説明

化粧品組成物

本発明は、主に、
コウジ酸と、
ポリオキシエチレン化(1〜40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1〜30 PO)アルキル(C16〜C24)エーテル、ポリオキシエチレン化(30〜50 EO)水添ヒマシ油、ならびにポリオキシエチレン化(15〜30 EO)モノ-又はトリ-オレイン酸エステルからなる群から選択される、少なくとも1つの非イオン界面活性剤と、
組成物の総重量に対して50%以上の量の水と
を含む化粧品組成物に関する。
この化粧品組成物は、コウジ酸を含んでいても、経時的に安定性を保持するため、本発明は有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚の美白用に使用されることが好ましい、安定性を高めた化粧品組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
有色の皮膚の人々が、又は褐色の皮膚の人々さえもが、皮膚を白くしたいと望むこと、及びこの目的のため、美白剤を含有する化粧品組成物又は皮膚科用組成物を使用することはよくある。
【0003】
美白剤として最も一般的に使用される物質は、ヒドロキノン及びその誘導体、コウジ酸及びその誘導体、アゼライン酸、アルブチン及びその誘導体であり、単独で、又は他の活性剤と組み合わせて使用される。
【0004】
かかる美白剤を含む組成物は、皮膚に色素異常症が見られる個人にも使用される。この色素異常症は、多様な原因、すなわち、年齢(加齢斑)、UV照射への曝露、妊娠線等によるものである。
【0005】
コウジ酸(2-ヒドロキシメチル-5-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オン)は、皮膚におけるメラニンの生成に関与するチロシナーゼを抑制することが知られており、したがって、コウジ酸は皮膚を美白するために広く使用されている。たとえば、国際公開第00/7627号は、実施例3として表7中に、皮膚の色素沈着を低減するためにコウジ酸を含む組成物を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第00/7627号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
発明者らは、コウジ酸及び多量の水(少なくとも50重量%)を含む組成物が経時的に不安定になり、沈降物を形成しうることを見出した。鋭意検討の結果、発明者らは、コウジ酸が沈降物を形成するのは特定のタイプの界面活性剤と組み合わされているときであることを発見した。
【0008】
コウジ酸を含む組成物には、組成物を安定化させるために、界面活性剤を添加しないことが考えられてもよかろう。しかし、特に、組成物が化粧品組成物として使用される場合、1つ又は複数の界面活性剤の使用を回避することは困難である。化粧品組成物は、通常、化粧品組成物中に溶解するために界面活性剤の補助を必要とする香料等の数種の物質を含有するためである。
【0009】
したがって、本発明の目的は、コウジ酸を含む化粧品組成物が1つ又は複数の界面活性剤を含んでいても、経時的に良好な安定性をこの化粧品組成物に付与することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の本発明の目的は、コウジ酸を、丹念に選択した界面活性剤と組み合わせることによって実現することができる。
【0011】
したがって、本発明の1つの態様は、
コウジ酸と、
ポリオキシエチレン化(1〜40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1〜30 PO)アルキル(C16〜C24)エーテル、ポリオキシエチレン化(30〜50 EO)水添ヒマシ油、ならびにポリオキシエチレン化(15〜30 EO)モノ-又はトリ-オレイン酸エステルからなる群から選択される、少なくとも1つの非イオン界面活性剤と、
組成物の総重量に対して50%以上の量の水と
を含む化粧品組成物である。
【0012】
ポリオキシエチレン化(1〜40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1〜30 PO)アルキル(C16〜C24)エーテルは、PPG-6デシルテトラデセス-30、PPG-6デシルテトラデセス-12、PPG-13デシルテトラデセス-24、PPG-6デシルテトラデセス-20、PPG-4セテス-1、PPG-8セテス-1、PPG-4セテス-10、PPG-4セテス-20、PPG-5セテス-20、PPG-8セテス-20及びPPG-23ステアレス-34からなる群から選択されることが好ましい。
【0013】
ポリオキシエチレン化(1〜40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1〜30 PO)アルキル(C16〜C24)エーテルは、PPG-6デシルテトラデセス-30、PPG-13デシルテトラデセス-24、PPG-6デシルテトラデセス-20、PPG-5セテス-20、PPG-8セテス-20及びPPG-23ステアレス-34からなる群から選択されることが可能な、(15〜40 EO)及びポリオキシプロピレン化(5〜30 PO)アルキル(C16〜C24)エーテルであることがより好ましい。
【0014】
ポリオキシエチレン化(1〜40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1〜30 PO)アルキル(C16〜C24)エーテルは、PPG-6デシルテトラデセス-30、PPG-13デシルテトラデセス-24、PPG-5セテス-20、及びPPG-8セテス-20からなる群から選択されることが可能な、(15〜40 EO)及びポリオキシプロピレン化(5〜30 PO)アルキル(C16〜C24)エーテルであることが最も好ましい。
【0015】
ポリオキシエチレン化(30〜50 EO)水添ヒマシ油は、PEG-30水添ヒマシ油、PEG-40水添ヒマシ油及びPEG-50水添ヒマシ油からなる群から選択されることが好ましい。
【0016】
ポリオキシエチレン化(30〜50 EO)水添ヒマシ油は、PEG-40水添ヒマシ油であることがより好ましい。
【0017】
ポリオキシエチレン化(15〜30 EO)モノ-又はトリ-オレイン酸エステルは、ポリソルベート80及びポリソルベート85からなる群から選択されることが好ましい。
【0018】
ポリオキシエチレン化(15〜30 EO)モノ-又はトリ-オレイン酸エステルはポリソルベート80であることがより好ましい。
【0019】
非イオン界面活性剤は、組成物の総重量に対して、0.01重量%〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜5重量%、より好ましくは0.01重量%〜2.5重量%の量で存在することができる。
【0020】
コウジ酸は、組成物の総重量に対して、0.01重量%〜5重量%、好ましくは0.1重量%〜3.0重量%、より好ましくは0.5重量%〜2.0重量%の量で存在することができる。
【0021】
本発明による化粧品組成物は、少なくとも1つの香料を更に含むことができる。
【0022】
香料は、組成物の総重量に対して、0.01重量%〜1重量%、好ましくは0.01重量%〜0.5重量%、より好ましくは0.01重量%〜0.3重量%の量で存在することができる。
【0023】
本発明による化粧品組成物は、少なくとも1つの脂肪性化合物を、組成物の総重量に対して、0.01重量%〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜5重量%、より好ましくは0.01重量%〜1重量%の量で更に含むことができる。
【0024】
本発明による化粧品組成物は、皮膚の美白を目的としていることが好ましい。
【0025】
本発明によるコウジ酸を含む化粧品組成物は、経時的に安定である。
【0026】
本発明の別の態様は、本発明による化粧品組成物を皮膚上に塗布するステップを含む、皮膚の美容処理方法である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
発明者らは、鋭意検討の後で、丹念に選択した特定の非イオン界面活性剤を使用することによって、コウジ酸を含む化粧品組成物に良好な安定性を付与することが可能であることを発見した。
【0028】
したがって、本発明による化粧品組成物は、
(A)コウジ酸と、
(B)ポリオキシエチレン化(1〜40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1〜30 PO)アルキル(C16〜C24)エーテル、ポリオキシエチレン化(30〜50 EO)水添ヒマシ油、ならびにポリオキシエチレン化(15〜30 EO)モノ-又はトリ-オレイン酸エステルからなる群から選択される、少なくとも1つの非イオン界面活性剤と
を含むことを特徴とする。
【0029】
加えて、本発明による化粧品組成物は、
(C)組成物の総重量に対して50%以上の量の水
を更に含む。
【0030】
以下に、本発明による化粧品組成物をより詳細に説明することにする。
【0031】
(A)コウジ酸
コウジ酸は以下の化学式を有する複素環式化合物である。
【0032】
【化1】

【0033】
本発明による化粧品組成物は、コウジ酸を、組成物の総重量に対して、0.01重量%〜5重量%、好ましくは0.1重量%〜3.0重量%、より好ましくは0.5重量%〜2.0重量%の量で含むことができる。
【0034】
(B)非イオン界面活性剤
本発明による化粧品組成物は、ポリオキシエチレン化(1〜40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1〜30 PO)アルキル(C16〜C24)エーテル、ポリオキシエチレン化(30〜50 EO)水添ヒマシ油、ならびにポリオキシエチレン化(15〜30 EO)モノ-又はトリ-オレイン酸エステルからなる群から選択される、少なくとも1つの非イオン界面活性剤を含む。
【0035】
2つ以上の非イオン界面活性剤を使用してもよい。
【0036】
ポリオキシエチレン化(1〜40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1〜30 PO)アルキル(C16〜C24)エーテルは、
PPG-6デシルテトラデセス-30、すなわちポリオキシエチレン(30)ポリオキシプロピレン(6)テトラデシルエーテル、たとえば日光ケミカルズ株式会社からNikkol PEN-4630として販売されているもの、
PPG-6デシルテトラデセス-12、すなわちポリオキシエチレン(12)ポリオキシプロピレン(6)テトラデシルエーテル、たとえば日光ケミカルズ株式会社からNikkol PEN-4612として販売されているもの、
PPG-13デシルテトラデセス-24、すなわちポリオキシエチレン(24)ポリオキシプロピレン(13)デシルテトラデシルエーテル、たとえば日油株式会社からUNILUBE 50MT-2200Bとして販売されているもの、
PPG-6デシルテトラデセス-20、すなわちポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(6)デシルテトラデシルエーテル、たとえば日光ケミカルズ株式会社からNikkol PEN-4620として販売されているもの、
PPG-4セテス-1、すなわちポリオキシエチレン(1)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル、たとえば日光ケミカルズ株式会社からNikkol PBC-31として販売されているもの、
PPG-8セテス-1、すなわちポリオキシエチレン(1)ポリオキシプロピレン(8)セチルエーテル、たとえば日光ケミカルズ株式会社からNikkol PBC-41として販売されているもの、
PPG-4セテス-10、すなわちポリオキシエチレン(10)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル、たとえば日光ケミカルズ株式会社からNikkol PBC-33として販売されているもの、
PPG-4セテス-20、すなわちポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(4)セチルエーテル、たとえば日光ケミカルズ株式会社からNikkol PBC-34として販売されているもの、
PPG-5セテス-20、すなわちポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(5)セチルエーテル、たとえばCroda Inc.からProcetyl AWSとして販売されているもの、
PPG-8セテス-20、すなわちポリオキシエチレン(20)ポリオキシプロピレン(8)セチルエーテル、たとえば日光ケミカルズ株式会社からNikkol PBC-44として販売されているもの、
及び
PPG-23ステアレス-34、すなわちポリオキシエチレンポリオキシプロピレンステアリルエーテル(34 E.O.)(23 P.O.)、たとえばポーラ化成工業株式会社からUnisafe 34S-23として販売されているもの
からなる群から好ましくは選択することができる。これらは、組成物の温度が比較的短期間に上昇及び下降しても、組成物に安定性を長期間付与することができる。
【0037】
ポリオキシエチレン化(1〜40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1〜30 PO)アルキル(C16〜C24)エーテルは、PPG-6デシルテトラデセス-30、PPG-13デシルテトラデセス-24、PPG-6デシルテトラデセス-20、PPG-5セテス-20、PPG-8セテス-20及びPPG-23ステアレス-34からなる群から選択されることが可能な、(15〜40 EO)及びポリオキシプロピレン化(5〜30 PO)アルキル(C16〜C24)エーテルであることがより好ましい。
【0038】
ポリオキシエチレン化(1〜40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1〜30 PO)アルキル(C16〜C24)エーテルは、PPG-6デシルテトラデセス-30、PPG-13デシルテトラデセス-24、PPG-5セテス-20、及びPPG-8セテス-20からなる群から選択されることが可能な、(15〜40 EO)及びポリオキシプロピレン化(5〜30 PO)アルキル(C16〜C24)エーテルであることが最も好ましい。これらは組成物に長期間透明性を付与することもできる。
【0039】
ポリオキシエチレン化(30〜50 EO)水添ヒマシ油は、
PEG-30水添ヒマシ油、すなわちポリオキシエチレン(30)水添ヒマシ油、たとえば日光ケミカルズ株式会社からNikkol HCO-30として販売されているもの、
PEG-40水添ヒマシ油、すなわちポリオキシエチレン(40)水添ヒマシ油、たとえば日光ケミカルズ株式会社からNikkol HCO-40として販売されているもの、
及び
PEG-50水添ヒマシ油、すなわちポリオキシエチレン(50)水添ヒマシ油、たとえば日光ケミカルズ株式会社からNikkol HCO-50として販売されているもの
からなる群から好ましくは選択することができる。これらは、組成物の温度が比較的短期間に上昇及び下降しても、組成物に安定性を長期間付与することができる。
【0040】
ポリオキシエチレン化(30〜50 EO)水添ヒマシ油は、PEG-40水添ヒマシ油であることがより好ましい。これは、組成物に長期間透明性を付与することもできる。
【0041】
ポリオキシエチレン化(30〜50 EO)水添ヒマシ油のHLB値は、好ましくは14.5以下、より好ましくは14以下、更により好ましくは13.5以下、最も好ましくは13.0以下である。
【0042】
ポリオキシエチレン化(15〜30 EO)モノ-又はトリ-オレイン酸エステルは、
ポリソルベート80、すなわちポリオキシエチレンソルビタンオレアート(20E.O.)、たとえばCroda Inc.からTween 80として販売されているもの、
及び
ポリソルベート85、すなわちポリオキシエチレンソルビタントリオレアート(20E.O.)、たとえばCroda Inc.からTween 85として販売されているもの
からなる群から好ましくは選択することができる。これらは、組成物の温度が比較的短期間に上昇及び下降しても、組成物に安定性を長期間付与することができる。
【0043】
ポリオキシエチレン化(15〜30 EO)モノ-又はトリ-オレイン酸エステルは、ポリソルベート80であることがより好ましい。これは組成物に長期間透明性を付与することもできる。
【0044】
本発明による化粧品組成物は、非イオン界面活性剤を、組成物の総重量に対して0.01重量%〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜5重量%、より好ましくは0.01重量%〜2.5重量%の量で含むことができる。
【0045】
(C)水
本発明による化粧品組成物は、水を、組成物の総重量に対して50%以上の量で含む。
【0046】
水は、コーンフラワーウォーター等のフローラルウォーター、及び/又はVittelウォーター、Lucasウォーター、若しくはLa Roche Posayウォーター等のミネラルウォーター、及び/若しくは温泉水、ならびに/又は海洋深層水等の海水でもよい。
【0047】
水の量は、組成物の総重量に対して、50〜99.5重量%の範囲、好ましくは60〜99重量%の範囲、より好ましくは70〜95重量%の範囲とすることができる。
【0048】
(D)他の成分
本発明による化粧品組成物は、少なくとも1つの香料を更に含むことができる。
【0049】
香料として、天然若しくは合成のフレグランス又はアロマ、及びその混合物を使用することができる。
【0050】
天然のフレグランス及びアロマの例として、たとえば、花の抽出物(ユリ、ラベンダー、バラ、ジャスミン、イランイラン)、茎及び葉の抽出物(パチョリ、ゼラニウム又はプチグレン)、果実の抽出物(コリアンダー、アニス、キャラウェイ、又はセイヨウネズ)、果皮の抽出物(ベルガモット、レモン又はオレンジ)、根の抽出物(アンゼリカ、セロリ、カルダモン、アイリス又はショウブ)、木の抽出物(マツ材、ビャクダン、ユソウボク又はピンクシダー)、草及びイネ科植物の抽出物(タラゴン、レモングラス、セージ又はタイム)、針状葉及び枝の抽出物(スプルース、モミ、マツ又はハイマツ)、樹脂及びバルサムの抽出物(ガルバナム、エレミ、安息香、没薬、乳香又はオポパナクス)等を挙げることができる。
【0051】
合成のフレグランス及びアロマの例として、たとえば、エステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、芳香族アルコール及び炭化水素系化合物を挙げることができる。
【0052】
上記のエステルの具体的な例として、酢酸ベンジル、安息香酸ベンジル、イソ酪酸フェノキシエチル、酢酸p-t-ブチルシクロヘキシル、酢酸シトロネリル、ギ酸シトロネリル、酢酸ゲラニル、酢酸リナリル、酢酸ジメチルベンジルカルボニル、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、グリシン酸エチルメチルフェニル、プロピオン酸アルキルシクロヘキシル、プロピオン酸スチラリル、サリチル酸ベンジル等を挙げることができる。
【0053】
上記のエーテルの例として、ベンジルエチルエーテル等を挙げることができる。
【0054】
上記のアルデヒドの例として、たとえば、炭素原子数が8〜18の直鎖アルカナール、シトラール、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアール、ブルゲオナール等を挙げることができる。
【0055】
上記のケトンの例として、たとえば、α-イソメチルイオノン及びメチルセドリルケトン等のイオノンを挙げることができる。
【0056】
上記の芳香族アルコール及び特にテルペンアルコールの例として、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコール、テルピネオール等を挙げることができる。
【0057】
上記の炭化水素系化合物の例として、特に、テルペンを挙げることができる。上記の化合物は、多くの場合、2つ以上の香り物質を有するブレンド生成物の形態で提供されることが多い。
【0058】
アロマ成分として、精油を使用することもできる。たとえば、セージ油、カモミール油、チョウジ油、バルサム油、ハッカ油、シナモンリーフ油、ライムブロッサム油、セイヨウネズ油、ベチバー油、乳香油、ガルバナム油、ラブダナム油、ラバンジン油等が使用される。
【0059】
更に、下記の香料を、単独で又は組み合わせて使用することができる。ベルガモット油、ジヒドロミルセノール、リリアール、リラール、シトロネロール、フェニルエチルアルコール、α-ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、リナロール、アンブロキサン、インドール、ヘジオン、サンデリセ(sandelice)、レモン油、マンダリン及びオレンジ由来の油、アリルアミングリコラート、シクロベルタル(cyclovertal)、ラベンダー油、セージ油、β-ダマスコン、ゼラニウム油、サリチル酸シクロヘキシル、フェニル酢酸、酢酸ゲラニル、酢酸ベンジル、ローズオキシド等を使用することができる。
【0060】
本発明を実施するための好ましい形態に従って、種々の香料を、ブレンドすることによって使用することができる。これによって、ユーザーの満足を得る香気が得られる。
【0061】
本発明による化粧品組成物は、香料を、組成物の総重量に対して0.01重量%〜重量1%、好ましくは0.01重量%〜0.5重量%、より好ましくは0.01重量%〜0.3重量%の量で含むことができる。
【0062】
本発明による化粧品組成物は、室温(25℃)で水と混和できる少なくとも1つの有機溶媒を更に含むことができる。
【0063】
室温(25℃)で水と混和できる有機溶媒の例として、たとえば、
炭素原子数が2〜6のモノアルコール、たとえばエタノール及びイソプロパノール、
炭素原子数が2〜20、好ましくは炭素原子数が2〜10、より好ましくは炭素原子数が2〜6のポリオール、たとえばグリセリン、ならびにプロピレングリコール、ブチレングリコール、ペンチレングリコール、ヘキシレングリコール、ジプロピレングリコール、及びジエチレングリコール等のアルキレングリコール、
グリコールエーテル(特に、炭素原子数3〜16を有する)(たとえばモノ-、ジ-又はトリプロピレングリコールの(C1〜C4)アルキルエーテル及びモノ-、ジ-又はトリエチレングリコールの(C1〜C4)アルキルエーテル)、及び
これらの混合物を挙げることができる。
【0064】
本発明による化粧品組成物は、上記の水混和性の有機溶媒を、組成物の総重量に対して0.1〜30重量%の範囲、好ましくは5〜25重量%の範囲、より好ましくは10〜20重量%の範囲の量で含むことができる。特に、エタノールが組成物中に存在する場合、エタノールは、0.1〜15重量%の量で含有されることが好ましい。アルキレングリコールが組成物中に存在する場合、アルキレングリコールは組成物の総重量に対して0.1〜25重量%の量で含有されることも好ましい。
【0065】
本発明による化粧品組成物は、ビタミンE又はその誘導体を更に含むことができる。
【0066】
ビタミンE誘導体は、特に限定されるわけではなく、その例には、たとえば酢酸トコフェロール等が含まれる。
【0067】
本発明による化粧品組成物中にビタミンE又はその誘導体をブレンドする量は、特に限定されるわけではなく、好ましくは組成物の総重量を基にして、0.01〜5重量%の範囲である。
【0068】
本発明による化粧品組成物は、少なくとも1つの脂肪性化合物を更に含むことができる。
【0069】
脂肪性化合物は、液体又は固体の形態でもよい。ここで、「液体」とは、脂肪性化合物が、室温(25℃)、大気圧(760mmHg)下で液体又はペースト(非固体)の形態であることを意味する。液体脂肪性化合物として、化粧品に通常使用される油を、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0070】
油は、炭化水素油若しくはシリコーン油等の非極性油、植物油及びエステル油等の極性油、又はこれらの混合物でもよい。
【0071】
炭化水素油の例として、たとえば、鉱油(流動パラフィン)、液体ワセリン、及び液体ナフタレン等の直鎖又は分岐鎖の炭化水素;水添ポリイソブテン、イソエイコサン、スクアラン、スクアレン、及びデセン/ブテンコポリマー;ならびにこれらの混合物を挙げることができる。
【0072】
シリコーン油の例として、たとえば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、及びメチルヒドロゲンポリシロキサン等の直鎖オルガノポリシロキサン;オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、及びドデカメチルシクロヘキサシロキサン等の環状オルガノポリシロキサン;ならびにこれらの混合物を挙げることができる。
【0073】
植物油の例として、たとえば、アマニ油、ツバキ油、マカダミアナッツ油、トウモロコシ油、ミンク油、オリブ油、アボカド油、サザンカ油、ヒマシ油、サフラワー油、ホホバ油、ヒマワリ油、アーモンド油、ナタネ油、ゴマ油、ダイズ油、ラッカセイ油及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0074】
エステル油の例として、たとえば、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジオクチル、ヘキサン酸2-エチルヘキシル、ラウリン酸エチル、オクタン酸セチル、オクタン酸オクチルドデシル、ネオペンタン酸イソデシル、プロピオン酸ミリスチル、2-エチルヘキサン酸2-エチルヘキシル、オクタン酸2-エチルヘキシル、カプリル酸/カプリン酸2-エチルヘキシル、パルミチン酸メチル、パルミチン酸エチル、ラウリン酸イソヘキシル、ラウリン酸へキシル、ステアリン酸イソセチル、イソステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソデシル、トリ(2-エチルヘキサン酸)グリセリル、テトラ(2-エチルヘキサン酸)ペンタエリスリチル、コハク酸2-エチルヘキシル、セバシン酸ジエチル、及びこれらの混合物を挙げることができる。
【0075】
脂肪性化合物は、ワックスでもよい。ここで、「ワックス」とは、脂肪性化合物が室温(25℃)、大気圧(760mmHg)下でほぼ固体の形態であり、一般的に、融点が35℃以上であるものを意味する。ろう様で脂肪性の物質として、化粧品に通常使用されるワックスを、単独で又は組み合わせて使用することができる。
【0076】
たとえば、ワックスは、カルナウバロウ、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライト、水添ホホバ油、会社New Phase Technologiesが「Performalene 400 Polyethylene」の名称で販売しているワックス等のポリエチレンワックス、シリコーンワックス、たとえば会社Goldschmidtが「Abil Wax 9810」の名称で販売している製品等のポリ(C24〜C28)アルキルメチルジメチルシロキサン等、パームバター、会社Kester Keunenが「Kester Wax K82H」の名称で販売しているC20〜C40ステアリン酸アルキル、安息香酸ステアリル、セラックワックス、及びこれらの混合物から選択することができる。たとえば、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、オゾケライト、水添ホホバ油及びポリエチレンワックスから選択されたワックスが使用される。少なくとも1つの実施形態において、ワックスは、キャンデリラロウ及びオゾケライト、ならびにこれらの混合物から選択されることが好ましい。
【0077】
本発明による化粧品組成物は、脂肪性化合物を、組成物の総重量に対して0.01重量%〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜5重量%、より好ましくは0.01重量%〜1重量%の量で含むことができる。
【0078】
脂肪性化合物は、ステアリン酸又はミリスチン酸等の脂肪酸、及びセチルアルコール、ステアリルアルコール又はオクチルドデカノール等の高級アルコール等と組み合わせることができる。
【0079】
本発明による化粧品組成物は、皮膚の美白を目的としていることが好ましい。
【0080】
本発明の美白化粧品組成物は、美白の目的でヒトの体表に塗布するための局所用組成物であり、好ましくは皮膚への局所塗布用化粧品組成物である。「美白」という用語は、メラニンの生成及び/又は沈着を抑制するすべての効果を意味し、メラニンの生成の抑制及び生成したメラニンの低減、ならびに色の薄化を含む。
【0081】
コウジ酸に加えて、本発明による化粧品組成物は、少なくとも1つの追加の美白活性成分を更に含んでもよい。
【0082】
上記の追加の美白活性成分の例として、たとえば、アスコルビン酸又はその誘導体、トラネキサム酸又はその誘導体、レゾルシノール又はその誘導体、アルコキシサリチル酸又はその塩、アデノシンリン酸又はその塩、ヒドロキノン又はその配糖体若しくはその誘導体、グルタチオン、4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノール、マグノリグナン(5,5'-ジプロピル-ビフェニル-2,2'-ジオール)、プラセンタエキス、ジャーマンカモミール(chamomilla recutita)等を挙げることができる。
【0083】
アスコルビン酸にはD-体又はL-体があり、L-体のものを使用することが好ましい。アスコルビン酸はビタミンCとも呼ばれ、アスコルビン酸の強力な還元効果によってメラニンの生成を抑制する効果がある。アスコルビン酸の誘導体はアスコルビン酸の塩でもよく、アスコルビン酸の塩は、アスコルビン酸ナトリウム、リン酸アスコルビルマグネシウム及びリン酸アスコルビルナトリウムから選択されることが好ましい。アスコルビン酸の誘導体は、アスコルビン酸の配糖体又はアスコルビン酸のエステルでもよい。アスコルビン酸の配糖体の例として、たとえばアスコルビルグルコシドを挙げることができる。アスコルビン酸のエステルの例として、たとえば、アスコルビン酸シリル、アスコルビン酸トコフェリル及びアスコルビン酸アルキルを挙げることができる。アスコルビン酸アルキルとして、アスコルビン酸メチル又はアスコルビン酸エチルを使用することが好ましい。特に、アスコルビルグルコシドは好ましい。アスコルビン酸又はその誘導体は、単独で、又はその2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0084】
アスコルビン酸の誘導体の詳細な例として、たとえば、Exsymol SAMからPRO-AAとして市販されている5,6-ジ-O-ジメチルシリルアスコルバート;千寿製薬株式会社からSEPIVITAL EPCとして市販されているdl-α-トコフェリル-2-l-アスコルビルホスファート;RocheからStay-C 50として市販されているリン酸アスコルビルナトリウム;株式会社林原生物化学研究所から市販されているアスコルビリグルコシド;3-O-エチルアスコルビン酸等を挙げることができる。
【0085】
アスコルビン酸又はその誘導体は、スチレンと無水マレイン酸とのコポリマーと組み合わせて使用することが好ましい。特に、上記コポリマーの無水マレイン酸単位の少なくとも一部が加水分解していることが好ましい。上記加水分解無水マレイン酸単位は、ナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩等のアルカリ塩の形態でもよい。上記無水マレイン酸単位は、コポリマー全体の1モル当たり0.4〜0.9モルを占めることが好ましく、無水マレイン酸単位対スチレン単位の比は50:50であることが好ましい。特に、無水マレイン酸単位対スチレン単位の比が50:50であり、アンモニウム塩又はナトリウム塩を使用することが好ましい。アスコルビン酸又はその誘導体を上記コポリマーと組み合わせて使用することによって、アスコルビン酸又はその誘導体の安定性が向上する。上記コポリマーとして、たとえば、Atofina Chemicals Inc.から製品番号SMA 1000 H(商標)として市販されている、水に溶解した濃度30%のアンモニウム塩の形態の、スチレンと無水マレイン酸とのコポリマー(50/50)、又はAtofina Chemicals Inc.から製品番号SMA 1000 H Na(商標)として市販されている、水に溶解した濃度40%のナトリウム塩の形態の、スチレンと無水マレイン酸とのコポリマー(50/50)を使用することができる。上記コポリマーは、局所塗布用美白剤の総重量に対して、0.1〜20重量%の範囲、好ましくは0.1〜10重量%の範囲の濃度で使用する。
【0086】
トラネキサム酸の誘導体の例として、トラネキサム酸の二量体(塩酸trans-4-(trans-アミノメチルシクロヘキサンカルボニル)アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸等)、トラネキサム酸とヒドロキノンのエステル体(4'-ヒドロキシフェニルtrans-4-アミノメチルシクロヘキサンカルボキシラート等)、トラネキサム酸とゲンチジン酸のエステル体(2-(trans-4-アミノメチルシクロヘキサンカルボニルオキシ)-5-ヒドロキシ安息香酸及びその塩等)、トラネキサム酸のアミド体(trans-4-アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸メチルアミド及びその塩、trans-4-(p-メトキシベンゾイル)アミノメチルシクロヘキサンカルボン酸及びその塩、ならびにtrans-4-グアニジノメチルシクロヘキサンカルボン酸及びその塩等)等を挙げることができる。
【0087】
レゾルシノールの誘導体の例として、たとえば、4-n-ブチルレゾルシノール(ルシノール)等を挙げることができる。
【0088】
アルコキシサリチル酸は、サリチル酸の3位、4位又は5位の水素原子のうちいずれか1つがアルコキシ基で置換された化合物である。前述のアルコキシ基は、好ましくはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基及びイソブトキシ基のうちいずれか1つであり、より好ましくはメトキシ基又はエトキシ基である。かかる化合物の具体的な例として、たとえば、3-メトキシサリチル酸、3-エトキシサリチル酸、4-メトキシサリチル酸、4-エトキシサリチル酸、4-プロポキシサリチル酸、4-イソプロポキシサリチル酸、4-ブトキシサリチル酸、5-メトキシサリチル酸、5-エトキシサリチル酸、5-プロポキシサリチル酸等を挙げることができる。アルコキシサリチル酸の塩は、特に限定されるわけではない。その例として、たとえば、アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩、たとえばナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩等、アンモニウム塩、アミノ酸塩等を挙げることができる。4-メトキシサリチル酸のカリウム塩が好ましい。
【0089】
アデノシンリン酸又はその塩の例として、たとえば、アデノシンリン酸二ナトリウム等を挙げることができる。
【0090】
ヒドロキノンの配糖体の例として、たとえば、六炭糖配糖体、たとえばヒドロキノンα-D-グルコース、ヒドロキノンβ-D-グルコース、ヒドロキノンα-L-グルコース、ヒドロキノンβ-L-グルコース、ヒドロキノンα-D-ガラクトース、ヒドロキノンβ-D-ガラクトース、ヒドロキノンα-L-ガラクトース、ヒドロキノンβ-L-ガラクトース等;五炭糖配糖体、たとえばヒドロキノンα-D-リボース、ヒドロキノンβ-D-リボース、ヒドロキノンα-L-リボース、ヒドロキノンβ-L-リボース、ヒドロキノンα-D-アラビノース、ヒドロキノンβ-D-アラビノース、ヒドロキノンα-L-アラビノース、ヒドロキノンβ-L-アラビノース等;アミノ糖配糖体、たとえばヒドロキノンα-D-グルコサミン、ヒドロキノンβ-D-グルコサミン、ヒドロキノンα-L-グルコサミン、ヒドロキノンβ-L-グルコサミン、ヒドロキノンα-D-ガラクトサミン、ヒドロキノンβ-D-ガラクトサミン、ヒドロキノンα-L-ガラクトサミン、ヒドロキノンβ-L-ガラクトサミン等;ウロカニン酸配糖体、たとえばヒドロキノンα-D-グルクロン酸、ヒドロキノンβ-D-グルクロン酸、ヒドロキノンα-L-グルクロン酸、ヒドロキノンβ-L-グルクロン酸、ヒドロキノンα-D-ガラクツロン酸、ヒドロキノンβ-D-ガラクツロン酸、ヒドロキノンα-L-ガラクツロン酸、ヒドロキノンβ-L-ガラクツロン酸等;及びその他を挙げることができる。これらの化合物の中では、ヒドロキノンβ-D-グルコース(以下、「アルブチン」と呼ぶ)が好ましい。ヒドロキノン又はその配糖体の誘導体の例として、たとえば、ヒドロキノン又はその配糖体の塩を挙げることができる。特に、アルブチン誘導体の例として、たとえば、6-O-カフェオイルアルブチン等を挙げることができる。
【0091】
追加の美白活性成分として、特に、L-アスコルビン酸又はその誘導体、トラネキサム酸又はその誘導体、アルブチン又はその誘導体、及びルシノールが好ましく、L-アスコルビン酸グルコシド等のアスコルビン酸配糖体が更に好ましい。
【0092】
本発明の局所塗布用美白剤中に追加の美白活性成分をブレンドする量は、特に限定されるわけではなく、通例、局所塗布用美白剤の総重量を基にして、0.01〜20重量%の範囲、好ましくは0.01〜15重量%の範囲、より好ましくは0.01〜10重量%の範囲である。
【0093】
本発明による化粧品組成物中には、上記の必須成分(A)、(B)及び(C)ならびに上記の追加の成分に加えて、化粧品に通常使用される成分、特に、水溶性ポリマー、酸、塩基、塩、顔料、酸化防止剤、UV吸収剤、美白剤、血行促進剤、金属封鎖剤、皮脂調整剤、粉末剤、収斂剤、皮膚軟化剤、上記の成分(B)以外の界面活性剤、油、有機溶媒、シリコーン、シリコーン誘導体、動物又は植物由来の天然の抽出物、ワックス等を適切に選択し、本発明の効果を損なわない範囲内で使用することができる。
【0094】
化粧品組成物の形態は特に限定されるわけではなく、W/Oエマルション、O/Wエマルション、水性ゲル、水溶液等、種々の形態をとってもよい。更に、この化粧品組成物は、皮膚用化粧品、頭髪用化粧品、仕上用化粧品、洗浄用化粧品、爪用化粧品、唇等の粘膜に使用するための化粧品等のいずれでもよいが、皮膚用化粧品が好ましい。本発明による化粧品組成物は、エマルションの形態ではなく、化粧水等の水溶液の形態であることが好ましい。
【0095】
本発明が化粧水である場合、前述の化粧水は透明であるか、均一の外観を有することが好ましい。ここで、「透明」という表現は、屈折又は反射による偏向を一切生じさせることなく光を通すことができることを意味する。化粧水等の組成物の透明度は濁度計を使用して測定することができる。たとえば、Hach製ポータブル濁度計モデル2100 P(商標)を使用して、組成物の透過範囲を測定することができる。組成物を測定した濁度値が0〜250NTUの範囲である場合、この組成物は透明であるとみなすことができる。
【0096】
本発明による化粧品組成物は、化粧品組成物を皮膚上に塗布するステップを含む美容処理方法において使用することができる。この方法は、特に、たとえば紫外線等の外部要因によって生じた褐色気味の色素沈着の斑点、及び/又は、たとえば加齢等の内部要因によって生じた斑点を除去するのに好適であり、かつ/又は褐色の皮膚の色を明るくするのに好適である。
【0097】
(実施例)
本発明を、例を通してより詳細に記載することにするが、以下の例は本発明の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。
【0098】
(実施例1から9及び比較例1から4)
表1及び2に示す、実施例1から9及び比較例1から4による以下の組成物を、以下のステップで調製した。
(a)A相の成分を約80℃まで加熱し、プロペラで均一化するステップ、
(b)B相の成分を約60℃まで加熱するステップ、
(c)ステップ(a)で得られた混合物を約60℃に冷却するステップ、
(d)B相の成分を、ステップ(c)の後のA相の成分の混合物中に注入するステップ、
(e)ステップ(d)で得られた混合物を、プロペラで10分間均一化するステップ、
(f)ステップ(e)で得られた混合物を、約30℃に冷却するステップ、
及び
(g)C相及びD相の成分を、ステップ(f)で得られた混合物中に注入するステップ。
【0099】
実施例1から9及び比較例1から4について、その安定性を室温で6か月観察し、6か月後に、以下の基準に従って評価した。
【0100】
良好:安定(沈降物は観察されなかった)
X:不安定(沈降物が観察された)
【0101】
結果を表1及び2に示す。
【0102】
【表1】

【0103】
【表2】

【0104】
比較例1から、コウジ酸の存在が組成物を不安定にする原因であることは明らかである。コウジ酸と、精選した非イオン界面活性剤との組合せが組成物を安定にし、他の非イオン界面活性剤では組成物を経時的に安定にすることはできないことも明らかである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コウジ酸と、
ポリオキシエチレン化(1〜40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1〜30 PO)アルキル(C16〜C24)エーテル、ポリオキシエチレン化(30〜50 EO)水添ヒマシ油、ならびにポリオキシエチレン化(15〜30 EO)モノ-又はトリ-オレイン酸エステルからなる群から選択される、少なくとも1つの非イオン界面活性剤と、
組成物の総重量に対して50%以上の量の水と
を含む化粧品組成物。
【請求項2】
前記ポリオキシエチレン化(1〜40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1〜30 PO)アルキル(C16〜C24)エーテルが、PPG-6デシルテトラデセス-30、PPG-6デシルテトラデセス-12、PPG-13デシルテトラデセス-24、PPG-6デシルテトラデセス-20、PPG-4セテス-1、PPG-8セテス-1、PPG-4セテス-10、PPG-4セテス-20、PPG-5セテス-20、PPG-8セテス-20及びPPG-23ステアレス-34からなる群から選択される、請求項1に記載の化粧品組成物。
【請求項3】
前記ポリオキシエチレン化(1〜40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1〜30 PO)アルキル(C16〜C24)エーテルが、PPG-6デシルテトラデセス-30、PPG-13デシルテトラデセス-24、PPG-6デシルテトラデセス-20、PPG-5セテス-20、PPG-8セテス-20及びPPG-23ステアレス-34からなる群から選択される、請求項2に記載の化粧品組成物。
【請求項4】
前記ポリオキシエチレン化(1〜40 EO)及びポリオキシプロピレン化(1〜30 PO)アルキル(C16〜C24)エーテルが、PPG-6デシルテトラデセス-30、PPG-13デシルテトラデセス-24、PPG-5セテス-20、及びPPG-8セテス-20からなる群から選択される、請求項3に記載の化粧品組成物。
【請求項5】
前記ポリオキシエチレン化(30〜50 EO)水添ヒマシ油が、PEG-30水添ヒマシ油、PEG-40水添ヒマシ油及びPEG-50水添ヒマシ油からなる群から選択される、請求項1から4のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項6】
前記ポリオキシエチレン化(30〜50 EO)水添ヒマシ油が、PEG-40水添ヒマシ油である、請求項5に記載の化粧品組成物。
【請求項7】
前記ポリオキシエチレン化(15〜30 EO)モノ-又はトリ-オレイン酸エステルが、ポリソルベート80及びポリソルベート85からなる群から選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項8】
前記ポリオキシエチレン化(15〜30 EO)モノ-又はトリ-オレイン酸エステルがポリソルベート80である、請求項7に記載の化粧品組成物。
【請求項9】
前記非イオン界面活性剤が、組成物の総重量に対して、0.01重量%〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜5重量%、より好ましくは0.01重量%〜2.5重量%の量で存在する、請求項1から8のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項10】
前記コウジ酸が、組成物の総重量に対して、0.01重量%〜5重量%、好ましくは0.1重量%〜3重量%、より好ましくは0.5重量%〜2重量%の量で存在する、請求項1から9のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項11】
少なくとも1つの香料を更に含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項12】
前記香料が、組成物の総重量に対して、0.01重量%〜1重量%、好ましくは0.01重量%〜0.5重量%、より好ましくは0.01重量%〜0.3重量%の量で存在する、請求項11に記載の化粧品組成物。
【請求項13】
少なくとも1つの脂肪性化合物を、組成物の総重量に対して、0.01重量%〜10重量%、好ましくは0.01重量%〜5重量%、より好ましくは0.01重量%〜1重量%の量で更に含む、請求項1から12のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項14】
皮膚の美白を目的としている、請求項1から13のいずれか一項に記載の化粧品組成物。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の化粧品組成物を皮膚上に塗布するステップを含む、皮膚の美容処理方法。

【公表番号】特表2013−520409(P2013−520409A)
【公表日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−553447(P2012−553447)
【出願日】平成22年2月22日(2010.2.22)
【国際出願番号】PCT/JP2010/053180
【国際公開番号】WO2011/102001
【国際公開日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】