説明

半導体装置及びモジュールデバイス

【課題】アクセスデータレートが1Gbpsを超えるような高速メモリアクセスに必要なクロック同期のタイミングマージンを充足し易くする技術を提供する。
【解決手段】メモリ制御用チップ(2)がメモリに向けて出力するクロック信号の負荷とデータストローブ信号の負荷を同等とし、同じくクロック信号の負荷とチップセレクト信号のような他のアクセスストローブ信号の負荷を同等するように、チップのパッド配置、チップのパッドとパッケージの外部接続用ランドとの配線形態等を決定する。アクセスストローブ信号用のパッド(CTRL0、CTRL1)はコマンド・アドレス信号用のパッド(CMD・ADR)よりもクロック信号用のパッドの近くに配置して、クロック信号の負荷とアクセスストローブ信号の負荷を同等にし易いようにする。また、クロック信号用パッド及びアクセスストローブ信号用パッドの夫々は同一信号機能毎に複数個設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メモリインタフェース制御機能を備えたSOC(System On Chip)のような半導体装置、更にはそのような半導体装置とそれによってアクセス制御されるメモリとを搭載してモジュール化したSIP(System In Package)のようなモジュールデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
データ処理の高速化の観点によりマイクロコンピュータのようなデータ処理デバイスはもとよりSDRAM(Synchronous Dynamic Random Access Memory)のようなメモリデバイスの動作も高速化される傾向にある。例えばSDRAMはDDR2からDDR3へとそのアクセスデータレートが1Gbps(Gigabit per second)を超えるまでになっている。従って、そのような高速のメモリデバイスをアクセス制御するためのメモリインタフェースについても、アドレス、データ、及びコマンド等に対するタイミング設計が厳しくなる。厳しいタイミング設計の下では各信号の動作マージンが小さくなり、その要求を実現するには、チップのタイミング設計だけでは足りず、パッケージに対するチップの実装形態、チップの端子配列形態、パッケージの配線レイアウト、そのパッケージを実装するマザーボード配線レイアウト等について考慮することが必要になる。例えば、特許文献1,2では、一つの半導体コントローラと複数の半導体メモリを搭載してモジュールデバイスを構成する場合に、半導体コントローラと複数の半導体メモリの各データビットのデータ信号配線の等長化、データストローブ系信号配線の等長化、等長化し易い端子レイアウトなどの技術を採用する。
【0003】
【特許文献1】特開2006−237385号公報
【特許文献2】特開2007−213375号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、メモリが複数ある場合、コマンド・アドレス系信号とクロック信号のタイミング制約により、コマンド・アドレス系に合せてクロック信号のディレイを大きくする必要があるため、アクセスデータレートが1Gbpsを超えると、上述の技術を適用しただけでは、クロック信号に対するデータストローブ信号の位相差(tDQSS)はクロックサイクル時間の1/4(1/4tCK)以内、というような制約を達成することが難しくなってくる。また、コマンド・アドレス信号のビット時間をクロック信号の2サイクル時間分とすることが許容される場合であっても、チップセレクト信号やクロックイネーブル信号やオンダイターミネーション信号のアクセスストローブ信号のビット時間にはクロック信号の1サイクル時間分の精度が要求され、クロック信号に対してセットアップとホールド時間が等しくなるようなタイミング設計が必要になる。
【0005】
DDR3−SDRAMに関するJEDEC標準では、上記高速アクセスの要求に対応できない場合を想定してライトレベリング機能と称する新たな動作モードを策定し、上記1/4Tckの制約を緩和した動作モードの選択が可能にされている。しかしながら、DDR2からDDR3への移行に際しての経過措置的な対策として上記制約の緩和を把握すれば、そのような動作モードに依存する開発に力点をおくことは得策では無い。
【0006】
本発明の目的は、アクセス制御用チップの端子配列形態、パッケージの配線レイアウト、パッケージに対するアクセス制御用チップやメモリチップの実装形態等、マザーボードの観点より、アクセスデータレートが1Gbpsを超えるような高速メモリアクセスに必要なクロック同期のタイミングマージンを充足し易くする技術を提供することにある。
【0007】
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本願において開示される発明のうち代表的なものの概要を簡単に説明すれば下記の通りである。
【0009】
すなわち、メモリ制御用チップがメモリに向けて出力するクロック信号の負荷によるディレイとデータストローブ信号の負荷によるディレイを同等とし、同じくクロック信号の負荷によるディレイとチップセレクト信号のような他のアクセスストローブ信号の負荷によるディレイを同等するように、チップのパッド配置、チップのパッドとパッケージの外部接続用ランドとの配線形態等を決定する。例えば、アクセスストローブ信号用のパッドはコマンド・アドレス信号用のパッドよりもクロック信号用のパッドの近くに配置して、クロック信号の負荷によるディレイとアクセスストローブ信号の負荷によるディレイを同等にし易いようにする。また、クロック信号用パッド及びアクセスストローブ信号用パッドの夫々は同一信号機能毎に複数個設け、1本のアクセスストローブ信号の負荷によるディレイを1本のクロック信号の負荷によるディレイと同等にし易いようにする。
【発明の効果】
【0010】
本願において開示される発明のうち代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば下記のとおりである。
【0011】
すなわち、アクセス制御用チップの端子配列形態等の観点より、アクセスデータレートが1Gbpsを超えるような高速メモリアクセスに必要なクロック同期のタイミングマージンを充足し易くすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
1.実施の形態の概要
先ず、本願において開示される発明の代表的な実施の形態について概要を説明する。代表的な実施の形態についての概要説明で括弧を付して参照する図面中の参照符号はそれが付された構成要素の概念に含まれるものを例示するに過ぎない。
【0013】
〔1〕本発明に係る半導体装置(1)は、一面、前記一面に形成された複数のボンディングリード、前記一面とは反対側の他面、及び前記他面に形成された複数のランドを有する配線基板(3)と、主面、前記主面に形成された回路素子、及び前記主面に形成され、前記回路素子と電気的に接続された複数のパッドを有し、前記配線基板の前記一面上に搭載された半導体チップ(2)と、前記半導体チップの前記複数のパッドと前記配線基板の前記複数のボンディングリードとをそれぞれ電気的に接続する複数の接続部材(40)とを含む。前記複数のパッド(20)は、クロック信号に同期してメモリ(4,5)をアクセス制御するためのメモリ制御用パッドとして、クロック信号用パッド(20;CLK)、データ信号用パッド(20;DATA)、データストローブ信号用パッド(20;DATA)、コマンド・アドレス信号用パッド(20;CMD・ADR)、及びアクセスストローブ信号用パッド(20;CTRL)を含む。前記アクセスストローブ信号用パッドは前記コマンド・アドレス信号用パッドよりも前記クロック信号用パッドの近くに配置されている。
【0014】
配線の負荷並びにそれに接続するメモリの負荷を同等にすべき信号のパッド(アクセスストローブ信号用パッド、クロック信号用パッド)が近くに配置されるから、半導体装置内部においてクロック信号の伝播経路の負荷によるディレイとアクセスストローブ信号の伝播経路の負荷によるディレイを同等にし易くなり、これにより、アクセスストローブ信号に必要なクロック同期のタイミングマージンを充足し易くなる。
【0015】
〔2〕項1の半導体装置において、前記データ信号用パッド、データストローブ信号用パッドは前記コマンド・アドレス信号用パッドよりも前記クロック信号用パッドの近くに配置されている。配線並びにそれに接続するメモリの負荷を同等にすべき信号のパッド(クロック信号用パッド、データストローブ信号用パッド)が近くに配置されるから、半導体装置内部においてクロック信号の伝播経路の負荷によるディレイとデータストローブ信号の伝播経路の負荷によるディレイを同等にし易くなり、これにより、データストローブ信号に必要なクロック同期のタイミングマージンを充足し易くなる。
【0016】
〔3〕項1の半導体装置において、アクセスストローブ信号用パッドを介して出力される信号のビット時間(当該信号の単位ビットにおける変化のサイクル時間を意味する)は前記クロック信号用パッドから出力されるクロック信号のサイクル時間と同じである。コマンド・アドレス信号用パッドを介して出力される信号のビット時間は前記クロック信号用パッドから出力されるクロック信号のサイクル時間の2倍分である。アクセスストローブ信号に対して必要なタイミング制約を満足させれば、コマンド・アドレス信号用パッドを介して出力される信号に対してはビット時間が長い分、タイミング制約を課すことを要しないからである。
【0017】
〔4〕項3の半導体装置において、前記メモリはシンクロナスDRAMである。
【0018】
〔5〕項1の半導体装置において、前記メモリ制御用パッドは、n(nは2以上の整数)個のメモリチップにより構成される1階層のメモリ装置が接続可能とされ、前記アクセスストローブ信号用パッドは、同一信号機能毎にn個設けられている。複数個のメモリチップから1階層のメモリ装置が構成される場合に、チイプセレクト等のアクセスストローブ機能という観点からは前記アクセスストローブ信号用パッドは1個あれば足りるが、それをn個設けることにより、クロック信号の伝播経路の負荷によるディレイとアクセスストローブ信号の伝播経路の負荷によるディレイを同等にすることが著しく容易になる。
【0019】
〔6〕項1の半導体装置において、前記クロック信号用パッド及びアクセスストローブ信号用パッドの夫々は、同一信号機能毎にm個(mは2以上の整数)設けられる。前記コマンド・アドレス信号用パッドは、信号毎に1個設けられている。同一信号機能とは信号ソースが同一な信号を意味する。前記クロック信号用パッド及びアクセスストローブ信号用パッドの夫々が、同一信号機能毎に同じ数であるm個ずつ設けられることにより、1本のアクセスストローブ信号の伝播経路の負荷によるディレイを1本のクロック信号の伝播経路の負荷によるディレイと同等にすることが著しく容易になり、クロック信号との関係においてアクセスストローブ信号対して厳しいタイミング制約を満足させることが容易になる。コマンド・アドレス信号用パッドを介して出力される信号に対してはアクセスストローブ系と同様の厳しいタイミング制約を課すことを要しない。
【0020】
〔7〕項1の半導体装置において、前記半導体チップは平面形状が四角形をなし、当該四角形の第1の辺の中央部に前記クロック信号用パッドが配置され、その両側にデータ信号用パッド、及びデータストローブ信号用パッドが配置される。
【0021】
〔8〕項7の半導体装置において、前記四角形における前記第1の辺に隣接する第2の辺に前記コマンド・アドレス信号用パッドが配置される。
【0022】
〔9〕項2の半導体装置において、前記配線基板のランドは、前記クロック信号用パッドに前記接続要素を介して接続するクロック信号用ランド(31;MCLK0,MCLK1)、前記データ信号用パッドに前記接続要素を介して接続するデータ信号用ランド(31;MDATA0〜MDATA3)、前記データストローブ信号用パッドに前記接続要素を介して接続するデータストローブ信号用ランド(31;MDATA0〜MDATA3)、前記コマンド・アドレス信号用パッドに前記接続要素を介して接続するコマンド・アドレス信号用ランド(31;MCMD・MADR)、及び前記アクセスストローブ信号用パッドに前記接続要素を介して接続するアクセスストローブ信号用ランド(31;MCTRL0、MCTRL1)を含む。前記アクセスストローブ信号用ランドは前記コマンド・アドレス信号用ランドよりも前記クロック信号用ランドの近くに配置されている。パッド配置を規定すればそれと同等のランド配置を容易に実現でき、マザーボード若しくはモジュール基板上におけるメモリとの接続に関しても、半導体装置内部と同様に必要なクロック同期のタイミングマージンを満足し易くなる。
【0023】
〔10〕項9の半導体装置において、前記データ信号用ランド、データストローブ信号用ランドは前記コマンド・アドレス信号用ランドよりも前記クロック信号用ランドの近くに配置されている。
【0024】
〔11〕項10の半導体装置において、前記配線基板は平面形状が四角形をなし、当該四角形の第1の辺の中央部に前記クロック信号用ランドが配置され、その両側にデータ信号用ランド、及びデータストローブ信号用ランドが配置される。
【0025】
〔12〕項11の半導体装置において、前記四角形における前記第1の辺に隣接する第2の辺に前記コマンド・アドレス信号用ランドが配置される。
【0026】
〔13〕本発明の別の観点によるモジュールデバイス(6)は、モジュール基板(7)に、クロック信号に同期動作され1階層のメモリ装置を構成するn(nは2以上の整数)個の半導体メモリ(4,5)と、前記半導体メモリをアクセス制御可能な半導体コントローラ(2)と、が搭載されて成る。前記半導体コントローラは、前記半導体メモリをアクセス制御するためのメモリ制御用外部端子(20)として、クロック信号の出力に用いられるクロック用コントローラ端子(20;CLK)、データ信号の入出力に用いられるデータ用コントローラ端子(20;DATA)、データストローブ信号の入出力に用いられるデータストローブ用コントローラ端子(20;DATA)、コマンド・アドレス信号の出力に用いられるコマンド・アドレス用コントローラ端子(20;CMD・ADR)、及びアクセスストローブ信号の出力に用いられるアクセスストローブ用コントローラ端子(20;CTRL)を含む。前記アクセスストローブ用コントローラ端子は前記コマンド・アドレス用コントローラ端子よりも前記クロック信号用コントローラ端子の近くに配置されている。
【0027】
接続される負荷を同等にすべき信号のコントローラ端子(アクセスストローブ用コントローラ端子、クロック用コントローラ端子)が近くに配置されるから、モジュールデバイス内部においてクロック信号の伝播経路の負荷によるディレイとアクセスストローブ信号の伝播経路の負荷によるディレイを同等にし易くなり、これにより、アクセスストローブ信号に必要なクロック同期のタイミングマージンを満足し易くなる。
【0028】
〔14〕項13のモジュールデバイスにおいて、前記アクセスストローブ信号は、所定のメモリ制御用信号の有効性を示す信号である。
【0029】
〔15〕項13のモジュールデバイスにおいて、前記データ用コントローラ端子及びデータストローブ用コントローラ端子は前記コマンド・アドレス用コントローラ端子よりも前記クロック用コントローラ端子の近くに配置されている。
【0030】
〔16〕項13のモジュールデバイスにおいて、前記半導体メモリはシンクロナスDRAMであり、前記半導体コントローラは、前記アクセスストローブ用コントローラ端子から出力する信号のビット時間を前記クロック用コントローラ端子から出力するクロック信号のサイクル時間と同じとし、前記コマンド・アドレス用コントローラ端子から出力する信号のビット時間を前記クロック信号のサイクル時間の2倍とする。
【0031】
〔17〕項13のモジュールデバイスにおいて、前記アクセスストローブ用コントローラ端子は、対応する信号毎にn個設けられている。
【0032】
〔18〕項17のモジュールデバイスにおいて、前記クロック用コントローラ端子およびデータ用コントローラ端子の夫々は、同一信号機能毎にn個設けられ、前記コマンド・アドレス用コントローラ端子は、信号毎に1個設けられている。同一信号機能とは信号ソースが同一な信号を意味する。前記クロック用コントローラ端子及びアクセスストローブ用コントローラ端子の夫々が、同一信号機能毎に同じ数であるn個ずつ設けられることにより、1本のアクセスストローブ信号の伝播経路の負荷によるディレイを1本のクロック信号の伝播経路の負荷によるディレイと同等にすることが著しく容易になり、クロック信号との関係においてアクセスストローブ信号に対して厳しいタイミング制約を満足させることが容易になる。コマンド・アドレス信号用パッドを介して出力される信号に対してはアクセスストローブ系と同様の厳しいタイミング制約を課すことを要しない。
【0033】
〔19〕項13のモジュールデバイスにおいて、前記半導体メモリは平面形状が四角形をなし、当該四角形の第1の辺の中央部に前記クロック用コントローラ端子が配置され、その両側にデータ用コントローラ端子、及びデータストローブ用コントローラ端子が配置される。
【0034】
〔20〕項19のモジュールデバイスにおいて、前記四角形における前記第1の辺に隣接する第2の辺に前記コマンド・アドレス用コントローラ端子が配置される。
【0035】
2.実施の形態の詳細
実施の形態について更に詳述する。
【0036】
《SOC(System On Chip)としての半導体装置》
図2は本発明に係る半導体装置の一例を平面図で示し、図3は同じく本発明に係る半導体装置の一例を裏面図で示し、図4は本発明に係る半導体装置の一例を断面図で示す。半導体装置1は半導体チップ2とパッケージ基板としての配線基板3とから成る。特に制限されないが、ここではパッケージ形態としてBGA(Ball Grid Array)を想定する。
【0037】
半導体チップ2は例えば相補型MOS集積回路製造技術等によって単結晶シリコンのような1個の半導体基板に多数の回路素子(半導体素子)が集積されて、例えば中央処理装置、RAM、ROM、メモリコントローラ、アクセラレータ、入出力回路、及びその他の周辺回路が搭載されてマイクロコンピュータが実現されている。
【0038】
半導体チップ2には外部接続用に複数のボンディングパッド等の電極(単にパッドと称する)20が形成されている。この複数の電極20は、配線(図示しない)を介して回路素子と電気的に接続されている。パッケージ基板(配線基板)3には、前記半導体チップ2を搭載するための複数の電極パッド又はパターン等の電極(単にリード、又はボンディングリードと称する)30が一面に形成され、マザーボード等への搭載に用いられる外部接続用の複数のピンやバンプ等と電気的に接続される電極(単にランドと称する)31が他面に形成され、ランドとリードはパッケージ基板のパターン32や、パッケージ基板の一面(主面、上面)から、この一面とは反対側の他面(裏面、下面)に向かって形成されたビア(スルーホール)33の内部に形成された配線(スルーホール配線)を介して接続されている。前記半導体チップ2のパッド20と前記配線基板3のリード30とは対応するもの同士でボンディングワイヤ又はバンプ等の導電性の部材で構成された接続部材によって接続される。図4に例示される接続要素40はバンプとされる。図4においてパッケージ基板3は、コア層CORの表裏にビルドアップ層BLDが形成され、そこに4層の配線層L1,L2,L3,L4で配線層32_L1,32_L2,32_L3,32_L4が形成され、配線は所要の箇所でブラインドビア33_BV又はスルーホール33_THを介して接続される。
【0039】
図1には半導体チップ2におけるパッド20のうち特にクロック信号に同期してメモリをアクセス制御するためのメモリ制御用パッド(メモリ制御用コントローラ端子)の配置が例示される。CMD・ADRはコマンド・アドレス信号用パッド(コマンド・アドレス用コントローラ端子)の配列、DATA0,DATA1,DATA2,DATA3はデータ信号用パッド(データ用コントローラ端子)及びデータストローブ信号用パッド(データストローブ用コントローラ端子)の配列、CLK0,CLK1はクロック信号用パッド(クロック用コントローラ端子)の配列、CTRL0,CTRL1はアクセスストローブ信号用パッド(アクセスストローブ用コントローラ端子)の配列である。図1の配列形態から明らかなように、四角形のチップの一辺の中央部にクロック信号用パッドの配列CLK0,CLK1があり、その両側にアクセスストローブ信号用パッドの配列CTRL0,CTRL1があり、その外側にデータ信号用パッド及びデータストローブ信号用パッドの配列DATA0,DATA1,DATA2,DATA3がある。前記コマンド・アドレス信号用パッドの配列CMD・ADRは上記一辺に隣接する別の辺に沿って設けられている。ここで、半導体チップ2の主面の平面形状は、四角形から成る。また、クロック信号用パッドは、メモリチップが動作するときに、タイミングを取る(同期を取る)ための周期的な信号(クロック信号)を、半導体チップ2の一辺側に並べては配置されたメモリチップ(本実施の形態では、DDR3−SDRAM4,5)に向かって出力するためのパッドである。また、アクセスストローブ信号用パッド(コントロール信号用パッド)は、クロック信号に対して1サイクルで動作するアクセスストローブ信号(コントロール信号)をメモリチップに向かって出力するためのパッドである。また、コマンド・アドレス信号用パッドは、クロック信号に対して2サイクルで動作するコマンド・アドレス信号をメモリチップ(本実施の形態では、DDR3−SDRAM4,5)に向かって出力するためのパッドである。また、図9に示すように、本実施の形態では、1つの半導体チップ2が、2つのメモリチップを制御する構成となっており、厚さと交差する方向における平面形状が四角形から成る半導体チップ2の主面の辺(第1辺)に沿って配置されたクロック信号用パッドは、第1メモリチップ4と電気的に接続される第1クロック信号用パッドCLK0と、第2メモリチップ5と電気的に接続される第2クロック信号用パッドCLK1とを有する。また、クロック信号用パッドが配置された辺と同じ変に沿って配置されたアクセスストローブ用信号パッドも、第1メモリチップ4と電気的に接続される第1アクセスストローブ信号用パッドCTRL0と、第2メモリチップ5と電気的に接続される第2アクセスストローブ信号用パッドCTRL1とを有する。尚、本実施の形態では、図1に示すように、コマンド・アドレス信号用パッドCMD・ADRは、クロック信号用パッドCLK0,CLK1及びアクセスストローブ信号用パッドCTRL0,CTRL1が配置された辺(第1辺)とは異なる辺(第2辺)に配置している。これにより、データ信号用パッド(データ用コントローラ端子)及びデータストローブ信号用パッド(データストローブ用コントローラ端子)を、クロック信号用パッドが配置された辺と同じ辺に沿って配置することができる。
【0040】
パッドの配列DATA0,DATA1,DATA2,DATA3の夫々は、バイト単位のデータ系パッドとしてバイトデータと差動のデータストローブ信号とデータマスク信号とに割当てられる。代表的にその詳細が示されたDATA1によれば、DQ1_1〜DQ1_8が第2バイトのデータ入出力パッド、DM1が第2バイトのデータマスク信号出力パッド、DQS1とDQS1#は第2バイトのデータストローブ信号とその反転信号である。第1バイト、第3バイト及び第4バイトも同様に構成される。
【0041】
パッドの配列CLK0は第1バイト及び第2バイト用のクロック信号に割当てられ、パッドの配列CLK1は第3バイト及び第4バイト用のクロック信号に割当てられる。代表的にその詳細が示されたCLK0によれば、CK0がクロックの出力パッド、CK0#が反転クロックの出力パッドである。
【0042】
パッドの配列CTRL0は第1バイト及び第2バイト用のアクセスストローブ信号に割当てられ、パッドの配列CTRL1は第3バイト及び第4バイト用のアクセスストローブ信号に割当てられる。代表的にその詳細が示されたCTRL0によれば、CS0はチップセレクト信号の出力パッドパッド、CKE0はクロックイネーブル信号の出力パッド、ODT0はオンダイターミネーション信号の出力パッドである。オンダイターミネーション信号はオンダイターミネーションが適用されたDDR−SDRAMに対してオンダイターミネーションの有効/無効を制御するための制御信号であり、DDR−SDRAMに対する選択的な有効/無効をおこなうときそれに同期して変化される信号である。
【0043】
パッドの配列CMD・ADRは第1乃至第4バイトに共通のコマンド信号(ロウアドレスストローブ信号(RAS信号)、カラムアドレスストローブ信号(CAS信号)、ライトイネーブル信号(WE信号))、アドレスビットA0〜Aiのようなアドレス信号及びバンクアドレス信号(BA0〜BAi)の出力に割当てられる。
【0044】
上記メモリアクセス制御用のパッド20に対しては、特に制限されないが、第1バイト及び第2バイトのデータ系、クロック系並びにアクセスストローブ系と、第3バイト及び第4バイトのデータ系、クロック系、並びにアクセスストローブ系との夫々に対応して16ビットのDDR3−SDRAMを別々に接続し、双方のDDR3−SDRAMにコマンド・アドレス系を共通接続することによって、2個のSDRAMによる32ビット1階層のメモリ装置が接続可能にされる。
【0045】
上記夫々のパッド20はチップの周縁部に配置され、その内側には、対応するパッドの入出力機能に応じて入力バッファや出力バッファなどを備えたバッファ回路50が接続され、夫々のバッファ回路50には内部回路からインタフェース信号が与えられる。図1にはパッド配列DATA1,CTRL0,CLK0に対応するバッファ回路が例示される。バッファ回路はパッド20毎に設けられているが、内部回路からバッファ回路に供給される信号ソースのほとんどはバッファ回路毎に独立しているが、クロック系はCLK0とCLK1の間で独立せず、また、アクセスストローブ系はCTRL0とCTRL1の間で独立しない。要するに、CK0とCK1のバッファ回路への信号ソースは等しく、CK0#とCK1#のバッファ回路への信号ソースは等しく、CS0とCS1のバッファ回路への信号ソースは等しく、ODT0とODT1のバッファ回路への信号ソースは等しく、CKE0とCKE1のバッファ回路への信号ソースは等しい。
【0046】
前記メモリアクセス制御用パッドに接続する内部回路は、図5に例示されるように、CPU制御に基づいてメモリプロトコル制御を行うメモリコントローラ(MCNT)60と、DDR3などのような特定のインタフェース仕様に対応するために必要なメモリインタフェースタイミングを形成するタイミング同期化回路(PHY)61とからなる。前記バッファ回路50はタイミング同期化回路61の出力段に配置されている。メモリコントローラ60は内部バス63を解して図示を省略するCPUなどに接続する。
【0047】
図6にはパッケージ3のランド31の配列が例示される。図6は図1と同様に半導体装置の上面から見たランドの配置を部分的に示す。MCMD・MADRはコマンド・アドレス信号用ランドの配列、MDATA0,MDATA1,MDATA2,MDATA3はデータ信号用ランド及びデータストローブ信号用ランドの配列、MCLK0,MCLK1はクロック信号用ランドの配列、MCTRL0,MCTRL1はアクセスストローブ信号用ランドの配列である。各ランドの配列に含まれるランドには対応するパッドの参照符号の前に“M”を附して図示してある。例えばクロックの出力パッドCK0に対応するランドはMCK0とし、反転クロックの出力パッドCK0#に対応するランドはMCK0#とする。
【0048】
図6の配列形態から明らかなように、ランドの配列形態は図1のパッドの配列形態と同様であり、四角形のパッケージの一辺の中央部にクロック信号用ランドの配列MCLK0,MCLK1があり、その両側にアクセスストローブ信号用ランドの配列MCTRL0,MCTRL1があり、その外側にデータ信号用ランド及びデータストローブ信号用ランドの配列MDATA0,MDATA1,MDATA2,MDATA3があり、更に、前記コマンド・アドレス信号用ランドの配列MCMD・MADRは上記一辺に隣接する別の辺に沿って設けられている。このような配列形態により、対応するパッドとランドを接続するパッケージ内配線は夫々最短経路を採り易く、また、塊っている機能単位毎の信号配線の配線長、配線負荷を等しくすることが容易である。例えば図7にはパッケージのL1配線層におけるクロック系配線LCLK0、LCLK1、アクセスストローブ系配線LCTRL0,LCTRL1、データ系配線LDATA1,LDATA2が例示され、図8にはパッケージのL4配線層におけるクロック信号用ランドの配列MCLK0,MCLK1、アクセスストローブ信号用ランドの配列MCTRL0,MCTRL1が例示される。
【0049】
図9には半導体装置1とDDR3−SDRAMとの接続形態が模式的に例示される。ここではマザーボード上における接続形態を一例とする。DDR3−SDRAM4,5は、上位バイトのデータ系メモリ端子群70、下位バイトのデータ系メモリ端子群71、及びコマンド・アドレス・アクセスストローブ系メモリ端子群72を有する。80,81はクロック系のランドMCLK0,MCLK1とDDR3−SDRAM4,5のクロック端子とを接続するボード上の差動クロック配線、82,83はアクセスストローブ系のランドMCTRL0,MCTRL1とDDR3−SDRAM4,5のアクセスストローブ系端子とを接続するボード上のコントロール配線、84,85はデータ系のランドMDATA0〜MDATA3とDDR3−SDRAM4,5のデータ系端子とを接続するボード上のデータ系配線、86はコマンド・アドレス系のランドMCMD/MADRとDDR3−SDRAM4,5のコマンド・アドレス系端子とを接続するボード上のコマンド・アドレス系配線である。RTが1/2Vdd(VddはDDR用電源電圧)に接続される終端抵抗、RDは差動クロック信号線間に結合される差動終端抵抗、RSはシリーズ抵抗である。
【0050】
図18にはマザーボードの断面構造の詳細が示される。90_L1は信号配線層、90_L2はグランドプレーン層、90_L3は信号配線層、90_L4は電源配線層、90_L5は電源配線層、90_L6は信号配線層として、主な用途が割り振られている。図20には半導体装置1とDDR3−SDRAM4,5とを接続するクロック系配線トポロジが示される。図21には半導体装置1とDDR3−SDRAM4,5とを接続するデータ系配線トポロジが示される。図22には半導体装置1とDDR3−SDRAM4,5とを接続するアクセスストローブ系配線トポロジが示される。図23には半導体装置1とDDR3−SDRAM4,5とを接続するコマンド・アドレス系配線トポロジが示される。各図において配線経路に支援されたL1,L2,L3,L4,L5,L6はマザーボードの配線層を意味する。図20より半導体装置1が出力するクロック信号1本の負荷は1個のDDR3−SDRAMの1個のクロック入力端子に対応される。図21のように半導体装置1のデータ系信号1本の負荷もクロック負荷と同様に1個のDDR3−SDRAMの1個のデータ系端子に対応される。図22のように半導体装置1が出力するアクセスストローブ信号1本の負荷もクロック負荷と同様に1個のDDR3−SDRAMの1個のアクセスストローブ入力端子に対応される。コマンド・アドレス系信号については図23に示されるように、半導体装置1が出力する信号1本の負荷は2個のDDR3−SDRAMの夫々のアクセスストローブ入力端子に対応される。
【0051】
DDR3−SDRAMについては特に図示はしないが、アクセス最高速度やライトレベリング機能などを備える点を除けばDDR2−SDRAMと基本的に同じ構成を備え、クロックイネーブル信号CKEのアサートによってクロック信号CK、CK#が有意とされ、クロック信号CK、CK#のサイクル精度で外部へのデータの読出し及び書き込みが可能にされる。DDR3−SDRAMに対するコマンド入力はチップセレクト信号(CS#)がイネーブルレベルのときに有効とされ、コマンドはRAS信号、CAS信号、WE信号のレベルの組合せ等によって指示される。コマンドにはアクティブコマンド(ACT)、カラム系コマンドとしてのリードコマンド(RD)及びライトコマンド(WR)等がある。アクティブコマンドはローアドレスを指示してローアドレス系をアクティブにするためのコマンドである。リードコマンドは、ローアドレス系がアクティブにされた後にカラムアドレスを指示してカラム系をリード動作させるコマンドである。ライトコマンドはローアドレス系がアクティブにされた後にカラムアドレスを指示してカラム系をライト動作させるコマンドである。ライトコマンド及びリードコマンドで指示されるカラム系動作はバーストアクセス動作とされ、カラムアドレスで指示されたアドレスを基点にバースト数分のデータを連続的にリード又はライトする。ライトコマンド及びリードコマンドで指示されるカラム系動作によって最初の読出しデータが確定し、あるいは最初に書き込みデータを入力可能になるまでには、カラム系回路の動作が所定の状態に到達するのを待たなければならない。リード動作におけるそのような遅延時間をリードレイテンシ、ライト動作におけるそのような遅延時間をライトレイテンシと称し、回路構成上クロック信号CKの複数周期分として予め決まる。
【0052】
半導体装置1とDDR3−SDRAM4,5との間でインタフェースされる信号の基本的なタイミング関係が図10に例示される。データストローブ信号DQSはクロック信号CKと同じサイクル時間であり、データ信号DQのビット時間はデータストローブ信号DQSのサイクル時間の1/2とされる。チップセレクト信号CSに代表されるコントロール信号(アクセスストローブ信号)はクロック信号CKのサイクル時間と同じ時間でイネーブルレベルに制御される。チップセレクト信号CSのハイレベル期間で有効にされるコマンド・アドレス信号はクロック信号の2サイクル単位で変化させることが許容される。ここではクロック信号の立ち上がりエッジに対してセットアップ時間とホールド時間が同じになるようなタイミングで2サイクルに表示してある。2サイクル化は上記リードレイテンシ、ライトレイテンシによる待ち時間があるから許容される。
【0053】
図11にはアドレス・コマンド信号のビット時間を1クロックサイクルとする場合のライト動作タイミングが例示され、図12にはアドレス・コマンド信号のビット時間を2クロックサイクルとする場合のライト動作タイミングが例示される。何れの場合にもライトレイテンシ(WL)は5クロックサイクルとされ、また、カラム系コマンドの間は最小で3クロックサイクル分空けることが必要とされるものとする。図11においてアドレス・コマンド信号のビット時間を1クロックサイクルとする場合、カラム系コマンドの間にはA部分で示されるように最低3クロックサイクル空く。この3クロックサイクルの空きに着目すると、図12のようにアドレス・コマンド信号のビット時間を2クロックサイクルにしても書き込み動作のデータレートとタイミングは図11と同じになる。
【0054】
図13にはアドレス・コマンド信号のビット時間を1クロックサイクルとする場合のリード動作タイミングが例示され、図14にはアドレス・コマンド信号のビット時間を2クロックサイクルとする場合のリード動作タイミングが例示される。何れの場合にもリードレイテンシ(RL)は5クロックサイクルとされ、また、カラム系コマンドの間は最小で3クロックサイクル分空けることが必要とされるものとする。図13においてアドレス・コマンド信号のビット時間を1クロックサイクルとする場合、カラム系コマンドの間にはA部分で示されるように最低3クロックサイクル空く。この3クロックサイクルの空きに着目すると、図14のようにアドレス・コマンド信号のビット時間を2クロックサイクルにしても読み込み動作のデータレートとタイミングは図13と同じになる。
【0055】
図11乃至図14からも明らかなように、DDR3−SDRAMのバースト動作とカラム系のレイテンシに起因してコマンド・アドレス信号のビット時間は2クロックサイクルの用にクロックサイクルよりも長いことが許容される場合、コマンド・アドレス系信号には、データストローブやアクセスストローブ系の信号に比べてクロック信号に対して大きな誤差を許容することができる。
【0056】
以上説明した半導体装置1のパッド、リード、及びランドの配置によれば以下の作用効果を得ることができる。
【0057】
〔1〕半導体チップ2におけるアクセスストローブ信号用パッド配列CTRL0,CTRL1が、コマンド・アドレス信号用パッドCMD・ADRよりもクロック信号用パッド配列CLK0,CLK1の近くに配置されるから、半導体装置1内部およびマザーボードにおいてクロック信号CK0(CK0#),CK1(CK1#)の伝播経路の負荷によるディレイと、アクセスストローブ信号(CS0,CS1,CKE0,CKE1,ODT0,ODT1)の伝播経路の負荷によるディレイとを同等にし易くなり、これにより、アクセスストローブ信号に必要なクロック同期のタイミングマージンを充足し易くなる。
【0058】
特に、一つのアクセスストローブ信号用のパッドはクロック信号の差動対の数分だけ配置されている。すなわち、クロック信号の差動対はCK0,CK0#とCK1,CK1#とがあり、これに応じてチップセレクト信号についてはCS0,CS2の2個、クロックイネーブル信号についてはCKE0,CKE1の2個、オンダイターミネーション信号についてはODT0、ODT1の2個が設けられ、夫々ペアをなすアクセスストローブ信号の信号ソースは共通化されている。夫々ペアをなすアクセスストローブ信号のパッドを単一化しても論理機能は満足することができるが、そのようなパッドの単一化を行わないことによれば以下の作用効果がある。すなわち、1本のアクセスストローブ信号と1本のクロック信号の負荷を同等にすることが特に容易になる。この点においてもアクセスストローブ信号に必要なクロック同期のタイミングマージンを充足し易くなる。
【0059】
〔2〕前記データ及びデータストローブ信号用パッドの配列DATA0〜DATA3は前記コマンド・アドレス信号用パッドの配列CMD・ADRよりも前記クロック信号用パッドの配列CLK0,CLK1の近くに配置されクロック信号用パッドと、データストローブ信号用パッドが近くに配置されるから、半導体装置内部およびマザーボードにおいてクロック信号の伝播経路の負荷によるディレイとデータストローブ信号の伝播経路の負荷によるディレイを同等にし易くなり、これにより、データストローブ信号に必要なクロック同期のタイミングマージンを充足し易くなる。
【0060】
〔3〕アクセスストローブ信号用パッドを介して出力される信号のビット時間は前記クロック信号用パッドから出力されるクロック信号のサイクル時間と同じ1クロックサイクルである。コマンド・アドレス信号用パッドを介して出力される信号のビット時間は前述のように前記クロック信号用パッドから出力されるクロック信号の2倍の2クロックサイクルである。アクセスストローブ信号に対して必要なタイミング制約を満足させれば、コマンド・アドレス信号用パッドを介して出力される信号に対しては厳しいタイミング制約を課すことを要しない。その意味で、コマンド・アドレス信号用パッドはクロック信号パッドからは離れた位置にあっても支障ない。
【0061】
〔4〕CK0,CK0#に代表されるクロック信号用パッド及びCS0に代表されるアクセスストローブ信号用パッドの夫々は、同一信号機能毎に2個設けられる。前記コマンド・アドレス信号用パッドは、信号毎に1個設けられている。クロック信号用パッド及びアクセスストローブ信号用パッドの夫々が、同一信号機能毎に同じ数である2個ずつ設けられることにより、1本のアクセスストローブ信号の伝播経路の負荷によるディレイを1本のクロック信号の伝播経路の負荷によるディレイと同等にすることが著しく容易になり、クロック信号との関係においてアクセスストローブ信号に対して厳しいタイミング制約を満足させることが容易になる。コマンド・アドレス信号用パッドを介して出力される信号に対してはクロック系と同様の厳しいタイミング制約は必要ない。
【0062】
《SIP(System In Package)としてのモジュールデバイス》
図15は本発明に係るモジュールデバイスの一例を平面図で示し、図16は同じく本発明に係るモジュールデバイスの一例を裏面図で示し、図17は本発明に係るモジュールデバイスの一例を断面図で示す。モジュールデバイス6は半導体コントローラとしての前記半導体チップ2、前記DDR3−SDRAM4,5、及びモジュール基板7とから成る。特に制限されないが、ここではモジュール基板7の底面はBGAパッケージ形態と同様にされる。DDR3−SDRAM4,5は1階層のメモリ装置を構成し、半導体チップ2によりアクセス制御される。以下の説明では上記半導体装置1で説明した構成と同一の構成については同じ参照符号を附してその詳細な説明を省略する。モジュール基板7上における半導体チップ2とDDR3−SDRAM4,5との接続形態は基本的に図9に示される接続形態と同じであり、それに付いて重ねて詳細な説明は行わない。特に図示はしないが、モジュール基板7の裏面に配置されたランド31は、半導体チップ2におけるタイミング同期化回路61とは別の周辺回路やバスをモジュールの外部に接続するためにインタフェース回路に結合される。
【0063】
図17においてモジュール基板7は、6層のプリント配線基板(PCB)で構成され、6層の配線層80_L1,80_L2,80_L3,80_L4,80_L5,80_L6を有し、配線は所要の箇所でブラインドビア80_BV又はスルーホール80_THを介して接続される。
【0064】
図15から明らかなように半導体チップ2の四角形のパッケージの一辺の中央部にクロック信号用パッドの配列CLKがあり、その両側にアクセスストローブ信号用パッドの配列CTRLがあり、その外側にデータ信号用パッド及びデータストローブ信号用パッドの配列DATAがあり、更に、前記コマンド・アドレス信号用パッドの配列CMD・ADRは上記一辺に隣接する別の辺に沿って設けられている。このような配列形態により、半導体チップのパッドとDDR3−SDRAMの外部端子を接続するモジュール基板7な内配線は夫々最短経路を採り易く、また、塊っている端子の機能単位毎の信号配線の配線長、配線負荷を等しくすることが容易である。例えば図19に例示されるように、モジュール基板7のL1配線層におけるクロック系配線LCLK、アクセスストローブ系配線LCTRL、データ系配線LDATAが夫々機能毎に塊って、等長化し易くなっている。
【0065】
モジュール基板での半導体チップ2とDDR3−SDRAM4,5とを接続する配線トポロジは、前述SOCの形態でのマザーボードに実装する場合の配線トポロジと同様である。図15のように半導体チップ2が出力するクロック信号1本の負荷は1個のDDR3−SDRAMの1個のクロック入力端子に対応される。また、同様に半導体チップ2のデータ系信号1本の負荷もクロック負荷と同様に1個のDDR3−SDRAMの1個のデータ系端子に対応される。同様に半導体チップ2が出力するアクセスストローブ信号1本の負荷もクロック負荷と同様に1個のDDR3−SDRAMの1個のアクセスストローブ入力端子に対応される。コマンド・アドレス系信号については、半導体チップ2が出力する信号1本の負荷は2個のDDR3−SDRAMの夫々のアクセスストローブ入力端子に対応され、負荷が大きくなるが、コマンド・アドレス系信号のビット時間は2クロックサイクル分であるから、タイミング上の支障は生じ難い。
【0066】
以上説明したモジュールデバイス6における半導体チップ2のメモリアクセス制御用コントローラ端子としてのメモリアクセス制御用パッドの配列形態によれば以下の作用効果を得る。
【0067】
〔1〕半導体チップ2におけるアクセスストローブ信号用パッド配列CTRL0,CTRL1とクロック信号用パッド配列CLK0,CLK1が近くに配置されるから、モジュールデバイス内部においてDDR3−SDRAM4,5へのクロック信号CK0(CK0#),CK1(CK1#)の伝播経路の負荷によるディレイと、アクセスストローブ信号(CS0,CS1,CKE0,CKE1,ODT0,ODT1)の伝播経路の負荷によるディレイとを同等にし易くなり、これにより、アクセスストローブ信号に必要なクロック同期のタイミングマージンを充足し易くなる。要するに、先の述べた通り、一つのアクセスストローブ信号用のパッドはクロック信号の差動対の数分だけ配置されており、配線トポロジからも明らかなように、半導体チップ2が出力するクロック信号1本の負荷は1個のDDR3−SDRAMの1個のクロック入力端子に対応され、半導体チップ2が出力するアクセスストローブ信号1本の負荷もクロック負荷と同様に1個のDDR3−SDRAMの1個のアクセスストローブ入力端子に対応される。これにより、アクセスストローブ信号に必要なクロック同期のタイミングマージンを充足し易くなる。
【0068】
〔2〕前述の通り、前記データ及びデータストローブ信号用パッドの配列DATA0〜DATA3は前記コマンド・アドレス信号用パッドの配列CMD・ADRよりも前記クロック信号用パッドの配列CLK0,CLK1の近くに配置されクロック信号用パッドと、データストローブ信号用パッドが近くに配置されるから、モジュールデバイス6の内部においてクロック信号の伝播経路の負荷によるディレイとデータストローブ信号の伝播経路の負荷によるディレイを同等にし易くなり、これにより、データストローブ信号に必要なクロック同期のタイミングマージンを充足し易くなる。要するに、配線トポロジからも明らかなように、半導体チップ2が出力するクロック信号1本の負荷は1個のDDR3−SDRAMの1個のクロック入力端子に対応され、半導体チップ2のデータ系信号1本の負荷もクロック負荷と同様に1個のDDR3−SDRAMの1個のデータ系端子に対応されるからである。
【0069】
〔3〕上記半導体デバイスについて説明したのと同様に、アクセスストローブ信号用パッドを介して出力される信号のビット時間は前記クロック信号用パッドから出力されるクロック信号のサイクル時間と同じである。コマンド・アドレス信号用パッドを介して出力される信号のビット時間は前述のように前記クロック信号用パッドから出力されるクロック信号のサイクル時間の2倍である。アクセスストローブ信号に対して必要なタイミング制約を満足させれば、コマンド・アドレス信号用パッドを介して出力される信号に対しては厳しいタイミング制約を課すことを要しない。その意味で、コマンド・アドレス信号用パッドはクロック信号パッドからは離れた位置にあっても支障ない。
【0070】
〔4〕上記半導体デバイスについて説明したのと同様に、CK0,CK0#に代表されるクロック信号用パッド及びCS0に代表されるアクセスストローブ信号用パッドの夫々は、同一信号機能毎に2個設けられる。前記コマンド・アドレス信号用パッドは、信号毎に1個設けられている。クロック信号用パッド及びアクセスストローブ信号用パッドの夫々が、同一信号機能毎に同じ数である2個ずつ設けられることにより、1本のアクセスストローブ信号の伝播経路の負荷によるディレイを1本のクロック信号の伝播経路の負荷によるディレイと同等にすることが著しく容易になり、クロック信号との関係においてアクセスストローブ信号に対して厳しいタイミング制約を満足させることが容易になる。コマンド・アドレス信号用パッドを介して出力される信号に対してはクロック系と同様の厳しいタイミング制約は必要ない。
【0071】
以上本発明者によってなされた発明を実施形態に基づいて具体的に説明したが、本発明はそれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能であることは言うまでもない。
【0072】
例えば、半導体チップ若しくは半導体コントローラにおけるメモリインタフェース用のデータ系端子群は4バイトのデータに対応するものに限定されず、例えば8バイト対応であてもよい。また、本発明の半導体装置が制御対象にするクロック同期型メモリがDDR3−SDRAMに限定されず、DDR2−SDRAM、あるいはシンクロナスSRAM等、その他の記憶形式のメモリであってもよい。半導体装置のパッケージはBGAに限定されずQFP等であってもよい。同様にモジュールデバイスの外部接続端子形態もBGAに限定されず適宜変更可能である。パッケージ基板、モジュール基板の配線層数は上記説明に限定されず適宜変更可能である。モジュールデバイスに搭載する半導体メモリはJEDEC準拠のパッケージされたメモリに限定されず、ベアチップであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0073】
【図1】図1は半導体チップにおけるパッドのうち特にクロック信号に同期してメモリをアクセス制御するためのメモリ制御用パッド(メモリ制御用コントローラ端子)の配置を例示する平面図である。
【図2】図2は本発明に係る半導体装置の一例を示す平面図である。
【図3】図3は本発明に係る半導体装置の一例を示す裏面図である。
【図4】図4は本発明に係る半導体装置の一例を示す断面図である。
【図5】図5はメモリアクセス制御用パッドに接続する内部回路の一例を示すブロック図である。
【図6】図6はパッケージのランドの配列を例示する平面図である。
【図7】図7はパッケージのL1配線層におけるクロック系配線LCLK0、LCLK1、アクセスストローブ系配線LCTRL0,LCTRL1、データ系配線LDATA1,LDATA2のパターンを例示する平面図である。
【図8】図8はパッケージのL4配線層におけるクロック信号用ランドの配列MCLK0,MCLK1、アクセスストローブ信号用ランドの配列MCTRL0,MCTRL1のパターンを例示する平面図である。
【図9】図9は半導体装置1とDDR3−SDRAMとの接続形態を模式的に例示する平面図である。
【図10】図10は半導体装置1とDDR3−SDRAM4,5との間でインタフェースされる信号の基本的なタイミング関係を例示するタイミング図である。
【図11】図11はアドレス・コマンド信号のビット時間を1クロックサイクルとする場合のライト動作タイミングを例示するタイミングチャートである。
【図12】図12はアドレス・コマンド信号のビット時間を2クロックサイクルとする場合のライト動作タイミングを例示するタイミングチャートである。
【図13】図13はアドレス・コマンド信号のビット時間を1クロックサイクルとする場合のリード動作タイミングを例示するタイミングチャートである。
【図14】図14はアドレス・コマンド信号のビット時間を2クロックサイクルとする場合のリード動作タイミングを例示するタイミングチャートである。
【図15】図15は本発明に係るモジュールデバイスの一例を示す平面図である。
【図16】図16は本発明に係るモジュールデバイスの一例を示す裏面図である。
【図17】図17は本発明に係るモジュールデバイスの一例を示す断面図である。
【図18】図18はマザーボードの断面構造の詳細を例示する断面図である。
【図19】図19はモジュール基板のL1配線層におけるクロック系配線LCLK、アクセスストローブ系配線LCTRL、データ系配線LDATAが夫々機能毎に塊って等長化し易くなっている様子を例示する平面図である。
【図20】図20は半導体装置1とDDR3−SDRAM4,5とを接続するクロック系配線トポロジを例示する構成図である。
【図21】図21は半導体装置1とDDR3−SDRAM4,5とを接続するデータ系配線トポロジを例示する構成図である。
【図22】図22は半導体装置1とDDR3−SDRAM4,5とを接続するアクセスストローブ系配線トポロジを例示する構成図である。
【図23】図23は半導体装置1とDDR3−SDRAM4,5とを接続するコマンド・アドレス系配線トポロジを例示する構成図である。
【符号の説明】
【0074】
1…半導体装置
2…半導体チップ
3…配線基板
4,5 DDR3−SDRAM
20…電極(パッド)
30…電極(リード)
31…電極(ランド)
32…パターン
33…ビア(スルーホール)
40…バンプ(接続要素)
32_L1,32_L2,32_L3,32_L4…4層の配線層
33_BV…ブラインドビア
33_TH…スルーホール
CMD・ADR…コマンド・アドレス信号用パッド(コマンド・アドレス用コントローラ端子)の配列
DATA0,DATA1,DATA2,DATA3…データ信号用パッド(データ用コントローラ端子)及びデータストローブ信号用パッド(データストローブ用コントローラ端子)の配列
CLK0,CLK1…クロック信号用パッド(クロック用コントローラ端子)の配列
CTRL0,CTRL1…アクセスストローブ信号用パッド(アクセスストローブ用コントローラ端子)の配列
DQ1_1〜DQ1_8…第2バイトのデータ入出力パッド
DM1…第2バイトのデータマスク信号出力パッド
DQS1とDQS1#…第2バイトのデータストローブ信号とその反転信号
CK0…クロックの出力パッド
CK0#…反転クロックの出力パッド
CS0…チップセレクト信号の出力パッドパッド
CKE0…クロックイネーブル信号の出力パッド
ODT0…オンダイターミネーション信号の出力パッド
50…バッファ回路
60…メモリコントローラ(MCNT)
61…タイミング同期化回路(PHY)
MCMD・MADR…コマンド・アドレス信号用ランドの配列
MDATA0,MDATA1,MDATA2,MDATA3…データ信号用ランド及びデータストローブ信号用ランドの配列
MCLK0,MCLK1…クロック信号用ランドの配列
MCTRL0,MCTRL1…アクセスストローブ信号用ランドの配列
80,81…クロック系のランドMCLK0,MCLK1とDDR3−SDRAM4,5のクロック端子とを接続するボード上の差動クロック配線
82,83…アクセスストローブ系のランドMCTRL0,MCTRL1とDDR3−SDRAM4,5のアクセスストローブ系端子とを接続するボード上のコントロール配線
84,85…データ系のランドMDATA0〜MDATA3とDDR3−SDRAM4,5のデータ系端子とを接続するボード上のデータ系配線
86…コマンド・アドレス系のランドMCMD/MADRとDDR3−SDRAM4,5のコマンド・アドレス系端子とを接続するボード上のコマンド・アドレス系配線
6…モジュールデバイス
7…モジュール基板
90_L1,90_L2,90_L3,90_L4,90_L5,90_L6…6層の配線層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一面、前記一面に形成された複数のボンディングリード、前記一面とは反対側の他面、及び前記他面に形成された複数のランドを有する配線基板と、
主面、前記主面に形成された回路素子、及び前記主面に形成され、前記回路素子と電気的に接続された複数のパッドを有し、前記配線基板の前記一面上に搭載された半導体チップと、
前記半導体チップの前記複数のパッドと前記配線基板の前記複数のボンディングリードとをそれぞれ電気的に接続する複数の接続部材と、を含み、
前記複数のパッドは、クロック信号に同期してメモリをアクセス制御するためのメモリ制御用パッドとして、クロック信号用パッド、データ信号用パッド、データストローブ信号用パッド、コマンド・アドレス信号用パッド、及びアクセスストローブ信号用パッドを含み、
前記アクセスストローブ信号用パッドは前記コマンド・アドレス信号用パッドよりも前記クロック信号用パッドの近くに配置されている、半導体装置。
【請求項2】
前記データ信号用パッド、データストローブ信号用パッドは前記コマンド・アドレス信号用パッドよりも前記クロック信号用パッドの近くに配置されている、請求項1記載の半導体装置。
【請求項3】
アクセスストローブ信号用パッドを介して出力される信号のビット時間は前記クロック信号用パッドから出力されるクロック信号のサイクル時間と同じであり、
コマンド・アドレス信号用パッドを介して出力される信号のビット時間は前記クロック信号用パッドから出力されるクロック信号のサイクル時間の2倍分時間である、請求項1記載の半導体装置。
【請求項4】
前記メモリはシンクロナスDRAMである、請求項3記載の半導体装置。
【請求項5】
前記メモリ制御用パッドは、n(nは2以上の整数)個のメモリチップにより構成される1階層のメモリ装置が接続可能とされ、前記アクセスストローブ信号用パッドは同一信号機能毎にn個設けられている、請求項1記載の半導体装置。
【請求項6】
前記クロック信号用パッド及びアクセスストローブ信号用パッドの夫々は、同一信号機能毎にm(mは2以上の整数)個設けられ、
前記コマンド・アドレス信号用パッドは、信号毎に1個設けられている、請求項1記載の半導体装置。
【請求項7】
前記半導体チップは平面形状が四角形をなし、当該四角形の第1の辺の中央部に前記クロック信号用パッドが配置され、その両側にデータ信号用パッド、及びデータストローブ信号用パッドが配置される、請求項1記載の半導体装置。
【請求項8】
前記四角形における前記第1の辺に隣接する第2の辺に前記コマンド・アドレス信号用パッドが配置される、請求項7記載の半導体装置。
【請求項9】
前記配線基板のランドは、前記クロック信号用パッドに前記接続要素を介して接続するクロック信号用ランド、前記データ信号用パッドに前記接続要素を介して接続するデータ信号用ランド、前記データストローブ信号用パッドに前記接続要素を介して接続するデータストローブ信号用ランド、前記コマンド・アドレス信号用パッドに前記接続要素を介して接続するコマンド・アドレス信号用ランド、及び前記アクセスストローブ信号用パッドに前記接続要素を介して接続するアクセスストローブ信号用ランドを含み、
前記アクセスストローブ信号用ランドは前記コマンド・アドレス信号用ランドよりも前記クロック信号用ランドの近くに配置されている、請求項2記載の半導体装置。
【請求項10】
前記データ信号用ランド、データストローブ信号用ランドは前記コマンド・アドレス信号用ランドよりも前記クロック信号用ランドの近くに配置されている、請求項9記載の半導体装置。
【請求項11】
前記配線基板は平面形状が四角形をなし、当該四角形の第1の辺の中央部に前記クロック信号用ランドが配置され、その両側にデータ信号用ランド、及びデータストローブ信号用ランドが配置される、請求項10記載の半導体装置。
【請求項12】
前記四角形における前記第1の辺に隣接する第2の辺に前記コマンド・アドレス信号用ランドが配置される、請求項11記載の半導体装置。
【請求項13】
モジュール基板に、クロック信号に同期動作され1階層のメモリ装置を構成するn(nは2以上の整数)個の半導体メモリと、前記半導体メモリをアクセス制御可能な半導体コントローラと、が搭載されたモジュールデバイスであって、
前記半導体コントローラは、前記半導体メモリをアクセス制御するためのメモリ制御用外部端子として、クロック信号の出力に用いられるクロック用コントローラ端子、データ信号の入出力に用いられるデータ用コントローラ端子、データストローブ信号の入出力に用いられるデータストローブ用コントローラ端子、コマンド・アドレス信号の出力に用いられるコマンド・アドレス用コントローラ端子、及びアクセスストローブ信号の出力に用いられるアクセスストローブ用コントローラ端子を含み、
前記アクセスストローブ用コントローラ端子は前記コマンド・アドレス用コントローラ端子よりも前記クロック信号用コントローラ端子の近くに配置されている、モジュールデバイス。
【請求項14】
前記アクセスストローブ信号は、所定のメモリ制御用信号の有効性を示す信号である、請求項13記載のモジュールデバイス。
【請求項15】
前記データ用コントローラ端子及びデータストローブ用コントローラ端子は前記コマンド・アドレス用コントローラ端子よりも前記クロック用コントローラ端子の近くに配置されている、請求項13記載のモジュールデバイス。
【請求項16】
前記半導体メモリはシンクロナスDRAMであり、
前記半導体コントローラは、前記アクセスストローブ用コントローラ端子から出力する信号のビット時間を前記クロック用コントローラ端子から出力するクロック信号のサイクル時間と同じ時間とし、前記コマンド・アドレス用コントローラ端子から出力する信号のビット時間を前記クロック信号の2倍分時間とする、請求項13記載のモジュールデバイス。
【請求項17】
前記アクセスストローブ用コントローラ端子は対応する信号毎にn個設けられている、請求項13記載のモジュールデバイス。
【請求項18】
前記クロック用コントローラ端子及びアクセスストローブ用コントローラ端子の夫々は、同一信号機能毎にn個設けられ、
前記コマンド・アドレス用コントローラ端子は、信号毎に1個設けられている、請求項13記載のモジュールデバイス。
【請求項19】
前記半導体メモリは平面形状が四角形をなし、当該四角形の第1の辺の中央部に前記クロック用コントローラ端子が配置され、その両側にデータ用コントローラ端子、及びデータストローブ用コントローラ端子が配置される、請求項13記載のモジュールデバイス。
【請求項20】
前記四角形における前記第1の辺に隣接する第2の辺に前記コマンド・アドレス用コントローラ端子が配置される、請求項19記載のモジュールデバイス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【公開番号】特開2010−123203(P2010−123203A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−296562(P2008−296562)
【出願日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(503121103)株式会社ルネサステクノロジ (4,790)
【Fターム(参考)】