説明

医薬組成物

【課題】新規の医薬組成物を提供する。
【解決手段】該医薬組成物は、有効成分として(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エン酸または薬学的に認容性のその塩を含有し、酸化第二鉄光保護性コーティングを有する。
【効果】長期間にわたり安定している医薬組成物が得られる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医薬組成物およびさらに具体的には(以下の式Iにより示される)(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エン酸または薬学的に認容性のその塩(および以後は「エージェント(the Agent)」と呼ぶ)、特にナトリウム塩およびカルシウム塩、および特にカルシウム塩、ビス[(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エン酸]カルシウム塩を含有する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
該エージェントは、3−ヒドロキシ−3−メチルグルタリルCoAレダクターゼ(HMG CoAレダクターゼ)の阻害剤として、欧州特許出願第0521471号およびBioorganic and Medicinal Chemistry(1997)、5(2)、第437〜444頁に記載されており、かつ高コレステロール血症、高脂血蛋白血症およびアテローム性動脈硬化症の治療のために有用である。
【0003】
該エージェントと結びついている問題は、該エージェントが特に一定の条件下での分解に対して敏感であることである。形成される主要な分解生成物は、相応する(3R,5S)ラクトン(以下では「ラクトン(the lactone)」と呼ぶ)およびその中で炭素−炭素の二重結合に隣接しているヒドロキシ基が酸化されてケトン官能基になっている酸化生成物(以下では「B2」と呼ぶ)である。該エージェントの顕著な分解の可能性により調剤および市販される製品に関して認容可能な貯蔵期限を有する医薬組成物を提供することが困難になる。
【0004】
HMG CoAレダクターゼ阻害剤である特定の7−置換3,5−ジヒドロキシ−6−ヘプテン酸塩の医薬調剤は、英国特許第2262229号に開示されており、該調剤はpH分解に対して敏感である。前記の調剤は、組成物の水溶液または水性分散液のpHを少なくとも8にすることができるアルカリ性媒体(例えば炭酸塩または重炭酸塩)の存在を必要とする。
【0005】
しかしながら、該エージェントにとって調剤中のpHを調節することのみによって安定性を改善することは充分ではないことが判明した。
【特許文献1】欧州特許出願第0521471号
【特許文献2】英国特許第2262229号
【非特許文献1】Bioorganic and Medicinal Chemistry(1997)、5(2)、第437〜444頁
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って本発明の課題は、前記の欠点を有してない、新規の(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エン酸または薬学的に認容性のその塩を含有する安定した医薬調製物を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
ところで、該エージェントにおける安定性は、1種以上の多価の無機カチオンを含有している、組成物に添加するべき無機塩の選択により改善されることが判明した。我々が信じている理論により束縛されることを望むわけではないが、多価の無機カチオンは該エージェントの構造を安定させ、かつ該エージェントの酸化および/またはラクトン形成の傾向を低下させる。
【0008】
本発明の特徴として以下のものを挙げる:
(1)有効成分として該エージェントおよびその中でカチオンが多価である無機塩を含有している医薬組成物。
(2)その中でカチオンが多価である無機塩の、該エージェントを含有している医薬組成物中での安定化剤としての使用。
【0009】
本発明の有利な特徴は以下のとおりである:
(1)組成物中に存在している該エージェントが、5mgよりも多い、有利には10mgよりも多い。除外される組成物は、その中で該エージェントが1mg、2mg、5mgおよび10mgで存在している組成物である。有利な組成物は、該エージェントの量が20mg、40mgまたは80mgである組成物である。
(2)安定化化合物は合成ヒドロタルサイトではない。
(3)形成される医薬組成物は錠剤または粉末である。
【0010】
有利には本発明による医薬組成物は錠剤である。
【0011】
無機塩中に存在する多価のカチオンは、以下の、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウムおよび鉄またはこれらの混合物から選択されてよい。有利な多価カチオンは、カルシウム、アルミニウムおよびマグネシウムまたはこれらの混合物である。特に有利な多価カチオンは、アルミニウムおよびマグネシウムまたはこれらの混合物である。
【0012】
無機塩中の対アニオンは、リン酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、酸化物およびメタケイ酸塩から選択されてよい。有利な対アニオンは、炭酸塩、ケイ酸塩、酸化物およびメタケイ酸塩から選択されている。特に有利な対アニオンは、ケイ酸塩、酸化物またはメタケイ酸塩から選択されている。
【0013】
本発明の個々の実施態様は、上記のものから選択された多価カチオンおよびまた上記のものから選択された対アニオンからなる無機塩を含む。
【0014】
本発明で使用するために有利な無機塩は、メタケイ酸マグネシウムアルミニウム(NeusolinTM、Fuji Chemical Industry Limited)、二塩基性もしくは三塩基性リン酸カルシウム、三塩基性リン酸マグネシウムおよび三塩基性リン酸アルミニウムである。メタケイ酸マグネシウムアルミニウムおよび三塩基性リン酸カルシウムは特に有利である。
【0015】
前記の組成物が、経口投与のための単位用量形、たとえは錠剤への加工を保持するために良好な流動度を有し、かつ経口投与のために錠剤への加工した場合に良好な崩壊および溶解特性を有していることは有利であり、該錠剤は異なった用量濃度であってもよい。
【0016】
該医薬組成物中の無機塩対該エージェントの質量比は、例えば1:80〜50:1の範囲であり、例えば1:50〜50:1、例えば1:10〜10:1、およびさらに有利には1:5〜10:1である。
【0017】
有利には本発明による医薬組成物を経口投与形、例えば錠剤に調剤する。従って本発明のさらなる実施態様は、該エージェント、その中でカチオンが多価である無機塩、および1種以上の賦形剤、結合剤、崩壊剤または滑沢剤からなる医薬組成物からなる。本発明のさらにもう1つの実施態様は、該エージェント、1種以上の賦形剤、1種以上の結合剤、1種以上の崩壊剤、1種以上の滑沢剤およびその中でカチオンが多価である無機塩からなる経口投与用の医薬組成物に関する。
【0018】
適切な賦形剤は例えばラクトース、砂糖、デンプン、変性デンプン、マンニトール、ソルビトール、無機塩、セルロース誘導体(例えば微結晶性セルロース、セルロース)、硫酸カルシウム、キシリトールおよびラクチトール(lactitol)を含む。
【0019】
適切な結合剤は例えばポリビニルピロリドン、ラクトース、デンプン、変性デンプン、砂糖、アラビアゴム、トラガカントゴム、グアーゴム、ペクチン、ワックスバインダー、微結晶性セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、コポリビドン(copolyvidone)、ゼラチンおよびアルギン酸ナトリウムを含む。
【0020】
適切な崩壊剤は例えばクロスカルメロース(crosscarmellose)ナトリウム、クロスポビドン(crospovidone)、ポリビニルピロリドン、グリコール酸ナトリウムデンプン、トウモロコシデンプン、微結晶性セルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよびヒドロキシプロピルセルロースを含む。
【0021】
適切な滑沢剤は、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸カルシウム、タルク、カルナウバろう、水素化植物油、鉱油、ポリエチレングリコールおよびステアリルフマル酸ナトリウムを含む。
【0022】
添加することができる付加的な通例の添加剤は、保存剤、安定剤、抗酸化剤、シリカ流れ調整剤、粘着防止剤または滑沢剤(glidant)である。
【0023】
使用することができるその他の適切な賦形剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤および付加的な添加剤は、Handbook of Pharmaceutical Excipients、第2版、American Pharmaceutical Association;The Theory and Practice of Industrial Pharmacy、第2版、Lachman, Leon、1976年;Pharmaceutical Dosage Forms: Tablets 第1巻、第2版、Lieberman, Herbert A., et al.、1989年;Modern Pharmaceutics, Banker, Gilbert and Rhodes, Christopher T.、1979年;およびRemington's Pharmaceutical Science、第15版、1975年に記載されている。
【0024】
一般に該エージェントは1〜50質量%の範囲、例えば1〜25質量%、例えば1〜20質量%、および特に5〜18質量%の量で存在する。
【0025】
一般に無機塩、例えば三塩基性リン酸カルシウムは、1〜25質量%の範囲、例えば1〜20質量%、例えば5〜18質量%の量で存在する。
【0026】
一般に1種以上の賦形剤は30〜90質量%の量で存在する。
【0027】
一般に1種以上の結合剤は2〜90質量%の量で存在する。
【0028】
一般に1種以上の崩壊剤は2〜10質量%の量で、および特に4〜6質量%の量で存在する。
【0029】
特定の添加剤が結合剤および賦形剤の両方として、あるいは結合剤、賦形剤および崩壊剤として作用することは有利である。一般に賦形剤、結合剤および崩壊剤の組み合わされた量は、例えば組成物の70〜90質量%である。
【0030】
一般に1種以上の滑沢剤は0.5〜3質量%、および特に1〜2質量%の量で存在する。
【0031】
本発明の医薬組成物は、従来技術で一般に公知の標準的な技術および製造方法を使用して、例えば成分の乾式混合により製造してもよい。例えば該エージェント、およびその中でカチオンが多価である無機塩、1種以上の賦形剤、1種以上の結合剤および1種以上の崩壊剤、ならびに所望の場合にはその他の付加的な添加剤を一緒に混合する。混合前のブレンドの成分またはブレンド自体を、ふるい、例えば400〜700μmメッシュのふるいに通してもよい。次いでふるい分けされていてもよい滑沢剤を該ブレンドに添加し、均質な混合物が得られるまで混合を継続する。次いで該混合物を圧縮成形して錠剤にする。あるいは湿式造粒技術を使用することができる。例えば該エージェント、およびその中でカチオンが多価である無機塩、1種以上の賦形剤、1種以上の結合剤、および一部の崩壊剤、ならびに所望の場合にはその他の付加的な添加剤を、例えば造粒機を使用して一緒に混合し、かつ粉末ブレンドを少量の精製水を用いて造粒する。該顆粒を乾燥させ、かつミルに通過させる。崩壊剤の残りおよび滑沢剤をミルで処理した顆粒に添加し、かつ混合後に、得られた均質な混合物を圧縮成形して錠剤にする。乾式混合および湿式造粒技術の変更は、成分の添加およびふるい分けおよび錠剤への圧縮成形に先立つ混合の順序を含めて、従来技術で周知の原理により実施してもよいことは明らかである。
【0032】
次いで錠剤コーティングを例えば水性ベースのフィルムコーティング調製物を用いた噴霧被覆により施してもよい。該コーティングは、例えばラクトース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、トリアセチン、二酸化チタンおよび酸化第二鉄を含んでいてもよい。コーティング成分の組み合わせは市販されており、例えばこれは以下に実施例で記載するものである。該コーティングは、例えば錠剤組成物の0.5〜10質量%、特に1〜6質量%、および有利には2〜3質量%であってもよい。酸化第二鉄を含有しているコーティングは、該酸化第二鉄が該エージェントの光分解生成物の形成速度を低下させるので特に有利である。
【0033】
従って本発明の特徴として、該エージェント、酸化第二鉄光保護性コーティングを有する組成物を含有する医薬組成物を提供する。
【0034】
本発明のもう1つの実施態様は、該エージェントと、その中でカチオンが多価である無機塩とを混合することからなる、安定した医薬組成物を製造する方法からなる。本発明のさらにもう1つの実施態様は、その中でカチオンが多価である無機塩を、該エージェントを含有する医薬組成物へ組み込むことからなる安定した医薬組成物の製造方法からなる。
【実施例】
【0035】
該エージェントによるHMG CoAレダクターゼの阻害をラットの肝ミクロソームにおいて測定した。該反応混合物は、リン酸緩衝液100mm中に100μmのDL−[3−14C]−HMG CoA、5mmのNADPH、10mmジチオトレイトール(DTT)、10mmのEDTAを含有しており、pH7.4であった。該エージェントをDMSO中に溶解させ、かつ種々の濃度で添加し、かつミクロソーム(タンパク質50μg)の添加により反応を開始した。インキュベーションは37℃で30分間であった。2NのHClの添加により反応を停止し、かつ標識メバロン酸塩の形成を、薄膜クロマトグラフィーによる分離の後で測定した。該エージェントの平均IC50は、12nmであり、これは本発明による医薬組成物の薬効を立証する。
【0036】
例1
エージェント 2.50mg、
三塩基性リン酸カルシウム 20.0 mg、
微結晶性セルロース 47.0 mg、
ラクトース一水和物 47.0 mg、
グリコール酸ナトリウムデンプン 3.00mg、
ブチル化ヒドロキシトルエン 0.05mg、
ステアリン酸マグネシウム 1.00mg。
【0037】
該エージェント、微結晶性セルロース、ラクトース一水和物、グリコール酸ナトリウムデンプン、三塩基性リン酸カルシウムおよびブチル化ヒドロキシトルエンを一緒に10分間混合した。ステアリン酸マグネシウムを#40メッシュ(425μm)のふるいにより分級し、かつ該ブレンドに添加し、かつ混合をさらに3分間継続した。得られた均質な混合物を圧縮成形して錠剤にした。
【0038】
該錠剤を70℃/相対湿度80%で1週間貯蔵した。一週間後に酸化生成物B2はわずか0.11質量%が形成され、かつラクトン0.50質量%であることが判明した。
【0039】
例2
エージェント 2.50mg、
ポビドン 2.50mg、
三塩基性リン酸カルシウム 20.0 mg、
微結晶性セルロース 47.0 mg、
マンニトール 47.0 mg、
グリコール酸ナトリウムデンプン 3.00mg、
ブチル化ヒドロキシトルエン 0.05mg、
ステアリン酸マグネシウム 1.00mg。
【0040】
該エージェント、ポビドン、マンニトール、微結晶性セルロース、ブチル化ヒドロキシトルエン、三塩基性リン酸カルシウムおよびグリコール酸ナトリウムデンプンを(上記の量で)5〜60分間混合した。ステアリン酸マグネシウムを#40メッシュ(425μm)のふるいを通して分級し、かつ該ブレンドに添加し、かつ混合をさらに3分間継続した。得られた均質な混合物を圧縮成形して錠剤にした。圧縮成形した錠剤を、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエチレングリコール400、二酸化チタンおよび酸化第二鉄(Warner-Jenkinsonにより、SpectrablendTMとして市販されている)と、水とからなる混合物を用いて、噴霧によりコーティング槽中で被覆した。コーティングによる質量増加は1〜6質量%、および有利には2〜3質量%であった。
【0041】
該錠剤を70℃/相対湿度80%で1週間にわたり貯蔵した。1週間後に酸化生成物B2はわずか0.06質量%が形成され、かつラクトンはわずか2.22質量%であったことが判明した。
【0042】
例3
エージェント 2.60mg、
クロスポビドン 3.75mg、
三塩基性リン酸カルシウム 5.66mg、
微結晶性セルロース 15.5 mg、
ラクトース一水和物 46.5 mg、
ステアリン酸マグネシウム 0.94mg。
【0043】
該エージェントおよびクロスポビドンを一緒に5分間混合し、かつ次いで該ブレンドを400〜700μmふるいに通した。少量の微結晶性セルロースをその後、ふるいに通した。分級した材料を、滑沢剤以外のその他の成分と共に10分間混合した。ステアリン酸マグネシウムを#40メッシュ(425μm)のふるいに通し、かつ該ブレンドに添加し、かつ該混合物をさらに3分間混合した。得られた均質な混合物を圧縮成形して錠剤にした。圧縮成形された錠剤を、ラクトース一水和物、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、トリアセチンおよび酸化第二鉄(ColorconによりOpadry IITMとして市販)と、水とからなる混合物を用いてコーティング槽中で噴霧により被覆した。コーティングによる質量増加は1〜6質量%、および有利には2〜3質量%であった。
【0044】
該錠剤を70℃/相対湿度80%で1週間貯蔵した。この時間の後、酸化生成物B2はわずか0.19質量%が形成され、かつラクトンはわずか2.71質量%であった。
【0045】
例4
エージェント 2.50mg、
ポビドン 2.50mg、
三塩基性リン酸カルシウム 20.0 mg、
微結晶性セルロース 34.5 mg、
ラクトース一水和物 34.0 mg、
グリコール酸ナトリウムデンプン 6.00mg、
ステアリン酸マグネシウム 1.00mg、
ブチル化ヒドロキシトルエン 0.05mg。
【0046】
三塩基性リン酸カルシウムの一部およびブチル化ヒドロキシトルエンを袋の中で30秒間混合した。該エージェント、ポビドン、三塩基性リン酸カルシウムの残部、微結晶性セルロース、ラクトース一水和物、三塩基性リン酸カルシウム/ブチル化ヒドロキシトルエン混合物、およびグリコール酸ナトリウムデンプンの一部を造粒機中で30秒間混合した。粉末ブレンドを精製水を用いて添加速度70mg/錠剤/分で1分間造粒した。該顆粒を、乾燥の際の損失が2質量%より小さくなるまで50℃で流動床乾燥機中で乾燥させた。乾燥させた顆粒をミル(例えばコミル(ComilTM))に通した。
【0047】
ミルで処理した顆粒および残部のグリコール酸ナトリウムデンプンを約5分間混合した。ステアリン酸マグネシウムを#40メッシュ(425μm)のふるいにより分級し、かつ該ブレンドに添加し、かつ混合をさらに3分間継続した。得られた均質な混合物を圧縮成形して錠剤にした。
【0048】
該錠剤を70℃/相対湿度80%で1週間貯蔵した。この時間の後で、酸化生成物B2わずか0.23質量%が形成され、かつラクトンはわずか0.28質量%であった。
【0049】
【化1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
有効成分として、(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エン酸または薬学的に認容性のその塩を含有し、酸化第二鉄光保護性コーティングを有する医薬組成物。
【請求項2】
有効成分として、(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エン酸または薬学的に認容性のその塩およびその中でカチオンが多価である無機塩を含有し、酸化第二鉄を含有するコーティングを有する医薬組成物。
【請求項3】
無機塩のカチオンが、カルシウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウムおよび鉄から選択されている、請求項2記載の医薬組成物。
【請求項4】
無機塩中の対アニオンが、リン酸イオン、炭酸イオン、ケイ酸イオン、酸化物イオンおよびメタケイ酸イオンから選択されている、請求項2または3記載の医薬組成物。
【請求項5】
無機塩が、メタケイ酸マグネシウムアルミニウム、三塩基性のリン酸カルシウム、三塩基性のリン酸マグネシウムおよび三塩基性のリン酸アルミニウムから選択されている、請求項2記載の医薬組成物。
【請求項6】
無機塩が、メタケイ酸マグネシウムアルミニウムである、請求項2記載の医薬組成物。
【請求項7】
無機塩が、三塩基性のリン酸カルシウムである、請求項2記載の医薬組成物。
【請求項8】
錠剤または粉末である、請求項1から7までのいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項9】
有効成分が、5mgより多く存在している、請求項1から8までのいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項10】
有効成分が、10mgより多く存在している、請求項9記載の医薬組成物。
【請求項11】
その中でカチオンが多価である無機塩が、合成ヒドロタルサイトではない、請求項2から8までのいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項12】
無機塩対有効成分の質量比が、1:80〜50:1の範囲である、請求項2から7までのいずれか1項または請求項11記載の医薬組成物。
【請求項13】
付加的に1種以上の賦形剤、結合剤、崩壊剤または滑沢剤を含有している、請求項1から12までのいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項14】
有効成分が、組成物の1〜50質量%の量で存在している、請求項1から11までのいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項15】
無機塩が、組成物の1〜50質量%の量で存在している、請求項2から7までのいずれか1項、請求項11または請求項12記載の医薬組成物。
【請求項16】
賦形剤が、組成物の30〜90質量%の量で存在している、請求項13記載の医薬組成物。
【請求項17】
結合剤が、組成物の2〜90質量%の量で存在している、請求項13または16記載の医薬組成物。
【請求項18】
崩壊剤が、組成物の2〜10質量%の量で存在している、請求項13、16または17のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項19】
滑沢剤が、0.5〜3質量%の量で存在している、請求項13、16、17または18のいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項20】
有効成分が、(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エン酸のカルシウム塩である、請求項1から19までのいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項21】
錠剤である、請求項1から20までのいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項22】
有効成分として、(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エン酸または薬学的に認容性のその塩、および三塩基性のリン酸カルシウムを含有し、錠剤の組成物が酸化第二鉄を含有するコーティングを有する医薬錠剤組成物。
【請求項23】
前記コーティングが、組成物の0.5〜10質量%である、請求項1から22までのいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項24】
前記コーティングが、組成物の2〜3質量%である、請求項23記載の医薬組成物。
【請求項25】
前記コーティングが、ラクトース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、トリアセチン、二酸化チタンおよび酸化第二鉄からなる、請求項1から25までのいずれか1項記載の医薬組成物。
【請求項26】
化合物(E)−7−[4−(4−フルオロフェニル)−6−イソプロピル−2−[メチル(メチルスルホニル)アミノ]ピリミジン−5−イル]−(3R,5S)−3,5−ジヒドロキシヘプト−6−エン酸または薬学的に認容性のその塩を含有する医薬組成物中での、該化合物の光分解生成物の形成速度を低減するための酸化第二鉄を含有するコーティングの使用。

【公開番号】特開2007−182452(P2007−182452A)
【公開日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−62353(P2007−62353)
【出願日】平成19年3月12日(2007.3.12)
【分割の表示】特願2000−237576(P2000−237576)の分割
【原出願日】平成12年8月4日(2000.8.4)
【出願人】(500363003)
【Fターム(参考)】