説明

化粧用シート、情報読取装置、肌状態診断装置、情報読取方法、肌状態診断方法、情報読取プログラム、および肌状態診断プログラム

【課題】皮膚の分泌物の成分に関する情報を可視化でき、この可視化した情報を使用者が目で見て楽しむことができる意匠性の高い化粧用シートを提供する。また、化粧用シートに含まれる情報に基づいて、分泌物の成分や肌に関するより詳細な情報を迅速かつ容易に取得可能にする。
【解決手段】分泌物中の脂分を吸収する吸脂層を透過した分泌物の成分と呈色反応を起こす薬剤を有する反応層を配置する際、内部の薬剤が吸脂層を透過した分泌物の成分と反応することによって有意な模様を形成するように配置する。また、その有意な模様を読み取る情報読取装置が、分泌物情報と肌状態情報とを対応付けて記憶する肌状態診断装置に対し、化粧用シートから読み取った有意な模様に含まれる情報を通信ネットワークを介して送信する。肌状態診断装置では、受信した情報に含まれる分泌物情報に基づいて抽出した肌状態情報を情報読取装置に送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、顔の表面に浮き出た皮膚からの分泌物を拭き取る化粧用シートに関するとともに、この化粧用シートに記録または形成される分泌物の情報を用いて肌状態の診断を行う情報読取装置、肌状態診断装置、情報読取方法、肌状態診断方法、情報読取プログラム、および肌状態診断プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、人間の皮膚から分泌される成分をチェックする技術として、所定の分泌物成分を検出するチェック物質を紙状媒体に塗布または貼付する技術が開示されている。(例えば、特許文献1を参照)。この技術では、紙状媒体上のチェック物質と皮膚からの分泌物成分とが反応して変色等を生じることにより、分泌物成分の情報を可視化している。
【0003】
【特許文献1】特開2003−43930号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した従来技術によれば、皮膚からの分泌物の中に所定のチェック物質と反応する成分が含まれているかどうかを判別することはできるが、その成分に関するより詳細な情報を得ることはできなかった。
【0005】
また、紙状媒体の上にはチェック物質が単に並べて塗布または貼付されているだけで意匠性に乏しく、使用者は色の変化を視覚的に認識するだけであった。この意味で、より意匠性に富み、使用者が可視化された情報を目で見て楽しむことができるような技術が待望されていた。
【0006】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであり、拭き取った皮膚の分泌物の成分に関する情報を可視化できる上、その可視化した情報を使用者が目で見て楽しむことができる意匠性の高い化粧用シートを提供することを目的とする。
【0007】
また、本発明は、上記化粧用シートに含まれる情報に基づいて、分泌物の成分に関するより詳細な情報や肌状態に関する情報を迅速かつ容易に取得することを可能にする情報読取装置、肌状態診断装置、情報読取方法、肌状態診断方法、情報読取プログラム、および肌状態診断プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、請求項1記載の発明は、皮膚からの分泌物を拭き取る化粧用シートであって、拭き取った分泌物中の脂分を吸収する吸脂層と、この吸脂層を透過した分泌物の成分と呈色反応を起こす薬剤を有する反応層とを備え、前記反応層は、内部の薬剤が前記吸脂層を透過した分泌物の成分と呈色反応を起こすことによって当該呈色反応に関連する情報を視覚的に表現する有意な模様を形成するように配置されて成ることを特徴とする。
【0009】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記反応層は、所定の基材の表面に薬剤が塗布されて成ることを特徴とする。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記反応層は、撥水性を有するメッシュ素材の隙間に液状の薬剤が注入されて成ることを特徴とする。
【0011】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか一項記載の発明において、前記有意な模様は、当該化粧用シートおよび前記皮膚からの分泌物に関する情報を、文字、記号、および当該有意な模様を形成する薬剤の光学的特性のうち少なくとも一つを用いることによってコード化した情報コードを含むことを特徴とする。
【0012】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明において、前記情報コードは1次元バーコードまたは2次元コードであることを特徴とする。
【0013】
請求項6記載の発明は、請求項記載の1〜5のいずれか一項記載の発明において、前記薬剤は、酸塩基指示薬、リトマス試薬、乾湿指示薬、および酸化還元指示薬のうち少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする。
【0014】
請求項7記載の発明に係る情報読取装置は、請求項1〜6のいずれか一項記載の化粧用シートに記録される有意な模様を読み取る読取手段と、当該装置に通信ネットワークを介して接続され、皮膚からの分泌物情報を用いて肌状態の診断を行う肌状態診断装置に対し、前記読取手段で読み取った有意な模様に含まれる情報を送信する送信手段と、前記送信手段で送信した情報に応じて前記肌状態診断装置から送信されてくる肌状態の診断結果を受信する受信手段と、前記受信手段で受信した肌状態の診断結果を出力する出力手段と、を備えたことを特徴とする。
【0015】
請求項8記載の発明に係る肌状態診断装置は、請求項1〜6のいずれか一項記載の化粧用シートに記録される有意な模様を読み取る情報読取装置から通信ネットワークを介して送信されてくる情報を受信する受信手段と、皮膚からの分泌物に応じた肌状態の情報を少なくとも記憶する記憶手段と、前記受信手段で受信した情報に含まれる皮膚からの分泌物情報に対応する肌状態の情報を前記記憶手段から抽出する抽出手段と、前記抽出手段で抽出した肌状態の情報を前記情報読取装置に送信する送信手段と、を備えたことを特徴とする。
【0016】
請求項9記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項記載の化粧用シートに記録される情報を読み取る情報読取装置が行う情報読取方法であって、前記化粧用シートに記録される有意な模様を読み取る読取ステップと、当該情報読取装置に通信ネットワークを介して接続され、皮膚からの分泌物情報を用いて肌状態の診断を行う肌状態診断装置に対し、前記読取ステップで読み取った有意な模様に含まれる情報を送信する送信ステップと、前記送信ステップで送信した情報に応じて前記肌状態診断装置から送信されてくる肌状態の診断結果を受信する受信ステップと、前記受信ステップで受信した肌状態の診断結果を出力する出力ステップと、を有することを特徴とする。
【0017】
請求項10記載の発明は、皮膚からの分泌物に応じた肌状態の情報を少なくとも記憶する記憶手段を備えた肌状態診断装置が行う肌状態診断方法であって、請求項1〜6のいずれか一項記載の化粧用シートに記録される有意な模様を読み取る情報読取装置から通信ネットワークを介して送信されてくる情報を受信する受信ステップと、前記受信ステップで受信した情報に含まれる皮膚からの分泌物情報に対応する肌状態の情報を前記記憶手段から抽出する抽出ステップと、前記抽出ステップで抽出した肌状態の情報を前記情報読取装置に送信する送信ステップと、を有することを特徴とする。
【0018】
請求項11記載の発明に係る情報読取プログラムは、請求項1〜6のいずれか一項記載の化粧用シートに記録される情報を読み取るためにコンピュータを、前記化粧用シートに記録される有意な模様を読み取る読取手段、当該装置に通信ネットワークを介して接続され、皮膚からの分泌物情報を用いて肌状態の診断を行う肌状態診断装置に対し、前記読取手段で読み取った有意な模様に含まれる情報を送信する送信手段、前記送信手段で送信した情報に応じて前記肌状態診断装置から送信されてくる肌状態の診断結果を受信する受信手段、前記受信手段で受信した肌状態の診断結果を出力する出力手段、として機能させることを特徴とする。
【0019】
請求項12記載の発明に係る肌状態診断プログラムは、皮膚からの分泌物に応じて肌状態を診断するためにコンピュータを、請求項1〜6のいずれか一項記載の化粧用シートに記録される有意な模様を読み取る情報読取装置から通信ネットワークを介して送信されてくる情報を受信する受信手段、皮膚からの分泌物に応じた肌状態の情報を少なくとも記憶する記憶手段、前記受信手段で受信した情報に含まれる皮膚からの分泌物情報に対応する肌状態の情報を前記記憶手段から抽出する抽出手段、前記抽出手段で抽出した肌状態情報を前記情報読取装置に送信する送信手段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、拭き取った分泌物中の脂分を吸収する吸脂層と、この吸脂層を透過した分泌物の成分と呈色反応を起こす薬剤を有する反応層とを備え、前記反応層は、内部の薬剤が前記吸脂層を透過した分泌物の成分と呈色反応を起こすことによって当該呈色反応に関連する情報を視覚的に表現する有意な模様を形成するように配置されて成ることにより、拭き取った皮膚の分泌物の成分に関する情報を可視化できる上、その可視化した情報を目で見て楽しむことができる意匠性の高い化粧用シートを提供することができる。
【0021】
また、本発明によれば、当該化粧用シートが形成する有意な模様を読み取る情報読取装置が、その化粧用シートから読み取った有意な模様に含まれる情報を、皮膚からの分泌物情報を用いて肌状態の診断を行う肌状態診断装置に対して送信し、肌状態診断装置が、受信した情報に基づいて抽出した肌状態情報を情報読取装置に返信することにより、上記化粧用シートに含まれる情報に基づいて、分泌物の成分に関するより詳細な情報や肌状態に関する情報を迅速かつ容易に取得することが可能になる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0023】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係る化粧用シートの構成を示す説明図である。同図に示す化粧用シート1は、人間の顔面に浮き出る皮膚の分泌物を拭き取った際、その分泌物に含まれる皮脂の量、pH(水素イオン濃度)、および水分の保有具合(水分率)等の情報を有意な模様(形状および色を含む)として可視化して表示するものである。この化粧用シート1は、肌に直接触れて皮脂を取る脂取り紙の機能を有する吸脂層11と、この吸脂層11に積層される基材12とを備える。
【0024】
吸脂層11は、皮脂を吸収することによって透明化する素材から成る。このような素材として、脂分を吸着可能な多孔性物質である竹炭や各種木炭の粉末を含有させた和紙などを適用してもよいし、多孔性物質をフィルム状にしたものを適用してもよい。
【0025】
基材12は薄紙から成り、その表面のうち吸脂層11と接する側の表面には、分泌物の情報を可視化するための機構が設けられている。より具体的には、基材12の表面を格子状に区切る区画線13と、この区画線13で区切られた基材12の表面領域に所定の薬剤が塗布されて成る反応層14とが設けられる。区画線13は、インクジェットのような先端の細いノズルから撥水性インクを吐出することによって基材12の表面に印刷される。このため、各反応層14に塗布する薬剤は互いに他の反応層14に染み出さない。なお、基材12には吸脂層11と同じ素材を適用してもよい。
【0026】
吸脂層11と基材12は適当な接着剤によって接着するが、その際には少なくとも反応層14と吸脂層11との間に接着剤が介在しないようにして分泌物が反応層14に到達できるようにする。例えば、吸脂層11と基材12とを接着する接着剤として、油脂に溶解するが水分に侵されないような特性を有するものを適用し、この接着剤が吸脂層11と基材12の間に層を形成するようにしてもよい。この場合には、化粧用シート1の使用時または使用後に、分泌物に含まれる皮脂(油脂)が最初にその接着剤の層を溶解する。その後、接着剤の層が皮脂によって溶解された部分において、皮脂に含まれる水分やイオンが基材12上に設けられた反応層14に到達し、その部分で呈色反応が発生するようになる。
【0027】
上述した特性を有する接着剤を適用することにより、保存環境中に存在する水分(空気中の水分等)のみでは反応層14に到達することができないため、反応層14が化粧用シート1の使用前に呈色反応を起こしてしまうのを抑制することができる。したがって、この場合には、化粧用シート1の梱包を簡潔にするとともに、化粧用シート1の保存を容易にすることができる。
【0028】
図2は、基材12の表面における有意な模様の例として花模様15が形成された場合を示す図である。この花模様15の花弁部151を形成する反応層14と茎葉部152を形成する反応層14とでは塗布する薬剤が異なっている。このため花弁部151と茎葉部152は異なる色を発色している。このように各反応層14は、基材12の表面に有意な模様を可視化して形成するために、デジタル画像における画素の役割を果たしている。
【0029】
この実施の形態1では、花弁部151を形成する反応層14には酸塩基指示薬と塩基性物質を塗布し、分泌物との反応に応じたpHの変化に応じて花弁部151の色が変化するようにする。これに対して茎葉部152を形成する反応層14には水分が一定量を超えたときに変色するような乾湿指示薬や適当な酸塩基指示薬等の薬剤を塗布し、分泌物の水分保有量に応じて変色するようにする。したがって、花弁部151と茎葉部152の色の組み合わせにより、皮膚のpHと水分保有量とを可視化して表示することができる。
【0030】
以後、図2に示す状態を未使用時すなわち脂取りを行っていない状態とする。この未使用状態では吸脂層11が透明化していないため、化粧用シート1表面には基材12上の花模様15が現れず、使用者は花模様15を見ることができない。
【0031】
図3〜図5は、化粧用シート1を用いて顔面(鼻、頬、額など)の脂取りを行った後、化粧用シート1上で可視化される肌状態の表示例を模式的に示す説明図である。このうち図3は、花弁部151の色が初期状態(図2を参照)から変化したのに対し、茎葉部152の色は初期状態のままであった場合を示す図である。この図3に示す場合、花弁部151の色が変色することによって分泌物のpHが正常値(4.5〜6.5の弱酸性)よりも大きくアルカリ性であることがわかる。また、茎葉部152の方は初期状態から変色していないため、分泌物中の水分保有量が少なく乾燥していることもわかる。
【0032】
図4は、花弁部151の色は初期状態のままであったのに対し、茎葉部152の色が図2に示す初期状態から変化した場合を示す図である。この場合、花弁部151が変化しないことから分泌物のpH値は正常であることがわかる。また、茎葉部152が変色した結果、分泌物の水分保有量も正常値であることもわかる。
【0033】
なお、図3および図4は、基材12表面の模様が鮮明に見える程度に吸脂層11が透明化した場合を表している。すなわち、図3および図4に示す場合には、拭き取った皮膚に含まれる皮脂の量が適量に達していることがわかる。
【0034】
これに対して図5は、花模様15が鮮明に見えない場合を示している。これは吸脂層11における脂分の吸着が十分に行われなかった結果、吸脂層11が十分透明化しなかった場合を示している。したがってこの図5に示す状況になった場合、少なくとも肌の脂分が不足していることがわかる。
【0035】
ところで、上述した化粧用シート1で形成される有意な模様は花模様15だけなので、それ以外の箇所に反応層14を形成する必要はない。このため、花模様15を構成するのに必要な領域以外は撥水性インクを用いて基材12表面を印刷しても構わない。
【0036】
ここで、花弁部151を形成する反応層14に塗布する薬剤の具体例を示す。花弁部151のように肌のpHを検知する反応層14を設ける場合、正常な肌が弱酸性であることに鑑みて、pH4.0〜9.0に変色域を持つ酸塩基指示薬を塗布するが、特にpH6.0〜9.0に変色域をもつブロムチモールブルー、ニュートラルレッド、フェノールレッド、クレゾールレッド、m−クレゾールパープルなどが好ましい。この酸塩基指示薬とともに塗布する塩基性物質としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素カリウム、および炭酸水素ナトリウム(重曹)などの緩衝作用の弱い塩基性塩が好適である。なお、分泌物が単に酸性かアルカリ性かを判定する場合には、リトマス試薬を反応層14に塗布してもよい。
【0037】
以上説明した実施の形態1によれば、拭き取った分泌物中の脂分を吸着する吸脂層と、この吸脂層を透過した分泌物の成分と呈色反応する薬剤を有する反応層とを備え、前記反応層は、内部の薬剤が前記吸脂層を透過した分泌物の成分と呈色反応を起こすことによって当該呈色反応に関連する情報を視覚的に表現する有意な模様を形成するように配置されて成ることにより、拭き取った皮膚の分泌物の成分に関する情報を可視化できる上、その可視化した情報を目で見て楽しむことができる意匠性の高い化粧用シートを提供することができる。
【0038】
また、この実施の形態1によれば、その有意な模様が意匠性を持つことにより、使用者の購買意欲を向上させることもできる。
【0039】
なお、反応層には、適当な酸化剤または還元剤と酸化還元指示薬とを塗布してもよい。この場合には、分泌物中の水分に含まれるイオン等と酸化剤または還元剤との間で生じる酸化還元反応に応じた酸化還元電位の変化によって酸化還元指示薬が発色または変色するのを利用することにより、反応層が有意な模様を形成するように配置する。これにより、肌の老化の指標を数値として得ることができる。
【0040】
また、反応層に塗布する薬剤の種類を増やしたり、一つの反応層に異なる成分を検知可能な薬剤を塗布したりしてもよい。これにより、基材上に多様な模様を形成することが可能となる。
【0041】
ところで、以上の説明においては、吸脂層と基材とを積層して成る化粧用シートの場合を説明したが、基材のもう一方の表面(裏面)にも区画線と反応層を適宜設け、この裏面に吸脂層をさらに積層することによって化粧用シートを構成してもよい。この場合には、基材の表面と裏面とで反応層に塗布する薬剤や反応層の配置を変えることにより、一段と多くの分泌物の成分を検出することができる。
【0042】
また、基材の裏面側にはウェットティッシュなどを貼付してもよい。この場合、使用者は脂取りを行った後にそのウェットティッシュで皮膚表面を拭くことができるので、化粧用シート使用後に一段と爽快な感覚を味わうことができる。
【0043】
(実施の形態2)
図6は、本発明の実施の形態2に係る化粧用シートの構成を示す説明図である。同図に示す化粧用シート2は、吸脂層21および基材22の間に撥水性を有する素材から成るメッシュ層23が積層されて成る。このメッシュ層23の隙間には液状の薬剤がそれぞれ注入されて反応層24をなし、この反応層24が有意な模様を形成する。
【0044】
吸脂層21は、反応層24を形成する液状の薬剤を透過しない一方、分泌物のうち測定対象である成分を少なくとも透過する性質を備えた素材から成る。これに対して基材22は、表面が撥水性を有する素材であれば如何なるものであってもよく、吸脂層21と同じ素材でもよい。
【0045】
吸脂層21とメッシュ層23とを接着する接着剤として、油脂に溶解するが水分に侵されないような特性を有するものを適用し、この接着剤が吸脂層21とメッシュ層23の間に層を形成するようにしてもよい。この場合には、化粧用シート2の使用時または使用後に、分泌物に含まれる皮脂(油脂)が最初にその接着剤の層を溶解する。その後、接着剤の層が皮脂によって溶解された部分において、皮脂に含まれる水分やイオンがメッシュ層23の隙間に設けられた反応層24に到達し、その部分で呈色反応が発生するようになる。
【0046】
上述した特性を有する接着剤を適用することにより、保存環境中に存在する水分(空気中の水分等)のみでは反応層24に到達することができないため、反応層24が化粧用シート2の使用前に呈色反応を起こしてしまうのを抑制することができる。したがって、この場合には、化粧用シート2の梱包を簡潔にするとともに、化粧用シート2の保存を容易にすることができる。
【0047】
メッシュ層23の隙間に注入する液状の薬剤として、上記実施の形態1と同じ薬剤(酸塩基指示薬、アルカリ試薬、乾湿指示薬、酸化還元指示薬等)を適用することができる。なお、各反応層24を形成する薬剤同士は撥水性の素材で互いに分離されているので混合することはない。
【0048】
以上の構成を有する化粧用シート2を用いて使用者が顔面の脂取りを行った結果、化粧用シート2の表面に有意な模様を表示することによって肌の状態を可視化する点は上記実施の形態1と同じである。したがってこの実施の形態2によれば、上記実施の形態1と同様に、拭き取った皮膚の分泌物の成分に関する情報を可視化できる上、その可視化した情報を目で見て楽しむことができる意匠性の高い化粧用シートを提供することができる。
【0049】
また、この実施の形態2によれば、反応層内の薬剤は液体のままなので、分泌物との呈色反応が起こりやすくなり、脂取りを行った後に短時間で分泌物の成分を検知して表示することが可能となる。
【0050】
(実施の形態3)
図7は、本発明の実施の形態3に係る化粧用シートにおいて有意な模様の形成例を示す説明図である。同図に示す化粧用シート3の基材32は、皮脂を吸着する吸脂層31(図示せず)に貼付される。この基材32の吸脂層31と対向する側の表面には撥水性インクを用いて格子状をなす区画線33と、この区画線33によって区切られた領域に適当な薬剤を塗布して形成する反応層34とが設けられている。
【0051】
この化粧用シート3には、皮膚からの分泌物に応じて発現する有意な模様として、花弁部351と茎葉部352とから成る花模様35に加えて、所定の方式に従って光学的に読み取り可能な形態に情報をコード化した情報コードを記録する情報コード記録部36が反応層34を適宜配置することによって設けられている。
【0052】
図8は、化粧用シート3の使用前後の情報コード記録部36の表示状態の変化を模式的に示す説明図である。この図8に示す情報コード記録部36は2次元コードを記録しており、2次元コードを構成する要素(ドットまたはセル等)は、図8中の拡大図にも示すように各々別な反応層14によって形成されている。この情報コード記録部36は、化粧用シート3のロット番号や製造年月日等を含む化粧用シート3に固有の情報をコード化して記録する固有情報記録領域36aと、吸脂層31で拭き取った分泌物との呈色反応に応じて情報コードの模様が発現する分泌物情報記録領域36bとを有する。
【0053】
固有情報記録領域36aは予め印刷によって基材32上に設けられ、使用前から光学的に読取可能である。このように使用前から読取可能とするために、吸脂層31のうち固有情報記録領域36aの上部に来る部分だけは予め油分を吸着させて透明化しておく。なお、固有情報記録領域36a上部の吸脂層31を予め透明化する代わりに、固有情報記録領域36aに記録されている情報コードを吸脂層31に直接印刷してもよい。
【0054】
他方、分泌物情報記録領域36bでは、皮膚からの分泌物と各反応層14に塗布されている薬剤との間で起こる呈色反応に応じて有意な模様が発現する。この際に発現する模様のパターン形状を所定の情報コードのシンボロジー(シンボル体系)と一致するように分泌物情報記録領域36bをレイアウトしてもよい。
【0055】
図8に示す場合には、分泌物情報記録領域36bが使用前に何も発色していない状態(ブランク状態)にあるが、これはあくまでも一例に過ぎず、使用前から何らかの模様が形成されていて、それらの模様または模様をなす色が呈色反応後に変化するようにしてもよい。また、固有情報記録領域36aと分泌物情報記録領域36bの分割の仕方も図8に示す場合に限られるわけではない。
【0056】
次に、この実施の形態3に係る化粧用シート3を用いて肌の状態を診断する際の処理について説明する。図9は、上述した構成を有する化粧用シート3を用いて肌状態の診断を行う通信システムの概要を示す説明図である。この図9に示す通信システム100は、化粧用シート3に記録されている情報コードを読み取る情報読取装置4と、この情報読取装置4に通信ネットワークNを介して接続され、情報読取装置4から送信されてくる情報に含まれる分泌物情報に基づいて肌状態の診断を行う肌状態診断装置5とを備える。
【0057】
情報読取装置4は、情報コードを光学的に読み取るためにCCD(Charge Coupled Device)等の撮像素子またはレーザ受光素子などを用いて実現される情報コード読取部41と、情報の入力を受けるためにキーボードやマウス等によって実現される入力部42と、情報の出力を行うために液晶ディスプレイやプリンタ等によって実現される出力部43と、通信ネットワークNを介した情報の送信および受信を行うインタフェースとしての機能を有する送受信部44と、各種データを記憶、管理する記憶部45と、情報読取装置4全体の制御を行う制御部46とを備える。
【0058】
記憶部45は、ハードディスクやメモリ等を用いて実現される。また、記憶部45として、フレキシブルディスク、CD−ROM、DVD−ROM、MOディスク、メモリカード等の記録媒体に記録された情報を読み取ることができる補助記憶装置をさらに備えてもよい。
【0059】
制御部46は、制御および演算機能を有するCPU(Central Processing Unit)等によって実現され、記憶部45が記憶するプログラムをメモリから読み出すことによって各種動作の制御および演算を実行する。
【0060】
この情報読取装置4は、通常のデスクトップ型またはノート型のコンピュータにその機能を搭載することによって実現することもできるし、携帯電話やPDA端末などの小型携帯端末にその機能を搭載することによって実現することもできる。
【0061】
肌状態診断装置5は、情報の入力を受ける入力部51と、情報の出力を行う出力部52と、通信ネットワークNを介した情報の送信および受信を行う送受信部53と、情報読取装置4から受信する情報に含まれる分泌物情報に対応する肌状態の情報を含む各種データを記憶、管理する記憶部54と、肌状態診断装置5全体の制御を行う制御部55とを備える。この肌状態診断装置5の記憶部54および制御部55も、上述した情報読取装置4の記憶部45および制御部46とそれぞれ同様の構成を有する。
【0062】
この肌状態診断装置5は、一または複数のコンピュータを用いて実現することができる。より具体的には、例えば情報の送受信を含む管理機能を備える管理用サーバと、この管理用サーバに直接または通信ネットワークNを介して接続されて肌状態に関する情報を記憶するデータベース用サーバとを用いて肌状態診断装置5を構成することができる。
【0063】
通信ネットワークNは、インターネット、有線または無線LAN(Local Area Network)、専用回線網、携帯電話網など、所定の形式にしたがって電気的な信号の送受信を行うことができるものであれば如何なるものであってもよく、それらの各種ネットワークを適当に組み合わせたものでもよい。例えば、情報読取装置4が携帯電話であり、肌状態診断装置5がインターネットに接続可能なコンピュータである場合、通信ネットワークNは携帯電話網およびインターネットを含む。
【0064】
以上の構成を有する通信システム100における肌状態診断処理について、図10のシーケンス図を参照して説明する。まず、使用者が化粧用シート3を用いて脂取りを行った後、情報コード読取部41を用いて化粧用シート3の表面に発現した情報コードを読み取る(ステップS1)。
【0065】
その後、情報読取装置4は、この読み取った情報コードを肌状態診断装置5に送信する(ステップS2)。この場合、化粧用シート3の情報コード記録部36には、その固有情報記録領域36aに情報コードの送信先である肌状態診断装置5の通信ネットワークNにおけるアドレス情報(例えば通信ネットワークNがインターネットの場合にはIPアドレス)がコード化されて記録されている。情報読取装置4は、制御部46で情報コードの内容を解釈し、この解釈の結果得られるアドレス情報を用いることにより、その情報コードを送受信部44から肌状態診断装置5に送信する。
【0066】
肌状態診断装置5は、情報読取装置4から送信されてきた情報コードを送受信部53で受信すると、制御部55はこの受信した情報コードに含まれる分泌物情報に対応する肌状態の情報(肌診断情報と称する)を記憶部54から抽出し(ステップS3)、この抽出した肌診断情報を送受信部53から情報コード送信元である情報読取装置4に送信する(ステップS4)。この意味で、制御部55は抽出手段としての機能を具備している。
【0067】
ここで送信する肌診断情報は、肌の状態に応じたケアの仕方や肌健康法などを含むものであるが、それらのより詳細な情報を有するホームページアドレス(URL:Uniform Resource Locator)をあわせて送信してもよい。また、化粧用シート3に発現した花模様35の見方(解釈の仕方)を解説するような内容を合わせて送信してもよい。
【0068】
情報読取装置4は、受信した肌状態の診断結果を出力部43で出力する(ステップS5)。図10では、出力部43が液晶ディスプレイなどを用いて実現される場合に、その出力部43から肌状態の診断結果である肌診断情報として、肌が乾燥していること、および乾燥肌のケア方法などを紹介するホームページのURLを表示した場合を例示している。情報読取装置4は、受信した肌診断情報を記憶部45に記憶してもよい。
【0069】
以上説明した本発明の実施の形態3によれば、上記二つの実施の形態と同様、拭き取った皮膚の分泌物の成分に関する情報を可視化できる上、その可視化した情報を目で見て楽しむことができる意匠性の高い化粧用シートを提供することができる。
【0070】
また、この実施の形態3によれば、当該化粧用シートが形成する有意な模様としての情報コードを読み取る情報読取装置が、その化粧用シートから読み取った情報コードを、皮膚からの分泌物情報を用いて肌状態の診断を行う肌状態診断装置に対して送信し、肌状態診断装置が、受信した情報コードに含まれる分泌物の情報に基づいて抽出した肌状態情報を情報読取装置に返信することにより、上記化粧用シートに含まれる情報に基づいて、分泌物の成分に関するより詳細な情報や肌状態に関する情報を迅速かつ容易に取得することが可能になる。
【0071】
加えて、化粧用シートに形成される模様(色を含む)と分泌物成分を含む肌状態との対応関係を合わせて送信することにより、使用者がその対応関係を忘れてしまった場合などにも使用者の便宜を図ることができる。
【0072】
ところで、この実施の形態3に係る情報読取装置を、化粧品売場などの店頭に設置することにより、販売員が化粧用シートを用いて行った肌状態の診断結果に基づいて最適な商品を顧客に紹介したり、肌の状態に応じた最適な肌のケア方法を説明することが可能となる。この場合には、顧客に対して化粧品の効果を説明する際に説得力を増すことができ、顧客の購買意欲を高めるとともに、きめの細かいサービスを実現することが可能になる。これにより、ひいては顧客と販売店の信頼関係の向上にも繋がる。
【0073】
これに対し、この実施の形態3に係る情報読取装置を携帯端末として実現する場合には、使用者が化粧用シートを用いて拭き取った分泌物に係る肌診断情報を自分自身で迅速かつ容易に得ることができる。この場合、肌状態診断装置を管理する側からすれば、使用者の肌状態に応じた商品情報もあわせて使用者の携帯端末に送信することができ、販売促進の効果が期待できる。
【0074】
なお、以上の説明では、この実施の形態3に係る化粧用シートが化粧用シート1(図1を参照)と同様の構成を有するものとしたが、化粧用シート2(図6を参照)のようにメッシュ層を備え、このメッシュ層の隙間に液状の薬剤を注入して反応層を形成するタイプの化粧用シートを適用することも勿論可能である。
【0075】
また、情報コードとして1次元バーコードを用いてもよい。この場合には、分泌物の成分に応じてコードバーの配列が変わるように情報コード記録部36を形成しておく。さらに、既存のコード体系だけでなく、複数の色を利用した1次元バーコードや2次元コード、その他の新規のコード体系を用いて情報コード記録部36を形成してもよい。
【0076】
さらに、情報読取装置が読み取る有意な模様は情報コード以外でもよく、例えば花模様のような絵や所定のパターンでも構わない。
【0077】
以上、本発明を実施する上で最良と思われる形態を実施の形態1〜3として詳述してきたが、本発明はそれらの実施の形態によってのみ限定されるものではない。
【0078】
例えば、情報読取装置が化粧用シートの情報コードを読み取って送信する際に、使用者本人の個人情報(年齢、性別等)の入力を促し、その個人情報もあわせて送信するようにしてもよい。この場合には、肌状態診断装置が使用者の肌状態を蓄積して管理することができるので、使用者にとっては肌ケアの効果を確かめることができる一方、肌状態診断装置の管理者側では顧客情報を入手して一段ときめの細かいサービスや情報を提供したり、商品の販売戦略を立てる際の参考にしたりすることができる。
【0079】
このように、本発明は、ここでは記載していないさまざまな実施の形態等を含みうるものであり、特許請求の範囲により特定される技術的思想を逸脱しない範囲内において種々の設計変更等を施すことが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本発明の実施の形態1に係る化粧用シートの構成を示す説明図である。
【図2】基材の表面における反応層を形成例を示す説明図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係る化粧用シート使用後の表示例(第1例)を示す説明図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係る化粧用シート使用後の表示例(第2例)を示す説明図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係る化粧用シート使用後の表示例(第3例)を示す説明図である。
【図6】本発明の実施の形態2に係る化粧用シートの構成を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態3に係る化粧用シートにおいて有意な模様の形成例を示す図である。
【図8】情報コード読取部における使用前後の表示状態の変化を示す図である。
【図9】本発明の実施の形態3に係る化粧用シート3を適用する通信システムの概要を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態3に係る化粧用シートを用いて肌状態の診断を行う際の処理の概要を示すシーケンス図である。
【符号の説明】
【0081】
1、2、3 化粧用シート
4 情報読取装置
5 肌状態診断装置
11、21、31 吸脂層
12、22、32 基材
13、33 区画線
14、24、34 反応層
15、35 花模様
23 メッシュ層
36 情報コード記録部
36a 固有情報記録領域
36b 分泌物情報記録領域
41 情報コード読取部
42、51 入力部
43、52 出力部
44、53 送受信部
45、54 記憶部
46、55 制御部
100 通信システム
151、351 花弁部
152、352 茎葉部
N 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
皮膚からの分泌物を拭き取る化粧用シートであって、
拭き取った分泌物中の脂分を吸収する吸脂層と、
この吸脂層を透過した分泌物の成分と呈色反応を起こす薬剤を有する反応層とを備え、
前記反応層は、内部の薬剤が前記吸脂層を透過した分泌物の成分と呈色反応を起こすことによって当該呈色反応に関連する情報を視覚的に表現する有意な模様を形成するように配置されて成ることを特徴とする化粧用シート。
【請求項2】
前記反応層は、所定の基材の表面に薬剤が塗布されて成ることを特徴とする請求項1記載の化粧用シート。
【請求項3】
前記反応層は、撥水性を有するメッシュ素材の隙間に液状の薬剤が注入されて成ることを特徴とする請求項1記載の化粧用シート。
【請求項4】
前記有意な模様は、当該化粧用シートおよび前記皮膚からの分泌物に関する情報を、文字、記号、および当該有意な模様を形成する薬剤の光学的特性のうち少なくとも一つを用いることによってコード化した情報コードを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項記載の化粧用シート。
【請求項5】
前記情報コードは、1次元バーコードまたは2次元コードであることを特徴とする請求項4記載の化粧用シート。
【請求項6】
前記薬剤は、酸塩基指示薬、リトマス試薬、乾湿指示薬、および酸化還元指示薬のうち少なくともいずれか一つを含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項記載の化粧用シート。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項記載の化粧用シートに記録される有意な模様を読み取る読取手段と、
当該装置に通信ネットワークを介して接続され、皮膚からの分泌物情報を用いて肌状態の診断を行う肌状態診断装置に対し、前記読取手段で読み取った有意な模様に含まれる情報を送信する送信手段と、
前記送信手段で送信した情報に応じて前記肌状態診断装置から送信されてくる肌状態の診断結果を受信する受信手段と、
前記受信手段で受信した肌状態の診断結果を出力する出力手段と、
を備えたことを特徴とする情報読取装置。
【請求項8】
請求項1〜6のいずれか一項記載の化粧用シートに記録される有意な模様を読み取る情報読取装置から通信ネットワークを介して送信されてくる情報を受信する受信手段と、
皮膚からの分泌物に応じた肌状態の情報を少なくとも記憶する記憶手段と、
前記受信手段で受信した情報に含まれる皮膚からの分泌物情報に対応する肌状態の情報を前記記憶手段から抽出する抽出手段と、
前記抽出手段で抽出した肌状態の情報を前記情報読取装置に送信する送信手段と、
を備えたことを特徴とする肌状態診断装置。
【請求項9】
請求項1〜6のいずれか一項記載の化粧用シートに記録される情報を読み取る情報読取装置が行う情報読取方法であって、
前記化粧用シートに記録される有意な模様を読み取る読取ステップと、
当該情報読取装置に通信ネットワークを介して接続され、皮膚からの分泌物情報を用いて肌状態の診断を行う肌状態診断装置に対し、前記読取ステップで読み取った有意な模様に含まれる情報を送信する送信ステップと、
前記送信ステップで送信した情報に応じて前記肌状態診断装置から送信されてくる肌状態の診断結果を受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信した肌状態の診断結果を出力する出力ステップと、
を有することを特徴とする情報読取方法。
【請求項10】
皮膚からの分泌物に応じた肌状態の情報を少なくとも記憶する記憶手段を備えた肌状態診断装置が行う肌状態診断方法であって、
請求項1〜6のいずれか一項記載の化粧用シートに記録される有意な模様を読み取る情報読取装置から通信ネットワークを介して送信されてくる情報を受信する受信ステップと、
前記受信ステップで受信した情報に含まれる皮膚からの分泌物情報に対応する肌状態の情報を前記記憶手段から抽出する抽出ステップと、
前記抽出ステップで抽出した肌状態の情報を前記情報読取装置に送信する送信ステップと、
を有することを特徴とする肌状態診断方法。
【請求項11】
請求項1〜6のいずれか一項記載の化粧用シートに記録される情報を読み取るためにコンピュータを、
前記化粧用シートに記録される有意な模様を読み取る読取手段、
当該装置に通信ネットワークを介して接続され、皮膚からの分泌物情報を用いて肌状態の診断を行う肌状態診断装置に対し、前記読取手段で読み取った有意な模様に含まれる情報を送信する送信手段、
前記送信手段で送信した情報に応じて前記肌状態診断装置から送信されてくる肌状態の診断結果を受信する受信手段、
前記受信手段で受信した肌状態の診断結果を出力する出力手段、
として機能させることを特徴とする情報読取プログラム。
【請求項12】
皮膚からの分泌物に応じて肌状態を診断するためにコンピュータを、
請求項1〜6のいずれか一項記載の化粧用シートに記録される有意な模様を読み取る情報読取装置から通信ネットワークを介して送信されてくる情報を受信する受信手段、
皮膚からの分泌物に応じた肌状態の情報を少なくとも記憶する記憶手段、
前記受信手段で受信した情報に含まれる皮膚からの分泌物情報に対応する肌状態の情報を前記記憶手段から抽出する抽出手段、
前記抽出手段で抽出した肌状態情報を前記情報読取装置に送信する送信手段、
として機能させることを特徴とする肌状態診断プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−141554(P2006−141554A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−333439(P2004−333439)
【出願日】平成16年11月17日(2004.11.17)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】