説明

化合物

式I



式中、R〜R13基が独立して以下の基から選択される:
、R、R、R、R11は、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル;
は、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ビニル;
は、H、メチル、エチル;
、R、Rは、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル;
10は、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル;
12、R13は、H、メチル、C1〜6直鎖または分枝アルキル;
または、RおよびR11は、一緒になって、結合する炭素原子とともに5員環もしくは6員環のシクロアルキル環;
または、RおよびRは、一緒になって、結合する炭素原子とともに3、4、5もしくは6員環を有するシクロアルキル環、
で表される化合物。
該化合物は、強い匂いを有し、フレグランスおよびフレグランス適用品に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化合物、特に新規の匂い特性または強化された匂い特性を有する化合物、ならびにそのような化合物を含む組成物に関する。
【発明の開示】
【0002】
特定のジオキサ−トリシクロ−ウンデカン化合物が、好ましい嗅覚特性を有し、したがってそのような特性が好ましい適用品に使用できることが明らかになった。たがって本発明は、式I
【0003】
【化1】

【0004】
式中、R〜R13基が独立して以下の基から選択される:
、R、R、R、R11は、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル;
は、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ビニル;
は、H、メチル、エチル;
、R、Rは、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル;
【0005】
10は、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル;
12、R13は、H、メチル、C1〜6直鎖または分枝アルキル;
または、RおよびR11は一緒になって、結合する炭素原子とともに5員環もしくは6員環のシクロアルキル環;
または、RおよびRは一緒になって、結合する炭素原子とともに3、4、5もしくは6員環を有するシクロアルキル環
で表される化合物を提供する。
【0006】
前記の定義は、該化合物の全ての立体化学構造を包含する。前記該化合物は、異性体の混合物、または好ましい場合は、周知の方法によって個々の異性体に分離してもよい。しかしながら、そのような分離は、必然的に製造の費用を増し、そして最終物質の原価を増すので、該化合物を混合物として使用するのが望ましい。
【0007】
好ましい化合物は、8−イソプロピル−2,4,4,10,10−ペンタメチル−3,5−ジオキサ−トリシクロ[6.2.1.02,6]ウンデカンである。
【0008】
本発明の化合物は、周知の方法によって製造されてもよく、化合物II
【化2】

式中、R〜R10基は、前記定義された意味を有する
で表される化合物から開始される。
【0009】
本発明の化合物は、強いアンバーウッディーおよび実質的な匂いを有し、フレグランスおよびフレグランス組成物の製造に有用である。本発明はしたがって、前記定義された化合物のフレグランスとしての使用を提供する。
本発明はさらに、前記定義された化合物のフレグランス組成物としての使用を提供する。
【0010】
該化合物は、広い範囲のフレグランス適用品、例えば、香水、化粧品、ボディーケア用品などの高級および機能性フレグランス、ならびに例えば、洗濯、食器洗い、および食器洗い機用品、磨き剤および洗浄剤などのかていよう品などに使用されてもよい。本発明はしたがって、前記定義された化合物を少なくとも1つ含むフレグランス適用品を提供する。
【0011】
本発明を、さらに以下の限定されない例に関して説明する。
例1
5−イソプロピル−2,7,7−トリメチル−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン
5−イソプロピル−7,7−ジメチル−ビシクロ[3.2.1]オクタン−2−オール(18.5g、88mmol)およびKHSO(100mg)のトルエン(250ml)溶液を36時間、ディーン−スターク装置で加熱した。溶液を冷却し、水およびかん水で一度洗浄し、乾燥し(MgSO)、真空中で濃縮し、5−イソプロピル−2,7,7−トリメチル−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン(13.77g、81%)を得た。
【0012】
【化3】

【0013】
8−イソプロピル−2,4,4,10,10−ペンタメチル−3,5−ジオキサ−トリシクロ[6.2.1.02,6]ウンデカン
5−イソプロピル−2,7,7−トリメチル−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン(1.00g、5.2mmol)、OsO(0.052mmol、t−BuOH中2.5%)およびN−モルホリン−N−酸化物(913.3mg、6.76mmol)の含水アセトン(10ml)溶液を室温で40時間撹拌した。
【0014】
混合物をMTBEで希釈し、濾過し、真空中で濃縮し、残留物をシリカ上でのクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=7:3)により精製した。得られたジオール(0.4g)に2,2−ジメトキシ−プロパン(5ml)および触媒量のp−TsOHを添加し、溶液を室温で5時間撹拌した。混合物をここで濃縮し、残留物をシリカ上でのクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=95:5)により精製し、無色の油(0.41g,30%)を得た。
【0015】
【化4】

【0016】
例2
以下の化合物を、例1にしたがって製造した。
5−sec−ブチル−2,7,7−トリメチル−ビシクロ[3.2.1]オクタ−2−エン
2つのジアステレオマーの混合物:
【0017】
【化5】

【0018】
8−sec−ブチル−2,4,4,10,10−ペンタメチル−3,5−ジオキサ−トリシクロ[6.2.1.02,6]ウンデカン
2つのジアステレオマーの混合物(1:1の割合):
【0019】
【化6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

式中、R〜R13基が独立して以下の基から選択される:
、R、R、R、R11は、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル;
は、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ビニル;
は、H、メチル、エチル;
、R、Rは、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル;
10は、H、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t−ブチル;
12、R13は、H、メチル、C1〜6直鎖または分枝アルキル;
または、RおよびR11は一緒になって、結合する炭素原子とともに5員環もしくは6員環のシクロアルキル環;
または、RおよびRは一緒になって、結合する炭素原子とともに3、4、5もしくは6員環を有するシクロアルキル環、
で表される化合物。
【請求項2】
8−イソプロピル−2,4,4,10,10−ペンタメチル−3,5−ジオキサ−トリシクロ[6.2.1.02,6]ウンデカン。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物のフレグランスとしての使用。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物のフレグランス組成物内における使用。
【請求項5】
請求項1に記載の化合物を少なくとも1つ含む、フレグランス適用品。

【公表番号】特表2008−521838(P2008−521838A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−543677(P2007−543677)
【出願日】平成17年11月30日(2005.11.30)
【国際出願番号】PCT/CH2005/000715
【国際公開番号】WO2006/058450
【国際公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【出願人】(501105842)ジボダン エス エー (158)
【Fターム(参考)】