説明

半導体装置及びその製造方法

【課題】インタポーザを用いずに、センサ面の押圧による湾曲が小さな指紋センサ用半導体装置を提供する。また、曲げによる破損が少なく信頼性の高い指紋センサ用半導体装置を提供する。
【解決手段】上面にセンサ面1aが、下面に外部端子4が形成された半導体基板1の下面に、窪み8(例えば溝8a)を形成し、この窪み8を埋め込み下面を封止する第2封止樹脂7を設ける。窪み8の深さ分、硬い第2封止樹脂7が厚くなるので、センサ用半導体装置100の曲げ剛性が大きくなる。他の構成は、第2封止樹脂7の下面に弾性体の補強プレートを設けて、曲げ剛性を大きくする。さらなる他の構成は、半導体基板の周縁に沿って枠状の溝を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は被識別物が接触するセンサ面を有する小型の指紋センサ等に用いられる半導体装置及びその製造方法に関し、とくに、センサ面への接触により誘起される半導体基板の変形及び損傷が少ない半導体装置及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
センサ面に被識別物を接触させて被識別物を認識するセンサ回路を備えた半導体装置が実用されている。例えば、指を接触させて指紋画像を認識する指紋センサ用半導体装置である。
【0003】
このようなセンサ用半導体装置は、近年、携帯端末にも使用されることから、実装面積が小さいことが求められる。また、携帯電話等の携帯端末を含む汎用的な小型機器に使用される半導体装置として、一層の低コスト化が要求されている。その一方、指等の被識別物を直接センサ面に接触させるという使用環境に適応できる高い信頼性が要求される。
【0004】
図21は従来のセンサ用半導体装置の断面図であり、インターポーザを用いて樹脂封止したパッケージの構造を表している。
【0005】
図21を参照して、従来のセンサ用半導体装置110では、半導体素子101の上面をセンサ面101aとするセンサ回路が形成された半導体素子101が、インターポーザ111上に搭載されている。インターポーザ111には多層の配線114が形成されており、最上層の配線114aは、ボンディングワイヤ112によりセンサ回路の電極101bと接続されている。そして、半導体素子101及びインターポーザ111の上面は、封止樹脂113により封止されている。なお、封止樹脂113には、センサ面101aを表出する開口部113aが開設されており、センサ面101aに被識別物を接触することができる。インターポーザ111の下面には、最下層の配線114bと接続する外部接続用のはんだボール105が設けられる。
【0006】
このセンサ用半導体装置110は、センサ回路が形成された半導体素子101を曲げ剛性(曲げこわさ)が大きなインターポーザ111上に密着して搭載する。このため、センサ面101aに被識別物の接触による押圧があっても半導体素子101の湾曲はインタポーザにより抑制され、半導体素子101の湾曲は殆ど問題にならない。従って、薄くて曲がり易い半導体素子101を用いることができる。また、開口部113aに表出するセンサ面101aを除き、半導体素子101の上面及び側面は完全に封止樹脂113により被覆されるので、優れた環境汚染耐性を有する。(例えば、特許文献1を参照。)。
【0007】
しかし、センサ用半導体装置110では、半導体素子101より大きなインターポーザ111を使用するため、パッケージ面積(センサ用半導体装置110の平面面積)を小さくすることが難しい。とくに、センサ用半導体装置110をはんだボール105を介してマザーボードに実装するときの実装強度を高めるため、配線111a面積を大きくしてはんだボール105との接触面積を大きくする必要があり、インターポーザ111を小さくすることは難しい。
【0008】
また、センサ用半導体装置110の製造では、インターポーザ111より小さな半導体素子101をインターポーザ111上に接着して樹脂封止する。このため、個々の半導体素子101をインターポーザ111上に接着しなければならず、ウエーハレベルでパッケージを行った後に個々のセンサ用半導体装置に分割するいわゆるウエーハレベルパッケージを実現することができない。このため、製造コストが高くなる。
【特許文献1】特開2004−319678号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ウエーハレベルパッケージにより製造することができるセンサ用半導体装置が本発明の発明者により考案され、未公開の特許出願(出願番号:特願2005−093001号)に開示されている。
【0010】
図22は従来の改良されたセンサ用半導体装置の断面図であり、上記ウエーハレベルパッケージにより製造することができるセンサ用半導体装置の構造を表している。
【0011】
図22を参照して、この改良されたセンサ用半導体装置120は、インターポーザを使用せずに半導体基板1を樹脂封止する。詳細に説明すると、上面にセンサ面1aを有するセンサ回路が形成され、下面に絶縁層1cが形成された半導体基板1が、第1及び第2封止樹脂6、7を用いて樹脂封止されている。第1封止樹脂6は半導体基板1の上面を被覆し、第2封止樹脂7は半導体基板1の下面を被覆する。なお、第1封止樹脂6には、センサ面1aを表出する開口部6aが開設されている。
【0012】
半導体基板1の上面には、センサ回路の電極1bが形成されており、下面には絶縁層1cを介して再配線技術により形成された配線3が形成されている。そして、半導体基板1を貫通する接続配線2により、電極1bと配線3とが接続される。また、配線3上には第2封止樹脂7を貫通して表面から突出する外部端子4が設けられている。この外部端子4の先端に、はんだボール5が形成されている。
【0013】
このセンサ用半導体装置120は、半導体ウエーハ上に複数のセンサ回路を形成し、接続配線2、配線3及び外部端子4を形成した後、ウエーハ上面に第1封止樹脂6を、ウエーハ下面に第2封止樹脂7を圧縮成形法により形成し、その後、ウエーハを個々のセンサ用半導体装置へ分割することで製造することができる。即ち、ウエーハレベルパッケージにより製造することができるので製造コストが安く、かつインターポーザを使用しないので半導体基板1と同じ面積のセンサ用半導体装置を製造することができる。また、環境汚染に対しても上述した従来のセンサ用半導体装置110と同等の耐性を有する。
【0014】
しかし、改良されたセンサ用半導体装置120は、インターポーザを使用しないためセンサ面の押圧により湾曲するという問題がある。
【0015】
図23は従来のセンサ用半導体装置の実装時の断面図であり、上述した改良されたセンサ用半導体装置120を電子機器に実装した構造を表している。
【0016】
図23を参照して、センサ用半導体装置120は、電子機器内部に取り付けられたマザーボード116上に形成された配線116aに、はんだボール105により固定され搭載される。そして、電子機器の筐体115に、第1封止樹脂6の上面を当接させて固定される。このとき、筐体115に開設された開口115aにセンサ面1aが表出するように位置合わせされる。
【0017】
この実装では、半導体基板1は、その両端に設けられた外部端子4及びはんだボール5によりマザーボード116上に支持される。その結果、センサ面1aが押圧されると半導体基板1及び第2封止樹脂7に曲げ応力が発生し、半導体基板1が湾曲してしまう。この半導体基板1の湾曲は、センサ面1aの湾曲を引き起し被識別物の認識を困難にする。例えば、指紋の認識が困難になる。さらに、半導体基板1の湾曲は、半導体基板1の端面からのクラックを誘起することがあり、この端面から発生したクラックがセンサ回路に達して回路を破壊するおそれもある。このため、センサ用半導体装置120の信頼性が低下する。
【0018】
半導体基板1は通常数十μm〜300μm程度の厚さであり、かかる曲げ応力による湾曲を抑止する効果は小さく、湾曲の抑制は殆ど第2封止樹脂7に依存している。しかし、センサ用半導体装置120の厚さは機器設計上の観点から制限されるため、第2封止樹脂7を厚くして曲げ剛性を大きくすることは難しい。一方、この改良されたセンサ用半導体装置120では、インターポーザによる湾曲の抑止がないため、センサ面1aの押圧荷重に対して十分な曲げ剛性を有することが難しい。
【0019】
上述したように、インターポーザ111を用いた従来のセンサ用半導体装置110は、半導体素子101に比べて平面積が大きくなるという問題がある。また、ウエーハレベルパッケージができないという問題がある。
【0020】
また、インタポーザを用いず、半導体基板1の上下を第1及び第2封止樹脂で封止する上述した改良されたセンサ用半導体装置120は、センサ面1aの押圧により半導体基板1が容易に湾曲し、被識別物の誤認あるいは半導体基板1端面からのクラックの発生を引き起こすという問題がある。
【0021】
本発明は、インターポーザを用いず半導体基板の上下を樹脂封止することでウエーハレベルパッケージが可能なセンサ用半導体装置において、センサ面の押圧による半導体基板の湾曲が小さなセンサ用半導体装置及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0022】
また、本発明の他の構成では、かかるウエーハレベルパッケージが可能なセンサ用半導体装置において、半導体基板の湾曲により半導体基板の端面から発生するクラックが半導体基板の内側領域へ伝搬しにくいセンサ用半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記課題を解決するために、本発明の第1構成は、一方の主面に被識別物が接触するセンサ面を有するセンサ回路が形成され、他方の主面に配線が形成された半導体基板と、前記センサ面を表出する開口部を有し、前記開口部を除く前記一方の主面上全面に設けられた第1封止樹脂と、前記他方の主面上全面に設けられた第2封止樹脂と、前記半導体基板を貫通して前記センサ回路と前記配線とを接続する接続配線と、一端が前記配線に接続し、前記第2封止樹脂を貫通して他端が前記第2封止樹脂から突出する外部端子とを有する半導体装置において、
前記半導体基板の前記他方の主面に窪みが形成され、前記第2封止樹脂は前記窪みを埋めて設けられていることを特徴とする半導体装置として構成する。
【0024】
即ち、本発明の第1構成に係る半導体装置は、既に図23図を参照して説明した従来の改良されたセンサ用半導体装置の半導体基板の他方の主面(以下「下面」という。)に窪みを設け、この窪みを第2封止樹脂で埋め込む。
【0025】
この構成では、半導体基板に設けられた窪みに、半導体基板より剛性が高い第2封止樹脂が充填されているから、その分、半導体基板と第2封止樹脂を合わせた曲げ剛性が大きくなる。従って、センサ面の押圧による半導体基板の湾曲が小さい。他に、半導体基板と第2封止樹脂とが溝により噛合い、半導体基板と第2封止樹脂との接着強度が大きいという利点もある。
【0026】
また、従来の改良されたセンサ用半導体装置では、半導体基板の平坦な下面に熱膨張率の異なる板状の第2封止樹脂が積層されており,温度変化によりバイメタルの原理で半導体基板が湾曲してしまう。本発明の第1構成では、半導体基板と第2封止樹脂との間に、溝が形成された半導体基板とその溝を埋める第2封止樹脂とが混在する層が存在する。この混在する層は、半導体基板と第2封止樹脂との中間の熱膨張率を有するため、半導体基板から第2封止樹脂に至る間の熱膨張率の変化が緩和され(緩くなる。)、バイメタル効果が小さくなるので温度変化による半導体基板の湾曲が抑制される。
【0027】
上述の第1構成において、窪みは、第2封止樹脂の量を多くして曲げ剛性を大きくする観点から、大きな面積でかつ深く形成することが望ましい。他方、半導体基板の強度は窪みを大きく深くすることで低下する。従って、これらを勘案して、面積と深さを最適に選択することが好ましい。
【0028】
上述した本発明の第1構成に係る半導体装置は、ウエーハレベルパッケージにより以下の手順で製造することができる。
【0029】
まず、半導体ウエーハの一方の主面に複数のセンサ回路と、一端がセンサ回路に接続し半導体ウエーハを貫通する接続配線を形成する工程と、次いで、半導体ウエーハの他方の主面に接続配線と接続する配線と、配線上に突出する外部端子を形成する。ここまでは、従来の改良されたセンサ用半導体装置の製造方法と同じである。
【0030】
次ぎに、半導体ウエーハの他方の主面に窪みを形成する。
【0031】
その後、半導体ウエーハの一方の主面を被覆する第1封止樹脂及び窪みを埋め込み他方の主面を被覆する第2封止樹脂を例えは圧縮成形により形成する。次いで、半導体ウエーハを個々のセンサ用半導体装置に分割して、半導体装置が製造される。
【0032】
この製造方法によれば、半導体ウエーハの分割をウエーハ工程の最終工程で行なう、いわゆるウエーハレベルパッケージにより、本発明の第1構成に係る半導体装置を製造することができる。
【0033】
本発明の第2構成は,一方の主面に被識別物が接触するセンサ面を有するセンサ回路が形成され、他方の主面に配線が形成された半導体基板と、前記センサ面を表出する開口部を有し、前記開口部を除く前記一方の主面上全面に設けられた第1封止樹脂と、前記他方の主面上全面に設けられた第2封止樹脂と、前記半導体基板を貫通して前記センサ回路と前記配線とを接続する接続配線と、一端が前記配線に接続し、前記第2封止樹脂を貫通して他端が前記第2封止樹脂から突出する外部端子とを有する半導体装置において、
前記第2封止樹脂の前記半導体基板から遠い側の面に、補強板を設けたことを特徴とするセンサ用半導体装置として構成する。
【0034】
即ち、本第2構成に係るセンサ用半導体装置は、図22を参照して説明した既述の改良された従来のセンサ用半導体装置の第2封止樹脂の下面に、弾性体の補強板が配置されている。
【0035】
この構成では、センサ面の押圧により誘起される半導体基板及び第2封止樹脂の湾曲を、第2封止樹脂の下面に配置された補強板が抑制する。従って、半導体基板及び第2封止樹脂の湾曲が小さくなる。
【0036】
上述した第2構成に係るセンサ用半導体装置は、半導体ウエーハの一方の主面に複数の前記センサ回路を形成する工程と、一端が前記センサ回路に接続し前記半導体ウエーハを貫通する前記接続配線を形成する工程と、前記半導体ウエーハの他方の主面に前記接続配線と接続する前記配線を形成する工程と、前記配線上に突出して前記外部端子を形成する工程と、
金型のキャビティに弾性体からなる複数の前記補強板及び前記半導体ウエーハを順次挿入する工程と、圧縮成形により、前記半導体ウエーハの前記一方の主面を被覆する第1封止樹脂及び前記他方の主面を被覆する第2封止樹脂を形成するとともに、前記第2封止樹脂の前記半導体ウエーハから遠い側の面に前記補強板を埋め込む工程と、
前記半導体ウエーハを分割して個々の半導体装置を形成する工程とを有する半導体装置の製造方法により製造することができる。
【0037】
このセンサ用半導体装置の製造方法では、センサ回路及び外部端子が形成された半導体ウエーハを圧縮成形により樹脂封止する際、金型のキャビテイ底面に、予め各センサ回路に対応する補強板を挿入しておく。これにより、ウエーハの下面を封止する第2封止樹脂の下面(即ち金型のキャビテイ底面に接する面)に、補強板が埋め込まれて取り付けられる。
【0038】
その後、ウエーハを各センサ回路ごとに分割することで、第2構成に係る半導体装置が製造される。
【0039】
この半導体装置の製造方法では、ウエーハレベルパッケージにより補強板を有する第2構成に係る半導体装置を製造することができる。
【0040】
本発明の第3構成は、上述した第1及び第2構成にかかる半導体装置、或いは既述した従来の改良されたセンサ用半導体装置において、半導体基板の外周に沿って形成された枠状の溝を,半導体基板の一方の主面及び他方の主面上に設けたことを特徴として構成する。
【0041】
この構成では、外周に沿って半導体基板の上下面に枠状の溝が設けられているので、半導体基板の外周側面から発生した半導体基板のクラックの伝搬は枠状の溝で阻止される。このため、センサ面への押圧により半導体基板が湾曲し、この湾曲により半導体基板の側面にクラックが発生しても、センサ回路が形成された半導体基板の内部へクラックが伝搬してセンサ回路が損傷することを抑止することができる。従って、この半導体装置は、曲げに対する信頼性が高い。
【発明の効果】
【0042】
第1又は第2構成に係る本発明によれば、半導体基板よりも封止樹脂の方を厚くして、センサ用半導体装置の曲げ剛性を大きくするので、センサ面への押圧に基づく半導体基板の湾曲を小さくすることができる。このため、被識別物を平坦なセンサ面で識別することができるので、高い識別精度を実現することができる。
【0043】
また、第3構成に係る本発明によれば、半導体基板の湾曲に基づき発生するクラックがセンサ回路に伝播することを抑止することができるので、信頼性の高いセンサ用半導体装置を実現することがてきる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
本発明の第1実施形態は、半導体基板の下面(他の主面)に溝が形成されているセンサ用半導体装置、とくに指紋センサとして用いられるセンサ用半導体装置に関する。
【0045】
図1は本発明の第1実施形態のセンサ用半導体装置断面図である。図2は本発明の第1実施形態のセンサ用半導体装置平面図であり、図1に示すセンサ用半導体装置の半導体基板の下面を下方から見たときの溝の平面形状を表している。なお、本明細書では、半導体基板1のセンサ面が形成される面(一方の主面)を上面、その反対側の面(他の主面)を下面としている。
【0046】
図1及び図2を参照して、本発明の第1実施形態のセンサ用半導体装置100は、上面に指紋を画像として取得するセンサ回路が形成された半導体基板1と、その上下面をそれぞれ樹脂封止する第1及び第2封止樹脂6、7とを有する。なお、半導体基板1は、下面に絶縁層1cを有する。
【0047】
半導体基板1は、例えば幅1.5cm、長さ3cm、厚さ300μmの矩形のシリコン板とその下面に設けられた絶縁層1cからなり、その上面中央部にセンサ面1aを有するセンサ回路が形成されている。センサ回路は、通常使用されている静電容量型の指紋センサであり、センサ面1a直下に形成されてセンサ面1aに置かれた指の指紋を取り込む。なお、絶縁層1cは、次ぎに説明する溝8c及び半導体基板1の周縁部分には形成されていない。
【0048】
半導体基板1の下面(図1の下面)には、窪み8を構成する溝8aが形成されている。この溝8aは、互いに直交する2組の平行な溝8aからなり、この2組の溝8aはそれぞれ半導体基板1の直交する2辺に平行している。溝8の深さは50μm〜200μm、幅は20μm〜50μm、ピッチ(隣接する2つの溝8の中心線間距離)は幅の2倍とした。なお、溝8は、外部端子4が配置される半導体基板1の4隅を除き形成されている。
【0049】
半導体基板1の上面に設けられた第1封止樹脂6は、センサ面1aを表出する開口部6aを有し、センサ面1aを除く半導体基板1上面全面を樹脂封止する。半導体基板1の下面に設けられた第2封止樹脂7は、溝8aを埋め込み、半導体基板1の下面全面(後述の外部端子4形成部分を除く)を樹脂封止する。第1封止樹脂6の厚さは50μm〜100μm、第2封止樹脂の厚さは30μm〜150μmとした。
【0050】
半導体基板1には、さらに半導体基板1を貫通する接続配線2が設けられる。また、半導体基板1の上面にセンサ回路の入出力用の電極1bが形成され、下面に配線3が形成されている。接続配線2は、電極1bと配線3とを電気的に接続している。
【0051】
半導体基板1の下面には、配線3上に、第2封止樹脂7を貫通する柱状電極からなる外部端子4が設けられている。外部端子4の先端(下端)面にはNi又はAuからなる保護層金属4aが設けられる。この外部端子4は、先端が第2封止樹脂7の下面から突出するように形成されており、その先端にははんだボール5が設けられている。従って、センサ回路の入出力は、電極1b、接続配線2、配線3、外部端子4、はんだボール5の経路で外部の回路へ接続される。
【0052】
本第1実施形態のセンサ用半導体装置100は、溝8aを埋め込む第2封止樹脂7の分だけ曲げ剛性が増加するので、センサ面1aの押圧による半導体基板1の湾曲が小さい。また、溝8aの深さに相当する層の平均熱膨張率がその上下の半導体基板1及び第2封止樹脂7の中間値になるので、熱膨張率の分布の急激な変化が緩和され温度変化に起因するセンサ用半導体装置100の湾曲(即ち、半導体基板1の湾曲)が小さくなる。
【0053】
本第1実施形態において、直交する2組の溝8aの幅、深さ及びピッチが各組で異なってもよい。これにより、とくに湾曲が大きくなりやすい半導体基板1の長辺方向の曲げ剛性を大きくすることができる。
【0054】
以下、上述した第1実施形態のセンサ用半導体装置100の製造方法を説明する。
【0055】
図3は本発明の第1実施形態のセンサ用半導体装置の製造工程断面図であり、ウエーハレベルパッケージによる製造工程を表している。
【0056】
まず、図3(a)を参照して、シリコンウエーハ11の上面11aに、上面をセンサ面1aとするセンサ回路及びセンサ回路の入出力電極1bを、縦横に行列状に配置して形成する。また、ウエーハ11下面に、絶縁膜11cを形成する。次いで、センサー回路の電極1bの近傍にウエーハ11及び絶縁層1cを貫通するスルーホールを2aを形成した。
【0057】
次いで、図3(b)を参照して、ウエーハ11下面11bの絶縁層1c上に、再配線技術を用いて配線3を形成した。さらに、配線3上に柱状電極からなる外部端子4を形成する。以下、この再配線技術を説明する。
【0058】
図4は本発明の第1実施形態の再配線形成工程断面図であり、再配線技術を用いてウエーハ11の下面11b上に配線3及び外部端子4を形成する工程を表している。なお、図4では、図3(a)〜(b)とは上下方向が逆に描かれている。
【0059】
図4(a)を参照して、ウエーハの上面には、センサ回路に接続する電極1b及びウエーハ上面を覆うPSG層11e/窒化膜11dの2層からなるカバー膜11fが形成され、下面(11a)にはPSG層11e/窒化膜11dの2層からなる絶縁層11cが形成されている。
【0060】
ついで、カバー膜11f、ウエーハ11及び絶縁層11cを貫通するスルーホール2aを、電極16近くに形成する。次いで、電極16上の絶縁層11cに開口を開設したのち、この開口を埋めて絶縁層11c上に延在しスルーホール2aを埋め込む接続配線2を電気めっきにより形成した。
【0061】
次いで、図4(b)を参照して、ウエーハ下面11bのカバー膜11f上、及びスルーホール2aの表出面上に、スパッタにより密着金属層12a及び下地金属層12bを順次堆積した。
【0062】
次いで、図4(c)を参照して、配線3を画定する開口12dを有するレジスト12cを形成し、下地金属層12bを電極とするめっきにより開口12dのパターン形状を有する配線3を形成した。その後、レジスト12cを除去する。
【0063】
次いで、図4(d)を参照して、配線3及びその外側に表出する下地金属層12b上に、外部端子4を画定する開口13aを有するレジストを形成し、めっきにより開口13aを埋める外部端子4を形成する。さらに、必要ならば、外部端子4の先端に、電気めっき又は無電解めっきを用いてNi又はAu等からなるはんだ拡散を阻止する保護金属層4aを形成してもよい。その後、レジスト13を除去して、図4(e)を参照して、配線3上に設けられた柱状の外部電極4が形成される。
【0064】
再び図3に戻り、図3(c)を参照して、ウエーハ11の下面11bをダイシングブレードを用いて切削し、溝8aを形成する。なお、溝8aを他の方法、例えばレーザアブレーション法により形成してもよい。この方法では、溝8aを任意の平面形状に形成することができる。
【0065】
次いで、図3(d)を参照して、圧縮成形法により、ウエーハ11の上面を第1封止樹脂で、下面を第2封止樹脂で樹脂封止する。この、工程を以下に詳細に説明する。
【0066】
図5及び図6はそれぞれ本発明の第1実施形態の圧縮成形工程断面図(その1)及び(その2)であり、ウエーハレベルパッケージでの樹脂封止工程を表している。図7は本発明の第1実施形態の圧縮成形を説明する図であり、第2封止樹脂から先端が突出するように外部端子が樹脂封止される様子を表している。
【0067】
図5(a)を参照して、初めの圧縮成形で用いられる金型は、下面が平坦な上型21と、ウエーハ11より少し大きな下型底部22aおよび下型底部22aを嵌合して滑入する下型側部22bからなる下型22とを具える。この下型22は、下型底部22aを下方に移動することで、その上方に下型側部22bで側面が囲まれたキャビティ22cを形成する。 まず、下型22の上面に、センサ面1aが形成されたウエーハ11上面11a(図5中では下方を向く面)を保護するための弾性体からなる下型シート23bを載置する。次いで、下型シート23b上、キャビティ22c内に、ウエーハ11を外部端子4を上向きに挿入する。次いで、キャビティ22c上に樹脂24を投入し、その上を弾性体からなる上型シート23aを介して上型21を配置する。
【0068】
次いで、図5(b)を参照して、上型21を下側側部22b上面に押圧し、下型底部22aを押し上げてウエーハ11下面11bを樹脂24で封止する。この過程を図7を参照して説明する。
【0069】
図7は本発明の第1実施形態の圧縮形成工程を説明する図であり、図5(b)の樹脂封止工程における外部端子4及びウエーハ11の下面11bの断面を表している。
【0070】
図7(a)を参照して、ウエーハ11は上面11a(センサ面1aが形成された面)を下向きに下型シート23bを介して下型底部22a上に置かれる。ウエーハ11の下面11b(外部端子4及び溝8aが形成された面)は、弾性体の上型シート23aを介して上型21により押圧される。なお、ウエーハ11下面11bと上型シート23a間に樹脂24が投入されている。
【0071】
図7(b)を参照して、下型底部22aが上昇して圧縮成形が開始すると、樹脂24は、狭まったウエーハ11下面11bと上型シート23a間に広がり、溝8aを埋め込み、外部端子4の側面を埋めてウエーハ11下面11b全面を封止する第2封止樹脂7となる。
【0072】
このとき、外部端子4の先端は弾性体の上型シート23aにめり込むため、外部端子4の先端は樹脂24(第2封止樹脂7)に埋め込まれず、樹脂24から突出する。このように、圧縮成形により外部端子4が第2封止樹脂7から突出するように樹脂封止される。なお、ウエーハ11のセンサ面が形成された上面11aは、柔らかい下型シートにより保護されている。
【0073】
次いで、図5(c)を参照して、金型からウエーハ11を取り出す。そして、ウエーハ11の下面11b(外部端子4の形成面)を封止する樹脂24(第2封止樹脂7)の、ウエーハ11外周からはみ出る部分を研削する。次いで、ウエーハ11の上面11a(センサ面の形成面)を第1封止樹脂6で封止する工程に移行する。
【0074】
第1封止樹脂6による封止は、図6(a)を参照して、下型22上に弾性体の下型シート23bを置き、キャビティ22c内にウエーハ11を下面11bを下向きに挿入する。さらに、ウエーハ11の上方に樹脂25を投入し、その上を弾性体の上型シート23aを介して上型21を配置する。
【0075】
第1封止樹脂6による封止に使用する上型21は、その下面に複数の凸部21aが設けられている。この凸部21aは、ウエーハ11の上面11aに形成されたセンサ面1aの位置に対応しており、第1封止樹脂6に形成される開口部6aを画定する。
【0076】
次いで、図6(b)を参照して、上型21を下型側部22bへ押圧し、下型底部22aを上昇して圧縮成形する。樹脂25は、上型21の凸部21a間の隙間に流入し、ウエーハ11の上面11aを封止する第1封止樹脂6が形成される。これにより、ウエーハ11の上面11a及び下面11bが、ウエーハレベルプロセスにより樹脂封止される。
【0077】
次いで、金型をはずすと、図6(c)を参照して、上下面11a、11bをそれぞれ樹脂25(第1封止樹脂6)及び樹脂24(第2封止樹脂7)で封止した図3(d)に示すウエーハ11が形成される。
【0078】
上述した図5〜図6の圧縮成形工程は、ウエーハ11の下面11bを第2封止樹脂7で封止したのち、上面11aを第1封止樹脂6で封止する2工程の圧縮形成工程を必要とする。これを、第1及び第2封止樹脂6、7を同時に圧縮成形することができる。
【0079】
図8は本発明の第1実施形態の変形した圧縮形成の工程断面図であり、第1及び第2封止樹脂6、7を同時に圧縮成形する工程を表している。
【0080】
まず、図3(c)に示す下面11bに溝8a及び外部端子4が形成されたウエーハ11を、図8(a)を参照して、外部端子4を下に向けて、下型シート23bが敷かれた下型22のキャビテイ22c内に挿入する。このとき、下型シート23bとウエーハ11の間に樹脂24が挿入されている。次いで、ウエーハ11上に樹脂25を、その上に、下面に下型シート23aを敷いた上型21を配置する。なお、これらの下型22及び上型21は、図5及び図6を参照して説明した金型と同様のものであり、上型21の下面には開口部6aを画定する凸部21aが設けられている。
【0081】
次いで、図8(b)を参照して、上型21を下型側部22b上に押止し、下型底部22aを上昇する。このとき、ウエーハ11の上下に置かれた樹脂24、25は、それぞれウエーハ11の上面11a及び下面11bを被覆するように拡がり、図8(c)を参照して、樹脂25からなる第1封止樹脂6及び樹脂24からなる第2封止樹脂7が形成される。
【0082】
この変形した圧縮成形工程によれば、ウエーハ11の上下面11a、11bを樹脂封止する第1封止樹脂6及び第2封止樹脂7を、一度の圧縮成形により同時に形成することができるので、製造工程が短縮される。
【0083】
再び図3に戻り、図3(e)を参照して、第2封止樹脂7の下面から突出する外部端子4の先端に、はんだボール5を付着する。以上の工程を経て、図1に示すセンサ用半導体装置100がウエーハ11上に製造される。
【0084】
次いで、図3(f)を参照して、テストボード16上面に植設された検針16aをはんだボール5に接触させ、検針16aを介して信号の入出力及び電源電圧の入力を行なうことでセンサ用半導体装置100をウエーハレベルで試験する。
【0085】
次いで、図3(g)を参照して(図3(g)は上面11aが下向きに描かれている。)、ウエーハ11の上面11aをダイシングテープ17に貼付し、下面11bからダイシングテープ17に達するダイシング溝18を形成する。これにより、ウエーハ11は分割され、センサ用半導体装置100が製造される。
【0086】
以上、図3(a)〜(g)の工程を経て、センサ用半導体装置100がウエーハレベルパッケージを用いて製造される。
【0087】
本発明の第2実施形態は、第1実施形態のセンサ用半導体装置の溝8aに代えて、凹部が形成されているセンサ用半導体装置に関する。
【0088】
図9は本発明の第2実施形態のセンサ用半導体装置断面図である。また、図10は、本発明の第2実施形態のセンサ用半導体装置平面図であり、半導体基板1を下面(センサ面1aが形成されていない側の面)から見た図である。
【0089】
図9及び図10を参照して、本第2実施形態のセンサ用半導体装置101aは、半導体基板1の下面に、ほぼ十字形の平面形状を有する凹部8bが形成されており、第2封止樹脂7がその凹部8bを埋めて、外部端子4を除く半導体基板1下面全面を樹脂封止している。なお、この構造は、溝8aと凹部8bの相違を除き、第1実施形態のセンサ用半導体装置100と同一である。
【0090】
凹部8bは、半導体基板1の周縁及び外部端子4が形成されている4隅を除き、半導体基板1の下面の全面を占めている。凹部8bの深さは、第1実施形態のセンサ用半導体装置100の溝8aの深さと同じでよい。凹部8bをこのような形状にすることで、センサ用半導体装置100aの厚さが同じでも、第2樹脂の量を増加させセンサ用半導体装置100aの曲げ剛性を大きくすることができる。かかる凹部8bは、例えばレーザアブレーションにより形成することができる。もちろん、他の方法、例えばエッチングを用いてもよい。なお、半導体基板1の周縁を除くことで、半導体基板1の強度を大きくして圧縮形成の際の破損を抑止することができる。
【0091】
本発明の第3実施形態は、第1実施形態のセンサ用半導体装置の溝8aに代えて、底が閉じた多数の孔が形成されているセンサ用半導体装置に関する。
【0092】
図11は本発明の第2実施形態のセンサ用半導体装置断面図であり、図12中の線EFに沿う断面を表している。また、図12は、本発明の第2実施形態のセンサ用半導体装置平面図であり、半導体基板1を下面(センサ面1aが形成されていない側の面)から見た図である。
【0093】
第3実施形態のセンサ用半導体装置100bは、図11及び図12を参照して、半導体基板1の下面(センサ面1aとは反対側の面)に、多数の孔8cが設けられており、第2封止樹脂7がその孔8cを埋めて半導体基板1下面のほぼ全面を樹脂封止している。なお、この構造は、溝8aと孔8cの相違を除き、第1実施形態のセンサ用半導体装置100と同一である。
【0094】
孔8aは、第2実施形態のセンサ用半導体装置100aの凹部8bが形成された領域とほぼ同一領域の全面に形成されている。孔8cは、半導体基板1の下面から途中まで形成され、その底面(孔8cの先端)は閉じている。かかる孔8cは、ドリル等の機械による穿孔、レーザアブレーション或いはエッチングにより形成することができる。
【0095】
半導体基板1を、例えば幅1.5cm、長さ3.0cm、厚さ300μmとするとき、孔8cの深さを50μm〜200μm、直径を20μm〜50μmとし、最隣接間距離を直径の2倍とした。この実施形態では、容易に形成することができる孔8aを窪み8として利用するので、製造が容易である。
【0096】
本発明の第4実施形態は、半導体基板を封止する第2封止樹脂の下面に補強板を設けたセンサ用半導体装置に関する。
【0097】
図13は本発明の第4実施形態のセンサ用半導体装置断面図であり図14中のGF断面を表している。図14は本発明の第4実施形態のセンサ用半導体装置平面図であり、図13の下方から見たセンサ用半導体装置を表している。
【0098】
本発明の第4実施形態に係るセンサ用半導体装置200は、図13を参照して、第2封止樹脂7の下面に大きな弾性率を有する補強板9を備える。補強板9を除き、他は図22に示す従来の改良されたセンサ用半導体装置120と同様である。
【0099】
即ち、半導体基板1の上面をセンサ面1aとするセンサ回路が形成されている。そのセンサ回路の入出力は、電極1bに接続し、半導体基板1を貫通する接続配線2を介して半導体基板1の下面に設けられた配線及び外部端子4を通り、外部へ接続される。なお、外部機器との接続のために、外部端子4の先端にはんだボール5が設けられている。
【0100】
図13及び図14を参照して、補強板9は、第2実施形態のセンサ用半導体装置110aの凹部8bと同様の平面形状を有し、補強板9の厚さの半ばまで第2封止樹脂7中に埋め込まれている。このような平面形状とすることで補強板9の面積を広くして、曲げ剛性を大きくすることができる。
【0101】
補強板9は、弾性率が第2封止樹脂7より大きな材料、例えばCu若しくはAl等の金属又はセラミックスからなり、厚さは例えば50μm〜200μmとした。なお、半導体基板1は、幅1.5cm、長さ3.0cm、厚さ300μmであり、第1封止樹脂6及び第2封止樹脂7の厚さはそれぞれ50μm〜100μm及び30μm〜150μmである。
【0102】
上述した第4実施形態のセンサ用半導体装置200は、以下の工程により製造することができる。
【0103】
図15は本発明の第4実施形態の圧縮形成工程断面図である。図15(a)を参照して、下型22の上に弾性体からなる下型シート23bを置き、その上のキャビティ22c内に補強板9を載置する。なお、本第4実施形態で使用する金型は、上型21、下型22とも図8を参照して説明した第1実施形態の変形した圧縮成形工程で使用された金型の上型21、下型22と同様であり、圧縮形成工程も補強板9を除き同様である。
【0104】
次いで、ウエーハ11を準備する。このウエーハ11は、第1実施形態のセンサ用半導体装置100の製造工程における図3(b)に示す工程を終了したもので、上面11aにセンサ面1aを有する複数のセンサ回路が形成され、下面11bに接続配線2を介してセンサ回路に接続する外部端子4が形成されている。
【0105】
次いで、樹脂24、外部端子4を下にしたウエーハ11、樹脂25をキャビティ内に順次配置し、さらに、弾性体からなる上型シート23a、上型21を順次配置する。
【0106】
次いで、図15(b)を参照して、圧縮形成により、ウエーハ11の上面11aを樹脂25(第1封止樹脂6となる)により封止し、下面11bを樹脂24(第2封止樹脂7となる)により封止する。
【0107】
その結果、図15(c)を参照して、ウエーハ11の下面11bを樹脂封止する第2封止樹脂7の下面に、補強板9が密着したウエーハ11が形成される。この補強板9は、図15(b)を参照して、外部端子4の先端と同じく、弾性体の下型シート23b上に置かれているため、圧縮形成の際は下部が下型シート23b上にめり込み下部は樹脂24に埋め込まれない。従って、補強板9は、その上部のみが樹脂24、即ち第2封止樹脂7の下面に埋め込まれ、下部は第2封止樹脂7の外に表出する。
【0108】
次いで、ダイシングライン18aに沿ってウエーハ11を分割し、図15(d)を参照して、個々のセンサ用半導体装置200が製造される。このように、本第4実施形態のセンサ用半導体装置200は、ウエーハレベルパッケージにより製造することができる。
【0109】
キャビティ22c内に載置する補強板9を、予めシート状にしておくことで、第4実施形態のセンサ用半導体装置200をより簡単な工程で製造することができる。
【0110】
図16は本発明の第4実施形態の変形した圧縮形成工程の説明図であり、補強板がシート状に形成された補強シートを用いた工程を表している。なお、図16(a)は補強シート30の平面図、図16(b)〜(d)は工程断面図を表している。また、図16(a)では補強板9をハッチングにより表している。
【0111】
図16(a)を参照して、本変形した圧縮形成工程では、補強板9がウエーハ11の外形と同形のプレート枠30に細い連結部30bにより結合されてシート状に保持される補強シート30が用いられる。補強板9は、ダイシングライン18aにより画定される半導体基板1に対応する行列状に配置され、相互に連結部30bにより連結されている。連結部30bはダイシングで支障を生じないように、細くされる。かかる補強シート30は、例えば金属板の打ち抜き加工、エッチング加工により、あるいはセラミックスの成形、セラミックス板のレーザ加工等により製造することができる。
【0112】
図16(b)を参照して、下型シート23を被せた下型22のキャビティ22c内に、補強シート30を挿入し、その上に、樹脂24、ウエーハ11、樹脂25、上型シート23a、上型21をこの順に配置する。これらは、図15(a)に示す配置の補強板9を補強シート30に代えた以外は、図15(a)と配置、金型を含め同一である。次いで、圧縮成形により、ウエーハ11を樹脂封止する。
【0113】
図16(c)を参照して、圧縮成形によりウエーハ11の上下面がそれぞれ第1封止樹脂6及び第2封止樹脂7により樹脂封止され、その第2封止樹脂7の下面に補強シート30が埋め込まれる。なお、補強シート30は、各センサ面1aの直下に補強板9が位置し、連結部30bがダイシングライン18に位置するように配置される。
【0114】
次いで、外部端子4の先端にはんだボール5を形成した後、ウエーハ11をダイシングライン18に沿って分割し、図16(d)を参照して、個々のセンサ用半導体装置200aが製造される。
【0115】
このセンサ用半導体装置200aは、補強板9に連結部30の一部(ダイシングされた残りの部分)が付加する他は、先に説明した第4実施形態のセンサ用半導体装置200と同様である。
【0116】
本変形した圧縮形成工程によれば、第2封止樹脂7の下面に補強板を有するセンサ用半導体装置200aを、個々の補強板を所定位置に配置することなく、単に一枚の補強シート30を配置することで形成することができるから、製造工程が簡便である。
【0117】
本発明の第5実施形態は、上述した第4実施形態に係るセンサ用半導体装置200、200aの補強板9を、一部の外部端子4に熱的又は電気的に接続したセンサ用半導体装置200bに関する。
【0118】
図17は本発明の第5実施形態のセンサ用半導体装置断面図である。図17を参照して、第5実施形態では、センサ回路の入出力用電極1bへ接続する外部端子4とは別に、半導体基板1の下面の例えば中央付近に、外部端子4と同様にして形成された端子31が設けられている。この外部端子5は、センサ回路又は外部から所定の電位、例えば接地電位が与えられる。なお、端子31にはセンサ用半導体装置200bの内部から所定電位が供給されるため、端子31の先端にはんだボールが形成されていない。外部から直接に所定電位を供給するために、端子31の先端にもはんだボールを設けることもできる。
【0119】
補強板9は、導電性材料、例えばCu若しくはAl又はこれらの合金からなる金属板からなり、第2封止樹脂7の下面に上部を埋設されて取り付けられる。この補強フレート9には、端子31を貫通するための開口が設けられており、この開口を貫通した端子31は、導電性接着剤32を用いて補強板9に電気的に接続されている。
【0120】
本第5実施形態に係るセンサ用半導体装置200bは、これら端子31及び補強板を除き、他の構造は第4実施形態のセンサ用半導体装置200、200aと同様である。
【0121】
本実施形態では、補強板9が導電性材料から構成され、接地電位に保持されるから、補強板9による電界遮蔽効果が大きくノイズの少ないセンサ用半導体装置200bとなる。また、Cu又はAlからなる補強板9は熱伝導が大きいから、半導体基板1の熱を端子31を介して補強板9から放熱することができ、信頼性の高いセンサ用半導体装置200bとなる。
【0122】
上述した第5実施形態のセンサ用半導体装置200bにおいて、端子31及び補強板9を絶縁性の良熱伝導材料、例えばセラミックスで形成することもできる。このとき、導電性接着剤32に代えて、熱伝導率の大きな接着剤を用いる。この構成により、半導体基板1からの放熱を大きくすることができるので、センサ用半導体装置200bの信頼性が向上する。
【0123】
本発明の第6実施形態は、半導体基板の周縁に枠状の溝を有するセンサ用半導体装置に関する。図18は本発明の第6実施形態のセンサ用半導体装置断面図である。なお、図18(a)はセンサ用半導体装置の断面を、図18(b)はセンサ用半導体装置の端面近傍の部部拡大断面を表している。
【0124】
第6実施形態に係るセンサ用半導体装置300は、図18(a)を参照して、センサ用半導体装置300の端面42近くの半導体基板1の上面及び下面に、それぞれ枠状の溝41a及び枠状の溝41bが設けられている。これらの枠状の溝41a、41bは、半導体基板1の2つの主面に形成された溝からなり、半導体基板1に形成された内部回路(例えばセンサ回路)を囲み、半導体基板1の周辺に沿って設けられる。なお、半導体基板1の上下面のいずれか一方に、枠状の溝41a又は枠状の溝41bを設けることもできる。
【0125】
第6実施形態に係るセンサ用半導体装置300は、上述した枠状の溝41a、41bが半導体基板1に設けられている以外は、図22に示す従来の改良されたセンサ用半導体装置120と同様である。
【0126】
図18(b)を参照して、本第6実施形態に係るセンサ用半導体装置300では、センサ面1aが押圧されて湾曲し、センサ用半導体装置300の端面42に表出する半導体基板1の端面に応力が集中してここからクラックが発生しても、クラックはその先端が枠状の溝41に達すると進行が阻止され、枠状の溝41を超えて半導体基板1の内部(内部回路の形成領域を含む中央部分)へ侵入することができない。このため、センサ面1aの押圧に対して信頼性の高いセンサ用半導体装置300となる。
【0127】
かかるセンサ用半導体装置300は、以下の工程により製造することができる。
【0128】
図19は本発明の第6実施形態のセンサ用半導体装置の製造工程断面図であり、ウエーハのダンシングライン近傍の断面を表している。
【0129】
第6実施形態に係るセンサ用半導体装置300の製造では、まず、第1実施形態で説明した図3(b)の工程を経て形成されたウエーハ11を準備する。
【0130】
次いで、図19(a)を参照して、半導体基板1を画定するダイシングライン18aの両側にダイシングライン18aに沿って枠状の溝41a、41bを形成する。この枠状の溝41a、41bは、ダイシングソーのブレード19の走査により形成することができる。また、枠状の溝41a、41bは、ウエーハ11の上面11a及び下面11bからそれぞれ対向する位置に設けられる。
【0131】
図20は本発明の第6実施形態のウエーハの平面図であり、ウエーハに形成された枠状の溝の平面形状を表している。図20を参照して、ウエーハには、ダイシングライン18aにより画定されるセンサ用半導体装置300が縦横に配置されている。枠状の溝41は、ダイシングライン18aの両側に平行に形成される。その結果、枠状の溝41は、センサ用半導体装置300の周縁を縁取る矩形状の平面形状を呈する。
【0132】
なお、ダイシングソーに代えて、レーザアブレーション又はエッチングを用いて枠状の溝41を形成してもよい。
【0133】
次いで、図19(b)を参照して、ウエーハ11の上面11aを封止する第1封止樹脂6及び下面11bを封止する第2封止樹脂7を圧縮成形により形成する。この圧縮成形は、図5〜6又は図8と同様の工程によることができる。この結果、枠状の溝41a、41bは第1及び第2封止樹脂6、7により埋め込まれる。
【0134】
次いで、図19(c)を参照して、第1及び第2封止樹脂6、7で封止されたウエーハ11をダイシングライン18aからダイシングソーのブレートで切断する。このとき、ダイシング溝18の両側に、それぞれ1個の枠状の溝41a及び1個の枠状の溝41bが存在する。この結果、図19(d)を参照して、半導体基板1(切断されたウエーハ11)の上下面に、端面42に沿って枠状の溝41a、41bが設けられたセンサ用半導体装置300が製造される。
【0135】
このように、第6実施形態に係るセンサ用半導体装置300は、ウエーハレベルパッケージにより製造することができる。
【0136】
上述した第6実施形態において、外部端子4の先端にはんだボールを設けることもできる。かかるセンサ用半導体装置は、図19(b)に示す樹脂封止の工程を終了した後、第2封止樹脂から突出する外部端子4の先端にはんだボールを設け、その後、ウエーハ11を分割することで製造することができる。
【0137】
上述した本明細書には、以下の付記記載の発明が開示されている。
(付記1)一方の主面にセンサ面を有するセンサ回路が形成され、他方の主面に配線が形成された半導体基板と、
前記センサ面を表出する開口部を有し、前記開口部を除く前記一方の主面上全面に設けられた第1封止樹脂と、
前記他方の主面上全面に設けられた第2封止樹脂と、
前記半導体基板を貫通して前記センサ回路と前記配線とを接続する接続配線と、
一端が前記配線に接続し、前記第2封止樹脂を貫通して他端が前記第2封止樹脂から突出する外部端子とを有する半導体装置において、
前記半導体基板の前記他方の主面に窪みが形成され、前記窪みには前記第2封止樹脂が埋め込まれていることを特徴とする半導体装置。
(付記2)前記窪みは、複数の溝からなることを特徴とする付記1記載のセンサ用半導体装置。
(付記3)前記窪みは、前記半導体基板の周縁部及び前記配線の形成領域を除く前記他方の主面のほぼ全面に形成された凹部からなることを特徴とする付記1記載のセンサ用半導体装置。
(付記4)前記窪みは、先端が閉じた複数の孔からなることを特徴とする付記1記載のセンサ用半導体装置。
(付記5)一方の主面にセンサ面を有するセンサ回路が形成され、他方の主面に配線が形成された半導体基板と、
前記センサ面を表出する開口部を有し、前記開口部を除く前記一方の主面上全面に設けられた第1封止樹脂と、
前記他方の主面上全面に設けられた第2封止樹脂と、
前記半導体基板を貫通して前記センサ回路と前記配線とを接続する接続配線と、
一端が前記配線に接続し、前記第2封止樹脂を貫通して他端が前記第2封止樹脂から突出する外部端子とを有するセンサ用半導体装置において、
前記第2の封止樹脂の前記半導体基板と対向する面とは反対の面に、補強板が設けられていることを特徴とするセンサ用半導体装置。
(付記6)前記補強板は、導電体又は熱伝導体からなり、前記第2封止樹脂を貫通して一旦が前記半導体基板の前記他方の主面に接続された端子に接続されることを特徴とする付記5記載のセンサ用半導体装置。
(付記7)一方の主面にセンサ面を有するセンサ回路が形成され、他方の主面に配線が形成された半導体基板と、
前記センサ面を表出する開口部を有し、前記開口部を除く前記一方の主面上全面に設けられた第1封止樹脂と、
前記他方の主面上全面に設けられた第2封止樹脂と、
前記半導体基板を貫通して前記センサ回路と前記配線とを接続する接続配線と、
一端が前記配線に接続し、前記第2封止樹脂を貫通して他端が前記第2封止樹脂から突出する外部端子とを有する半導体装置において、
前記半導体基板の前記一方の主面及び他方の主面には外周に沿って枠状の溝が形成されていることを特徴とする半導体装置。
(付記8)前記枠状の溝は、前記半導体基板の端面より同一の距離に設けられることを特徴とする付記7記載の半導体装置。
(付記9)半導体ウエーハの一方の主面に複数のセンサ回路を形成する工程と、
一端が前記センサ回路に接続し前記半導体ウエーハを貫通する接続配線を形成する工程と、
前記半導体ウエーハの他方の主面に前記接続配線に接続する配線を形成する工程と、
前記配線上に外部端子を形成する工程と、
前記半導体ウエーハの前記他方の主面に窪みを形成する工程と、
前記半導体ウエーハの前記一方の主面を被覆する第1封止樹脂を形成する工程と、
前記半導体ウエーハの前記窪みを埋め込み前記他方の主面を被覆する第2封止樹脂を形成する工程と、
前記第1封止樹脂、前記第2封止樹脂及び前記半導体ウエーハを一括して切断する工程とを有することを特徴とする付記1記載の半導体装置の製造方法。
(付記10)前記窪みはダイシングソーを用いて形成することを特徴とする付記9記載のセンサ用半導体装置の製造方法。
(付記11)前記窪みはレーザアブレーション法により形成することを特徴とする付記9記載の半導体装置の製造方法。
(付記12)半導体ウエーハの一方の主面に複数のセンサ回路を形成する工程と、
一端が前記センサ回路に接続し前記半導体ウエーハを貫通する接続配線を形成する工程と、
前記半導体ウエーハの他方の主面に前記接続配線に接続する配線を形成する工程と、
前記配線上に外部端子を形成する工程と、
前記半導体ウエーハの前記一方の主面を被覆する第1封止樹脂を形成する工程と、
前記半導体ウエーハの前記窪みを埋め込み前記他方の主面を被覆する第2封止樹脂を形成する工程と、
前記第2封止樹脂を形成するのと同時に前記第2の封止樹脂の表面に補強板を埋め込む工程と、
前記第1封止樹脂、前記第2封止樹脂及び前記半導体ウエーハを一括して切断する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。
【産業上の利用可能性】
【0138】
本発明は、押圧されるセンサ面を有するセンサ用半導体装置、例えば指紋センサ用半導体装置に適用することで、認識率及び信頼性が高い半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0139】
【図1】本発明の第1実施形態のセンサ用半導体装置断面図
【図2】本発明の第1実施形態のセンサ用半導体装置平面図
【図3】本発明の第1実施形態のセンサ用半導体装置の製造工程断面図
【図4】本発明の第1実施形態の再配線形成工程断面図
【図5】本発明の第1実施形態の圧縮成形工程断面図(その1)
【図6】本発明の第1実施形態の圧縮成形工程断面図(その2)
【図7】本発明の第1実施形態の圧縮成形を説明する図
【図8】本発明の第1実施形態の変形した圧縮成形の工程断面図
【図9】本発明の第2実施形態のセンサ用半導体装置断面図
【図10】本発明の第2実施形態のセンサ用半導体装置平面図
【図11】本発明の第3実施形態のセンサ用半導体装置断面図
【図12】本発明の第3実施形態のセンサ用半導体装置平面図
【図13】本発明の第4実施形態のセンサ用半導体装置断面図
【図14】本発明の第4実施形態のセンサ用半導体装置平面図
【図15】本発明の第4実施形態の圧縮成形工程断面図
【図16】本発明の第4実施形態の変形した圧縮成形工程の説明図
【図17】本発明の第5実施形態のセンサ用半導体装置断面図
【図18】本発明の第6実施形態のセンサ用半導体装置断面図
【図19】本発明の第6実施形態のセンサ用半導体装置の製造工程断面図
【図20】本発明の第6実施形態のウエーハの平面図
【図21】従来のセンサ用半導体装置の断面図
【図22】従来の改良されたセンサ用半導体装置の断面図
【図23】従来のセンサ用半導体装置の実装時の断面図
【符号の説明】
【0140】
1 半導体基板
1a、101a センサ面
1b、101b 電極
1c、11c 絶縁層
2 接続配線
2a スルーホール
3、111a 配線
4 外部端子
4a 保護金属
5、105 はんだボール
6 第1封止樹脂
6a、113a 開口部
7 第2封止樹脂
8 窪み
8a 溝
8b 凹部
8c 孔
9 補強板
11 ウエーハ
11a 上面
11b 下面
11d SiN層
11e PSG層
11f カバー膜
12a 密着金属層
12b 下地金属層
12c、13 レジスト
12d、13a 開口
16 テストボード
16a 検針
17 ダイシングテープ
18 ダイシング溝
18a ダンシングライン
19 ブレード
21 上型
21a 凸部
22 下型
22a 下型底部
22b 下型側部
22c キャビティ
23a 上型シート
23b 下型シート
24、25 樹脂
30a 補強シート
30b 連結部
30c プレート枠
31 端子
32 導電性接着剤
41a、41b、41 枠状の溝
42 端面
43 クラック
100、100a、100b、110、120、200、200a、200b センサ用半導体装置
101 半導体素子
111 インターポーザ
113 封止樹脂
114、114a、114b 配線
115 筐体
115a 開口
116 マザーボード
116a 配線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の主面にセンサ面を有するセンサ回路が形成され、他方の主面に配線が形成された半導体基板と、
前記センサ面を表出する開口部を有し、前記開口部を除く前記一方の主面上全面に設けられた第1封止樹脂と、
前記他方の主面上全面に設けられた第2封止樹脂と、
前記半導体基板を貫通して前記センサ回路と前記配線とを接続する接続配線と、
一端が前記配線に接続し、前記第2封止樹脂を貫通して他端が前記第2封止樹脂から突出する外部端子とを有する半導体装置において、
前記半導体基板の前記他方の主面に窪みが形成され、前記窪みには前記第2封止樹脂が埋め込まれていることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
一方の主面にセンサ面を有するセンサ回路が形成され、他方の主面に配線が形成された半導体基板と、
前記センサ面を表出する開口部を有し、前記開口部を除く前記一方の主面上全面に設けられた第1封止樹脂と、
前記他方の主面上全面に設けられた第2封止樹脂と、
前記半導体基板を貫通して前記センサ回路と前記配線とを接続する接続配線と、
一端が前記配線に接続し、前記第2封止樹脂を貫通して他端が前記第2封止樹脂から突出する外部端子とを有するセンサ用半導体装置において、
前記第2の封止樹脂の前記半導体基板と対向する面とは反対の面に、補強板が設けられていることを特徴とするセンサ用半導体装置。
【請求項3】
一方の主面にセンサ面を有するセンサ回路が形成され、他方の主面に配線が形成された半導体基板と、
前記センサ面を表出する開口部を有し、前記開口部を除く前記一方の主面上全面に設けられた第1封止樹脂と、
前記他方の主面上全面に設けられた第2封止樹脂と、
前記半導体基板を貫通して前記センサ回路と前記配線とを接続する接続配線と、
一端が前記配線に接続し、前記第2封止樹脂を貫通して他端が前記第2封止樹脂から突出する外部端子とを有する半導体装置において、
前記半導体基板の前記一方の主面及び他方の主面には外周に沿って枠状の溝が形成されていることを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
半導体ウエーハの一方の主面に複数のセンサ回路を形成する工程と、
一端が前記センサ回路に接続し前記半導体ウエーハを貫通する接続配線を形成する工程と、
前記半導体ウエーハの他方の主面に前記接続配線に接続する配線を形成する工程と、
前記配線上に外部端子を形成する工程と、
前記半導体ウエーハの前記他方の主面に窪みを形成する工程と、
前記半導体ウエーハの前記一方の主面を被覆する第1封止樹脂を形成する工程と、
前記半導体ウエーハの前記窪みを埋め込み前記他方の主面を被覆する第2封止樹脂を形成する工程と、
前記第1封止樹脂、前記第2封止樹脂及び前記半導体ウエーハを一括して切断する工程とを有することを特徴とする付記1記載の半導体装置の製造方法。
【請求項5】
半導体ウエーハの一方の主面に複数のセンサ回路を形成する工程と、
一端が前記センサ回路に接続し前記半導体ウエーハを貫通する接続配線を形成する工程と、
前記半導体ウエーハの他方の主面に前記接続配線に接続する配線を形成する工程と、
前記配線上に外部端子を形成する工程と、
前記半導体ウエーハの前記一方の主面を被覆する第1封止樹脂を形成する工程と、
前記半導体ウエーハの前記窪みを埋め込み前記他方の主面を被覆する第2封止樹脂を形成する工程と、
前記第2封止樹脂を形成するのと同時に前記第2の封止樹脂の表面に補強板を埋め込む工程と、
前記第1封止樹脂、前記第2封止樹脂及び前記半導体ウエーハを一括して切断する工程とを有することを特徴とする半導体装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2007−114126(P2007−114126A)
【公開日】平成19年5月10日(2007.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−307737(P2005−307737)
【出願日】平成17年10月21日(2005.10.21)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】