説明

化粧方法及び皮膚外用剤

【課題】 本発明は、専用の洗浄剤やクレンジング剤を使用せずとも日焼け止め化粧料、下地化粧料や、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、白粉等のメーキャップ化粧料の洗い流しが容易で、かつ、日焼け止め化粧料や、メーキャップ化粧料を皮膚に適用後の日常の外的要因(汗、水、摩擦等)による日焼け止め化粧料やメーキャップ化粧料のヨレやムラを防ぐことができる、化粧方法及び皮膚外用剤を提供することを目的とする。
【解決手段】 日焼け止め化粧料、下地化粧料や、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、白粉等のメーキャップ化粧料を皮膚に適用する前に、皮膜形成剤を含有する皮膚外用剤を皮膚に適用することにより、専用の洗浄剤やクレンジング剤を使用せずとも、日焼け止め化粧料、下地化粧料やメーキャップ化粧料を、通常の洗浄剤やクレンジング剤を用いて容易に洗い流すことができる。さらに、当該化粧方法によれば、日焼け止め化粧料、下地化粧料や、メーキャップ化粧料を皮膚に適用後の日常の外的要因(汗、水、摩擦等)によるヨレやムラを防ぐことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膜形成剤を含有する皮膚外用剤に関する。より具体的には、日焼け止め化粧料、下地化粧料、ファンデーション等の化粧料を皮膚に適用する前に適用するための、皮膜形成剤を含有する皮膚外用剤に関する。さらに、本発明は、皮膜形成剤を含有する皮膚外用剤を皮膚に適用後、日焼け止め化粧料、下地化粧料、ファンデーション等の化粧料を皮膚に適用することを特徴とする化粧方法、並びにこれら化粧料の洗浄性(クレンジング性)向上方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、白粉等のメーキャップ化粧料を適用する前には、化粧水・乳液・美容液等で肌を整えた後に、紫外線から皮膚を守るために日焼け止め化粧料や、メーキャップ化粧料のつきやのび、化粧仕上り、化粧持ち等を良好にするために下地化粧料が使われている。
【0003】
従来、日焼け止め化粧料の耐汗性、耐水性を向上させるためや、ファンデーション等のメーキャップ化粧料の化粧持ち等を良好にするために、日焼け止め化粧料や下地化粧料に皮膜形成剤が配合されている(非特許文献1、2)。しかしながら、皮膜形成能の高い皮膜形成剤を配合することにより、日焼け止め化粧料の耐水性、耐汗性や、メーキャップ化粧料の化粧仕上りや化粧持ちは良好になるものの、これら化粧料を洗い流す際に専用の洗浄剤やクレンジング剤が必要である場合が多い。このような専用の洗浄剤やクレンジング剤は、高い洗浄力が要求されるため通常クレンジングオイル若しくはアルカリ系洗浄剤であるが、その洗浄力の高さ故、皮脂等の保湿成分も洗い流されて乾燥が促進されてしまったり、専用の洗浄剤やクレンジング剤を使用する手間やコスト等の問題があった。
【0004】
一方で、専用の洗浄剤やクレンジング剤を必要としない日焼け止め化粧料や下地化粧料の場合、皮膜形成剤は使用しないか、或いは皮膜形成能に劣る皮膜形成剤が使用されたり、化粧料の剤形として水中油型が選択される。このような日焼け止め化粧料や下地化粧料を用いると、例えば、日焼け止め化粧料やファンデーション等のメーキャップ化粧料を皮膚に均一に適用しても、日常の外的要因(汗、水、摩擦等)によりヨレやムラが生じて化粧持ちが十分でなく、さらにはヨレやムラの隙間から進入してくる紫外線から十分に皮膚が守れない等の問題があった。
【非特許文献1】機能性化粧品 (株)シーエムシー p258-261
【非特許文献2】機能性化粧品(III) (株)シーエムシー p142-144
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、専用の洗浄剤やクレンジング剤を使用せずとも日焼け止め化粧料、下地化粧料や、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、白粉等のメーキャップ化粧料の洗い流しが容易で、かつ、日焼け止め化粧料や、メーキャップ化粧料を皮膚に適用後の日常の外的要因(汗、水、摩擦等)による日焼け止め化粧料やメーキャップ化粧料のヨレやムラを防ぐことができる、化粧方法及び皮膚外用剤を提供することを目的とする。さらに、本発明は日焼け止め化粧料、下地化粧料や、メーキャップ化粧料の洗浄性(クレンジング性)向上方法を提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、日焼け止め化粧料、下地化粧料や、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、白粉等のメーキャップ化粧料を皮膚に適用する前に、皮膜形成剤を含有する皮膚外用剤を皮膚に適用することにより、専用の洗浄剤やクレンジング剤を使用せずとも、日焼け止め化粧料、下地化粧料やメーキャップ化粧料を、通常の洗浄剤やクレンジング剤を用いて容易に洗い流すことができ、即ち当該化粧料の洗浄性(クレンジング性)が向上し、かつ、日焼け止め化粧料、下地化粧料や、メーキャップ化粧料を皮膚に適用後の日常の外的要因(汗、水、摩擦等)によるヨレやムラを防ぐことができることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
従って、本発明は以下を提供する。
〔1〕皮膜形成剤を含有する皮膚外用剤を皮膚に適用後、日焼け止め化粧料、下地化粧料、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、及び白粉からなる群より選択される1種以上の化粧料を皮膚に適用することを特徴とする化粧方法。
〔2〕皮膜形成剤を含有する皮膚外用剤を皮膚に適用後、日焼け止め化粧料を皮膚に適用することを特徴とする化粧方法。
〔3〕皮膜形成剤を含有する皮膚外用剤を皮膚に適用後、日焼け止め化粧料を皮膚に適用し、その後、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、及び白粉からなる群より選択される1種以上の化粧料を皮膚に適用することを特徴とする化粧方法。
〔4〕皮膜形成剤を含有する皮膚外用剤を皮膚に適用後、日焼け止め化粧料、下地化粧料の順に皮膚に適用し、その後、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、及び白粉からなる群より選択される1種以上の化粧料を皮膚に適用することを特徴とする化粧方法。
〔5〕皮膚外用剤が、油中水型である、〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の化粧方法。
〔6〕皮膚外用剤が、揮発性油分を含有する、〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の化粧方法。
〔7〕皮膚外用剤が、非球状粉体を実質的に含有しない、〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の化粧方法。
〔8〕皮膜形成剤が、シリコン系皮膜形成剤、及びフッ素系皮膜形成剤からなる群より選択される1種以上である、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の化粧方法。
〔9〕皮膜形成剤が、(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー、フェニルプロピルジメチルシロキシケイ酸、トリメチルシロキシケイ酸、ポリプロピルシルセスキオキサン、及びトリフルオロアルキルジメチルシロキシトリメチルシロキシケイ酸からなる群より選択される1種以上である、〔1〕〜〔7〕のいずれかに記載の化粧方法。
【0008】
〔10〕皮膜形成剤を含有する皮膚外用剤を皮膚に適用後、日焼け止め化粧料、下地化粧料、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、及び白粉からなる群より選択される1種以上の化粧料を皮膚に適用することを特徴とする、前記化粧料の洗浄性向上方法。
〔11〕皮膚外用剤が、油中水型である、〔10〕に記載の洗浄性向上方法。
〔12〕皮膚外用剤が、揮発性油分を含有する、〔10〕又は〔11〕に記載の洗浄性向上方法。
〔13〕皮膚外用剤が、非球状粉体を実質的に含有しない、〔10〕〜〔12〕のいずれかに記載の洗浄性向上方法。
〔14〕皮膜形成剤が、シリコン系皮膜形成剤、及びフッ素系皮膜形成剤からなる群より選択される1種以上である、〔10〕〜〔13〕のいずれかに記載の洗浄性向上方法。
〔15〕皮膜形成剤が、(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー、フェニルプロピルジメチルシロキシケイ酸、トリメチルシロキシケイ酸、ポリプロピルシルセスキオキサン、及びトリフルオロアルキルジメチルシロキシトリメチルシロキシケイ酸からなる群より選択される1種以上である、〔10〕〜〔13〕のいずれかに記載の洗浄性向上方法。
【0009】
〔16〕日焼け止め化粧料、下地化粧料、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、及び白粉からなる群より選択される1種以上の化粧料を皮膚に適用する前に適用するための、皮膜形成剤を含有する皮膚外用剤。
〔17〕油中水型である、〔16〕に記載の皮膚外用剤。
〔18〕揮発性油分を含有する、〔16〕又は〔17〕に記載の皮膚外用剤。
〔19〕非球状粉体を実質的に含有しない、〔16〕〜〔18〕のいずれかに記載の皮膚外用剤。
〔20〕皮膜形成剤が、シリコン系皮膜形成剤、及びフッ素系皮膜形成剤からなる群より選択される1種以上である、〔16〕〜〔19〕のいずれかに記載の皮膚外用剤。
〔21〕皮膜形成剤が、(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー、フェニルプロピルジメチルシロキシケイ酸、トリメチルシロキシケイ酸、ポリプロピルシルセスキオキサン、及びトリフルオロアルキルジメチルシロキシトリメチルシロキシケイ酸からなる群より選択される1種以上である、〔16〕〜〔19〕のいずれか一項に記載の皮膚外用剤。
【0010】
さらに、本発明は以下も提供する。
〔22〕皮膜形成剤を含有する皮膚外用剤を皮膚に適用後、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、及び白粉からなる群より選択される1種以上の化粧料を皮膚に適用することを特徴とする化粧方法。
〔23〕皮膚外用剤が、油中水型である、〔22〕に記載の化粧方法。
〔24〕皮膚外用剤が、揮発性油分を含有する〔22〕又は〔23〕に記載の化粧方法。
〔25〕皮膚外用剤が、非球状粉体を実質的に含有しない、〔22〕〜〔24〕のいずれかに記載の化粧方法。
〔26〕皮膜形成剤が、シリコン系皮膜形成剤、及びフッ素系皮膜形成剤からなる群より選択される1種以上である、〔22〕〜〔25〕のいずれかに記載の化粧方法。
〔27〕皮膜形成剤が、(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー、フェニルプロピルジメチルシロキシケイ酸、トリメチルシロキシケイ酸、ポリプロピルシルセスキオキサン、及びトリフルオロアルキルジメチルシロキシトリメチルシロキシケイ酸からなる群より選択される1種以上である、〔22〕〜〔25〕のいずれかに記載の化粧方法。
【0011】
〔28〕皮膜形成剤を含有する皮膚外用剤を皮膚に適用後、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、及び白粉からなる群より選択される1種以上の化粧料を皮膚に適用することを特徴とする、前記化粧料の洗浄性向上方法。
〔29〕皮膚外用剤が、油中水型である、〔28〕に記載の洗浄性向上方法。
〔30〕皮膚外用剤が、揮発性油分を含有する、〔28〕又は〔29〕に記載の洗浄性向上方法。
〔31〕皮膚外用剤が、非球状粉体を実質的に含有しない、〔28〕〜〔30〕のいずれかに記載の洗浄性向上方法。
〔32〕皮膜形成剤が、シリコン系皮膜形成剤、及びフッ素系皮膜形成剤からなる群より選択される1種以上である、〔28〕〜〔31〕のいずれか一項に記載の洗浄性向上方法。
〔33〕皮膜形成剤が、(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー、フェニルプロピルジメチルシロキシケイ酸、トリメチルシロキシケイ酸、ポリプロピルシルセスキオキサン、及びトリフルオロアルキルジメチルシロキシトリメチルシロキシケイ酸からなる群より選択される1種以上である、〔28〕〜〔31〕のいずれか一項に記載の洗浄性向上方法。
【0012】
〔34〕ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、及び白粉からなる群より選択される1種以上の化粧料を皮膚に適用する前に適用するための、皮膜形成剤を含有する皮膚外用剤。
〔35〕油中水型である、〔34〕に記載の皮膚外用剤。
〔36〕揮発性油分を含有する、〔34〕又は〔35〕に記載の皮膚外用剤。
〔37〕非球状粉体を実質的に含有しない、〔34〕〜〔36〕のいずれかに記載の皮膚外用剤。
〔38〕皮膜形成剤が、シリコン系皮膜形成剤、及びフッ素系皮膜形成剤からなる群より選択される1種以上である、〔34〕〜〔37〕のいずれかに記載の皮膚外用剤。
〔39〕皮膜形成剤が、(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー、フェニルプロピルジメチルシロキシケイ酸、トリメチルシロキシケイ酸、ポリプロピルシルセスキオキサン、及びトリフルオロアルキルジメチルシロキシトリメチルシロキシケイ酸からなる群より選択される1種以上である、〔34〕〜〔37〕のいずれかに記載の皮膚外用剤。
【発明の効果】
【0013】
日焼け止め化粧料、下地化粧料や、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、白粉等のメーキャップ化粧料を皮膚に適用する前に、皮膜形成剤を含有する皮膚外用剤を皮膚に適用することにより、専用の洗浄剤やクレンジング剤を使用せずとも日焼け止め化粧料、下地化粧料や、メーキャップ化粧料を容易に洗い流すことができ、即ち当該化粧料の洗浄性(クレンジング性)が向上し、さらには、日焼け止め化粧料、下地化粧料や、メーキャップ化粧料を皮膚に適用後の日常の外的要因(汗、水、摩擦等)によるヨレやムラを防ぐこともできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明を詳細に説明する。なお、本明細書中において使用される用語は、特に他に言及しない限り、当該分野で通常用いられる意味で用いられていることが理解されるべきである。
【0015】
本発明の化粧方法は、皮膜形成剤を含有する皮膚外用剤〔以下、単に「本発明の皮膚外用剤」と称することもある〕を皮膚に適用後、日焼け止め化粧料、下地化粧料、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、及び白粉からなる群より選択される1種以上の化粧料〔以下これらをまとめて、単に「化粧料(a)」と称することもある〕を皮膚に適用することを特徴とする。
本発明の洗浄性(クレンジング性)向上方法は、本発明の皮膚外用剤を皮膚に適用後、化粧料(a)を皮膚に適用することを特徴とする。
本発明の皮膚外用剤は、化粧料(a)を皮膚に適用する前に、皮膚に適用されることに特徴を有する。
【0016】
本発明の皮膚外用剤と化粧料(a)を、特定の順番で皮膚に適用することにより、専用の洗浄剤やクレンジング剤を使用せずとも化粧料(a)を容易に洗い流すことができる。さらには、化粧料(a)を皮膚に適用後の日常の外的要因(汗、水、摩擦等)によるヨレやムラを防ぐこともでき、生じたヨレやムラの隙間から進入してくる紫外線から十分に皮膚を保護するという効果も期待される。
【0017】
本発明の皮膚外用剤に含有される皮膜形成剤は、本発明の効果を奏する限り特に制限されないが、ガラス転移点を有さないか、若しくはガラス転移点が0〜500℃の範囲内である皮膜形成剤が好適に使用され、具体的にはシリコン系皮膜形成剤、フッ素系皮膜形成剤、疎水性(油溶性)ビニルピロリドン系皮膜形成剤等が挙げられる。
【0018】
本発明の皮膚外用剤に含有される皮膜形成剤として、より具体的には、(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー、フェニルプロピルジメチルシロキシケイ酸、トリメチルシロキシケイ酸、ポリプロピルシルセスキオキサン等のシリコン系皮膜形成剤;トリフルオロアルキルジメチルシロキシトリメチルシロキシケイ酸等のフッ素系皮膜形成剤;(ビニルピロリドン/ヘキサデセン)コポリマー、(エイコセン/ビニルピロリドン)コポリマー、トリコンタニルPVP等の疎水性(油溶性)ビニルピロリドン系皮膜形成剤;等が挙げられる。皮膜形成剤は1種又は2種以上を任意に組み合わせて配合することもできる。
【0019】
皮膜形成剤としては、コストや種類の多様性の観点から、シリコン系皮膜形成剤又はフッ素系皮膜形成剤が好ましく、(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー、フェニルプロピルジメチルシロキシケイ酸、トリメチルシロキシケイ酸、ポリプロピルシルセスキオキサン、及びトリフルオロアルキルジメチルシロキシトリメチルシロキシケイ酸がより好ましく、(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー、フェニルプロピルジメチルシロキシケイ酸がさらにより好ましく、(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマーが特に好ましい。
本発明の皮膚外用剤に含有される皮膜形成剤がガラス転移点を有する場合、ガラス転移点が、好ましくは0〜400℃の範囲内、より好ましくは0〜300℃の範囲内、さらにより好ましくは0〜200℃の範囲内、特に好ましくは10〜100℃の範囲内である皮膜形成剤が使用される。
【0020】
本発明の皮膚外用剤中の皮膜形成剤の含有量は、本発明の効果を奏する限り特に制限されないが、皮膚外用剤の全重量に対して、好ましくは0.001〜50重量%、より好ましくは0.01〜10重量%、特に好ましくは0.1〜3重量%である。
【0021】
本発明の皮膚外用剤は、皮膜形成剤に加えて、揮発性油分をさらに含有することが好ましい。
本発明の皮膚外用剤は、揮発性油分を含有することにより、本発明の皮膚外用剤を皮膚に適用した際、適度な油分により皮膚へ容易にムラなく塗布でき、塗布後は当該揮発性油分の適量が揮発することで、皮膚上により強固な皮膜が形成され、本発明の効果をより顕著に発揮する。
【0022】
本発明の皮膚外用剤に含有される揮発性油分は、常温(25℃)で揮発性を有する油分を意味し、本発明の効果を奏する限り特に制限されない。具体的にはシリコーン系油分、炭化水素系油分等が挙げられる。
【0023】
本発明の皮膚外用剤に含有される揮発性油分として、より具体的には、ヘキサメチルシクロトリシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサン、エチルトリシロキサン、メチルトリメチコン等のシリコーン系油分;軽質流動イソパラフィン、イソドデカン、イソヘキサデカン等の炭化水素系油分;等が挙げられる。揮発性油分は1種又は2種以上を任意に組み合わせて配合することもできる。
【0024】
揮発性油分としては、使用感の観点から、シリコーン系油分が好ましく、デカメチルシクロペンタシロキサン、エチルトリシロキサン、メチルトリメチコンがより好ましく、デカメチルシクロペンタシロキサンが特に好ましい。
【0025】
揮発性油分の大気圧中における沸点は、通常260℃以下であり、好ましくは50〜260℃の範囲内、より好ましくは100〜250℃の範囲内である揮発性油分が好適に使用される。
【0026】
本発明の皮膚外用剤中の揮発性油分の含有量は、本発明の効果を奏する限り特に制限されないが、皮膚外用剤の全重量に対して、好ましくは1〜60重量%、より好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは20〜40重量%である。
【0027】
本発明の皮膚外用剤中の揮発性油分と皮膜形成剤の配合比は、本発明の効果を奏する限り特に制限されないが、皮膜形成剤1重量部に対して、揮発性油分が好ましくは0.02〜60000重量部、より好ましくは0.1〜50000量部、さらに好ましくは1〜5000重量部、さらにより好ましくは10〜500重量部、特に好ましくは7〜400重量部である。
【0028】
本発明の皮膚外用剤は、本発明の効果を奏する限り、上記揮発性油分以外の油分として、通常皮膚外用剤に配合される油分(常温(25℃)で揮発性を有しない)をさらに含有していてもよい。このような油分としては、油脂、ロウ類、炭化水素、脂肪酸、エステル油、シリコーン油、フッ素油、高級アルコール等が挙げられる。
【0029】
なお、本発明の効果を発揮する観点からは、皮膚外用剤に含有される揮発性油分以外の油分として固形油分の含量が、皮膚外用剤の全重量に対して、10%以下であることが、さらには5%以下であることが好ましく、特に固形油分を実質的に含有しないことが好ましい。ここで、固形油分とは常温(25℃)で固形状の油分を意味する。固形油分の含有量が10%以上となると、本発明の皮膚外用剤を皮膚に適用する際、その塗布膜が厚くなり、その後に適用される化粧料(a)を皮膚にムラなく均一に塗布しづらくなる場合がある。
【0030】
本発明の皮膚外用剤は、非球状粉体を実質的に含有しないことが好ましい。
本発明の皮膚外用剤は、非球状粉体を実質的に含有しないことにより、皮膚上によりムラなく均一な皮膜が形成できるので、本発明の効果をより顕著に発揮する。
【0031】
非球状粉体は、通常皮膚外用剤に配合される粉体であって、その外形状が球状以外のものを意味する。その具体例としては、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、タルク、マイカ、金雲母(天然、合成)、硫酸バリウム、窒化ホウ素、パール顔料等が挙げられる。
【0032】
なお、本発明の皮膚外用剤は、球状の粉体は含んでいてもよい。このような球状の粉体としては、通常皮膚外用剤に配合される球状の粉体であれば、本発明の効果を奏する限り特に制限されずに配合できる。球状の粉体の具体例としては、ナイロン−6、ナイロン−12、メタクリル酸メチルクロスポリマー、ポリメチルシルセスキオキサン、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、(ビニルジメチコン/メチコンシルセスキオキサン)クロスポリマー、(HDI/トリメチロールヘキシルラクトン)クロスポリマー、シリカ等が挙げられる。球状の粉体は1種又は2種以上を任意に組み合わせて配合することもできる。
【0033】
本発明の皮膚外用剤の剤型は、本発明の効果を奏する限り特に制限されないが、油中水型であることが好ましい。油中水型の皮膚外用剤の例としては、乳液、クリーム、ジェル、軟膏、スティック等が挙げられる。皮膚にムラなく均一に塗布する観点からは、油中水型乳液が特に好ましい。
【0034】
本発明の皮膚外用剤は、医薬品、医薬部外品又は化粧品の分野において通常用いられ得る各種の成分を、本発明の効果を損なわない量的及び質的範囲内で、必要に応じて配合することができる。例えば、アルコール、エーテル、エステル、多価アルコール、糖類、高分子、界面活性剤、球状の粉体および色材、植物・海藻エキス、アミノ酸およびペプチド、ビタミン、殺菌・防腐剤、ステロイド剤、酸化防止剤、キレート剤、香料、水等が挙げられる。これらの成分は1種又は2種以上を任意に組み合わせて配合することができる。
【0035】
本発明の皮膚外用剤には、該組成物に所望の効果を持たせるため、さらに有効成分を配合することができる。有効成分とは、薬理活性成分や生理活性成分など皮膚に対して有用な効果を有する成分で、特に制限されないが、例えば、非ステロイド性抗炎症剤、美白剤、抗シワ剤、消炎鎮痛剤、抗真菌剤、育毛剤、痩身剤、局所麻酔剤、鎮痒剤、抗菌剤、抗ウイルス剤、角質軟化剤、保湿剤、収斂剤、抗酸化剤、発毛抑制剤、紫外線吸収剤、紫外線散乱剤等が挙げられる。これらの成分は1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。またこれらの成分の配合量は、本発明の効果を奏すれば特に制限されないが、望ましくは薬学上許容される上限配合量を限度に適宜選択される。
【0036】
本発明の皮膚外用剤の25℃における粘度は、特に制限されないが、通常15000mPa・s以下であり、好ましくは2000〜15000mPa・s、特に好ましくは5000〜10000mPa・sである。
粘度が15000mPa・sより大きい場合は、使用感、例えば皮膚上での塗り延ばしやすさ(塗布しやすさ)が劣り、均一に皮膚上に皮膜を形成する観点から望ましくなく、また、粘度が2000mPa・s未満の場合は、本発明の皮膚外用剤の保存安定性が劣る場合がある。
【0037】
本明細書において粘度とは、皮膚外用剤をガラス製50mlネジ口瓶に入れ、BL型粘度計(東機産業株式会社製)を使用して、その粘度に最適のローター及び回転速度を選択して測定して得られた値である。
測定方法をより詳細に説明すると、皮膚外用剤の粘度が500mPa・s以上4500mPa・s未満である場合、M3ローターで25℃、回転速度12rpm、1分経過後に測定した場合の値をいう。皮膚外用剤の粘度が4500mPa・s以上15000mPa・s未満である場合、M3ローターで25℃、回転速度6rpm、1分経過後に測定した場合の値をいう。
【0038】
本発明の皮膚外用剤の調製方法は、特に制限されず、通常の外用剤の各種剤形を調製するのに必要な各種成分などを適宜選択、配合して、常法により調製することができる。
【0039】
本発明の皮膚外用剤は、化粧料(a)を皮膚に適用する前に皮膚に適用される。
本発明の皮膚外用剤の皮膚への適用量は特に制限されず、本発明の効果を発揮するのに十分な量を適用すればよい。本発明の皮膚外用剤の皮膚への適用方法も特に制限されず、直接手にとって塗布したり、予め本発明の皮膚外用剤を含浸させた不織布等(ウェットティッシュタイプ)を用いて塗布したり、スプレーにより適用してもよい。本発明の皮膚外用剤は、通常、化粧料(a)を皮膚に適用する前に、適量を皮膚に塗布するなどして用いることができる。
【0040】
本発明において日焼け止め化粧料とは、紫外線から皮膚を保護する目的で使用される化粧料を意味し、市販の日焼け止め化粧料を特に制限なく使用することができる。通常、日焼け止め化粧料は、紫外線吸収剤及び/又は紫外線散乱剤を含有する。
【0041】
日焼け止め化粧料の形態としては、特に制限されないが、水中油型または油中水型エマルジョン状、スティック(固形)状等が挙げられ、下地機能付日焼止め化粧料も包含する。
【0042】
本発明において下地化粧料とは、皮膚の凹凸を補正する;肌の色を補正する;ファンデーション等のメーキャップ化粧料のつきやのび、化粧仕上り、化粧持ちを良好にする;紫外線を防御する(日焼け止め機能付下地);等の目的で使用される化粧料を意味し、市販の下地化粧料を特に制限なく使用することができる。
【0043】
下地化粧料の形態としては、特に制限されないが、水中油型または油中水型エマルジョン状、クリーム状、スティック(固体)状等が挙げられる。
【0044】
ファンデーションの形態としては、特に制限されないが、固形状、パウダー状、油性スティック状、水中油型または油中水型エマルジョン状、クリーム状等が挙げられる。
【0045】
眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、白粉の形態も特に制限されず、例えば、眉墨であれば、パウダー、ペンシル、液状等が、アイライナーであれば、ペンシル、液状等が、アイシャドウであれば、パウダー、ペンシル、液、クリーム、スティック状等が、頬紅であれば、パウダー、クリーム、スティック状等が、白粉であれば、パウダー状等が挙げられる。
【0046】
本発明の化粧方法及び皮膚外用剤の実施態様としては、本発明の皮膚外用剤を適用し、その後、日焼け止め化粧料、下地化粧料、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、及び白粉からなる群より選択される1種以上の化粧料を皮膚に適用する態様;化粧水・乳液・美容液等の基礎化粧料で肌を整えた後、本発明の皮膚外用剤を適用し、その後、日焼け止め化粧料、下地化粧料、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、及び白粉からなる群より選択される1種以上の化粧料を皮膚に適用する態様;等が挙げられる。
【0047】
日焼け止め化粧料を皮膚に均一に適用した後の日常の外的要因(汗、水、摩擦等)により生じるヨレやムラの隙間から進入してくる紫外線から十分に皮膚を保護する、日焼け止め化粧料の紫外線防御効果を長持ちさせるという観点からの本発明の化粧方法及び皮膚外用剤の好適な実施態様としては、
(1)本発明の皮膚外用剤、日焼け止め化粧料、下地化粧料の順に皮膚に適用し、その後、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、白粉等のメーキャップ化粧料を適用する態様;
(2)本発明の皮膚外用剤、日焼け止め化粧料の順に皮膚に適用し、その後、必要によりファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、白粉等のメーキャップ化粧料を適用する態様;
等の実施態様が挙げられる。詳細には、
(3)化粧水・乳液・美容液等の基礎化粧料を適用後、本発明の皮膚外用剤、日焼け止め化粧料、下地化粧料の順に皮膚に適用し、その後、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、白粉等のメーキャップ化粧料を適用する態様;
(4)化粧水・乳液・美容液等の基礎化粧料を適用後、本発明の皮膚外用剤、日焼け止め化粧料の順に皮膚に適用し、その後、必要によりファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、白粉等のメーキャップ化粧料を適用する態様;
等の実施態様が、より詳細には、
(5)化粧水を適用後、本発明の皮膚外用剤、日焼け止め化粧料、下地化粧料の順に皮膚に適用し、その後、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、白粉等のメーキャップ化粧料を適用する態様;
(6)化粧水を適用後、本発明の皮膚外用剤、日焼け止め化粧料の順に皮膚に適用し、その後、必要によりファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、白粉等のメーキャップ化粧料を適用する態様;
(7)化粧水に続いて乳液及び/又は美容液を適用後、本発明の皮膚外用剤、日焼け止め化粧料、下地化粧料の順に皮膚に適用し、その後、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、白粉等のメーキャップ化粧料を適用する態様;
(8)化粧水に続いて乳液及び/又は美容液を適用後、本発明の皮膚外用剤、日焼け止め化粧料の順に皮膚に適用し、その後、必要によりファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、白粉等のメーキャップ化粧料を適用する態様;
等の実施態様が挙げられる。
【0048】
通常、日焼け止め化粧料には、紫外線吸収剤と紫外線散乱剤が配合されるが、紫外線吸収剤の中には皮膚を刺激し、かぶれ等の炎症の原因となるものもあり、また、紫外線散乱剤は粉体であるため、均一に皮膚に塗布しづらい。
本発明の化粧方法及び皮膚外用剤の実施態様(1)〜(8)によれば、日焼け止め化粧料を適用する前に本発明の皮膚外用剤を皮膚に適用することで、直接紫外線吸収剤を皮膚に適用することがないため、紫外線吸収剤による刺激や炎症などが軽減できるという効果も奏する。さらには、本発明の皮膚外用剤に含有される皮膜形成剤によって皮膚の凹凸が補正できるので、本発明の皮膚外用剤の適用後に日焼け止め化粧料を皮膚に適用することにより、日焼け止め化粧料を均一に皮膚に適用しやすくなるという効果も奏する。
【0049】
メーキャップ化粧料を皮膚に均一に適用した後の日常の外的要因(汗、水、摩擦等)により生じるヨレやムラを抑制するという観点からの本発明の化粧方法及び皮膚外用剤の好適な実施態様としては、上記(1)〜(8)の実施態様に加えて、
(9)本発明の皮膚外用剤、下地化粧料の順に皮膚に適用し、その後、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、白粉等のメーキャップ化粧料を適用する態様;
(10)本発明の皮膚外用剤を皮膚に適用し、その後、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、白粉等のメーキャップ化粧料を適用する態様;
等の実施態様が挙げられる。詳細には、
(11)化粧水・乳液・美容液等の基礎化粧料を適用後、本発明の皮膚外用剤、下地化粧料の順に皮膚に適用し、その後、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、白粉等のメーキャップ化粧料を適用する態様;
(12)化粧水・乳液・美容液等の基礎化粧料を適用後、本発明の皮膚外用剤を皮膚に適用し、その後、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、白粉等のメーキャップ化粧料を適用する態様;
等の実施態様が、より詳細には、
(13)化粧水を適用後、本発明の皮膚外用剤を皮膚に適用し、その後、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、白粉等のメーキャップ化粧料を適用する態様;
(14)化粧水を適用後、本発明の皮膚外用剤、下地化粧料の順に皮膚に適用し、その後、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、白粉等のメーキャップ化粧料を適用する態様;
(15)化粧水に続いて乳液及び/又は美容液を適用後、本発明の皮膚外用剤を皮膚に適用し、その後、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、白粉等のメーキャップ化粧料を適用する態様;
(16)化粧水に続いて乳液及び/又は美容液を適用後、本発明の皮膚外用剤、下地化粧料の順に皮膚に適用し、その後、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、白粉等のメーキャップ化粧料を適用する態様;
等の実施態様も挙げられる。
【0050】
本発明の洗浄性向上方法としては、上記本発明の化粧方法及び皮膚外用剤と同様の実施態様が挙げられる。
通常、日焼け止め化粧料には耐水性・耐汗性が要求されるため、皮膜形成能の高い皮膜形成剤が配合されるが、それに伴い、日焼け止め化粧料を洗い流す際に、洗浄力の高い専用の洗浄剤やクレンジング剤が必要である場合が多い。さらに、日焼け止め化粧料に配合される紫外線吸収剤の中には皮膚を刺激し、かぶれ等の炎症の原因となるものもあり、日焼け止め化粧料の使用後は完全に洗い流すことが重要である。さらにまた、メーキャップ化粧料においても耐水性・耐汗性が要求されるものがあり、そのような化粧料にも日焼け止め化粧料の場合と同様に皮膜形成能の高い皮膜形成剤が配合されるが、それに伴い、当該化粧料を洗い流す際に、洗浄力の高い専用の洗浄剤やクレンジング剤が必要となる場合がある。
しかしながら、洗浄力の高い専用の洗浄剤やクレンジング剤は、皮膚にダメージを与えるものも多く、敏感肌や、肌の弱い乳幼児、子供の肌には適用しづらかった。上記(1)〜(16)の実施態様と同様の実施態様で示される本発明の洗浄性向上方法によれば、このような専用の洗浄剤やクレンジング剤を使用しなくても、十分に洗浄が可能であるため、本発明の洗浄性向上方法は、敏感肌や乳幼児、子供の肌への日焼け止め化粧料の適用時に特に好適に使用される。
【0051】
本発明の化粧方法及び皮膚外用剤の実施態様として例示した態様(1)〜(16)のうち、より好ましいのは、態様(1)及び(2)(より詳細には(3)〜(8))である。
【0052】
本発明の皮膚外用剤が油中水型の皮膚外用剤である場合、本発明の皮膚外用剤とその後に適用される化粧料(a)との相溶性の観点から、化粧料(a)は、油中水型の化粧料であることが好適である。
【0053】
本発明の、化粧方法、洗浄性向上方法及び皮膚外用剤の実施態様としては、例えば、本発明の皮膚外用剤と、化粧料(a)をセットにした商品;本発明の皮膚外用剤や、化粧料(a)等に本発明の化粧方法・洗浄性向上方法の具体的な態様(上記の態様(1)〜(16)の何れか若しくは全て)を明記したもの;等をも包含する。
【実施例】
【0054】
以下に、本発明を実施例及び試験例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例等に限定されるものではない。なお、下記の各処方において%とは、特に言及しない限り、質量(W/W)%を意味するものとする。
【0055】
実施例1
表1に示す原料のうち、(1)〜(17)を混合し、70℃に加温した(A相)。別途(18)〜(24)を混合し、70℃に加温し、A相に少しずつ加えながらホモジナイザーを用い乳化した後、室温まで冷却攪拌を行うことにより、実施例1〜6の皮膚外用剤を得た。
【0056】
【表1】

【0057】
試験例1(洗浄試験1)
5cm×5cmの人工皮革に以下に示す各製剤をそれぞれ30μlずつ、以下の表2に示す順序で塗布した。例えば、試験1では(A1)製剤を塗布後、(E)ファンデーションを塗布したことを示す。その後、クレンジング剤(商品名:ビオレメイクとろけるリキッド、花王(株)製)を約0.3gのせ、15回往復洗浄した後20秒間流水で流し、以下の評価基準に従って、洗浄性を評価した。評価結果を表2に、洗浄後の人工皮革の写真を図1に示す。
【0058】
被験製剤
(A1)実施例1(W/O型製剤)
(B)乳液(成分:水、BG、DPG、スクワラン、グリセリン、オリーブ油、ヒアルロン酸Na、カルボマー、ジメチコン、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸ソルビタン、ステアロイルグルタミン酸、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ベヘニルアルコール、ポリソルベート80、水酸化Na、水添パーム油、メチルパラベン、コーセーコスメポート(株)製、O/W製剤)
(C1)下地化粧料(成分:水、シクロメチコン、BG、ジメチコン、ポリメチルシルセスキオキサン、ラウロアンホ酢酸Na、キャンデリラロウ、塩化Na、キサンタンガム、ラベンダー油、ヒアルロン酸Na、イソステアリン酸、パラフィン、アルミナ、セルロースガム、ジステアリルジモニウムクロリド、メチコン、マイクロクリスタリンワックス、イソプロイパノール、テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサン、テトラデセン、フェノキシエタノール、デヒドロ酢酸Na、酸化チタン、酸化鉄、(酸化鉄/酸化チタン)焼結物、資生堂(株)製、O/W製剤、非球状粉体を含有する)
(C2)下地化粧料(成分:水、シクロメチコン、グリセリン、DPG、ジメチコン、(ジメチコン/ビニルジメチコン/メチコン)クロスポリマー、ジメチコンコポリオール、グルタミン酸Na、ヒアルロン酸Na、EDTA-3Na、トコフェロール、テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサン、テトラデセン、フェノキシエタノール、(酸化鉄/酸化チタン)焼結物、酸化鉄、資生堂(株)製、W/O製剤、皮膜形成剤を含有せず、かつ非球状粉体を含有する)
(D)日焼け止め化粧料(商品名:オレゾパーフェクトディフェンスUV、ロート製薬(株)製)
(E)ファンデーション(商品名:プロメディアル トリートメントファンデーションUV、ロート製薬(株)製)
【0059】
評価基準
以下の評価基準により、目視にて評価した。
◎:人工皮革の溝部分及び表面のいずれにも残存なし
○:人工皮革の溝部分及び表面のいずれかに少し残存あり
△:人工皮革の溝部分及び表面のいずれかに残存あり
×:人工皮革の溝部分及び表面のいずれにも残存あり
【0060】
【表2】

【0061】
(A1)を塗布後、(E)を塗布した場合(試験1)と、(A1)の代わりに(B)、(C1)又は(C2)を塗布した場合(試験3、7、11)の洗浄性を比較すると、試験1では洗浄後の人工皮革の表面及び溝部分にファンデーションが残存していなかったが、試験3、7、11は洗浄後の人工皮革の表面及び溝部分のいずれか若しくは両方に多くのファンデーションの残存が認められた。(A1)、(B)、(C1)、(C2)を塗布後、さらに日焼け止め化粧料(D)、ファンデーション(E)を塗布した場合(試験2と試験4、8、12)においても、同様の傾向が認められた。
特に洗浄性の劣っていた試験3、4において、(B)の塗布後、(E)又は(D)の塗布前に(A1)を塗布することにより(試験5、6)、洗浄性(クレンジング性)が向上することが認められた。
さらに、同様に洗浄性の劣っていた試験7、8において、(C1)の塗布前に(A1)を塗布することにより(試験9、10)、洗浄性(クレンジング性)が向上することも認められた。
【0062】
このように、本発明の皮膚外用剤を最初に塗布することにより、洗浄性(クレンジング性)が向上するため、本発明の化粧方法及び皮膚外用剤は有用である。
【0063】
試験例2(洗浄試験1)
上腕内側(1.5cm×1.5cm)に以下に示す各製剤を以下の表3に示す順序で、それぞれ塗布した。その後、クレンジング剤(商品名:ビオレメイクとろけるリキッド、花王(株)製)を約0.3gのせ、20回往復洗浄した後20秒間流水で流し、以下の評価基準に従って、洗浄性を評価した。洗浄前後の上腕内側の写真を図2に示す。
【0064】
被験製剤
(A1)実施例1(W/O型製剤)
(A2)実施例5(W/O型製剤)
(C2)下地化粧料(成分:水、シクロメチコン、グリセリン、DPG、ジメチコン、(ジメチコン/ビニルジメチコン/メチコン)クロスポリマー、ジメチコンコポリオール、グルタミン酸Na、ヒアルロン酸Na、EDTA-3Na、トコフェロール、テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサン、テトラデセン、フェノキシエタノール、(酸化鉄/酸化チタン)焼結物、酸化鉄、資生堂(株)製、W/O製剤、皮膜形成剤を含有せず、かつ非球状粉体を含有する)
(C3)下地化粧料(成分:水、シクロメチコン、エタノール、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、トリメチルシロキシケイ酸、ヒアルロン酸Na、グリセリン、水酸化Al、イソステアリン酸、ジステアリン酸Al、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、メチコン、EDTA-3Na、トコフェロール、テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサン、テトラデセン、BHT、フェノキシエタノール、金雲母、酸化チタン、(酸化鉄/酸化チタン)焼結物、、合成金雲母、酸化鉄、資生堂(株)製、W/O製剤、非球状粉体を含有する)
(F1)水性アイライナー(成分名:水、BG、アクリル酸アルキルコポリマーアンモニウム、アクリル酸アルキルコポリマー、キサンタンガム、AMP、EDTA-2Na、フェノキシエタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、酸化鉄、資生堂(株)製)
(F2)油性アイライナー(成分:水添ポリイソブテン、タルク、酸化鉄、(パルミチン酸/オクタン酸)デキストリン、ポリエチレン、ジステアルジモニウムヘクトライト、ジステアリン酸Al、チューベロース多糖体、トコフェロール、エタノール、水、イソステアリン酸ソルビタン、シリカ、常盤薬品工業(株))
【0065】
評価基準
以下の評価基準により、目視にて評価した。
◎:上腕内部に残存なし
○:上腕内部にほぼ残存なし
△:上腕内部に少し残存あり
×:上腕内部に残存あり
【0066】
【表3】

【0067】
直接皮膚にアイライナーを塗布したり(試験1、6)、下地化粧料である(C2)や(C3)を塗布後にアイライナーを塗布した場合(試験4、5、9、10)と比較して、本発明の皮膚外用剤((A1)、(A2))を最初に塗布し、続いてアイライナーを塗布した場合(試験2、3、7、8)、アイライナーを完全に、又はほぼ洗浄できた。
特に、洗浄しづらく専用の洗浄剤(クレンジング剤)を必要とすることが多いウォータープルーフタイプの(F2)において(試験6〜10)、直接塗布したり、(C2)、(C3)を先に塗布した場合、ほとんど洗浄できなかったのに対して、本発明の皮膚外用剤を最初に塗布することで、ほぼ洗浄することができており、本発明の洗浄性向上効果が顕著に認められた。
【0068】
このように、本発明の皮膚外用剤を最初に塗布することにより、洗浄性(クレンジング性)が向上するため、本発明の化粧方法及び皮膚外用剤は有用である。
【0069】
試験例3(ファンデーションのヨレ試験)
5cm×5cmの人工皮革に以下に示す各製剤をそれぞれ30μlずつ、以下の表4に示す順序で塗布した。その後、同じ力で上下左右に10回伸縮させて、ファンデーションがフィットした状態からの変化を観察した。伸縮前後の人工皮革の写真を図3(下記試験1〜5)、図4(下記試験6〜10)及び図5(下記試験11〜14)に示す。
【0070】
被験製剤
(A1)実施例1(W/O型製剤)
(A2)実施例5(W/O型製剤)
(A3)実施例6(W/O型製剤)
(B)乳液(成分:水、BG、DPG、スクワラン、グリセリン、オリーブ油、ヒアルロン酸Na、カルボマー、ジメチコン、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸ソルビタン、ステアロイルグルタミン酸、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ベヘニルアルコール、ポリソルベート80、水酸化Na、水添パーム油、メチルパラベン、コーセーコスメポート(株)製、O/W製剤)
(C2)下地化粧料(成分:水、シクロメチコン、グリセリン、DPG、ジメチコン、(ジメチコン/ビニルジメチコン/メチコン)クロスポリマー、ジメチコンコポリオール、グルタミン酸Na、ヒアルロン酸Na、EDTA-3Na、トコフェロール、テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサン、テトラデセン、フェノキシエタノール、(酸化鉄/酸化チタン)焼結物、酸化鉄、資生堂(株)製、W/O製剤、皮膜形成剤を含有せず、かつ非球状粉体を含有する)
(C3)下地化粧料(成分:水、シクロメチコン、エタノール、(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー、PEG-9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン、トリメチルシロキシケイ酸、ヒアルロン酸Na、グリセリン、水酸化Al、イソステアリン酸、ジステアリン酸Al、メトキシケイヒ酸エチルヘキシル、メチコン、EDTA-3Na、トコフェロール、テトラヒドロテトラメチルシクロテトラシロキサン、テトラデセン、BHT、フェノキシエタノール、金雲母、酸化チタン、(酸化鉄/酸化チタン)焼結物、、合成金雲母、酸化鉄、資生堂(株)製、W/O製剤、非球状粉体を含有する)
(D)日焼け止め化粧料(商品名:オレゾパーフェクトディフェンスUV、ロート製薬(株)製)
(E)ファンデーション(商品名:プロメディアル トリートメントファンデーションUV、ロート製薬(株)製)
【0071】
【表4】

【0072】
最初に(B)を塗布した場合(試験2)は、伸縮前からファンデーションのムラが多く、伸縮後はファンデーションの表面のムラの度合いが増し、さらに溝にファンデーションがたまってヨレも生じた。しかしながら、最初に(A1)を塗布した場合(試験1)は、伸縮前においてファンデーションのムラは認められず、さらに伸縮後においても溝にファンデーションがたまることもなくヨレはほとんど認められなかった。
【0073】
また、通常ファンデーションを塗布する前に下地化粧料が使用される。この塗布順序に則して(C2)若しくは(C3)に続いてファンデーションを塗布した場合(試験3、10)、伸縮前はファンデーションのムラは認められなかったものの、伸縮後はファンデーションが溝にたまりヨレが認められた。(C2)若しくは(C3)の塗布前に(B)を塗布した場合(試験5、14)、伸縮前からファンデーションのムラが多く、伸縮後はファンデーションの表面のムラの度合いが増し、さらに溝にファンデーションがたまってヨレも生じた。一方、(C2)の塗布前に(A1)を塗布した場合(試験4)、伸縮前においてファンデーションのムラは認められず、さらに伸縮後においても溝にファンデーションがたまることもなくヨレはほとんど認められなかった。
【0074】
通常の下地化粧料としての使用方法である、ファンデーションの塗布前に本発明の皮膚外用剤((A1)〜(A3))を塗布した場合においても(試験7〜9、11〜13)、伸縮前においてファンデーションのムラは認められず、さらに伸縮後においても溝にファンデーションがたまることもなくヨレはほとんど認められなかった。一般的な下地化粧料((C2)、(C3))を使用した場合(試験3、5、10、14)と比較しても、本発明の皮膚外用剤はファンデーションのムラ、ヨレに対して優れた抑制効果を示した。
【0075】
このように、本発明の皮膚外用剤を最初に塗布することにより、ファンデーションのムラ、ヨレを抑制することができるため、本発明の化粧方法及び皮膚外用剤は有用である。
【0076】
試験例4(耐水性試験)
石英ガラスプレートに、各製剤をそれぞれ30μlずつ、以下の表5に示す順序で塗布し、水中に3分間浸漬後、振とうさせた前後で、UV-B、UV-Aの波長領域である290nm〜400nmの紫外線を用いて、それぞれの紫外線透過率を測定した。結果を図6に示す。
【0077】
被験製剤
(A1)実施例1(W/O型製剤)
(B)乳液(成分:水、BG、DPG、スクワラン、グリセリン、オリーブ油、ヒアルロン酸Na、カルボマー、ジメチコン、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸ソルビタン、ステアロイルグルタミン酸、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ベヘニルアルコール、ポリソルベート80、水酸化Na、水添パーム油、メチルパラベン、コーセーコスメポート(株)製、O/W製剤)
(D)日焼け止め化粧料(商品名:オレゾパーフェクトディフェンスUV、ロート製薬(株)製)
【0078】
【表5】

【0079】
(A1)を使用せず、(B)の後にすぐ日焼け止め化粧料(D)を塗布した場合(試験1)は、水に浸漬した前後での紫外線透過率の差が一番大きく、日焼け止め化粧料(D)がほとんど残存していないことが認められた。
一方、(D)の前に(A1)を塗布した場合(試験2及び3)、水に浸漬した後においても、紫外線透過率の差もほとんど認められず、従って日焼け止め化粧料は残存しているといえる。
このように、皮膜形成剤を含有する皮膚外用剤を日焼け止め化粧料の前に塗布することにより、日焼け止め化粧料の耐水性を向上できるので、本発明の化粧方法及び皮膚外用剤は有用である。
【0080】
試験例5(耐汗性試験)
成人男性3名の上腕内部に、各製剤をそれぞれ30μlずつ、以下の表6に示す順序で塗布し、塗布直後、40℃75RH%の恒温恒湿室にて30分間馴致後、及び流水で20秒間洗浄後での状態変化を目視にて観察した。結果を図7に示す。
【0081】
被験製剤
(A1)実施例1(W/O型製剤)
(B)乳液(成分:水、BG、DPG、スクワラン、グリセリン、オリーブ油、ヒアルロン酸Na、カルボマー、ジメチコン、ステアリン酸グリセリル、ステアリン酸ソルビタン、ステアロイルグルタミン酸、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ベヘニルアルコール、ポリソルベート80、水酸化Na、水添パーム油、メチルパラベン、コーセーコスメポート(株)製、O/W製剤)
(D’)油溶性色素配合日焼け止め化粧料(商品名:オレゾパーフェクトディフェンスUV、ロート製薬(株)製)
【0082】
【表6】

【0083】
(B)の塗布後に日焼け止め化粧料(D)を塗布した場合(試験1)と比較して、先に(A1)をした場合(試験2)の方が汗による流れ落ちが少なく、日焼け止め化粧料(D)を塗布する前に(A1)を使用することにより、日焼け止め化粧料の耐汗性を向上できるので、本発明の化粧方法及び皮膚外用剤は有用である。
【0084】
以下に製剤実施例を挙げるが、本発明はこれらの実施例に限られるものではない。
【0085】
処方例1 ローション
A相
シクロペンタシロキサン 28%
PEG−10ジメチコン 1.5%
ジステアルジモニウムヘクトライト 0.5%
(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー 0.5%
B相
1,3−ブチレングリコール 10%
アルブチン 3%
クエン酸ナトリウム 0.15%
水 残量
100.0%
【0086】
A相、B相それぞれ攪拌して均一にする。A相にB相を加えながら、ホモジナイザーを用いて乳化を行う。
【0087】
処方例2 美容液
A相
シクロペンタシロキサン 24%
PEG−10ジメチコン 2%
ジステアルジモニウムヘクトライト 0.7%
メチルポリシロキサン 3%
ベヘニルアルコール 0.4%
スクワラン 2%
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 1%
(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー 2%
B相
1,3−ブチレングリコール 10%
濃グリセリン 10%
アラントイン 0.5%
ソルビトール 25%
水 残量
100.0%
【0088】
A相、B相共に70℃まで加熱する。A相にB相を加えながら、ホモジナイザーを用いて乳化を行い、室温まで、攪拌しながら冷却する。
【0089】
処方例3 クリーム
A相
シクロペンタシロキサン 25%
PEG−10ジメチコン 4%
ジステアルジモニウムヘクトライト 2%
メチルポリシロキサン 8%
トリエチルヘキサノイン 3%
ワセリン 2%
メドウフォーム油 3%
トリメチルシロキシケイ酸 1.5%
B相
濃グリセリン 8%
ジプロピレングリコール 2%
水 残量
100.0%
【0090】
A相、B相共に70℃まで加熱する。A相にB相を加えながら、ホモジナイザーを用いて乳化を行い、室温まで、攪拌しながら冷却する。
【0091】
処方例4 乳液
A相
シクロペンタシロキサン 30%
PEG−9ポリジメチルシロキシエチルジメチコン 4%
ジステアルジモニウムヘクトライト 2%
トリエチルヘキサノイン 3%
ポリメチルシルセスキオキサン 5%
メトキシケイヒ酸エチルヘキシル 8%
(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー 1%
B相
1,3−ブチレングリコール 10%
水 残量
100.0%
【0092】
A相、B相共に70℃まで加熱する。A相にB相を加えながら、ホモジナイザーを用いて乳化を行い、室温まで、攪拌しながら冷却する。
【図面の簡単な説明】
【0093】
【図1】洗浄試験の結果を示す、洗浄後の人工皮革の写真図である(試験例1)。
【図2】洗浄試験の結果を示す、洗浄前後の上腕内側の写真図である(試験例2)。
【図3】ファンデーションのヨレ試験の結果を示す、伸縮前後の人工皮革の写真図である(試験例3の試験1〜5)。
【図4】ファンデーションのヨレ試験の結果を示す、伸縮前後の人工皮革の写真図である(試験例3の試験6〜10)。
【図5】ファンデーションのヨレ試験の結果を示す、伸縮前後の人工皮革の写真図である(試験例3の試験11〜14)。
【図6】耐水性試験の結果を示す図である(試験例4)。
【図7】耐汗性試験の結果を示す写真図である(試験例5)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膜形成剤を含有する皮膚外用剤を皮膚に適用後、日焼け止め化粧料、下地化粧料、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、及び白粉からなる群より選択される1種以上の化粧料を皮膚に適用することを特徴とする化粧方法。
【請求項2】
皮膜形成剤を含有する皮膚外用剤を皮膚に適用後、日焼け止め化粧料を皮膚に適用することを特徴とする化粧方法。
【請求項3】
皮膜形成剤を含有する皮膚外用剤を皮膚に適用後、日焼け止め化粧料を皮膚に適用し、その後、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、及び白粉からなる群より選択される1種以上の化粧料を皮膚に適用することを特徴とする化粧方法。
【請求項4】
皮膜形成剤を含有する皮膚外用剤を皮膚に適用後、日焼け止め化粧料、下地化粧料の順に皮膚に適用し、その後、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、及び白粉からなる群より選択される1種以上の化粧料を皮膚に適用することを特徴とする化粧方法。
【請求項5】
皮膚外用剤が、油中水型である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の化粧方法。
【請求項6】
皮膚外用剤が、揮発性油分を含有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の化粧方法。
【請求項7】
皮膚外用剤が、非球状粉体を実質的に含有しない、請求項1〜6のいずれか一項に記載の化粧方法。
【請求項8】
皮膜形成剤が、シリコン系皮膜形成剤、及びフッ素系皮膜形成剤からなる群より選択される1種以上である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化粧方法。
【請求項9】
皮膜形成剤が、(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー、フェニルプロピルジメチルシロキシケイ酸、トリメチルシロキシケイ酸、ポリプロピルシルセスキオキサン、及びトリフルオロアルキルジメチルシロキシトリメチルシロキシケイ酸からなる群より選択される1種以上である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の化粧方法。
【請求項10】
皮膜形成剤を含有する皮膚外用剤を皮膚に適用後、日焼け止め化粧料、下地化粧料、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、及び白粉からなる群より選択される1種以上の化粧料を皮膚に適用することを特徴とする、前記化粧料の洗浄性向上方法。
【請求項11】
皮膚外用剤が、油中水型である、請求項10に記載の洗浄性向上方法。
【請求項12】
皮膚外用剤が、揮発性油分を含有する、請求項10又は11に記載の洗浄性向上方法。
【請求項13】
皮膚外用剤が、非球状粉体を実質的に含有しない、請求項10〜12のいずれか一項に記載の洗浄性向上方法。
【請求項14】
皮膜形成剤が、シリコン系皮膜形成剤、及びフッ素系皮膜形成剤からなる群より選択される1種以上である、請求項10〜13のいずれか一項に記載の洗浄性向上方法。
【請求項15】
皮膜形成剤が、(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー、フェニルプロピルジメチルシロキシケイ酸、トリメチルシロキシケイ酸、ポリプロピルシルセスキオキサン、及びトリフルオロアルキルジメチルシロキシトリメチルシロキシケイ酸からなる群より選択される1種以上である、請求項10〜13のいずれか一項に記載の洗浄性向上方法。
【請求項16】
日焼け止め化粧料、下地化粧料、ファンデーション、眉墨、アイライナー、アイシャドウ、頬紅、及び白粉からなる群より選択される1種以上の化粧料を皮膚に適用する前に適用するための、皮膜形成剤を含有する皮膚外用剤。
【請求項17】
油中水型である、請求項16に記載の皮膚外用剤。
【請求項18】
揮発性油分を含有する、請求項16又は17に記載の皮膚外用剤。
【請求項19】
非球状粉体を実質的に含有しない、請求項16〜18のいずれか一項に記載の皮膚外用剤。
【請求項20】
皮膜形成剤が、シリコン系皮膜形成剤、及びフッ素系皮膜形成剤からなる群より選択される1種以上である、請求項16〜19のいずれか一項に記載の皮膚外用剤。
【請求項21】
皮膜形成剤が、(アクリレーツ/メタクリル酸ポリトリメチルシロキシ)コポリマー、(アクリル酸アルキル/ジメチコン)コポリマー、フェニルプロピルジメチルシロキシケイ酸、トリメチルシロキシケイ酸、ポリプロピルシルセスキオキサン、及びトリフルオロアルキルジメチルシロキシトリメチルシロキシケイ酸からなる群より選択される1種以上である、請求項16〜19のいずれか一項に記載の皮膚外用剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−173653(P2009−173653A)
【公開日】平成21年8月6日(2009.8.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−335204(P2008−335204)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【出願人】(000115991)ロート製薬株式会社 (366)
【Fターム(参考)】