説明

半導体レーザ素子の製造方法

【課題】 ドライエッチングとウェットエッチングとを併用してリッジを形成しても、リッジ側面の垂直性を維持し、これによって素子特性を向上させる。
【解決手段】 エッチングストッパ層6上に、p型クラッド層13、コンタクト層14・15、SiO層16を形成し、ドライエッチングにより、SiO層16をマスクとして、p型クラッド層13およびコンタクト層14・15をエッチングし、側面が垂直または略垂直形状のリッジ7を形成する。次に、リッジ7を覆うようにレジスト18を塗布し、下向きの凹部状のレジスト18の両側下部を若干エッジングする。そしてレジスト18をエッチングバリアとして、ウェットエッチングにより、素子表面のSi系化合物17のうちでリッジ7以外の部分を除去する。続いて、ウェットエッチングにより、リッジ7以外のp型クラッド層13を、その下層のエッチングストッパ層6まで除去する。その後、レジスト18を剥離し、リッジ7表面のSi系化合物17を除去する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ストライプ状のリッジを有する、いわゆるリッジストライプ型の半導体レーザ素子の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、リッジストライプ型の半導体レーザ素子が種々提案されている。このような半導体レーザ素子において、ストライプ状のリッジの形成は、従来、ウェットエッチングのみで行われていたが、近年では、ドライエッチングとウェットエッチングとを併用して行う手法も提案されている(例えば特許文献1参照)。この手法によれば、ウェットエッチングのみで作成する場合に比較して、リッジの上部と下部の差を低減させることができるので、このリッジ形状を制御することで、素子特性を改善することができる。以下、ドライエッチングとウェットエッチングとを併用する従来の半導体レーザ素子の製造方法について、図3(a)ないし図3(e)に基づいて説明する。
【0003】
まず、基板上に、n型バッファ層、n型クラッド層、活性層、p型クラッド層を形成する。そして、このp型クラッド層上に、エッチングストッパ層101、p型クラッド層102、p型コンタクト層103、SiO層104を形成し、ICP(Inductively Coupled Plasma)装置によるドライエッチングにより、SiO層104をマスクとして、p型クラッド層102およびp型コンタクト層103をエッチングし、側面が垂直に近いリッジを形成する(図3(a)参照)。
【0004】
次に、上記のドライエッチングによって素子表面にコーティングされたSi系化合物105を、フッ酸系処理により除去する(図3(b)参照)。
【0005】
続いて、酒石酸系処理を行い、p型コンタクト層103をサイドエッチングする(図3(c)参照)。
【0006】
次に、第1の塩酸系処理を行い、p型クラッド層102におけるリッジ以外の部分を、エッチングストッパ層101までエッチングする(図3(d)参照)。
【0007】
続いて、第2の塩酸系処理を行い、リッジ形状を微調整する(図3(e)参照)。
【0008】
そして、素子表面にn型ブロック層を積層した後、SiO層104上にはn型ブロック層が成長しないので、このSiO層104を除去し、素子表面側にp型電極を、基板側にn型電極を形成する。
【特許文献1】特開2003−69154号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ところで、半導体レーザ素子におけるリッジの幅は、キンクレベルの低下を抑制すべく、極力狭く設定されている。なお、キンクレベルとは、動作電流に対する光出力の微分効率が大きく減少する直前の光出力を指しており、半導体レーザ素子の利用可能な最大光出力を実質的に指している。しかし、リッジ形状が例えば台形の場合、リッジ下部の幅を狭くするとリッジ上部の幅が狭くなりすぎ、p型電極とのコンタクトが取れなくなるおそれがある。そこで、リッジは、側面が垂直に近い形状をなしていることが望ましいと言える。
【0010】
ところが、上述した従来の半導体レーザ素子の製造方法では、図3(d)で示した第1の塩酸処理にて、リッジを構成する半導体層(p型クラッド層102)がサイドエッチングされるため、リッジ上部の幅が狭くなり、リッジの垂直形状が損なわれる。その結果、キンクレベルが低下し、素子特性が劣化するという問題などが生ずる。
【0011】
そこで本発明者は、本出願の以前に特願2004−266449に記載する発明により、このような問題点の解決を図っている。
【0012】
ここで特願2004−266449に記載する発明について、図4(a)ないし(g)に基づいて簡単に説明する。
【0013】
まず、基板1上に、バッファ層2、n型クラッド層3、活性層4、p型クラッド層5を形成する。そして、このp型クラッド層5上に、図4(a)に示すように、エッチングストッパ層6、p型クラッド層13、コンタクト層14・15、SiO層16を形成する。そして、ICP装置によるドライエッチングにより、SiO層16をマスクとして、p型クラッド層13およびコンタクト層14・15をエッチングし、側面が垂直または略垂直形状のリッジ7を形成する。
【0014】
次に、図4(b)に示すように、リッジ7を覆うようにレジスト18(保護膜)を塗布する。より詳しくは、まずリッジ7を含めた基板1全体を覆うようにレジスト材を塗布し、次にリッジ7の幅に合わせたマスクを用いレジスト材を露光し、余計なレジスト取り除くことで、(b)に示すようなリッジ7を覆うレジスト18を形成する。 そして、図4(c)に示すように、レジスト18をエッチングバリアとして、ウェットエッチング(例えばフッ酸系処理)により、素子表面のSi系化合物17のうちでリッジ7以外の部分を除去する。
【0015】
続いて、図4(d)に示すように、ウェットエッチング(例えば塩酸系処理)により、リッジ7以外のp型クラッド層13を、その下層のエッチングストッパ層6まで除去するとともに、リッジ7の側面に塗布されたレジスト18の下部のp型クラッド層13を、その下層のエッチングストッパ層6まで意図的に除去(サイドエッチング)する。
【0016】
次に、図4(e)に示すように、リッジ7を覆うレジスト18全体を剥離し、図4(f)に示すように、リッジ7表面のSi系化合物17をフッ酸系処理により除去する。
【0017】
続いて、図4(g)に示すように、酒石酸系処理によってコンタクト層14・15をサイドエッチングする。そして、素子表面にブロック層9を選択成長させることで積層し、次にSiO層16を除去し、リッジトップのブロック層9を除去した後、素子表面側にp型電極10を形成し、基板1側にn型電極11を形成し、素子が完成する。
【0018】
このように、半導体層(p型クラッド層13、コンタクト層14・15)のドライエッチングによって側面の垂直性が維持されたリッジ7を形成した後、ウェットエッチングによって上記半導体層におけるリッジ7以外の部分を除去する際に、リッジ7をレジスト18で覆う図4(b)の工程を付加している。これにより、リッジ7を覆うレジスト18がエッチングバリアとして働くので、ウェットエッチング時にリッジ7側面に対してサイドエッチングが進行するのを抑制することができる。これにより、レジスト18を除去した後は、側面の垂直性が維持されたリッジ7がそのまま現れる。したがって、このようなリッジ7を有する素子を構成することにより、素子のキンクレベルが低下するのを回避すること等ができる。
【0019】
しかしながら本発明者のその後の検証等によると、特願2004−266449に記載された発明は、特許文献1に記載された従来技術に比べ非常に優れた効果を有しているとはいえ、まだキンクレベルが低下し、素子特性の劣化が見られた。この理由について検討した結果、図4に示すように、リッジ7を覆うレジスト18によりリッジ7の下部が、理想とするリッジ7の幅に比べ広がりをもってしまい、このリッジ7の下部の広がりが、キンクレベルの低下に影響を与えてしまうという点を見出した。つまりリッジ7の垂直側面部分の影響より、理想とするリッジ7の幅に対して広がっているリッジ7の下部の影響がキンクレベルの低下により強く影響するということである。
【0020】
そこで、本発明は、上記の問題点を解決するためになされたものであって、その目的は、ドライエッチングとウェットエッチングとを併用してリッジを形成しても、リッジ下部の広がりを抑え、リッジ側面の垂直性を維持することができ、より一層素子特性を向上させることができる半導体レーザ素子の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0021】
本発明の半導体レーザ素子の製造方法は、半導体層をドライエッチングすることにより、側面が垂直または略垂直形状のリッジを形成する工程を有する半導体レーザ素子の製造方法であって、前記リッジを覆うように保護膜を塗布する工程と、前記保護膜の下部を除去する工程と、前記保護膜をエッチングバリアとして、ウェットエッチングにより、前記半導体層における前記リッジ以外の部分を除去する工程と、前記保護膜を除去する工程とを有していることを特徴とする。




【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、ドライエッチングにより側面の垂直性の維持されたリッジを保護膜が覆った状態でウェットエッチングが行えるため、この保護膜の存在により、ウェットエッチング時にリッジ側面に対してサイドエッチングが進行するのを抑制することができる。したがって、ドライエッチングとウェットエッチングとを併用しても、リッジ側面の垂直性をそのまま維持することができ、キンクレベルの低下を回避して、素子特性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
【0024】
なお、先に示した特願2004−266449に記載する発明で示したものと同様のものについては同様の符号を付して説明する。
【0025】
図1は、本発明に係る基板上に形成された複数の半導体レーザ素子(以下、単に素子と称する)を素子ごとに分断し、その一つについて概略の構成を示す断面図である。この素子において、n型(第1導電型)GaAsからなる基板1上には、n型GaInPからなるバッファ層2、n型AlGaInPからなるn型クラッド層3、GaInP/AlGaInPからなり、レーザ光(例えば赤色)を出射する活性層4、p型(第2導電型)AlGaInPからなるp型クラッド層5およびp型GaInPからなるエッチングストッパ層6がこの順で積層されている。
【0026】
エッチングストッパ層6上には、ストライプ状のリッジ7が形成されているとともに、そのリッジ7の両側に所定間隔をおいてサポート8が形成されている。このリッジ7は2.0〜2.5μmの幅を有している。またサポート8は、後述するサブマウント12に素子を安定して取り付けるための支持部であり、このサポート8の存在によりリッジ7が保護される。すなわち、サポート8は、素子加工工程において加わる応力によってリッジ7が折れてしまうことを阻止するように機能する。また、サポート8は、放熱部材としても有効に機能する。
【0027】
リッジ7のトップを除く表面には、n型AlInPからなるブロック層9が積層されており、リッジ7のトップおよびブロック層9上には、p型電極10が積層されている。一方、基板1の裏面側には、n型電極11が形成されている。
【0028】
上記構成の素子は、p型電極10側をサブマウント12に取り付け、このサブマウント12を介して保持体(図示せず)に保持される(ジャンクションダウン方式)。
【0029】
上記のリッジ7およびサポート8は、p型AlGaInPからなるp型クラッド層13、p型GaInPからなるコンタクト層14およびp型GaAsからなるコンタクト層15がこの順で積層されて構成されている。
【0030】
以下、上記構成の素子の製造方法について、図1、および図2(a)ないし図2(h)に基づいて説明する。
【0031】
まず、基板1上に、バッファ層2、n型クラッド層3、活性層4、p型クラッド層5を形成する。そして、このp型クラッド層5上に、エッチングストッパ層6、p型クラッド層13、コンタクト層14・15、SiO層16の各々を基板1上全体に形成する。そして、ICP装置によるドライエッチングにより、SiO層16をマスクとして、p型クラッド層13およびコンタクト層14・15の不要な部分をエッチングし、図2(a)に示すように側面が垂直または略垂直形状のリッジ7を形成する。なおこのときのリッジ7はまだ仮のリッジであり、後述する工程を経ることにより最終的なリッジ7が製造される。
【0032】
なお、上記のドライエッチングでは、エッチングガスとして、例えば四塩化ケイ素(SiCl)単独からなるガス、または、SiClとヘリウムやアルゴンとの混合ガスを用いるため、このドライエッチングによって、素子表面にはSi系化合物17がコーティングされる。
【0033】
次に、図2(b)に示すように、リッジ7の上面と両側面を覆うようにレジスト18(保護膜)を塗布する。より詳しくは、まずリッジ7を含めた基板1全体を覆うようにレジスト材を塗布し、次にリッジ7の幅に合わせたマスクを用いレジスト材を露光し、余計なレジスト取り除くことで、(b)に示すようなリッジ7を覆うレジスト18を形成する。このとき、後述する図2(e)でのp型クラッド層13のサイドエッチングのしやすさを考慮すると、リッジ7側面のレジスト18の厚さ(レジスト18の片側の幅)は、リッジ7の全体幅よりも狭く、0.1〜0.5μmの範囲であることが好ましく、特に約0.3μm程度が望ましい。これはつまり基板1の面上において各々の素子のリッジ7を覆うレジスト18を形成する際に、基板の膨張やマスク合せのズレ等により露光ズレが生じ、リッジ7の両側面においてレジスト18の幅に広狭が生じる。したがって、基板1の面上において、レジスト18の幅に素子ごとによるムラだけでなく、ズレによりレジスト18の形成されない素子も形成される恐れがある。このときレジスト18の幅を約0.3μm程度確保できるようにレジスト材の露光用マスクを調整しておけば、大体基板1の面上に形成される複数の素子にレジスト18を均等に形成することができ、総ての素子に対してサイドエッチングを施すことができる。また特にレジスト18の幅が広くなりすぎると、リッジ7下部の幅が非常に広くなってしまうので好ましくない。
【0034】
そして、図2(c)においてAおよびA´で示しているように、リッジ7を下向きの凹部状に覆っているレジスト18の両側の下部と、リッジ7表面のSi系化合物17との間に若干の間隔を形成する。この若干の間隔は、下向き凹部状のレジスト18の両側下部を微少量エッチングすることで形成したものである。具体的にはアセトンの希釈液やIPA(イソプロピルアルコール)等のレジスト18を溶解できる液に浸すことによりエッチングを行っている。この時、レジスト18の下部とSi系化合物17との間にはエッチング液が浸透し易く、この部分からエッチングされていく。従ってレジスト18の両側の下部と、Si系化合物17との間に若干の間隔を形成することが可能となる。つまり通常レジスト18とSi系化合物17との界面部分からの溶解は、レジスト18のリッジ7の表面全体を覆う部分からの溶解よりも早く行われるということを利用することで、レジスト18の両側の下部と、Si系化合物17との間に若干の間隔を形成している。
【0035】
なお、エッチング液として具体的にアセトンの希釈液やIPAを挙げているが、これらはレジスト18を十分な時間をかけて溶解できるため特に好ましい。つまりレジスト18をあまりに急激に溶解できるエッチング液であれば、レジスト18全体が急激にエッチングされてしまい、レジスト18とSi系化合物17との間に間隔を形成するのが難しくなるからである。
【0036】
そして、図2(d)に示すように、レジスト18をエッチングバリアとして、ウェットエッチング(例えばフッ酸系処理)により、素子表面のSi系化合物17のうちでリッジ7以外の部分を除去する。
【0037】
続いて、図2(e)に示すように、ウェットエッチング(例えば塩酸系処理)により、リッジ7以外のp型クラッド層13を、その下層のエッチングストッパ層6まで除去するとともに、リッジ7の側面に塗布されたレジスト18の下部のp型クラッド層13を、その下層のエッチングストッパ層6まで意図的に除去(サイドエッチング)する。
【0038】
この時、図2(c)においてA、A´で示すように、レジスト18の下部を若干エッチングしているため、リッジ7を構成するp型クラッド層13の下部も、図2(d)に示すように、両側面が露出している。したがって図2(e)においてB、B´で示すように、露出するp型クラッド層13においても、内側に向かってサイドエッチングが行われる。
【0039】
次に、図2(f)に示すように、リッジ7を覆うレジスト18全体を剥離し、図2(g)に示すように、リッジ7表面のSi系化合物17をフッ酸系処理により除去する。
【0040】
続いて、図2(h)に示すように、酒石酸系処理によってコンタクト層14・15をサイドエッチングする。そして、素子表面にブロック層9を選択成長させることで積層し、次にSiO層16を除去し、素子表面側にp型電極10を形成し、基板1側にn型電極11を形成し、素子が完成する(図1参照)
このように、本実施形態では、半導体層(p型クラッド層13、コンタクト層14・15)のドライエッチングによって側面の垂直性が維持されたリッジ7を形成した後、ウェットエッチングによってリッジ7以外のp型クラッド層13を除去する際に、リッジ7をレジスト18で覆う図2(b)の工程を付加している。これにより、リッジ7を覆うレジスト18がエッチングバリアとして働くので、ウェットエッチング時にリッジ7側面に対してサイドエッチングが進行するのを抑制することができる。これにより、レジスト18を除去した後は、側面の垂直性が維持されたリッジ7がそのまま現れる。したがって、このようなリッジ7を有する素子を構成することにより、素子のキンクレベルが低下するのを回避することができる。また、これによって、一定の光出力を得るための素子の動作電圧(電極間の電圧)Vopや、素子を動作させたときの電極間の直列抵抗値Rdも低減させることができる。したがって、本実施形態の製造方法によれば、素子特性を向上させることができる。さらには基板全体において各素子のリッジ幅を均一化することができるので、各素子の特性をより均一化することができる。
【0041】
また、図2(d)に示したように、リッジ7を覆う保護膜となるレジスト18の下部を除去する。これによりリッジ7を構成するp型クラッド層13の下部において、内側に向かってサイドエッチングが行われる。したがって、リッジ7下部の広がりを抑え、リッジ側面の垂直性を大幅に維持することができ、より一層素子特性を向上させることができる。
【0042】
また、図2(e)に示したように、ウェットエッチングによってp型クラッド層13におけるリッジ7以外の部分を除去する際に、併せて、リッジ7側面に塗布されたレジスト18の下部のp型クラッド層13を、その下層のエッチングストッパ層6まで除去している。これにより、レジスト18の除去後は、リッジ7下部が幅広となるのを極力抑えることができる。したがって、リッジ7の側面がより垂直に近づくので、キンクレベルの低下、Vopの低減、Rdの低減という効果を確実に得ることができ、素子特性を確実に向上させることができる。
【0043】
なお、本実施形態では、1つの素子につきリッジ7を1本有し、1波長のレーザ光を出力する素子の製造方法について説明したが、1つの素子につきリッジ7を複数有し、複数波長のレーザ光または同一波長のレーザ光を複数出力する素子についても、本発明を適用することは可能である。
【0044】
なお、本実施形態では、ドライエッチングの手法としてICPを用いた場合について説明したが、これ以外のドライエッチング方法を用いることも勿論可能である。
【0045】
なお、本実施形態では、ジャンクションダウン方式を採用し得る素子について説明したが、本発明は、ジャンクションアップ方式を採用する素子の製造方法にも勿論適用することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0046】
本発明は、例えばCD−R/RW、DVD−R/±RWなどの記録媒体に対して情報の記録、再生を行う情報記録再生装置の光源として使用される半導体レーザ素子の製造に利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】半導体レーザ素子の概略の構成を示す断面図である。
【図2】(a)ないし(h)は、本発明の実施の一形態に係る半導体レーザ素子の製造方法による製造工程を示す断面図である。
【図3】(a)ないし(e)は、従来の半導体レーザ素子の製造方法による製造工程を示す断面図である。
【図4】本出願人の先願に示す半導体レーザ素子の製造方法による製造工程を示す断面図である。
【符号の説明】
【0048】
6 エッチングストッパ層
7 リッジ
13 p型クラッド層(半導体層)
18 レジスト(保護膜)


【特許請求の範囲】
【請求項1】
半導体層をドライエッチングすることにより、側面が垂直または略垂直形状のリッジを形成する工程を有する半導体レーザ素子の製造方法であって、
前記リッジを覆うように保護膜を塗布する工程と、
前記保護膜の下部を除去する工程と、
前記保護膜をエッチングバリアとして、ウェットエッチングにより、前記半導体層における前記リッジ以外の部分を除去する工程と、
前記保護膜を除去する工程とを有していることを特徴とする半導体レーザ素子の製造方法。
【請求項2】
前記ウェットエッチング時には、前記リッジ側面に塗布された保護膜の下部の前記半導体層を、その下層のエッチングストッパ層まで除去することを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ素子の製造方法。
【請求項3】
前記リッジを覆う保護膜の厚さは、該リッジの幅よりも狭いことを特徴とする請求項1または2の何れかに記載の半導体レーザ素子の製造方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate


【公開番号】特開2006−100665(P2006−100665A)
【公開日】平成18年4月13日(2006.4.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−286353(P2004−286353)
【出願日】平成16年9月30日(2004.9.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】