説明

半導体装置におけるリペア方法、半導体装置および半導体装置用基板

【課題】半導体装置用基板上の部品群の実装密度が限界に来ているので、これをより一層増大させ、さらなる高密度化を実現する。
【解決手段】リジット基板31の表面にさらにフレキシブル基板32を積層し、その基板32の一部であってかつ大型BGA1の周囲に、特定エリア33を設ける。この特定エリア33は、従来、間隙(G)とされていた区域であるが、このエリア33にも複数の小型BGA2を搭載する。大型BGA1のリペア時には、その特定エリア33をBGA2と共に、リジット基板31から剥がしてかつ、BGA1から遠ざけるように折り曲げ、リペア時の熱風からBGA2を逃がすようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路および電子部品を、基板上に高密度で実装した半導体装置、特にその半導体装置から高集積度の集積回路を取り外すためのリペア方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体装置、例えば、通信機器関連分野での基幹系機器に組み込まれる半導体装置においては、CPUを含む制御系大型集積回路(LSI)の周囲を、多数の小型集積回路(IC)や多数の電子部品(チップ部品等)が取り囲む構造となっている。これは、等長配線といった制約や、高速特性(例えば数10Gbps)といった要求を満たすためである。
【0003】
かくして、かかる基幹系通信機器等の半導体装置においては、所要の回路を形成するためのLSIやICやチップ部品が、きわめて高密度で基板(マザーボード等)上に実装されることになる。したがって、かかる半導体装置用の回路実装基板はかなり高価になる上に、歩留まりも悪くなる。
【0004】
そこで、上記回路実装基板上に搭載された種々の回路構成部品群の一部に、不良品が現れたときには、この不良品を含む高価な回路実装基板全体を廃棄とするのではなく、当該不良品のみを、当該基板から取り外し、当該不良基板を再生するようにしている。これが「リペア」である。
【0005】
なお本発明に関連する公知技術としては、下記の〔特許文献1〕〜〔特許文献3〕がある。
【0006】
【特許文献1】特開2003−258026号公報
【特許文献2】特開2002−353612号公報
【特許文献3】特開平11−186453号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上述したような不良品が出やすいのは、上記の大型集積回路に集中している。例えば、BGA(Ball Grid Array)部品やCSP(Chip Size Package)部品等が、その大型集積回路に当たる。これは内部回路が高集積になっており、かつ多ピンになっているからである。このため、上記回路実装基板そのものの不良率に対して、該大型集積回路(BGA)の不良率は100倍近くに達する場合がある。
【0008】
このような状況のため、電気性能試験によって上記大型集積回路(BGA)に不良が発見された場合は、そのBGAのみをリペアにより基板から取り外し、新たなBGAとの取り替えにより、高価な基板全体を救済することとしている。
【0009】
このリペアに際しては、従来、当該不良BGA上から直接熱風を吹きつけ、またその裏側からも熱風を吹きつけて、はんだボールを加熱し溶融する。このとき、その不良の大型BGA部品の周辺に配置されている多数の小型BGA部品(メモリ)にも熱風が当たるため、その熱風をしゃ断する防熱部材が、その大型BGA部品と小型BGA部品との間に挿入される。このため、これらのBGA部品間には所定の間隙を予め設けなければならない。
【0010】
しかしその間隙を、上記大型BGA部品の周囲に、後日のリペアの有無の可能性に拘らず、常に設ける設計としておかなければならないことから、上記回路実装基板上の部品群のさらなる高密度実装化を実現する上で支障となっている。
【0011】
したがって本発明は、上記の間隙を根本的に不要とした半導体装置およびその半導体装置用の基板を提供し、かかる半導体装置に適用可能なリペア方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本明細書で開示する半導体装置は、リジット基板と、このリジット基板の表面上に設けられるフレキシブル基板と、このフレキシブル基板上に搭載される少なくとも1つの第1の集積回路(大型BGA等)と、この第1の集積回路の近傍のフレキシブル基板においてリジット基板の表面から剥離可能な特定エリアと、この特定エリア上に搭載される少なくとも1つの第2の集積回路(小型BGA等)と、を有して構成される。
【0013】
また本明細書で開示するリペア方法は、
・上記第2の集積回路の周囲を取り囲む上記フレキシブル基板の一部を、カット(切断)し、
・カットされたフレキシブル基板を、上記リジット基板の表面から剥がし、その第2の集積回路を上記第1の集積回路から遠ざけるように、折り曲げ、
・第2の集積回路を第1の集積回路から遠ざけた状態で、熱風を第1の集積回路に与えて、リジット基板およびフレキシブル基板から取り外すようにする。
【0014】
さらにまた本明細書で開示する半導体装置用基板は、多層プリント基板よりなるリジット基板と、このリジット基板の表面上に積層される表面側フレキシブル基板と、そのリジット基板の裏面上に積層される裏面側フレキシブル基板と、その表面側フレキシブル基板の一部であって、該リジット基板の表面から剥離可能な表面側特定エリアと、を有して構成される。
【発明の効果】
【0015】
本明細書において開示するリペア方法によれば、リペア時に、大型BGA部品からその周辺の小型BGA部品を、一時的に遠ざけることができ、その大型BGA部品に吹きつける熱風から逃がすことができる。したがってその小型BGA部品の信頼性が低下することはない。
【0016】
そしてそのリペア後に小型BGA部品を元の位置に戻したとき、従来必要とされた、大型BGA部品との間の既述の間隙は、全く存在しない。上記従来の防熱部材を、それらBGA部品間に挿入する必要がないからである。
【0017】
かくして、上記の間隙を基板設計上考慮する必要がなくなり、従来のその間隙に相当する区域を、部品実装面積として追加することができ、前述した実装密度のさらなる増大を図ることが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
ここに開示するリペア技術による効果をより明確にするために、まず、従来のリペア装置について説明しておく。
【0019】
図9は従来の半導体装置の一例を示す図であり、特に前述した基幹系通信機器用の高密度実装形半導体装置を例にとって示す。
【0020】
本図において、参照番号1は、前述した第1の集積回路(例えば、制御系部品となる大型BGA部品)である(以下、単に大型BGA又はBGAとも称す)。参照番号2は、前述した第2の集積回路(例えば、メモリ系部品)である(以下、単に小型BGA又はBGAとも称す)。その他の電子部品として、チップ部品(例えば、抵抗やセラミックコンデンサ等)5がある。
【0021】
これらのBGA1やBGA2や部品5は、基板4の表面ならびに裏面の上に実装される。この実装においては、後にリペアが必要となる可能性があることを想定して、図示する大きい間隙Gと小さい間隙gの形成を考慮した設計が行われる。これらの間隙Gおよびgの存在が、既述したように、さらなる高密度実装を実現する上での障害となっている。これらGおよびgが必要となる理由は、図10および図11から明らかである。
【0022】
図10は小型BGA2をリペアする様子を示す図であり、
図11は大型BGA1をリペアする様子を示す図である。
【0023】
図10を参照すると、大型BGA1の右側にある小型BGA2をリペアする様子が示されている。このリペアはリペアマシン(11,12,13,14)により行われる。当該BGA2にカバー11を被せる。またその裏面側にカバー12を被せる。その後、加熱プレート13および14によって、基板4の裏側から予備加熱をしながら、上記カバー11および12内にそれぞれ上部熱風wtとおよび下部熱風wbを吹き込む。
【0024】
ここにBGA2のはんだボールは加熱溶融し、基板4からBGA2本体を取り外すことができる。
【0025】
次に大型BGA1のリペアが必要になった場合を説明する。図11を参照すると、このリペアには大型のリペアマシン(21,22,23,24,25,26)が用いられる。前述と同様に当該BGA1に大型カバー21を被せる。またその裏面側に大型カバー22を被せる。その後、大型加熱プレート23および24によって、基板4の裏側から予備加熱をしながら、上記カバー21および22内にそれぞれ大量の上部熱風Wtとおよび大量の下部熱風Wbを吹き込む。
【0026】
ここにBGA1のはんだボールは加熱溶融し、基板4からBGA2本体を取り外すことができる。しかしこの場合、大量の上部熱風Wtがカバー21の下端より漏れて吹き出し、隣接する小型BGA2を加熱してしまう。
【0027】
そこで、その漏れ出た熱風Wtがその小型BGA2に当たるのを防ぐため、防熱部材25および26が導入される。上記の図9において、大型BGA1の近傍に間隙Gおよびgを必要とするのは、そのような防熱部材25および26の側壁を挿入するためである。かかる間隙Gおよびg、特にそのGの存在が、基板4上における部品群(1,2,5等)の高密度実装を阻んでいる。したがって、本明細書で開示するリペア方法は、基板4上でのそのような間隙Gおよびgの必要性を排除可能とするものである。以下、このリペア方法等について詳述する。
【0028】
図1は本明細書で開示する半導体装置およびリペアマシンを示す図である。なお全図を通じて、同様の構成要素には同一の参照番号または記号を付して示す。
【0029】
図1に示す半導体装置は、
リジット基板31と、リジット基板31の表面上に設けられるフレキシブル基板32と、フレキシブル基板32上に搭載される少なくとも1つの第1の集積回路(大型BGA)1と、第1の集積回路1の近傍のフレキシブル基板32においてリジット基板31の表面から剥離可能な特定エリア33と、特定エリア33上に搭載される少なくとも1つの第2の集積回路(小型BGA)2と、を有してなる。
【0030】
さらに好ましくは、上記半導体装置は、
リジット基板31の裏面上に設けられる裏面側フレキシブル基板42と、第1の集積回路1の対向位置における裏面側フレキシブル基板42においてリジット基板31の裏面から剥離可能な裏面側特定エリア43と、裏面側特定エリア43上に搭載される少なくとも1つの第3の集積回路(小型BGA)3と、を有してなる。
【0031】
なお、第1の集積回路1の集積度は、第2の集積回路2の集積度よりも大であり、
また、第1の集積回路1の集積度は、第3の集積回路3の集積度よりも大である。
【0032】
上記図1に示す半導体装置におけるリペア方法は次のとおりである。図2は、本明細書で開示するリペア方法を表すフローチャートである。
【0033】
本図に示すリペア方法は、リジット基板31と、このリジット基板31の表面上に設けられるフレキシブル基板32と、このフレキシブル基板32上に搭載される第1の集積回路1およびその近傍に搭載される少なくとも1つの第2の集積回路2とを有する半導体装置において、その第1の集積回路1に熱風を与えて加熱しこれをリジット基板31およびフレキシブル基板32から取り外すためのリペア方法であって、以下のステップを有する。
【0034】
ステップS11:第2の集積回路2の周囲を取り囲むフレキシブル基板32の一部を、カットする(図3参照)。
ステップS12:カット(切断)されたフレキシブル基板32を、リジット基板31の表面から剥がし、第2の集積回路2を第1の集積回路1から遠ざけるように、折り曲げる(図3参照)。
ステップS13:第2の集積回路2を第1の集積回路1から遠ざけた状態で、熱風Wt(図1)を第1の集積回路1に与える。該集積回路1のはんだボールは加熱溶融される。
【0035】
この場合、上記のカット(切断)すべきフレキシブル基板32の領域の周縁に、予めミシン目を加工するステップS21をさらに含むか(図4参照)、
または、ステップS11において、カットすべきフレキシブル基板32の領域の周縁に、カット手段(カッター等)により切込みを入れる。
【0036】
さらにまた、リジット基板31の裏面上に設けられる裏面側フレキシブル基板42と、第1の集積回路1の対向位置における裏面側フレキシブル基板42上に搭載される少なくとも1つの第3の集積回路3とをさらに有する場合、
ステップS31:第3の集積回路3の周囲を取り囲む裏面側フレキシブル基板42の一部を、カット(切断)する。
ステップS32:カットされた裏面側フレキシブル基板42を、リジット基板31の裏面から剥がし、第3の集積回路3を第1の集積回路1の対向位置(熱風Wbが当たる位置)から遠ざけるように、折り曲げる。
ステップS33:第3の集積回路3を第1の集積回路1の上記対向位置から遠ざけた状態で、裏面側熱風Wbをその対向位置に与える。
【0037】
この場合、上記ステップS21またはS22と同様に、上記のカットすべき裏面側フレキシブル基板42の領域の周縁に、予めミシン目を加工するステップS41をさらに含むか、
または、ステップS31において、カットすべき裏面側フレキシブル基板42の領域の周縁に、上記カット手段により切込みを入れる。
【0038】
上記フローチャートのステップS11,S12およびステップS21(ミシン目加工)に関し、さらに詳しく説明する。まず図3はリペアすべき集積回路1および基板31,32,42(A)、一部の基板32,42を折り曲げた様子(B)、その様子(B)を上側から見た様子(C)を示す図である。なお、本図では、基板上の搭載部品としてリペア対象の集積回路(大型BGA)1のみを示し、他の部品は図示省略する。
【0039】
BGA1の図中左右にある特定エリア33と、該BGA1との間には切込みS1が入れられる。このS1は、基板32の厚みより大きい幅を有するのが望ましい。
【0040】
また、特定エリア33の折曲げ部分においては、フレキシブル基板32を構成するカバーレイの除去部分S2が形成される。この除去部分S2により、該基板32を構成するベースフィルム(例えばポリイミドフィルム)が折り曲げやすくなる。かかる処理(S1,S2)は、基板31の裏面側でも同様に行われる。
【0041】
かくして特定エリア33および43の剥離と折曲げが行われた後の状態を、図3の(B)に示す。その上面図は同図(C)に示す。本図(C)では、特定エリア33が、大型BGA1の一方の2辺側(同図(A),(B)のように)のみならず、他の2辺側にも存在する例を示している。なお、本図(C)中、その4辺にそれぞれ平行して描いた点線は、上記折曲げ部分の境界を表す。
【0042】
続いて図4を参照して、上記フローチャート(図2)のステップS21について詳しく説明する。図4は、図2のステップS21(およびS41)におけるミシン目加工を示す図である。
【0043】
本図において、参照番号34がミシン目加工の全体(ミシン目加工部)を表し、露出したリジット基板31上に飛び石状に残るフレキシブル基板32の小片部分32′がミシン目を形成する。このミシン目により、容易に特定エリア33を剥がすことができる。なお、BGA1の4辺にそれぞれ平行して描いた点線は、図3(B)に示す、基板32の折曲げ部分(S2)に相当する。
【0044】
上記図2に示すフローチャートの補足として、本発明に特有のリペア方法を説明する。図5は、小型BGA2のリペア方法を表す図である。すなわち、カットされたフレキシブル基板32を剥がして折り曲げた状態下(図1)で、第2の集積回路(小型BGA)2をフレキシブル基板32側から加熱して取り外すことも容易である。この加熱は、例えばはんだゴテ51により行われる。この加熱により小型BGA2のはんだボールが加熱溶融され、リペアが行われる。
【0045】
かくして、本明細書により開示するリペア方法を採用することによって、既述したように一層高密度化した、例えば基幹系通信機器用の回路実装基板を実現することができる。図6は本発明により一層の高密度化を図ることができる一例を示す図である。
【0046】
従来であれば、大型BGA1の近辺およびその対向位置近傍には、リペアを考慮して一切部品を配置できなかったところ(図9参照)、本発明によれば図6に表すとおり、特定エリア33,43にさらに部品2,3および5を詰め込むことが可能となり、一層の高密度化が図れる。
【0047】
さらに本発明を発展させれば、必要に応じてさらに高密度化を図ることもできる。図7は、図6の構成よりもさらに高密度化が図れる実装例を示す図である。本図において、チップ部品55および65をさらに詰め込むようにしている。なおこれらのチップ部品55,65は、部品1のリペア時における熱風に十分耐えることができる。
【0048】
すなわち、特定エリア33をリジット基板31の表面から剥がし、第2の集積回路(小型BGA)2を第1の集積回路(大型BGA)2から遠ざけるように、折り曲げた後のリジット基板31の表面上に搭載される少なくとも1つの電子部品(チップ部品)55を追加することができる。
【0049】
また、裏面側特定エリア43をリジット基板31の裏面から剥がし、第3の集積回路(小型BGA)3を第1の集積回路1の対向位置から遠ざけるように、折り曲げた後のリジット基板31の裏面上に搭載される少なくとも1つの電子部品(チップ部品)65を追加することができる。
【0050】
最後に本明細書で開示する半導体装置用基板について説明する。図8は本発明による該基板の製造開始時(A)、基板相互の合体時(B)、スルーホール形成時(C)を示す図である。
【0051】
まず図8(A)においては、フレキシブル基板32と裏面側フレキシブル基板42とにより、多層プリント基板よりなるリジット基板31を上下から挟む。このとき各基板間に接着材71および72を充填する。
【0052】
これら基板を合体させ、あるいは熱圧着して、貼り合わせ基板(32−31−42)を形成する。これが図8(B)である。
【0053】
さらにスルーホール73を形成して基板の完成である。これが図8(C)である。この図8(C)を参照すると、各スルーホール73の開口端には導電パッド74が形成されている。また、各ビア75の開口端にも導電パッド76が形成されている。77はランドである。
【0054】
ここに、参照番号1は、大型BGA1が搭載されるべき位置を表しており、その周囲にはミシン目加工部34(図4)が形成される。34′は裏面側の加工部である。
【0055】
このミシン目加工部34(34′)に隣接する領域が、特定エリア33(43)であり、これらの部分が、部品1のリペア時に折り曲げられる。これらエリアの上には小型BGA2(3)が搭載される。かくして例えば5cm×5cmといったような大サイズの半導体装置用基板が完成する。ちなみに、リジット基板31の厚みは、数mm程度である。
【0056】
以上のことを要約すると、
本発明に係る半導体装置用基板は、
多層プリント基板よりなるリジット基板31と、このリジット基板31の表面上に積層される表面側フレキシブル基板32と、そのリジット基板31の裏面上に積層される裏面側フレキシブル基板42と、その表面側フレキシブル基板32の一部であって、リジット基板31の表面から剥離可能な表面側特定エリア33と、を有してなる。
【0057】
また、裏面側フレキシブル基板42の一部であって、リジット基板31の裏面から剥離可能な裏面側特定エリア43を、さらに有してなる。
【0058】
ここに上記の表面側フレキシブル基板32は、上記の剥離後、折り曲げ可能な材質、例えばポリイミドあるいはポリエステルである。
【0059】
同様に裏面側フレキシブル基板42も、上記の剥離後、折り曲げ可能な材質である。
【0060】
そして、表面側特定エリア33および裏面側特定エリア43以外のエリアにおいて、表面側フレキシブル基板32と、リジット基板31と、裏面側フレキシブル基板42とを貫通する少なくとも1つのスルーホール73を形成して半導体装置用基板が完成する。
【0061】
以上の各実施形態に関し、以下の付記を開示する。
【0062】
(付記1)
リジット基板と、該リジット基板の表面上に設けられるフレキシブル基板と、該フレキシブル基板上に搭載される第1の集積回路およびその近傍に搭載される少なくとも1つの第2の集積回路とを有する半導体装置のリペア方法であって、
前記第2の集積回路の周囲を取り囲む前記フレキシブル基板の一部を、切断するステップと、
切断された前記フレキシブル基板を、前記リジット基板の表面から剥がし、前記第2の集積回路を前記第1の集積回路から遠ざけるように、折り曲げるステップと、
前記第2の集積回路を前記第1の集積回路から遠ざけた状態で、該第1の集積回路を加熱するステップと、
を有するリペア方法。
【0063】
(付記2)
前記の切断すべき前記フレキシブル基板の領域の周縁に、予めミシン目を加工するステップをさらに含む付記1に記載のリペア方法。
【0064】
(付記3)
前記の切断するステップにおいて、切断すべき前記フレキシブル基板の領域の周縁に、カット手段により切込みを入れる付記1に記載のリペア方法。
【0065】
(付記4)
前記リジット基板の裏面上に設けられる裏面側フレキシブル基板と、前記第1の集積回路の対向位置における該裏面側フレキシブル基板上に搭載される少なくとも1つの第3の集積回路とを前記半導体装置はさらに有し、
前記第3の集積回路の周囲を取り囲む前記裏面側フレキシブル基板の一部を、切断するステップと、
切断された前記裏面側フレキシブル基板を、前記リジット基板の裏面から剥がし、前記第3の集積回路を前記第1の集積回路の対向位置から遠ざけるように、折り曲げるステップと、
前記第3の集積回路を前記第1の集積回路の対向位置から遠ざけた状態で、該対向位置を加熱するステップと、
を有する付記1に記載のリペア方法。
【0066】
(付記5)
前記の切断すべき裏面側フレキシブル基板の領域の周縁に、予めミシン目を加工するステップをさらに含む付記4に記載のリペア方法。
【0067】
(付記6)
前記の切断するステップにおいて、前記の切断すべき裏面側フレキシブル基板の領域の周縁に、カット手段により切込みを入れる付記4に記載のリペア方法。
【0068】
(付記7)
切断された前記フレキシブル基板を剥がして折り曲げた状態下で、当該第2の集積回路を該フレキシブル基板側から加熱するステップをさらに含む付記1に記載のリペア方法。
【0069】
(付記8)
リジット基板と、
前記リジット基板の表面上に設けられるフレキシブル基板と、
前記フレキシブル基板上に搭載される少なくとも1つの第1の集積回路と、
前記第1の集積回路の近傍の前記フレキシブル基板において前記リジット基板の表面から剥離可能な特定エリアと、
前記特定エリア上に搭載される少なくとも1つの第2の集積回路と、
を有する半導体装置。
【0070】
(付記9)
前記リジット基板の裏面上に設けられる裏面側フレキシブル基板と、
前記第1の集積回路の対向位置における前記裏面側フレキシブル基板において前記リジット基板の裏面から剥離可能な裏面側特定エリアと、
前記裏面側特定エリア上に搭載される少なくとも1つの第3の集積回路と、
を有する付記8に記載の半導体装置。
【0071】
(付記10)
前記特定エリアを前記リジット基板の表面から剥がし、前記第2の集積回路を前記第1の集積回路から遠ざけるように、折り曲げた後の前記リジット基板表面上に搭載される少なくとも1つの電子部品を有する付記8に記載の半導体装置。
【0072】
(付記11)
前記裏面側特定エリアを前記リジット基板の裏面から剥がし、前記第3の集積回路を前記第1の集積回路の対向位置から遠ざけるように、折り曲げた後の前記リジット基板裏面上に搭載される少なくとも1つの電子部品を有する付記9に記載の半導体装置。
【0073】
(付記12)
前記第1の集積回路の集積度は、前記第2の集積回路の集積度よりも大である付記8に記載の半導体装置。
【0074】
(付記13)
前記第1の集積回路の集積度は、前記第3の集積回路の集積度よりも大である付記9に記載の半導体装置。
【0075】
(付記14)
多層プリント基板よりなるリジット基板と、
前記リジット基板の表面上に積層される表面側フレキシブル基板と、
前記リジット基板の裏面上に積層される裏面側フレキシブル基板と、
前記表面側フレキシブル基板の一部であって、前記リジット基板の表面から剥離可能な表面側特定エリアと、
を有する半導体装置用基板。
【0076】
(付記15)
前記裏面側フレキシブル基板の一部であって、前記リジット基板の裏面から剥離可能な裏面側特定エリアを、さらに有する付記14に記載の半導体装置用基板。
【0077】
(付記16)
前記表面側フレキシブル基板は、前記の剥離後、折り曲げ可能な材質である付記14に記載の半導体装置用基板。
【0078】
(付記17)
前記裏面側フレキシブル基板は、前記の剥離後、折り曲げ可能な材質である付記15に記載の半導体装置用基板。
【0079】
(付記18)
前記表面側特定エリアおよび前記裏面側特定エリア以外のエリアにおいて、前記表面側フレキシブル基板と、前記リジット基板と、前記裏面側フレキシブル基板とを貫通する少なくとも1つのスルーホールを形成してなる付記15に記載の半導体装置用基板。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【図1】本明細書で開示する半導体装置およびリペアマシンを示す図である。
【図2】本明細書で開示するリペア方法を表すフローチャートである。
【図3】リペアすべき集積回路1および基板31,32,42(A)、一部の基板32,42を折り曲げた様子(B)、その様子(B)を上側から見た様子(C)を示す図である。
【図4】図3の(C)に至る前に施されるミシン目加工(ステップS21,S41)を表す図である。
【図5】本明細書で開示する別のリペア方法を表す図である。
【図6】本発明により一層の高密度化を図ることができる一例を示す図である。
【図7】図6の構成よりもさらに高密度化が図れる実装例を示す図である。
【図8】本発明による基板の製造開始時(A)、基板相互の合体時(B)、スルーホール形成時(C)を示す図である。
【図9】従来の半導体装置の一例を示す図である。
【図10】小型BGA2をリペアする様子を示す図である。
【図11】大型BGA1をリペアする様子を示す図である。
【符号の説明】
【0081】
1 第1の集積回路
2 第2の集積回路
3 第3の集積回路
4 基板
5 チップ部品
31 リジット基板
32 フレキシブル基板
33 特定エリア
34 ミシン目加工部
42 裏面側フレキシブル基板
43 裏面側特定エリア
73 スルーホール

【特許請求の範囲】
【請求項1】
リジット基板と、該リジット基板の表面上に設けられるフレキシブル基板と、該フレキシブル基板上に搭載される第1の集積回路およびその近傍に搭載される少なくとも1つの第2の集積回路とを有する半導体装置のリペア方法であって、
前記第2の集積回路の周囲を取り囲む前記フレキシブル基板の一部を、切断するステップと、
切断された前記フレキシブル基板を、前記リジット基板の表面から剥がし、前記第2の集積回路を前記第1の集積回路から遠ざけるように、折り曲げるステップと、
前記第2の集積回路を前記第1の集積回路から遠ざけた状態で、該第1の集積回路を加熱するステップと、
を有するリペア方法。
【請求項2】
前記の切断すべき前記フレキシブル基板の領域の周縁に、予めミシン目を加工するステップをさらに含む請求項1に記載のリペア方法。
【請求項3】
前記リジット基板の裏面上に設けられる裏面側フレキシブル基板と、前記第1の集積回路の対向位置における該裏面側フレキシブル基板上に搭載される少なくとも1つの第3の集積回路とを前記半導体装置はさらに有し、
前記第3の集積回路の周囲を取り囲む前記裏面側フレキシブル基板の一部を、切断するステップと、
切断された前記裏面側フレキシブル基板を、前記リジット基板の裏面から剥がし、前記第3の集積回路を前記第1の集積回路の対向位置から遠ざけるように、折り曲げるステップと、
前記第3の集積回路を前記第1の集積回路の対向位置から遠ざけた状態で、該対向位置を加熱するステップと、
を有する請求項1に記載のリペア方法。
【請求項4】
リジット基板と、
前記リジット基板の表面上に設けられるフレキシブル基板と、
前記フレキシブル基板上に搭載される少なくとも1つの第1の集積回路と、
前記第1の集積回路の近傍の前記フレキシブル基板において前記リジット基板の表面から剥離可能な特定エリアと、
前記特定エリア上に搭載される少なくとも1つの第2の集積回路と、
を有する半導体装置。
【請求項5】
前記リジット基板の裏面上に設けられる裏面側フレキシブル基板と、
前記第1の集積回路の対向位置における前記裏面側フレキシブル基板において前記リジット基板の裏面から剥離可能な裏面側特定エリアと、
前記裏面側特定エリア上に搭載される少なくとも1つの第3の集積回路と、
を有する請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記特定エリアを前記リジット基板の表面から剥がし、前記第2の集積回路を前記第1の集積回路から遠ざけるように、折り曲げた後の前記リジット基板表面上に搭載される少なくとも1つの電子部品を有する請求項4に記載の半導体装置。
【請求項7】
多層プリント基板よりなるリジット基板と、
前記リジット基板の表面上に積層される表面側フレキシブル基板と、
前記リジット基板の裏面上に積層される裏面側フレキシブル基板と、
前記表面側フレキシブル基板の一部であって、前記リジット基板の表面から剥離可能な表面側特定エリアと、
を有する半導体装置用基板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−238908(P2009−238908A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−81086(P2008−81086)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】