説明

医用画像保管装置

【課題】各検査に対する最新の医用画像ファイルに含まれる画像データを容易に取得することができる医用画像保管装置を提供する。
【解決手段】第1又は第2の医用画像ファイルに含まれる画像データの識別情報を含む付帯情報を保存する付帯情報記憶部31と、第2の医用画像ファイルに含まれる履歴データを分析する履歴データ分析部32とを備え、履歴データ分析部32は、画像診断装置120及び検像装置130から得られた各第1及び第2の医用画像ファイルの付帯情報を最新の付帯情報と識別して付帯情報記憶部31に保存する。また、検像装置130から得られた第2の医用画像ファイルに含まれる履歴データに基づいて、付帯情報記憶部31に保存されているその履歴データに更新する前の履歴データを含む付帯情報又はその第2の医用画像ファイルに更新される前の付帯情報を過去の付帯情報として識別して保存する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像ファイルを保管する医用画像保管装置に係り、特に画像診断装置及び検像装置から得られた医用画像ファイルを保管する医用画像保管装置に関する。
【背景技術】
【0002】
X線診断装置、X線CT装置、MRI装置、超音波診断装置、核医学診断装置等の画像診断装置では、DICOM(Digital ands for Medicine)の規格に基づいて、診断目的や装置等で分類される検査毎に生成した画像データ及びこの画像データに付加された付帯情報により構成される医用画像ファイルを作成する。そして、作成された医用画像ファイルは、検像装置により検像された後、医用画像保管装置に保管されることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
【0003】
画像診断装置、検像装置、及び医用画像保管装置の各装置間はネットワークで接続され、画像診断装置で作成された医用画像ファイルの検像により、画像データ及び検像の履歴である履歴データを含む付帯情報により構成される医用画像ファイルに更新する。そして、更新された医用画像ファイルが医用画像保管装置に保管される。
【0004】
医用画像保管装置では、保管した医用画像ファイルの付帯情報に含まれる情報の一覧である検査リストの中から、所望の医用画像ファイルに対応する付帯情報を選択することにより、選択された付帯情報に対応する画像データを表示して、読影、診断、治療等に使用される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−236603号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、緊急を要するときには、画像診断装置で作成したオリジナルの医用画像ファイルを医用画像保管装置に保管した後に、その医用画像ファイルの検像が行われる。この場合、医用画像保管装置にはオリジナルの医用画像ファイルと検像により更新された医用画像ファイルが共存して保存されることになる。また、修正のため複数回の検像が行われたときには、検像毎に更新された複数の医用画像ファイルが共存して保存されることになる。
【0007】
この場合、検査リストには1つの検査に対して同じ付帯情報又は一部が異なる付帯情報が表示されるので、検査リストの中から必要とする最新の医用画像ファイルに含まれる画像データを取得するのが困難となる。
【0008】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、各検査に対する最新の画像データを容易に取得することができる医用画像保管装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の本発明の医用画像保管装置は、被検体の検査により画像診断装置から得られた第1の医用画像ファイルに含まれる画像データを識別する新規識別情報を有する付帯情報、及び前記第1の医用画像ファイルから更新された第2の医用画像ファイルに含まれる画像データを識別する新規識別情報及び更新の履歴である履歴データを有する付帯情報を保存するための付帯情報記憶手段と、前記付帯情報記憶手段に保存された付帯情報を含む前記第1又は第2の医用画像ファイルを保存する医用画像ファイル記憶手段と、更新された前記第2の医用画像ファイルに含まれる履歴データに基づいて、前記医用画像ファイル記憶手段に保存された第1又は第2の医用画像ファイルが最新の医用画像ファイルであるか否かを判定する履歴データ分析手段とを備えたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項7に記載の本発明の医用画像保管装置は、被検体の検査により画像診断装置から得られた第1の医用画像ファイルに含まれる画像データを識別する新規識別情報を有する付帯情報、及び前記第1の医用画像ファイルから更新された第2の医用画像ファイルに含まれる画像データを識別する新規識別情報及び更新の履歴である履歴データを有する付帯情報を保存するための付帯情報記憶手段と、前記付帯情報記憶手段に保存された付帯情報を含む前記第1又は第2の医用画像ファイルを保存する医用画像ファイル記憶手段と、更新された前記第2の医用画像ファイルに含まれる履歴データに基づいて、前記医用画像ファイル記憶手段に保存された削除候補となる医用画像ファイルを求める履歴データ分析手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、各検査により画像診断装置から得られた医用画像ファイル又は検像装置から得られた医用画像ファイルに含まれる付帯情報を最新の付帯情報として識別して保存すると共に、検像装置から得られた医用画像ファイルの付帯情報に含まれる履歴データに基づいて、予め保存されたその検査の付帯情報を過去の付帯情報として識別することができる。
【0012】
これにより、画像診断装置から得られた医用画像ファイルと検像装置から得られた医用画像ファイルが共存した場合、又は検像装置から得られた複数の修正履歴を有する履歴情報が追加された複数の医用画像ファイルが共存した場合でも各検査の最新の医用画像ファイルに含まれる画像データを容易に取得することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施例に係る医用画像保管装置の構成を示すブロック図。
【図2】本発明の実施例に係る医用画像保管装置の動作を示すフローチャート。
【図3】本発明の実施例に係る画像診断装置により作成された第1の医用画像ファイルの構成の一例を示す図。
【図4】本発明の実施例に係る検像装置における検像により第1の医用画像ファイルから更新された第2の医用画像ファイルの構成の一例を示す図。
【図5】本発明の実施例に係る検像装置におけるn回目の検像により更新された第2の医用画像ファイルの構成の一例を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施例を、図1乃至図5を参照して説明する。
【実施例】
【0015】
図1は、本発明の実施例に係る医用画像保管装置の構成を示したブロック図である。この医用画像保管装置100はネットワーク110に接続され、このネットワーク110には画像診断装置120、検像装置130、ビューア140等が接続されている。なお、画像診断装置120には、X線診断装置、X線CT装置、MRI装置、超音波診断装置、核医学診断装置等がある。
【0016】
画像診断装置120では、例えばRIS(Radiology Information System)からのオーダにより検査を行い、その検査に対してDICOMの規格に基づく第1の医用画像ファイルを作成する。この第1の医用画像ファイルは、被検体の撮影により生成された画像データと、この画像データ及び前記検査を識別する固有のユニークIDである新規UID情報、並びに前記画像データの属性を示す情報等から成る新規付帯情報を備えた付帯情報とにより構成される。そして、作成した第1の医用画像ファイルを、ネットワーク110を介して検像装置130へ送信する。また、救急の被検体対応で緊急性が要求される第1の医用画像ファイルを、ネットワーク110を介して医用画像保管装置100へ送信する。
【0017】
検像装置130では、画像診断装置120からネットワーク110を介して送信された第1の医用画像ファイル、又は医用画像保管装置100からネットワーク110を介して送信された緊急性が要求されるファイルとして一旦保管した第1の医用画像ファイルを検像する。
【0018】
この検像により、第1の医用画像ファイルを、画像データ及び新規付帯情報の修正の必要がない場合には確定させて、第2の医用画像ファイルに更新する。また、第1の医用画像ファイルを、画像データの画質又は新規付帯情報の間違い等の修正の必要がある場合に修正した後に確定させて、第2の医用画像ファイルに更新する。更に、第1の医用画像ファイルを分割させる必要がある場合に画像データを分割する修正を行った後に確定させて、複数の第2の医用画像ファイルに更新する。
【0019】
ここでは、第1の医用画像ファイルの更新の履歴として、検像前の新規付帯情報に含まれる新規UID情報に一致する旧UID情報を含む第1の履歴データにより構成される履歴データを作成する。次いで、作成した履歴データ及び検像により更新した新規付帯情報を付帯情報として、検像により更新した画像データに付加することにより構成される第2の医用画像ファイルに更新する。そして、更新した第2の医用画像ファイルを、ネットワーク110を介して医用画像保管装置100へ送信する。
【0020】
また、医用画像保管装置100からネットワーク110を介して送信された第2の医用画像ファイルの修正を必要とする検像により、その第2の医用画像ファイルの画像データ又は新規付帯情報を修正した後に確定させて、第2の医用画像ファイルに更新する。
【0021】
ここでは、検像前の第2の医用画像ファイルに含まれる履歴データに、その第2の医用画像ファイルの新規付帯情報に含まれる新規UID情報に一致する旧UID情報を含む第2の履歴データを追加して更新する。これにより、更新された履歴データは、第1及び第2の履歴データにより構成される。
【0022】
次いで、更新した履歴データ及び検像により更新した新規付帯情報を付帯情報として、検像により更新した画像データに付加することにより構成される第2の医用画像ファイルに更新する。そして、更新した第2の医用画像ファイルを、ネットワーク110を介して医用画像保管装置100へ送信する。
【0023】
更に、医用画像保管装置100からネットワーク110を介して送信された第2の医用画像ファイルの修正を必要とする第1の医用画像ファイルの検像から数えてn回目(2以上の整数)の検像により、(n―1)回目の検像後の第2の医用画像ファイルの画像データ又は新規付帯情報を修正した後に確定させて、n回目の検像後の第2の医用画像ファイルに更新する。
【0024】
ここでは、(n−1)回目の検像後の第2の医用画像ファイルに含まれる履歴データに、その第2の医用画像ファイルの新規付帯情報に含まれる新規UID情報に一致する旧UID情報を含む第nの履歴データを追加して更新する。これにより、更新された履歴データは、第1乃至第nの履歴データにより構成される。
【0025】
次いで、更新した履歴データ及び検像により更新した新規付帯情報を付帯情報として、検像により更新した画像データに付加することにより構成される第2の医用画像ファイルに更新する。そして、更新した第2の医用画像ファイルを、ネットワーク110を介して医用画像保管装置100へ送信する。
【0026】
医用画像保管装置100はネットワーク110を介して、画像診断装置120や検像装置130から送信された第1の医用画像ファイルや第2の医用画像ファイルの受信や、受信した第1の医用画像ファイルや第2の医用画像ファイルの画像診断装置120、検像装置130、及びビューア140等の各装置への送信を行う通信インターフェース1と、通信インターフェース1で受信した第1の医用画像ファイルや第2の医用画像ファイルを保存するファイル保管部2とを備えている。
【0027】
また、ファイル保管部2に保存した第1の医用画像ファイルや第2の医用画像ファイルの管理を行うファイル管理部3と、ファイル保管部2に保管した第1の医用画像ファイルや第2の医用画像ファイルに含まれる画像データ等を表示する表示部4と、各種コマンド等の入力を行う操作部5と、通信インターフェース1、ファイル保管部2、及びファイル管理部3の各ユニットを統括して制御する制御部6とを備えている。
【0028】
通信インターフェース1は画像診断装置120からネットワーク110を介して送信された各検査の第1の医用画像ファイルを最新の医用画像ファイルとして受信し、受信した第1の医用画像ファイルをファイル保管部2及びファイル管理部3へ出力する。また、検像装置130からネットワーク110を介して送信された各検査の第1の医用画像ファイルや第2の医用画像ファイルから更新された第2の医用画像ファイルを最新の医用画像ファイルとして受信し、受信した第2の医用画像ファイルをファイル保管部2及びファイル管理部3へ出力する。更に、ファイル保管部2から出力された第1の医用画像ファイルや第2の医用画像ファイルを、ネットワーク110を介して各装置へ送信する。
【0029】
ファイル保管部2は、通信インターフェース1から出力された各第1及び第2の医用画像ファイルを保存するための光ディスク、磁気ディスク等の大容量のメモリデバイスを有する医用画像ファイル記憶部21と、この医用画像ファイル記憶部21に保存された各第1及び第2の医用画像ファイルの検索等を行うファイル検索部22とを備えている。
【0030】
ファイル検索部22は、通信インターフェース1から出力された各第1及び第2の医用画像ファイルを医用画像ファイル記憶部21に書き込み保存する。また、ファイル管理部3からの表示出力情報に基づいて、医用画像ファイル記憶部21に保存された各第1及び第2の医用画像ファイルに含まれる画像データを読み出して表示部4に出力する。また、制御部6から供給される外部出力情報に基づいて、医用画像ファイル記憶部21から各第1及び第2の医用画像ファイルを読み出して通信インターフェース1に出力する。
【0031】
ファイル管理部3は、通信インターフェース1から出力された各第1及び第2の医用画像ファイルに含まれる付帯情報を保存するための付帯情報記憶部31と、通信インターフェース1から出力された第2の医用画像ファイルに含まれる履歴データの分析等を行う履歴データ分析部32とを備えている。
【0032】
履歴データ分析部32は、通信インターフェース1から出力された第1の医用画像ファイルや第2の医用画像ファイルに含まれる付帯情報に最新の医用画像ファイルの付帯情報であることを示すONにした最新フラグを設け、そのONにした最新フラグを設けた付帯情報を付帯情報記憶部31に保存する。また、通信インターフェース1から出力された第2の医用画像ファイル含まれる履歴データに基づいて、付帯情報記憶部31に保存されているその第2の医用画像ファイルに更新される前の医用画像ファイルに含まれていた付帯情報の最新フラグをONからOFFに変更する。
【0033】
ここで、第2の医用画像ファイルに第1の履歴データのみが含まれている場合、その第2の医用画像ファイルに更新する前の第1の医用画像ファイルに含まれていた付帯情報、即ちその第1の履歴データに含まれる旧UID情報に一致する新規UID情報を含む付帯情報を付帯情報記憶部31に保存された付帯情報の中から検索する。その検索した新規UID情報を含む付帯情報が付帯情報記憶部31に保存されている場合、その付帯情報の最新フラグをONからOFFに変更する。また、第2の医用画像ファイルに第1乃至第nの履歴データが含まれている場合、その第2の医用画像ファイルに更新する前の第1の医用画像ファイルに含まれていた付帯情報又はその履歴データに更新される前の履歴データを含む付帯情報、即ち第1乃至第(n−1)の履歴データに含まれる旧UID情報の少なくともいずれかに一致する新規UID情報を含む付帯情報を、付帯情報記憶部31から検索する。そして、その一致する新規UID情報を含む付帯情報が付帯情報記憶部31に保存されている場合に、その一致する新規UID情報を含む付帯情報の最新フラグをOFFする。
【0034】
そして、操作部5から最新の検査リストを表示させるための入力が行われると、履歴データ分析部32は、通信インターフェース1から出力された第2の医用画像ファイルに含まれる履歴データに基づいて付帯情報記憶部31に保存された付帯情報に設けた最新フラグから、医用画像ファイル記憶部21に保存された第1の医用画像ファイルや第2の医用画像ファイルが最新の医用画像ファイルであるか否かを判定する。最新フラグONの付帯情報を有する医用画像ファイルを最新の医用画像ファイルであると判定し、最新フラグOFFの付帯情報を有する医用画像ファイルを過去の医用画像ファイルであると判定する。次いで、付帯情報記憶部31に保存されている最新フラグONの付帯情報に含まれている新規付帯情報の一部を読み出し、読み出した情報を一覧にした最新の検査リストを作成する。そして、作成した各検査リストを表示部4に出力する。
【0035】
このように、医用画像ファイル記憶部21に保存した医用画像ファイルに含まれる付帯情報に最新フラグを設けて付帯情報記憶部31に保存することにより、付帯情報記憶部31に保存された付帯情報の最新フラグから、医用画像ファイル記憶部21に保存された医用画像ファイルが最新の医用画像ファイルであるか否かを判定し、判定した最新の医用画像ファイルの一覧を表す最新の検査リストを迅速に作成して表示部4に表示することができる。
【0036】
また、操作部5から不要になった各第1及び第2の医用画像ファイルを消去する入力が行われると、履歴データ分析部32は、通信インターフェース1から出力された第2の医用画像ファイルに含まれる履歴データに基づいて付帯情報記憶部31に保存された付帯情報に設けた最新フラグから、医用画像ファイル記憶部21に保存された削除候補となる医用画像ファイルを求める。そして、付帯情報記憶部31に保存された付帯情報の内の最新フラグOFFの付帯情報を有する医用画像ファイルを削除候補として求める。次いで、求めた最新フラグOFFの付帯情報を付帯情報記憶部31から消去すると共に、消去した付帯情報に含まれる情報をファイル検索部22に出力する。ファイル検索部22では、履歴データ分析部32から出力された情報を含む削除候補の第1の医用画像ファイルや第2の医用画像ファイルを医用画像ファイル記憶部21から消去する。
【0037】
このように、医用画像ファイル記憶部21に保存した医用画像ファイルに含まれる付帯情報に最新フラグを設けて付帯情報記憶部31に保存することにより、付帯情報記憶部31に保存された付帯情報の最新フラグから、医用画像ファイル記憶部21に保存された削除候補となる医用画像ファイルを求め、求めた削除候補の医用画像ファイルを医用画像ファイル記憶部21から迅速に消去することができる。
【0038】
表示部4は、液晶パネル或いはCRTのモニタ等を備え、ファイル管理部3の履歴データ分析部32から出力される各検査リストを表示する。また、ファイル保管部2のファイル検索部22から出力される画像データを表示する。
【0039】
操作部5は、キーボード、マウス、各種スイッチ等の各入力デバイスを備えたインターラクティブなインターフェースであり、各検査リストを表示部4に表示させるための入力、表示部4に表示された各検査リストの中から新規付帯情報を選択する入力等を行う。
【0040】
制御部6は、CPUと記憶回路等を備え、操作部5から入力される入力情報に基づいて通信インターフェース1、ファイル保管部2、及びファイル管理部3の各ユニットの制御などシステム全体の制御を行う。
【0041】
以下、図1乃至図5を参照して、画像診断装置120で作成された第1の医用画像ファイル、検像装置130における検像により第1の医用画像ファイルから更新された第2の医用画像ファイル、及び検像装置130におけるn回目の検像により更新された第2の医用画像ファイルを受信した後に、表示部4に最新検査リストが表示されるまでの医用画像保管装置100の動作の一例を説明する。
【0042】
図2は、医用画像保管装置100の動作を示すフローチャートである。図3は、画像診断装置120により作成された第1の医用画像ファイルの構成の一例を示す図である。図4は、検像装置130における検像により第1の医用画像ファイルから更新された第2の医用画像ファイルの構成の一例を示す図である。図5は、検像装置130におけるn回目の検像により更新された第2の医用画像ファイルの構成の一例を示す図である。
【0043】
図2において、画像診断装置120では、被検体PAの検査Aにより第1の医用画像ファイルを作成し、作成した第1の医用画像ファイルを、例えば緊急性を要するためにネットワーク110を介して医用画像保管装置100に送信する。画像診断装置120からネットワーク110を介して送信された第1の医用画像ファイルを受信することにより、医用画像保管装置100は動作を開始する(ステップS1)。
【0044】
図3は、画像診断装置120により作成された第1の医用画像ファイルの構成の一例を示した図である。この第1の医用画像ファイル7は、被検体PAの検査Aにより生成された画像データ71、及びこの画像データ71の識別情報及び属性を示す情報を含む付帯情報72により構成される。
【0045】
付帯情報72は、新規付帯情報73により構成される。新規付帯情報73は、被検体PAの検査Aにより画像診断装置120で発行された固有のユニークIDから成る新規UID情報74と、被検体PAの検査Aが行われた検査年月日、検査部位、検査Aを発生させるオーダID、及びこのオーダIDにより発生した検査Aを識別する固有のユニークIDである新規検査UID{AA0}を含む検査情報75とにより構成される。
【0046】
また、新規付帯情報73は、被検体PAを識別する被検体ID、氏名、性別、年齢、生年月日、身長、体重、住所等の被検体情報76と、画像データ71が生成されたときの撮影年月日、撮影を担当した技師、画像データの枚数等の画像情報77と、画像データ71を生成するための画像診断装置120の撮影条件である例えばX線診断装置における管電流、管電圧、撮影角度等の撮影情報78とにより構成される。
【0047】
新規UID情報74は、新規検査UID{AA0}と、この新規検査UID{AA0}で識別される検査に属するシリーズを識別する固有のユニークIDである新規シリーズUID{BA0}と、この新規シリーズUID{BA0}で識別される各シリーズに属する画像データ71を識別する固有のユニークIDである新規画像UID{CA0}とにより構成される。
【0048】
通信インターフェース1は画像診断装置120からの被検体PAの検査Aに対して最新の医用画像ファイルである第1の医用画像ファイル7を受信する(図2のステップS2)。
【0049】
そして、受信した第1の医用画像ファイル7をファイル保管部2及びファイル管理部3に出力する。ファイル保管部2のファイル検索部22は、医用画像ファイル記憶部21に通信インターフェース1から出力された第1の医用画像ファイル7を保存する(図2のステップS3)。
【0050】
ファイル管理部3の履歴データ分析部32は、通信インターフェース1から出力された第1の医用画像ファイル7に含まれる付帯情報72にONした最新フラグを設け、そのONにした最新フラグを設けた付帯情報72を付帯情報記憶部31に保存する(図2のステップS4)。
【0051】
このように、通信インターフェース1で受信した画像診断装置120からの被検体PAの検査Aに対して最新の第1の医用画像ファイル7に含まれる付帯情報72にONにした最新フラグを設けることにより、最新の付帯情報として識別して付帯情報記憶部31に保存することができる。
【0052】
次に、画像診断装置120では、被検体PBの検査Bにより第1の医用画像ファイルを作成し、作成した第1の医用画像ファイルをネットワーク110を介して検像装置130に送信する。検像装置130では、画像診断装置120から受信した第1の医用画像ファイルを検像して、第2の医用画像ファイルに更新する。そして、更新した第2の医用画像ファイルをネットワーク110を介して医用画像保管装置100に送信する。通信インターフェース1は、検像装置130からネットワーク110を介して送信された被検体PBの検査Bに対して最新の第2の医用画像ファイルを受信する(図2のステップS5)。
【0053】
図4は、検像装置130における検像により第1の医用画像ファイルから更新された第2の医用画像ファイルの構成の一例を示した図である。この第2の医用画像ファイル8は、被検体PBの検査Bにより画像診断装置120で作成された第1の医用画像ファイルが、検像装置130の検像で確定されることにより、更新されたものである。
【0054】
第2の医用画像ファイル8は、被検体PBの検査Bで作成された第1の医用画像ファイルに含まれる画像データの検像により更新された画像データ81と、その第1の医用画像ファイルに含まれる付帯情報の検像により更新された付帯情報82により構成される。
【0055】
付帯情報82は、検像前の第1の医用画像ファイルの付帯情報に含まれる新規付帯情報の検像により更新された新規付帯情報83と、検像の履歴である第1の履歴データ83a1により構成される履歴データ89とにより構成される。
【0056】
新規付帯情報83は、検像前の第1の医用画像ファイルに含まれる新規UID情報が更新された新規UID情報84と、検像後の検査情報85、被検体情報86、画像情報87、及び撮影情報88とにより構成される。
【0057】
新規UID情報84は、検像前の第1の医用画像ファイルに含まれる被検体PBの検査Bを識別する新規検査UIDが更新された新規検査UID{AB1}と、この新規検査UID{AB1}で識別される検査に属するシリーズを識別する固有のユニークIDである新規シリーズUID{BB1}と、この新規シリーズUID{BB1}で識別されるシリーズに属する画像データ81を識別する固有のユニークIDである新規画像UID{CB1}とにより構成される。
【0058】
検査情報85は、新規検査UID{AB1}と、検像前の第1の医用画像ファイルの検査情報に含まれる新規検査UID以外の各情報が必要に応じて修正された後の情報により構成される。また、被検体情報86、画像情報87、及び撮影情報88の各情報は、検像前の第1の医用画像ファイルに含まれる被検体情報、画像情報、及び撮影情報の各情報が必要に応じて修正された後の情報により構成される。
【0059】
履歴データ89を構成している第1の履歴データ83a1は、検像の履歴として検像前の第1の医用画像ファイルに含まれる新規UID情報に一致する旧UID情報84a1及び検像データ84b1により構成される。
【0060】
そして、旧UID情報84a1は、新規UID情報84に含まれる新規検査UID{AB1}に更新される前の新規検査UIDに一致する旧検査UID{AB0}と、新規シリーズUID{BB1}に更新される前の新規シリーズUIDに一致する旧シリーズUID{BB0}と、新規画像UID{CB1}に更新される前の新規画像UIDに一致する旧画像UID{CB0}とにより構成される。また、検像データ84b1は、検像により修正が行われなかった場合には無修正の情報を有し、検像により修正が行われた場合には修正箇所の修正前の情報を有する。
【0061】
第2の医用画像ファイル8を受信した後、通信インターフェース1は第2の医用画像ファイル8をファイル検索部22及び履歴データ分析部32に出力する。ファイル検索部22は、通信インターフェース1から出力された第2の医用画像ファイル8を医用画像ファイル記憶部21に保存する(図2のステップS6)。
【0062】
履歴データ分析部32は、通信インターフェース1から出力された第2の医用画像ファイル8に含まれる履歴データ89に基づいて、付加情報記憶部31に保存されている付帯情報の最新フラグをOFFにする。
【0063】
ここで、履歴データ89に含まれる第1の履歴データ83a1の旧UID情報84a1に一致する新規UID情報を含む付帯情報を付帯情報記憶部31から検索する。そして、旧UID情報84a1に一致する新規UID情報を含む付帯情報が付帯情報記憶部31に保存されている場合(図2のステップS7のはい)、その一致する新規UID情報を含む付帯情報の最新フラグをOFFにする(図2のステップS8)。また、旧付帯情報84a1に一致する新規UID情報を含む付帯情報が付帯情報記憶部31に保存されていない場合(図2のステップS7のいいえ)、ステップS9へ移行する。
【0064】
なお、旧UID情報84a1に含まれる旧検査UID{AB0}、或いは旧シリーズUID{BB0}、或いは旧画像UID{CB0}のいずれかの旧UIDに一致する新規UIDを有する付帯情報を付帯情報記憶部31から検索するように実施してもよい。
【0065】
このように、通信インターフェース1で受信した検像装置130からの第2の医用画像ファイル8に含まれる履歴データ89に基づいて、第2の医用画像ファイル8に更新される前の第1の医用画像ファイルに含まれる付帯情報が付帯情報記憶部31に保存されている場合、その付帯情報を過去の付帯情報として識別することができる。
【0066】
ステップS7の「いいえ」又はステップS8の後に、履歴データ分析部32は、第2の医用画像ファイル8に含まれる付帯情報82にONした最新フラグを設け、そのONにした最新フラグを設けた付帯情報82を付帯情報記憶部31に保存する(図2のステップS9)。
【0067】
このように、通信インターフェース1で受信した第2の医用画像ファイル8に含まれる付帯情報82にONにした最新フラグを設けることにより、最新の付帯情報として識別して付帯情報記憶部31に保存することができる。これにより、第2の医用画像ファイル8を最新の医用画像ファイルとして識別して医用画像ファイル記憶部21に保存することができる。
【0068】
次に、被検体PCの検査Cにより画像診断装置120で作成され、検像装置130におけるより検像された(n−1)回目の検像により更新された第2の医用画像ファイルが医用画像ファイル記憶部21に保存されている。この第2の医用画像ファイルのn回目の検像を行うために、ファイル検索部22により医用画像ファイル記憶部21から読み出された第2の医用画像ファイルが通信インターフェース1からネットワーク110を介して検像装置130に送信される。
【0069】
検像装置130では、医用画像保管装置100から受信した第2の医用画像ファイルを検像して、n回目の検像により第2の医用画像ファイルに更新する。そして、更新した第2の医用画像ファイルをネットワーク110を介して医用画像保管装置100に送信する。通信インターフェース1は、検像装置130からネットワーク110を介して送信された被検体PCの検査Cに対して最新のn回目の検像により更新された第2の医用画像ファイルを受信する(図2のステップS10)。
【0070】
図5は、検像装置130におけるn回目の検像により更新された第2の医用画像ファイルの構成の一例を示した図である。この第2の医用画像ファイル9は、被検体PCの検査Cにより画像診断装置120で作成された第1の医用画像ファイルが、検像装置130のn回目の検像で確定されることにより、更新されたものである。
【0071】
第2の医用画像ファイル9は、(n−1)回目の検像により更新された第2の医用画像ファイルに含まれる画像データの検像により更新された画像データ91、及びその第2の医用画像ファイルに含まれる付帯情報の検像により更新された付帯情報92により構成される。
【0072】
付帯情報92は、(n−1)回目の検像により更新された第2の医用画像ファイルの付帯情報に含まれる新規付帯情報の検像により更新された新規付帯情報93と、1回目乃至n回目の検像の履歴である第1乃至第nの履歴データ93a1乃至93anからなる履歴データ99とにより構成される。
【0073】
新規付帯情報93は、(n−1)回目の検像により更新された第2の医用画像ファイルに含まれる新規UID情報が更新された新規UID情報94と、n回目の検像後の検査情報95、被検体情報96、画像情報97、及び撮影情報98とにより構成される。
【0074】
新規UID情報94は、(n−1)回目の検像により更新された第2の医用画像ファイルに含まれる新規検査UIDが更新された固有のユニークIDである新規検査UID{ACn}と、この新規検査UID{ACn}で識別される検査に属するシリーズを識別する固有のユニークIDである新規シリーズUID{BCn}と、この新規シリーズUID{BCn}で識別される各シリーズに属する画像データ91を識別する固有のユニークIDである新規画像UID{CCn}とにより構成される。
【0075】
検査情報95は、新規検査UID{ACn}と、(n−1)回目の検像により更新された第2の医用画像ファイルの検査情報に含まれる新規検査UID{AC(n−1)}以外の各情報が必要に応じて修正された後の情報により構成される。また、被検体情報96、画像情報97、及び撮影情報98の各情報は、(n−1)回目の検像により更新された第2の医用画像ファイルに含まれる被検体情報、画像情報、及び撮影情報の各情報が必要に応じて修正された後の情報により構成される。
【0076】
履歴データ99の第1の履歴データ93a1は、1回目の検像の履歴として検像前の第1の医用画像ファイルに含まれる新規UID情報に一致する旧UID情報94a1、及び1回目の検像データ94b1により構成される。
【0077】
そして、旧UID情報94a1は、1回目の検像前の第1の医用画像ファイルの新規UID情報に含まれる新規検査UIDに一致する旧検査UID{AC0}、新規シリーズUIDに一致する旧シリーズUID{BC0}、及び新規画像UIDに一致する旧画像UID{CC0}により構成される。また、検像データ94b1は、1回目の検像により修正が行われなかった場合には無修正の情報を有し、その検像により修正が行われた場合には修正箇所の修正前の情報を有する。
【0078】
また、旧UID情報94anは、(n−1)回目の検像により更新された第2の医用画像ファイルの新規UID情報に含まれる新規検査UIDに一致する旧検査UID{AC(n−1)}、新規シリーズUIDに一致する旧シリーズUID{BC(n−1)}、及び新規画像UIDに一致する旧画像UID{CC(n−1)}により構成される。また、検像データ94bnは、n回目の検像により修正が行われた場合の修正箇所の修正前の情報を有する。
【0079】
通信インターフェース1は、検像装置130からネットワーク110を介して送信された被検体PCの検査Cに対して最新のn回目の検像により更新された第2の医用画像ファイル9を受信して、ファイル検索部22及び履歴データ分析部32に出力する。ファイル検索部22は、通信インターフェース1から出力された第2の医用画像ファイル9を医用画像ファイル記憶部21に保存する(図2のステップS11)。
【0080】
履歴データ分析部32は、通信インターフェース1から出力された第2の医用画像ファイル9の履歴データ99に基づいて、付帯情報記憶部31に保存されている付帯情報の最新フラグをOFFにする。
【0081】
ここで、履歴データ99の第1乃至第(n−1)の履歴データ93a1乃至93anに含まれる旧UID情報94a1乃至94anの少なくともいずれかに一致する新規UID報を含む付帯情報を付帯情報記憶部31から検索する。そして、旧UID情報94a1乃至94anの少なくともいずれかに一致する新規UID情報を含む付帯情報が付帯情報記憶部31に保存されている場合(図2のステップS12のはい)、その少なくともいずれかに一致する新規UID情報を含む付帯情報の最新フラグをOFFする(図2のステップS13)。
【0082】
また、旧UID情報94a1乃至94anの少なくともいずれかに一致する新規UID情報を含む付帯情報が付帯情報記憶部31に保存されていない場合(図2のステップS12のいいえ)、ステップS14へ移行する。
【0083】
なお、旧UID情報94a1乃至94anに含まれる旧検査UID{AC0}乃至{AC(n−1)}の少なくともいずれかに一致する新規UID情報を含む付帯情報を検索するように実施してもよい。また、旧シリーズUID{BC0}乃至{BC(n−1)}の少なくともいずれかに一致する新規UID情報を含む付帯情報を検索するように実施してもよい。更に、旧画像UID{CC0}乃至{CC(n−1)}の少なくともいずれかに一致する新規UID情報を含む付帯情報を検索するように実施してもよい。
【0084】
このように、通信インターフェース1から出力された第2の医用画像ファイル9に含まれる履歴データ99に基づいて、履歴データ99に更新される前の第1の医用画像ファイルに含まれる付帯情報、又は履歴データ99に更新される前の履歴データを含む付帯情報が付帯情報記憶部31に保存されている場合に、その付帯情報を過去の付帯情報として識別することができる。これにより、履歴データ99に更新される前の第1の医用画像ファイルに含まれる付帯情報、又は履歴データ99に更新される前の履歴データを含む付帯情報を有する医用画像ファイルを過去の医用画像ファイルとして識別して医用画像ファイル記憶部21に保存することができる。
【0085】
ステップS12の「いいえ」又はステップS13の後に、履歴データ分析部32は、第2の医用画像ファイル9に含まれる付帯情報92にONした最新フラグを設け、そのONにした最新フラグを設けた付帯情報92を付帯情報記憶部31に保存する(図2のステップS14)。
【0086】
このように、通信インターフェース1で受信した第2の医用画像ファイル9に含まれる付帯情報92にONにした最新フラグを設けることにより、最新の付帯情報として識別して付帯情報記憶部31に保存することができる。これにより、第2の医用画像ファイル9を最新の医用画像ファイルとして識別して医用画像ファイル記憶部21に保存することができる。
【0087】
そして、医用画像保管装置100は、次の操作部5からの入力、又は通信インターフェース1からの各第1及び第2の医用画像ファイルの受信、又は外部の各装置からの各第1及び第2の医用画像ファイルの送信依頼があるまで動作を停止する(図2のステップS15)。
【0088】
次に、ステップS14の後に、操作部5から最新の検査リストを表示させるための入力が行われると、履歴データ分析部32は、付帯情報記憶部31に保存された付帯情報の中から、ONの最新フラグを有する付帯情報の新規付帯情報に含まれる例えば検査年月日、氏名、被検体ID等の情報を読み出して最新検査リストを作成する。そして作成した最新検査リストを表示部4に表示出力する。
【0089】
このように、付帯情報記憶部31に最新フラグONの付帯情報を保存することにより、最新の検査リストを迅速に作成して表示部4に表示することができる。
【0090】
表示部4に表示された最新検査リストには、図3に示した第1の医用画像ファイル7の新規付帯情報73に含まれる検査Aの検査年月日、被検体PAの氏名や被検体ID等の情報、図4に示した第2の医用画像ファイル8の新規付帯情報83に含まれる検査Bの検査年月日、被検体PBの氏名や被検体ID等の情報、及び図5に示した第2の医用画像ファイル9の新規付帯情報93に含まれる検査Cの検査年月日、被検体PCの氏名や被検体ID等の情報が含まれている。
【0091】
そして、表示部4に表示された最新検査リストの中から例えば被検体PAの新規付帯情報73を選択する入力が操作部5から行われると、制御部6は選択された新規付帯情報73を履歴データ分析部32に供給する。履歴データ分析部32は、選択された新規付帯情報73に含まれる例えば新規画像UID{CA0}をファイル検索部22に出力する。ファイル検索部22は、履歴データ分析部32から出力された新規画像UID{CA0}が付記された画像データ71を読み出して表示部4に表示出力する。
【0092】
次に、第1の医用画像ファイル7の検像を行うために、表示部4に表示された最新検査リストの中から新規付帯情報73を選択して検像装置130へ送信するための入力を操作部5から行うと、ファイル検索部22は、制御部6から供給される外部出力情報に基づいて、医用画像ファイル記憶部21に保存された第1の医用画像ファイル7を読み出して通信インターフェース1に出力する。
【0093】
通信インターフェース1は、ファイル検索部22から出力された第1の医用画像ファイル7をネットワーク110を介して、検像装置130に送信する。検像装置130では、受信した第1の医用画像ファイル7を第2の医用画像ファイルに更新する。そして、更新した第2の医用画像ファイルを医用画像保管装置100へ返信する。
【0094】
通信インターフェース1は、検像装置130からネットワーク110を介して返信された被検体PAの検査Aに対して最新の第2の医用画像ファイルを受信して、ファイル検索部22及び履歴データ分析部32に出力する。ファイル検索部22は、通信インターフェース1から出力された第2の医用画像ファイルを医用画像ファイル記憶部21に保存する。
【0095】
履歴データ分析部32は、通信インターフェース1から出力された第2の医用画像ファイルの第1の履歴データに含まれる旧UID情報に一致する新規UID情報74を含む付帯情報72の最新フラグをONからOFFに変更する。また、その第2の医用画像ファイルに含まれる付帯情報にONにした最新フラグを設け、そのONにした最新フラグを設けた付帯情報を付帯情報記憶部31に保存する。
【0096】
次に、操作部5から不要になった各第1及び第2の医用画像ファイルを消去する入力が行われると、履歴データ分析部32は、付帯情報記憶部31に保存された最新フラグOFFの付帯情報を消去すると共に、その付帯情報の例えば新規UID情報をファイル検索部22に出力する。ファイル検索部22は、履歴データ分析部32から出力された新規UID情報を含む削除候補の各第1及び第2の医用画像ファイルを医用画像ファイル記憶部21から消去する。
【0097】
このように、操作部5からの簡単な操作により、付帯情報記憶部31に保存された不要になった最新フラグOFFの付帯情報を消去すると共に、医用画像ファイル記憶部21に保存されたその付帯情報を含む削除候補の各第1及び第2の医用画像ファイルを消去することができる。
【0098】
以上述べた本発明の実施例によれば、通信インターフェース1から出力された第1及び第2の医用画像ファイルに含まれる付帯情報にONにした最新フラグを設け、そのONにした最新フラグを設けた付帯情報を付帯情報記憶部31に保存することができる。これにより、ONにした最新フラグを設けた付帯情報を有する医用画像ファイルを最新の医用画像ファイルとして識別して医用画像ファイル記憶部21に保存することができる。
【0099】
また、通信インターフェース1から出力された第2の医用画像ファイルに含まれる履歴データに基づいて、付帯情報記憶部31に保存されているその第2の医用画像ファイルに更新される前の医用画像ファイルに含まれていた付帯情報の最新フラグをONからOFFに変更することができる。これにより、OFFに変更した最新フラグを設けた付帯情報を有する医用画像ファイルを過去の医用画像ファイルとして識別して医用画像ファイル記憶部21に保存することができる。
【0100】
更に、通信インターフェース1から出力された第2の医用画像ファイルに含まれる履歴データに基づいて付帯情報記憶部31に保存された付帯情報に設けた最新フラグから、医用画像ファイル記憶部21に保存された医用画像ファイルが最新の医用画像ファイルであるか否かを判定し、判定した最新の医用画像ファイルの一覧を表す最新の検査リストを作成して表示部4に表示することができる。
【0101】
更にまた、通信インターフェース1から出力された第2の医用画像ファイルに含まれる履歴データに基づいて付帯情報記憶部31に保存された付帯情報に設けた最新フラグから、医用画像ファイル記憶部21に保存された削除候補となる医用画像ファイルを求め、求めた削除候補の医用画像ファイルを医用画像ファイル記憶部21から消去することができる。
【0102】
以上により、画像診断装置120から得られた第1の医用画像ファイルと検像装置130から得られた第2の医用画像ファイルが共存した場合、又は検像装置130から得られた複数回の検像により更新された複数の第2の医用画像ファイルが共存した場合でも各検査の最新の第2の医用画像ファイルに含まれる画像データを容易に取得することができる。
【符号の説明】
【0103】
1 通信インターフェース
2 ファイル保管部
3 ファイル管理部
4 表示部
5 操作部
6 制御部
21 医用画像ファイル記憶部
22 ファイル検索部
31 付帯情報記憶部
32 履歴データ分析部
100 医用画像保管装置
110 ネットワーク
120 画像診断装置
130 検像装置
140 ビューア

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被検体の検査により画像診断装置から得られた第1の医用画像ファイルに含まれる画像データを識別する新規識別情報を有する付帯情報、及び前記第1の医用画像ファイルから更新された第2の医用画像ファイルに含まれる画像データを識別する新規識別情報及び更新の履歴である履歴データを有する付帯情報を保存するための付帯情報記憶手段と、
前記付帯情報記憶手段に保存された付帯情報を含む前記第1又は第2の医用画像ファイルを保存する医用画像ファイル記憶手段と、
更新された前記第2の医用画像ファイルに含まれる履歴データに基づいて、前記医用画像ファイル記憶手段に保存された第1又は第2の医用画像ファイルが最新の医用画像ファイルであるか否かを判定する履歴データ分析手段とを
備えたことを特徴とする医用画像保管装置。
【請求項2】
前記履歴データ分析手段は、前記画像診断装置から得られた第1の医用画像ファイル及更新された前記第2の医用画像ファイルに含まれる付帯情報にONにした最新フラグを設け、そのONにした最新フラグを設けた付帯情報を前記付帯情報記憶手段に保存すると共に、その付帯情報に含まれる履歴データに更新される前の履歴データを有する前記付帯情報記憶手段に保存された付帯情報の最新フラグをONからOFFに変更することを特徴とする請求項1に記載の医用画像保管装置。
【請求項3】
前記履歴データ分析手段は、前記付帯情報記憶手段に保存された付帯情報の内、最新フラグONの付帯情報を有する第1又は第2の医用画像ファイルが最新の医用画像ファイルであると判定するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の医用画像保管装置。
【請求項4】
前記履歴データ分析手段は、最新の医用画像ファイルであると判定した前記付帯情報記憶手段に保存されている最新フラグONの付帯情報を読み出して一覧にした最新の検査リストを作成するようにしたことを特徴とする請求項3に記載の医用画像保管装置。
【請求項5】
前記履歴データ分析手段は、前記付帯情報記憶手段に保存された付帯情報の内、最新フラグOFFの付帯情報を有する第1又は第2の医用画像ファイルが過去の医用画像ファイルであると判定するようにしたことを特徴とする請求項2に記載の医用画像保管装置。
【請求項6】
前記履歴データ分析手段は、過去の医用画像ファイルであると判定した前記付帯情報記憶手段に保存された最新フラグOFFの付帯情報を消去するようにしたことを特徴とする請求項5に記載の医用画像保管装置。
【請求項7】
被検体の検査により画像診断装置から得られた第1の医用画像ファイルに含まれる画像データを識別する新規識別情報を有する付帯情報、及び前記第1の医用画像ファイルから更新された第2の医用画像ファイルに含まれる画像データを識別する新規識別情報及び更新の履歴である履歴データを有する付帯情報を保存するための付帯情報記憶手段と、
前記付帯情報記憶手段に保存された付帯情報を含む前記第1又は第2の医用画像ファイルを保存する医用画像ファイル記憶手段と、
更新された前記第2の医用画像ファイルに含まれる履歴データに基づいて、前記医用画像ファイル記憶手段に保存された削除候補となる医用画像ファイルを求める履歴データ分析手段とを
備えたことを特徴とする医用画像保管装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−244199(P2010−244199A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−90394(P2009−90394)
【出願日】平成21年4月2日(2009.4.2)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】