説明

医療における統合表示のためのシステム及び方法

【課題】数個の体内装置をデータ源として用いた体内の内腔についての統合情報を表示するための方法及びシステムを提供する。
【解決手段】異なる体内装置を相互作用させて統合結果を統合表示装置に表示する方法が提供され、その際、少なくとも2つの体内検出処理による体内データを受信し、データを解析することにより統合表示が生成される。統合表示は体内検出処理の過程でユーザに表示され、一つの体内検出処理による体内データは、リアルタイムで受信され、かつ/または解析されて統合表示が生成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、体内撮像装置によって提供される体内腔の情報を提供するためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
体内の管部あるいは腔部の体内撮像を行うための装置及び方法が公知となっている。そのような装置は、各種の体内腔部の撮像を実行するための各種内視鏡撮像システム及び装置を含む。例えば、カプセル内視鏡及び大腸内視鏡、あるいはカプセル内視鏡及びダブルバルーン内視鏡等の異なる装置が同じ体内腔の異なる情報を提供し、異なる機能性を持つことができる。これら装置の各々は専用のインターフェース及び表示装置を有し、それらは装置の性能及び処理方法に応じて専用化されている。あるケースでは、医療の専門家は、ある処理の結果と前の処理の結果とを比較することを所望することがある。別のケースでは、医療の専門家は現在の処理を実行している間に前の処理の結果を参照するか、あるいは別の装置からの前の発見に基づいて体内装置にリアルタイムで個別の制御または指示を送信することを所望することがある。今日、医療の専門家はカプセルから体内画像の映像を受信することができるものの、治療目的で内視鏡をどこに到達させればよいかということを正確に見つけ出すためにその映像を利用することはできない。
【0003】
従って、ユーザが異なる処理結果及び異なる装置を改良された手法で用いることができるシステム及び方法を提供することが技術的に必要となっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、装置の各々が単独で使用されたときに提供できるものよりも多くの情報をユーザに提供することができる統合型表示装置を用いて、統合された体内の生成情報を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一実施形態によれば、異なる体内装置を相互作用させて統合結果を統合表示装置に表示する方法が提供される。
本発明の別の実施形態によれば、例えば、少なくとも2つの体内検出処理による体内データを受信し、データを解析して統合表示を生成することにより、統合表示をユーザに表示する方法が提供される。
【0006】
一実施の形態によれば、統合表示は体内検出処理の過程でユーザに表示される。あるケースでは、少なくとも一つの体内検出処理によるデータを受信すること、および/または体内データを解析して統合表示を生成することがリアルタイムで行われる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下の記載において、本発明の各種の局面が説明されている。説明では、個々の構成および詳細が本発明の理解のために記載されている。しかしながら、当業者はここに記載された詳細無しで、本願発明を実施可能であることは明かである。さらに、公知の構成は、本発明が不明瞭にならないように省略または簡略化されている。
【0008】
本発明のシステム及び方法の実施形態は、体内検出システムまたは装置とともに使用される。画像データを提供する体内検出装置の例は、その全体が本明細書に参照として組み込まれるラダン(Laddan)他の米国特許第7009634号明細書に記載されている。本発明の装置は映像撮像性能を有しているが、本発明の範囲内では他の種類の撮像性能を含む。更に、本発明のシステム及び方法は、身体の管部あるいは腔部を検出するあらゆる装置、システムおよび方法に使用することができる。
【0009】
本発明の一実施形態の一つの典型的な使用では、撮像または胃腸管を検査している間、他の内腔は撮像されるか、あるいは検査される。図1を参照して、本発明の一実施形態に従って2つの体内撮像システムの概略的なブロック図が示される。
【0010】
典型的な一実施形態では、システムは、例えばカプセルあるいは他の適切な装置である体内装置40は、画像を捕獲する撮像器46と、人体の内腔を照明する光源42と、受信装置へまたはから画像等のデータおよび可能性のある他の情報を送信および/または受信する送信機41とを有する。好ましくは、撮像器46は「カメラ搭載チップ」タイプのCMOS撮像器等の適切なCMOSカメラである。別の実施形態では、撮像器46は別の装置、例えば、CCDであってもよい。種々の実施形態では、320x320ピクセルの撮像器が使用されてもよい。ピクセルサイズは5〜6ミクロンの間であってもよい。種々の実施形態では、ピクセルの各々はマイクロレンズに適合するようにしてもよい。光源42は、例えば、一つ以上の発光ダイオード、または他の適切な光源であってもよい。
【0011】
別の実施形態において、装置40はカプセル以外であってもよい。例えば、装置40は内視鏡、または他の体内撮像装置であってもよい。例えば、レンズまたは複数のレンズを含む光学系が反射光を撮像器46に集光するのを支援するようにしてもよい。装置40は、例えば飲入することによって患者に挿入され、好ましくは患者の胃腸管を横断する。ある実施形態では、装置および画像捕獲システムは、イダン(Iddan)他の米国特許第7009634号明細書に記載された一実施形態に類似したものであってもよい。別の実施形態では、他の構成を有する他の画像捕獲装置、および他の構成を有する他の画像捕獲システムを使用してもよい。
【0012】
好ましくは、体内撮像システムは胃腸管を横断すると同時に一連の静止画像を収集する。画像は、胃腸管の横断の画像のストリームまたは動画として表示される。体内撮像器システムは、体内装置40が胃腸管を数時間に亘って横断するにつれて大量のデータを収集し、例えば、秒毎2個〜8個の割合で画像を記録し、結果的に数千の画像が記録される。画像の記録速度(またはフレームの捕獲速度)は、変更可能である。
【0013】
好ましくは、患者の身体の外部の一つ以上の位置には、アンテナまたはアンテナアレイを含む画像受信機12と、受信機の記憶ユニット16と、画像受信機12によって受信された画像ストリームを処理して解析するデータ処理ユニット18と、装置40によって記録された画像および他の情報を記憶するデータ処理装置の記憶ユニット19とが設けられている。好ましくは、画像受信機12および画像受信機の記憶ユニット16は小型で、かつ携帯可能であり、さらに、画像の受信及び記録の間に患者の身体に装着される。データ処理装置18およびデータ処理装置の記憶ユニット19は、パーソナルコンピュータまたはワークステーションの一部であってもよく、パーソナルコンピュータまたはワークステーションは、データ処理装置18、メモリ、ディスク・ドライブおよび入出力装置等の部品を含むが、他の構成も可能である。本発明のシステムおよび方法は様々の適切なコンピュータシステムに具体化されてもよい。データ処理装置18は、受信機の記憶ユニット16から受信された未処理の画像データを処理し、映像、報告および体内の処理に関連する他のデータを生成する。処理済みのデータはデータベース30に転送される。上記の例が主にカプセル型の内視鏡についてのものであったが、体内の検出装置の他の例は、本発明の一実施形態に従って、ダブルバルーン内視鏡、大腸内視鏡、および胃内視鏡等に使用されてもよい。
【0014】
データベース30は、記憶ユニットを含み、患者情報、体内の画像、観察結果、患者履歴、処理記録等の医療データを記憶する。データベース30は、内視鏡ワークステーション22に設けられるが、他の位置、例えば、遠隔地にあって、インターネット等のネットワークを介してアクセスされてもよい。データベース30は、病状のデータベース等の一般情報、あるいは画像データ、患者履歴、映像ファイル、観察結果等の患者固有の情報を記憶する。
【0015】
データ処理装置18は、マイクロプロセッサー、マルチプロセッサー、アクセラレータ・ボード、または他のシリアルまたはパラレル高性能データ処理装置等の適切なデータ処理装置を含む。他の実施形態では、データ処理装置は画像受信機12に含まれ、画像又は他のデータが画像受信機12の画面または表示装置(図示せず)に表示される。
【0016】
動作中において、撮像器46は画像を捕獲し、画像を表すデータを送信機41に送信し、送信機41は、例えば、無線周波数を用いて画像を画像受信機12に送信する。画像受信機12は、画像データを画像受信機の記憶ユニット16に転送する。一実施形態では、データ収集のある特定の時間後に、記憶ユニット16に記憶された画像データがデータ処理装置18またはデータ処理装置の記憶ユニット19に送信される。例えば、画像受信機の記憶ユニット16は、患者の身体から外され、データ処理装置18およびデータ処理装置の記憶ユニット19を含むパーソナルコンピュータまたはワークステーションに例えば、公知の構成のシリアルまたはパラレル・インターフェイスである標準的なデータ・リンクを介して接続される。画像データは、画像受信機の記憶ユニット16からデータ処理装置の記憶ユニット19に転送される。データ処理装置18は、データを解析し、解析されたデータをデータベース30に提供する。さらに、解析されたデータはモニター(図示せず)上に表示され、そのモニターで医療専門家が画像データを観察する。ある実施形態では、画像の処理および/または表示は、画像受信機12で行われてもよい。
【0017】
データ処理装置18は、オペレーティングシステム等の動作ソフトウェアおよびデバイス・ドライバと共に、データ処理装置18の動作を制御するソフトウェアを動作させる。好ましくは、データ処理装置18を制御するソフトウェアは、C++の言語および可能な付加的な言語で記述されたコードを含むが、公知の各種の方法で具体化されてもよい。ある実施形態では、中間記憶ユニット16は使用されなくてもよい。
【0018】
内視鏡ワークステーション22に含まるデータベース30は、例えばコンピュータ読取可能な記憶媒体内に含まれてもよく、記憶媒体はフロッピーディスク、光学ディスク、CD−ROM、磁気光学ディスク、読取専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、電気的書込み可能な読取専用メモリ(EPROM)、電気的消去および書込み可能な読取専用メモリ(EEPROM)、磁気または光学カード、または他の記憶に適した他のタイプの媒体を含むあらゆるタイプのディスクを含むが、これに限定されない。データベース30は、各画像と関連する情報を含み、その情報は、例えば、情報記録の結果、記録形式、テキスト情報、キーワード、詳細、完全医療診断、関連のケース、記事、または画像を含み、その関連の画像は、近隣領域の画像、病状の画像または他の情報を含む。ある実施形態では、前の処理または前の複数の処理の患者の詳細および履歴が、統合データベース30に記憶されるとともに、異なる種類の内視鏡的な処理を含む。複数の撮像手段が体内の情報を得るのに使用され、それらはデータベース30に記憶される。公知の病状のタイプの地図画像等の他の情報は、データベース30に記憶されてもよい。
【0019】
収集され、かつ記憶された画像データは無制限に記憶され、他の位置または装置に転送され、処理され、または解析される。ある実施形態では、画像データはリアルタイムでは観察されないが、他の構成ではリアルタイムの観察を行うことができる。
【0020】
統合表示装置20は、好ましくは静止画および/または動画の形式で体内撮像装置から統合された画像データを表示し、更に、他の情報も表示する。典型的な実施形態では、そのような付加的な情報は、各画像についての経過時間を示すタイムライン、出血等の病状が少なくとも一つの体内装置のデータの解析により識別された画像、患者の腹部における体内装置の位置を含むが、これらに限定されない。典型的な一実施形態では、情報の各種のカテゴリーがウィンドウに表示される。ある実施形態情報では、医療報告書をユーザが作成するのを支援する情報がユーザに表示され、その間にユーザは報告書を準備する。例えば、辞書の選択肢が表示され、ユーザは辞書に確保された用語のリストから適切な用語を選択することができる。画像データベースを用いて前の画像を現在の視聴画像と比較することができる。複数のモニターを用いて画像および他のデータを表示してもよい。
【0021】
統合データ処理ユニット24は、内視鏡ワークステーション22内に配置されるか、あるいは内視鏡ワークステーション22の外部に配置されるか、または遠隔地に配置される。統合データ処理ユニット24は、データベース30にアクセスし、内視鏡32を用いて行われる前の処理に関連する情報と、現在の内視鏡処理に関連する情報とを取り出す。取り出されたデータの解析に基づいて、統合データ処理ユニット24は、統合表示装置20上にユーザに表示される統合解析を生成し、その統合解析によりユーザは統合ユーザ・インタフェース28を介して統合データ処理ユニット24を制御し、動作させることができる。統合解析の例は、一つの撮像手段からの情報を別の撮像手段の固有の表示装置に加えること、同じかまたは別の体内装置を用いた別の処理の間に撮像手段の一つによって認識された病状の位置情報等の有用な情報を提供すること、将来の治療に対する、統合報告、統合観察結果、または統合推奨事項を生成すること等を含む。ある実施形態では、情報は前の処理の観察結果において提供され、その観察結果には例えば、内視鏡処理またはダブルバルーン処理に対する次の処理の推奨処理に関する、カプセル処理からの観察結果がある。例えば、推奨事例が、カプセル処理によって検出されている関心部分の特定のサムネイルに関連付けられる。ある実施形態では、発見された病状の量の変化、検出された病状の大きさにおける進行度、または画像ストリームに基づいて処理において検出されたパラメータに関する変化等の前の処理との比較による変化または進行のグラフを提供すると有用である。
【0022】
ある実施形態では、一つの処理の曖昧な観察結果は、別の処理から強化、または増強されることによってより総合的なものとなってもよい。他のケースでは、一つの処理における観察結果は別の処理からの観察結果によって否定的、または反対のものとなってもよい。一実施形態では、一つの処理の間に位置がマーク付けされ、そのマーク付けは、例えば、内視鏡的処理の間に組織への蛍光化合物を注入することにより行われ、次の処理では、更なる更新診断に対してマーク付けされた位置を明確に識別することができる。
【0023】
一実施形態では、内視鏡は同じ処理の間にカプセルを挿入して、異なる撮像手段との間の相関画像ストリームの例を作成してもよい。そのような相関画像ストリームが画像処理の学習アルゴリズムによって用いられて、異なる撮像手段によって得られる画像ストリームを自動的に相関させるようにしてもよい。他の実施形態では、画像ストリームの相関は、ストリーム中のいくつかの類似画像を、医療の専門家が手動で識別するか、あるいは自動的に画像処理によって識別することにより行われる。一実施形態では、体内撮像装置において異なる色の画像が表示用に相関付けされて、体内装置における異なる並行画像間の容易な比較を可能としてもよい。一実施形態では、医療の専門家は手動で比較を行ってもよい。別の一実施形態では、統合データ処理ユニット24は自動的に比較を行ってもよい。
【0024】
一実施形態では、統合ユーザ・インタフェース28は、ワークステーション上にあるか、または遠隔的にアクセスされる医療ケースの管理ツールによって例えばローカルネットワークまたはインターネットを介して構成され、かつ管理されてもよい。統合ユーザ・インタフェース28は、カプセル内視鏡データと、ダブルバルーンまたは大腸内視鏡データ等の他のタイプの内視鏡処理関連データとの両方を管理する制御ソフトウェアを動作させてもよい。統合データ処理ユニット24は、旧来モードで作業することができ、そのモードは内視鏡ワークステーション22の標準の旧来表示および動作選択肢を旧来内視鏡ユーザ・インタフェース26を介してユーザに表示する。別の旧来モードでは、ユーザが旧来のカプセル内視鏡の解析ソフトウェアを操作することが可能となる。旧来内視鏡ユーザ・インタフェース26は、あらゆる単一のタイプの体内撮像装置の最先端の現在の状態を表す。一実施形態では、2つ以上の旧来の表示はユーザに提供され、撮像手段の一つから他の撮像手段へのサムネイルのような情報を取り込むことは、簡単なドラッグ・アンド・ドロップ操作によって行われる。本発明の好適な一実施形態では、統合データ処理ユニット24は、内視鏡ワークステーション22の統合特徴および他の体内撮像装置からのデータを表示および処理することが可能な先進モードを備えている。そのようなデータは、データベース30で利用されるか、または遠隔的にアクセスされるとともに、統合データ処理ユニット24によって解析される。ある実施形態では、2つの異なる撮像手段の統合表示が行われる。但し、本発明は複数の撮像手段の統合によって具体化されてもよい。
【0025】
図2を参照すると、本発明の一実施形態におけるカプセル内視鏡処理とダブルバルーン内視鏡システムの統合ユーザ表示装置および統合ユーザ・インタフェースの表示が示されている。
【0026】
一つの例では、カプセル内視鏡処理が最初に行われ、特定の患者の病状についての情報が受信され、処理からの解析データは補足の処置または診断の処理として行われる別の処理、例えばダブルバルーンカプセル内視鏡処理の間に使用される。ダブルバルーンの処理の間に、医療の専門家は前に識別された病状に到達したことの警報を所望する場合がある。別の一実施形態では、カプセル内視鏡処理の後、医療の専門家は自動的に提案された処置方法を受け取る。例えば、カプセル内視鏡の予備テストの観察結果は、どのようにして処置を行うかということについての推奨事項、例えば、ダブルバルーン内視鏡を用いてどこから進入するのかという推奨事項を含み、その推奨事項が医療の専門家にダブルバルーンの処理を始める前に(例えば統合表示装置20上に)自動的に表示される。ダブルバルーンの処理が行われている場合、現在のダブルバルーンの画像のリアルタイムでの解析が行われ、前の処理のカプセルの画像と比較されて、例えばウィンドウ110に示されるように、処置された身体の内腔の概略図上にダブルバルーンの内視鏡の推定位置が提供される。例えば、関心のある領域の概略図を表示することにより、処置された身体の内腔がユーザに表示されてもよく、その場合、ダブルバルーン114によって到達した現在の推定位置が図形上にマーク付けされるか、あるいは強調される。ポリープの位置は医療の専門家に各種方法で指示される。その方法には、統合表示装置20(例えばマーク付けされた位置112)上に推定位置をマーク付けすること、内視鏡が位置に近接しているときに音声警告を発すること、ターゲット位置への推定距離を提供すること(ウィンドウ140で示される)等を含む。身体の内腔におけるターゲット位置への距離を計算する方法は、米国特許出願番号第2006/0036166号、発明の名称「身体の内腔を通る経路長を決定するためのシステムおよび方法」に記載されているものと同様の内容である。いくつかの病状がカプセル内視鏡処理の解析の結果として発見された場合、すべての病状は統合表示装置20上に強調されるか(マーク付けされた位置112)、最も近接したもののみ強調される。前の処理からの病状の静止画像は、ユーザに小ウィンドウ(ウィンドウ120で示されている)で表示され、現在の処理の間に病状の識別を容易に行うことができる。ある実施形態では、現在の処理の主画面と重複する小ウィンドウには、前の処理で発見された病状を示して、現在の処理の主画面と実質的に干渉しないようする。
【0027】
医療の専門家は、ワークステーション表示装置または内視鏡ハンドセット上のタッチスクリーン上のキーボードのボタン(例えば、ボタン122および123)を押下して、病状の直前のまたは直後の領域の短いクリップを再生することができる。一実施形態では、医療の専門家が例えば、ダブルバルーン内視鏡を進行すると同時に、3つの病状、前のサムネイルおよび次の2サムネイルが統合表示装置20上に自動的に表示される。別の一実施形態では、例えば、ダブルバルーン内視鏡のハンドセットを介した手動選択を行うことができる。一つの例では、ユーザは内視鏡ワークステーション22のハンドセットに付加された新しいボタンをクリックすることで、現在の表示領域の狭域撮像の表示を有効にする特定の動作モードを活性化することができる。時間/カラー・バー(ウィンドウ130)をユーザに表示して、現在の処理の間に得られた画像撮像時間スケールおよび画像色スケールを示すか、あるいは前のカプセル処理に対する相互参照として表示してもよい。一実施形態では、トグルボタンが異なる時間/カラー・バー間で選択することができるように有効化されてもよい。
【0028】
内視鏡のハンドセットの付加されたボタンが統合ユーザ・インタフェースを活性化するのに使用されてもよい。医療の専門家の手が埋まっている場合、付加的な足ペダルを用いて統合ユーザ・インタフェースのある特定の機能を活性化するようにして、手の動きを必要としないこと、および医療の専門家がカプセル内視鏡処理に集中できるという利点を提供するようにしてもよい。例えば、医療の専門家は、足ペダルを押下することによって前に行われたカプセル内視鏡処理に基づいて提供されたように、最も近接して検出された病状を観察することができる。他の実施形態では、ダブルバルーンか他の内視鏡がターゲットの近辺に到達したときにのみ、統合表示装置上にターゲット画像を自動的に表示する。一実施形態では、選択されたサムネイルが現在の処理の正しい順序でユーザに対して統合表示装置20上に表示される。カプセル内視鏡処理およびダブルバルーンカプセル内視鏡処理の両方が口腔から開始される場合、検出されたおよび/または選択された画像は得られた順序と同じ順序でユーザに表示される。カプセル内視鏡が口腔から開始され、現在のダブルバルーンまたは他のカプセル内視鏡処理が肛門から開始される場合、カプセル内視鏡が選択したサムネイルは後入れ先出し(LIFO)の順序で表示され、従って現在のダブルバルーンカプセル内視鏡処理でそれらサムネイルが現われるときに、ユーザはそれらを観察することとなる。表示されたサムネイルは手動または自動的に選択することができる。ある実施形態では、医療の専門家が音声命令を発して、公知の音声認識方法によって変換されて統合ユーザ・インタフェース28に提供してもよい。音声命令を使用する際には、ユーザは内視鏡ハンドセットを全く離す必要はなく、かつボタンを押下することなく、上記したような同じ機能性を享受することができる。
【0029】
図3を参照すると、本発明の別の一実施形態の統合ユーザの表示装置の表示が示されている。この典型的な一実施形態では、特定の患者が胃腸管のカプセル内視鏡処理および大腸カプセル内視鏡処理の2つの撮像処理を受けている。医療の専門家は、両方の処理によって生成された結果を検討することを所望することがある。いくつかのケースにおいて、医療の専門家は、別の処理からの並行画像と一つの処理からのある選択された画像とを比較することを所望することもある。一実施形態では、ユーザは両方の処理から比較のために興味のある画像または短いクリップを手動で選択することを所望することがある。別の一実施形態では、ユーザが処理の自動的に認識された一致セクションを表示するように要求してもよい。比較および処理の目的で、タイプに関係なく、すべての行われた処理の完全な画像ストリームを記憶すること、例えばカプセルの画像ストリームおよび内視鏡の画像ストリーム等を記憶することは有効である。これらのストリームは、オフラインまたはオンライン(例えば、リアルタイム、またはほぼリアルタイム)による一つの処理の他の処理との比較で使用してもよい。他の実施形態では、選択されたセクションの画像ストリームは処理のために記憶され、使用される。各処理の開始からの時間経過の表示を行うことは、診断を準備する際に有用となり得る。いくつかのケースでは、報告は2つ以上の処理からの統合観察結果に基づいて自動的に生成され、2つ以上の体内装置からのサムネイル画像等の選択画像を含み得る。病状の画像地図からの画像は、統合表示における診断を簡単にするためにユーザに表示されてもよい。画像地図は複数の異なる撮像手段で得られた画像に基づく。一実施形態では、カプセルの地図は、他の撮像手段例えば内視鏡によって得られる病状の相関画像を加えることによって増強することができ、さらに、推奨される処置をユーザに表示してもよい。推奨された処置を加えることによって、カプセルの観察結果および/または報告および/または表示は、治療の推奨された処理または治療のための推奨された処理要素等の治療上の要素を含む。一実施形態では、統合表示によって、同じ患者または異なる患者で行われる異なる処理間で観察結果、注記、選択画像、映像クリップ等の相互参照を行うことができる。例えば、統合表示装置は、一つの処理から別の処理で発見された病状の画像を含む興味のあるクリップ等の動画クリップを出力することができる。本発明の一実施形態では、一つの旧来の表示から別の表示へ、または統合表示からの統合報告を作成可能なツールへのドラッグ・アンド・ドロップ・オブジェクトによって報告が作成される。統合報告は、特定の患者のために利用可能な体内撮像装置の何れかからの選択された画像を含み得る。一実施形態では、統合報告は、例えば旧来のカプセル内視鏡の報告を作成するために使用される同じツールによって任意に生成されてもよい。
【0030】
ある実施形態では、カプセル内視鏡処理は大腸内視鏡処理の後で行われる。例えば、大腸内視鏡検査は、大型のポリープ、例えば長さの5mmのポリープを除去するために患者に対して行われる。医療の専門家は、治療した領域が適切に治癒する時間後に検査を行うことを所望することがある。別の例では、5mmのポリープは除去されず、ポリープの現在の大きさを検査するためにカプセル内視鏡がある特定の期間、例えば1年後に行われることがある。そのような場合、統合表示は、一つの処理で発見されたポリープの測定されたサイズを次の処理で発見されたポリープの測定されたサイズと比較した差異を提供してもよい。一実施形態では、前の大腸内視鏡処理は現在のカプセル内視鏡処理に処理情報を提供することができる。例えば、医療の専門家が大腸内視鏡を用いてポリープを除去した後でカプセル内視鏡処理を行った場合、カプセルを大腸の手術の位置等の特定のデータとともにプログラムして、手術領域におけるカプセルのフレームレートを増加させて、完全な回復を確認するようにしてもよい。カプセル内視鏡によって解析された映像またはオンライン映像を視聴している間、前の内視鏡処理データを用いて前に発見された病状が出現したことをユーザに警告してもよい。一つ以上の時間/カラー・バーをユーザに表示して、現在の処理および/また前の処理の間に得られた画像の撮像時間スケール及び撮像色スケールを示すようにしてもよい。
【0031】
図4を参照すると、本発明の一実施形態における複数の体内検出処理を行い統合結果を表示する方法のフローチャートが示されている。ステップ410では、一つ以上の体内検出処理の体内情報が例えば(図1に示される統合データ処理ユニット24のような)プロセッサーによって受信される。体内情報は体内装置から直接受信され、かつ/またはデータベースまたはデータ記憶ユニットから受信される。通常、体内検出処理は、前の体内検出処理の画像データを提供する。画像データは処理され、解析される(ステップ420)。ある実施形態では、情報は遠隔システムまたはプロセッサーによって遠隔的に解析されてもよい。ある実施形態では、一つ以上の前の処理が使用され、解析は複数の体内処理の情報を結合することを含む。解析された情報および/または統合情報はユーザに表示される(ステップ430)。例えば、体内撮像カプセルは以前に患者によって飲入されて、患者の食道が視覚化される。解析された情報が別の体内検出装置を動作させるのに使用される(ステップ440)。データは遠隔システムで解析され、解析されたデータは他の体内検出装置によって使用されるデータベースに送信される。例えば、解析された情報は、同じ患者の食道の内視鏡処理の実行の前、最中または後で使用される。ステップ450では、情報は、現在の体内検出装置であって、通常、前の処理で使用された体内装置とは異なる体内検出装置で受信される。現在の装置からの情報は、リアルタイム、またはほぼリアルタイムで受信され、プロセッサーによってアクセスされる。情報は解析され(ステップ460)、例えば、同じ患者に関連するすべての利用可能な情報と統合されて、ユーザに表示される(ステップ470)。情報は、リアルタイムまたはほぼリアルタイムで統合および解析され、現在の処理の間に医療の専門家に有益な情報として提供される。一つの例では、解析された情報は、現在の処理で処置を必要とするターゲット病状に関する情報を含む。例えば、解析された情報は、患者の身体における体内検出装置の現在位置等の現在の処理からの情報と、病状の位置およびタイプ等の前の処理からの情報との統合情報を使用して、前に認識された病状に対して推定または算定された距離とともに医療の専門家に提供される。
【0032】
本明細書で示され、かつ記載された内容によって本発明が制限されないことは当業者にとって理解され得る。むしろ、本発明の範囲は特許請求の範囲によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の一実施形態の体内撮像システムの概略的なブロック図。
【図2】本発明の一実施形態の統合ユーザ表示装置の表示を示す図。
【図3】本発明の別の実施形態の統合ユーザ表示装置の表示を示す図。
【図4】本発明の一実施形態の複数の体内検出処理の統合及び統合結果の表示方法を示すフローチャート。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
方法であって、
少なくとも2つの体内検出処理による体内データを受信すること、
前記データを解析して統合表示を生成すること、
前記統合表示をユーザに表示することを備える方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記統合表示は体内検出処理の過程でユーザに表示される、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、少なくとも一つの体内検出処理によるデータを受信することがリアルタイムで行われる、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、前記少なくとも2つの体内検出処理のうちの一つはカプセル型の内視鏡撮像処理である、方法。
【請求項5】
少なくとも2つの体内撮像手段からのデータを統合して表示するためのシステムであって、
前記少なくとも2つの体内撮像手段からのデータを統合する統合データ処理ユニットと、
前記統合データを表示する統合ユーザ・インタフェースとを備える、システム。
【請求項6】
請求項5に記載のシステムにおいて、前記少なくとも2つの体内撮像手段のうちの一つはカプセル型の内視鏡撮像手段である、システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−22446(P2009−22446A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2007−187159(P2007−187159)
【出願日】平成19年7月18日(2007.7.18)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.フロッピー
【出願人】(506203914)ギブン イメージング リミテッド (45)
【氏名又は名称原語表記】GIVEN IMAGING LTD.
【Fターム(参考)】