説明

半導体発光素子

【課題】本発明は半導体発光素子に関する。
【解決手段】発光された光の反射または吸収を最少化し、発光面積は最大に確保して発光効率を最大化すると同時に小さい面積の電極で均一な電流分散が可能で、信頼性が高く量産性に優れた高品質の半導体発光素子が提案される。本発明の半導体発光素子は第1導電型及び第2導電型半導体層とその間の活性層を含み、各半導体層を電気的に連結させる第1電極層及び第2電極部を含む。第2電極部は電極パッド部、電極延長部、及び電極パッド部と電極延長部を連結する電極連結部を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体発光素子に関するもので、より詳しくは、発光された光の反射または吸収を最少化し、発光面積は最大に確保して発光効率を最大化すると同時に、小さい面積の電極で均一な電流分散が可能で、信頼性が高く量産性に優れた高品質の半導体発光素子に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体発光素子は、素子内に含まれている物質が光を発光する素子であって、例えば、LEDのようにダイオードを用いて半導体を接合した形態で、電子/正孔の再結合によるエネルギーを光に変換して放出する素子がある。このような半導体発光素子は現在、照明、表示装置及び光源として広く用いられその開発が加速化している傾向にある。
【0003】
特に、最近その開発及び使用が活性化された窒化ガリウム系発光ダイオードを用いた携帯電話のキーパッド、サイドビュアー、カメラフラッシュなどの常用化に力付けられ、最近、発光ダイオードを用いた一般照明の開発が活発になっている。大型テレビジョンのバックライトユニット及び自動車のヘッドライト、一般の照明などその応用製品が小型の携帯製品から大型化、高出力化、高効率化、信頼性化された製品に進んで該当製品から求められる特性を有した光源を求めるようになった。
【0004】
半導体接合発光素子の構造は、p型半導体及びn型半導体の接合構造であることが一般である。半導体接合構造では両半導体の接合領域で電子/正孔の再結合による発光があり得るが、その発光をより活性化させるために両半導体の間に活性層を設けることも出来る。このような半導体接合の発光素子は半導体層のための電極の位置によって垂直型構造及び水平型構造があり、水平型構造には成長型(epi−up)及びフリップチップ型(flip−chip)がある。前述のように使われる製品の特性上、それぞれ求められる発光素子の構造的特性を重要に考慮するようになった。
【0005】
図1aは従来の水平型の半導体発光素子で、図1bは従来の垂直型の半導体発光素子の断面図である。以下では便宜上、図1a乃至図1cで基板と接触する半導体層がn型半導体層で、活性層上に形成される半導体層はp型半導体層と仮定して説明する。
【0006】
先ず、図1aを参照に水平型半導体発光素子を説明する。
半導体発光素子1は、不導電性基板13、n型半導体層12、活性層11、及びp型半導体層10を含む。n型半導体層12にはn型電極15が、p型半導体層10側にはp型電極14が形成され、電圧などの印加のため外部電源(未図示)と電気的に連結されている。
【0007】
それぞれの電極14,15を通して半導体発光素子1に電圧が印加されると、n型半導体層12から電子が移動し、p型半導体層10から正孔が移動して電子及び正孔の再結合を通して発光が生じる。半導体発光素子1は活性層11を含み、発光は活性層11から発生する。活性層11では半導体発光素子1の発光が活性化され、光が発光する。電気的な連結のためにn型半導体層12にはn型電極が、p型半導体層10にはp型電極が接触抵抗値を最少化しながら位置する。
【0008】
基板の種類によって電極の位置が異なり得るが、例えば、本図面のように基板13が不導電性基板であるサファイア基板の場合には、n型半導体層12の電極は不導電性基板13上に形成されることが出来ず、n型半導体層12に形成されなければならない。
【0009】
従って、図1aを参照すると、n型半導体層12上にn型電極15が形成されるとき、オーミック接触部位の形成を理由に上部のp型半導体層10及び活性層12が消耗されたことが分かる。このような電極の形成により半導体発光素子1の発光面積は減少し、それによって発光効率も減少することになる。
【0010】
このような短所を含んだ様々な短所を克服すべく、不導電性基板ではなく導電性基板を使用する半導体発光素子が登場した。図1bに図示された発光素子2は垂直型の半導体発光素子であって、導電性基板23を使用して基板上にn型電極25を形成することが出来る。または、図1bでは導電性基板23上にn型電極を形成したが、不導電性基板を用いて半導体層を成長させた後、基板を除去しn型半導体層上に直接n型電極を形成して垂直型の発光素子を製造することも出来る。
【0011】
導電性基板23を使用すると、導電性基板23を通してn型半導体層22への電圧の印加が可能なため、基板自体に電極を形成することが出来る。従って、図1bのように導電性基板23上にn型電極25が形成され、p型半導体層20上にp型電極24が形成され、垂直構造型の半導体発光素子が製造されることが出来る。
【0012】
ところがこの場合、特に高出力のための大面積の発光素子を製造する場合、電流の分散のため電極の基板に対する面積の割合が高いことが求められる。これによって光抽出の制限及び光吸収による光損失、発光効率の減少という短所があった。
【0013】
発光効率をより高めるための形態である水平型の発光素子が図1cに図示されている。図1cに図示された発光素子はフリップチップ型の発光素子であって、基板33が最上層に位置し、それぞれの電極34,35は導電性基板38上の電極接触部36,37とそれぞれ接触している。活性層31から発光する光は電極34,35に影響されず基板33を通過して発光するため、図1a及び図1bに記述された形態の発光素子のような発光効率が減少する現象は防ぐことが出来た。
【0014】
しかし、優れた発光効率の長所にも拘らず、発光素子内にn型電極及びp型電極を同一平面上に一緒に配置してボンディングしなければならず、ボンディングの後電極接触部36,37と電極との分離現象が頻繁なため、高価の精密な工程装備が求められ、高い製造費用、低い生産性及び低い歩留まりと製品信頼性という問題点が生じた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明は上述の問題点を解決するためのもので、本発明の目的は、発光した光の反射または吸収を最少化し、発光面積は最大に確保して発光効率を最大化すると同時に、小さい面積の電極で均一な電流分散が可能で、信頼性が高く量産性に優れた高品質の半導体発光素子を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
以上のような目的を達成すべく、本発明の一側面による半導体発光素子は、導電性基板、第1導電型半導体層、活性層及び第2導電型半導体層が順番に積層されて形成された半導体発光素子であって、導電性基板及び第1導電型半導体層の間に形成された第1電極層と、第1電極層から第2導電型半導体層の表面まで延長され、第1電極層、第1導電型半導体層、及び活性層と電気的に分離されている一つまたはそれ以上の電極パッド部、第1電極層から第2導電型半導体層の内部まで延長され、第1電極層、第1導電型半導体層、及び活性層と電気的に分離されている一つまたはそれ以上の電極延長部、及び第1電極層と同一層上に形成されるが、第1電極層と電気的に分離され、電極パッド部及び電極延長部を連結する電極連結部を含む第2電極部と、を含む。
【0017】
電極パッド部は、活性層を横切る断面の面積が第2導電型半導体層を横切る断面の面積より小さいことが好ましい。
【0018】
電極延長部は複数個であり得るが、複数の電極延長部は電極パッド部と電極連結部を通して直接連結されていることが出来る。または、複数の電極延長部のうち少なくとも一つの電極延長部は電極パッド部と連結された電極延長部を通して電極パッド部に連結され、残りの電極延長部は直接電極パッド部に連結されることが出来る。尚、電極延長部は電極パッド部と所定距離離隔されて形成されることが出来る。
【0019】
電極延長部の活性層を横切る断面の面積は電極パッド部の活性層を横切る断面の面積より小さいことが好ましい。
【0020】
第1電極層は活性層から発生した光を反射させることが好ましく、例えば、Ag、Al、及びPtのうち何れか一つを含むことが出来る。
【0021】
第1導電型半導体層及び上記第2導電型半導体層はGaN系化合物半導体であることができ、活性層はInAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)系化合物半導体であることが出来る。
【0022】
第2導電型半導体層は凹凸パターンが形成されることができ、このような凹凸パターンは光結晶構造であることが出来る。
【0023】
導電性基板は金属性基板であり得るが、Au、Ni、Cu、及びWのうち何れか一つの金属を含むことが出来る。または導電性基板は半導体基板であり得るが、Si、Ge、及びGaAsのうち何れか一つを含むことが出来る。導電性基板はメッキ法または基板接合法を用いて形成されることが出来る。
【発明の効果】
【0024】
本発明による半導体発光素子は、発光方向に位置する半導体層の電極部を発光面上に全て形成せず、その一部を除いては活性層の下に形成することにより、発光した光が電極部によって反射或いは吸収される現象を防ぐことができ、発光面積も最大に確保できるため発光を最大化することが出来るという効果がある。
【0025】
他にも電極部を電流の分散を円滑にするよう一つまたはそれ以上の電極パッド部及び電極延長部を備え、小さい面積の電極で均一な電流の分散が可能であるという効果がある。
【0026】
また、電極パッド部が半導体発光素子の上面に位置してダイボンディング時に整列が不要で、ワイヤボンディングも容易であるため優れた量産性を奏するという効果がある。
【0027】
従って、本発明によると、信頼性が高く量産性に優れた高品質の半導体発光素子を具現することが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0028】
以下、添付の図面を参照に本発明の実施形態を説明する。しかし、本発明の 実施形態は様々な形態に変形することができ、本発明の範囲が以下に説明する実施形態に限られるものではない。本発明の実施形態は当業界において通常の知識を有している者に本発明をより完全に説明するために提供される。
【0029】
図2は本発明の一実施例による半導体発光素子の断面図で、図3a乃至図3bは図2の半導体発光素子の上面図で、図4a乃至図4cはそれぞれ図3bに図示された半導体発光素子のA−A'、B−B'、及びC−C'での断面図である。
【0030】
本発明の一実施例による半導体発光素子100は、導電性基板140、第1導電型半導体層130、活性層120及び第2導電型半導体層110が順番に積層されて形成される。特に、本発明の一実施例による半導体発光素子100は導電性基板140及び第1導電型半導体層130の間に形成された第1電極層160と、電極パッド部150−b、電極延長部150−a、電極連結部150−cを含む第2電極部とを含む。
【0031】
電極パッド部150−bは第1電極層160から第2導電型半導体層110の表面まで延長され、第1電極層160、第1導電型半導体層130、及び活性層120と電気的に分離されている。電極延長部150−aは第1電極層160から第2導電型半導体層110の内部まで延長され、第1電極層160、第1導電型半導体層130、及び活性層120と電気的に分離されている。また、電極連結部150−cは第1電極層と同一層上に形成されて第1電極層160とは電気的に分離され、電極パッド部150−b及び電極延長部150−aを連結する機能をする。
【0032】
導電性基板140は金属性基板あるいは半導体基板であることが出来る。導電性基板140が金属の場合、Au、Ni、Cu、及びWのうち何れか一つの金属で構成されることが出来る。また、導電性基板140が半導体基板の場合、Si、Ge、及びGaAsのうち何れか一つの半導体基板であることが出来る。導電性基板を半導体発光素子に形成する方法としては、メッキシード層を形成して基板を形成するメッキ法や、導電性基板140を別途に用意してAu、Au−Sn、またはPb−Srのような導電性接着剤を用いて接合させる基板接合法を利用することが出来る。
【0033】
それぞれの半導体層130,110は、例えば、GaN系半導体、ZnO系半導体、GaAs系半導体、GaP系半導体、及びGaAsP系半導体のような無機半導体で構成されることが出来る。半導体層の形成は例えば、分子線エピタキシー(Molecular beam epitaxy、MBE)方法を用いて行われることが出来る。他にも、半導体層はIII−V族半導体、II−VI族半導体、及びSiで構成された群から適切に選択され具現されることが出来る。
【0034】
活性層120は発光を活性化させる層であって、第1導電型半導体層130及び第2導電型半導体層110のエネルギーバンドギャップより少ないエネルギーバンドギャップを有する物質を用いて形成する。例えば、第1導電型半導体層130及び第2導電型半導体層110がGaN系化合物半導体の場合、GaNのエネルギーバンドギャップより少ないエネルギーバンドギャップを有するInAlGaN系化合物半導体を用いて活性層120を形成することが出来る。即ち、活性層120はInAlGa(1−x−y)N(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)であることが出来る。
【0035】
この際、活性層120の特性上、不純物はドーピングされないことが好ましく、構成物質のモル比を調節して発光する光の波長を調節することも出来る。従って、半導体発光素子100は活性層120の特性によって赤外線、可視光線、及び紫外線のうち何れか一つの光を発光することが出来る。
【0036】
活性層120によって半導体発光素子100の全体のエネルギーバンドダイアグラムにはエネルギー井戸構造があらわれ、それぞれの半導体層130,110からの電子及び正孔は移動するうちにエネルギー井戸構造に閉ざされ、発光がさらに効率的に発生することになる。
【0037】
第1電極層160は、第1導電型半導体層130を外部電源(未図示)と電気的に連結する電極である。第1電極層160は金属で構成されることが出来る。第1電極層160は例えば、n型電極としてTi、p型電極としてPdまたはAuにより構成されることが出来る。
【0038】
第1電極層160は活性層から発生した光を反射することが好ましい。反射した光は発光面に向かい、半導体発光素子の発光効率が増加する。活性層から発生した光を反射させるために第1電極層160は可視光線領域で白色系列の金属であることが好ましいが、例えば、Ag、Al、及びPtのうち何れか一つであることが出来る。第1電極層160については、図4a乃至図4cを参照にさらに説明する。
【0039】
第2電極部150は、第2導電型半導体層110を外部電源(未図示)と電気的に連結する電極である。第2電極部150は金属で構成されることが出来る。第2電極部150は例えば、n型電極としてはTi、p型電極としてはPdまたはAuにより構成されることが出来る。特に、本発明による第2電極部150は電極パッド部150−b、電極延長部150−a、及び電極連結部150−cを含む。
【0040】
図3aを参照すると、第2導電型半導体層110上の表面には電極パッド部150−bが形成され、点線で表された複数の電極延長部150−aは第2導電型半導体層110の内部に位置することが示されている。
【0041】
図3bは図3aに表した第2導電型半導体層110の上面をA−A'、B−B'、及びC−C'に切ったものが示されている。A−A'は電極延長部150−aのみを含む断面を、B−B'は電極パッド部150−b及び電極延長部150−aを含む断面を、そしてC−C'は電極延長部150−a及び電極パッド部150−bを含まない断面を表すために選択された。
【0042】
図4a乃至図4cはそれぞれ図3bに図示された半導体発光素子のA−A'、B−B'、及びC−C'の断面図である。以下、図2、図3a、図3b、図4a乃至図4cを参照に説明する。
【0043】
図4aにおいて、電極延長部150−aは第1電極層160から第2導電型半導体層110の内部まで延長される。電極延長部150−aは第1導電型半導体層130及び活性層120を通過して第2導電型半導体層110まで延長され、少なくとも第2導電型半導体層110の一部まで延長されるが、電極パッド部150−bのように第2導電型半導体層110の表面まで延長される必要は無い。電極延長部150−aは第2導電型半導体層110に電流を分散させるためのものであるためである。
【0044】
電極延長部150−aは第2導電型半導体層110に電流を分散させるためのものであるため所定の面積を有すべきである。しかし、電極パッド部150−bのように電気的な連結のためのものではないため、第2導電型半導体層110上に電流が均一に分布するための最小の面積で所定の数が形成されることが好ましい。電極延長部150−aが少なすぎる数で形成されると、電流の分散が難しくなり電気的な特性が悪化することがあり、多すぎる数で形成されると形成のための工程の難しさ及び活性層の減少による発光面積の減少を引き起こすため、このような条件を考慮して適切に選択することが出来る。従って、電極延長部150−aは出来るだけ少ない面積を占めながら電流の分散が効果的な形状で具現される。
【0045】
電極延長部150−aは電流分散のため複数個であることが好ましい。また、電極延長部150−aは円筒状であり得るが、その面積は電極パッド部150−bの面積より小さいことが好ましい。また、電極パッド部150−bと所定距離離隔されて形成されることが好ましいが、これは後述の電極連結部150−cにより第1電極層160上で相互連結されることがあるため、所定距離離隔されて均一な電流の分散を誘導しなければならないためである。
【0046】
電極延長部150−aは第1電極層160から第2導電型半導体層110の内部まで形成されるが、第2導電型半導体層の電流の分散のためのものであるため、他の層とは電気的に分離される必要がある。従って、第1電極層160、第1導電型半導体層130、及び活性層120と電気的に分離されることが好ましい。電気的な分離は誘電体のような絶縁物質を用いて行うことが出来る。
【0047】
図4bにおいて、電極パッド部150−bは第1電極層160から第2導電型半導体層110の表面まで延長される。電極パッド部150−bは第1電極層160から始まって、第1導電型半導体層130、活性層120及び第2導電型半導体層110を通過して第2導電型半導体層110の表面まで延長される。電極パッド部150−bは、特に第2電極部150の外部電源(未図示)との連結のためのものであるため、第2電極部150は少なくとも一つの電極パッド部150−bを備えることが好ましい。
【0048】
電極パッド部150−bは、第1電極層160から第2導電型半導体層110の表面まで延長されている。電極パッド部150−bは第2導電型半導体層110の表面で外部電源と電気的に連結され電極延長部に電流を供給することになるため、第1電極層160、第1導電型半導体層130、及び活性層120とは電気的に分離されることが好ましい。電気的な分離は誘電体のような絶縁物質を用いて絶縁層を形成して行うことが出来る。
【0049】
電極パッド部150−bは電極延長部150−aに電流を供給する機能を行うが、他にも第2導電型半導体層110と電気的に分離されず直接電流を分散させることがある。電極パッド部150−bは電極延長部150−aに電流を供給する機能と第2導電型半導体層110に電流を分散させる機能中、求められる機能を考慮して第2導電型半導体層110と適切に電気的に分離させることが出来る。
【0050】
電極パッド部150−bは特に、活性層120での断面の面積が第2導電型半導体層110の表面での断面の面積より小さいことが好ましいが、これは活性層120を最大に確保して発光効率を増加させるためである。しかし、第2導電型半導体層110の表面では外部電源(未図示)との連結のために所定の面積を有する必要がある。
【0051】
電極パッド部150−bは半導体発光素子100の中央に位置することがあるが、この場合、電極延長部150−aは出来るだけ電極パッド部150−bと所定距離離隔されて均一に分散され位置することが好ましい。図3aを参照すると、電極パッド部150−bと電極延長部150−aが第2導電型半導体層110上に均一に分散されて位置し電流の分散を最適化している。図3aでは電極パッド部150−bが1つで、電極延長部150−aが12個の場合を想定して図示したが、それぞれの数は電気的な連結の状況(例えば、外部電源の位置)及び第2導電型半導体層110の厚さなどのような電流分散の状況を考慮して適切に選択することが出来る。
【0052】
電極延長部150−aが複数個の場合、電極パッド部150−bと複数個の電極延長部150−aの両方は直接連結されることが出来る。この場合、半導体発光素子100の中心部に電極パッド部150−bが形成され、電極延長部150−aがその周りに位置し、電極連結部150−cは放射状で電極パッド部150−b及び電極延長部150−aを直接連結させることが出来る。
【0053】
または複数の電極延長部150−aのうち幾つかの電極延長部150−aは電極パッド部150−bに直接連結され、残りの電極延長部150−aは電極パッド部150−bに直接連結された電極延長部150−aと連結され、電極パッド部150−bとは間接連結されることが出来る。この場合には、さらに多い数の電極延長部150−aを形成することができ、電流分散の効率化を向上させることになる。
【0054】
図4a乃至図4cにおいて、電極連結部150−cは第1電極層160上に形成され電極パッド部150−b及び電極延長部150−aを連結する。従って、第2電極部150の相当の部分が光を発光する活性層120の光の進行方向の反対側の後面に位置することになり発光効率を増加させる。特に、図4cは、電極連結部150−cのみ第1電極層160上に位置して第2電極部150が第1導電型半導体層130、活性層120、及び第2導電型半導体層110上に位置しない状態を表す。従って、図4cのような場合、電極パッド部150−b及び電極延長部150−aが発光に影響を与えないため発光効率が高い領域になる。図4cには特に図示されていないが、第1電極層160は導電性基板140と接触して外部電源(未図示)に連結されることが出来る。
【0055】
そして、電極連結部150−cは第1電極層160と電気的に分離されている。第1電極層160と第2電極部150は相互反対の極性を示す電極であり、外部電源を第1導電型半導体層130及び第2導電型半導体層110にそれぞれ供給するため、両電極は必ず電気的に分離されなければならない。電気的な分離は誘電体のような絶縁物質を用いて行うことが出来る。
【0056】
図4bにおいて、電極パッド部150−bが第2導電型半導体層110の表面に位置することにより、垂直型の半導体発光素子の特性を表すことができ、図4cでは電極連結部150−cが第1電極層160のような平面に位置するため水平型の半導体発光素子の特性を表すことが出来る。従って、半導体発光素子100は水平型及び垂直型を統合した形態の構造を示すことになる。
【0057】
図4a乃至図4cにおいて、第2導電型半導体層110はn型半導体層で、第2電極部150はn型電極部であることが出来る。この場合、第1導電型半導体層130はp型半導体層で、第1電極層160はp型電極であることが出来る。電極パッド部150−b、電極延長部150−a及び電極連結部150−cは相互連結されている第2電極部150であり、第2電極部150がn型電極の場合、絶縁物質を用いて絶縁部170を形成してp型電極である第1電極層160と電気的に分離されることが出来る。
【0058】
図5aは本発明の他の実施例によって表面に凹凸パターン180が形成された半導体発光素子の発光を表した図面で、図5bは本発明の他の実施例によって表面に凹凸パターン180が形成された半導体発光素子での電流分散を表した図面である。
【0059】
本発明による半導体発光素子100は、発光された光の進行方向の最外郭の表面が第2導電型半導体層110で構成されている。従って、フォトリソグラフィー方法のような公知の方法を用いて表面に凹凸パターンを形成することが容易である。この場合、活性層120から発光した光は第2導電型半導体層110の表面に形成された凹凸パターン180を通過して抽出され、凹凸パターン180により光抽出効率が増加する。
【0060】
凹凸パターン180は光結晶構造であることが出来る。光結晶は屈折率が相違する媒質が結晶のように規則的に配列されたものを言うが、このような光結晶は光の波長の倍数の長さ単位の光調節が可能であるため光抽出の効果をさらに高めることが出来る。光結晶構造は第2導電型半導体層110を形成し第2電極部150まで製造した後に、所定の適切な工程を通して行われることが出来る。例えば、蝕刻工程によって形成されることが出来る。
【0061】
第2導電型半導体層110に凹凸パターン180が形成されているとしても電流分散には影響がない。図5bを参照すると、電極延長部150−aでの電流分散は凹凸パターン180に影響されないためである。それぞれの電極延長部150−aは凹凸パターンの下で電流を分散させ、凹凸パターンは発光された光を抽出して発光効率が高くなる。
【0062】
表1は、一般の半導体発光素子の発光面積、電流密度及び発光効率を表す。
【0063】
【表1】

【0064】
発光面積が高いほど発光効率が高くなるが、発光面積を確保するためには分布された電極の面積が減少しなければならないため、発光面の電流密度は減少する傾向を表す。しかし、このような発光面での電流密度の減少は半導体発光素子の電気的な特性を損なうことがあるという問題点がある。
【0065】
しかし、このような問題点は本発明での電極延長部を用いた電流分散の確保を通して解消できる。従って、電流密度が減少して発生し得る電気的な特性上の問題点は発光表面まで形成されず、その内部に形成され電流分散を担当する電極延長部を形成させる方法を通して克服できる。従って、本発明による半導体発光素子は所望の電流分散の程度を獲得しながら最大の発光面積を確保して好ましい発光効率を得ることが出来る。
【0066】
本発明は上述の実施形態及び添付の図面により限定されず、添付の請求範囲により限定される。また、本発明の請求範囲に記載された本発明の技術的思想を外れない範囲内で様々な形態の置換、変形及び変更が可能ということは当該技術分野の通常の知識を有している者には自明である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1a】従来の水平型半導体発光素子である。
【図1b】従来の垂直型半導体発光素子の断面図である。
【図1c】従来の水平型半導体発光素子である。
【図2】本発明の一実施例による半導体発光素子の斜視図である。
【図3a】図2の半導体発光素子の上面図である。
【図3b】図2の半導体発光素子の上面図である。
【図4a】図3bに図示された半導体発光素子のA−A'の断面図である。
【図4b】図3bに図示された半導体発光素子のB−B'の断面図である。
【図4c】図3bに図示された半導体発光素子のC−C'の断面図である。
【図5a】本発明の他の実施例によって表面に凹凸パターンが形成された半導体発光素子の発光を表した図面である。
【図5b】本発明の他の実施例によって表面に凹凸パターンが形成された半導体発光素子での電流分散を表した図面である。
【符号の説明】
【0068】
100 半導体発光素子
110 第2導電型半導体層
120 活性層
130 第1導電型半導体層
140 導電性基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性基板、第1導電型半導体層、活性層及び第2導電型半導体層が順番に積層されて形成された半導体発光素子であって、
前記導電性基板及び前記第1導電型半導体層の間に形成された第1電極層と、
前記第1電極層から前記第2導電型半導体層の表面まで延長され、前記第1電極層、前記第1導電型半導体層及び前記活性層と電気的に分離されている一つまたはそれ以上の電極パッド部と、
前記第1電極層から前記第2導電型半導体層内部まで延長され、前記第1電極層、前記第1導電型半導体層、及び前記活性層と電気的に分離されている一つまたはそれ以上の電極延長部と、
前記第1電極層と同一層上に形成されるが、前記第1電極層と電気的に分離され、前記電極パッド部及び前記電極延長部を連結する電極連結部を含む第2電極部と、を含むことを特徴とする半導体発光素子。
【請求項2】
前記電極パッド部は、前記活性層を横切る断面の面積が前記第2導電型半導体層を横切る断面の面積より小さいことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
【請求項3】
前記電極延長部は、複数個であることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
【請求項4】
前記複数の電極延長部は、前記電極パッド部と前記電極連結部を通して直接連結されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体発光素子。
【請求項5】
前記複数の電極延長部のうち少なくとも一つの電極延長部は、前記電極パッド部と連結された電極延長部を通して前記電極パッド部と連結されていることを特徴とする請求項3に記載の半導体発光素子。
【請求項6】
前記電極延長部は、前記電極パッド部と所定距離離隔されて形成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
【請求項7】
前記電極延長部の前記活性層を横切る断面の面積は、前記電極パッド部の前記活性層を横切る断面の面積より小さいことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
【請求項8】
前記第1電極層は、前記活性層から発生した光を反射させることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
【請求項9】
前記第1電極層は、Ag、Al、及びPtのうち何れか一つを含むことを特徴とする請求項8に記載の半導体発光素子。
【請求項10】
前記第1導電型半導体層及び前記第2導電型半導体層は、GaN系化合物半導体であることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
【請求項11】
前記活性層は、InAlGa1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)系化合物半導体であることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
【請求項12】
前記第2導電型半導体層は、凹凸パターンが形成されたことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
【請求項13】
前記第2導電型半導体層は、光結晶(photonic crystal)構造が形成されたことを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
【請求項14】
前記導電性基板は、金属性基板であることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
【請求項15】
前記金属性基板は、Au、Ni、Cu、及びWのうち何れか一つの金属を含むことを特徴とする請求項14に記載の半導体発光素子。
【請求項16】
前記導電性基板は、半導体基板であることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
【請求項17】
前記半導体基板は、Si、Ge、及びGaAsのうち何れか一つを含むことを特徴とする請求項16に記載の半導体発光素子。
【請求項18】
前記導電性基板は、メッキ法を用いて形成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。
【請求項19】
前記導電性基板は、基板接合法を用いて形成されることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光素子。

【図1a】
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【図1b】
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【図1c】
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【図2】
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【図3a】
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【図3b】
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【図4a】
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【図4b】
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【図4c】
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【図5a】
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【図5b】
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【公開番号】特開2010−118698(P2010−118698A)
【公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−38253(P2010−38253)
【出願日】平成22年2月24日(2010.2.24)
【分割の表示】特願2008−5015(P2008−5015)の分割
【原出願日】平成20年1月11日(2008.1.11)
【出願人】(594023722)サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. (1,585)
【Fターム(参考)】