説明

医薬組成物および固体形態

本発明は、6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドの医薬組成物、治療適用、特にVEFGの調節不全/過発現、(新)血管形成およびVEGF誘発血管形成を有する適応症への6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドおよび6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドの組成物の使用およびかかる組成物の製造方法に関し、本発明はさらに6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドの特定の形態およびかかる形態の製造方法に関する。本発明はまた6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドの新規製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
発明の分野
本発明は、6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドの医薬組成物、治療適用、特にVEFGの調節不全/過発現、(新)血管形成およびVEGF誘発血管形成を有する適応症への6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドおよび6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドの組成物の使用、そしてかかる組成物の製造方法に関し、本発明はさらに6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドの特定の形態、そしてかかる形態の製造および使用方法に関する。本発明はまた6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドの新規製造方法にも関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
WO2006/059234は、6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドのようなある種のナフタレン−1−カルボン酸誘導体、これらの誘導体の製造方法およびそれらの種々の医薬用途を記載する。さらに、該文献はかかる誘導体の経口投与を示唆し、カプセルのような単位投与形態の医薬組成物を極めて一般的に開示している。WO2006/059234は、ナフタレン−1−カルボン酸誘導体がタンパク質キナーゼ類、特に血管内皮細胞増殖因子受容体(VEGF−R)、例えば特にVEGF−R2を阻害することも記載する。
【0003】
WO2007/031265は、ナフタレン−1−カルボン酸誘導体および透過促進剤としてのオレイルアルコールを含むある種の局所組成物を記載する;かかる組成物の種々の医薬用途も記載されている。
【0004】
VEFGの調節不全/過発現、(新)血管形成、VEGF誘発血管形成および炎症を伴う疾患/障害に治療効果を有する薬物を提供する必要性がまだ存在する。
【0005】
酒さは一般的な、慢性で進行性の顔面皮膚障害である。それは主に顔の中央部に発症し、顔の赤味またはほてりにより特徴付けられる。酒さは紅斑、丘疹、膿疱および毛細血管拡張により特徴付けられる(Wilkin J, Dahl M, Detmar, M, Drake L, Liang MH, Odom R, Powell F. Standard grading system for rosacea: Report of the National Rosacea Society Expert Committee on the Classification and Staging of Rosacea. J Am Acad Dermatol 2004 June; 61(6): 907-12)。
【0006】
この皮膚障害は25〜70歳で起こることが最も多く、一般に女性に多いが、重篤な症例は男性で観察されている。酒さは、軽微な形態(紅斑性酒さ(erythematotelangiectatic rosecea))では、鼻と頬に、そしてある場合には、額と頤に僅かな潮紅が起こる。しかしながら、より重篤な形態(酒さ性ざ瘡(papulopustular rosacea))では、永続性の顔面中央部の紅斑と一過性の丘疹または膿疱もしくはその両方が観察される。他の重篤な形態(鼻瘤(phymatous rosacea))では、皮膚の肥厚、不規則な表面の小結節形成と拡大が観察される。眼および眼瞼に影響する酒さもまた観察されている。モルビアン病(Morbihan disease)として知られる酒さの稀な合併症も存在し、これは、酒さの慢性臨床経過中に起こる顔の上半分の永続性のリンパ浮腫により特徴付けられる(T. Nagasaka, T. Koyama, K. Matsumura, K. R. Chen. Persistent lymphoedema in Morbihan disease: formation of perilymphatic epithelioid cell granulomas as a possible pathogenesis. Clin Exp Dermat 2008, 33(6), 764-767)。
【0007】
VEGFの発現は酒さの皮膚病変で上昇する(Gomaa AH, Yaar M, Eyada MM, Bhawan J. Lymphangiogenesis and angiogenesis in non-phymatous rosacea. J Cutan Pathol. 2007 Oct; 34(10): 748-53; Laquer V, Hoang V, Nguyen A, Kelly KM. Angiogenesis in cutaneous disease: Part II. J Am Acad Dermatol 2009 Dec; 61(6): 945-58)。
酒さの多因子性局面の点から、処置を受ける患者に危険がない、有効な処置が必要である。
【0008】
有効性、バイオアベイラビリティ、安定性および/または患者認容性を改善し得る組成物、該組成物の使用ならびに化合物の新規特異的形態、および効率、工程数、収率、商品原価、安全性プロファイル、選択性および反応時間を改善し得る製造方法を同定することが望まれる。
【0009】
これらの目標は、ここに定める組成物および化合物により、ここに定める疾患、特に皮膚科疾患に使用するための該化合物およびその組成物を提供することにより、およびここに定める組成物および化合物の製造方法を提供することにより達成される。
【0010】
本発明のさらなる面は本明細書および独立請求項に開示され、好ましい態様は本明細書および従属請求項に開示される。
【発明の概要】
【0011】
発明の概要
本発明は、その最も広い意味では、本発明の薬物として化合物6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド:
【化1】

および1種以上の添加物を含む局所医薬組成物を提供し、かかる組成物は好ましくは半固体である。かかる組成物の製造方法、かかる組成物の使用および本発明の薬物の特定の形態も提供する。特に、本発明は、第一の面において、本発明の薬物を含む溶液タイプの局所医薬組成物を提供する;第二の面において、本発明の薬物を含む懸濁液タイプの局所医薬組成物を提供する;第三の面において、6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその塩、または多形、または溶媒和物の製造方法を提供する;第四の面において、6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその塩、または多形、または溶媒和物を含む組成物の製造方法を提供する;第五の面において、医薬、特に皮膚科疾患処置用医薬としてのかかる組成物の使用、皮膚科疾患の処置用医薬としての6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその塩、または多形、または溶媒和物の使用を提供し、そして、第六の面において、本発明の薬物の特定の形態、かかる特定の形態の使用方法および製造方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】反射モードにより記録された形態BのXRPDパターンを開示する。
【図2】反射モードにより記録された形態B(高度に結晶性の物質)のXRPDパターンを開示する。
【図3】反射モードにより記録された形態AのXRPDパターンを開示する。
【図4】透過モードにより記録された形態BのXRPDパターンを開示する。
【図5】透過モードにより記録された形態AのXRPDパターンを開示する。
【図6】本発明の薬物の結晶を示す、軟膏Eの顕微鏡観察を開示する。
【図7】セチル/ステアリル結晶を示す、軟膏Eの顕微鏡観察を開示する。
【図8】軟膏Cの顕微鏡観察を開示する。
【図9】軟膏Bの巨視的観察を開示する。
【発明を実施するための形態】
【0013】
好ましい態様の詳細な記載
本発明は、次の用語集および最終的実施例を含む、次の詳細な記載を考慮して、より完全に認識でき、そして上に記載した以外の目的が明らかになる。
【0014】
ここで使用する用語“含む”、“包含する”および“含”は、ここで、その開放型の、非限定的意味で使用する。複数形態(例えば化合物群、添加物群)が使用されているとき、これは単一の(例えば一つの化合物、一つの添加物)を含む。“化合物”は、(例えば医薬組成物において)1種を超える化合物(またはその塩)が存在することを除外しない。
【0015】
本発明の薬物である6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドは、非晶質および多形体のような結晶形態を表すことを意図する。本発明の薬物はまたその溶媒和物、特にヘミ水和物、その薬学的に許容される塩およびその混合物も表すことを意図する。本発明の薬物は、粉砕形態のような特定の固体状態特性を示す物質も表すことを意図する。
【0016】
本明細書および特許請求の範囲に提供/開示される本発明種々の態様、好ましい態様および範囲を他の特定の特性と組み合わせて、さらなる態様を提供し得ることはさらに理解すべきである。
【0017】
さらに、特定の態様によって、選択した定義、態様または範囲は適用できない。次の一般的定義を、特にことわらない限り、本明細書において適用すべきである:
ここで使用する用語“溶媒和物”は、化学量論により規定される量の1種以上の溶媒分子をさらに含む化合物の結晶形態を意味する。好ましくは、溶媒和物は、結晶格子中に、水のような1種の溶媒分子を含む。
【0018】
種々の態様における本発明の薬物は、そのプロドラッグを包含することを意図し得ることはさらに理解されるべきである。
【0019】
ここで使用する用語“プロドラッグ”は、生理学的条件下、または加溶媒分解により、本発明の生物学的活性化合物に変換し得る化合物を示す。それ故に、この用語は、薬学的に許容される本発明の薬物の代謝前駆体を表す。プロドラッグは、それを必要とする対象に投与したとき不活性でよいが、インビボで本発明の活性化合物に変換する。プロドラッグは、典型的にインビボで急速に、例えば血中での加水分解により変換して、本発明の親化合物を生じる。プロドラッグ化合物は、しばしば哺乳動物において有利な溶解性、組織適合性または遊離遅延を提供する。本発明の薬物のプロドラッグは、本発明の薬物に存在する官能基を、修飾が慣用の操作でまたはインビボで開裂されて本発明の親化合物となるような方法で修飾することにより製造し得る。プロドラッグは、ヒドロキシル基が、本発明の薬物のプロドラッグを哺乳動物対象に投与したとき開裂して遊離ヒドロキシ基を形成する何らかの基に結合している、本発明の化合物を含む。プロドラッグの例は、本発明の薬物のアルコール基の酢酸エステル、ギ酸エステルおよび安息香酸エステル誘導体を含むが、これらに限定されない。適当なプロドラッグは、本発明の薬物の薬学的に許容されるエステル類を含む。ここで使用する用語“薬学的に許容されるエステル”は、インビボで加水分解するエステル類を意味し、ヒト体内で容易に破壊されて親化合物またはその塩を遊離するものを含む。適当なエステル基は、例えば、薬学的に許容される脂肪族カルボン酸類、特にアルカン酸、アルケン酸、シクロアルカン酸およびアルカン二酸由来のものを含み、ここで、各アルキルまたはアルケニル基は、有利に6個を超えない炭素原子を有し、特にホルメート類、アセテート類、プロピオネート類、ブチレート類、アクリレート類およびエチルスクシネート類である。
【0020】
ここで使用する用語“薬学的に許容される塩”は、本発明の化合物の非毒性の酸塩またはアルカリ土類金属塩を意味する。これらの塩は、本化合物の最終単離および精製中にインサイチュで、または別途塩基もしくは酸官能基を、それぞれ適当な有機または無機酸または塩基と反応させることにより製造できる。代表的塩は次のものを含むが、これらに限定されない:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、クエン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、重硫酸塩、酪酸塩、樟脳酸塩、カンファースルホン酸塩、二グルコン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ドデシル硫酸塩、エタン硫酸塩、グルコヘプタノエート、グリセロリン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、フマル酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、メタンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、シュウ酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3−フェニルプロピオン酸塩(proionate)、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、チオシアン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、およびウンデカン酸塩。また、塩基性窒素含有基をメチル、エチル、プロピル、およびブチルの塩化物、臭化物およびヨウ化物のようなハロゲン化アルキル類、たとえば;ジメチル、ジエチル、ジブチル、およびジアミルの硫酸エステルのような硫酸ジアルキル類、デシル、ラウリル、ミリスチル、およびステアリルの塩化物、臭化物およびヨウ化物のような長鎖ハライド類、ベンジルおよびフェネチルの臭化物のようなハロゲン化アラルキル類などのような反応剤で4級化できる。水または油可溶性または分散性生成物をそれにより得る。塩基性付加塩は、本化合物の最終単離および精製中にインサイチュで、または別途カルボン酸基と薬学的に許容される金属カチオンの水酸化物、炭酸塩、重炭酸塩、またはアンモニア、もしくは有機1級、2級または3級アミンのような適当な塩基を反応させて製造できる。薬学的に許容される塩は、ナトリウム塩、リチウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、マグネシウム、アルミニウム塩などのようなアルカリおよびアルカリ土類金属に基づくカチオン、ならびに非毒性アンモニウム、4級アンモニウム、およびアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、メチルアミン、ジメチル−アミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルアミンなどを含み、これらに限定されないアミンカチオンを含み、これらに限定されない。塩基付加塩の形成に有用な他の代表的有機アミン類は、ジエチルアミン、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ピペラジン、ピリジン、ピコリン、トリエタノールアミンなどおよびアルギニン、リシンおよびオルニチンのような塩基性アミノ酸類を含む。
【0021】
ここで使用する用語“透過促進剤”は、局所的(皮膚上)に投与したときに本発明の薬物の皮膚または粘膜への、例えば表皮下層および真皮のような皮膚への透過を、透過促進剤を用いない本発明の薬物と比較して促進する、すなわち改善する物質を意味する。ここで使用する透過促進剤は、少なくとも2.5wt-%の量を意味する有効量で添加する。この促進された透過は、皮膚内の、特に表皮下層および真皮での濃度を上げる。高い透過(penetration)はまた高い浸透(permeation)、例えば皮膚を通過する浸透の増加ももたらし得る。好ましくは、本発明の薬物の全身循環への送達は促進されないか、顕著には促進されない(浸透なしまたは顕著な浸透なし)。
【0022】
ここで使用する用語“局所医薬組成物”は当分野で既知であり(例えば欧州薬局方、6.3、01/2009、0132参照)、特に溶液タイプまたは懸濁液タイプの組成物を言う。かかる組成物はi)本発明の薬物およびii)マトリクスを含む(すなわち包含するまたはこれらから成る)。マトリクス(“基剤”とも呼ぶ)は、薬学的に許容される添加物を含み、局所適用に適合されている。さらに、本発明の組成物は半固体剤、パッチ剤、ゲル剤、フォーム剤、チンキ剤、溶液剤、(リップ)スティック剤、またはスプレー剤としても製剤できる;これらの各々は懸濁液タイプまたは溶液タイプである。その結果、溶液タイプおよび懸濁液タイプ両方の本発明の組成物の粘性は広範囲で変わってよく、典型的にそれらは半固体または液体、好ましくは半固体である。溶液タイプの組成物は、本発明の薬物がマトリクスに溶解されている;好ましくは“親水性軟膏”の形態であることにより特徴付けられる。懸濁液タイプの組成物は、本発明の薬物がマトリクスに懸濁されている;好ましくは“疎水性軟膏”の形態であることにより特徴付けられる。
【0023】
“XRPD”はX線粉末回折を意味する。
【0024】
WO2006/059234は、6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドのようなある種のナフタレン−1−カルボン酸誘導体の経口投与を示唆し、カプセルのような単位投与形態の医薬組成物を極めて一般的に開示する。
皮膚疾患を有する患者は、VEGF阻害剤での局所処置により利益を受け得る。
【0025】
それ故に、効力、良好なバイオアベイラビリティ、良好な皮膚透過、低い皮膚刺激能、良好な安定性、低いアレルギー反応誘発リスク、合理的な吸収時間および匂い、流動性、拡散性(spreadability)、皮膚感覚および薄層残留物産生能のような好ましい化粧品としてのパラメータのような望ましい特性を有する、6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドを含む局所医薬組成物を提供するのが本発明の目的である。
【0026】
それ故に、第一の面において、本発明は、i)本発明の薬物またはその溶媒和物およびii)親水性マトリクスを含む(すなわち包含するまたはこれらから成る)局所医薬組成物に関する。かかる組成物は典型的に溶液タイプである。
【0027】
本発明者らは、かかる組成物が皮膚透過を促進することを発見した。これは;本発明の薬物が親水性媒体および疎水性媒体の両方に極めて低い溶解特性を有する(すなわち水性および油性媒体に低溶解性)との事実を鑑みて、特に驚きであった。下に定める親水性マトリクスを使用することにより、本発明の薬物の濃度を、皮膚刺激無しに薬学的に有益な濃度まで高めることが可能であった。さらに、これらの組成物は良好な物理的安定性および化学的安定性を示す。本発明のこの面を下でさらに詳細に説明する:
【0028】
本発明の薬物:本発明の薬物は既知化合物であり、ここに記載する方法により得ることができる。本発明の組成物に特に適するのは、下に記載する結晶形態の本発明の薬物である。本発明の組成物中の本発明の薬物の量は広範囲に変わる可能性があり、典型的に有効量で提供される。有効量は、哺乳動物、特にヒトに投与したとき、下に定める処置を達成するのに十分な本発明の薬物量を意味する。本発明の薬物の適当な量は、日常的な実験により当業者が決定できる;典型的に全組成物の0.2〜5wt-%、好ましくは0.5〜2.0wt-%、例えば0.5、0.8または1.0wt-%である。
【0029】
親水性マトリクス:本発明のこの面によって、親水性マトリクスは1種以上のポリエチレングリコール(PEG)および場合により水;好ましくは少なくとも2種のPEGおよび水を含む。かかるマトリクスが大量の本発明の薬物を溶解し、皮膚脱水を軽減することが判明した。PEGはエチレンオキシドの多付加物であり、分子量(これは略語PEGの後の数字により示される)により定義される。適当なのは、100〜25000g/mol、特に400〜10000g/molの範囲の分子量のPEGである。用語“1種以上のPEG”は、本発明の組成物中に一つの分子量を有するPEGの使用(例えば本組成物に存在する唯一のPEG種としてPEG400)または2種以上の異なる分子量を有するPEGの使用(例えばPEG400とPEG3000またはPEG400とPEG4000が本組成物中に存在する)を意味する。有利に、親水性マトリクスは低分子量PEG(例えば200〜1000g/mol)および高分子量PEG(例えば2000〜5000g/mol)を含む。好ましくは、親水性マトリクスは低分子量PEG(例えば400g/mol)および高分子量PEG(例えば4000g/mol)を含む。PEGは医薬組成物のための既知添加物であり、市販されている。水およびPEGの量は意図する組成物のタイプ(クリーム、スプレー...)により、当業者が容易に調整し得る。適当な親水性マトリクスは最大40wt.%の水、好ましくは10〜20wt.%の水を含む。適当な親水性マトリクスは少なくとも50wt.%のPEG、好ましくは75〜95wt.%のPEGを含む。さらに、適当な親水性マトリクスは10〜80wt.%の低分子量PEGおよび10〜80wt.%の高分子量PEGを含む。さらに、適当な親水性マトリクスは、低分子量PEGおよび高分子量PEGを4:1乃至1:1、好ましくは2.5:1乃至1.5:1の比率で含む。
【0030】
一つの態様において、本発明は、さらなる添加物を含まない本発明のこの面による組成物に関する。それ故に、組成物は本発明の薬物、1種以上のPEGおよび場合により水、好ましくは本発明の薬物、2種以上のPEGおよび水のみを含む。かかる組成物は、例えば製造の単純さおよび/または他の添加物に対する皮膚刺激/アレルギーの可能性が高い患者集団のために有利であると考えられる。
【0031】
さらなる態様において、本発明は、本発明の薬物、1種以上のPEG、場合により水、場合により1種以上の添加物(これは下に定めるが、少なくとも2.5wt-%の量の透過促進剤を意味する有効量の透過促進剤を含まない)を含む本発明のこの面による組成物を提供する。本発明者らは、この本発明の第一の面に記載する組成物が、治療効果を達成するために透過促進剤を必要としないことを発見した。先行文献が関連する化学的構造を有する化合物について透過促進剤としてのオレイルアルコールの有益な効果を示唆していたため、特に驚きであった。有効量の透過促進剤を含まない組成物は、例えば製造の単純さおよび/または皮膚刺激/アレルギーの可能性が高い患者集団のために有利であると考えられる。
【0032】
さらなる態様において、本発明は、1種以上のさらなる添加物を含む本発明のこの面による組成物に関する。かかる添加物は当分野で既知であり、当業者が容易に特定できる。適当な添加物は抗酸化剤、ゲル化剤、pH調節剤/緩衝剤、粘稠度修飾剤、防腐剤、(共)溶媒、増量剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、滑剤、香料、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、可溶化剤および浸透圧調整用塩からなる群から選択され得る。かかる添加物は当分野で既知であり、市販されており、Handbook of Pharmaceutical Excipients by R.C. Rowe et al.のような標準参考書で確認され得る。かかる組成物は特に製造者または患者の要求を満たすために、故に、製品特性(例えば貯蔵寿命または患者コンプライアンス)を改善するために有利である。適当なさらなる添加物を次に説明する:
【0033】
抗酸化剤は当分野で既知であり、当業者は最終医薬組成物と適合するように選択し得る。1種以上の抗酸化剤を使用してよいと理解すべきである。抗酸化剤は本発明の薬物を安定化することが判明した。好ましくは、抗酸化剤はフェノール誘導体(例えばブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA));アスコルビン酸誘導体(例えばアスコルビン酸、アスコルビルパルミテート)、トコフェロール誘導体(例えばビタミンE、ビタミンE TPGS)、重亜硫酸誘導体(重亜硫酸Na、メタ重亜硫酸Na)およびチオウレアからなる群から選択される。より好ましくは、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、アルファトコフェロール、アスコルビン酸またはこれらの混合物からなる群から選択される。特に好ましくは、抗酸化剤はBHTである。適当な組成物は最大2wt%、好ましくは0.005〜0.5wt%の抗酸化剤を含み得る。
【0034】
ゲル化剤は当分野で既知であり、当業者は最終医薬組成物と適合するように選択し得る。1種以上のゲル化剤を使用してよいと理解すべきである。ゲル化剤は粘性を調節するために本発明の組成物に包含される。好ましくは、ゲル化剤はアクリル酸誘導体またはヒドロキシプロピルセルロースのようなセルロース誘導体である。適当な組成物は最大10wt%、好ましくは0.02〜2wt%のゲル化剤を含み得る。
【0035】
pHを調節するためのまたはpH緩衝を提供するための薬物は当分野で既知である。当業者は適当な酸類または塩基類を最終医薬組成物と適合するように選択できる。1種以上のかかる薬物、例えばクエン酸を使用してよいと理解すべきである。適当な組成物はかかる酸類/塩基類を、本発明の組成物のpHを4〜8、好ましくは5〜7の範囲、例えば6.5に調節するために含み得る。
【0036】
粘稠度修飾剤は、粘稠度改善剤とも呼ばれるが、当分野で既知である。当業者は適当な化合物を最終医薬組成物と適合するように選択できる。1種以上のかかる薬物、例えばセチルアルコール、ステアリルアルコールおよびこれらの混合物を使用してよいと理解すべきである。適当な組成物は0.1〜2wt%含む。
【0037】
防腐剤は当分野で既知であり、当業者は最終医薬組成物と適合するように選択し得る。1種以上の防腐剤を使用してよいと理解すべきである。防腐剤は、本発明の医薬組成物に貯蔵寿命を延ばすために包含される。好ましくは、防腐剤は酸類(例えばソルビン酸、安息香酸);アルコール類(例えばベンジルアルコール)、4級アミン類、フェノール類、およびパラヒドロキシ安息香酸類の群から選択される。より好ましくは、防腐剤はパラベン類、アルコール類、4級アンモニウム類、ビグアナイド類、水銀塩類、イミド尿素、安息香酸のような酸類から選択される。特に好ましくは、防腐剤はベンジルアルコールである。また特に好ましくは、防腐剤は安息香酸である。適当な組成物は最大5wt%、好ましくは0.01〜3wt%含む。
【0038】
共溶媒群および溶媒群は当分野で既知であり、当業者は最終医薬組成物と適合するように選択し得る;これは、本発明の薬物を溶解し(一部または完全に)、水と高い混和性を有する添加物を意味する。溶媒は、本発明の薬物を溶解するが、水と低い混和性を有する添加物である。それ故に、組成物および存在する他の添加物のタイプによって、特定の化合物が溶媒または共溶媒として働き得る。1種以上の共溶媒/溶媒を使用してよいと理解すべきである。
【0039】
本発明は、第二の面において、i)本発明の薬物またはその溶媒和物;ii)疎水性マトリクス;およびiii)透過促進剤を含む局所医薬組成物に関する。かかる組成物は典型的に懸濁液タイプである。
【0040】
本発明者らは、かかる組成物が皮膚透過の顕著な促進を提供することを発見した。これは;特に本発明の薬物がマトリクスに懸濁し、故に分子のごく一部のみが溶解し、透過に利用できるとの点から、驚きであった。透過促進剤を使用して、本発明の薬物の濃度を、皮膚刺激無しに薬学的に有益な濃度に高めることが可能であった。さらに、これらの組成物は良好な物理的安定性および化学的安定性を示す。本発明のこの面を下でさらに詳細に説明する:
【0041】
本発明の薬物:本発明の薬物は既知化合物であり、ここに記載する方法により得ることができる。本発明の組成物に特に適するのは、ここに記載する結晶形態の本発明の薬物である。本発明の組成物中の本発明の薬物の量は広範囲に変わる可能性があり、典型的に有効量で提供される。有効量は哺乳動物(好ましくはヒト)に投与したとき、下に定める処置を達成するのに十分な本発明の薬物量を意味する。本発明の薬物の適当な量は、日常的な実験により当業者が決定できる;典型的に0.2〜5wt-%、好ましくは0.5〜2.0wt-%の範囲、例えば0.5、0.8または1.0wt.%である。
【0042】
疎水性マトリクス:本発明のこの面によって、マトリクスはパラフィン類(硬、液体、軽液体)、植物油類、動物性脂肪類、合成グリセライド類、蝋類および/または液体ポリシロキサン類を含む。典型的に、疎水性マトリクスは少量の水しか吸収できない。好ましくは、疎水性マトリクスは1種以上の炭化水素類;好ましくは少なくとも2種の炭化水素類を含む。かかるマトリクスは大量の本発明の薬物を分散し、安定な組成物を生じることが判明した。適当な炭化水素類は当分野で既知であり、当業者は最終医薬組成物と適合するように選択し得る。適当な炭化水素類は、直鎖状でも分枝鎖状でもよい固体および液体炭化水素類を含む。かかる炭化水素類は医薬組成物のための既知添加物であり、市販されている(例えば個々の成分の混合物として)。適当な炭化水素類は“鉱油”、“ペトロラタム”、“微結晶蝋”を含む。適当な疎水性マトリクスは最大66wt.%の鉱油、好ましくは20〜40wt.%の鉱油を含み得る。適当な疎水性マトリクスは最大98wt.%のペトロラタム、好ましくは40〜60wt.%のペトロラタムを含み得る。適当な疎水性マトリクスは最大25wt.%の微結晶蝋、好ましくは5〜20wt.%の微結晶蝋を含み得る。適当な疎水性マトリクスは鉱油およびペトロラタムを1:1〜1:3、好ましくは1:1.5〜1:2.0の比率で含み得る。さらに、適当な疎水性マトリクスは鉱油および微結晶蝋を1:0.2〜1:1、好ましくは1:0.33〜1:0.66の比率で含み得る。
【0043】
透過促進剤:透過促進剤は上に定義する;広範な透過促進剤を使用してよい。特に適するのは、飽和脂肪酸類および飽和脂肪酸エステル類からなる群から選択される透過促進剤である。好ましいのは、飽和C6−C30脂肪酸類、C6−C30エステル類である;特に好ましいのはC10−C20脂肪酸類、C10−C20エステル類である。さらに、直鎖状脂肪酸類、直鎖状エステル類が好ましい。エステル類について、C−Cアルキル基が好ましい。これらの透過促進剤の中で、ミリスチン酸イソプロピルが特に適する。本発明の組成物中の透過促進剤の量は広範囲に変わる可能性があり、典型的に有効量で提供される。透過促進剤の適当な量は、日常的な実験により当業者が決定できる;典型的に全組成物の2.5〜20wt-%、好ましくは2.5〜10wt-%である。
【0044】
一つの態様において、本発明は、さらなる添加物を含まない本発明のこの面による組成物に関する。それ故に、本発明の組成物は本発明の薬物、1種以上の炭化水素類および透過促進剤のみを含む(すなわちこれらから成るまたは本質的にこれらから成る)。かかる組成物は、例えば製造の単純さおよび/または他の添加物に対する皮膚刺激/アレルギーの可能性が高い患者集団のために有利であると考えられる。
【0045】
本発明は、第三の面において、6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその塩、または多形、または溶媒和物の新規製造方法に関する。
医薬化合物および/または薬物または塩または溶媒和物を製造するのに適する方法に望まれる特性は、例えば効率、低工程数、高収率、低商品原価、高安全性プロファイル、選択性および速い反応時間である。
【0046】
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドのようなナフタレン−1−カルボン酸誘導体の製造方法は既知である。WO2006/059234は6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドの製造を開示する。該化合物の製造において、6−ヒドロキシ−1−ナフトエ酸を4,6−ジクロロ−ピリミジンとカップリングさせ、得られた6−(6−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸を、アミドカップリング条件を介して、3−トリフルオロメチル−アニリンとカップリングさせ、6−(6−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドに変換する。次いで、6−(6−クロロ−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドを、触媒的カルボキシル化条件を介して、6−[5−(3−トリフルオロメチル−フェニルカルバモイル)−ナフタレン−2−イルオキシ]−ピリミジン−4−カルボン酸エチルエステルに変換する。続いて6−[5−(3−トリフルオロメチル−フェニルカルバモイル)−ナフタレン−2−イルオキシ]−ピリミジン−4−カルボン酸エチルエステルを還元して、6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドを得る。
【0047】
この方法の大きな欠点は、カルボキシル化工程が極めて高い圧力を高い温度と共に必要とすることである。この高圧・高温反応の危険性を避けるために特別な装置が必要である。カルボキシル化工程のためにパラジウム触媒を高量充填することが必要であり、反応の進行は変換が遅い。カルボキシル化工程がこの方法における後期の工程であるため、6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドの重金属汚染の危険性がある。
【0048】
還元工程は収率が低く、主副産物として6−ヒドロキシ−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドの形成をもたらし、6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドを精製するために面倒な分離工程を必要とする。
【0049】
本方法は、官能基を、酸化状態の調節を必要とする誤った酸化段階で導入し、6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドの大量合成には適さない。
【0050】
それ故に、6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、またはその塩または溶媒和物の別製造方法、好ましくは上に記載した先行文献の欠点を避けた反応経路を提供することが本発明の目的である。
【0051】
本発明による、セクションA、B、C、DおよびEまたはセクションB、C、DおよびEまたはセクションC、DおよびEを含む粉砕形態の6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドのヘミ水和物(14’)を製造するための;セクションA、B、CおよびDまたはセクションB、CおよびDまたはセクションCおよびDを含む6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドのヘミ水和物(14)を製造するための;セクションA、BおよびCまたはセクションBおよびCを含む遊離形またはここに定めるその塩としての6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド(13)または本明細書で定義するその塩を製造するための方法を、スキーム1に要約する。
【0052】
ある条件下で、6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドのヘミ水和物(14)をセクションA、BおよびC’またはセクションBおよびC’を含む方法により製造でき、粉砕形態の6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドのヘミ水和物(14’)をセクションA、B、C’およびEまたはセクションB、C’およびEまたはセクションC’およびEを含む方法により製造できる。
【0053】
【化2】

【0054】
すなわち、セクションAに記載する方法に従い、式(1)の化合物を式(4)の化合物とカップリングして、式(5)の化合物、またはその塩を得る。次に、セクションBに記載する方法に従い、式(5)の化合物、またはその塩を式(12)の化合物、またはその塩に変換する。次いで、セクションCに記載する方法に従い、式(12)の化合物、またはその塩を式(13)の化合物、またはその塩に変換する。次に、セクションDに記載する方法に従い、式(13)の化合物、またはその塩を場合により式(14)のヘミ水和物に変換する。次いで、セクションEに記載する方法に従い、式(14)のヘミ水和物を場合により粉砕および/または脱塊して、式(14)のヘミ水和物の粉砕形態(14’)を得る。あるいは、セクションC’に記載する方法に従い、式(12)の化合物、またはその塩を、式(14)のヘミ水和物に変換する。
【0055】
下に記載する通り、セクションA、B、C、C’およびD自体また好ましい本発明の態様である。
【0056】
セクションA:式(4)の化合物の製造
一つの態様において、本発明は式(5)
【化3】

の化合物、またはその塩の製造法に関し、該方法は式(1)
【化4】

の化合物、またはその塩と式(4)
【化5】

のアニリンまたはその塩の反応を含む。
【0057】
本発明による、ここに定める式(1)の化合物とここに定める式(4)の化合物を反応させ、ここに定める式(5)の化合物を形成する反応をスキーム2に概説する。
【化6】

【0058】
式(1)の酸と式(4)のアニリンから式(5)のアミドを得る反応は、非希釈で、または、適当な不活性溶媒中、好ましくは非プロトン性溶媒、例えばエステル類、例えば酢酸エチル、または酢酸イソプロピル(isopyl);N−メチル−2−ピロリジノン;アセトニトリル;ハロゲン化炭化水素類、例えば塩化メチレン;エーテル類、例えばTHF、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、またはジオキサン;または芳香族性溶媒、例えばベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、フェニルエタンまたはキシレン類;またはこれらの混合物中;活性化剤、例えばプロパンホスホン無水物;塩化チオニル;塩化オキサリル;4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド(DMTMM)、または適当な例えばジ−シクロヘキシル−カルボジイミド(DCC)、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)のようなカルボジイミド類の存在下、行うことができる。これらの活性化剤はAldrich、FlukaまたはAcrosのような供給社から購入できる。本反応は、段階的に、最初に式(1)の化合物を活性化剤との反応により活性化させ(セクションA2.1)、式(3)の活性化中間体(式中、Rは活性化基である)を単離し、次いで式(3)の活性化中間体と式(4)のアニリンをカップリングするか(セクションA2.2)、または一工程法として(セクションA1)行うことができる。段階的方法を使用するならば、溶媒交換を含み得る。典型的に、本反応は0℃〜還流、好ましくは0〜200℃、より好ましくは0〜150℃、さらに好ましくは10〜80℃、最も好ましくは60〜90℃で行い得る。好ましくは、DMTMMを活性化剤として使用するとき、段階的方法を使用する。その場合、活性化工程を好ましくはアセトニトリル中10〜20℃の温度で行い、そしてカップリング工程を好ましくはN−メチル−2−ピロリジノン中20〜55℃の温度で行う。
【0059】
好ましくは、塩化チオニル;塩化オキサリルを活性化剤として使用するとき、一工程法を使用する。
【0060】
セクションB:式(12)の化合物の製造
他の態様において、本発明は式(12)
【化7】

の化合物、またはその塩の製造方法に関し、該方法は式(5)
【化8】

の化合物、またはその塩と式(11)
【化9】

の化合物またはその塩の反応を含む。
【0061】
式(5)の化合物と式(11)の化合物のカップリングにより式(12)のベンジルエーテルを得る反応は、適当な不活性溶媒中、好ましくは非プロトン性、極性溶媒中、例えばN−メチル−2−ピロリジノン(NMP);ジメチルホルムアミド(DMF);ジメチルスルホキシド(DMSO);エーテル類、例えばテトラヒドロフラン、2−メチルテトラフラン、tert−ブチルメチルエーテル;またはエステル類、例えば酢酸エチルまたは酢酸イソプロピル;またはアセトニトリル;またはハロゲン化炭化水素類、例えば塩化メチレンのような溶媒中;塩基、例えば炭酸カリウムまたは炭酸セシウムの存在下に行うことができる。典型的に、本反応は20℃〜還流、好ましくは20〜200℃、より好ましくは40〜150℃、最も好ましくは80〜100℃で行うことができる。好ましくは、炭酸カリウムを塩基と指定使用し、反応を好ましくはN−メチル−2−ピロリジノン中100℃の温度で行う。
【0062】
式(11)の化合物は、約80〜90℃で開始し、約−990kJ/kgを放出する発熱性分解反応を示す。
本反応は、添加が式(11)の化合物の消費とおおよそ等しい速度で行うように、式(11)の化合物の冷溶液を、反応温度に加熱した適当な溶媒中の式(5)の化合物と塩基の混合物に添加することにより安全に行うことができることが驚くべきことに判明した。
【0063】
セクションC:式(13)の化合物の製造
他の態様において、本発明は、式(13)
【化10】

の化合物、またはその塩を、式(12)
【化11】

の化合物、またはその塩から製造する方法に関する。
【0064】
本発明によるここで定めた式(12)の化合物をここで定めた式(13)の化合物に変換する方法を、スキーム3に概説する。
【化12】

【0065】
セクションC1 一工程法
式(12)のベンジルエーテルから式(13)のアルコールを得る反応は、非希釈で、または不活性有機溶媒、例えばハロゲン化炭化水素類、例えば塩化メチレン;アルコール類、例えばエタノール、メタノール、2−プロパノール、1−プロパノールまたはエーテル類、例えばテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、tert−ブチルメチルエーテル、またはジオキサン;またはエステル類、例えば酢酸エチルまたは酢酸イソプロピル、またはアセトニトリルまたは芳香族性溶媒、例えばクロロベンゼン、トルエン、クメン、アニソールまたはキシレン類またはこれらの混合物中、メタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸のような強酸類の存在下で行うことができる。典型的に、本反応は−15℃〜還流、好ましくは−10〜150℃、最も好ましくは−5〜100℃で行うことができる。好ましくは、トリフルオロ酢酸(25当量)のトルエン溶液を100℃でまたはメタンスルホン酸(20当量)のジクロロメタン溶液を−5〜20℃で本変換に使用する。
【0066】
硫酸、塩酸または臭化水素酸を使用した式(12)の化合物の式(13)の化合物への変換に適する条件は、数条件を試験したが見つからなかった。
驚くべきことに、トリフルオロ酢酸またはメタンスルホン酸の使用は、式(13)の化合物を高収率で綺麗な変換でもたらした。
【0067】
セクションC2.1、C2.2 二工程法
あるいは、式(13)のアルコールを、式(12)の化合物のアシル化(セクションC2.1)を介して式(15)の化合物(式中、R’はC−C−アルキルから選択する)を形成させ、続いて式(15)の化合物を適当な塩基で脱保護する(セクション2.2)ことにより製造できる。アシル化工程(セクションC2.1)は、非希釈で、または適当な不活性溶媒、好ましくは非プロトン性溶媒、例えばハロゲン化炭化水素類、例えば塩化メチレン;エーテル類、例えばTHF、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、またはジオキサン;または芳香族性溶媒、例えばベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、フェニルエタンまたはキシレン類またはこれらの混合物中;アシルクロライド類または酸無水物のような活性化剤存在下および場合により無機酸、例えば硫酸または塩酸の存在下行うことができる。典型的に、本反応は0℃〜還流、好ましくは0〜200℃、より好ましくは0〜150℃、さらに好ましくは10〜80℃、最も好ましくは40〜70℃で行うことができる。好ましくは、反応を、非希釈で、酢酸無水物を活性化剤として使用して、酸、好ましくは硫酸を混合物に添加して行う。
式(15)の化合物を場合により単離および精製してよい。
【0068】
脱保護工程は、好ましくは非希釈で、または適当な不活性溶媒、好ましくは非プロトン性溶媒、例えばハロゲン化炭化水素類、例えば塩化メチレン;エーテル類、例えばTHF、2−メチルテトラヒドロフラン、ジメトキシエタン、またはジオキサン;または芳香族性溶媒、例えばベンゼン、クロロベンゼン、トルエン、フェニルエタンまたはキシレン類、またはプロトン性溶媒、例えばアルコール類、例えばエタノール、メタノール、2−プロパノール、1−プロパノールまたはこれらの混合物中、適当な無機塩基、例えばナトリウムアルコキシド類、カリウムアルコキシド類、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムの存在下に行う。典型的に、本反応は0℃〜還流、好ましくは0〜200℃、より好ましくは0〜150℃、さらに好ましくは10〜80℃、最も好ましくは40〜70℃で行うことができる。好ましくは、反応をメタノールと2−メチルテトラヒドロフランの混合物中、ナトリウムメトキシド存在下で行う。
【0069】
式(12)の化合物の式(13)の化合物への変換に適当な水素化条件は、数条件を試験したが見つからなかった。
しかしながら、この新規方法は、式(12)の化合物から式(13)の化合物への変換に驚くべきことに有益であることが証明された。好ましくはセクションC2.1およびC2.2を介する二工程法を使用する。
【0070】
セクションC’:式(14)の化合物の製造
他の態様において、本発明は式(14)
【化13】

のヘミ水和物を式(12)
【化14】

の化合物、またはその塩から製造する方法に関する。
【0071】
この変換に適する条件はセクションCの下に記載する。結晶化へと続く後処理の間の水の包含により、式(14)のヘミ水和物が該変換工程から直接得ることができることが判明した。この結晶化に適当な条件を、下の本発明の第六の面、すなわち本発明の薬物の特定の形態に関するセクションに記載する。
【0072】
セクションD:式(14)のヘミ水和物の製造
他の態様において、本発明は式(14)
【化15】

のヘミ水和物の製造方法に関し、該方法は式(13)
【化16】

の化合物、またはその塩を結晶化することを含む。
この結晶化に適当な条件を、下の本発明の第六の面、すなわち本発明の薬物の特定の形態に関するセクションに記載する。
【0073】
セクションE:粉砕ヘミ水和物(14’)の製造
他の態様において、本発明は、式(14)のヘミ水和物を粉砕および/または脱塊することによる粉砕ヘミ水和物(14’)の製造方法に関する。
【0074】
他の好ましい本発明の態様はセクションB、C、場合によりDおよび場合によりEを含む方法である。
他の好ましい本発明の態様はセクションB、C’および場合によりEを含む方法である。
他の好ましい本発明の態様はセクションC、場合によりDおよび場合によりEを含む方法である。
他の好ましい本発明の態様はセクションC’および場合によりEを含む方法である。
【0075】
他の態様において、本発明は式(12)
【化17】

の中間体、またはその塩に関する。
【0076】
他の態様において、本発明は式(15)
【化18】

〔式中、R’はC−C−アルキルから選択される。〕
の中間体、またはその塩に関する。
【0077】
ここで使用する用語“アルキル”は、最大20個までの炭素原子を有する完全に飽和の分枝または非分枝炭化水素基を意味する。特にことわらない限り、アルキルは、1〜16個の炭素原子、1〜10個の炭素原子、1〜7個の炭素原子、または1〜4個の炭素原子を有する炭化水素基を意味する。アルキルの代表例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、3−メチルヘキシル、2,2−ジメチルペンチル、2,3−ジメチルペンチル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、n−デシルなどを含み、これらに限定されない。
【0078】
ここで使用する用語“アシルクロライド”は、C−C−アルキル−C(O)−Cl(ここで、アルキルは上に定義した通りである)を意味する。
ここで使用する用語“酸無水物”はC−C−アルキル−C(O)−O−C(O)−C−C−アルキル(ここで、アルキルは上に定義した通りである)を意味する。
【0079】
ここで使用する用語“活性化基”は、カルボン酸と活性化剤、例えばプロパンホスホン無水物;塩化チオニル;塩化オキサリル;4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジン−2−イル)−4−メチルモルホリニウムクロライド(DMTMM)、または例えばジ−シクロヘキシル−カルボジイミド(DCC)、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド(DIC)、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDC)のような適当なカルボジイミド類との反応に由来する各基を意味する。
【0080】
本発明は、第四の面において、ここに記載する複数添加物を合わせて親水性または疎水性マトリクスを得て、こうして得たマトリクスと本発明の薬物を合わせ、そして場合により水性相(すなわち水および水可溶性添加物含有相)を添加する工程を含む、ここに記載する組成物の製造方法に関する。
【0081】
本発明の組成物はそれ自体既知であるが、本組成物についてはまだ適用されていない方法により製造でき、その点で、それらはそれ故に、新規方法となる。一般に、医薬組成物の製造は、本発明の薬物とマトリクスを、例えば混合、溶解および/または凍結乾燥により合わせる工程を含む標準的医薬方法を使用する。かかる工程はまた使用する物質の加熱および冷却を含む。上に概説する通り、本発明の薬物は既知方法によりまたはここに記載する方法により利用可能である;マトリクスの個々の成分はそれ自体既知であるか、または既知方法に従い利用可能である。
【0082】
一つの態様において、本発明は、本発明の第一の面に記載する組成物(すなわち溶液タイプの組成物)の製造方法であって、
・ 全液体非水性添加物および本発明の薬物を合わせ、場合により混合物を30〜95℃に加熱して溶液を得て、
・ 固体添加物を30〜95℃で融解して、融解物を得て、
・ 溶液と融解物を、好ましくは30〜95℃の温度で合わせ、
・ 場合により水または水性相を合わせた混合物に添加し、
・ 場合により冷却して、組成物を得る
工程を含む、方法に関する。
【0083】
さらなる態様において、本発明は、本発明の第二の面に記載する組成物(すなわち懸濁液タイプの組成物)の製造方法であって、
・ 全添加物を30〜95℃の温度で合わせて融解物を得て、
・ 本発明の薬物を、好ましくは30〜95℃の温度で添加して、懸濁液を得て、
・ 場合により冷却して、組成物を得る
工程を含む、方法に関する。
【0084】
本発明は、第五の面において、治療適用における6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドおよびその組成物の使用に関する。
【0085】
WO2006/059234は6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドのようなある種のナフタレン−1−カルボン酸誘導体およびその種々の医薬用語を開示する。
【0086】
皮膚科疾患または状態、網膜の状態または損傷、または美容皮膚科(cosmetic dermatology)に関連する疾患または状態を有する患者はVEGF阻害剤での処置により利益を受け得る。
【0087】
理論に縛られないが、本発明の薬物は、VEFGの調節不全/過発現、(新)血管形成、VEGF誘発血管形成および炎症を伴う疾患/障害に治療効果を有すると考えられるVEGF阻害剤であると考えられる。
【0088】
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドはi)広範な皮膚科疾患または状態;ii)美容皮膚科における予防および進行遅延を含む処置に適する。
【0089】
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドを含む組成物はi)広範な皮膚科疾患または状態;ii)広範な網膜の疾患、状態または損傷;iii)美容皮膚科における予防および進行遅延を含む処置に適する。
【0090】
ここで使用する用語“皮膚科的疾患”は、哺乳動物(好ましくはヒト)における全てのタイプの皮膚科的疾患または状態を含む。
【0091】
特に、6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその塩、または多形、または溶媒和物は、扁平上皮細胞癌、悪性黒色腫、カポジ肉腫、血管肉腫、血管腫(例えば小児血管腫、皮膚血管腫、毛細血管腫、焔状母斑)、リンパ管腫、血管奇形、化膿性肉芽腫、血管線維腫、酒さ、皮膚炎(例えばアトピー性皮膚炎およびアレルギー性接触性皮膚炎)、慢性炎症性皮膚障害慢性炎症性皮膚障害(例えば水疱症)、湿疹、ケロイド、糖尿病性潰瘍、リンパ浮腫、日光角化症、尋常性疣贅(例えば足底疣贅)、アクネおよびアレルギー性鼻炎/結膜炎の処置に適する。より具体的に、6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその塩、または多形、または溶媒和物は酒さ、皮膚炎(例えばアトピー性皮膚炎、アレルギー性接触性皮膚炎)、慢性炎症性皮膚障害(例えば水疱症)、湿疹、血管腫(例えば皮膚血管腫、毛細血管腫、焔状母斑)およびアクネの処置に適する。より具体的に、6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその塩、または多形、または溶媒和物は酒さの処置に適する。より具体的に、6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその塩、または多形、または溶媒和物は紅斑性酒さの処置に適する。より具体的に、6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその塩、または多形、または溶媒和物は酒さ性ざ瘡の処置に適する。より具体的に、6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその塩、または多形、または溶媒和物は鼻瘤の処置に適する。より具体的に、6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその塩、または多形、または溶媒和物はモルビアン病の処置に適する。
【0092】
特に、ここに記載する組成物は扁平上皮細胞癌、悪性黒色腫、カポジ肉腫、血管肉腫、血管腫(例えば小児血管腫、皮膚血管腫、毛細血管腫、焔状母斑)、リンパ管腫、血管奇形、化膿性肉芽腫、血管線維腫、乾癬、酒さ、皮膚炎(例えばアトピー性皮膚炎およびアレルギー性接触性皮膚炎)、慢性炎症性皮膚障害慢性炎症性皮膚障害(例えば水疱症)、湿疹、ケロイド、糖尿病性潰瘍、リンパ浮腫、日光角化症、尋常性疣贅(例えば足底疣贅)アクネおよびアレルギー性鼻炎/結膜炎の処置に有用である。より具体的に、ここに記載する組成物は乾癬、酒さ、皮膚炎(例えばアトピー性皮膚炎、アレルギー性接触性皮膚炎)、慢性炎症性皮膚障害(例えば水疱症)、湿疹、血管腫(例えば皮膚血管腫、毛細血管腫、焔状母斑)およびアクネに適する。より具体的に、本組成物は乾癬、酒さの処置に適する。より具体的に、本組成物は紅斑性酒さの処置に適する。より具体的に、本組成物は酒さ性ざ瘡の処置に適する。より具体的に、本組成物は鼻瘤の処置に適する。より具体的に、本組成物はモルビアン病の処置に適する。
【0093】
ここで使用する用語“網膜の疾患”は、哺乳動物(好ましくはヒト)の全てのタイプの網膜の疾患または状態または損傷を含む。特に、ここに記載する組成物は網膜症(例えば糖尿病性または高血圧性網膜症)、加齢黄斑変性(特に滲出型AMD)、および黄斑浮腫(糖尿病性黄斑浮腫を含む)の処置に適する。
【0094】
ここで使用する用語“美容皮膚科”は、哺乳動物(好ましくはヒト)における早すぎる皮膚の老化の全てのタイプの疾患または状態または損傷、特にヒトでのUVが誘発する早すぎる皮膚の老化および慢性的光損傷を受けている皮膚を含む。
【0095】
特に、6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその塩、または多形、または溶媒和物は毛細血管拡張症、皺および/または弾性線維損失の処置に適する。
特に、ここに記載する組成物は毛細血管拡張症、皺および/または弾性線維損失の処置に適する。
【0096】
一つの態様において、本発明は、扁平上皮細胞癌、悪性黒色腫、カポジ肉腫、血管肉腫、血管腫(例えば小児血管腫、皮膚血管腫、毛細血管腫、焔状母斑)、リンパ管腫、血管奇形、化膿性肉芽腫、血管線維腫、酒さ、皮膚炎(例えばアトピー性皮膚炎およびアレルギー性接触性皮膚炎)、慢性炎症性皮膚障害慢性炎症性皮膚障害(例えば水疱症)、湿疹、ケロイド、糖尿病性潰瘍、リンパ浮腫、日光角化症、尋常性疣贅(例えば足底疣贅)アクネアレルギー性鼻炎/結膜炎、毛細血管拡張症、皺および/または弾性線維損失から選択される皮膚科疾患または状態の処置におけるまたは美容皮膚科における医薬としての/処置に使用するための6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその塩、または多形、または溶媒和物に関する。
【0097】
さらなる態様において、本発明は酒さ、皮膚炎(例えばアトピー性皮膚炎、アレルギー性接触性皮膚炎)、慢性炎症性皮膚障害(例えば水疱症)、湿疹、血管腫(例えば皮膚血管腫、毛細血管腫、焔状母斑)およびアクネから選択される皮膚科疾患または状態の処置における医薬としての/処置に使用するための6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその塩、または多形、または溶媒和物に関する。
【0098】
さらなる態様において、本発明は酒さの処置における医薬としての/処置に使用するための6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその塩、または多形、または溶媒和物に関する。
【0099】
さらなる態様において、本発明は紅斑性酒さの処置における医薬としての/処置に使用するための6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその塩、または多形、または溶媒和物に関する。
【0100】
さらなる態様において、本発明は酒さ性ざ瘡の処置における医薬としての/処置に使用するための6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその塩、または多形、または溶媒和物に関する。
【0101】
さらなる態様において、本発明は鼻瘤の処置における医薬としての/処置に使用するための6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその塩、または多形、または溶媒和物に関する。
【0102】
さらなる態様において、本発明はモルビアン病の処置における医薬としての/処置に使用するための6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその塩、または多形、または溶媒和物に関する。
【0103】
さらなる態様において、本発明は扁平上皮細胞癌、悪性黒色腫、カポジ肉腫、血管肉腫、血管腫(例えば小児血管腫、皮膚血管腫、毛細血管腫、焔状母斑)、リンパ管腫、血管奇形、化膿性肉芽腫、血管線維腫、酒さ、皮膚炎(例えばアトピー性皮膚炎およびアレルギー性接触性皮膚炎)、慢性炎症性皮膚障害慢性炎症性皮膚障害(例えば水疱症)、湿疹、ケロイド、糖尿病性潰瘍、リンパ浮腫、日光角化症、尋常性疣贅(例えば足底疣贅)アクネアレルギー性鼻炎/結膜炎、毛細血管拡張症、皺および/または弾性線維損失から選択される皮膚科疾患または状態の処置のためのおよび/または美容皮膚科における医薬の製造のための6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその塩、または多形、または溶媒和物に関する。
【0104】
さらなる態様において、本発明は酒さ、皮膚炎(例えばアトピー性皮膚炎、アレルギー性接触性皮膚炎)、慢性炎症性皮膚障害(例えば水疱症)、湿疹、血管腫(例えば皮膚血管腫、毛細血管腫、焔状母斑)およびアクネから選択される皮膚科疾患または状態の処置用医薬の製造のための6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその塩、または多形、または溶媒和物に関する。
【0105】
さらなる態様において、本発明は酒さの処置用医薬の製造のための6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその塩、または多形、または溶媒和物に関する。
【0106】
さらなる態様において、本発明は扁平上皮細胞癌、悪性黒色腫、カポジ肉腫、血管肉腫、血管腫(例えば小児血管腫、皮膚血管腫、毛細血管腫、焔状母斑)、リンパ管腫、血管奇形、化膿性肉芽腫、血管線維腫、酒さ、皮膚炎(例えばアトピー性皮膚炎およびアレルギー性接触性皮膚炎)、慢性炎症性皮膚障害慢性炎症性皮膚障害(例えば水疱症)、湿疹、ケロイド、糖尿病性潰瘍、リンパ浮腫、日光角化症、尋常性疣贅(例えば足底疣贅)アクネアレルギー性鼻炎/結膜炎、毛細血管拡張症、皺および/または弾性線維損失からなる群から選択される皮膚科疾患または状態;および/または美容皮膚科における処置方法に関し、該処置は、かかる処置を必要とする対象、特にヒトに、有効量の6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその塩、または多形、または溶媒和物を投与することを含む。
【0107】
さらなる態様において、本発明は酒さ、皮膚炎(例えばアトピー性皮膚炎、アレルギー性接触性皮膚炎)、慢性炎症性皮膚障害(例えば水疱症)、湿疹、血管腫(例えば皮膚血管腫、毛細血管腫、焔状母斑)およびアクネから選択される皮膚科疾患または状態の処置方法に関し、該処置は、かかる処置を必要とする対象、特にヒトに、有効量の6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその塩、または多形、または溶媒和物を投与することを含む。
【0108】
さらなる態様において、本発明は酒さから選択される皮膚科疾患または状態の処置方法に関し、該処置は、かかる処置を必要とする対象、特にヒトに、有効量の6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその塩、または多形、または溶媒和物を投与することを含む。
【0109】
さらなる態様において、本発明はここに記載する方法であって、扁平上皮細胞癌、悪性黒色腫、カポジ肉腫、血管肉腫、血管腫(例えば小児血管腫、皮膚血管腫、毛細血管腫、焔状母斑)、リンパ管腫、血管奇形、化膿性肉芽腫、血管線維腫、酒さ、皮膚炎(例えばアトピー性皮膚炎およびアレルギー性接触性皮膚炎)、慢性炎症性皮膚障害慢性炎症性皮膚障害(例えば水疱症)、湿疹、ケロイド、糖尿病性潰瘍、リンパ浮腫、日光角化症、尋常性疣贅(例えば足底疣贅)アクネおよびアレルギー性鼻炎/結膜炎の処置に使用するための6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその塩、または多形、または溶媒和物を、他の薬学的に許容される組成物と同時にまたは逐次的に組み合わせて投与する方法に関する。
【0110】
それ故に、他の態様において、本発明は、医薬としての/医薬として使用するためのここに記載する組成物に関する。本発明の組成物は局所適用、特に皮膚適用に適し、かつ有用である。
【0111】
他の態様において、本発明は、皮膚科疾患または状態;網膜の疾患、状態または損傷;および/または美容皮膚科における処置における医薬としての/処置に使用するためのここに記載する組成物に関する。
【0112】
さらなる態様において、本発明は、扁平上皮細胞癌、悪性黒色腫、カポジ肉腫、血管肉腫、血管腫(例えば小児血管腫、皮膚血管腫、毛細血管腫、焔状母斑)、リンパ管腫、血管奇形、化膿性肉芽腫、血管線維腫、乾癬、酒さ、皮膚炎(例えばアトピー性皮膚炎およびアレルギー性接触性皮膚炎)、慢性炎症性皮膚障害慢性炎症性皮膚障害(例えば水疱症)、湿疹、ケロイド、糖尿病性潰瘍、リンパ浮腫、日光角化症、尋常性疣贅(例えば足底疣贅)アクネ、アレルギー性鼻炎/結膜炎、網膜症(例えば糖尿病性または高血圧性網膜症)、加齢黄斑変性(特に滲出型AMD)、および黄斑浮腫(糖尿病性黄斑浮腫を含む)、毛細血管拡張症、皺および/または弾性線維損失から選択される皮膚科疾患または状態;網膜の疾患、状態または損傷;および/または美容皮膚科における処置における医薬としての/処置に使用するためのここに記載する組成物に関する。
【0113】
さらなる態様において、本発明は乾癬、酒さ、皮膚炎(例えばアトピー性皮膚炎、アレルギー性接触性皮膚炎)、慢性炎症性皮膚障害(例えば水疱症)、湿疹、血管腫(例えば皮膚血管腫、毛細血管腫、焔状母斑)およびアクネから選択される皮膚科疾患または状態の処置における医薬としての/処置に使用するためのここに記載する組成物に関する。
【0114】
さらなる態様において、本発明は皮膚科疾患または状態;網膜の疾患、状態または損傷;および/または美容皮膚科における処置における医薬としての/処置に使用するための、特に乾癬および/または酒さの処置における医薬としての/処置に使用するためのここに記載する組成物に関する。
【0115】
さらなる態様において、本発明は酒さの処置における医薬としての/処置に使用するためのここに記載する組成物に関する。
【0116】
さらなる態様において、本発明は紅斑性酒さの処置における医薬としての/処置に使用するためのここに記載する組成物に関する。
【0117】
さらなる態様において、本発明は酒さ性ざ瘡の処置における医薬としての/処置に使用するためのここに記載する組成物に関する。
【0118】
さらなる態様において、本発明は鼻瘤の処置における医薬としての/処置に使用するためのここに記載する組成物に関する。
【0119】
さらなる態様において、本発明はモルビアン病の処置における医薬としての/処置に使用するためのここに記載する組成物に関する。
【0120】
さらなる態様において、本発明は皮膚科疾患または状態;網膜の疾患、状態または損傷;および/または美容皮膚科における処置のための、特に乾癬および/または酒さの処置における/処置に使用するための、医薬の製造のためのここに記載する組成物に関する。
【0121】
さらなる態様において、本発明は酒さの処置用医薬の製造のためのここに記載する組成物に関する。
【0122】
さらなる態様において、本発明は皮膚科疾患または状態;網膜の疾患、状態または損傷;および/または美容皮膚科(特に乾癬および酒さからなる群から選択される)における処置方法に関し、該処置は、かかる処置を必要とする対象、特にヒトに有効量のここに記載する組成物を投与することを含む。
【0123】
さらなる態様において、本発明は酒さから選択される皮膚科疾患または状態の処置方法に関し、該処置は、かかる処置を必要とする対象、特にヒトに有効量のここに記載する組成物を投与することを含む。
【0124】
さ らなる態様において、本発明はVEGFの調節不全/過発現と関連する疾患の処置における医薬としての/処置に使用するための/処置用医薬の製造のためのここに記載する組成物に関する。本発明はまたVEGFの調節不全/過発現と関連する疾患の処置方法に関し、該処置は、かかる処置を必要とする対象、特にヒトに有効量のここに記載する組成物を投与することを含む。
【0125】
さらなる態様において、本発明はここに記載する方法であって、ここに記載する組成物を、他の薬学的に許容される組成物と同時にまたは逐次的に組み合わせて投与する、方法に関する。
【0126】
かかる処置のために、適当な投与量は、当然、例えば、用いる本発明の薬物の化学的性質および薬物動態学的データ、使用する組成物のタイプ、個々の宿主および処置する状態の性質および重症度によって変わる。しかしながら、一般に、大型哺乳動物、例えばヒトにおいて満足な結果を得るために、指示される1日投与量は約0.01g〜約1.0gの本発明の化合物の範囲であり;好都合には、例えば、1日4回までの分割投与量で投与する。
【0127】
本発明は、第六の面において、本発明の薬物の特定の形態に関する。
【0128】
一つの態様において、本発明は結晶形態の6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド(“本発明の薬物”)に関する。特に、本発明は本発明の薬物の他の多形形態が実質的に存在しないここで定義する結晶形態に関する。
【0129】
さらなる態様において、本発明は溶媒和物、特に水和物、例えばヘミ水和物の形態の本発明の薬物に関する。本発明はそれ故に結晶形態の本発明の薬物に関し、該結晶はさらに1種以上の溶媒分子、好ましくは1種の溶媒分子、例えば水を化学量論的に定義された量で結晶格子中に含む。ヘミ水和物が特に有利な特性を有することが判明した:それらは環境条件下および水を含む溶液中で安定な変態である。ヘミ水和物はここに記載する組成物の製造に特に適すると考えられる。
【0130】
さらなる態様において、本発明は7.4、9.9および11.1°2シータにX線粉末回折ピークを含むヘミ水和物形態(結晶形態A)の本発明の薬物に関する。X線回折ダイアグラムの特徴的線は、強い強度を有する24.8°の回折角2シータで観察できる。さらに特徴的線が反射法で例えば7.4、9.9、11.1,14.9および15.8°2シータで観察できる。
【0131】
15.8での特徴的線は透過技術により結晶形態特異的であることが判明した。
透過技術によりさらに広く見れば、形態Aは2.2、6.6、15.8、19.4°2シータの回折角2シータでの1個以上の回折ピークにより特徴付けできる。
【0132】
さらなる態様において、本発明は次のX線粉末回折ピーク(透過技術)を含むヘミ水和物形態の本発明の薬物(結晶形態B)に関する:
さらなる態様において、本発明は4.4、6.6および11.1°2シータにX線粉末回折ピークを含むヘミ水和物形態の本発明の薬物(結晶形態B)に関する。X線回折ダイアグラムにおける特徴的ピークは強い強度を有する18.1°の回折角2シータで観察できる。さらに特徴的ピークが反射法で例えば2.2、4.4、6.6、11.1、13.3および18.1°2シータで観察できる。
【0133】
12.3での特徴的ピークは他のピークと比較して弱い強度にもかかわらず、透過技術により結晶形態特異的であると判明した。
【0134】
透過技術によりさらに広く見れば、形態Bは2.2、11.1、12.3、16.6および20.4°2シータの回折角2シータでの1個以上の回折ピークにより特徴付けできる。
【0135】
相対的強度は粒子径、形およびサンプル調製法を含む数種の因子により、故に変わる可能性がある。それらは情報としてのみ包含させるものであり、本発明をいかなる方法でも限定することを意図しない。ここに記載する2シータ値は±0.2の誤差範囲を有する。
【0136】
結晶形態Bが環境条件下で特に安定な変態であることが判明し、それ故に、ここに記載する組成物の製造のために好ましい。
【0137】
【表1】

【0138】
【表2】

【0139】
【表3】

【0140】
【表4】

【0141】
【表5】

【0142】
さらなる態様において、本発明は本発明の薬物の結晶形態の製造方法および/または本発明の薬物を精製する方法であって、本発明の薬物をC−Cアルコールを含むまたはこれから成る溶液から結晶化する工程を含む、方法に関する。かかる方法のために適当な出発物質はa)粗形態(すなわち不純物を含む)またはb)非晶質形態またはc)望ましくない結晶形態の本発明の薬物を含む。
【0143】
有利に、かかる方法は
・ 本発明の薬物を、最大30wt.%までさらなる溶媒を含み得るC−Cアルコールに高温で、例えば還流温度で溶解し、
・ 溶液を低温で、例えば−5℃〜+35℃で、場合により種晶を添加して結晶化させ、
・ 得られた本発明の薬物の結晶を分離し、
・ 減圧下溶媒を除去して、純粋な結晶性の本発明の薬物またはその溶媒和物を得る
工程を含む。
【0144】
さらなる態様において、本発明は本発明の薬物のヘミ水和物の製造方法であって、
・ 本発明の薬物を、最大30wt.%まで水を含み得るC−Cアルコールに高温で、例えば還流温度で溶解し、
・ 低温で、例えば−5℃〜+35℃で、場合により種晶を添加して、結晶化を行い、
・ 得られた本発明の薬物の結晶を分離し、
・ 溶媒を低温で軽い真空下、例えば50℃以下で、≧30mbarで、水含量が2.2%〜3.0%になるまで除去して、本発明の薬物をヘミ水和物として得るか;
・ あるいは、最後の工程を減圧下での溶媒除去と再水和に置き換えて、本発明の薬物をヘミ水和物として得る
工程を含む、方法に関する。
【0145】
本発明の薬物の精製/製造方法は次の通り記載し得る:工程1:粗製の本発明の薬物を最大30wt.%まで水を含み得るC−Cアルコールと混合する。好ましいアルコール類はメタノール、エタノール、n−プロパノールおよびイソプロパノール、特に好ましくはエタノールである。(記載の溶媒中に、事実上医薬原体の貧溶媒である水が存在することにより、医薬原体の溶解度を本方法の商業化を可能にする適切な値まで減少できる。他方で、水は所望の水和物の形成に必須である。)
【0146】
工程2:得られた混合物を還流して透明溶液を得る。場合により、クリア・フィルトレーション(clear filtration)を行う。最初に医薬原体を純粋な溶媒、または所望量より少ない量の水を含む溶媒に溶解したとき、溶液が沈殿なく透明である限り、所望の水含量に到達するために透明溶液にさらなる水を添加してよい。
【0147】
工程3:得られた溶液を次いでゆっくり冷却して、準安定溶液を得る;例えば約0.5℃/分の冷却速度で50±5℃まで。
【0148】
工程4:結晶化を、例えば種晶添加により開始する。これは、所望の形態、結晶構造および形態学を有するための制御された結晶化工程を誘発する。種晶添加−結晶化はまた、ほとんどの場合微粒子の形成および結晶中の不純種の包含による悪い精製効果によるものである突然の沈殿の発生を最小化できる。例えば、粗大な物質の粉砕により製造した種晶は、狭い粒子径分布の微粒子でなければならない。種晶物質の量は粗製の本発明の薬物の0.01−1wt%であり得る。種晶添加後、溶液は濁った懸濁液に代わり、一定時間、一定温度で維持後も濁ったままである
【0149】
工程5:システムをさらに、例えば0〜5℃まで約0.1℃/分次の冷却速度で冷却する。ゆっくり冷却することにより、ゆっくり乃至中程度の結晶成長速度が確保され、これは所望の構造および純度の結晶を得るために重要である。
【0150】
工程6:こうして得た懸濁液を濾過し、フィルター上の湿物質をアルコール/HO混合物(比率1:1)で2〜3回線上する。場合によりフィルターケーキを1〜2回純粋なHOで洗浄してよい。
【0151】
工程7:単離した湿物質を低温および軽い真空下、例えば50℃以下、≧30mbarで水含量が2.2%〜3.0%になるまで乾燥させる。過剰に乾燥させた場合、ヘミ水和物結晶形態Bを再獲得するために、一定時間20〜90%のRh範囲で再水和工程を行う。本発明の化合物の結晶ヘミ水和物、多形Bをこうして得て、XRPD、TGAおよびカール・フィッシャー滴定により確認する。
【0152】
さらなる態様において、本発明はここに記載する方法により得られる、または得た本発明の薬物に関する。
【0153】
発明を実施するための方法
次の実施例は、範囲を限定することなく本発明を説明するために提供する。本発明はここに明示する態様に限定されず、本開示の範囲内に入る全ての形態を包含すると解釈すべきである。
【0154】
温度は摂氏度(°)で示す。特にことわらない限り、反応は室温でN雰囲気下行う。各物質が移動した距離と溶離剤先端が移動した距離の比率を示すR値はシリカゲル薄層プレート(Merck, Darmstadt, Germany)上、それぞれ記載した溶媒系を使用する薄層クロマトグラフィーにより決定する。
【0155】
【表6】

【実施例】
【0156】
本発明の薬物
【化19】

【0157】
実施例A:6−ヒドロキシ−ナフタレン−1−カルボン酸4,6−ジメトキシ−[1,3,5]トリアジン−2−イルエステル
6−ヒドロキシ−ナフタレン−1−カルボン酸(65.0g、1.0当量)を20℃でアセトニトリル(975ml)に懸濁した。懸濁液を10℃に冷却し、DMTMM(105g、1.1当量)を、10〜15℃の温度を維持しながら30〜60分間かけて添加した。混合物を20℃で15時間撹拌後、水(975ml)を30〜60分間かけて添加した。得られた懸濁液を20℃で3時間撹拌し、固体を濾過により回収した。フィルターケーキを水で洗浄し、60℃で完全真空下(full vacuum)乾燥させて、6−ヒドロキシ−ナフタレン−1−カルボン酸4,6−ジメトキシ−[1,3,5]トリアジン−2−イルエステルを得た(96.1g、理論値の85%)。
1H-NMR (DMSO-d6): 10.16 (1H); 8.73 (1H); 8.18 (2H); 7.59 (1H); 7.33 (2H); 4.01 (6H). MS (ESI, m/e) 326 [M-H]-. mp.: 166 - 168℃。
【0158】
実施例B:6−ヒドロキシ−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
6−ヒドロキシ−ナフタレン−1−カルボン酸4,6−ジメトキシ−[1,3,5]トリアジン−2−イルエステル(60.0g、1.0当量)をN−メチル−2−ピロリジノン(185ml)に20℃で溶解した。得られた溶液に、3−トリフルオロメチル−フェニルアミン[CAS 98-16-8](44.3g、1.5当量)を30分間かけて添加した。混合物を55℃で16時間加熱し、22℃に冷却した。酢酸エチル(600ml)添加後、混合物をさらに22℃で60分間撹拌した。混合物を濾過し、フィルターケーキを酢酸エチル(60ml)で洗浄した。合わせた濾液の層を分離し、有機層を2N HCl溶液、水、水性炭酸水素ナトリウム溶液および水性塩化ナトリウム溶液で洗浄した。有機層を40℃で減圧下、一部濃縮し、トルエン(600ml)を60℃で1〜2時間かけて添加した。懸濁液を60℃で減圧下、一部濃縮し、トルエン(300ml)を40℃で添加した。懸濁液を80℃で30分間加熱後、混合物を6時間以内に20℃に冷却し、沈殿した固体を濾過により単離した。フィルターケーキをトルエンで洗浄し、50℃で乾燥させて、6−ヒドロキシ−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド(46.2g、理論値の76%)を灰白色粉末として得た。
1H-NMR (DMSO-d6): 10.82 (1H); 9.90 (1H); 8.32 (1H); 8.05 (1H); 7.98 (1H); 7.85 (1H); 7.60 (1H); 7.53 (1H); 7.50 (1H); 7.46 (1H); 7.21 (1H); 7.15 (1H). MS (ESI, m/e) 332 [M+H]+. mp.: 201-202℃. IR (v/cm-1): 3267, 3094, 2707, 1639, 1557, 1439, 1332, 1166, 1122, 793。
【0159】
【化20】

【0160】
実施例C:4−ベンジルオキシ−3−オキソ−酪酸エチルエステル[CAS 67354-34-1]
水素化ナトリウム(23.9g、2.0当量)をテトラヒドロフラン(280g)に環境温度で懸濁した。混合物を15℃に冷却し、フェニル−メタノール[CAS 185532-71-2](32.4g、1.0当量)を、温度を15℃以下に維持しながら30分間以内に添加した。得られた溶液に、4−クロロ−3−オキソ−酪酸エチルエステル[CAS 638-07-3](49.4g、1.0当量)を、温度を15℃以下に維持しながら30分間以内に添加した。溶液を80℃で18時間撹拌し、15℃に冷却した。水(100ml)を添加し、混合物を真空下、30℃で一部濃縮して、テトラヒドロフランを除去した。水性クエン酸溶液を添加し、反応混合物を酢酸イソプロピルで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、30℃で減圧下濃縮して、4−ベンジルオキシ−3−オキソ−酪酸エチルエステル(70.0g、理論値の99%)を黄色油状物として得た。
1H-NMR (CDCl3): 7.37 (-H); 4.60 (-H); 4.13 (-H); 3.51 (-H); 1.26 (-H)。
【0161】
実施例D:6−ベンジルオキシメチル−ピリミジン−4−オール[CAS 188177-37-9]
ナトリウムメトキシド(67.8gのメタノール中30%溶液、2.5当量)をメタノール(320g)に環境温度で添加した。混合物を5℃に冷却し、温度を5℃以下に維持しながら30分間以内に酢酸・ホルムアミジン[CAS 3473-63-0](23.4g、1.5当量)、続いて化合物8(35.4g、50ml メタノール中1.0当量)を添加した。混合物を22℃で3日間撹拌し、30℃で減圧下一部濃縮して、メタノールを除去した。水および水性クエン酸溶液を添加し、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。合わせた有機層を水で洗浄し、30℃で減圧下濃縮した。酢酸イソプロピルを添加し、沈殿した固体を濾過により回収した。フィルターケーキを酢酸イソプロピルで洗浄し、22℃で真空下乾燥させて、6−ベンジルオキシメチル−ピリミジン−4−オール(25.9g、理論値の80%)を白色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6): 13.39 (1H); 8.12 (1H); 7.38 - 7.26 (5H); 6.70 (1H); 4.67 (2H); 4.45 (2H). MS (ESI, m/e) 217 [M+H]+. mp.: 102-103℃。
【0162】
実施例E:4−ベンジルオキシメチル−6−クロロ−ピリミジン[CAS 914802-11-2]
6−ベンジルオキシメチル−ピリミジン−4−オール(10.8g、1.0当量)をトルエン(150ml)に環境温度で懸濁した。得られた懸濁液に、オキシ塩化リン(30.6g、4.0当量)およびトリプロピルアミン(21.3g、3.0当量)を添加した。反応混合物を40℃で1時間撹拌した。5℃で、水酸化アンモニウム水溶液を添加し、得られたエマルジョンの相を分離した。有機層を水で洗浄し、シリカゲルパッドを通した。濾液を30℃で減圧下濃縮して、4−ベンジルオキシメチル−6−クロロ−ピリミジン(8.19g、理論値の70%)を薄黄色油状物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6): 8.98 (1H); 7.64 (1H); 7.40 - 7.29 (5H); 4.65 (4H). MS (ESI, m/e) 235 [M+H]+. IR (v/cm-1): 3032; 2863; 1569; 1536; 1454; 1318; 1111; 1091; 904; 744。
【0163】
【化21】

【0164】
実施例F:6−(6−ベンジルオキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
6−ヒドロキシ−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド(16.6g、1.0当量)および炭酸カリウム(20.7g、3.0当量)のN−メチル−2−ピロリドン(40ml)懸濁液に、100℃で、化合物11(12.3g、1.05当量)のN−メチル−2−ピロリドン(15.0ml)溶液を約60分間以内に添加した。反応混合物を22℃に冷却し、酢酸イソプロピル(220ml)および水性塩化ナトリウム溶液(220ml、10%m/m溶液)を添加した。有機層を水性クエン酸溶液(216ml、5%m/m溶液)および水(110ml)を使用して洗浄した。続いて、有機層の溶媒を分離し、40℃で減圧下、その最初の量の約半量まで濃縮し、トルエン(150ml)を添加した。得られた混合物を再び40℃で減圧下濃縮し、トルエン(150ml)を添加した。得られた懸濁液を0〜5℃に冷却し、固体を濾過により単離した。フィルターケーキをトルエンで洗浄し、55℃で完全な真空下乾燥させて、6−(6−ベンジルオキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド(23.1g、理論値の87%)を微細な灰白色固体として得た。
1H-NMR (DMSO-d6): 10.96 (1H); 8.72 (1H); 8.33 (2H); 8.11 (1H); 8.03 (1H); 7.92 (1H); 7.84 (1H); 7.70-7.62 (2H); 7.50 (2H); 7.36 - 7.27 (5H); 7.16 (1H); 4.65 (2H); 4.63 (2H). MS (ESI, m/e) 530 [M+H]+. mp.: 123-124℃. IR (v/cm-1): 3269; 3026; 2864; 1650; 1553; 1370; 1337; 1169; 1129; 700。
【0165】
【化22】

【0166】
実施例G(条件a):6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
6−(6−ベンジルオキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド(20.0g、1.0当量)をトリフルオロ酢酸(108g、25当量)とトルエン(10ml)の混合物中、70℃で17時間加熱した。反応混合物を22℃に冷却し、水性3M 水酸化ナトリウム溶液(300g)と塩化ナトリウム(55.0g)の混合物を5〜10℃で添加してクエンチした。得られた溶液のpHを水性3N 水酸化ナトリウム溶液(22ml)の添加により6〜9に調節した。得られた懸濁液に、2−メチルテトラヒドロフラン(240ml)を添加し、混合物を全固体が溶解するまで30℃で撹拌した。相を分離し、有機層を場合により活性炭で処理してよく、場合により酸化アルミニウムで濾過してよく、水性炭酸水素ナトリウム溶液および水で洗浄した。最後に、有機層を40℃で減圧下、一部濃縮し、トルエン(150ml)を添加した。得られた懸濁液を22℃に冷却し、固体を濾過により単離した。フィルターケーキをトルエンで洗浄し、60℃で完全真空下乾燥させて、6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド(14.4g、理論値の87%)を微細な灰白色固体として得た。
【0167】
実施例G(条件b):6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
6−(6−ベンジルオキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド(10.0g、1.0当量)をジクロロメタン(50.0ml)に環境温度で懸濁した。懸濁液を−5〜0℃に冷却し、メタンスルホン酸(36.3g、20.0当量)を温度を−5〜5℃に維持しながら90分間以内に添加した。溶液を20℃に加熱し、溶液を20℃で8時間撹拌した。反応混合物を−5〜0℃に冷却し、2M 水性水酸化ナトリウム溶液(133ml)を添加した。20℃で2時間撹拌後、懸濁液を濾過し、フィルターケーキを水およびエタノールで洗浄した。単離した物質を50℃で真空で乾燥させて、6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド(7.5g、理論値の90%)を灰白色として得た。
1H-NMR (DMSO-d6): 10.96 (1H); 8.67 (1H); 8.34 (2H); 8.11 (1H); 8.02 (1H); 7.91 (1H); 7.83 (1H); 7.70-7.61 (2H); 7.50 (2H); 7.12 (1H); 5.68 (1H); 4.56 (2H). MS (ESI, m/e) 440 [M+H]+. IR (v/cm-1): 3281; 3065; 2852; 1650; 1553; 1372; 1337; 1166; 1132; 700。
【0168】
【化23】

【0169】
実施例H:6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
6−(6−ベンジルオキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド(10.0g、1.0当量)を酢酸無水物(16.2g、8.4当量)に環境温度で懸濁した。懸濁液を70℃に加熱し、硫酸97%(5.52g=2.9当量)を添加し、混合物を70℃で1時間撹拌した。反応混合物を40℃に冷却し、温度を20℃以下に維持しながら水性3M 水酸化ナトリウム溶液(124ml)の添加によりクエンチした。得られた混合物に、2−メチルテトラヒドロフラン(75ml)を30℃で添加し、有機層を分離し、水性炭酸水素ナトリウム溶液(25ml)で洗浄した。有機層を場合により活性炭で処理してよく、酸化アルミニウムで濾過してよい。酢酸6−[5−(3−トリフルオロメチル−フェニルカルバモイル)−ナフタレン−2−イルオキシ]−ピリミジン−4−イルメチルエステル含有溶を50℃に加熱し、メタノール(20ml)およびナトリウムメトキシド(0.150mlのメタノール中30%溶液、0.04当量)を添加した。混合物を50℃で5時間撹拌し、2−メチルテトラヒドロフランおよび水を添加した。20℃で相分離後、有機層を水で洗浄し、40℃で減圧下一部濃縮した。トルエンを添加し、得られた懸濁液を22℃に冷却し、固体を濾過により単離した。フィルターケーキをトルエンで洗浄し、60℃で完全真空下乾燥させて、6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド(7.08g、理論値の85%)を微細な灰白色固体として得た。
【0170】
【化24】

【0171】
実施例I:6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドヘミ水和物:
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド(9.0g)をエタノール(87.3ml)と水(7.6ml)の混合物に65℃で溶解した。溶液を熱濾過し、55℃に冷却した。55℃で、種晶懸濁液を溶液に添加して結晶化を誘発した。懸濁液を8時間以内に0℃まで直線的に冷却し、沈殿した固体を濾過により回収した。フィルターケーキをエタノールと水の混合物で洗浄し、40℃で減圧下乾燥させて、6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドヘミ水和物(7.5g、理論値の83%)を白色結晶形態のヘミ水和物として得た。
1H-NMR (DMSO-d6): 10.96 (1H); 8.67 (1H); 8.34 (2H); 8.11 (1H); 8.02 (1H); 7.91 (1H); 7.83 (1H); 7.70-7.62 (2H); 7.49 (2H); 7.12 (1H); 5.69 (1H); 4.56 (2H). MS (ESI, m/e) 440 [M+H]+. mp.: 182℃. IR (v/cm-1): 3281; 3065; 2851; 1650; 1553; 1372; 1337; 1165; 1131; 700。
【0172】
WO2006/059234に記載の方法
実施例1:6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド
1.16g(2.41mMol)の6−[5−(3−トリフルオロメチル−フェニルカルバモイル)−ナフタレン−2−イルオキシ]−ピリミジン−4−カルボン酸エチルエステルの40mlのtert−ブタノール溶液に、218mg(5.76mMol)のNaBHを添加し、混合物を1時間、70℃で撹拌する。さらに109mgのNaBHを添加し、撹拌をさらに1時間、80℃で続ける。反応混合物を真空で濃縮し、残留物をEtOAcおよび飽和NaHCOに再溶解する。分離した水性相を2回EtOAcで抽出する。有機層を飽和NaHCOおよび塩水で洗浄し、乾燥させ(NaSO)、SiOを添加して濃縮する。この粉末をSiO−カラム(CHCl/EtOAc 2:1→1:1→EtOAc)の上に置く:最初に副産物6−(6−メチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドが溶出し{MS: [M+1]+ = 424; TLC(CH2Cl2/EtOAc 1: 1): Rf = 0.33; HPLC: AtRet = 15.1}、続いて表題化合物が溶出する:m.p.: 183-184℃; MS: [M+1]+ = 440; TLC(CH2Cl2/EtOAc 1: 1): Rf = 0.13; HPLC: AtRet = 14.3; Anal.: C,H,N,F。
HPLC条件:Ret:システムAについての保持時間[分]:直鎖状勾配20−100%CHCN(0.1%TFA)およびHO(0.1%TFA)を13分間+5分間100%CHCN(0.1%TFA);215nmで検出、25または30℃で流速1ml/分。カラム:Nucleosil 120-3 C18 (125×3.0mm)。
【0173】
実施例2:6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドヘミ水和物、変態B
合成:
250mlガラス反応器中9gの粗6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドを81gのエタノール/水(比率=9:1)に65℃で溶解した。55℃に冷却後、9mgの種晶(6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド変態B、粉砕)を添加して結晶化を誘発した。濁った溶液を8時間以内に0℃に冷却した。懸濁液フィルターフリットで単離し、湿生成物を3回20gのエタノール/水(1:1)混合物で洗浄し、さらに2回20gの純水で洗浄した。湿生成物を40℃および30mbarで17時間オーブンで乾燥させた;7.50gの白色生成物を得た。
【0174】
分析:
得られた生成物のカール・フィッシャー滴定は水含量が2.80%であることを示した。
TGA分析は、生成物が6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドヘミ水和物、変態Bであることを確認した。
XRPD分析を次に記載する通り行った;これはまた生成物が6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドヘミ水和物、変態Bであることを確認した。図1は、反射幾何学での得られたXRPDパターンを示す;バックグラウンド関与は、サンプル保護に使用するカプトンホイルによる。装置パラメータは次の通りであった:Bruker D8 Advance X線回折計、モード反射、走査範囲2°−40°(2シータ値)、CuKα(45kV、40mA)。医薬原体が粉砕されていないならば、同一装置パラメータを使用したとき、強い優先配向現象が観察されることが判明した。このパターンは違うと評価されるであろうが、粉砕したとき、変態Bに対応すると考えられる。図4は透過幾何学での得られたXRPdパターンを示す。装置パラメータは次の通りであった:Bruker D8 Vario X線回折計、モード透過、走査範囲2°−40°(2シータ値)、CuKα(45kV、40mA)。温度:20℃。
【0175】
実施例3:6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドヘミ水和物、変態B
実施例2に準ずるが、12gの粗6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドを88gのn−プロパノール/水(比率=9.8:0.2)に溶解して出発し、同じ結晶化方法を行った。結晶懸濁液濾過後、湿生成物を3回n−プロパノール/水(比率=1:1)混合物で洗浄した。物質を40℃および30mbarで24時間乾燥させた。XRPDおよびTGA分析は生成物が6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドヘミ水和物変態Bであることを示した。
【0176】
実施例4:6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドヘミ水和物、変態A
実施例2に準ずるが、濾過後の湿物質を40℃および12mbarで24時間乾燥させる。
TGA分析は生成物が6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドヘミ水和物、変態Aであることを確認した。
XRPD分析を次に記載する通り行った;これもまた生成物が6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドヘミ水和物、変態Aであることを確認した。図3は反射幾何学での得られたXRPDパターンを示す;バックグラウンド関与は、サンプル保護に使用するカプトンホイルによる。装置パラメータは次の通りであった:Bruker D8 Advance X線回折計、モード反射、走査範囲2°−40°(2シータ値)、CuKα(45kV、40mA)。図5は透過幾何学での得られたXRPdパターンを示す。装置パラメータは次の通りであった:Bruker D8 Vario X線回折計、モード透過、走査範囲2°−40°(2シータ値)、CuKα(45kV、40mA)。温度:20℃。
【0177】
実施例5:6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドヘミ水和物、変態A
実施例3に準じるが、濾過後の湿物質を40℃および10mbarで24時間乾燥させる。XRPDおよびTGAは生成物が過乾燥させた6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドヘミ水和物変態Aであることを示す。
【0178】
B 医薬組成物、溶液タイプ
軟膏を、下に示す添加物と本発明の薬物を、特に、水、クエン酸およびHPC以外の下に示す成分を合わせ、65℃に加熱して融解物を得た。水および適用できる場合HPC、およびクエン酸を65℃に加熱し、この温度で得られた融解物にゆっくり添加した。得られた組成物をゆっくり室温に冷却して、溶液タイプの組成物を得た。本発明の薬物は、上に記載する通りに得た。
【0179】
【表7】

【0180】
C 懸濁液タイプの医薬組成物
軟膏を下に示す添加物と本発明の薬物を合わせることにより製造した。特に、本発明の薬物以外の下に示す全成分を合わせ、85℃に加熱して融解物を得た。得られた融解物を70℃に冷却した。本発明の薬物をこの温度に加熱して添加した。得られた組成物をゆっくり室温に冷却して、懸濁液タイプの組成物を得た。本発明の薬物は、上に記載する通りに得た。
【0181】
【表8】

【0182】
D 安定性試験およびスケールアップ
上で製造した溶液タイプの医薬組成物を化学的安定性について試験した。13週間、40℃で貯蔵後、1.5%の分解産物しか検出されない。懸濁液タイプの医薬組成物を化学的安定性について試験した。12週間、40℃で貯蔵後、1%未満の分解産物しか検出されない。組成物の化学的安定性は極めて良好であることが判明した。
50−500g規模で上で製造した溶液タイプの医薬組成物を物理的安定性について試験した。12週間後、本発明の薬物の再結晶化は研究室バッチについて観察されなかった。
【0183】
5−25kg規模で製造したバッチについて、5℃および室温で6週間後の本発明の薬物の再結晶化が観察された。軟膏Eについて、種々の温度で6週間貯蔵後の本発明の薬物の再結晶化。図6は本発明の薬物の結晶を示す、軟膏Eの顕微鏡観察を記載する。加えて、セチルおよびステアリルアルコールの再結晶化のために、この製剤を皮膚に塗布したとき、化粧品として適切ではない感覚(“ざらつき感”)が観察された。図7は、セチル/ステアリル結晶を示す、軟膏Eの顕微鏡観察を記載する。医薬原体再結晶化は0.8%まで医薬濃度を減少させることにより回避できる。セチルおよびステアリルアルコールが原因の化粧品として好ましくない特性、“ざらつき感”は、粘性を高める他の添加物の使用により回避できる。図8は“ざらつき感”がない、軟膏Cの顕微鏡観察を記載する。
【0184】
5−25kg規模で製造した軟膏Aのバッチについて、ヒドロキシプロピルセルロースの沈殿のために、40℃で貯蔵後の安定性試験中に不均等性が観察された(医薬添加物の手引き:HPCは熱水に不溶性であり、40℃〜45℃の温度で高度に膨張した綿状沈澱物として沈殿する)。
軟膏Bの5−25kg規模で製造する大規模化は、PEG6000の再結晶化/沈殿をもたらす。図9はPEG6000の再結晶化を証明する軟膏Bの巨視的観察を示す。
【0185】
上で製造した懸濁液タイプの医薬組成物を物理的安定性について試験した。5℃およびRTで12週間にわたって結晶成長は観察されず、マトリクス構造は未変化のままであった。
溶液タイプ組成物Cおよび懸濁液タイプ組成物Hの両方の物理的安定性は極めて良好であることが判明した。
【0186】
上で製造した溶液タイプの医薬組成物を化学的安定性について試験した。軟膏CおよびAの6ヶ月間の、加速および実時間安定性データは2年間の貯蔵寿命を示した。これらの組成物の良好な安定性はBHTの添加による。
【表9】

【0187】
上で製造した溶液タイプの医薬組成物を光安定性について試験した。ICH条件に従う試験は、3.8%の分解を示した。
上で製造した懸濁液タイプの医薬組成物を光安定性について試験した。ICH条件に従う試験は、1.9%の分解を示した。
典型的使用条件下で、観察された分解は問題になるとは見なされない。
【0188】
懸濁液タイプ組成物軟膏Hの化学的安定性は極めて良好であることが判明した。分解産物の総量は、12ヶ月間、5℃の温度で0.1%を超えなかった。加えて、有効成分の点で優れた化学的安定性が12ヶ月間、最高30℃までの温度で、および6ヶ月間、最高40℃までの温度でそれぞれ観察された。
【0189】
【表10】

【0190】
E インビボ試験
1)皮膚透過
上で製造した溶液タイプの医薬組成物をブタに適用した(4cmアッセイ):小皮膚領域(4cm)を局所的に種々の時間間隔で処置した(0.5〜8時間);最後の試験の30分後に動物を屠殺した。中心に処置部位がある皮膚弁を切開し、採取した。皮膚弁を広げ、試験部位上に置いた金属ブロックで1分間温めて、表皮と真皮の剥離を誘発させた。ゆるんだ表皮を剥がし、除いた。1mm厚皮膚シートを、デルマトームを伴う処置した、脱表皮領域と共に除いた。これらのシートから、6mmパンチ生検サンプルを取り、試験化合物濃度をLC/MSで分析した。記載する方法を、表面に付着した試験化合物で皮膚サンプルが汚染されないように注意しながら行った。
【0191】
次の表は、示した組成物を皮膚上に適用したときのブタ真皮における本発明の薬物のAUC値を提供する(n=8)
【表11】

AUCは曲線下面積を意味し、臨床薬理学で既知の用語である。AUC値は薬物の総取り込みである。軟膏タイプ、溶液タイプの全て、本発明の薬物の皮膚への良好な透過を可能にする。
軟膏Bは良好な皮膚透過レベルを可能にする。
0.8%の本発明の薬物を含む軟膏Cは、1.0%の同薬物を含むCSF軟膏Eと生物学的等価性である(軟膏CおよびEについてそれぞれAUC値1.2μgh/gおよび1.1μgh/g)。
【0192】
上で製造した溶液タイプ軟膏Eおよび懸濁液タイプ軟膏Hの医薬組成物をブタ(4cmアッセイ)に適用した。皮膚上に適用した後のブタ真皮における本発明の薬物濃度を比較した。溶液タイプおよび懸濁液タイプ製剤の両方とも、本発明の薬物の皮膚への良好な透過を可能にする。特に懸濁液タイプ製剤は、期待以上に良好な皮膚透過濃度を示す。
【表12】

【0193】
2) 血管形成および血管浸透性阻害
血管内皮細胞増殖因子(VEGF)はインビトロおよびインビボで血管新生および血管浸透性促進活性を有する。我々は、これらの主VEGF仲介応答の阻害を使用して、ブタ皮膚モデルにおける局所適用した本発明の薬物のアンタゴニスト効果を証明した。ブタ皮膚が構造面および生体異物の浸透性でヒト皮膚に極めて似ているため、若齢家畜ブタを使用した。本発明の薬物に関連した皮膚血管形成阻害を、ブタでの試験用に開発された“マトリゲル”アッセイで試験した;改変マイルスアッセイを用いる皮膚における血管浸透性阻害。内皮細胞が移入してきて新規血管を形成するマトリゲルインプラントを用いて、適応した試験品の抗血管形成効果をインビボで評価できる;マイルスアッセイを用いて、エバンスブルー標識アルブミンの血管外漏出をVEGF誘発血管漏出後に測定する。
【0194】
a) 家畜ブタにおけるマトリゲルアッセイ
方法:16〜18kg体重の家畜ブタの両傍正中腹側腹部側の試験領域を0.5%6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたは媒体(エタノール/プロピレングリコール3/7)のみで局所的処置した。処置を1〜4日目に1日2回行った。2日目に、血管新生因子200ng/nl VEGF−165および40U/ml ヘパリンを充填した100μl マトリゲルを処置領域の10個所に皮内注射した。5日目に、動物を屠殺し、注射部位から8mmパンチを集め、皮下脂肪組織を除き、出血性プラグを注意深く切開し、秤量した。その後、サンプルをディスパーゼで消化し、単一細胞懸濁液を調製した。単離した細胞を内皮細胞マーカーCD31またはアイソタイプコントロールで染色し、内皮細胞ゲーティング後FACSで分析した。
【0195】
結果:インプラントしたマトリゲルプラグの重量増加は血管形成および血液流入に由来する。媒体処置部位から切除したプラグの平均重量は108mgであったのに対し、0.5%6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドで皮膚処置している部位由来のプラグの重量は88mgであり、19%低かった(表1)。CD31+細胞数(内皮細胞上の分画)について、本発明の薬物および媒体処置部位由来のプラグは66%異なった。それ故に、局所適用された本発明の薬物は、現設定では主としてインプラント前にマトリゲルに付加されたVEGFにより誘発された新血管形成を阻害した。VEGFは血管形成調節に重要な因子である。
【0196】
【表13】

エタノール:プロピレングリコール3/7に溶解、§:内皮細胞上の分画、***:p<0.001対媒体対照、平均[SEM]、n:15(6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド部位)および18(媒体)
【0197】
b) 家畜ブタにおけるマイルスアッセイ
方法:16〜18kg体重の家畜ブタの両傍正中腹側腹部側の5×20cm試験領域を1mlの0.8%6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドで3回(VEGFで血管漏出を誘発する30時間、7時間および3時間前)局所処置した。6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドを、上で製造した溶液タイプ、軟膏Cの組成物として、またはエタノール/プロピレングリコール(3/7)に溶解して適用した。対照動物を対応するプラセボで同油に処置した(6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドがない溶液タイプ、軟膏Cの組成物)。次に、VEGF 165(R&D Systems、50μl PBS中10ng)を、両方の処置領域の4個所に注射した。10分前に、2%エバンスブルー溶液を静脈内注射(2ml/kg体重)し、血管外漏出を測定した。VEGF攻撃30分間後、動物を屠殺し、8mmパンチ生検サンプルを注射部位から取った。エバンスブルーを生検サンプルから0.5ml ホルムアミドにより抽出し、上清中のエバンスブルー濃度を測光法で測定した。前試験はPBSのみの注射が、エバンスブルーの測定可能な血管外漏出をもたらさないことを確認している。それ故に、PBSのみを注射した部位は対照として入れなかった。
【0198】
結果:溶液タイプ、軟膏Cの組成物での皮膚領域の前処置は、6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドを含まない溶液タイプ、軟膏Cの組成物(プラセボ)で処置した部位の血管外漏出と比較して、VEGF誘発血管外漏出を33%阻害した(p>0.01)。エタノール/プロピレングリコールに溶解した本発明の薬物の適用は24%阻害をもたらした。このデータは、皮膚上に適用した本発明の薬物が、抗VEGF活性を示す十分な濃度で真皮に透過していることを示す。
【0199】
【表14】

:3匹の動物の32試験部位の平均(SD);++:2匹の動物の16部位の平均(SD);
***:p<0.001対プラセボ;**:p<0.01対プラセボ
エタノール:プロピレングリコール3/7に溶解
【0200】
結果は、皮膚および粘膜に局所適用した6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドは血管外漏出および血管形成のような主VEGF仲介効果を阻害することをシミエス。血管浸透性増加が新血管形成前に起こる。それ故に、本発明の薬物での局所処置は、血管浸透性および血管形成と関連する疾患に対して有効である。
【0201】
以下もまた本発明の態様である:
A. 6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその溶媒和物および1種以上の薬学的に許容される添加物を含む局所医薬組成物;好ましくは半固体、局所医薬組成物。
【0202】
B.
a) 6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその溶媒和物;および
b) 親水性マトリクス(該マトリクスは)1種以上のポリエチレングリコール(PEG)および場合により水を含む
を含む、Aの組成物。
【0203】
C. マトリクスb)が低分子量PEG、高分子量PEGおよび場合により水;好ましくは100〜1000g/molの分子量を有するPEG、2000〜25000g/molの分子量を有するPEGおよび水を含む、Bの組成物。
【0204】
D. マトリクスb)が400g/molの分子量を有するPEG、6000g/molの分子量を有するPEGおよび水を含む、BまたはCの組成物。
【0205】
E. 成分a)が総組成物の0.2〜5wt.%の量で存在し、該マトリクスb)が少なくとも50wt.%PEGおよび最大で40wt.%の水を含む、B〜Dのいずれかの組成物。
【0206】
F. 抗酸化剤、ゲル化剤、ph調節剤/緩衝剤、粘稠度修飾剤、防腐剤、(共)溶媒、増量剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、滑剤、香料、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、可溶化剤および浸透圧調整用塩からなる群から選択される1種以上の添加物をさらに含む、B〜Eのいずれかの組成物。
【0207】
G. 透過促進剤を含まない、B〜Fのいずれかの組成物。
【0208】
H.
a) 6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその溶媒和物;
b) 疎水性マトリクス;および
c) 透過促進剤
を含む、Aの組成物。
【0209】
I. 該マトリクスb)がパラフィン類、植物油類、動物性脂肪、合成グリセリド類、蝋類および液体ポリシロキサン類からなる群から選択される1種以上の化合物を含む、Hの組成物。
【0210】
J. 該マトリクスb)が少なくとも2種の炭化水素類;好ましくは鉱油、ペトロラタム、微結晶蝋を含む、HまたはIの組成物。
【0211】
K. 該透過促進剤c)が飽和脂肪酸類およびそのエステル類、特にミリスチン酸イソプロピル(isoproyl)からなる群から選択される、H〜Jのいずれかの組成物。
【0212】
L. 成分a)が総組成物の0.2〜5wt.%の量で存在し、成分c)が総組成物の0.5〜20wt.%の量で存在し、該マトリクスb)が最大66wt.%の鉱油、最大98wt.%のペトロラタム、最大25wt.%の微結晶蝋を含む、H〜Kのいずれかの組成物。
【0213】
M. i)皮膚科疾患または状態、ii)網膜の疾患、状態または損傷、またはiii)美容皮膚科、特に乾癬、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触性皮膚炎または酒さの処置のための、または処置に使用するための、A〜Lのいずれかの組成物。
【0214】
N. 皮膚科疾患または状態の処置方法であって、かかる処置を必要とする対象、特にヒトに有効量のここに記載する組成物を投与することを含む、方法。
【0215】
O. 乾癬、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触性皮膚炎または酒さの処置方法であって、かかる処置を必要とする対象、特にヒトに有効量のここに記載する組成物を投与することを含む、方法。
【0216】
P. 結晶形態の6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロ−メチル−フェニル)−アミド。
【0217】
Q. 溶媒和物、特にヘミ水和物の形態の、Pの化合物。
【0218】
R. 次のXRPDピーク(変態B)
【表15】

または次のXRPDピーク(変態A)
【表16】

または次のXRPDピーク(変態A)
【表17】

により特徴付けられる、ヘミ水和物の形態の化合物Q。
【0219】
S. 医薬としてのP〜Qのいずれかの化合物。
【0220】
T. i)皮膚科疾患または状態、ii)網膜の疾患、状態または損傷、iii)美容皮膚科における処置のための、または処置に使用するための;特に乾癬、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触性皮膚炎または酒さの処置のための、または処置に使用するための、P〜Qのいずれかの化合物。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその溶媒和物および親水性マトリクス(該マトリクスは1種以上のポリエチレングリコール(PEG)および場合により水を含む)を含む局所医薬組成物;好ましくは半固体、局所医薬組成物。
【請求項2】
マトリクスが低分子量PEG、高分子量PEGおよび場合により水;好ましくは200〜1000g/molの分子量を有するPEG、2000〜5000g/molの分子量を有するPEGおよび水を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
マトリクスが400g/molの分子量を有するPEG、4000g/molの分子量を有するPEGおよび水を含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
該マトリクスが10〜80wt.%の低分子量PEGおよび10〜80wt.%の高分子量PEGを含む、請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
次の添加物:ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(BHA)、アルファトコフェロール、アスコルビン酸またはこれらの混合物、ブチル化ヒドロキシトルエン(BHT)から選択される0.01%〜2.0%の抗酸化剤をさらに含む、請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその溶媒和物が総組成物の0.2〜5wt.%の量で存在し、該マトリクスが少なくとも50wt.%のPEGおよび最大で40wt.%の水を含む、請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
抗酸化剤、ゲル化剤、pH調節剤/緩衝剤、粘稠度修飾剤、防腐剤、(共)溶媒、増量剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、滑剤、香料、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、可溶化剤および浸透圧調整用塩からなる群から選択される1種以上の添加物をさらに含む、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
少なくとも2.5wt-%の透過促進剤を含まない、請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその溶媒和物、疎水性マトリクス;および透過促進剤を含む局所医薬組成物;好ましくは半固体、局所医薬組成物。
【請求項10】
マトリクスがパラフィン類、植物油類、動物性脂肪、合成グリセリド類、蝋類および液体ポリシロキサン類からなる群から選択される1種以上の化合物を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
マトリクスが少なくとも2種の炭化水素類;好ましくは鉱油、ペトロラタム、微結晶蝋を含む、請求項9または10に記載の組成物。
【請求項12】
透過促進剤が飽和脂肪酸類およびそのエステル類、特にミリスチン酸イソプロピル(isoproyl)からなる群から選択される、請求項9〜11のいずれかに記載の組成物。
【請求項13】
6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミドまたはその溶媒和物が総組成物の0.2〜5wt.%の量で存在し、透過促進剤が総組成物の2.5〜20wt.%の量で存在し、マトリクスが最大66wt.%の鉱油、最大98wt.%のペトロラタム、最大25wt.%の微結晶蝋を含む、請求項9〜12のいずれかに記載の組成物。
【請求項14】
i)皮膚科疾患または状態、ii)網膜の疾患、状態または損傷、またはiii)美容皮膚科、特に乾癬、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触性皮膚炎または酒さの処置のための、または処置に使用するための、請求項1〜13のいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
酒さの処置のための、請求項1〜13のいずれかに記載の組成物。
【請求項16】
皮膚科疾患または状態の処置方法であって、かかる処置を必要とする対象、特にヒトに、有効量の請求項1〜13のいずれかに記載の組成物を投与することを含む、方法。
【請求項17】
乾癬、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触性皮膚炎または酒さの処置方法であって、かかる処置を必要とする対象、特にヒトに、有効量の請求項1〜13のいずれかに記載の組成物を投与することを含む、方法。
【請求項18】
結晶形態の6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロ−メチル−フェニル)−アミド。
【請求項19】
溶媒和物、特にヘミ水和物の形態の請求項18に記載の化合物。
【請求項20】
ヘミ水和物形態が結晶形態Aについて7.4、9.9、14.9および15.8° 2シータのX線粉末回折ピークまたは結晶形態Bの場合12.3、16.6および16.9の2シータ値により特徴付けられる、請求項19に記載の化合物。
【請求項21】
医薬としての、請求項18〜20のいずれかに記載の化合物。
【請求項22】
i)皮膚科疾患または状態、ii)網膜の疾患、状態または損傷、iii)美容皮膚科における処置のための、または処置に使用するための;特に乾癬、アトピー性皮膚炎、アレルギー性接触性皮膚炎または酒さの処置のための、または処置に使用するための、請求項18〜20のいずれかに記載の化合物。
【請求項23】
酒さの処置のための、または処置に使用するための、請求項18〜20のいずれかに記載の化合物。
【請求項24】
酒さの処置のための、または処置に使用するための、6−(6−ヒドロキシメチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ナフタレン−1−カルボン酸(3−トリフルオロメチル−フェニル)−アミド、またはその塩、水和物、多形。
【請求項25】
式(13)
【化1】

の化合物、またはその塩を、式(12)
【化2】

の化合物、またはその塩から製造する方法であって、
a) 式(12)の化合物を強酸で処理して式(13)の化合物を得て、場合によりその後
b) 式(13)の化合物、またはその塩を結晶化させて式(14)
【化3】

の化合物を得て、
、場合によりその後
c) 式(14)の化合物を粉砕する
工程を含む、方法。
【請求項26】
a)およびb)を一工程法として行う、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
強酸がトリフルオロ酢酸またはメタンスルホン酸から選択される、請求項25または26に記載の方法。
【請求項28】
式(13)
【化4】

の化合物、またはその塩を、式(12)
【化5】

の化合物、またはその塩から製造する方法であって、
a) 式(12)の化合物を活性化剤でアシル化して、式(15)
【化6】

〔式中、R’はC−C−アルキルから選択される。〕
の化合物、またはその塩を得て、続いて
b) 式(15)の化合物を適当な塩基で脱保護して、式(13)の化合物を得て、場合によりその後
c) 式(13)の化合物を結晶化して式(14)
【化7】

の化合物を得て、場合によりその後
d) 式(14)の化合物を粉砕する
工程を含む、方法。
【請求項29】
b)およびc)を一工程法として行う、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
アシル化剤がアシルクロライド類または酸無水物から選択される、請求項28または29に記載の方法。
【請求項31】
塩基がナトリウムアルコキシド、カリウムアルコキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムから選択される、請求項28〜30のいずれか記載の方法。
【請求項32】
式(12)
【化8】

の化合物、またはその塩の製造方法であって、
式(5)
【化9】

の化合物、またはその塩と式(11)
【化10】

の化合物またはその塩を塩基の存在下で反応させる工程を含む、方法。
【請求項33】
塩基が炭酸カリウムまたは炭酸セシウムから選択される、請求項32に記載の法王。
【請求項34】
式(13)
【化11】

の化合物を式(5)
【化12】

の化合物、またはその塩および式(11)
【化13】

の化合物またはその塩から方法1〜2のいずれかに従い製造する方法であって、
ここで、
方法1は、請求項25〜27のいずれかに記載の方法に従い、
a) 請求項32または33に記載した方法に従い式(5)の化合物と式(11)の化合物を反応させて、式(12)の化合物を得て、そして
b) 式(12)の化合物を式(13)の化合物に変換し、場合によりその後
c) 式(13)の化合物、またはその塩を結晶化させて式(14)
【化14】

の化合物を得て、場合によりその後
d) 式(14)の化合物を粉砕する;
工程を含み;そして
方法2は、請求項28〜31のいずれかに記載の方法に従い、
a) 請求項32または33に記載の方法に従い式(5)の化合物と式(11)の化合物を反応させて式(12)の化合物を得て、
b) 式(12)の化合物を式(13)の化合物に変換し、場合によりその後
c) 式(13)の化合物、またはその塩を結晶化させて式(14)
【化15】

の化合物を得て、場合によりその後
d) 式(14)の化合物を粉砕する;
工程を含む、方法。
【請求項35】
式(15)
【化16】

〔式中、R’はC−C−アルキルから選択される。〕
の中間体、またはその塩。
【請求項36】
式(12)
【化17】

の中間体、またはその塩。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2012−532183(P2012−532183A)
【公表日】平成24年12月13日(2012.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−518944(P2012−518944)
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【国際出願番号】PCT/EP2010/059553
【国際公開番号】WO2011/003858
【国際公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】