医療支援システム、及び医療支援プログラム
【課題】複数の患者にまたがった電子カルテの情報の検索及び情報の抽出を行なうことが可能な医療診断支援システムを提供する。
【解決手段】それぞれの患者の訴えの内容、疾病名を含む診察内容、治療内容、及び、少なくとも年齢や性別を含む患者情報を基に、それぞれの患者に対応した電子カルテを作成する電子カルテ作成手段1と、電子カルテを表示する表示手段3と、電子カルテ作成手段1において作成された複数の電子カルテを格納する電子カルテ格納手段2とを備える医療診断支援システムであって、所定の条件を入力する操作手段4と、電子カルテ格納手段2に格納された複数の電子カルテから、所定の条件に一致する情報を複数の患者にまたがり抽出する抽出手段5とを備える。
【解決手段】それぞれの患者の訴えの内容、疾病名を含む診察内容、治療内容、及び、少なくとも年齢や性別を含む患者情報を基に、それぞれの患者に対応した電子カルテを作成する電子カルテ作成手段1と、電子カルテを表示する表示手段3と、電子カルテ作成手段1において作成された複数の電子カルテを格納する電子カルテ格納手段2とを備える医療診断支援システムであって、所定の条件を入力する操作手段4と、電子カルテ格納手段2に格納された複数の電子カルテから、所定の条件に一致する情報を複数の患者にまたがり抽出する抽出手段5とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子カルテを利用して検索を行なう医療支援システム、及び医療支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療機関においては、まず受付で患者の訴えを看護士が聞き受付登録を行いその訴えの内容を医者に渡す。医者は受付登録の内容や実際に患者の診察及び治療を行なった結果をもとに、医者が紙のカルテに患者の名前、性別、年齢などの患者情報や、診察の内容や、処方の内容などを記載することでカルテを作成していた。ここで、かかる紙のカルテの記載においては、医者は患者の訴えを自らの言葉で、例えば「腹痛」とか「鈍痛」などと医学的に多用する言葉に単純化し記載するのが通例である。しかし、患者の生の訴えに含まれる情報は重要なものであり、これではその後の治療などで重要な情報が見落とされる可能性があった。また、紙のカルテでは、重要な箇所には赤線を引くなりして強調することで、そのカルテにおける必要な箇所を見つけやすくすることはできるが、ある疾病に対するジェネリック医薬品や新薬などの効果の傾向などを調査するような場合には、複数の患者にまたがって必要な情報を抽出する必要がある。このような場合には、全ての患者のカルテを見て必要な情報を取り出さなければならず、紙のカルテでは非常に煩雑で情報の抽出は困難であった。さらに、1人の患者のカルテであっても、慢性疾患の患者の場合にはその患者のカルテが多数にのぼり、この場合に一人の患者について情報を過去にさかのぼって必要な情報を取り出すには、複数の患者のカルテの場合と同様に多数のカルテの中から必要な情報を取り出さねばならず、非常に煩雑で情報の抽出は困難であった。
【0003】
また、近年、所謂、病院情報システムの整った診療所などの医療機関においては、来院患者の受付登録を、受付端末による情報操作をもって行っている。このような医療機関においては、医師は受付端末より入力された登録患者情報のリストを診療室毎に備えられた医師端末を用いて呼び出し、さらに、この登録患者のリストから該当患者を指定して該患者のカルテ(電子カルテ)を呼び出し、該患者の電子カルテに関する情報入力を行なっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
この電子カルテに関する情報入力は、医師が医師端末を用いて、診療患者の電子カルテに、その病状に従って主訴・所見等の内容の情報の入力をすることにより行なわれる。また、当該患者が再来患者である場合には、該患者の過去のカルテ情報を呼び出し、これをそのままコピーして今回の電子カルテに入力することもある。
【0005】
このように、診療所及びその他の医療機関において発生する診療情報を電子的に記録する電子カルテを用いて、医師の患者に対する診療行為に供するシステムのことを、電子カルテシステムという。
【0006】
そして、このような電子カルテシステムでは、問診システムと連携して予め問診システムに入力された情報をカルテに取り込む技術(例えば、特許文献2参照。)や、電子カルテを利用して、ある特定患者に関しカルテデータやその患者から聞き出した症状から疾病名を推論する技術(例えば、特許文献3及び特許文献4参照。)や、所見の内容や問診結果を記号で表し疾患情報の抽出を容易にする技術(例えば、特許文献5参照。)などがある。
【0007】
【特許文献1】特開2003−122849号公報
【特許文献2】特開平10−323329号公報
【特許文献3】特開平8−235258号公報
【特許文献4】特開平10−177605号公報
【特許文献5】特開2002−32476号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、以上のような電子カルテシステムを含む医療支援システムにおいても、電子カルテを管理するにあたっては、個々の患者における電子カルテをそれぞれ別に管理しているのみであり、複数の患者にまたがって電子カルテを管理しているわけではない。すなわち、ある疾病について調査しようとしても、その疾病を抱える複数の患者の電子カルテにまたがって調査を行い、共通する情報やその疾病における傾向などの分析をするには、患者毎のカルテを確認していかねばならず、実際にそのような調査を行なうことは困難である。また、ジェネリック医薬品や新薬などの効果の調査を行なう場合でも、個々の患者に対する情報しか得られないのでは、副作用や効果の傾向などを分析することは出来ない。したがって、従来の電子カルテシステムを含む医療支援システムで、ジェネリック医薬品や新薬などの効果の調査を行なうことは困難である。さらに、従来の医療支援システムでは、紙のカルテの場合と同様に、問診時における患者のあいまいな訴えは、前述のように単純化した言葉として捕らえられ扱われてしまい、患者の訴えをそのまま表示することはないため、重要な情報を見落としてしまうおそれがある。ここで、医療とは、診断及び治療などを含む医学的行為を意味する。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、複数の患者にまたがった電子カルテの情報の検索及び情報の抽出を行なうことが可能な医療支援システムを提供することを目的としている。
【0010】
さらに、問診時におけるあいまいな患者の訴えをそのままの形で抽出し表示する医療支援システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の医療支援システムは、患者の疾病に係る情報や該患者の年齢や性別を含む患者情報を基に、各患者に対応した電子カルテを作成する電子カルテ作成手段と、前記電子カルテを表示する表示手段と、前記電子カルテ作成手段において作成された複数の前記電子カルテを格納する電子カルテ格納手段とを備える医療支援システムであって、所定の条件を入力する操作手段と、前記電子カルテ格納手段に格納された前記複数の電子カルテから、前記所定の条件に一致する情報を複数の患者にまたがり抽出する抽出手段とを備えることを特徴とするものである。
【0012】
請求項10に記載の医療支援プログラムは、患者の疾病に係る情報や該患者の年齢や性別を含む患者情報を基に、各患者に対応した電子カルテを作成させ、前記電子カルテを表示手段に表示させ、前記作成された複数の電子カルテを電子カルテ格納手段に格納させることをコンピュータに実行させる医療支援プログラムであって、所定の条件の入力を受けて、前記電子カルテ格納手段に格納された前記複数の電子カルテから、所定の条件に一致する情報を複数の患者にまたがり抽出させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1及び請求項10に記載の発明によると、複数の患者にまたがった電子カルテの情報の検索及び情報の抽出を行なうことが可能となる。これにより、今までは各患者個人で閉じていた電子カルテの情報が、多数の患者の電子カルテの情報が集まった情報として管理されることになる。したがって、医者は複数の患者の電子カルテにまたがって治療や薬の効果などの疾病の情報を集計し分析することができ、各患者個人に対する医療の質の向上だけでなく、病院全体における医療の質を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
〔第1の実施形態〕
以下、この発明の第1の実施形態に係る医療支援システムについて図1、図2、図3、図4、図5、及び図6を参照しながら説明する。図1は本発明に係る医療支援システムにおけるネットワークの構成図である。図2は本発明に係る医療支援システムのブロック図である。図3は電子カルテを説明するための図である。図4は情報の抽出の設定を行なう画面の図である。図5は情報が抽出されたCSVファイルの図である。図6は抽出した情報を分類し集計したグラフである。
【0015】
図1に示すように、本発明に係る医療支援システムは、サーバ001、医師端末002、及び受付端末003を有し、それぞれがネットワークを介してつながっている。
【0016】
図2に示すように、本発明に係る医療支援システムは、電子カルテ作成手段1、電子カルテ格納手段2、表示手段3、操作手段4、抽出手段5、集計手段6、条件設定手段7、及び表示制御手段8で構成されている。ここで、電子カルテ作成手段1、抽出手段5、集計手段6、及び表示制御手段8はCPU及びプログラムで構成されている。また、本実施例では、図2に示すように、電子カルテ作成手段1、表示手段3、操作手段4、集計手段6、条件設定手段7、及び表示制御手段8が医師端末002に配置され、電子カルテ格納手段2、及び抽出手段5がサーバ001に配置されている。ただし、各手段の構成はこの配置以外でもよく、例えば、抽出手段5が医師端末002に配置されてもよく、逆に、集計手段6、表示制御手段8又は電子カルテ作成手段1がサーバ001に配置されてもよい。
【0017】
まず、電子カルテの作成及び格納について説明する。電子カルテ作成手段1は、医療機関の受付で受付端末003を使用して作成された受付登録の情報から、患者の性別、年齢、体重、既往症などの情報を受け取る。次に、電子カルテ作成手段1は、図3に示すような、電子カルテ作成手段1が有するフォーマットに受付登録の情報を書込み、表示手段3に該電子カルテを表示させる。次に、医者は、表示手段3を利用して、患者の問診を行なって得た患者の訴えの内容を含む問診情報、及び行なった治療の内容などを、表示手段3に表示された電子カルテに操作手段4を使用して入力し、その情報を受けて、電子カルテ作成手段1は、問診情報を所見表示部分101に書き込み、治療内容、疾病名、及び検査情報等のオーダ情報をオーダ情報表示部分102に書き込むなどして電子カルテを作成する。ここで、患者の訴えの内容とは、患者の言葉を加工せずにそのまま記録した情報であり、受付にて看護士が患者から聞き取った内容も含んでいる。
【0018】
次に、電子カルテ作成手段1は、作成した電子カルテを電子カルテ格納手段2に格納する。
【0019】
次に、格納された複数の患者の電子カルテからの情報の抽出について説明する。医者は操作手段4を使用して、複数の電子カルテから情報を検索する検索条件及び、電子カルテの情報の中から項目を抽出する抽出条件を入力する。図4に示すように、検索条件を入力する表示手段3に表示された入力部である検索条件入力部201、抽出条件を入力する表示手段3に表示された入力部である抽出条件入力部202を利用して、医者は操作手段4から各条件を入力する。検索条件入力部201には、検索の項目名称、該項目を検索するための条件である条件1及び条件2、及び各検索項目の関係が「及び」であるか「または」であるかを表す「AND/OR」を入力する入力部を有する。ここで、一例として、インフルエンザに罹患した患者のうち、インフルエンザの予防接種を受けた患者の予防接種の効果を確認したい場合の情報の抽出を行なう場合を説明する。医者はまず、操作手段4を使用して、検索条件としてインフルエンザに罹患した患者という条件、及び2005年1月1日〜2006年2月25日という診察日の範囲を入力する。そして、検索条件は「及び」であるので「AND」を選択する。次に、医者は、操作手段4を使用して、抽出条件として予防接種の有無、インフルエンザの罹患の重度、患者番号、患者名、及び患者の生年月日などを入力する。
【0020】
抽出手段5は、操作手段4からの入力情報を受けて、電子カルテ格納手段2に格納される全ての電子カルテの中から、検索条件に一致する患者の電子カルテを探し出す。ここでは、2005年1月1日〜2006年2月25日の間に、診察を受けてインフルエンザに罹患したと診断された患者の電子カルテを探し出す。次に、抽出手段5は、操作手段4からの入力情報を受けて、探し出した電子カルテの中から、抽出条件に一致する項目の情報を抽出する。ここでは、2005年1月1日〜2006年2月25日の間に、診察を受けてインフルエンザに罹患したと診断された患者の電子カルテの中から、予防接種の有無、インフルエンザの罹患の重度、患者番号、患者名、患者の生年月日を抽出する。インフルエンザの予防接種の有無やインフルエンザの罹患の重度は、図3におけるオーダ情報表示部分102から抽出でき、患者番号、患者名、患者の生年月日などは、患者情報表示部分103から抽出できる。ここで、説明の都合上、検索条件を使用して検索した後、抽出条件を使用して項目の抽出を行なうように説明したが、検索条件と抽出条件による検索(抽出を含む)の順序は逆でもよいし、また両方の検索を同時に行なってもよい。
【0021】
本実施形態では、抽出のフォーマットとしてコンマでデータを列挙したデータフォーマット形式であるCSV(Comma Separated Value)の形式で抽出した情報の出力を行なっている。CSVファイルへの情報の抽出は、図5に示すような形で抽出した情報の出力がなされる。本実施形態では、抽出後の情報の加工がしやすいためCSV形式で抽出した情報を出力しているが、情報の抽出におけるデータフォーマットの形式に特に制限はなく、他のフォーマットの形式を使用してもよい。
【0022】
次に、抽出した情報の表示について説明する。医者は、条件設定手段7を使用して、抽出した情報を年代別やインフルエンザの予防接種の有無などの分類を行なうために、抽出した情報の分類条件を設定する。この分類条件は、抽出した電子カルテの項目から選択される。ここで、電子カルテの項目とは抽出された電子カルテの情報の種類である。ここでは、一例として、インフルエンザの予防接種をしたグループと予防接種をしていないグループに分ける。さらにその中を、罹患の重度の軽重で分類するように設定する。
【0023】
集計手段6は、条件設定手段7からの抽出した情報の分類条件を受け、抽出手段5が抽出した情報を分類条件に従い分類し、さらに、分類した情報を集計することにより表やグラフを作成する。本実施例では、図6に示すように、横軸にインフルエンザ予防接種の有無のグループを表示し、さらに、そのグループの中で罹患が重度のグループと罹患が軽度のグループに分けて、その人数を集計し、棒グラフで表示手段3に表示させる。ここで、本実施例では予防接種を受けた患者と、予防接種を受けなかった患者の中の罹患が重度の患者と軽度の患者の割合を見るため、棒グラフで表しているが、この表やグラフの作り方は特に制限はなく、単なる表でもよいし、折れ線グラフなどでもよい。このように、集計手段6は、抽出した情報を分類して集計することにより、複数の患者にまたがる電子カルテの情報の分析を行なう。
【0024】
次に、図7を参照して電子カルテ情報の抽出の流れを説明する。ここで、図7は電子カルテの情報の抽出のフローチャートである。
【0025】
ステップS001:電子カルテ作成手段1は、受付登録の情報、医師が入力した、問診の情報や、オーダ情報などを基に電子カルテを作成し、電子カルテ格納手段2に保存する。
【0026】
ステップS002:医師は、検索条件及び抽出条件を操作手段4を使用して入力する。
【0027】
ステップS003:抽出手段5は、入力された条件に一致する電子カルテの情報を抽出する。
【0028】
ステップS004:医師は、抽出した情報の分類条件を条件設定手段7を使用して設定する。
【0029】
ステップS005:集計手段6は、分類条件を受けて抽出した情報を分類し集計し、グラフ又は表などを使用して表示手段3に表示させる。
【0030】
ここで、疾病の重症度合いを示す数値データで検索・抽出をかける必要がある場合は、ある所定範囲ずつグルーピングを行なうよう予め設定しておき、重症の度合い毎に自動抽出される構成を追加してもよい。糖尿病を例に、より具体的に説明すると、まず患者の検査により得るヘモグロビン数値データにおいて、HbA1cが5.8以下を軽度、5.9〜7.4を中度、7.5以上を重度とグルーピングされるようシステムに予め設定しておく。そして、図4に示す検索条件の入力時は「軽度」「中度」「重度」との言語を入力するだけで、各々が意味する数値範囲に該当するデータが自動抽出されるというものである。これによって、重症度を表す数値範囲を覚えておき数値入力するという煩わしさを抑制することができる。
【0031】
このように、複数の患者にまたがり、検索をして情報の抽出を行なえることで、多数の患者の電子カルテを通じて疾病の情報を分析することができ、これにより、医療の質を向上させることができる。例えば、本実施形態では、図6示すように、予防接種を受けた人では予防接種を受けなかった人に比べて、罹患が重度になる比率が少ない。したがって、インフルエンザの流行時期には予防接種を行なっておくべきだとの分析ができ、患者に対し予防接種の必要性を強調できるので、医療の質が向上する。
【0032】
〔第2の実施形態〕
次に、第2の実施形態について説明する。電子カルテの所見表部分101に入力された患者の訴えの内容は、患者毎に表現が異なり、さらにあいまいな表現であるため、そのままでは複数の患者にまたがった抽出を行なった場合、ほとんど抽出できなかったり、逆に抽出の量が多すぎたりすることが考えられる。そこで、本実施形態は、患者の訴えの内容の一部に、事前に意味が対応付けられている記号を付加することで、付加した記号での検索を行なえるように構成したものである。
【0033】
まず、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様電子カルテ作成手段1により電子カルテが作成され、電子カルテ格納手段2に複数の患者の電子カルテが格納されている。
【0034】
次に、医者は操作手段4を使用して、図3の所見表示部分101に入力されている患者の訴えの内容の一部を選択し、選択した部分に記号の選択画面を出す指示を与える。該指示を受けて、表示制御手段8は、選択された部分に記号の種類及び事前に各記号の種類に対応付けられた意味を、各記号が選択できるように表示する。本実施形態では、各記号は図8に示すように、記号$は注意すべき訴え、記号P$は本人の気にする症状(例:頭痛と脳卒中、胃の痛みとガン)及び医師が注意する症状(例:体重減少、血痰、咳)、記号@は注意事項、検査経過観察事項、及び要注意検査内容(例:尿酸、ALS、アミラーゼ)、記号!は重要事項(例:アレルギー)、記号%は現病歴、及び既往歴、記号[は患者の希望事項(例:ジェネリック希望、急変時在宅希望)、記号“は画像参照(例:画像の年月日、画像内容)、記号&は重要な病名(例:ガン、血管障害)、記号*は薬に対する情報(例:頻用薬剤 頭痛−○○ 便秘−△△、症状に対する薬剤 不眠−×× 動悸−☆☆ 咳−□□)、及び記号#は医療連携に関する情報(例:他院での治療・受信歴、病院での検査・治療歴、治療内容、主治医名)、というように各記号の種類に対し意味が対応付けられている。ここで、図8は記号とその記号に対応付けられた意味との関係を説明するための図である。また、本実施形態における記号の種類が選択できるような表示とは、ドロップダウンメニューやヘルプボックスの表示などがある。なお、記号と内容については、医療機関によって任意に対応付けすることができる。
【0035】
医師は、この記号の種類の表示の中から、操作手段4を使用して記号の種類を選択する。表示制御手段8は、操作手段4からの記号の種類の選択の入力を受けて、その種類の記号を患者の訴えの内容の選択部分に付加して表示手段3に表示させる。また、電子カルテ作成手段1は、記号の付いた電子カルテを電子カルテ格納手段2に格納する。例えば、患者の訴えの中で「リウマチの症状が出てきた」という部分を選択し、その選択部分に記号$を付ける場合には、表示制御手段8は、「リウマチの症状が出てきた」という部分を挟んで両側に記号$を付加し「$リウマチの症状が出てきた$」というように表示させる。
【0036】
ここで、記号の種類の選択における一例として、図11を参照しながらドロップダウンメニューの表示による記号の種類の選択の表示を詳細に説明する。図11は電子カルテ上でドロップダウンメニュー104を表示させた場合の説明のための図である。まず、医者は、電子カルテ上の所見表示部分101より、選択したい部分である「リウマチが出てきた」をマウス(ここでは、操作手段4の一例として「マウス」を用いて説明する。)の左クリックで選択する。これにより、表示制御手段8は、表示手段3に選択部分をハイライト表示させる。次に、医者が選択した場所でマウスを右クリックすると、表示制御手段8は、該選択した場所にドロップダウンメニュー104を表示制御手段8に表示させる。医者は、そのドロップダウンメニュー104の中から設定する記号(ここでは、選択する記号は記号$。)の上でマウスを左クリックすることで記号を選択する。これを受けて、表示制御手段8が、所見表示部分101の中に記号$を付加し「$リウマチの症状が出てきた$」というように表示手段3に表示させる。
【0037】
また、本実施形態では、各記号にどのような意味が対応付けられているかが一目で確認できるように、表示制御手段8により表示手段3に記号の種類とその記号の種類に対応付けられた意味を表示させて、そこから選択できるように構成したが、これは、事前に意味が対応付けられた記号の種類それぞれに操作手段4が有するキーを割当てるなどして、そのキーを患者の訴えの内容の選択部分で押すことで、割当てられた記号が付されるような構成でもよい。さらに、本実施形態では、使用する医師が混乱しないよう事前に記号の種類と意味を対応付けているが、これは、医師が自由に記号の種類に対応する意味づけを行ない、それを基に患者の訴えの内容の選択部分を分類する構成にしてもよい。
【0038】
本実施形態では、患者の訴えの内容の選択部分に付した記号はそのまま表示手段3に表示されている電子カルテの所見表示部分101に表示させているが、患者の訴えの内容を読みやすくするために、表示制御手段8は、この付した記号を非表示にしてもよい。また、患者の訴えの内容の選択部分を分かりやすくするために、表示制御手段8は、選択部分を太字にしたり、アンダーラインを引いたり、マーカーをつけたりするなど強調して表示手段3に表示させてもよい。
【0039】
次に、付加した記号を使用した抽出について説明する。医者は、操作手段4を使用して検索条件と抽出条件の片方もしくはその両方に記号を入力するとともに、その他の検索条件及び抽出条件を入力する。抽出手段5は、入力された記号を含む条件を受けて、入力された条件に一致する患者の電子カルテを検索し項目を抽出する。特に記号の条件による検索または抽出では、抽出手段5は、電子カルテの所見表示部分101に含まれる患者の訴えの内容の中から該記号で選択されている部分を検索もしくは抽出する。例えば、医者が抽出条件で記号$を入力した場合には、抽出手段5は検索条件に一致する患者のカルテの中から、患者の訴えの内容の中において$で囲まれている部分を抽出する。すなわち、「$リウマチの症状が出てきた$」と入力されている場合には、「リウマチの症状が出てきた」という部分が抽出される。
【0040】
集計手段6は、条件設定手段7からの情報を受けて、抽出手段5が抽出した情報を基に、分類及び集計を行いグラフや表を作成する。例えば検索条件を診察日の範囲とし、抽出条件を患者番号、患者氏名、記号$とした場合には、図9に示すような表が作成される。ここで、図9は記号を抽出条件に入れ抽出を行なった場合に作成される表の一例である。
【0041】
ここで、図10を参照して記号を使用した情報の抽出の流れを説明する。ここで、図10は記号を使用した情報の抽出のフローチャートである。ここで、図10のフローチャートは検索条件又は抽出条件の少なくとも一方に記号の種類が入っている場合のフローある。
【0042】
ステップS101:電子カルテ作成手段1が、電子カルテを作成し、電子カルテ格納手段2に格納する。
【0043】
ステップS102:表示制御手段8が表示手段3に表示させた、電子カルテ及び記号とそれに対応させた分類の項目のドロップダウンメニューを使用して、医者が記号を入力する。その入力を受けて、電子カルテ作成手段1は、患者の訴えの内容の選択部分に記号を付加し、それを電子カルテ格納手段2に格納する。
【0044】
ステップS103:医者は、記号の種類を少なくともどちらか一方に含む、検索条件及び抽出条件を入力する。
【0045】
ステップS104:抽出手段5は、入力された検索条件及び抽出条件に基づき、電子カルテの情報を抽出する。このとき、抽出手段5は、条件の記号の種類に一致する記号が吹かされた患者の訴えの内容の選択部分を検索又は抽出する。
【0046】
ステップS105:医者は、条件設定手段7を使用して分類条件を設定する。
【0047】
ステップS106:集計手段6は、分類条件を受けて、抽出した情報を分類し、集計し、それらを、表又はグラフの形で表示する。
【0048】
ここで、本実施形態では、付加した記号を使用して電子カルテの情報の抽出を行なう場合を説明しているが、記号を付加したとしても、記号の種類を条件に加えずに電子カルテの情報の抽出を行なってもよい。
【0049】
このように、患者の訴えの内容の一部に記号を付加して選択可能にすることで、記号を使うことによりその選択部分の検索又は抽出を容易に行なうことができる。これにより、本来患者毎に表現が異なったり、あいまいな表現を使用されたりするため、一定の規則に従い分類することが困難であった患者の訴えの内容が、記号に対応付けられた意味によって患者の訴えの内容の選択部分を分類することが可能になり、その分類により検索又は抽出を容易に行なうことが可能となる。したがって、重要な内容を含む患者の訴えを見落とすことなく集計に活用でき、診療に有効に利用することができる。これにより、医療の質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る医療支援システムにおけるネットワークの構成図
【図2】本発明に係る医療支援システムのブロック図
【図3】電子カルテを説明するための図
【図4】情報の抽出の設定を行なう画面の図
【図5】情報が抽出されたCSVファイルの図
【図6】抽出した情報を分類し集計したグラフ
【図7】電子カルテの情報の抽出のフローチャート
【図8】記号とその記号に対応付けられた意味との関係を説明するための図
【図9】記号を抽出条件に入れ抽出を行なった場合に作成される表
【図10】記号を使用した電子カルテの情報の抽出のフローチャート
【図11】電子カルテ上でドロップダウンメニューを表示させた場合の説明のための図
【符号の説明】
【0051】
1 電子カルテ作成手段
2 電子カルテ格納手段
3 表示手段
4 操作手段
5 抽出手段
6 集計手段
7 条件設定手段
8 表示制御手段
001 サーバ
002 医師端末
003 受付端末
101 所見表示部分
102 オーダ情報表示部分
103 患者情報表示部分
104 記号の種類の選択のためのドロップダウンメニュー
201 検索条件入力部
202 抽出条件入力部
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子カルテを利用して検索を行なう医療支援システム、及び医療支援プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、医療機関においては、まず受付で患者の訴えを看護士が聞き受付登録を行いその訴えの内容を医者に渡す。医者は受付登録の内容や実際に患者の診察及び治療を行なった結果をもとに、医者が紙のカルテに患者の名前、性別、年齢などの患者情報や、診察の内容や、処方の内容などを記載することでカルテを作成していた。ここで、かかる紙のカルテの記載においては、医者は患者の訴えを自らの言葉で、例えば「腹痛」とか「鈍痛」などと医学的に多用する言葉に単純化し記載するのが通例である。しかし、患者の生の訴えに含まれる情報は重要なものであり、これではその後の治療などで重要な情報が見落とされる可能性があった。また、紙のカルテでは、重要な箇所には赤線を引くなりして強調することで、そのカルテにおける必要な箇所を見つけやすくすることはできるが、ある疾病に対するジェネリック医薬品や新薬などの効果の傾向などを調査するような場合には、複数の患者にまたがって必要な情報を抽出する必要がある。このような場合には、全ての患者のカルテを見て必要な情報を取り出さなければならず、紙のカルテでは非常に煩雑で情報の抽出は困難であった。さらに、1人の患者のカルテであっても、慢性疾患の患者の場合にはその患者のカルテが多数にのぼり、この場合に一人の患者について情報を過去にさかのぼって必要な情報を取り出すには、複数の患者のカルテの場合と同様に多数のカルテの中から必要な情報を取り出さねばならず、非常に煩雑で情報の抽出は困難であった。
【0003】
また、近年、所謂、病院情報システムの整った診療所などの医療機関においては、来院患者の受付登録を、受付端末による情報操作をもって行っている。このような医療機関においては、医師は受付端末より入力された登録患者情報のリストを診療室毎に備えられた医師端末を用いて呼び出し、さらに、この登録患者のリストから該当患者を指定して該患者のカルテ(電子カルテ)を呼び出し、該患者の電子カルテに関する情報入力を行なっている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
この電子カルテに関する情報入力は、医師が医師端末を用いて、診療患者の電子カルテに、その病状に従って主訴・所見等の内容の情報の入力をすることにより行なわれる。また、当該患者が再来患者である場合には、該患者の過去のカルテ情報を呼び出し、これをそのままコピーして今回の電子カルテに入力することもある。
【0005】
このように、診療所及びその他の医療機関において発生する診療情報を電子的に記録する電子カルテを用いて、医師の患者に対する診療行為に供するシステムのことを、電子カルテシステムという。
【0006】
そして、このような電子カルテシステムでは、問診システムと連携して予め問診システムに入力された情報をカルテに取り込む技術(例えば、特許文献2参照。)や、電子カルテを利用して、ある特定患者に関しカルテデータやその患者から聞き出した症状から疾病名を推論する技術(例えば、特許文献3及び特許文献4参照。)や、所見の内容や問診結果を記号で表し疾患情報の抽出を容易にする技術(例えば、特許文献5参照。)などがある。
【0007】
【特許文献1】特開2003−122849号公報
【特許文献2】特開平10−323329号公報
【特許文献3】特開平8−235258号公報
【特許文献4】特開平10−177605号公報
【特許文献5】特開2002−32476号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、以上のような電子カルテシステムを含む医療支援システムにおいても、電子カルテを管理するにあたっては、個々の患者における電子カルテをそれぞれ別に管理しているのみであり、複数の患者にまたがって電子カルテを管理しているわけではない。すなわち、ある疾病について調査しようとしても、その疾病を抱える複数の患者の電子カルテにまたがって調査を行い、共通する情報やその疾病における傾向などの分析をするには、患者毎のカルテを確認していかねばならず、実際にそのような調査を行なうことは困難である。また、ジェネリック医薬品や新薬などの効果の調査を行なう場合でも、個々の患者に対する情報しか得られないのでは、副作用や効果の傾向などを分析することは出来ない。したがって、従来の電子カルテシステムを含む医療支援システムで、ジェネリック医薬品や新薬などの効果の調査を行なうことは困難である。さらに、従来の医療支援システムでは、紙のカルテの場合と同様に、問診時における患者のあいまいな訴えは、前述のように単純化した言葉として捕らえられ扱われてしまい、患者の訴えをそのまま表示することはないため、重要な情報を見落としてしまうおそれがある。ここで、医療とは、診断及び治療などを含む医学的行為を意味する。
【0009】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、複数の患者にまたがった電子カルテの情報の検索及び情報の抽出を行なうことが可能な医療支援システムを提供することを目的としている。
【0010】
さらに、問診時におけるあいまいな患者の訴えをそのままの形で抽出し表示する医療支援システムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の医療支援システムは、患者の疾病に係る情報や該患者の年齢や性別を含む患者情報を基に、各患者に対応した電子カルテを作成する電子カルテ作成手段と、前記電子カルテを表示する表示手段と、前記電子カルテ作成手段において作成された複数の前記電子カルテを格納する電子カルテ格納手段とを備える医療支援システムであって、所定の条件を入力する操作手段と、前記電子カルテ格納手段に格納された前記複数の電子カルテから、前記所定の条件に一致する情報を複数の患者にまたがり抽出する抽出手段とを備えることを特徴とするものである。
【0012】
請求項10に記載の医療支援プログラムは、患者の疾病に係る情報や該患者の年齢や性別を含む患者情報を基に、各患者に対応した電子カルテを作成させ、前記電子カルテを表示手段に表示させ、前記作成された複数の電子カルテを電子カルテ格納手段に格納させることをコンピュータに実行させる医療支援プログラムであって、所定の条件の入力を受けて、前記電子カルテ格納手段に格納された前記複数の電子カルテから、所定の条件に一致する情報を複数の患者にまたがり抽出させることを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1及び請求項10に記載の発明によると、複数の患者にまたがった電子カルテの情報の検索及び情報の抽出を行なうことが可能となる。これにより、今までは各患者個人で閉じていた電子カルテの情報が、多数の患者の電子カルテの情報が集まった情報として管理されることになる。したがって、医者は複数の患者の電子カルテにまたがって治療や薬の効果などの疾病の情報を集計し分析することができ、各患者個人に対する医療の質の向上だけでなく、病院全体における医療の質を向上させることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
〔第1の実施形態〕
以下、この発明の第1の実施形態に係る医療支援システムについて図1、図2、図3、図4、図5、及び図6を参照しながら説明する。図1は本発明に係る医療支援システムにおけるネットワークの構成図である。図2は本発明に係る医療支援システムのブロック図である。図3は電子カルテを説明するための図である。図4は情報の抽出の設定を行なう画面の図である。図5は情報が抽出されたCSVファイルの図である。図6は抽出した情報を分類し集計したグラフである。
【0015】
図1に示すように、本発明に係る医療支援システムは、サーバ001、医師端末002、及び受付端末003を有し、それぞれがネットワークを介してつながっている。
【0016】
図2に示すように、本発明に係る医療支援システムは、電子カルテ作成手段1、電子カルテ格納手段2、表示手段3、操作手段4、抽出手段5、集計手段6、条件設定手段7、及び表示制御手段8で構成されている。ここで、電子カルテ作成手段1、抽出手段5、集計手段6、及び表示制御手段8はCPU及びプログラムで構成されている。また、本実施例では、図2に示すように、電子カルテ作成手段1、表示手段3、操作手段4、集計手段6、条件設定手段7、及び表示制御手段8が医師端末002に配置され、電子カルテ格納手段2、及び抽出手段5がサーバ001に配置されている。ただし、各手段の構成はこの配置以外でもよく、例えば、抽出手段5が医師端末002に配置されてもよく、逆に、集計手段6、表示制御手段8又は電子カルテ作成手段1がサーバ001に配置されてもよい。
【0017】
まず、電子カルテの作成及び格納について説明する。電子カルテ作成手段1は、医療機関の受付で受付端末003を使用して作成された受付登録の情報から、患者の性別、年齢、体重、既往症などの情報を受け取る。次に、電子カルテ作成手段1は、図3に示すような、電子カルテ作成手段1が有するフォーマットに受付登録の情報を書込み、表示手段3に該電子カルテを表示させる。次に、医者は、表示手段3を利用して、患者の問診を行なって得た患者の訴えの内容を含む問診情報、及び行なった治療の内容などを、表示手段3に表示された電子カルテに操作手段4を使用して入力し、その情報を受けて、電子カルテ作成手段1は、問診情報を所見表示部分101に書き込み、治療内容、疾病名、及び検査情報等のオーダ情報をオーダ情報表示部分102に書き込むなどして電子カルテを作成する。ここで、患者の訴えの内容とは、患者の言葉を加工せずにそのまま記録した情報であり、受付にて看護士が患者から聞き取った内容も含んでいる。
【0018】
次に、電子カルテ作成手段1は、作成した電子カルテを電子カルテ格納手段2に格納する。
【0019】
次に、格納された複数の患者の電子カルテからの情報の抽出について説明する。医者は操作手段4を使用して、複数の電子カルテから情報を検索する検索条件及び、電子カルテの情報の中から項目を抽出する抽出条件を入力する。図4に示すように、検索条件を入力する表示手段3に表示された入力部である検索条件入力部201、抽出条件を入力する表示手段3に表示された入力部である抽出条件入力部202を利用して、医者は操作手段4から各条件を入力する。検索条件入力部201には、検索の項目名称、該項目を検索するための条件である条件1及び条件2、及び各検索項目の関係が「及び」であるか「または」であるかを表す「AND/OR」を入力する入力部を有する。ここで、一例として、インフルエンザに罹患した患者のうち、インフルエンザの予防接種を受けた患者の予防接種の効果を確認したい場合の情報の抽出を行なう場合を説明する。医者はまず、操作手段4を使用して、検索条件としてインフルエンザに罹患した患者という条件、及び2005年1月1日〜2006年2月25日という診察日の範囲を入力する。そして、検索条件は「及び」であるので「AND」を選択する。次に、医者は、操作手段4を使用して、抽出条件として予防接種の有無、インフルエンザの罹患の重度、患者番号、患者名、及び患者の生年月日などを入力する。
【0020】
抽出手段5は、操作手段4からの入力情報を受けて、電子カルテ格納手段2に格納される全ての電子カルテの中から、検索条件に一致する患者の電子カルテを探し出す。ここでは、2005年1月1日〜2006年2月25日の間に、診察を受けてインフルエンザに罹患したと診断された患者の電子カルテを探し出す。次に、抽出手段5は、操作手段4からの入力情報を受けて、探し出した電子カルテの中から、抽出条件に一致する項目の情報を抽出する。ここでは、2005年1月1日〜2006年2月25日の間に、診察を受けてインフルエンザに罹患したと診断された患者の電子カルテの中から、予防接種の有無、インフルエンザの罹患の重度、患者番号、患者名、患者の生年月日を抽出する。インフルエンザの予防接種の有無やインフルエンザの罹患の重度は、図3におけるオーダ情報表示部分102から抽出でき、患者番号、患者名、患者の生年月日などは、患者情報表示部分103から抽出できる。ここで、説明の都合上、検索条件を使用して検索した後、抽出条件を使用して項目の抽出を行なうように説明したが、検索条件と抽出条件による検索(抽出を含む)の順序は逆でもよいし、また両方の検索を同時に行なってもよい。
【0021】
本実施形態では、抽出のフォーマットとしてコンマでデータを列挙したデータフォーマット形式であるCSV(Comma Separated Value)の形式で抽出した情報の出力を行なっている。CSVファイルへの情報の抽出は、図5に示すような形で抽出した情報の出力がなされる。本実施形態では、抽出後の情報の加工がしやすいためCSV形式で抽出した情報を出力しているが、情報の抽出におけるデータフォーマットの形式に特に制限はなく、他のフォーマットの形式を使用してもよい。
【0022】
次に、抽出した情報の表示について説明する。医者は、条件設定手段7を使用して、抽出した情報を年代別やインフルエンザの予防接種の有無などの分類を行なうために、抽出した情報の分類条件を設定する。この分類条件は、抽出した電子カルテの項目から選択される。ここで、電子カルテの項目とは抽出された電子カルテの情報の種類である。ここでは、一例として、インフルエンザの予防接種をしたグループと予防接種をしていないグループに分ける。さらにその中を、罹患の重度の軽重で分類するように設定する。
【0023】
集計手段6は、条件設定手段7からの抽出した情報の分類条件を受け、抽出手段5が抽出した情報を分類条件に従い分類し、さらに、分類した情報を集計することにより表やグラフを作成する。本実施例では、図6に示すように、横軸にインフルエンザ予防接種の有無のグループを表示し、さらに、そのグループの中で罹患が重度のグループと罹患が軽度のグループに分けて、その人数を集計し、棒グラフで表示手段3に表示させる。ここで、本実施例では予防接種を受けた患者と、予防接種を受けなかった患者の中の罹患が重度の患者と軽度の患者の割合を見るため、棒グラフで表しているが、この表やグラフの作り方は特に制限はなく、単なる表でもよいし、折れ線グラフなどでもよい。このように、集計手段6は、抽出した情報を分類して集計することにより、複数の患者にまたがる電子カルテの情報の分析を行なう。
【0024】
次に、図7を参照して電子カルテ情報の抽出の流れを説明する。ここで、図7は電子カルテの情報の抽出のフローチャートである。
【0025】
ステップS001:電子カルテ作成手段1は、受付登録の情報、医師が入力した、問診の情報や、オーダ情報などを基に電子カルテを作成し、電子カルテ格納手段2に保存する。
【0026】
ステップS002:医師は、検索条件及び抽出条件を操作手段4を使用して入力する。
【0027】
ステップS003:抽出手段5は、入力された条件に一致する電子カルテの情報を抽出する。
【0028】
ステップS004:医師は、抽出した情報の分類条件を条件設定手段7を使用して設定する。
【0029】
ステップS005:集計手段6は、分類条件を受けて抽出した情報を分類し集計し、グラフ又は表などを使用して表示手段3に表示させる。
【0030】
ここで、疾病の重症度合いを示す数値データで検索・抽出をかける必要がある場合は、ある所定範囲ずつグルーピングを行なうよう予め設定しておき、重症の度合い毎に自動抽出される構成を追加してもよい。糖尿病を例に、より具体的に説明すると、まず患者の検査により得るヘモグロビン数値データにおいて、HbA1cが5.8以下を軽度、5.9〜7.4を中度、7.5以上を重度とグルーピングされるようシステムに予め設定しておく。そして、図4に示す検索条件の入力時は「軽度」「中度」「重度」との言語を入力するだけで、各々が意味する数値範囲に該当するデータが自動抽出されるというものである。これによって、重症度を表す数値範囲を覚えておき数値入力するという煩わしさを抑制することができる。
【0031】
このように、複数の患者にまたがり、検索をして情報の抽出を行なえることで、多数の患者の電子カルテを通じて疾病の情報を分析することができ、これにより、医療の質を向上させることができる。例えば、本実施形態では、図6示すように、予防接種を受けた人では予防接種を受けなかった人に比べて、罹患が重度になる比率が少ない。したがって、インフルエンザの流行時期には予防接種を行なっておくべきだとの分析ができ、患者に対し予防接種の必要性を強調できるので、医療の質が向上する。
【0032】
〔第2の実施形態〕
次に、第2の実施形態について説明する。電子カルテの所見表部分101に入力された患者の訴えの内容は、患者毎に表現が異なり、さらにあいまいな表現であるため、そのままでは複数の患者にまたがった抽出を行なった場合、ほとんど抽出できなかったり、逆に抽出の量が多すぎたりすることが考えられる。そこで、本実施形態は、患者の訴えの内容の一部に、事前に意味が対応付けられている記号を付加することで、付加した記号での検索を行なえるように構成したものである。
【0033】
まず、第2の実施形態においても、第1の実施形態と同様電子カルテ作成手段1により電子カルテが作成され、電子カルテ格納手段2に複数の患者の電子カルテが格納されている。
【0034】
次に、医者は操作手段4を使用して、図3の所見表示部分101に入力されている患者の訴えの内容の一部を選択し、選択した部分に記号の選択画面を出す指示を与える。該指示を受けて、表示制御手段8は、選択された部分に記号の種類及び事前に各記号の種類に対応付けられた意味を、各記号が選択できるように表示する。本実施形態では、各記号は図8に示すように、記号$は注意すべき訴え、記号P$は本人の気にする症状(例:頭痛と脳卒中、胃の痛みとガン)及び医師が注意する症状(例:体重減少、血痰、咳)、記号@は注意事項、検査経過観察事項、及び要注意検査内容(例:尿酸、ALS、アミラーゼ)、記号!は重要事項(例:アレルギー)、記号%は現病歴、及び既往歴、記号[は患者の希望事項(例:ジェネリック希望、急変時在宅希望)、記号“は画像参照(例:画像の年月日、画像内容)、記号&は重要な病名(例:ガン、血管障害)、記号*は薬に対する情報(例:頻用薬剤 頭痛−○○ 便秘−△△、症状に対する薬剤 不眠−×× 動悸−☆☆ 咳−□□)、及び記号#は医療連携に関する情報(例:他院での治療・受信歴、病院での検査・治療歴、治療内容、主治医名)、というように各記号の種類に対し意味が対応付けられている。ここで、図8は記号とその記号に対応付けられた意味との関係を説明するための図である。また、本実施形態における記号の種類が選択できるような表示とは、ドロップダウンメニューやヘルプボックスの表示などがある。なお、記号と内容については、医療機関によって任意に対応付けすることができる。
【0035】
医師は、この記号の種類の表示の中から、操作手段4を使用して記号の種類を選択する。表示制御手段8は、操作手段4からの記号の種類の選択の入力を受けて、その種類の記号を患者の訴えの内容の選択部分に付加して表示手段3に表示させる。また、電子カルテ作成手段1は、記号の付いた電子カルテを電子カルテ格納手段2に格納する。例えば、患者の訴えの中で「リウマチの症状が出てきた」という部分を選択し、その選択部分に記号$を付ける場合には、表示制御手段8は、「リウマチの症状が出てきた」という部分を挟んで両側に記号$を付加し「$リウマチの症状が出てきた$」というように表示させる。
【0036】
ここで、記号の種類の選択における一例として、図11を参照しながらドロップダウンメニューの表示による記号の種類の選択の表示を詳細に説明する。図11は電子カルテ上でドロップダウンメニュー104を表示させた場合の説明のための図である。まず、医者は、電子カルテ上の所見表示部分101より、選択したい部分である「リウマチが出てきた」をマウス(ここでは、操作手段4の一例として「マウス」を用いて説明する。)の左クリックで選択する。これにより、表示制御手段8は、表示手段3に選択部分をハイライト表示させる。次に、医者が選択した場所でマウスを右クリックすると、表示制御手段8は、該選択した場所にドロップダウンメニュー104を表示制御手段8に表示させる。医者は、そのドロップダウンメニュー104の中から設定する記号(ここでは、選択する記号は記号$。)の上でマウスを左クリックすることで記号を選択する。これを受けて、表示制御手段8が、所見表示部分101の中に記号$を付加し「$リウマチの症状が出てきた$」というように表示手段3に表示させる。
【0037】
また、本実施形態では、各記号にどのような意味が対応付けられているかが一目で確認できるように、表示制御手段8により表示手段3に記号の種類とその記号の種類に対応付けられた意味を表示させて、そこから選択できるように構成したが、これは、事前に意味が対応付けられた記号の種類それぞれに操作手段4が有するキーを割当てるなどして、そのキーを患者の訴えの内容の選択部分で押すことで、割当てられた記号が付されるような構成でもよい。さらに、本実施形態では、使用する医師が混乱しないよう事前に記号の種類と意味を対応付けているが、これは、医師が自由に記号の種類に対応する意味づけを行ない、それを基に患者の訴えの内容の選択部分を分類する構成にしてもよい。
【0038】
本実施形態では、患者の訴えの内容の選択部分に付した記号はそのまま表示手段3に表示されている電子カルテの所見表示部分101に表示させているが、患者の訴えの内容を読みやすくするために、表示制御手段8は、この付した記号を非表示にしてもよい。また、患者の訴えの内容の選択部分を分かりやすくするために、表示制御手段8は、選択部分を太字にしたり、アンダーラインを引いたり、マーカーをつけたりするなど強調して表示手段3に表示させてもよい。
【0039】
次に、付加した記号を使用した抽出について説明する。医者は、操作手段4を使用して検索条件と抽出条件の片方もしくはその両方に記号を入力するとともに、その他の検索条件及び抽出条件を入力する。抽出手段5は、入力された記号を含む条件を受けて、入力された条件に一致する患者の電子カルテを検索し項目を抽出する。特に記号の条件による検索または抽出では、抽出手段5は、電子カルテの所見表示部分101に含まれる患者の訴えの内容の中から該記号で選択されている部分を検索もしくは抽出する。例えば、医者が抽出条件で記号$を入力した場合には、抽出手段5は検索条件に一致する患者のカルテの中から、患者の訴えの内容の中において$で囲まれている部分を抽出する。すなわち、「$リウマチの症状が出てきた$」と入力されている場合には、「リウマチの症状が出てきた」という部分が抽出される。
【0040】
集計手段6は、条件設定手段7からの情報を受けて、抽出手段5が抽出した情報を基に、分類及び集計を行いグラフや表を作成する。例えば検索条件を診察日の範囲とし、抽出条件を患者番号、患者氏名、記号$とした場合には、図9に示すような表が作成される。ここで、図9は記号を抽出条件に入れ抽出を行なった場合に作成される表の一例である。
【0041】
ここで、図10を参照して記号を使用した情報の抽出の流れを説明する。ここで、図10は記号を使用した情報の抽出のフローチャートである。ここで、図10のフローチャートは検索条件又は抽出条件の少なくとも一方に記号の種類が入っている場合のフローある。
【0042】
ステップS101:電子カルテ作成手段1が、電子カルテを作成し、電子カルテ格納手段2に格納する。
【0043】
ステップS102:表示制御手段8が表示手段3に表示させた、電子カルテ及び記号とそれに対応させた分類の項目のドロップダウンメニューを使用して、医者が記号を入力する。その入力を受けて、電子カルテ作成手段1は、患者の訴えの内容の選択部分に記号を付加し、それを電子カルテ格納手段2に格納する。
【0044】
ステップS103:医者は、記号の種類を少なくともどちらか一方に含む、検索条件及び抽出条件を入力する。
【0045】
ステップS104:抽出手段5は、入力された検索条件及び抽出条件に基づき、電子カルテの情報を抽出する。このとき、抽出手段5は、条件の記号の種類に一致する記号が吹かされた患者の訴えの内容の選択部分を検索又は抽出する。
【0046】
ステップS105:医者は、条件設定手段7を使用して分類条件を設定する。
【0047】
ステップS106:集計手段6は、分類条件を受けて、抽出した情報を分類し、集計し、それらを、表又はグラフの形で表示する。
【0048】
ここで、本実施形態では、付加した記号を使用して電子カルテの情報の抽出を行なう場合を説明しているが、記号を付加したとしても、記号の種類を条件に加えずに電子カルテの情報の抽出を行なってもよい。
【0049】
このように、患者の訴えの内容の一部に記号を付加して選択可能にすることで、記号を使うことによりその選択部分の検索又は抽出を容易に行なうことができる。これにより、本来患者毎に表現が異なったり、あいまいな表現を使用されたりするため、一定の規則に従い分類することが困難であった患者の訴えの内容が、記号に対応付けられた意味によって患者の訴えの内容の選択部分を分類することが可能になり、その分類により検索又は抽出を容易に行なうことが可能となる。したがって、重要な内容を含む患者の訴えを見落とすことなく集計に活用でき、診療に有効に利用することができる。これにより、医療の質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係る医療支援システムにおけるネットワークの構成図
【図2】本発明に係る医療支援システムのブロック図
【図3】電子カルテを説明するための図
【図4】情報の抽出の設定を行なう画面の図
【図5】情報が抽出されたCSVファイルの図
【図6】抽出した情報を分類し集計したグラフ
【図7】電子カルテの情報の抽出のフローチャート
【図8】記号とその記号に対応付けられた意味との関係を説明するための図
【図9】記号を抽出条件に入れ抽出を行なった場合に作成される表
【図10】記号を使用した電子カルテの情報の抽出のフローチャート
【図11】電子カルテ上でドロップダウンメニューを表示させた場合の説明のための図
【符号の説明】
【0051】
1 電子カルテ作成手段
2 電子カルテ格納手段
3 表示手段
4 操作手段
5 抽出手段
6 集計手段
7 条件設定手段
8 表示制御手段
001 サーバ
002 医師端末
003 受付端末
101 所見表示部分
102 オーダ情報表示部分
103 患者情報表示部分
104 記号の種類の選択のためのドロップダウンメニュー
201 検索条件入力部
202 抽出条件入力部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の疾病に係る情報や該患者の年齢や性別を含む患者情報を基に、各患者に対応した電子カルテを作成する電子カルテ作成手段と、前記電子カルテを表示する表示手段と、前記電子カルテ作成手段において作成された複数の前記電子カルテを格納する電子カルテ格納手段とを備える医療支援システムであって、
所定の条件を入力する操作手段と、
前記電子カルテ格納手段に格納された前記複数の電子カルテから、前記所定の条件に一致する情報を複数の患者にまたがり抽出する抽出手段と
を備えることを特徴とする医療支援システム。
【請求項2】
前記所定の条件は、患者の属性情報であって、少なくとも年齢、性別、及び処置の有無であることを特徴とする請求項1に記載の医療支援システム。
【請求項3】
前記抽出手段は、前記電子カルテが有する所見欄に記載のテキストデータから情報を抽出することを特徴とする請求項1又は2に記載の医療支援システム。
【請求項4】
前記所定の条件として患者の訴えの内容を入力する場合は、前記表示手段に前記所見欄の中の「患者の訴えの内容」を表す表示をさせ、前記操作手段により記号を付すことにより該患者の訴えの内容の一部を選択可能にさせる表示制御手段をさらに備え、
前記操作手段により前記記号が前記所定の条件として入力されたとき、前記抽出手段は、前記各患者の訴えの内容に含まれる前記記号が付された選択部分を抽出する
ことを特徴とする請求項3に記載の医療支援システム。
【請求項5】
前記所定の条件に一致した前記電子カルテの情報を分類する条件を、前記抽出した情報に基づき設定する条件設定手段と、
前記設定した条件に基づき前記抽出した情報を分類し集計し、前記表示手段に表示させる集計手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4に記載の医療支援システム。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記付加した記号を前記表示手段に表示された前記電子カルテ上で非表示にさせることを特徴とする請求項5に記載の医療支援システム。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記記号が付された選択部分を前記表示手段に強調表示させることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の医療支援システム。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記記号の種類とさらに前記患者の訴えの内容を分類するための項目を前記患者の訴えの内容の一部が選択可能なように表示させ、前記操作手段によりいずれかの前記記号の種類が選択された場合に、選択された種類の記号を付すことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一つに記載の医療支援システム。
【請求項9】
前記操作手段は、前記患者の訴えの内容を分類するための項目に対応付けられた前記記号がそれぞれ割当てられた記号入力手段を有し、
前記表示制御手段は、前記記号入力手段からの入力を受けて、該記号入力手段に割当てられた前記記号を前記患者の訴えの内容の一部に付す
ことを特徴とする請求項5乃至8のいずれか一つに記載の医療支援システム。
【請求項10】
患者の疾病に係る情報や該患者の年齢や性別を含む患者情報を基に、各患者に対応した電子カルテを作成させ、前記電子カルテを表示手段に表示させ、前記作成された複数の電子カルテを電子カルテ格納手段に格納させることをコンピュータに実行させる医療支援プログラムであって、
所定の条件の入力を受けて、前記電子カルテ格納手段に格納された前記複数の電子カルテから、所定の条件に一致する情報を複数の患者にまたがり抽出させる
ことを特徴とする医療支援プログラム。
【請求項11】
前記所定の条件は、患者の属性情報であって、少なくとも年齢、性別、及び処置の有無であることを特徴とする請求項10に記載の医療支援プログラム。
【請求項12】
前記所定の条件に一致する情報の抽出は、前記電子カルテが有する所見欄に記載のテキストデータから情報を抽出することを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の医療支援プログラム。
【請求項13】
前記所定の条件として患者の訴えの内容を入力する場合は、前記表示手段に前記所見欄の中の「患者の訴えの内容」を表す表示をさせ、記号を付させることにより該患者の訴えの内容の一部を選択可能にさせ、
前記記号が前記所定の条件として入力されたとき、前記各患者の訴えの内容に含まれる前記記号が付された選択部分を抽出させる
ことを特徴とする請求項12に記載の医療支援プログラム。
【請求項14】
前記所定の条件に一致した前記電子カルテの情報を分類する条件の前記抽出した情報に基づく設定を受けて、
前記設定された条件に基づき前記抽出した情報を分類させ集計させ、前記表示手段に表示させる
ことを特徴とする請求項10乃至13に記載の医療支援プログラム。
【請求項1】
患者の疾病に係る情報や該患者の年齢や性別を含む患者情報を基に、各患者に対応した電子カルテを作成する電子カルテ作成手段と、前記電子カルテを表示する表示手段と、前記電子カルテ作成手段において作成された複数の前記電子カルテを格納する電子カルテ格納手段とを備える医療支援システムであって、
所定の条件を入力する操作手段と、
前記電子カルテ格納手段に格納された前記複数の電子カルテから、前記所定の条件に一致する情報を複数の患者にまたがり抽出する抽出手段と
を備えることを特徴とする医療支援システム。
【請求項2】
前記所定の条件は、患者の属性情報であって、少なくとも年齢、性別、及び処置の有無であることを特徴とする請求項1に記載の医療支援システム。
【請求項3】
前記抽出手段は、前記電子カルテが有する所見欄に記載のテキストデータから情報を抽出することを特徴とする請求項1又は2に記載の医療支援システム。
【請求項4】
前記所定の条件として患者の訴えの内容を入力する場合は、前記表示手段に前記所見欄の中の「患者の訴えの内容」を表す表示をさせ、前記操作手段により記号を付すことにより該患者の訴えの内容の一部を選択可能にさせる表示制御手段をさらに備え、
前記操作手段により前記記号が前記所定の条件として入力されたとき、前記抽出手段は、前記各患者の訴えの内容に含まれる前記記号が付された選択部分を抽出する
ことを特徴とする請求項3に記載の医療支援システム。
【請求項5】
前記所定の条件に一致した前記電子カルテの情報を分類する条件を、前記抽出した情報に基づき設定する条件設定手段と、
前記設定した条件に基づき前記抽出した情報を分類し集計し、前記表示手段に表示させる集計手段と
をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至4に記載の医療支援システム。
【請求項6】
前記表示制御手段は、前記付加した記号を前記表示手段に表示された前記電子カルテ上で非表示にさせることを特徴とする請求項5に記載の医療支援システム。
【請求項7】
前記表示制御手段は、前記記号が付された選択部分を前記表示手段に強調表示させることを特徴とする請求項5又は請求項6に記載の医療支援システム。
【請求項8】
前記表示制御手段は、前記記号の種類とさらに前記患者の訴えの内容を分類するための項目を前記患者の訴えの内容の一部が選択可能なように表示させ、前記操作手段によりいずれかの前記記号の種類が選択された場合に、選択された種類の記号を付すことを特徴とする請求項5乃至7のいずれか一つに記載の医療支援システム。
【請求項9】
前記操作手段は、前記患者の訴えの内容を分類するための項目に対応付けられた前記記号がそれぞれ割当てられた記号入力手段を有し、
前記表示制御手段は、前記記号入力手段からの入力を受けて、該記号入力手段に割当てられた前記記号を前記患者の訴えの内容の一部に付す
ことを特徴とする請求項5乃至8のいずれか一つに記載の医療支援システム。
【請求項10】
患者の疾病に係る情報や該患者の年齢や性別を含む患者情報を基に、各患者に対応した電子カルテを作成させ、前記電子カルテを表示手段に表示させ、前記作成された複数の電子カルテを電子カルテ格納手段に格納させることをコンピュータに実行させる医療支援プログラムであって、
所定の条件の入力を受けて、前記電子カルテ格納手段に格納された前記複数の電子カルテから、所定の条件に一致する情報を複数の患者にまたがり抽出させる
ことを特徴とする医療支援プログラム。
【請求項11】
前記所定の条件は、患者の属性情報であって、少なくとも年齢、性別、及び処置の有無であることを特徴とする請求項10に記載の医療支援プログラム。
【請求項12】
前記所定の条件に一致する情報の抽出は、前記電子カルテが有する所見欄に記載のテキストデータから情報を抽出することを特徴とする請求項10又は請求項11に記載の医療支援プログラム。
【請求項13】
前記所定の条件として患者の訴えの内容を入力する場合は、前記表示手段に前記所見欄の中の「患者の訴えの内容」を表す表示をさせ、記号を付させることにより該患者の訴えの内容の一部を選択可能にさせ、
前記記号が前記所定の条件として入力されたとき、前記各患者の訴えの内容に含まれる前記記号が付された選択部分を抽出させる
ことを特徴とする請求項12に記載の医療支援プログラム。
【請求項14】
前記所定の条件に一致した前記電子カルテの情報を分類する条件の前記抽出した情報に基づく設定を受けて、
前記設定された条件に基づき前記抽出した情報を分類させ集計させ、前記表示手段に表示させる
ことを特徴とする請求項10乃至13に記載の医療支援プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2008−21041(P2008−21041A)
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−190910(P2006−190910)
【出願日】平成18年7月11日(2006.7.11)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年1月31日(2008.1.31)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月11日(2006.7.11)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】
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