説明

化粧料

【課題】本発明の課題は、肌なじみがよく、べたつき感が少なく、しかもしっとり感に優れる化粧料を提供することである。
【解決手段】ヒソップエキス及びアミノカプロン酸及びザクロエキスを特定の割合にて配合することにより、肌なじみがよく、べたつき感が少なく、しかもしっとり感に優れる効果を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、肌なじみやしっとり感等の保湿力に優れ、かつ、べたつき感の少ない使用感触に優れた化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、保湿効果を期待した化粧料は数多く市販されている。このような化粧料の多くは優れた保水性・吸水性を有する種々の水溶性多価アルコール、ムコ多糖、植物抽出物、高分子等の保湿成分が配合されている。しかしながら、これらの保湿成分を高配合した化粧料は、保湿効果はあるもののべたつき感のある重い感触のため、使用感触等の官能面において好ましくなかった。
【0003】
上記のような従来の問題を解消するために、配合する保湿成分の種類や配合量において種々検討された化粧料が提案され、また、保湿効果の高いムコ多糖類等を配合した化粧料も提案されているが、べたつき感が少なく、かつ、肌なじみ、しっとり感に優れた化粧料を得るに至っていない。
【特許文献1】特開2001−39854号公報
【特許文献2】特開2004−99564号公報
【特許文献3】特開2004−238334号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、肌なじみがよく、べたつき感が少なく、しかもしっとり感に優れた化粧料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
係る実情において、発明者は上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、ヒソップエキス、アミノカプロン酸及びザクロエキスを一定の割合にて配合することにより、肌なじみがよく、べたつき感が少なく、しかも、しっとり感に優れることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明は、ヒソップエキスを0.0001重量%〜5.0重量%、アミノカプロン酸を0.001重量%〜1.0重量%及びザクロエキスを0.0001重量%〜5.0重量%夫々配合することにより、肌なじみがよく、べたつき感が少なく、しかもしっとり感に優れることを可能とした。
【発明の効果】
【0007】
本発明の化粧料は、肌なじみがよく、べたつき感が少なく、しかもしっとり感に優れた使用感を有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明に用いることができるヒソップエキスは、シソ科ヤナギハッカ属ヒソップ(Hyssopus officinalis)から得られる抽出液であれば特に制限は無く、抽出部位も花弁、葉、茎、根、種子、果実等或いは全草を用いてもかまわない。そして、エキスの抽出溶媒は極性及び非極性の各溶媒を用いることができ、抽出時間や抽出温度等の条件に関しても特に限定はされない。また、配合量は有効であれば特に制限は無いが、乾燥重量換算で0.0001重量%〜5.0重量%が好ましい。
【0009】
本発明に用いることができるアミノカプロン酸は、下記に示す一般式で表わされるε-アミノカプロン酸を指す。また、配合量は有効であれば特に制限は無いが、0.001重量%〜1.0重量%が好ましい。
【0010】
【化1】

【0011】
本発明に用いることができるザクロエキスは、ザクロ科ザクロ属ザクロ(Punica granatum)の内果皮と中果皮から得られる抽出液であれば特に制限は無い。また、配合量は有効であれば特に制限は無いが、乾燥重量換算で0.0001重量%〜5.0重量%が好ましい。
【実施例】
【0012】
以下、本発明を実施例及び比較例を例に挙げて詳しく説明するが、本発明がこれらの例に限定されるものではない。
【0013】
ヒソップエキス、アミノカプロン酸及びザクロエキスを配合した本発明の実施例の処方を表1に、比較例の処方を表2に夫々示す。なお、製法は常法に従って行った。
【0014】
【表1】

【0015】
【表2】

【0016】
比較例として、ヒソップエキスに替わる成分として同じシソ科のセイヨウハッカエキス及びラベンダーエキス、ザクロエキスに替わる成分として同属の植物エキスが入手困難なため保湿効果に優れる植物エキスとして公知であるアロエエキスを用いた。また、アミノカプロン酸に替わる成分として同じアミノ酸であるセリン、L−アルギニン及びL−プロリンを夫々比較対照として用い試料を調製した。
【0017】
また、試料の評価は、専門パネラーによる官能評価及びパネルテストにより実施し、詳細は以下に説明する。
【0018】
〔官能評価方法〕
1.官能評価項目
I)塗布直後のしっとり感、II)肌なじみ感、III)べたつき感の3項目について実施した。
2.評価方法
表1に示す実施例処方及び表2に示す比較例処方で調製した化粧水を用い、専門女性パネラー10名に試料をランダムに使用させる方法を用いた。詳細には、1つの試料について、朝洗顔後及び就寝前の毎日2回、適量を顔面に塗布し、それを連続3日間継続し、4日後にしっとり感、肌なじみ感及びべたつき感の3項目について5段階で自己採点し、官能評価とした。そして、10名の平均を4段階に分け評価値とした。官能評価内容を表3に、実施例及び比較例の評価値を表4に示す。なお、全パネラーにおいて、本評価を実施する際に皮膚刺激等の肌トラブル等は全くなかった。
【0019】
【表3】

【0020】
【表4】

【0021】
〔パネルテスト〕
実施例1の処方及び比較例11の処方で調製した化粧水を用い、一般パネラー30名に試料を使用させる方法を用いた。詳細には、朝洗顔後及び就寝前の毎日2回、適量を顔面に塗布し、それを2週間継続し、その後、しっとり感、肌なじみ感及びべたつき感の3項目について5段階で自己採点し、評価とした。そして、30名の評価を5段階評価で表5に示した。
【0022】
【表5】

【0023】
表4より、本発明である実施例1〜実施例3は、比較例1〜比較例12と比べ、塗布直後の肌のしっとり感、塗布時の肌へのなじみ感、塗布後のべたつき感の3項目全てに優れていることが判明した。また、各比較例の結果より、ヒソップエキスに替えて他の成分とザクロエキス、アミノカプロン酸を組合せ配合した場合や、ザクロエキスに替えて他の成分を配合した場合や、アミノカプロン酸に替えて他のアミノ酸を配合した場合において、塗布直後のしっとり感、塗布時の肌へのなじみ感、塗布後のべたつき感の3項目全てにおいて満足できる結果は得られなかった。このことは、同じシソ科の植物エキスであってもヒソップエキスと、ザクロエキス及びアミノカプロン酸の組合せが特異的であり、ヒソップエキスとザクロエキスとアミノカプロン酸の組合せにより特異的にしかも相乗的に作用し、肌のしっとり感、肌なじみ感、べたつき感の3項目全ての使用感触に関係し、全ての使用感触を向上させていることを意味している。
【産業上の利用可能性】
【0024】
本発明のヒソップエキス、ザクロエキス及びアミノカプロン酸を組合せて一定量配合した化粧料は、肌にしっとり感を与え、肌なじみを良くしべたつき感の少ない優れた使用感触が得られる効果を併せて有するため、広く化粧料に応用が期待できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒソップエキスを0.0001重量%〜5.0重量%及びアミノカプロン酸を0.001重量%〜1.0重量%及びザクロエキスを0.0001重量%〜5.0重量%含有することを特徴とする化粧料。

【公開番号】特開2008−74761(P2008−74761A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−254976(P2006−254976)
【出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【出願人】(591230619)株式会社ナリス化粧品 (200)
【Fターム(参考)】