説明

包装袋の集積装置

【課題】高速搬送されてもなお包装袋を所望の形態で集積できるようにする。
【解決手段】包装袋Wを一列に並んだ状態で給送する搬入コンベア10と、この搬入コンベア10から包装袋Wが一袋移載されるごとに包装袋Wにおける搬送方向に沿った長さよりも短い距離ずつ間欠移動し、かつ当該間欠移動に伴って互いに一部が重なり合う形態で積み重ねられた包装袋Wが所定数に達したところで所定数の包装袋Wを搬出位置に揃って移載すべく高速移動する集積コンベア15と、この集積コンベア15との間で包装袋Wを弾性的に挟圧可能で、かつ集積コンベア15と同期的に移動可能な保持用コンベア30とが具備されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、充填物が袋詰めされた包装袋を別途大袋に袋詰めする場合等に用いて好適な集積装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、比較的厚肉(10mm程度)で、かつ幅広(数10mm程度)の包装袋を集積して別途大袋等に袋詰めする形態の一例として、以下のようなものが知られている。このものは、搬入コンベア、集積コンベア及び搬出コンベアが繋がって配設されており、搬入コンベアは、自動包装機で製造された包装袋が一列に並んで連続的に搬入される一方、集積コンベアは、搬入コンベアの終端から包装袋が一袋移載されるごとに包装袋の幅(搬送方向に沿った長さ)よりも短い距離ずつ間欠移動して、包装袋を互いに一部が重なり合うように積み重なった形態(刺身状)に集積し、所定の集積数に達したところで高速移動して、当該集積された包装袋群を揃って搬出コンベアに移載する。そして、刺身状に集積された包装袋群が搬出コンベアにより所定の袋詰め作業位置まで搬出されると、作業者はその包装袋群を両手で挟むようにしてまとめ、大袋に順次に詰め込むようになっている(例えば、特許文献1参照)。
このように包装袋を刺身状に集積するのは、袋詰めする前にまとめる作業がしやすく、また目視により数も確認しやすいためである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−17134号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、この種の包装袋を製造するについては漸次高速化が要求されているが、それに伴い搬入コンベアの搬送速度、ひいては集積コンベアの速度も速められることになる。集積コンベアの各間欠移動の速度が高くなると、包装袋がコンベア上でスリップするような状態となって向きが変わってしまう等の事態が起き、綺麗な刺身状に並ばないことが懸念される。また、所定数集積されたのちは、集積コンベアがさらに高速で移動するのであるから、包装袋群がさらにばらつくおそれがある。そうすると、袋詰め前に包装袋群をまとめる作業に手間取る等の不具合があり、その対策が切望されていた。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、その目的は、高速搬送されてもなお包装袋を所望の形態で集積できるようにするところにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の包装袋の集積装置は、包装袋を一列に並んだ状態で給送する搬入コンベアと、この搬入コンベアから包装袋が一袋移載されるごとに包装袋における搬送方向に沿った長さよりも短い距離ずつ間欠移動し、かつ当該間欠移動に伴って互いに一部が重なり合う形態で積み重ねられた包装袋が所定数に達したところで所定数の包装袋を搬出位置に揃って移載すべく高速移動する集積コンベアと、この集積コンベアとの間で前記包装袋を弾性的に挟圧可能で、かつ前記集積コンベアと同期的に移動可能な保持用コンベアと、が具備されたところに特徴を有する。
【0006】
上記構成によれば、包装袋が集積コンベアで搬送される際、保持用コンベアとの間で弾性的に挟圧された状態で搬送されるから、搬送コンベアとの間でスリップすることが抑えられて、包装袋は正規に重なり合って積み重ねられた形態で集積され、また正規の集積形態のまま搬出位置に取り出される。
【0007】
また、以下のような構成としてもよい。
(1)前記保持用コンベアには、前記集積コンベアとの間隔又は/及び対向している長さ領域を調整可能な調節手段が設けられている。包装袋の大きさや集積数等の条件に応じて、最適の挟持態様を得ることができる。
(2)前記搬送コンベアの各間欠移動の速度並びに高速移動の速度を調節可能な速度調整手段が設けられている。包装袋の大きさや集積数等の条件に応じて、最適の移動速度を得ることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、高速搬送されてもなお包装袋を所望の形態で集積して取り出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態に係る集積装置の正面図
【図2】同一部切欠平面図
【図3】集積の序盤状態を示す概略正面図
【図4】同中盤状態を示す同図
【図5】同終盤状態を示す同図
【図6】包装袋群が搬出コンベアに移載された状態の同図
【発明を実施するための形態】
【0010】
<実施形態>
本発明の一実施形態を図1ないし図6によって説明する。本実施形態の集積装置は、充填物が充填された包装袋Wを製造する包装機と、製造された包装袋Wを複数個ずつ別途準備された大袋内に詰める袋詰め作業位置との間に設置されている。この実施形態では、包装袋Wには、背貼り三方型の包装袋(縦ピロー型とも言う)で、縦120mm、横65mm及び厚さ10mm程度のものが例示され、7袋ずつ集積するようになっている。
【0011】
集積装置は、図1に示すように、搬入コンベア10、集積コンベア15及び搬出コンベア29が一列に並んで配設されているとともに、集積コンベア15の上方に保持用コンベア30が設けられている。
搬入コンベア10は、包装機における製品排出部の次段に設置されており、製造された包装袋Wを受けて同包装袋Wを所定間隔を開けて連続して集積コンベア15側に向けて搬送し、終端に設置された斜め下向きの投入板11から、集積コンベア15上に投入するようになっている。投入量は例えば毎分200袋程度である。
【0012】
集積コンベア15は、一対の駆動プーリ16と被動プーリ17とに無端状の平ベルト18が掛け回され、全体としては、搬送方向における少し前上がりの傾斜姿勢(図1における右上がりの姿勢)を取って配設されている。詳細には、図2に示すように、駆動プーリ16、被動プーリ17ともに、左右2個ずつが所定間隔を開けて一体回転可能となっているとともに、平ベルト18も小幅の左右2枚の平ベルトから構成され、各平ベルト18が左側または右側の対をなす駆動プーリ16と被動プーリ17とに掛け回されている。
この集積コンベア15の上方走行部15Uが包装袋Wを載せて搬送するように機能し、したがって上方走行部15Uは、包装袋Wの縦寸法に匹敵する幅を有しており、また、同上方走行部15Uを構成する左右の平ベルト18は、それぞれ受け板19で受けられて走行するようになっている。
【0013】
集積コンベア15の駆動源にはサーボモータ20が備えられている。図1に概略を示すように、サーボモータ20の出力軸21に連結された駆動ギア22が中間ギア23を介して被動ギア24と連結され、同被動ギア24と同軸に設けられたタイミングプーリ25と、上記した駆動プーリ16と同軸に設けられたタイミングプーリ26との間にタイミングベルト27が掛け回されている。
そして、サーボモータ20の出力軸21が図1の時計回り方向に回転することに伴い、タイミングベルト27を介して、集積コンベア15の平ベルト18が同図の時計回り方向に循環走行するようになっている。結果、集積コンベア15の上方走行部15Uは、図1の右方向に走行する。
【0014】
集積コンベア15の始端側から全長の約1/3搬送方向の前方に入った位置で、かつ上方走行部15Uより所定高さ上方の位置には、上記した搬入コンベア10の投入板11の先端が臨んでいる。
また、集積コンベア15の終端側には、搬出コンベア29が連ねて設けられている。搬出コンベア29は、同図の時計回り方向に連続して循環走行し、すなわち上方走行部29Uが同図の右側に連続走行するようになっている。同上方走行部29Uは、集積コンベア15の上方走行部15Uよりも少し低い位置にほぼ水平姿勢で配設され、搬出コンベア29の終端付近に、袋詰め作業位置が設定されている。
【0015】
再び集積コンベア15の説明に戻ると、駆動源であるサーボモータ20は、所定の態様で回転数が制御され、それにより上方走行部15Uの走行が制御されるようになっている。具体的には上方走行部15Uは、所定時間間隔(投入板11から包装袋Wが投入される時間間隔)ごとに、包装袋Wの幅寸法(搬送方向に沿った長さ)よりも短い距離ずつ間欠移動され、これが6回継続されると、最後には、詳しくは後記するように、集積された7袋の包装袋Wの全てを搬出コンベア29の始端に移載できるように高速移動され、この走行制御が繰り返し実行されるようになっている。
【0016】
さて、集積コンベア15から搬出コンベア29の始端部に亘る上方には、保持用コンベア30が設けられている。保持用コンベア30は、駆動プーリ31、中間プーリ32及び被動プーリ33とに無端状の丸ベルト35が掛け回されて形成されている。各プーリ31,32,33の配置は、駆動プーリ31が、搬入コンベア10の投入板11の先端位置よりもさらに相当量高い位置、また中間プーリ32が、集積コンベア15の全長のほぼ中間位置で、かつ投入板11の先端位置とほぼ同じ高さ位置、さらに被動プーリ33は、搬出コンベア29の始端側から所定距離搬送方向の前方に入った位置で、かつ上方走行部29Uより所定高さ上方の位置にそれぞれ配されている。
【0017】
全体としては、中間プーリ32の位置が頂点となる下向きの三角形状をなす配置となっており、駆動プーリ31と中間プーリ32との間が傾斜走行部30S、中間プーリ32と被動プーリ33との間が下方走行部30D、また被動プーリ33と駆動プーリ31との間が上方走行部30Uとなっており、上方走行部30Uの途中位置の外側から、テンションプーリ34が当てられている。
より詳細には、図2に示すように、駆動プーリ31、中間プーリ32、被動プーリ33及びテンションプーリ34はそれぞれ、2条ずつの溝37を形成した左右2個のプーリが所定間隔を開けて一体回転可能に連結された構造となっている。
【0018】
丸ベルト35としては、ウレタンゴム製等の弾力性に富んだ4本の丸ベルト35から構成され、2本ずつの丸ベルト35が左側と右側と組をなす駆動プーリ31、中間プーリ32及び被動プーリ33とに掛け回され、かつ左右のテンションプーリ34が当てられている。
【0019】
保持用コンベア30は、集積コンベア15と同期して走行駆動され、上記したサーボモータ20を駆動源として共用している。サーボモータ20の駆動伝達機構に介設された上記の中間ギア23と同軸に設けられたタイミングプーリ28と、駆動プーリ31と同軸に設けられたタイミングプーリ38との間に、別のタイミングベルト39が掛け回されている。
【0020】
サーボモータ20の駆動に伴い、タイミングベルト39を介して、保持用コンベア30の丸ベルト35が図1の反時計回り方向に循環走行し、結果、保持用コンベア30の下方走行部30Dは、同図の右方向に走行する。この下方走行部30Dの始端側における全長の約半分の領域が、詳しくは後記するように、上記した集積コンベア15の後半部分との間で、包装袋Wを弾性的に挟持するように機能する。
そして、サーボモータ20の回転数が上記のように制御されることに伴い、保持用コンベア30の下方走行部30Dは、集積コンベア15の上方走行部15Uと同期して、6回の間欠移動と、1回の高速移動の走行制御が繰り返して実行されるようになっている。
【0021】
保持用コンベア30では、丸ベルト35の張力調整機構、並びに下方走行部30Dの角度調整機構とが装備されている。
まず、定位置に設けられた駆動プーリ31の軸31Aから長尺の第1レバー41が揺動可能に突設され、この第1レバー41の先端に被動プーリ33の軸33Aが支持されていて、被動プーリ33の軸33Aが、図1の矢線aに示すように、第1レバー41の長さ方向に沿って移動調整されることで、丸ベルト35の張力が調整される。
また第1レバー41には、上記したテンションプーリ34を軸支した第1可動片42が、第1レバー41と交差する方向の移動可能に取り付けられていて、第1可動片42が同図の矢線bに示す方向に移動調整されることで、テンションプーリ34が上方走行部15Uに対して接離する方向に移動調整され、それにより丸ベルト35の張力が微調整されるようになっている。
【0022】
一方、上記した第1レバー41が同図の矢線cに示すように揺動調整されることで、被動プーリ33の高さが調整されるようになっている。
また、第1レバー41には、第2可動片44が、上記した第1可動片42よりも駆動プーリ31に寄った位置において、同じく第1レバー41と交差する方向の移動可能に取り付けられ、この第2可動片44の上端部に、上記した中間プーリ32を下端部に軸支した短寸の第2レバー45の上端部が揺動可能に軸支されている。
【0023】
したがって、第2可動片44が同図の矢線dに示すように移動調整されることで、中間プーリ32の高さが調整され、また、第2レバー45が同図の矢線e方向に揺動調整されることで、中間プーリ32の搬送方向の位置が調整できるようになっている。
このような被動プーリ31と中間プーリ32との位置調整に伴い、下方走行部30Dにおける丸ベルト35の角度、ひいては、同丸ベルト35と集積コンベア15との間に構成される包装袋Wの挟持領域50の入口と出口の高さ寸法、並びに同挟持領域50の長さ寸法等を調整できるようになっている。
このような下方走行部30Dの角度調整機構と、挟持領域50の長さ調整機構とが、本発明の調節手段に相当する。
【0024】
続いて、本実施形態の作動を説明する。
上記したように、包装袋Wが幅65mmの大きさを有し、かつ集積数が7袋であることに対応し、集積コンベア15及び保持用コンベア30の搬送形態が、移動距離が包装袋Wの幅の半分強である40mm程度の間欠移動が6回行われ、最後の7回目が集積された7袋の包装袋Wがすべて搬出コンベア29に移送可能な高速移動となるように、サーボモータ20の回転制御が設定される。
それとともに、保持用コンベア30の下方走行部30Dにおける丸ベルト35の角度と、中間プーリ32の搬送方向における位置が調整され、例えば、挟持領域50の入口の高さが、包装袋Wの厚さの3〜4倍程度、同出口の高さが、包装袋Wの厚さの半分程度に設定され、また挟持領域50の長さ寸法が、規定の集積数よりも1袋少ないところの、先に集積された6袋の包装袋Wを挟持し得る長さ寸法に設定される。
【0025】
次に、集積動作を図3ないし図6によって説明する。なお、充填物を充填した包装袋Wの形状は一定ではなく、特に厚さについては挟圧されることで変化しやすいものであって、動作説明に用いる図3ないし図6は、包装袋Wが定形をなす模式図として示している。
自動包装機で製造された包装袋Wは、搬入コンベア10上に所定間隔を開けて載置された状態で搬送され、終端の投入板11から所定時間間隔を開けて順次に集積コンベア15側に投入される。投入された最初の包装袋W1は、保持用コンベア30の傾斜走行部30Sの下部位置に当たったのち、集積コンベア15の上方走行部15Uにおける中間プーリ32の手前側に寝た姿勢で落ち、そのタイミングで、集積コンベア15と保持用コンベア30とが所定距離間欠移動され、図3に示すように1番目の包装袋W1はその幅の半分程度が移送され、その間に、2番目の包装袋W2が投入されて落下することにより、同図の鎖線に示すように、2番目の包装袋W2は斜め姿勢を取りつつその右側縁部(搬送方向の前縁部)が1番目の包装袋W1の左側縁部(搬送方向の後縁部)に重なる。
【0026】
そうしたら、両コンベア15,30が間欠移動されて、1番目と2番目の包装袋W1,W2が重なった状態で移送され、次に同様に、3番目の包装袋W3が投入されて落下することにより、その右側縁部が一袋前の2番目の包装袋W2の左側縁部に重なり、続いて両コンベア15,30が間欠移動されることにより、図4に示すように、2番目と3番目の包装袋W2,W3の重なり合った部分が、集積コンベア15の上方走行部15Uの平ベルト18と、保持用コンベア30の下方走行部30Dの丸ベルト35の間で弾性的に挟まれた状態となる。
【0027】
そののちは、包装袋Wが投入落下されてその右側縁部が一袋前の包装袋Wの左側縁部に重なると、集積コンベア15の下方走行部30D上にいわゆる刺身状に集積された包装袋Wが、両コンベア15,30の平ベルト18と丸ベルト35で弾性的に挟持されつつ所定距離間欠的に移送され、引き続いて次に投入された包装袋Wが、先に集積された包装袋群の最後尾の包装袋W上に落下して重ねられるといった動作が繰り返される。
【0028】
図5の鎖線に示すように、7番目の包装袋W7が投入されて6番目の包装袋W6に重なった状態となり、7袋の包装袋W1〜W7が集積されると、集積コンベア15と保持用コンベア30とが高速移動され、図6に示すように、集積された包装袋群Wa(W1〜W7)が平ベルト18と丸ベルト35との間で弾性的に挟持されつつ、次工程の搬出コンベア29上に揃って移載される。
搬出コンベア29への移載が完了すると、次の包装袋群Waの最初の包装袋W1が投入され、上記した動作が繰り返し実行されることで、7袋が刺身状に集積され、集積されたところで搬出コンベア29に揃って移載されることが繰り返される。
刺身状に集積された包装袋群Waが、搬出コンベア29によって箱詰め作業位置まで搬送されると、作業者はその包装袋群Waを両手で挟むようにしてまとめ、別途準備された大袋に順次に詰め込む作業を行うことになる。
【0029】
以上のように本実施形態によれば、包装袋Wが集積コンベア15で搬送される際、保持用コンベア30との間で弾性的に挟圧された状態で搬送されるから、高速搬送される場合でも搬送コンベア15との間でスリップすることが抑えられて、包装袋Wは正規に重なり合って積み重ねられた形態で集積され、また正規の集積形態のまま搬出位置に取り出すことができる。そのため、包装袋Wの袋詰めを行うに際して、集積された包装袋群Waをまとめる作業が容易にでき、ひいては袋詰め作業を能率良く行うことができる。
特に、挟持空間50の入口よりも出口を狭くして、挟持空間50が先細りのテーパ状をなすように形成したから、包装袋Wが刺身状に集積される場合に、包装袋群における搬送方向の前側ほど背が低くなりがちであるところを、そのような包装袋群を全長に亘って確実に挟持でき、また包装袋Wの厚さの変化にも対応でき、高速搬送されるにも拘わらず、包装袋群を刺身状の形態に保持したまま確実に搬送することができる。
【0030】
なお包装袋Wについては、上記に例示したもの以外に、縦、横(幅)及び厚さの寸法が上記とは異なる包装袋についても適用可能であり、また、集積数も任意に設定できる。
縦寸法が異なる包装袋については、集積コンベア15、保持用コンベア30等の幅を調整することで対応できる。
また、包装袋の幅や厚さの相違、さらには集積数の相違については、保持用コンベア30の下方走行部30Dにおける丸ベルト35の角度と、中間プーリ32の搬送方向における位置を調整し、具体的には、包装袋Wの挟持領域50の入口と出口の高さや、挟持領域50の長さ寸法を最適のものに設定すればよい。
【0031】
本実施形態では、集積コンベア15と保持用コンベア30との駆動源に共通のサーボモータ20を使用している。包装袋Wの集積形態等が変更となったら、サーボモータ20の制御形態を変更することで各種搬送態様を調整することができる。
両コンベア15,30は基本的には、包装袋Wの集積数から一を減じた回数の間欠移動と、1回の高速移動とを1サイクルとして移動制御される。したがって、集積数に応じて、1サイクルにおける間欠移動の回数が設定される。また、包装袋Wの投入量(所定時間内の投入数)に応じて、1サイクルの所用時間が設定される。
【0032】
その他、包装袋Wの大きさ(主に幅)に応じて、同包装袋Wを間欠的に移動させる際の速度を調整したり、集積数に応じて、最後に高速移動させる際の速度を調整することができる。
また、包装袋Wを間欠移動させる際、厳密には1番目や2番目の包装袋W1,W2は、保持用コンベア30との間での挟圧力に劣りがちであって、それ以降と比べると、集積コンベア15との間でスリップしやすいともいえるから、1サイクルの間の間欠移動において、初めの方の間欠移動はそれ以降に比べて速度を遅く留め、スリップをより確実に防止することが望ましい。それにより、正規の集積形態をより確実に形成することができる。
【0033】
<他の実施形態>
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)保持用コンベアに適用するベルトは、上記実施形態に例示したウレタンゴム製の丸ベルトに限らず、要は集積コンベアとの間で包装袋を弾性的に挟圧できるように弾力性に富んだベルトであればよい。
(2)上記実施形態では、集積コンベアと保持用コンベアの駆動源としてサーボモータを共用した場合を例示したが、各コンベアの駆動源を個別のサーボモータとして、両サーボモータを同期して制御するようにしてもよい。
【0034】
(3)包装袋としては、上記実施形態に例示した縦ピロー型の包装袋に限らず、要は比較的厚肉でかつ幅広であって、刺身状に集積することに適した包装袋全般に広く適用することができる。
(4)包装機としては、縦型の単列若しくは多列の包装機、さらにはロータリ式包装機等、広範囲に亘って適用することができる。
(5)上記実施形態では、集積コンベアの後段に搬出コンベアを設けた場合を例示したが、これに代えて固定の作業テーブルを設けてもよく、そのようなものも本発明の技術的範囲に含まれる。
(6)上記実施形態では、搬出コンベアの終端付近に、集積された包装袋群をダンボール箱に詰める前に大袋に詰める袋詰め作業位置を設定した場合を例示したが、集積された包装袋群を直接にダンボール箱に詰める箱詰め作業位置を設定してもよい。
【符号の説明】
【0035】
W…包装袋
Wa…包装袋群
10…搬入コンベア
15…集積コンベア
15U…上方走行部
20…サーボモータ(速度調整手段)
30…保持用コンベア
30D…下方走行部
31…駆動プーリ
32…中間プーリ
33…被動プーリ
35…丸ベルト
41…第1レバー
44…第2可動片
45…第2レバー
50…挟持領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装袋を一列に並んだ状態で給送する搬入コンベアと、
この搬入コンベアから包装袋が一袋移載されるごとに包装袋における搬送方向に沿った長さよりも短い距離ずつ間欠移動し、かつ当該間欠移動に伴って互いに一部が重なり合う形態で積み重ねられた包装袋が所定数に達したところで所定数の包装袋を搬出位置に揃って移載すべく高速移動する集積コンベアと、
この集積コンベアとの間で前記包装袋を弾性的に挟圧可能で、かつ前記集積コンベアと同期的に移動可能な保持用コンベアと、が具備されたことを特徴とする包装袋の集積装置。
【請求項2】
前記保持用コンベアには、前記集積コンベアとの間隔又は/及び対向している長さ領域を調整可能な調節手段が設けられていることを特徴とする請求項1記載の包装袋の集積装置。
【請求項3】
前記搬送コンベアの各間欠移動の速度並びに高速移動の速度を調節可能な速度調整手段が設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2記載の包装袋の集積装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−251760(P2011−251760A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−128758(P2010−128758)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【出願人】(592242660)株式会社東陽機械製作所 (20)
【Fターム(参考)】