説明

半導体メモリカード

【課題】データ大容量化且つ高速転送を可能とする半導体メモリを提供すること。
【解決手段】基板7の一方の面上に実装された半導体メモリ3A、3Bと、前記基板7の他方の面上に実装され、前記半導体メモリ3A、3Bを制御するコントローラ12と、前記コントローラ12を介して、前記半導体メモリ3A、3Bに信号の入出力を行う複数の入出力端子6と、複数の前記入出力端子6と前記コントローラ12とを電気的に接続する複数の抵抗素子5と、前記抵抗素子5の一端と前記コントローラ12とを接続する複数の第1配線70と、前記抵抗素子5の他端と前記入出力端子6とを接続する複数の第2配線71と、を具備し、複数の前記第1配線70の配線長の各々は4.0mm以下で形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体メモリカードに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、例えばNANDフラッシュメモリなどの半導体メモリは、情報の増加と共に大容量化が必要とされてきている。
【0003】
しかし、SDTMメモリカード(以下、SDメモリカードと呼ぶ)など半導体メモリを実装する基板には、該半導体メモリと同一基板面上に半導体メモリを制御するコントローラチップが実装されることが多かった。このため、更にSDメモリカード内に半導体メモリを実装できるだけの面積が確保することができず、半導体メモリ自体を高密度化することで大容量化を行っていた(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−128959号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、データの大容量化且つ高速転送を可能とする半導体メモリカードを提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係る半導体メモリカードは、基板の一方の面上に実装された半導体メモリと、前記基板の他方の面上に実装され、前記半導体メモリを制御するコントローラと、前記コントローラを介して、前記半導体メモリに信号の入出力を行う複数の入出力端子と、複数の前記入出力端子と前記コントローラとを電気的に接続する複数の抵抗素子と、前記抵抗素子の一端と前記コントローラとを接続する複数の第1配線と、前記抵抗素子の他端と前記入出力端子とを接続する複数の第2配線と、を具備し、複数の前記第1配線の配線長の各々は4.0mm以下で形成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、データの大容量化且つ高速転送を可能とする半導体メモリカードを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本実施形態に係るSDメモリカードの外観を示す平面図である。
【図2】図1におけるA−A’方向の断面図である。
【図3】図2におけるC−C’方向の断面図である。
【図4】本実施形態に係るSDメモリカードの下ケースの一部であって、ライトプロテクトスイッチを拡大した平面図である。
【図5】図1におけるB−B’方向の断面図である。
【図6】本実施形態におけるソルダレジスト開口パターンである。
【図7】本実施形態に係るパッケージ基板の裏面を表した平面図である。
【図8】図7におけるメモリコントローラの拡大図である。
【図9】図7の拡大図である。
【図10】図7の拡大図である。
【図11】本実施形態に係るSDメモリカードの平面図であって、上ケースから見た際の透視図である。
【図12】本実施形態に係るSDメモリカードの平面図であって、下ケースから見た際の透視図である。
【図13】本実施形態の変形例に係るSDメモリカードの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、この発明の実施形態につき図面を参照して説明する。この説明に際し、全図にわたり、共通する部分には共通する参照符号を付す。
【0010】
図1に本実施形態に係る半導体メモリカードについて、例えばSDメモリカードを例に挙げて説明する。図1は、SDメモリカードの外観を示す平面図である。図示するように、SDメモリカード100は上ケース1、ラベル貼り付け溝部8、取っ手9、及びライトプロテクトスイッチ17を備える。そして図中第1の方向は、SDメモリカード100が、該SDメモリカード100とデータの入出力を行う図示せぬ外部機器に挿入される方向である。
【0011】
ラベル貼り付け溝部8は、SDメモリカード100の仕様などを印刷したラベルを貼る部分である。
【0012】
取っ手9は、図示せぬ外部機器とSDメモリカード100とを電気的に接続するため、該SDメモリカードを挿入する際に保持する部分である。また、SDメモリカード100を図示せぬ外部機器から取り外す際に保持する部分でもある。
【0013】
ライトプロテクトスイッチ17は、SDメモリカード100内に実装されたメモリパッケージに対するデータの書き込みを禁止する際に操作するスイッチである。ライトプロテクトスイッチ17は、図中に示す操作方向にスライドさせて操作することにより、データのライトプロテクトモードの設定または解除の切替操作が可能とされる。そして例えば、図中示すライトプロテクトスイッチ17の位置で、SDメモリカード100内に実装されたメモリパッケージに対するデータの書き込み禁止状態とされる。また、第1方向におけるSDメモリカード100の高さ(図中、H1と記載)は32[mm]である。またその高さH1は32[mm]に対し±0.1[mm]の誤差を有してもよい。そして第2方向におけるSDメモリカード100の幅(図中、Wと記載)は24[mm]である。またその幅Wは24[mm]に対し±0.1[mm]の誤差を有してもよい。
【0014】
次に図1のA−A’線方向に沿ったSDメモリカード100の断面方向について図2を用いて説明する。図2は上記図1に示したSDメモリカード100についてA−A’方向に沿った断面図である。図示するように、SDメモリカード100の外装は、上ケース1とその周囲を溶着され、メモリパッケージと、該メモリパッケージを制御するメモリコントローラとを収納する下ケース2により形成される。図示するように、上ケース1と下ケース2とで外装されるSDメモリカード100の高さ(図中、H2と記載)は、2.1[mm]である。またその高さH2は2.1[mm]に対し±0.15[mm]の誤差を有しても良い。
【0015】
そして、上記上ケース1及び下ケース2により形成されるSDメモリカード100内には、例えばNAND型フラッシュメモリで形成されたメモリパッケージ3A、3B、及びメモリパッケージ3A及び3Bを制御するメモリコントローラ12がそれぞれ回路基板7上に実装される。すなわち、回路基板7上面には、すなわち上ケース1側にメモリパッケージ3A、3Bが実装され、該回路基板7裏面、すなわち下ケース2側であって、メモリパッケージ3Aの真下にメモリパッケージ3A、3Bを制御するメモリコントローラ12が実装されている。そして、樹脂ポッティング4が、メモリコントローラ12を保護するようにその周囲に形成されている。そして、図中第1方向であって、上ケース1の先端下部部分に、図示せぬ外部機器と電気的に接続され、メモリパッケージ3A、3Bのデータを入出力するための端子部6が形成される。このようにして、メモリパッケージ3A、3Bのデータはメモリコントローラ12及び端子部6を介して図示せぬ外部機器とやり取りされる。ここで、メモリコントローラ12と端子部6との間に複数の抵抗素子(以下、抵抗素子群5と呼ぶ)が回路基板7裏面上に形成される。ここで抵抗素子5の抵抗値は、例えば数10〜数100[Ω]の値を有する。
【0016】
次に、図2のC−C’断面について図3を用いて説明する。図3は、回路基板7上に実装されたメモリパッケージ3Aとメモリコントローラ12との断面図である。図示するように、回路基板7の表面上にメモリコントローラ12が形成され、該メモリコントローラ12表面の辺縁部に形成された図示せぬ電極パッドと回路基板7上に形成された図示せぬ金属片(以下、ボンディングフィンガーと呼ぶ)とを電気的に接続するボンディングワイヤ11が形成されている。そして、前述したようにメモリコントローラ12とボンディングワイヤ11とを保護する樹脂ポッティング4が、その周囲を封止するように形成されている。
【0017】
次に、下ケース2の内部構成の一部であって、図1で説明したSDメモリカード100のライトプロテクトスイッチ17の平面拡大図を図4に示す。図示するように、ライトプロテクトスイッチ17は操作部17Aと、操作部17Aの操作に応じて下ケース2の内面に沿ってスライドするスイッチ本体部17Bを備える。そして、下ケース2の外壁リブ2Aと内壁リブ2Bとの間の底面部には、スイッチ動作用突起部18が設けられている。なお、外壁リブ2Aとは、ライトプロテクトスイッチ17を使用する際、スイッチ本体部17Bを収納するために下ケース2に設けられた支柱(ストッパー)である。そして、内壁リブ2Bとは、メモリパッケージ3A、3B、メモリコントローラ12などを収納するために必要な高さを有し、上ケース1と溶着される周囲の壁を指す。
【0018】
そしてスイッチ動作用突起部18は、ライトプロテクトスイッチ17の操作部17Aをスライド操作する際に、スイッチ本体部17Bに抗力を付与するように配置されている。このため、ライトプロテクトスイッチ17は、操作部17Aにある程度の力(例えば1〜4N程度)を加えて操作しないとスライド動作しないものとなっている。すなわち、スイッチ動作用突起部18は、ライトプロテクトモードの設定または解除する際の切替操作を確実に行うために設けられている。
【0019】
また、スイッチ本体部17Bを収納する下ケース2側の外壁リブ2Aの厚みL1は0.25[mm]程度であるものとする。そして、ライトプロテクトスイッチ17を収納する外壁リブ2Aから内壁2Bまでの距離L2は2.4[mm]程度であるものとする。そして、ライトプロテクトスイッチ17は、図1及び図4に示すようにSDメモリカード100の凹部領域に収納された際に、該ライトプロテクトスイッチ17が下ケース2の外側に露出しないように収納される。
【0020】
次に上記図4に示したライトプロテクトスイッチ17の断面方向について図5に示す。図5はライトプロテクトスイッチ17の断面図である。図示するように、スイッチ本体部17Bが、外壁リブ2Aと内壁2Bとによって収納されている。また、上ケース1と下ケース2とを溶着する溶着用突起部14(エネルギーダイレクタ)が、該上ケース1内部の辺縁部の全周に亘り設けられている。
【0021】
次に、図2に示した回路基板7を上ケース1側から見た場合の平面図を図6に示す。図6は、回路基板7においてメモリパッケージ3A、3B実装面のソルダレジスト開口パターンの構成例を示す図である。図示するように、回路基板7のメモリパッケージ3A、3Bの実装面には、メモリパッケージ3A、3Bの半田接続端子の各位置に合わせてソルダレジスト開口パターン20、30がそれぞれ形成されている。すなわち、ソルダレジスト開口パターン20、30には、メモリパッケージ3A、3Bと基板回路7とを半田接続し、それぞれ電気的に接続するための実装パッドが設けられている。
【0022】
しかし、本実施形態においてソルダレジスト開口パターン20は、回路基板7上に実装されるメモリパッケージ3A、3Bを安定させるためのものである。すなわち、ソルダレジスト開口パターン20の各々は、それぞれいずれにも接続されないダミー端子(図中、NCと記載)である。つまり、ソルダレジスト開口パターン20を用いて外部機器と回路基板7に実装されるメモリパッケージ3A、3Bとのデータ及び信号の授受は行われない。
【0023】
つまり、ソルダレジスト開口パターン30を構成する複数の開口パターンがメモリコントローラ12を介して外部機器と電気的に接続される。具体的には、入出力端子(図中、I/O0乃至7と記載)、リードイネーブル端子(図中、REと記載)、ライトイネーブル端子(図中、WEと記載)、コマンドラッチイネーブル端子(図中、CLEと記載)、アドレスラッチイネーブル端子(図中、ALEと記載)、レディビジー端子(図中、R/Bと記載)、チップイネーブル端子(図中、CEと記載)、ライトプロテクト端子(図中、WPと記載)、Vss端子(図中、Vssと記載)、Vcc端子(図中、Vccと記載)、及びダミー端子(図中、NCと記載)を備える。
【0024】
入出力端子は、図示せぬ外部機器からコマンド、アドレス、及びデータの授受を行う。
【0025】
リードイネーブル端子は、メモリパッケージ3A、3Bのデータを読み出し可能とする信号を出力する。
【0026】
ライトイネーブル端子は、メモリパッケージ3A、3Bに対し図示せぬ外部機器からのデータを書き込み可能とする信号を出力する。
【0027】
コマンドラッチイネーブル端子は、入出力端子からのコマンドを一度コマンドレジスタでラッチする際に使用される信号を出力する。具体的には、ライトイネーブル信号の立ち上がり時に‘H’レベルとすることにより、入出力端子のデータがコマンドレジスタに取り込まれる。
【0028】
アドレスラッチイネーブル端子は、入出力端子からのアドレスを一度アドレスレジスタでラッチする際に使用される信号を出力する。具体的には、ライトイネーブル信号の立ち上がり時に‘H’レベルとすることにより、入出力端子のアドレスがアドレスレジスタに取り込まれる。
【0029】
レディビジー端子は、メモリパッケージ3A、3B内部の動作状態を知らせるための信号を出力する。メモリパッケージ3A、3Bがプログラム動作中、消去動作中、またはリード動作中にはビジー信号(‘L’レベル)を出力し、完了するとレディ状態(‘H’レベル)となる。
【0030】
チップイネーブル端子は、メモリパッケージ3A、3Bの動作を有効とするための信号である。
【0031】
ライトプロテクト端子は、電源投入時、又は電源遮断時など、入力信号が不確定な場合に、予期できない消去や書込みからデータを保護するために使用する信号を出力する。
【0032】
Vss端子は、SDメモリカード100を動作させるための内部電源を出力する。
【0033】
Vcc端子は、例えば、接地された端子であり、SDメモリカード100に0[V]を出力する。また、ソルダレジスト開口パターン30にも、ダミー端子が設けられている。このダミー端子も、データ及び信号の授受は行われない。
【0034】
そして、メモリパッケージ3A、3Bは2つのチャンネルを用いたデータ及び信号の入出力が可能である。つまり、必要に応じてチャンネル1、チャンネル2を使い分けることが出来る。図示するように、チャンネル1を用いてデータ及び信号の入出力を行う各端子には‘1’と記載する。同様に、チャンネル2を用いてデータ及び信号の入出力を行う各端子には‘2’と記載する。
【0035】
また回路基板7上にヒューズ素子31及びキャパシタ素子32がそれぞれ第2方向に沿って形成されている。
【0036】
次に、上記回路基板7の裏面、すなわち下ケース2側から見た該回路基板7の平面図を図7に示す。図示するように、回路基板7裏面上にメモリコントロール12、複数のテストパッド群40、41、及び42、並びに抵抗素子群5、及び金端子パターン50乃至58が形成されている。そして、前述したようにメモリコントローラ12表面に形成された複数の電極パッドからはボンディングフィンガー13に向かって、やり取りするデータの本数だけボンディングワイヤ11が形成されている。また前述したように、それらメモリコントローラ12、ボンディングフィンガー13、及びボンディングワイヤ11を保護するように樹脂ポッティング4が形成されている。
【0037】
また図示するように、金端子パターン50乃至58はそれぞれ図2で説明した端子部6のピン配置に対応するように形成されている。金端子パターン50はDAT(データ)1ピン(9番ピン)、金端子パターン51はDAT3ピン(1番ピン)、金端子パターン52はCMD(コマンド)ピン(2番ピン)、金端子パターン53はGNDピン(3番ピン)、金端子パターン54はVCCピン(4番ピン)、金端子パターン55はCLK(クロック)ピン(5番ピン)、金端子パターン56はGNDピン(6番ピン)、金端子パターン57はDAT0ピン(7番ピン)、金端子パターン58はDAT1ピン(8番ピン)にそれぞれ対応する。なお、特に区別しない場合には、単に金端子パターンと呼ぶ。
【0038】
また、抵抗素子群5は6つの抵抗素子で形成される。これは、図示せぬ外部機器とメモリパッケージ3A、3Bとの間におけるデータの入出力を、金端子パターン50乃至52、55、57、及び58の計6つの金端子パターンを用いてデータの入出力を行うからである。すなわち、金端子パターン50乃至52、55、57、及び58と抵抗素子群5とはそれぞれ配線で電気的に接続されており、また、メモリコントローラ12側に配置されている複数のボンディングフィンガー13のいずれかと抵抗素子群5とがほぼ同じ配線長で電気的に接続されている。
【0039】
次に、上記メモリコントローラ12の拡大図を図8に示す。図示するように、メモリコントローラ12の表面には、回路基板7と接続するための複数の電極パッドP1〜Pn(nは例えば偶数の自然数)が設けられている。以下、これらを区別しない場合には、電極パッドPと呼ぶ。電極パッドPは、メモリコントローラ12の縁に沿って設けられている。また一列に並んだ複数の電極パッドPをまとめて電極パッド群60と呼ぶ。また、メモリコントローラ12、ボンディングフィンガー13−1、13−2の外縁に、樹脂ポッティング4が形成される範囲を示す。
【0040】
ボンディングフィンガー13の各々は、金属で形成された電極であり、回路基板7の表面上に、メモリコントローラ12搭載領域の周囲を取り囲むようにして配置される。そしてボンディングフィンガー13は、パッケージングの際に、例えばボンディングワイヤ11によってメモリコントローラ12の電極パッドPと接続される。
【0041】
本実施形態では、例えば図示するようにボンディングフィンガー13が2列に配列される。より具体的には、ボンディングフィンガー13のいずれかは外側に、残りは内側に一列に配置されている。そしてメモリコントローラ12に対して内側に配置されたボンディングフィンガー13をボンディングフィンガー13−1と呼び、外側に配置されたボンディングフィンガー13を、ボンディングフィンガー13−2と呼ぶ。そして、ボンディングフィンガー13−2の各々は電極パッドP1、P3、・・・、P(n−1)に接続され、ボンディングフィンガー13−1の各々は電極パッドP2、P4、・・・、P(n)に接続される。
【0042】
このためボンディングフィンガー13−2は、該ボンディングフィンガー13−2よりも内側に形成された1つのボンディングフィンガー13−1に対し、交互に形成される。そして隣接するボンディングフィンガー13−2は、ボンディングフィンガー13−1に接続される図示せぬ基板配線を通すことができる、最小の間隔で形成されている。
【0043】
なお、外側に配置されたボンディングフィンガー13−2に対し、内側に配置されるボンディングフィンガー13−1が2つ以上あってもよい。この場合、ボンディングフィンガー13−2の隣接間隔は、隣接するボンディングフィンガー13−2と、該ボンディングフィンガー13−2にそれぞれ対応した電極パッドPとを接続するボンディングワイヤ11が、内側に配置されるボンディングフィンガー13−1を挟みつつ、該ボンディングフィンガー13−1の外側を通過することのできる間隔となる。
【0044】
次に、上記図7の拡大図を図9に示す。図9に特に回路基板7上に形成された金端子パターン及び抵抗素子群5、及びボンディングフィンガー13がそれぞれ配線により電気的に接続されている様子を示す。なお、抵抗素子群に含まれる6つの抵抗素子をそれぞれ抵抗素子5−1乃至5−6と呼ぶ。
【0045】
図示するように、金端子パターン50は抵抗素子5−1に、金端子パターン51は抵抗素子5−2に、金端子パターン52は抵抗素子5−3に、金端子パターン55は抵抗素子5−4に、金端子パターン57は抵抗素子5−5に、そして金端子パターン58は抵抗素子5−6にそれぞれ配線70により接続されている。そして、抵抗素子5−1乃乃至5−6とボンディングフィンガー13とがそれぞれ配線71により接続されている。これにより、上記金端子パターンから転送された種々のデータをメモリコントローラ12へと転送する。
【0046】
そして、金端子パターン50乃至58のうち、金端子パターン50乃至52、55、57、58によりメモリコントローラ12とデータの入出力を実行される。具体的には金端子パターン50、51、57、58により、メモリパッケージ3A、3Bを形成する例えばNANDフラッシュメモリにデータが転送される。
【0047】
また、金端子パターン52によりコマンドの授受が行われる。このコマンドに基づいて、上記転送されるデータの書き込み動作、読み出し動作、及び消去動作時における動作シーケンスを実行する。このシーケンスを実行するために、メモリパッケージ3A、3B内に含まれる各回路ブロックの動作を制御する。また、金端子パターン55からメモリコントローラ12にクロックCLKが転送される。更にクロックCLKに基づいて上記動作シーケンスが実行される。
【0048】
また、金端子パターン54により、SDメモリカード全体に電圧を供給する。
【0049】
なお、抵抗素子群5は、例えばセラミックで形成された抵抗材の両端に金属端子を備えた形状をとる。つまり、抵抗素子5−1乃至5−6の一端と金端子パターンとが配線70で接続され、抵抗素子5−1乃至6−5の他端とボンディングフィンガー13とが配線71で接続されている。
【0050】
つまり、抵抗素子5−1乃至5−6とボンディングフィンガー13とを接続する配線71は、6本、設けられる。そして、6本の配線71の各々配線長の各々は全て4.0[mm]以下である。更に、それら6本の配線71は、該配線71の有する配線長の平均値に対する5パーセント以内の誤差で配線される。すなわち、配線71はほぼ等配線長である。
【0051】
また、金端子パターン50乃至52、55、57、及び58から、抵抗素子5を介してボンディングフィンガー13に達する信号経路の各々において、配線70、71の配線長の和は、全て10.0[mm]以下である。更に、それら配線70、71の和は、該配線70、71の有する和の配線長の平均値に対する5パーセント以内の誤差で配線される。すなわち、金端子パターン50乃至52、55、57、及び58から抵抗素子5を介してボンディングフィンガー13に達する信号経路は、全て、ほぼ等しくされる。
【0052】
より具体的には、金端子パターン50と抵抗素子5−1とを接続する配線70の長さと抵抗素子5−1とボンディングフィンガー13をと接続する配線71の長さの和と、金端子パターン51と抵抗素子5−2とを接続する配線70の長さと抵抗素子5−2とボンディングフィンガー13をと接続する配線71の長さの和と、金端子パターン52と抵抗素子5−3とを接続する配線70の長さと抵抗素子5−3とボンディングフィンガー13をと接続する配線71の長さの和と、金端子パターン55と抵抗素子5−4とを接続する配線70の長さと抵抗素子5−4とボンディングフィンガー13をと接続する配線71の長さの和と、金端子パターン57と抵抗素子5−5とを接続する配線70の長さと抵抗素子5−5とボンディングフィンガー13をと接続する配線71の長さの和と、金端子パターン58と抵抗素子5−6とを接続する配線70の長さと抵抗素子5−6とボンディングフィンガー13をと接続する配線71の長さの和とは、互いにほぼ等しく、それぞれが10.0[mm]以下である。
【0053】
これは、メモリコントローラ12が、金端子パターンの近傍に配置され、且つ配線70、71のそれぞれが同一表面上、すなわち回路基板7上で形成されるためである。
【0054】
次に図10に金端子メッキに電界メッキを施すためのメッキリード線を示す。図10に示すメッキリード線80は、12本のメッキリード線80−1乃至80−12を備える。そして、メッキリード線80は、上記回路基板7上に金端子パターンを形成する際、外部から電圧を給電する給電線として用いられる。すなわち、金端子パターンに電圧を印加することで、金端子パターンに金メッキを施す電界メッキを用いる。ここでは特に、DAT(1、7、8、9番ピン)、CMD(2番ピン)、CLK(5番ピン)に接続されるメッキリード線80−1乃至80−12について説明する。また、メッキリード線80は各々に対応したスルーホールTH1乃至TH13を介して金端子パターン50乃至52、54、55、57、58に接続される。
【0055】
図示するように、メッキリード線80−1は、スルーホールTH1を介して抵抗素子5−1の一端に電気的に接続される。そして、メッキリード線80−10の一端が金端子パターン50に接続され、他端がSDメモリカード100の辺縁部に向かって配置される。
【0056】
メッキリード線80−2は、スルーホールTH2を介して抵抗素子5−2の一端に電気的に接続される。そして、メッキリード線80−11の一端が金端子パターン51に接続され、他端がSDメモリカード100の辺縁部に向かって配置される。メッキリード線80−3は、スルーホールTH5に接続される。そしてスルーホールTH5を介して抵抗素子5−3の一端に電気的に接続される。そして、メッキリード線80−12の一端が金端子パターン52に接続され、他端がSDメモリカード100の辺縁部に向かって配置される。メッキリード線80−4は、抵抗素子5−4の一端に電気的に接続される。そして、メッキリード線80−5の一端がスルーホールTH9を介して抵抗素子5−4の他端に接続され、他端がSDメモリカード100の外側に向かって配置される。メッキリード線80−6は、スルーホールTH10を介して金端子パターン57に接続される。そして、メッキリード線80−8の一端が、スルーホールTH13を介して抵抗素子5−5の一端に、他端がSDメモリカード100の辺縁部に向かって配置される。メッキリード線80−7は、スルーホールTH11を介して金端子パターン58に接続される。そして、メッキリード線80−9の一端が抵抗素子5−6に接続され、他端はSDメモリカード100の辺縁部に向かって配置される。
【0057】
そして、上記メッキリード線80−1乃至80−12から、金端子パターン50乃至52、55、56、57、58に外部電圧が印加される。以上より、金端子パターン50乃至52、55、56、57、58に対し電界メッキを用いたメッキ形成が、上記メッキリード線80−1乃至80−12を通じて実行される。そして前述したようにメッキリード線80−1乃至80−12はSDメモリカード100の辺縁部に向かって配置される。これは、金端子パターン50乃至58に対し電界メッキによるメッキ形成を行った後、人為的に外部電圧が給電される伝送路が切断されるからである。つまり図10に示す、メッキリード線80−1乃至80−12は、回路基板7の外側にメッキリード線80−1乃至80−12の一端が残存している様子を示す。そしてこの際、これらメッキリード線80−1乃至80−12の配線長をほぼ同じ長さとする。
【0058】
なお、実際はGND(3、6番ピン)、VCC(4番ピン)に対しても外部から給電しており、そのメッキリード線が存在するが、ここでは省略する。また各金端子パターンへの給電方法は、スルーホールTHを用いなくてもよい。
【0059】
次に下ケース2上に配置した回路基板7上にLGA(Land grid array)タイプのメモリパッケージ3A、3Bを実装し、その上に上ケース1を該下ケース2とその周囲を溶着した様子を図11に示す。図11はSDメモリカード100を上面から見た場合の透視図である。
【0060】
図示するように、メモリパッケージ3Bが下ケース2の中央位置に配置されることで、メモリパッケージ3Aに比べ右側にずれた状態で配置される。そして、メモリパッケージ3Bはその周囲を内壁リブ2Bにより保護されている。この内壁リブ2Bは第2方向に向かって同じ幅を有している。図示するように、メモリパッケージ3A、3Bはそれぞれ第1方向、第2方向に沿って14[mm]×18[mm]の大きさを有する。
【0061】
次に図11を下ケース2側から見たSDメモリカードの様子について図12を用いて説明する。図12は、SDメモリカード100の透視図である。図示するように、メモリコントローラ12が前述したようにメモリパッケージ3Aに重なるようにして、回路基板7上に配置されている。また、端子部6及び該端子部6に対応した金端子パターン50乃至58、並びに抵抗素子群5も回路基板7上の所定の位置にそれぞれは位置されている。
【0062】
本実施形態に係る半導体メモリカードであると、上記説明したように、メモリコントローラ12には、該外部機器とデータの入出力を行う金端子パターンと近傍して配置される。このため、抵抗素子群5とボンディングフィンガー13とを接続する複数の配線71の配線長を4.0[mm]以下とし、また端子部6と該抵抗素子群5とを接続する複数の配線70と該配線71とを足し合わせた配線長をそれぞれ10.0[mm]以下とすることができる。そしてそれら配線71はその配線長に対し、±5パーセントの誤差内で形成される。更に、配線70と配線71とを足し合わせた長さは、その配線長に対し、±5パーセントの誤差内で形成される。
【0063】
以上より、外部機器からSDメモリカード100に達する信号経路の距離が短く、転送速度を向上することができる。
【0064】
また、複数形成された配線70、71の配線長はそれぞれが±5パーセントの誤差しか有さないため、転送速度のブレが生じなく、安定した精度でデータの転送処理をすることができる。
【0065】
また、本実施形態に係る半導体メモリであると、回路基板7上に2つに分けたメモリパッケージ3A、3Bが実装されている。SDメモリカードにおいて、データの転送速度が早くなると、メモリパッケージを制御するメモリコントローラ12だけが熱を持つだけでなく、メモリパッケージ3A、3Bも熱を持ち始める。しかし、本実施形態に係る半導体メモリであると、実装されたメモリパッケージは分散されているため、熱の発熱量を分散させることができる。これは、SDメモリカード100の温度特性に非常に影響を及ぼし、発熱し上昇する温度によっては故障するといった問題を回避することができる。
【0066】
また、前述したように、メモリパッケージ3Bは、メモリパッケージ3Aに対して右側に少しずれた状態で回路基板7上に配置される。このため、このメモリパッケージ3Bを保護する内壁リブ2Bを等幅とすることが出来、曲げても強度の高いSDメモリカードとすることができる。
【0067】
また更に、本実施形態に係る半導体メモリであると、金端子パッケージを金メッキする際に、外部電圧を転送するメッキリード線の長さを等長としている。そのため、金端子パッケージ側から見た、メッキリード線80の伝送容量の値を等しくすることが出来る。これにより、データの転送時に安定した転送速度を得ることができる。
【0068】
<変形例>
次に上記実施形態に係る半導体メモリカードについて図13を用いて説明する。図13は変形例に係る半導体メモリの断面図である。図示するように、図2において回路基板7上に配置された抵抗素子群5を、その回路基板7内に埋め込む。これにより、下ケース2において、回路基板7上に配置されるメモリコントローラ12が形成される領域における逃げ部90を、図2に比べ小さくすることができる。この場合であっても、配線長の長さはそれぞれ4.0[mm]、10.0[mm]とすることができる。
【0069】
変形例に係る半導体メモリカードであっても、上記第1の実施形態同様に、安定した転送速度で大容量のデータを転送することが出来、半導体メモリカードの転送特性を向上することができる。
【0070】
なお、上記説明した実施形態が、実施する上での唯一の実施形態ではない。すなわち、本実施形態に係るメモリパッケージ3A、3Bは、NAND型フラッシュメモリに限られなく、例えばDRAM等の半導体メモリであってもよい。
【0071】
なお、メモリパッケージ表面の電極パッドとボンディングフィンガーとを接続する信号線は、ボンディングワイヤに限られない。
【0072】
また上記実施形態は、ランドグリッドアレイ以外でもよく、またメモリパッケージとそのメモリパッケージを制御するメモリコントローラとがある構成であれば、SDメモリカードに限られない。
【0073】
なお、本願発明は上記実施形態に限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で種々に変形することが可能である。更に、上記実施形態には種々の段階の発明が含まれており、開示される複数の構成要件における適宜な組み合わせにより種々の発明が抽出されうる。例えば、実施形態に示される全構成要件からいくつかの構成要件が削除されても、発明が解決しようとする課題の欄で述べた課題が解決でき、発明の効果の欄で述べられている効果が得られる場合には、この構成要件が削除された構成が発明として抽出されうる。
【符号の説明】
【0074】
1…上ケース、2…下ケース、3A、3B…メモリパッケージ、4…樹脂ポッティング、5…抵抗素子群、6…端子部、7…パッケージ基板、8…ラベル貼り付け溝部、9…取っ手、11…ボンディングフィンガー、12…メモリコントローラ、14…溶着用突起部14(エネルギーダイレクタ)、17…ライトプロテクトスイッチ、17A…操作部、17B…本体部、18…スイッチ動作用突起部、20、30…ソルダレジスト開口パターン、31…ヒューズ素子、32…キャパシタ素子、40、41、42…テストパット、50乃至58…金端子パターン、60…電極パッド、70、71…配線、80…メッキリード線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板の一方の面上に実装された半導体メモリと、
前記基板の他方の面上に実装され、前記半導体メモリを制御するコントローラと、
前記コントローラを介して、前記半導体メモリに信号の入出力を行う複数の入出力端子と、
複数の前記入出力端子と前記コントローラとを電気的に接続する複数の抵抗素子と、
前記抵抗素子の一端と前記コントローラとを接続する複数の第1配線と、
前記抵抗素子の他端と前記入出力端子とを接続する複数の第2配線と、
を具備し、複数の前記第1配線の配線長の各々は4.0mm以下で形成される
ことを特徴とする半導体メモリカード。
【請求項2】
基板の一方の面上に実装された半導体メモリと、
前記基板の他方の面上に実装され、前記半導体メモリを制御するコントローラと、
前記コントローラを介して、前記半導体メモリに信号の入出力を行う複数の入出力端子と、
複数の前記入出力端子と前記コントローラとを電気的に接続する複数の抵抗素子と、
前記抵抗素子の各々一端と前記コントローラとをそれぞれ接続する複数の第1配線と、
前記抵抗素子の各々の他端と前記入出力端子の各々とをそれぞれ接続する複数の第2配線と、
を具備し、前記抵抗素子を介した前記入出力端子と前記コントローラとの間の前記信号の経路の各々における、前記第1配線の配線長、前記第2配線の配線長との和は、10.0mm以下である
ことを特徴とする半導体メモリカード。
【請求項3】
複数の前記第1配線の各々は、複数の前記第1配線が有する配線長の平均値に対して±5%内で形成される
ことを特徴とする請求項1記載の半導体メモリカード。
【請求項4】
前記信号の経路における前記第1配線の配線長と、前記第2配線の配線長との和の各々は、複数形成される前記第1配線、前記第2配線の和の平均値に対して±5%内で形成される
ことを特徴とする請求項2記載の半導体メモリカード。
【請求項5】
前記半導体メモリは前記基板上に複数実装され、
前記第1配線、前記第2配線はそれぞれ前記基板表面上に形成される
ことを特徴とする請求項1記載または2記載の半導体メモリカード。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2010−160647(P2010−160647A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−1881(P2009−1881)
【出願日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】