説明

化粧料

【課題】
実質上油を含有することなく、ムース状を呈し、なめらかで軽い独特の使用感、清涼感、密着性に優れた水性化粧料と、さらには、マシュマロ状を呈し、固形である簡便性に加え、なめらかで軽い独特の使用感、清涼感、密着性に優れたO/W型固形化粧料と、その表面に水を滴下させると、その部分がムース状に変化する特性を有するマシュマロ状O/W型固形化粧料を提供すること。
【解決手段】
(a)ポリアクリル酸ナトリウムと、(b)粉体を配合したムース状水性化粧料と、さらには(a)ポリアクリル酸ナトリウムと、(b)粉体と、(c)脂肪酸石鹸を配合したO/W型固形化粧料。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、(a)ポリアクリル酸ナトリウムと、(b)粉体を含有することで、実質上油を含有することなく、ムース状を呈し、なめらかで軽い独特の使用感、清涼感、密着性に優れた水性化粧料に関する。さらには、(a)ポリアクリル酸ナトリウムと、(b)粉体と、(c)脂肪酸石鹸を含有することで、マシュマロ状を呈し、固形である簡便性に加え、なめらかで軽い独特の使用感、清涼感、密着性に優れたO/W型固形化粧料を得ることができ、またその表面に水を滴下させると、その部分がムース状に変化する特性を有するマシュマロ状O/W型固形化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、気泡を含有する化粧料として、特定の油分を含有するホイップト化粧料(特許文献1)や、ジェランガムを含有する気泡含有化粧料(特許文献2)、ゲル化剤を含有したホイップトO/W型乳化化粧料(特許文献3〜4)疎水化無水ケイ酸を含有するホイップト水性化粧料(特許文献5)等が提案されている。これら気泡を含んだ状態で、容器に充填されたムース状、マシュマロ状製品は、なめらかで軽い独特の使用感を有するため、食品分野だけでなく、化粧品分野でも多く開発がなされている。
【0003】
【特許文献1】特許1473460
【特許文献2】特開2000−355517
【特許文献3】特開2002−145720
【特許文献4】特開2002−145734
【特許文献5】特開2004−59456
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来の気泡含有化粧料は、特定の油分や界面活性剤を含有する、油性、またはO/W型乳化化粧料であり、清涼感、軽い使用感という点で満足のいくものではなかった。また、気泡含有水性化粧料であっても、疎水化無水ケイ酸を含有しなければならず、なめらかな使用感、密着性の点で、満足のいくものではなかった。また油分、特に高い融点ワックスと界面活性剤を含有する油性、またはO/W型固形乳化化粧料に関しても、固形である簡便性を保持しながら、かつ充分になめらかで軽い使用感、清涼感、密着性を満たすものは、いまだ得られていなかった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、本発明人は鋭意検討した結果、(a)ポリアクリル酸ナトリウムと、(b)粉体を含有することで、実質上油を含有することなく、ムース状を呈し、なめらかで軽い独特の使用感、清涼感、密着性に優れた水性化粧料を得ることができ、さらには、(a)ポリアクリル酸ナトリウムと、(b)粉体と、(c)脂肪酸石鹸を含有することで、固形である簡便性に加え、なめらかで軽い独特の使用感、清涼感、密着性に優れたマシュマロ状O/W型固形化粧料を得ることができ、またその表面に水を滴下させると、その部分がムース状に変化することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、(a)ポリアクリル酸ナトリウムと、(b)粉体を含有することで、実質上油を含有することなく、ムース状を呈し、なめらかで軽い独特の使用感、清涼感、密着性に優れた水性化粧料と、さらには、(a)ポリアクリル酸ナトリウムと、(b)粉体と、(c)脂肪酸石鹸を含有することで、マシュマロ状を呈し、固形である簡便性に加え、なめらかで軽い独特の使用感、清涼感、密着性に優れたO/W型固形化粧料を得ることができ、またその表面に水を滴下させると、その部分がムース状に変化する特性を有するマシュマロ状O/W型固形化粧料にある。
【発明の効果】
【0007】
以上説明するように、(a)ポリアクリル酸ナトリウムと、(b)粉体を含有することで、実質上油を含有していないムース状水性化粧料は、なめらかで軽い独特の使用感、清涼感、密着性に優れ、さらには、(a)ポリアクリル酸ナトリウムと、(b)粉体と、(c)脂肪酸石鹸を含有する、マシュマロ状O/W型固形化粧料は、その表面に水を滴下させると、その部分がムース状に変化する特性を有し、固形である簡便性を保持しながらも、なめらかで軽い独特の使用感、清涼感、密着性に優れていることは明らかである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、上記本発明を詳細に説明する。
本発明の化粧料で用いる(a)ポリアクリル酸ナトリウムは、水溶性高分子のゲル化剤であり、市販品として、COVACRYLMV60[LCW社製]を用いる事ができる。COVACRYLMV60の平均粒子径は39.0μm(レーザー回折式粒度分布計を用いて測定)、外観は白色であり、走査型電子顕微鏡観察したところ、図1、図2に示すような不定形の粒子形状を有していた。
【0009】
本発明の化粧料では上記ポリアクリル酸ナトリウムを化粧料の総量に対して、0.1〜50質量%の範囲で配合することが可能である。
【0010】
本発明の化粧料で用いる(b)粉体とは、従来公知のものが使用でき、その形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、鱗片状、紡錘状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができ、例えば無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料等があげられ、具体的には、無機粉体としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン、シリカ等;有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、シリコーンレジンパウダー、シリコーンエラストマー粉体、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、アクリルパウダー、アクリルエラストマー、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン末、ラウロイルリジン等;界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等;有色顔料としては、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γー酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、微粒子酸化チタン、微粒子酸化セリウム、微粒子酸化亜鉛等の微粒子粉体、タール系色素をレーキ化したもの、天然色素をレーキ化したもの、及びこれらの粉体を複合化した合成樹脂粉体等;パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等;金属粉末顔料としては、アルミニウムパウダー、カッパーパウダー、ステンレスパウダー等から選ばれる粉体が挙げられる。また、タール色素としては、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等;天然色素としては、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等から選ばれる顔料が挙げられる。
【0011】
これらの粉体は従来公知の表面処理がされていてもいなくても構わないが、好ましい例として、疎水性表面処理、例えばメチルハイドロジェンポリシロキサン処理、シリコーンレジン処理、シリコーンガム処理、アクリルシリコーン処理、フッ素化シリコーン処理などのオルガノシロキサン処理、ステアリン酸亜鉛、アシル化アミノ酸金属塩処理などの金属石鹸処理、シランカップリング剤処理、アルキルシラン処理などのシラン処理、有機チタネート処理、有機アルミネート処理、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロアルキルリン酸エステル塩、パーフルオロポリエーテル処理などのフッ素化合物処理、N−ラウロイル−L−リジン処理などのアミノ酸処理、スクワラン処理などの油剤処理又はアクリル酸アルキル処理などのアクリル処理などが挙げられ、これらの1種以上を組み合わせて使用することが可能である。また親水性表面処理も好ましく、その例として、寒天処理、デオキシリボ核酸処理、レシチン処理、ポリアクリル酸処理、シリカ処理、アルミナ処理又はジルコニア処理、特に好ましくはセルロース処理が挙げられ、これらの1種以上を組み合わせて使用することが可能である。
【0012】
本発明の化粧料では上記粉体を化粧料の総量に対して、0.1〜50質量%の範囲で配合することが可能である。
【0013】
本発明の化粧料で用いる(c)脂肪酸石鹸とは、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、べヘニン酸、イソステアリル酸、オレイン酸、リノレン酸、リノール酸、リノレイン酸、オキシステアリン酸などのナトリウム、カリウム、トリエタノールアミン塩などが挙げられる。
【0014】
本発明における水性化粧料では、通常、化粧料に用いられる防腐剤、香料、保湿剤、紫外線吸収剤、塩類、溶媒、樹脂、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤、生理活性成分等の各種成分を、本発明の目的を損なわない範囲で使用することができる。
【0015】
本発明におけるO/W型固形化粧料では、通常、化粧料に用いられる、油剤、界面活性剤、防腐剤、香料、保湿剤、紫外線吸収剤、塩類、溶媒、樹脂、酸化防止剤、キレート剤、中和剤、pH調整剤、昆虫忌避剤、生理活性成分等の各種成分を、本発明の目的を損なわない範囲で使用することができる。
【0016】
油剤の例としては、例えばアボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、キャンデリラロウ、キヨウニン油、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等;炭化水素油として、オゾケライト、スクワラン、スクワレン、セレシン、パラフィン、パラフィンワックス、流動パラフィン、プリスタン、ポリイソブチレン、マイクロクリスタリンワックス、ワセリン等;高級脂肪酸としては、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等;高級アルコールとしては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、べヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、フィトステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール)、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等;エステル油としては、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸イソセチル、イソノナン酸イソノニル、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、トリ−2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクタン酸セチル、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸オレイル、オレイン酸オクチルドデシル、オレイン酸デシル、イソノナン酸イソノニル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、酢酸アミル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ステアリン酸イソセチル、ステアリン酸ブチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、乳酸セチル、乳酸ミリスチル、パルミチン酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ミリスチン酸ミリスチル、ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、ラウリン酸ヘキシル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、リンゴ酸ジイソステアリル等;グリセライド油としては、アセトグリセリル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン、トリイソパルミチン酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル;シリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、ビフェニルシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルトリメチコン、アルキル変性シリコーン、フルオロシリコーン等が挙げられる。また、グリセリン、イソプレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、プロピレングリコール、ジグリセリン、マルチトール、マルビット液などの多価アルコールも挙げられる。
【0017】
本発明の化粧料としては、メイクアップ化粧料としては、ファンデーション、化粧下地料、白粉、口紅、口紅下地料、コンシーラー、ブラッシャー、アイシャドー、アイシャドー下地料など、スキンケア化粧料としては、化粧水、乳液、クリーム、洗顔料、クレンジング、など、頭髪化粧料として、シャンプー、リンス、ヘアーコンディショナー、スタイリング剤がなど好ましいものとして挙げられる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下に実施例を挙げ本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。各実施例、比較例における評価は、女性パネラー10名を用いて、試験品を使用してもらい、使用感をアンケート形式で回答してもらい、評価が悪い場合を0点、評価が良い場合を5点とし、パネラーの平均点数を以って評価結果とした。従って、点数が高い程評価に優れていることを示す。
【実施例】
【0019】
〔実施例1〜2、比較例1〜2〕
表1の処方と製造方法に従って水性ムース状ファンデーションを試作した。尚、配合量の単位は質量%である。
【0020】
【表1】

【0021】
製造方法
成分Bを3本ロールを用いて分散し、成分Cに添加した。成分Aを成分BとCの混合物に攪拌しながら添加した。得られたムース状混合物を容器に充填し、製品を得た。
【0022】
表1の結果より、本発明の実施例1、2はムース状を呈し、また各評価項目において優れた特性を示していることが判る。これに対して比較例1、2はムース状を呈さず、軽い使用感の項目が実施例に比べて、かなり低くなった。実施例1、2の水性ムース状ファンデーションは、なめらかで軽い独特の使用感、清涼感、密着性の全てにおいて優れていた。
【0023】
〔実施例3〜4、比較例3〜4〕
表2の処方と製造方法に従ってマシュマロ状アイシャドーを試作した。尚、配合量の単位は質量%である。
【0024】
【表2】

【0025】
製造方法
成分A、Bを80℃に加温し、成分BをAに添加し、よく混合した。成分Cを80℃に加温し、成分AとBの混合物に攪拌しながら添加し、よく混合した。成分Dを攪拌しながら添加し、よく混合した後、得られたムース状混合物を容器に充填し、徐冷して製品を得た。
【0026】
表2の結果より、本発明の実施例3と4は各評価項目において優れた特性を示していることが判る。特に、ポリアクリル酸ナトリウムの配合量が多い実施例4は、その表面に水を滴下した際、ムース状に変化するという独特の特性を有していた。これらに対して比較例3は固形であっても、気泡を安定に含有できないためマシュマロ状を呈さず、また比較例4は、気泡を含有しているが固形を呈さなかった。実施例3、4のマシュマロ状アイシャドーは固形である簡便性に加え、なめらかで軽い独特の使用感、清涼感、密着性に優れており、特にポリアクリル酸ナトリウムの配合量が多い実施例4は、その表面に水を滴下させると、その部分がムース状に変化するという独特の特性を有していた。
【0027】
〔実施例5〕
表3の処方と製造方法に従って水性ムース状アイシャドーを試作した。尚、配合量の単位は質量%である。
【0028】
【表3】

【0029】
製造方法
成分Aを良く混合し、成分Bに攪拌しながら添加してよく混合した後、得られたムース状混合物を容器に充填して製品を得た。
【0030】
この水性ムース状アイシャドーはムース状を呈し、なめらかで軽い独特の使用感、清涼感、密着性の全てにおいて優れていた。
【0031】
〔実施例6〕
表4の処方と製造方法に従って水性ムース状ブラッシャーを試作した。尚、配合量の単位は質量%である。
【0032】
【表4】


【0033】
製造方法
成分Aを良く混合し、成分Bに攪拌しながら添加してよく混合した後、得られたムース状混合物を容器に充填して製品を得た。
【0034】
この水性ムース状ブラッシャーはムース状を呈し、なめらかで軽い独特の使用感、清涼感、密着性の全てにおいて優れていた。
【0035】
〔実施例7〕
表5の処方と製造方法に従ってマシュマロ状口紅を試作した。尚、配合量の単位は質量%である。
【0036】
【表5】

【0037】
製造方法
成分A、Bを80℃に加温し、成分BをAに添加し、よく混合した。成分Cを80℃に加温し、成分AとBの混合物に攪拌しながら添加し、よく混合した。成分Dを攪拌しながら添加し、よく混合した後、得られたムース状混合物を容器に充填し、徐冷して製品を得た。
【0038】
このマシュマロ状口紅は固形である簡便性に加え、なめらかで軽い独特の使用感、清涼感、密着性に優れており、その表面に水を滴下させると、その部分がムース状に変化するという独特の特性を保持していた。
【0039】
〔実施例8〕
表6の処方と製造方法に従ってマシュマロ状スキンクリームを試作した。尚、配合量の単位は質量%である。
【0040】
【表6】

【0041】
製造方法
成分A、Bを80℃に加温し、成分BをAに添加し、よく混合した。成分Cを80℃に加温し、成分AとBの混合物に攪拌しながら添加し、よく混合した。成分Dを攪拌しながら添加し、よく混合した後、得られたムース状混合物を容器に充填し、徐冷して製品を得た。
【0042】
このマシュマロ状スキンクリームは固形である簡便性に加え、なめらかで軽い独特の使用感、清涼感、密着性に優れており、その表面に水を滴下させると、その部分がムース状に変化するという独特の特性を保持していた。
〔実施例9〕
表7の処方と製造方法に従って水性ムース状クレンジングを試作した。尚、配合量の単位は質量%である。
【0043】
【表7】

【0044】
製造方法
成分Aを良く混合し、成分Bに攪拌下に添加してよく混合した後、得られたムース状混合物を容器に充填して製品を得た。
【0045】
この水性ムース状クレンジングはムース状を呈し、なめらかで軽い独特の使用感、清涼感、密着性の全てにおいて優れていた。
【0046】
〔実施例10〕
表8の処方と製造方法にてマシュマロ状ヘアークリームを製造した。尚、配合量の単位は質量%である。
【0047】
【表8】

【0048】
製造方法
成分A、Bを80℃に加温し、成分BをAに添加し、よく混合した。成分Cを80℃に加温し、成分AとBの混合物に攪拌しながら添加し、よく混合した。成分Dを攪拌しながら添加し、よく混合した後、得られたムース状混合物を容器に充填し、徐冷して製品を得た。
【0049】
このマシュマロ状ヘアークリームは固形である簡便性に加え、なめらかで軽い独特の使用感、清涼感、密着性に優れており、その表面に水を滴下させると、その部分がムース状に変化するという独特の特性を保持していた。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】 LCW社製COVACRYLMV60の走査型電子顕微鏡写真の例
【図2】 LCW社製COVACRYLMV60の走査型電子顕微鏡写真の例

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)ポリアクリル酸ナトリウムと、(b)粉体を含有することを特徴とするムース状水性化粧料。
【請求項2】
(a)ポリアクリル酸ナトリウムと、(b)粉体と、(c)脂肪酸石鹸を含有することを特徴とするマシュマロ状O/W型固形化粧料。
【請求項3】
表面に水を滴下させると、その部分がムース状に変化する事を特徴とする請求項2記載の化粧料。
【請求項4】
(b)粉体が疎水性処理粉体であることを特徴とする請求項1〜3記載の化粧料。
【請求項5】
(b)粉体が親水性処理粉体であることを特徴とする請求項1〜3記載の化粧料。
【請求項6】
(b)粉体がセルロース処理粉体であることを特徴とする請求項1〜3記載の化粧料。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−44921(P2008−44921A)
【公開日】平成20年2月28日(2008.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−249992(P2006−249992)
【出願日】平成18年8月18日(2006.8.18)
【出願人】(391015373)大東化成工業株式会社 (97)
【Fターム(参考)】