説明

医用画像読影支援システム及びプログラム

【課題】画像診察の回数や進捗に合わせて、類似症例画像の表示数を変化させること。
【解決手段】初診判別手段が読影対象画像が初診対象画像であると判別したときは、初診判別手段が読影対象画像が初診対象画像ではないと判別したときに読影対象画像と共に表示する類似症例画像の数よりも、多くの数の類似症例画像を読影対象画像と共に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像の読影を支援するための医用画像読影支援システム及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、CT(Computed Tomography)、MR(Magnetic Resonance)等の各種モダリティによって撮影された医用画像をデータベースに記憶させておき、データベースから必要に応じて医用画像を抽出し、モニタ等に表示させる医用画像読影支援システムの開発が進んでいる。このような医用画像読影支援システムを用いることによって、直近の検査で撮影された医用画像をモニタに表示させるだけでなく、過去に撮影された医用画像をデータベースから抽出して表示させることもできる。
【0003】
また、患者の症状に類似した症例を示す類似症例画像をデータベースから抽出する類似症例検索機能を備えた医用画像読影支援システムの場合、類似症例画像を、モニタに表示させることによって読影者である医師が診断の参考画像として用いることができる。このような類似症例検索機能を備えたシステムが特許文献1、2に記載されている。
【特許文献1】国際公開番号WO 02/25588 A2
【特許文献2】特開2002−230518号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1、2に記載されたシステムの場合、医師の読影対象となっている画像(読影対象画像)が被写体である患者にとって初めての検査で得られた画像(初診対象画像)であるか、2回目以降(経過診察中)の検査で得られた画像であるかは考慮せずに、読影対象画像の類似症例画像をモニタに表示させていた。しかし、実際には、初診対象画像を診断する際に参照したい類似症例画像と、経過診察中の画像を診断する際に参照したい類似症例画像とでは画像の内容や数が異なる。従来のような類似症例検索機能を備えたシステムは、画像診断の回数に応じた類似症例画像を効果的に検索して表示させることができず、不便であった。
【0005】
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、読影対象画像が初診対象画像であるか否かに応じて表示させる類似症例画像の数を変化させることができる医用画像読影支援システム及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明における医用画像読影支援システムは、患者の撮影により得られた画像データを記憶する記憶手段と、該記憶手段が記憶する画像データの中から読影対象画像と類似する特徴を有する類似症例画像を表す画像データを抽出する類似症例検索手段と、前記読影対象画像及び前記類似症例画像のモニタへの表示を制御する表示制御手段とを備えた医用画像読影支援システムにおいて、前記読影対象画像が初診対象画像であるか否かを判別する初診判別手段を更に備え、前記表示制御手段は、前記初診判別手段が前記読影対象画像が初診対象画像であると判別したときは、前記初診判別手段が前記読影対象画像が初診対象画像ではないと判別したときに前記読影対象画像と共に表示する類似症例画像の数よりも、多くの数の類似症例画像を前記読影対象画像と共に表示する制御を行うものである。
【0007】
また、医学情報を抽出する医学情報検索手段を更に備え、前記表示制御手段は、前記初診判別手段が前記読影対象画像が初診対象画像であると判別したときは、前記医学情報検索手段により抽出された医学情報を更に表示する制御を行うものであってもよい。
【0008】
また、前記記憶手段が記憶する画像データの中から一の患者に係る過去画像を表す画像データを抽出する過去画像検索手段を更に備え、前記表示制御手段は、前記初診判別手段が前記読影対象画像が初診対象画像ではないと判別したときは、前記過去画像検索手段により抽出された過去画像を更に表示する制御を行うものであってもよい。
【0009】
また、前記初診判別手段は、前記過去画像検索手段が前記過去画像を表す画像データを抽出できなかったとき、前記読影対象画像が初診対象画像であると判別するものであってもよい。
【0010】
また、前記過去画像検索手段は、前記一の患者に係る過去画像を表す画像データであって前記読影対象画像の被写体と部位が同一の被写体を含む画像データを抽出するものであってもよい。
【0011】
また、撮影を伴う検査の履歴情報を含む電子カルテを記憶する電子カルテ記憶手段を更に備え、前記初診判別手段は、前記電子カルテ記憶手段に記憶されている前記一の患者の電子カルテに含まれる前記履歴情報を参照することにより、前記読影対象画像が初診対象画像であるか否かを判別するものであってもよい。
【0012】
そして、本発明における医用画像読影支援プログラムは、患者の撮影により得られた画像データを記憶する記憶手段と、該記憶手段が記憶する画像データの中から読影対象画像と類似する特徴を有する類似症例画像を表す画像データを抽出する類似症例検索手段と、前記読影対象画像及び前記類似症例画像のモニタへの表示を制御する表示制御手段とを備えた医用画像読影支援システムにおいて、前記表示制御手段が搭載されたコンピュータに、前記読影対象画像が初診対象画像であるか否かを判別する初診判別処理と、前記初診判別処理において前記読影対象画像が初診対象画像であると判別されたときは、前記初診判別処理において前記読影対象画像が初診対象画像ではないと判別されたときに前記読影対象画像と共に表示する前記類似症例画像の数よりも、多くの前記類似症例画像を前記読影対象画像と共に表示する表示制御処理とを実行させる。
【0013】
また、前記医用画像読影支援システムが、医学情報を抽出する医学情報検索手段を更に備えるシステムであるときに、前記表示制御処理として、前記初診判別処理において前記読影対象画像が初診対象画像であると判別されたときは、前記抽出された医学情報を更に表示する制御処理を実行させてもよい。
【0014】
また、前記医用画像読影支援システムが、前記記憶手段が記憶する画像データの中から一の患者に係る過去画像を表す画像データを抽出する過去画像検索手段を更に備えるシステムであるときに、前記表示制御処理として、前記初診判別処理において前記読影対象画像が初診対象画像ではないと判別されたときは、前記抽出された過去画像を更に表示する制御処理を実行させてもよい。
【0015】
また、前記初診判別処理として、前記過去画像検索手段が前記過去画像を表す画像データを抽出できなかったとき、前記読影対象画像が初診対象画像であると判別する処理を実行させてもよい。
【0016】
また、前記医用画像読影支援システムが、撮影を伴う検査の履歴情報を含む電子カルテを記憶する電子カルテ記憶手段を更に備えるシステムであるときに、前記初診判別処理として、前記電子カルテ記憶手段に記憶されている前記一の患者の電子カルテに含まれる前記履歴情報に基づいて、前記読影対象画像が初診対象画像であるか否かを判別する処理を実行させてもよい。
【発明の効果】
【0017】
読影対象画像が初診対象画像である場合、読影対象画像が初診対象画像ではない場合に読影対象画像と共に表示される類似症例画像の数よりも、多くの類似症例画像を表示することによって、診察の回数や進捗に合った類似症例画像を表示することができ、適切な内容の画像情報を読影者に与えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。図1は、本発明における医用画像読影支援システム200を有するネットワークシステム100の概略構成図の一例である。このネットワークシステム100は、主に病院、診療所等に構築されるシステムである。ネットワークシステム100は、モダリティ1a〜1d、画像確認用ワークステーション2、医用画像データベース(記憶手段)8(以下「医用画像DB8」と表記する)を備えたサーバ3、画像診断用ワークステーション4、画像参照用ワークステーション5a〜5c、放射線情報システム6(RIS:Radiology Information System)、医学情報データベース10(以下「医学情報DB10」と表記する)を備えたサーバ9及び図示しない病院情報システム(HIS:Hospital Information System)等により構成され、それらはネットワーク7を介して互いに通信可能な状態で接続されている。このうち、サーバ3、医用画像DB8、画像診断用ワークステーション4、サーバ9、医学情報DB10を含む医用画像読影支援システム200が、本発明における医用画像読影支援システムの一実施形態に相当する。
【0019】
モダリティ1a〜1dと画像確認用ワークステーション2は、病院の撮影室に配置され、通常、撮影業務を専門に行う技師により操作される。モダリティ1a〜1dには、CT、MR、超音波撮影のように被写体撮影により得られたデータから直接画像データを生成するタイプと、CR(Computed Radiography)、マンモグラフィーのように被写体撮影により得た画像をフィルムその他の記録媒体に記録し、記録媒体から画像を読み取ることにより画像データを生成するタイプのものがある。後者のタイプのモダリティでは、記録媒体から画像を読み取る読取装置(不図示)がネットワーク7に接続される。また、本実施の形態では、モダリティ1a〜1dは、いずれもDICOM規格に準拠する装置であり、各モダリティ1a〜1dは、生成した画像データにDICOM規格で規定された付帯情報を付加したものを画像情報として出力する。なお、以下の説明で「画像情報」とは、画像データと付帯情報とにより構成される情報を意味するものとする。
【0020】
画像確認用ワークステーション2は、処理装置と1台または2台の高精細ディスプレイとキーボード・マウスなどの入力機器により構成される。この処理装置には、検像に必要な各種機能を提供するソフトウェアプログラムが組み込まれている。また、画像確認用ワークステーション2は、モダリティ1a〜1dからDICOMに準拠した画像情報を受信し、検像済みの画像情報をサーバ3に転送するための通信機能を備える。
【0021】
サーバ3は、汎用の処理装置に、画像確認用ワークステーション2から転送された画像情報を医用画像DB8に記憶するファイリングシステムの機能と、ファイリングされた画像情報を画像診断用ワークステーション4や画像参照用ワークステーション5からの要求に応じて参照可能な形式で提供する画像サーバとしての機能を組み込んだものである。尚、医用画像DB8は、サーバ3に直接接続されたハードディスクに限らず、ネットワーク7に接続されているNAS(Network Attached Storage)やSAN(Storage Area Network)でもよい。いずれの構成を採用する場合も、耐障害性を高めるべくRAID(Redundant Arrays of Inexpensive Disks)とすることが望ましい。
【0022】
画像診断用ワークステーション4と、放射線情報システム6は、放射線科の医師(以下、放射線科医)により利用される。画像診断用ワークステーション4は、放射線科医が画像の読影に利用する装置であり、処理装置と1台または2台の高精細ディスプレイとキーボード・マウス等により構成される。この処理装置には、放射線科医による診断を支援する機能、例えば画像中の病変らしき部分を自動検出して強調表示する機能や、診断レポートの作成を支援する機能などを提供するソフトウェアプログラムが多数組み込まれている。また、画像診断用ワークステーション4は、サーバ3にアクセスしてDICOMに準拠した画像情報を取得したり、診断レポートを含む診断情報をサーバ3に転送したりする機能を備える。
【0023】
放射線情報システム6は、放射線科医と技師との連携を助け、検査の効率化を図るための各種機能を提供するシステムであり、1台もしくは複数台のコンピュータにより構成される。放射線情報システム6の一機能として、診療科又は放射線科の医師が入力した検査オーダ情報に基づいて撮影に使用するモダリティを割り当てる機能がある。検査オーダ情報とは、患者コード、患者名、検査コード、検査名、検査日等を含んだ情報をいう。この機能により検査オーダ情報がモダリティ1a〜1dや画像確認用ワークステーション2に転送される。
【0024】
転送された検査オーダ情報は、モダリティ1a〜1d又は画像確認用ワークステーション2により、生成された画像データと関連付けられる。関連付けの方法としては、検査オーダ情報を付帯情報としてそのまま画像情報に付加する方法や、検査オーダ情報へのリンク情報を付帯情報として画像情報に付加する方法などが考えられるが、データの構造は特に限定されない。
【0025】
画像参照用ワークステーション5a〜5cは各診療科にそれぞれ配置される装置で、診療科の医師(以下、診療科医)が、サーバ3に保管されている画像情報および放射線科医が作成した診断レポートを参照する際に利用される。画像参照用ワークステーション5a〜5cは、画像診断用ワークステーション4と同じく処理装置と高精細ディスプレイとキーボード・マウスなどの入力機器により構成される。この処理装置には、サーバ3に保管されている上記各情報を参照する機能を提供するソフトウェアプログラムが組み込まれている。
【0026】
サーバ9は、画像診断用ワークステーション4から送信された検索条件に基づいて医学情報DB10に記憶された医学情報からその検索条件に該当する医学情報を検索して抽出し、抽出した医学情報を画像診断用ワークステーション4に転送する機能を有する。医学情報DB10には、疾患に関する基礎情報、関連する医学情報誌や学会論文誌等の内容やバックナンバー等が各種疾患毎に記憶されている。
【0027】
ネットワーク7は、病院内の各種装置を接続するローカルエリアネットワークである。但し、例えば画像参照用ワークステーション5の一部を他の病院あるいは診療所に設置する場合には、ネットワーク7は、ローカルエリアネットワーク同士がインターネットもしくは専用回線で接続された構成となる。いずれの場合にも、ネットワーク7は光ネットワークなど画像情報の高速転送を実現できるものとすることが望ましい。
【0028】
上記システムでは、放射線情報システム6に検査オーダ情報が入力されると、検査オーダ情報は撮影に使用されるモダリティと画像確認用ワークステーション2に転送され、技師による被写体撮影が行われる。撮影が終了するとモダリティから出力された画像情報が、画像確認用ワークステーション2の画面に表示され、技師による確認及び画質調整が行われる。確認調整後の画像情報は、サーバ3に転送され画像情報として医用画像DB8にファイリングされる。ファイリングされた画像情報は、放射線科医からの要求に応じて画像診断用ワークステーション4の画面に表示され、放射線科医による診断が行われる。診断が終了すると、生成された診断レポートを含む診断情報がサーバ3に転送され、画像情報と関連付けられて医用画像DB8にファイリングされる。ファイリングされた全画像情報は、診療科医からの要求に応じて画像参照用ワークステーション5a〜5cの画面に表示される。
【0029】
図2は、画像診断用ワークステーション4の機能構成の一例を示すブロック図である。画像診断用ワークステーション4は、入力部41、制御部42、記憶部43、通信部44及びモニタ45を備えて構成される。
【0030】
入力部41は、キーボード、或いはマウス又はタッチパネル等のポインティングデバイスによって構成されるものであり、これらが操作されると、入力部41は操作に応じた操作信号を制御部42に出力する。また、画像情報をモニタ45に表示させる際、放射線科医は読影対象画像の識別番号(例えば、ファイル名、撮影番号等)を入力部41から入力する。
【0031】
制御部(操作検出手段)42は、入力部41や通信部44等の他の機能部から入力される操作信号や指示信号に応じて所定のプログラムに基づいた処理を実行して、各機能部に対する制御信号やデータの出力、処理結果をモニタ45に表示するための表示信号の出力等、画像診断用ワークステーション4を構成する各機能部を統括的に制御する。
【0032】
また、制御部42は初診判別部(初診判別手段)421及び表示制御部(表示制御手段)422を有する。初診判別部421は、サーバ3から転送された読影対象画像情報に含まれる画像が初診対象画像であるか否かを判別する。具体的には、サーバ3から読影対象画像情報と共に過去画像情報が転送されなかった場合、読影対象画像は初診対象画像であると判別し、過去画像情報が転送された場合、読影対象画像は初診対象画像ではないと判別する。ここで「初診対象画像」とは、被写体である患者にとって初めての医用撮影によって得られた画像のことを言う。
【0033】
また、図1には図示していないが、患者の診断履歴や医用画像撮影履歴等を含んだ電子カルテ情報を蓄積して記憶する電子カルテデータベースがネットワーク7に接続されている場合、電子カルテデータベースから読影対象画像の被写体である患者に対応した電子カルテ情報を検索して抽出し、その電子カルテ情報を参照して、読影対象画像が初診対象画像であるか否かを判別するようにしてもよい。電子カルテ情報には、患者名、住所、診察履歴、病歴等、医用画像撮影履歴、投薬履歴等の患者の個人情報及び診察に係る種々の履歴情報が記憶されている。
【0034】
読影対象画像が初診対象画像であるか否かを判別するときに電子カルテ情報を利用する場合、初診判別部421は電子カルテデータベースに対して読影対象画像の被写体である患者の電子カルテ情報の転送を通信部44を介して要求し、転送された電子カルテ情報に記憶されている医用画像撮影履歴を読み出す。電子カルテ情報に医用画像の過去の撮影履歴が記憶されていない場合、初診判別部421は読影対象画像撮影は初診対象画像であると判別し、過去の撮影履歴が記憶されている場合、読影対象画像撮影は初診対象画像ではないと判別する。過去の撮影履歴の有無に加え、撮影に使用したモダリティ及び/又は撮影部位が同一である場合、読影対象画像は初診対象画像ではないと判別するようにしてもよい。
【0035】
表示制御部422は、画像、文字、操作ボタン等をモニタ45に表示するための表示信号を生成して、モニタ45に出力する。その他に、読影対象画像が初診対象画像である場合は読影対象画像と共に類似症例画像及び医学情報をモニタ45に表示するための表示信号を生成する。一方、読影対象画像が初診対象画像ではない場合は読影対象画像、類似症例画像及び過去画像をモニタ45に表示するための表示信号を生成する。ここで「類似症例画像情報」とは読影対象画像と画像的に類似した画像を含んだ情報のことであり、「過去画像情報」とは読影対象画像の被写体である患者を撮影した画像であって、読影対象画像より過去に撮影された画像を含んだ情報のことを言う。
【0036】
また表示制御部42は、読影対象画像が初診対象画像であるとき、読影対象画像が初診対象画像ではないときに表示される類似症例画像の数よりも、多くの数の類似症例画像を表示する。具体的には、例えば、読影対象画像が初診対象画像であるときは、読影対象画像との類似度(「類似度」とは、読影対象画像との画像的な一致度を示す数値のことを言う)が例えば50%以上である画像を類似症例画像としてモニタ45に表示し、読影対象画像が初診対象画像でないときは、読影対象画像との類似度が例えば80%以上である画像を類似症例画像としてモニタ45に表示する。このように、読影対象画像が初診対象画像である場合、読影対象画像が初診対象画像ではない、所謂経過診察中の読影対象画像と共に表示させる類似症例画像の数よりも、多くの類似症例画像を表示させることによって、診察の回数や進捗に合った類似症例画像を表示させることができ、適切な内容の画像情報を効率的に放射線科医に与えることができる。
【0037】
尚、本実施の形態では、読影対象画像が初診対象画像であるときは類似度が50%以上の類似症例画像を表示させ、初診対象画像ではないときは類似度が80%以上の類似症例画像を同時に表示させることとして説明するが、表示条件となる各類似度は上記数値に限らず、読影対象画像が初診対象画像であるときに表示する類似症例画像の類似度が初診対象画像ではないときに表示する類似症例画像の類似度よりも低い類似度であればよい。例えば、読影対象画像が初診対象画像であるときは類似度が85%以上、初診対象画像ではないときは類似度が90%以上の類似症例画像を表示するようにしてもよい。また、読影対象画像が初診対象画像であるときのみ所定の類似度以上の類似症例画像を表示することとし、初診対象画像ではないときは類似症例画像の表示を行わないこととしてもよい。
【0038】
記憶部43は、各種プログラムや各種データが予め記憶されている記録媒体であり、磁気的又は光学的記録媒体、半導体メモリ等によって構成される。記憶部43には、画像診断用ワークステーション4を動作させるための基本プログラム(不図示)の他に、モニタ45に対して読影対象画像、類似症例画像及び過去画像等の表示制御を行うための医用画像読影支援プログラム431が記憶されている。医用画像読影支援プログラム431の詳細については後述する。また、図示していないが、画像診断時に画像中の病変らしき部分を自動的に検出してモニタ45に強調表示するプログラムや、診断レポートの作成を支援するプログラム等も記憶されている。
【0039】
通信部44は、ネットワーク7に接続されたサーバ3やサーバ9等の外部機器との間でデータの送受信を行うためのインターフェイスであって、制御部42から出力される制御信号に応じてネットワーク7を介して外部機器とデータの送受信を行う。具体的には、制御部42から出力される制御信号に応じて、画像情報の転送を要求する信号をサーバ3に送信し、その信号に応答してサーバ3から転送された画像情報を受信して制御部42に出力する。更に、医学情報の転送を要求する信号をサーバ9に送信し、その信号に応答してサーバ9から転送された医学情報を受信して制御部42に出力する。また、放射線科医が入力部41等を操作することによって作成された診断レポート等を含む診断情報をサーバ3に送信する。
【0040】
モニタ45は、LCD(Liquid Crystal Display)やELD(Electro Luminescence Display)等で構成される高精細ディスプレイであって、制御部42から出力される表示信号に応じて画像や文字、操作ボタン等を表示する。
【0041】
図3は、サーバ3の機能構成の一例と、医用画像DB8のデータ構成の一例を示した図である。まず、医用画像DB8のデータ構成について説明する。医用画像DB8には、画像情報81aと診断レポートを含む診断情報81bとが対応付けられて、医用画像情報81として複数蓄積されて記憶されている。画像データ811は、モダリティ1a〜1dによって撮影された画像から生成された画像データである。付帯情報812は、画像データ811に関連する情報であり、例えば患者名、撮影に使用したモダリティ名、撮影日、撮影部位、撮影条件、検査オーダ情報等の他、以下にて説明する関心領域の特徴量等を含んだ情報である。診断情報81bは、画像診断用ワークステーション4において放射線科医によって作成された診断レポートを含んだ情報である。
【0042】
サーバ3は、通信部31、制御部32を備えて構成される。通信部31は、画像確認用ワークステーション2、画像診断用ワークステーション4、画像参照用ワークステーション5a〜5b、放射線情報システム6等のネットワーク7に接続された外部機器との間でデータの送受信を行うためのインターフェイスであって、制御部32から出力される制御信号に応じてネットワーク7を介して外部機器とデータの送受信を行う。具体的には、画像確認用ワークステーション2から送信された画像情報や、画像診断用ワークステーション4から送信される画像情報の転送を要求する信号や診断情報等を受信し、制御部32に出力する。
【0043】
制御部32は、通信部31等の他の機能部から入力される指示信号に応じて所定のプログラムに基づいた処理を実行して各機能部に対する制御信号やデータを出力する等、サーバ3を構成する各機能部を統括的に制御する。また、制御部32は特徴量算出部321、類似症例検索部(類似症例検索手段)322及び過去画像検索部(過去画像検索手段)323を有する。特徴量算出部321は、読影対象画像から病変を検出し、検出された病変を含む領域における画像的な特徴量を算出する処理を行う。または、画像診断用ワークステーション4において放射線科医によって画像中の病変を含む領域が設定され、設定された領域に係る情報を含んだ画像情報がサーバ3に転送された場合、その設定された領域における特徴量を算出するようにしてもよい。特徴量算出部321は算出した特徴量を付帯情報812として付加し、医用画像DB8に記憶する。以下において、検出された病変を含む領域及び放射線科医によって設定された病変を含む領域を「関心領域」と表記する。尚、関心領域の特徴量の算出は、特開2002−230518号公報等に記載されている公知の技術を用いることによって実現可能である。
【0044】
類似症例検索部322は、読影対象画像と画像的に類似した画像を含む医用画像情報81を類似症例画像情報として医用画像DB8から検索して抽出する処理を行う。具体的には、読影対象画像の関心領域における特徴量と医用画像DB8に記憶されている各医用画像情報81の付帯情報812に含まれる特徴量とを比較して類似度を算出し、類似度が所定の閾値以上なった医用画像情報81を抽出する。
【0045】
尚、類似度の閾値は、読影対象画像が初診対象画像であるときに類似症例画像として表示する画像の類似度、又はその類似度より低い類似度を閾値とすることが望ましい。つまり、読影対象画像が初診対象画像であるときに類似度50%以上の画像を類似症例画像として表示させる場合は、類似度の閾値は50%、又は50%以下の数値であることが望ましい。
【0046】
また、関心領域の類似度の算出は、特開2002−230518号公報等に記載されている公知の技術を用いることによって実現可能である。そして、読影対象画像の関心領域との画像的な類似度の他に、付帯情報812として記憶された撮影に使用したモダリティ名、撮影部位、撮影条件等を条件項目として更に加え、必要に応じて各条件項目に重み付けをして類似度を算出して、類似症例画像情報を抽出するようにしてもよい。
【0047】
過去画像検索部323は、読影対象画像情報の付帯情報に含まれる患者名に基づいて、読影対象画像情報に係る過去の医用画像情報81を医用画像DB8から検索して抽出する処理を行う。検索条件として、患者名に加えて、撮影に使用したモダリティ、撮影部位が同一であることとしてもよい。
【0048】
図4は、サーバ9の機能構成の一例と、医学情報画像DB10のデータ構成の一例を示した図である。まず、医学情報DB10のデータ構成について説明する。医学情報DB10には、疾患毎の各種医学情報が医学情報101として複数蓄積されて記憶されている。医学情報101は、疾患名とその疾患に関連する部位等をヘッダ情報とし、その他にその疾患に係る基本情報(発症の仕組、原因、症状、診断方法、治療方法等)、医学情報誌及び学会論文誌の内容やバックナンバー等を含む情報である。また、医学情報101のヘッダの内容、基本情報及び医学情報誌等のバックナンバーは、サーバ9及び画像診断用ワークステーション4の制御部42が読み込み可能なデータ形式で記憶されている。
【0049】
サーバ9は、通信部91、制御部92等を備えて構成される。通信部91は、画像診断用ワークステーション4、画像参照用ワークステーション5a〜5c等のネットワーク7に接続された外部機器との間でデータの送受信を行うためのインターフェイスであって、制御部32から出力される制御信号に応じてネットワーク7を介して外部機器とデータの送受信を行う。具体的には、画像診断用ワークステーション4や画像参照用ワークステーション5a〜5cから送信される医学情報の検索条件データ等を受信し、制御部32に出力する。
【0050】
制御部92は、通信部91等の他の機能部から入力される指示信号に応じて所定のプログラムに基づいた処理を実行して各機能部に対する制御信号やデータを出力する等、サーバ9を構成する各機能部を統括的に制御する。
【0051】
また、制御部92は医学情報検索部(医学情報検索手段)93を有する。医学情報検索部93は、通信部91が受信した医学情報の検索条件データに基づいて医学情報DB10から医学情報101を検索して抽出する処理を行う。具体的には、検索条件データとして「肝臓」が送信された場合、医学情報検索部93は「関連部位」として「肝臓」が登録されている医学情報101を抽出し、抽出した医学情報101を通信部91に転送させる。
【0052】
次に、医用画像読影支援処理の流れについて図5及び図6のフローチャートを用いて説明する。医用画像読影支援処理は制御部42が記憶部43から医用画像読影支援プログラム431を読み出して実行することによって行われる。尚、図5及び図6において、点線より紙面右側に示したステップS21〜S26はサーバ8の制御部32によって実行される処理を示し、ステップS31〜S33はサーバ9の制御部92によって実行される処理を示す。また、図7及び図8はモニタ45の表示例をステップ別に示した図である。
【0053】
図7(a)は、医用画像読影支援処理が実行されたときの初期画面の一例を示す図である。放射線科医によって入力欄96に読影対象画像情報の識別番号等が入力され、送信ボタン97が選択されると、制御部42はサーバ3に対して読影対象画像情報の転送を要求する信号を通信部44に送信させる(ステップS11)。図7(b)は、要求した読影対象画像信号の転送が終了するまでのモニタ45の表示例である。
【0054】
サーバ3の通信部31は読影対象画像情報の転送を要求する信号を受信し(ステップS21)、制御部32はこれに応答して医用画像DB8に記憶された医用画像情報81から読影対象画像情報を抽出する(ステップS22)。そして抽出された読影対象画像情報に含まれる画像の関心領域における特徴量を特徴量算出部321が算出し(ステップS23)、算出された特徴量に基づいて、類似度が50%以上の画像を含む医用画像情報81を医用画像DB8から検索して抽出する(ステップS24)。
【0055】
続いて、過去画像検索部323が読影対象画像情報の付帯情報に含まれる患者名に基づいて、読影対象画像情報に係る過去の画像情報を医用画像DB8から検索して抽出する(ステップS25)。尚、読影対象画像の被写体である患者に診察履歴があっても医用撮影が初めてであるときは、過去画像情報に該当する医用画像情報81は医用画像DB8には存在しない。また医用撮影が初めてでなくても、当該モダリティでの撮影が初めてであったり、当該撮影部位の撮影が初めてであったりする等、検索条件によっては過去画像情報に該当する医用画像情報81が医用画像DB8に存在しない場合がある。この場合、過去画像検索部323は過去画像情報に該当する医用画像情報81がなかったとして、検索処理を終了する。
【0056】
そして制御部32は抽出された読影対象画像情報、類似症例画像情報及び過去画像情報を通信部31に送信させる(ステップS26)。この際、制御部32は、類似症例画像情報に読影対象画像に対する類似症例画像の類似度を付加して送信させる。送信された読影対象画像情報、類似症例画像情報及び過去画像情報は画像診断用ワークステーション4の通信部44が受信し(ステップS12)、初診判別部421は転送された画像情報に過去画像情報が含まれている場合、読影対象画像が初診対象画像であるとし、含まれていない場合は初診対象画像ではないと決定する。読影対象画像が初診対象画像である場合(ステップS13;YES)、表示制御部422は読影対象画像をモニタ45に表示させるための表示信号を生成し、モニタ45に出力する(ステップS14)。更に表示制御部422はサーバ3から転送された類似症例画像情報のうち、読影対象画像との類似度が50%以上の類似症例画像をモニタ45に表示させるための表示信号を生成し、モニタ45に出力する(ステップS15)。
【0057】
そして、制御部42は転送された読影対象画像情報に含まれる付帯情報から撮影部位を読み出し、この撮影部位を検索条件データとして通信部44にサーバ9へ送信させる(ステップS16)。送信された送信された検索条件データはサーバ9の通信部91が受信し(ステップS31)、医学情報検索部93は検索条件データに基づいて医学情報DB10から医学情報101を抽出する(ステップS32)。そして制御部92は抽出された医学情報を通信部91に送信させる(ステップS33)。送信された医学情報は画像診断用ワークステーション4の通信部44が受信し(ステップS17)、表示制御部422は送信された医学情報をモニタ45に表示させるための表示信号を生成し、モニタ45に出力する(ステップS18)。これにより、読影対象画像、読影対象画像との類似度が50%以上の類似症例画像及び医学情報がモニタ45に表示される。このときのモニタ45の表示例を図8(a)に示す。この際、読影対象画像は初診対象画像であることを示す文字やマーク(例えば、マーク99)等を同時に表示してもよい。また、図8(a)中における数98は読影対象画像に対する類似度を示す。そして制御部42は医用画像読影支援処理を終了する。
【0058】
一方、読影対象画像が初診対象画像でない場合(ステップS13;NO)、表示制御部422は読影対象画像と共に過去画像をモニタ45に表示させるための表示信号を生成し、モニタ45に出力する(ステップS19)。更に表示制御部422はサーバ3から転送された類似症例画像情報のうち、読影対象画像との類似度が80%以上の類似症例画像をモニタ45に表示させるための表示信号を生成し、モニタ45に出力する(ステップS15)。これにより、読影対象画像、過去画像及び読影対象画像との類似度が80%以上の類似症例画像がモニタ45に表示される。このときのモニタ45の表示例を図8(b)に示す。そして制御部42は医用画像読影支援処理を終了する。
【0059】
以上、説明したように、読影対象画像が初診対象画像である場合、読影対象画像が初診対象画像ではない、所謂経過診察中の読影対象画像と共に表示させる類似症例画像の数よりも、多くの類似症例画像を表示させることによって、診察の回数や進捗に合った類似症例画像を表示させることができ、適切な内容の画像情報を効率的に放射線科医に与えることができる。
【0060】
尚、本実施の形態では、読影対象画像が初診対象画像であるときに表示する類似症例画像の類似度は、初診対象画像ではないときに表示する類似症例画像の類似度よりも低い類似度を使用することとし、読影対象画像が初診対象画像であるときは、初診対象画像でないときよりも多くの類似症例画像が表示されるようにすることとしたが、他の方法を用いて類似症例画像を表示するようにしてもよい。
【0061】
例えば、読影対象画像が初診対象画像であるとき、類似度が50%以上の類似症例画像を読影対象画像と共に表示し、表示された類似症例画像の中から放射線科医が参考になりそうな類似症例画像を選択し、該読影対象画像の付帯情報として選択された類似症例画像のリンク情報を記憶する。そして、後日、上記読影対象画像の被写体である患者が再来院したときに撮影された医用画像を読影対象画像としてモニタ45に表示する際、過去画像として上記初診対象画像が同時に表示されるが、過去画像の付帯情報に記憶された類似症例画像(即ち、初診時に放射線科医によって選択された類似症例画像)も同時に表示されるようにする。これにより、経過診察時には、放射線科医によって選択された参考となる類似症例画像のみを表示させることができ、放射線科医にとって必要な画像情報を即座に提供することができる。
【0062】
また、読影対象画像の転送要求、読影対象画像、類似症例画像及び過去画像の表示制御は画像診断用ワークステーション4を構成する各機能部によって行われることとして説明したが、画像参照用ワークステーション5a〜5cに同様の機能を持たせてもよい。この場合、画像参照用ワークステーション5a〜5cは、医用画像読影支援システム200に含まれる。
【0063】
また、読影対象画像が初診対象画像でない場合は読影対象画像と共に過去画像を表示させることとしたが、読影対象画像のみを表示させ、入力部41における所定の操作に応答して過去画像を更に表示させるようにしてもよい。
【0064】
また、表示制御部422は読影対象画像、類似症例画像、過去画像を表示制御することとしたが、各画像と共に付帯情報812や診断情報81bを表示させるようにしてもよいし、入力部41における所定の操作に応答して付帯情報812や診断情報81bの表示/非表示が可能なようにしてもよい。
【0065】
また、特徴量算出部321によって読影対象画像の関心領域が自動的に検出されることとしたが、画像診断用ワークステーション4において放射線科医によって読影対象画像の関心領域が設定されてもよい。この場合、まずステップS22において抽出された読影対象画像情報のみがサーバ3から画像診断用ワークステーション4に転送され、放射線科医がモニタ45に表示された読影対象画像を診察して関心領域を設定し、関心領域に係る情報がサーバ3に転送されて特徴量算出部321によって特徴量が算出され(ステップS23)、類似症例画像情報の抽出がなされる(ステップS24)。
【0066】
更に、画像診断用ワークステーション4のモニタ45に表示される医学情報は、医学情報DB10からサーバ9を介して転送されることとしたが、インターネット等の通信ネットワークに接続されているWWWサーバ等を利用してもよい。図9は、本実施の形態の他の一例である医用画像読影支援システム400を備えたネットワークシステム300の概略構成図である。図9に示したネットワークシステム300において、図1に示したネットワークシステム100と同一の機能を有するものは同じ符号を付し、その説明を省略する。医用画像読影支援システム400は、画像診断用ワークステーション4、サーバ3、医用画像DB8、通信ネットワークN及びWWWサーバ11を備える。
【0067】
画像診断用ワークステーション4とWWWサーバ11は、通信ネットワークNを介して接続されている。通信ネットワークNは、インターネット等のような広域ネットワーク、公衆網や専用線網、移動体通信網等、いずれの形態の通信回線網であってもよい。WWWサーバ11は、医学情報サイトをインターネット上に公開している。医学情報サイトとは、疾患の基礎情報、医学情報誌及び学会論文誌のバックナンバー等を公開しているサイトであり、汎用コンピュータ等からその医学情報サイトにアクセスし、検索欄にキーワードを入力して送信すれば、キーワードに即した医学情報が表示される。画像診断用ワークステーション4は、読影対象画像を表示する際に、その読影対象画像の付帯情報に記憶されている撮影部位等を検索ワードとしてサーバ11に送信し、検索結果が表示された医学情報サイトをモニタ45に表示させる。こうすることにより、ネットワーク7上に医学情報DB8を配置しなくても、医学情報を簡単に表示させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】医用画像読影支援システムを有するネットワークシステムの概略構成図
【図2】画像診断用ワークステーションの機能構成を示した図
【図3】サーバの機能構成と、医用画像DBのデータ構成を示した図
【図4】サーバの機能構成と、医学情報DBのデータ構成を示した図
【図5】医用画像読影支援処理の流れを示したフローチャート
【図6】医用画像読影支援処理の流れを示したフローチャート
【図7】画像診断用ワークステーションのモニタの表示例
【図8】画像診断用ワークステーションのモニタの表示例
【図9】他の例の医用画像読影支援システムを有するネットワークシステムの概略構成図
【符号の説明】
【0069】
1a、1b、1c、1d モダリティ
2 画像確認用ワークステーション
3、9 サーバ
4 画像診断用ワークステーション
5a、5b、5c 画像参照用ワークステーション
6 放射線情報システム
7 ネットワーク
8 医用画像DB
10 医学情報DB
11 WWWサーバ
N 通信ネットワーク
100、300 ネットワークシステム
200、400 医用画像読影支援システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の撮影により得られた画像データを記憶する記憶手段と、該記憶手段が記憶する画像データの中から読影対象画像と類似する特徴を有する類似症例画像を表す画像データを抽出する類似症例検索手段と、前記読影対象画像及び前記類似症例画像のモニタへの表示を制御する表示制御手段とを備えた医用画像読影支援システムにおいて、
前記読影対象画像が初診対象画像であるか否かを判別する初診判別手段を更に備え、
前記表示制御手段は、
前記初診判別手段が前記読影対象画像が初診対象画像であると判別したときは、前記初診判別手段が前記読影対象画像が初診対象画像ではないと判別したときに前記読影対象画像と共に表示する類似症例画像の数よりも、多くの数の類似症例画像を前記読影対象画像と共に表示する制御を行うものであることを特徴とする医用画像読影支援システム。
【請求項2】
医学情報を抽出する医学情報検索手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記初診判別手段が前記読影対象画像が初診対象画像であると判別したときは、前記医学情報検索手段により抽出された医学情報を更に表示する制御を行うものであることを特徴とする請求項1に記載の医用画像読影支援システム。
【請求項3】
前記記憶手段が記憶する画像データの中から一の患者に係る過去画像を表す画像データを抽出する過去画像検索手段を更に備え、
前記表示制御手段は、前記初診判別手段が前記読影対象画像が初診対象画像ではないと判別したときは、前記過去画像検索手段により抽出された過去画像を更に表示する制御を行うものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の医用画像読影支援システム。
【請求項4】
前記初診判別手段は、前記過去画像検索手段が前記過去画像を表す画像データを抽出できなかったとき、前記読影対象画像が初診対象画像であると判別するものであることを特徴とする請求項3に記載の医用画像読影支援システム。
【請求項5】
前記過去画像検索手段は、前記一の患者に係る過去画像を表す画像データであって前記読影対象画像の被写体と部位が同一の被写体を含む画像データを抽出するものであることを特徴とする請求項3又は4に記載の医用画像読影支援システム。
【請求項6】
撮影を伴う検査の履歴情報を含む電子カルテを記憶する電子カルテ記憶手段を更に備え、
前記初診判別手段は、前記電子カルテ記憶手段に記憶されている前記一の患者の電子カルテに含まれる前記履歴情報を参照することにより、前記読影対象画像が初診対象画像であるか否かを判別するものであることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の医用画像読影支援システム。
【請求項7】
患者の撮影により得られた画像データを記憶する記憶手段と、該記憶手段が記憶する画像データの中から読影対象画像と類似する特徴を有する類似症例画像を表す画像データを抽出する類似症例検索手段と、前記読影対象画像及び前記類似症例画像のモニタへの表示を制御する表示制御手段とを備えた医用画像読影支援システムにおいて、
前記表示制御手段が搭載されたコンピュータに、
前記読影対象画像が初診対象画像であるか否かを判別する初診判別処理と、
前記初診判別処理において前記読影対象画像が初診対象画像であると判別されたときは、前記初診判別処理において前記読影対象画像が初診対象画像ではないと判別されたときに前記読影対象画像と共に表示する前記類似症例画像の数よりも、多くの前記類似症例画像を前記読影対象画像と共に表示する表示制御処理とを実行させる医用画像読影支援プログラム。
【請求項8】
前記医学画像読影支援システムが、医学情報を抽出する医学情報検索手段を更に備えるシステムであるときに、
前記表示制御処理として、前記初診判別処理において前記読影対象画像が初診対象画像であると判別されたときは、前記抽出された医学情報を更に表示する制御処理を行わせることを特徴とする請求項7に記載の医用画像読影支援プログラム。
【請求項9】
前記医用画像読影支援システムが、前記記憶手段が記憶する画像データの中から一の患者に係る過去画像を表す画像データを抽出する過去画像検索手段を更に備えるシステムであるときに、
前記表示制御処理として、前記初診判別処理において前記読影対象画像が初診対象画像ではないと判別されたときは、前記抽出された過去画像を更に表示する制御処理を行わせることを特徴とする請求項7又は8に記載の医用画像読影支援プログラム。
【請求項10】
前記初診判別処理として、前記過去画像検索手段が前記過去画像を表す画像データを抽出できなかったとき、前記読影対象画像が初診対象画像であると判別する処理を実行させることを特徴とする請求項9に記載の医用画像読影支援プログラム。
【請求項11】
前記医用画像読影支援システムが、撮影を伴う検査の履歴情報を含む電子カルテを記憶する電子カルテ記憶手段を更に備えるシステムであるときに、
前記初診判別処理として、前記電子カルテ記憶手段に記憶されている前記一の患者の電子カルテに含まれる前記履歴情報に基づいて、前記読影対象画像が初診対象画像であるか否かを判別する処理を実行させることを特徴とする請求項9に記載の医用画像読影支援プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−102665(P2008−102665A)
【公開日】平成20年5月1日(2008.5.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−283534(P2006−283534)
【出願日】平成18年10月18日(2006.10.18)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】