説明

医薬組成物

薬剤;微結晶セルロース;希釈剤(例えば、デンプン);流動促進剤(例えば、タルク);およびエチルセルロース、ステアリン酸およびステアリン酸の塩のうち1以上を含む持続放出型医薬組成物が提供される。好ましい薬剤は、低い溶解度と高い効力を合わせて示すもの、特に、甲状腺ホルモン、例えば、リオチロニンを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特に甲状腺ホルモンの経口投与に有用である新規医薬製剤に関する。
【背景技術】
【0002】
甲状腺の主な役割は、甲状腺ホルモンの産生により組織代謝を調節することである。産生される主なホルモンは、3,5,3’,5’−テトラヨード−L−チロニン(L−チロキシン;T4)であり、少量の3,5,3’−トリヨード−L−チロニン(リオチロニン;T3)も産生される。ホルモンは、胃腸管からヨウ化物として吸収され、甲状腺中に輸送される食餌性ヨウ素を用いて産生される。
【0003】
T4は直接腺分泌によってのみ循環中に侵入するが、極わずかのT3が甲状腺により分泌され、ほとんどの腺外T3は循環するT4の脱ヨード化により産生される。T3の代謝活性は、T4よりも約3から5倍高く、T3は活性ホルモンであり、T4は主にプロドラッグとして作用するとされる。
【0004】
合成的に産生されたT3およびT4は、甲状腺機能低下症の治療において用いられる。甲状腺ホルモンの低い体内生産は、遅い代謝と関連する症状、例えば、疲労(筋肉疲労を含む)、体重増加および/または減量における困難度の増加、硬い/乾燥した毛髪および/または脱毛、乾燥肌/肌荒れ/血色の悪い皮膚、低温アレルギー、筋けいれんおよび/または頻発性筋肉痛、便秘、抑鬱、過敏性、物忘れ、月経周期異常および性欲減退の原因である。
【0005】
この非常に一般的な状態は、甲状腺の炎症性疾患、例えば、自己免疫甲状腺炎の結果起こり得るか、またはある医療後の副作用として起こり得る。
【0006】
甲状腺機能低下症の治療において補充療法として投与される場合、T4の最適効果は、数週間で達成されず、用量の変化に対する反応は遅い。
【0007】
一方、T3はより迅速な効果および/またはより短い作用期間を達成するために投与される。これは典型的にはナトリウム塩の形態において、毎日5から25μgの初期成人投与量で、60から75μgの維持量まで徐々に増加させて投与される(ただし、ある患者においては最高100μgまでが必要である)。
【0008】
従来のT3含有即時放出型錠剤製剤(5から50μgの間のT3等価物を提供する)の経口投与の結果生じる高濃度の循環T3は、特に、狭心症または虚血性心疾患の患者であって、梗塞症または律動不整が致命的であることが証明されている患者における副作用と関連する。
【0009】
鬱血性心不全は死亡率が高く、罹患率が増大している。この疾患の治療におけるT3の使用が記載されている。しかしながら、このような治療において安全かつ有効であるためには、T3の循環濃度は狭い特定の治療枠内で維持されなければならない。持続放出型経口投与形態がこれを促進するために必要とされる。
【0010】
持続放出型または徐放性経口投与形態であって、経口投与された薬剤化合物が全身循環中に吸収される速度を制御(即ち、遅延)するために使用されるものは、科学および特許文献において広く記載されている(例えば、Venkatraman et al.,Handbook of Pharmaceutical Controlled Release Technology,Wise(Ed.),Marcel Dekker,New York,2000,pp.435−445;Qiu and Zhang,ibid,pp.465−503;Charman and Charman,Modified−Release Drug Delivery Technology,Rathbone et al.(Eds.),Marcel Dekker,New York,2003,pp.1−10参照)。
【0011】
吸収速度の遅延の2つの結果は,(a)即時放出投与形態により投与される同じ用量の薬剤に対する薬剤(Cmax)のピーク血中濃度の減少;および(b)全身循環における薬剤の延長された循環期間。後者の結果、投与頻度が潜在的に減少し得る。
【0012】
持続放出型投与形態を製造するための基本的手法は、マトリックスシステムを含み、これは典型的には、不溶性、低速浸食および/または膨張物質(ポリマーであることが多い)の中に入れられた薬剤;ポリマーコートされた錠剤、ペレットまたは顆粒を含む貯蔵システム;イオン交換システム;および浸透システムを含む。
【0013】
最適に機能するために、場合によりこれらの手法の多くは、水性媒体中に適当な溶解性を有する薬剤を使用することに依存する。持続放出型投与形態を難溶性薬剤化合物に関して使用するために提供することにより、目標の多くを提示し、従って、このような薬剤に関して使用する製剤の選択肢はさらに限定される(前記Qiu and Zhang参照)。
【0014】
創薬における最近の開発、例えばコンビナトリアルケミストリーおよび高スループットスクリーニングは、さらに効率的かつ効果的な薬剤生成手段ならびに新規薬剤分子の最適化をもたらした(例えば、Remington,The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,Chapter 28,Lippincott Williams & Wilkins(Ed.),Philadelphia,2000参照)。しかしながら、非常に有効な化合物がこれらの技術を用いてしばしば同定されるが、このような化合物はしばしば非常に低い水溶性を示すことが判明している。
【0015】
したがって、特に経口経路により投与するための難溶性薬剤化合物の改善された持続放出型投与形態が一般に必要とされている。
【0016】
エチルセルロース(EC)はセルロースの非イオン性エチルエーテルである。これは水不溶性ポリマーであり、pH非感受性である。エチルセルロースの一般的用途は、マイクロカプセル化、食味マスキング、圧縮コーティング、持続放出型直接圧縮錠剤およびフィルムコーティングを含む。微結晶セルロース、希釈剤および高濃度の流動促進剤と組み合わせられた押出球形化により調製される持続放出型ビーズマトリックスにおけるその使用は、本出願人らの知っている限り、以前に開示または示唆されていない。
【0017】
ステアリン酸およびその塩、例えば、ステアリン酸マグネシウム、カルシウムおよび亜鉛は典型的には経口投与される薬剤投与形態において潤滑剤として使用される疎水性物質である。これらはこのような用途において、少量においてのみ、典型的には最高5重量%で使用される。薬剤含有ナノ粒子を製造するためのステアリン酸の使用が記載されている(例えば、Zhang et al.,Int.J.Pharm.,200,153−159,2000;Bargoni et al.,Pharm.Res.,15,745−750,1998;ならびにSchwarz and Wehnert,Int.J.Pharm.,157,171−179,1997参照)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
驚くべきことに、本発明者らは、適切な追加の賦形剤との組み合わせにおいて使用される場合、ステアリン酸およびその塩は経口投与形態、例えば、ペレット、顆粒および錠剤において持続放出特性を付与することができることを見出した。
【0019】
T3を送達するための持続放出型投与形態の使用は、米国特許第6,288,117号および第5,324,522号において記載されている。しかしながら、エチルセルロース、ステアリン酸およびステアリン酸の塩のうち1以上を、微結晶セルロース、希釈剤、例えば、デンプンおよび流動促進剤、例えば、タルクとの組み合わせにおいて含む組成物は、これらの文献のいずれにおいても開示されていない。
【課題を解決するための手段】
【0020】
本発明の第一の側面によると、難溶性および/または非常に有効な薬剤に関する使用に適した持続放出型医薬組成物が提供され、前記組成物は、薬剤;微結晶セルロース;希釈剤;流動促進剤;ならびにエチルセルロース、ステアリン酸およびステアリン酸の塩のうち1以上から選択されるマトリックス形成物質を含み、前記組成物は本明細書において、以下、「本発明の組成物」と呼ばれる。
【0021】
「持続放出」なる用語は、当業者により、薬剤の放出の開始および/または速度が、生薬操作により変更される任意の組成物/製剤を含むと理解され、従って、米国薬局方(USP 28、2005)の2712ページ,「徐放性錠剤は摂取後、長期間にわたって含有される医薬が利用可能になるような様式で製剤される」に記載されている「徐放性錠剤(extended−release tablets)」の定義を含む。例えば、「持続性作用」、「復効」および「持続放出」なる表現も、かかる投与形態を記載するために使用されてきた。「持続放出」なる用語は、従って、薬剤が必要とされる期間にわたって治療反応をもたらすために十分抑制された速度で放出される投与形態に適用される。
【0022】
本発明の化合物により送達され得る薬剤化合物は、水性媒体中に難溶性であるものを含む。この文脈において用いられる「難溶性」なる用語は、薬剤化合物が水および/または疑似胃腸液中(例えば、以下に記載されるもの)で、37℃の温度、大気圧で1mg/ml未満の溶解度を示すことを指す。疑似胃腸液は、0.1モルの塩酸および2から8のpH範囲の緩衝溶液を含む。このような媒体は酵素も含有し、米国薬局方(USP 28、2005)に記載されている。
【0023】
本発明の組成物は、好ましくは、顆粒、錠剤、または最も好ましくは、ペレットの形態における経口送達のために適用される。
【0024】
「ペレット」なる用語は、薬剤および前述の他の成分を含む1より多い球形または実質的に球形の粒子状組成物を含む。ペレットを製造する技術は、噴霧乾燥、噴霧凝固、溶融冷却および押出球形化を含む。
【0025】
ペレットの形態において本発明の組成物を製造するための好ましいプロセスは、押出球形化である。この技術は、形状が不規則で、サイズが均一であり、滑らかな表面特性を有するコーティングされていない球状粒子の形成を可能にする。これらの粒子は、低い脆性を有し、微粉がほとんどない。これらの特性は、ペレットが修飾された放出特性を提供するためのフィルムコーティングの適用のための優れた気体でもあることを意味する。ペレットは、大きな単位投与形態、例えば非崩壊錠およびカプセルよりも変動が少ない胃腸管の通過のさらなる利点を有し、従って、さらに均一な薬剤吸収の可能性を提供する。
【0026】
従って、本発明は、薬剤、微結晶セルロース、希釈剤、流動促進剤;および押出球形化を含むプロセスにより得ることができる1以上のエチルセルロース、ステアリン酸およびステアリン酸の塩を含む持続放出型医薬組成物を提供する。押出球形化法は、典型的にはペレットの形態において本発明の組成物を産生する。
【0027】
本発明者らは、押出球形化の使用が、前述のような多量の持続放出性物質を含有する強力(即ち、低用量)の薬剤について再現可能な均一性を示すペレットの形成を促進することを見出した。
【0028】
本プロセスにおいて、薬剤および関連する賦形剤を、十分な水と混合することにより、重質顆粒または湿潤塊を製造してペーストが形成される。これを次に押出機に通す。押出物を球形化機に移す。この装置は、刻み目のついた表面であって、典型的には斜交平行模様であるものを有する水平に回転する金属ディスクを含む。この回転する表面に適用される場合、押出物はバラバラになり、本質的に球状粒子に変換され、これを次に乾燥して、水を除去する。本プロセスにより製造されるペレット直径は、好ましくは、0.05から3mm、さらに好ましくは、0.075から2.5mm、最も好ましくは、0.1から2mmの範囲である。
【0029】
ペレットの形態における本発明の組成物は好ましくは、例えば、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プルランまたはデンプンで作られたハードカプセル中で投与される。従って、本発明は、例えば、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プルランまたはデンプンで作られ、押出球形化を含むプロセスにより得られる本発明の組成物を含むハードカプセルを提供する。
【0030】
錠剤および顆粒製剤の調製は、当業者に周知である。さらなる詳細は、標準的テキスト、例えば、Remington,The Science and Practice of Pharmacy(Chapter 45,Lippincott Williams & Wilkins(Ed.),Philadelphia,2000)において見出すことができる。
【0031】
例えば、個々の成分のブレンドを圧縮することによるか、あるいは成分のいくつかを含む顆粒または顆粒のブレンドを圧縮することにより(即ち、成分のいくつかは「顆粒内」であり、他は「顆粒外」である)、錠剤の形態における本発明の組成物を調製することができる。別法として、ペレットの形態における本発明の組成物は、適切な成分とブレンドし、圧縮して錠剤にすることができる。
【0032】
本発明の組成物は、エチルセルロースを唯一のマトリックス形成物質として含み得る。あるいは、エチルセルロースはステアリン酸および/またはステアリン酸の塩との組み合わせにおいて使用できる。別の選択肢において、ステアリン酸は唯一のマトリックス形成物質として使用できる。ステアリン酸はステアリン酸の塩および/またはエチルセルロースとの組み合わせにおいて使用することもできる。さらに別の選択肢において、ステアリン酸の塩は唯一のマトリックス形成物質として使用できる。ステアリン酸の塩はステアリン酸および/またはエチルセルロースとの組み合わせにおいて使用できる。
【0033】
本発明の組成物は典型的には、エチルセルロース、ステアリン酸およびステアリン酸の塩のうち1以上を、組成物中のこれらの成分の合計重量が、組成物の合計重量基準で5超から約70%w/wまで、好ましくは約10から約60%w/w、さらに好ましくは、約20から約50%w/wであるような量で含む。
【0034】
本発明の特定の側面において、薬剤、微結晶セルロース、希釈剤、流動促進剤ならびに押出球形化を含むプロセスにより得ることができるもう一つのエチルセルロース、ステアリン酸およびステアリン酸の塩を含む持続放出型医薬組成物が提供され、エチルセルロース、ステアリン酸およびステアリン酸の塩のうち1以上は、これらの成分の合計重量が組成物の合計重量基準で、5超から約70%w/wまで、好ましくは約10から約60%w/w、さらに好ましくは、約20から約50%w/wであるような量で存在する。
【0035】
本発明の特定の側面において、組成物は、エチルセルロースをステラリン酸の不在下およびステアリン酸の塩の不在下で含む。このような組成物は、好ましくはペレットの形態である。これらのペレットは、押出球形化を含むプロセスにより得ることができる。
【0036】
本発明の特に好ましいペレットは、本質的に、薬剤、微結晶セルロース、希釈剤、流動促進剤およびエチルセルロースからなる。
【0037】
使用できる好ましい種類のエチルセルロースは有機溶媒中で低粘度(分子量の尺度である)、ならびに高エトキシル含量を有する。これらの特性は、改善された圧縮可能性および粉体流のエチルセルロースを提供する。エチルセルロースのエトキシル含量(エトキシル置換)は、好ましくは44から51%の範囲、さらに好ましくは、47から51%の範囲、最も好ましくは、49から51%の範囲、例えば、49.6から51.0%である。エチルセルロース(80/20トルエン/エタノールの5%溶液)の粘度は好ましくは2から40cpsの範囲、さらに好ましくは、5から20cpsの範囲、最も好ましくは、7から14cpsの範囲、例えば、8から11cpsの範囲である。このようなエチルセルロースの一例は、Hercules、Inc(Wilmington、DE、USA)製造のAqualon(登録商標)T10 ECである。これは、49.6から51.0%の範囲のエトキシル置換および8〜11cpsの粘度(80/20トルエン/エタノールの5%溶液)を有する。
【0038】
本発明者らは、漸進的に減速する薬剤放出が本発明の組成物において観察され、ステアリン酸の増加量は約30%w/wまでであることを見出した。驚くべきことに、約30%w/w過剰のステアリン酸の濃度の結果、薬剤放出速度が漸進的に増加するが、これは投与形態が部分的に崩壊する傾向が高まるためである。好ましくは、ステアリン酸を含む本発明の組成物は、約5から約25%w/wステアリン酸、例えば約5から約15w/wまたは約10から約20%w/w、25%w/wまたは30%w/w、または約10から約15%w/wのステアリン酸を含む。
【0039】
薬剤放出の漸進的減速は、ステアリン酸塩の量が増加する組成物からも観察される。本発明の組成物中に含むことができるステアリン酸塩の最大量は、組成物の合計重量基準で約50%w/w付近である。この過剰の量は、処理を困難にし得る。組成物の合計重量基準で約50%w/wより多いステアリン酸塩を含有する組成物は、典型的には非崩壊性である。しかしながら、ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸の混合物を含有する組成物は、インビトロ溶解試験の間に部分的に崩壊する。ステアリン酸塩を含む本発明の組成物は、好ましくは、約5から約45%w/wステアリン酸塩、例えば、約10から約35%w/wまたは約15から約30%w/wのステアリン酸塩を含む。
【0040】
ステアリン酸およびステアリン酸塩がどちらも本発明の組成物中に存在する場合、典型的にはステアリン酸よりも多くのステアリン酸塩が存在する。ステアリン酸およびステアリン酸塩の量は前述の通りであり、さらに、ステアリン酸塩のステアリン酸に対する比は、約1:1から約5:1(重量基準)、例えば、約1.5:1から約4:1または約2:1から約3:1の範囲である。
【0041】
本発明の組成物は微結晶セルロースを含有する。本発明者らは、微結晶セルロースは、ペレットの形態で本発明の組成物において用いられる場合、球形化促進剤として機能し、ペレット強度および完全性に必要な結合特性を付与し、押出および球体形成に必要な可塑性を付与することを見出した。好ましくは、本発明の組成物は、組成物の合計重量基準で、5から70%w/wの微結晶セルロース、さらに好ましくは、10から60%、最も好ましくは、20から50%w/wの微結晶セルロースを含む。
【0042】
本発明の組成物の不活性流動促進剤を組み入れることは、処理中の許容できるブレンド均一性を保証することにより、条件を満たし、かつ再現可能な含量均一性を保証する。「流動促進剤」なる用語は、当業者により、粉末ブレンドの、特に高濃度の疎水性賦形剤の存在下での流動性を改善するために経口固体投与形態において主に用いられる物質を含み、したがって、例えばペレット化前の摩砕およびブレンドを促進することが理解される。好ましくは、流動促進剤は有効な薬剤の製造操作における混合またはブレンドプロセスを促進することができる。
【0043】
本発明において使用できる流動促進剤は、これに限定されないが、コロイド状二酸化ケイ素、ステアリン酸マグネシウム、特に、タルクを含む。
【0044】
好ましくは、本発明の組成物は、組成物の合計重量基準で、2から30%w/w、さらに好ましくは、5から25%、特に10から20%w/wの流動促進剤、例えば、タルクを含む。
【0045】
本発明の組成物はまた、不活性希釈剤も含む。「希釈剤」なる用語は、当業者には、経口固体投与形態において不活性フィラーとして主に使用される物質を含むと理解される。好ましくは、希釈剤は、有効な薬剤を含む本発明の組成物の製造における混合またはブレンドプロセスを促進できる。
【0046】
本発明において使用できる希釈剤は、これに限定されないが、デンプン、例えば、トウモロコシデンプンまたはコーンスターチ、ジャガイモデンプン、米デンプン、タピオカデンプンおよび小麦デンプン;ラクトースおよび他の糖、例えば、圧縮性糖(compressible sugar)およびデキストレート;無機塩、例えば、二塩基性リン酸カルシウムおよび三塩基性リン酸カルシウム;セルロース;およびポリオール、例えば、マンニトール、ソルビトールおよびキシリトールを含む。
【0047】
好ましくは、本発明の組成物は、組成物の合計重量基準で、5から60%w/w、さらに好ましくは、10から50%、最も好ましくは、15から35%の希釈剤、例えば、デンプンを含む。デンプン、特にトウモロコシデンプンの使用が好ましい。
【0048】
本発明の組成物において使用できる個々の成分の選択および量は、薬剤の物理化学的特性、特に薬剤の溶解度および用量、ならびに所望のインビトロおよびインビボ放出特性に大きく依存する。しかしながら、これらは発明によらないで前述の範囲内から当業者により慣例的に決定できる。
【0049】
他の検討事項は、関連する賦形剤の薬剤との物理的および化学的適合性、および関連するならば、押出球形化による処理についての関連する物質の適合性を含む。例えば、賦形剤は最終製品の安定性、そのバイオアベイラビリティー特性、および製造できる容易性に影響を及ぼし得ることは当業者には周知である。ペレットまたはビーズの形態における本発明の組成物について、ペレットまたはビーズコア(bead core)製剤の賦形剤は、ペレットまたはビーズの強度および一体性に必要な結合特性を付与することができ、また押出物および球体形成に必要な可塑性を付与できる。
【0050】
他の医薬品賦形剤は、ポリサッカライド、例えば、キトサンおよびキチン誘導体およびペクチン;キサンタン、アカシア、トラガカント、ローカストビーンおよびグアーガム;ステアリン酸塩、例えば、ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸亜鉛、およびステアリルフマル酸ナトリウム;および硬化植物油も使用できる。
【0051】
本発明の組成物において使用できる薬剤の典型的な1日量は、好ましくは、0.001mgから5000mgの範囲、さらに好ましくは、0.002mgから3000mgの範囲、最も好ましくは、0.003〜2000mgの範囲である。本発明の組成物の薬剤含量は、組成物の合計重量基準で、好ましくは、0.0005〜90%w/wの範囲、さらに好ましくは、0.001〜60%w/wの範囲、最も好ましくは、0.002〜50%w/wの範囲である。
【0052】
使用できる薬剤の非網羅的リスト、ならびにその用量は、一般的テキスト、例えば、Martindale,The Complete Drug Reference,34th Edition,Pharmaceutical Press(2005)において見出すことができる。薬剤化合物の溶解度に関する情報は、刊行物、例えば、The Merck Index,12th Edition,Merck & Co.,NJ,USA,1996において見出すことができる。
【0053】
本発明の組成物は、薬剤の「中程度の」持続放出または「遅い」持続放出を提供できる。「中程度の持続放出」すなわち「MSR」により、本発明者らは、組成物がインビトロ溶解試験において、約4時間内で少なくとも50%の薬剤、約6時間以内で少なくとも70%の薬剤を放出することを意味する。「遅い持続放出」すなわち「SSR」により、本発明者らは約8時間以内で少なくとも50%、約12時間以内で少なくとも70%の薬剤に対応する放出を示すことを意味する。
【0054】
前記時間の全ては概算であると理解され、組成物は前述の数値から±20%、例えば、±10%、例えば、±5%変動する時間内で特定された最小量の薬剤を放出し得ると理解される。このような変動は全て「約」なる用語の使用により含まれることが意図される。
【0055】
適切なインビトロ溶解試験は、米国薬局方28(<711> pp.2412−2414)において記載されるような、タイプI/II装置であり、放出媒体として37℃でpH7.4リン酸塩緩衝液を使用する。
【0056】
好ましい薬剤は、甲状腺ホルモン、特にT3を含む。本明細書において特に記載しない限り、「T3」なる用語は、リオチロニンまたはその塩を意味する。本明細書において特に記載しない限り、T3の量は、遊離リオチロニンとして表される。リオチロニンのナトリウム塩はT3の好ましい形態である。
【0057】
T3のMSR組成物は、好ましくは、エチルセルロースを速度制御成分として、微結晶セルロース、デンプンおよびタルクとの組み合わせにおいて含む。好ましいMSR組成物は、0.001から1%w/wのT3;20から40%w/wの微結晶セルロース;15から55%w/wの(例えば、トウモロコシ)デンプン、10〜20%w/wのタルク;および15から25%w/wのエチルセルロースを含む。
【0058】
T3のSSR組成物は、好ましくは、ステアリン酸および/またはその塩を速度制御成分として、微結晶セルロース、デンプンおよびタルクとの組み合わせにおいて含む。好ましいSSR組成物は、0.001から1%w/wのT3;20から40%w/wの微結晶セルロース;15から35%w/wの(例えば、トウモロコシ)デンプン、5から20%w/wのタルク;10から30%w/wのステアリン酸カルシウム;および5から15%w/wのステアリン酸を含む。
【0059】
持続放出型投与形態が胃腸管を通って移動する際に、これは異なるpH値にさらされる。即ち、胃環境は酸性であり、一方、腸におけるpHは一般に5〜8の範囲である。従って、持続放出型投与形態は、pHと無関係の薬剤放出特性を示すことが非常に望ましい。本出願においてすでに記載された、ある持続放出型T3組成物は、pH依存性である薬剤放出特性を有し得るので、放出速度は胃に相当する酸性条件において、より速い。この効果を排除するために、このようなT3組成物、例えば、ペレットに、場合により胃耐性(「腸溶」)ポリマーの外部コーティングを適用することができる。このようなポリマー層の適用は、酸性胃環境における薬剤の放出を防止する。しかしながら、ポリマー層の組成は、小腸において迅速に溶解して、最小限の遅れでT3の放出を始めるように選択される。
【0060】
好適な胃耐性ポリマーは、メタクリル酸コポリマー、セルロースアセテートフタレート、セルロースアセテートブチレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレートおよびシェラックを含む。T3組成物に関して使用される特に好ましいコーティング材料は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート(HPMCP)50、HPMCP 55およびメタクリル酸コポリマータイプC、USP、例えば、Eudragit(登録商標)L100−55(Degussa、Darmstadt、Germanyの登録商標)である。これらのポリマーは、それぞれpH5、pH5.5およびpH5.5付近で溶解し始め、その使用は、コートされた組成物が胃から小腸に侵入する際にT3放出を迅速に開始することを保証する。コーティングポリマーの層は、典型的には、可塑剤、例えば、トリアセチンまたはフタレートエステルまたはポリエチレングリコール、粘着防止剤、例えば、タルクまたはステアリン酸マグネシウムまたはコロイド状シリカ、消泡剤および着色剤のうち1以上も含有し得る。
【0061】
T3組成物に適用される胃耐性ポリマー層の量は、好ましくは、1〜20%、さらに好ましくは、1.5〜15%の範囲、最も好ましくは、2〜10%の範囲である。これらの量は、ポリマーのみに関連し、添加された物質、例えば、可塑剤および粘着防止剤を排除する。例えば、HPMCPコーティングは、約50%w/wのポリマーおよび50%w/wの他の添加剤を含み得る。
【0062】
特に、本発明の組成物は、商業的に有用な、1日1回の経口多粒子持続放出型組成物であって、50mgの単位投与量あたり5megのT3を含有し、6から8時間(MSR組成物)および12から18時間(SSR組成物)にわたってインビトロ薬剤放出を示すものを提供する。
【0063】
したがって、T3を含む本発明の組成物は、好ましくは押出球形化により製造されるペレットの形態である。ペレットを製造するための好ましい方法は、第一例において、微結晶セルロース、トウモロコシデンプン、タルクおよびエチルセルロース、ステアリン酸および/またはステアリン酸塩(適宜)のプラセボブレンドを用いた摩砕によりT3の均一粉末ブレンドを製造することを含む。組成物の良好なブレンド均一性は、薬剤粒子サイズ、賦形剤および摩砕の最適化により促進されることが判明している。
【0064】
本発明の組成物は、全身循環中への薬剤の持続放出において有用である。
【0065】
本発明の組成物は、用いられる治療剤に応じて、哺乳動物患者における疾患/症状を治療/予防するために使用できる。これらは、問題の治療剤が有効であることが知られているものを含み、Martindale,The Complete Drug Reference,34th Edition,Pharmaceutical Press(2005)において問題の薬剤について具体的に列挙された疾患/症状を含む。本発明の組成物が甲状腺ホルモン、例えばT3を含む場合、本発明は、このような症状に罹っているか、または罹りやすい温血動物における甲状腺機能低下症、または鬱血性心不全の治療法を提供する。
【0066】
「治療」なる用語は、症状の治療および/または予防的治療を含む。
【0067】
本発明の組成物は、条件を満たし、かつ再現可能な均一性、一貫した放出性能および商業的に許容できる貯蔵寿命を示すという利点を有する。これらの利点は、低溶解度の薬剤を含む組成物であって、非常に高い効力(従って、低用量を必要とする)および/または本質的に低い物理的/化学的安定性も有するもの、例えばT3の開発において特に顕著である。
【0068】
本発明の組成物はまた、確立された製剤処理法を用いて調製することができ、食品または医薬品または同様の規制状況における使用が承認された物質を使用して調製できるという利点も有する。
【0069】
本発明の組成物はさらに、甲状腺機能低下症、または鬱血性心不全などの治療において使用するかどうかに関わらず、従来技術において公知の医薬組成物よりも、より有効であり、毒性が低く、より長く作用し、副作用が少なく、および/またはより良好な薬剤動態プロファイルを有し、および/または他の有用な薬理学的、物理的、または化学的性質を有するという利点も有する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0070】
本発明を次の実施例により、添付の図面を参照して説明するが、何ら限定されるものではない。
【実施例1】
【0071】
MSR T3製剤の調製および溶解試験
プラセボブレンドの調製
製造プロセスは、まず330グラムの微結晶セルロースUSP/NF、PhEur(Avicel PH101、FMC Biopolymer、Ireland)、165グラムのエクストラホワイトトウモロコシデンプンPhEur、USP/NF(Roquette、Italy)および55グラムのタルクPhEur、USP(Luzenac、UK)を篩別(0.59mmステンレス鋼篩を使用)し、ブレンドすることにより、プラセボ粉末ブレンドを調製することを含んだ。Turbula T2ミキサー(Glen Creston Ltd、UK)を速度設定2で10分間使用して、粉末ブレンドを混合した。
【0072】
0.02%w/wリオチロニンを含有するブレンド濃縮物の調製
次に、0.02%w/wリオチロニン(Liothyronine Sodium Oral、Biochemie、Austria)を含有する均一粉末ブレンド濃縮物を、総合多段摩砕(comprehensive multi−stage trituration)により、25ミクロン未満の粒子サイズの製薬原料を用いて調製した。100ミリグラムのリオチロニンナトリウムおよび4.9グラムのプラセボブレンドを別の秤量ボート中に分注した。少量(4.9グラム)のプラセボブレンドをガラス製乳鉢に移し、100ミリグラムの製薬原料を0.59mmステンレス鋼篩からプラセボブレンド上に通した。さらに少量(4.9グラム)のプラセボブレンドを、あらかじめ薬剤を含有した秤量ボートに移し、秤量ボートをすすいで、残存するリオチロニンを組み入れた。篩を通して粉末を乳鉢に移した。さらなる量(4.9グラム)のプラセボブレンドを用い、各アリコートを摩砕し、篩別して、全ての分注されたブレンドが乳鉢に移されるまで本プロセスを繰り返した。乳棒および乳鉢を用いて粉末を穏やかに10分間混合し、次いで120mlの褐色ガラスジャーに移し、Turbula T2ミキサーを用いて10分間スピード設定2でブレンドした。
【0073】
さらに5グラムのプラセボブレンドを小さな秤量ボート中に分注し、ガラス製乳鉢に移した。未使用のプラセボブレンドを乳鉢で混合して、残存するリオチロニンを組み入れた。褐色ガラスジャーおよび乳鉢の内容物を次に、0.59mmステンレス鋼篩から大きな紙上へ通し、パレットナイフを用いて穏やかに混合し、120ml褐色ガラスジャーに移した。Turbula T2ミキサーを用いてジャーの内容物を10分間速度設定2でジャーの内容物をブレンドした。
【0074】
さらに10グラムのプラセボブレンドを秤量ボート中に分注し、ガラスジャーの内容物とともに、0.59mmステンレス鋼篩から紙上に通し、パレットナイフを用いて穏やかに混合し、120mlの褐色ガラスジャーに移した。Turbula T2ミキサーを用いて10分間速度設定2でジャーの内容物をブレンドした。
【0075】
さらに20グラムのプラセボブレンドを秤量ボート中に分注し、ガラスジャーの内容物とともに0.59mmステンレス鋼篩から紙上に通し、パレットナイフを用いて穏やかに混合し、2000mlポリプロピレンジャーに移した。Turbula T2ミキサーを用いてジャーの内容物を10分間速度設定2でブレンドした。
【0076】
40グラム、80グラム、160グラムおよび180グラムのさらなる量のプラセボブレンドをリオチロニンブレンドと、0.02%w/wリオチロニンナトリウムのブレンド濃度および500グラムの最終ブレンド量が得られるまで摩砕することにより希釈プロセスを繰り返した。
【0077】
最終ブレンドの調製および処理
100グラムのトウモロコシデンプン、50グラムのタルクおよび100gのエチルセルロース(Aqualon(登録商標)EC T10 Pharm NF/EP)を分注し、0.59mmステンレス鋼篩を通って紙上に通過させ、パレットナイフを用いて穏やかに混合した。これらの賦形剤を次に2000mlポリプロピレンジャー中に移し、Turbula T2ミキサーを10分間速度設定2で使用してブレンドした。エチルセルロースブレンドを、250グラムのリオチロニンナトリウム濃縮ブレンド0.02%w/wとともに、次いでKenwood KM400プロセッサーのボウル中に移し、2分間低速設定で乾式混合した。
【0078】
0.01%w/wリオチロニン(50mgあたり10マイクログラムのリオチロニンナトリウムに相当)を含有する得られた最終ブレンド(500グラム)を次に、造粒液として超純水(320ml;Elga、UK)を用いて適当な終点まで湿式造粒した。適当な終点は、重質自由流動性顆粒(湿潤塊)が得られる時に達成された。湿潤塊を、100rpmで回転する直径1mmの有孔シリンダーを備えたAlexanderwerk GA65 Extruder(Rernscheid,Germany)に通した。得られた押出物を、クロスハッチ形状のプレートを備えたCaleva Model 380 Spheroniser(Dorset、UK)に移した。550rpmの球形化回転速度および6分の滞留時間が球体形成に最適であることが判明した。Aeromatic Strea−1流動床乾燥機(Bubendorf、Swizerland)を用いて、生成物を典型的には3%w/w未満の水分量まで乾燥させ、1.4mmメッシュ篩から0.59mmメッシュ篩に通して、大きすぎる生成物および/または微粒子を除去した。Mettler Toledo Halogen HG53湿度バランス(Greifensee、Switerland)を用いて粉砕されたペレットに関して水分量を測定した。
【0079】
溶解試験
Sotax AT7自動化溶解システム(Basel、Switzerland)を用い、米国薬局方 方法II(USP28/NF23、United States Pharmacopeia Convention、Rockville,MD,USA,2002)に従ってインビトロ薬剤放出を評価した。試験は、PH7.4リン酸塩緩衝液USP(500ml)を37℃で使用し、パドル回転速度100rpmで行われた。
【0080】
2グラムの生成物を各容器中に入れ、2mlの溶解媒体のサンプルを適当な時間間隔で取り出した。Agilent 1100LCMSシステム(Wokingham、UK)を用い、マトリックス適合較正および品質管理基準を用いて、サンプルをリオチロニンについて分析した。液体クロマトグラフィーは、メタノールおよび1%酢酸(65:35)の流速1ml/分の移動相およびGenesis C18 4μ 150×4.6mm分離カラムの使用を含んだ。質量分析計はプラスモードにおけるT3およびT2イオンをモニターした(それぞれ、m/z651.9および525.9)。(T2は3,5−ジヨード−L−チロニンであり、溶解試験中内部標準として使用した)。
【0081】
表1は、MSR T3製剤の組成を示し、図1は溶解特性を示す。
【0082】
【表1】

【実施例2】
【0083】
SSR T3製剤の調製および溶解試験
プラセボブレンドの調製
330グラムの微結晶セルロースUSP/NF、PhEur(Avicel PH101、FMC Biopolymer、Ireland)、55グラムのエクストラホワイトトウモロコシデンプンPhEur、USP/NF(Roquette、Italy)および165グラムのタルクPhEur、USP(Luzenac、UK)を篩別(0.59mmステンレス鋼篩を使用)し、ブレンドすることにより、プラセボブレンドを調製した。Turbula T2ミキサー(Glen Creston Ltd、UK)を速度設定2で10分間使用してプラセボ粉末ブレンドを混合した。
【0084】
0.02%w/wリオチロニンを含有するブレンド濃縮物の調製
実施例1において記載された方法を用いて、0.02%w/wリオチロニンナトリウムを含有する均一粉末ブレンド濃縮組成物を調製した。
【0085】
最終ブレンドの調製および処理
100グラムのトウモロコシデンプン、100グラムのステアリン酸カルシウムUSP、PhEur(Oleotec、Cheshire、UK)および50gのステアリン酸PhEur(Oleotec)を分注し、0.59mmステンレス鋼篩から紙上に通し、パレットナイフを用いて穏やかに混合した。これらの賦形剤を次に2000mlプロピレンジャーに移し、Turbula T2ミキサーを10分間速度設定2で使用してブレンドした。ステアリン酸ブレンドを、250グラムのリオチロニンナトリウムブレンド0.02%w/wとともに、次いでKenwood KM400プロセッサーのボウル中に移し、2分間低速設定で乾式混合した。
【0086】
0.01%w/wリオチロニン(50mgあたり10ミリグラムのリオチロニンナトリウムに相当)、20%w/wステアリン酸カルシウムおよび10%w/wステアリン酸を含有する、得られた最終ブレンド(500グラム)を次に実施例1において記載されたように湿式造粒し、処理した。
【0087】
溶解試験
SSR T3製剤のインビトロ薬剤放出特性を実施例1において記載されたようにして評価した。
【0088】
表2はSSR T3製剤の組成を示し、図1は溶解特性を示す。
【0089】
【表2】

【実施例3】
【0090】
25%w/wステアリン酸カルシウムおよび10%w/wステアリン酸を含有する持続放出型T3組成物の調製および溶解試験
プラセボブレンドの調製
微結晶セルロース、デンプンおよびタルクを含有するプラセボブレンドを、実施例2において記載された量および方法を用いて調製した。
【0091】
0.02%w/wリオチロニンを含有するブレンド濃縮物の調製
0.02%w/wリオチロニンナトリウムを含有する均一粉末ブレンド濃縮組成物を、実施例1において記載された方法を用いて調製した。
【0092】
最終ブレンドの調製および処理
75グラムのトウモロコシデンプン、125グラムのステアリン酸カルシウムおよび50gのステアリン酸を分注し、篩別し、実施例2において記載された手順を用いて、250グラムのリオチロニンブレンド濃縮物とともに処理した。
【0093】
0.01%w/wリオチロニン(50mgあたり10マイクログラムのリオチロニンナトリウムに相当)、25%w/wステアリン酸カルシウムおよび10%w/wステアリン酸を含有する、得られた最終ブレンド(500グラム)を次に実施例1において記載されたように湿式造粒し、処理した。
【0094】
実施例3の組成を表3において示す。
【0095】
溶解試験
インビトロ薬剤放出特性を実施例1において記載されるようにして評価した。
【0096】
図2は、実施例2において記載されるSSR製剤(20%w/wステアリン酸カルシウムを含有する)と比較した、ステアリン酸カルシウムの濃度を25%w/wまで増大させることの、インビトロ溶解特性に対する遅延効果を示す。
【0097】
【表3】

【実施例4】
【0098】
20%w/wステアリン酸カルシウムをステアリン酸の不在下で含有する持続放出型T3組成物の調製および溶解試験
プラセボブレンドの調製
微結晶セルロース、デンプンおよびタルクを含有するプラセボブレンドを、実施例1において記載された量および方法を用いて調製した。
【0099】
0.02%w/wリオチロニンを含有するブレンド濃縮物の調製
0.02%w/wリオチロニンナトリウムを含有する均一粉末ブレンド濃縮組成物を、実施例1において記載された方法を用いて調製した。
【0100】
最終ブレンドの調製および処理
100グラムのトウモロコシデンプン、50gのタルクおよび100グラムのステアリン酸カルシウムを分注し、篩別し、250グラムのリオチロニンブレンド濃縮物とともに、実施例2において記載された手順を用いて処理した。
【0101】
0.01%w/wリオチロニン(50mgあたり10マイクログラムのリオチロニンナトリウムに相当)および20%w/wステアリン酸カルシウムを含有する得られた最終ブレンド(500グラム)を次に実施例1において記載されたように湿式造粒し、処理した。
【0102】
実施例4の組成物を表4に示す。
【0103】
溶解試験
インビトロ薬剤放出特性を実施例1において記載されるようにして評価した。
【0104】
図3は、ステアリン酸の存在下および不在下で20%w/wステアリン酸カルシウムを含有するSSR組成物(それぞれ実施例2および3に従って調製された組成物)からのT3のインビトロ放出に関するステアリン酸の不在の効果を示す。これらのデータは、ステアリン酸を含有する組成物が驚くべきことにインビトロ溶解試験中に部分的に崩壊する傾向を有し、従って、有利に薬剤のさらに完全な放出を促進するという観察を裏付ける。
【0105】
【表4】

【実施例5】
【0106】
ステアリン酸を含有する持続放出型T3組成物の調製および溶解試験
実施例5.1および5.2
プラセボブレンドの調製
183.15グラムの微結晶セルロース、275グラムのエクストラホワイトトウモロコシデンプンおよび91.85グラムのタルクを含有する、550グラムのプラセボブレンドを、実施例1において記載された方法を用いて調製した。
【0107】
0.02%w/wリオチロニンを含有するブレンド濃縮物の調製
0.02%w/wリオチロニンナトリウムを含有する均一粉末ブレンド濃縮組成物を、実施例1において記載された方法を用いて調製した。
【0108】
最終ブレンドの調製および処理[実施例5.2において使用された量]
66.6[66.4]グラムの微結晶セルロース、100[49.9]グラムのトウモロコシデンプン、33.4[33.5]グラムのタルクおよび50[99.9]グラムのステアリン酸粉末を分注し、篩別し、実施例2において記載された手順を用いて、250[249.7]グラムのリオチロニンブレンドとともに処理した。
【0109】
0.01%w/wリオチロニン(50mgあたり10マイクログラムのリオチロニンナトリウムに相当)および10%[20%]w/wステアリン酸を含有する、得られた最終ブレンド(500[499.4]グラム)を、次に実施例1において記載されたように湿式造粒し、処理した。処理の間に使用される造粒水の体積を表5に示す。
【0110】
実施例5.3
プラセボブレンドの調製
微結晶セルロース、デンプンおよびタルクを含有するプラセボブレンドを実施例1において記載したようにして調製した。
【0111】
0.02%w/wリオチロニンを含有するブレンド濃縮物の調製
0.02%w/wリオチロニンナトリウムを含有する均一粉末ブレンド濃縮組成物を、実施例1において記載された方法を用いて調製した。
【0112】
最終ブレンドの調製および処理
50グラムの微結晶セルロース、50グラムのタルクおよび150グラムのステアリン酸粉末を分注し、篩別し、実施例2において記載された手順を用いて250グラムのリオチロニンブレンド濃縮物とともに処理した。
【0113】
0.01%w/wリオチロニン(50mgあたり10マイクログラムのリオチロニンナトリウムに相当)および30%w/wステアリン酸を含有する得られた最終ブレンド(500グラム)を次に実施例1において記載されたように湿式造粒し、処理した。処理の間に使用される造粒水の体積を表5に示す。
【0114】
実施例5.4および5.5
プラセボブレンドの調製
330グラムの微結晶セルロース、55グラムのエクストラホワイトトウモロコシデンプン、55グラムのタルクおよび110グラムのステアリン酸粉末を含有する、550グラムのプラセボブレンドを、実施例1において記載された方法を用いて調製した。
【0115】
0.02%w/wリオチロニンを含有するブレンド濃縮物の調製
0.02%w/wリオチロニンナトリウムを含有する均一粉末ブレンド濃縮組成物を、実施例1において記載された方法を用いて調製した。
【0116】
最終ブレンドの調製および処理[実施例5.5において使用される量]
50[0]グラムの微結晶セルロース、50[50]グラムのタルクおよび150[200]グラムのステアリン酸粉末を分注し、篩別し、実施例2において記載された手順を用いて、250[250]グラムのリオチロニンブレンド濃縮物とともに処理した。
【0117】
0.01%w/wリオチロニン(50mgあたり10マイクログラムのリオチロニンナトリウムに相当)および40%[50%]w/wステアリン酸を含有する得られた最終ブレンド(500グラム)を次に実施例1において記載されたように湿式造粒し、処理した。処理の間に使用される造粒水の体積を表5に示す。
【0118】
溶解試験
インビトロ薬剤放出特性を実施例1において記載されたようにして実施例5.1から5.5について評価した。
【0119】
図4は、持続放出型リオチロニンビーズ製剤中のステアリン酸の濃度の増加の効果を示す。薬剤放出の漸進的減速は、ステアリン酸量が最高30%w/wまで増加する組成物から観察される。驚くべきことに、30%w/w過剰のステアリン酸の濃度の結果、薬剤放出速度が漸進的に増加し、これは、投与形態が試験中に部分的に崩壊する傾向が原因である。
【0120】
ステアリン酸を含有する持続放出型製剤の組成を表5に示す。
【0121】
【表5】

【実施例6】
【0122】
エチルセルロースを含有する持続放出型T3組成物(Aqualon(登録商標)EC T10 Pharm)の調製および溶解試験
【0123】
実施例6.1および6.2
プラセボブレンドの調製
微結晶セルロース、トウモロコシデンプンおよびタルクを含有するプラセボブレンドを、実施例2において記載された量および方法を用いて調製した。
【0124】
0.02%w/wリオチロニンを含有するブレンド濃縮物の調製
0.02%w/wリオチロニンナトリウムを含有する均一粉末ブレンド濃縮組成物を、実施例1において記載された方法を用いて調製した。
【0125】
最終ブレンドの調製および処理[実施例6.2において用いられる量]
100[50]グラムのトウモロコシデンプンおよび150[200]グラムのエチルセルロースT10 Pharmを分注し、篩別し、実施例1において記載される手順を用いて、250[250]グラムのリオチロニンブレンド濃縮物とともに処理した。
【0126】
0.01%w/wリオチロニン(50mgあたり10マイクログラムのリオチロニンナトリウムに相当)および30%[40%]w/wエチルセルロースT10 Pharmを含有する得られた最終ブレンド(500グラム)を次に、実施例1において記載されたように湿式造粒し、処理した。処理の間に使用された造粒水の体積を表6に示す。
【0127】
溶解試験
実施例6.1および6.2についてのインビトロ薬剤放出特性を実施例1において記載されたようにして評価した。
【0128】
図5は、持続放出型T3組成物(それぞれ実施例1、6.1および6.2において記載されるようにして調製)におけるエチルセルロースT10 Pharmの濃度増加の効果を示す。インビトロ薬剤放出の漸進的減速は、エチルセルロース濃度が増加する持続放出型リオチロニンナトリウム製剤について指摘される。
【0129】
エチルセルロースT10 Pharmを含有する持続放出型製剤の組成を表6に示す。
【0130】
【表6】

【実施例7】
【0131】
ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸を含有する持続放出型T3組成物の調製および溶解試験ならびに胃耐性コーティング適用の効果
【0132】
実施例7.1、7.2および7.3
プラセボブレンドの調製
実施例1において記載される量および方法を用いて、微結晶セルロース、デンプンおよびタルクを含有するプラセボブレンドを調製した。
【0133】
0.04%w/wリオチロニンを含有するブレンド濃縮物の調製
0.04%w/wリオチロニンナトリウムを含有する均一粉末ブレンド濃縮物を、220mgのリオチロニンナトリウムを100mgの代わりに使用する以外は、実施例1において記載される方法を用いて調製した。
【0134】
最終ブレンドの調製および処理
50グラムのトウモロコシデンプン、100グラムのステアリン酸カルシウム、50gのステアリン酸および50gのタルクを分注し、篩別し、実施例2において記載される手順を使用して、250グラムのリオチロニンブレンド濃縮物とともに処理した。
【0135】
0.02%w/wリオチロニン(50mgあたり10マイクログラムのリオチロニンナトリウムに相当)を含有する得られた最終ブレンド(500グラム)を、次に実施例1において記載されたように湿式造粒し、処理した。
【0136】
前記方法により形成された組成物を表7に記載する(実施例7.1)。
【0137】
胃耐性コーティングの適用
容器中に、878グラムの無水エタノールを分注した。ガラスビーカー中に、70グラムのHPMCP−50(ShinEtsu、Japan)を量り、約700mlのエタノールPh Eur、USP(Fisher、UK)を添加し、続いて撹拌することにより、これを溶解させた。HPMCP溶液中で、375グラムの水、次いで7グラムのクエン酸トリエチルNF(Morflex Inc.、USA)を撹拌した。別の小さなビーカー中、70グラムのタルクPh Eur、USP(Luzenac、UK)を、残りのエタノールの一部を使用して混合してペーストにし、前記ペーストをHPMCP溶液に添加した。残存するエタノールを使用して、残存するタルクペーストをHPMCP溶液中にすすぎ入れた。
【0138】
200グラムのLT3ビーズ(実施例7.1)を、スプレーガンを備えたAeromatic Strea−1流動床コーターを用いてコーティングした。ビーズをコーターチャンバに移し、50℃の温度に予熱した。コーティング分散液をビーズ上に約4グラム/分の速度で噴霧した。理論的に3%w/wのHPMCP−50含量を有するビーズ(実施例7.2)を製造するために、120gのコーティング分散液を適用した。30グラムのビーズのサンプルを薬剤分析および溶解の目的で取り出した。残りの170グラムのビーズに、追加の68gのコーティング溶液を適用した。これらのビーズ(実施例7.3)は理論的に5%w/wのHPMCP含量を有した。実施例7.2および7.3における最終胃耐性コーティングは47.6%w/w HPMCP HP−50、4.8%w/wクエン酸トリエチルおよび47.6%w/wタルクを含んだ。
【0139】
溶解試験
コートされていないビーズおよびHPMCPでコートされたビーズのインビトロ薬剤放出特性を実施例1において記載されたようにし、ただし、試験媒体として0.1M塩酸、pH7.4リン酸塩緩衝液またはpH変更法(0.1M HCl、続いてpH 7.4緩衝液中で1時間)を使用して評価した。
【0140】
図6は、0,3および5%HPMCPコーティングを有するビーズの0.1M HCl中での溶解を示す。3%w/wおよび5%w/w HPMCPコートはどちらも酸中のT3放出に対して優れた耐性を提供した。
【0141】
図7は、0.1M HClと比較してpH7.4でのビーズ製剤からのT3のより遅い放出を示す。pH変更プロセスを用いて試験された、HPMCPコートされたビーズについて、pH7.4で薬剤放出において小さな遅延があったが、さらにその後の薬剤放出速度は、HPMCPコーティングのないビーズと比較して、より遅いようであった。
【0142】
【表7】

【実施例8】
【0143】
エチルセルロースを含有する持続放出型T3組成物の調製および溶解試験ならびに胃耐性コーティング適用の効果
【0144】
実施例8.1、8.2および8.3
プラセボブレンドの調製
実施例1において記載される量および方法を用いて、微結晶セルロース、デンプンおよびタルクを含有するプラセボブレンドを調製した。
【0145】
最終ブレンドの調製および処理
100グラムのトウモロコシデンプン、50グラムのタルクおよび100gのエチルセルロースを分注し、篩別し、250グラムのリオチロニンブレンド濃縮物(実施例7)とともに、実施例1において記載された方法を用いて処理した。
【0146】
0.02%w/wリオチロニン(50mgあたり10マイクログラムのリオチロニンナトリウムに相当)を含有する、得られた最終ブレンド(500グラム)を次に実施例1において記載されたように湿式造粒し、処理した。処理の間に使用される造粒水の体積を表8に示す。
【0147】
前記方法により形成された組成物を表8に記載する(実施例8.1)。
【0148】
胃耐性コーティングの適用
実施例7について記載されたようにして前記組成物(実施例8.1)をコーティングして、3%w/w(実施例8.2)および5%w/w(実施例8.3)の理論的HPMCP含量を有するT3ビーズを得た。
【0149】
溶解試験
インビトロ溶解試験を実施例7において記載されるようにして行った。
【0150】
図8は、0.1M HCl中での0、3および5%HPMCPコーティングを有するビーズの溶解を示す。両方のレベルのHPMCPは酸性媒体中でのT3の放出の減少に有効であるが、5%は放出に対してより高い耐性を提供した。約80%のT3はHPMCPコーティングを有さないビーズから1時間後に放出されたことに注意すべきである。
【0151】
図9において、pH7.4でのHPMCPコーティングを有さないT3ビーズの溶解を、3%および5%コーティングを有するビーズとpH変更法を用いて比較した。HPMCPコーティングを有さないビーズに関して、40%未満のT3は1時間後に放出され、これは、pHに対するこの製剤の感受性を示す。即ち、80%が酸中で1時間後に放出された(図8)。pH変更法を用いて、HPMCPコートされたサンプルにおいてpH7.4で薬剤放出において若干の遅延があった。
【0152】
【表8】

【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】pH7.4リン酸塩緩衝液USP中、実施例1および2により得られるMSRおよびSSR組成物からのT3のインビトロ薬剤放出を示す。
【図2】pH7.4リン酸塩緩衝液USP中、実施例2および3により得られるステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸を含有する持続放出型組成物からのT3のインビトロ薬剤放出を示す。
【図3】pH7.4リン酸塩緩衝液USP中、実施例2および4により得られるステアリン酸カルシウムを含有する持続放出型組成物からのT3のインビトロ薬剤放出を示す。
【図4】pH7.4リン酸塩緩衝液USP中、実施例5により得られるステアリン酸を含有する持続放出型組成物からのT3のインビトロ薬剤放出を示す。
【図5】pH7.4リン酸塩緩衝液USP中、実施例1および6により得られるエチルセルロースを含有する持続放出型組成物からのT3のインビトロ薬剤放出を示す。
【図6】0.1M塩酸中、実施例7により得られるステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸を含有する持続放出型組成物からのT3のインビトロ薬剤放出を示す。
【図7】pH7.4リン酸塩緩衝液中、pH変更法(0.1M塩酸、続いてpH7.4リン酸塩緩衝液USP中1時間)を用いて、実施例7により得られる、ステアリン酸カルシウムおよびステアリン酸を含有する持続放出型組成物からのT3のインビトロ薬剤放出を示す。
【図8】0.1M塩酸中、実施例8により得られるエチルセルロースを含有する持続放出型組成物からのT3のインビトロ薬剤放出を示す。
【図9】pH7.4リン酸塩緩衝液中、pH変更法(0.1M塩酸、続いてpH7.4リン酸塩緩衝液USP中1時間)を用いて、実施例8により得られる、エチルセルロースを含有する持続放出型組成物からのT3のインビトロ薬剤放出を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)薬剤;
(b)微結晶セルロース;
(c)希釈剤;
(d)流動促進剤;および
(e)エチルセルロース、ステアリン酸およびステアリン酸の塩のうち1以上を含む、持続放出型医薬組成物。
【請求項2】
押出球形化を含むプロセスにより得られる、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
20から約50%w/wの前記エチルセルロース、前記ステアリン酸若しくは前記ステアリン酸の塩またはその組み合わせを含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
成分(e)が前記エチルセルロースのみである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記エチルセルロースが44から51%のエトキシル置換を有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記エチルセルロースが2から40cpsの粘度(80/20トルエン/エタノールの5%溶液)を有する、請求項1〜5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記エチルセルロースが49.6から51.0%の範囲のエトキシル置換、および8から11cpsの粘度(80/20トルエン/エタノールの5%溶液)を有する、請求項1〜6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
存在する前記ステアリン酸の量が30%w/w以下である、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記ステアリン酸の量がl0から25%w/wである、請求項5に記載の組成物。
【請求項10】
存在する前記ステアリン酸塩の量が50%w/w以下である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記微結晶セルロースの量が20から50%w/wである、請求項1〜10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記流動促進剤がタルクである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記流動促進剤の量が10から20%w/wである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記希釈剤がデンプンである、請求項1〜13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記希釈剤の量が15から35%w/wである、請求項1〜14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記薬剤が37℃の温度および大気圧で1mg/m未満の水性媒体に対する溶解度を有する、請求項1〜15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記薬剤の量が0.002から50%w/wである、請求項1〜16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
前記薬剤がリオチロニンまたはその塩である、請求項1〜17のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
インビトロ溶解試験において約4時間以内で前記薬剤の少なくとも50%、約6時間以内で少なくとも70%の薬剤放出を示す、請求項1〜18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
インビトロ溶解試験において約8時間以内で前記薬剤の少なくとも50%、約12時間以内で少なくとも70%の薬剤放出を示す、請求項1から18のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
エチルセルロース、デンプン(前記希釈剤として)およびタルク(前記流動促進剤として)を含む、請求項19に記載の組成物。
【請求項22】
0.001から1%w/wのリオチロニンまたはその塩;20から40%w/wの前記微結晶セルロース;15から55%w/wの前記デンプン、10〜20%w/wの前記タルク;および15から25%w/wの前記エチルセルロースを含む、請求項21に記載の組成物。
【請求項23】
前記ステアリン酸および/またはその塩、デンプン(前記希釈剤として)およびタルク(前記流動促進剤として)を含む、請求項20に記載の組成物。
【請求項24】
0.001から1%w/wのリオチロニンまたはその塩;20から40%w/wの前記微結晶セルロース;15から35%w/wの前記デンプン、5から20%w/wの前記タルク;10から30%w/wのステアリン酸カルシウム;および5から15%w/wの前記ステアリン酸を含む、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
ペレットの形態である、請求項1〜24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
前記ペレットの直径が0.1から2mmである、請求項23に記載の組成物。
【請求項27】
前記ペレットが、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、プルランまたはデンプンから作られたハードカプセル内に含有される、請求項23または24に記載の組成物。
【請求項28】
前記ペレットが本質的に、前記薬剤、前記微結晶セルロース、前記希釈剤、前記流動促進剤および前記エチルセルロースからなる、請求項25から27のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項29】
十分な水と成分を混合することにより重質顆粒または湿潤塊を調製してペーストとし、前記ペーストを押出機に通し、押出物を球化機に移し、次いでこのように形成された粒子を乾燥することを含む、請求項1〜28のいずれか一項に記載の組成物の調製方法。
【請求項30】
体循環中への薬剤の持続放出において使用される医薬を製造するための、請求項1から28のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項31】
甲状腺機能低下症または鬱血性心不全の治療用医薬を製造するための請求項1から28のいずれか一項に記載の組成物の使用。
【請求項32】
薬剤を体循環中に持続放出する方法であって、このような持続放出を必要とする患者に対して請求項1から28のいずれか一項に記載の組成物を投与することを含む、方法。
【請求項33】
甲状腺機能低下症または鬱血性心不全の治療方法であって、このような治療を必要とする患者に対して請求項1から28のいずれか一項に記載の組成物を投与することを含む、方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2009−519313(P2009−519313A)
【公表日】平成21年5月14日(2009.5.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−545097(P2008−545097)
【出願日】平成18年12月15日(2006.12.15)
【国際出願番号】PCT/GB2006/004710
【国際公開番号】WO2007/068948
【国際公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【出願人】(505260176)アルキメデス ディヴェロプメント リミテッド (8)
【Fターム(参考)】