説明

半導体基体のテクスチャ化

【課題】半導体基体のテクスチャ化方法において、改良されたテクスチャ化均一性、再現性、成分の蒸発の低減および改良された反射率性能を伴うテクスチャ化溶液を提供する。
【解決手段】170以上の分子量を有し、75度以上の引火点を有する不揮発性アルコキシ化グリコール、そのエーテルおよびエーテルアセタート誘導体を含む水溶液で半導体がテクスチャ化される。このテクスチャ化された半導体は、光起電力素子の製造に使用されうる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2009年9月24日に出願された米国仮出願第61/277,409号についての、U.S.C.119(e)の下での優先権の利益を主張し、この仮出願の全内容は参照により本明細書に組み込まれる。
本発明は、不揮発性高分子量アルコキシ化グリコール、そのエーテルおよびエーテルアセタート誘導体を含む水溶液で半導体基体をテクスチャ化する(texturing)方法に関する。より具体的には、本発明は、不揮発性高分子量アルコキシ化グリコール、そのエーテルおよびエーテルアセタート誘導体を含む水溶液で半導体基体をテクスチャ化して、半導体基体からの光反射率を低減させる方法に関する。
【背景技術】
【0002】
テクスチャ化された半導体表面は、広い帯域の入射光にわたって反射を低減し、それにより吸収光の強度を増大させる。このような半導体は太陽電池の製造に使用されうる。太陽電池はその表面に入射する太陽光のような光エネルギーを電気エネルギーに変換する装置である。その表面での入射光の反射率の低減は、電気エネルギーへの変換効率を改良する。しかし、テクスチャ化は太陽電池の製造における半導体に限定されず、一般的な光起電力素子、光学および電気化学検出器/センサー、バイオ検出器/バイオセンサー、触媒、電極並びに、入射光の反射率の低減がデバイスの効率を改良する他のデバイスの製造にも使用されうる。
【0003】
(100)−配向ケイ素表面の湿潤化学ピラミッド(正方晶)構造テクスチャ化のための周知技術はアルカリ水酸化物、アルカリ炭酸塩、アンモニアまたはコリンの溶液のようなアルカリ性媒体を使用する。アルカリ水酸化物はそれのみで、不均一にテクスチャ化された表面を生じさせ、これは結果的に高反射率の領域を生じさせる。テクスチャ化速度を制御するために、および繰り返し可能なピラミッド構造を形成するために添加剤が必要である。ヒドラジンまたはエチレンジアミンまたはピロカテコールの溶液も使用されうるが、それらは作業者に対するその毒性の観点から不都合である。最も一般的な配合は、水、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウム、およびアルコールを含む。使用されるアルコール成分はエチレングリコールまたはイソプロパノールである。
【0004】
エチレングリコールを含むテクスチャ化溶液に基づく方法が欧州特許出願公開第0477424A1号に記載されている。使用されるテクスチャ化溶液は水、水酸化カリウム、エチレングリコールおよびケイ素を含む。酸素もさらなる成分として添加される。ケイ素表面が湿潤化学構造テクスチャ化を受けた後、そのテクスチャ化溶液に酸素を通気することによって、繰り返しの均一なピラミッドが得られる。ピラミッドの高さは、テクスチャ化溶液の通気期間によって変えられうる。より長期間にわたって酸素を導入すると、すなわち、グリコールをより酸化すると、結果的に、より小さなピラミッドが生じる。2μm以下のピラミッドサイズが生産されうる。この配合の不利な点は、テクスチャ化溶液が場当たり的に使用されることができないことである、というのは、それは適用前にケイ素の溶解を必要とするからである。滑らかな(111)面の形成のためには、後の数時間の放置フェイズが必要とされることを研究が示した。単純に、この溶液にケイ酸塩を添加しても有利な結果を導かない。
【0005】
米国特許第3,998,659号は、イソプロパノール(IPA)ベースの湿潤テクスチャ化方法を開示する。エチレングリコールをベースにした溶液でのテクスチャ化に対して、IPAベースの溶液はテクスチャ化のために直ちに使用されうる。このテクスチャ化溶液はケイ酸塩と共に、およびケイ酸塩なしで使用されうる。一般に、このようなテクスチャ化は約80℃の温度で、10分間〜30分間行われる。IPAの沸点が82℃なので、これはIPAの高速の蒸発をもたらす。IPAは12℃の引火点を有し非常に揮発性でもある。このことは、結果的に、均一なテクスチャ化およびピラミッド型構造の再現性、並びにIPAの莫大な消費に関連する問題を生じさせる。半導体基体の不均一なテクスチャ化は、結果的に、増大した入射光反射率を生じさせる。再現性は、欠陥品の可能性を低減し、信頼性のある効率的な製造を提供し、よって、消費者および製造者の双方のコストを低減するために重要である。IPAの高い消費は、高い製造コスト、および使用された化学物質についての高い廃棄物処理コストも追加する。また、一般的には、このようなIPAシステムは360nm〜750nmの入射光波長範囲で14%〜27%の反射率を有する傾向がある。理想的には、この波長範囲での反射率は13%〜14%である。
【0006】
米国特許第6,451,218号はアルカリ試薬、IPAおよびアルカリエチレングリコールを含む別のテクスチャ化溶液を開示する。その特許はその溶液が良好なテクスチャ化再現性を提供し、かつピラミッドサイズが調節可能であることを主張する。その特許は、その配合物が従来のIPA溶液のようなIPAの大きな蒸発速度に悩まされず、よって、テクスチャ化中にその溶液を交換しなければならない頻度を低減させることも主張する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】欧州特許出願公開第0477424A1号公報
【特許文献2】米国特許第3,998,659号明細書
【特許文献3】米国特許第6,451,218号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、テクスチャ化再現性および溶液成分の低減された蒸発をもたらしうるテクスチャ化溶液が存在するが、改良されたテクスチャ化均一性、再現性、成分の蒸発の低減および改良された反射率性能を伴うテクスチャ化溶液についての必要性が依然として存在している。
【課題を解決するための手段】
【0009】
一形態においては、方法は、半導体基体を提供し;並びに、170g/モル以上の重量平均分子量および75℃以上の引火点を有する、アルコキシ化グリコール、そのモノメチルエーテルおよびモノメチルエーテルアセタート誘導体から選択される1種以上の化合物と、1種以上のアルカリ化合物とを含む水溶液を半導体基体に適用し、半導体基体をテクスチャ化する;ことを含む。
別の形態においては、方法は、半導体基体を提供し;170g/モル以上の重量平均分子量および75℃以上の引火点を有する、アルコキシ化グリコール、そのモノメチルエーテルおよびモノメチルエーテルアセタート誘導体から選択される1種以上の化合物と、1種以上のアルカリ化合物とを含む水溶液で半導体基体の表面をテクスチャ化し;半導体基体をドーピングしてp/n接合を形成し;テクスチャ化された表面上に反射防止層を堆積させ;反射防止層を選択的にエッチングしてテクスチャ化された表面の部分を露出させてパターンを形成し;並びに、テクスチャ化された表面の露出した部分上に1以上の金属層を堆積させて、電流トラックを形成する;ことを含む。
【発明の効果】
【0010】
本方法は、半導体上の均一なテクスチャ化およびピラミッド構造形成の再現性を提供する。このことは、結果的に、低減された入射光反射率および入射光の電気エネルギーへの向上された変換効率を生じさせる。さらに、半導体基体をテクスチャ化するのに使用される水溶液は、従来のテクスチャ化溶液に使用される成分と比較して高い引火点の成分を含有し、よって、溶液成分の実質的な蒸発を妨げる。よって、このテクスチャ化溶液は、多くの従来のテクスチャ化溶液よりも長期間にわたって使用されうる。このことは、製造プロセスの停止時間を低減し、溶液交換の頻度を低減させ、よって、テクスチャ化方法全体の効率を向上させる。本方法の改良された効率は、消費者および製造者双方のコストを低減させる。
本方法は、太陽電池の製造における半導体をはじめとする、一般の光起電力素子のための半導体をテクスチャ化するために使用されうる。本方法は、光学および電気化学検出器/センサー、バイオ検出器/バイオセンサー、触媒、電極、ゲート電極、オーミック接触、相互接続ライン、ショットキー障壁ダイオード接触、光電子部品、並びに入射光の反射率の低減がデバイスの効率を改良する他の物品の製造における半導体をテクスチャ化するためにも使用されうる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の溶液で形成されたピラミッド構造を示すポリシリコンウェハのテクスチャ化された表面の5000倍SEMである。
【図2】図2は、低引火点グリコールのアルカリ溶液で形成されたピラミッド構造を示すポリシリコンウェハのテクスチャ化された表面の5000倍SEMである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書を通じて使用される場合、用語「堆積」および「めっき」は交換可能に使用される。用語「電流トラック」および「電流ライン」は交換可能に使用される。用語「組成物」および「浴」は交換可能に使用される。用語「選択的に堆積」とは、基体上の特定の所望の領域に堆積が起こることを意味する。用語「引火点」とは、燃焼性の液体の蒸気が空気中で発火しうる最も低い温度を意味する。用語「lux=lx」は1ルーメン/mに等しい照明の単位であり、1ルクス=540テトラヘルツの周波数での1.46ミリワットの輻射電磁(EM)力。単位「ダイン」は力のセンチメートル−グラム−秒単位である。以下の略語は文脈が明らかに他のことを示さない限りは、以下の意味を有する:℃=摂氏度;g=グラム;mL=ミリリットル;L=リットル;A=アンペア;m=メートル;dm=デシメートル;cm=センチメートル;μm=ミクロン;nm=ナノメートル;min.=分;SEM=走査型電子顕微鏡写真;UV=紫外;およびIR=赤外。全てのパーセンテージおよび比率は、他に示されない限りは、重量基準である。全ての範囲は境界値を含み、このような数値範囲が合計で100%になることに制約されることが論理的である場合を除いて任意に組み合わせ可能である。
【0013】
半導体基体をテクスチャ化するための水溶液は、170g/モル以上の重量平均分子量および75℃以上の引火点を有する、アルコキシ化グリコール、そのモノメチルエーテルおよびモノメチルエーテルアセタート誘導体から選択される1種以上の化合物と、1種以上のアルカリ化合物とを含む。典型的には、アルコキシ化グリコール、そのモノメチルエーテルおよびモノメチルエーテルアセタート誘導体の重量平均分子量は、170g/モル〜4000g/モル、より典型的には190g/モル〜500g/モルの範囲である。引火点は、典型的には、75℃〜300℃、または例えば100℃〜300℃の範囲である。より典型的には、引火点は140℃〜200℃の範囲である。テクスチャ化水溶液に使用されるアルコキシ化グリコール、そのモノメチルエーテルおよびモノメチルエーテルアセタート誘導体は水可溶性であるか、または少なくとも水混和性である。この水溶液は、半導体上の均一なテクスチャ化、並びにピラミッド構造形成の再現性をもたらす。このことは、結果的に、低減された入射光反射率および入射光の電気エネルギーへの向上された変換効率を生じさせる。75℃以上の引火点は、不揮発性テクスチャ化溶液を提供し、溶液成分の実質的な蒸発を妨げる。さらに、190℃以上の沸点を有するアルコキシ化グリコール、そのモノメチルエーテルおよびモノメチルエーテルアセタート誘導体は、操作温度で失われる成分の量をさらに低減する。よって、本テクスチャ化溶液は、多くの従来のテクスチャ化溶液よりも長期間にわたって使用されうる。このことは、製造プロセスの停止時間を低減させ、溶液交換の頻度を低減させ、よって、テクスチャ化方法の全体的な効率を向上させる。この本発明の向上された効率は消費者および製造者双方のコストを低減させる。
【0014】
アルコキシ化グリコール、そのモノメチルエーテルおよびモノメチルエーテルアセタート誘導体は、水溶液中に、水溶液の0.001重量%〜2重量%の量で含まれる。典型的には、アルコキシ化グリコール、そのモノメチルエーテルおよびモノメチルエーテルアセタート誘導体は、水溶液の0.1重量%〜1重量%の量で含まれる。アルコキシ化グリコール、そのモノメチルエーテルおよびモノメチルエーテルアセタート誘導体は非環式であって、直鎖または分岐の化合物である。アルコキシ化グリコール、そのモノメチルエーテルおよびモノメチルエーテルアセタート誘導体には、これに限定されないが、一般式:
【化1】

を有する化合物が挙げられる。式中、Rは−CHまたは−Hであり、Yは−Hまたは−C(O)CHであり、mは3以上の、または例えば、8〜66の整数である。典型的には、mは3〜6の、より典型的には、3〜5の整数であり、xは3〜6の、または例えば、3〜4の整数である。典型的には、Rは−Hであり、Yは−Hである。このようなアルコキシ化グリコールの例は、トリプロピレングリコール、テトラプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリブチレングリコール、テトラブチレングリコール、ポリブチレングリコール、トリペンチレングリコール、テトラペンチレングリコールおよびポリペンチレングリコールである。
【0015】
アルコキシ化グリコールには、これに限定されないが、一般式:
【化2】

(式中、nは3以上の、または例えば5〜200の整数である)
を有する化合物も挙げられる。典型的には、nは3〜5の、より典型的には3〜4の整数である。このようなアルコキシ化グリコールの例はトリエチレングリコール、テトラエチレングリコールおよびポリエチレングリコールである。
【0016】
テクスチャ化水溶液は、1種以上のアルカリ化合物も含む。このようなアルカリ化合物には、これに限定されないが、アルカリ金属水酸化物、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウム、並びに第四級アンモニウム水酸化物、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、テトラメチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド(コリン)、トリメチル−3−ヒドロキシプロピルアンモニウムヒドロキシド、トリメチル−3−ヒドロキシブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチル−4−ヒドロキシブチルアンモニウムヒドロキシド、トリトリエチル−2−ヒドロキシルエチルアンモニウムヒドロキシド、トリプロピル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド、トリブチル−2−ヒドロキシルエチルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルエチル−2−ヒドロキシエチルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルジ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、モノメチルトリ(2−ヒドロキシエチル)アンモニウムヒドロキシド、モノメチルトリエチルアンモニウムヒドロキシド、モノメチルトリプロピルアンモニウムヒドロキシド、モノメチルトリブチルアンモニウムヒドロキシド、モノエチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、モノエチルトリブチルアンモニウムヒドロキシド、ジメチルジエチルアンモニウムヒドロキシド、およびジメチルジブチルアンモニウムヒドロキシドが挙げられる。
【0017】
他のアルカリ成分には、水酸化アンモニウム、アルカノールアミン、例えば、2−アミノエタノール(モノエタノールアミン)、1−アミノ−2−プロパノール、1−アミノ−3−プロパノール、2−(2−アミノ−エトキシ)エタノール、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノールが挙げられる。他の好適なアルカリ化合物には、3−メトキシプロピルアミン、モルホリン、アルカンジアミン、例えば、1,3−ペンタンジアミンおよび2−メチル−1,5−ペンタンジアミン、並びにグアニジンが挙げられる。
【0018】
典型的には、テクスチャ化水溶液に含まれるアルカリ化合物は、1種以上の水酸化物から選択される。より典型的には、アルカリ化合物は、1種以上のアルカリ金属水酸化物およびアルキルアンモニウムヒドロキシドから選択される。アルカリ化合物は、テクスチャ化水溶液中に、水溶液の0.5重量%〜15重量%の量で含まれる。典型的には、アルカリ化合物はテクスチャ化水溶液中に、1重量%〜10重量%の量で含まれる。
【0019】
場合によって、テクスチャ化水溶液は、1種以上のアルカリ金属塩化物、例えば、塩化ナトリウムおよび塩化カリウム、並びに1種以上のケイ酸塩、例えば、アルカリ金属ケイ酸塩、例えば、ケイ酸ナトリウムおよびケイ酸カリウムを含むことができる。金属塩化物と金属ケイ酸塩との混合物が使用されてもよい。このような金属塩化物および金属ケイ酸塩は、水溶液中に、水溶液の0.01重量%〜2重量%、または例えば0.5重量%〜1重量%の量で含まれうる。
【0020】
ある実施形態においては、テクスチャ化水溶液は、170g/モル以上の重量平均分子量および75℃以上の引火点を有する、アルコキシ化グリコール、そのモノメチルエーテルおよびモノメチルエーテルアセタート誘導体から選択される1種以上の化合物と、1種以上のアルカリ化合物と、水とから本質的になる。別の実施形態においては、テクスチャ化水溶液は、170g/モル以上の重量平均分子量および75℃以上の引火点を有する、アルコキシ化グリコール、そのモノメチルエーテルおよびモノメチルエーテルアセタート誘導体から選択される1種以上の化合物と、1種以上のアルカリ化合物と、アルカリ金属塩化物およびアルカリ金属ケイ酸塩から選択される1種以上の化合物と、水とから本質的になる。
【0021】
テクスチャ化水溶液は当該技術分野において知られている任意の好適な方法によって半導体基体の表面に適用されうる。テクスチャ化水溶液は、70℃以上、典型的には、80℃〜200℃、または例えば、90℃〜150℃の温度で半導体基体の表面に適用される。典型的には、テクスチャ化水溶液は水平または垂直プロセスによって半導体基体の表面に適用される。このような方法は当該技術分野において周知である。簡単に言うと、水平方法は、半導体基体をコンベアシステム上に通過させ、基体の表面に水溶液を噴霧することを含む。垂直プロセスにおいては、基体はテクスチャ化水溶液中に沈められる。このようなプロセスに使用される様々な従来の装置が当該技術分野において周知である。
【0022】
半導体基体は単結晶性または多結晶性または非晶質ケイ素から構成されうる。典型的には、半導体基体は単結晶性または多結晶性である。テクスチャ化水溶液は、5分〜40分、典型的には10分〜30分の滞留時間で、半導体基体の表面に適用される。次いで、半導体基体は水ですすがれる。テクスチャ化方法は異方性であり、半導体基体の処理された表面全体にわたって、均一で繰り返しのピラミッド(正方晶)構造を形成する。このピラミッド構造は、処理された表面全体にわたってランダムに分散される。このピラミッド構造は高さ1μm〜10μmの範囲でありうる。
【0023】
この水溶液でテクスチャ化された半導体は、そのテクスチャ化された表面に適用される入射光からの反射率を低減させる。360nm〜1000nmの波長範囲における入射光の反射率は7%〜20%である。典型的には、入射光の反射率は12%〜15%である。反射率は、当該技術分野において周知の従来の反射率計を用いて測定されうる。よって、この水溶液を用いる方法によってテクスチャ化された半導体は、太陽光、レーザー、蛍光光並びに他の光源からの光のような入射光を電気エネルギーに変換する装置において使用するのに好適である。このような装置には、これに限定されないが、光起電力素子、例えば、太陽電池、光学および電気化学検出器/センサー、バイオ検出器/バイオセンサー、触媒、電極、ゲート電極、オーミック接触、相互接続ライン、ショットキー障壁ダイオード接触および光電子部品が挙げられる。
【0024】
本テクスチャ化方法は様々なデバイスのための半導体基体をテクスチャ化するために使用されることができ、典型的には、本テクスチャ化方法は太陽電池のような光起電力素子の製造に使用される。光起電力素子および太陽電池は、単結晶性または多結晶性または非晶質ケイ素含有半導体ウェハから構成されうる。このようなウェハは典型的にはp型ベースドーピングを有する。しかし、テクスチャ化は、光起電力素子の製造において、何らかのドーピングまたは他の処理工程の前に半導体ウェハ上でなされうる。一般的に、テクスチャ化は光起電力素子の製造中のあらゆる都合のいい時点でなされうる。典型的には、半導体基体は、ドーピングプロセスが完了する前にテクスチャ化される。
【0025】
半導体基体は、典型的には、円形、正方形もしくは矩形の形状でありうる、またはあらゆる他の好適な形状でありうるウェハである。このようなウェハは様々な寸法および表面抵抗率を有することができる。例えば、円形ウェハは150nm以上、200nm以上、300nm以上、400nm以上の直径を有することができる。
【0026】
ウェハの裏面全体は金属コーティングされることができ、または裏面の一部分は、例えば、グリッドを形成するように、金属コーティングされることができる。このような裏面の金属化は様々な技術によって提供されることができ、ウェハの前面の金属化の前に行われることができる。ある実施形態においては、金属コーティングは、電気伝導ペースト、例えば、銀含有ペースト、アルミニウム含有ペーストもしくは銀およびアルミニウム含有ペーストの形態で裏面に適用されるが;当該技術分野において知られている他の好適なペーストが使用されても良い。このような導電ペーストは典型的には、ガラスマトリックスおよび有機バインダーに埋め込まれている導電性粒子を含む。導電性ペーストは様々な技術、例えば、スクリーン印刷によってウェハに適用されうる。ペーストが適用された後で、ペーストは燃やされて有機バインダーを除去する。アルミニウムを含む導電性ペーストが使用される場合には、アルミニウムは部分的にウェハの裏面に拡散するか、または、銀も含むペースト中で使用される場合には、銀との合金を形成しうる。このようなアルミニウム含有ペーストの使用は抵抗接触を改良させることができ、「p+」ドープ領域を提供することができる。後の相互拡散を伴う、アルミニウムまたはホウ素の従前の適用によって重度にドープされた「p+」型領域が形成されても良い。場合によっては、ウェハの裏面上にシード層が堆積されてもよく、無電解または電解めっきによってこのシード層上に金属コーティングが堆積されうる。
【0027】
半導体接合を生じさせるために、リン拡散またはイオン注入がウェハの前面で起こり、nドープされた(n+またはn++)領域を生じさせ、PN接合を有するウェハを提供する。n−ドープされた領域はエミッタ層とも称されうる。
【0028】
反射を低減させる改良された入射光ジオメトリ(geometry)を表面に付与するために、ウェハの前面またはエミッタ層がテクスチャ化にかけられる。170g/モル以上の重量平均分子量および75℃以上の引火点を有する、アルコキシ化グリコール、そのモノメチルエーテルおよびモノメチルエーテルアセタート誘導体から選択される1種以上の化合物と、1種以上のアルカリ化合物とを含む水溶液がエミッタ層に10分間〜30分間、典型的には10分間から15分間適用されて、均一でランダムに分散したピラミッド構造をエミッタ層上に形成する。テクスチャ化水溶液は64ダイン/cm以下の表面張力を有し、噴霧装置のような従来の液体適用装置を使用して、または単にテクスチャ化溶液にウェハを沈めることによってウェハに容易に適用される。水溶液の温度は、80℃〜110℃の範囲である。10分間〜30分間の滞留時間の後で、ウェハは水ですすがれてテクスチャ化溶液を除去する。
【0029】
反射防止層がウェハの前面またはエミッタ層に追加される。さらに、反射防止層は不動態化(passivation)層として機能しうる。好適な反射防止層には、限定されないが、SiOのような酸化ケイ素層、Siのような窒化ケイ素層、酸化ケイ素層と窒化ケイ素層との組み合わせ、並びに酸化ケイ素層と窒化ケイ素層とTiOのような酸化チタン層との組み合わせが挙げられる。上記式において、xは酸素原子を表す整数である。このような反射防止層は多くの技術によって、例えば、様々な蒸着方法、例えば、化学蒸着および物理蒸着によって堆積されうる。
【0030】
ウェハの前面は金属化されたパターンを含む。例えば、ウェハの前面は集電ラインおよび電流バスバーから構成されうる。集電ラインは典型的にはバスバーを横断し、典型的には電流バスバーに対して相対的に微細な構造(すなわち、寸法)を有する。
【0031】
このパターンは反射防止層を貫通して、ウェハの半導体本体の表面を露出させる。あるいは、開口部内に溝が形成されることができ、選択的エミッタを作り出すことができる。この溝は高ドーピングの領域でありうる。このパターンを形成するために、様々な方法、例えば、これに限定されないが、レーザーアブレーション、機械的手段、およびリソグラフィープロセス(これら全ては当該技術分野において周知である)が使用されうる。このような機械的手段には、のこぎり引き(sawing)およびスクラッチングが挙げられる。典型的なフォトリソグラフィープロセスは、像形成可能な物質をウェハの表面上に配置し、その像形成可能な物質をパターン形成して反射防止層に開口部を形成し、そのパターンをウェハに移し、開口部内にニッケル層を堆積させ、そして像形成可能な物質を除去することを含む。ある実施形態においては、像形成可能な物質は、開口部内に金属層を堆積させる工程の前に除去される。別の実施形態においては、像形成可能な物質は、開口部内に金属層を堆積させる工程の後に除去される。像形成可能な物質が金属堆積工程中に存在する場合には、このような像形成可能な物質は、典型的には、ニッケル堆積工程中に使用される放射線の波長を吸収するコントラスト染料のようなあらゆる染料を回避する。像形成可能な物質は、めっき工程中に典型的には、40〜60%の最小光透過率を有する染料を含む。
【0032】
像形成可能な物質は好適なポリマー除去剤を用いて除去されうる。このような除去剤は、アルカリ性、酸性または本質的に中性であることができ、当該技術分野において周知である。
【0033】
ある実施形態においては、ウェハの前面は導電性ペーストを用いて金属化されることができ、この導電性ペーストはウェハの裏面上に使用される導電性ペーストと同じであっても良いし、異なっていてもよい。ウェハの前面を金属化するために使用される導電性ペーストは典型的にはアルミニウムを含まない。そのペーストを燃やすのに使用される温度は、具体的な使用されるペースト、使用される反射防止層の厚み、および他の要因に依存する。このような温度の選択は、充分に当業者の能力の範囲内にある。また、燃焼プロセスは酸素含有雰囲気、不活性雰囲気、還元雰囲気、またはこれらのいずれかの組み合わせにおいて行われうることが当業者に認識されている。例えば、燃焼は、酸素をほとんど含まない雰囲気において第1の温度において行われ、次いで、不活性雰囲気下で、または還元性雰囲気下で第2の温度(第2の温度は第1の温度よりも高い)で行われることができる。
【0034】
燃焼プロセスの後で、ウェハは場合によっては緩衝酸溶液、例えば、緩衝フッ化水素酸溶液と接触させられて、燃焼手順中に生じた酸化物を除去することができる。このような接触はその溶液をウェハ上に噴霧することにより、またはウェハをその溶液中に浸漬することにより、または何らかの他の好適な手段によって行われうる。
【0035】
導電性ペーストを用いてウェハの前面パターンおよび裏面が金属化された後で、金属の層が次いで、前面導電パターン上に堆積される。このような金属層は、金、銀または銅のような好適な導電性金属であることができ、典型的には銀である。このような金属は当該技術分野において知られている方法によって堆積されうる。ある実施形態においては、堆積された金属層は導電性ペーストにおいて使用されたのと同じ金属から構成される。例えば、銀含有導電性ペースト上に銀層が堆積される。
【0036】
銀は光誘起めっき(LIP)または当該技術分野において周知の従来の銀電気めっき方法によって堆積されうる。LIPが使用される場合には、半導体ウェハの裏面は外部電源(整流器)に接続される。銀めっき組成物中に配置された銀アノードは、構成要素間に完全な回路が形成されるように、整流器に接続される。典型的な電流密度は0.1A/dm〜5A/dmである。全電流要求は、使用されるウェハの具体的なサイズに依存する。さらに、銀アノードは、外部ソースを使用する必要なしに、銀めっき組成物に銀イオンを補充するための銀イオンの準備のできたソースを提供する。光源は半導体ウェハを光エネルギーで照明するように配置される。光源は、例えば、半導体ウェハが光起電力感受性である波長の範囲内でエネルギーを提供する蛍光もしくはLEDランプであることができる。これらに限定されないが、75ワットおよび250ワットランプのような白熱ランプ、水銀ランプ、ハロゲンランプおよび150ワットIRランプのような様々な他の光源が使用されうる。市販の有用な銀めっき組成物の例は、ENLIGHT商標SilverPlate600および620として、マサチューセッツ州マルボロのロームアンドハースエレクトロニックマテリアルズLLCから入手可能である。
【0037】
めっきセルは銀めっき組成物に関して化学的に不活性であるような物質から成るものであり、かつ40〜60%の最小光透過率を有する。あるいは、ウェハはめっきセル内で水平に配置され、銀めっき組成物の上から照明されることができ、この場合、めっきセルは少なくとも前記最小光透過率を有することを必要としない。
【0038】
別の実施形態においては、金属ペーストの代わりに金属シード層が前面導電パターン上に堆積されうる。典型的には、金属シード層はニッケルである。このニッケルシード層は当該技術分野において知られている従来のニッケル堆積方法によって堆積されうる。典型的には、ニッケルシード層は光アシストニッケル堆積によって堆積される。ニッケルのソースが無電解ニッケル組成物である場合には、めっきは外部電流の適用なしに行われる。ニッケルのソースが電解ニッケル組成物からのものである場合には、裏面電位(整流器)が半導体ウェハ基体に適用される。光は連続的またはパルスであって良い。ニッケルを堆積させる前に、1%フッ化水素酸の溶液を用いて、表面の酸化物が典型的に導電パターンから除去される。
【0039】
めっきプロセスに使用されうる光には、これに限定されないが、可視光、IR、UVおよびX−線が挙げられる。光源には、これに限定されないが、白熱ランプ、LED光(発光ダイオード)、赤外ランプ、蛍光ランプ、ハロゲンランプおよびレーザーが挙げられる。一般的には、半導体に適用される光の量は8000 lx〜20,000 lxでありうる。
【0040】
典型的には、無電解ニッケルめっき組成物を用いて、反射防止層内の開口部を通って、半導体ウェハの露出したテクスチャ化された表面上にニッケルが堆積される。市販の無電解ニッケル組成物の例としては、DURAPOSIT商標SMT88無電解ニッケル、並びにNIPOSIT商標PM980およびPM988無電解ニッケルが挙げられる。これら全ては、米国、マサチューセッツ州マルボロのロームアンドハースエレクトロニックマテリアルズLLCから入手可能である。
【0041】
あるいは、電解ニッケル組成物が使用されうる。電解組成物が使用される場合には、ニッケルを堆積させるために、光に加えて、適用裏面電位(整流器)が使用される。典型的な電流密度は0.1A/dm〜2A/dmである。具体的な電流要求は使用されるウェハの具体的なサイズに依存する。使用される電気めっきプロセスは従来のものである。好適な電解ニッケルめっき浴は商業的に入手可能であり、並びにその多くは文献に開示されている。商業的に入手可能な電解ニッケル浴の例は、ロームアンドハースエレクトロニックマテリアルズLLCから入手可能なNICKEL GLEAM商標電解ニッケル製品である。
【0042】
半導体ウェハの前面を光エネルギーで照明することにより、その前面上にめっきが起こる。衝突する光エネルギーは半導体に電流を発生させる。前面上のめっきの速度は、光の強度、浴温度、還元剤活性、開始ウェハ条件、ドーピングレベル、並びに、当該技術分野において作業者に知られている他のパラメータを調節することにより制御可能である。めっき浴が電解浴である場合には、めっきの速度は整流器によっても調節されうる。20nm〜300nm厚のニッケル層が典型的にのぞまれ、正確な厚みは様々な要因、例えば、用途、サイズ、パターンおよびジオメトリなどに依存する。
【0043】
開口部を通って、半導体ウェハ基体の露出した表面に隣接してニッケルが堆積された後で、次いで、そのニッケルに隣接して銀が堆積される。従来の電気めっき銀組成物が使用されうる。この銀組成物はシアン化物含有銀組成物であってよく、またはシアン化物非含有の銀組成物であってよい。
【0044】
銀は光誘起めっき(LIP)または当該技術分野において周知の従来の銀電気めっき方法によって堆積されうる。LIPめっきの手順は、上述の銀ペーストをめっきする手順に類似する。1μm〜30μm厚の銀層が典型的に望まれ、その正確な厚みは用途、サイズ、パターンおよびジオメトリなどの様々な要因に依存する。
【0045】
ニッケル上に隣接して銀金属が堆積された後で、次いで、半導体は焼結されてケイ化ニッケルを形成する。ニッケル面上に堆積された銀との焼結が行われて、銀とニッケルとの間の接着性を向上させる。ニッケルとケイ素との間の向上した結合は、ケイ化ニッケルと銀との間の接着不良の可能性を低減させる。さらに、焼結温度によって銀はケイ化物中に組み込まれず、これにより、焼結中の酸化からニッケルを銀が保護しつつ、ケイ化ニッケルが形成される。380℃〜550℃のウェハピーク温度を提供する炉が使用されうる。典型的には、ピーク温度時間は2秒〜20秒の範囲である。好適な炉の例はランプベースの炉(IR)である。
【0046】
銀層は焼結中にニッケルを酸化から保護するので、焼結は、不活性ガス雰囲気または真空だけでなく、酸素含有環境で行われることができる。一般的に、焼結は3分間〜10分間行われる。半導体が炉を通過するライン速度は使用される炉に依存して変動しうる。好適なライン速度を決定するためにわずかな実験が行われる場合がある。典型的には、ライン速度は330cm/分〜430cm/分である。
【0047】
上記水溶液でテクスチャ化された半導体の表面は、ピラミッド構造を形成する多くの従来法と比較して、入射光の反射率を低減させる半導体を提供する。これは、半導体によって吸収される入射光の量を増大させ、光を電気エネルギーに変換する効率を向上させる。
【0048】
以下の実施例は、本発明を例示するために含まれ、本発明の範囲を限定することは意図されていない。
【実施例】
【0049】
実施例1
前面またはエミッタ層上のn+ドープされた領域、並びにエミッタ層の下のpn接合を有するドープされた単結晶性シリコンウェハに、下記表1に開示される配合を有するテクスチャ化水溶液が噴霧される。
【0050】
【表1】

【0051】
テクスチャ化水溶液は90℃でウェハに適用され、滞留時間は15分間であった。15分後、テクスチャ化水溶液は水ですすがれ、室温で乾燥させられた。
処理されたエミッタ層の表面は、次いで、テクスチャの品質について調べられた。その表面は、走査型電子顕微鏡(AMRAY1510電解放射走査型電子顕微鏡)を用いて調べられた。結果は、エミッタ層の表面全体上に、ランダムで均一な正方晶ピラミッド構造を示した。これはテクスチャ化された表面の200倍でのSEMである図1に示される。ピーク高さ分布も良好であり、ピークの大部分は6.5μm〜8μmの範囲であり、少量は1μm〜3μmの範囲であった。
次いで、テクスチャ化表面の反射率がMacBeth Coloreye反射率計7000を用いて360nm〜750nmの波長範囲で測定された。入射光のソースはパルスキセノン球であった。6回の反射率の読み取りの平均が表面にわたって検討された。反射率は13%〜15%の範囲であり、平均14%であった。平均反射率の理想的な範囲は13%〜14%であった。
【0052】
実施例2
トリプロピレングリコールがジプロピレングリコールに替えられたことを除いて、実施例1に記載された方法が繰り返された。テクスチャ化水溶液は以下の表2に示される配合を有していた。
【0053】
【表2】

【0054】
テクスチャ化水溶液は90℃でウェハに適用され、滞留時間は15分間であった。15分後、テクスチャ化水溶液は水ですすがれ、室温で乾燥させられた。
処理されたエミッタ層の表面は、次いで、テクスチャの品質について調べられた。その表面は、走査型電子顕微鏡を用いて調べられた。ランダム分布のピラミッド構造が存在していたが、エミッタ層の表面全体上にわたって、ピラミッド構造は均一ではなかった。図2はテクスチャ化された表面のSEMである。さらに、多くの平坦な領域が存在していた。ピラミッド構造の均一さまたは欠け、並びに平坦な領域は、実施例1のテクスチャ化された表面と比較して入射光の反射率を増大させた。ピーク高さ分布は実施例1のものよりも劣っていた。ピーク分布の大部分は2μm〜8μmの範囲にあり、いくらかは10μm〜12μmであった。ピーク高さの幅広の分布は、結果的に、増大した反射率も生じさせた。MacBeth Coloreye反射率計7000を用いて測定された場合、平均反射率は360nm〜750nmの範囲で27%であった。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)半導体基体を提供し;並びに、
b)170g/モル以上の分子量および75℃以上の引火点を有する、アルコキシ化グリコール、そのモノメチルエーテルおよびモノメチルエーテルアセタート誘導体から選択される1種以上の化合物と、1種以上のアルカリ化合物とを含む水溶液を半導体基体に適用し、半導体基体をテクスチャ化する;
ことを含む方法。
【請求項2】
アルコキシ化グリコール、そのモノメチルエーテルおよびモノメチルエーテルアセタート誘導体から選択される1種以上の化合物が式:
【化1】

(式中、Rは−CHまたは−Hであり、Yは−Hまたは−C(O)CHであり、mは3以上の整数であり、xは3〜6の整数である)
を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
アルコキシ化グリコールが式:
【化2】

(式中、nは3以上の整数である)
を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
1種以上のアルカリ化合物が水酸化物およびアルカノールアミンから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
1種以上のアルカリ金属塩化物または1種以上のケイ酸塩またはこれらの混合物をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
a)半導体基体を提供し;
b)170g/モル以上の分子量および75℃以上の引火点を有する、アルコキシ化グリコール、そのモノメチルエーテルおよびモノメチルエーテルアセタート誘導体から選択される1種以上の化合物と、1種以上の塩基とを含む水溶液で半導体基体の表面をテクスチャ化し;
c)半導体基体をドーピングしてp/n接合を提供し;
d)テクスチャ化された表面上に反射防止層を堆積させ;
e)反射防止層を選択的にエッチングして、テクスチャ化された表面の部分を露出させてパターンを形成し;並びに、
f)テクスチャ化された表面の露出した部分上に1以上の金属層を堆積させる;
ことを含む方法。
【請求項7】
1以上の金属層が、金、銀、銅またはニッケルである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ケイ素含有基体が光起電力素子、電極、オーミック接触、相互接続ライン、ショットキー障壁ダイオード接触、光電子部品、光および電気化学検出器/センサーのための部品、触媒、オーミック接触および相互接続ラインである、請求項6に記載の方法。
【請求項9】
170g/モル以上の重量平均分子量および75℃以上の引火点を有する、アルコキシ化グリコール、そのモノメチルエーテルおよびモノメチルエーテルアセタート誘導体から選択される1種以上の化合物と、1種以上のアルカリ化合物と、水とから本質的になるテクスチャー化水溶液。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−139023(P2011−139023A)
【公開日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−213050(P2010−213050)
【出願日】平成22年9月24日(2010.9.24)
【出願人】(591016862)ローム・アンド・ハース・エレクトロニック・マテリアルズ,エル.エル.シー. (270)
【Fターム(参考)】