説明

医用画像管理システム及び医用画像管理方法

【課題】代替の医用画像管理装置に交換された医用画像管理装置のバックアップデータを反映する際に生じる当該医用画像管理装置を使用するシステムの停止期間の短縮を図ること。
【解決手段】画像データ、画像設定情報、施設設定情報を含む医用画像情報を記憶する医用画像管理装置4の記憶部43と、医用画記管理装置の記憶部に記憶されている医用画像情報のバックアップデータを記憶するデータバンク20と、医用画像管理装置の記憶部に記憶されている医用画像情報をデータバンクにバックアップさせ、データバンクに記憶されているバックアップデータを医用画像管理装置の記憶部に記憶させる際、画像データを除いたバックアップデータをデータバンクから取得して医用画像管理装置の記憶部に記憶させ、画像データの参照先をデータバンクに設定する制御部41と、を備える、医用画像管理システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像管理システム及び医用画像管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、医療施設内でCT、MR等のモダリティにより生成された画像データ、当該画像データの画像情報、患者情報等の医用画像情報は、ハードディスク等の記憶媒体に記憶され管理されている。そして、誤操作や誤更新等による医用画像情報の破損が発生した場合に備え、当該医用画像情報を復元するために他の記憶媒体に当該医用画像情報のバックアップコピーが行なわれ管理されている。
【0003】
例えば、特許文献1には、記憶媒体に記憶された医用画像データベースのバックアップを行なう際、バックアップを行なう記憶媒体の情報も管理する医用画像データベース管理方法が開示されている。また、特許文献2には、バックアップメディアにバックアップされた医療情報を復元するため、患者の医療情報を患者の属する地域に対応して準備されたバックアップメディアに記録して管理する医療画像管理方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−228401号公報
【特許文献2】特開2000−181979号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、医用画像情報を記憶している記憶媒体を備える医用画像管理装置が故障し、当該故障した医用画像管理装置を修理に出す場合、修理期間中に使用する代替の医用画像管理装置に故障した医用画像管理装置の医用画像情報のバックアップデータを反映してからでないと、代替の医用画像管理装置を使用することができない。
【0006】
このバックアップデータを反映する作業では、データ量の大きい画像データの反映作業時間に長時間要する。そのため、代替の医用画像管理装置が使用できないために、故障した医用画像管理装置を使用するシステムが停止する期間が長時間にわたるという問題が生じている。
【0007】
本発明の課題は、上記問題に鑑みて、医用画像管理装置を代替の医用画像管理装置に交換する場合に、当該代替の医用画像管理装置に交換された医用画像管理装置のバックアップデータを反映する際に生じる当該医用画像管理装置を使用するシステムの停止期間の短縮を図ることである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1に記載の発明は、画像データ、当該画像データに関連して設定されている画像設定情報、医用画像管理装置の固有の施設設定情報、を含む医用画像情報を記憶する医用画像記憶手段と、前記医用画記憶手段に記憶されている医用画像情報のバックアップデータを記憶するデータ記憶手段と、前記医用画像記憶手段に記憶されている医用画像情報をデータ記憶手段にバックアップさせ、前記データ記憶手段に記憶されているバックアップデータを前記医用画像記憶手段に記憶させる際、前記画像データを除いたバックアップデータを前記データ記憶手段から取得して前記医用画像記憶手段に記憶させ、前記画像データの参照先を前記データ記憶手段に設定する制御手段と、を備える、医用画像管理システムである。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の医用画像管理システムにおいて、前記画像データに基づく画像を表示する表示手段を備え、前記画像データは、当該画像データが圧縮された圧縮画像データと、当該画像データが圧縮されていない非圧縮画像データとを含み、前記制御手段は、前記画像データを参照する際、当該画像データの圧縮画像データを参照し、当該圧縮画像データに基づいて前記表示手段に画像を表示させる。
【0010】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の医用画像管理システムにおいて、前記表示手段に表示されている圧縮画像データに基づく画像に対して、前記非圧縮画像データに基づく画像の表示要求が入力される入力手段を備え、前記制御手段は、前記入力手段から前記非圧縮画像データに基づく画像の表示要求が入力された場合、当該表示手段に表示されている圧縮画像データに基づく画像に対する前記データ記憶手段に記憶されている非圧縮画像データを参照し、当該非圧縮画像データに基づく画像を前記表示手段に表示させる。
【0011】
請求項4に記載の発明は、画像データ、当該画像データに設定されている画像設定情報、患者情報、医用画像管理装置の固有の設定情報、を含む医用画像情報を記憶する医用画像記憶手段と、前記医用画像記憶手段に記憶されている医用画像情報のバックアップデータを記憶するデータ記憶手段と、を備えた医用画像管理システムの医用画像管理方法において、前記医用画像記憶手段に記憶されている医用画像情報をデータ記憶手段にバックアップする工程と、前記データ記憶手段に記憶されているバックアップデータを前記医用画像記憶手段に記憶させる際、前記医用画像情報から前記画像データを除いたバックアップデータを前記データ記憶手段から取得して前記医用画像記憶手段に記憶し、前記画像データの参照先を前記データ記憶手段に設定する工程と、を含む医用画像管理方法である。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、医用画像管理装置を代替の医用画像管理装置に交換する場合に、当該代替の医用画像管理装置に交換された医用画像管理装置のバックアップデータを反映する際に生じる当該医用画像管理装置を使用するシステムの停止期間の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本実施の形態における医用画像管理システムの概略構成図である。
【図2】医用画像管理装置の機能構成例を示す図である。
【図3】データバンクの機能構成の例を示す図である。
【図4】仮運用開始準備処理のフローチャートである。
【図5】初期設定画面の例を示す図である。
【図6】データバンク設定画面の例を示す図である。
【図7】仮運用モードが実行されている場合の画像データの表示処理の例のフローチャートである。
【図8】患者リスト画面の例を示す図である。
【図9】ビューア画面の例を示す図である。
【図10】オリジナル画像の読込指示が入力される場合のビューア画面の例を示す図である。
【図11】仮運用終了処理のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。
まず、構成を説明する。
【0015】
〔医用画像管理システム100の構成〕
図1に、本実施の形態における医用画像管理システムの概略構成図を示す。
図1に示すように、医用画像管理システム100は、医療施設毎の施設内医用画像管理システム10とデータバンク20とがネットワークNを介して相互にデータの送受信が可能に接続されて構成されている。
【0016】
ネットワークNは、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)としてもよく、また、電話回線網、ISDN(Integrated Services Digital Network)回線網、広帯域通信回線網、専用線、移動体通信網、通信衛星回線、CATV(Community Antenna Television)回線、光通信回線、無線通信回線等と、それらを接続するインターネットサービスプロバイダなどを含む構成でもよい。
【0017】
〔施設内医用画像管理システム10の構成〕
施設内医用画像管理システム10は、医療施設内毎に構築され、受付装置1、オーダ生成装置2、画像生成装置3、医用画像管理装置4等がLAN(Local Area Network)等の通信ネットワーク5を介して相互にデータの送受信が可能に接続されて構成されている。
【0018】
通信ネットワークで用いられる通信方式としては、一般的に、DICOM(Digital Image and Communications in Medicine)規格が用いられており、LAN接続された各装置間の通信では、DICOM MWM(Modality Worklist Management)やDICOM MPPS(Modality Performed Procedure Step)が用いられる。なお、本実施の形態に適用可能な通信方式はこれに限定されない。
【0019】
受付装置1は、来院した患者の受付登録、会計計算、保険点数計算等を行うためのコンピュータ装置である。受付装置1は、CPU(Central Processing Unit)等により構成される制御部、HDD(Hard Disk Drive)やRAM等により構成される記憶部、キーボードやマウス等により構成される入力部、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等により構成される表示部、通信ネットワーク5に接続された各装置との通信を制御する通信部(いずれも図示せず)等を備えて構成されている。
【0020】
受付装置1は、入力部より受付入力画面の表示が指示されると、制御部と記憶部に記憶されたプログラムとの協働により、表示部に図示しない受付入力画面を表示する。この受付入力画面を介して入力部により受付情報(受付番号、患者氏名等)が入力されると、受付された患者の患者情報を作成(更新)して記憶部に記憶し、通信部により適宜医用画像管理装置4に対して送信する。患者情報としては、患者を識別するための患者識別情報(例えば、患者ID)、患者の氏名、性別、生年月日等の情報が含まれる。
【0021】
オーダ生成装置2は、オペレータによる登録操作に応じて検査オーダ情報を生成する。オーダ生成装置2としては、例えば、HISやRIS等を適用することができる。検査オーダ情報は、検査オーダ情報を識別するためのオーダID、検査日付、検査対象の患者情報(患者ID、患者氏名、性別、年齢等)、依頼医師名、画像生成装置(モダリティ)、検査コード等の情報を含む。検査コードは、検査内容(撮影する部位、方向、左右、予約手続記述、検査記述、シリーズ記述等)を示すコード値である。検査コードは、DICOM規格に準拠したものである。
オーダ生成装置2は、生成された検査オーダ情報を画像生成装置3と、医用画像管理装置4とに送信する。
【0022】
画像生成装置3は、人体を撮影し、その撮影画像(医用画像)のデジタルデータ(以下、画像データと称す)を生成するものであり、例えばCR(Computed Radiography)、FPD(Flat Panel Detector )、CT(Computed Tomography)、MRI(Magnetic Resonance Imaging)、カセッテ専用の読取装置、フィルムディジタイザ等のモダリティを適用可能である。
【0023】
画像生成装置3は、生成した画像データに患者情報や、検査情報、画像を識別するためのUID(Unique ID)等の画像情報等の、画像データに関連して設定された画像設定情報をヘッダ情報として付加して医用画像管理装置4に送信する。
検査情報には、検査を識別するための検査識別情報(例えば、検査ID)、検査日、検査条件(検査部位、側性(左、右)、方向(例えば、上下方向(CC)、斜位方向(MLO))、モダリティ種等の情報が含まれる。
【0024】
なお、画像生成装置3は、DICOM規格に準拠した装置であり、生成した画像データに付帯させる各種情報、例えば、患者情報や検査情報を外部から入力可能であるとともに、自動生成することもできる。また、画像生成装置3がDICOM規格に準拠していない場合には、図示しないDICOM変換装置を用いて付帯情報を画像生成装置3に入力させることも可能である。
【0025】
医用画像管理装置4は、画像生成装置3から送信された画像データを取り込んで医師による診断のために表示したり、外部に出力したりするコンピュータ装置である。また、医用画像管理装置4は、取り込んだ画像データを画像設定情報と対応付けて保存及び管理する。
【0026】
〔医用画像管理装置4の構成〕
図2に、医用画像管理装置4の機能構成例を示す。
図2に示すように医用画像管理装置4は、制御部41、RAM42、記憶部43、操作部44、表示部45、第1通信部46、第2通信部47等を備えて構成されており、各部はバス48により接続されている。
【0027】
制御部41は、CPU(Central Processing Unit)等から構成され、医用画像管理装置4の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、制御部41は、操作部44から入力される操作信号、第1通信部46又は第2通信部47により受信される指示信号に応じて、記憶部43に記憶されている各種処理プログラムを読み出してRAM42内に展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を実行する。
【0028】
また、制御部41は、レプリケーション処理プログラムとミラーリング処理プログラム等を用いて、記憶部43の画像設定情報領域431、施設設定情報領域432、画像データ領域433内にそれぞれ格納されている各種情報のコピーを、第2通信部47からネットワークNを介してデータバンク20に送信して格納させ、画像設定情報領域431、施設設定情報領域432、画像データ領域433内に格納されている各種情報のバックアップを行っている。
【0029】
画像設定情報領域431のバックアップは、レプリケーション処理プログラム、例えば、非同期マスタスレーブ・レプリケーション・システムとして一般的なSlony−Iを用いて実行される。このSlony−Iは、データの更新が発生すると、更新データをテーブルに記録、転送、更新の実行をすることによってレプリケーションを実現するものである。
【0030】
施設設定情報領域432及び画像データ領域433のバックアップは、ミラーリング処理プログラムを用いて実行される。このミラーリング処理では、記憶部43の施設設定情報領域432、画像データ領域433に記憶されている情報とデータバンク20に格納されている情報との差分情報や、更新された情報が検知され、検知された差分情報や更新情報がデータバンク20にコピーされる。
【0031】
更に、本実施の形態の制御部41は、自装置を施設内医用画像管理システムに設置されていた医用画像管理装置の代替装置として機能させる場合には、仮運用モードで各種処理を実行する。仮運用モードを実行する前には、仮運用モード開始準備処理が制御部41により実行される。
【0032】
仮運用モード開始準備処理では、施設内医用画像管理システムに設置されていた医用画像管理装置のバックアップデータから画像データを除いたバックアップデータがデータバンク20から取得され記憶部43に記憶され、画像データの参照先がデータバンク20に設定される。
【0033】
仮運用モードの実行中では、画像データに基づく画像を表示部45に表示させる場合には、画像データが医用画像管理装置4の記憶部43内に無いため、データバンク20に格納されている画像データが参照され、当該画像データに基づいて表示部45に画像が表示される。なお、仮運用モードの実行中であっても、バックアップ処理は行なわれる。
【0034】
RAM42は、制御部41により実行制御される各種処理において、記憶部43から読み出された制御部41で実行可能な各種プログラム、入力若しくは出力データ、及びパラメータ等を一時的に記憶する。
【0035】
記憶部43は、HDD(Hard Disk Drive)や半導体の不揮発性メモリ等により構成される。記憶部43は、前述のように各種プログラムを記憶しているほか、各種プログラムを実行するために必要なパラメータやデータを記憶している。
また、記憶部43は、画像設定情報領域431、施設設定情報領域432、画像データ領域433を有しており、これら各領域に画像設定情報、施設設定情報、画像データをそれぞれ格納している。従って、記憶部43は、画像設定情報、施設設定情報、画像データを含む医用画像情報を格納する医用画像記憶手段として機能する。
【0036】
画像設定情報領域431は、生成された画像データに関連して設定された情報(画像設定情報)を格納する領域である。画像設定情報としては、例えば、患者情報、画像情報(各画像データのUID、ファイル名、ファイル格納場所、ファイルサイズ、更新日時等)、検査オーダ情報等である。
【0037】
施設設定情報領域432は、医用画像管理装置4の固有の情報(施設設定情報)を格納する領域である。施設設定情報領域432には、例えば、医用画像管理装置4が設置された施設内医用画像管理システムの識別情報(施設コード、パスワード等)、医用画像管理装置4の識別情報(製品番号、号機番号等)、医用画像管理装置4を使用するユーザ情報等が格納される。
【0038】
画像データ領域433には、画像生成装置3において生成された画像データと画像データのUIDとが対応付けられて格納されている。
【0039】
操作部44は、カーソルキー、数字入力キー、及び各種機能キー等を備えたキーボードと、マウス等のポインティングデバイスを備えて構成され、キーボードで押下操作されたキーの押下信号とマウスによる操作信号とを、入力信号として制御部41に出力する。
【0040】
表示部45は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)やLCD(Liquid Crystal Display)等のモニタを備えて構成されており、制御部41から入力される表示信号の指示に従って、画像データに基づく画像を含む画面や各種画面を表示する表示手段として機能する。
【0041】
第1通信部46は、通信ネットワーク5に接続された外部機器、例えば、受付装置1、オーダ生成装置2、画像生成装置3等との間でデータの送受信を行う。
【0042】
第2通信部47は、ネットワークインターフェースカード(NIC;Network Interface Card)、モデム(MODEM:MOdulator-DEModulator)、USB(Universal Serial Bus)等の各種インターフェースを備えて構成され、ネットワークN上のデータバンク20と相互に情報の送受信を行う。
【0043】
〔データバンク20の構成〕
図3に、データバンク20の機能構成の例を示す。
図3に示すように、データバンク20は、制御部21、記憶部22、DB(DataBase)サーバ23、ファイルサーバ24、通信部25等を備えて構成されており、各部はバス26により接続されている。
【0044】
制御部21は、CPU、RAM等から構成され、データバンク20の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPUは、通信部25により受信される指示信号に応じて、記憶部22に記憶されている各種処理プログラムを読み出し、RAM内に形成されたワークエリアに展開し、当該プログラムとの協働により各種処理を行う。
【0045】
また、制御部21は、レプリケーション処理プログラム等を用いて、ネットワークNを介して接続された各医用画像管理装置の記憶部43の画像設定情報領域431、施設設定情報領域432、画像データ領域433内に格納されている各種情報のコピーをバックアップデータとして取得する。そして、施設内医用画像管理システム毎(医用画像管理装置毎)に、画像設定情報をDBサーバ23に、施設設定情報と画像データとをファイルサーバ24に格納して、各システム(各医用画像管理装置)の各種情報のバックアップを行っている。即ち、制御部21は、データバンク20を医用画像管理装置の記憶部43に記憶されている医用画像情報のバックアップデータを記憶するデータ記憶手段として機能させる。
なお、制御部21でのレプリケーション処理は、医用画像管理装置4で用いた技術と同様の技術を用いて実現するものであるため、説明は省略する。
【0046】
記憶部22は、ハードディスク等から構成され、各種プログラム、当該プログラムの実行に必要なパラメータやファイル等を記憶している。
【0047】
DBサーバ23は、ハードディスク等の不揮発性の大容量メモリ等から構成され、施設内医用画像管理システム毎(医用画像管理装置毎)に、画像設定情報を格納している。
【0048】
ファイルサーバ24は、ハードディスク等の不揮発性の大容量メモリ等から構成され、施設内医用画像管理システム毎(医用画像管理装置毎)に、施設設定情報と画像データとを格納している。ファイルサーバ24に格納される画像データは、同一の画像データにおいて、予め設定された圧縮率で圧縮された圧縮画像データと、圧縮前の画像データ(非圧縮画像データ)とが含まれている。
【0049】
通信部25は、ネットワークインターフェースカード、モデム、USB等の各種インターフェースを備えて構成され、ネットワークN上の各施設内医用画像管理システムの医用画像管理装置4と相互に情報の送受信を行う。
【0050】
次に、本実施の形態の動作を説明する。
〔仮運用開始準備処理〕
図4に、本実施の形態における仮運用開始準備処理のフローチャートを示す。
図4に示す処理は、医用画像管理装置の制御部41とデータバンク20の制御部21との協働により実行される。
【0051】
まず、医用画像管理装置4が故障すると、サービスマンが故障した医用画像管理装置に替えて他の医用画像管理装置(以下、代替医用画像管理装置と称す)に交換する。そして、サービスマンによる操作部44の操作によって入力された操作信号に基づいて、代替医用画像管理装置の表示部45に初期設定画面が表示される(ステップS1)。
【0052】
図5に、初期設定画面の例を示す。
図5に示すように、初期設定画面G100には、施設設定情報領域E110と、データバンクを使用するか否かを示すチェックボックスB120と、連携BOXを使用するか否かを示すチェックボックスB130とが設けられている。
施設設定情報領域E110には、施設内医用画像管理システム及び医用画像管理装置4の識別情報(施設識別情報)を入力する各種項目欄が含まれている。例えば、施設設定情報領域E110には、施設コード欄E111、パスワード欄E112、製品番号欄E113、号機番号欄E114等が設けられている。
【0053】
操作部44により、図1に示す初期設定画面G100の施設設定情報領域E110に故障した医用画像管理装置の施設識別情報が入力され(ステップS2)、データバンクを使用するか否かを示すチェックボックスB120にチェックが入れられてデータバンクの使用する指示が入力されると(ステップS3)、データバンク設定画面が代替医用画像管理装置の表示部45に表示される(ステップS4)。
【0054】
図6に、データバンク設定画面の例を示す。
図6に示すように、データバンク設定画面G200には、接続先設定領域E210と、仮運用設定領域E220と、が設けられている。
接続先設定領域E210には、データバンクに接続するための各種情報を入力する領域と、初期設定ボタンB211とが含まれている。
仮運用設定領域E220には、仮運用開始ボタンB221と、仮運用終了ボタンB222とが含まれている。
【0055】
データバンク設定画面G200において、接続先設定領域E210内に各種情報が入力された後、初期設定ボタンB211が押下されると、代替医用画像管理装置4からデータバンクへ、初期設定画面G100において入力された施設設定情報を含む初期設定要求情報が送信される(ステップS5)。
【0056】
データバンク20では、初期設定要求情報を受信すると、制御部21により、当該初期設定要求情報に含まれる施設設定情報に対応する医用画像管理装置の画像設定情報と施設設定情報とが、DBサーバ、ファイルサーバからそれぞれ読み出される。即ち、初期設定要求情報に含まれる施設設定情報に対応する医用画像管理装置の医用画像情報のバックアップデータのうち、画像データを除くバックアップデータが読み出される。そして、読み出された画像設定情報と施設設定情報とが初期設定要求情報の送信元である代替医用画像管理装置に送信される(ステップS6)。
【0057】
代替医用画像管理装置4の制御部41では、データバンク20から画像設定情報及び施設設定情報が第2通信部47を介して受信されると(ステップS7)、図6に示した仮運用開始ボタンB221と仮運用終了ボタンB222とが有効となる。この有効となった仮運用開始ボタンB221が押下されて仮運用モードの開始設定がなされると(ステップS8)、画像データの参照先が記憶部43の画像データ領域433からデータバンク20に切り替えられて設定され(ステップS9)、仮運用モードが開始され、仮運用開始準備処理は終了する。
【0058】
故障した医用画像管理装置の修理が完了し、当該医用画像管理装置が施設内医用画像管理システム10に接続されるまで、仮運用モードが開始された代替医用画像管理装置を用いて、施設内医用画像管理システムが動作することとなる。
【0059】
〔仮運用モード〕
図7に、仮運用モードが実行されている場合の画像データの表示処理の例のフローチャートを示す。図7に示す処理は、代替医用画像管理装置の制御部41と各部との協働により実行される。
【0060】
まず、代替医用画像管理装置の操作部44に入力された操作信号に応じて、表示部45に患者リスト画面が表示される(ステップS11)。
【0061】
図8に、患者リスト画面G300の例を示す。
図8に示すように、患者リスト画面G300には、患者情報表示領域E310と、患者リスト表示領域E320とが設けられている。
患者情報表示領域E310では、患者リスト表示領域E320に表示されている患者リストから選択された患者の患者情報が表示されたり、当該患者情報の修正が行なわれたりする。患者リスト表示領域E320には、患者毎に、診療日、受付時間、受付番号、診療科、担当医、患者ID、患者氏名、性別、生年月日、年齢等の患者情報が一覧として表示される。
【0062】
患者リスト画面G300の患者リスト表示領域E320において、いずれかの患者情報が操作部44により選択され、ビューア画面の表示指定がなされると(ステップS12)、データバンク20のファイルサーバ24に格納されている当該代替医用画像管理装置の画像データのうち表示指定された患者情報に基づくビューア画面を構成する画像の画像データの圧縮画像データが参照され(ステップS13)、当該参照された圧縮画像データに基づいて表示指定された患者情報のビューア画面が表示部45に表示される(ステップS14)。
【0063】
図9に、ビューア画面の例を示す。
図9に示すように、ビューア画面G400には、画像表示欄E411〜E414、各種ツール欄E420等が設けられている。
仮運用モード実行時での画像表示欄E411〜E414には、患者情報に対応する患者の圧縮画像データに基づく画像が表示される。従って、仮運用モード実行中のビューア画面に表示される画像は、解像度の低い画像であることから、ユーザが当該画像を拡大したり読影を行なう場合等には、圧縮されていない画像データ(非圧縮画像データ)に基づく画像(オリジナル画像)の表示が所望される場合がある。
【0064】
ビューア画面G400上に表示されている画像のうち、オリジナル画像の表示を行う画像が選択され、オリジナル画像の読込指示の入力があるか否か判別される(ステップS15)。
【0065】
図10に、オリジナル画像の読込指示が入力される場合のビューア画面の例を示す。
図10に示すように、ビューア画面G400では、画像表示領域E411〜E414に表示されている画像のうち、いずれかの画像が操作部44により選択されると、コンテキストメニューE430が表示される。このコンテキストメニューE430には、仮運用モードの場合のみ有効となるオリジナル画像読込項目B431が含まれている。
このオリジナル画像読込項目B431が選択されることにより、オリジナル画像の読込指示が入力される。従って、オリジナル画像読込項目B431は、コンテキストメニューE430が表示された画像に対する非圧縮画像データに基づく画像の表示要求(オリジナル画像の読込指示)が入力される入力手段として機能する。
【0066】
オリジナル画像の読込指示がある場合(ステップS15;YES)、データバンク20のファイルサーバ24が参照され、当該代替医用画像管理装置の画像データのうち、オリジナル画像の読込指示がなされた画像の非圧縮画像データが取得され(ステップS16)、取得された非圧縮画像データに基づくオリジナル画像が表示部45に表示される(ステップS17)。なお、オリジナル画像は、ビューア画面の画像表示領域、又は、別の画面に表示される。
【0067】
ビューア画面を閉じる指示が操作部44から入力されたか否かが判別され(ステップS18)、ビューア画面を閉じる指示が入力されていない場合(ステップS18;NO)、ステップS15の処理に戻り、ビューア画面を閉じる指示が入力された場合(ステップS18;YES)には、本処理が終了される。
【0068】
〔仮運用終了処理〕
図11に、本実施の形態における仮運用終了処理のフローチャートを示す。
図11に示す処理は、医用画像管理装置の制御部41と各部との協働により実行される。
【0069】
まず、サービスマンの操作により、代替医用画像管理装置の表示部45にデータバンク設定画面が表示される(ステップS21)。
なお、ステップS21で表示されるデータバンク設定画面の例は、図6と同様であるため、図示及び説明は省略する。
【0070】
データバンク設定画面G200において、仮運用終了ボタンB222が押下されて仮運用モードの終了設定がなされると(ステップS22)、画像データの参照先がデータバンク20から記憶部43の画像データ領域433に切り替えられ(ステップS23)、仮運用モードが終了され、仮運用終了処理が終了する。
【0071】
以上のように、本実施の形態によれば、データバンク20に記憶されているバックアップデータを医用画像管理装置の記憶部43に記憶させる際、画像データを除いたバックアップデータをデータバンク20から取得して医用画像管理装置の記憶部43に記憶させ、画像データの参照先をデータバンク20に設定することができる。そのため、医用画像管理装置を代替装置として使用する際に生じるデータ量の大きい画像データを反映する時間を省くことができ、代替の医用画像管理装置にバックアップデータを反映する際の、医用画像管理装置及び当該医用画像管理装置を使用するシステム(施設内医用画像管理システム)の停止期間の短縮を図ることができる。
【0072】
また、圧縮画像データを参照して表示部45に画像を表示することができるため、画像の表示処理に要する制御負荷を低減でき、表示処理に要する時間を短縮できる。
【0073】
更に、圧縮画像データに基づく画像に対して、非圧縮画像データに基づく画像の表示要求(オリジナル画像の読込指示)が入力された場合には、非圧縮画像データに基づく画像を表示部45に表示させることができる。そのため、ユーザは、高解像度の画像を表示させたい場合等の必要に応じて、非圧縮画像データに基づいて表示された画像を確認することができる。
【0074】
以上の説明では、本発明に係るプログラムのコンピュータ読み取り可能な媒体として、HDDや半導体の不揮発性メモリを使用した例を開示したが、この例に限定されない。その他のコンピュータ読み取り可能な媒体として、フラッシュメモリ等の不揮発性メモリ、CD-ROM等の可搬型記録媒体を適用することが可能である。
また、本発明に係るプログラムのデータを通信回線を介して提供する媒体として、キャリアウエーブ(搬送波)も本発明に適用される。
【0075】
また、本発明は、上記実施の形態の内容に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0076】
1 受付装置
2 オーダ生成装置
3 画像生成装置
4 医用画像管理装置
41 制御部
42 RAM
43 記憶部
44 操作部
45 表示部
46 第1通信部
47 第2通信部
48 バス
431 画像設定情報領域
432 施設設定情報領域
433 画像データ領域
5 通信ネットワーク
10 施設内医用画像管理システム
20 データバンク
21 制御部
22 記憶部
23 DBサーバ
24 ファイルサーバ
25 通信部
26 バス
100 医用画像管理システム
G100 初期設定画面
E110 施設設定情報領域
E111 施設コード欄
E112 パスワード欄
E113 製品番号欄
E114 号機番号欄
B120、B130 チェックボックス
G200 データバンク設定画面
E210 接続先設定領域
B211 初期設定ボタン
E220 仮運用設定領域
B221 仮運用開始ボタン
B222 仮運用終了ボタン
G300 患者リスト画面
E310 患者情報表示領域
E320 患者リスト表示領域
G400 ビューア画面
E411〜E414 画像表示欄
E420 各種ツール欄
E430 コンテキストメニュー
B431 オリジナル画像読込項目
N ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医用画像管理装置毎に、画像データ、当該画像データに関連して設定されている画像設定情報、医用画像管理装置の固有の施設設定情報、を含む医用画像情報を記憶する医用画像記憶手段と、
前記医用画記憶手段に記憶されている医用画像情報のバックアップデータを記憶するデータ記憶手段と、
前記医用画像記憶手段に記憶されている医用画像情報をデータ記憶手段にバックアップさせ、前記データ記憶手段に記憶されているバックアップデータを前記医用画像記憶手段に記憶させる際、前記画像データを除いたバックアップデータを前記データ記憶手段から取得して前記医用画像記憶手段に記憶させ、前記画像データの参照先を前記データ記憶手段に設定する制御手段と、
を備える、医用画像管理システム。
【請求項2】
前記画像データに基づく画像を表示する表示手段を備え、
前記画像データは、当該画像データが圧縮された圧縮画像データと、当該画像データが圧縮されていない非圧縮画像データとを含み、
前記制御手段は、
前記画像データを参照する際、当該画像データの圧縮画像データを参照し、当該圧縮画像データに基づいて前記表示手段に画像を表示させる、
請求項1に記載の医用画像管理システム。
【請求項3】
前記表示手段に表示されている圧縮画像データに基づく画像に対して、前記非圧縮画像データに基づく画像の表示要求が入力される入力手段を備え、
前記制御手段は、
前記入力手段から前記非圧縮画像データに基づく画像の表示要求が入力された場合、当該表示手段に表示されている圧縮画像データに基づく画像に対する前記データ記憶手段に記憶されている非圧縮画像データを参照し、当該非圧縮画像データに基づく画像を前記表示手段に表示させる、
請求項2に記載の医用画像管理システム。
【請求項4】
医用画像管理装置毎に、画像データ、当該画像データに設定されている画像設定情報、患者情報、医用画像管理装置の固有の設定情報、を含む医用画像情報を記憶する医用画像記憶手段と、前記医用画像記憶手段に記憶されている医用画像情報のバックアップデータを記憶するデータ記憶手段と、を備えた医用画像管理システムの医用画像管理方法において、
前記医用画像記憶手段に記憶されている医用画像情報をデータ記憶手段にバックアップする工程と、
前記データ記憶手段に記憶されているバックアップデータを前記医用画像記憶手段に記憶させる際、前記医用画像情報から前記画像データを除いたバックアップデータを前記データ記憶手段から取得して前記医用画像記憶手段に記憶し、前記画像データの参照先を前記データ記憶手段に設定する工程と、
を含む、医用画像管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図11】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−128819(P2011−128819A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−285829(P2009−285829)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(303000420)コニカミノルタエムジー株式会社 (2,950)
【Fターム(参考)】