説明

包装部材

【課題】 食品を食べる場合に必要となるスプーンなどの食器を、食品の包装部材に予め収納できる包装部材を提供する。
【解決手段】 食材を収納した食品収納部200と、食品収納部200の上面110及び下面140並びに互いに対向する側面120,130を覆う帯状の平面部材105よりなる包装部材100と、食材摂取用の食器(スプーン)300とを備え、包装部材100は、糊代部143でリング状に固着されて食品収納部200に懸回されると共に、両側面端部より延出する延出片151,152ををそれぞれ内側に折り畳むことにより延出片151,152と側面部内側との間に食器300を収納する収納部を形成し、食器300は収納部に収納され、販売される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、食品を収納する収納部材を包装可能な包装部材に関し、収納食品を食する食器を保持可能な包装部材に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ゼリーやアイスクリーム等の食品は、通常、台形の収納容器に封入して販売される。そして、これらの食品を食べるときには、容器の蓋を剥がし、スプーン等の食器を使用していた。
【0003】
そして、コンビニエンスストアや観光地の店舗等では、食品の購買者がスプーンを持参していない、あるいは用意できない場合も多々あり、これらの食品を販売するにあたっては、販売者が購買者に使い捨てのスプーンを無料で配布するということが一般に行われている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、販売者にとっては、商品の販売に合わせて使い捨てのスプーンをその都度渡すのは面倒であり、また、購買者もスプーンをもらい忘れた場合などせっかくの食品を食べれないことも考えられる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述した課題を解決することを目的としてなされたもので、食品を食べる場合に必要となるスプーンなどの食器を、食品の包装部材に予め収納できる包装部材を提供することを目的とする。
係る目的を達成する一手段として例えば以下の構成を備える。
【0006】
即ち、食品を収納する収納部材を包装可能な包装部材であって、少なくとも前記収納部材の横幅分の幅を有し、前記収納部材の底面から一方側面及び底面並びに他方側面に懸回して一部が重ね合わせた糊代部として利用可能な長さを有する帯状長尺片部と、前記長尺片部の両側面の所定側面部から少なくとも該長尺片部の幅の1/2以上延出する延出片とを有し、前記延出片は該長尺片部を前記収納部材に懸回して前記糊代部で固着したときに折り曲げ状態の部分を避けて配設され、前記収納部材に懸回される際に収納部材側に折り曲げられ、折り曲げた延出片と前記長尺片部との間に所定物を収納する収納部を形成することを特徴とする。
【0007】
そして例えば、前記延出片は、長尺片部を前記収納部材に懸回して固着したときの前記収納部材の側面部分の長さとほぼ同じ幅であり、側面部分内側と折り曲げられた延出片との間に収納部を形成し、食品を摂取する際の食器を収納することを特徴とする。
【0008】
または、食品を収納する収納部材の少なくとも上面と底面を覆いうように懸回可能であると共に両端部が重なり合う糊代部を有する帯状部と、前記帯状部の両側面より延出する延出部とを有する十字架状の平面部材から成る包装部材であって、前記収納部材に懸回した状態時に収納部材の底部または上部と側壁部の境界部分に配設された谷折れ線と、前記谷折れ線間に前記帯状部を横方向に横断するように配設された弓状ミシン目とを有し、前記延出部は、前記帯状部の谷折れ線間に配設されると共に基部には谷折れ線が設けられ、一辺の長さが帯状部の幅の1/2以上であり、谷折りして帯状部との間に収納ポケットを構成し、前記収納ポケットに前記収納食品を食するための食器を収納し、前記収納部材に懸回して前記糊代部を固着可能とすることを特徴とする。
【0009】
または、食材を収納した食品収納部と、前記食品収納部の上面及び下面並びに互いに対向する側面を覆う帯状の平面部材よりなる包装部材と、前記包装部材に収納された前記食材摂取用の食器とを備え、前記包装部材は、糊代部でリング状に固着されて前記食品収納部に懸回されると共に、両側面端部より延出する延出片を備え、前記延出片をそれぞれ前記食品収納部側に折り畳むことにより該延出片と帯状の平面部材との間に前記食器を収納する収納部を形成し、前記食器は前記収納部に収納され、販売される販売用食品とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
以上説明したように本発明によれば、食品の包装に、該食品に関連するものを収納して、何ら特別の操作をすることなく食品と一体に販売することができる。
【0011】
食品に関連するものを、食品を摂取する際に必要な食器とすることにより、特別の操作などを行うことなく確実に食品を摂取することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下の説明は、本発明をゼリー、チーズ、ムースやプリン等を収納した食品収納部と該食品収納部を懸回する包装部材を一体として販売する販売用食品に適用した場合を例として説明する。以下の説明は、食品収納部を台形容器で、ゼリーを収納した場合について行う。しかし、本発明は以上の例に限定されるものではなく、食品も食品収納部に収納されて販売される食品であれば上記したチーズ、ムース、プリン以外のあらゆる食品に適用可能なことは勿論である。
また、包装容器に職人を食する場合に必要な食器(使い捨てスプーン)を同梱する場合を例として説明するが、食品により異なる食器、例えばフォークであってもよく、食品の説明書などであっても良いことは勿論である。
【0013】
[第1の実施の形態例]
以下図面を参照して本発明に係る一発明の実施の形態例を説明する。図1は本実施の形態例の包装部材の展開図、図2は図1に示す包装部材により食材を収納する収納容器に懸回した販売形態を説明するための図である。図2においては、食品がゼリー、食品収納容器がゼリーカップである場合を例として説明する。
【0014】
図1、図2において、100はゼリーカップ200を包装する包装部材、200は食品ゼリーを収納したゼリーカップ、300はゼリーを食べる際に必要な食器の一例としての使い捨てスプーンである。本実施の形態例では、スプーンは例えばプラスチック製の扁平構造とする。
【0015】
包装部材100は、食品を収納する収納部材であるゼリーカップ200の少なくとも上面と底面を覆うように懸回可能な長さを有する帯状長尺片105と、帯状長尺片105の両側面より延出する延出部151,152とを有する十字架状の平面部材から成る。本実施の形態例では紙製とするがこれに限定されるものではなく、プラスチック製であっても、金属箔であっても、布製であってもよく、その材質に限定されない。
【0016】
帯状長尺片105は、上面を形成する上面部110、側面を形成する側面部120,130と、底面の一部を形成する側面部120に続く第1底部141と、側面部130に続く第2底部142から成り、第2底部142の端面には糊代部143が形成されており、第1底部141の端部と重ね合わせて貼着される。
【0017】
上面部110と側面部との境界部には谷折れ線111,112が配設され中央部にはゼリーカップ200の上部の縁部が入り込むための切欠115,116が設けられている。
【0018】
また、側面部120と第1底部141との境界部には谷折れ線121が、側面部130と第2底部142との境界部には谷折れ線131が配設されており、それぞれこの境界部で谷折りが容易なように形成されている。
【0019】
また、本実施の形態例では、側面部130には谷折れ線111から両辺間に湾曲して円弧状に形成され、帯状長尺片100を側面部130位置で切断させるためのミシン目(切断補助ミシン目)135が設けられている。
【0020】
そして、ミシン目135の中央部分には小円状のミシン目136が設けられており、最初のこの円状ミシン目を指で抜き落として円弧状のミシン目を利用して切断する。これにより容易に包装部材を取りはずすことができる。
【0021】
更に、延出部151,152は第1の実施の形態例では側面部130の側面より外側に延出しており、延出長さはそれぞれ帯状部の幅の1/2以上で、折り畳んだ場合に一部が重なり合うように形成されている。また、折り畳みが容易なように、基部には谷折り線153,154が形成されている。
【0022】
更に、本実施の形態例では、折り畳んだ場合に延出部151の端部を挟み込んで係止する半円状の切欠155が形成されている。このため、いり畳む前にスプーン300を側面部130位置に置き、延出部154を折り畳み、更に延出部151を折り畳んで端部を切欠155に挟み込むことで、平坦な平面状の収納預域が形成されており、スプーンを容易且つ確実に収納することができる。
【0023】
また、このスプーンを収納する側面部130にミシン目135,136を形成していることから、包装部材100を外したときにスプーンの存在が確実に認識されると共に、確実に且つ容易に取り出して利用することが可能となる。
【0024】
図1,2の例では、包装部材100は直方体状のリング状筒体で、一対の略正方形状の上面110と底面140と一対の長方形状の側面120,130から構成される。そして、底面140はほぼ中央部で糊代部143により貼着されている。
【0025】
なお、図1の例では、糊代部が底面に位置する例について述べたが、以上の例に限定されるものではなく、底面の一方端部近傍に位置するように構成しても、側面120部分に糊代部が位置するように形成しても、あるいは上面部110に糊代部が位置するように形成しても良い。その位置に何らの限定もないことは勿論である。
【0026】
また、上面の110端部境界に配設されている切欠115,116はゼリーカップの位置決め用のものであり、中に収納される食品容器の形状に合わせて切欠を設ければ良く、その位置に限定はない。食品容器の形状によっては、切欠を有さない構造であっても良い。
【0027】
なお、本実施の形態例では、平たく形成されたスプーンが保護袋に入れられた状態で収納領域に収納される。保護袋は、スプーンを汚れ等から保護するものであるが、図示は省略されている。
【0028】
以上説明したように本実施の形態例によれば、極めて簡易な構造体でありながら平たく形成されたスプーンやフォーク等の食器を食品収納容器(ゼリーカップ)を包装する包装部材に予め収納させておくことができるため、販売時にいちいちスプーンは粗を配布しなくても確実にこれらの食器を購買者が使用することができる。
【0029】
しかも、包装容器に特別複雑な構成を備えさせることなく、僅かに延出片を備えるのみで確実に食品を食べるときに必要となる食器を付随させることができる。
【0030】
特に、延出片151,152とを帯状長尺片105の同じ位置の両側面より延出させているため、スプーン等の食食器の両端部をより一層確実に保持することかできる。
【0031】
更に延出部151,152を帯状長尺片105の幅の1/2以上の長さとすることにより、部分的に重なるようになるために、スプーン等の食器をより一層確実に保持することができる。
【0032】
また、本実施の形態例においては、ゼリーカップ200を取り出すために、帯状長尺片105の切断を容易とするミシン目を食器を収納している側面部130に配設しているため、帯状長尺片105が切断される際に、同時に収納領域の内部が露出されるため、スプーン等の食器を極めて容易に取り出すことができる。
【0033】
また、中央部のミシン目を小円状に形成したため、この部分を押し空けることにより周辺ミシン目を容易に切り離すことができる。
【0034】
なお、収納領域には、スプーンの代わりに平たく形成されたフォーク等も収納され得る。ここで、平たく形成されたものとする理由は、その方が食品容器包装部材内に確実に保持されるからである。
【0035】
食品容器としては、アイスクリームカップや、カップ麺、スープ缶、豆缶など、その材料に限定されす、また形状も台形形状、円筒形状、四角柱形状、楕円柱形状等種々の形状のものが適用可能であるその形状に限定はない。
【0036】
なお、実際の包装部材の各外側面には、包装する食品の情報(内容、産地、賞味期限、注意事項等が表示される。
【0037】
なお、収納領域には、食器のみではなく、購買者へ配布する景品や広告用紙等も収納することができる。この際、景品の形状は平面状であることが望ましく、立体的である場合には延出片で収納部が箱状になるように形成する。これにより収納物に限定がなくなる。
【0038】
[第2の実施の形態例]
以上の説明は延出片151,152を側面部130側面に形成し、側面部内に収納領域を形成した例を説明した。しかし、本発明は以上の例に限定されるものではなく、収納領域の位置は任意の位置に形成できることは勿論である。た。収納領域を底面に設けた本発明に係る第2の実施の形態例を図3を参照して以下に説明する。図3は本発明に係る第2の発明の実施の形態例の包装部材の展開図である。
【0039】
図3において、基本構成は図1に示す第1の実施の形態例と同様であるため、図1と異なる部分のみを説明する。
【0040】
図3においては、延出片151,152が、側面130側面端部ではなく、第2の底部142の両側面端部より延出している。このことから、食品容器200と底部140内側との間に収納領域が形成される。他の構成は図1と同様である。
【0041】
以上に説明した第2の実施の形態例によれば、底部に収納領域を形成したため、非常に安定した部位に食器などを収納できる。このため、収納物が平板状であればあるほど安定したものとでき、シール状のもの等は非常に安定的に収納できる。
【0042】
なお、延出片151,152は第2底面142に設けた例に限定されるものではなく、第1底面141に設けても良いことは勿論である。
【0043】
[第3の実施の形態例]
以上の説明は延出片151,152を側面部130側面または底面140に形成した例を説明した。しかし、本発明は以上の例に限定されるものではなく、収納領域の位置は任意の位置に形成できることは勿論である。た。収納領域を上面に設けた本発明に係る第3の実施の形態例を図4を参照して以下に説明する。図4は本発明に係る第3の発明の実施の形態例の包装部材の展開図である。
【0044】
図4において、基本構成は図1に示す第1の実施の形態例と同様であるため、図1と異なる部分のみを説明する。
【0045】
図4においては、延出片151,152が、側面130側面端部ではなく、上面部110の一方両側面端部より延出している。このことから、食品容器200と上面110内側との間に収納領域が形成される。他の構成は図1と同様である。
【0046】
以上に説明した第3の実施の形態例によれば、状部に収納領域を形成したため、ずれることなく安定した部位に食器などを収納できる。このため、収納物が平板状であれば安定したものとできる。
【0047】
なお、延出部151,152の形成部は、側面部120近傍ではなく、側面部130近傍であっても良く、また上面部110の中央部に形成しても良い。その位置に限定はない。
【0048】
以上説明したように本実施の各形態例によれば、極めて簡易な構造体でありながら、包装される食品容器に収納された食材を摂取するために必要なスプーンやフォーク等の食器を収納領域に確実且つ容易に収納させておくことができるため、これらの食器を食品に対して容易且つ確実に付随させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明に係る一発明の実施の形態例の食品容器を包装する包装部材の展開図である。
【図2】図1に示す包装部材により食材を収納する収納容器に懸回した販売形態を説明するための図である。
【0050】
【図3】本発明に係る第2の発明の実施の形態例の包装部材の展開図である。
【図4】本発明に係る第3の実施の形態例の包装部材の展開図である。
【符号の説明】
【0051】
100 包装部材
105 帯状長尺片
110 上面部
111,112,121,153,154 谷折れ線
115,116 切欠
120,130 側面部
135 ミシン目(切断補助ミシン目)
136 小円状ミシン目
141 第1底部
142 第2底部142
143 糊代部
151,152 延出部
200 食品容器であるゼリーカップ
300 食器(スプーン)
151,152 延出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
食品を収納する収納部材を包装可能な包装部材であって、
少なくとも前記収納部材の横幅分の幅を有し、
前記収納部材の底面から一方側面及び底面並びに他方側面に懸回して一部が重ね合わせた糊代部として利用可能な長さを有する帯状長尺片部と、
前記長尺片部の両側面の所定側面部から少なくとも該長尺片部の幅の1/2以上延出する延出片とを有し、
前記延出片は該長尺片部を前記収納部材に懸回して前記糊代部で固着したときに折り曲げ状態の部分を避けて配設され、前記収納部材に懸回される際に収納部材側に折り曲げられ、折り曲げた延出片と前記長尺片部との間に所定物を収納する収納部を形成することを特徴とする包装部材。
【請求項2】
前記延出片は、長尺片部を前記収納部材に懸回して固着したときの前記収納部材の側面部分の長さとほぼ同じ幅であり、側面部分内側と折り曲げられた延出片との間に収納部を形成し、食品を摂取する際の食器を収納することを特徴とする請求項1記載の包装部材。
【請求項3】
食品を収納する収納部材の少なくとも上面と底面を覆うように懸回可能であると共に両端部が重なり合う糊代部を有する帯状部と、前記帯状部の両側面より延出する延出部とを有する十字架状の平面部材から成る包装部材であって、
前記収納部材に懸回した状態時に収納部材の底部または上部と側壁部の境界部分に配設された谷折れ線と、前記谷折れ線間に前記帯状部を横方向に横断するように配設された弓状ミシン目とを有し、
前記延出部は、前記帯状部の谷折れ線間に配設されると共に基部には谷折れ線が設けられ、一辺の長さが帯状部の幅の1/2以上であり、谷折りして帯状部との間に収納ポケットを構成し、
前記収納ポケットに前記収納食品を食するための食器を収納し、前記収納部材に懸回して前記糊代部を固着可能とすることを特徴とする包装部材。
【請求項4】
食材を収納した食品収納部と、
前記食品収納部の上面及び下面並びに互いに対向する側面を覆う帯状の平面部材よりなる包装部材と、
前記包装部材に収納された前記食材摂取用の食器とを備え、
前記包装部材は、糊代部でリング状に固着されて前記食品収納部に懸回されると共に、両側面端部より延出する延出片を備え、前記延出片をそれぞれ前記食品収納部側に折り畳むことにより該延出片と帯状の平面部材との間に前記食器を収納する収納部を形成し、
前記食器は前記収納部に収納され、販売されることを特徴とする販売用食品。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−137439(P2007−137439A)
【公開日】平成19年6月7日(2007.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−330425(P2005−330425)
【出願日】平成17年11月15日(2005.11.15)
【出願人】(505424387)
【Fターム(参考)】