説明

包装用補助具

【課題】 部品種類を少なくして且つ構成が簡単で安価な包装用補助具を提供すること。
【解決手段】 被包装物を投入するホッパーと、このホッパーを上下動させる昇降機構と、を備えた包装用補助具において、前記ホッパーは、所定径を有する環状リングと、この環状リングの外周囲の一部を回動自在に挟持する一対の第1、第2アームとからなり、前記第1アームは前記昇降機構に固定し、前記第2アームは降下規制部材を設けて前記第1アームに対向させて吊下し、前記昇降機構により第1アームを引き上げたとき、前記第2アームを前記第1アームに接近させて前記環状リングを垂下状態にして包装袋の袋口へ挿入されるようにし、次いで、前記昇降機構により前記ホッパーを下降させたとき、前記降下規制部材により前記第2アームの降下を停止させて、前記環状リングを包装袋内で水平状態に保持させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装用補助具に係り、詳しくは、野菜、果物などを柔軟な包装袋、例えばプラスチックフィルム製包装袋の中に挿入できる包装機に使用される包装用補助具に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットなどで販売されている野菜類、例えばなす、きゅうり、アスパラ、長ねぎ、ゴボウ、長芋などは、透明なプラスチックフィルム製の包装袋に袋詰めされ、商品棚などに陳列されている。これらの袋詰め作業は、生産者から集荷され、スーパーマーケットなどに納入されるまでの過程で行われ、殆ど手作業で行われている。
これらの袋詰め作業のうち、特に長尺な野菜、例えばアスパラ、長ねぎ、ゴボウ或いは長芋等の袋詰めは、包装袋にプラスチックフィルム製の柔軟且つ透明で、長尺のものが使用されることから、包装袋の袋口の開口が困難で、またこの袋口から長尺野菜を投入しても、長尺野菜が袋の途中に引っ掛かってしまい底部までスムーズに投入できないことが多く、これら長尺野菜の袋詰め作業には多大な労力と時間が費やされ面倒な作業となっている。
【0003】
このような袋詰め作業を軽減するために、これまで多くの包装機が開発され、その内容が特許文献でも紹介されている(例えば、下記特許文献1、2、3参照)。
図11は、下記特許文献1に記載された包装機用の被包装物投入装置を示し、図11(a)は正面図、図11(b)は平面図、図11(c)はホッパーを示す斜視図である。
この被包装物投入装置200は、筒状の可撓性のホッパー205と、このホッパー205を変形させる変形機構206と、ホッパー205を昇降させる昇降機構207とで構成されている。
この被包装物投入装置200に使用されるホッパー205は、図11(c)に示すように、下部で袋の幅方向に対応する側に切欠き205a、205bが形成され先端にいくほど狭幅に形成されている。また、変形機構206は、ホッパー205が取付けられた一対のホッパー支持アーム208、209と、各ホッパー支持アーム208、209が取付けられた揺動アーム211、212と、各揺動アーム211、212を水平な支点軸216、217で揺動自在に軸支するホッパー取付けブラケット218と、各揺動アーム211、212に取付けられたバネフック221、222、及びその間に配置された引張バネ223とで構成されている。
更に、昇降機構207は、駆動手段により昇降する昇降軸226、機台に設置された昇降軸支持スタンド227及びスタンドカバー228からなり、ホッパー取付けブラケット218が取付け部材を介して昇降軸226の先端に取付けられ、所定距離昇降駆動されるようになっている。
【0004】
この被包装物投入装置200によると、ホッパー205が上昇位置にあるときは、ホッパー205は下方にいくほど袋面に対応する両側面205d、205eが閉じて偏平となっている。昇降機構により、ホッパー205を下降させカムローラ214がカム215に当接する位置に到達させると、ホッパー205の下端が袋口に挿入される。
ホッパー205がさらに下降すると、ホッパー205の両側面205d、205eが開き、同時に袋口はホッパー205の外形に沿って袋面に垂直方向に大きく押し広げられる。この状態でホッパーから被包装物が投入される。
【0005】
また、変形機構をより簡単にした物品挿入装置も下記特許文献2で紹介されている。
この物品挿入装置は、ホッパー下部を狭幅の舌片と、それに対向して設置された半円筒状の揺動板で構成し、この揺動板を下方に向かって先細状に形成したものとなっている。
【0006】
上記特許文献1、2に記載された被包装物投入装置等は、何れも包装袋にホッパーが挿入されるだけで包装袋を保持していないが、包装袋をホッパーで保持するようにした包装機も下記特許文献3に紹介されている。
図12は下記特許文献3に記載された包装機の外観斜視図、図13は図12の包装機の保持枠を示す外観斜視図である。
この包装機350は、ベース材351に立設した支柱352に回転体353を軸支し、この回転体354にL字形状のアーム354を3本取付け、さらに被包装物が通過可能な開口を有する保持枠355を各アーム354に取付けたものである。
この包装機350は、回転体353と共にアーム354の先端の保持枠355を反時計方向に回転させることにより保持枠355への包装袋356の被着を行い、次に、保持枠355を更に反時計方向に回転させた位置で係止させ、包装袋356への被包装物の挿入作業を行うようになっている。つまり、保持枠355が回転体353の下方に設けた被着手段部分を通過することにより保持枠355に対して包装袋356が被着され、次に、保持枠355を右上方の位置まで回転移動させてクリック機構により保持枠355が係止させ、被着された包装袋356内へ被包装物を投入するようになっている。
【0007】
また、保持枠355は、図13に示すように、保持枠355の下部外周面355aを保持枠355の軸C方向と平行な面とするとともに、下部外周面355aの上方に連なる上部外周面を軸Cに向かって傾斜する傾斜面355bとし、保持枠355の上部内周面を、傾斜面355bの上縁から下方に向かって滑らかにカーブした変曲点のない連続した凸状曲面とした構成となっている。なお、符合355cはガード部材である。
保持枠355の下部外周面355aを軸C方向と平行な面とし、これに連なる傾斜面355bを形成すると、保持枠355の外周面全体の概略形状は上に向かって細くなった形状となる。このため、被着手段により、保持枠355に包装袋356を被着させる場合、被着が容易かつ確実に行える。
【0008】
【特許文献1】特開2000−177711号公報(図1、図4、段落〔0017〕〜〔0019〕)
【特許文献2】実公平2−34166号公報(図1、実用新案請求の範囲)
【特許文献3】特許第2883843号公報(図1、段落[0052]〜[0054])
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1に記載された被包装物投入装置によれば、可撓性ホッパーは昇降自在とされ、このホッパーの袋面に対応する両側面がホッパーの上端近傍を中心にして開閉され、更に、ホッパーが下降して袋口に挿入されるまでは閉じて扁平状を保ち、挿入後開いて開口状となるようになっている。これにより、狭い袋口であってホッパーの挿入が容易になり、挿入後袋口を広げ且つ保持することができる。
しかしながら、被包装物投入装置は、ホッパーが可撓性を有する素材(硬質ポリエチレン等の樹脂)を筒状にして一体構造に形成されたものであることから、その製作には金型が必要となり、この金型が高価であることから、ホッパーのコストを安価にできない。また、このコスト面からもサイズの異なる多種類のホッパーを用意して置くことは現実的でない。このため、被包装物の大きさ種類によっては、最適なホッパーを選択して使用することができず用途が限定されてしまうことがある。
また、ホッパーを変形させる変形機構は、一対のホッパー支持アーム、揺動アーム、一対のバネフック及びバネフックに装着された引張バネ等の多数の部品で構成されており、そのため構造が複雑となって装置が高価になる。また、この変形機構は、昇降機構の上下動に連動して作動されるようになっていることから、部品数に応じて可動部が多くなり故障が発生し易い。
【0010】
また、上記特許文献2に記載された物品挿入装置は、揺動板を閉じると先端が細くなって袋口に挿入しやすく、挿入後揺動板を開くと袋口を揺動板の外形に沿って円形近くまで拡開することができるが、揺動板が開くと舌片と揺動板の間に大きい隙間ができ、被包装物がその隙間から飛び出したり、隙間や袋の縁に引っかかったりする恐れがある。
【0011】
上記特許文献3に記載された包装機によれば、ベース材に立設した支柱に回転体を軸支し、この回転体にL字形状のアームを3本取付け、更に被包装物が通過可能な開口を有する保持枠を各アームに取付けて、回転体を反時計方向へ回転させることにより、保持枠への包装袋の被着が行われるので、被包装物の挿入作業を連続的に行うことが可能となり、包装作業の効率を大幅に向上させることができる。
しかしながら、この包装機も、保持枠が成型体で構成されるために種類(サイズ)が限定され、被包装物の種類、サイズ及び量等によっては、袋詰めが難しい。
また、この保持枠は、袋口への挿入部分が、円形の筒状をなしている。このため、袋口の開口機構により、袋口の開口はエアの吹き付けにより行なわれるが、このとき、袋口を保持枠の円形筒状の外形が挿入される大きさまで拡げなければならない。この大きさの開口は、保持枠の外形と袋口の大きさが接近している包装袋の場合には、袋口を保持枠の外形以上に開口させないと、袋口にスムーズに挿入できなくなり、包装袋のロス発生の原因になることがある。
【0012】
本発明は、上記のような従来技術が有する課題を解決するためになされたもので、本発明の目的は、部品種類を少なくして且つ構成が簡単で安価な包装用補助具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、本願の請求項1に記載の包装用補助具は、被包装物を投入するホッパーと、このホッパーを上下動させる昇降機構と、を備えた包装用補助具において、
前記ホッパーは、所定径を有する環状リングと、この環状リングの外周囲の一部を回動自在に挟持する一対の第1、第2アームとからなり、前記第1アームは前記昇降機構に固定し、前記第2アームは降下規制部材を設けて前記第1アームに対向させて吊下し、前記昇降機構により第1アームを引き上げたとき、前記第2アームを前記第1アームに接近させて前記環状リングを垂下状態にして包装袋の袋口へ挿入されるようにし、次いで、前記昇降機構により前記ホッパーを下降させたとき、前記降下規制部材により前記第2アームの降下を停止させて、前記環状リングを包装袋内で水平状態に保持させるようにしたことを特徴とする。
【0014】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の包装用補助具に係り、前記ホッパーは、複数個の環状リングを備え、前記第1、第2アームの上方部には複数個の環状リングが間隔を狭く、下方部には複数個の環状リングが間隔を広げて挟持されていることを特徴とする。
【0015】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の包装用補助具に係り、前記環状リングは、円形、楕円形、多角形の何れかの形状を有していることを特徴とする。
【0016】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の包装用補助具に係り、前記第1、第2アームは、前記環状リングを複数個挟持し、両アームを連結している前記環状リングが垂下状態にあるときに、前記第1アームあるいは第2アームの下端部が前記第2アームあるいは第1アームの下端部より下方へ所定長さ延設されていることを特徴とする。
【0017】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1に記載の包装用補助具に係り、前記第1、第2アームは、両アームを連結している前記環状リングが水平状態のときに、下端部の長さが同じになるように形成されていることを特徴とする。
【0018】
また、請求項6に記載の発明は、請求項1に記載の包装用補助具に係り、前記ホッパーは、前記昇降機構に着脱自在な結合手段により装着されていることを特徴とする。
【0019】
また、請求項7に記載の発明は、請求項1に記載の包装用補助具に係り、前記ホッパーは、前記環状リングの最上位に位置する環状リングに近接した位置に、被包装物の投入をガイドするガイド部材が設けられていることを特徴とする。
【0020】
請求項8に記載の包装用補助具は、包装袋に挿入されて包装袋を保持する袋保持具と、この袋保持具を所定位置へ移動させる操作機構と、を備えた包装用補助具において、
前記袋保持具は、所定径を有する環状リングと、この環状リングの外周囲の一部を回動自在に挟持する一対の第1、第2アームとからなり、前記第1、第2アームは前記操作機構に対向させて回動自在に固定し、前記操作機構により前記第1、第2アームを水平方向へ移動させたときに、各第1、第2アームを接近させて前記環状リングを水平方向へ倒して包装袋口へ挿入されるようにし、次いで、前記操作機構により前記第1、第2アームを所定角度に起立させる際に、前記第1、第2アーム間の隙間を徐々に拡大させて、各アームが起立したときに、前記環状リングを水平状態に保持させることを特徴とする。
【0021】
また、請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の包装用補助具に係り、前記袋保持具は、複数個の環状リングを備え、これらの環状リングは、前記第1、第2アームの前記操作機構への取付け部分の環状リング間の間隔が広く、他端部の環状リング間の間隔が狭くして挟持されていることを特徴とする。
【0022】
また、請求項10に記載の発明は、請求項8に記載の包装用補助具に係り、前記袋保持具は、前記操作機構に着脱自在な結合手段により結合されていることを特徴とする。
【0023】
また、請求項11に記載の発明は、請求項8に記載の包装用補助具に係り、前記環状リングは、円形又は楕円形状をしていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0024】
本発明は上記構成を備えることにより、以下に示すような優れた効果を奏する。すなわち、請求項1の発明によれば、ホッパーは、所定径を有する環状リングと、この環状リングの外周囲の一部を回動自在に挟持する一対の第1、第2アームとで構成されるので、部品の種類が極めて少なくなり、しかも各部品の形状が単純で、安価な部材で簡単な加工で製作が可能になる。その結果、従来技術のように金型が不要となり、しかも材料、加工費用を安価に抑えることができるので、サイズ、種類等の異なる包装用補助具を安値にユーザへ提供できる。
【0025】
請求項2の発明によれば、ホッパーは、複数個の環状リングを備え、各第1、第2アームの上方部には複数個の環状リングが間隔を狭く、下方部には複数個の環状リングが間隔を広げて挟持されているので、被包装物として例えば比重が小さく、かつ摩擦が大きい葉物野菜等を包装する際に、被包装物を投入した後にこの被包装物とホッパーの環状リングとの接点を少なくすることができ、以って包装機から袋を剥離する際に被包装物がホッパーに引っ掛かることなく、スムーズな包装作業を行うことができる。
【0026】
請求項3の発明によれば、環状リングは、円形、楕円形、多角形の何れかの形状で形成されているので、包装袋のサイズ、形状に合わせて、適合するリングを備えた包装用補助具を提供できる。
【0027】
請求項4の発明によれば、第1、第2アームは、複数個の環状リングを挟持し、両アームを連結している環状リングが垂下状態にあるときに、第1アームあるいは第2アームの下端部が第2アームあるいは第1アームの下端部より下方へ所定長さ延設されているので、第1、第2アームが包装袋に挿入されたとき、包装袋内を拡開した被包装物の投入がスムーズになる。すなわち、第1アームあるいは第2アームが環状リングが垂下状態の場合において、必ずいずれか一方が他方より下方に長くなっているため、包装袋へホッパーを挿入する際に第1アームあるいは第2アームのいずれか一方が他方よりも先に包装袋の袋口に挿入されることとなるため、両アームが同時に袋口へ挿入される場合に比べてホッパーの挿入がより確実に行えるようになる。
【0028】
請求項5の発明によれば、第1、第2アームは、両アームを連結している環状リングが水平状態のときに、下端部の長さが同じになるように形成されているので、包装袋が輸送時あるいは保管時に自重により圧着している場合や、静電気により開口し難い場合であっても包装袋の対向する面を対称に支持して開口させることができ、被包装物を確実に袋底部まで挿入することができる。
【0029】
請求項6の発明によれば、ホッパーは、昇降機構に着脱自在な結合手段により装着されているので、ホッパーの取外しができる。その結果、被包装物の大きさ、種類等に応じて、適合するホッパーへ簡単に交換できる。また、ホッパーが故障したときも、昇降機構から取外して補修ができるようになる。
【0030】
請求項7の発明によれば、ホッパーは、環状リングの最上位に位置する環状リングに近接した位置に、被包装物の投入をガイドするガイド部材が設けられているので、被包装物のホッパーへの投入がスムーズになる。
【0031】
請求項8の発明によれば、袋保持具は、所定径を有する環状リングと、この環状リングの外周囲の一部を回動自在に挟持する一対の第1、第2アームとで構成されるので、部品の種類が極めて少なくなり、しかも各部品の形状が単純で、安価な部材で簡単な加工で製作が可能になる。その結果、従来技術のように金型が不要となり、しかも材料、加工費用を安価に抑えることができるので、サイズ、種類等の異なる包装用補助具を安値にユーザへ提供できる。
【0032】
請求項9の発明によれば、複数個の環状リングは、前記第1、第2アームの前記操作機構への取付け部分の環状リング間の間隔が広く、他端部の環状リング間の間隔が狭くして挟持されているので、袋保持具に保持される袋への被包装物の押し込み投入時に、包装袋の一部が環状リング同士の隙間に巻き込まれたり、この隙間を介して包装袋同士が接触することによる引っ掛かりを防止することができるため、よりスムーズな包装作業を行うことができる。
【0033】
請求項10の発明によれば、袋保持具は、操作機構に着脱自在な結合手段により装着されているので、取外しが容易にできる。その結果、被包装物の大きさ、種類等に応じて、適合する袋保持具へ簡単に交換できる。また、袋保持具が故障したときも、操作機構から取外して補修ができるようになる。
【0034】
請求項11の発明によれば、環状リングは、円形及び楕円形状で形成されているので、包装袋のサイズ、形状に合わせて、適合するリングを備えた包装用補助具を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、図面を参照して本発明の最良の実施形態を説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための包装用補助具を例示するものであって、本発明をこの包装用補助具に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適応し得るものである。なお、以下には本発明の包装用補助具を用いた包装機について説明を行う。
【実施例1】
【0036】
図1は本発明の実施例1に係る包装用補助具を使用した包装機の斜視図、図2は図1の包装機のホッパーを示す斜視図、図3は図1の包装機の袋保持具とこの袋保持具に吊下される包装袋の斜視図、図4は図1の包装機の動作説明図である。
【0037】
包装機1は、複数枚の包装袋53が装着される袋保持具50と、この袋保持具に装着された包装袋53の袋口56を開口させる袋口開口機構40と、この袋口開口機構によって開口された袋口に挿入されて被包装物が投入されるホッパー10と、このホッパーの持ち上げ及び前記袋口への挿入を行うホッパー導入機構30と、袋口開口機構40及びホッパー導入機構30を動作させる操作機構20とを備え、これらの機構が基台2から立設された一対の支柱3、4に取付けられた構成を有している。
【0038】
基台2は、袋詰め作業場の床面や作業台などの上に安定した状態で載置できるように所定大きさの枠体からなり、この枠体は、対向する短辺枠片2a、2bと長辺枠片2c、2dとで略長方形形状に形成されている。各長辺枠片2c、2bからは、所定長さの支柱3、4がほぼ90°の角度で上方へ立設されている。
これらの支柱3、4間には、包装袋53を吊下する袋保持具50を固定する袋支持部48が設けられる。また、各支柱3、4のうち、一方の支柱3の下端部3aには、袋口開口機構40の作動レバー41が取付けられる。更に、各支柱3、4には、ホッパー導入機構30のガイド部材31を支持する支持手段35、操作機構20の第1作動レバー22及び袋口開口機構40の調整部材47が取付けられる。
【0039】
操作機構20は、比較的長い第1作動レバー22と、この作動レバー22の一端に連結された操作レバー21と、他端に所定の角度で連結された第2作動レバー23とを備え、第1作動レバー22が支柱3、4に回動自在に枢支された構成となっている。
操作レバー21には、下方へ向けた操作カム片24が固定され、この操作カム片24には回転体25及び作動片26が設けられている。この回転体25は、操作レバー21が下方へ押し下げられたとき、袋口開口機構40のカム片44と当接して袋口開口機構40を包装袋53側へ移動させ、よって包装袋53の袋口を開口させる機能を奏するものである。また、第2作動レバー23は、ホッパー導入機構30のT字状の上方バー33に連結されている。
したがって、操作レバー21を上下動させると、第1作動レバー22は、枢支部22aを支点にして揺動し、いわゆる梃子作用を奏して、第2作動レバー23及びこの作動レバーに連結されたホッパー導入機構30のガイド部材31を操作レバー21の小さい力でスムーズに上下動させることができる。
【0040】
ホッパー導入機構30は、ホッパー10を上下動させるためのガイド部材31と、このガイド部材31を支持する支持手段35とで構成されている。このガイド部材31は、このT字型の上方バー33と、この上方バー33から下方へ延びた下方バー32とを有するほぼT字型の棒状体で形成されている。上方バー33は、その一端がホッパー支持腕34に、他端が第2作動レバー23に支軸23bで固定されている。
また、下方バー32は、ホッパー10を上下方向にガイドするガイド桿(以下、ガイド桿という)となるもので、このガイド桿32は、支柱3、4の背面にあってホッパー10と所定の距離離れた位置でホッパー10を上下方向へスライド移動できるように支持手段35により保持される。
【0041】
支持手段35は、ガイド桿32を支持して円滑にスライドさせるためのもので、4個のガイドローラ36、36と、これらのガイドローラを取付ける枠体37とで構成されている。4個のガイドローラ36、36は、間にガイド桿32を挟んで対向して枠体37に固定される。枠体37は、支持板を介して支柱3、4に固定されている。4個のガイドローラ36、36のうち、他の2個のローラは、ローラ36、36と対向する箇所に設けられおり図1では隠れている。
したがって、ガイド部材31を支持手段35により支柱3、4に固定することにより、ガイド部材31の取付けが堅固になると共に、ガイド部材31の上下動が安定する。その結果、ホッパー支持腕34がブレることがなく、ホッパー10の上下動を安定させることができる。
【0042】
ガイド桿32の下端には、複数個のピン取付け孔32〜32が設けられている。これらのピン取付け孔32〜32には、所定の長さを有する止ピン33が差し込まれるようになっている。この止ピン33は、ガイド桿32が持ち上げられたとき、枠体37から抜け出さないためのストッパとして、及び、ホッパー10の移動距離を調節する調節機構32aとして機能する。すなわち、止ピン33を図1の最下位の位置32から、上方、例えばピン取付け孔32へ移動させると、ホッパー10の移動距離は、止ピンを移動させた距離分少なくなる。したがって、止ピン33の取付け位置を変更することにより、包装袋へのホッパー10の挿入長さの調節、及び、被包装物に合わせた包装袋の選択が可能となる。
【0043】
また、止ピン33の取付け位置の変更により、ホッパー10の移動距離も変わるので、袋口開口機構40の調節も必要となる。この調節は、作動レバー41に設けられたカム片44の位置を移動させることによって行う。すなわち、止ピン32を取付け孔32の位置から、下方へ移動させるのに付随して、カム片44の取付け位置も下方へ移動させる。
このカム片44の取付け位置を変更することにより、操作機構20の回転体25がカム片44に正確に当接し、円滑な操作が可能になる。
【0044】
ホッパー10は、図1、図2に示すように、所定大きさを有する複数個の環状リング13a〜13nと、これらの環状リング13a〜13nが装着される一対の第1、第2アーム11、12とで構成される。環状リング13a〜13nは、包装袋53の袋口の直径より若干短い直径を有する円形リングからなり、所定太さの金属棒を円形形状に湾曲させて作製される。各アーム11、12は、幅狭で所定の肉厚を有する棒状体からなり、一端部から他端部に向けて、等間隔に複数個、少なくとも取付けられる環状リングの数と同じ数の貫通孔11〜11、12〜12が形成されている。各貫通孔11〜11、12〜12は環状リング13a〜13nの切断面の直径より若干大きい直径に形成され、これらの貫通孔11〜11、12〜12に環状リングが挟持されたとき、環状リングが貫通孔11〜11、12〜12内で自由に回動できるようにする。また、この環状リング13a〜13nの両アーム11、12への取付けは、両アーム11、12を前記貫通孔11〜11、12〜12を通る中心線上で分割し、環状リング13a〜13nの一端を挟持することにより取付けられる。
【0045】
また、第1、第2アーム11、12に設けられた複数の貫通孔11〜11、12〜12はその間隔を等間隔としても良いが、好ましくは両アーム11、12の上端部周辺に設けられる貫通孔はその間隔を比較的に短くし、下端部周辺に設けられる貫通孔はその間隔を比較的長くする。このようになせば、被包装物として例えば比重が小さく、かつ摩擦が大きい葉物野菜等を包装する際に、被包装物を投入した後にこの被包装物とホッパー10との接点を少なくすることができ、以って包装機から袋を剥離する際に被包装物がホッパー10に引っ掛かることなく、スムーズな包装作業を行うことができる。
【0046】
また、第1、第2アーム11、12は取付けられた環状リング13a〜13nを水平にした状態で、下端部11a、12aがほぼ同じ高さになるように形成され、第1アーム11の上端は第2アーム12より長く延設され、第2アーム12の上端には、後述するストッパ6に当接し、このアーム12の降下を阻止する降下規制部材としての棒状体14が横方向に取付けられている。第1アーム11の上端部11b近傍にはホッパー支持腕34が取付けられ、ホッパー支持腕34と第2アーム12との結合は、着脱自在な結合手段(図示省略)により結合される。この着脱自在な結合手段を用いることにより、第1アーム11の取外し、すなわち、ホッパー10の取外しが自由に行えるようになり、異なるサイズの環状リングを備えたホッパーへの交換が可能になり、被包装物の大きさに応じて最適なホッパーを選択して装着できるようになる。また、上記では第1アーム11と第2アーム12の下端部11a、12aの位置を環状リング13a〜13nが水平な状態で同じ高さであるとしたが、このようになせば、環状リングが垂下した状態では第2アーム12の下端部12aが第1アーム11の下端部11aに比べて下方に位置するため、袋底部にまで第2アーム12の下端部12aが挿入されるために袋底部まで開口させることができると共に、袋が輸送時あるいは保管時に自重により圧着している場合や、静電気により開口し難い場合であっても袋の対向する面を対称に支持して開口させることができ、被包装物を確実に袋底部まで挿入することができる。なお、第1アーム11の下端部11aあるいは第2アーム12の下端部12aが環状リング13a〜13nを垂下した状態で第2アーム12の下端部12aあるいは第1アーム11の下端部11aより長くなるように形成してもよい。このようになせば、ホッパー10挿入時に第1アーム11の下端部11aあるいは第2アーム12の下端部12aのいずれか一方が最初に挿入されることとなるために袋口へのホッパーの挿入がより確実になる。なお、図1に示すように包装袋53袋口56が第2アーム12方向へ開口されるように吊下されている場合には、環状リング13a〜13nを垂下した状態で第2アーム12の下端部12aが第1アーム11の下端部11aより長くなるようにすると、より包装袋53へのホッパー10の挿入を確実に行えるようになる。
【0047】
上述のように組立てたホッパー10は、一対の第1、第2アーム11、12を環状リング13a〜13nの外周囲の対向する位置に移動させ、すなわち平行状態にし、各アーム11、12のうち第1アーム11をホッパー支持腕34に取付け、第2アーム12はホッパー10を上昇させた状態で第1アーム11に接近するように環状リング13aによって第1アーム11に吊下した状態となる。また、第1アーム11のホッパー支持腕34に固定された位置付近に、このホッパー10を介して包装される被包装物の投入をガイドするためのガイド部材15が取付けられている。このガイド部材15としては、例えば上部が比較的大きく、下部が比較的小さい口径からなる筒状体が好ましい。
【0048】
支柱3、4は、その上端3b、4b(図示省略)に前記棒状体14と所定の高さで当接し、第2アーム12の降下を抑止するストッパ6を備えている。このストッパ6は、例えばコ字状に屈曲され、その端部が支柱3、4の頂部に固定されたものであってもよく、好ましくは、固定部から前面に向かって下方に傾斜して設ける。これにより、ホッパー10が下降し、棒状体14がこのストッパ6に当接した後、さらに下降した際に、滑らかに第2アーム12を前方に移動させるようになり、環状リング13a〜13nをスムーズに水平状態にすることができる。ただし、ストッパ6は水平に設けてもよい。また、ホッパー10が最低位置に達した際に、環状リング13a〜13nがほぼ水平状態となるように、棒状体14の取付位置及びストッパ6の位置を調節しておけば、被包装物の投入時にホッパー10が最も開口した状態となり、より容易に投入できるようになる。
【0049】
袋口開口機構40は、図1に示すように、ほぼL字型の作動レバー41と、この作動レバー41の先端に固定された接着部材46と、作動レバー41の回動を規制する調整部材47とを備え、L字型の作動レバー41は、長辺レバー42と、短辺レバー43とからなり、短辺レバー43は支柱3に支軸43aで回動自在に軸支され、また、長辺レバー42は、その先端に接着部材46が袋支持部48と平行になるように支軸45で回転自在に固定される。
この接着部材46は、包装袋の横幅とほぼ同じ長さを有するロール46aと、このロール上に装着された粘着材46bとからなり、包装袋と平行となる支軸45で長辺レバー41の先端に枢支される。粘着材46bには、包装袋の表面生地に貼り付き、簡単に剥離できしかも再使用可能な接着剤、例えばPVA(ポリビニルアルコール)が使用される。このような接着剤を使用することにより、粘着力の低下したときに粘着面を水で洗うことで粘着力を回復させて再利用を図ることができる。
【0050】
接着部材46を長辺レバー41の先端に回転自在に枢支すると、薄く且つ柔軟な包装袋に着脱自在に幅広く貼り付くので、袋口の開口が簡単になる。また、ロール46aが回動することにより粘着材46bの貼り付く場所が移動し、粘着材を長持ちさせることが可能となる。また包装袋を引っ張ると接着部材46が回転するので、袋口の開口が容易になる。なお、袋口を開口し、被包装物を投入するまでこの開口状態を維持する必要がある。この状態を維持するために長辺レバー41の揺動範囲を規制する調整部材47が支柱3に設けられる。この調整部材47には、例えば調整溝を有する全体がL字状の金具が使用される。
【0051】
また、長辺レバー41の先端部、すなわち接着部材46が装着された箇所の付近には、斜め下方を向いた操作カム片24が長辺レバー41の先端付近に取付けられる。この操作カム片24は、所定の長さを有し、操作レバー21が下方へ押し下げられた際に、その回転体25がカム片44の上面を転動しながら下方へ押し下げ、これに伴って、長辺レバー41を介して接着部材46を包装袋(図示省略)の表生地方向に移動させ、粘着させる。
回転体25がカム片44の先端部を通り過ぎると、回転体45はカム片44の下面に移動し、その後、操作レバー21を上方へ持ち上げると、回転体25は、カム片44の端部を持ち上げる。この持ち上げにより、カム片44は、長辺レバー41の先端部に枢支されているため、回転体25によりカム片44の端部が所定の位置まで持ち上げられ、所定の位置を過ぎたところでカム片44の端部の先端が回転体25から滑り落ちる。その後、回転体25がカム片44を持ち上げ、よって長辺レバー41を支えており、接着部材46が包装袋の表生地に貼付され、貼付されたまま、袋口を拡大する方向へゆっくりと傾き、所定の時間を掛けて袋口を開口する。この開口動作により、袋口がゆっくり開けられるので、貼着された後、接着部材が直ぐ離れるものに比べて、開口時における袋体の破断等をなくすることができる。
【0052】
袋支持部48は、図1に示すように、長尺な包装袋を吊下し得る長さを有する板状体からなり、その表面に包装袋を吊下する袋保持具50が着脱自在に固定される。袋支持部48に袋保持具50を着脱自在に固定することにより、吊下した包装袋を費消した際に、予め他の袋保持具に包装袋を吊下しておいて、保持具同士を交換することによって、簡単に包装袋の補給が可能になる。保持具の固定手段には、例えばフックや支持ピン等が使用される。
【0053】
図3は袋保持具と包装袋を示し、図3(a)は袋保持具の斜視図、図3(b)はこの保持具に吊下される包装袋の斜視図である。
この袋保持具50は、一対のフック52a、52bと、このフックが固定される板体51とからなり、一対のフック52a、52bは包装袋53の取付け穴57a、57bの間隔と同じ間隔をあけて板体51に固定されている。また、板体51には、袋支持部48の取付け金具に着脱自在に装着できるように両側端に開口53a、53bが設けられている。
予めこのような袋保持具50に複数枚の包装袋53を吊り下げて必要個数準備しておくことにより、一つの保持具の包装袋が消費された際に、次の保持具と交換して簡単な作業効率の向上を図ることができる。
【0054】
また、包装袋53は、長尺物を詰めることができるように、所定の横幅と、この横幅に比べて縦寸法が長い細長封筒状の袋体からなり、上方部には袋口56と、一対の取付け穴57a、57bが形成される。また、袋体の上方部には、一対の取付け穴57a、57bに到達するミシン目57'a、57'bが設けられる。この包装袋53は、細長い表面生地体54と、この表面生地体54の裏面側に配置され、同表面生地体と同一幅で、若干長い裏面生地体55とで形成される。表面生地体54、裏面生地体55は、同一素材でも、或いは異なる素材でもよく、また、透明、半透明乃至不透明材料でもよく、更にこの素材は、合成樹脂フィルムに限定されることなく、紙類を使用してもよい。
【0055】
次に、この包装機への被包装物袋詰め作業を、図4を参照して説明する。図4は、図1に示した包装機を側面からみた動作説明図で、以下の説明において図4に付していない符号は図1のものを用いている。先ず、操作レバー21を矢印のように下方へ押し下げる。操作レバー21が下方へ押し下げられると、第1作動レバー22は枢支部22aを中心として揺動してこの作動レバー22の他端が持ち上がり、この他端に一端が連結された第2作動レバー23が押し上げる。この作動レバー23の押し上げにより、この作動レバー23の上端に結合されているガイド部材31を押し上げて、このガイド部材31に連結されているホッパー10を上昇させる(図4(a)、図4(b)参照)。このガイド部材31は、支持手段35で支持されているので、ガイド桿32をスムーズに上昇移動され、これに追随してホッパー10も上昇移動する。
【0056】
更に操作レバー21を押し下げると、この押し下げによりガイド部材31が上昇しホッパー10も持ち上げられて、ホッパー10の下端部(11a、12a)が、支持板に取付けられた包装袋53の袋口より上方へ移動する。
このホッパー10の上昇移動により、ホッパー10の第1アーム11が引き上げられ、第1アーム11の引き上げに伴って第2アーム12も引き上げられ、第2アーム12が第1アーム11に接近する。すなわち、第2アーム12は、ホッパー10の上昇に伴い、棒状体14がストッパ6から離れることにより第2アーム11の引き上げに追随して第2アーム21が第1アーム11に接近することになる(図4(c)、図4(d)参照)。
また、この操作レバー21押し下げにより、操作レバー21の手元にある回転体25が作動レバー41のカム片44と係合して袋口開口機構40の作動レバー41の自由端を支柱3、4方向に移動させ、その自由端に設けた粘着部材46を包装袋53の袋口に押し付ける(図4(c))。
【0057】
次に、操作レバー21をさらに押し下げる。この押し下げにより、ホッパー10がさらに持ち上げられ、作動レバー41のカム片44に係合した回転体25がカム片44を外れる。作動レバー41が軸支点43aを中心にして回動して原位置に復帰する。この作動レバー41の復帰により、作動レバー41の自由端に設けた粘着部材46も元に戻り、この粘着部材46に粘着された包装袋53の袋口56が開口される(図4(d)、図4(e)参照)。
【0058】
その後、操作レバー21を持ち上げると、それに伴いホッパー10が下降し、既に開口された袋口内に、第1、第2アーム11、12の下端部11a、12aを挿入する。なおこのとき、ホッパー10は環状リング13a〜13nが垂下した状態で袋口への挿入を行うため、袋口を環状リングの口径より大きく開ける必要はなく、一対のアーム11、12の下端部11a、12aが挿入できる程度に空いていれば良好にホッパー10の挿入を行うことができる。また、この操作レバー21の持ち上げが進み、所定位置まで第1、第2アーム11、12の下端部11a、12aが挿入されると、第2アーム12に設けられた棒状体14と、ストッパ6が当接し、さらに下降が進むと、ストッパ6と棒状体14との当接により第2アーム12の下降が抑止される。このとき、両アーム11、12は環状リング13a〜13nにより連結しているため、一方の下降が止まると、環状リング13a〜13nが前方に押し出され、よって環状リング13a〜13nが開口し始める(図4(e)参照)。
【0059】
そして、操作レバー21が元の位置に戻った段階で、環状リング13a〜13nは水平状態となり、この環状リング13a〜13nにより包装袋53が開口状態で維持され、ガイド部材15から被包装物(例えば図4では長ねぎ)を投入すれば、ホッパー10に引っ掛かることなく包装袋53への投入が行われることとなる(図4(f)参照)。
【0060】
上述の構成により、本発明の包装機は、包装袋にホッパーが挿入された段階で、ホッパー自体が開口するため、従来のように比較的重量の軽い被包装物を投入する際にも、引っ掛かりを生じることなく包装を行うことができる。また、このホッパーは所定大きさの環状リングと、この環状リングの外周囲にそれぞれ軸支された一対の第1、第2アームとで構成されるので、構造が簡単で安価に製作できる。このため、サイズの異なる多数のホッパーを簡単に製作できるので、被包装物の大きさに応じた広範囲の被包装物に適用できる多種類のホッパーをパーツとして安価に提供できる。
【実施例2】
【0061】
図5は本発明の実施例2に係る包装用補助具を他の包装機に適用した外観斜視図、図6は図5の包装機の操作機構を示す外観斜視図、図7は図5の包装機の袋保持具を示す外観斜視図である。
包装機101は、図5に示すように、複数枚の包装袋が装着される袋支持体140と、この袋支持体に装着された包装袋の袋口を開口させる開口機構110(図8参照)と、この開口機構によって開口された袋口に挿入されて包装袋を保持する袋保持具120と、この袋保持具を包装袋に挿入し所定位置へ移動させる操作機構130とを備え、操作機構130は、台座102に移動自在に取付けられた構成を有している。
【0062】
台座102は、所定大きさの長方形の額縁状枠体103で構成されており、この枠体103は対向する長辺の枠片103a、103bと、短辺の枠片103c、103dとを有し、各枠片103a〜103dは端部で連結されて長方形の額縁状をなしている。
短辺の枠片103c、103dは、袋保持具120を構成する環状リング121a〜121nの直径より長く、また、長辺の枠片103a、103bは、袋保持具120を構成する一対の第1、第2アーム122a、122bの長さより長尺となっており、そのほぼ中央部から所定長さの支柱104a、104bが立設されている。また、各長辺枠片103a、103bには、中央部の支柱104a、104bより若干短い小支柱105a〜105dが支柱104a、104bに隣接する位置及び短辺の枠片103cに近接する位置にそれぞれ立設されている。これらの小支柱105a〜105dは、その頂部が連結片で結合されて小枠体が形成され、この小枠体は袋支持体140の載置台となっている。なお、符号105b、105dは長辺枠片103bに設けられているが、袋支持体140の下にあり図5では隠れている。
【0063】
また、この枠体103には対向する短辺枠片103c、103d間にガイド部材104が取付けられ、このガイド部材104は、長辺の枠片103a、103bとほぼ同じ長さと、所定の幅長を有する板状体で形成され、両端部は、それぞれ対向する短辺枠片103c、103dの中心部に固定されている。さらに両幅部にコ字状の溝が形成され、これらの溝内に操作機構のスライダ137がスライド移動できるようになっている。また、ガイド部材104は、短辺枠片103cに取付けられた端部が閉じられ、スライダ137のスライドを規制するストッパ104cとなっている(図8参照)。
【0064】
開口機構110は、袋口にエアを供給するための送風機111と、前記送風機111のエアを袋口近傍まで導くダクト及び排気口112とからなり、エアを包装袋142の袋口に供給することにより開口せしめるものである。
【0065】
操作機構130は、図6に示すように、ガイド部材104上をスライド移動するほぼ四角形状の移動枠体131と、この移動枠体131に装着されて袋保持具120を所定位置に移動させるリンク機構132とを有し、この移動枠体131は、所定の長さを有し、スライダ137に固定された底辺枠片131aと、この底辺枠片131aの両端から直角に立設された側辺枠片131c、131dと、これらの側辺枠片131c、131dの頂部を連結する上辺枠片131bとを有し、額縁状の枠体となっている。また、底辺枠片131aは上辺枠片131bとほぼ同じ長さを有し、スライダ137に固定されていることにより、操作機構130がスライド移動自在になっている。つまり、このスライダ137の両側端はガイド部材104のコ字状の溝に嵌め込まれ、ガイド部材104上をスライド移動できるようになっており、このスライダ137の移動をスムーズにするために、ベアリング等を用いた滑動機構を用いるとより好ましい。
【0066】
各側辺枠片131c、131dは、それぞれ一対の枠片からなり、これらの枠片は所定の間隔をあけて対向して底辺枠片131aに取付けられる。また、上辺枠片131bも一対の枠片からなり、各側辺枠片131c、131dの端部に所定の間隔をあけて対向して取付けられている。したがって、側辺枠片131c、131d及び上辺枠片131bは、底辺枠片131aに対して、所定の隙間があいた一対の枠片で連結されている。また、側辺枠片131cの上端、すなわち、上辺枠片131bに近接した箇所に板状体からなる規制部材133が設けられている。
【0067】
上辺枠片131bにはリンク機構132が装着されている。このリンク機構132は、屈曲部を上辺枠片131bに所定の間隔をあけて回動自在に軸支134された略くの字状の一対の可動片134a、134bと、これらの可動片134a、134bの下端に回動自在にそれぞれ軸支134された連結片135とで構成され、いわゆる平行リンク(以下、この平行リンクを第1平行リンクという)を形成している。なおこの連結片135は操作レバー136の一端となっている。
また、これらの可動片134a、134bは、軸支部134より下方の長さは各側辺枠片131c、131dより短い長さになっており、また、軸支部134より上部の先端部139a、139bには袋保持具130の各アーム122a、122bが連結される。各先端部139a、139bと各アーム122a、122bとの結合は、着脱自在な結合部材を用いて結合するのが好ましい。この結合部材としては、例えば各先端部139a、139bに筒状体を固定し、各アーム122a、122bを差込む差込み結合である。このように着脱自在の結合にすることにより、リング径の異なる袋保持具を種々交換して使用できるようになる。
【0068】
次にこの可動片134a、134bとサイズの異なる袋保持具120との結合方法については、上辺枠片131bと連結片135には、一方の可動片134bの軸支部134、134の取付位置を適宜変更可能なように複数個の取付け穴134が設けられている。そして、サイズの異なる袋保持具120を取付ける際には、その袋保持具120の環状リング121a〜121nの径Rと両可動片134a、134bの軸支間隔が同じになるように、可動片134bの取付位置を適宜変更することにより行われる。
【0069】
したがって、この第1平行リンク132は、操作レバー136が台座102から最も離れているときは、図6(a)に示すように、上辺枠片131b、一対の可動片134a、134b及び連結片135により、図示の右側へ傾いた平行四辺形となっている。この状態から、スライダ137により操作機構130を台座102側へ移動させたのち操作レバー136を台座102側へ押し込むと、このリンク機構132の平行四辺形は、四辺形の形状を維持したまま時計方向へ移動され、図示の左側へ傾いた平行四辺形となる。この移動により、可動片134a、134bの連結部材に結合された袋保持具120の一対のアーム122a、122bは水平方向から起立し直立状態になる。そして、可動片134aの側壁面が規制部材133に当接されて、一対のアーム122a、122bが直立した状態に維持される。
【0070】
袋保持具120は、図7に示すように、所定大きさを有する複数個の環状リング121a〜121nと、これらの環状リング121a〜121nが装着される一対のアーム122a、122bとで構成される。
【0071】
環状リング121a〜121nは、包装袋の開口直径より若干短い直径を有する環状リングからなり、所定太さの金属棒を円形に湾曲させて作製されている。また、各アーム122a、122bは、それぞれ同一長であって、その長さは包装袋の長手方向の長さより長尺で、且つ幅狭で所定の肉厚を有する棒状体からなっている。この棒状体からなる一対のアーム122a、122bは、一端部から他端部に向けて、等間隔に複数個、少なくともリングの数と同じ数の貫通孔123a〜123n、123a'〜123n'が形成されており、さらにこの貫通孔123a〜123n、123a'〜123n'の中心部を通る線に沿って分割可能となっている。各貫通孔123a〜123n、123a'〜123n'は、棒状体に形成され、環状リング121a〜121nの直径より若干大きい直径に形成され、これらの貫通孔に環状リングが挟持されたとき、これらのリングが貫通孔内で自由に回動できるようする。
【0072】
この環状リング121a〜121nと第1、第2アーム122a、122bとの接続は、各アーム122a、122bの中心に設けられた分割部分に環状リング121a〜121nを挟持し、この環状リング121a〜121nを各貫通孔123a〜123n、123a'〜123n'に配置することにより行われている。なお、第1、第2アーム122a、122bの長さLは取付けられる環状リング121a〜121nの径Rに比例して適宜変更可能とし、各アーム122a、122bの一端は可動片134a、134bにそれぞれ連結されるようになっている。また、一対のアーム122a、122bに設けられた貫通孔123a〜123n、123a'〜123n'同士の間隔は、可動片134a、134bの先端部139a、139bに取り付けられる一端部に近接する位置の貫通孔同士の間隔が比較的広く、この一端に対向する他端に近接する位置の貫通孔同士の間隔が比較的狭くなるように形成されるのが好ましく、このように形成された貫通孔123a〜123n、123a'〜123n'に取り付けられる環状リング121a〜121nは、被包装物が投入される開口付近は密に配置され、この開口から離れるにつれて徐々にその間隔が広くなる。環状リング121a〜121nがこのように配置されることにより、この袋保持具120に保持される包装袋への被包装物の押し込み投入時に、包装袋の一部が環状リング121a〜121n同士の隙間に巻き込まれたり、包装袋同士が接触することによる引っ掛かりを防止することができるため、よりスムーズな包装作業を行うことができる。
【0073】
組立てた袋保持具120は、一対のアーム122a、122bを環状リング121a〜121nの外周囲の対向する位置に移動させ、すなわち平行状態にして各アーム122a、122bを可動片134a、134bの先端部139a、139bに結合する。
この結合により、一対のアーム122a、122bは、垂直に立設しているときはそれぞれ所定間隔を空けて平行に対向し、且つ各環状リング121a〜121nはそれぞれ重合状態で水平に複数段各アーム122a、122bに装着されている。次いで、この立設状態から、水平状態へ倒したときも環状リング121a〜121nの水平状態は維持されて移動する。すなわち、各アーム122a、122bと環状リング121a(〜121n)と上辺枠片131bとは平行リンク(以下、第2平行リンクという)を形成している。
【0074】
このような第2平行リンクを形成する袋保持具120は、各アーム122a、122bが可動片134a、134bの先端部139a、139bに結合され、水平方向に倒れているときは、図5に示すように、複数個の環状リング121a〜121nも水平方向に倒れた状態になり、また、各アームを起立させると、図9(b)に示すように、アームの起立に伴って、各環状リング121a〜121nは水平状態を保持したまま上方へ持ち上げられ、各アーム122a、122bが直立した状態では、各環状リング121a〜121nは水平方向に所定の間隔をあけて多段階に重合された状態となる。したがって、このように環状リングを水平方向に倒した状態で包装袋の袋口に挿入すれば、袋口を環状リングの径より大きく開口させる必要はなく簡単に挿入させることができる。なお、上記環状リングは、必ずしも円形に限定されず、また、その個数は1個でもよい。
【0075】
袋支持体140は、図5に示すように、複数枚の包装袋142を積層して装着できるように袋の大きさに対応した平板状の板体141からなり、一端部には包装袋142を固定する一対の突起ピン143a、143bが設けられている。包装袋142は、上部に取付けられた穴をこの突起ピン143a、143bに挿通して板体141に装着される。また、一対の突起ピン143a、143bが設けられた端部には、包装袋142の端部を押える押さえ板145が装着される。この押さえ板145を設けることにより、送風機111から包装袋142の袋口にエアを吹付けたとき、この押さえ板145で積層された複数枚の包装袋142のうち、最上位の包装袋142の端部を押さえ、常に最上位の包装袋142のみを膨らませることができる。
この袋支持体140は、載置台に取外し自在に載置できるようになっている。したがって、袋支持体140の交換が容易になり、包装袋の大きさに対応した複数個の袋支持体を用意しておけば、被包装物の種類、サイズ等に応じて最適なものを選択できるようになる。
【0076】
また、板体141の端部には送風ダクトの排気口112が配設されている。この排気口112は、細長の形状で包装袋の幅長とほぼ同じ長さを有し、袋口に向けられている。送風ダクトは、所定の長さを有し、この排気口112と送風機111とを連結している。
【0077】
包装袋142は、一端に一対の突起ピン143a、143bに挿通されて係止される穴と、袋口とを有し、プラスチックフィルム等の柔軟な材料で形成されている。
また、この包装袋142に被包装物のイラスト或いは製造元等を印刷したものを使用する場合は、これらの印刷が袋内に位置するようにする。その理由は、包装袋が袋保持具に逆さまに被着され、底部から被包装物が投入されるため、被包装物の包装が完了した段階で袋が裏返しになるためである。
【0078】
次に、この包装機の使用法を図5〜図10を参照して説明する。
図8は実施例2の包装機において袋保持具を包装袋内へ挿入する過程を示す側面図、図9は袋保持具を包装袋内へ挿入し保持具を起立直立させる過程を示す側面図、図10は袋保持具に被せられた包装袋に被包装物を投入する過程を示す側面図である。なお、図9、図10では詳細が見やすいように手前側に位置する支柱104aを一部省略して図示している。
先ず、複数枚の包装袋142を袋支持体140に取付ける。この取付けは、図5に示すように、各包装袋の穴を突起ピン143a、143bに挿入して固定する。そして複数枚の包装袋142を取付けた袋支持体140を載置台に載置して固定する(図8(a)参照)。
一方、操作レバー136は、台座102から離れる方向に引いておく。この状態では、袋保持具120の各アーム122a、122b及び複数個の環状リング121a〜121nは水平方向に倒れた状態になっている。また、この状態では、移動枠体131に結合されたリンク機構132は、図6(a)に示すように、上辺枠片131b、一対の可動片134a、134b及び連結片135により、右下がりに傾斜した平行四辺形となっている。
【0079】
次に、開口機構110である送風機111を作動して包装袋142の袋口へエアを吹付けて袋口を開口させる。送風機111の起動は、包装機101の使用時に起動スイッチ(図示省略)をオンにすることによって行なわれる。なお、送風機111の起動制御は操作機構130に連動させたスイッチを設けて、操作レバー136の移動に連動させてオン・オフ制御するようにしてもよい。
【0080】
このエアの吹付けにより、積層された包装袋142の最上位の包装袋の袋口が開口されると、操作機構130を台座102方向へ押込み、移動枠体131に結合された袋保持具120の第1、第2アーム122a、122b及び環状リング121a〜121nを袋口に挿入する。このとき、一対のアーム122a、122b及び環状リング121a〜121nは、水平方向に倒れているので、挿入される面の面積が小さく、袋口への挿入が確実に行える(図8(b)参照)。
【0081】
更に操作機構130を押し込むと、スライダ137の先端がガイド部材104のストッパ104cに衝突し、このスライダ137の移動が停止される。そしてさらに操作レバー136を台座102方向へ押し込むと、可動片134a、134bが回動される。この可動片134a、134bの回動により、第1平行リンク132は、図6(a)、図6(b)に示すように、それまで右下がりに傾斜した平行四辺形であったものがほぼ正四辺形を経て左下がりに傾斜した平行四辺形に変形され、この変形に伴って一対のアーム122a、122b等からなる第2平行リンクは、図9(a)に示すように、水平方向から起立し始め、これに追随して複数個の環状リング121a〜121nは、水平状態を保持し包装袋142を被着したまま上方へ持ち上げられる。その後、可動片134aの下方側面がストッパ133に当接されて、両アームが垂直に起立した状態で維持される(図6(b)、図9(b)参照)。
両アーム122a、122bが直立すると、複数個の環状リング121a〜121nは、図9(b)に示すように、それぞれ水平方向に等間隔に多段階に重合された状態になり、これらの環状リング121a〜121nには、包装袋142が底部が上になった逆さま状態で被着されている。
その後、被包装物、例えば数個のナスを環状リング121a〜121nに被せられた包装袋142の底部から環状リング121a〜121n内に押し込み投入し(図10(a)参照)、押込まれたナスは、その重みで下降し、各リング121a〜121nの間から外へ取出す。その後、包装袋の袋口は、テープ等で封緘される。この動作は、以後繰り返して行われる。
【0082】
上述の実施例2の包装用補助具を用いた包装機によれば、袋保持具は、所定大きさの環状リングと、この環状リングの外周囲にそれぞれ軸支された一対の第1、第2アームとで構成されるので、従来技術の保持枠のように、成型する金型が不要になり簡単で安価に製作できる。このため、サイズの異なる多数の袋保持具を簡単に製作できるので、被包装物の大きさに応じた広範囲の被包装物に適用できる多種類の袋保持具をパーツとして安価に提供できる。また、この袋保持具の環状リングは、包装袋の袋口への挿入時に水平方向に倒れた状態で袋口へ挿入されるので、袋口への挿入が確実になり挿入ミスによる包装袋のロスがなくなる。
【0083】
更に、操作レバー押し込みで袋保持具の両アームの起立直立に追随して、環状リングが水平状態を維持しながら持ち上げられ、この水平状態で包装袋が底部を上にして被せられるので、この包装袋の底部から被包装物を押込み投入することにより、被包装物を環状リングに接触させずにスムーズに投入することができる。更にまた、この包装機は、袋保持具を簡単、安価に製作できるので、被包装物の大きさに応じた広範囲の被包装物へ適用可能な包装機を安価に提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】図1は本発明の実施例1に係る包装用補助具を包装機に使用した斜視図、
【図2】図2は図1の包装機のホッパーを示す斜視図、
【図3】図3は袋保持具と包装袋を示し、図3(a)は袋保持具の斜視図、図3(b)はこの保持具に吊下される包装袋の斜視図、
【図4】図4は図1の包装機の動作説明図、
【図5】図5は本発明の実施例2に係る包装用補助具を包装機に使用した外観斜視図、
【図6】図6は図5の包装機の操作機構を示す外観斜視図、
【図7】図7は図5の包装機の袋保持具を示す外観斜視図、
【図8】図8は実施例2の包装用補助具を用いた包装機において袋保持具を包装袋内へ挿入する過程を示す側面図、
【図9】図9は実施例2の包装用補助具を用いた包装機において袋保持具を包装袋内へ挿入し、保持具を起立直立させる過程を示す側面図、
【図10】図10は実施例2の包装用補助具を用いた包装機において袋保持具に被せられた包装袋に被包装物を投入する過程を示す側面図、
【図11】図11は従来技術の包装機を示す図、
【図12】図12は従来技術の包装機の側面図、
【図13】図13は図12の包装機の保持枠を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0085】
1 包装機
2 基台
3、4 支柱
6 ストッパ
10 ホッパー
11 第1アーム
12 第2アーム
13a〜13n 環状リング
14 棒状体
15 ガイド部材
20 操作機構
21 操作レバー
22 第1作動レバー
23 第2作動レバー
30 ホッパー導入機構
31 ガイド部材
32 ガイド桿
34 ホッパー支持腕
40 袋口開口機構
46 粘着部材
48 袋支持部
50 袋保持具
53 包装袋
101 包装機
102 台座
104 ガイド部材
110 開口機構
120 袋保持具
130 操作機構
131 移動枠体
134a、134b 可動片
135 連結片
136 操作レバー
137 スライダ
140 袋支持体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被包装物を投入するホッパーと、このホッパーを上下動させる昇降機構と、を備えた包装用補助具において、
前記ホッパーは、所定径を有する環状リングと、この環状リングの外周囲の一部を回動自在に挟持する一対の第1、第2アームとからなり、前記第1アームは前記昇降機構に固定し、前記第2アームは降下規制部材を設けて前記第1アームに対向させて吊下し、前記昇降機構により第1アームを引き上げたとき、前記第2アームを前記第1アームに接近させて前記環状リングを垂下状態にして包装袋の袋口へ挿入されるようにし、次いで、前記昇降機構により前記ホッパーを下降させたとき、前記降下規制部材により前記第2アームの降下を停止させて、前記環状リングを包装袋内で水平状態に保持させるようにしたことを特徴とする包装用補助具。
【請求項2】
前記ホッパーは、複数個の環状リングを備え、前記第1、第2アームの上方部には複数個の環状リングが間隔を狭く、下方部には複数個の環状リングが間隔を広げて挟持されていることを特徴とする請求項1に記載の包装用補助具。
【請求項3】
前記環状リングは、円形、楕円形、多角形の何れかの形状を有していることを特徴とする請求項1に記載の包装用補助具。
【請求項4】
前記第1、第2アームは、前記環状リングを複数個挟持し、両アームを連結している前記環状リングが垂下状態にあるときに、前記第1アームあるいは第2アームの下端部が前記第2アームあるいは第1アームの下端部より下方へ所定長さ延設されていることを特徴とする請求項1に記載の包装用補助具。
【請求項5】
前記第1、第2アームは、両アームを連結している前記環状リングが水平状態のときに、下端部の長さが同じになるように形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装用補助具。
【請求項6】
前記ホッパーは、前記昇降機構に着脱自在な結合手段により装着されていることを特徴とする請求項1に記載の包装用補助具。
【請求項7】
前記ホッパーは、前記環状リングの最上位に位置する環状リングに近接した位置に、被包装物の投入をガイドするガイド部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の包装用補助具。
【請求項8】
包装袋に挿入されて包装袋を保持する袋保持具と、この袋保持具を所定位置へ移動させる操作機構と、を備えた包装用補助具において、
前記袋保持具は、所定径を有する環状リングと、この環状リングの外周囲の一部を回動自在に挟持する一対の第1、第2アームとからなり、前記第1、第2アームは前記操作機構に対向させて回動自在に固定し、前記操作機構により前記第1、第2アームを水平方向へ移動させたときに、各第1、第2アームを接近させて前記環状リングを水平方向へ倒して包装袋口へ挿入されるようにし、次いで、前記操作機構により前記第1、第2アームを所定角度に起立させる際に、前記第1、第2アーム間の隙間を徐々に拡大させて、各アームが起立したときに、前記環状リングを水平状態に保持させることを特徴とする包装用補助具。
【請求項9】
前記袋保持具は、複数個の環状リングを備え、これらの環状リングは、前記第1、第2アームの前記操作機構への取付け部分の環状リング間の間隔が広く、他端部の環状リング間の間隔が狭くして挟持されていることを特徴とする請求項8に記載の包装用補助具。
【請求項10】
前記袋保持具は、前記操作機構に着脱自在な結合手段により結合されていることを特徴とする請求項8に記載の包装用補助具。
【請求項11】
前記環状リングは、円形又は楕円形状をしていることを特徴とする請求項8に記載の包装用補助具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2006−306488(P2006−306488A)
【公開日】平成18年11月9日(2006.11.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−134647(P2005−134647)
【出願日】平成17年5月2日(2005.5.2)
【出願人】(591038026)福岡丸本株式会社 (20)
【Fターム(参考)】