説明

包装製品、フィルム及び肉の目的の色の維持を促進する方法並びに強化された熱成形性を有する通気性のある包装品フィルム

【課題】目的とする食品外観の促進又は保存を可能とする食品包装製品を提供する。
【解決手段】ミオグロビンブルーミング剤を含有する食品包装製品、食品包装フィルム、及び食品包装品方法であり、包装フィルムの上記食品接触層にはミオグロビンブルーミング剤が含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願:
本出願は、2004年4月2日に出願された予備出願第60/559,350号の利益を主張して、2005年4月4日に出願された国際出願番号PCT/US2005/011387号の部分継続出願であり、それら両方の出願の全てをここで資料として使用する。
【0002】
技術分野:
ブルーミング剤を含有する食品包装製品、食品包装品、及びそれらを含む食品包装方法を下記に示す。
【背景技術】
【0003】
肉色は、肉の重要な品質的特徴であり、その売れ行きに影響する。消費者はしばしば色を肉の品質及び新鮮さの指標として使用する。肉色は、肉中のミオグロビンの量及び化学的状態に関係する。ミオグロビンは、全ての動物の筋肉組織中に存在し、可逆的に酸素分子を結合することにより酸素を貯蔵し供給する機能を発揮し、その結果ミトコンドリアへの酸素の細胞内源を形成する。豚肉及び鳥肉は一般的に、牛肉よりもミオグロビン量が少ないために牛肉よりも色が薄い。
【0004】
ミオグロビンは、酸素分子(O若しくは「酸素」)又は水等の一定の小分子と結合できるヘムと呼ばれるオープン結合部位を有する。ヘム部位へ結合した分子を持たないミオグロビンは、デオキシミオグロビンと呼ばれる紫色の分子である。ミオグロビン結合部位へ結合したリガンドの存在及び種類により、ミオグロビンの色を変化させることができる。肉製品の色は、存在するミオグロビン量並びにヘム結合部位へ結合したリガンド分子の量及び種類に応じて変化する。酸素分子は容易にヘム基へ結合するリガンドとして作用し、血流から細胞内のミトコンドリアへの酸素の生物学的移動を可能とする。酸素がヘムポケットへ結合する場合、紫色のデオキシミオグロビンは、その赤色が特徴的なオキシミオグロビンとなる。水分子がヘム基へ結合する場合、そのミオグロビン分子は茶色となり、メトミオグロビンと言われる。一酸化炭素(CO)の結合は、酸素結合により形成されるものと類似の赤色を生じる。一酸化窒素(NO)は、保存されている肉中の安定なピンク色を形成すると報告されている。
【0005】
歴史的に、消費者へ提供される新鮮肉製品は、末端消費者のために実質的に最終販売場所で製造され包装されてきた。新鮮肉の目的の色を保存する製品包装品は、消費者への肉製品の購買力及びアピールを促進できる。現在の肉包装技術は、様々な理由のために好ましい肉色を保持するのに不充分である。新鮮肉の小売り食料品店で使用される従来の包装方式は、製品を保持する発泡トレイの周囲に薄いプラスチックフィルムを伸ばすことである。そのフィルムは酸素透過性であり、肉の色は直ちに発色(ブルーム)して明るい赤となる。しかし、明るい赤色の保持時間はわずか約3日である。従って、肉が栄養分を保ち、摂取のために健全であるにもかかわらず、展示されるか販売される前に色がしばしば不適当なものとなるために、この包装方式は好ましくない。その結果、より長い時間新鮮肉の肉色を維持する包装方式が、中央集中的包装操作のために長い間求められてきた。一方、肉は酸素バリア、即ち真空シールされて包装品が開かれるまで酸素が肉と接触することを防止する真空バッグ中でも包装されている。真空シールされた赤い肉製品は、栄養分が保存され、健全で長い貯蔵寿命を有する。しかしそれらは、包装品中で肉色が好ましくない紫色となる場合があり、それは肉が空気へ曝されるまで目的とする赤色となるようにブルームしない。消費者の紫色の肉の受容性は、赤色の肉のものより低い。消費者へ好ましい赤色の肉を提供するために、肉は又、調整気相包装品(MAP)中に包装され、肉はシールされた周囲空気とは異なる空気で、例えば、酸素富化された空気(80体積%まで)を含有する市販用MAP等を含有する袋内に維持され、好ましい赤色を維持する。ある種のケースレディMAPは、肉を展示直前まで非常に低酸素濃度の二酸化炭素中に維持し、肉が酸素へ曝露されるとブルーミングが発生して目的の赤色となる。一方、肉は小濃度(例えば、0.4体積%)の一酸化炭素(CO)を含有する空気を含むMAPと接触すると、好ましい赤い肉色を維持する。しかし、CO含有MAPは真空包装された肉に匹敵する貯蔵寿命を維持できる一方、COの存在により生じた赤色は、「不自然に」明るい赤として感じされる。更に、COにより発色した赤色は肉製品の大部分を透過して広がりやすく、永久的「ピンク色化」を肉の内側に生じ、それは肉が完全に調理された後でさえ残ってしまう。明るい赤COミオグロビン錯体は、「カルボキシミオグロビン」に該当する。一酸化炭素の存在は又、消費者へCO含有MAP包装品の販売に際して好ましくない印象を与える。
【0006】
MAPは又、変性空気が肉表面と接触して求められる色へ長時間作用するための上部頭隙を必要とする。この頭隙必要性は、包装品体積を増加させ、輸送費用を増加させ、貯蔵必要性を生じる。又それは容器の高い側壁並びにフィルム及び肉表面間の空隙のせいで製品を見えにくくするために展示の見た目を制限する。
【0007】
求められているのは、好ましい肉色を維持する一方、適切な又は改良された貯蔵寿命及び肉新鮮さを提供する包装製品である。
【0008】
亜硝酸ナトリウム塩等の亜硝酸塩又は硝酸塩は、しばしば肉の保存処理(curing)に使用され、又肉の色に作用する。硝酸塩及び亜硝酸塩添加剤は一般的に、食品中に使用しても安全であると考えられ、ハム、ランチョンミート、ボローニヤ(ソーセージ)及びホットドッグ等の製品の保存処理プロセスに使用される保存薬として公知である。亜硝酸塩及び硝酸塩は、食肉業界で肉を保存処理し、消毒するために使用され、しばしばプロセス中で安定なピンク色から赤色を生じる。例えば、英国特許2187081Aは、肉保存用の塩化ナトリウム、ポリリン酸塩イオン及び亜硝酸塩イオンの水溶液中に肉を浸漬することを開示する。又、McGee著、「肉」、On Food and Cooking、改定版、2004、3章、118−178頁(スクリブナー、ニューヨーク)を参照し、ここで資料として使用する。酸素の存在により、存在する一酸化窒素は亜硝酸塩へ酸化され、そのミオグロビン分子との結合可能性は減少してしまう。包装フィルムは、乾燥剤、食品保存薬又は金属製包装品用の揮発性腐蝕防止剤として亜硝酸塩又は硝酸塩化合物を含有することが記載されている。亜硝酸ナトリウム塩等の食品保存薬を含有する抗菌剤は、出願公開7−258467Aに記載されるように様々な種類の包装品に適用され、菌による早期の有害な攻撃に対して生分解性包装品を守る。特開平5−140344A、及び米国特許4407897(Farrellら);4425410(Farrellら);4792484(Moritani);4929482(Moritaniら);4960639(Odaら)、及び5153038(Koyamaら)に記載のように、包装食品用酸素バリアフィルムは、EVOHバリア材料又は多層フィルムの他の層中に水分吸収剤として硝酸塩を含有してもよい。硝酸塩又は亜硝酸塩製品は又、水分を吸収するため、例えば金属製品の腐蝕防止を目的として包装フィルム中に含まれることが下記に記載されている:米国特許2895270(Blaess);5715945(Chandler);5894040(Foleyら);5937618(Chandler);6465109(Ohtsuka)、及び6942909(Shirrellら)、米国公開特許出願2005/0019537(Nakaishiら)、英国特許1048770(Canadian技術的Tape社)及び欧州特許0202771B1(Aicerroケミカル社)、及び0662527B1(Cortec社)及び1138478A2(Aicalloケミカル社)。これらバリアフィルムのいずれも、肉製品の目的の配色を維持するために使用される亜硝酸塩又は硝酸塩材料を含有する肉接触部分は提示していない。
【0009】
真空包装品等の多くの包装品用途で、熱シール可能な食品包装フィルムが求められている。それら包装品は、熱シール可能なフィルムから形成される。典型的な食品包装用のバッグ、ポーチ又はケーシングは、1又は2の開いた側面を製品挿入用に残して、バッグ製造者により熱シールされた1、2、又は3側面を有する。典型的な食品容器は、熱シール可能でトレイへシールされる蓋フィルムを備えた成形トレイを有する。例えば、米国特許5058761(Williams);5558891(Lawlessら);及び7017774(Haedt)参照。
【0010】
収縮フィルム、バッグ、及びケーシングは又、卸売り又は小売り用の新鮮肉、冷凍及び加工肉包装に使用され、料理用及び料理後の低温殺菌プロセス用の加工フィルムとして使用される。亜硝酸塩及び/又は硝酸塩で保存処理された肉は、収縮フィルム中に包装される。例えば米国特許6815023(Tatarkaら);6777046(Tatarkaら);6749910(Georgelosら);5759648(Idlas);5472722(Burger);5047253(Juhlら);及び4391862(Bornsteinら)参照。
【特許文献1】 英国特許第2187081A号明細書
【非特許文献1】 McGee著、「肉」、On Food and Cooking、改定版、2004、3章、118−178頁(スクリブナー、ニューヨーク)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
求められているのは、ミオグロビン含有食品特に新鮮肉の目的とする配色を維持し、促進するために使用される材料を含有する食品−接触部分を備えた食品包装フィルム等の包装製品である。
【課題を解決するための手段】
【0012】
総説:
最初の態様で、食品包装製品が提供される。この食品包装製品は、ミオグロビンブルーミング剤を含有する食品接触層及び酸素バリア層を備える。上記ミオグロビンブルーミング剤は、一酸化窒素供与化合物、窒素複素環化合物、一酸化硫黄供与化合物及び亜酸化窒素(一酸化二窒素)供与化合物の群から選ばれる。
【0013】
第二の態様では、食品包装品が提供される。この食品包装品は、少なくとも5重量%の含水量を有するミオグロビン含有食品、並びに、酸素バリア層及び、ミオグロビンブルーミング剤を含有する食品接触層を有するポリマーフィルムを備えた容器を有する。上記容器は食品を酸素減少環境中で取り囲み、上記食品接触層は、少なくともその一部がミオグロビン含有食品の表面の少なくとも一部に接触している食品接触表面を有する。上記ミオグロビン含有食品は、新鮮肉製品でもよい。上記ミオグロビンブルーミング剤は、一酸化窒素供与化合物、一酸化炭素供与化合物、窒素複素環化合物及び一酸化硫黄供与化合物の群から選ばれる。
【0014】
第3の態様では、ミオグロビンを含有する新鮮肉製品の表面上の目的の色の促進方法が提供される。上記方法は、酸素バリア層及び食品接触層を有するポリマーフィルムを備えた容器を用意し;含水量が少なくとも5重量%の、ミオグロビンを含有する新鮮肉製品を用意し;ミオグロビンを含有する新鮮肉製品をミオグロビンブルーミング剤と接触させて、0.5重量%未満の塩化ナトリウムを含有するミオグロビンを含有する新鮮肉製品を製造する。上記ミオグロビンブルーミング剤は、一酸化窒素供与化合物、一酸化炭素供与化合物、窒素複素環化合物、及び一酸化硫黄供与化合物の群から選ばれる。場合によって、上記方法は更に、新鮮肉製品周囲の環境から酸素を除去し;新鮮肉製品を実質的に酸素フリー環境中で目的の色が現れるのに充分な時間貯蔵してもよい。又、上記ポリマーフィルムはミオグロビンブルーミング剤を含んでも良く、上記方法は更に新鮮肉製品を上記食品接触層と接触して包装する。
【0015】
ここで提供される製品、組成物、フィルム、包装品及び方法は、包装された新鮮肉、冷凍、解凍、加工された及び/又は保存処理された状態にあり、新鮮な牛のひき肉用の赤等の目的とする表面色を有する肉製品を提供するために有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
定義:
本発明の「包装製品」は、製造の目的物を言い、ウェッブ、例えば、単層又は多層フィルム、単層又は多層シート、容器、例えば、バッグ、収縮バッグ、ポーチ、ケーシング、トレイ、蓋付きトレイ、上包みされたトレイ、収縮成形包装品、真空膜包装品、フローラップ包装品、熱成形された包装品、包装挿入物又はそれらの組み合わせの形態でもよい。当業者は、本発明において包装製品は可撓性、剛直な、又は半剛直な材料を含み、熱収縮可能でもそうでなくてもよく、配向されても非配向でもよいことを認識する。
【0017】
プラスチックフィルム包装品については、様々なポリマー略語がここで使用され、下記に列記される。同様に、ポリマーのブレンドを表す場合、コロン(:)はコロンの右と左の成分がブレンドされたことを示す。フィルム構造を表す場合、スラッシュ「/」はスラッシュの右と左の成分が異なる層中にあることを示し、層中の成分の関連する位置はフィルム層境界を示すスラッシュの使用により表示される。ここで一般的に使用される略語は下記のとおりである:
EAA−アクリル酸とのエチレンのコポリマー、
EAO−少なくとも1のα−オレフィンとのエチレンのコポリマー、
EBA−ブチルアクリレートとのエチレンのコポリマー、
EEA−エチルアクリレートとのエチレンのコポリマー、
EMA−メチルアクリレートとのエチレンのコポリマー、
EMAA−メタクリル酸とのエチレンのコポリマー、
EVA−酢酸ビニルとのエチレンのコポリマー、
EVOH−エチレン及び酢酸ビニルの鹸化された又は加水分解されたコポリマー、
PB−ポリブチレン−1(ブチレンホモポリマー及び/又は主成分のブチレン−1と1以上のα−オレフィンのコポリマー)、
PE−ポリエチレン(エチレンホモポリマー及び/又は主成分のエチレンと1以上のα−オレフィンのコポリマー)、
PP−ポリプロピレンホモポリマー又はコポリマー、
PET−ポリ(エチレンテレフタレート)、
PETG−グリコール−変性ポリエチレンテレフタレート、
PLA−ポリ(乳酸)、
PVDC−ポリ塩化ビニリデン(同様に塩化ビニリデンのコポリマー、特に塩化ビニル及び/又はメチルアクリレート(MA)とのコポリマーを含む、「サラン」とも言う)。
【0018】
ここで使用される「コア層」は、少なくとも2個の他の層の間に位置し、接触して位置する層を言う。
【0019】
ここで使用される「外側層」は、相対的な用語であり表面層である必要は無い。
【0020】
用語「外側層」は、フィルム又は製品の最も外側表面を含む層を言う。例えば、外側層は、2個の包装品のオーバーラップ熱シール中、別の包装品の外側層に接触する包装品の外側表面を形成することができる。
【0021】
用語「内側層」は、フィルム又は製品の最も内側表面を含有する層を言う。例えば、内側層は封入した包装品の内側表面を形成する。この内側層は、食品接触層及び/又はシーラント層でもよい。
【0022】
フィルム及び/又はフィルム層についてここで使用される用語「バリア」及び「バリア層」は、1以上のガス又は水分に対するバリアとして機能するフィルム又はフィルム層の能力に関して使用される。
【0023】
ここで使用される用語「セルロース」は、紙繊維、木部繊維、木材パルプ又はパウダー等のいずれの天然又は合成的材料を含むものとして使用され、好ましくはレーヨン、リヨセル、セルロースアセテート、セルロースカルバメート、及び脱アセチル化セルロースアセテート、及び再生セルロース、例えばセロハン等のセルロース繊維である。ここで使用される用語「不織」は、不織の紙、布、又は繊維構成品を意味し、スパンボンド処理された織編物、ドライレイ織編物、及びウェットレイ織編物を含むものである。不織材料は、織編物中で互いに結合された天然又は合成的繊維からなる。
【0024】
用語「ナノコンポジット」は、その中に複数の個々の小板(platelets)が分散されたポリマー、又はコポリマーを含む混合物を意味し、その小板は、剥離された変性粘土から得られ、酸素バリア特性を有する。
【0025】
用語「接着層」又は「タイ層」は、1以上の層上に設けられた層又は材料を言い、別の表面へのその相の接着を促進する。好ましくは、接着層は多層フィルムの2層の間に位置し、互いに関連する位置にある2層を維持し、好ましくない層間剥離を阻止する特記しない限り、接着層は、接着層材料と接触している1以上の表面との目的のレベルの接着を提供する適切な組成物を有することができる。任意で、多層フィルム中の第一層及び第二層間の接着層は、第一層及び第二層両方の成分を含有して、接着層を第一層及び第二層両方を接着層のそれぞれ反対側に同時に接着することを促進する。
【0026】
ここで使用される、文言「シール層」「シーリング層」「熱シール層」及び」シーラント層」は、フィルムのシーリング中に含まれる外側フィルム層:それ自身;同一のフィルム又は別のフィルムの別のフィルム層;及び/又はフィルムではない別の製品、例えば、トレイ等を言う。一般的に、シーラント層は、適切な厚さの内側層であり、それ自身へ又は別の層へフィルムのシーリングを提供する。ラップ型シールに対しフィン型シールのみを有する包装品として、文言「シーラント層」は一般的に、包装品の内側表面フィルム層を言う。この内側層は又、しばしば食品の包装品中に食品接触層として機能する。
【0027】
「食品接触層」「食品接触部分」又は「食品接触表面」は、包装された肉製品へ接触する包装品材料部分を言う。好ましくは、食品包装フィルムは、目的とする外観又は肉製品の色を促進又は保存するために有効な量のブルーミング剤を含有する食品接触層を備える。
【0028】
ここで広く使用される「ポリオレフィン」は、ポリエチレン、エチレン−αオレフィンコポリマー(EAO)、ポリプロピレン、ポリブテン、及びエチレンコポリマー等のポリマーを広く含み、上記エチレンコポリマーとしては、より少ない量の酢酸ビニル等のコモノマーと重合された大部分のエチレン、並びに「オレフィン」ファミリー分類とされる他のポリマー性樹脂が挙げられる。ポリオレフィンは、シングル、段階型又は逐次型反応器、スラリー、溶液及び流体化床プロセス、並びに、例えば、不均一及び均一系及びチーグラー、フィリップス、メタロセン、シングルサイト及び制限された幾何学構造的触媒等の1以上の触媒を使用して異なる組み合わせの特性を有するポリマーを製造する、バッチ及び連続的プロセス等の様々な公知のプロセスにより製造できる。これらポリマーは、高度に分岐状又は実質的に直鎖状であり、その分岐、分散性及び平均分子量は、ポリマー分野の知識に従ってその製造のために選択されたパラメーター及びプロセスに応じて変化する。
【0029】
「ポリエチレン」は、その基本的構造が鎖−(CH−CH−)として特徴付けられるポリマーの名称である。ポリエチレンホモポリマーは、一般的に密度0.915〜0970g/cmの部分的アモルファス相及び部分的結晶相を有する固体として記載される。ポリエチレンの相対的結晶性は、その物理的性質に影響することが知られている。アモルファス相は屈曲性及び高い耐衝撃強度を付与する一方、結晶相は高い軟化温度及び剛直性を付与する。
【0030】
非置換のポリエチレンは、一般に高密度ホモポリマーと呼ばれ、結晶性70〜90パーセントで密度約0.96〜0.97g/cmを有する。多くの商業的に使用されるポリエチレンは、非置換ホモポリマーではなくむしろ主鎖へ結合されたC〜Cアルキル基を有する。これら置換されたポリエチレンは又、分岐鎖ポリエチレンとして知られる。同様に、市販のポリエチレンはしばしば共重合により製造される他の置換基を含む。アルキル基による分岐化は、一般的に結晶性、密度及び融点を低下させる。ポリエチレン密度は、その結晶性と密接に関連することが知られている。市販のポリエチレンの物理的性質は又、平均分子量及び分子量分布、分岐化長さ及び置換基の種類により影響される。
【0031】
当業者は、一般的にいくつかの広いカテゴリーのポリマー及びコポリマーを「ポリエチレン」と称する。特定のポリマーを「ポリエチレン」のこれらカテゴリーの一種とする場合、しばしば「ポリエチレン」密度に基づき、又しばしば追加的にそれが製造されたプロセスによって規定される。製造プロセスはしばしば分岐化、結晶性及び密度の程度を決定するからである。一般的に、使用される用語法は、化合物に特有なものではなく、その代わりに組成物の範囲を示す。この範囲はしばしばホモポリマー及びコポリマーの両方を含有する。
【0032】
例えば、「高密度」ポリエチレン(HDPE)は、(a)比重約0.960〜0.970g/cmのホモポリマー及び(b)比重0.940及び0.958g/cmを有する、エチレン及びα−オレフィン(通常1−ブテン又は1−ヘキセン)のコポリマーの両方を示すために、当分野で通常使用される。HDPEはチーグラー又はフィリップス種類触媒で製造されたポリマーを含み、又高分子量「ポリエチレン」を含むと言われる。HDPEとは反対に、そのポリマー鎖が幾つかの分岐化をしているものは「超高分子量ポリエチレン」であり、それは高分子量HDPEよりも非常に高い分子量を有する本質的に非分岐状の特異的ポリマーである。
【0033】
ここでは、用語「ポリエチレン」は、(特記しない限り)エチレンホモポリマー及びエチレンのα−オレフィンとのコポリマーを言うために使用され、この用語は置換基である分岐基の存在又は不存在を問わず使用される。
【0034】
ポリエチレンの別の大きなグループは「高圧低密度ポリエチレン」(LDPE)である。LDPEは、比重0.915及び0.930g/cmを有する分岐状ホモポリマーを表すために使用される。LDPEは一般的に2〜8炭素原子又はそれ以上のアルキル置換基により主鎖(しばしば「バックボーン」と表される。)から離れる長分岐を含有する。
【0035】
直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)は比重0.915〜0.940g/cmを有するエチレンのα−オレフィンとのコポリマーである。使用されるα−オレフィンは、通常1−ブテン、1−ヘキセン、又は1−オクテン及びチーグラー型触媒が通常使用される(フィリップス触媒は又、より高い範囲の比重を有するLLDPEを製造するために使用されるが、メタロセン及び他の種類の触媒は又他の公知のLLDPEのバリエーションを製造するために使用される。)
【0036】
エチレンα−オレフィンコポリマーは、エチレンを主成分として、オクテン−1、ヘキセン−、又はブテン−1等の1以上のαオレフィンを少量成分として共重合されたコポリマーである。EAOは、LLDPE、VLDPE、ULDPE、及びプラストマーとして知られるポリマーを含み、様々なプロセス並びに、メタロセン、シングルサイト及び制限された幾何学構造的触媒並びにチーグラーナッタ及びフィリップス触媒等の触媒を使用して製造される。
【0037】
同様に「超低密度ポリエチレン」(ULDPE)と称される超低密度ポリエチレン(VLDPE)は又、エチレンと通常1−ブテン、1−ヘキセン又は1−オクテン等のα−オレフィンとのコポリマーを含有し、LDPEの特徴的長い側鎖よりも短い分岐化を有する構造の高い直鎖度を有することで当業者に知られている。しかし、VLDPEはLLDPEよりも低い比重を有する。VLDPEの比重は、当業者には0.860〜0.915g/cmの範囲であると知られている。VLDPE製造プロセスは欧州特許120503A中に記載され、その出願書類及び図面をここで資料として本件明細書に組み込んで使用する。0.900g/cm未満の密度を有するVLDPEは時には「プラストマー」と称される。
【0038】
ポリエチレンは、単体でもブレンドでも、及び/又はコポリマーと一緒にも、鳥肉、新鮮赤肉及び加工肉等の食品包装用の単層及び多層フィルムの両方で使用できる。
【0039】
ここで使用される用語「変性(改質)」は、例えばマレイン酸、クロトン酸、シトラコン酸、イタコン酸、フマル酸等の無水物のような無水基の形態を有するもの等の、ポリマーへのグラフト化、ポリマーとの共重合体化、又は1以上のポリマーとの機能的な結合のいずれかを問わない化学的誘導を言い、又それらから誘導される酸、エステル、及び金属塩等の官能基の誘導体をも含む。他の一般的一般的変性の例は、アクリレート変性ポリオレフィンである。
【0040】
ここで使用される、例えば「ポリアミド」又は「ポリプロピレン」等のポリマーを特定する用語は、重合してその種のポリマーを形成することが公知のモノマーに由来する繰り返し単位を含有するポリマーばかりでなく、コモノマー、並びに非変性ポリマー及び、例えばその重合後のポリマーを誘導体化して官能基又は成分をポリマー鎖に付け加えることにより製造される変性ポリマーの両方を含むものである。更にポリマーを特定する用語は又、これらポリマーの「ブレンド」を含む。従って、用語「ポリアミドポリマー」及び」ナイロンポリマー」は、ポリアミド−含有ホモポリマー、ポリアミド含有コポリマー又はそれらの混合物を言う。
【0041】
用語「ポリアミド」は、酸素鎖に沿って発生するアミド結合(−CONH−)を有する高分子量ポリマーを意味し、包装フィルム、バッグ、及びケーシング等への使用を含む多くの用途を有する公知のポリマーである「ナイロン」樹脂を含む。例えば、「現代プラスチック百科事典」88Vol.64、No.10A、pp34−37及び554−555(マグローヒル社、1987)を参照し、ここで資料として使用する。ポリアミドは、好ましくは食品の加工、処理、及び包装用製品を製造するために使用されることのできるナイロン化合物から選ばれる。
【0042】
ここで使用される用語「ナイロン」は、特に脂肪族又は芳香族のいずれかであり、アミド基−CONHの存在により特徴付けられる結晶、半結晶、又はアモルファス形状である合成ポリアミドを意味する。それは、ポリアミド及びコポリアミドの両方を意味する。
【0043】
従って用語「ポリアミド」又は「ナイロン」は、重合してポリアミドを形成するカプロラクタム等のモノマーに由来する繰り返し単位を含有するポリマー、及びカプロラクタムと、単独重合されたらポリアミド形成を生じないコモノマーとの共重合に由来するコポリマーの両方を含む。好ましくは、ポリマーは、食品の加工、処理及び包装に使用される製品を製造するために安全であると承認された組成物から選択され、例えば、米国食品医薬品局によりCFR21条177.1500章(ナイロン樹脂、ここで資料として使用する)に基づき認可されたナイロン樹脂が挙げられる。食品包装品及び加工用のこれらナイロンポリマー性樹脂の例として下記が挙げられる:ナイロン66、ナイロン610、ナイロン66/610、ナイロン6/66、ナイロン11、ナイロン6、ナイロン66T、ナイロン612、ナイロン12、ナイロン6/12、ナイロン6/69、ナイロン46、ナイロン6−3−T、ナイロンMXD−6、ナイロンMXDI、ナイロン12T及びナイロン6I/6T;これらはCFR21条177.1500章で開示されている。これらポリアミドの例として、下記群から選ばれるナイロンホモポリマー及びコポリマーが挙げられる:ナイロン4、6(ポリ(テトラメチレンアジパミド))、ナイロン6(ポリカプロラクタム)、ナイロン6,6(ポリヘキサメチレン・アジパミド)、ナイロン6,9(ポリヘキサメチレン・ノナンジアミド)、ナイロン6,10(ポリヘキサメチレン・セバカミド)、ナイロン6,12(ポリヘキサメチレン・ドデカンジアミド)、ナイロン6,12(ポリカプロラクタム・コ・ドデカンジアミド)、ナイロン6,6/6(ポリヘキサメチレン・アジパミト・コ・カプロラクタム)、ナイロン66/610(例えば、ナイロン66塩及びナイロン610塩の混合物の縮合により製造される)、ナイロン6/69樹脂(例えば、ε−カプロラクタム、ヘキサメチレンジアミン及びアゼライン酸の縮合により製造される)、ナイロン11(ポリウンデカノラクタム)、ナイロン12(ポリラウリルラクタム)及びコポリマー又はそれらの混合物。
【0044】
用語「アモルファスナイロンコポリマー」において、ここで使用される用語「アモルファス」は、原子的寸法としては大きい距離を超えて広がる分子又は分子のサブユニットの三次元の規則的配置の非存在を表す。しかし、構造の規則性は局部的規模で存在する場合もある。参照、「アモルファスポリマー」ポリマー科学及び工学百科事典、第2版、789−842頁(J.Wiley&Sons社、1985)。特に、用語「アモルファスナイロンコポリマー」は、ASTM3417−83試験法に従って示差走査熱分析(DSC)によって測定される場合、測定可能融点(0.5cal/g未満)が存在しないか、溶解熱がないとDSCの当業者に認識されている材料を言う。アモルファスナイロンコポリマーは、公知のプロセスに従いヘキサメチレンジアミン、テレフタル酸、及びイソフタル酸の縮合により製造できる。アモルファスナイロンは又、ジアミンのジカルボン酸との縮重合反応から製造されるそれらアモルファスナイロンも含む。例えば、脂肪族ジアミンは芳香族ジカルボン酸と組み合わされ、芳香族ジアミンは脂肪族ジカルボン酸と組み合わされて、適切なアモルファスナイロンを生じる。
【0045】
ここで使用される「EVOH」は、エチレンビニルアルコールコポリマーを言う。EVOHは又鹸化された又は加水分解されたエチレン酢酸ビニルコポリマーとして知られ、エチレンコモノマーを有するビニルアルコールコポリマーを言う。EVOHはエチレン−酢酸ビニルコポリマーの加水分解(又は鹸化)により製造される。加水分解の程度は、好ましくは約50〜100モルパーセント、更に好ましくは約85〜100モルパーセント、最も好ましくは少なくとも97%である。高度に有効な酸素バリアであるためには、加水分解−鹸化はほとんど完全に、即ち少なくとも97%の範囲まで行われる必要があることが公知である。EVOHは、エチレンの様々な割合を有する樹脂形状で市販され、エチレン含量及び融点の間には直接的関係がある。例えば約175℃以下の融点を有するEVOHは、約38モル%以上のエチレン含量であるEVOH材料の特徴を有する。エチレン含量38モル%のEVOHは、融点約175℃を有する。エチレン含量が増加すると、融点は低下する。同様に、増加したエチレンモル比を有するEVOHポリマーは、より大きなガス透過性を有する。融点約158℃は、エチレン含量48モル%に対応する。より少ない又は大きいエチレン含量を有するEVOHコポリマーも又使用できる。操作性及び配向(orientation)は、より高い含有量で促進されることが期待される;しかし、好ましくは酸素に関するガス透過性は、酸素存在下での微生物成長に影響されやすいある種の包装品用途のためには好ましくないほど高くなる。反対により低い含有量は、より低いガス透過性を有するが、操作性及び/配向は、より困難になる。
【0046】
ここで使用される用語「ポリエステル」は、縮重合法により形成されるモノマーユニット間にエステル結合を有する合成的ホモポリマー及びコポリマーを言う。この種のポリマーは、好ましくは芳香族ポリエステル、より好ましくは、ホモポリマー及びポリエチレンテレフタレートのコポリマー、ポリエチレンイソフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート及びそれらのブレンドである。適切な芳香族ポリエステルは固有粘度が0.60〜1.0、好ましくは0.60〜0.80である。
【0047】
包装された肉製品に関しての「減酸素雰囲気」とは、標準温度及び海面高さ圧での大気中の酸素分圧に対しての包装された肉製品と接触している酸素分圧の減少を言う。減酸素空気包装品には、酸素分圧が標準温度及び海面高さ圧での大気中のそれよりも低い調整気相包装品(MAP)、又は包装された肉と接触している最小限のガス圧力を含む真空包装品が挙げられる。調整気相包装品は、3.0%酸素v/v未満の酸素含有量が望ましく、好ましくは1.0%酸素v/v未満である実質的に酸素減少環境を形成する。加工肉用には、酸素含有量は0.5%v/v未満が望ましい。
【0048】
「真空包装」は、包装品の内側から大気ガス、特に酸素を積極的に排除し、包装品の外側から包装品中へ実質的にガスが全く透過できないように包装品を密封することを言う。この結果、包装品内側で肉と接触している残存酸素ガスが最小量である包装品が得られる。製品の隣接環境からの酸素の除去は細菌的及び酸素的劣化プロセスを遅くし、その結果、肉の品質をより新鮮により長い時間保つ。
【0049】
「MAP」は「調整気相包装品」の略語である。これは、シーリング前に包装品の頭隙中にガスが積極的にフラッシュされる包装方式である。一般的に、このガスは大気中に通常見られるものとは異なるように調整されている。その結果、包装品中の製品の目視表面周囲に相当量の体積のガスを有する包装品が得られる。新鮮肉MAPは、酸素富化又は酸素フリー空気のいずれも有効に貯蔵寿命を延長するために使用できる。
【0050】
「RAP」は「減空気包装品」の略語である。それは、包装品材料が内容物と物理的接触をするように大気ガスを最小限にしたMAPの一形態とも言える。RAPは又、空気が包装品の内側から完全には除去されていない真空包装品の一形態とも言える。その例として、「PVCストレッチラップトレイ」等の従来の新鮮肉包装品、及び収縮フィルム又はバッグが肉のトレイ周囲に密封的にシールされる従来のケースレディ鳥肉包装品が挙げられる。一般的にRAP中の新鮮肉は、製品を囲む包装フィルムが肉表面との相当量の物理的接触を生じるように肉を保持するために使用されるトレイよりもより高いプロファイルを有する。
【0051】
「消費者包装品」は、その中に肉製品が、家庭消費者への展示及び販売目的のために封入されるいずれの容器をも言う。
【0052】
「ケースレディ」肉とは、中央集中的場所で、予め包装され及び/又はラベルされ、直ぐに(ケースに)展示、販売できる様式で小売り市場へ供給される新鮮肉の消費者用包装品を言う。ケースレディ包装品は、新鮮肉製品の品質保持時間を積極的に延長し、中央集中的に配置された設備で包装され、小売り食料品店へ配布され、消費者の選択及び購入のための照明の下で展示されるための追加時間を可能にする。
【0053】
「ミオグロビンブルーミング剤」は、新鮮肉製品中に存在するいずれの非変性ミオグロビン含有構造(デオキシミオグロビン、オキシミオグロビン、メトミオグロビン、カルボキシミオグロビン、及び一酸化窒素ミオグロビンを含むがこれらに限定されない)へ結合又は相互作用して、新鮮肉を表示する赤色等の求められる色を形成又は保存する薬剤(又はその前駆体)を言う。ミオグロビンブルーミング剤は又、肉製品中に存在するヘモグロビンと相互作用し、又は相互作用を生じ、求められる色を発色、維持又は強化、即ち「固定化」する。従って、ミオグロビンブルーミング剤は色添加剤ではなく、色固定化剤として作用する。ブルーミング剤の例として、酸素及び一酸化炭素等のガスが挙げられる。
【0054】
「デオキシミオグロビン」は、そのヘムポケット中に酸素の存在しないミオグロビンを言う。ヘム鉄原子は還元された第一鉄状態にある。理論的には液体水分子はヘムポケット中のリガンドである。デオキシミオグロビンは非ブルーム化新鮮肉の紫色の色素に関係する。
【0055】
「オキシミオグロビン」は、ヘムリガンドが酸素ガス分子であるデオキシミオグロビンの酸素化状態を言う。オキシミオグロビンは新鮮肉のブルームされた赤い色素に関係する。
【0056】
「メトミオグロビン」は、ヘム鉄が酸化された第二鉄状態にあるミオグロビンの酸化状態を言う。メトミオグロビンは、酸素がオキシミオグロビンのヘムポケットを去るときに電子を取り去り、ヘム鉄原子を酸化された第二鉄状態にしたときに形成される。メトミオグロビンは、新鮮肉の特徴的に酸化された茶色色素を生じる。
【0057】
「カルボキシミオグロビン」は、ヘムリガンドが一酸化炭素であるカルボキシル化デオキシミオグロビン色素の非変性還元状態を言う。カルボキシミオグロビンの色は赤である。
【0058】
「ニトロキシミオグロビン」は、ニトロシル化デオキシミオグロビン色素の非変性還元状態である。ヘムリガンドは、一酸化窒素分子(NO)である。一酸化窒素は又、酸化窒素(nitricoxide)とも言われる。ニトロキシミオグロビンは又、中でも一酸化窒素ミオグロビン、ニトロソヘマクロマゲン(haemachromagen)、又はニトロソミオグロビンとも言われる。ニトロキシミオグロビンは、オキシミオグロビン及びカルボキシミオグロビンと同じ赤色を有する。
【0059】
「一酸化窒素メトミオグロビン」は、亜硝酸塩が存在する時のデオキシミオグロビンの非変性酸化状態である。それは、一般的に保存処理プロセス中に亜硝酸塩が添加された後に発色する茶色肉色を示すために使用される。
【0060】
「ニトロソヘモクロム」は、ミオグロビン分子のグロビン蛋白質成分から分離されたニトロシル化プロトポルフィリン(ヘム錯体)を言う。ニトロソヘモクロムは、加熱処理され保存処理された加工肉で、ヘム鉄は還元状態にあるものの安定なピンク色からえび茶色(maroon)までの色調を提供する。
【0061】
「肉」又は「肉製品」は、牛肉、豚肉、子牛肉、子羊肉、羊肉、鶏肉又は七面鳥肉等の家畜;鹿肉、ウズラ、及び鴨肉等の狩猟肉;及び魚、水産品又は海産品由来のミオグロビン又はヘモグロビン含有組織を言う。これらの肉は、一次切片、二次切片、及び小売り用切り身並びに細挽き、粗挽き又は合挽き等の様々な形状でもよい。肉又は肉製品は、好ましくは新鮮肉、生肉、非加熱処理された肉であるが、冷凍、氷結又は解凍されたものでもよい。更に肉は、他の放射線的、生物学的、化学的又は物理的処理されてもよいだろう。これら特別の処理の適合性は、本開示によって過度の試行無しに決定される。ミオグロビンブルーミング剤が目的の色を促進、発色、強化又は維持するのに有効である限り、それはその最終目的まで有利に使用できる。肉は、好ましくは死後20日未満である。更に好ましくは、肉は死後12日未満、特に好ましくは6日以内である。
【0062】
肉の一次切片は、又卸売り切片とも言われ、これら両方の用語は、肉屋へ通常販売され及び/又は輸送される胴体の大部位を言い、肉屋はその一次切片を消費者への販売用二次切片及び個々の小売り用切り身へと更に細分化する。牛肉の一次切片の例として下記が挙げられる:もも肉;尻肉;腰肉末端;脇腹肉;ショートロイン;ばら肉;あばら肉;胸肉;すね肉;及びチャック肉。豚肉一次切片の例として下記が挙げられる:腰肉;脚肉;肩肉;及び腹肉。
【0063】
二次切片は中間サイズであり、更に小売り用切り身へ分割されたり、時々は小売り用切り身として販売される。牛肉二次切片として下記が挙げられる:腕肉;ブレード(肩胛骨のところを横に切った肉);あばら肉;牛肉ばら肉;内側もも肉;外側もも肉;あばら肉;トップバット;ボトムバット;テンダーロイン;及びトップロイン。豚肉二次切片として、下記が挙げられる:バットショルダー;ピクニックショルダー;センターカット;サーロイン;バットエンド;すね肉端;サイドポーク及びサイドリブ。
【0064】
肉の小売り用切り身は、卸売り切片を更に小さな切片へ分割して製造される消費者用切り身である。牛肉の小売り用切り身の例として下記が挙げられる:もも肉、内側もも肉、賽の目切り、サーロイン、Tボーン、ポーターハウス、フィレミニヨン、ロース芯、あばら肉、わき膜肉、脇腹肉、及びチップ等のステーキ;ブレード、ポット、及びチャック肉等のロースト;塩漬け胸肉;新鮮胸肉;シチュー牛肉;ショートリブ;カバブ;アイ・オブ・ラウンド;ロールドランプ;すね肉クロスカット;ステーキロール;牛ひき肉;及び牛肉パティー。豚肉の小売り用切り身の例として下記が挙げられる:腕肉ロースト及びステーキ;スペアリブ;ベーコン;塩豚肉;ハム;ハムステーキ;ハムスライス;豚肉テンダーロイン;チョップ;カツレツ;脂肪背;ソーセージ;鎖状ソーセージ;及び細挽き豚肉。
【0065】
「新鮮肉」は、加熱処理されておらず、保存処理されておらず、燻製もマリネ化されていない肉を意味する。「新鮮肉」には、例えば切断、挽肉化又は混合等により物理的に分離された死後肉が挙げられる。強化されていない新鮮肉中には添加された塩は存在しない。天然由来のナトリウムは、一般的に50mg/肉100g未満であり、塩含有計算量は約0.15重量%未満、好ましくは0.128重量%未満である。ナトリウム値は、「国立栄養データバンク」と呼ばれる肉の栄養組成物用データベース中にあり、そのデータは当分野では「ハンドブック8」と言われる農業ハンドブック第8巻、「生、加工後、調製後の食品の組成物」として出版され、これら両方をここで資料として使用する。
【0066】
「強化肉」は、例えば肉をしっとりとより柔らかくして保存寿命を強化する補助をする、塩化ナトリウム、リン酸塩、抗酸化剤及び矯味剤等の他の成分と混合された添加水を有する肉を意味する。「強化」後の新鮮な牛肉、豚肉又は鳥肉は、一般的に0.3〜0.6重量%塩(塩化ナトリウム)を含有する。
【0067】
「加工肉」は、例えば加熱処理又は保存処理による熱及び化学的プロセスにより変化した肉を意味する。加熱処理されたハム、ホットドッグ、及びランチミートは、保存処理された加工肉の例である。
【0068】
「非保存処理された加工肉」は、亜硝酸塩又は硝酸塩を含有しない加工肉である。非保存処理された加工肉は、一般的に1.0重量%を超え、一般的に1.2〜2.0重量%の塩化ナトリウム(塩)を含有する。加熱処理されたロースト牛肉及びブラートヴルスト(焼きソーセージ)は非保存処理された加工肉の例である。
【0069】
「保存処理された肉」は、細菌増殖を抑制することにより保存する目的で、例えば少なくとも50ppm亜硝酸ナトリウム塩及び少なくとも1重量%添加塩、即ち塩化ナトリウムを有する亜硝酸塩(又は亜硝酸塩へ転換される硝酸塩)の直接的添加を通して保存された肉を意味する。亜硝酸塩、硝酸塩又はそれらのブレンドは、一般的に保存処理組成物中に塩化ナトリウムと共に存在する。「非保存処理された肉」は添加された亜硝酸塩又は硝酸塩を含有しない。湿式保存処理される肉は、塩水中に浸漬される。乾式保存処理された肉は、表面に塩を付される。注入保存処理される肉は、保存処理(cure)塩を肉中に注入された針により適用される。
【0070】
保存処理された加工肉は、しばしば2〜3.5重量%塩を有する。塩化ナトリウム塩(塩化カリウムでNaClの一部又は全てを置換してもよい。)濃度として塩水含有量35〜4.0重量%(2.6〜3.0重量%処理肉基準)が、細菌増殖を適切に低下させ60〜90日貯蔵寿命を可能とするために、加工肉中に必要であるが、他の保存手段も又、少ない塩濃度で貯蔵寿命を維持するために採用できる。Pegg、R.B.及びF.Shahidi著、2000、「肉の亜硝酸塩保存処理」Food&Nutrition Press社、Trumbull、CT、によると、保存処理された肉の典型的な塩濃度は、ベーコン中で1.2〜1.8重量%、ハム中で2〜3重量%、ソーセージ中で1〜2重量%、ジャーキー中では2〜4重量%である。牛肉、豚肉及び鳥肉等の新鮮肉は天然由来の又は添加された亜硝酸塩又は硝酸塩を有さないと、考えられている。米国農業省(USDA)は、保存処理された及び加工肉用の入ってくる亜硝酸塩及び硝酸塩として、乾式保存処理された製品中の最大625ppm亜硝酸ナトリウム塩又は2187ppmナトリウム硝酸塩までの濃度を認めている。他の用途では、濃度は異なる限度を有し、例えば、典型的な加熱処理された全筋肉製品は亜硝酸ナトリウム塩限度で156ppmであり、粗挽き肉中で200ppmである。ホットドッグ又はボローニャ(ソーセージ)中の最大亜硝酸塩用途濃度は、一般的に156ppmであり、一方ベーコン用のそれは120ppmである。アスコルビン酸ナトリウム(又はその類似化合物)は、これら保存処理中に含まれてもよい。
【0071】
欧州では、保存処理用に法律で要求される最小濃度の(食)塩及び亜硝酸塩は、それぞれ1.0重量%及び50ppmであると考えられる。USDAは「政策的に、省は、特定機関が、熱的加工、pH又は水分制御等の他のいくつかの保存プロセスにより安全性が保証されたことを示すことができない限り、全ての保存処理された「冷蔵保存」製品中に入り込む亜硝酸塩が最小の120ppmであることを求める。この入り込む亜硝酸塩120ppm基凖は、ベーコンが標準的に製造される際に評価された安全性データに基づく」と述べている(参照「Processing Inspectors’ Calculations Handbook」3章、12頁、1995改訂)。このハンドブックは又「最小の入り込む亜硝酸塩濃度の規定はない。しかし40ppm亜硝酸塩が、ある程度の保存剤としての効果を有するために有用である。この量は又色固定目的に充分であり、目的とされる保存処理された肉又は鳥肉外観を達成することを示した。」と述べている。
【0072】
本発明の肉製品は、ミオグロビン様分子を含有するヒト摂取に適切ないずれの肉でもよい。肉製品中の全ミオグロビンは、ヒト摂取用に収穫する前に肉組織中に生理学的に存在するミオグロビン様分子量を意味する。特定の肉製品は、その特徴的色を提供するのに充分なミオグロビン濃度を含有する。適切な新鮮肉片の例として、牛肉、子牛肉、豚肉、鳥肉、羊肉、及び子羊肉が挙げられる。ミオグロビン濃度は、これら異なる種類の肉製品中で変化する。例えば、牛肉は一般的に約3〜20mgミオグロビン/肉1グラムを含有し、豚肉は約1〜5mgミオグロビン/肉1グラムを含有し、鶏肉は約1mg未満のミオグロビン/肉1グラムを含有する。従って、上記肉製品中の全ミオグロビン化合物の濃度は、一般的に約0.5mg〜25mgのミオグロビン化合物/肉製品1グラムである。
【0073】
新鮮肉(筋肉組織死後)中で、酸素は頻繁に会合し、又非変性ミオグロビン分子のヘム錯体から解離することができる。それは新鮮肉の可視色を決定する非変性筋肉色素の関連する豊富な3形態である。それらは、紫色デオキシミオグロビン(還元されたミオグロビン)、赤色オキシミオグロビン(酸素化されたミオグロビン);及び茶色メトミオグロビン(酸化されたミオグロビン)である。デオキシミオグロビン型は、一般的に動物死亡直後に優勢となる。従って、直後に切断された肉は紫色である。この紫色は、この色素が酸素へ曝露されない場合は長時間維持できる。切断又は挽肉機にかけるとこの色素は雰囲気中の酸素に曝され、紫色は直ちに明るい赤(オキシミオグロビン)又は茶色(メトミオグロビン)のいずれかに変化する。従って、デオキシミオグロビン新鮮な肉の技術的表示であるが、それは消費者が新鮮さを感知する主要な評価基準として使用する赤又は「ブルームされた」肉色である。本発明を限定するものではないが、新鮮肉の好ましい赤色は、少なくとも50%のデオキシミオグロビン分子が酸素化されてオキシミオグロビン状態となる場合に発生すると考えられる。それらの形態間の相対割合は、新鮮肉がより長時間酸素へ曝露されるにつれて変化し続ける。紫色から目的とする明るい赤又は好ましくない茶色への即座の変化は、(材料)表面での酸素の分圧に依存する。紫色は非常に低酸素濃度で発色し、酸素濃度0〜0.2体積%で優勢である。茶色は、酸素濃度が僅かに高いだけで(0.2%〜5.0%)発色する。消費者による(新鮮性の)区別は、一般的にメトミオグロビン相対量が20%の場合に発生する。明白な茶色は、40%メトミオグロビンで発生するが、その場合、栄養分があって摂取に健全であるにもかかわらず一般的に販売できない肉となる。
【0074】
死後に筋肉組織中で発生するある種の生物化学的反応は又、酸素を二酸化炭素へ転換する活性な解糖酵素の存在等により新鮮肉色に影響する。肉中に存在するメトミオグロビン還元酵素と呼ばれる補酵素を還元すると、メトミオグロビンはデオキシミオグロビンに戻され、それらの活性は、メトミオグロビン還元活性の略語である「MRA」と呼ばれる。MRAはメトミオグロビンを還元してその天然デオキシミオグロビン状態に戻す筋肉の能力として表される。MRAは被酸化性基質が枯渇し、又は熱又は酸が酵素を変質させた場合に失われる。酵素がその活性を失うか、変性された場合、ヘム色素の鉄は自動的にメトミオグロビン形状へ酸化され、茶色が固定化され優勢となる。MRAは肉組織の酸素への曝露量に依存して死後長時間残存する。この時間中、酸素は頻繁に肉組織により消費される。酸素摂取速度は「OCR」と言われる。高いOCRを有する肉が酸素へ曝露される場合、酸素テンションは急速に減少し、メトミオグロビンは目視表面で優勢になる。それが目視表面に近い場合、知覚される肉色に影響が出る。MRAはブルームされた表面及び紫色の内側の間を形成するメトミオグロビンのこの層を最小化するために重要である。MRAが消耗するにつれ、茶色メトミオグロビン層が厚くなり、表面へ近づき、貯蔵寿命期間を終了させる。MRAが高い場合、メトミオグロビン層は薄く、裸眼ではしばしば認識できない。
【0075】
MRA及びOCRは、肉の目的とする外観をできるだけ長い間保持するための小売り販売に最も適している包装品の種類を決定するために重要である。酸素へのバリアであるフィルムで密封シールされた包装品は肉表面上の低い酸素テンションを生じる。その結果、メトミオグロビン形成が生じ、目視表面は好ましくない茶色へ変化する。しかし、OCRが包装フィルムを越えて移動する酸素よりも(酸素摂取される酸素が)優勢であるほど高く、MRAが表面上に形成されるメトミオグロビンを還元させるのに十分である場合、天然デオキシミオグロビンがメトミオグロビンと置き換わる。一定時間経過後、知覚される色は茶色から紫色へ変化する。これら色は両方共、消費者には受け入れがたい。このために、真空包装品それ自身は、肉の二次切片及び他の大切片を更なる加工及び再包装のために食肉処理場から小売り肉屋へ輸送するために使用されているが歴史的にケースレディ新鮮肉には不適当な形式であった。一方、真空包装品は、加熱処理及び保存処理加工肉用に選択される形式であり、その場合ミオグロビン色素は熱により変性される。加熱処理の熱はニトロシル化ミオグロビン分子のグロビン部分を変性し、ヘム部分を分離する。それは、保存処理及び加工処理肉へその特徴的色を与える解離されたニトロシル化ヘム錯体である。酸素が保存処理された加工肉包装品から除去された場合、製品の色及び香りは、酸素が存在する場合よりその劣化が遅くなる。本発明では、酸素は、好ましい色が発色する前に生の新鮮肉の周囲から除去される必要がある。一定量の酸素が畜殺及び加工後に肉へ進入する。この酸素は、OCR/MRA活性により除去される。同様に、これら活性は、ミオグロビン分子のデオキシミオグロビン形状の優勢を促進する。理論により本発明を限定するものではないが、亜硝酸ナトリウム塩がミオグロビンブルーミング剤として使用される場合、OCR/MRA活性は又亜硝酸塩の一酸化窒素への還元を促進すると考えられる。この場合、デオキシミオグロビン及び一酸化窒素の形成はニトロキシミオグロビンの発色を可能とする。酸素それ自体は、それが上記記載の通りオキシミオグロビンの形成を生じるためにブルーミング剤である。しかし、酸素はデオキシミオグロビン及び一酸化窒素を生じる反応を妨害する。従って、それは亜硝酸塩の存在下でブルームされた色の発色を妨害する。従って、本発明で好ましくは、酸素バリア層は目的のブルームされた肉色の形成中大気酸素の進入から肉表面を保護するために選択され配置される。
【0076】
ミオグロビンブルーミング剤:
最初の態様では、ミオグロビンブルーミング剤が提供される。「ミオグロビンブルーミング剤」は、新鮮肉製品中に存在し、赤色新鮮肉を表示する赤色等の求められる色を生成し保存する、いずれの非変性ミオグロビン含有構造(デオキシミオグロビン、オキシミオグロビン、メトミオグロビン、カルボキシミオグロビン、及び一酸化窒素ミオグロビンを含むがこれらに限定されない)へ結合し、又は相互作用するいずれの薬剤(又はその前駆体)を言う。このミオグロビンブルーミング剤は又、肉製品中に存在するヘモグロビンと相互作用し、又は相互作用を生じ、求められる色を発色、維持又は強化、即ち「固定化」する。従って、ミオグロビンブルーミング剤は色添加剤ではなく、色固定化剤として作用する。
【0077】
1の好ましい態様として、ミオグロビンブルーミング剤は、肉製品中に存在するミオグロビンへ結合し、肉製品の赤色化、ブルーミング又は他の好ましい着色を維持又は促進する一酸化窒素(NO)分子を提供する「一酸化窒素供与化合物」(NOドナー)である。一酸化窒素供与化合物は一酸化窒素を放出するか、前駆体であり、例えば直ちに肉製品中のミオグロビン分子へ結合する一酸化窒素の形成を導く作用をする硝酸塩がある。一酸化窒素供与化合物の例として、ニトロソジスルホン酸塩、例えばフレミーの塩[NO(SONa)又はNO(SOK)];適切な対イオン(M+)としてアルカリ金属(例えばナトリウム、カリウム)、アルカリ土類金属(例えばカルシウム)、遷移金属、プロトン化された一級、二級又は三級アミン、又は四級アミン又はアンモニウムを含む無機硝酸塩(MNO)、例えば硝石;並びに、適切な対イオン(M+)としてアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム)、遷移金属、プロトン化された一級、二級又は三級アミン、又は四級アミン、又はアンモニウムを含む無機亜硝酸塩(MNO)。
【0078】
ミオグロビンブルーミング剤として作用する他の適切な一酸化窒素供与化合物は、下記に開示されここで全てを資料として使用する:米国特許6706274(Herrmannら、2001年1月18日出願);5994444(Tresconyら(1997年10月16日出願)、及び6939569(Greenら、1999年6月18日出願)、並びに公開された米国特許出願2005/0106380(Grayら、2003年11月13日出願)。任意でミオグロビンブルーミング剤は、他の材料をNOへ添加することを促進する材料、硝酸塩還元酵素又はニトロソチオール還元酵素触媒剤であり国際公開WO02/056904(Meyerhoffら、2002年1月16日出願、ここで資料として使用する)に記載されている材料等の材料を含有してもよい。
【0079】
一酸化窒素供与化合物の他の例として、下記が挙げられる:有機ニトロソ化合物(炭素へ結合した−NO官能基を含有する)、例えば3−エチル−3−ニトロソ−2、4−ペンタンジオン;有機ニトロ化合物(炭素へ結合した−NO官能基を含有する)、例えばニトログリセリン及び6−ニトロベンゾ[α]ピレン;有機硝酸塩(−O−NO)、例えばエチル硝酸塩、グリセリルモノ、ジ又はトリ硝酸塩、ペンタエリトリトールテトラ硝酸塩、エリトリチルテトラ硝酸塩、イソソルビドモノ又はジ硝酸塩、及びトリ(trol)硝酸塩。
【0080】
一酸化窒素供与化合物の他の例として、下記が挙げられる:O−ニトロシル化化合物(−O−NO)、例えばブチル亜硝酸塩、アミル亜硝酸塩、ドデシル亜硝酸塩等のアルキル亜硝酸塩及びジシクロヘキシルアミン亜硝酸塩;ニトロソチオールとしても知られるS−ニトロシル化化合物(−S−NO)、例えばS−ニトロソチオグリセロール、S−ニトロソ−ペニシラミン、S−ニトロソグルタチオン、グルタチオン、カプトプリルのS−ニトロイル化誘導体、S−ニトロシル化−蛋白質、S−ニトロシル化−ペプチド、S−ニトロシル化−オリゴサッカリド及びS−ニトロシル化−ポリサッカリド;並びに、N−ニトロソアミン等のN−ニトロシル化化合物(−N−NO);N−ヒドロキシ−N−ニトロソアミン;並びにN−ニトロsイミン。
【0081】
一酸化窒素供与化合物の更なる例として、官能基−N(O)−NOを含有するノノエート化合物(同様に当分野でN−オキソ−N−ニトロソ化合物、N−ヒドロキシ−N’−ジアゼニウムオキシド、ジアゼニウムジオラート(diolates)及びノノエートとも言われる)、例えば3、3、4、4−テトラメチル−1、2−ジアゼチン1、2−ジオキシドが挙げられる。
【0082】
更に一酸化窒素供与化合物例として、下記が挙げられる:遷移金属/ニトロソ錯体、例えばナトリウムニトロプルシド(prusside)、ジニトロシル鉄チオール錯体、鉄−イオウクラスターニトロシル、ルテニウムニトロシル、ニトロソ/ヘム/遷移金属錯体、及びニトロソ第一鉄プロトポルフィリン錯体;フロキサン、例えば1、2、5−オキサジアゾールN−オキシド;ベンゾフロキサン、オキサトリアゾール−5−イミン、例えば3−アリル−1、2、3、4−オキサトリアゾール−5−イミン;シドノンイミン、例えばモルシドミン;オキシム、例えばシクロヘキサノンオキシム;ヒドロキシ1アミン、N−ヒドロキシグアニジン、及びヒドロキシウレア。
【0083】
一酸化窒素供与化合物は、1分子の一酸化窒素又は多数の一酸化窒素分子を供与する。一酸化窒素供与化合物は又、数個の一酸化窒素供与サイトを含有し、複数の一酸化窒素分子を放出できるポリマー性材料でもよい。好ましくは、一酸化窒素はポリマー性鎖から放出される。例えばここで資料として使用する米国特許5525357には、そのポリマーへ結合された一酸化窒素放出官能基を有するポリマーが記載されており、ここで資料として使用する米国特許5770645にはNOXが結合基によりそのポリマーへ共有結合しているポリマーが記載されている。ここで資料として使用する米国特許6087479には、一酸化窒素付加物を有するように誘導体化された合成反応によるポリマー性材料が記載されている。一酸化窒素供与化合物又はポリマー鎖へ化学結合している一酸化窒素供与官能基を有するポリマー性材料も本発明の範囲内であることは当然である。
【0084】
例えば一酸化窒素供与化合物は、硝酸ナトリウム塩又は亜硝酸ナトリウム塩以外のものである。
【0085】
例えば一酸化窒素供与化合物は、無機硝酸塩又は無機亜硝酸塩以外のものである。
【0086】
別の態様では、一酸化窒素供与化合物は、硝酸ナトリウム塩、硝酸カリウム塩、亜硝酸ナトリウム塩及び硝酸カリウム塩以外の無機硝酸塩又は無機亜硝酸塩である。
【0087】
例えば一酸化窒素供与化合物は、ニトロソジスルホン酸塩以外のものである。
【0088】
本発明の他のミオグロビンブルーミング剤の例として、下記が挙げられる:適切な対イオン(M)として、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム)、遷移金属、プロトン化された一級、二級又は三級アミン、又は四級アミン、又はアンモニウムを含む無機シアン化化合物(MCN);適切な対イオン(M)として、アルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウム)、アルカリ土類金属(例えば、カルシウム)、遷移金属、プロトン化された一級、二級又は三級アミン、又は四級アミン、又はアンモニウムを含む無機的フッ化物(MF);イソチオシナネート、例えばマスタードオイル;窒素を固定化して窒素酸化物源を供給する微生物培養物、例えばキサンチンオキシダーゼ、硝酸塩還元酵素、亜硝酸塩還元酵素;ベタニン(betanine);エリトロシン(erythrocine);及びコチニール抽出物。
【0089】
他のミオグロビンブルーミング剤には、窒素複素環化合物及び誘導体が含まれる。適切な窒素複素環化合物の例として、下記が挙げられる:ピリジン、ピリミジン(例えばジピリダモール)、ピラジン、トリアジン、プリン、(例えばニコチンアミド)、ニコチネート、ニコチンアミド、ナイアシン(商標)(又、ニコチン酸として知られる)、イソキノリン、イミダゾール、及び誘導体及びその塩。これら窒素複素環化合物は置換されても非置換でもよいのは当然である。ピリジン及びイソキノリンとしては、3−カルボニル置換された化合物が好ましい。好ましくは、窒素複素環化合物はピリジン、ピリミジン又はイミダゾールである。更に好ましくは窒素複素環化合物は、ニコチン酸のアルカリ又はアルカリ上類金属塩又はエステルであり、上記エステルはメチルニコチネート、エチルニコチネート、プロピルニコチネート、ブチルニコチネート、ペンチルニコチネート、ヘキシルニコチネート、メチルイソニコチネート、イソプロピルイソニコチネート、及びイソペンチルイソニコチネート等のエステルでもよい。更に好ましくは窒素複素環化合物はニコチンアミドのアルカリ又はアルカリ土類金属塩又はエステル、又はイミダゾールである。又別に、窒素複素環化合物はピリジン、ピリミジン、ヒスチジン、N−アセチルヒスチジン、3−ブチロイルピリジン、3−バレロイルピリジン、3−カプロイルピリジン、3−ヘプトイルピリジン、3−カプリロイルピリジン、3−ホルミルピリジン、ニコチンアミド、N−エチルニコチンアミド、N、N−ジエチルニコチンアミド、イソニコチン酸ヒドラジド、3−ヒドロキシピリジン、3−エチルピリジン、4−ビニルピリジン、4−ブロモイソキノリン、5−ヒドロキシイソキノリン、又は3−シアノピリジン。
【0090】
ミオグロビンブルーミング剤は又ミオグロビン用のリガンドとして作用して目的の色を形成するいずれの化合物でもよく、基質として作用してこれらリガンドを形成するいずれの化合物でもよい。例えば、ミオグロビンブルーミング剤は、一酸化炭素供与化合物でもよい。一酸化炭素は、ミオグロビンのヘムポケットと錯体を形成して肉中に目的とする外観を生じることが知られている。一酸化炭素供与化合物は、一酸化炭素を放出するか、基質として作用して一酸化炭素を形成するいずれの化合物でもよい。一方、ブルーミング剤は、一酸化硫黄(SO)供与化合物、亜酸化窒素(NO)供与化合物、アンモニア(NH)供与化合物又は硫化水素供与化合物でもよい。これら化合物は、特定のリガンドを供与するか、基質として作用して特定のリガンドを形成する。この化合物として、リガンド/ヘム/遷移金属錯体及びリガンド第一鉄プロトポルフィリン錯体が挙げられ、例えば一酸化炭素/ヘム/遷移金属錯体及び一酸化炭素第一鉄プロトポルフィリン錯体がある。一酸化炭素供与化合物、一酸化硫黄供与化合物、亜酸化窒素供与化合物及び硫化水素供与化合物には、そのポリマー鎖へ化学結合している適切な供与官能基を有するポリマー性材料が挙げられる。
【0091】
ミオグロビンブルーミング剤は、好ましくは目的の濃度で肉製品と接触して存在する。包装フィルムの上記食品接触層は、好ましくはブルーミング剤を肉製品の目的とする外観を形成又は保存するのに充分高い濃度で含有する。好ましくはブルーミング剤は、肉表面に接触している少なくとも50%のミオグロビン分子を目的のリガンド結合状態へ転換するために充分な濃度で食品接触層中に存在する。ブルーミング剤の濃度は、好ましくは目的とする外観又は肉色を形成するリガンドを、肉製品の最も外側1/4インチ以下にあるミオグロビン分子へ結合するように選択される。例えば、一酸化窒素供与ミオグロビンブルーミング剤は、好ましくは肉表面に接触している少なくとも50%のミオグロビン分子を一酸化窒素ミオグロビンへ転換するために充分な濃度で存在する。
【0092】
ブルーミング剤がナイアシン(商標)の場合、選択されるナイアシン濃度は、自然肉中に存在するナイアシン濃度を超える。Richardsonらによると、(1980、食品の組成物。ソーセージ及びランチョンミート(生、加工、調製品)ハンドブックNo.8−7、USDA、Science及びEducation Administration、Washington、DC)、ナイアシンは、鳥肉及び赤肉中に約0.05〜0.09mg/g自然に存在する。本発明でナイアシンがブルーミング剤として採用され、肉製品中に組み込まれた場合、一般的に0.1mg/g肉を超える量で使用される。
【0093】
ミオグロビンブルーミング剤はポリマーフィルムの内側層にスプレー又はダスチング又は他の用途手段により塗布されてもよく、又ブルーミング剤は内側層の中に(混合等で)組み込まれてもよい。
【0094】
他の場合、ミオグロビンブルーミング剤は、ミオグロビン含有新鮮肉製品中に組み込まれても、ミオグロビン含有新鮮肉製品の表面上に塗布されてもよい。ミオグロビンブルーミング剤は、スプレー、ダスチング、浸漬又は他の用途手段により、包装前にミオグロビン含有新鮮肉製品上に塗布される。ミオグロビンブルーミング剤は、ブルーミング剤と細挽き肉等の肉とを直接混合することによりミオグロビン含有新鮮肉製品中に組み込まれることができる。例えば一方、ブルーミング剤の水性組成物も製造されて、肉と混合される。上記水性組成物はミオグロビンブルーミング剤の水とのスラリーでもよく、ミオグロビンブルーミング剤の水溶液でもよい。
【0095】
当業者に公知の他の添加剤も、更にブルーミング剤へ添加できる。これら添加剤は、直接食品へ又は包装フィルムへ添加されてもよく、組み込まれても表面上に塗布されても散布されてもよい。他の添加剤の例として、下記が挙げられる:グルタミン酸モノナトリウム塩、(食)塩、穀類、大豆粉、大豆蛋白質濃縮物、ラクトース、固体コーンシロップ、(酵母及びカビの成長を抑制する)抗真菌剤、抗生物質、砂糖、グリセロール、乳酸、アスコルビン酸、エリソルビン酸、α−トコフェロール、リン酸塩、ローズマリー抽出物及び安息香酸ナトリウム塩。
【0096】
ミオグロビンブルーミング剤及びその溶液又は分散体は、硝酸ナトリウム塩のように無色であるか、亜硝酸ナトリウム塩のように固有の薄い色(即ち完全な無色ではない)を有する。しかし上記色は一般的に非常な着色剤又は色添加剤として作用する場合には、それ自体充分な強度を有さない。しかし、これは固有色を付与する着色されたミオグロビンブルーミング剤の使用やミオグロビンブルーミング剤と下記成分との組み合わせを排除するものではない:1以上の天然及び/又は人工的着色剤、色素、染料及び/又は香味剤、例えばアンナット、ビキシン、ノルビキシン、ビートパウダー、カラメル、カルミン、コチニール、ウコン、パプリカ、リキッドスモーク、エリトロシン、ベタニン、1以上のFD&C着色剤等。
【0097】
ミオグロビンブルーミング剤は肉製品中のミオグロビンと相互作用して、目的とする肉色を維持、促進又は強化すると考えられる。ミオグロビンはヘムと呼ばれる非蛋白質部分及びグロビンと呼ばれる蛋白質部分を含む。ヘム部分は、鉄原子を平面環中に有する。グロビン部分は、ヘム基を取り囲み分子を安定化させる3次元構造を提供することができる。ヘム基は鉄原子に対する適切な形状及び電子配置を有するある種のリガンドへ結合できる開いた結合部位を提供する。リガンドがヘムポケットへ進入して結合する時に、リガンドの電子配置はヘム基の光吸収特性に影響するように分子のグロビン部分の形状を変化させることができる。従って、ヘムポケット中の酸素等のリガンドの存在若しくは不存在、又はリガンドそれ自体は、ミオグロビンのの可視的な色変化を生じる。
【0098】
ヘムポケット中にリガンドが無い場合、ミオグロビンは紫色を有するデオキシミオグロビンと呼ばれる(それは時々、紫色、濃赤色、暗赤色、赤みがかった青色又は青みがかった赤色で特徴付けられる)。酸素分子、O(酸素)は容易にリガンドとして作用し、ヘム基へ結合して酸素を血流から細胞中のミトコンドリアへ生物学的に輸送することを可能とする。酸素がヘムポケットへ結合する場合、紫色のデオキシミオグロビンは、赤色で特徴付けられるオキシミオグロビンとなる。オキシミオグロビンからの酸素リガンドの解離の際に、鉄原子は酸化されて鉄は第二鉄状態となる。この鉄原子の酸化は、分子が正常な酸素結合をすることを不可能にする。鉄の化学的状態が第一鉄(Fe2+)から第二鉄(Fe3+)へ変化するにつれ、グロビン部分の3次元構造は変化して水分子がヘムポケットへ結合することを可能とする。第二鉄含有ヘムポケット中での水分子の結合は、ヘムポケットの光吸収に影響を及ぼす。ヘム基中に水分子を有するミオグロビンの酸化状態は、メトミオグロビンと呼ばれ、その色は茶色である。鉄原子の酸化は茶色を生じると考えられる。酸素又は水以外のヘムリガンドも又、肉の色に影響する。例えば、一酸化炭素(CO)の存在は、酸素と同様に、目的とする明るい赤色を新鮮肉へ生じる。一酸化窒素(NO)は保存処理されて塩化ナトリウムを有する肉の場合、濁った赤又は安定なピンク色を生じることが示唆されてきたが、酸素の非存在下で、NOは非加熱処理肉中、特に新鮮な生の非加工又は非保存処理の肉中で、酸素により生じたものと類似の目的の明るい赤色を形成することが発見された。この目的の明るい赤色の発色は、多くの時間、一般的に1〜5日がかかること及び、酸素バリアを備えた真空包装品中の肉色は最初に好ましくない茶色へ変化し次に予期されなかった目的の赤への転換が生じることが発見された。
【0099】
グロビン部分の安定性に影響する他の変数は又、ヘム基の酸素への親和性及び鉄原子の化学的状態の酸化傾向に影響する。料理に伴うような酸性及び高温はグロビン部分を変性し、ヘム基の不安定性をもたらす。リガンドの安定無しに、グロビンが変性された場合にヘム鉄の酸化は自動的に生じる。
【0100】
ポリマー性食品包装フィルム
本発明では、酸素バリア、ミオグロビンブルーミング剤を含む食品接触表面を備えてもよい食品包装製品が提供される。「食品接触表面」とは、肉製品表面を接触包装するように設計された包装品材料の部分を言う。好ましくは食品包装製品は、肉製品との接触後に目的の色を促進又は維持するための有効量のミオグロビンブルーミング剤を含む食品接触表面を有する。ミオグロビンブルーミング剤(MBA)は、好ましくは目的の赤色が好ましくは食品厚さの好ましくない深さまで進入しないで形成されるまでの十分な量で肉表面へ減酸素条件下で接触する(この色はその発色のために例えば1〜5日の時間が必要である)。有利には、MBAはフィルム食品接触表面上(又はミオグロビン含有食品表面上)に約0.01〜3〜5〜10μモル/インチの量でその0.1μモル単位で存在する。MBAのより多い又は少ない量も使用でき、色強度はそれにより、ミオグロビン存在又は非存在下に関して依存して変化する。
【0101】
従って、食品包装製品の食品接触表面は好ましくは、新鮮肉製品の目的の表面配色を形成及び/又は維持するのに充分高いが、肉製品の体内へその色が好ましくない進展をすることを防ぐのに十分低い濃度でミオグロビンブルーミング剤を含有する。好ましくは、ミオグロビンブルーミング剤は、肉表面と接触して少なくとも50%の目標とされたミオグロビン分子が目的のリガンド結合状態へ転換するために充分な濃度で食品接触表面上に存在する。ミオグロビンブルーミング剤の適用できる量又は濃度は、好ましくは肉製品の最も外側1/4インチ、又は1/6、1/8、1/10、1/12、1/16又は1/20インチ以下中のミオグロビン分子へリガンドを結合して肉の目的の配色を生成するために選択されるが、より深い進入も必要なら達成される。例えば、一酸化窒素供与ミオグロビンブルーミング剤は、好ましくは少なくとも50%のミオグロビン分子が肉表面へ接触すると一酸化窒素ミオグロビンへ転換するために充分な濃度で存在する。ミオグロビンブルーミング剤は、単層フィルム上又は多層フィルムの内側層上に塗布されるか、その中に組み込まれてもよい。
【0102】
ミオグロビンブルーミング剤は好ましくは均一に又は一様に食品接触表面の表面上に分散される。求められる配色を生じるのに必要な最小量は、食品中に存在するミオグロビン濃度に依存する。例えば、10mg/gmのミオグロビンを含有する牛肉製品は、1mg/gmのミオグロビンを含有する鳥肉製品の10倍以上のミオグロビンブルーミング剤を必要とする。同様に目的の進入深さが0.25インチであれば、牛肉1平方インチ内で深さ0.25インチまでの全てのミオグロビン分子(ミオグロビンの分子量は約17000g/モルである)へ作用するために、フィルム1平方インチの表面の通過に利用できる少なくとも2.4μモル(マイクロモル)のミオグロビンブルーミング剤が必要となる(牛肉の1平方インチは深さ約0.25インチの場合約4.1グラムの肉となる(比重1gm/cc))。好ましいミオグロビンブルーミング剤としての亜硝酸ナトリウム塩は分子量69g/モルを有する。従って2.4μモルのNaNOは重さ0.166mgであり、10mg/gmで含有する肉4.1グラム中のミオグロビン全量は41mgである。牛肉は一般的にミオグロビンを3〜10mg/gm濃度で含有する。製品上に存在するべきミオグロビンブルーミング剤の好ましい量は、0.72〜2.4μモル/インチである。同様に、豚肉はミオグロビンを1〜3mg/gm濃度で含有する。この用途の包装製品は、0.24〜0.72μモル/インチを提供する。1mg/gm未満のミオグロビンを有する鳥肉には、好ましくは0.24μモル/インチ、例えば0.12μモル/インチ未満を提供する包装製品を使用する。ミオグロビンブルーミング剤として亜硝酸ナトリウム塩(MW=69g/モル)を使用する製品は、好ましくは牛肉製品用に0.05O〜0.166mg/インチ:豚肉製品用に0.017−0.050mg/インチ:及び鳥肉製品用に0.017mg/インチ未満を提供する。0.17mg/インチを提供する製品は様々な種類の新鮮肉に適する。
【0103】
より多量のミオグロビンブルーミング剤はより高濃度のミオグロビンを有する筋肉をより濃色にするために好ましい。ミオグロビンブルーミング剤が単層又は多層包装フィルムの上記食品接触層を備えたポリマーマトリックス中に組み込まれた場合、そのほんの一部のみが、フィルム表面から製品の表面へ有効に移動して、ミオグロビンと相互作用を起こすことができる。有効な色固定に必要な量の20倍まで又はそれ以上の濃度のフィルム中の含有濃度が求められる。
【0104】
従って、食品接触表面の単位面積当たりのミオグロビンブルーミング剤量は、包装された新鮮肉製品表面の目的の食品の色を提供するために選択できる。例えば、上記食品接触層は亜硝酸ナトリウム塩等のミオグロビンブルーミング剤を、約0.005〜約0.900mg/インチ、好ましくは約0.010〜約0.400mg/インチ更に好ましくは約0.100〜約0.300mg/インチ含有してもよい。牛肉製品用に、食品接触層は例えば亜硝酸ナトリウム塩ミオグロビンブルーミング剤を、例えば約0.200〜約0.250mg/インチを含有してもよいが、一方より低い濃度、例えば約0.100〜約0.150mg/インチも豚肉製品用に使用できる。
【0105】
35マイクロメータ(μm)以下、好ましくは10μm以下の粒子径を有する均一な分散体又はコーティングが望ましい。より大きい粒子径も又使用できるが、使用前のフィルムが美的に適当でない。粒子径が大きすぎると、最初斑点のある外観が生じるが、結果的に均一化される傾向にあり、時間経過によりより均一になり、これら目的の色均一性(即ち、斑点又はしみの欠如)は、しばしば茶色から赤色への色転換において生じる。有利には、ミオグロビンブルーミング剤は、フィルム形成剤、界面活性剤、結合剤及びその目的のための他の化合物を使用してフィルムの上記食品接触層の表面を濡らす方法で適用できる。例えば、本発明のミオグロビンブルーミング剤は、フィルムの食品接触表面上にスプレーされる。チューブ状のフィルム及びケーシングは又他の手段(浸漬及びスラッギング等の公知の方法)により塗布されてもよい。典型的なミオグロビンブルーミング剤はフィルム壁を容易に通過しないため、ミオグロビンブルーミング剤をチューブ内側にスラグし及び/又はミオグロビンブルーミング剤を操作中(例えばシャーリング操作中)スプレーによりチューブの内側表面へ適用することが好ましく、その理由は外部からの適用(例えば浸漬による)はミオグロビンブルーミング剤及び肉接触表面間の接触を提供するためにチューブを裏返しにする複雑でより費用のかかる操作を必要とするからである。シャーリング中又はその直前の溶液スプレーによる他の添加剤及びコーティング組成物の適用は便利で、経済的であり、内側チューブ表面上のコーティングの標準測定された分散の配置を促進する。例えば、潤滑剤及び他の組成物は、チューブ状のポリマー性ケーシングの内側表面のスラッギング、スプレー、又はシャーリングマンドレルを使用した接触コーティング等の様々な手段により適用されこれら手段は公知である(例えば米国特許第3378379(Shiner);3451827(Bridgeford);4397891(Kaelbererら);5256458(Oxleyら);5573800(Wilhoit);及び6143344(Jonら)参照、これらを全て資料として使用する)。本発明で製造された包装品は、スラッギングにより本発明のミオグロビンブルーミング剤で塗布されて一様な厚いコーティングを提供できる。
【0106】
食品包装フィルムのチューブ形状又は非チューブ形状(例えばシート又はウェッブ)は、乾式若しくは湿式スプレー若しくはダスチングにより、マイヤーバー若しくはドクターブレードを使用したロールコーティング若しくはコーティングにより、(例えばグラビア若しくはフレキソ印刷を使用した)印刷手段により、又は静電気的移動を使用して塗布される。同様に、製造プロセス中の様々な時点でも適用でき、例えば、ブレンド、マスターバッチ中への組み込み、押し出し成形前のポリマー層への添加、又は押し出し成形中若しくはその後、バブル若しくはチューブ形成中、ワインディング中、又は、例えばダスチング又はパウダリングステップ中のバッグ形成中の、ダスチング、スプレー又はコーティングが挙げられる。
【0107】
例えば本発明では、食品接触層はミオグロビンブルーミング剤を約1000ppm(0.1%)〜約50000ppm(5.0%)、更に好ましくは約5000ppm〜約25000ppm、及び最も好ましくは約7500ppm〜約20000ppm含有してもよい。一般的に、食品接触層は、新鮮な牛のひき肉製品包装用に亜硝酸塩を約1.5重量%〜約2.0重量%以下(15000ppm〜20000ppm)、又は新鮮豚肉製品包装用に亜硝酸塩を約0.75重量%〜約1.5重量%を含有する。0.75〜2.25重量%の量が様々な肉用に有利に使用できる。
【0108】
本発明は、ミオグロビンブルーミング剤を含む単層食品包装フィルムを提供する。別の態様では食品包装フィルムは又、多層フィルムでもよい。本発明の食品包装フィルムは適切な組成物を有し、適切な配置をとれる。好ましくは、食品包装フィルムは、1以上又はその組み合わせで存在する層として複数の機能的要求を満たす。例えば単層フィルムは、酸素及びミオグロビンブルーミング剤のバリア機能並びに、耐パンク性、耐久性、印刷適性、水バリア、熱シール性、透明性、高光沢、低毒性、耐高温性、低温屈曲性等の1以上の追加的機能を組み合わせて有してもよい。一方、複数の層も機能性を追加するために使用できる。本発明は様々な広い範囲の市販の包装フィルムに適用でき、例えば:カーウッド社製、商標ABP、Clear−Tite、Cook−Tite、Perflex、Pro−Guard、Pro−Tite、Curlam(登録商標)、Curlon(登録商標)及びSurround;並びに例えばAlcan、Asahi、Cryovac、Kureha、ベクター、Pactiv、Printpack、Viskase及びWipak社製、商標Cryovac(登録商標)T−シリーズ、Cryovac(登録商標)E−シール材料、AlcanQ(登録商標)シリーズ、AlcanピールRiteTMピールシステム、AlcanQFormingフィルム、Krehalon(登録商標)、Alcan Mara Flex(登録商標)非形成フィルム、Wipak Combitherm、Wipak Bialon、Wipak Biaxer、及びWipak Biaxopとして販売されているものが挙げられる。本発明の態様として典型的に有利な食品包装フィルムは、シーラント層として作用する内側表面食品接触層、並びに、その間に酸素バリア材料を含む耐熱性及び耐久性外側表面層とコア層を有する。別の一般的適切なフィルムは、表面層と結合するコア酸素バリア層のそれぞれの側上の接着層を有する。
【0109】
本発明の別の例では、食品包装品は、少なくとも5重量%の含水量を有する新鮮肉等のミオグロビン含有食品;ポリマー性食品接触層及びトレイを備えた、酸素バリア熱可塑性フィルムを有する容器を有し;容器は食品を酸素減少環境下で包み;食品は窒素又はイオウ含有ガス状ミオグロビンブルーミング剤又はそれらの混合物を含む変性空気中で維持される。本明細書で記載されるMBAも又、この態様で使用できる。更にいずれのガス状又は非ガス状MBA及びそれらの組み合わせも、本発明の様々な態様中で使用できる。
【0110】
本発明の多層食品包装フィルム態様は、外側表面及び内側表面を含み、2、3、4、5、6、7、8、9、又はそれ以上のポリマーフィルム層を含む。
【0111】
フィルム厚さ
本発明の食品包装製品は、単層又は多層フィルム形状であり、その全厚さは約10ミリ未満であり、好ましくはフィルムの全厚さは約0.5〜10ミリ(12.7〜254ミクロン(μ))である。好ましくは、多くの態様では厚さが約1〜5milであり、ある種の典型的な態様では約1.5〜3milである。例えば、完全なシングル又は多層フィルム又は多層フィルムのいずれの単層も適切な厚さとして1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10ミリ、又はその間の0.1又は0.01mil増加分の厚さを有しても良い。より厚い又はより薄いフィルムも又提供できる。包装食品用の適切なフィルムとして厚さ4mil(101.6ミクロン)以上、又は1mil(25.4ミクロン)以下の薄さも作成できるが、目的とされる最も一般的フィルムは約1.5〜3mil(38〜76ミクロン)である。食品包装品用フィルムとして使用するのに特に好ましくは、厚さ約2〜3mils(50.8−76.2ミクロン)の多層フィルムであるフィルムである。このようなフィルムは良い耐久性及び機械加工性を有する。
【0112】
本発明の食品包装製品は、全厚さが少なくとも10ミリの単層又は多層シート、更に好ましくはシートの全厚さが約10〜50mil、最も好ましくはシートの全厚さが約10〜30milである形状である。
【0113】
食品接触/熱シール層
本発明の食品包装フィルムは食品接触層を有する。この食品接触層は又、熱シール又は熱シール可能な層として機能し、密封シールされた包装品形成を促進するが、チューブ状のプラスチックケーシングも又、例えば公知のクリップにより使用されシールされてもよい。本発明の好ましいフィルムは、熱シール性を有する食品接触層を使用できる。
【0114】
ここで使用される用語「熱シール層」又は「シーラント層」は熱シール可能な層を表すために互換的に使用される。即ち、従来の間接的な加熱手段により溶融結合でき、その手段は少なくとも1方のフィルム接触表面へ、隣接したフィルム接触表面へ(熱)伝導してフィルム完全性を保ったままその間に境界結合を形成するのに充分な熱を発生させる。隣接した内側層間の結合境界面は、好ましくは包装プロセス及びその次の処理、例えば、熱シール可能な層を有するフィルムを使用して包装品中にシールされた食品の存在に伴う伸長又は収縮の結果の張力に耐えるのに充分な物理的強度を有する。有利には、結合境界面は好ましくは、例えば、1以上の下記手順中:食品の包装操作、貯蔵、処理、輸送、展示、又は加工:で室温以上又は以下に曝された時にガス又は液体漏れを防止するために充分に熱的に安定である。熱シールは、目的とされる使用の異なる条件に合致するように設計され、様々な熱シール組成が公知であり、本発明で使用できる。又他の態様では、熱シールは、例えば、シール済みバッグ、真空膜包装品(vsp)又はシールされたトレイ形状で、低温殺菌又は調理温度及び条件のために使用される。料理用途では、熱シールは高温で約160〜180°F(71−82℃)以上例えば212°F(100℃)で長時間、例えば4〜12時間、湿った空気又は水蒸気で又は熱水中に浸して加熱される環境での加熱に耐えられる必要がある。好ましくは、食品接触又は熱シール層は、それ自体熱シール可能であるが、他の目的物、フィルム又は層、例えば蓋フィルムとして使用される場合にはトレイへ、対象物を包むラップシール中又はある種のトレイ中の外側層へシール可能でもよい。同様に、例えばミオグロビンブルーミング剤含有食品接触層は熱シール可能でなくてもよい。
【0115】
シーリング層は、好ましくは包装フィルムの内側表面上又はその近傍に位置し、単層又は多層フィルムが、例えばクラムシェル容器として使用されてトレイへシールされた場合、例えば蓋フィルムとして使用されて蓋フィルムへシールされた場合、例えばトレイとして使用された場合等、包装品として形成されることを可能とする内側表面層でもよい。本発明のシーラント層は、ミオグロビンブルーミング剤並びに、エチレン−α−オレフィンコポリマー、ナイロンブレンド又はアイオノマー等の適切な熱−シール可能なポリマーを含有してもよい。外側層は又熱シール可能な層でもよく、この目的のための内側層の代わりに又は内側層に加えて使用出来る。
【0116】
上記食品接触層は、シーラント層を含有してもよく、下記ポリオレフィン又はそれらのブレンド等の熱シール可能なポリマー性材料を含有してもよい:例えば低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)等のポリエチレン;例えばプラストマー、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、及び直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)又はポリプロピレンホモポリマー、ポリプロピレンコポリマー等のエチレンα−オレフィンコポリマー;又は制限された幾何学構造的触媒又はメタロセンシングル−部位触媒を使用して製造され、例えば少なくとも1のC4−8以上のα−オレフィン(例えば、ブテン−1、ヘキセン−1又はオクテン−1又はそれらの組み合わせ)とエチレン又はプロピレン由来の主要なポリマー性ユニットとのエチレンのコポリマー又はプロピレンを含むような均一なポリオレフィン樹脂。エチレン酢酸ビニル(EVA)コポリマー、エチレンブチルアセテートコポリマー(EBA)、エチレンメチルアセテートコポリマー(EMA)、エチレンメタクリル酸コポリマー(EMAA)又はエチレンエチルアクリレートコポリマー(EEA)は又、熱シール可能な内側表面層の製造に適切な材料である。食品接触及び/又はシーラント層は又、本質的に金属塩中和されたエチレンのコポリマー及びアクリル系又はメタクリル酸であるアイオノマーを含有してもよい。適切なシーラント/食品接触層材料は、しばしば例えば下記に記載されたようなアイオノマー、ポリオレフィン又はそれらのブレンドを含む:米国特許6964816;6861127;6815023;6773820;6682825;6316067;及び5759648;5663002;及び米国特許出願公開2005/0129969(Schellら);及び2004/0166262(Buscheら)(これら全てをここで資料として使用する)。食品接触又はシーラント層は又、ナイロン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル、ポリカーボネート、環状オレフィンコポリマー、ポリアクリロニトリル又はコポリマー又はそれらのブレンドを含有してもよい。上記食品接触層は、全構造の厚さの100%でもよい。多層構造中の食品接触又はシーラント層は、多層構造中のどのような厚さでもよく、全厚さの1%〜5%〜15%〜50%以上でもよい。食品接触及び/又はシーラント層をに含有されるこのようなシール可能な樹脂の好ましい例として、市販で入手できる下記エチレンα−オレフィンコポリマーが挙げられる:ダウケミカル社から入手できる(商標)「AFFINITY」、「ATTANE」又は「ELITE」樹脂(α−オレフィンとしてオクテン−1を含む)、及びエクソンモービル社(ヒューストン、TX、米国)から入手できる(商標)「EXACT」樹脂(コモノマーとしてヘキセン−1、ブテン−1及びオクテン−1を含む);デュポン社から入手できるアイオノマー(商標)「Surlyn」(登録商標)。
【0117】
バリア層
バリア層は、ミオグロビンブルーミング剤を含有して製造されてもよい。バリア層は好ましくはガスバリア層として機能するが、水バリア層等の他の種類のバリアも又ミオグロビンブルーミング剤を含むことが出来る。ガスバリア層は好ましくは酸素バリア層であり、好ましくは第一及び第二層の間に位置するコア層である。例えば、酸素バリア層は、第一表面層及び接着層と接触してもよく、2個のタイ層及び/又は2個の表面層間に挟まれてもよい。
【0118】
本発明の効果を全て達成するために、ミオグロビンブルーミング剤フィルムが包装品中に減酸素雰囲気と組み合わせて使用される。バリア層は、予想される貯蔵条件下で包装されるべき製品の目的の保存用に酸素への適切なバリアを提供できる。例えば、酸素バリアは減酸素雰囲気で維持されている肉包装品又は包装フィルム中で使用される。酸素バリアは好ましくは、包装された肉中に目的の色が誘発され又は維持できるために充分に減少された酸素透過性を提供するように選択される。例えばフィルムは、肉中の酵素を還元するメトミオグロビンのミオグロビン還元活性を減少させ、及び/又は肉と接触している減酸素空気を維持して包装された新鮮肉の表面上のミオグロビンへ結合している酸素を減少させるために十分に低い酸素透過性である酸素バリアを有する。
【0119】
酸素バリア層は、当業者に公知の下記適切な材料を含有できる:ナイロン、EVOH、PVOH、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド、ポリエステル、ポリアルキレンカーボネート、ポリアクリロニトリル、ナノコンポジット、ポリオレフィン上に蒸着されたアルミニウム等の金属蒸着フィルム。フィルムの酸素バリア層は、好ましくはEVOHを含有するが、酸素バリア層はポリ塩化ビニリデン−塩化ビニルコポリマー(PVDC又はVDC−VC)又は塩化ビニリデン−メチルアクリレートコポリマー(VDC−MA)を含有し、それらのブレンドも又好ましい。バリア層は又、ストレッチ配向された場合に、透明性及び低いヘイズ等の目的とする光学的特性、並びにそれを取り囲む層と共にストレッチする特性を提供する。バリア層厚さは、例えば酸素透過性、特に低温での収縮値、配向容易性、層間剥離耐性、及び光学的特性の観点で目的とする性能特性の組み合わせを提供するために選択される。多層フィルム中の適切な厚さは、全フィルム厚さの15%未満、例えば3〜13%、好ましくは多層フィルムの全厚さの約10%未満である。より大きな厚さも使用できるが、酸素バリアポリマーが比較的高価となるために、フィルム層組み合わせにおいて適切な厚さが目的のガスバリア特性を達成するために採用される場合は、より高価でない樹脂が目的とする特性を付与するための他の層に使用される。例えば、コア酸素バリア層の厚さは、有利には約0.45mil(10.16ミクロン)未満かつ約0.05mil(1.27ミクロン)を超え、0.10、0.20、0.25、0.30、0.40、又は0.45mil厚さでもよい。
【0120】
好ましくは、多層フィルムはコア酸素バリア層を含む。どのような適切な材料も酸素バリア層を形成するために使用できる。フィルムの酸素バリア層は、好ましくはEVOHを含むが、ポリ塩化ビニリデン−塩化ビニルコポリマー(PVDC又はVDC−VC)若しくは塩化ビニリデン−メチルアクリレートコポリマー(VDC−MA)又はそれらのブレンドを含む酸素バリア層も又好ましい。1の好ましいEVOHバリア材料は、米国Eval Company社から商標Eval(登録商標)LC−E151Bとして販売される44mol%EVOH樹脂E151Bである。本発明で採用できるEVOHの別の例は、Nippon Gohsei(又は米国Soarus、LLC社)から購入できる商標Soarnol(登録商標)AT(44mol%エチレンEVOH)又はSoarnol(登録商標)ET(38mol%エチレンEVOH)である。ミオグロビンブルーミング剤含有包装食品用のEVOHを含有する酸素バリアフィルムは、米国特許7018719;6815023;6777046;6511688;5759648;5382470;及び4064296に記載された方法により製造でき、これら全てを資料として使用する。
【0121】
適切なナイロン又はナイロンブレンドも又酸素バリア特性を付与するために使用できる。バリア材料の組み合わせも又使用できる。例えば、ナイロン及びEVOHの複数のバリア層は、しばしばEVOH及びナイロンのブレンドとして食品及び肉包装品中の適切なバリア特性を付与するために使用できる。これら及び他の公知の材料も又酸素バリア層を形成するために使用できる。
【0122】
腐敗しやすい食品包装用に、酸素(O)透過性は好ましくは最小化される。典型的な酸素バリアフィルムは、O透過性が24時間1気圧、0%相対湿度及び23℃で約310cm/m未満、好ましくは75cm/m/日未満、更に好ましくは20cm/m/日未満である。コア層中のPVDC又はEVOH等のバリア樹脂は、親和性のあるポリマー中にブレンド、又はフィルムの配向パラメーター若しくはO等のガス透過性を変更するすることにより調整できる。コア層の厚さも変更でき、有利には約0.05〜約0.30mil(1.3〜7.62ミクロン)である。
【0123】
耐久性外側層
使用者/消費者により観察されるために、本発明の単層及び多層包装フィルム態様の両方でフィルムの外側表面は、フィルムの光学的特性が強化されるべきであり、好ましくは高光沢を有する。同様にフィルムは尖った対象物と接触しても耐久性があり耐摩耗性を提供し、これらの理由のためにしばしば耐久性層と言われる。この外側耐久性層は又熱シール可能な層として使用されてもされなくてもよい。フィルムの外側表面層として、この層は又最もしばしば、本発明のフィルムから製造される包装品、バッグ、ポーチ、トレイ又は他の容器の外側層であり、そのため例えば、包装中の装置による処理、他の包装品及び輸送及び貯蔵中の輸送容器及び貯蔵棚との摩擦に対する酷使にさらされる。この接触は摩耗力、ストレス及び圧力を生じ、フィルムを摩耗して包装品の印刷不良、光学的特性の減少又はパンクまでも発生させるか、又は完全性を損なう。従って外側表面層は一般的に包装品が使用中に遭遇する摩耗及びパンク外力及び他のストレス及び酷使に耐性があるように選択された材料から製造される。外側表面層は機械作業性に優れていなくてはならない(即ち、例えば移送、包装、印刷又はフィルム又はバッグ製造プロセス中の一部工程用に機械に供給しやすく操作しやすい)。又高収縮性フィルムが目的の場合は、好ましくは90℃以下の低温でストレッチ配向が求められる。適切な剛直性、屈曲性、曲げ亀裂耐性、モジュラス、引っ張り強度、摩擦係数、印刷適性、及び光学的特性も又、しばしば適切な材料選択により外側層へ設計される。この層は又、例えばインパルスシーラーによる溶解、又は例えばオーバーラップシールを使用してある種の包装品態様中の熱シール表面として使用されることに耐性のある目的の熱シールを製造するために適切な特性を有するように選択される。
【0124】
外側層は、内側層のそれと類似のブレンドで製造できる。例えば、内側及び外側層の少なくとも1、好ましくは両方がポリオレフィン樹脂を使用でき、好ましくはブレンド(i)EVA、(ii)EAO(VLDPE等)、及び(iii)mp80〜98℃、好ましくは80〜92℃を有するエチレン−ヘキセン−lコポリマーのブレンドである。3種のポリマーのそれぞれは一般的に層の20〜40重量%を構成する。外側層中に使用される場合、EVAは好ましくは3%〜18%酢酸ビニル含有量であり、収縮性が目的の場合良い収縮性を示す。EAOのブレンドは又外側層中に有用に使用できる。
【0125】
外側層厚さは、一般的に0.5〜1.0ミリである。より薄い層は耐久性には有効でないが、より厚い層はより高価になり、有利には特別に高度に目的とする耐パンク性及び/又は耐久性特性を有するフィルムを形成するために使用できる。一般的に5〜7mil以上のヘビーゲージフィルムも又、目的とする用途に必要であり、通常、非常に高価で及び複雑なラミネートフィルム構造及び/又はボーンガード、パッド、及びオーバーラップ等の二次的包装品材料により達成される。
【0126】
本発明の1のバリア層態様では、包装している多層フィルムの外側熱可塑性層がコア層の内側層からの反対側にあり、環境と直接的に接触している。適切な3層態様では、この外側層は直接に、好ましくは酸素バリア層であるコア層へ接着されている。
【0127】
中間層
中間層は外側層及び内側層間のいずれの層をも言い、及び酸素バリア層、タイ層又は、フィルム構造又はその目的とする使用に有用な機能的寄与をする層を含む。中間層は多数の特性を改良、付与又は改変するために使用され、特性として、例えばトラップ印刷される構造用の印刷性、収縮性、配向可能性、操作性、機械加工性、引張特性、ドレープ、屈曲性、剛直性、モジュラス、目的とされる層間剥離、オープン容易性、引き裂き強度、強度、延長、光学的、水バリア、酸素又は他のガスバリア、紫外線等の放射線選択性又はバリアが挙げられる。
【0128】
タイ層
更に外側層、内側層、及びバリア層等の中間層に加えて、多層包装フィルムは更に、多層フィルム中で互いに隣接した層の接着を促進し、好ましくない層間剥離を防止するために選択される1以上の接着層又は「タイ層」として知られる層を有してもよい。多機能層は、好ましくは複数の分離接着剤の使用の必要なしに層中の材料の第一及び第二層への親和性のおかげで1の層を別の層へ接着することを助けるために配合される。いくつかの態様では、接着層は第一及び第二層の両方に見られる材料を含む。接着層は好ましくは多層フィルムの全厚さの10%未満、更に好ましくは2%〜10%である。接着剤樹脂はしばしば他のポリマーより高価であり、タイ層厚さ通常目的の効果を達成するための最小厚みに保たれる。例えば、多層フィルムは、隣接する第一層及び第二層とその間に位置する接着層の3層構造を有する。別の態様では、多層フィルムは多層構造を有し、第一接着層は外側層と直接的接触してコア酸素バリア層との間に位置し;好ましくは及び任意で同じコア酸素バリア層と直接的接触して内側層戸の間に位置する第二タイ層を有して5層フィルムを形成する。
【0129】
多層フィルムは適切な組成物のいずれの適切な数のタイ又は接着層を含むことができる。様々な接着層が配合され、タイ層により接触されている層の組成物に従いフィルムの特定の層間の接着の目的の強さを提供するように設置される。
【0130】
例えば接着層と接触する、PET等のポリエステルを含有する層は、好ましくはポリオレフィンと他の接着剤ポリマーとの適切なブレンドを含有する。PETポリエステル層と接触している接着層の1の好ましい成分は、EMACSP1330(報告された密度0.948g/cm;メルトインデックス2.0g/10分;融点93℃;軟化点49℃;メチルアクリレート(MA)含有量22%)である。
【0131】
内層、外層、中間層又はタイ層は適切な熱可塑性材料で形成でき、例えばポリアミド、ポリスチレン、スチレン性コポリマー、例えば、スチレン−ブタジエンコポリマー、ポリオレフィン、及び特にLLDPE、VLDPE、HDPE、LDPE、エチレンビニルエステルコポリマー又はエチレンアルキルアクリレートコポリマー、ポリプロピレン、エチレン−プロピレンコポリマー等のポリエチレンファミリーメンバー、アイオノマー、ポリブチレン、α−オレフィンポリマー、ポリエステル、ポリカーボネート、環状オレフィンコポリマー、ポリウレタン、ポリアクリルアミド、無水物変性ポリマー、アクリレート−変性ポリマー、ポリ乳酸ポリマー、又は2以上のこれら材料の様々なブレンドが挙げられる。
【0132】
別の態様では、外層、内層及び/又は1以上の中間層は、ナイロンブレンド組成物を含有し、又はからなるものでもよい。好ましくは、ナイロンブレンド組成物は、少なくともナイロン6I/6Tコポリマー等のアモルファスナイロンを、少なくとも1の、ナイロン6/12、ナイロン6/69、ナイロン6/66、MXD6ナイロン、ナイロン6、ナイロン11、又はナイロン12等の半結晶ナイロンホモポリマー又はコポリマーと組み合わせて含有してもよい。
【0133】
本発明の別の例では、1以上の外層、内層及び/又は1以上の中間層は、少なくとも1のポリエステルポリマーを含有する。好ましいポリエステルポリマーは、芳香族ポリエステルを含有し、更に好ましくはホモポリマー又はポリエチレンテレフタレートのコポリマー(PET)、ポリエチレンナフタレート及びそれらのブレンドである。適切なポリエステルの固有粘度は、約0.60〜約1.2、好ましくは0.60〜0.80である。ポリエステルは脂肪族ポリエステル樹脂であるが、好ましくは芳香族ポリエステル樹脂である。例えば、ポリエステル材料は、好ましくはテレフタル酸及びイソフタル酸であるジカルボン酸成分、並びに不飽和脂肪酸二量体から構成される。ポリエステル製造用の別の成分であるジオール成分の例として:エチレングリコール、プロピレングリコール、テトラメチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、ジエチレングリコール、ポリエチレングリコール及びポリテトラメチレンオキシドグリコール等のポリアルキレングリコール;1,4−シクロヘキサン−ジメタノール、及び2−アルキル−1,3−プロパンジオールが挙げられる。特に、ポリエステル樹脂を構成するジカルボン酸の例として:テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、5−t−ブチルイソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、ジフェニルエーテルジカルボン酸、シクロヘキサン−ジカルボン酸、アジピン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アゼライン酸、セバシン酸、及び不飽和脂肪酸の二量体を含む二量体酸が挙げられる。これら酸は、単独でも2以上の種の組み合わせでも使用できる。ジオールは単独でも2以上の種の組み合わせでも使用できる。
【0134】
芳香族ジカルボン酸成分を有する芳香族ポリエステル樹脂を含むポリエステル組成物が、幾つかの点で好ましく、例えばポリエチレンテレフタレート及びポリブチレンテレフタレート等の例えば10以下の炭素原子を有するテレフタル酸(ジカルボン酸成分)及びジオールのポリエステルが挙げられる。これらの好ましい例として:好ましくは最大30mol%、更に好ましくは最大15mol%のテレフタル酸と、イソフタル酸等の別のジカルボン酸との部分置換により得られたコポリエステル;エチレングリコール等のジオール成分の、1,4−シクロヘキサン−ジメタノール(例えば、商標「Voridian9921」イーストマンケミカル社Voridian部門製造)等の別のジオールとの部分置換により得られたコポリエステル;及び主成分としてポリエステルを含むポリエステル−ポリエーテルコポリマー(例えば、テレフタル酸及び/又はそのエステル誘導体を主に含むジカルボン酸成分並びにテトラメチレングリコール及びテトラメチレンオキシドグリコールを主に含むジオール成分との間のポリエステル−エーテルであり、後者は好ましくはポリテトラメチレンオキシドグリコール残渣を10〜15重量%含有する)。又2以上の異なるポリエステル樹脂を混合物として使用することもできる。好ましいポリエステル例は、商標Voridian9663、Voridian9921及びEASTAR(登録商標)コポリエステル6763が、イーストマンケミカル社、キングスポート、Tenn.、米国から入手できる。ポリエステル層及びポリアミド層を含む多層構造を開示している米国特許6964816(Schellら)及び6699549(Ueyamaら)をここで資料として使用する。
【0135】
層への任意の添加剤
様々な添加剤が、食品包装品の1以上の外層、内層及び中間層又はタイ層中に使用されるポリ中に含まれてもよい。例えば、層はアンチブロックパウダーでコートされてもよい。同様に、従来の抗酸化剤、アンチブロック添加剤、ポリマー性可塑剤、酸、水分又はガス(酸素等)(ラジカル)捕捉剤、スリップ剤、着色剤、染料、色素、官能剤が、フィルムの1以上のフィルム層へ添加できるが、それら添加成分は含まれなくてもよい。外側層がコロナ処理された場合、スリップ剤が使用されてもされなくてもよく、アンチブロックパウダー又はシリカ若しくはデンプン等の薬剤を含む又はコートされてもよい。加工助剤は一般的に、層重量の10%未満、7%未満及び好ましくは5%未満の量で使用される。フィルムの外側層に使用される好ましい加工助剤として、1以上のフルオロエラストマー、ステアルアミド、エルカミド、及びシリケートが挙げられる。
【0136】
好ましいフィルムは又、低いヘイズ、高光沢、90℃以下での高い又は低い収縮値、良い機械加工性、良い機械的強度及び酸素への高バリア性等の良いバリア特性並びに水透過性を含む1以上の又は全ての有利な組み合わせを提供する。
【0137】
製造方法
本発明の単層又は多層包装フィルムは、ミオグロビンブルーミング剤の含有を提供するために改良された従来のプロセスにより製造できる。これら可撓性フィルム製造プロセスは、例えば、キャスト又はブローンフィルムプロセスを含む。単層及び多層フィルムは、ミオグロビンブルーミング剤含有用に当分野公知の方法をここで改良して記載された方法で製造される。適切なフィルム製造及び/配向プロセスは、例えば米国特許5759648;6316067及び6773820、及び米国特許出願公開2004/0166262(Buscheら)、題名「容易開口熱−収縮可能包装品」に記載され、それらの全てをここで資料として使用する。
【0138】
様々な製造方法が、本発明の観点から当業者に明らかであるために使用できる。例えば米国特許4448792(Schirmer)は共押し出し成形、二軸配向及び放射線照射ステップを含む方法を開示し、米国特許3741253(Braxら)は押し出し成形、放射線照射、押し出し成形ラミネーション/コーティング及び二軸配向を含む方法を開示し、これら特許をここで資料として使用する。プロセスは一軸又は二軸配向を排除し、又は次にアニーリングステップを追加して非収縮フィルムを形成するように改変されてもよい。
【0139】
好ましいフィルム製造プロセス中、樹脂及び添加剤はエクストルーダー(一般的に層当たり1のエクストルーダー)へ供給され、そこで樹脂は加熱により溶融可塑化され、押し出し成形(又は共押し出し成形)ダイへ移動し、チューブ及び/又はフラットシートを形成する。エクストルーダー及びダイ温度は一般的に加工される所定の樹脂又は樹脂含有混合物に依存し、市販の樹脂の適切な温度範囲は一般的に公知であるか、樹脂製造者から入手できる技術的説明書に記載されている。加工温度は非常に選択される他のプロセスパラメーターに依存する。しかし、バリエーションはポリマー樹脂選択のバリエーション、例えばブレンドによるか多層フィルム中の分離層中の他の樹脂の使用、使用される製造プロセス及び使用される特別の装置及び他のプロセスパラメーター等の因子に依存して期待される。プロセス温度等の実際のプロセスパラメーターは、本発明の開示により過度の試行なしに当業者により予測できる。
【0140】
一般的に当分野で認識されるように、樹脂特性は、2以上の樹脂を一緒にブレンドすることにより更に改変され、例えばホモポリマー及びコポリマー等の様々な樹脂が含有され又はブレンドされ多層フィルムの個々の層となり、又は追加的層となる、これらの樹脂はポリオレフィンを含有し、例えば、エチレン−不飽和エステルコポリマー樹脂、特にEVA等のビニルエステルコポリマー、又は他のエステルポリマー、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、アイオノマー、ポリプロピレン、又はそれらのブレンドが挙げられる。分離層として又は組み合わせて含有される他のポリマーとして、ナイロン等のポリアミド、PVDC、EVOH、及びPETが挙げられる。これら樹脂及び他の樹脂は、公知の方法で市販のタンブラー、ミキサー又はブレンダーを使用して混合される。
【0141】
同様に、目的とする場合、抗酸化剤、加工助剤、スリップ剤、アンチブロック剤及び曇り止め剤、色素等、及びそれらの混合物等の公知の添加剤を、フィルム中へ組み込むことができる。例えばミオグロビンブルーミング剤含有層及び/又は他の層は更に、抗酸化剤、スリップ剤、アンチブロック剤、着色剤、色増強剤、香味剤、臭気剤、官能剤、摩擦係数改良剤、潤滑剤、界面活性剤、封入剤、酸素(ラジカル)捕捉剤、pH改良剤、フィルム形成剤、乳化剤、ポリリン酸塩、湿潤剤、乾燥剤、抗菌剤、キレート剤、バインダー、デンプン、安定化剤、バッファ剤、リン脂質、オイル、脂肪、蛋白質、ポリサッカリド、移動剤、又はそれらの組み合わせを含有してもよい。添加できる特別の組成物の例として下記が挙げられる:α−トコフェロール;アルコール;アンナット;アスコルビン酸;ビートパウダー;BHA;BHT;ビキシン;カラメル;カルミン;カロテノイド色素;カゼイン;コチニール;シクロデキストリン;デキストリン;エルカミド;エトキシル化モノジグリセリド;フルオロエラストマー;食品等級オイル;グリセリン;レシチン;リキッドスモーク;ナイシン;ノルビキシン;pediocin;ポリソルベート;塩化カリウム;ローズマリー抽出物;シェラック;塩化ナトリウム;ナトリウムエリソルベート;デンプン;ポリリン酸三ナトリウム塩;ウコン;水;水可溶性セルロースエーテル;及びゼイン(zein)が挙げられる。着色剤として、メチオニン、システイン及び加熱処理され保存処理された肉色素が挙げられる。加熱処理され保存処理された肉色素としては、プロトポルフィリンFe(II)のモノ一酸化窒素錯体が挙げられる。加熱処理され保存処理された肉顔料は、赤血球をニトロソ化剤及び還元剤と米国特許5230915;5443852、及び5425956に記載されたように高温で反応させて形成でき、上記文献はここで資料として使用する。
【0142】
様々なポリマー改質剤がフィルムの靭性、配向可能性、伸長性及び/又は他の特性を改良する目的で組み込まれる。添加される他の改質剤として、低温靭性又は耐衝撃強度を改良する改質剤及びモジュラス又は剛直性を減少する改質剤が挙げられる。改質剤の例として、スチレン−ブタジエン、スチレン−イソプレン、及びエチレン−プロピレンコポリマーが挙げられる。
【0143】
ここで使用される文言「機械方向」は略語「MD」であり、フィルムの「長さ方向に沿う」方向、即ち、フィルムが押し出し成形及び/又はコーティング中に製造される間のフィルムの(移動)方向を言う。ここで使用される文言「横断方向」は略語「TD」であり、フィルムを横断する、機械方向又は縦方向とは直角の方向を言う。
【0144】
一般的に、フィルムはストレッチ配向により熱収縮可能に製造される。ストレッチ配向は、様々な公知の方法により達成される。例えば機械方向(MD)配向は、好ましくはニップ・ローラ回転セットを異なるスピードで使用して、フィルム、シート又はチューブを機械方向にストレッチ又は引っ張り、機械方向伸びを生じ、冷却セットされることにより達成される。他の方法として、一般的にシート配向に使用されるテンタリング、又はチューブ配向用に公知のトラップトバブル又はダブルバブル技術が挙げられ、例えば米国特許3456044(Pahlke)に記載され、ここで資料として使用する。バブル技術では、チューブ状の押し出し成形ダイから生じた押し出された一次チューブは冷却され、つぶされ次に好ましくは再加熱により配向され膨らまされて二次バブルを形成し、再度冷却され、折りたたまれる。このたたまれた延長されたフィルムはチューブとしてリール上に巻き取られ、又はシート又はウェッブとして切り開かれ、巻き取られ、又は例えば下記記載のアニーリング又は放射線照射により更に加工される。
【0145】
熱収縮フィルムは一般的に二軸延長される。横断方向(TD)配向は、上記インフレーションにより、加熱されたフィルムを放射状に膨らまして冷却し、膨らまされた形状のフィルムをセットして、又はフィルムをテンタリング中に横断方向へ引っ張ることにより達成される。配向は、いずれかの又は両方の方向で行われる。好ましくは、一次チューブは同時に放射状に(横断方向に)及び平行に(機械方向)に二軸ストレッチされ、低い主要ポリマー成分の融点、例えば90℃以下の温度で熱収縮可能な多層フィルムを形成する。配向中のストレッチ割合は、全厚さ10ミリ以下のフィルムを提供するのに充分であり、好ましいフィルムは5mil未満であり、一般的に約1.0〜4.0milである。MDストレッチ割合は、一般的に21/2〜6であり、TDストレッチ割合は又一般的に21/2〜6である。完全又は全ストレッチ割合(MDストレッチとTDストレッチとの乗数)は約61/4x〜36xが適切である。
【0146】
二軸ストレッチされた熱収縮フィルムが制御された張力で加熱されて収縮値を減少又は除去する一般的アニーリングプロセスが公知である。目的とする場合、フィルムはアニールされて、特別の温度で目的の低い収縮値を形成する。従って、アニーリングプロセスを使用して熱収縮フィルムは、本明細書に記載のような、使用に適切な非収縮フィルムとなる。
【0147】
任意で、本発明のフィルムは、様々な放射線的処理を受ける。放射線照射プロセスでフィルムは、コロナ放電、プラズマ、フレーム、紫外線、X線、ガンマ線、ベータ線、及び高エネルギー電子処理等のエネルギー性放射線処理にかけられる。これら放射線的処理は様々な理由で行われ、例えば肉又は印刷インク等の様々な物質への表面接着性の改良、又は内部の層の改良された中間層接着材への接着の改良及び好ましくない層間剥離を排除するため等の表面特性改質が挙げられる。放射線照射の重要な公知の使用は、放射線照射された材料の分子間の架橋の誘発のためである。架橋等の好ましい特性の誘発のためのポリマーフィルムの放射線照射は公知であり、米国特許4737391(Lustigら)及び4064296(Bornsteinら)に記載され、ここで資料として使用する。Bornsteinらは、フィルム中に存在するポリマーを架橋するためのイオン化照射の使用を開示した。好ましい態様では、熱シール範囲を広げるため全てのフィルムを架橋することが好ましい。好ましくは電子ビームによる放射線照射により行われ、照射レベルは少なくとも約2megarads(MR)、好ましくは3〜8MRであるが、より高い照射量も使用できる。放射線照射は一次チューブに行われ、追加層が上にコートされてもされ無くても良く、又は二軸配向後でもよい。後者の場合、後放射線照射と呼ばれ米国特許4737391(Lustigら)に記載されている。後放射線照射の利点は、比較的厚い一次チューブの代わりに比較的薄いフィルムが処理されるため、処理レベルに求められる必要出力を低くできることである。
【0148】
一方、架橋は化学的架橋剤の添加又は放射線照射の使用と1以上の層へ添加された架橋改質剤との組み合わせでも達成でき、例えば米国特許5055328(Evertら)に記載されている。
【0149】
本発明の基礎はミオグロビンブルーミング剤を酸素バリアフィルムに含有させることである。包装フィルムは、適切な構造でよいが、ミオグロビンブルーミング剤がフィルムの食品接触表面の上、中、又はそこへ移動できることが必要である。
【0150】
ミオグロビンブルーミング剤が内側食品接触層上にコートされているか組み込まれているかで、適切な方法が使用され、例えば上記のとおり、乾式又は湿式スプレー、ダスチング、ブレンド、コーティング、例えばトランスファローラ、スラッギング、マスターバッチ中の包含、印刷等が挙げられる。ミオグロビンブルーミング剤は好ましくは均一に層の接触表面上に及び/又は完全な層内に分散され、どんな長さのフィルムにも表面接触により肉への均一な移動のためにシーリング層内と類似の量の化合物を含有する層を組み込んむことを可能にする。
【0151】
ミオグロビンブルーミング剤がフィルム食品接触層表面上にコートされる場合、有利には様々な回数適用できる。例えば、薬剤は、包装直前に浸漬又はスプレーにより、包装操作中に次のバッグ開口促進手段としてデンプンとの混合物を使用又はしないで、肉表面へ適用される。切り取り操作に伴うワインディング操作中や、ポーチ製造又はチューブ製造中にも適用できる。放射線的処理の前でも後でも適用できる。それはデンプンと共に又はその代わりに電子ビーム放射線照射及び/又はコロナ処理を使用して適用でき、更に米国特許5407611(Wilhoitら)に記載されており、ここで資料として使用する。多くのミオグロビンブルーミング剤は水又はアルコール中に可溶性であり、ミオグロビンブルーミング剤の溶液は、単独又はゼイン、カゼイン、デキストリン、デンプン、又はシェラック等使用されるフィルム形成剤及び/又は湿潤剤又は他の材料等の他の薬剤と組み合わせてフィルム上にコートできる。例えば、移動用ビキシンについては米国特許6143344(Jonら)に記載され、ここで資料として使用する。薬剤は又、水溶液としてフィルムへ適用でき、その食品接触表面は改変されて親水性となるか、順応してミオグロビンブルーミング剤含有の水又はオイルベースの液体を吸収するように改変される。本発明では例えば、移動可能な改質剤含有フィルムも、使用されたミオグロビンブルーミング剤の移動に使用でき、例えば移動効果に適切な配合の食品接触層を有するフィルムが米国特許5288532(Juhlら);5374457(Juhlら);5382391(Juhlら);及び6667082(Bamoreら)に記載されて、ここで資料として使用する。
【0152】
ミオグロビンブルーミング剤が内側層内部に組み込まれる場合、それはフィルムの押し出し成形前又はその間にベースポリマーへ添加される。ベースポリマーは、適切なポリマーとして例えばポリエチレン等のポリオレフィン、及び超低密度ポリエチレン(VLDPE又はULDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、EVA、ポリプロピレン、アイオノマー、ナイロン、PVDC、PET等が挙げられる。溶融ブレンドは、ベースポリマー及びミオグロビンブルーミング剤の適切な混合方法である。個々の成分材料はエクストルーダー等の高強度混合装置中で混合される。ベースポリマーは溶融されて粘稠な液体又は「溶融体」を形成する。ミオグロビンブルーミング剤は溶融前、中又は後にポリマーと組み合わされる。高強度混合装置がベースポリマー内にミオグロビンブルーミング化合物を一様に分散させるために使用される。分散された薬剤の質及び機能性は、ミオグロビンブルーミング剤、ベースポリマー組成物及び混合装置に依存する。溶融体中のミオグロビンブルーミング剤の均一な分散のための良い混合を達成するためには、貧ウェット性の粒子の凝集の存在は好ましくない。例えば抗酸化剤、アンチブロック又はスリップ剤等の添加剤をブレンド中に含有することが好ましい。
【0153】
ミオグロビンブルーミング剤は直接にベースポリマーへ添加されても、水又はオイルベースの溶液等の溶液としてポリマーの溶融状態前又は間にポリマーへ添加されてもよい。固体、顆粒状又は粒子状薬剤の直接的添加のために、固体薬剤を粉砕して小粒子を形成することが、より均一な分散を提供するために好ましい。水可溶性材料用には、ミオグロビンブルーミング剤を水溶液とするとポリマー中に化合物が、溶解されていない薬剤の添加に比べより分散するため好ましい。水溶液は水可溶性ミオグロビンブルーミング剤から調製され、好ましくは飽和濃度近くの水溶液であり、例えば約20重量%〜約42重量%のミオグロビンブルーミング剤として作用する化合物を含有する。この水溶液は、直接にポリマー溶融物中へ導入される。例えば、エクストルーダー中で温度300°F以上に加熱され混合を促進してブレンドを形成する。溶液として供給された場合、水蒸気をエクストルーダーから逃がすように行われる。ミオグロビンブルーミング剤含有ポリマーブレンドは、ペレット又は直接にフィルムとして押し出されてもよい。
【0154】
ミオグロビンブルーミング剤はキャリア樹脂又はベースポリマーと混合されてマスターバッチを形成する。マスターバッチからのペレットは次の製品製造に使用されるために便利である。マスターバッチからのペレットは次にフィルム形成プロセス中のベースポリマー又は別のポリマーと混合される。
【0155】
マスターバッチが製造されるために、充分な量の溶液がポリマー溶融物中に供給され、高濃度のミオグロビンブルーミング剤を有するブレンドが得られ、例えば約2重量%〜約10重量%ミオグロビンブルーミング化合物、好ましくは約4重量%〜約6重量%である。
【0156】
単層バリアフィルム
例えば本発明では、ミオグロビンブルーミング剤を含有する食品接触層を備えた単層酸素バリア包装フィルムを提供する。薬剤は、単層フィルム表面にコートされても、例えば押し出し成形プロセス中にその中に組み込まれてもよい。これらフィルムは、酸素バリアを提供し、その上にコートされ又はその中に組み込まれたミオグロビンブルーミング剤を有する。
【0157】
多層バリアフィルム
包装された肉製品表面と接触するミオグロビンブルーミング剤を含有する多層酸素バリアフィルムは、好ましくは目的とするミオグロビン緩和された赤色を促進、保存又は強化する。
【0158】
例えば本発明の態様で、ミオグロビンブルーミング剤は、好ましくはシーラント層である上記食品接触層中に含有される。多層フィルムは有利には1以上の追加的層を使用して、有利なフィルム特性を提供する。多層フィルムは単層フィルムよりも用途が幅広くなっており、特定の層が特定の特徴を提供する。単独使用が不適切な材料も、多層構造体では有利に使用できる。例えば、致命的なほど非常に水分に敏感な酸素バリア特性を有するEVOHは、隣接した水バリア層により水分との接触を防止された場合には、EVOHは優れた酸素バリアを有するフィルムを提供する。酸素バリア層は、摩耗又は耐久性層とミオグロビンブルーミング剤含有食品接触層との間に位置して酸素バリアを保護し、より薄い酸素バリア層が使用されることを可能とする。EVOHバリア材料が使用される場合、ポリアミド含有層は、任意でEVOH材料と接触してもよい。本発明を限定するものではない例として様々な好ましい多層フィルム配置を下記に示す:
耐久性(外側)/Oバリア/食品接触及びシーラント(内側);
耐久性(外側)/コア/Oバリア/コア/シーラント(内側);
耐久性(外側)/タイ/コア/Oバリア/コア/シーラント(内側);
耐久性(外側)/タイ/コア/Oバリア/コア/タイ/シーラント(内側);
耐久性(外側)/コア/タイ/Oバリア/タイ/コア/シーラント(内側);
耐久性(外側)/タイ/Oバリア/タイ/シーラント(内側);
耐久性(外側)/ナイロンコア/Oバリア/コア/シーラント(内側);
耐久性(外側)/ナイロンコア/Oバリア/ナイロンコア/シーラント(内側);
耐久性(外側)/タイ/コア/Oバリア/ナイロンコア/シーラント(内側);並びに
耐久性(外側)/タイ/コア/Oバリア/ナイロンコア/タイ/シーラント(内側)
【0159】
いくつかの態様は、多層フィルム構造中に目的とするレベルの耐久性及び酸素バリアを有する、3、4、5、6、7、8、9又はそれ以上の層の共押し出されたフィルムを提供する。
【0160】
図面を参照すると、図1は一般的な参照番号10として、本発明の3層フィルム構造の一例を示す。この態様は、多層複合材料を示し、外側層12、外側層12はポリオレフィン、PET又はナイロン組成物等の材料を含む、及びシーラント層122である外側層14を含み、それぞれは例えばEVOHを含むコアタイ酸素バリア層112の反対側へ結合している。シーラント層122はミオグロビンブルーミング剤を含む。熱収縮可能でもそうでなくてもよい多層フィルム10は、食品包装品に使用でき、例えばオーバーラップトレイへ又は真空膜包装品中に使用できる。
【0161】
図2を参照すると、5層酸素バリアフィルムの一例の断面図が示され、第一タイ層112によりコア及び1以上のナイロンポリマー104を有するバリアポリアミド層26へ結合された耐久性層102である外側表面層22を有するフィルム20であり、コア層26の反対側は第二タイ層114によりミオグロビンブルーミング剤を含むシーラント層122である内側表面層24へ結合されている。
【0162】
1以上のコアナイロン層をEVOH酸素バリア層と接触して設置することは、多層フィルムへ改良された操作性を提供する。例えばナイロンはEVOHとブレンドされるか、隣接した層として設けられる。例えばEVOH酸素バリア材料がエチレン含量約44mol%以下を有する場合、少なくとも1の及び好ましくは2ポリアミドコア層がEVOH層と接触して設けられ、加工を促進する。
【0163】
図3を参照して、7層フィルム30の一例の断面図が示される。フィルム30は高光沢及び良い印刷適性を有する耐久性層102である外側層32を有し、それは第一タイ層112と直接接触し、それにより1以上のナイロンポリマー104を含有する第一コアポリアミド層36と結合されている。ナイロン層36は酸素バリア層35を直接接触している。同様に、EVOH130を含有する酸素バリア層35の反対側は1以上のナイロンポリマー104を含有する第二コアポリアミド層38に結合され、その反対側は第二タイ層116に結合されている。内側層34は食品接触層122であり、それは又熱シール可能でありULDPE等のポリエチレン及びミオグロビンブルーミング剤を含有する。食品接触シーラント層は、第二タイ層116へ結合されている。好ましくは全ての7層は共押し出されるが、それらは又分散コーティング、エマルジョンコーティング、溶液コーティング、又はラミネーション例えば、押し出し成形ラミネーション、熱的ラミネーション、接着剤ラミネーション、ドライ結合ラミネーション、非溶媒ラミネーション、コーティングラミネーション、又は押し出し成形コーティング、又はそれらの組み合わせにより製造される。
【0164】
第一タイ層112は外側層32である耐久性層102及びコアポリアミド層104間の接着を促進し、提供する。同様に、タイ層116は第二ポリアミド層38及び内側層34である食品接触層122の接着を促進し、提供する。タイ層112及び116は同一でも互いに異なってもよく、エチレン酢酸ビニルコポリマー、ポリプロピレン、低密度ポリプロピレン、直鎖状低密度ポリプロピレン、及び超低密度ポリエチレンをベースにするものを含む広い範囲の無水物/グラフト化ポリオレフィンを含有する。好ましくは、タイ層の組成物は、直鎖状低密度ポリエチレン、又はメタロセン触媒ポリエチレン等のプラストマーをベースにする。例示的なタイ層樹脂は、商標PlexarとしてEquistarChemicalCompany社により製造される。
【0165】
幾つかの態様は、多層フィルムから形成された多層で、開口容易で、酸素バリアのケーシング又は食品包装品蓋フィルムを提供し、それは好ましくは少なくとも部分的に共押し出された及び更に好ましくは完全共押し出される。任意で、図示されていないが図3のフィルムは熱的に又は接着剤でポリプロピレン半剛直又は剛直なフィルム単層へラミネートされ、半剛直又は剛直なトレイを形成するために使用される。多層フィルムは、単層へ適切な酸素バリア及び熱シール可能な特徴を付与する。これら半剛直及び剛直なトレイの他の例は、Lischefskiらにより、出願中の題名「剛直な及び半剛直な包装製品」中に開示されており、ここで資料として使用する。
【0166】
図4を参照して、断面図は好ましくはポリエステル層202である外側表面層42を備えた酸素バリア包装品に使用される5層ラミネートされた剛直又は半剛直なフィルム40の例を示し、それは接着剤で塗られた好ましくはPVDC層212であるバリア層46へのプレスラミネートである。PVDC層212は押し出し成形されて3層ブローンフィルム上にコートされる。共押し出されたブローンフィルムは、好ましくはポリエチレンULDPE及びLLDPEのブレンド等のポリオレフィン230を有する外側層45を備え、好ましくはEVA及びPBのブレンド等を有するコア層47、好ましくはEVA、LLDPE及びミオグロビンブルーミング剤のブレンド等を含むシーラント表面層44を備える。内側ミオグロビンブルーミング剤含有表面層44は熱シール可能な層222である。
【0167】
本発明の別の例では、図4のPVDCコートされた3層ブローンフィルムは、EVOH酸素バリア層を備え、上記ラミネートフィルムで記載された外側層/タイ/EVOH/タイ/コア/シーラント層構造等の6層構造で置換される。
【0168】
ミオグロビンブルーミング剤と組み合わせることのできる食品包装フィルム製品の例は、
米国特許6514583;4801486;Re35、
285;4755403;6299984;6221470;6858275;4755419;5834077;6610392;6287613;6074715;6511568;6753054;4610914;4457960;6749910;6815023;5593747;5382470;及び6565985並びに米国特許出願公開2005/0129969に記載され、ここで資料として使用する。好ましくは、ミオグロビンブルーミング剤は包装フィルムの上記食品接触層、好ましくは熱シール可能な層中に含有される。
【0169】
フィルム形成
熱形成可能な多層フィルムは、包装食品及び他の製品用の立体的に安定な構造を形成するために有用である。構造又は容器はフィルム部分の軟化により形成され、熱を適用し、フィルムを軟化させて目的形状にし、冷却してフィルムをその形状にセットする。一般的に、ホットドッグは熱形成可能なフィルムからなる容器中に包装される。ここで記載する熱形成可能なフィルムは、食品と接触している内側層中にブルーミング剤を含ませて本発明で使用される。
【0170】
熱形成可能なフィルムは、フラットダイモノ又は共押し出し成形、スロットキャストモノ又は共押し出し成形又はシングル−バブルブローン共押し出し成形により製造される。これらプロセスにより製造されるフィルムは、テンタリング又は更に配向/ストレッチを可能とする程度に膨らまされたバブルにより非配向又は配向される。非配向されている適切な形成可能なフィルムは、熱収縮値が機械方向(MD)及び横断方向(TD)いずれか又は両方を熱成形前に測定して90℃で約5%未満である。
【0171】
典型的な熱形成可能なフィルムは、超低密度ポリオレフィン、エチレン酢酸ビニル及び相溶化剤のブレンドを含む外側層;ナイロンコポリマー及びアモルファスナイロンの混合物を含む中間層;ポリオレフィン又はアイオノマー性ポリマーを含む内側層;及び上記外層、中間層及び内側層を一緒に結合する少なくとも1の接着剤を備える。これらフィルムの例は、米国特許6861127のGlaweらにより開示され、ここで資料として使用する。
【0172】
別の熱形成可能なフィルムは、ポリエステルの第一層、ポリエステルはホモポリマー又はエチレンのコポリマーテレフタレート、エチレンナフタレート及びそれらのブレンドの群から選ばれる;接着剤の第二層;並びにナイロンブレンドを含有する第三層、第三層は好ましくはナイロン約100%(重量)〜約71%(重量)のブレンドであり、ナイロンは下記群から選ばれる;ナイロン4、6(ポリ(テトラメチレンアジパミド))、ナイロン6(ポリカプロラクタム)、ナイロン6、6(ポリ(ヘキサメチレンアジパミド))、ナイロン6、9(ポリ(ヘキサメチレンノナンジアミド))、ナイロン6、10(ポリ(ヘキサメチレンセバシアミド))、ナイロン6、12(ポリ(ヘキサメチレンドデカンジアミド))、ナイロン6/12(ポリ(カプロラクタム−コードデカンジアミド))、ナイロン6、6/6(ポリ(ヘキサメチレンアジパミド−コーカプロラクタム))、ナイロン11(ポリウンデカノラクタム)、ナイロン12(ポリラウリルラクタム)及びそれらのアロイ又は混合物;及びアモルファスナイロンの約0%(重量)〜約29%(重量);第一層、第二層及び第三層は、共押し出し成形プロセスにより可撓性フィルムに形成され、熱成形前に測定された熱収縮値が機械方向90℃で約5%未満、横断方向90℃で約5%未満であり、破断延長割合が室温で機械方向で約250を超え、横断方向で約250を超えるフィルムを製造する。任意で、第二層及び第三層は、厚さ10ミリ以下である。これらフィルムの例は、米国特許6964816のSchellらにより開示され、ここで資料として使用する。
【0173】
他の熱形成可能なフィルムは、ナイロン、接着剤、ナイロン、接着剤、ナイロン接着剤、及びポリマーシーラント材料をこの順に含有する層を備えた7層構造でもよい。好ましくは、ポリマーシーラント材料は、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、エチレン酢酸ビニルコポリマー、エチレンメタクリル酸コポリマー、エチレンメチルアクリレートコポリマー、エチレンアクリル酸コポリマー、アイオノマー、及びそれらの組み合わせの群から選ばれる。好ましくは、フィルムはEVOHコア層を有さない。フィルムは厚さ5ミリ〜約10ミリでもよい。これらフィルムの例は、米国特許6068933及び6562476のShepardらにより開示され、ここで資料として使用する。これらフィルムはEVOHコア層を有する場合、多層構造はナイロン、接着剤、ナイロン、EVOH、ナイロン、接着剤及びナイロンブレンド、熱シール可能なポリマーを含有する層をその順で有することが好ましい。ナイロン層は2以上のナイロン層を備え、これらは共押し出されてナイロン単層を形成する。このフィルムは熱シール可能なポリマー及び接着層の間にアイオノマーの層を備える。このフィルムは無水物変性ポリオレフィンを含有する外側層を備えてもよい。これらフィルムの例は米国特許6942927のShepardらにより開示され、ここで資料として使用する。
【0174】
熱形成可能なフィルムが成形された後に屈曲性を保持する場合、ある種のフィルムは又成形後にパッキングトレイとして使用されるのに充分な剛直性を有する。これら剛直なトレイはしばしば、トレイの上部からつきだしたフランジへピール可能にシールされた可撓性フィルムを備える。深いトレイを製造するために、真空成形、圧力成形、プラグアシスト又は機械的成形プロセス等の熱成形技術が使用できる。均一な側壁厚さを有する容器へ容易に熱成形されるように多層シートを有効に軟化するために、フィルムはしばしば温度約375°F〜約425°Fへ予備加熱される。これらトレイ及びピール可能なフィルムリッドの例は、米国特許4810541のNewmanらに記載され、ここで資料として使用する。
【0175】
パッキングトレイは又、ボール紙及び押し出された熱形成可能なラミネートフィルムからなるコンポジットであり、トレイ上部の周囲のフランジへシールされたフィルムリッドを有するものから製造できる。トレイの例は米国特許6651874のPedersenらにより開示され、ここで資料として使用する。これら包装品は調整気相包装品(MAP)ように有用であり、そのシールされた包装品中の空気は一酸化炭素等のガスにより置換又は補充されている。本発明では、上記フォーミングフィルムはそれら自身でも、例えば非フォーミングフィルムとして、配向されたポリエチレンテレフタレート等の他のフィルムベースと組み合わせても使用できる。本発明を限定するものではない例として、フィルムリッドとして使用できる様々な非フォーミングフィルム構成の下記が挙げられる:
OPET(外側)/タイ/FOIL/タイ/PE(内側)
OPET(外側)/PVDC/タイ/PE又はアイオノマー(内側)
OPET(外側)/タイ/PE/タイ/EVOH/タイ/シーラント(内側)
金属蒸着OPET(外側)/タイ/PE(内側)
配向されたPP(外側)/タイ/PE/タイ/EVOH/タイ/シーラント(内側)
二軸配向されたナイロン(外側)/タイ/PE/タイ/EVOH/タイ/シーラント(内側)
二軸配向されたナイロン(外側)/PVDC/タイ/PE又はアイオノマー(内側)
【0176】
食品包装品
別の態様では、食品包装品はミオグロビン含有新鮮肉製品を有するものとして提供される。食品包装品は好ましくはブルーミング剤及び酸素バリアを有するポリマーフィルムを有する。
【0177】
新鮮肉製品は、ミオグロビン含有分子を含む、ヒト摂取に適切などの肉でもよい。肉中の全ミオグロビンに関する言及は、ミオグロビン含有構造をも含むものであり、ミオグロビン構造中に存在するどのリガンドも含むものである(例えば、デオキシミオグロビン、オキシミオグロビン、メトミオグロビン、カルボキシミオグロビン、及び一酸化窒素ミオグロビン)。好ましくは、肉製品は、目的とする外観又は色を提供し又は維持するのに充分な濃度のミオグロビンを含有する。適切な肉片の例は牛肉、子牛肉、豚肉、羊肉、子羊肉、鳥肉、鶏肉、七面鳥肉、家鴨肉、ガチョウ肉、狩猟肉、魚及び海産品である。ミオグロビン濃度は、異なる種類の肉製品で異なるが、好ましくは肉製品のミオグロビン含有量は、肉中の約50%のミオグロビン構造がリガンド結合状態へ転換され求められる色を形成する場合の求められる色を提供するのに充分高い。一般的に、牛肉は約3〜10mgのミオグロビン/肉1グラムを含有し、豚肉は約1〜3mgのミオグロビン/肉1グラムを含有し、鶏肉は約1mg未満のミオグロビン/肉1グラムを含有する。例えば、肉製品中の全ミオグロビン化合物の濃度は、肉製品1グラム当たり約0.1mg〜25mgのミオグロビン化合物である。好ましくは、全ミオグロビン化合物の濃度は、新鮮肉製品1g当たり約3〜約20mgである。他の態様では、全ミオグロビン化合物の濃度は、新鮮肉製品1g当たり約1〜約5mgである。他の態様では、全ミオグロビン化合物の濃度は新鮮肉製品1g当たり少なくとも1mgである。又他の態様では、全ミオグロビン化合物の濃度は新鮮肉製品1g当たり1mg未満である。
【0178】
非加熱処理された肉製品は好ましくは、目的のレベルの新鮮さ及び安全性を提供できる死後時間内に提供された新鮮肉製品である。好ましくは、ミオグロビン含有食品は、死後20日未満、更に好ましくは14、12、10、6、5、4、3、2、又は1日未満で包装される。一般的に、食品は死後約2日〜14日、更に好ましくは約2日〜約12日で包装された新鮮肉である。
【0179】
一般的に、肉は水分(水)、蛋白質及び脂肪を含有する。新鮮肉は約60%〜約80%水分量を含有し、赤身肉は一般的により高い水分含有量を有する。牛のひき肉、鶏肉及び豚肉等の新鮮肉製品は、しばしば水分含有量約68%〜約75%であり、肉の脂肪含有量に依存する(より高い脂肪含有量の肉は低い水分含有量を有する場合が多く、逆も同じである)。保存処理された肉は、水ベースの保存化合物の注入によりしばしば高い水分含有量を有する。ソーセージ製品は低い水分含有量を有する。例えば、豚肉ソーセージは水分含有量約40%以上である。好ましくは、包装された肉製品は水分含有量が少なくとも約5%、10%、15%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%又はそれ以上である。
【0180】
食品包装品は好ましくは、ブルーミング剤を含有するポリマー性酸素バリアフィルムを備えるが、又包装前にミオグロビンブルーミング剤で表面コートされた食品と組み合わせたフィルムを有する。食品包装品は更に、食品包装品を形成するフィルムの一部として酸素バリア層を備える。酸素バリア層はは適切な材料を含有し、多層態様の場合は好ましくは耐久性外側層及び内側食品接触層の間に位置する。酸素バリア層はエチレンビニルアルコールコポリマー(EVOH)又はPVDCでもよい。食品包装品のガスバリア層は、多層包装フィルムに関して上記に記載されている。1以上のタイ層も又設けられる。食品包装品のタイ層は、多層包装フィルムに関して上記に記載されている。
【0181】
好ましくは、食品包装品はミオグロビンを含有する新鮮肉製品を含む小売り用(ケースレディ)肉製品である。小売り用肉製品は一般的に、中央集中的場所で、予め包装され及び任意で予備ラベルされ及び最終販売のために小売り市場へ供給される新鮮肉と定義される。だんだん、小売り販売用に米国地域的スーパーマーケットへ供給される牛のひき肉、七面鳥肉及び鶏肉製品等の肉製品は、小売り用包装品として供給されてきている。多くのスーパーマーケット、特にいわゆる「メガグロッサリー店」用に、末端解体及び包装を最小化又は減少させる観点からの費用節約だけではなく、より衛生的に製品汚染事故を減少させるために小売り用肉製品が提供されている。
【0182】
肉、特に新鮮肉の目的の色を保存する製品包装品は、消費者への肉製品の販売力及びアピールを促進できる。小売り用肉製品への増大する要求を満たすために、小売り用肉製品は好ましくは所定の重量及び/又は体積の鶏胸肉及び牛のひき肉等の一般的肉製品を提供する。小売り用肉製品は上記フィルム等のポリマーフィルムを備えて、新鮮さを維持できる。肉製品は新鮮な、冷凍、氷結、解凍、強化された、加工された又は加熱処理された状態で提供され、フィルムは様々な温度での保護を有利に提供する。包装食品用フィルムの選択には、バリア特性、費用、耐久性、耐パンク性、曲げ亀裂耐性、食品包装品関係の法遵守性、例えば米国食品医薬品局(FDA)認定、機械加工性、光沢及びヘイズ等の光学的特性、印刷適性、シール性、収縮性、収縮力、剛直性、及び強度等の基準を考慮できる。目的とする肉配色を保存する包装品は、肉製品の販売力を促進する。
【0183】
別の観点から、本発明の包装食品には、製品を保持する発泡トレイの周囲に巻かれた、食品接触表面にミオグロビンブルーミング剤を含有する薄いプラスチックフィルムに接触する新鮮肉が存在する。このフィルムは好ましくは多層フィルムは、肉色が目的の色(例えば、red)を約3日以上、好ましくは5、7、10、15日以上保存されるように酸素が充分に非透過性である。好ましくは、肉製品は、熱収縮可能又は非熱収縮可能ポーチ又はバッグ内の、フォームドポケット、トレイ又はクラムシェル等の真空容器中で包装され、それらは真空シールされて酸素が肉と接触することから包装品が開かれるまで保護する。真空容器は、ミオグロビンブルーミング剤を含有する食品接触表面を有する。
【0184】
従来技術の小売り販売品用途では、肉製品は時々調整気相包装品(MAP)中に包装され、肉はシールされた周囲空気とは異なる空気で、シールされた頭隙含有ポケット内に維持される。例えばMAPは、赤い肉を非常に低酸素濃度の二酸化炭素中、例えば、マスター包装品が開かれると酸素透過性フィルム中に内蔵された個々の包装品が空気へ曝露されてブルーミングが発生し、肉が赤色となるようなマルチパック内、に維持される。同様に、新鮮肉の好ましい色は富化された酸素含有量を有するMAPを使用して促進及び維持される。同様に、低濃度一酸化炭素(CO)でのMAPも使用でき、新鮮肉の好ましい赤色を生じ、維持できる。新鮮肉の一酸化炭素での包装前処理方法も又、小売り販売品包装品用途に開発された。明るい赤CO−ミオグロビン錯体はカルボキシミオグロビンと言われる。一酸化炭素の存在も又好ましくなく消費者へのCO−含有肉製品の販売に悪影響を与える。
【0185】
本発明はMAPと組み合わせて使用できる。例えば、フィルムが食品の視認可能な表面の全部ではないが非常な部分接触するトレイ包装品中で、CO含有空気が包装フィルムと直接接触しない食品表面積上に目的の色を生じるために使用できる。この態様は、例えば、フィルムが一般的に食品頭部表面と接触しているが側面にそって全ての場所では接触していないある種の種類のトレイオーバーラップ及びトレイ包装品内や、例えば、鳥一羽製品又はロースト用クラウンリブ等の形状製品等で見受けられる隣接した肉表面間に隙間のある不規則形状物品のトレイ又は非トレイ包装品内で有利に使用できる。
【0186】
本発明の食品包装品は一般的に多層ポリマーフィルムを備える。食品包装品は、第一態様EVOH−ポリアミド多層酸素バリア層と接触している好ましくは1以上のポリアミドコア層を備える。食品包装品は、第一ポリアミド層と一方で接触し、反対側は第二ポリアミド層と接触しているEVOH層からなる3層酸素バリアを備えてもよい。食品包装品も又、第二態様に関して記載された適切な組成物を有する耐熱性層、シーラント層及び1以上の接着層を備えてもよい。
【0187】
EVOHバリア層と接触しているポリアミド層は、第一態様に関して記載されているポリアミド又はポリアミドブレンド組成物を含有し又はからなるものでもよい。好ましくは、ポリアミド層はナイロンブレンド組成物を含有する外側耐熱性層と同じ組成物を有する。
【0188】
好ましくは、耐熱性層はアモルファスナイロンコポリマー、低温ポリアミド及び高温ポリアミドのブレンドを含有し又はからなるものでもよい。耐熱性層は好ましくは包装フィルムの外側表面又はその近くに配置され、外側層でもよいが、ポリアミド層を形成してもよい。ある態様では、食品包装品は更に包装品の内側表面又はその近くに、例えば内側層として配置されたシーラント層を備える。食品包装品のシーラント層は多層包装フィルムに関して上記で記載された。
【0189】
シーラント層は好ましくは包装品の内側表面又はその近くに、例えば内側層として配置される。接着層は又耐熱性外側層及び第一ポリアミド層の間又はシーラント層及び第二ポリアミド層の間に配置される。いくつかの態様では、食品包装品は調理包装品でもよく、好ましくは食品包装品は加熱処理条件に適した材料で形成されたシーラント層を有する。
【0190】
目的とする場合、食品包装品は熱収縮可能でもよい。食品包装品は好ましくは多層酸素バリア成分を有し、熱収縮可能であれば、好ましくはトータルフリー収縮であり、90℃測定で少なくとも1の機械方向又は横断方向に少なくとも30%、40%又は50%である。食品包装品は好ましくは少なくとも30%90℃で1方向、更に好ましくは少なくとも30%インチで2方向のフリー収縮であり、これぞれの方向は機械方向又は横断方向のいずれかである。更に好ましくは、食品包装品は、少なくとも40%第一方向で少なくとも50%第2方向のフリー収縮である。食品包装品は好ましくは二軸配向され、熱収縮可能又は両方である。好ましくは、包装品は90℃で少なくとも約80%のトータルフリー収縮である。例えば、食品包装品は90℃で約80%〜90℃で約120%のフリー収縮値を有する。いくつかの態様では、食品包装品は90℃で少なくとも約90%、更に好ましくは少なくとも約95%、更に好ましくは少なくとも約100%及び更に好ましくは少なくとも約105%のトータルフリー収縮を有する。
【0191】
食品包装品は好ましくは、アモルファスナイロンコポリマー、低温ポリアミド及び高温ポリアミドのブレンドを含有し又はからなるものでもよい少なくとも1の耐熱性層を備える。耐熱性層は包装フィルムの外側表面又はその近くに配置され、外側層でもよい。耐熱性層は二軸配向されてもよい。いくつかの態様では、5層熱収縮可能及び耐熱性の、多層共押し出されたフィルムから形成された食品包装品又はポーチを提供する。食品包装品も又熱収縮可能又は非熱収縮可能及び耐熱性共押し出されたフィルムでもよい7層から形成される。いくつかの態様では、熱収縮可能食品包装品は調理包装品でもよい。好ましくは食品包装品はシーラント層を備えない。「クックイン」は中の食品が低温殺菌され又は加熱処理されているフィルム又はバッグを表す為に使用される。このフィルム又はバッグは、加熱処理又は低温殺菌プロセス中に食品加工者(製造者)により一緒に保存され、食品形状が保護され及び/又は形成されるために使用され、その後フィルムは除去(時々「剥がされ」)されてもよく、輸送中の保護用バリアとして残され、任意で小売り販売中も保持されてもよい。
【0192】
2〜14層を備える多層フィルムから構成される食品包装品では、それぞれの層は下記群から選ばれる:耐熱性及びナイロンブレンド組成物を有する層、接着層、酸素バリア層、水バリア層、バルク層及びシーラント層。好ましくは、外側表面層は、アモルファスナイロンコポリマー及び低温ポリアミドを有するナイロンブレンド組成物を含む。又好ましくは、内側表面層はシーラント層である。
【0193】
図5を参照して、肉含有トレイ50の断面図が示される。トレイ51は豚肉等の肉53の小売り用切り身を保持する一体型側壁52a及び52bを有する底部52を備える。フィルム54は、トレイ51の頭部をシールし、側壁52a、52bの連続的フランジにずっと沿って密封的シール55a及び55bを提供する。フィルム54は、肉表面58と密着したミオグロビンブルーミング剤含有食品接触表面57を真空シール又は変性空気中でシールする。肉側表面59a、59bは上記食品接触層57と接触していないが、一酸化炭素等のガスで改変された空気56へ曝露される。トレイは又、肉底部表面61上の色を固定させるミオグロビンブルーミング剤でコートされている内部表面60を備える。
【0194】
図6を参照して、包装品62の平面図は、基体上にある肉の骨入り切り身等のミオグロビン含有食品63であり、ミオグロビンブルーミング剤コートされた食品接触表面を有し肉と接触している真空膜包装フィルム64で真空下でカバーされたものを示す。フィルムは透明であり、色及び肉表面の性質を視認可能とする。
【0195】
図7を参照して、肉含有成形容器70の断面図は、新鮮肉71のミオグロビン含有切り身を示し、それは熱成形されたポケット72中に配置され、非配向フィルム73へ肉切り身の周りを熱シールされ、熱シール74aは熱シール74bと連続して結合し、減酸素空気下でフィルム72及び73のミオグロビンブルーミング剤含有表面間を密着して密封真空包装品を形成する。
【0196】
真空膜包装品
真空膜包装品(VSP)は公知の別のプロセスであり熱可塑性包装品材料を使用して製品を包装する。様々な装置及びプロセスが米国特許3835618;3950919及びReissue30009(全てPerdue)に開示されている。真空膜包装プロセスは一種の熱成形プロセスであり、包装される製品は、熱成形用の鋳型として作用する。製品は、剛直又は半剛直な、サポート部材、カード、又は他の底部上に設置され、サポートされた製品は次にチャンバーを通過し、そこでトップフィルムが加熱されたドームに対して上向きに引っ張られ、製品上にドレープされる。プラスチックトップフィルムの動きは真空及び/又は空気圧力により制御され、真空膜包装品配置で、容器の内側がトップフィルムのサポートへの最終シーリング前に脱気される。熱形成可能な材料は、トップフィルム及び底部サポートの両方としてサポートのそれぞれの側面上に保持される製品用中間サポートと一緒に使用でき、これは例えば米国特許3966045に記載されている。
【0197】
真空膜包装において、包装される製品は製品サポート部材上に置かれる。製品は熱形成可能なポリマーフィルムの鋳型として作用する。熱形成可能なフィルムは空気圧力差手段により製品の周りに形成される。しかし、用語「真空膜包装品」(ここでは、「VSP」)は、熱形成可能なフィルムが真空又は空気圧力差により製品周囲に形成されることをいうのではなく、製品は真空下で包装され、容量を有する製品が包装中に脱気されたことを言う。
【0198】
真空膜包装プロセスは一般的に、開いたトップを有する真空チャンバーを使用する。製品(真空が損なわれない非浸透性下地板上の)は、真空チャンバー中のプラットフォーム上に設置される。チャンバートップは、気密となるようにチャンバーに対して密封してクランプしたフィルムシートにより覆われる。チャンバーはフィルムがフォーミングし及び軟化温度となるまで加熱される間脱気される。プラットフォームは次に持ち上げられて製品を軟化したフィルムへ移し、及び空気をチャンバー内に導入してフィルムを製品周囲にきつく巻き付かせる。
【0199】
真空膜包装において、チャンバーが脱気され製品を熱軟化されたてフィルム中に導入された後に、真空を緩め周囲空気をチャンバーへ導入する、又はその逆も公知である。この方法で、熱可塑性フィルムは、包装品内は真空であり、周囲空気圧力、又は周囲空気圧力以上が包装品の直ぐ外に存在するために製品により強く又は弱くその上に又はそれに対してモールドされる。
【0200】
真空膜包装は一般的に、製品のサポートのために熱形成可能なフィルムから製造される剛直なトレイを使用する。熱形成可能なフィルムからなるような透明なトップフィルムは、二軸配向されたフィルムでもそうでなくてもよいが、真空包装手順中に製品周囲に形成され又はドレープされる。フィルムは膜を製品の完全な目視表面周囲に形成する。好ましくは、透明トップフィルムの上記食品接触層はブルーミング剤を含有する。任意で、トレイも又上記食品接触層中にブルーミング剤を含有する。真空膜包装トレイ、フィルム及びプロセスの例は、米国特許4611456のGillio−tosら;5846582のMayfieldら;及び5916613のストックleyIIIにより開示され、ここで資料として使用する。
【0201】
包装方法
別の本発明では、ミオグロビン含有食品の包装方法を提供する。本発明のある態様では、下記を含む新鮮肉の真空包装品製造方法を提供する:
ミオグロビンブルーミング剤を含む層を有し、実質的に酸素非浸透性であるフィルムを備えた容器を用意し;
新鮮肉の小売り用切り身を容器中に置き;
容器内の空気を除去し;
フィルム透明部分を少なくとも一部の肉表面へ直接接触させ;
容器を密封して新鮮肉を包装して容器外側からの酸素との接触を防止し;
肉表面に好ましいデオキシミオグロビン又はメトミオグロビン及びオキシミオグロビン形成に関係する対応する紫色の及び茶色配色を促進できる充分に還元された内部の酸素濃度を有するコンパクトな包装品を提供し;
包装品を封入された肉の還元活性が肉表面上にニトロキシミオグロビン形成を促進し、その結果これに関係して対応する赤色が形成されて目に見える赤い肉表面を発生させるのに充分な時間冷蔵条件下で貯蔵する。
【0202】
上記態様の変形がここで記載され当業者が本発明として認めるMBA、ポリマー、フィルム、属性及びパラメーターの広い選択により使用できる。
【0203】
肉製品は、ここで記載された包装品及びフィルム等の適切な食品包装品及び/又は包装フィルム中に包装される。好ましくは、肉製品は包装品の食品接触表面に含有されたミオグロビンブルーミング剤により接触される。ミオグロビンブルーミング剤(MBA)は好ましくは肉表面に、減酸素条件下で好ましくは食品厚さの好ましくない深さへ進入しない目的の赤色を形成するのに充分な量で接触する(この色は発色に例えば1〜5日ほどの時間がかかる)。有利には、MBAはフィルム食品接触表面(又はミオグロビン食品表面)上に約0.05〜3〜5〜10μモル/インチの量で及びその0.1μモル増しで存在する。より多い又は少ない量のMBAも使用でき、色強度はその結果、対応するミオグロビン存在又は非存在下に応じて変化する。上記食品接触層は好ましくは約0.001mg/インチ〜約0.900mg/インチのNaNO等のミオグロビンブルーミング剤を含有する。又包装品は少ないガス状酸素分圧の減酸素包装品環境下に食品を維持する。減酸素包装品は約310、200、100、75、50、40、30、20、10、5又は3cm/m/24時間未満の、相対湿度0%、23℃で測定された酸素透過速度を有する酸素バリア層を備える。好ましくは、酸素バリア層は約310cm/m/24時間未満の、相対湿度0%、23℃で測定された、更に好ましくは約75cm/m/24時間未満の、及び最も好ましくは約20cm/m/24時間未満の酸素透過速度を有する。更に包装品を中に封入された食品と共に温度約4℃(40°F)以上として、ブルーミングを促進することが予定され、その後温度は目的の貯蔵、移動又は展示最適温度へ調整される。
【0204】
真空包装等の多くの包装品用途で、熱シール可能な食品包装フィルムが望ましい。これらバッグ及びポーチは熱シール可能な層で構成できる。典型的な食品包装品ポーチは、ポーチ製造者により3側面熱シールされ、挿入可能な1の開いた側を製品に残しされている。バッグ又はポーチ等の可撓性食品包装容器は下記方法で製造できる:単層又は多層フィルムのチューブ状ストックを横方向に切断してシールされた末端を有するチューブ部分を切り離す方法;チューブ状ストック上に複数の離れた横断シールを形成してチューブの開口側を切断する方法;フィルムのフラットシートを重ね3側面上をシーリングする方法;又はフラットシートを折って2側面上をシーリングする方法。加工者は次に、例えば新鮮肉、冷凍、氷結、解凍、生の、強化された、保存処理された又は加工肉、ハム、鳥肉、一次切片又は二次切片肉切り身、牛のひき肉、又は他のミオグロビン含有製品を挿入し、最終シールをして製品をバッグ中に密封する。この最終シールは好ましくはガス脱気(例えば真空除去)の後に行われる。バッグ又はポーチ等の可撓性食品包装容器は、下記方法で製造できる。:単層又は多層フィルムのチューブ状ストックを横方向にシーリングしてシールされた末端を有するチューブ部分を切り離す方法;チューブ状ストック上に2個の離れた横断シールを形成してチューブの開口側を切断する方法;フィルムのフラットシートを重ね3側面上をシーリングする方法;又はフラットシートを折って2側面上をシーリングする方法。食品挿入後の最終シールはクリップでもよいが、通常バッグ製造者により形成された最初のシールに類似の熱シールされるが、実際の熱シール装置は違うものでよい。ホットバー及びインパルスシーラーが一般的に熱シール形成に使用される。
【0205】
食品包装フィルムは又例えば蓋フィルム又はトレイオーバーラップとしてトレイを使用する態様で行われてもよい。OssidCorporation社(RockyMount、NorthCarolina、米国)又はULMAPackaging社(ウッドストック、Georgia、米国)製トレイシーラー等の装置が、鶏肉等の鳥肉又は他の肉の包装に使用できる。トレイ包装は、任意で製品保存補助のようないくつかの利点を提供するような包装品中のガス環境を1以上のガスにより交換することを含むが、本発明の好ましい効果を得るためには、酸素バリアフィルムの少なくとも一部は減酸素条件下で食品表面と接触して、接触面積の色を固定し、消費者又は購入可能者がフィルムの透明部分を通して肉表面に固定された色が見えるようにすることが必要である。
【0206】
好ましくは少なくとも10%、好ましくは少なくとも20%及び更に好ましくは少なくとも30%又は50%又はそれ以上の酸素バリアフィルムの表面は透明であり、包装後にそれを通して食品の色が視認できる。明るい赤色を有する肉は、肉の物理的微細構造、質感、及び例えば霜降りなどに見られるような色バリエーションを区別するためのより明白で重要な指標であると考えられている。更に理論で本発明を限定するものではないが、脂肪、皮膚及び白色筋肉繊維等の肉成分の白色部分が、紫、青み又は茶色系色とは対称的な明るい赤色を固定化するミオグロビンブルーミング剤により直接ミオグロビン結合を有することにより強化される。従って、鳥肉や牛肉及び豚肉等の他の肉中の白い肉はより白くなる。これは、その結果消費者へ肉表面のより明確な視認性を与えることを可能にし、消費者のより可視的でない表面特性を有する肉に対する購買に対する満足を増加させる。
【0207】
実施例
下記は実施例及び比較例である。
【0208】
実施例及び下記実施例の報告された特性は、特記しない限り下記試験方法又は実質的に類似の試験方法に従う。
酸素ガス透過速度(OGTR):ASTMD−3985−81
水蒸気透過速度(WVTR):ASTMF1249−90
ゲージ:ASTMD−2103
メルトインデックス:ASTMD−1238、条件E(190℃)(プロペンベース以外(>50%C3含有量)ポリマーは条件TLで試験した(230℃))
融点:ASTMD−3418、DSC、5℃/min加熱速度
【0209】
収縮値:収縮値は水中90℃(異なる表示温度)5秒間浸漬された10cm四角のサンプルの引っ張りのない収縮の測定値である。試験するフィルムの目的サンプルから4個の試験片を切断した。片は機械方向10cm長さ、横断方向10cm長さで切断した。それぞれの片は完全に5秒90℃(ortheindicated温度if異なる)水バス中に浸漬した。片は次にバスから取り出し、浸漬した片の末端の距離をMD及びTD方向の両方で測定した。浸漬した片及び最初の10cm側の測定距離の違いを10倍してそれぞれの方向の片の収縮パーセントとした。4片の収縮性は平均されて目的フィルムサンプルのMD収縮値、及び4片の収縮性を平均してTD収縮値とした。ここで使用される用語「90℃での熱収縮フィルム」は、少なくとも1の方向でひっぱらずに少なくとも10%収縮値を有するフィルム意味する。
【0210】
【0211】
【0212】
【0213】
【0214】
【0215】
実施例1
上記のような目的のミオグロビンブルーミング剤(MBA)を、該ブルーミング剤の適切な量を溶媒に溶解させることによって調製する。ブルーミング剤の適切な濃度は、60gの溶媒中で約0.60モルのブルーミング剤である。この溶液を室温で溶媒/MBA混合物を穏やかに撹拌することによって作る。
【0216】
ダウATTANE(商標)4201−G VLDPE(米国ミシガン州ミッドランドのダウケルミカルカンパニーから得られる)を、該ポリマーをAPV押し出し成形システムMP2050の50mm共回転二軸エクストルーダーの主供給口に供給するように位置合わせされた重量測定供給ユニットのホッパーに投入する。この供給器は、該ATTANEを41kg/時間の速度で投下するように配置されている。該二軸エクストルーダーの混合部材は、VLDPEの供給と溶融、溶媒/MBA溶液の注入と混合、溶媒の除去、ダイの加圧及び均一なVLDPE/MBAブレンドの連続ストランドの形成を可能にするような態様で配置されている。
【0217】
該二軸エクストルーダーは、供給区域が200°Fであり、該エクストルーダーの残りの部分が330°Fであるように電気的に加熱される。該エクストルーダー区域が目的の温度に達したときに、駆動モーターを駆動させてエクストルーダー軸を約578RPMで回転させる。ATTANE VLDPEを主供給口に41kg/時間で投入する。安定で均一な押出物が達成されたら、この溶融VLDPEに溶媒/MBA混合物を注入口で注入する。ギアポンプを使用してブルーミング剤/溶媒溶液を該注入口に供給する。この注入点は、該エクストルーダーの切り込み部に、高い空隙率及び低い圧力を備えるように配置されている。該溶液の供給速度は、溶媒/ブルーミング剤混合物の質量の時間変化によって算出される。5%という目的の濃度は、ポンプ速度を調節することによって達成される。適切なポンプ速度は約33RPMである。この溶媒/MBA供給速度は、好ましくは約5.4kg/時間である。
【0218】
該エクストルーダーの混合部材は、液体溶媒/MBA溶液が主供給口の上流から移動しないような態様で配置されている。フルボア型のオリフィスプラグを使用して望ましくない上流からの移動を防止する。
【0219】
注入後に、溶媒/MBA溶液は、急速に温度が上昇する。該溶液の溶媒フラクションは蒸発し、最終的には沸騰する。生じた溶媒は、大気圧通気口を通って逃げる。いくらかの溶媒は、主供給部からも逃げる。混合部の後に、VLDPE/MBAブレンドは加圧部に移動し、そして最後に8穴ストランドダイに移動する。ダイから出たときに、得られた連続ストランドを水浴中で冷却する。該水浴から出た時点で、エアナイフによってこれらのストランドの表面に付着した水分のいくらかを取り除く。エアナイフを作用させるのをやめた後に、これらのストランドを、ナイフ型ペレタイザーを回転させることによって分離したペレットに切断する。その後、これらペレットを約50℃の対流式オーブン内で乾燥させ、アルミニウム箔含有バックに充填する。これをマスターバッチペレットと呼ぶ。本発明を限定するものではない例として、様々なマスターバッチの製造技術は、Nelsonらによる米国同時継続出願第11/408,221号、題名「添加剤のポリマー溶融物中への導入プロセス」に記載されている(該文献は、ここで資料として使用する。)。
【0220】
フィルムをマスターバッチペレットから製造する。該マスターバッチペレットの装填レベルを変更して有効なブルーミング剤濃度を有するVLDPEフィルムを形成させ、そして包装品を、内側層として該フィルムを使用して製造する。食品、特に肉製品を該包装内に真空包装し、そして経時的に観察する。
【0221】
実施例2
実施例1からのマスターバッチペレットをベースポリマーダウATTANE4201VLDPE樹脂と共に使用して熱形成可能な多層フィルムの内側層を作る。このフィルムは、85%ナイロン6−15%ナイロン61/6T(11重量%)/タイ(20重量%)/85%ナイロン6−15%ナイロン61/6T(8.5重量%)/EVOH(9.4重量%)/85%ナイロン6−15%ナイロン61/6T(8.5重量%)/タイ(20重量%)/70%VLDPE−30%マスターバッチ(22.6重量%)の層を有する。該フィルムを、配向されていない熱形成可能なフィルムを作製するためのシングルバブルプロセスで作る。
【0222】
実施例3a、3b及び3c
去勢ウシを畜殺し、そして死後3日目に、該ウシからの肉を細挽きチャック肉に成形した。細挽きチャック肉の約5ポンドを真空ポーチに分け、そしてこの肉を0.75インチの厚さにならした。7日間の冷蔵保存後に、この肉を2.5×3.5インチの長方形サンプルにカットした。例3aについては、ビタミン・ワールド社によって製造された、100gのニコチン酸を燐酸二カルシウム、セルロース、植物性ステアリン酸、シリカ及び植物性ステアリン酸マグネシウムと共に含有する300mgのダイエタリータブレットをこれらの肉サンプルのうちの一つに置き、次いで、EVOH酸素バリア層とポリエチレン食品接触層とを有するポリオレフィン系VSPフィルムを使用して、Multivac T200装置で透明包装した。赤身肉の発色は、冷蔵貯蔵の24時間後に、該タブレットに最も近い肉から増え始めた。
【0223】
例3bについては、細挽きチャック肉の第2長方形成形サンプルに水性ナイアシン(商標)溶液をスプレーし、例3aに記載した通りに包装した。該ナイアシン(商標)溶液は、小さなナイアシンタブレットを水に溶解させることによって得た。該肉サンプルの表面上に赤色の発色が生じた。
【0224】
例3cについては、例3aに記載した通りに牛肉の成形挽肉の第3サンプルを包装することによって対照例を作製したが、ただし、ナイアシン(商標)は添加しなかった。該サンプルの表面上の色は、例3a及び3bで観察された赤色となることはなく、紫色のままであった。
【0225】
実施例3a、3b及び3cで作製した3つの包装品を開き、そして包装後15日目に試験した。該包装を開いたときに、それぞれの包装内の肉の色は均一な赤色に発色していた。屋外用ガス燃焼グリルで調理したところ、これら3つのサンプルについて区別できない結果となった。処理されたサンプルと処理されていないサンプルとの両方の内部の色は、ピンクの色合いを有していた。ナイアシンで処理された肉については、持続的なピンク色は観察されなかった。
【0226】
実施例4a、4b及び4c
ほぼ5%の目で見える脂肪を含有するチャック肉を畜殺後4日目に細挽きした。該細挽き肉を可撓性酸素バリアバッグに分け、そしてKochチャンバー装置で真空包装した。この肉の色は、4時間以内に赤色から暗い紫色に変化した。例4aについては、冷蔵貯蔵の24時間後に、細挽き赤身牛肉の真空包装品のうちの一つを開き、そしてナイアシン(商標)とこの肉の一部分とを混合して0.025重量%のナイアシンを含有する牛挽肉を作製した。続いて、この混合物を、EVOHバリア層を含む白色ポリプロピレン酸素バリアトレイ上に置いた。同様に、例4bについては、該包装肉の別の部分を開き、そして、いかなるナイアシンも添加することなく、同タイプのトレイに置いた。この両方の細挽きチャック肉トレイを、MultivacT200装置で、EVOHバリア酸素バリア真空膜包装品(VSP)フィルムを使用して真空透明包装した。例3cについては、包装肉の別の部分を開き、そして、ナイアシンを添加することなく、トレイ上に置いた。次いで、該トレイを、MultivacT200装置で、2.0重量%の亜硝酸ナトリウム塩を有するシーラントを含むVSPフィルムを使用して包装した。冷蔵貯蔵の24時間後に、ナイアシン(商標)処理した肉サンプル(実施例4a)は好ましい赤色に発色していたが、未処理の肉サンプル(実施例4b)は、真空包装された新鮮肉の特徴である鈍い紫色を示した。亜硝酸塩含有フィルムを有する第3トレイ上の肉(実施例4c)は、最初の24時間の間には灰色がかった紫色に変化したが、その後、この色は、明るい赤色に発色した。
【0227】
ナイアシン(商標)で処理した肉の色は、亜硝酸塩含有フィルムを有する包装内での肉よりも暗かった。ナイアシンで処理した肉の底側及び中央部は、表面と同一の深い赤色であった。該亜硝酸塩含有フィルム内での肉の赤色は、該肉の表面の約1/16〜1/8インチまで浸透していた。
【0228】
冷蔵貯蔵の1週間後に、3つの肉サンプルの全てを包装しなかった。次いで、これらの肉サンプルを屋外用のガス燃焼グリル上に置いた。これらのものを、ウェルダンレベルの調理を達成するように5〜10分毎に回転させながら200〜250°Fでゆっくりと調理した。酸素バリアVSPフィルムで包装されたナイアシン(商標)処理牛肉と、酸素バリアVSPフィルムで包装された未処理牛肉の調理表面及び内部部分の色は同一であった。亜硝酸塩含有フィルムで包装された、添加されたナイアシンを含有しない牛肉(例4c)のフィルム上部との接触面上では、原産物において観察されたのと同一の浸透深さで、赤色が持続していた。この飼料の反対面及び中央部の色は、コントロールの例4b及びナイアシン処理サンプルの例4aと同一であった。
【0229】
実施例5
ニコチン酸パウダー(シグマ・オールドリッチ・ケミカルカンパニー,Milwaukee,WIから得られる)をダウATTANE(商標)4203VLDPEペレット(0.5dg/分;0.912g/cm3;エチレン/オクテンコポリマー;ダウケルミカルカンパニー,ミッドランド,MIから得られる)と共にタンブルブレンドによって該パウダーがペレットの表面に均一に被覆されるまでブレンドする。これらの量は、ニコチン酸含有量が5重量%(14.25kgのVLDPE及び0.75kgのニコチン酸)であるように選択される。該ブレンドを、該ポリマーをAPV押し出し成形システムMP2050の50mm共回転二軸エクストルーダーの主供給口に供給するように位置合わせされた重量測定供給ユニットのホッパーに投入する。この供給器は、該ニコチン酸/VLDPEブレンドを36kg/時間の速度で投下するように配置されている。該二軸エクストルーダーの混合部材は、ニコチン酸/VLDPEブレンドの供給、ニコチン酸をVLDPEに激しく混合すること、ダイの加圧及び均一なブレンドの連続ストランドの形成を調節にするような態様で配置されている。
【0230】
該二軸エクストルーダーは、供給区域が200°Fであり、該エクストルーダーの残りの部分が約320°Fであるように電気的に加熱される。該ニコチン酸/VLDPEタンブルブレンドを約36kg/時間の速度で主供給口に投入する。安定で均一な押出物が達成されたら、連続ストランドを水浴に運ぶことによって冷却させる。水浴の出口で、該ストランドの表面に付着した水分のいくらかをエアナイフで取り除く。エアナイフを作用させるのをやめた後に、これらのストランドを、ナイフ型ペレタイザーを回転させることによって分離したペレットに切断する。その後、得られたペレットは、色が幾分淡褐色である。
【0231】
実施例6
実施例5を繰り返したが、ただし、ニコチンをニコチンアミド(シグマ・オールドリッチ・ケミカルカンパニー,Milwaukee,WIから得られる)に置き換えた。得られたペレットは茶色であることが観察される。
【0232】
実施例7
実施例6を繰り返したが、ただし、エクストルーダー軸の回転速度を約200RPMに減少させた。ペレットの色は、非常に明るい淡褐色であり、また、これらのものは、非常に光沢のある表面を示した。これらのストランドは安定であり、しかも製造効率は例6に対して非常に改善された。
【0233】
実施例8
実施例5を繰り返したが、ただし、エクストルーダー軸の回転速度を約200RPMに減少させた。実施例7と同様に、ペレットの色は非常に明るい。ダイ穴付近にある紛状の積層物の蓄積割合は、例5で観察される割合よりも実質的に低かった。
【0234】
実施例5〜8のMBA含有樹脂を全て使用して、所望の表面色を保持するためにミオグロビン含有食品を包装するのに好適な容器を形成することができる。
【0235】
また、フィルム、バッグ及び包装品は、1以上の態様において記載したような特徴の組合せを採用することもできる。
【0236】
本発明の多くの改変及び他の態様も、明細書及び添付した図面により表される利点を有する本発明の範囲内であると当業者により認められる。従って、本発明はここで表された特定の態様に限定されるものではなく、改変及び他の態様も本発明の範囲内として意図されることも理解される。特定の用語がここで使用されているが、それらは包括的な意味で使用され、表示のためにのみ使用され、本発明を限定する意図で使用されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0215】
【図1】 第一例の多層フィルムの断面図である。
【図2】 第二例の多層フィルムの断面図である。
【図3】 第三例の多層フィルムの断面図である。
【図4】 第四例の多層フィルムの断面図である。
【図5】 バリアフィルムオーバーラップを有する肉含有トレイの断面図である。
【図6】 肉カットを包含する真空膜包装フィルムの平面図である。
【図7】 肉予備成形容器の断面図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミオグロビンブルーミング剤を含有する食品接触層であり、上記ミオグロビンブルーミング剤は、一酸化窒素供与化合物、窒素複素環化合物及び一酸化硫黄供与化合物の群から選ばれる食品接触層;並びに
酸素バリア層を備えた、内側表面及び外側表面を有する食品包装製品。
【請求項2】
上記ミオグロビンブルーミング剤は、無機硝酸塩、無機亜硝酸塩、ニトロソジスルホン酸塩、遷移金属/ニトロソ錯体、有機硝酸塩、有機亜硝酸塩、有機ニトロ化合物、有機ニトロソ化合物、O−ニトロシル化化合物、S−ニトロシル化化合物、ノノエート(nonoate)化合物、フロキサン(furoxans)、オキサトリアゾール−5−イミン、シドノンイミン、オキシム及びそれらの組み合わせの群から選ばれる一酸化窒素供与化合物である請求項1の製品。
【請求項3】
上記ミオグロビンブルーミング剤は一酸化硫黄供与化合物である請求項1の製品。
【請求項4】
ミオグロビンブルーミング剤は、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、イミダゾール、プリン、トリアジン、及びそれらの組み合わせの群から選ばれる窒素複素環化合物である請求項1の製品。
【請求項5】
上記ミオグロビンブルーミング剤は、ニコチン酸、ニコチン酸の塩又はエステル、ニコチンアミド、ニコチンアミドの塩又はエステル及びそれらの組み合わせの群から選ばれる窒素複素環化合物である請求項1の製品。
【請求項6】
食品接触層及び酸素バリア層の両方が同一の層である請求項1の製品。
【請求項7】
上記製品は、単層フィルム、多層フィルム、単層シート、多層シート又はそれらの組み合わせの群から選ばれる請求項1の製品。
【請求項8】
上記製品は、それぞれ厚さが10ミリ未満の、単層フィルム又は多層フィルムである請求項1の製品。
【請求項9】
上記製品は、それぞれ厚さが少なくとも10ミリの、単層シート又は多層シート請求項1の製品。
【請求項10】
上記製品は、それぞれ厚さが10〜50ミリの、単層シート又は多層シートである請求項1の製品。
【請求項11】
上記製品は、それぞれ厚さが10〜30ミリの、単層シート又は多層シートである請求項1の製品。
【請求項12】
酸素バリア層は、PVDC、EVOH、ポリアミド、ナノコンポジット、ポリエステル、金属箔、金属蒸着(metallized)フィルム、金属酸化物被覆フィルム、ゴム変性アクリロニトリルメチルアクリレートコポリマー又はそれらの組み合わせの群から選ばれる請求項1の製品。
【請求項13】
上記フィルムは、相対湿度0%、23℃で測定された酸素透過速度が310cm/m/24時間未満である請求項1の製品。
【請求項14】
上記製品は、相対湿度0%、23℃で測定された酸素透過速度が75cm/m/24時間未満である請求項1の製品。
【請求項15】
上記製品は、相対湿度0%、23℃で測定された酸素透過速度が20.0cm/m/24時間未満である請求項1の製品。
【請求項16】
上記製品は更に外側表面層を含有し、上記酸素バリア層は食品接触層及び外側表面層の間に位置する請求項1の製品。
【請求項17】
上記製品は少なくとも5個のポリマー層を含み、食品接触層及び酸素バリア層の間に位置する第一タイ(結合)層、並びに酸素バリア層及び外側表面層の間に位置する第二タイ層を有する請求項16の製品。
【請求項18】
上記外側表面層はポリオレフィン、ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレン又はそれらのブレンドを含有する請求項16の製品。
【請求項19】
上記食品接触層はセルロースを含有する請求項1の製品。
【請求項20】
上記食品接触層は不織材料である請求項1の製品。
【請求項21】
上記食品接触層は、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリスチレン又はそれらのブレンドの群から選ばれる請求項1の製品。
【請求項22】
上記ポリエステルは、ポリエチレンテレフタレートのホモポリマー又はコポリマー、ポリ乳酸及びそれらのブレンドの群から選ばれる請求項21の製品。
【請求項23】
製品の少なくとも1の層は架橋されている請求項1の製品。
【請求項24】
製品の少なくとも1の層は放射線架橋されている請求項16の製品。
【請求項25】
更にポリアミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、環状オレフィンコポリマー、ポリウレタン、ポリアクリルアミド、無水物変性ポリマー、アクリレート−変性ポリマー、又はそれらのブレンドの群から選ばれる少なくとも1の追加的層を備えた請求項1の製品。
【請求項26】
上記食品接触層は更に、抗酸化剤、スリップ剤、アンチブロック剤、着色剤、香味剤、臭気剤、官能剤、摩擦係数改良剤、潤滑剤、界面活性剤、封入剤、酸素(ラジカル)捕捉剤、pH改良剤、フィルム形成剤、乳化剤、ポリリン酸塩、湿潤剤、乾燥剤、抗菌剤、キレート剤、バインダー、デンプン、ポリサッカリド又はそれらの組み合わせの群から選ばれる少なくとも1を含有する請求項1の製品。
【請求項27】
上記食品接触層は、0.10重量%〜5.0重量%のミオグロビンブルーミング剤を含有する請求項1の製品。
【請求項28】
上記食品接触層は、0.10重量%以上2.0重量%未満のミオグロビンブルーミング剤を含有する請求項1の製品。
【請求項29】
上記食品接触層は、0.75重量%〜1.75重量%のミオグロビンブルーミング剤を含有する請求項1の製品。
【請求項30】
上記食品接触層は、0.01〜10μモル/インチのミオグロビンブルーミング剤を含有する食品接触表面を備えた請求項1の製品。
【請求項31】
上記食品接触層は、少なくとも0.1mg/インチのミオグロビンブルーミング剤を含有する食品接触表面を備えた請求項1の製品。
【請求項32】
上記食品接触層は、0.25mg/インチ未満のミオグロビンブルーミング剤を含有する食品接触表面を備えた請求項1の製品。
【請求項33】
上記食品接触層は熱シール可能なポリマーを含有する請求項1の製品。
【請求項34】
上記食品接触層は、ポリオレフィン、ポリエチレン、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、エチレンα−オレフィンコポリマー、ポリプロピレン(PP)、ポリブチレン(PB)、アイオノマー、ポリエステル、エチレン酢酸ビニルコポリマー(EVA)、エチレンメチルアクリレートコポリマー(EMA)、エチレンブチルアクリレートコポリマー(EBA)、エチレンエチルアクリレートコポリマー(EEA)、エチレンアクリル酸コポリマー(EAA)、エチレンメタクリル酸コポリマー(EMAA)及びそれらの組み合わせの群から選ばれる熱シール可能なポリマーを含有する請求項1の製品。
【請求項35】
製品の少なくとも10%は透明である請求項1の製品。
【請求項36】
上記製品は45°での光沢度が少なくとも70である請求項1の製品。
【請求項37】
少なくとも5重量%の含水量を有するミオグロビン含有食品、並びに、
酸素バリアポリマー層、及び一酸化窒素供与化合物、窒素複素環化合物及び一酸化硫黄供与化合物の群から選ばれるミオグロビンブルーミング剤を含有する食品接触層を有するポリマーフィルムを備えた容器を含む食品包装品であり;
上記食品接触層は、少なくともその一部がミオグロビン含有食品の表面の少なくとも一部に接触している食品接触表面を有する包装品。
【請求項38】
上記食品接触層は第一ミオグロビンブルーミング剤としてミオグロビンブルーミング剤を含む請求項37の食品包装品であり;上記食品は更に一酸化炭素供与化合物を含有する第二ミオグロビンブルーミング剤を含有する包装品。
【請求項39】
容器は酸素減少環境下にミオグロビン含有食品を収納する請求項37の食品包装品。
【請求項40】
上記ミオグロビンブルーミング剤は、無機硝酸塩、無機亜硝酸塩、ニトロソジスルホン酸塩、遷移金属/ニトロソ錯体、有機硝酸塩、有機亜硝酸塩、有機ニトロ化合物、有機ニトロソ化合物、O−ニトロシル化化合物、S−ニトロシル化化合物、ノノエート化合物、フロキサン、オキサトリアゾール−5−イミン、シドノンイミン、オキシム及びそれらの組み合わせの群から選ばれる一酸化窒素供与化合物である請求項37の食品包装品。
【請求項41】
上記ミオグロビンブルーミング剤は一酸化硫黄供与化合物である請求項37の食品包装品。
【請求項42】
上記ミオグロビンブルーミング剤は、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、イミダゾール、プリン、トリアジン、及びそれらの組み合わせの群から選ばれる窒素複素環化合物である請求項37の食品包装品。
【請求項43】
上記ミオグロビンブルーミング剤はニコチン酸、ニコチン酸の塩又はエステル、ニコチンアミド、ニコチンアミドの塩又はエステル及びそれらの組み合わせの群から選ばれる窒素複素環化合物である請求項37の食品包装品。
【請求項44】
上記ミオグロビン含有食品は酸素減少環境下に保たれた新鮮肉製品である請求項37の食品包装品。
【請求項45】
上記ミオグロビン含有食品は真空中に保たれた新鮮肉製品である請求項37の食品包装品。
【請求項46】
少なくとも上記食品接触層の一部は透明であり、ミオグロビン含有食品と接触している請求項37の食品包装品。
【請求項47】
上記容器は更にトレイを備える請求項37の食品包装品。
【請求項48】
ミオグロビン含有食品の少なくとも一部は、容器外側の空気よりも増加した濃度の一酸化炭素、二酸化炭素、窒素、窒素酸化物、又はそれらの混合物を有する変性空気と接触して保持される請求項47の食品包装品。
【請求項49】
上記ミオグロビンブルーミング剤は脱気されている請求項37の食品包装品。
【請求項50】
食品接触表面は0.01〜10μモル/インチのミオグロビンブルーミング剤を含有する請求項37の食品包装品。
【請求項51】
上記ミオグロビン含有食品は食品1g当たり0.1〜25mgのミオグロビンを有する請求項37の食品包装品。
【請求項52】
上記ミオグロビン含有食品は食品1g当たり3〜20mgのミオグロビンを有する請求項37の食品包装品。
【請求項53】
上記ミオグロビン含有食品は食品1g当たり1〜5mgのミオグロビンを有する請求項37の食品包装品。
【請求項54】
上記ミオグロビン含有食品はミオグロビン含有食品1g当たり1mg未満のミオグロビンを有する請求項37の食品包装品。
【請求項55】
上記ミオグロビン含有食品はミオグロビン含有食品1g当たり少なくとも1mgのミオグロビンを有する請求項37の食品包装品。
【請求項56】
上記ミオグロビン含有食品は新鮮肉製品である請求項37の食品包装品。
【請求項57】
上記ミオグロビン含有食品は牛肉、子牛肉、豚肉、羊肉、子羊肉、鳥肉、鶏肉、七面鳥肉、家鴨肉、ガチョウ肉、狩猟肉、魚、及び海産品の群から選ばれる新鮮肉製品である請求項37の食品包装品。
【請求項58】
上記ミオグロビン含有食品は、塊(一次切片)、二次切片、小売り用切り身、粗挽き、細挽き及びそれらの組み合わせの群から選ばれる新鮮肉製品である請求項37の食品包装品。
【請求項59】
上記ミオグロビン含有食品は新鮮肉、冷凍、氷結又は解凍である請求項37の食品包装品。
【請求項60】
フィルムは、相対湿度0%、23℃で測定された310cm/m/24時間未満である酸素透過速度を有する請求項37の食品包装品。
【請求項61】
フィルムは、相対湿度0%、23℃で測定された20cm/m/24時間未満である酸素透過速度を有する請求項37の食品包装品。
【請求項62】
上記包装品は、ポーチ、バッグ、ケーシング、上包みされたトレイ、形状収縮包装品、真空膜(skin)包装品、フローラップ包装品、熱成形された包装品又はそれらの組み合わせを含有する請求項37の食品包装品。
【請求項63】
包装品は密封的にシールされる請求項37の食品包装品。
【請求項64】
上記食品接触層及び酸素バリア層は同じ層である請求項37の食品包装品。
【請求項65】
上記食品接触層はミオグロビンブルーミング剤の上記食品接触層の食品接触表面上の均一分散を有する請求項37の食品包装品。
【請求項66】
上記食品接触層はその中に0.1重量%〜5.0重量%のミオグロビンブルーミング剤を含有する請求項37の食品包装品。
【請求項67】
上記食品接触層はその中に少なくとも0.1重量%のミオグロビンブルーミング剤を含有する請求項37の食品包装品。
【請求項68】
上記食品接触層はその中に2.0重量%未満のミオグロビンブルーミング剤を含有する請求項37の食品包装品。
【請求項69】
上記食品接触層は0.75重量%〜1.75重量%のミオグロビンブルーミング剤を含有する請求項37の食品包装品。
【請求項70】
上記ミオグロビンブルーミング剤は、ミオグロビン含有食品の食品表面が真空環境下でミオグロビン含有食品を密封後少なくとも10日間可視的な赤色を有するのに充分な量で存在する請求項37の食品包装品。
【請求項71】
上記ミオグロビン含有食品は、死後20日未満で包装される請求項37の食品包装品。
【請求項72】
上記ミオグロビン含有食品は、死後12日未満で包装される請求項37の食品包装品。
【請求項73】
上記ミオグロビン含有食品は、死後48時間未満で包装される請求項37の食品包装品。
【請求項74】
上記ミオグロビン含有食品は、少なくとも40重量%の含水量を有する請求項37の食品包装品。
【請求項75】
上記ミオグロビン含有食品は少なくとも60重量%の含水量を有する請求項37の食品包装品。
【請求項76】
上記ミオグロビン含有食品は塩化ナトリウム含量が2.0重量%未満である請求項37の食品包装品。
【請求項77】
上記ミオグロビン含有食品は塩化ナトリウム含量が1.0重量%以下である請求項37の食品包装品。
【請求項78】
ミオグロビンを含有する新鮮肉製品の表面上の目的の色の促進方法であり、下記ステップを含む方法:
酸素バリア層及び食品接触層を有するポリマーフィルムを備えた容器を用意し;
含水量が少なくとも5重量%の、ミオグロビンを含有する新鮮肉製品を用意し;
ミオグロビンを含有する新鮮肉製品を、一酸化窒素供与化合物、窒素複素環化合物、及び一酸化硫黄供与化合物の群から選ばれるミオグロビンブルーミング剤と接触させて、1重量%未満の塩化ナトリウムを含有するミオグロビンを含有する新鮮肉製品を製造する。
【請求項79】
上記ミオグロビンを含有する新鮮肉製品は塩化ナトリウムを0.5重量%未満で含有する請求項78の方法。
【請求項80】
上記ミオグロビンを含有する新鮮肉製品は亜硝酸塩、硝酸塩又はそれらの組み合わせを50ppm未満で含有する請求項78の方法。
【請求項81】
上記ミオグロビンブルーミング剤は無機硝酸塩、無機亜硝酸塩、ニトロソジスルホン酸塩、遷移金属/ニトロソ錯体、有機硝酸塩、有機亜硝酸塩、有機ニトロ化合物、有機ニトロソ化合物、O−ニトロシル化化合物、S−ニトロシル化化合物、ノノエート化合物、フロキサン、オキサトリアゾール−5−イミン、シドノンイミン、オキシム及びそれらの組み合わせの群から選ばれる一酸化窒素供与化合物である請求項78の方法。
【請求項82】
上記ミオグロビンブルーミング剤は一酸化硫黄供与化合物である請求項78の方法。
【請求項83】
上記ミオグロビンブルーミング剤は、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、イミダゾール、プリン、トリアジン、及びそれらの組み合わせの群から選ばれる窒素複素環化合物である請求項78の方法。
【請求項84】
上記ミオグロビンブルーミング剤はニコチン酸、ニコチン酸の塩又はエステル、ニコチンアミド、ニコチンアミドの塩又はエステル及びそれらの組み合わせの群から逆ばれる窒素複素環化合物である請求項78の方法。
【請求項85】
更に、ミオグロビンを含有する新鮮肉製品周囲の環境から酸素を除去し;
新鮮肉製品を実質的に酸素フリー環境中で目的の色が現れるのに充分な時間貯蔵する請求項78の方法。
【請求項86】
ミオグロビンを含有する新鮮肉製品周囲の環境から真空により酸素を除去し真空包装品を製造する請求項85の方法。
【請求項87】
目的の色は赤色である請求項78の方法。
【請求項88】
上記ミオグロビンを含有する新鮮肉製品は、死後20日未満で包装される請求項78の方法。
【請求項89】
上記ミオグロビンを含有する新鮮肉製品は、死後12日未満で包装される請求項78の方法。
【請求項90】
上記ミオグロビンを含有する新鮮肉製品は、死後48時間未満で包装される請求項78の方法。
【請求項91】
上記ミオグロビンを含有する新鮮肉製品は、牛肉、子牛肉、豚肉、羊肉、子羊肉、鳥肉、鶏肉、七面鳥肉、家鴨肉、ガチョウ肉、狩猟肉、魚及び海産品の群から選ばれる請求項78の方法。
【請求項92】
上記ミオグロビンを含有する新鮮肉製品は新鮮肉製品1g当たり少なくとも0.1mgのミオグロビンを有する請求項78の方法。
【請求項93】
上記ミオグロビンを含有する新鮮肉製品は新鮮肉製品1g当たり少なくとも1mgのミオグロビンを有する請求項78の方法。
【請求項94】
上記ミオグロビンを含有する新鮮肉製品は新鮮肉製品1g当たり少なくとも3mgのミオグロビンを有する請求項78の方法。
【請求項95】
上記ミオグロビンを含有する新鮮肉製品は少なくとも40重量%の水を含有する請求項78の方法。
【請求項96】
ポリマーフィルムはミオグロビンブルーミング剤を含有し、更にミオグロビンを含有する新鮮肉製品を上記食品接触層と接触して包装する請求項78の方法。
【請求項97】
ポリマーフィルムはミオグロビンブルーミング剤を含有し、更にミオグロビンを含有する新鮮肉製品を容器内に包装する請求項78の方法。
【請求項98】
ポリマーフィルムの食品接触層はミオグロビンブルーミング剤を含有する請求項97の方法。
【請求項99】
ポリマーフィルムは第一ミオグロビンブルーミング剤としてミオグロビンブルーミング剤を含み、更にミオグロビンを含有する新鮮肉製品を一酸化炭素供与化合物を含有する第二ミオグロビンブルーミング剤と接触させる請求項78の方法。
【請求項100】
ミオグロビンを含有する新鮮肉製品の表面上の目的の色は、ミオグロビンを含有する新鮮肉製品の表面と接触後少なくとも5日の貯蔵寿命期間保持される請求項85の方法。
【請求項101】
ミオグロビンを含有する新鮮肉製品の表面上の目的の色は、ミオグロビンを含有する新鮮肉製品の表面と一酸化炭素の無い状態で接触後少なくとも5日の貯蔵寿命期間保持される請求項85の方法。
【請求項102】
ポリマーフィルムは第一ミオグロビンブルーミング剤としてミオグロビンブルーミング剤を含有し、更にミオグロビンを含有する新鮮肉製品を第二ミオグロビンブルーミング剤で処理する請求項78の方法。
【請求項103】
第一ミオグロビンブルーミング剤は無機硝酸塩、無機亜硝酸塩又はそれらの組み合わせである請求項102の方法。
【請求項104】
第一ミオグロビンブルーミング剤はニコチン酸である請求項102の方法。
【請求項105】
第二ミオグロビンブルーミング剤は一酸化炭素である請求項102の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−7203(P2008−7203A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−131810(P2007−131810)
【出願日】平成19年5月17日(2007.5.17)
【出願人】(502165492)カーウッド・インコーポレイテッド (7)
【Fターム(参考)】