説明

医薬品製剤

【課題】酸性溶液中で分解する医薬を含む、中性ないし塩基性の非緩衝性薬液を収容したプレフィルドシリンジの形態であっても、薬液の品質の安定性が保たれ、当該薬液の長期間の保存に適した医薬品製剤を提供する。
【解決手段】酸性溶液中で分解する医薬を含む、中性ないし塩基性の非緩衝性薬液が、ゴム製の部材と合成樹脂製の部材とを含むガス透過性容器に収容され、さらに前記ガス透過性容器がガス非透過性の包装体で包装されてなる医薬品製剤であって、前記ガス非透過性の包装体と前記ガス透過性容器との間隙部に二酸化炭素を除去する手段を備える医薬品製剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、酸性溶液中で分解する医薬を含む、中性ないし塩基性の非緩衝性薬液が、ゴム製の部材と合成樹脂製の部材とを含むガス透過性容器に収容され、前記ガス透過性容器がガス非透過性の包装体で包装されてなる医薬品製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より広く用いられてきた注射用の医薬品製剤として、薬液をガラス製のアンプルに収容してなるものがある。近年では、プラスチック製のアンプルに薬液を収容してなる当該医薬品製剤も知られている。
【0003】
さらに最近では、上述したアンプル製剤以外に、薬液を注射器の容器内に予め収容してなるプレフィルドシリンジと呼ばれる形態の医薬品製剤が開発され、多く用いられている(たとえば特開平11−124333号公報(特許文献1)、国際公開第00/40267号パンフレット(特許文献2))。
【0004】
上記プレフィルドシリンジでは、バレル(シリンジ外筒)の形成材料として、通常、ポリプロピレンなどのガス透過性のプラスチックが用いられているため、酸性溶液中で分解する医薬を含む、中性ないし塩基性の非緩衝性薬液を収容した場合には、経時的な品質の劣化が起こり、当該医薬品製剤に関する規格を満たすことができない場合がある。
【特許文献1】特開平11−124333号公報
【特許文献2】国際公開第00/40267号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、酸性溶液中で分解する医薬を含む、中性ないし塩基性の非緩衝性薬液を収容したプレフィルドシリンジの形態であっても、薬液の品質の安定性が保たれ、当該薬液の長期間の保存に適したものである医薬品製剤(特にプレフィルドシリンジ)を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するべく、本発明者らは、まず後述する実験例に詳述するように、酸性溶液中で分解し得るシタラビンの非緩衝性溶液を収容したプレフィルドシリンジを、薬液が外気中の二酸化炭素を吸収して酸性化しないようにガス非透過性の包装体(たとえば透明蒸着フィルム(GLフィルム(凸版印刷株式会社製))にて包装した場合と、当該包装体を設けない場合とで、経時的な品質を評価する実験を行ったところ、予想に反して、包装体を設けた方が包装体を設けない場合よりも寧ろ経時的な品質の劣化が大きいという結果を得た。
【0007】
上記結果を受け、本発明者らは、さらに実験を進めた結果、ゴム(特に塩素化ブチルゴム)を用いて形成されたトップキャップおよびガスケットを有するプレフィルドシリンジでは、このトップキャップおよびガスケット(場合によってはガス非透過性の包装体)から経時的に二酸化炭素が発生しており、この二酸化炭素が薬液に溶け込んで薬液のpHを低下させ、シタラビンの非緩衝性薬液の品質を劣化させていることを見出した。
【0008】
本発明者らは、ガス非透過性の包装体とプレフィルドシリンジとの間隙部に、二酸化炭素を除去する手段を設けることを着想し、本発明を完成するに至った。
【0009】
したがって、本発明としては、たとえば酸性溶液中で分解する医薬を含む、中性ないし塩基性の非緩衝性薬液が、ゴム製の部材と合成樹脂製の部材とを含むガス透過性容器に収容され、さらに前記ガス透過性容器がガス非透過性の包装体で包装されてなる医薬品製剤であって、前記ガス非透過性の包装体と前記ガス透過性容器との間隙部に、二酸化炭素を除去する手段を有する医薬品製剤(特にプレフィルドシリンジ)を挙げることができる。
【0010】
酸性溶液中で分解する医薬としては、たとえば、シタラビン、フルオロウラシル、テガフールを挙げることができる。それらの中で、本発明は、シタラビンに対して好ましい。
【0011】
酸性溶液中で分解する医薬を含む、中性ないし塩基性の非緩衝性薬液としては、たとえば、シタラビンを有効成分とするキロサイド(登録商標)N注(日本新薬株式会社製。以下同じ)に含まれる薬液、フルオロウラシルを有効成分とする5−FU注250協和(協和発酵工業株式会社製)に含まれる薬液、テガフールを有効成分とするフトラフール(登録商標)注(大鵬薬品工業株式会社製)に含まれる薬液を挙げることができる。それらの中で、本発明は、シタラビンを有効成分とするキロサイドN注に含まれる薬液に対して好ましい。
【0012】
本発明において「非緩衝性薬液」とは、緩衝剤を添加するなどして、溶液のpHを一定に保つ工夫が特になされていない薬液をいう。
【0013】
「二酸化炭素を除去する手段」とは、ガス非透過性の包装体とガス透過性容器との間隙部の雰囲気を、二酸化炭素を含まない状態とすることができる手段をいい、具体的には、当該間隙部における二酸化炭素の濃度が0.05%以下(より好適には0.01%以下)にすることができる手段をいう。当該間隙部における二酸化炭素の濃度は、たとえばガスクロマトグラフ法により測定することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、酸性溶液中で分解する医薬を含む、中性ないし塩基性の非緩衝性薬液を収容したプレフィルドシリンジの形態であっても、上記課題を解決するための手段を備えることで、当該薬液の品質の安定性が保たれ、当該薬液の長期間の保存に適した医薬品製剤を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
図1により、本発明をより詳細に説明する。図1は、本発明の好ましい一実施態様(医薬品製剤1)を模式的に示す断面図である。なお、本発明は、かかる実施態様に限定されるものではない。本発明の医薬品製剤1は、ゴム製の部材と合成樹脂製の部材とを含むガス透過性容器2と、当該ガス透過性容器2を収容するガス非透過性の包装体3とを備えるものである。
【0016】
図1に示す医薬品製剤1におけるガス透過性容器2は、ゴム製の部材としてトップキャップ4およびガスケット5を有し、合成樹脂製の部材としてバレル(シリンジ外筒)6およびプランジャ7を有する。このガス透過性容器2において、バレル6の内壁、トップキャップ4およびガスケット5により形成される空間内に、酸性溶液中で分解する医薬を含む、中性ないし塩基性の非緩衝性薬液8が収容されている。図1に示すガス透過性容器2では、バレル6は円筒状の部材で形成され、長手方向の一方の端部が注射器の注出口を形成するように径方向に断面積が小さく形成された先端を有し、この先端は、用時に注射針などを取り付けることができる構造を有するように形成されている(図示せず)。前記先端には、バレル6内に収容される薬液8を封止するためのトップキャップ4が、用時には取り外し可能なように嵌め込まれている。バレル6の長手方向の他方の端部にはプランジャ7が挿入され、このバレル6内に挿入されたプランジャ7の先端には、可撓性を有するガスケット5が嵌め込まれている。またバレル6の前記他方の端部は、通常、径方向に広がるようにしてフランジが形成されている。このような構成を備えるプレフィルドシリンジは、用時には、バレル6の注出口に嵌め込まれたトップキャップ4を取り外して注射針などを取り付け、プランジャ7をガスケット5ごと注出口側へ押圧することで、薬液8を注出口から押出して注射に供することができる。
【0017】
本発明の医薬品製剤1のガス透過性容器2におけるバレル6を形成する合成樹脂としては、医療用容器などに汎用されている樹脂であればよく、たとえばポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(TPX)、ポリエチレン(PE)などのポリアルキレン系樹脂であることが好ましい。特に、高圧蒸気滅菌に対する耐熱性の観点から、PPで形成されたバレル6を用いることが好ましい。
【0018】
また、本発明の医薬品製剤1のガス透過性容器2におけるトップキャップ4およびガスケット5の形成材料となるゴムとしては、具体的には塩素化ブチルゴム、ノーマルブチルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、シリコーンゴム、エラストマーなどが挙げられる。特に、耐熱性の観点から、塩素化ブチルゴム、ノーマルブチルゴムが好適に用いられる。トップキャップ4およびガスケット5としては、具体的には、塩素化ブチルゴム製の製品(ニプロ株式会社製)を挙げることができる。
【0019】
本発明の医薬品製剤1におけるガス非透過性の包装体3としては、一般に医療用として汎用されている各種材質のフィルム、シートなどを挙げることができるが、具体的には、ポリエチレンテレフタレート、エチレンビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリアミド、ポリエステル、ナイロンなどを含む単層の樹脂フィルム、あるいはこれらの樹脂をコーティングまたはラミネートした積層フィルムが挙げられる。より具体的には、透明蒸着フィルム(GLフィルム、凸版印刷株式会社製)およびシリカ蒸着フィルム(テックバリア(登録商標)、三菱樹脂株式会社製)などのガス非透過性の包装体を用いることが好ましい。なお、本発明におけるガス非透過性の包装体3における「ガス非透過性」とは、たとえば、JIS規格(1987年版)K7126「プラスチックフィルム及びシートの気体透過度試験法」により測定された二酸化炭素の透過性が20cm3/m2・24hrs・atm以下であることを指す。
【0020】
本発明の医薬品製剤1における、二酸化炭素を除去する手段10としては、ガス透過性容器2とガス非透過性の包装体3との間の間隙部9の雰囲気を二酸化炭素を含まない状態にできる手段であれば特に制限されるものではなく、たとえば、二酸化炭素吸収剤、窒素などの不揮発性ガス置換を挙げることができる。中でも、雰囲気中に存在あるいは発生する二酸化炭素を除去することができる、二酸化炭素吸収剤が好ましい。二酸化炭素吸収剤としては、空気と接触することで二酸化炭素吸収の反応を開始するいわゆる自力反応型の二酸化炭素吸収剤が好ましい。このような二酸化炭素吸収剤としては公知のものを挙げることができ、たとえばエージレス(登録商標)ZH type(三菱ガス化学株式会社製)、エージレス(登録商標)ZP type(三菱ガス化学株式会社製)、タモツ(登録商標)V type(大江化学工業株式会社製)などを挙げることができる。
【0021】
上述した二酸化炭素を除去する手段10として二酸化炭素吸収剤を用いる場合、間隙部において発生すると見積もられる二酸化炭素の量に対し、その2倍量以上、好ましくは20倍量以上の二酸化炭素を除去し得る二酸化炭素吸収剤を間隙部9に設けることができる。具体的には、間隙部において発生すると見積もられる二酸化炭素の量が約0.5mLである場合、1mL以上、好ましくは10mL以上の二酸化炭素を除去し得る二酸化炭素吸収剤を間隙部9に設けることができる。
【0022】
以下、本発明の医薬品製剤に関する実験例を示す。
<実験例1>
まず、酸性溶液中で分解する医薬を含む、中性ないし塩基性の非緩衝性薬液としてシタラビンを有効成分とするキロサイドN注に含まれる薬液を、プレフィルドシリンジ(本発明でいう「ガス透過性容器」)に20mL充填した。キロサイドN注に含まれる薬液は、20mL中に有効成分としてシタラビンを400mg含有し、その他の添加物として等張化剤である塩化ナトリウム180mgおよび溶剤である注射用水を含有するものである。
【0023】
プレフィルドシリンジとしては、バレル(シリンジ外筒)およびプランジャがポリプロピレン製(ニプロファーマ株式会社製)であり、トップキャップおよびガスケットが塩素化ブチルゴム製(ニプロ株式会社製)であるものを用いた。
【0024】
このようにキロサイドN注に含まれる薬液を充填したプレフィルドシリンジを、加熱滅菌後、2つの群に分け、1方の群のプレフィルドシリンジを透明蒸着フィルム(GLフィルム、凸版印刷株式会社製)の包装体(本発明でいう「ガス非透過性の包装体」)にて密封包装した。
【0025】
これら2群のプレフィルドシリンジおよびキロサイドN注アンプル製剤(ガラスアンプル製剤)につき、40℃±1℃、75%RH±5%RHの加速条件にて、6ヶ月間の保存実験を行った。pHは日局一般試験法pH測定法に従い測定し、またAra−U(ウラシル アラビノシド、シタラビンの分解産物)の濃度は液体クロマトグラフ法により測定した。
【0026】
その結果を図2および図3に示す。図2および図3から、キロサイドN注に含まれる薬液を充填したプレフィルドシリンジの場合、当該プレフィルドシリンジにガス非透過性の包装体を設けない方(細実線)が経時的な薬液のpHの低下およびAra−Uの生成の割合が小さく、ガラスアンプル製剤(破線)に近い性状を示すことが分かった。
【0027】
<実験例2>
実験例1の結果から明らかなとおり、予想に反して、プレフィルドシリンジをガス非透過性の包装体で包装した方が、Ara−Uの生成割合が大きかったため、その原因がプレフィルドシリンジの部材にあるのではないかと考え、プレフィルドシリンジの各部材について以下の実験を行った。
【0028】
実験例1で用いた透明蒸着フィルム(GLフィルム、凸版印刷株式会社製)の包装体(a)、実験例1で用いた塩素化ブチルゴム製のトップキャップおよびガスケット(b)、実験例1で用いたポリプロピレン製のバレル(c)を、それぞれガラス製バイアルに封入し、60℃で1週間保存後、バイアルの内部空間に存在するガス成分をガスクロマトグラフ質量分析法GC−MS(Turbo Mass(PERKIN ELMER社製))により測定し、また、エラストマー製のトップキャップおよびガスケット(ニプロ株式会社製)(d)についても、ガラス製バイアルに封入して、同様の実験を行った。さらに、ガラス製バイアル中に二酸化炭素を封入した場合(二酸化炭素濃度:99.5%)(e)、ブランクの場合(空気のみが存在)(f)についても、同様の条件で処置した。
【0029】
その結果、図4に示すように、(a)〜(f)に示すマススペクトルのうち、包装体に係る(a)、トップキャップおよびガスケットに係る(b)および二酸化炭素に係る(e)において、二酸化炭素の存在を示す44(m/e)のピークが顕著に現れていた。このことにより、プレフィルドシリンジの部材である塩素化ブチルゴム製のトップキャップおよびガスケット、ならびに、透明蒸着フィルム(GLフィルム、凸版印刷株式会社製)の包装体からも、二酸化炭素が発生していることが示された。
【0030】
<実験例3>
実験例2の結果を受け、今度は、プレフィルドシリンジをガス非透過性の包装体で包装しない場合と、包装した上で内部に二酸化炭素吸収剤を備えた場合とで、どのような差が生じるかを検討するために、以下の実験を行った。
【0031】
実験例1と同様に、キロサイドN注に含まれる薬液20mLを充填し、加熱滅菌後、プレフィルドシリンジを複数本用意した。一方の群のプレフィルドシリンジをガス非透過性フィルム(成形シート:PP、EVOH、台紙:PET、PP)の包装体にて包装した。この際、プレフィルドシリンジと包装体との間の間隙部に二酸化炭素吸収剤(エージレスZH−100(三菱ガス化学株式会社製))を封入した。他方の群には包装を施さなかった。
【0032】
これら2群のプレフィルドシリンジと1群のキロサイドN注ガラスアンプル製剤との3群について、40℃±1℃、75%RH±5%RHの加速条件にて、6ヶ月の保存試験を行った。
【0033】
その結果を図5および図6に示す。図5および図6から、二酸化炭素吸収剤を封入した方(太実線)は、包装体を設けなかった場合(細実線)と比較して、ガラスアンプル製剤(破線)の安定性により近い性状を示した。
【0034】
以上から明らかなとおり、酸性溶液中で分解する医薬を含む、中性ないし塩基性の非緩衝性薬液が、ゴム製の部材と合成樹脂製の部材とを含むガス透過性容器に収容され、さらに前記ガス透過性容器がガス非透過性の包装体で包装されてなる医薬品製剤において、ガス非透過性の包装体とガス透過性容器との間隙部に、二酸化炭素を除去する手段を設けることによって、当該薬液の品質の劣化を抑えることができた。
【0035】
今回開示された実施の形態、実施例および比較例は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の好ましい一実施態様である医薬品製剤1を模式的に示す断面図である。
【図2】実験例1の実験結果を示すグラフであり、縦軸はpH変化量、横軸は時間(箇月)を示している。図中、太実線は包装体あり(二酸化炭素吸収剤なし)の場合の結果を、細実線は包装体なしの結果を、破線はガラスアンプル製剤の場合の結果をそれぞれ表している。
【図3】実験例1の実験結果を示すグラフであり、縦軸はAra−Uの生成割合(%)、横軸は時間(箇月)を示している。図中、太実線は包装体あり(二酸化炭素吸収剤なし)の場合の結果を、細実線は包装体なしの結果を、破線はガラスアンプル製剤の場合の結果をそれぞれ表している。
【図4】実験例2の実験結果を示すマススペクトルであり、(a)は包装体、(b)は塩素化ブチルゴム製のトップキャップおよびガスケット、(c)はエラストマー製のトップキャップおよびガスケット、(d)はポリプロピレン製のバレル、(e)は二酸化炭素、(f)はブランクの場合についての結果をそれぞれ示している。
【図5】実験例3の実験結果を示すグラフであり、縦軸はpH変化量、横軸は時間(箇月)を示している。図中、太実線は二酸化炭素吸収剤ありの場合の結果を、細実線は包装体なしの場合の結果を、破線はガラスアンプル製剤の場合の結果をそれぞれ表している。
【図6】実験例3の実験結果を示すグラフであり、縦軸はAra−Uの生成割合(%)、横軸は時間(箇月)を示している。図中、太実線は二酸化炭素吸収剤ありの場合の結果を、細実線は包装体なしの場合の結果を、破線はガラスアンプル製剤の場合の結果をそれぞれ表している。
【符号の説明】
【0037】
1 医薬品製剤、2 ガス透過性容器、3 ガス非透過性の包装体、4 トップキャップ、5 ガスケット、6 バレル、7 プランジャ、8 薬液、9 間隙部、10 二酸化炭素を除去する手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
酸性溶液中で分解する医薬を含む、中性ないし塩基性の非緩衝性薬液が、ゴム製の部材と合成樹脂製の部材とを含むガス透過性容器に収容され、さらに前記ガス透過性容器がガス非透過性の包装体で包装されてなる医薬品製剤であって、
前記ガス非透過性の包装体と前記ガス透過性容器との間隙部に、二酸化炭素を除去する手段を備える医薬品製剤。
【請求項2】
二酸化炭素を除去する手段が二酸化炭素吸収剤である、請求項1に記載の医薬品製剤。
【請求項3】
酸性溶液中で分解する医薬が、シタラビンである、請求項1に記載の医薬品製剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−165505(P2009−165505A)
【公開日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−3527(P2008−3527)
【出願日】平成20年1月10日(2008.1.10)
【出願人】(000135036)ニプロ株式会社 (583)
【出願人】(000004156)日本新薬株式会社 (46)
【Fターム(参考)】