説明

医薬品を含有する眼用レンズのためのパッケージ

【課題】医薬品を含有する眼用レンズのためのパッケージ法を提供すること。
【解決手段】本発明の、医薬品を含む眼用レンズを包装するためのブリスターボウルは、医薬品の約16%未満を吸収する材料を含んでおり、ただし、この材料は、本質的にペルフルオロポリマーではないという条件付きである。

【発明の詳細な説明】
【開示の内容】
【0001】
〔発明の分野〕
本発明は、ケトチフェンのような医薬品を含有する眼用装置を貯蔵するためのパッケージに関する。
【0002】
本発明は、2006年7月10日に出願された米国特許出願第60/819,759号の本出願であり、かかる米国特許出願の全体が参照として組み込まれる。
【0003】
〔背景〕
コンタクトレンズは、1950年代から視覚を改善するために商業的に使用されて来た。初め、コンタクトレンズは、ガラス瓶に包装された硬質材料で作製されていたが、多くの患者にとって不快なものであった。後の開発により、疎水性ヒドロゲルで作製され、一般的にソフトコンタクトレンズと呼ばれる、より軟らかく、より心地よいレンズが生まれた。これらのレンズは生成し易いことから、ソフトコンタクトレンズは、患者の眼に医薬品を送達するために使用され得ることを提案して来た人たちもいる。
現在、ソフトコンタクトレンズは、大規模で生成されており、ボウル部および箔状トップ部(foil top)を有する個々のブリスターパッケージとして包装されている。これらのパッケージは、ソフトコンタクトレンズと、このレンズの水性パッケージ用溶液とを収納する。ボウル部は、ポリプロピレンのような疎水性材料から作製されている。ポリプロピレンは、コンタクトレンズパッケージのために一般に使用されている材料である。ポリプロピレンは、コンタクトレンズ製造の滅菌ステップに十分に耐え得る弾性を有しており、多数の好適な形状およびサイズに射出成形されることができる。そのようなパッケージ法の非限定的な例としては、米国特許第4,691,820号;同第5,054,610号;同第5,337,888号;同第5,375,698号;同第5,409,104号;同第5,467,868号;同第5,515,964号;同第5,609,246号;同第5,695,049号;同第5,697,495号;同第5,704,468号;同第5,711,416号;同第5,722,536号;同第5,573,108号;同第5,823,327号;同第5,704,468号;同第5,983,608号;同第6,029,808号;同第6,044,966号;および同第6,401,915号を参照のこととし、これら全ての特許文献はその全体が参照として本明細書中に組み込まれるものとする。しかしながら、ソフトコンタクトレンズパッケージのボウル部にポリプロピレンを使用することは、ソフトコンタクトレンズまたはそのパッケージ用溶液が、医薬品、特にはケトチフェンのような抗ヒスタミン薬を含有する場合に、問題を生じさせることがある。
【0004】
アレルギー性結膜炎のような症状を治療するために、目薬としてケトチフェンを使用することが知られている。出願人は、ケトチフェンの薬剤的に活性な塩であるフマル酸ケトチフェンをソフトコンタクトレンズに添加し、それらのレンズをポリプロピレン製ボウルに包装して来た。しかしながら、これらのレンズをポリプロピレン製ボウルに包装することは、問題を生じさせる。所望の薬剤濃度において、50%を超える薬剤が時間の経過と共にポリプロピレンパッケージ用材料に吸収され、ソフトコンタクトレンズおよびそのパッケージ用溶液のいずれかまたは両方から除去される。これは望ましくない状況であり、なぜならば、パッケージ用材料が薬剤を吸収すると、どの位の薬剤が患者に使用されるために有効であるかを決定することが難しくなるからである。したがって、ソフトコンタクトレンズおよびそのパッケージ用溶液のいずれかまたは両方に含有される薬剤を最小限しか吸収しない、ブリスターパッケージのボウルに好適な材料を見つけることが望ましい。この必要性は、下記の発明により満たされる。
【0005】
〔発明の詳細な説明〕
本発明は、医薬品を含む眼用レンズを包装するためのブリスターボウルを含んでおり、かかるブリスターボウルは、かかる医薬品の約16%未満を吸収する材料を含んでおり、ただし、この材料は、本質的にペルフルオロポリマー(perfluoropolymer)ではないという条件付きである。
【0006】
本明細書中で使用される「眼用レンズ」とは、眼の中または上に存する装置を示している。これらの装置は、視力矯正をもたらすことができるものであるか、または美容のためのものであってもよい。眼用レンズは、限定されるものではないが、ソフトコンタクトレンズ、眼内レンズ、色被せレンズ(overlay lenses)、目用インサート(ocular inserts)、および光学インサート(optical inserts)を含む。本発明の好ましいレンズは、ヒドロゲルおよびシリコーンエラストマーから作製されたソフトコンタクトレンズであり、これらのヒドロゲルおよびシリコーンエラストマーとしては、限定されるものではないが、シリコーンヒドロゲル、およびフルオロヒドロゲルを含む。ソフトコンタクトレンズの配合は、米国特許第5,710,302号、WO9421698、EP406161、JP2000016905、米国特許第5,998,498号、米国特許第6,087,415号、米国特許第5,760,100号、米国特許第5,776,999号、米国特許第5,789,461号、米国特許第5,849,811、および米国特許第5,965,631号に開示されている。先の参照文献は、それらの全体が参照として本明細書中に組み込まれる。本発明の特に好ましい眼用レンズは、米国認可名(United States Approved Names):etafilcon A、genfilcon A、lenefilcon A、lotrafilcon A、lotrafilcon B、balafilcon A、polymacon、bafilcon、acofilcon A acquafilcon A、alofilcon A alphafilcon A、amifilcon A、astifilcon A、atalafilcon A、bisfilcon A bufilcon A、crofilcon A、cyclofilcon A、darfilcon A deltafilcon A、deltafilcon B、dimefilcon A、drooxifilcon A、epsifilcon A、esterifilcon A、focofilcon A、galyfilcon A、govafilcon A、hefilcon A hefilcon B、hefilcon D、hilafilcon A、hilafilcon B、hixoifilcon A、hioxifilcon B、hioxifilcon C、hydrofilcon A、lenefilcon A、licryfilcon A、licryfilcon B、lidofilcon B、lidofilcon A、mafilcon A、mesifilcon A、methafilcon B、mipafilcon A、nelfilcon A、netrafilcon A、ocufilcon A、ocufilcon B、ocufilcon C、ocufilcon D、ocufilcon E、ofilcon A、omafilcon A、oxyfilcon A、pentafilcon A、perfilcon A、pevafilcon A、phemfilcon A、senofilcon A、silafilcon A、siloxyfilcon A、tefilcon A、tetrafilcon A、trifilcon A、vifilcon A、またはxylofilcon Aにより知られている。本発明の特により好ましい眼用レンズは、genfilcon A、lenefilcon A、lotrafilcon A、lotrafilcon B、またはbalafilcon Aである。最も好ましいレンズは、限定されるものではないが、galyfilcon、senofilcon、etafilcon A、nelfilcon A、hilafilcon、およびpolymaconを含む。
【0007】
医薬品は、眼の疾患を治療するか、または予防するために使用され得る物質である。医薬品は、限定されるものではないが、抗ヒスタミン薬、抗生物質、抗菌剤、抗ウイルス剤、抗真菌剤、鎮痛薬、麻酔薬、抗アレルギー剤(antiallergeneic agents)、肥満細胞安定剤、ステロイド系および非ステロイド系の抗炎症剤、血管形成阻害剤;代謝拮抗物質、線維素溶解薬(fibrinolytics)、神経保護薬剤(neuroprotective drugs)、新脈管形成抑制ステロイド(angiostatic steroids)、散瞳薬、毛様体筋麻痺の散瞳薬(cyclopegic mydriatics);縮瞳薬;血管収縮薬;血管拡張薬、抗凝血剤(anticlotting agents);抗癌剤、アンチセンス剤(antisense agents)、免疫調節剤(immunomodulatory agents)、炭酸脱水酵素阻害剤、インテグリン拮抗物質(integrin antabonistsl);シクロオキシゲナーゼ阻害剤、VEGF拮抗物質;免疫抑制剤、ビタミン、サプリメントなどを含む。「抗ヒスタミン薬」とは、アレルギー状態を治療するために使用される医薬品の分類である。抗ヒスタミン薬の例は、限定されるものではないが、アクリバスチン(acrivastine)、アンタゾリン、アステミゾール、アザタジン、アゼラスチン、ブロムフェニルアミン、ブクリジン、ブリマミド(burimamide)、カルビノキサミン、カレバスチン(carebastine)、セチリジン(cetirizine)、クロルシクリジン、クロルフェニラミン、シメチジン、シプロキシファム(ciproxifam)、クレマスチン、クロベンプロピト(clobenpropit)、クロザピン、シクリジン、シプロヘプタジン、デスブロムフェルニラミン(desbrompherniramine)、デスロラタジン(desloratadine)、デクスブロムフェニラミン(dexbrompheniramine)、デクスクロルフェルニラミン(dexchlorpherniramine)、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、ジメンヒドリナート、ジメチンデン、ジフェンヒドラミン、ジフェニルピラリン、ドキシラミン、エバスチン(ebastine)、エフレチリジン(efletirizine)、エメダスチン(emedastine)、エピナスチン(epinastine)、ファモチジン、フェクソフェナジン(fexofenadine)、ヒドロキシジン、インペンタミン(impentamine)、ヨードアミノポテンチジン(iodoaminopotentidine)、ヨードフェンプロピト(iodophenpropit)、ケトチフェン、レボカバスチン(levocabastine)、レボセテリジン(levoceterizine)、ロラタジン(loratadine)、メクリジン、メピラミン(mepyramine)、メキタジン、メトジラジン、メタピリレン、ミアンセリン、ミフェチジン(mifetidine)、ミゾラスチン(mizolastine)、ノラステミゾール(norastemizole)、ノレバスチン(norebastine)、オロパタジン(olopatadine)、フェニラミン、フェニルトキサミン(phenyltoxamine)、ピクマスト(picumast)、プロメタジン、ピリラミン、ピロブタミン、ランチジン(rantidine)、R−ソプロミジン(R-sopromidine)、S−ソプロミジン(S-sopromidine)、テカステミゾール(tecastemizole)、テメラスチン(temelastine)、テルフェナジン、チエチルペラジン、チオチジン(tiotidine)、トリメプラジン、トリペレナミン、チオペラミド、トリプロリジン、およびこれらの薬剤的に許容可能な塩を含む。好ましい抗ヒスタミン薬は、ケトチフェンおよびフェニラミンである。特に最も好ましい抗ヒスタミン薬は、ケトチフェンおよびケトチフェンの薬学的に許容可能な塩である。医薬品は、多数の方法により眼用レンズに添加されることができる。一つの方法は、水和されたヒドロゲル眼用レンズを、医薬品を含有する溶液中に浸漬するものである。他の方法は、水和されたヒドロゲル眼用レンズを、抗ヒスタミン薬を含有する溶液中で滅菌するものである。さらなる他の方法は、医薬品を、レンズを硬化させる前に眼用レンズ配合物に組み込むものである。
【0008】
用語「ブリスターボウル」とは、眼用レンズパッケージの容器部分を示す。適当に形作られたブリスターボウルの例は、その全体が参照として本明細書中に組み込まれる下記の文書、すなわち、米国特許第D458,023号;同第4,691,820号;同第5,054,610号;同第5,337,888号;同第5,375,698号;同第5,409,104号;同第5,467,868号;同第5,515,964号;同第5,609,246号;同第5,695,049号;同第5,697,495号;同第5,704,468号;同第5,711,416号;同第5,722,536号;同第5,573,108号;同第5,823,327号;同第5,704,468号;同第5,983,608号;同第6,029,808号;同第6,044,966号;および同第6,401,915号に開示されている。あるいくつかの眼用レンズパッケージの容器部分は、ボウル形に形作られていない。本発明の目的のために、それらのパッケージの容器は、ブリスターボウルという用語に含まれるものとする。そのようなパッケージの例は、限定されるものではないが、国際公開第2005/082721号、米国特許第7,086,526号、国際公開第03/016175号、およびUS2004/0238380に開示されている眼用レンズパッケージを含み、これら特許文献の全体が参照として本明細書中に組み込まれる。本明細書中で使用される「前述の医薬品を約16%未満吸収する材料」は、ポリマーである。これらの材料は、射出成形、熱成形、トランスファー成形、スキン包装、ブロー成形、コインジェクション成形、フィルム押出、またはフィルム共有押出(film coextrusion)などにより適切な形状に形成されることができる。ブリスターボウルは、目視検査、蒸気での処理、UV滅菌などを可能にするのに必要な程度まで透明であることが好ましい。
【0009】
いずれのブリスターボウルにより吸収される医薬品の量も、既知量の医薬品またはその薬学的に許容可能な塩を含有する溶液でブリスターボウル(またはブリスターボウルに形成され得る既知量の材料)を処理することにより測定される。ブリスターボウル(またはまだ形をなしていない材料)の処理は、医薬品の溶液を、室温か、または高温のいずれかで、ある時間、ブリスターボウルに接触させることとすることができる。ブリスターボウル(またはまだ形をなしていない材料)に吸収される医薬品の量は、その処理の前とそのような処理の後とで、溶液の医薬品の含有量についてのその溶液のHPLC分析により測定される。好ましい材料は、約16%〜約0%の間、より好ましくは約8%〜約3%の間、最も好ましくは約5%〜1%の間、医薬品を吸収する。
【0010】
ブリスターボウルは、レンズ、または、レンズとそのパッケージ用溶液を収容するように形作られることができる材料から形成され得る。このとき、そのような材料が、上述の吸収基準を満足していることを条件とする。ブリスターボウルを形成する好ましい材料は、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、またはポリカーボネートコポリマーである。UDEL (R) 1700 (CAS Number 25135-51-7)、およびRADEL (R) R-5000 (CAS Number 25839-81-0)という商品名でSolvay Advanced Polymersから販売されているポリスルホンポリマーが好ましい。UDELは、約190℃のガラス転移温度を有するポリスルホンポリマーの商標である。RADEL (R) R-5000は、約220℃のガラス転移温度を有するSolvayにより販売されているポリスルホンの商標である。他のポリスルホンである、BASFにより販売されているUltrasonも、本発明において有用である。Ultrasonは、1分当たり20℃での示差走査熱分析(DCS)により測定されたときに約188℃のガラス転移温度を有する。約180℃〜約230℃のガラス転移温度を有するその他の商標のポリスルホンポリマーも、本発明での使用に好適である。その他の好ましい材料は、限定されるものではないが、Ultem (CAS Number 61128-24-3)という商品名でGeneral Electricにより販売されているポリエーテルイミドを含む。Ultemは、(ASTM1525により得られる219℃のVICAT温度から算出すると)約229℃のガラス転移温度を有する。LEXAN HPB3144という商品名でGeneral Electricにより販売されている約147℃のガラス転移温度を有するポリカーボネートコポリマーが特に好ましい。本発明の目的のためには、特定のポリマーのガラス転移温度は分っていないが、VICATデータが入手可能である場合には、ガラス転移温度は、VICAT温度(ASTM D1525、ISO 306、A2LA Accredited)に約10度加えることにより算出され得る。
【0011】
そのようなブリスターは、ポリマーペレットを射出成形機に導入することにより作製されることができる。往復スクリューが、このペレットに熱とせん断力とを投入し、このペレットを溶かす。その後、この溶融物は、コールドランナーか、またはホットランナーのいずれかを用いる金型に注入される(代替の方法ではピストンが使用され、また、さらなる他の方法では、部分的に開口された金型が充填され、この金型を閉じることにより最終的な形状に鋳造されることもある)。プラスチックは、本発明で開示されている部品を得るために好適なデザインおよび形状のキャビティを充たすであろう。その後、このポリマーは、縮みの分を代償するために、圧力下で凝固する。その部分が凝固された後で、取り扱うことが可能な温度になるまで、さらに冷却される。この部分が機械的装置または気送装置(pneumatic device)を介して金型から除去され、下流側の機械へと移送される。
使用され得る射出成形器(injection molders)の例は、限定されるものではないが、Arburg、Battenfeld、Engel、Husky、Netstal、Sumitomoを含む。
【0012】
用語「溶液」とは、医療装置が貯蔵されるいかなる液体媒体をも示す。好ましい溶液は、限定するものではないが、塩類溶液(saline solutions)、その他の緩衝溶液(buffered solutions)、および脱イオン水を含む。好ましい水溶液は、塩を含有する塩類溶液であり、この塩としては、限定するものではないが、塩化ナトリウム、ホウ酸ナトリウム、リン酸ナトリウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、またはこれらと同じ対応するカリウム塩を含む。これらの成分は、一般的に、酸とその酸の共役塩基とを含む緩衝溶液を形成するように併用され、これにより、酸および塩基を添加してもpHの比較的僅かな変化しか引き起こさない。加えて、緩衝溶液は、2−(N−モルフォリノ)エタンスルホン酸(2-(N-morpholino)ethanesulfonic acid)(MES)、水酸化ナトリウム、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−2,2’,2”−ニトリロトリエタノール、n−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸、クエン酸、クエン酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、酢酸、酢酸ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸など、およびこれらの組み合わせを含んでもよい。好ましくは、かかる溶液は、ホウ酸塩で緩衝されているか、またはリン酸塩で緩衝されている塩類溶液である。
【0013】
本発明はさらに、医薬品を含む眼用レンズを貯蔵する方法を含んでおり、この方法は、かかる眼用レンズをブリスターボウルに配置することと、かかるブリスターボウルをカバーで覆うこととを含み、かかるブリスターボウルは、かかる医薬品の約16%未満を吸収する材料を含んでおり、ただし、ブリスターボウルの材料は、本質的にペルフルオロポリマーではないという条件付きである。ここで使用される医薬品、眼用レンズ、およびブリスターボウルという用語は全て、先に述べた意味および好ましい範囲を有する。用語「カバー」とは、ブリスターボウルの中に眼用レンズを封じ込めるいかなる手段をも意味する。好ましくは、カバーは、眼用レンズのための気密シールを形成するために、ブリスターボウルの頂部表面にシールされることができる、アルミニウム箔、および、押出しポリマーフィルムもしくは共有押出しポリマーフィルムの接着性ラミネートから作製された柔軟なシートである。そのような材料の例は、下記の文献、すなわち米国特許出願公開第2002/0197478号;米国特許第6,090,471号;同第5,908,527号;同第5,656,362号;同第5,653,844号;および同第5,620,087号に開示されており、これらの文献の全体が参照として本明細書中に組み込まれる。本明細書中で使用される、そのようなラミネートの内側層は、ヒートシールまたはその他の手段によりボウルに接着される層を示している。ポリスルホン材料から作製されるブリスターボウルの場合、ボウルは、ボウルにヒートシールされるポリスルホンの内側層を有するいくつかの層のラミネートで覆われ得る。そのように層状にされた一つのラミネートカバーの例は、ボウルにシールされる材料から最も外側の層までの順で列挙される下記の材料、すなわち、ポリスルホン(すなわちUDEL、RADEL)−接着剤(すなわち、Henkelにより販売されているLiofol brand)−アルミニウム箔−接着剤−ポリエチレンナフタレート(polyethylene naptholate)もしくはポリフェニルスルホンを包含する。層状のラミネートの他の例は、ボウルにシールされる材料から最も外側の層までの順で列挙される下記の材料、すなわち、ポリカーボネートコポリマー(すなわち、LEXAN)−接着剤(すなわち、Henkelにより販売されているLiofol brand)−アルミニウム箔−接着剤−ポリエチレンナフタレートもしくはポリフェニルスルホンを包含する。
【0014】
多くの場合、医薬品を含む眼用レンズは、塩類溶液またはその他の緩衝溶液のような水溶液中に包装される。これらの溶液は、広く一般的(generically)にパッケージ用溶液として知られている。医薬品の約16%未満を吸収し、本発明のブリスターボウルを形成するために有用ないくつかの材料は、時間の経過と共にブリスターボウルおよびカバーの外に水蒸気を拡散させる材料である。この水蒸気の損失は、そのような眼用レンズの貯蔵寿命を減少させることが知られている。そのような原因物質の貯蔵寿命を改善するために、ブリスターボウルの表面が、たとえ一部でも、水蒸気の拡散が抑制された材料により囲まれていることが有用であろう。この必要性は、下記の発明により満たされる。
【0015】
本発明は、医薬品を含む眼用レンズを包装するためのブリスターボウルを含んでおり、かかるブリスターボウルは、レンズ接触面と外面とを備えており、かかるレンズ接触面は、かかる医薬品の約16%未満を吸収する材料を含んでおり、外面は、蒸気遮断材料を含んでおり、ただし、レンズ接触面の材料は、本質的にペルフルオロポリマーではないという条件付きである。ここで使用される眼用レンズ、医薬品、ブリスターボウル、およびかかる医薬品の約16%未満を吸収する材料はすべて、これらについて前述された意味および好ましい範囲を有する。
【0016】
用語「レンズ接触面」とは、眼用レンズ、または、眼用レンズとそのパッケージ用溶液に接触しているブリスターボウルの部分を示す。用語「外面」とは、レンズ接触面を除くボウルの部分を示す。用語「蒸気遮断材料」とは、ブリスターボウルを通過するパッケージ用溶液の拡散を抑制する材料を示す。好ましい蒸気遮断材料は、限定されるものではないが、ポリプロピレン、およびZEONORという商品名でZeon Chemicals L.P.により販売されている2つの異なる脂環式モノマーを含有している脂環式コポリマーを含む。ZEONORには、70〜163℃のガラス転移温度を有するいくつかの異なるグレードがある。特に好ましいZEONORは、ZEONOR 1600または1420Rであり、これは、製造者ZEON Chemicals L.P.によると、1420Rについては20g/10分の範囲、および1600については7g/10分の範囲の(280℃においてJISK6719で試験されたときの)溶融流量(「MFR」)を有しており、両方ともがASTMD792により測定されたときに1.01の比重(HO=1)を有しており、また、1420Rについては136℃、および1600については163℃のガラス転移温度を有している。本発明は、下記の図面によりさらなる詳細が示されている。
【0017】
図1は、本発明のブリスターボウル10の透視図を示している。レンズ接触面12は、パッケージ用溶液と共に、あるいはパッケージ用溶液無しで、眼用レンズを収納するように形作られている。レンズ接触面12は、前述の医薬品の約16%未満を吸収する材料で作製される。環状のシール用リング16は、ブリスターボウル10が閉じられたときに、レンズを封じ込めるようにラミネート箔でシールされる一段高くなった表面である。好ましいレンズ接触面材料は、前述したポリスルホン、および上記で説明されているポリカーボネートコポリマーである。外面14は、蒸気遮断材料である。好ましい蒸気遮断材料は、ヒートシールされ得る熱プラスチックであり、貯蔵寿命を増大させるのに十分な蒸気遮断性(vapor barrier)を有する。特に好ましい蒸気遮断材は、ポリプロピレンおよび2つの異なる脂環式モノマーを含有している脂環式コポリマーである。図2は、レンズ接触面12、およびこの周りを囲んでいるフランジ18の断面図を示している。図3は、外面14の透視図を示している。図4は、内部チャネル20を備えた外面14の透視断面図を示している。図5は、内部チャネル20に挿入されたレンズ接触面12を備えた外面14を図示している。図面により示されている実施形態において、周囲フランジ18は、レンズ接触面12と同じ材料で作製されており、周囲フランジ18は、内部チャネル20で覆われており、内部チャネル20に連結されている。本発明の他の実施形態が、図6により図示されている。この実施形態において、環状リング26は、ブリスターボウルの中にレンズを着座させるために使用されるものであり、周囲フランジ28上に設けられている。図7は、レンズ接触面22、その周りを囲むフランジ28、および環状リング26を図示している。図8は、内部チャネル30を備えた外面24の透視断面図を示している。図9に図示されるように、レンズ接触面22の周囲フランジ28は、外面24に挿入される。図10は、他の実施形態を図示している。レンズ接触面32は、レンズ接触面32(図示せず)の反対側の表面を覆う実質的に平らなフランジ34上にかみ合わせられている。この実施形態においては、周りを囲んでいる。この実施形態においては、レンズ接触面32は、平らなフランジ34とは異なる材料から作製されることが好ましい。
【0018】
先のブリスターパックは、2種類のプラスチック加工用の射出成形機(オーバー成形(over-molding)、サンドイッチ成形(sandwich molding)、またはインサート成形)により作製されてもよく、この射出成形機としては、限定されるものではないが、Arburg Gmbh、Ferromatik、Elektra、Engel、およびその他により製造されているものを含む。加えて、複構成部品射出成形機(several component injection molding machines)が、蒸気遮断材料の複数の層を生成するために使用されてもよい。
【0019】
本発明を説明するために、下記の実施例が含まれる。この実施例は、本発明を限定するものではない。これらは、本発明を実施する方法を示唆することをだけを意味するものである。コンタクトレンズだけでなくその他の専門における見識者は、本発明を実施するその他の方法を見つけ得る。しかしながら、それらの方法は、本発明の範囲内にあるものとみなされる。
【0020】
〔実施例〕
下記の略語が、以下において使用される。すなわち、
パッケージ用溶液A 重量単位で下記の成分を含有する脱イオン水:
NaCl(0.83%)、
ホウ酸(0.91%)、
四ホウ酸ナトリウム十水化物(0.1%)、および
0.2%ポリアクリル酸ナトリウム塩
【0021】
<実施例1>
異なる材料でのパッケージの調製
パッキング用溶液Aにおけるフマル酸ケトチフェンの異なる溶液を、いくつかの実験を通して試験し、表1のデータを作成した。(ブリスター材料およびケトチフェンの量が表1に示され列挙されている。ケトチフェンのフマル酸塩を溶液調製において使用したが、データは溶液中に存在するケトチフェンの量を報告していることに注意されたい。)ブリスターボウル材料を(表1に列挙されているグラム数で)小片に切断し、2.85mLのフマル酸ケトチフェン溶液を備えたガラス瓶に配置した。この瓶を、Teflonが被覆されたブチル製ストッパで閉じ、18分間、124℃で加熱した。この溶液を抽出し、HPLCで試験して、ケトチフェンの濃度(ブリスター材料を添加することなく試験サンプルで滅菌した対照瓶と比較したときの%)を測定した。
【0022】
【表1】

【0023】
〔実施の態様〕
(1)医薬品を含む眼用レンズを包装するためのブリスターボウルにおいて、
前記ブリスターボウルは、前記医薬品の約16%未満を吸収する材料を含んでおり、
ただし、前記材料は、本質的にペルフルオロポリマーではないという条件付きである、ブリスターボウル。
(2)実施態様(1)に記載のブリスターボウルにおいて、
前記材料は、約8%〜約3%の間の前記医薬品を吸収する、ブリスターボウル。
(3)実施態様(1)に記載のブリスターボウルにおいて、
前記材料は、約5%〜約1%の間の医薬品を吸収する、ブリスターボウル。
(4)実施態様(1)に記載のブリスターボウルにおいて、
前記材料は、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、およびポリカーボネートコポリマーからなる群から選択される、ブリスターボウル。
(5)実施態様(1)に記載のブリスターボウルにおいて、
前記材料は、約180℃を超えるガラス転移温度を有するポリスルホンポリマーからなる群から選択される、ブリスターボウル。
(6)実施態様(1)に記載のブリスターボウルにおいて、
前記材料は、約140℃を超えるガラス転移温度を有するポリカーボネートコポリマーからなる群から選択される、ブリスターボウル。
(7)実施態様(1)に記載のブリスターボウルにおいて、
前記材料は、約220℃を超えるガラス転移温度を有するポリエーテルイミドからなる群から選択される、ブリスターボウル。
(8)実施態様(1)に記載のブリスターボウルにおいて、
前記医薬品は、抗ヒスタミン薬であり、
前記抗ヒスタミン薬は、アクリバスチン、アンタゾリン、アステミゾール、アザタジン、アゼラスチン、ブロムフェニルアミン、ブクリジン、ブリマミド、カルビノキサミン、カレバスチン、セチリジン、クロルシクリジン、クロルフェニラミン、シメチジン、シプロキシファム、クレマスチン、クロベンプロピト、クロザピン、シクリジン、シプロヘプタジン、デスブロムフェルニラミン、デスロラタジン、デクスブロムフェニラミン、デクスクロルフェルニラミン、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、ジメンヒドリナート、ジメチンデン、ジフェンヒドラミン、ジフェニルピラリン、ドキシラミン、エバスチン、エフレチリジン、エメダスチン、エピナスチン、ファモチジン、フェクソフェナジン、ヒドロキシジン、インペンタミン、ヨードアミノポテンチジン、ヨードフェンプロピト、ケトチフェン、レボカバスチン、レボセテリジン、ロラタジン、メクリジン、メピラミン、メキタジン、メトジラジン、メタピリレン、ミアンセリン、ミフェチジン、ミゾラスチン、ノラステミゾール、ノレバスチン、オロパタジン、フェニラミン、フェニルトキサミン、ピクマスト、プロメタジン、ピリラミン、ピロブタミン、ランチジン、R−ソプロミジン、S−ソプロミジン、テカステミゾール、テメラスチン、テルフェナジン、チエチルペラジン、チオチジン、トリメプラジン、トリペレナミン、チオペラミド、トリプロリジン、および、これらの薬剤的に許容可能な塩からなる群から選択される、ブリスターボウル。
(9)実施態様(1)に記載のブリスターボウルにおいて、
前記医薬品は、ケトチフェンである、ブリスターボウル。
(10)実施態様(1)に記載のブリスターボウルにおいて、
前記眼用レンズは、etafilcon Aレンズである、ブリスターボウル。
【0024】
(11)医薬品を含む眼用レンズを貯蔵する方法において、
前記方法は、
前記眼用レンズをブリスターボウルに配置することと、
前記ブリスターボウルをカバーで覆うことと、
を含み、
前記ブリスターボウルは、前記医薬品の約16%未満を吸収する材料を含んでおり、
ただし、前記ブリスターボウルの前記材料は、本質的にペルフルオロポリマーではないという条件付きである、方法。
(12)実施態様(11)に記載の方法において、
前記カバーは、内側層を備える接着性ラミネートを含む、方法。
(13)実施態様(12)に記載の方法において、
前記内側層は、約180℃を超えるガラス転移温度を有するポリスルホンを含む、方法。
(14)実施態様(12)に記載の方法において、
前記内側層は、約140℃を超えるガラス転移温度を有するポリカーボネートコポリマーを含む、方法。
(15)実施態様(11)に記載の方法において、
前記ブリスターボウルは、前記医薬品の約10%未満を吸収する材料を含む、方法。
(16)実施態様(11)に記載の方法において、
前記材料は、ポリスルホン、およびポリカーボネートコポリマーからなる群から選択される、方法。
(17)実施態様(11)に記載の方法において、
前記ポリスルホンは、約180℃を超えるガラス転移温度を有する、方法。
(18)実施態様(11)に記載の方法において、
前記ポリカーボネートコポリマーは、約140℃を超えるガラス転移温度を有する、方法。
(19)実施態様(11)に記載の方法において、
前記ブリスターボウルは、前記医薬品の約8%未満から約3%までの間を吸収する材料を含む、方法。
(20)実施態様(11)に記載の方法において、
前記ブリスターボウルは、前記医薬品の約3%未満から約1%までの間を吸収する材料を含む、方法。
【0025】
(21)医薬品を含む眼用レンズを包装するためのブリスターボウルにおいて、
前記ブリスターボウルは、レンズ接触面と、外面とを備えており、
前記レンズ接触面は、前記医薬品の約16%未満を吸収する材料を含み、外面は、蒸気遮断材料を含んでおり、
ただし、前記レンズ接触面の前記材料は、本質的にペルフルオロポリマーではないという条件付きである、ブリスターボウル。
(22)実施態様(21)に記載のブリスターボウルにおいて、
前記レンズ接触面は、前記医薬品を約8%〜約3%の間で吸収する材料を含む、ブリスターボウル。
(23)実施態様(21)に記載のブリスターボウルにおいて、
前記レンズ接触面は、医薬品を約5%〜約1%の間で吸収する材料を含む、ブリスターボウル。
(24)実施態様(21)に記載のブリスターボウルにおいて、
前記レンズ接触面は、ポリスルホン、およびポリカーボネートコポリマーからなる群から選択される材料を含む、ブリスターボウル。
(25)実施態様(21)に記載のブリスターボウルにおいて、
前記レンズ接触面は、約180℃を超えるガラス転移温度を有するポリスルホンポリマーからなる群から選択される材料を含む、ブリスターボウル。
(26)実施態様(21)に記載のブリスターボウルにおいて、
前記レンズ接触面は、約140℃を超えるガラス転移温度を有するポリカーボネートコポリマーからなる群から選択される材料を含む、ブリスターボウル。
(27)実施態様(21)に記載のブリスターボウルにおいて、
前記蒸気遮断材料は、ポリプロピレンを含む、ブリスターボウル。
(28)実施態様(21)に記載のブリスターボウルにおいて、
前記蒸気遮断材料は、2つの異なる脂環式モノマーを含有する脂環式コポリマーを含む、ブリスターボウル。
(29)実施態様(21)に記載のブリスターボウルにおいて、
前記外面は、蒸気遮断材料の少なくとも2つの層を含む、ブリスターボウル。
(30)実施態様(29)に記載のブリスターボウルにおいて、
前記蒸気遮断材料のうちの一つは、ポリプロピレンである、ブリスターボウル。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】図1は、ブリスターパッケージの透視図を示している。
【図2】図2は、ブリスターパッケージの一部の断面図を示している。
【図3】図3は、ブリスターパッケージの一部の透視図を示している。
【図4】図4は、ブリスターパッケージの断面の一部の透視図を示している。
【図5】図5は、ブリスターパッケージの透視断面図を示している。
【図6】図6は、ブリスターパッケージの透視図を示している。
【図7】図7は、ブリスターパッケージの一部の透視図を示している。
【図8】図8は、ブリスターパッケージの断面の一部の透視図を示している。
【図9】図9は、ブリスターパッケージの断面の透視図を示している。
【図10】図10は、ブリスターパッケージの断面の一部の透視図を示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
医薬品を含む眼用レンズを包装するためのブリスターボウルにおいて、
前記ブリスターボウルは、前記医薬品の約16%未満を吸収する材料を含んでおり、
ただし、前記材料は、本質的にペルフルオロポリマーではないという条件付きである、ブリスターボウル。
【請求項2】
請求項1に記載のブリスターボウルにおいて、
前記材料は、約8%〜約3%の間の前記医薬品を吸収する、ブリスターボウル。
【請求項3】
請求項1に記載のブリスターボウルにおいて、
前記材料は、約5%〜約1%の間の医薬品を吸収する、ブリスターボウル。
【請求項4】
請求項1に記載のブリスターボウルにおいて、
前記材料は、ポリスルホン、ポリエーテルイミド、およびポリカーボネートコポリマーからなる群から選択される、ブリスターボウル。
【請求項5】
請求項1に記載のブリスターボウルにおいて、
前記材料は、約180℃を超えるガラス転移温度を有するポリスルホンポリマーからなる群から選択される、ブリスターボウル。
【請求項6】
請求項1に記載のブリスターボウルにおいて、
前記材料は、約140℃を超えるガラス転移温度を有するポリカーボネートコポリマーからなる群から選択される、ブリスターボウル。
【請求項7】
請求項1に記載のブリスターボウルにおいて、
前記材料は、約220℃を超えるガラス転移温度を有するポリエーテルイミドからなる群から選択される、ブリスターボウル。
【請求項8】
請求項1に記載のブリスターボウルにおいて、
前記医薬品は、抗ヒスタミン薬であり、
前記抗ヒスタミン薬は、アクリバスチン、アンタゾリン、アステミゾール、アザタジン、アゼラスチン、ブロムフェニルアミン、ブクリジン、ブリマミド、カルビノキサミン、カレバスチン、セチリジン、クロルシクリジン、クロルフェニラミン、シメチジン、シプロキシファム、クレマスチン、クロベンプロピト、クロザピン、シクリジン、シプロヘプタジン、デスブロムフェルニラミン、デスロラタジン、デクスブロムフェニラミン、デクスクロルフェルニラミン、ジフェンヒドラミン、ドキシラミン、ジメンヒドリナート、ジメチンデン、ジフェンヒドラミン、ジフェニルピラリン、ドキシラミン、エバスチン、エフレチリジン、エメダスチン、エピナスチン、ファモチジン、フェクソフェナジン、ヒドロキシジン、インペンタミン、ヨードアミノポテンチジン、ヨードフェンプロピト、ケトチフェン、レボカバスチン、レボセテリジン、ロラタジン、メクリジン、メピラミン、メキタジン、メトジラジン、メタピリレン、ミアンセリン、ミフェチジン、ミゾラスチン、ノラステミゾール、ノレバスチン、オロパタジン、フェニラミン、フェニルトキサミン、ピクマスト、プロメタジン、ピリラミン、ピロブタミン、ランチジン、R−ソプロミジン、S−ソプロミジン、テカステミゾール、テメラスチン、テルフェナジン、チエチルペラジン、チオチジン、トリメプラジン、トリペレナミン、チオペラミド、トリプロリジン、および、これらの薬剤的に許容可能な塩からなる群から選択される、ブリスターボウル。
【請求項9】
請求項1に記載のブリスターボウルにおいて、
前記医薬品は、ケトチフェンである、ブリスターボウル。
【請求項10】
請求項1に記載のブリスターボウルにおいて、
前記眼用レンズは、etafilcon Aレンズである、ブリスターボウル。
【請求項11】
医薬品を含む眼用レンズを貯蔵する方法において、
前記方法は、
前記眼用レンズをブリスターボウルに配置することと、
前記ブリスターボウルをカバーで覆うことと、
を含み、
前記ブリスターボウルは、前記医薬品の約16%未満を吸収する材料を含んでおり、
ただし、前記ブリスターボウルの前記材料は、本質的にペルフルオロポリマーではないという条件付きである、方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、
前記カバーは、内側層を備える接着性ラミネートを含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、
前記内側層は、約180℃を超えるガラス転移温度を有するポリスルホンを含む、方法。
【請求項14】
請求項12に記載の方法において、
前記内側層は、約140℃を超えるガラス転移温度を有するポリカーボネートコポリマーを含む、方法。
【請求項15】
請求項11に記載の方法において、
前記ブリスターボウルは、前記医薬品の約10%未満を吸収する材料を含む、方法。
【請求項16】
請求項11に記載の方法において、
前記材料は、ポリスルホン、およびポリカーボネートコポリマーからなる群から選択される、方法。
【請求項17】
請求項11に記載の方法において、
前記ポリスルホンは、約180℃を超えるガラス転移温度を有する、方法。
【請求項18】
請求項11に記載の方法において、
前記ポリカーボネートコポリマーは、約140℃を超えるガラス転移温度を有する、方法。
【請求項19】
請求項11に記載の方法において、
前記ブリスターボウルは、前記医薬品の約8%未満から約3%までの間を吸収する材料を含む、方法。
【請求項20】
請求項11に記載の方法において、
前記ブリスターボウルは、前記医薬品の約3%未満から約1%までの間を吸収する材料を含む、方法。
【請求項21】
医薬品を含む眼用レンズを包装するためのブリスターボウルにおいて、
前記ブリスターボウルは、レンズ接触面と、外面とを備えており、
前記レンズ接触面は、前記医薬品の約16%未満を吸収する材料を含み、外面は、蒸気遮断材料を含んでおり、
ただし、前記レンズ接触面の前記材料は、本質的にペルフルオロポリマーではないという条件付きである、ブリスターボウル。
【請求項22】
請求項21に記載のブリスターボウルにおいて、
前記レンズ接触面は、前記医薬品を約8%〜約3%の間で吸収する材料を含む、ブリスターボウル。
【請求項23】
請求項21に記載のブリスターボウルにおいて、
前記レンズ接触面は、医薬品を約5%〜約1%の間で吸収する材料を含む、ブリスターボウル。
【請求項24】
請求項21に記載のブリスターボウルにおいて、
前記レンズ接触面は、ポリスルホン、およびポリカーボネートコポリマーからなる群から選択される材料を含む、ブリスターボウル。
【請求項25】
請求項21に記載のブリスターボウルにおいて、
前記レンズ接触面は、約180℃を超えるガラス転移温度を有するポリスルホンポリマーからなる群から選択される材料を含む、ブリスターボウル。
【請求項26】
請求項21に記載のブリスターボウルにおいて、
前記レンズ接触面は、約140℃を超えるガラス転移温度を有するポリカーボネートコポリマーからなる群から選択される材料を含む、ブリスターボウル。
【請求項27】
請求項21に記載のブリスターボウルにおいて、
前記蒸気遮断材料は、ポリプロピレンを含む、ブリスターボウル。
【請求項28】
請求項21に記載のブリスターボウルにおいて、
前記蒸気遮断材料は、2つの異なる脂環式モノマーを含有する脂環式コポリマーを含む、ブリスターボウル。
【請求項29】
請求項21に記載のブリスターボウルにおいて、
前記外面は、蒸気遮断材料の少なくとも2つの層を含む、ブリスターボウル。
【請求項30】
請求項29に記載のブリスターボウルにおいて、
前記蒸気遮断材料のうちの一つは、ポリプロピレンである、ブリスターボウル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−543736(P2009−543736A)
【公表日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−519579(P2009−519579)
【出願日】平成19年6月29日(2007.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2007/072433
【国際公開番号】WO2008/008636
【国際公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【出願人】(591175675)ジョンソン・アンド・ジョンソン・ビジョン・ケア・インコーポレイテッド (44)
【Fターム(参考)】