説明

医療用診療装置

【課題】術者と患者との双方に適合するように、診療台の各要素を駆動させる技術を提供することを目的とする。
【解決手段】術者が患者を診療する際に使用される医療用診療装置100であって、患者を支持する診療台10と、診療台10を構成する要素(患者シート1、スピットン2、診療器具4)を駆動する駆動部(患者シート駆動部1M、スピットン駆動部2M、診療器具駆動部4M)とを備える。また、医療用診療装置100は、診療台10に支持される患者、および、該患者を処置する術者についての識別情報に基づいて、前記患者および前記術者を認識する認識部92と、前記駆動部の駆動条件を、前記認識部により認識された前記患者および前記術者に対応する、予め登録された駆動条件に設定する駆動条件設定部93とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、患者を支える診療台を備えた医療用診療装置に関する。
【背景技術】
【0002】
歯科分野等の医療分野における診療では、患者が着座したり、寝たりする診療台が使用されている。診療台には、患者に対して治療を行うために、術者が使用する各種診療器具が備えてられている。
【0003】
ここで、1台の診療台を複数の術者が使用するような場合、術者毎に診療台を構成する要素の最適な配置位置が異なる場合がある。例えば、診療器具等が搭載されるテーブル等の最適位置は、術者毎に異なる。そこで、特開2008ー200539号公報(特許文献1)では、診療台を使用する術者を、顔画像に基づいて認識することにより、診療台の各要素を各術者にとって最適な位置に自動で配置させるということが提案されている。
【0004】
また、特許文献1では、顔画像に基づいて患者も認識することが開示されている。患者を認識することで、該患者の診療情報を表示装置に表示することも提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008200539号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、特許文献1では、術者にとって最適な位置に各要素を配置させることのみしか開示されていない。つまり、患者に合わせて各要素を駆動させるという技術思想がない。通常、診療台は、複数の患者が利用することを前提としている。したがって、特許文献1に開示された技術では、患者の診療台への着座を検出してテーブルやハンガーを駆動することは開示されているが、患者毎に適した条件で、診療台の各要素の駆動を行うことは開示されていない。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、術者と患者との双方に適合するように、診療台の各要素を駆動させる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、第1の態様は、術者が患者を診療する際に使用される医療用診療装置であって、患者を支持する診療台と、前記診療台を構成する要素を駆動する駆動部と、前記診療台に支持される患者、および、該患者を処置する術者についての識別情報に基づいて、前記患者および前記術者を認識する認識部と、前記駆動部の駆動条件を、前記認識部により認識された前記患者および前記術者に対応する、予め登録された駆動条件に設定する駆動条件設定部とを備える。
【0009】
また、第2の態様は、第1の態様に係る医療用診療装置において、前記識別情報として、患者および術者についての顔画像情報を取得する撮影部、をさらに含む。
【0010】
また、第3の態様は、第1または2の態様に係る医療用診療装置において、駆動部を操作するための操作部、をさらに備え、前記操作部は、前記駆動部に特定の動作を実行させる機能が割り当てられる操作入力部を複数有し、前記駆動条件設定部は、前記認識部によって認識された術者に応じて、複数の前記操作入力部のそれぞれに対し、前記駆動部が実行する動作内容の割り当てを行う。
【0011】
また、第4の態様は、第3の態様に係る医療用診療装置において、前記操作部は、フートコントローラを含み、前記操作入力部は、術者の足で操作可能に構成されている。
【0012】
また、第5の態様は、第1から4までのいずれか1態様に係る医療用診療装置において、前記診療台を構成する要素には、患者の臀部を支持する座面シートと、患者の背中を支持する背凭れが含まれ、前記駆動条件設定部は、前記座面シートおよび前記背凭れのうち少なくとも一方について、前記認識部によって認識される前記患者に応じて、駆動時における変位速度を設定する。
【0013】
また、第6の態様は、第1から5までのいずれか1態様に係る医療用診療装置において、前記診療台を構成する要素には、患者の頭部を支持するヘッドレストと、患者の臀部を支持する座面シートと、患者の背中を支持する背凭れとが含まれ、前記駆動条件設定部は、前記認識部によって認識される患者に応じて、前記ヘッドレスト、前記座面シート、前記背凭れのうちの少なくとも1つの位置付け条件を設定する。
【0014】
また、第7の態様は、第1から6までのいずれか1態様に係る医療用診療装置において、前記診療台を構成する要素には、スピットンが含まれ、前記駆動条件設定部は、前記認識部によって認識される患者に応じて、前記スピットンの位置付け条件を設定する。
【0015】
また、第8の態様は、第1から7までのいずれか1態様に係る医療用診療装置において、前記診療台を構成する要素には、診療器具が含まれ、前記駆動条件設定部は、前記認識部によって認識される患者に応じて、前記診療器具の駆動条件を設定する。
【0016】
また、第9の態様は、第1から8までのいずれか1態様に係る医療用診療装置において、前記認識部による認識結果を通知する通知部、をさらに備える。
【0017】
また、第10の態様は、第9の態様に係る医療用診療装置において、前記認識部による認識結果を変更するための変更入力部、をさらに備える。
【0018】
また、第11の態様は、第10の態様に係る医療用診療装置において、術者毎に予め登録された前記駆動条件を表示する駆動条件表示部と、複数の前記術者の中から、前記駆動条件表示部に前記駆動条件を表示させる術者を選択するための選択入力部とをさらに備える。
【0019】
また、第12の態様は、第2の態様に係る医療用診療装置において、前記認識部によって認識された患者に関する顔画像と、カルテ情報とを表示する患者情報表示部、をさらに備える。
【0020】
また、第13の態様は、第2の態様に係る医療用診療装置において、前記撮影部が、口腔部を照明する照明装置近傍に配置されるカメラを含む。
【発明の効果】
【0021】
第1の態様に係る医療用診療装置によると、患者および術者を認識させることで、診療台の駆動条件を患者および術者に合わせて設定できるため、術者が診療をより円滑に行うことができるという効果がある。
【0022】
第2の態様に係る医療用診療装置によると、顔画像に基づいて、患者および術者を特定することができる。
【0023】
第3の態様に係る医療用診療装置によると、各操作入力部に対する機能の割り当てが、認識される術者に応じて決定される。したがって、術者が診療を円滑に行うことができるという効果がある。
【0024】
第4の態様に係る医療用診療装置によると、フートコントローラの各操作入力部に対する機能の割り当てが、認識された術者に応じて実行される。したがって、各術者がフートコントローラを操作しやすくなるという効果がある。
【0025】
第5の態様に係る医療用診療装置によると、座面シートや背凭れの変位速度を患者に応じて設定することができる。したがって、患者の姿勢を安全に変更することができる。
【0026】
第6の態様に係る医療用診療装置によると、認識部によって認識された患者に応じて、ヘッドレスト、前記座面シート、前記背凭れのうちの少なくとも1つの位置付けが設定される。したがって、診療状況に合わせて、患者の姿勢を適切に変更できるという効果がある。
【0027】
第7の態様に係る医療用診療装置によると、認識部によって認識された患者に応じてスピットンの位置付けが設定されるため、スピットンを適切な位置に配置させることができる効果がある。したがって、スピットン使用時に排液物が周囲にこぼれて周囲が汚染されることを抑制できる。
【0028】
第8の態様に係る医療用診療装置によれば、認識部によって認識される患者に応じて、診療器具の駆動条件が設定されるため、患者に適した診療器具を使って診療を行えるという効果がある。
【0029】
第9の態様に係る医療用診療装置によると、認識部が、患者または術者を正しく認識できたかどうかを外部に通知することができる。これにより、患者または術者が誤認識されていないかが確認される。
【0030】
第10の態様に係る医療用診療装置によると、認識結果が誤っているときに認識結果を修正することができる。
【0031】
第11の態様に係る基板処理装置によれば、術者毎に駆動条件が駆動条件表示部に表示されることで、認識結果の変更を円滑に行うことができるという効果がある。
【0032】
第12の態様に係る医療用診療装置によると、認識部によって認識された患者の顔画像とカルテ情報を患者情報表示部に表示できるため、術者が治療行為にスムーズに移行できるという効果がある。
【0033】
第13の態様に係る医療用診療装置によると、口腔部を撮影するカメラを、認識情報を取得するために患者の顔画像を撮影する撮影部として使用できるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】実施形態に係る医療用診療装置の全体を示す外観図である。
【図2】医療用診療装置の構成を示すブロック図である。
【図3】患者が患者シートに座る前(導入時)または退席するときの患者シートの側面図である。
【図4】歯科治療のために患者を仰向け姿勢にするとき(治療時)の患者シートの側面図である。
【図5】患者がスピットンを使用するとき(スピットン使用時)の患者シートの側面図である。
【図6】患者と術者との組合せに応じた、患者シート1の駆動条件の設定内容を示す図である。
【図7】スピットンの内部構成を示す断面図である。
【図8】スピットンの平面図である。
【図9】フートコントローラの外観図である。
【図10】フートコントローラの操作方法を説明するための概念図である。
【図11】フートコントローラに対する入力操作1〜13に割り当てられる機能を具体的に示す図である。
【図12】診療台の各駆動部の駆動条件を設定する医療用診療装置の動作を示す流れ図である。
【図13】術者についての個人別情報を構築する医療用診療装置の動作を示す流れ図である。
【図14】患者についての個人別情報を構築する医療用診療装置の動作を示す流れ図である。
【図15】モニターに表示される患者認識結果画面W1を示す図である。
【図16】モニターに表示される術者認識結果画面W2を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、図面を参照して実施形態を詳細に説明する。ただし、この実施形態に記載されている構成要素はあくまでも例示であり、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【0036】
{1. 実施形態}
図1は、実施形態に係る医療用診療装置100の全体を示す外観図である。また、図2は、医療用診療装置100の構成を示すブロック図である。図1,2に示したように、医療用診療装置100は、術者および患者が使用する診療台10と、診療台10を構成する各要素の駆動を制御する制御部9とを備えている。
【0037】
{診療台の構成}
診療台10は、患者シート1と、スピットン2と、トレーテーブル3と、診療器具4と、フートコントローラ5、トレーテーブル3に搭載されたモニター6と、無影灯7と、撮影部8とを備えている。医療用診療装置100は、歯科診療に適した構成を備えている。
【0038】
患者シート1は、患者の頭部を支持するヘッドレスト1aと、主に患者の背中を支持する背凭れ1b(背凭れ)と、患者の臀部を支持する座面シート1cと、両足を載置する足置き台1dとで構成されている。ヘッドレスト1a、背凭れ1b、座面シート1c、足置き台1dは、シート駆動部1Mによって駆動される可動部として構成されている。具体的にシート駆動部1Mは、ヘッドレスト1a、背凭れ1b、座面シート1cのそれぞれを、診療状況に合わせて最適な位置に変位させる。
【0039】
例えば、診療台10に対して患者が乗り降りする際、あるいは患者にスピットン2を使用してうがいを促す時には、シート駆動部1Mは、背凭れ1bが垂直に立ち上げ、座面シート1cが低い位置になるようにフートコントローラ5又はトレーテーブル3に備えられた入力部61から入力し、診療台10を操作する。これにより、診療台に対して患者が座ったり、立ち上がったり、うがいしやすくなる。また、診療中においては、診療台10の各駆動部は、背凭れ1b、座面シート1c、足置き台1dが略水平に延びるように配置されることによって、患者シート1上で患者を支持する。
【0040】
図1に戻って、スピットン2は、診療台10の側部に備え付けられている。診療台10は、排水口が形成されたスピットン鉢21、コップが載置されるコップ台22、コップに吸水するための給水栓等23を備えている。
【0041】
後述するように、スピットン2には、スピットン駆動部2Mが設けられている。スピットン駆動部2Mは、スピットン鉢21を上下に移動させる昇降機構21Mと、スピットン鉢21を鉛直方向に延びる所定の回転軸周りに回動させる回動機構22Mを備えている。このようなスピットン駆動部2Mの作用により、患者シート1に着座している患者に対して、スピットン鉢21を適切な位置に接近させることが可能となっている。
【0042】
トレーテーブル3は、患者シート1から延びるアームに接続されており、患者シート1に対して手動で回動移動できるように構成されている。トレーテーブル3は、ハンドピースである診療器具4を術者が取り上げることができるように保持する診療器具ホルダーを備えている。
【0043】
診療器具4は、例えばエアータービンハンドピース、マイクロモータハンドピース等の切削工具やスケーラ、スリーウエイシリンジ、バキュームシリンジ等で構成される。なお、診療器具4は、これらに限定されるものではなく、口腔カメラや光重合照射器、レーザ治療装置、根管長測定器(いずれも図示せず)等であってもよい。また、診療器具4は、ミラーまたは注射器等、駆動部を持たない器具で構成されてもよい。
【0044】
フートコントローラ5は、診療を行う術者が、診療台10を構成する要素(患者シート1、スピットン2または診療器具4等)に対して、特定の動作を行うように駆動制御するための操作部として機能する。フートコントローラ5には、特定の操作機能が割り当てられる、ペダル、スイッチ等の複数の操作入力部が設けられている。フートコントローラ5の詳細な機能については後述する。
【0045】
モニター6は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、CRT(Cathode Ray Tube)モニター等で構成される。モニター6には、医療用診療装置100においては、後述する制御部9による画像認識によって、患者シート1に座る患者、および該患者に処置を行う術者を特定することが可能となっている。モニター6には、この画像認識によって特定された患者または術者に関する各種情報が表示される。
【0046】
無影灯7は、診療時に患者シート1に支持された患者の口腔部に光を照射する。無影灯7は関節アームに取り付けられている。術者は、関節アームを屈曲させることによって、無影灯7を上下または左右に移動させて適当な位置に配置させることができる。
【0047】
撮影部8は、上記無影灯7に取り付けられている。撮影部8は、無影灯7で明るく照らされた患者の口腔部を撮影し、適当な画像処理を行って、モニター6に該口腔画像を表示させる。このような口腔画像を、例えばモニター6に表示することで、診療時に術者がモニター6を見ながら患者に症状を説明する事ができる。また、術者が行う処置を患者がモニター6を介して視認したりすることが可能になる。また、撮影部8は、無影灯7の近傍の関節アームに取付けられていてもよい。
【0048】
また撮影部8は、患者または術者の顔貌全体を含むように撮影して、患者または術者の顔画像データを制御部9に送信する機能を備えている。後述するように、制御部9に送信された患者または術者の顔画像データは、医療用診療装置100が、患者または術者を認識(特定)するために使用される。なお、撮影部8は、単一のカメラで構成されていてもよいが、患者を撮影するカメラと術者を撮影するためのカメラとを個別に備えていてもよい。また、撮影部8は、患者の口腔部を撮影するカメラと、患者または術者の顔貌を撮影するカメラとを個別に備えていてもよい。
【0049】
{制御部9}
制御部9は、診療台10を構成する各要素の動作を制御する機能を備えている。制御部9は、診療台10の外部に設けられていてもよいが、診療台10の内部に備えられていてもよい。CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等を備えた一般的なコンピュータとして構成されている。制御部9は、CPUが所定のプログラムにしたがって動作することにより、患者および術者の認識処理を行ったり、診療台10を構成する要素の駆動部を制御したりする。
【0050】
図2に示したように、制御部9は、画像処理部91、認識部92、駆動条件設定部93、駆動制御部94(シート駆動制御部941、スピットン駆動制御部942、診療器具駆動制御部943を含む。)として機能する。これらの機能は、CPUが所定のプログラムに従って動作することにより実現される。なお、これらの機能の一部または全部を専用回路として構成することにより、ハードウェア的に実現するようにしてもよい。
【0051】
また、制御部9は、ハードディスク等で構成される記憶部95を備えている。なお、記憶部95は、ハードディスク以外の各種記録媒体を含んでいてもよい。また、記憶部95をファイルサーバーとして構成し、該記憶部95と制御部9とをLAN(Local Area Network)やインターネット等のネットワークを介して接続するようにしてもよい。
【0052】
画像処理部91は、撮影部8から送られてきた患者または術者の顔貌を含む画像に対して、コントラスト調整や特徴部の抽出等、画像認識のための各種画像処理を行う。画像処理部91による画像処理で取得された顔画像処理データは、認識部92に渡される。
【0053】
認識部92は、記憶部95に格納された個人別情報951から、該顔画像処理データに一致するデータを照会(検索)する。個人別情報951は、複数の患者または複数の術者に関連する種々の情報をまとめられた、情報の集合(データベース)となっている。認識部92は、画像処理部91によって取得された顔画像処理データに基づいて、診療台10を使用する患者または術者の特定を行う。したがって、本実施形態では、撮影部8によって取得される患者または術者の顔画像データが、個人を特定するための識別情報として利用される。
【0054】
個人別情報951は、例えば複数の患者についての顔画像データと、顔画像処理データと、カルテ情報とを、患者毎に関連付けて保持している。
【0055】
患者の顔画像データは、予め患者の顔貌を撮影部8またはその他の撮影手段で撮影して取得された顔画像を表すデータである。また、顔画像処理データは、顔画像データを画像処理部91が画像処理して得られたデータである。また、カルテ情報には、氏名、年齢、性別、住所、職業、家族構成等の他、病名および主要症状、治療方法、診療年月日、通院歴等の一般的なカルテに記載される情報で構成される。ただし、カルテ情報は、これらの情報のうちの一部のみで構成されていてもよいし、その他の情報が含まれていてもよい。
【0056】
また、個人別情報951は、術者に関する登録情報として、複数の術者についての、顔画像データと、顔画像処理データとを、術者毎に関連付けて保持している。
【0057】
術者の顔画像データは、上述の患者の顔画像データと同様に、撮影部8またはその他の撮影手段によって撮影された術者の顔画像を表すデータである。また、術者の顔画像処理データは、患者の顔画像処理データと同様に、画像処理部91が顔画像データを画像処理して得られるデータである。
【0058】
認識部92は、個人別情報951に保持されている複数の術者の顔画像処理データの中から、実際に撮影部8で撮影された術者の顔画像データから得られた顔画像処理データを検索する。これにより、医療用診療装置100を使用する術者(患者を処置する者、施術者)を特定する。また、術者の個人情報が個人別情報951に登録されていてもよい。術者の個人情報としては、例えば、術者の氏名等、複数の術者の中から一術者を特定することのできる情報が該当する。もちろん、術者の個人情報は、術者毎に割り当てられる識別コードなどであってもよい。また、患者の認識は、撮影部8から入力する以外に、患者毎に保有している診察カードを利用して、診療台に接続されたカード読取装置を使用して認識しても良いし、既に記憶されている患者データを基に院内LANで受付から診療台に電子的に通信してもよい。
【0059】
医療用診療装置100においては、診療台10を構成する各要素の駆動条件が、患者毎または術者毎に、個人別情報951に登録されている。そして認識部92により認識された患者または術者に適合する駆動条件が、個人別情報951から読み出される。駆動条件設定部93は、個人別情報951から読み出された駆動条件を、各駆動部の駆動条件として設定する。この設定された駆動条件に基づき、医療用診療装置100の各駆動部が動作することとなる。
【0060】
より具体的に、医療用診療装置100においては、図2に示したように、診療台10を構成する要素の駆動部として、シート駆動部1M、スピットン駆動部2M、診療器具駆動部4Mが設けられている。そして制御部9は、これらの駆動部を制御する駆動制御部94として、シート駆動制御部941、スピットン駆動制御部942、および、診療器具駆動制御部943を備えている。駆動制御部94は、設定された駆動条件に基づいて、診療台10を構成する要素の駆動部を制御する。本実施形態では、患者シート1の駆動条件、スピットン2の駆動条件、および、診療器具4の駆動条件が設定されている。これらの駆動条件は、個人別情報951として記憶部95に格納されている。次に、それぞれの駆動条件について詳細に説明する。
【0061】
{患者シート1の駆動条件}
1.ポジショニング
患者シート1の駆動部の駆動条件の1つとして、患者シート1の各部の基本位置への位置付け(ポジショニング)がある。このポジショニングの設定に基づき、患者シート1のヘッドレスト1a、背凭れ1b、座面シート1c、足置き台1dが、診療状況に応じて、予め定められた基本位置に位置付けされる。
【0062】
図3、図4および図5は、診療状況に応じた患者シート1の各部のポジショニングを説明するための患者シート1の側面図である。なお、図3は、患者が患者シート1に座る前(導入時)または退席するときの患者シート1の側面図である。図4は、歯科治療のために患者を仰向け姿勢にするとき(治療時)の患者シート1の側面図である。図5は、患者がスピットン2を使用するとき(スピットン使用時)の患者シート1の側面図である。
【0063】
図3〜図5に示したように、本実施形態では、患者シート1に取りけられた駆動機構(シート駆動部1M)によって、ヘッドレスト1a、背凭れ1b、座面シート1c、足置き台1dをそれぞれ変位させることができる。図2に示したように、シート駆動部1Mは、駆動制御部94のシート駆動制御部941により制御される。患者シート1の各部を駆動するシート駆動部1Mの構成については、従来の技術やこれに類似する技術を利用することが可能である。このため、シート駆動部1Mの詳細な構造の説明は省略する。
【0064】
例えば、座面シート1cは、内蔵された昇降機構によって、高さ(H)を変更することが可能となっている。これにより、患者の臀部を支える座面シート1cの上面の高さ位置を所定の範囲内で変更することができる。座面シート1cを昇降させることで、座席シート1全体を上下に変位させることが可能となっている。
【0065】
また、患者シート1は、背凭れ1bを、座面シート1cとの接続部を支点として、鉛直方向上側に起こしたり、鉛直方向下側に倒したりする傾動機構を備えている。この傾動機構により、水平線HLに対する背凭れ1bの傾斜角度(J)が調整することが可能となっている。
【0066】
また、患者シート1は、足置き台1dを、座面シート1cとの接続部を支点として、鉛直方向上側に起こしたり、鉛直方向下側に倒したりする傾動機構を備えている。この傾動機構により、水平線HLに対する足置き台1dの傾斜角度(K)を調整することが可能となっている。
【0067】
また、患者シート1は、ヘッドレスト1aを、背凭れ1bとの接続部を支点として鉛直方向上側に起こしたり、鉛直方向下側に倒したりする傾動機構を備えている。この傾動機構により、背凭れ1bに対するヘッドレスト1aの傾斜角度(L)を調整することが可能となっている。
【0068】
図3に示した導入時における患者シート1の各部のポジショニングは、主に患者に応じて設定されることが好ましい。例えば、低身長または低体力の者(子供や老人等)が患者である場合、若者が患者である場合よりも、座面シート1cの高さ位置は低くなるように位置付けされることが望まれる。このように、患者の導入時(または退席時)における座面シート1cの位置を患者毎に設定することで、各患者が患者シート1に安全に着座することが可能となる。もちろん、導入時における座面シート1c以外の各部のポジショニングも、患者毎に適宜設定されてもよい。
【0069】
また、歯科治療時における患者頭部の最適位置は、術者の体格や好み、診療目的によって異なる場合がある。患者頭部の位置は、主に、ヘッドレスト1aの傾斜角度(L)を変更したり、座面シート1cの高さ(H)を変更したりすることで調整することができる。患者頭部の位置を治療に適した位置に配置するため、ヘッドレスト1aの傾斜角度(L)や座面シート1cの高さ(H)等が、術者毎に設定される。
【0070】
また、患者頭部の大きさや、患者が口を開けたときの口の大きさによっても、術者にとっての患者頭部の最適位置が異なる場合がある。このような点を考慮する場合は、術者と患者の組合せ毎に、治療時におけるヘッドレスト1aの傾斜角度(L)や座面シート1cの高さ(H)等が設定される。
【0071】
2.変位速度
患者シート1の各部の変位速度は、患者毎または術者毎に設定されることが好ましい。例えば、患者が老人や子供である場合、安全の面から、若者が患者である場合よりも、背凭れ1bの傾動速度や座面シート1cの昇降速度が遅くなるように設定されることが望ましい場合がある。また、術者によっても患者シート1のポジショニング調整を行う際に、好みの変位速度が異なる場合がある。したがって、本実施形態では、患者シート1の各部の変位速度が患者毎または術者毎に設定される。これにより、患者の姿勢を安全に変更させることができる。患者シート1の各部の変位速度の設定内容は、患者毎または術者毎に、個人別情報951として記憶部95に格納される。もちろん、患者と術者との組合せ毎に、患者シート1の各部の変位速度が設定されてもよい。
【0072】
図6は、患者と術者との組合せに応じた患者シート1の駆動条件の設定内容を示す図である。図6では、患者(患者X、患者Y、患者X)と術者(術者A、術者B、術者C)の組合せ毎の駆動条件を図示している。なお、術者A,B,Cの体格は、術者Aの体格が比較的大きく、術者Bが中程度、術者Cが比較的小さいものとする。また、患者Xは若者、患者Yは子供、患者Zは老人であるものとする。図6に示した駆動条件の設定内容は、個人別情報951として記憶部95に格納される。
【0073】
図6に示した例では、背凭れ1bの傾動速度は、患者の体力等に合わせて設定される。具体的には、若者である患者Xでは「高速」に設定され、子供または老人である患者Y,Zでは「低速」に設定される。また、導入時の座面高さ(座面シート1cの上面の高さ)は、患者の体格等に合わせて設定される。具体的には、患者Xでは「高」に設定され、患者Y,Zでは「低」に設定される。また、治療時の座面高さは、術者A,B,Cの体格に合わせて設定されており、小柄な術者Aで「低」、中程度の術者Bで「中」、大柄な術者Cで「高」に設定される。
【0074】
このように、患者と術者とに応じて各駆動部の駆動条件を設定できるようにすることで、術者および患者の双方に適合するように、診療台10の各駆動部を駆動させることができる。これにより、術者が診療を円滑に行うことが可能となる。
【0075】
{スピットン2の駆動条件}
患者シート1の場合と同様に、スピットン2の位置についても、患者毎に最適な位置が異なる。例えば、患者がうがい等をするときのスピットン鉢21の最適な高さ位置は、患者の身長(または座高)等に応じて異なる。また、患者にとってうがいのしやすい場所も、患者毎に異なる場合がある。そこで、スピットン鉢21の高さ位置、および、水平方向の位置(水平位置)を患者毎に最適化することが望ましい。これにより、患者がスピットン2を使い易くなるとともに、痰や唾、口腔内をゆすいだ後の汚水等の排液物が、スピットン鉢21の周囲にこぼれにくくすることができる。
【0076】
本実施形態では、スピットン使用時における患者シート1の各部の変位に連動して、スピットン鉢21が所定の高さ位置および所定の水平位置に移動される。この所定の高さ位置および所定の水平位置は、患者毎に、個人別情報951として記憶部95に格納されている。ここで、スピットン鉢21を所定の高さ位置および所定の水平位置へ移動させるスピットン駆動部2Mについて詳細に説明する。
【0077】
図7は、スピットン2の内部構成を示す断面図である。図7では、スピットン鉢21が昇降する前の状態と、上昇させた後の状態とを、それぞれ並べて図示している。また、図8は、スピットン2の平面図である。図8では、スピットン鉢21を旋回させる前の状態と、旋回させた後の状態とをそれぞれ並べて示している。
【0078】
既に述べたように、スピットン2は、スピットン駆動部2Mとして、昇降機構21Mを備えている。図7に示したように、昇降機構21Mは、駆動部としてのモータ210に接続されたボールネジ211を備えている。スピットン鉢21は、該ボールネジに螺合するナット部材212に固定されている。ボールネジ211が正回転または逆回転することによって、ナット部材212が上昇移動または下降移動する。このナット部材212の上下移動に連動して、スピットン鉢21が上下に昇降する。このような昇降機構21Mにより、スピットン鉢21の高さ位置が変更される。
【0079】
また、スピットン2は、スピットン駆動部2Mとして、回動機構22Mを備えている。回動機構22Mは、スピットン鉢21を回動させるためのモータ220を備えている。該モータ220からは、動力を伝達するための出力軸221が鉛直方向上側に延びている。この出力軸221は、水平方向に広がる回動盤222に接続されている。また、スピットン鉢21の底部からは、排水管21aが鉛直方向下側に延びている。なお、排水管21aは、装置外の排水系に通じる図示しない排水ホースに接続されている。この排水管21aは、回動盤222の偏心位置(出力軸221の回転中心から離れた位置)を貫通しているとともに、回動盤222に連結固定されている。
【0080】
モータ220の駆動により出力軸221が正回転(または逆回転)することにより、回動盤222が出力軸221周りに回動する。この回動盤222の回動に伴って、排水管21aが回動し、スピットン鉢21が回動する。したがって、図7に示したように、スピットン鉢21の高さ位置を調節した上で、図8に示したように、スピットン鉢21を患者側(患者シート1側)に接近させるように回動させることで、患者がうがいをしやすくなる。また、周囲が汚染されることを抑制できるため、衛生面でも有利である。
【0081】
なお、上記のスピットン駆動部2Mの構成は一例である。したがって、その他の構成によって、スピットン鉢21を所定位置に移動させるようにしてもよい。
【0082】
{フートコントローラ5の操作入力部に対する機能割り当て}
また、上述したように、術者は患者シート1の各部のポジションを切り換えたり、診療器具4を駆動したりする操作を、フートコントローラ5を介して行うことができる。このフートコントローラ5には、複数の操作入力部が設けられており、複数の入力操作が可能に構成されている。それぞれの入力操作には、診療台10を構成する要素に対して、特定の動作を行わせる機能が割り当てられる。この機能の割り当て方は、術者毎に変更することが可能である。術者毎が診療台10を構成する各要素を操作しやすくなるため、診療行為を円滑に行うことが可能となる。ここで、フートコントローラ5の構成について、図9および図10を参照しつつ説明する。
【0083】
図9は、フートコントローラ5の外観図である。また図10は、フートコントローラ5の操作方法を説明するための概念図である。図9に示すように、フートコントローラ5は、操作入力部として、ペダル5aと、スイッチ5b,5c,5d,5e,5fとを備えている。
【0084】
ペダル5aは、フートコントローラ5の中央部下側に設けられている。ペダル5aは、足で押し込むことにより、1種類の入力操作ができるように構成されている(入力操作1)。スイッチ5bは、フートコントローラ5の中央部であって、ペダル5aの上側に設けられている。スイッチ5bは、図10に示したように4方向のそれぞれに押し込まれることで、4種類の入力操作が行えるように構成されている(入力操作2〜入力操作5)。
【0085】
またスイッチ5bの両側には、スイッチ5c,5dが設けられている。スイッチ5c,5dは、その中央部を支点として上下方向に押し込むことが可能となっており、それぞれ2種類の入力操作が行えるように構成されている(入力操作6,7、入力操作8,9)。また、ペダル5aの左右の両側には、スイッチ5e,5fが設けられている。スイッチ5e,5fは、その中央部を支点として左右方向に押し込むことが可能となっており、それぞれ2種類の入力操作が行えるように構成されている(入力操作10,11、入力操作12,13)。
【0086】
以上のように、本実施形態に係るフートコントローラ5は、計13種類(入力操作1〜13)の入力操作を行うことができるように構成されている。ただし、フートコントローラ5において、スイッチ類(ペダルを含む。)を増設したり、一部を省略したりしてもよい。また、スイッチ類の具体的な操作方法も、上述したような物理的に押し込む操作方法に限定されるものではない。例えば、電気センサーや光学センサー等で構成されるタッチセンサーを利用して、接触のみで入力操作ができるようにしてもよい。
【0087】
図11は、フートコントローラ5に対する入力操作1〜13に割り当てられる機能を具体的に示す図である。なお、図11では、術者A向けと術者B向けの内容を示している。これらの内容は、個人別情報951として記憶部95に格納される。図11に示したように、入力操作1〜入力操作13のそれぞれに対して、診療台10を構成する各要素を駆動する駆動部に、特定の動作を実行させる機能が割り当てられる。
【0088】
例えば、術者向けAの内容では、入力操作1に「各診療器具の駆動のON/OFF切換、速度調整」という機能が割り当てられている。つまり、入力操作1(ペダル5aの踏み込み)が行われることで、診療器具駆動部4Mが駆動される。これにより、診療器具4を動作させたり、もしくは、停止させたりする制御を行うことができる。また、診療器具駆動部4Mが回転駆動部等を備えているような場合、該回転駆動部の回転数を、ペダル5aの踏み込み量や踏み込み時間等に応じて、速度調節できるようにしてもよい。このとき、踏み込み量(または踏み込み時間)と回転数の関係を、術者毎に異なるように設定できるようにしてもよい。例えば、術者Aでは、可変速とし、別の術者Bでは一定速とすることも可能である。
【0089】
また、術者A向けの設定では、入力操作2は、「患者シートのポジションの切換」となっている。つまり、術者A向けの設定では、入力操作2が行われる(つまり、スイッチ5bが上側に押し込まれる)ことで、患者シート1の各部を、例えば図3〜図5の各図に示した位置に順次変位される。また、入力操作3〜13に関しても、説明は省略するが、入力操作1,2と同様に、診療台10を構成する要素の駆動内容が、それぞれに割り当てられている。
【0090】
図11に示したように、入力操作1〜入力操作13に割り当てられる駆動部の動作内容は、術者毎に異ならせることが可能となっている。例えば術者A向けの設定では、入力操作2に「患者シートのポジションの切換」が割り当てられている。しかしながら、術者B向けの設定では、この機能は入力操作6に割り当てられている。その代わりに、術者B向けの設定では、入力操作2には、「患者シートの変位速度を高速に切換」という機能が割り当てられている。すなわち、術者B向けの設定では、入力操作2が行われることで、患者シート1の各部の変位速度が低速から高速に変更される。
【0091】
また、術者A向けの設定では、「診療台の各部をうがい用のポジションに移動」「診療台の各部をうがい用のポジションに移動させる直前のポジションに移動」という機能が割り当てられている。この入力操作は、患者シート1の各部を図5に示した位置に移動させたり、もしくは、スピットン2をうがい位置に移動させたりするときに実行される。一方、術者B向けの設定では、これらの機能は入力操作1〜13には割り当てられていない。その代わりに、「診療器具に対する注水のON/OFF切換」「診療器具の回転駆動部の回転方向の切換」という術者向けAの設定では割り当てられていない駆動部の動作内容が、入力操作12,13に割り当てられている。
【0092】
以上のような入力操作1〜13のそれぞれに対する駆動部の駆動内容の割り当ては、図2に示したように、駆動条件設定部93によって実行される。具体的には、認識部92によって術者が認識されると、該術者に対応した入力操作1〜13の割り当て内容が、個人別情報951から読み出される。そして駆動条件設定部93は、入力操作1〜13のそれぞれに対応するフートコントローラ5の操作信号に応じて、駆動制御部94が各駆動部(シート駆動部1M、スピットン駆動部2M、診療器具駆動部4M)を制御するように、駆動制御部94の動作を規定する。
【0093】
{診療器具4の駆動条件}
診療器具4の駆動条件は、術者毎または患者毎に設定される。例えば、診療器具4が回転駆動部を備えるエアータービンハンドピース、マイクロモータハンドピースである場合、その回転速度の最大値等が、術者毎に設定される。また、術者が同一人であっても、該術者が患者毎に回転速度の最大値等を変更できるようにしてもよい。この場合、術者と患者の組合せ毎に駆動条件が設定されることとなる。
【0094】
以上が、診療台10を構成する各要素の駆動条件についての説明である。次に、駆動条件を設定するときの医療用診療装置100の動作、および、個人別情報951を構築するときの医療用診療装置100の動作について説明する。
【0095】
{駆動条件の設定}
図12は、診療台10の各駆動部の駆動条件を設定する医療用診療装置100の動作を示す流れ図である。なお、以下の説明において、特に断らない限り、医療用診療装置100の動作は、制御部9によって制御されるものとする。
【0096】
医療用診療装置100は、まず、患者または術者を自動で認識する自動認識モードで動作するように設定されているかどうかを確認する(ステップS101)。自動認識モードでない場合は、医療用診療装置100は、診療台10の各駆動部の駆動条件を初期値(デフォルト)に設定し(ステップS102)、設定動作を終了する。
【0097】
ステップS101において、制御部9が自動認識モードで動作するように設定されている場合、医療用診療装置100は、患者または術者が検知されたかどうかを確認する(S103)。具体的には、撮影部8のカメラが向けられている所定位置に、人が写っているかどうかを画像処理等で判定することにより、患者または術者の存在を検知する。もちろん、赤外線等を利用した人検知センサーを別途設けて、患者または術者を検知するようにしてもよい。
【0098】
ステップS103において、患者または術者が検知されなかった場合、医療用診療装置100は、設定動作を完了するかどうか判断する(ステップS104)。設定動作を完了する場合、医療用診療装置100は、ステップS102に進む。設定動作を継続する場合、医療用診療装置100は、ステップS103に戻る。
【0099】
ステップS102において、患者または術者が検知された場合、医療用診療装置100は、患者または術者の顔貌画像を撮影部8によって撮影する(ステップS105)。そして医療用診療装置100は、撮影部8によって取得された顔画像データを、画像処理部91によって画像処理する(ステップS106)。さらに医療用診療装置100は、顔画像処理データに一致するデータが個人別情報951に登録されているかどうかを照会(検索)する(ステップS107)。
【0100】
ステップS107において、一致するデータが存在しなかった場合、医療用診療装置100は、設定動作を完了するかどうか判断する(ステップS108)。設定動作を完了する場合、医療用診療装置100は、ステップS102に進む。設定動作を継続する場合、医療用診療装置100は、ステップS103に戻る。
【0101】
ステップS107において、一致するデータが見つかった場合、医療用診療装置100は、該データが患者のものであるかどうかを判定する(ステップS109)。患者のものであると判定された場合、医療用診療装置100は、該患者の担当術者が既に決定されているかを確認する(ステップS110)。この担当術者は、該患者に対して治療等を行うことが決められている術者であり、例えば患者のカルテ情報等に記録される。
【0102】
ステップS110において、担当術者が決められていない場合、医療用診療装置100は術者が検知されたかどうかを確認する(ステップS111)。具体的には、ステップS103と同様に、撮影部8のカメラによる撮影画像、または検知センサーによって術者が検知される。
【0103】
ステップS111において、患者または術者が検知された場合、医療用診療装置100は、術者の顔貌画像を撮影部8によって撮影する(ステップS112)。そして医療用診療装置100は、撮影部8によって取得された顔画像データを、画像処理部91によって画像処理する(ステップS113)。さらに医療用診療装置100は、顔画像処理データに一致するデータが個人別情報951に登録されているかどうかを照会(検索)する(ステップS114)。
【0104】
ステップS114において、一致するデータが存在しなかった場合や、ステップS111において、術者が検知されなかった場合、医療用診療装置100は、設定動作を完了するかどうか確認する(ステップS115)。設定動作を終了する場合、この時点では、特定の患者のみが認識されていることとなる。したがって、医療用診療装置100は、診療台10の各駆動部の駆動条件を、この認識された患者のみに合わせた駆動条件に設定する(ステップS116)。そして医療用診療装置100は、設定動作を終了する。なお、ステップS115において、設定動作を継続する場合、医療用診療装置100は、ステップS111に戻る。
【0105】
ステップS114において、一致するデータが存在する場合や、ステップS110において、担当術者が既に決まっている場合、特定の術者と特定の患者とが認識されたこととなる。したがって、医療用診療装置100は、診療台10の各駆動部の駆動条件を、認識された術者と患者との双方に合わせた駆動条件に設定する(ステップS117)。そして医療用診療装置100は、設定動作を終了する。
【0106】
ステップS109において、患者ではなく術者が認識されていた場合、医療用診療装置100は、患者が検知されたかどうかを確認する(ステップS118)。ステップS118において、患者が検知された場合、医療用診療装置100は、患者の顔貌画像を撮影部8によって撮影する(ステップS119)。医療用診療装置100は、撮影部8によって取得された顔画像データを、画像処理部91によって画像処理する(ステップS120)。さらに医療用診療装置100は、顔画像処理データに一致するデータが個人別情報951に登録されているかどうかを照会(検索)する(ステップS121)。
【0107】
ステップS121において、一致するデータが見つかった場合、この時点で、術者と患者とが認識できていることとなる。したがって、医療用診療装置100は、ステップS117に進んで、診療台10の各駆動部の駆動条件を、術者と患者とに合わせた駆動条件に設定する。
【0108】
ステップS121において、一致するデータが見つからなかった場合、医療用診療装置100は、設定動作を完了するかどうか確認する(ステップS122)。設定動作を継続する場合、医療用診療装置100はステップS118に戻る。また、設定動作を完了する場合、この時点では、特定の術者のみが認識されていることとなる。したがって、医療用診療装置100は、診療台10の各駆動部の駆動条件を、認識された術者のみに合わせた駆動条件に設定する(ステップS123)。そして医療用診療装置100は、設定動作を終了する。
【0109】
以上の設定動作を通して、医療用診療装置100は、診療台10の各駆動部の駆動条件を、認識された患者、術者、またはその双方に適合する駆動条件に設定する。なお、図12に示した医療用診療装置100の動作の流れは、一例である。このため、動作内容や動作順序を適宜変更してもよいことはいうまでもない。
【0110】
{術者についての個人別情報951の構築}
図13は、術者についての個人別情報951を構築する医療用診療装置100の動作を示す流れ図である。この工程では、術者についての個人別情報951を構築するため、医療用診療装置100は、まず撮影部8によって各術者の顔貌画像を撮影する(ステップS201)。そして医療用診療装置100は、撮影部8によって取得された各術者の顔画像データを記憶部95に記憶する(ステップS202)。なお、撮影部8以外の撮影手段で取得される顔画像データを、医療用診療装置100が記憶部95に記憶するようにしてもよい。
【0111】
顔画像データを取得すると、医療用診療装置100は、画像処理部91によって顔画像データを画像処理した顔画像処理データを記憶部95に記憶する(ステップS203)。また、医療用診療装置100は、術者毎に適合する診療台10の各駆動部の駆動条件を記憶部95に記憶する(ステップS204)。
【0112】
ステップS204では、術者毎に適合する診療台10の各駆動部の駆動条件として、例えば、治療時における患者シート1の各部のポジショニング(図4参照)に関する設定値が記憶される。より具体的には、ヘッドレスト1aの傾斜角度(L)、背凭れ1bの傾斜角度(J)、座面シート1cの高さ(H)等の設定値が記憶される。また、図10,11に示したように、フートコントローラ5に設けられた複数の操作入力部のそれぞれに対する、診療台10の各駆動部の駆動内容の割り当てが、術者毎の駆動条件として記憶される。また、診療器具4のうち、エアータービンハンドピース、マイクロモータハンドピース等の切削工具の駆動条件等が、術者毎に記憶される。
【0113】
各術者向けの駆動条件は、所定の入力装置(キーボード、マウス、タッチパネル等)を介して制御部9に入力される。ただし、駆動条件が所定形式で記述されているデータを制御部9が読み込むことで、駆動条件が制御部9に入力されるようにしてもよい。
【0114】
全ての駆動条件を記憶すると、医療用診療装置100は、術者毎に、顔画像データ、顔画像処理データ、および、駆動条件を関連付ける(ステップS205)。これにより、術者毎にまとめられた個人別情報951が構築される。
【0115】
なお、図13に示した医療用診療装置100の動作の流れは、一例である。このため、動作内容や動作順序を適宜変更してもよいことはいうまでもない。
【0116】
{患者についての個人別情報951の構築}
図14は、医療用診療装置100が患者についての個人別情報951を構築するときの動作を示す流れ図である。術者についての個人別情報951を構築するため、医療用診療装置100は、まず撮影部8は、各患者の顔貌画像を撮影する(ステップS301)。そして医療用診療装置100は、撮影部8によって取得された各患者の顔画像データを、記憶部95に記憶する(ステップS302)。なお、撮影部8以外の撮影手段で取得される顔画像データを、医療用診療装置100が記憶部95に記憶するようにしてもよい。
【0117】
顔画像データを取得すると、医療用診療装置100は、画像処理部91によって顔画像データを画像処理した顔画像処理データを記憶部95に記憶する(ステップS303)。また、医療用診療装置100は、各患者のカルテ情報を記憶する(ステップS304)。さらに医療用診療装置100は、各患者向けの診療台10の駆動部の駆動条件を記憶部95に記憶する(ステップS305)。
【0118】
なお、ステップS303,S304において、各患者のカルテ情報または各患者向けの駆動条件は、所定の入力装置(キーボード、マウス、タッチパネル等)を介して制御部9に入力される。ただし、カルテ情報または駆動条件が所定形式で記述されているデータを制御部9が読み込むことで、カルテ情報または駆動条件が制御部9に入力されるようにしてもよい。
【0119】
なお、図14に示した医療用診療装置100の動作の流れは、一例である。このため、動作内容や動作順序を適宜変更してもよいことはいうまでもない。また、患者が初診である等の場合、駆動部の全ての駆動条件を事前に設定することは困難である。このような場合、医療用診療装置100がステップS305の動作をスキップするようにしてもよい。
【0120】
{認識結果の通知}
図15は、モニター6に表示される患者認識結果画面W1を示す図である。図2に示したように、認識部92は、患者に関する顔画像処理データに基づき、該患者を認識すると、モニター6にその認識結果(患者認識結果)を表示する。ここでは、患者の顔画像を表示する表示領域と、該患者のカルテ情報を表示する表示領域とが、モニター6の画面上に定義される。制御部9は、このような患者認識結果をモニター6に表示することで、認識部92による患者認識結果を外部に通知する。モニター6は認識結果を通知する通知部として機能する。また、モニター6は、患者情報表示部としても機能する。
【0121】
図16は、モニター6に表示される術者認識結果画面W2を示す図である。認識部92は、術者に関する顔画像処理データに基づき、該術者を認識すると、モニター6にその認識結果(術者認識結果)を表示する。ここでは、術者の顔画像を表示する表示領域と該術者向けの駆動条件を表示する表示領域とがモニター6の画面上に定義される。この駆動条件を表示する表示領域には、例えば、フートコントローラ5に対する入力操作1〜13に割り当てられる機能の一覧(図11参照)が表示される。この場合、モニター6は、駆動条件表示部を構成する。
【0122】
{認識結果の変更}
また、本実施形態では、図2に示したように、認識部92による認識結果が誤っているのを訂正するため、マウス、キーボード、タッチパネル等で構成される入力部61がトレーテーブル3等に設けられ、制御部9に接続されている。本実施形態では、患者を指定するための変更入力ボタン群61a(図15)、または、術者を指定するための変更入力ボタン群61b(図16)が、モニター6上に表示される。操作者は、入力部61を介して、変更入力ボタン群61a,61bの中から、特定の患者または特定の術者に相当するボタンを選択する。これにより、認識部92が認識した患者または術者を、選択した患者または術者に変更することができる。つまり、入力部61は、変更入力部を構成する。
【0123】
例えば、図15に示した患者認識結果画面W1では、患者X、患者Yおよび患者Zのそれぞれに対応する変更入力ボタン群61aが表示されている。操作者は、変更入力ボタン群61aから特定の患者(例えば患者Y)に対応するボタンを、入力部61を介して選択する。すると、認識部92は、認識した患者を選択された患者に変更する。その結果、変更後の患者についての顔画像やカルテ情報がモニター6に表示されることとなる。
【0124】
同様に、図16に示した術者認識結果画面W2では、術者A、術者Bおよび術者Cのそれぞれに対応する変更入力ボタン群61bが表示されている。操作者は、変更入力ボタン群61bから特定の術者(例えば術者B)に対応するボタンを、入力部61を介して選択する。すると、認識部92は、認識した術者を選択された術者に変更する。その結果、変更後の術者についての顔画像や駆動条件がモニター6に表示されることとなる。
【0125】
このように入力部61を備えることによって、認識部92による認識結果が誤っていた場合でも、その結果を訂正することができる。また、自動認識モード(図12に示したステップS101参照)でない場合でも、操作者が入力部61を介して、患者または術者に適合する駆動条件を正しく指定することが可能となる。
【0126】
なお、図16に示した変更入力ボタン群61bのうち特定のボタンを選択されたときに、認識部92による術者の認識結果を変更せず、単に駆動条件表示領域に表示される表示内容が、選択されたボタンに対応する術者のものに表示が変更されるようにしてもよい。この場合、認識結果を変更することなく、他の術者の駆動条件を確認することができる。この場合、入力部61は、選択入力部を構成することとなる。
【0127】
また、モニター6がタッチパネルで構成されている場合には、変更入力ボタン群61a,61bをタッチすることで、患者または術者を選択できるようにしてもよい。この場合、モニター6が入力部61の機能の一部を担うこととなる。
【0128】
{2. 変形例}
以上、実施形態について説明してきたが、本発明は上記のようなものに限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
【0129】
例えば、識別情報として利用される患者または術者の顔画像データは、患者または術者の顔貌全体を含んでいる必要はない。つまり、認識部がデータベースで照合することが可能であれば、患者または術者の顔貌の一部のみを撮影部8によって撮影するようにしてもよい。
【0130】
また、顔画像データ以外の識別情報に基づいて、患者または術者の認識を行うようにしてもよい。例えば、患者または術者を示す個人データ(名前、住所、生年月日等の個人情報や、各人に割り当てられた番号等の識別コード等)が制御部9に入力され、これを認識部92が照会するようにしてもよい。なお、カード(例えば、診察カード)等に付された個人データ(例えばバーコードで表される。)が読み取られたり、RFID等の技術を利用して個人データが電磁的に読み取られたりして、制御部9に該個人データが入力されるようにしてもよい。また、顔貌以外の生体情報が識別情報として取得され、これにより患者または術者の認識が行われるようにしてもよい。また、顔画像とその他の識別情報とを組み合わせて、患者または術者の認識が行われてもよい。
【0131】
また、認識部92が、患者または術者を特定する際に、個人別情報951に登録されている全ての患者または術者の中から、識別情報に一致する患者または術者を特定するようにしてもよいが、このときの検索対象を一部に絞り込めるようにしてもよい。例えば、診療日ごとに、医療用診療装置100を使用する患者または術者が決まっているような場合、診療日当日の患者または術者についてのデータのみを検索対象とすればよい。これにより、患者または術者の特定を効率的に行うことができる。
【0132】
また、足置き台1dの下側部分を伸縮可能に構成してもよい。足置き台1dの長さを状況に応じて調節することによって、患者が患者シート1に座ったり患者シート1から立ち上がったりしやすくなる。また、この伸縮の長さを、駆動条件として患者毎に設定できるようにしてもよい。
【0133】
また、トレーテーブル3を移動させる駆動部を設けることによって、フートコントローラ5等の操作手段を介して、トレーテーブル3の位置を操作できるようにしてもよい。また駆動条件として、トレーテーブル3のポジショニングを患者毎または術者毎に設定できるようにしてもよい。
【0134】
また、上記実施形態では、医療用診療装置100は、歯科治療に適合するように構成されている。しかしながら、本発明は、眼科、耳鼻咽喉科等のあらゆる医科分野や、獣医科分野の診療装置についても有効である。
【0135】
また、上記各実施形態および各変形例で説明した各構成は、相互に矛盾しない限り適宜組み合わせたり、省略したりすることができる。
【符号の説明】
【0136】
100 医療用診療装置
10 診療台
1 患者シート
1a ヘッドレスト
1b 背凭れ
1c 座面シート
1d 足置き台
1M シート駆動部
2 スピットン
21 スピットン鉢
2M スピットン駆動部
21M 昇降機構
22M 回動機構
3 トレーテーブル
4 診療器具
4M 診療器具駆動部
5 フートコントローラ(操作部)
5a ペダル(操作入力部)
5b,5c,5d,5e,5f スイッチ(操作入力部)
6 モニター(通知部、患者情報表示部、駆動条件表示部)
61 入力部(変更入力部、選択入力部)
61a,61b 変更入力ボタン群
7 無影灯
8 撮影部
9 制御部
91 画像処理部
92 認識部
93 駆動条件設定部
94 駆動制御部
941 シート駆動制御部
942 スピットン駆動制御部
943 診療器具駆動制御部
95 記憶部
951 個人別情報
A,B,C 術者
X,Y,Z 患者
W1 患者認識結果画面
W2 術者認識結果画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
術者が患者を診療する際に使用される医療用診療装置であって、
患者を支持する診療台と、
前記診療台を構成する要素を駆動する駆動部と、
前記診療台に支持される患者、および、該患者を処置する術者についての識別情報に基づいて、前記患者および前記術者を認識する認識部と、
前記駆動部の駆動条件を、前記認識部により認識された前記患者および前記術者に対応する、予め登録された駆動条件に設定する駆動条件設定部と、
を備える医療用診療装置。
【請求項2】
請求項1に記載の医療用診療装置において、
前記識別情報として、患者および術者についての顔画像情報を取得する撮影部、をさらに含む医療用診療装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載の医療用診療装置において、
駆動部を操作するための操作部、
をさらに備え、
前記操作部は、前記駆動部に特定の動作を実行させる機能が割り当てられる操作入力部を複数有し、
前記駆動条件設定部は、前記認識部によって認識された術者に応じて、複数の前記操作入力部のそれぞれに対し、前記駆動部が実行する動作内容の割り当てを行う医療用診療装置。
【請求項4】
請求項3に記載の医療用診療装置において、
前記操作部は、フートコントローラを含み、
前記操作入力部は、術者の足で操作可能に構成されている医療用診療装置。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1項に記載の医療用診療装置において、
前記診療台を構成する要素には、患者の臀部を支持する座面シートと、患者の背中を支持する背凭れが含まれ、
前記駆動条件設定部は、前記座面シートおよび前記背凭れのうち少なくとも一方について、前記認識部によって認識される前記患者に応じて、駆動時における変位速度を設定する医療用診療装置。
【請求項6】
請求項1から5までのいずれか1項に記載の医療用診療装置において、
前記診療台を構成する要素には、患者の頭部を支持するヘッドレストと、患者の臀部を支持する座面シートと、患者の背中を支持する背凭れとが含まれ、
前記駆動条件設定部は、前記認識部によって認識される患者に応じて、前記ヘッドレスト、前記座面シート、前記背凭れのうちの少なくとも1つの位置付け条件を設定する医療用診療装置。
【請求項7】
請求項1から6までのいずれか1項に記載の医療用診療装置において、
前記診療台を構成する要素には、スピットンが含まれ、
前記駆動条件設定部は、前記認識部によって認識される患者に応じて、前記スピットンの位置付け条件を設定する医療用診療装置。
【請求項8】
請求項1から7までのいずれか1項に記載の医療用診療装置において、
前記診療台を構成する要素には、診療器具が含まれ、
前記駆動条件設定部は、前記認識部によって認識される患者に応じて、前記診療器具の駆動条件を設定する医療用診療装置。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか1項に記載の医療用診療装置において、
前記認識部による認識結果を通知する通知部、をさらに備える医療用診療装置。
【請求項10】
請求項9に記載の医療用診療装置において、
前記認識部による認識結果を変更するための変更入力部、をさらに備える医療用診療装置。
【請求項11】
請求項10に記載の医療用診療装置において、
術者毎に予め登録された前記駆動条件を表示する駆動条件表示部と、
複数の前記術者の中から、前記駆動条件表示部に前記駆動条件を表示させる術者を選択するための選択入力部と、
をさらに備える医療用診療装置。
【請求項12】
請求項2に記載の医療用診療装置において、
前記認識部によって認識された患者に関する顔画像と、カルテ情報とを表示する患者情報表示部、
をさらに備える医療用診療装置。
【請求項13】
請求項2に記載の医療用診療装置において、
前記撮影部が、口腔部を照明する照明装置近傍に配置されたカメラを含む医療用診療装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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