に延びる2本の筒部32とを有する(図1,2,5参照)。図5は、収納スペーサ30の展開図である。仕切り部31は、外装ケース10の内部を左右に分割する方向に仕切っており、外装ケース10の天面部材11、底面部材12、正面部材13、および背面部材14に接する。すなわち、仕切り部31は、外装ケース10の内部を上下方向および前後方向に延びている。2本の筒部32は、仕切り部31の前後方向の端部の辺に沿って鉛直方向に延びるように配置され、その両端が外装ケース10の天面部材11と底面部材12とに圧着した状態となっている。また、2本の筒部32は、その断面が四角形状となっており、その側面が正面部材13または背面部材14と接している。2つの収納スペーサ30は、右側または左側から視ると、外装ケース10の左側側面部材15または右側側面部材14の形状から、内部収納ケース20が占有する第1スペースの部分を除いた形状となる。すなわち、長方形状の底部の中央付近を、小さな長方形で切り欠いたような形状となる。そして、その切り欠いた小さな長方形の水平方向外側に2つの筒部32が配置されるような構造となっている。
【0047】
2つの収納スペーサ30は、筒部32が仕切り部31の片側の面に設けられており、外装ケース10内部において筒部32が設けられる側を内側として向かい合って配置される。このように、2つの収納スペーサは、外装ケース10内部の空間のうちで第1スペースSP1を除く空間を、外装ケース10の中心を含む第2スペースSP2と、第2スペースSP2の外側の2つの第3スペースSP3とに分割している。また、2つの収納スペーサ30は、内部収納ケース20の2つの側面部材23に設けられた延長部分23aにより、第2スペースSP2とは反対側(すなわち、2つの筒部が配置される面とは反対側)に移動しないようにできる。
【0048】
なお、第2スペースSP2には、センサキット本体2が収納され、第3スペースSP3にはその他の付属品が収納される。なお、ここにいう「その他の付属品」とは、例えば、フランジ3をセンサキット本体2に取り付けるためのボルトおよびナットや、センサキット本体2を配置するためのボルトおよびナットなどがある。
【0049】
<センサおよびその付属品の包装手順>
センサキット本体2およびその付属品を包装する手順について図6のフローチャートに基づいて説明する。センサキット本体2およびその付属品の包装は、以下のステップS1からステップS3までの手順を行うことにより為される。
【0050】
ステップS1では、外装ケース10を組み立てて、天面部材11が開放されている状態とする。
【0051】
ステップS2では、外装ケース10の底部に、内部収納ケース20をその2つの側面部材23が折り曲げられた状態で配置する。
【0052】
ステップS3では、フランジ収納用スペーサ24を配置して、フランジ3を収納する。
【0053】
ステップS4では、フランジ用緩衝材25を配置して、2つの側面部材23の延長部分23aを鉛直方向に残した状態で内部収納ケース20の上面部材21を折り曲げて閉じる。
【0054】
ステップS5では、収納スペーサ30を外装ケース10の内部に片側の1つだけ配置する。これにより、内部収納ケース20の上面部材21が収納スペーサ30により上から押さえられた状態となる。
【0055】
ステップS6では、ステップS5により既に配置された収納スペーサ30の仕切り部31および筒部32に接するようにセンサキット本体2を配置する。
【0056】
ステップS7では、ステップS5により既に配置された収納スペーサ30の反対側にもう1つの収納スペーサ30を配置する。
【0057】
ステップS8では、収納スペーサ30を配置し終えたことにより生じた第3スペースSP3に残りの付属品を配置する。
【0058】
ステップS9では、センサキット本体2の上面に緩衝材を配置した後に、外装ケース10の天面部材11を折り曲げて閉じる。
【0059】
<特徴>
(1)
本実施形態の包装材セット1は、外装ケース10の内部に内部収納ケース20を配置して、内部収納ケース20の内部にセンサキット本体2の付属品であるフランジ3を収納する。そして、収納スペーサ30により、内部収納ケース20の一部であってフランジ3の上方を覆う上面部材21が押さえつけられて、外装ケース10に嵌められた状態で収納される。
【0060】
このように包装材セット1では、内部収納ケース20の上面部材21を収納スペーサ30により固定した状態にすることができるため、センサキット本体2をその上の空間に収める際に、上面部材21が邪魔になることがなく収納作業を行うことができる。
【0061】
また、収納スペーサ30のうちの仕切り部30が内部収納ケース20の上面部材21から外装ケースの上面まで鉛直方向に延びているため、外装ケースが閉じた状態(すなわち、本発明の包装材セットが完全に密閉された状態)においては、少なくとも内部収納ケース20の上面部材21を開きにくくすることができる。したがって、輸送の際に、内部収納ケース20からフランジ3が飛び出して、外装ケース10の内部をフランジ3が飛び跳ねるなどして動くことにより破損することを防ぐことができる。
【0062】
(2)
本実施形態の包装材セット1は、収納スペーサ30の一部である仕切り部31が、第1スペースSP1(内部収納ケース20が占有するスペース)を除く外装ケース10の内部空間をさらに、第2スペースSP2と第3スペースSP3とに区切っている。そして、第2スペースSP2に本体であるセンサキット本体2が収納され、第3スペースSP3に第3部材が収納されることになる。すなわち、収納スペーサ30は、内部収納ケース20の上面部材21を抑えつつ、収納スペーサ30の一部である仕切り部31により、第2スペースSP2と第3スペースSP3とを生み出していることになる。
【0063】
したがって、内部収納ケース20に収納されるフランジ3以外のセンサキット本体2およびその他付属品を、残りの第2スペースSP2および第3スペースSP3に収納させることができる。
【0064】
(3)
本実施形態の包装材セット1では、収納スペーサ30における仕切り部31の面上の水平方向における両端に、鉛直方向に延びる2つの筒部32が配置されている。そして、2つの筒部32は、その側面の一部が外装ケース10の正面部材13または背面部材14に接しており、その両端が外装ケース10の天面部材11から底面部材12へと延びている。
【0065】
したがって、梱包された状態の包装材セット1において、鉛直方向における強度(例えば、上下からの圧力に対する強度)をより確保することができる。これにより、鉛直方向における圧力などにより、被包装物(センサキット本体2、フランジ3、およびその他の付属品)が破損することを防ぐことができる。また、水平方向における強度(外装ケースの側面へ掛かる圧力に対する強度)も確保することができる。
【0066】
(4)
本実施形態の包装材セット1では、センサキット本体2を、2つの仕切り部31と、筒部32と、上面部材21と、天面部材11とが支えている。したがって、2つの仕切り部31と、筒部32と、上面部材21と、天面部材11とにより形成される第2スペースの内部からセンサキット本体2がどの方向にも動かないように固定できる。また、内部収納ケース20は、収納スペーサ30の第2スペースSP2とは逆側に、収納スペーサ30が移動することを防止する延長部分23aをさらに有するため、センサキット本体2が輸送の際に動いて、第2スペースSP2から移動することをさらに防ぐことができる。さらに、内部収納ケース20は、外装ケース10の側面である正面部材13、背面部材14、左側面部材15、および右側面部材16と接しているため、フランジ3が輸送の際に動いて、内部収納ケース20が外装ケースの内部で移動することを防ぐことができる。
【0067】
<変形例>
(1)
上記実施形態に係る包装材セット1では、2つの収納スペーサに設けられる筒部32の断面形状が四角形状であるが、これに限らず、円形状であっても良いし、三角形状であっても良いし、他の多角形状であっても良い。
【0068】
(2)
上記実施形態に係る包装材セット1では、内部収納ケース20が外装ケース10の底部に配置されているが、これに限らず、外装ケース10の内部であって上部を除く位置であればどこでも構わない。例えば、内部収納ケース20の下方に、さらに収納ケースや付属品を配置するようにしても構わない。
【0069】
(3)
上記実施形態に係る包装材セット1では、第1スペースSP1にフランジ3を収納し、第2スペースにセンサキット本体2を収納し、第3スペースSP3に付属品を収納しているが、収納場所はこれに限定するものではない。例えば、第3スペースSP3に本体を収納するようなものであっても構わない。
【0070】
(4)
上記実施形態に係る包装材セット1では、外装ケース10や収納する製品の本体(センサキット本体2)の形状が直方体形状であるが、これに限らずに、この形状は例えば図7のように円柱形状の外装ケース110であっても良い。なお、本変形例(4)における構成は外装ケース以外の部分は上記実施形態とほぼ対応しており、本変形例(4)における番号表記は上記実施形態における番号表記を100番台に置き換えたものである。
【0071】
このように、円柱形状の場合には、内部収納ケース120の底面部材122の左右方向の端部において外装ケース110の側面に沿うように接するような形状となっている。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明は、容易に組立が可能で、かつ、構成がシンプルであり、複数の部材で構成される被包装物を包装するための包装材セット等として有用である。
【符号の説明】
【0073】
1,100 包装材セット
2 センサキット本体(第2部材)
3 フランジ
10,110 外装ケース
20,120 内部収納ケース(内部包装部材)
21,121 上面部材(上面部、面部)
22,121 底面部材(面部)
23,123 側面部材(面部)
23a,123a スペーサ(延長部分)
30,130 収納スペーサ(固定部材)
31,131 仕切り部
32,132 筒部
SP1 第1スペース
SP2 第2スペース
SP3 第3スペース
SP4 第4スペース
【先行技術文献】
【特許文献】
【0074】
【特許文献1】特開2002−240859号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1部材(3)と、前記第1部材の上方に配置される第2部材(2)とを少なくとも有する被包装物を梱包するための包装材セット(1,101)であって、
上面(11,111)と、下面(12,112)と、前記上面および前記下面を支える側面(13〜16,113)とを少なくとも有し、所定空間を囲う外装ケース(10,110)と、
前記第2部材を収納する第2スペースを除く空間に配置され、前記第1部材を収納する第1スペース(SP1)を、前記所定空間の内部に区切る内部包装部材(20,120)と、
前記内部包装部材が前記所定空間の内部を鉛直方向に移動しないように固定する固定部材(30,130)と、
を備え、
前記内部包装部材は、面状の部材を折り曲げて形成され、前記第1スペースを囲う面部(21〜23,121〜123)と、折り曲げ加工が施されている折り曲げ部とを有し、
前記面部は、前記第1スペースの上方を覆う上面部(21,121)を含み、
前記固定部材は、前記上面部を押さえつけるように前記外装ケースに嵌められる、
包装材セット(1,101)。
【請求項2】
前記被包装物は、第3部材をさらに有し、
前記固定部材は、前記第2スペース(SP2)と前記第3部材を収納可能な第3スペース(SP3)とに前記第1スペースを除く前記所定空間をさらに分割する仕切り部(31,131)、を有し、
前記仕切り部は、鉛直方向を含む矩形上の面からなる、
請求項1に記載の包装材セット(1,101)。
【請求項3】
前記仕切り部は、鉛直方向における両端の辺のうち、一方の辺の少なくとも一部が前記上面に接しており、他方の辺の少なくとも一部が前記上面部に接する、
請求項2に記載の包装材セット(1,101)。
【請求項4】
前記内部包装部材は、前記所定空間の上部を除く空間のうちで、前記外装ケースの少なくとも一部の前記側面の近傍の第4スペース(SP4)を除いた部分を前記第1スペースとして区切り、
前記仕切り部は、前記第4スペースにおいて、前記他方の辺のうちで少なくとも一部以外の辺が前記下面に接する、
請求項3に記載の包装材セット(1,101)。
【請求項5】
前記固定部材は、前記仕切り部材の免状の水平方向における両端に、中心軸が前記第1方向に延びる筒状の2つの筒部(32,132)をさらに有しており、
前記2本の筒部は、その一部が少なくとも前記第4スペースに配置され、その側面の少なくとも一部が前記側面に接しており、かつ、その両端が前記上面および前記下面に圧着している、
請求項4に記載の包装材セット(1,101)。
【請求項6】
前記固定部材は、前記仕切り部が略平行になるように2つ並んで配置され、
前記第2スペースは、2つの前記仕切り部と、前記筒部と、前記上面部と、前記上面とにより囲まれている、
請求項5に記載の包装材セット(1,101)。
【請求項7】
前記内部包装部材は、前記固定部材において前記第2スペースとは逆側に、前記固定部材が移動することを防止するスペーサ(23a,123a)をさらに有する、
請求項6に記載の包装材セット(1,101)。
【請求項8】
前記内部包装部材は、前記外装ケースの側面と、少なくとも3箇所以上で接している、
請求項1から7のいずれかに記載の包装材セット(1,101)。
【請求項9】
前記外装ケース、内部包装部材、および前記固定部材は、ダンボールから成る、
請求項1から8のいずれかに記載の包装材セット(1,101)。
【請求項10】
上面(11,111)と、下面(12,112)と、前記上面および前記下面を支える側面(13〜16,113)とを少なくとも有し、所定空間を囲う外装ケース(10,110)を組み立てる外装ケース組立ステップ(S1)と、
第1スペース(SP1)を前記所定空間の内部に区切る内部包装部材(20,120)を、前記所定空間の上部を除く空間に配置して組み立てる内部包装部材組立ステップ(S2)と、
第1部材を前記第1スペースに収納する第1部材収納ステップ(S3)と、
前記内部包装部材の一部であって、前記第1スペースを覆う上面部を折り曲げて前記第1スペースを密閉する密閉ステップ(S4)と、
前記内部包装部材が前記所定空間の内部を鉛直方向に移動しないように、前記上面部を押さえつけて前記外装ケースに固定部材(30)を嵌める固定ステップ(S5)と、
を備える梱包方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2010−247881(P2010−247881A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−101452(P2009−101452)
【出願日】平成21年4月17日(2009.4.17)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】