説明

医用測定及び通信に関する方法及び装置

患者生理学的情報を取得及び通信するシステムは、患者測定デバイス112と、患者記録デバイス100と、携帯型インタフェースデバイスとの1つ以上を含む。前記デバイスは、近接場通信インタフェースのような無線通信インタフェース110、152、162を介して通信する。患者測定デバイス100は、複数の患者の各々に関する生理学的情報を取得する。この情報は、各患者に関連付けられた患者記録デバイス100に記憶される。携帯型インタフェースデバイス114は、前記情報にアクセスするのに使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医学における生理学的パラメータの測定及び通信の分野に関する。本発明は、他の情報の測定及び通信に関連した応用をも見つける。
【背景技術】
【0002】
例えば病院又は診療所におけるヘルスケア設定において、准看護師、看護師、医師のようなヘルスケア提供者は、多数の患者に関する生理学的情報を取得することを頻繁に必要とされる。前記ヘルスケア提供者は、典型的には、各患者に対する脈拍数、血圧、及び体温等のような生理学的パラメータの定期的な測定値を取得する。一般に、この情報は、脈拍モニタ、血圧計及び体温計等のような、関心のパラメータに適切な生理学的測定デバイスを使用して取得される。
【0003】
前記ヘルスケア提供者は、典型的には、物理的な患者ファイルに前記パラメータの値を時間、他の観察結果又はコメント、及び前記ヘルスケア提供者の名前と一緒に書きこむ。前記ファイルは、しばしば前記患者のベッドの端部におけるクリップボード上のように前記患者の近くに配置され、前記患者が施設内の異なる場所に移動する場合に前記患者とともに運ばれることができる。この場合、前記情報を見直すことを望む人は、前記ファイルを調べる。
【0004】
しかしながら、不幸なことに、手作業の入力プロセスは、間違いを起こしやすく、時間がかかる可能性がある。更に、前記情報は、他の権限を与えられた職員にとって容易にアクセス可能ではなく、前記情報を見直すことが必要になる場合に、一般に前記患者ファイルに対して物理的アクセスを持つか、そうでなければコピーを取得しなくてはならない。更に、一般に、多くの患者に対する物理的ファイルを維持することは必要であり、関連情報の記憶及び前記関連情報に対するアクセスの提供に関連した対応する運搬上の困難を伴う。病院情報システム/放射線情報システム(HIS/RISシステム)のようなコンピュータシステムに記憶するために前記情報をデジタル形式に変換するプロセスは、同様に、間違いを起こしやすく、時間がかかる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の態様は、これら及び他の問題に取り組む。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によると、装置は、短距離無線通信インタフェース及び複数の患者の各々の生理学的パラメータの値を連続して決定する患者近接手段(patient proximate means)を含む。前記決定する手段は、一緒に動作する前記無線通信インタフェースと物理的に結合され、前記無線通信インタフェースは、受信デバイスにデータを出力し、前記出力データは、前記データのソースを識別するソース識別子及び患者の生理学的パラメータ値を含む。
【0007】
本発明のより限定的な態様によると、前記ソース識別子は、前記装置に関連付けられたユーザを識別する。
【0008】
本発明のより限定的な態様によると、前記ソース識別子は、前記決定する手段により決定された生理学的パラメータを識別する。
【0009】
本発明のより限定的な態様によると、前記ソース識別子は、前記装置を識別する。
【0010】
本発明の他のより限定的な態様によると、前記装置は、前記無線通信インタフェースが第2のデバイスと無線通信中であることをオペレータに示す手段を含む。オペレータ確認は、前記出力データを通信するのに必要とされる。
【0011】
本発明の他のより限定的な態様によると、前記装置は時計を含み、前記出力データは時間情報を含む。
【0012】
本発明の他のより限定的な態様によると、前記無線通信インタフェースは、極短距離(very short range)無線通信インタフェースである。
【0013】
本発明の他のより限定的な態様によると、前記無線通信インタフェースは、近接場通信インタフェースである。
【0014】
本発明の他のより限定的な態様によると、前記決定する手段は体温計であり、前記生理学的パラメータは体温である。
【0015】
本発明の第2の態様によると、方法は、患者の生理学的パラメータを示す値を決定するために短距離無線通信インタフェースを含む第1の装置を使用するステップと、第2の装置に前記値を通信するように前記短距離無線通信インタフェースを使用するステップと、前記第1の装置を使用するステップ及び前記短距離無線通信インタフェースを使用するステップを複数の患者の各々に対して繰り返すステップとを含む。前記第2の装置は、前記患者に関連付けられる。
【0016】
本発明のより限定的な態様によると、前記無線通信インタフェースは、超短距離(ultra short range)無線通信インタフェースである。
【0017】
本発明の他のより限定された態様によると、前記超短距離無線通信インタフェースは、磁場誘導を使用して通信する。
【0018】
本発明の他のより限定された態様によると、前記短距離無線通信インタフェースを使用するステップは、前記第2の装置にパラメータ識別子を通信することを含む。
【0019】
本発明の他のより限定された態様によると、前記短距離無線通信インタフェースを使用するステップは、前記第2の装置にユーザ識別子を通信することを含む。
【0020】
本発明の他の限定された態様によると、前記方法は、前記無線通信インタフェースが前記第2の装置と通信を確立した人間を示すこと、及び前記通信の人間確認を必要とすることを含む。
【0021】
本発明の他の態様によると、医用装置は、患者の生理学的パラメータを示す出力値を生成する医用測定デバイスと、短距離無線通信インタフェースとを含む。前記医用測定デバイスは、複数の患者の連続した患者に対して使用するように構成される。前記通信インタフェースは、出力情報を受信デバイスに通信し、前記出力情報は、前記出力値及び前記生理学的パラメータを識別するパラメータ識別子を含む。
【0022】
本発明のより限定的な態様によると、前記無線通信インタフェースは、極短距離無線通信インタフェースである。
【0023】
本発明の他のより限定的な態様によると、前記無線通信インタフェース及び前記医用測定デバイスは、共通のハウジングに収容される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
図1を参照すると、システムは、複数の患者記録デバイス100a,b,c...nと、患者測定デバイス112a,b,c...nと、携帯型インタフェースデバイス114a,b,c...nとを含む。
【0025】
各患者記録デバイス100は、好ましくは、特定の患者と関連付けられる。患者記録デバイス100は、適切なストラップ、バンド、又はネックレス等を使用して前記患者の生体構造に対する取り外し可能な取り付け用に構成される。患者記録デバイス100は、独立デバイスとして構成されることもでき、この場合、前記デバイスは、台上の患者、又はナイトテーブル等の近くに配置されてもよく、又は前記患者とともに運ばれてもよい。前記デバイスは、適切なクランプ又はフック、マジックテープ(登録商標)及び磁石等を用いて、前記患者のベッド又は前記患者の近くの他の構造物に対する取り外し可能な取り付け用に構成されることもできる。例えば壁又は前記患者のベッドに対するより恒久的な取り付け用に構成されることもできる。前記デバイスは、患者デモグラフィック(demographic)情報が書きこまれることができる場所、又は患者デモグラフィック情報が印刷されるステッカーを受ける場所をも含む。
【0026】
患者記録デバイス100は、コンピュータ読み取り可能メモリ102と、通信インタフェース104と、オペレータインタフェース106と、インタフェース及び制御電子装置108と、無線通信インタフェース110と、電源111と、時計109とを含む。
【0027】
無線通信インタフェース110は、好ましくは、約0.3メートル(1フィート)以下の最大距離を持つ超短距離インタフェースである。前記無線通信インタフェースは、前記無線通信インタフェースは、典型的なベッドサイドのオーダ、すなわち約2メートル(6.6フィート)の最大距離を持つ極短距離インタフェース、又は典型的な病室で見られる距離のオーダ、すなわち約4メートル(13フィート)の最大距離を持つ短距離無線インタフェースでもありうる。
【0028】
一実施例において、無線通信インタフェース110は、近接場通信(NFC)インタフェースである。当技術分野において既知であるように、NFCインタフェースは、磁場誘導により動作し、10センチメートル(3.9インチ)の距離を持つ。しかしながら、電磁及び光学技術に基づく技術を含む、他の適切なインタフェースも使用されてもよい。前者の商業的に利用可能な例は、ブルートゥース、ワイヤレスフィディリティ(wi−fi)及びHIPERLAN技術を含み、後者の例は、赤外線通信協会(IrDA)標準に基づくような赤外線技術を含む。もちろん、他の標準的又は独自仕様のインタフェースは、実施されることができる。
【0029】
メモリ102は、好ましくは、電気的消去可能プログラム可能読取専用メモリ、フラッシュメモリ、バッテリバック(battery-backed)CMOSスタティックRAMのような不揮発性可変メモリである。もちろん、ナノチューブメモリ、磁気又は強磁性メモリのような他の技術も実施されることができる。前記メモリは、1つ以上の取り外し可能メモリカード又はスティックのような様々な形を取ることもでき、又はこれは、前記デバイスの永久的又は半永久的部分であってもよい。メモリ102は、患者デモグラフィック情報118と、患者生理学的情報要素120a,b,c...nと、アクセス情報122と、デバイス識別子又はID番号123とを含む情報を記憶する。
【0030】
図1及び2を参照すると、患者デモグラフィック情報118は、前記患者の名前202と、識別番号のような患者識別子204と、前記患者の誕生日又は年齢206と、前記患者の主治医の名前のような医師情報208と、前記患者の入院日又は番号のような入院情報210とを含む。もちろん、メモリ102は、追加の又は異なる患者デモグラフィック情報118をも記憶しうる。セキュリティの目的で、患者デモグラフィック情報118の一部又は全てをメモリ102に記憶することは望ましくないかもしれない。このような場合には、より完全なデモグラフィック情報が、別個のデータベースと接続して患者識別番号204を使用することにより取得されることができる。加えて、メモリ102に記憶される情報の一部又は全てを暗号化することが望ましいかもしれない。
【0031】
図1及び3を参照すると、メモリ102は、複数の患者生理学的情報要素102a,b,c...nを記憶する。各要素120は、生理学的パラメータ識別子302と、生理学的パラメータ値304と、時間306と、オペレータ識別子308と、デバイス識別子310との1つ以上を含む。要素120に含まれる(又は一般にメモリ102内のものに対する)様々な情報は、隣接するメモリ位置に記憶される必要はないが、代わりに適切なデータ構造を使用して記憶されてもよい。
【0032】
パラメータ識別子302は、特定の要素120の対象であるパラメータを識別する。例パラメータは、体温、脈拍、呼吸速度、血圧、血中酸素飽和度、体重及び骨密度のような生理学的パラメータを含む。他のパラメータは、医師又は看護師により入力された覚書又は診察結果を含みうる。パラメータ値304は、特定のパラメータ302の値である。パラメータ識別子302が、例えば、体温を特定する場合、パラメータ値304は、前記患者の体温の値である。時間306は、要素120に関連付けられた時間及び/又は日付のような時間情報を含む。ユーザ識別子308は、特定の要素120に関連付けられたヘルスケア提供者を識別する。デバイス識別子310は、要素120に関連付けられたデバイスを識別する。
【0033】
図1及び4を参照すると、アクセス情報122は、前記デバイスに対するアクセスを制限するために使用され、パスワード402と、デバイス100にアクセスすることを認められた1以上のユーザを識別するユーザ識別子404と、デバイス100にアクセスすることを認められた患者測定デバイス112又は携帯型インタフェースデバイス114のような1以上のデバイスを識別するデバイス識別子406との1つ以上を含みうる。
【0034】
患者記録デバイス識別子123は、患者記録デバイス100を識別する識別コード又はシリアル番号である。
【0035】
ここで図1に戻ると、オペレータインタフェース106は、好ましくは、ブザー又はビーパーのような可聴出力及び1つ以上の発光ダイオード(LED)、液晶ディスプレイ(LCD)又は数字若しくは英数字ディスプレイのような視覚的出力を含む。オペレータインタフェース106は、ボタン又はキーのような入力デバイスをも含む。
【0036】
コンピュータインタフェース104は、ローカルエリアネットワーク(LAN)又はワイドエリアネットワーク(WAN)のような適切な接続上で1以上のコンピューティングデバイスとの接続を提供する。インタフェース104は、好ましくは、特定の病院又はヘルスケア施設ネットワークとの適合性で選択される。典型的なインタフェース技術は、イーサネット(登録商標)及びブルートゥース又はwi−fiのような無線技術を含む。もちろん、他の規格又は独自仕様のインタフェースが実施されてもよい。
【0037】
インタフェース及び制御電子装置108は、患者記録デバイス100の様々な要素間に必要な接続及び制御を提供する。
【0038】
バッテリのような電源111は、デバイス100に電力を供給する。前記電源は、電力本線(electrical power mains)に接続されることもできる。時計109は、現在の時間及び/又は日付のような時間情報を提供する。
【0039】
図1を参照し続けると、各患者測定デバイス112は、生理学的測定デバイス150と、オペレータインタフェース151と、無線通信インタフェース152と、電源153と、時計154とを含む。更に各ユニット112に関連付けられているのは、ソース情報155である。
【0040】
生理学的測定デバイス112は、必ずしも特定の患者に関連付けられるわけではなく、好ましくは、連続して複数の患者とともに使用するのに適している。ユニット112の仕様及び状況に依存して、特定のユニット112は、特定のヘルスケア提供者に関連付けられてもよく、又は一般に、特定のフロア又は特定の機関において働いているヘルスケア提供者に対してアクセス可能であってもよい。
【0041】
生理学的測定デバイス150は、患者の生理学的パラメータを示す出力を提供する。様々な生理学的測定デバイス150は、周知であり、体温計、血圧計、心拍モニタ、パルス酸素濃度計、呼吸モニタ、無呼吸モニタ、体重計、及び骨密度モニタ等のようなデバイスを含む。もちろん、上記デバイス150は、模範的なだけであり、他の適切なデバイスが既知であり、患者測定デバイス100と接続して使用されることができる。
【0042】
好ましくは、生理学的測定デバイス150は、連続して複数の患者の各々に対して使用するように構成される。一例として、体温計は、典型的には携帯可能であり、検査されるべき特定の患者の近くに容易に持っていかれる。加えて、体温計は、典型的には、ディスポーザブルスリーブを備えるか、又はそうでなければ病原体の拡散を防ぐために患者間で適切に消毒されることができる。他の例として、体重計はしばしば静止したままであるのに対し、連続した患者が測定のために前記体重計に連れてこられる。一部の生理学的測定デバイス150が、デバイス150の残りが複数の患者に対して使用されるのに対して、典型的には特定の患者に取り付けられたままであるセンサを含むことができることにも注意すべきである。この場合、前記センサが選択的に取り付け及び取り外しされることを可能にする適切なコネクタを使用することが望ましいかもしれない。
【0043】
オペレータインタフェース150は、好ましくは、ブザー又はビーパーのような可聴出力及び1つ以上の発光ダイオード(LED)、液晶ディスプレイ(LCD)又は数字若しくは英数字ディスプレイのような視覚的出力を含む。オペレータインタフェース150は、ボタン又はキーのような入力デバイスをも含む。
【0044】
無線通信インタフェース152は、患者記録デバイス100の無線通信インタフェース110との適合性で選択される。上に記載されたように、1つの適切なインタフェースは、NFCインタフェースである。他の適切な超短距離、極短距離又は短距離通信インタフェースが、上述のように実装されることもできる。
【0045】
容易に携帯可能な患者測定デバイス112の場合、生理学的測定デバイス150、オペレータインタフェース151及び無線通信インタフェース152は、好ましくは、単一のユニットとして又は単一のハウジング内に一緒に取り付けられる。代わりに、無線通信インタフェース152は、測定デバイス150又はオペレータインタフェース151とは別々に取り付けられ、可撓ケーブル又は他の適切な配線を使用してこれらと物理的に結合されてもよい。このような構成は、無線通信インタフェース152が比較的便利な場所に配置されることを可能にするので、測定デバイス112が静止しているか、そうでなければ携帯性が低い状況において特に有利である。
【0046】
バッテリのような電源153は、患者測定ユニット112に電力を供給する。電力は、電力本線に接続された電源により供給されることもできる。時計154は、現在の時間及び/又は日付のような時間情報を提供する。
【0047】
図1及び5を参照すると、ソース情報155は、各患者測定デバイス112と関連付けられる。前記情報は、測定デバイス150により測定されたパラメータを識別する生理学的パラメータ識別子502と、特定ユニット測定デバイス112と関連付けられたヘルスケア提供者を識別するユーザ識別子504と、デバイス112を識別する指定子又はシリアル番号のようなデバイス識別子506との1つ以上を含む。この情報は、好ましくは適切なメモリに記憶される。
【0048】
図1を参照し続けると、携帯型インタフェースデバイス114a,b,c...nは、好ましくは、パーソナルデジタルアシスタント(PDA)、タブレットコンピュータ、ラップトップ又はノートブックコンピュータ、又は他の適切な携帯型コンピューティングデバイスである。各携帯型インタフェースデバイス114は、典型的には、特定のヘルスケア提供者と関連付けられ、前記ユーザと通信するためにディスプレイ、キーボード、オーディオ入出力、及び/又はスタイラスのようなオペレータインタフェース160、並びに1以上のコンピュータプログラムを記憶及び実行するメモリ及びプロセッサ161を含む。各携帯型インタフェースは、無線通信インタフェース162をも含む。更に各デバイス114に関連付けられるのは、デバイス情報163である。
【0049】
無線通信インタフェース162は、患者記録デバイス100と関連付けられた無線通信インタフェース110との適合性で再び選択される。代わりに、通信インタフェース162は、コンピュータインタフェース104との適合性で選択されてもよい。
【0050】
図1及び6を参照すると、デバイス情報163は、前記デバイス又はそのユーザを識別するのに役立つ情報を含む。ユーザ識別子602は、特定のデバイス114と関連付けられたユーザを識別する。指定子又はシリアル番号のようなデバイス識別子604は、デバイス114を識別する。
【0051】
メモリ161は、前記プロセッサにより実行される場合に、前記ユーザが、無線通信インタフェース162により受信された情報を記憶、観察又は他の方法で操作することを可能にする命令を含む。一実施例において、前記ユーザは、所望の患者記録デバイス100に記憶された情報を受信するのにインタフェースデバイス114を使用することができる。関連する患者デモグラフィック情報118は、オペレータインタフェース160上に表示される。この情報は、前記ユーザが、前記所望の患者に関する情報にアクセスしたことを確認し、基本的なデモグラフィック情報を取得することを可能にする。関連するパラメータ識別子302と、パラメータ値304と、時間情報306と、ユーザ識別子308と、デバイス識別子310とを含む様々な患者生理学的情報要素120も表示されることができる。好ましくは、前記プログラムは、前記ユーザが、例えば時間若しくは日付306、パラメータ識別子302、又はユーザ識別子308等により、要素120をフィルタリング又はソートすることを可能にする。同様に、前記ユーザは、パラメータ値304が指定された範囲の外である特定のパラメータ識別子302を含む情報等のような特定の情報のみを観察することを選択してもよい。後者は、前記ユーザが、通常範囲の外である上昇体温又は血圧のような精査を必要とする情報を容易に見つけることを望む場合に特に有用である。
【0052】
デバイス114は、前記オペレータが、無線通信インタフェース110を使用して患者記録デバイス102に転送する関連する患者デモグラフィック情報118を入力することを可能にすることもできる。これは、デバイス110を特定の患者に関連付けるのに特に有用である。
【0053】
更に、デバイス114は、前記ユーザが、オペレータインタフェース160を介して覚書、コメント又は他の情報を入力し、患者測定ユニット112から患者記録デバイス100への転送に類似した形で無線通信インタフェース110を使用して前記情報を特定の患者記録デバイスに転送することを可能にすることもできる。
【0054】
動作において、患者記録デバイス100は、初期化され、特定の患者に関連付けられる。患者デモグラフィック情報118は、無線通信インタフェース110を介して前記デバイスにより受信され、メモリ102に記憶される。代わりに、前記情報は、通信インタフェース104を介して受信されてもよく、又はオペレータインタフェース106を介して入力されてもよい。アクセス情報122及び前記現在の時間情報は、同様に供給され、記憶される。前記ユーザは、患者デモグラフィック情報の一部又は全てをデバイス100に、例えばステッカーを配置することにより又は前記情報を前記デバイスに書きこむことにより、添付することをも望みうる。
【0055】
デバイス112は、生体構造の一部に取り付けられ、例えば前記患者の腕又は脚にストラップで固定することにより、又はネックレスを使用して前記患者の首の周りに配置することにより取り付けられる。代わりに、前記デバイスは、前記患者のベッドの端部のような前記患者の近くの適切な場所に、前記患者のベッドの上に配置されたスタンド又はテーブルの上に、又はクリップボードにクリップされて配置される。
【0056】
もちろん、追加の患者記録デバイス100は、初期化され、他の患者に関連付けられることができる。
【0057】
診療的設定において、ヘルスケア提供者は、通常、1以上の患者に対する生理学的パラメータ測定値を取得及び記録することを必要とされる。関心のパラメータ又は複数のパラメータに依存して、前記ヘルスケア提供者は、適切な測定デバイス又は複数のデバイス112を取得する。既に行われていない場合、前記ヘルスケア提供者は、オペレータインタフェース151又は無線通信インタフェース152を介して正しいユーザ識別子504を入力する。前記ヘルスケア提供者は、この場合、デバイス112を所望の患者の近くに持っていく。代わりに、及び携帯性の低いユニット112の場合に特に、前記患者がユニット112に連れて行かれる。前記ヘルスケア提供者は、この場合、所望の生理学的パラメータの値を取得するために測定デバイス150を使用する。デバイス150に依存して、オペレータインタフェース151は、前記測定が完結していることを示す視覚的、可聴又は他の信号を供給することができ、関連するパラメータ値又は複数の値を表示することもできる。時計154からの情報は、前記測定値が取得された時間を確立するのに使用される。前記関連する情報は、無線通信インタフェース110にも利用可能にされる。
【0058】
前記ヘルスケア提供者は、この場合、患者記録デバイス100及び測定ユニット112の通信インタフェース110及び152を通信範囲内に持っていく。通信インタフェース152及び100がNFCインタフェースである場合、それぞれのインタフェースは、接触又は接触に近い距離から約10センチメートル(3.9インチ)の最大距離までに配置されなければならない。前記NFCインタフェースは、好ましくは、いわゆる接触及び確認モード(touch and confirm mode)で動作する。したがって、患者記録デバイス100のオペレータインタフェース106は、通信が、ビープ音又は視覚的インジケータの点滅等により生理学的測定ユニット112と確立されていることを示す。前記ヘルスケア提供者は、例えばボタンを押すことにより、オペレータインタフェース106を介する患者記録デバイス100に対する転送を確認する。代わりに、指示及び確認が、生理学的測定ユニット112のオペレータインタフェース151を介して、又は両方のオペレータインタフェースの組み合わせを介して達成されることができる。更に代わりに、インタフェース110及び152は、いわゆる接触及び進行モード(touch and go mode)で動作することができ、前記指示又は確認の一方又は両方が必要とされない。患者記録デバイス100は、また、アクセス情報122をソース情報155に対して比較する。測定ユニット112又はそのユーザが、患者記録デバイス100にアクセスすることを許可されない場合、情報転送は拒絶され、試行されたアクセスは、メモリ102に記憶される。前記アクセス試行は、例えばオペレータインタフェース106を介して又はHIS/RISシステム116若しくは他のコンピュータを介して、警告の対象でもありうる。
【0059】
いずれの場合にも、ソース情報155、パラメータ値304及び時間306は、無線通信インタフェース112により送信され、患者記録デバイス100に関連付けられた無線通信インタフェース110により受信される。前記情報は、メモリ102に記憶される。
【0060】
状況に依存して、前記ヘルスケア提供者は、シフト若しくは他の期間の間に直ちに、又はそうでなければ必要に応じてのいずれかで、連続した患者に関連する情報を取得するために患者測定デバイス112を使用することを決定することができる。いずれの場合にも、前記情報は、取得され、各患者に対する所望の患者記録デバイス100に転送される。
【0061】
患者記録デバイス100が、前記コンピュータインタフェースを介してHIS/RISシステム116又は他のコンピュータに接続される場合、メモリ102に含まれる情報は、HIS/RISシステム116又は他のコンピュータにも転送される。
【0062】
往診中の医師又は看護師のようなヘルスケア提供者は、特定の患者記録デバイス100に含まれる情報を見る又は他の方法で操作するために携帯型インタフェースデバイス114を使用することを望むかもしれない。一般に上述されたように、通信は、携帯型インタフェースデバイス114と所望の患者記録デバイス100との間に確立され、前記情報は、それぞれの通信インタフェースを介して転送される。デバイス情報163がアクセス情報122とマッチしない場合、前記情報転送は拒絶される。
【0063】
もちろん、様々な代替例も可能である。例えば、メモリ102に含まれる情報の一部又は全てが除外されてもよい。同様に、時計109、154は、患者測定デバイス112又は患者記録デバイス100の一方又は両方から除外されてもよい。時計が患者測定デバイス112から除外される場合、メモリ120に記憶される時間情報306は、好ましくは、特定の情報要素120が受信された時間である。更に、前記システムが、単一のパラメータ(又は既知の複数のパラメータ)のみに対する値を供給する同種の測定ユニット150のみを含む場合、パラメータ識別子302は、除外されてもよい。もちろん、情報の更に他の選択が実施されてもよい。
【0064】
本発明は、好適な実施例を参照して記載されている。もちろん、修正例及び変更例は、他者が前述の記載を読み、理解すると気が付くだろう。本発明が、添付の請求項又はその同等物の範囲内に入る限り全てのこのような修正例及び変更例を含むと解釈されることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】生理学的パラメータ測定及び通信システムを表現する。
【図2】患者記録デバイスに記憶された患者デモグラフィック情報を表現する。
【図3】患者記録デバイスに記憶された患者生理学的情報を表現する。
【図4】患者記録デバイスに記憶されたアクセス情報を表現する。
【図5】患者測定デバイスにより供給されるソース情報を表現する。
【図6】携帯型インタフェースデバイスにより供給されるデバイス情報を表現する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
短距離無線通信インタフェースと、
連続して複数の患者の各々の生理学的パラメータの値を決定する患者近接手段と、
を有する装置において、
前記決定する手段が、前記無線通信インタフェースとともに動作するように前記無線通信インタフェースと物理的に結合され、前記無線通信インタフェースが、受信デバイスに出力データを通信し、前記出力データが、患者の前記生理学的パラメータ値及び前記データのソースを識別するソース識別子を含む装置。
【請求項2】
前記ソース識別子が、前記装置に関連付けられたユーザを識別する、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記ソース識別子が、前記決定する手段により決定される生理学的パラメータを識別する、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記ソース識別子が、前記装置を識別する、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記装置が、前記無線通信インタフェースが第2のデバイスと無線通信中であることをオペレータに示す手段を含み、オペレータ確認が、前記出力データを通信するのに必要とされる、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記装置が時計を含み、前記出力データが時間情報を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記無線通信インタフェースが、極短距離無線通信インタフェースである、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記無線通信インタフェースが、近接場通信インタフェースである、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記決定する手段が体温計であり、前記生理学的パラメータが体温である、請求項1に記載の装置。
【請求項10】
患者の生理学的パラメータを示す値を決定するのに単距離無線通信インタフェースを含む第1の装置を使用するステップと、
前記患者に関連付けられた第2の装置に対して前記値を通信するのに前記短距離無線通信インタフェースを使用するステップと、
複数の患者の各々に対して前記第1の装置を使用するステップ及び前記短距離無線通信インタフェースを使用するステップを繰り返すステップと、
を有する方法。
【請求項11】
前記無線通信インタフェースが、超短距離無線通信インタフェースである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記超短距離無線通信インタフェースが、磁場誘導を使用して通信する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記短距離無線通信インタフェースを使用するステップが、前記第1の装置に対するパラメータ識別子を通信するステップを含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記短距離無線通信インタフェースを使用するステップが、前記第1の装置に対してユーザ識別子を通信するステップを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記無線通信インタフェースが、前記第2の装置との通信を確立されたことを人間に示すステップと、前記通信の人間確認を要求するステップとを更に含む、請求項10に記載の方法。
【請求項16】
患者の生理学的パラメータを示す出力値を生成する医用測定デバイスであって、複数の患者の連続した患者に対して使用するように構成されるデバイスと、
前記生理学的パラメータを識別するパラメータ識別子及び前記出力値を含む出力情報を受信デバイスに通信する短距離無線通信インタフェースと、
を有する医用装置。
【請求項17】
前記無線通信インタフェースが、近接場通信インタフェースを含む、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
前記近接場通信インタフェースが、接触及び確認モードで動作する、請求項17に記載の装置。
【請求項19】
前記無線通信インタフェースが、極短距離無線通信インタフェースである、請求項16に記載の装置。
【請求項20】
前記無線通信インタフェースが、超短距離無線通信インタフェースである、請求項16に記載の装置。
【請求項21】
前記出力情報が、前記装置を識別する情報を含む、請求項16に記載の装置。
【請求項22】
前記出力情報が、前記装置に関連付けられたヘルスケア提供者を識別する情報を含む、請求項16に記載の装置。
【請求項23】
前記無線通信インタフェース及び前記医用測定デバイスが、共通のハウジングに収容される、請求項16に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−504223(P2009−504223A)
【公表日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−525671(P2008−525671)
【出願日】平成18年7月19日(2006.7.19)
【国際出願番号】PCT/IB2006/052477
【国際公開番号】WO2007/017777
【国際公開日】平成19年2月15日(2007.2.15)
【出願人】(590000248)コーニンクレッカ フィリップス エレクトロニクス エヌ ヴィ (12,071)
【Fターム(参考)】