半導体装置
【課題】部品間の接合の信頼性及び歩留りを向上させる半導体装置を提供すること。
【解決手段】第1の導体線路42a及びこれに接続された複数の第1の並列導体線路を具備する第1の部品30と、第1の導体線路42aと同一機能をなす第2の導体線路44a及びこれに接続された複数の第2の並列導体線路を具備する第2の部品35と、第1の並列導体線路と第2の並列導体線路とを電気的に接続する複数のバンプ電極40A、40aとを有し、第1の部品30と第2の部品35とがバンプ電極40A、40aによって接合される。
【解決手段】第1の導体線路42a及びこれに接続された複数の第1の並列導体線路を具備する第1の部品30と、第1の導体線路42aと同一機能をなす第2の導体線路44a及びこれに接続された複数の第2の並列導体線路を具備する第2の部品35と、第1の並列導体線路と第2の並列導体線路とを電気的に接続する複数のバンプ電極40A、40aとを有し、第1の部品30と第2の部品35とがバンプ電極40A、40aによって接合される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンプ電極を介した第1の部品と第2の部品との接合(例えば、半導体チップ間又は半導体チップと実装基板との接合)によって構成される半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話を代表例とするモバイル機器等の電子機器の小型化、集積化とともに、金属バンプを介して半導体チップを実装基板に接続するフリップチップ接続が広く採用されている。また、金属バンプを介して半導体チップ間を接続するチップオンチップ(COC)も周知の技術である。フリップチップ接続又はチップオンチップ接続では、2つの半導体チップの電極端子間、又は、半導体チップと実装基板の電極端子間を接合し電気的に接続する金属バンプの数は増大してきている。
【0003】
図13は、従来技術における、チップオンチップ接続を説明する図であり、図13(A)は平面図、図13(B)はZ−Z部の断面図、図13(C)は上部チップ及び下部チップの内部配線の金属バンプによる接続を説明する図13(B)の部分拡大断面図である。
【0004】
図13に示すように、x方向及びy方向に2次元に上部チップ50に配置された金属バンプ54(54a、54b、54c、54d、…)によって、上部チップ50と下部チップ52とが接続されている。上部チップ50の内部配線(信号線)56aが繋がる電極端子と下部チップ52の内部配線58aが繋がる電極端子は、金属バンプ54aによって接続され、上部チップ50の内部配線56bが繋がる電極端子と下部チップ52の内部配線58bが繋がる電極端子は、金属バンプ54bによって接続されている。以下同様にして、上下の各チップの複数の内部配線はそれぞれ、単一の金属バンプ54によって電気的に接続されている。
【0005】
このように、例えば、金属バンプ54aには信号Aが流れ、金属バンプ54bには信号Bが流れ、金属バンプ54cには信号Cが流れ、金属バンプ54dには信号Dが流れている。信号A、B、C、Dは互いに異なる信号である。なお、チップ50、52の金属バンプ54(54a、54b、54c、54d、…)を除く面は絶縁膜59によって覆われている。
【0006】
図14は、従来技術における、チップオンチップ接続の不良に関する説明図であり、図14(A)はチップの反りによる不良発生を説明するZ−Z部(図13に示す。)の断面図、図14(B)はチップの製造工程で生じたチップの内部配線の形成不良を説明するZ−Z部の部分拡大断面図、図14(C)はチップの内部配線を保護する静電破壊保護回路を説明する図である。
【0007】
チップオンチップ接続の不良が発生する原因として以下のものが考えられる。
【0008】
図14に示すように、チップに反りがある場合には、チップオンチップ接続の不良を生じる。例えば、図14(A)の上図に示すように、図の右方で反りがある上部チップ50と平坦な下部チップ52とが金属バンプによって接合される場合には、右方で接続不良を生じてしまう。また、図14(A)の下図に示すように、図の右方及び左方で反りがある上部チップ50と平坦な下部チップ52とが金属バンプによって接合される場合には、右方及び左方で接続不良を生じてしまう。
【0009】
図13に示すように、上下の各チップの複数の内部配線(信号線)がそれぞれ、単一の金属バンプによって電気的接続され、各金属バンプを異なる信号が流れる場合には、1つの金属バンプが接続不良となった場合には、上下のチップによる接合部品は正常に機能しなくなり、不良部品となってしまう。
【0010】
一般に、チップの辺(側端)の近傍で反りを生じ易いと考えられるので、非常に多数の金属バンプを使用する必要がある場合には、金属バンプの配置には工夫が必要となる。
【0011】
また、チップオンチップ接続の際に接合面にアンダーフィル材を充填してこれを硬化させて、接合面を保護するのが一般的であるが、検査工程での熱履歴、保管過程等での湿度条件等の影響によって、接合面の機械的強度が劣化して電気的接続不良を生じることがある。
【0012】
図14(B)は、上部チップ50の製造工程において塵埃等によって内部配線が正常に形成されず、不良を発生した場合を示しており、図13(C)との比較から明らかなように、上部チップ50の内部配線56aが形成不良であり断線を生じている。
【0013】
このような内部配線の形成不良は、チップオンチップ接続に先立って、上部チップ50、下部チップ52の全て内部配線について検査が実施されない限り、検出することはできない。チップオンチップ接続で使用する上部チップ50、下部チップ52の全数の内部配線の全てについて検査を実施する代わりに、抜き取り検査によって検査を実施する場合は、内部配線の形成不良の存在の可能性が残っている。
【0014】
また、チップの内部配線が正常に形成されている場合でもその後のチップ単体での検査工程において、或いは、チップオンチップ接続が正常になされ正常に電気的な接続が確保された接合部品が得られた場合でもその後の接合部品の検査工程等において、内部配線が静電破壊されて断線を生じることがある。
【0015】
金属バンプからの静電破壊によって内部配線が溶断した場合に不良となるが、これを防止するためには金属バンプの真下に静電破壊保護回路を形成する必要がある。
【0016】
図14(C)は、金属バンプ62a、62bのそれぞれから静電破壊保護回路68までを配線で引き回して形成した例を示している。金属バンプと静電破壊保護回路68との間は最短長であることが望ましいが、実際には同図に示すように、内部配線66aや金属バンプ62bに直接繋がっている短い配線及び内部配線66bは保護されるが、金属バンプ62aと静電破壊保護回路68との間の配線長が大きい場合には、静電破壊保護回路68によって保護されない配線部分(図中、点線で示す金属バンプ62aに直接繋がっている配線部分)が生じる場合がある。
【0017】
フリップチップ接続に関しては多数の報告がある。例えば、「フリップチップボンディング方法」に関する後記の特許文献1に、1対の電極に対して1対N(複数)個の金属バンプによる接合を行う以下の記載がある。
【0018】
互いに接合する一方の電極に金属バンプを形成し、該電極に対応する他方の電極の前記金属バンプの中心から隔離した円周上の等分割位置にあって前記金属バンプの平面視外周部に一部が重なる金属バンプを形成し、付き合わせ接合する。これによって、加圧接合の際に生じる横方向の力を互いに相殺することができ、横方向の力による接合ずれを少なくすることができる。
【0019】
図15は、特許文献1に記載の図1であり、第1の実施例の接合を示す要部側断面図及びその透視平面図である。図15(a)は接合前の要部側断面図、図15(b)は図15(a)の金属バンプ配置の要部透視平面図、図15(c)は接合後の要部側断面図を示す。
【0020】
図15(a)において、約10mm角のカドミウムテルル(CdTe)でなるウエーハ基板101上にエピタキシャル成長したエピ結晶(HgCdTe)でなる光電変換素子(図示略)とその電極(図示略)とを列設して光電変換部を形成し、また他方のシリコン(Si)でなるウエーハ基板102上に光電変換素子に対応した信号処理回路(図示略)とその電極(図示略)とを列設して信号処理回路部を形成する。
【0021】
そして、図15(b)に示すように、一方のウエーハ基板(光電変換部)101の電極上にインジウム(In)でなる直径20μmの金属バンプ101aを1個宛、形成し、他方のウエーハ基板(信号処理回路部)102の電極上には、前記金属バンプ101aの平面視外周部に一部が重なるように該金属バンプ101aの中心から離隔した円周上を等分割(図は4分割)したそれぞれの位置に複数個(図は4個の場合で、中心を結ぶ線は正方形を示す)のInでなる直径15μmの金属バンプ102aを形成する。
【0022】
次に、図15(c)において、従来同様に一方のウエーハ基板101を真空チャック(図示略)で保持し、位置決めされた他方のウエーハ基板102の上に持ってきて位置合わせし、両金属バンプ101a、102a同士を突き合わせ加圧接合する。
【0023】
このように一方の光電変換部の電極に形成した金属バンプに対し、他方の信号処理回路部の電極に形成した複数の金属バンプは、相手の金属バンプ中心から離隔した円周上の等分割した位置にあって、しかもそれぞれの金属バンプの一部が相手の金属バンプの平面視外周部の等分割位置に重なるように予め、偏心させてあることにより、加圧接合の際に生じる横方向の力を互いに相殺することができるため、光電変換部と信号処理回路部との接合ずれを少なくすることができる。また同時に、金属バンプの接合面積が増加するため、接合強度も強化することができる。
【0024】
なお、上記実施例では、複数の金属バンプを、正方形を形成する4個としたが、正3角形を含む正多角形を形成するN個でもよい。また、接合側の光電変換部の電極に1個、被接合側の信号変換回路部の電極に複数個を形成したが、その逆の関係でも良く、また一対の電極に対し1対N個でなくN対N個にして互いに横方向も力を相殺するように偏心させ形成してもよい。
【0025】
半導体チップが不良である場合にも、半導体装置全体を廃棄せずに、一定の操作で使用可能な状態とすることができる半導体装置に関して、後記する特許文献2に以下の記載がある。
【0026】
従来のFCBGA(Flip Chip Ball Grid Array)パッケージでは、LSIチップを実装した後に、動作確認としてファイナルテストを行ない、不良品かどうかを検査していた。
【0027】
従来のFCBGAパッケージでは、不良と判明したLSIチップについては、正常なLSIチップと交換することができなかった。そのため、LSIチップが不良である場合、これを含むFCBGAパッケージを廃棄せねばならず、高価なBGA(Ball Grid Array)基板が無駄になっていた。その結果、FCBGAパッケージの歩留りが低下するとともに、製品のコストアップをもたらしていた。特に、BGA基板は、少ない層数から構成されるプリント基板と異なり、多層構造となっており、製造に手間と費用を要するものであったので、このような歩留り低下は何としても避けることが望まれていた。
【0028】
本発明に基づく半導体装置のある局面においては、底面にボール状の電極をマトリックス状に配置したBGA基板と、上記BGA基板にフリップチップ接続された半導体チップである正規チップと、上記正規チップが不良であるときに新たに使用するチップである予備チップを搭載するための予備パッドとを備える。
【0029】
上記構成を採用することにより、ファイナルテストで正規チップが不良であることが判明した場合にも、予備パッドに予備チップを新たに搭載して使用することができ、高価なBGA基板を含む半導体装置全体の廃棄を免れることができる。
【0030】
本発明に基づく半導体装置の他の局面においては、底面にボール状の電極をマトリックス状に配置したBGA基板と、上記BGA基板にフリップチップ接続された半導体チップである正規チップと、上記BGA基板にフリップチップ接続されており、上記正規チップが不良であるときに使用する予備チップとを備える。
【0031】
上記構成を採用することにより、ファイナルテストで正規チップが不良であることが判明した場合にも、予備チップを使用することとすればよく、高価なBGA基板を含む半導体装置全体の廃棄を免れることができる。
【0032】
予備チップは正規チップが不良であった場合に、正規チップの代用として使用することができる性能を有する半導体チップである。
【0033】
上記発明においてさらに好ましくは、上記正規チップ及び上記予備チップのいずれを使用するかを選択できるチップ選択配線を備える。この構成を採用することにより、容易な操作で正規チップから予備チップへの切換えを行うことができる。
【0034】
【特許文献1】特開平6−310565号公報(段落0007〜0014、図1)
【特許文献2】特開2001−196521号公報(段落0006〜0010、段落0016、段落0020、段落0037〜0041、図7、図8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0035】
金属バンプを介した半導体チップ間の接合又は半導体チップと実装基板との接合によって構成される半導体装置の信頼性及び歩留りを向上させるためには、2者間の接合の信頼性を向上させることが、半導体装置の歩留り向上に必須であることは言うまでもない。
【0036】
接合の信頼性を低下させる原因として、接合工程における半導体チップや実装基板の反りがある。また、半導体装置の歩留り及び信頼性の低下の原因として、接合工程の前に既に生じており検知されていなかった実装基板や半導体チップの内部配線の形成不良、接合工程前或いは接合工程後の検査工程等における内部配線の静電破壊による断線等がある。
【0037】
0.1mm〜0.3mmという大きな径をもつ金属バンプを使用する接合、例えば、半導体チップと実装基板との少数の金属バンプを用いる接合のような場合には、一般に、実装基板の反りが大きいがこれに比べて半導体チップの反りは小さいので、実装基基板に反りを抑制する対策を行うこと、半導体チップの中心部位の近傍に金属バンプを配置すること等によって、両者の反りの接合の信頼性に対する影響を少なくすることができる。
【0038】
しかし、半導体チップと実装基板の接合の際に、10μm〜30μmという小さな径をもつ多数の金属バンプを使用する場合には、個々の金属バンプの接合面積は小さくなるので、半導体チップや実装基板の反りやアンダーフィル材の影響が大きくなる。
【0039】
また、半導体チップ間で接合を行うチップオンチップ接続において、より小さなチップを接合対象とし、チップ間で非常に多数の信号線の間を接続しようとする場合には、10μm〜30μm以下のより小さな径をもつ非常に多数の微細な金属バンプを使用する必要がある。
【0040】
従って、このような場合には、個々の金属バンプの接合面積は更に小さくなるので、半導体チップの辺(側端)近傍の数μm以下の反りが微細な金属バンプの接合状態に大きな影響を与え、両チップの反りやアンダーフィル材の影響は顕著に大きくなるという問題がある。仮に、接合対象とする小さな半導体チップの平坦度を高度に要求すると、半導体の製造コストを上昇させることになる。
【0041】
上記のように、微細な金属バンプを用いたフリップチップ接続又はチップオンチップ接続による接合では、数十から数百、多いものでは数千個の金属バンプが要求される。接合工程で、このような多数の金属バンプが一つでも接続不良となり電気的にオープンな状態を生じた場合には、半導体チップの接合部品(例えば、LSI)が機能せず、この接合部品を使用する半導体装置が不良となってしまう。例えば、1つの半導体チップが1000個の金属バンプをもつ場合に、10000個に1つの金属バンプが接続不良となると仮定する場合、10チップの接合のうち、1チップの接合が不良となる。
【0042】
図13に示す従来技術のように、単一の金属バンプによって、上下の各チップの同じ信号が流れる信号線同士を電気的接続する場合には、1つの金属バンプが接続不良となった場合には、上下のチップによる接合部品は正常に機能しなくなり、不良部品となってしまい装置に組み込めず、接合部品を使用する半導体装置の歩留り低下の大きな原因となり、同装置の高コストの原因となる。信号A、B、C、Dは互いに異なる信号であり、図13において、正常に上部チップ50と下部チップ52とが接合された時、例えば、金属バンプ54aには信号Aが流れ、金属バンプ54bには信号Bが流れ、金属バンプ54cには信号Cが流れ、金属バンプ54dには信号Dが流れるものとすると、金属バンプ54a〜54dの何れか1つが、上下のチップの信号線を電気的に正常に接続していない状態では、上下のチップの接合部品は正常に機能しない。
【0043】
ワイヤボンディング方式によるチップと実装基板との間の電気的接続の場合、実装基板のチップの外周の領域にパッドを配置することができ、パッドの真下に保護回路を配置することができるが、金属バンプによるチップオンチップ接続の場合、一般に、チップ面内に金属バンプがランダムに存在するため、金属バンプの真下に保護回路を設置しづらく、金属バンプから保護回路までを配線で引き回さなければならない。このため、チップオンチップ接続の場合、各チップの同じ信号線を繋ぐ金属バンプが単一である場合には、この単一の金属バンプからの静電破壊による配線の溶断があると、チップ又はチップの接合部品は正常に動作せず不良品となる。
【0044】
なお、特許文献1に記載の技術は、複数の金属バンプによって1対の電極を接合することによって、接合ずれを少なく関するものであって、また、特許文献2に記載の技術は、ファイナルテストで正規チップが不良である場合に、予備チップを使用することによって、半導体装置全体の廃棄を免れるものであって、何れの文献に記載の技術も、同じ信号が流れる複数の電極対をそれぞれ金属バンプによって電気的に接続して、2つの半導体チップを接合するものではない。
【0045】
本発明は、上述したような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、バンプ電極を介した部品間の接合の信頼性及び歩留りを向上させることができる半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0046】
即ち、本発明は、第1の導体線路及びこれに接続された複数の第1の並列導体線路を具備する第1の部品と、前記第1の導体線路と同一機能をなす第2の導体線路及びこれに接続された複数の第2の並列導体線路を具備する第2の部品と、前記第1の並列導体線路と前記第2の並列導体線路とを電気的に接続する複数のバンプ電極とを有し、前記第1の部品と前記第2の部品とが前記バンプ電極によって接合された半導体装置に係るものである。
【発明の効果】
【0047】
本発明によれば、第1の導体線路及びこれに接続された複数の第1の並列導体線路を具備する第1の部品と、第1の導体線路と同一機能をなす第2の導体線路及びこれに接続された複数の第2の並列導体線路を具備する第2の部品とを、複数の第1の並列導体線路と複数の第2の並列導体線路とのそれぞれの間をバンプ電極によって電気的に接続することによって、第1の部品と第2の部品とを接合するので、第1及び第2の部品の反り等によって接合不良が生じる可能性がある場合でも、同一機能をなす第1及び第2の導体線路が、複数のバンプ電極の何れかによって電気的な接続を確保でき、これによって、半導体装置は正常に動作するので、接合の信頼性及び歩留りを向上させることができる半導体装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
本発明の半導体装置では、複数の前記バンプ電極は隣接して配置される構成とするのがよい。第1の導体線路には複数の第1の並列導体線路が、第2の導体線路には複数の第2の並列導体線路が、それぞれ接続され、複数の第1及び第2の並列導体線路のそれぞれの間を電気的に接続するバンプ電極を隣接させて配置するので、同じ機能をなす第1及び第2の導体線路とバンプ電極をそれぞれ繋ぐ複数の第1及び第2の並列導体線路を、複雑な配線経路をとることなく最短経路でほぼ同じ条件(並列導体線路の配線長さ、線間容量等)下で、第1及び第2の部品に形成することができる。
【0049】
また、複数の前記バンプ電極の少なくとも一部が、前記第1の部品の側端から所定の距離以内にある領域を除いた領域に配置される構成とするのがよい。第1の部品の側端から所定の距離以内にある領域では反りを生じ易いので、複数のバンプ電極の少なくとも一部を、この反りを生じ易い領域を除いた領域に配置することによって、反りの影響を受けずより確実に第1の部品と第2の部品との間をバンプ電極によって接合することが可能となる。
【0050】
また、前記第1の導体線路及び前記第2の導体線路は、信号ライン、電源ライン又はアースラインである構成とするのがよい。同一機能をなす第1及び第2の導体線路を、同じ信号が流れる信号線、所定の部品に電源を供給するための電源ライン、又は、所定の端子を接地電位とするための接地(アース)ラインとすることによって、第1及び第2の部品の間で、信号線、電源ライン、又は、アースラインをより確実に電気的に接続することができる。
【0051】
また、異なる信号が流れる前記第1及び第2の導体線路の複数個が前記第1の部品と前記第2の部品とにそれぞれ設けられている構成とするのがよい。第1の導体線路及び第2の導体線路が信号ラインであり、信号ラインは複数個とする、そして、各信号ラインには異なる信号が流れ、第1及び第2の部品の各信号線は複数のバンプ電極によって電気的に接続されるので、多数の種類の信号を扱う場合でも、第1及び第2の部品の接合の信頼性を向上させることができる。
【0052】
また、前記所定の距離以内にある領域は、前記第1の部品と前記第2の部品との接合不良が生じ易い領域である。前記所定の距離以内にある領域は、反りが生じ易く接合不良を生じ易いので、接合不良を避けるために前記所定の距離以内にある領域を除いた領域を前記第1の部品と前記第2の部品との接合領域とするのが好ましい。
【0053】
また、前記第1の部品及び前記第2の部品が半導体チップである構成とするのがよい。この構成ではチップオンチップ接続であり、チップのより小面積化に伴い、非常に多数の微細なバンプ電極によってチップ間が接合されるが、各チップの同一機能をもつラインを複数のバンプ電極によって電気的に接続する構成とするので、接合の信頼性、製造歩留り向上させることができる。
【0054】
また、前記第1の部品が半導体チップであり、前記第2の部品が実装基板である構成とするのがよい。この構成では、実装基板、特に、有機材料から構成される実装基板は、熱膨張係数が大きいため、接合工程、熱試験工程等における温度上昇のために、半導体チップよりも反りを生じ易いが、このような場合でも、チップ及び実装基板の同一機能をもつ導体線路を複数のバンプ電極によって電気的に接続する構成とするので、接合の信頼性、製造歩留り向上させることができる。
【0055】
以下の説明では、上部及び下部チップにおいて同じ機能をもった導体線路に、複数の並列導体線路が接続され、各並列導体線路にはそれぞれ電極端子に接続されており、上部及び下部チップにおいて同じ機能をもった導体線路に繋がる電極端子の複数対のそれぞれをバンプ電極によって電気的に接続して、上部チップと下部チップとを接合するチップオンチップ接続を代表例として説明する。ここで、上部チップに金属バンプが配置され、上部チップの面積は下部チップよりも小さいものとする。
【0056】
なお、以下の実施の形態は、上記の導体線路(内部配線)として信号線を例にとって説明するが、信号線を電源供給線、接地(アース)線等に読み替えてもよい。また、下部チップは、インターポーザ基板、フレキシブル基板等の実装基板に読み替えてもよい。
【0057】
第1の実施の形態
本実施の形態では、上下の各チップの同じ信号が流れる信号線に繋がる金属バンプを2つ以上隣接させて配置する構成について説明する。
【0058】
図1は、本発明の第1の実施の形態において、同一の信号線に2つの金属バンプが繋がりこれら金属バンプを隣接させ、上部チップ30と下部チップ35とをチップオンチップ接続する構成を説明する図であり、図1(A)は平面図、図1(B)はY−Y部の断面図、図1(C)は図1(B)の部分拡大断面図、図1(D)は上部チップと下部チップの電気的接続を説明する模式図である。
【0059】
本実施の形態の半導体装置では、図1(D)の模式図に示すように、上下のチップは、上下の各チップのi番目の内部配線(信号線)に接続される2つの並列線路の各線路が繋がる電極端子(図示せず。)の間の2つの金属バンプiZ、izによって、接合されている。ここで、i=1、2、3、…、であり、異なるi番目の信号線には異なる信号が流れており、2つの金属バンプiZ、izは隣接して配置されている。
【0060】
図1(A)、図1(B)、図1(C)に示すように、上部チップ30の内部配線(信号線)42aに接続される2つの並列線路の各線路が繋がる電極端子と、下部チップ35の内部配線(信号線)44aに接続される2つの並列線路の各線路が繋がる電極端子とは、隣接する金属バンプ40A、40aによって接続されている。上部チップ30の内部配線(信号線)42bに接続される2つの並列線路の各線路が繋がる電極端子と、下部チップ35の内部配線(信号線)44bに接続される2つの並列線路の各線路が繋がる電極端子とは、隣接する金属バンプ40B、40bによって接続されている。内部配線42a、内部配線42bにはそれぞれ、異なる信号が流れている。チップ30、35を除く面は絶縁膜46によって覆われている。
【0061】
以下同様に、隣接する金属バンプの対、40Cと40c、40Dと40d、40Eと40e、40Fと40fには、それぞれ異なる信号が流れており、これらの金属バンプによって、上部チップ30と下部チップ35とが接合され電気的に接続されている。即ち、本実施の形態では、上部チップ30と下部チップ35の各チップの1つ信号線は2つの隣接する金属バンプによって電気的に接続されるチップオンチップ接続の構成をとっている。
【0062】
この構成では、上下の各チップの1つの信号線に繋がる単一の電極端子を形成する従来のチップオンチップ接続の構成とは異なり、1つの信号線に接続する2つの並列線路を形成しこの並列線路にそれぞれ繋がる電極端子を設け、1つの信号線に繋がる電極端子を隣接して配置する。従って、複雑な回路形成を伴うことなく、チップオンチップ接続の信頼性を向上させることができる。
【0063】
即ち、従来のチップオンチップ接続の構成において、何らかの原因によってある信号線に対して電気的接続が確保できず、半導体装置が不良品品となる場合でも、本実施の形態では、上下の各チップの1つの信号線は2つの並列線路によって電気的接続される構成とするので、この2つの並列線路の何れか一方によって電気的接続が確保できればよいので、半導体装置が不良品となる確率を低くすることができ、歩留りを向上させることができる。
【0064】
なお、図1に示す上部チップ30の大きさは5mm×5mm、厚さ0.15mm、下部チップ35の大きさは10mm×10mm、厚さ0.15mmであり、直径30μmφの金属バンプ40を2000個用いて、チップ間を接合している(図1では、一部の金属バンプのみを示している。)。
【0065】
図2は、本発明の第1の実施の形態において、同一の信号線に2つの金属バンプが繋がりこの金属バンプを隣接させ、上部チップ30と下部チップ35とをチップオンチップ接続する構成を説明する図であり、図2(A)は金属バンプの配列例を説明する図、図2(B)は各チップの各信号線に繋がる金属バンプの具体的な配置例を説明する図、図2(C)は金属バンプの他の配置例を説明する図である。図2に示す例では、上下のチップの各チップの100個の信号線を電気的に接続する例を示している。
【0066】
図2(A)に示すように、上部チップ30に金属バンプが配置されるが、金属バンプは上部チップ30の辺(側端)の近傍には配置しない。即ち、上部チップ30の各辺の長さをLx、Lyとする時、上部チップ30の各辺から所望の距離(例えば、Lx/5〜Lx/3、及び、Ly/5〜Ly/3)内にある領域を除いた、上部チップ30の中心部を含む領域に金属バンプを配置する。図2(A)に示す例では、上部チップ30の辺から距離Lx/4、Ly/4内には金属バンプを配置していない。このような構成によって、チップの辺近傍に反りが生じ易い場合でも、上下のチップ間の接合をより信頼性の高いものとすることができる。
【0067】
図2(B)に示すように、同じ信号線に繋がる金属バンプは隣接して配置されている。即ち、n=1〜100とする時、同じnに対して、金属バンプnAとnaは隣接して配置されており、同じ信号が流れる。
【0068】
図2(C1)は、金属バンプを上部チップ30の辺の近傍の領域まで配置した例であり、金属バンプによる上部チップと下部チップ35との接合の際に、両チップの反りが両チップの電気的接続に影響を及ぼさない場合に適用可能である。
【0069】
なお、チップを実装基板に金属バンプによって面実装する場合には、有機材料からなる実装基板を使用する場合には、大きな反りを生じ易いので、チップの各辺からできるだけ長い距離内にある領域を除いた、チップの中心部を含む領域に金属バンプを配置するのが好ましい。
【0070】
図2(C2)は、図2(C1)における格子状の金属バンプの配置を千鳥状の配置としたものであり、上下の各チップの同じ信号線に繋がる2つの金属バンプ間を接続する並列線路の配線を容易とし、図2(C1)の場合よりも大きな金属バンプを使用してより高い信頼性で上下のチップの接合を行うことができる。
【0071】
また、図2(C2)に示す金属バンプの配置を使用して、図2(A)に示す構成と同じように、金属バンプを上部チップ30の辺の近傍には配置しない構成とすることもでき、チップの辺近傍に反りを生じ易い場合でも、チップ間の接合をより信頼性の高いものとすることができる。
【0072】
図3は、本発明の第1の実施の形態において、同じ信号線に繋がる4個の金属バンプをもつ上部チップと下部チップとを接合するチップオンチップ接続おける金属バンプの配置の例を説明する図であり、図3(A)は上部チップと下部チップの電気的接続を説明する模式図、図3(B)は同じ信号が流れる金属バンプの配置の一例を説明する図である。
【0073】
図1、図2に示す例では、上下の各チップの1つの信号線に対してこれに繋がる2つの金属バンプを配置する構成について説明したが、図3に示す例では、チップの辺近傍に金属バンプを配置しない構成として、上下の各チップの1つの信号線に対してこれに繋がる4つの金属バンプを配置して、チップに反りを生じ易い場合でもチップオンチップ接続の信頼性を向上させることができる構成について説明する。
【0074】
図3(A)の模式図に示すように、上下のチップは、上下の各チップのi番目の内部配線(信号線)に接続される4つの並列線路の各線路が繋がる電極端子(図示せず。)の間の隣接する4つの金属バンプiA、iB、iC、iDによって、接合されている。ここで、i=1、2、3、…、であり、異なるi番目の信号線には異なる信号が流れている。同じiに対する4つの金属バンプiA、iB、iC、iDは、図3(A)に示すように格子状に配置されている。
【0075】
図3(B)に示すように、図2に示す例と同様に、上部チップ30に金属バンプが配置されるが、金属バンプは上部チップ30の辺近傍の近傍には配置しない。図3に示す例では、上部チップ30の辺から距離Lx/5、Ly/5内には金属バンプを配置していない。
【0076】
なお、図3(B)に示す金属バンプの配置を使用して、図2(C)に示す例と同様に、金属バンプを上部チップ30の辺の近傍の領域まで配置することもでき、接続不良となり易い位置(例えば、チップのコーナー(角)部分)において、同じ信号が流れる金属バンプを複数配置することによって、接合部品の歩留りを向上させることができる。
【0077】
以上の説明では、図1、図3に示すように、上下の各チップの信号線と複数の並列線路との接続を、これら並列線路の各線路に繋がる金属バンプのごく近傍において行っており、ほぼ同じ長さをもつ複数の並列線路によって、信号線と金属バンプの間が接続されている。従って、配線間の容量が増大することもなく、配線間の容量のばらつきが生じることもない。なお、上下の各チップの信号線と複数の並列線路との接続を、これら並列線路の各線路に繋がる金属バンプの近傍で行わず、遠く離れた位置で行うこともできる。
【0078】
図4は、本発明の第1の実施の形態の変形例であり、信号線の並列分岐を金属バンプから遠い位置で行っている例を説明する図であり、図4(A)は、図1(C)に対応する部分拡大断面図、図4(B)は上部チップと下部チップの電気的接続を説明する模式図である。
【0079】
図4(A)に示す例では、上部チップ30の内部配線(信号線)42aは金属バンプ40A、40aから遠い位置で、上部チップの信号線の第1及び第2分岐線42a−1、42a−2に分岐し、下部チップ35の内部配線(信号線)44aは金属バンプ40A、40aから遠い位置で、下部チップの信号線の第1及び第2分岐線44a−1、44a−2に分岐している。そして、第1及び第2の分岐線42a−1、42a−2、44a−1、44a−2が信号線として金属バンプ40A、40aまで配線されている。
【0080】
上部チップ30の信号線42aの第1分岐線42a−1と下部チップ35の信号線44aの第1分岐線44a−1とが、金属バンプ40Aによって電気的に接続され、上部チップ30の信号線42aの第2分岐線42a−2と下部チップ35の信号線44aの第2分岐線44a−2とが、金属バンプ40aによって電気的に接続される。
【0081】
図1(D)に示す模式図では、上下の各チップのi番目の信号線(ここで、i=1、2、3、…、であり、異なるi番目の信号線には異なる信号が流れている。)は、隣接する金属バンプiZ、izの近傍で2つの並列線路に接続されているのに対して、本変形例では、図4(B)の模式図に示すように、上下の各チップのi番目の信号線(ここで、i=1、2、3、…、であり、異なるi番目の信号線には異なる信号が流れている。)は、隣接する金属バンプiZ、izから遠い位置で、第1及び第2分岐線に分岐しており、この第1及び第2の分岐線が信号線として金属バンプiZ、izまで配線されている。
【0082】
以上説明したように、本実施の形態では、上下の各チップの同じ信号が流れる信号線に繋がる金属バンプの2つ以上を、隣接させて配置、又は、遠く離れた位置に配置することによって、金属バンプによる接続不良が生じても何れか1つの金属バンプが正常に接続され、上下のチップの接合部品を正常に機能させることができ、接合部品の歩留りを向上させることができる。
【0083】
第2の実施の形態
第1の実施の形態では、上下の各チップの同一の信号が流れる複数の金属バンプを隣接させて配置する構成について説明したが、本実施の形態では同一の信号が流れる複数の金属バンプを隣接させないで配置する構成について説明する。
【0084】
第2の実施の形態に係る半導体装置は、第1の導体線路及びこれに接続された複数の第1の並列導体線路を具備する第1の部品と、第1の導体線路と同一機能をなす第2の導体線路及びこれに接続された複数の第2の並列導体線路を具備する第2の部品と、第1の並列導体線路と第2の並列導体線路とを電気的に接続する複数のバン電極とを有し、異なる機能をなす第1及び第2の導体線路の複数個が第1の部品と第2の部品とにそれぞれ設けられており、第1の部品と第2の部品とが複数のバンプ電極によって接合された構成をもっている。
【0085】
上記構成において、異なる機能をなす第1及び第2の導体線路に繋がるバンプ電極は隣接して配置されている。第1及び第2の導体線路に繋がるバンプ電極とは、第1及び第2の導体線路がバンプ電極に電気的に接続されていることをいう。
【0086】
また、同じ機能をなす第1及び第2の導体線路に繋がるバンプ電極は隣接しないように配置されている。
【0087】
また、同じ機能をなす第1及び第2の導体線路に繋がるバンプ電極の少なくとも一部は、第1の部品の側端から所定の距離以内にある領域を除いた領域に配置されている。第1の部品の側端から所定の距離以内の領域は、第1の部品と第2の部品との接合不良が生じ易い領域であり、第1の部品の側端の近傍の領域である。第1の部品の側端から所定の距離以内にある領域を除いた領域は、第1の部品の中心部を含む領域である。
【0088】
また、第1の部品の接合領域が複数の異なる領域に分割され、同じ機能をなす第1及び第2の導体線路に繋がる複数のバンプ電極が、分割された異なる領域に分けて配置されている。
【0089】
また、第1の部品の接合領域が第1及び第2の領域を含む領域に分割され、同じ機能をなす第1及び第2の導体線路に繋がる複数のバンプ電極の少なくとも一部が第1の領域に、残りが第2の領域にそれぞれ配置されている。第1の領域は、第1の部品の側端から第1の所定の距離以内にある領域を除いた領域であり、第1の部品の中心部を含む領域である。第2の領域は第1の部品の中心部を含まない領域であり、第2の領域は、第1の部品の側端から第2の所定の距離以内にある領域と第1の領域との間の領域である。第1の部品の側端から第2の所定の距離以内にある領域は、第1の部品と第2の部品との接合不良が生じ易い領域であり、第1の部品の側端の近傍の領域である。第1の領域におけるバンプ電極の配列密度は第2の領域におけるバンプ電極の配列密度より大きい構成とすることができる。また、第1の領域に配置されたバンプ電極の総数と第2の領域に配置されたバンプ電極の総数とを同数とする構成とすることができる。さらに、第1の領域に配置されたバンプ電極の総数を第2の領域に配置されたバンプ電極の総数よりも多い構成とすることができる。
【0090】
なお、バンプ電極の配列密度は、単位面積当たりに配置されるバンプ電極の数として定義する。
【0091】
図5は、本発明の第2の実施の形態において、上下の各チップの同一の信号が流れる2つの金属バンプを隣接させないように配置して、上下のチップをチップオンチップ接続する構成を説明する図であり、図5(A)は平面図、図5(B)はY−Y部の断面図、図5(C)は上部チップ及び下部チップの内部配線の金属バンプによる接続を説明する、図5(B)の部分拡大断面図であり、図5(D)は上部チップと下部チップの電気的接続を説明する模式図である。
【0092】
本実施の形態の半導体装置では、図5(D)の模式図に示すように、上下のチップは、上下の各チップのi番目の内部配線(信号線)に接続される2つの並列線路の各線路が繋がる電極端子(図示せず。)の間の2つの金属バンプiZ、izによって、接合されている。ここで、i=1、2、3、…、であり、異なるi番目の信号線には異なる信号が流れており、2つの金属バンプiZ、izは隣接せず、異なる信号が流れる金属バンプを挟んで配置されている。
【0093】
図5(A)、図5(B)、図5(C)に示すように、図2に示す第1の実施の形態の構成と同様に、上部チップ30の内部配線(信号線)42aに接続される2つの並列線路の各線路が繋がる電極端子と、下部チップ35の内部配線(信号線)44aに接続される2つの並列線路の各線路が繋がる電極端子とは、金属バンプ40A、40aによって接続されて、また、上部チップ30の内部配線(信号線)42bに接続される2つの並列線路の各線路が繋がる電極端子と、下部チップ35の内部配線(信号線)44bに接続される2つの並列線路の各線路が繋がる電極端子とは、金属バンプ40B、40bによって接続されている。内部配線42a、内部配線42bにはそれぞれ、異なる信号が流れる。
【0094】
即ち、本実施の形態では、図1、図2に示す第1の実施の形態の構成と同様に、上部チップ30と下部チップ35の各チップの1つ信号線は2つの金属バンプによって電気的に接続される構成をとるが、各チップの同じ信号が流れる金属バンプは隣接していない構成をとっている。
【0095】
なお、図5に示す上部チップ30の大きさは5mm×5mm、厚さ0.15mm、下部チップ35の大きさは10mm×10mm、厚さ0.15mmであり、直径30μmφの金属バンプ40を2000個用いて、チップ間を接合している(図5では、一部の金属バンプのみを示している。)。
【0096】
図6は、本発明の第2の実施の形態において、上部チップ30と下部チップ35とを接合する金属バンプが均一な密度(単位面積当たりに配置される金属バンプ数)で配列される場合を説明する図であり、図6(A)は金属バンプの配列例を説明する図、図6(B)は各チップの各信号線に繋がる金属バンプの具体的な配置例を説明する図である。
【0097】
図6に示す例では、金属バンプが配置される上部チップの接合領域が4等分に分画され各分画(金属バンプ群領域31、32、33、34)に50個の金属バンプが配置され、チップには合計200個の金属バンプが配置されている。上下の各チップにおける100個の信号線の各信号線に接続する2つの並列線路に繋がる電極端子が形成されており、上下のチップの接合によって上下の各チップにおける100個の信号線が200個の金属バンプによって接続されている。100個の信号線にはそれぞれ、異なる信号が流れる。
【0098】
各分画(金属バンプ群領域31、32、33、34)にそれぞれ、例えば、異なる信号処理に関連する信号が流れる金属バンプを対応させて配置しておく。後述するように、各分画の大きさを異ならせる構成としてもよい。
【0099】
図6に示す例では、200個の金属バンプの全体が配列される領域(接合領域)を4等分して分画を形成し、100個の信号線を4群に分けて、これらの群と分画とを対応させて、各群の信号線のそれぞれに繋がる金属バンプを配置する。
【0100】
図6において、接合面を対向させた上部チップ30及び下部チップ35を接合する金属バンプが上下いずれか一方のチップに配列される。上部チップ30及び下部チップ35の各接合面において、第1金属バンプ群領域(xy座標の第1象限)31には金属バンプ1A〜25A、金属バンプ1a〜25aによって接続される電極端子が形成され、同上の第2金属バンプ群領域(xy座標の第2象限)32には金属バンプ1B〜25B、金属バンプ1b〜25bによって接続される電極端子が形成され、同上の第3金属バンプ群領域(xy座標の第3象限)33には金属バンプ1C〜25C、金属バンプ1c〜25cによって接続される電極端子が形成され、同上の第4金属バンプ群領域(xy座標の第4象限)34には金属バンプ1D〜25D、金属バンプ1d〜25dによって接続される電極端子が形成されている。
【0101】
n=1〜25とし、上部チップ30とチップ35とが接合され、上部チップ30とチップ35との接合体が動作する時、同じnに対して、金属バンプnAと金属バンプnaはチップの同じ内部配線(信号線)に繋がっており同じ信号が流れ、金属バンプnBと金属バンプnbはチップの同じ内部配線(信号線)に繋がっており同じ信号が流れ、金属バンプnCと金属バンプncはチップの同じ内部配線(信号線)に繋がっており同じ信号が流れ、金属バンプnDと金属バンプndはチップの同じ内部配線(信号線)に繋がっており同じ信号が流れる。金属バンプnA、金属バンプnB、金属バンプnC、金属バンプnDにはそれぞれ異なる信号が流れる。
【0102】
第1金属バンプ群領域31、第2金属バンプ群領域32、第3金属バンプ群領域33、第4金属バンプ群領域34の各領域内において、1つの信号線に対して2つの金属バンプが配置されている。この2つの金属バンプは、異なる信号が流れる他の信号線に繋がる金属バンプを挟んで配置され、互いに隣接しない位置に配置されている。各チップの各信号線に繋がる2つの金属バンプについては、可能な限り、一方の金属バンプはチップの中心に近い位置に、他方の金属バンプはチップの中心から離れたチップの辺に近い位置に配置されている。
【0103】
図6(B)に示すように、例えば、金属バンプ1a、1b、1c、1d、25A、25B、25C、25Dはチップの中心近傍に、金属バンプ25a、25b、25c、25d、1A、1B、1C、1Dはチップの角部の近傍に配置されている。
【0104】
図6に示す例では、各チップの各信号線に繋がる2つの金属バンプについては、可能な限り、チップの中心に近い位置に一方の金属バンプを配置し、チップの中心から離れたチップの辺に近い位置に他方の金属バンプを配置する。
【0105】
例えば、一方の金属バンプの位置とチップの角部との間の距離が小さいほど、対応する他方の金属バンプをチップの中心から近い位置に配置し、一方の金属バンプの位置とチップの角部との間の距離が大きいほど、対応する他方の金属バンプをチップの中心から遠い位置に配置する、或いは、一方の金属バンプの位置とチップの辺との間の最短距離が小さいほど、対応する他方の金属バンプをチップの中心から近い位置に配置し、一方の金属バンプの位置とチップの辺との間の最短距離が大きいほど、対応する他方の金属バンプをチップの中心から遠い位置に配置する。
【0106】
この結果、チップが反っている場合でも、各チップの各信号線に繋がる2つの金属バンプの少なくとも1つの金属バンプによって、上下のチップが正常な状態で接合される可能性が大きくなるので、上下のチップが、図14(A)に示すような接続が不良な状態で接合されるような場合でも、正常な電気的接続を保持できる可能性が大きくなる。
【0107】
また、チップの製造工程でチップの内部配線の形成不良(断線)が生じているような場合でも、この形成不良が、チップの内部配線(信号線)に接続される2つの並列線路(この各線路は電極端子に繋がっている。)の何れか一方に生じている場合には、何れか一方の並列線路に繋がる電極端子を通して金属バンプによって、上下のチップ間での正常な電気的接続を保持することができる。
【0108】
更に、上下の各チップの同じ信号が流れる信号線に繋がる複数の金属バンプを空間的に離れた位置に形成するので、静電破壊が並列線路の何れかに生じている場合にも、残る何れかの並列線路に繋がる電極端子を通して金属バンプによって、上下のチップ間での正常な電気的接続を確保することができる。
【0109】
このように、上下の各チップの同じ信号が流れる信号線に繋がる金属バンプを2つ以上配置することによって、金属バンプによる接続不良生じても何れか1つの金属バンプが正常に接続され、上下のチップの接合部品を正常に機能させることができ、接合部品の歩留りを向上させることができる。
【0110】
図7は、本発明の第2の実施の形態において、上部チップ30と下部チップ35とを接合する金属バンプが均一な密度で配列される他の例を説明する図であり、図7(A)は金属バンプの配列例を説明する図、図7(B)は各チップの各信号線に繋がる金属バンプの具体的な配置例を説明する図、図7(C)は各チップの各信号線に繋がる金属バンプの具体的な他の配置例を説明する図である。
【0111】
図7に示す例は、基本的に図6に示す例と同じであり、金属バンプが配置される上部チップの接合領域が4等分に分画され各分画(金属バンプ群領域31、32、33、34)に50個の金属バンプが配置され、チップには合計200個の金属バンプが配置されている。上下の各チップにおける100個の信号線の各信号線に接続する2つの並列線路に繋がる電極端子が形成されており、上下のチップの接合によって上下の各チップにおける100個の信号線が200個の金属バンプによって接続されている。
【0112】
図6に示す例と同様に、2つのチップが接合され動作する時、n=1〜25とすると、同じnに対して、金属バンプnAと金属バンプnaはチップの同じ信号線に繋がっており同じ信号が流れ、金属バンプnBと金属バンプnbはチップの同じ信号線に繋がっており同じ信号が流れ、金属バンプnCと金属バンプncはチップの同じ信号線に繋がっており同じ信号が流れ、金属バンプnDと金属バンプndはチップの同じ信号線に繋がっており同じ信号が流れる。金属バンプnA、金属バンプnB、金属バンプnC、金属バンプnDにはそれぞれ異なる信号が流れる。
【0113】
図6に示す例では、各チップの各信号線に繋がる2つの金属バンプは同じ分画内に配置されているが、図7に示す例では、各チップの各信号線に繋がる2つの金属バンプは異なる分画内に配置されている。
【0114】
図7(B)に示す例では、第1金属バンプ群領域31には、金属バンプ1A〜25A、金属バンプ1b〜25bが配列され、第2金属バンプ群領域32には、金属バンプ1a〜25a、金属バンプ1B〜25Bが配列され、第3金属バンプ群領域33には、金属バンプ1C〜25C、金属バンプ1d〜25dが配列され、第4金属バンプ群領域34には、金属バンプ1c〜25c、金属バンプ1D〜25Dが配列されている。
【0115】
図7(C)に示す例では、第1金属バンプ群領域31には、金属バンプ1A〜25A、金属バンプ1c〜25cが配列され、第2金属バンプ群領域32には、金属バンプ1B〜25B、金属バンプ1d〜25dが配列され、第3金属バンプ群領域33には、金属バンプ1a〜25a、金属バンプ1C〜25Cが配列され、第4金属バンプ群領域34には、金属バンプ1b〜25b、金属バンプ1D〜25Dが配列されている。
【0116】
図6に示す例と同様に、各チップの各信号線に繋がる2つの金属バンプについては、可能な限り、一方の金属バンプはチップの中心に近い位置に、他方の金属バンプはチップの中心から離れたチップの辺に近い位置に配置されている。図7(B)、図7(C)に示すように、例えば、金属バンプ1a、1b、1c、1d、25A、25B、25C、25Dはチップの中心近傍に、金属バンプ25a、25b、25c、25d、1A、1B、1C、1Dはチップの角部の近傍に配置されている。
【0117】
図7で示す例においても、図6に示す例と同様に、上下のチップ間での正常な電気的接続を保持することができる。
【0118】
図8は、本発明の第2の実施の形態において、上部チップ30と下部チップ35とを接合する金属バンプが均一な密度で配列される他の例を説明する図であり、図8(A)は金属バンプの配列例を説明する図、図8(B)は各チップの各信号線に繋がる金属バンプの具体的な配置例を説明する図、図8(C)は各チップの各信号線に繋がる金属バンプの具体的な他の配置例を説明する図である。
【0119】
図8に示す例では、図6、図7に示す例と異なり、金属バンプが配置される上部チップの接合領域が、異なる面積をもつ4つに分画されている。即ち、図6、図7に示す例では、200個の金属バンプの全体が配列される領域(接合領域)を4等分して分画を形成したが、図8に示す例では、異なる面積をもつ分画(金属バンプ群領域31、32、33、34)を形成する。
【0120】
第1金属バンプ群領域31には、金属バンプ1A〜16Aが配置され、第2金属バンプ群領域32には、金属バンプ1B〜24Bが配置され、第3金属バンプ群領域33には、金属バンプ1C〜36Cが配置され、第4金属バンプ群領域34には、金属バンプ1D〜24Dが配置されている。
【0121】
金属バンプ1A〜16Aと金属バンプ1a〜16aは基本的に異なる分画に配置され、金属バンプ1B〜24Bと金属バンプ1b〜24bは基本的に異なる分画に配置され、金属バンプ1C〜36Cと金属バンプ1c〜36cは基本的に異なる分画に配置され、金属バンプ1D〜24Dと金属バンプ1d〜24dは基本的に異なる分画に配置され、異なる分画に配置が困難又は不可能な場合には、図6と同様に、同じ分画内に配置される。
【0122】
図7に示す例では、各チップの各信号線に繋がる2つの金属バンプは厳密に異なる分画内に配置されているが、図8に示す例では、各チップの各信号線に繋がる2つの金属バンプは基本的に異なる分画内に配置し、異なる分画内に配置することが不可能な場合には、図6と同様に、同じ分画内に配置される。
【0123】
このように、第1金属バンプ群領域31には32個の金属バンプが配置され、第2金属バンプ群領域32には48個の金属バンプが配置され、第3金属バンプ群領域33には72個の金属バンプが配置され、第4金属バンプ群領域34には48個の金属バンプが配置されており、チップには合計200個の金属バンプが配置されている。上下の各チップにおける100個の信号線の各信号線に接続する2つの並列線路に繋がる電極端子が、上下のチップの接合の際に200個の金属バンプによって接続され、上下の各チップにおける100個の信号線が200個の金属バンプによって接続されている。
【0124】
2つのチップが接合され動作する時、k=1〜16、m=1〜24、n=1〜36とすると、同じk、同じm、同じnに対して、金属バンプkAと金属バンプkaはチップの同じ信号線に繋がっており同じ信号が流れ、金属バンプmBと金属バンプmbはチップの同じ信号線に繋がっており同じ信号が流れ、金属バンプnCと金属バンプncはチップの同じ信号線に繋がっており同じ信号が流れ、金属バンプmDと金属バンプmdはチップの同じ信号線に繋がっており同じ信号が流れる。金属バンプkA、金属バンプmB、金属バンプnC、金属バンプmDにはそれぞれ異なる信号が流れる。
【0125】
図8(B)に示す金属バンプの配置の例は、図7(B)に示す金属バンプの配置の例に類似し、図8(C)に示す金属バンプの配置の例は、図7(C)に示す金属バンプの配置の例に類似しているが、厳密には異なる配置である。
【0126】
図6、図7に示す例と同様に、各チップの各信号線に繋がる2つの金属バンプについては、可能な限り、一方の金属バンプはチップの中心に近い位置に、他方の金属バンプはチップの中心から離れたチップの辺に近い位置に配置されている。図8(B)、図8(C)に示すように、例えば、金属バンプ1a、1b、1c、1d、29C、30C、35C、36Cはチップの中心近傍に、金属バンプ1A、1B、1C、1D、29c、30c、35c、36cはチップの角部の近傍に配置されている。
【0127】
図8に示す例においても、図6、図7に示す例と同様に、上下のチップ間での正常な電気的接続を保持することができる。
【0128】
図9は、本発明の第2の実施の形態において、上部チップ30と下部チップ35とを接合する金属バンプが均一な密度で配列される他の例を説明する図であり、図9(A)は金属バンプの配列例を説明する図、図9(B)は各チップの各信号線に繋がる金属バンプの具体的な配置例を説明する図、図9(C)は各チップの各信号線に繋がる金属バンプの具体的な他の配置例を説明する図である。
【0129】
図9に示す例では、金属バンプが配置される上部チップの接合領域を分画に分割することなく、チップには合計200個の金属バンプが配置されている。上下の各チップにおける100個の信号線の各信号線に接続する2つの並列線路に繋がる電極端子が形成されており、上下のチップの接合によって上下の各チップにおける100個の信号線が200個の金属バンプによって接続されている。
【0130】
2つのチップが接合され動作する時、n=1〜100とすると、同じnに対して、金属バンプnXと金属バンプnYはチップの同じ信号線に繋がっており同じ信号が流れる。100個の金属バンプnXのそれぞれには、異なる信号が流れる。
【0131】
金属バンプの具体的な配置は、図9(B)、図9(C)に示す例の他に多数の配置が可能である。図9に示す例は、図8に示す例と同様に、チップの反りが2つのチップの電気的な接続に実質的に影響しない場合に有効であり、図6、図7、図8に示す例と同様に、チップの製造工程でチップの内部配線の形成不良(断線)が、チップの信号線に接続される2つの並列線路の何れか一方に生じている場合、静電破壊が、2つの並列線路の何れか一方に生じている場合にも、何れか一方の並列線路に繋がる電極端子を通して金属バンプによって、上下のチップ間での正常な電気的接続を保持することができる。
【0132】
図10は、本発明の第2の実施の形態において、上部チップ30と下部チップ35とを接合する金属バンプが不均一な密度で配列される例を説明する図であり、図10(A)はチップ面積を9個の分画に等分割して金属バンプを配置する例を説明する図、図10(B)はチップ面積を16個の分画に等分割して金属バンプを配置する例を説明する図、図10(C)はチップ面積を49個の分画に等分割して金属バンプを配置する例を説明する図である。
【0133】
図10に示す例では、図5、図6、図7、図9に示す例と異なり、金属バンプを不均一な密度で配置する構成をとっている。図10に示す例では、チップの面積を等分割して複数の分画を形成して、チップの中心部を含みチップの辺(側端)を含まない1又は複数の分画によって、金属バンプを密に配列する密配列金属バンプ群領域47を形成し、チップの中心部を含まずチップの辺(側端)を含む分画を含む複数の分画によって、金属バンプを粗配列する粗配列金属バンプ群領域48を形成する。
【0134】
以下の説明では、1個の分画の面積をSとする。そして、密配列金属バンプ群領域47、及び、粗配列金属バンプ群領域48にはそれぞれ、同数の金属バンプが配置される。以下の説明では、これら領域47、48に配置される金属バンプの数をNとする。
【0135】
各チップの各信号線に繋がる2つの金属バンプの一方の金属バンプは、密配列金属バンプ群領域47に配置され、他方の金属バンプは、粗配列金属バンプ群領域48に配列される。従って、各チップの各信号線に繋がる2つの金属バンプの一方の金属バンプは、反りの生じにくいチップの内部の領域に配置され、他方の金属バンプは、反りの生じる可能性の大きいチップの辺の近傍に配置されることになる。
【0136】
図10に示す例では、図6に示す例と同様に、各チップの各信号線に繋がる2つの金属バンプについては、可能な限り、チップの中心に近い位置に一方の金属バンプを配置し、チップの中心から離れたチップの辺に近い位置に他方の金属バンプを配置する。
【0137】
例えば、一方の金属バンプの位置とチップの角部との間の距離が小さいほど、対応する他方の金属バンプをチップの中心から近い位置に配置し、一方の金属バンプの位置とチップの角部との間の距離が大きいほど、対応する他方の金属バンプをチップの中心から遠い位置に配置する、或いは、一方の金属バンプの位置とチップの辺との間の最短距離が小さいほど、対応する他方の金属バンプをチップの中心から近い位置に配置し、一方の金属バンプの位置とチップの辺との間の最短距離が大きいほど、対応する他方の金属バンプをチップの中心から遠い位置に配置する。
【0138】
このような金属バンプの配置によって、図10に示す例においても、図6、図7に示す例と同様に、上下のチップ間での正常な電気的接続を保持することができる。
【0139】
図10(A)に示す例では、チップの各辺を3等分してチップ面積を9個の分画に等分割して、チップの中心を含む1個の分画を密配列金属バンプ群領域47とし、チップの辺を含む8個の分画を粗配列金属バンプ群領域48とする。この時、密配列金属バンプ群領域47に配列される内部の密な配列密度はN/S、粗配列金属バンプ群領域48に配列されるチップの辺の近傍の粗な配列密度はN/(8S)となり、密度比は8となる。
【0140】
N=96とすると、密配列金属バンプ群領域47には96個の金属バンプが配置され、粗配列金属バンプ群領域48の各分画には12個の金属バンプが配置され、上下のチップの信号線は、合計192個の金属バンプによって接続される。
【0141】
N=480とすると、密配列金属バンプ群領域47には480個の金属バンプが配置され、粗配列金属バンプ群領域48の各分画には60個の金属バンプが配置され、上下のチップの信号線は、合計960個の金属バンプによって接続される。
【0142】
N=960とすると、密配列金属バンプ群領域47には960個の金属バンプが配置され、粗配列金属バンプ群領域48の各分画には120個の金属バンプが配置され、上下のチップの信号線は、合計1920個の金属バンプによって接続される。
【0143】
図10(B)に示す例では、チップの各辺を4等分してチップ面積を16個の分画に等分割して、チップの中心を含む4個の分画を密配列金属バンプ群領域47とし、チップの辺を含む12個の分画を粗配列金属バンプ群領域48とする。この時、密配列金属バンプ群領域47に配列される内部の密な配列密度はN/(4S)、粗配列金属バンプ群領域48に配列されるチップの辺の近傍の粗な配列密度はN/(12S)となり、密度比は3となる。
【0144】
N=96とすると、密配列金属バンプ群領域47の各分画には24個の金属バンプが配置され、粗配列金属バンプ群領域48の各分画には8個の金属バンプが配置され、上下のチップの信号線は、合計192個の金属バンプによって接続される。
【0145】
N=480とすると、密配列金属バンプ群領域47の各分画には120個の金属バンプが配置され、粗配列金属バンプ群領域48の各分画には40個の金属バンプが配置され、上下のチップの信号線は、合計960個の金属バンプによって接続される。
【0146】
N=960とすると、密配列金属バンプ群領域47の各分画には240個の金属バンプが配置され、粗配列金属バンプ群領域48の各分画には80個の金属バンプが配置され、上下のチップの信号線は、合計1920個の金属バンプによって接続される。
【0147】
図10(C)に示す例では、チップの各辺を7等分してチップ面積を49個の分画に等分割して、チップの中心を含む9個の分画を密配列金属バンプ群領域47とし、チップの辺を含む分画を含む40個の分画を粗配列金属バンプ群領域48とする。この時、密配列金属バンプ群領域47に配列される内部の密な配列密度はN/(9S)、粗配列金属バンプ群領域48に配列されるチップの辺の近傍の粗な配列密度はN/(40S)となり、密度比は4.4となる。
【0148】
N=360とすると、密配列金属バンプ群領域47の各分画には40個の金属バンプが配置され、粗配列金属バンプ群領域48の各分画には9個の金属バンプが配置され、上下のチップの信号線は、合計720個の金属バンプによって接続される。
【0149】
N=720とすると、密配列金属バンプ群領域47の各分画には80個の金属バンプが配置され、粗配列金属バンプ群領域48の各分画には18個の金属バンプが配置され、上下のチップの信号線は、合計1440個の金属バンプによって接続される。
【0150】
以上では、部チップ面積を9、16、49個の分画に等分割して金属バンプを配置する例を説明したが、チップ面積を任意の数に等分割して、上記で説明したようにして、金属バンプを配置してもよいことは言うまでもない。
【0151】
また、K、m、nを整数、(m/n)を整数として、密配列金属バンプ群領域47を等分割され面積AをもつK個の分画によって形成し、チップの辺を含む/又は含まない粗配列金属バンプ群領域48を等分割され面積Bをもつ(nK)個の分画によって形成し、密配列金属バンプ群領域47の各分画に配置する金属バンプの数をmとし、粗配列金属バンプ群領域48の各分画に配置する金属バンプの数を(m/n)としてもよい。このようにすることによって、密配列金属バンプ群領域47に配置される金属バンプの数を(mK)とし、粗配列金属バンプ群領域48に配置される金属バンプの数を(nK)×(m/n)=(mK)として、上下のチップの信号線を、合計(2mK)個の金属バンプによって接続することができる。
【0152】
例えば、K=48、m=10、n=2又は5とすることによって、上下のチップの信号線を、合計960個の金属バンプによって接続することができる。K=96、m=20、n=2又は5又は10とすることによって、上下のチップの信号線を、合計1920個の金属バンプによって接続することができる。
【0153】
このような金属バンプの配置によって、図6、図7、図10に示す例と同様に、上下のチップ間での正常な電気的接続を保持することができる。
【0154】
図11は、本発明の第2の実施の形態において、上部チップ30と下部チップ35とを接合する金属バンプが不均一な密度で配列される例を説明する図であり、図11(A)はチップの辺近傍まで金属バンプを配置する例を説明する図、図11(B)はチップの辺近傍に金属バンプを配置しないでチップの中心の近くに金属バンプを配置する例を説明する図である。
【0155】
図11(A)に示す例では、チップの長辺を8等分、短辺を6等分してチップ面積を48個の分画に等分割して、チップの中心を含む24個の分画を密配列金属バンプ群領域47とし、チップの辺を含む8個の分画を粗配列金属バンプ群領域48とする。密配列金属バンプ群領域47には、192個の金属バンプが配置され、粗配列金属バンプ群領域48には96個の金属バンプが配置されている。合計288個の金属バンプによって、上下のチップの144個の信号線を接続している。
【0156】
各チップの各信号線に繋がる第1の金属バンプ(合計144個)及び第2の金属バンプ(合計144個)について説明する。第1の金属バンプは密配列金属バンプ群領域47に配置され、第2の金属バンプは密配列金属バンプ群領域47及び粗配列金属バンプ群領域48に配列される。このように第2の金属バンプは、2種類の異なる配列密度で配置される。
【0157】
図11(A)に示す例において、金属バンプの配列密度を5倍にすると、即ち、密配列金属バンプ群領域47に960個の金属バンプを配置し、粗配列金属バンプ群領域48に480個の金属バンプを配置する場合、合計1440個の金属バンプによって、上下のチップの720個の信号線を接続することができる。金属バンプの配列密度を10倍にすると、合計2880個の金属バンプによって、上下のチップの1440個の信号線を接続することができる。
【0158】
図11(A)に示すような例では、図6に示す例と同様に、各チップの各信号線に繋がる2つの金属バンプについては、可能な限りチップの中心に近い位置に一方の金属バンプを配置し、チップの中心から離れたチップの辺に近い位置に他方の金属バンプを配置する。
【0159】
例えば、一方の金属バンプの位置とチップの角部との間の距離が小さいほど、対応する他方の金属バンプをチップの中心から近い位置に配置し、一方の金属バンプの位置とチップの角部との間の距離が大きいほど、対応する他方の金属バンプをチップの中心から遠い位置に配置する、或いは、一方の金属バンプの位置とチップの辺との間の最短距離が小さいほど、対応する他方の金属バンプをチップの中心から近い位置に配置し、一方の金属バンプの位置とチップの辺との間の最短距離が大きいほど、対応する他方の金属バンプをチップの中心から遠い位置に配置する。
【0160】
以上説明した金属バンプの配置によって、図11(A)に示すような例においても、図6、図7、図10に示す例と同様に、上下のチップ間での正常な電気的接続を保持することができる。
【0161】
図11(B)に示す例は、上記で説明した図11(A)に示すような例において、反りが発生する可能性の大きいチップの辺近傍に金属バンプを配置しないで、反りの発生の可能性の小さいチップの中心の近い領域に金属バンプを配置する例である。チップの辺近傍に金属バンプを配置しない構成とするためには、図11(A)に示す金属バンプの配置パターンを約2分の1(より正確には約1.9分の1)にx方向及びy方向に同じ縮小率(0.725)で縮小して、図11(A)に示すチップと同じ大きさのチップに配置すればよい。
【0162】
なお、x方向及びy方向に異なる縮小率で縮小して、図11(A)に示すチップと同じ大きさのチップに配置することもできる。即ち、図11(A)に示す例よりも金属バンプを密に配列することによって、チップの辺の近傍に金属バンプを配置しない構成とする。
【0163】
なお、図10に示す例及びこれに関連する例を、図11(B)に示す例に適用することができ、反りが生じ易いチップの辺の近傍に金属バンプを配置しない構成とすることもできる。
【0164】
また、図6、図7、図8、図9、図10に示すような金属バンプの配置例を、x方向及びy方向に同じ縮小率(x方向及びy方向に異なる縮小率してもよい。)で縮小して、図6、図7、図8、図9、図10に示すチップと同じ大きさのチップに配置することによって、反りが生じ易いチップの辺の近傍に金属バンプを配置しない構成とすることもできる。
【0165】
以上説明した金属バンプの配置によって、図11(B)に示すような例においても、図6、図7、図10に示す例と同様に、上下のチップ間での正常な電気的接続を保持することができる。
【0166】
以上の説明では、図5(D)に示すように、上下のチップが、上下の各チップの信号線に接続される2つの並列線路の各線路が繋がる電極端子の間の金属バンプによって、接合されている半導体装置を例にとって説明したが、次に、より多数の並列線路が信号線に接続されている場合について説明する。
【0167】
図12は、本発明の第2の実施の形態において、同じ信号線に繋がる4個の金属バンプをもつ上部チップと下部チップとを接合するチップオンチップ接続おける金属バンプの配置(均一な密度での配置)の例を説明する図であり、図12(A)は上部チップと下部チップの電気的接続を説明する模式図、図12(B)は同じ信号が流れる金属バンプの配置の一例を説明する図である。
【0168】
図12(A)の模式図に示すように、上下のチップが、上下の各チップのi番目の信号線に接続される4つの並列線路の各線路が繋がる電極端子(図示せず。)の間の4つの金属バンプiA、iB、iC、iDによって、接合されている半導体装置を例にとって説明する(ここで、i=1、2、3、…25、である。)。
【0169】
図12(B)は、金属バンプiA、iB、iC、iD(i=1、2、3、…25)の配置例の1つを示す。金属バンプが配置される上部チップの面積が4等分に分画され各分画(金属バンプ群領域31、32、33、34)に25個の金属バンプが配置され、チップには合計100個の金属バンプが配置されている。上下の各チップにおける25個の信号線の各信号線に接続する4つの並列線路に繋がる電極端子が形成されており、上下のチップの接合によって上下の各チップにおける25個の信号線が100個の金属バンプによって接続されている。
【0170】
上下のチップが接合され動作する時、金属バンプiA(i=1、2、3、…、25)、金属バンプiB(i=1、2、3、…、25)、金属バンプiC(i=1、2、3、…、25)、金属バンプiD(i=1、2、3、…、25)は同じi番目の信号線に繋がっており同じ信号が流れる。iが同じである金属バンプiA、金属バンプiB、金属バンプiC、金属バンプiDが、隣接して配置されないように互いに遠い距離を置いて配置される。
【0171】
図12(B)に示すように、金属バンプの全体が配列される領域(接合領域)を4等分して分画(金属バンプ群領域31、32、33、34)を形成、第1金属バンプ群領域31には、金属バンプ1A〜25Aが配置され、第2金属バンプ群領域32には、金属バンプ1B〜25Bが配置され、第3金属バンプ群領域33には、金属バンプ1C〜25Cが配置され、第4金属バンプ群領域34には、金属バンプ1D〜24Dが配置されている。
【0172】
なお、図12(B)に示すような金属バンプの配置例を、x方向及びy方向に同じ縮小率(x方向及びy方向に異なる縮小率してもよい。)で縮小して、図12(B)に示すチップと同じ大きさのチップに配置することによって、反りが生じ易いチップの辺の近傍に金属バンプを配置しない構成とすることもできる。
【0173】
一般的に説明すると、異なる信号が流れるI個の信号線を扱い、上下のチップが、上下の各チップのi番目の信号線に接続されるJ個の並列線路の各線路が繋がる電極端子の間の金属バンプZ(ij)(i=1、2、…、I;j=1、2、…、J)によって、接合されている半導体装置の場合には、金属バンプの全体(I×J個)が配列される領域(接合領域)をJ等分して分画を形成し、j番目の分画に、金属バンプZ(ij)(i=1、2、…、I)を配置する。iが同じである金属バンプZ(ij)(j=1、2、…、J)が、隣接して配置されないようにする。
【0174】
このように、同じ信号が流れる金属バンプを、チップの異なる領域に配置するので、同じ信号線に繋がるJ個の金属バンプのうち少なくとも1個によって、上下のチップの対応する同じ信号が流れる信号線が電気的に正常に接続されることになるので、図12に示すような例においても、図6、図7、図10、図11(B)に示す例と同様に、上下のチップ間での正常な電気的接続を保持することができ、上下のチップの電気的接続の信頼度を向上させることができる。
【0175】
以上説明したように、本発明では、同じ信号が流れる信号線に接続される複数の並列線路のそれぞれに繋がる金属バンプを介して上下のチップを接続する構成とすることによって、チップに反りを生じ易い場合に対応することができ、上下のチップの電気的接続の信頼性を向上させることができる。とくに、大きな反りはチップの外辺の近傍で生じ易いので、この外辺の近傍に金属バンプを配置しない構成とすることによって、上下のチップの電気的接続の信頼性を向上させることができる。
【0176】
また、同上の構成によって、静電絶縁破壊による信号線の断線、チップの製造工程で生じる信号線の形成不良等のランダムに発生する事象に対して、信号線に接続される複数の並列線路の何れかが断線を生じても、信号線そのものに断線がない限り、同じ信号が流れる金属バンプの少なくとの1つが正常に接合されていれば、上下のチップの電気的接続は正常に保持することができる。
【0177】
チップオンチップ接続の信頼性をより向上させるためには、第1及び第2の実施の形態において説明したような、所定の大きさのチップの辺の近傍まで金属バンプを所定の方法によって配置する場合において、金属バンプの配置位置を指定するxy座標値を、x方向及びy方向に同じ縮小率(x方向及びy方向に異なる縮小率してもよい。)で縮小して、上記の所定の大きさのチップと同じ大きさのチップに、縮小後のxy座標位置の値を用いて金属バンプを配置することによって、反りが生じ易いチップの辺の近傍に金属バンプを配置しないで、反りを生じ難いチップの中心を含む領域に金属バンプを配置する構成とすればよい。これによって、チップオンチップ接続の信頼性を向上させることができる。
【0178】
第1及び第2の実施の形態において、金属バンプは、Sn、Au、Al等によって形成され、材料はとくに問わない。2つのチップを接合する金属バンプの数は任意でよい。金属バンプは上部チップ又は/及び下部チップに配置されてもよい。チップの接合領域又はチップの面積を分割して分画を形成する場合は、チップの外形と相似形をもつ任意の数に分割してよい。
【0179】
第1及び第2の実施の形態において、各チップの各信号線に接続される並列線路の数は任意の複数でよい。また、各チップの信号線の全てに複数の並列線路を接続してもよいし、各チップの信号線のうちの一部の信号線に複数の並列線路を接続する構成としてもよい。更に、各チップの電源ライン及び/又はアースラインに複数の並列線路を接続する構成としてもよい。
【0180】
以上、本発明を実施の形態について説明したが、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0181】
先述したように、下部チップの代わりに実装基板を用いる構成にも本発明は適用可能である。また、第1及び第2の実施の形態において説明した、上下の各チップの大きさ及び厚さ、金属バンプの大きさ及び数等は、必要に応じて任意に変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0182】
以上説明したように、本発明は、小型化、集積化されたモバイル機器等に好適であって、部品間の接合の信頼性及び歩留りを向上させた半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0183】
【図1】本発明の第1の実施の形態において、チップオンチップ接続を説明する、(A)平面図、(B)Y−Y部の断面図、(C)(B)の部分拡大断面図、(D)上部チップと下部チップの電気的接続を説明する模式図である。
【図2】同上、上部チップと下部チップとを接合する金属バンプの配置を説明する図である。
【図3】同上、上部チップと下部チップとを接合する金属バンプの配置の他の例を説明する図である。
【図4】同上、変形例を説明する図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態において、チップオンチップ接続を説明する、(A)平面図、(B)Y−Y部の断面図、(C)(B)の部分拡大断面図、(D)上部チップと下部チップの電気的接続を説明する模式図である。
【図6】同上、上部チップと下部チップとを接合する金属バンプの配置を説明する図である。
【図7】同上、金属バンプの配置の他の例を説明する図である。
【図8】同上、金属バンプの配置の他の例を説明する図である。
【図9】同上、金属バンプの配置の他の例を説明する図である。
【図10】同上、金属バンプの配置の例を説明する図である。
【図11】同上、金属バンプの配置の他の例を説明する図である。
【図12】同上、金属バンプの配置の他の例を説明する図である。
【図13】従来技術における、チップオンチップ接続を説明する図である。
【図14】同上、チップオンチップ接続の不良に関する説明図である。
【図15】同上、フリップチップボンディング方法による接合を示図である。
【符号の説明】
【0184】
1A〜100A、1a〜100a、1B〜100B、1C〜100C、
1D〜100D、1b〜25b、1c〜36c、1d〜25d、1X〜100X、
1Y〜100Y、40、40b、40c、40d、40e、40f、40E、40F
…金属バンプ、30…上部チップ、31…第1金属バンプ群領域、
32…第2金属バンプ群領域、33…第3金属バンプ群領域、
34…第4金属バンプ群領域、35…下部チップ、
42a、42b…上部チップの内部配線、
42a−1…上部チップの信号線の第1分岐線、
42a−2…上部チップの信号線の第2分岐線、
44a、44b…下部チップの内部配線、
44a−1…下部チップの信号線の第1分岐線、
44a−2…下部チップの信号線の第2分岐線、46…絶縁膜、
47…密配列金属バンプ群領域、48…粗配列金属バンプ群領域
【技術分野】
【0001】
本発明は、バンプ電極を介した第1の部品と第2の部品との接合(例えば、半導体チップ間又は半導体チップと実装基板との接合)によって構成される半導体装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯電話を代表例とするモバイル機器等の電子機器の小型化、集積化とともに、金属バンプを介して半導体チップを実装基板に接続するフリップチップ接続が広く採用されている。また、金属バンプを介して半導体チップ間を接続するチップオンチップ(COC)も周知の技術である。フリップチップ接続又はチップオンチップ接続では、2つの半導体チップの電極端子間、又は、半導体チップと実装基板の電極端子間を接合し電気的に接続する金属バンプの数は増大してきている。
【0003】
図13は、従来技術における、チップオンチップ接続を説明する図であり、図13(A)は平面図、図13(B)はZ−Z部の断面図、図13(C)は上部チップ及び下部チップの内部配線の金属バンプによる接続を説明する図13(B)の部分拡大断面図である。
【0004】
図13に示すように、x方向及びy方向に2次元に上部チップ50に配置された金属バンプ54(54a、54b、54c、54d、…)によって、上部チップ50と下部チップ52とが接続されている。上部チップ50の内部配線(信号線)56aが繋がる電極端子と下部チップ52の内部配線58aが繋がる電極端子は、金属バンプ54aによって接続され、上部チップ50の内部配線56bが繋がる電極端子と下部チップ52の内部配線58bが繋がる電極端子は、金属バンプ54bによって接続されている。以下同様にして、上下の各チップの複数の内部配線はそれぞれ、単一の金属バンプ54によって電気的に接続されている。
【0005】
このように、例えば、金属バンプ54aには信号Aが流れ、金属バンプ54bには信号Bが流れ、金属バンプ54cには信号Cが流れ、金属バンプ54dには信号Dが流れている。信号A、B、C、Dは互いに異なる信号である。なお、チップ50、52の金属バンプ54(54a、54b、54c、54d、…)を除く面は絶縁膜59によって覆われている。
【0006】
図14は、従来技術における、チップオンチップ接続の不良に関する説明図であり、図14(A)はチップの反りによる不良発生を説明するZ−Z部(図13に示す。)の断面図、図14(B)はチップの製造工程で生じたチップの内部配線の形成不良を説明するZ−Z部の部分拡大断面図、図14(C)はチップの内部配線を保護する静電破壊保護回路を説明する図である。
【0007】
チップオンチップ接続の不良が発生する原因として以下のものが考えられる。
【0008】
図14に示すように、チップに反りがある場合には、チップオンチップ接続の不良を生じる。例えば、図14(A)の上図に示すように、図の右方で反りがある上部チップ50と平坦な下部チップ52とが金属バンプによって接合される場合には、右方で接続不良を生じてしまう。また、図14(A)の下図に示すように、図の右方及び左方で反りがある上部チップ50と平坦な下部チップ52とが金属バンプによって接合される場合には、右方及び左方で接続不良を生じてしまう。
【0009】
図13に示すように、上下の各チップの複数の内部配線(信号線)がそれぞれ、単一の金属バンプによって電気的接続され、各金属バンプを異なる信号が流れる場合には、1つの金属バンプが接続不良となった場合には、上下のチップによる接合部品は正常に機能しなくなり、不良部品となってしまう。
【0010】
一般に、チップの辺(側端)の近傍で反りを生じ易いと考えられるので、非常に多数の金属バンプを使用する必要がある場合には、金属バンプの配置には工夫が必要となる。
【0011】
また、チップオンチップ接続の際に接合面にアンダーフィル材を充填してこれを硬化させて、接合面を保護するのが一般的であるが、検査工程での熱履歴、保管過程等での湿度条件等の影響によって、接合面の機械的強度が劣化して電気的接続不良を生じることがある。
【0012】
図14(B)は、上部チップ50の製造工程において塵埃等によって内部配線が正常に形成されず、不良を発生した場合を示しており、図13(C)との比較から明らかなように、上部チップ50の内部配線56aが形成不良であり断線を生じている。
【0013】
このような内部配線の形成不良は、チップオンチップ接続に先立って、上部チップ50、下部チップ52の全て内部配線について検査が実施されない限り、検出することはできない。チップオンチップ接続で使用する上部チップ50、下部チップ52の全数の内部配線の全てについて検査を実施する代わりに、抜き取り検査によって検査を実施する場合は、内部配線の形成不良の存在の可能性が残っている。
【0014】
また、チップの内部配線が正常に形成されている場合でもその後のチップ単体での検査工程において、或いは、チップオンチップ接続が正常になされ正常に電気的な接続が確保された接合部品が得られた場合でもその後の接合部品の検査工程等において、内部配線が静電破壊されて断線を生じることがある。
【0015】
金属バンプからの静電破壊によって内部配線が溶断した場合に不良となるが、これを防止するためには金属バンプの真下に静電破壊保護回路を形成する必要がある。
【0016】
図14(C)は、金属バンプ62a、62bのそれぞれから静電破壊保護回路68までを配線で引き回して形成した例を示している。金属バンプと静電破壊保護回路68との間は最短長であることが望ましいが、実際には同図に示すように、内部配線66aや金属バンプ62bに直接繋がっている短い配線及び内部配線66bは保護されるが、金属バンプ62aと静電破壊保護回路68との間の配線長が大きい場合には、静電破壊保護回路68によって保護されない配線部分(図中、点線で示す金属バンプ62aに直接繋がっている配線部分)が生じる場合がある。
【0017】
フリップチップ接続に関しては多数の報告がある。例えば、「フリップチップボンディング方法」に関する後記の特許文献1に、1対の電極に対して1対N(複数)個の金属バンプによる接合を行う以下の記載がある。
【0018】
互いに接合する一方の電極に金属バンプを形成し、該電極に対応する他方の電極の前記金属バンプの中心から隔離した円周上の等分割位置にあって前記金属バンプの平面視外周部に一部が重なる金属バンプを形成し、付き合わせ接合する。これによって、加圧接合の際に生じる横方向の力を互いに相殺することができ、横方向の力による接合ずれを少なくすることができる。
【0019】
図15は、特許文献1に記載の図1であり、第1の実施例の接合を示す要部側断面図及びその透視平面図である。図15(a)は接合前の要部側断面図、図15(b)は図15(a)の金属バンプ配置の要部透視平面図、図15(c)は接合後の要部側断面図を示す。
【0020】
図15(a)において、約10mm角のカドミウムテルル(CdTe)でなるウエーハ基板101上にエピタキシャル成長したエピ結晶(HgCdTe)でなる光電変換素子(図示略)とその電極(図示略)とを列設して光電変換部を形成し、また他方のシリコン(Si)でなるウエーハ基板102上に光電変換素子に対応した信号処理回路(図示略)とその電極(図示略)とを列設して信号処理回路部を形成する。
【0021】
そして、図15(b)に示すように、一方のウエーハ基板(光電変換部)101の電極上にインジウム(In)でなる直径20μmの金属バンプ101aを1個宛、形成し、他方のウエーハ基板(信号処理回路部)102の電極上には、前記金属バンプ101aの平面視外周部に一部が重なるように該金属バンプ101aの中心から離隔した円周上を等分割(図は4分割)したそれぞれの位置に複数個(図は4個の場合で、中心を結ぶ線は正方形を示す)のInでなる直径15μmの金属バンプ102aを形成する。
【0022】
次に、図15(c)において、従来同様に一方のウエーハ基板101を真空チャック(図示略)で保持し、位置決めされた他方のウエーハ基板102の上に持ってきて位置合わせし、両金属バンプ101a、102a同士を突き合わせ加圧接合する。
【0023】
このように一方の光電変換部の電極に形成した金属バンプに対し、他方の信号処理回路部の電極に形成した複数の金属バンプは、相手の金属バンプ中心から離隔した円周上の等分割した位置にあって、しかもそれぞれの金属バンプの一部が相手の金属バンプの平面視外周部の等分割位置に重なるように予め、偏心させてあることにより、加圧接合の際に生じる横方向の力を互いに相殺することができるため、光電変換部と信号処理回路部との接合ずれを少なくすることができる。また同時に、金属バンプの接合面積が増加するため、接合強度も強化することができる。
【0024】
なお、上記実施例では、複数の金属バンプを、正方形を形成する4個としたが、正3角形を含む正多角形を形成するN個でもよい。また、接合側の光電変換部の電極に1個、被接合側の信号変換回路部の電極に複数個を形成したが、その逆の関係でも良く、また一対の電極に対し1対N個でなくN対N個にして互いに横方向も力を相殺するように偏心させ形成してもよい。
【0025】
半導体チップが不良である場合にも、半導体装置全体を廃棄せずに、一定の操作で使用可能な状態とすることができる半導体装置に関して、後記する特許文献2に以下の記載がある。
【0026】
従来のFCBGA(Flip Chip Ball Grid Array)パッケージでは、LSIチップを実装した後に、動作確認としてファイナルテストを行ない、不良品かどうかを検査していた。
【0027】
従来のFCBGAパッケージでは、不良と判明したLSIチップについては、正常なLSIチップと交換することができなかった。そのため、LSIチップが不良である場合、これを含むFCBGAパッケージを廃棄せねばならず、高価なBGA(Ball Grid Array)基板が無駄になっていた。その結果、FCBGAパッケージの歩留りが低下するとともに、製品のコストアップをもたらしていた。特に、BGA基板は、少ない層数から構成されるプリント基板と異なり、多層構造となっており、製造に手間と費用を要するものであったので、このような歩留り低下は何としても避けることが望まれていた。
【0028】
本発明に基づく半導体装置のある局面においては、底面にボール状の電極をマトリックス状に配置したBGA基板と、上記BGA基板にフリップチップ接続された半導体チップである正規チップと、上記正規チップが不良であるときに新たに使用するチップである予備チップを搭載するための予備パッドとを備える。
【0029】
上記構成を採用することにより、ファイナルテストで正規チップが不良であることが判明した場合にも、予備パッドに予備チップを新たに搭載して使用することができ、高価なBGA基板を含む半導体装置全体の廃棄を免れることができる。
【0030】
本発明に基づく半導体装置の他の局面においては、底面にボール状の電極をマトリックス状に配置したBGA基板と、上記BGA基板にフリップチップ接続された半導体チップである正規チップと、上記BGA基板にフリップチップ接続されており、上記正規チップが不良であるときに使用する予備チップとを備える。
【0031】
上記構成を採用することにより、ファイナルテストで正規チップが不良であることが判明した場合にも、予備チップを使用することとすればよく、高価なBGA基板を含む半導体装置全体の廃棄を免れることができる。
【0032】
予備チップは正規チップが不良であった場合に、正規チップの代用として使用することができる性能を有する半導体チップである。
【0033】
上記発明においてさらに好ましくは、上記正規チップ及び上記予備チップのいずれを使用するかを選択できるチップ選択配線を備える。この構成を採用することにより、容易な操作で正規チップから予備チップへの切換えを行うことができる。
【0034】
【特許文献1】特開平6−310565号公報(段落0007〜0014、図1)
【特許文献2】特開2001−196521号公報(段落0006〜0010、段落0016、段落0020、段落0037〜0041、図7、図8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0035】
金属バンプを介した半導体チップ間の接合又は半導体チップと実装基板との接合によって構成される半導体装置の信頼性及び歩留りを向上させるためには、2者間の接合の信頼性を向上させることが、半導体装置の歩留り向上に必須であることは言うまでもない。
【0036】
接合の信頼性を低下させる原因として、接合工程における半導体チップや実装基板の反りがある。また、半導体装置の歩留り及び信頼性の低下の原因として、接合工程の前に既に生じており検知されていなかった実装基板や半導体チップの内部配線の形成不良、接合工程前或いは接合工程後の検査工程等における内部配線の静電破壊による断線等がある。
【0037】
0.1mm〜0.3mmという大きな径をもつ金属バンプを使用する接合、例えば、半導体チップと実装基板との少数の金属バンプを用いる接合のような場合には、一般に、実装基板の反りが大きいがこれに比べて半導体チップの反りは小さいので、実装基基板に反りを抑制する対策を行うこと、半導体チップの中心部位の近傍に金属バンプを配置すること等によって、両者の反りの接合の信頼性に対する影響を少なくすることができる。
【0038】
しかし、半導体チップと実装基板の接合の際に、10μm〜30μmという小さな径をもつ多数の金属バンプを使用する場合には、個々の金属バンプの接合面積は小さくなるので、半導体チップや実装基板の反りやアンダーフィル材の影響が大きくなる。
【0039】
また、半導体チップ間で接合を行うチップオンチップ接続において、より小さなチップを接合対象とし、チップ間で非常に多数の信号線の間を接続しようとする場合には、10μm〜30μm以下のより小さな径をもつ非常に多数の微細な金属バンプを使用する必要がある。
【0040】
従って、このような場合には、個々の金属バンプの接合面積は更に小さくなるので、半導体チップの辺(側端)近傍の数μm以下の反りが微細な金属バンプの接合状態に大きな影響を与え、両チップの反りやアンダーフィル材の影響は顕著に大きくなるという問題がある。仮に、接合対象とする小さな半導体チップの平坦度を高度に要求すると、半導体の製造コストを上昇させることになる。
【0041】
上記のように、微細な金属バンプを用いたフリップチップ接続又はチップオンチップ接続による接合では、数十から数百、多いものでは数千個の金属バンプが要求される。接合工程で、このような多数の金属バンプが一つでも接続不良となり電気的にオープンな状態を生じた場合には、半導体チップの接合部品(例えば、LSI)が機能せず、この接合部品を使用する半導体装置が不良となってしまう。例えば、1つの半導体チップが1000個の金属バンプをもつ場合に、10000個に1つの金属バンプが接続不良となると仮定する場合、10チップの接合のうち、1チップの接合が不良となる。
【0042】
図13に示す従来技術のように、単一の金属バンプによって、上下の各チップの同じ信号が流れる信号線同士を電気的接続する場合には、1つの金属バンプが接続不良となった場合には、上下のチップによる接合部品は正常に機能しなくなり、不良部品となってしまい装置に組み込めず、接合部品を使用する半導体装置の歩留り低下の大きな原因となり、同装置の高コストの原因となる。信号A、B、C、Dは互いに異なる信号であり、図13において、正常に上部チップ50と下部チップ52とが接合された時、例えば、金属バンプ54aには信号Aが流れ、金属バンプ54bには信号Bが流れ、金属バンプ54cには信号Cが流れ、金属バンプ54dには信号Dが流れるものとすると、金属バンプ54a〜54dの何れか1つが、上下のチップの信号線を電気的に正常に接続していない状態では、上下のチップの接合部品は正常に機能しない。
【0043】
ワイヤボンディング方式によるチップと実装基板との間の電気的接続の場合、実装基板のチップの外周の領域にパッドを配置することができ、パッドの真下に保護回路を配置することができるが、金属バンプによるチップオンチップ接続の場合、一般に、チップ面内に金属バンプがランダムに存在するため、金属バンプの真下に保護回路を設置しづらく、金属バンプから保護回路までを配線で引き回さなければならない。このため、チップオンチップ接続の場合、各チップの同じ信号線を繋ぐ金属バンプが単一である場合には、この単一の金属バンプからの静電破壊による配線の溶断があると、チップ又はチップの接合部品は正常に動作せず不良品となる。
【0044】
なお、特許文献1に記載の技術は、複数の金属バンプによって1対の電極を接合することによって、接合ずれを少なく関するものであって、また、特許文献2に記載の技術は、ファイナルテストで正規チップが不良である場合に、予備チップを使用することによって、半導体装置全体の廃棄を免れるものであって、何れの文献に記載の技術も、同じ信号が流れる複数の電極対をそれぞれ金属バンプによって電気的に接続して、2つの半導体チップを接合するものではない。
【0045】
本発明は、上述したような課題を解決するためになされたものであって、その目的は、バンプ電極を介した部品間の接合の信頼性及び歩留りを向上させることができる半導体装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0046】
即ち、本発明は、第1の導体線路及びこれに接続された複数の第1の並列導体線路を具備する第1の部品と、前記第1の導体線路と同一機能をなす第2の導体線路及びこれに接続された複数の第2の並列導体線路を具備する第2の部品と、前記第1の並列導体線路と前記第2の並列導体線路とを電気的に接続する複数のバンプ電極とを有し、前記第1の部品と前記第2の部品とが前記バンプ電極によって接合された半導体装置に係るものである。
【発明の効果】
【0047】
本発明によれば、第1の導体線路及びこれに接続された複数の第1の並列導体線路を具備する第1の部品と、第1の導体線路と同一機能をなす第2の導体線路及びこれに接続された複数の第2の並列導体線路を具備する第2の部品とを、複数の第1の並列導体線路と複数の第2の並列導体線路とのそれぞれの間をバンプ電極によって電気的に接続することによって、第1の部品と第2の部品とを接合するので、第1及び第2の部品の反り等によって接合不良が生じる可能性がある場合でも、同一機能をなす第1及び第2の導体線路が、複数のバンプ電極の何れかによって電気的な接続を確保でき、これによって、半導体装置は正常に動作するので、接合の信頼性及び歩留りを向上させることができる半導体装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
本発明の半導体装置では、複数の前記バンプ電極は隣接して配置される構成とするのがよい。第1の導体線路には複数の第1の並列導体線路が、第2の導体線路には複数の第2の並列導体線路が、それぞれ接続され、複数の第1及び第2の並列導体線路のそれぞれの間を電気的に接続するバンプ電極を隣接させて配置するので、同じ機能をなす第1及び第2の導体線路とバンプ電極をそれぞれ繋ぐ複数の第1及び第2の並列導体線路を、複雑な配線経路をとることなく最短経路でほぼ同じ条件(並列導体線路の配線長さ、線間容量等)下で、第1及び第2の部品に形成することができる。
【0049】
また、複数の前記バンプ電極の少なくとも一部が、前記第1の部品の側端から所定の距離以内にある領域を除いた領域に配置される構成とするのがよい。第1の部品の側端から所定の距離以内にある領域では反りを生じ易いので、複数のバンプ電極の少なくとも一部を、この反りを生じ易い領域を除いた領域に配置することによって、反りの影響を受けずより確実に第1の部品と第2の部品との間をバンプ電極によって接合することが可能となる。
【0050】
また、前記第1の導体線路及び前記第2の導体線路は、信号ライン、電源ライン又はアースラインである構成とするのがよい。同一機能をなす第1及び第2の導体線路を、同じ信号が流れる信号線、所定の部品に電源を供給するための電源ライン、又は、所定の端子を接地電位とするための接地(アース)ラインとすることによって、第1及び第2の部品の間で、信号線、電源ライン、又は、アースラインをより確実に電気的に接続することができる。
【0051】
また、異なる信号が流れる前記第1及び第2の導体線路の複数個が前記第1の部品と前記第2の部品とにそれぞれ設けられている構成とするのがよい。第1の導体線路及び第2の導体線路が信号ラインであり、信号ラインは複数個とする、そして、各信号ラインには異なる信号が流れ、第1及び第2の部品の各信号線は複数のバンプ電極によって電気的に接続されるので、多数の種類の信号を扱う場合でも、第1及び第2の部品の接合の信頼性を向上させることができる。
【0052】
また、前記所定の距離以内にある領域は、前記第1の部品と前記第2の部品との接合不良が生じ易い領域である。前記所定の距離以内にある領域は、反りが生じ易く接合不良を生じ易いので、接合不良を避けるために前記所定の距離以内にある領域を除いた領域を前記第1の部品と前記第2の部品との接合領域とするのが好ましい。
【0053】
また、前記第1の部品及び前記第2の部品が半導体チップである構成とするのがよい。この構成ではチップオンチップ接続であり、チップのより小面積化に伴い、非常に多数の微細なバンプ電極によってチップ間が接合されるが、各チップの同一機能をもつラインを複数のバンプ電極によって電気的に接続する構成とするので、接合の信頼性、製造歩留り向上させることができる。
【0054】
また、前記第1の部品が半導体チップであり、前記第2の部品が実装基板である構成とするのがよい。この構成では、実装基板、特に、有機材料から構成される実装基板は、熱膨張係数が大きいため、接合工程、熱試験工程等における温度上昇のために、半導体チップよりも反りを生じ易いが、このような場合でも、チップ及び実装基板の同一機能をもつ導体線路を複数のバンプ電極によって電気的に接続する構成とするので、接合の信頼性、製造歩留り向上させることができる。
【0055】
以下の説明では、上部及び下部チップにおいて同じ機能をもった導体線路に、複数の並列導体線路が接続され、各並列導体線路にはそれぞれ電極端子に接続されており、上部及び下部チップにおいて同じ機能をもった導体線路に繋がる電極端子の複数対のそれぞれをバンプ電極によって電気的に接続して、上部チップと下部チップとを接合するチップオンチップ接続を代表例として説明する。ここで、上部チップに金属バンプが配置され、上部チップの面積は下部チップよりも小さいものとする。
【0056】
なお、以下の実施の形態は、上記の導体線路(内部配線)として信号線を例にとって説明するが、信号線を電源供給線、接地(アース)線等に読み替えてもよい。また、下部チップは、インターポーザ基板、フレキシブル基板等の実装基板に読み替えてもよい。
【0057】
第1の実施の形態
本実施の形態では、上下の各チップの同じ信号が流れる信号線に繋がる金属バンプを2つ以上隣接させて配置する構成について説明する。
【0058】
図1は、本発明の第1の実施の形態において、同一の信号線に2つの金属バンプが繋がりこれら金属バンプを隣接させ、上部チップ30と下部チップ35とをチップオンチップ接続する構成を説明する図であり、図1(A)は平面図、図1(B)はY−Y部の断面図、図1(C)は図1(B)の部分拡大断面図、図1(D)は上部チップと下部チップの電気的接続を説明する模式図である。
【0059】
本実施の形態の半導体装置では、図1(D)の模式図に示すように、上下のチップは、上下の各チップのi番目の内部配線(信号線)に接続される2つの並列線路の各線路が繋がる電極端子(図示せず。)の間の2つの金属バンプiZ、izによって、接合されている。ここで、i=1、2、3、…、であり、異なるi番目の信号線には異なる信号が流れており、2つの金属バンプiZ、izは隣接して配置されている。
【0060】
図1(A)、図1(B)、図1(C)に示すように、上部チップ30の内部配線(信号線)42aに接続される2つの並列線路の各線路が繋がる電極端子と、下部チップ35の内部配線(信号線)44aに接続される2つの並列線路の各線路が繋がる電極端子とは、隣接する金属バンプ40A、40aによって接続されている。上部チップ30の内部配線(信号線)42bに接続される2つの並列線路の各線路が繋がる電極端子と、下部チップ35の内部配線(信号線)44bに接続される2つの並列線路の各線路が繋がる電極端子とは、隣接する金属バンプ40B、40bによって接続されている。内部配線42a、内部配線42bにはそれぞれ、異なる信号が流れている。チップ30、35を除く面は絶縁膜46によって覆われている。
【0061】
以下同様に、隣接する金属バンプの対、40Cと40c、40Dと40d、40Eと40e、40Fと40fには、それぞれ異なる信号が流れており、これらの金属バンプによって、上部チップ30と下部チップ35とが接合され電気的に接続されている。即ち、本実施の形態では、上部チップ30と下部チップ35の各チップの1つ信号線は2つの隣接する金属バンプによって電気的に接続されるチップオンチップ接続の構成をとっている。
【0062】
この構成では、上下の各チップの1つの信号線に繋がる単一の電極端子を形成する従来のチップオンチップ接続の構成とは異なり、1つの信号線に接続する2つの並列線路を形成しこの並列線路にそれぞれ繋がる電極端子を設け、1つの信号線に繋がる電極端子を隣接して配置する。従って、複雑な回路形成を伴うことなく、チップオンチップ接続の信頼性を向上させることができる。
【0063】
即ち、従来のチップオンチップ接続の構成において、何らかの原因によってある信号線に対して電気的接続が確保できず、半導体装置が不良品品となる場合でも、本実施の形態では、上下の各チップの1つの信号線は2つの並列線路によって電気的接続される構成とするので、この2つの並列線路の何れか一方によって電気的接続が確保できればよいので、半導体装置が不良品となる確率を低くすることができ、歩留りを向上させることができる。
【0064】
なお、図1に示す上部チップ30の大きさは5mm×5mm、厚さ0.15mm、下部チップ35の大きさは10mm×10mm、厚さ0.15mmであり、直径30μmφの金属バンプ40を2000個用いて、チップ間を接合している(図1では、一部の金属バンプのみを示している。)。
【0065】
図2は、本発明の第1の実施の形態において、同一の信号線に2つの金属バンプが繋がりこの金属バンプを隣接させ、上部チップ30と下部チップ35とをチップオンチップ接続する構成を説明する図であり、図2(A)は金属バンプの配列例を説明する図、図2(B)は各チップの各信号線に繋がる金属バンプの具体的な配置例を説明する図、図2(C)は金属バンプの他の配置例を説明する図である。図2に示す例では、上下のチップの各チップの100個の信号線を電気的に接続する例を示している。
【0066】
図2(A)に示すように、上部チップ30に金属バンプが配置されるが、金属バンプは上部チップ30の辺(側端)の近傍には配置しない。即ち、上部チップ30の各辺の長さをLx、Lyとする時、上部チップ30の各辺から所望の距離(例えば、Lx/5〜Lx/3、及び、Ly/5〜Ly/3)内にある領域を除いた、上部チップ30の中心部を含む領域に金属バンプを配置する。図2(A)に示す例では、上部チップ30の辺から距離Lx/4、Ly/4内には金属バンプを配置していない。このような構成によって、チップの辺近傍に反りが生じ易い場合でも、上下のチップ間の接合をより信頼性の高いものとすることができる。
【0067】
図2(B)に示すように、同じ信号線に繋がる金属バンプは隣接して配置されている。即ち、n=1〜100とする時、同じnに対して、金属バンプnAとnaは隣接して配置されており、同じ信号が流れる。
【0068】
図2(C1)は、金属バンプを上部チップ30の辺の近傍の領域まで配置した例であり、金属バンプによる上部チップと下部チップ35との接合の際に、両チップの反りが両チップの電気的接続に影響を及ぼさない場合に適用可能である。
【0069】
なお、チップを実装基板に金属バンプによって面実装する場合には、有機材料からなる実装基板を使用する場合には、大きな反りを生じ易いので、チップの各辺からできるだけ長い距離内にある領域を除いた、チップの中心部を含む領域に金属バンプを配置するのが好ましい。
【0070】
図2(C2)は、図2(C1)における格子状の金属バンプの配置を千鳥状の配置としたものであり、上下の各チップの同じ信号線に繋がる2つの金属バンプ間を接続する並列線路の配線を容易とし、図2(C1)の場合よりも大きな金属バンプを使用してより高い信頼性で上下のチップの接合を行うことができる。
【0071】
また、図2(C2)に示す金属バンプの配置を使用して、図2(A)に示す構成と同じように、金属バンプを上部チップ30の辺の近傍には配置しない構成とすることもでき、チップの辺近傍に反りを生じ易い場合でも、チップ間の接合をより信頼性の高いものとすることができる。
【0072】
図3は、本発明の第1の実施の形態において、同じ信号線に繋がる4個の金属バンプをもつ上部チップと下部チップとを接合するチップオンチップ接続おける金属バンプの配置の例を説明する図であり、図3(A)は上部チップと下部チップの電気的接続を説明する模式図、図3(B)は同じ信号が流れる金属バンプの配置の一例を説明する図である。
【0073】
図1、図2に示す例では、上下の各チップの1つの信号線に対してこれに繋がる2つの金属バンプを配置する構成について説明したが、図3に示す例では、チップの辺近傍に金属バンプを配置しない構成として、上下の各チップの1つの信号線に対してこれに繋がる4つの金属バンプを配置して、チップに反りを生じ易い場合でもチップオンチップ接続の信頼性を向上させることができる構成について説明する。
【0074】
図3(A)の模式図に示すように、上下のチップは、上下の各チップのi番目の内部配線(信号線)に接続される4つの並列線路の各線路が繋がる電極端子(図示せず。)の間の隣接する4つの金属バンプiA、iB、iC、iDによって、接合されている。ここで、i=1、2、3、…、であり、異なるi番目の信号線には異なる信号が流れている。同じiに対する4つの金属バンプiA、iB、iC、iDは、図3(A)に示すように格子状に配置されている。
【0075】
図3(B)に示すように、図2に示す例と同様に、上部チップ30に金属バンプが配置されるが、金属バンプは上部チップ30の辺近傍の近傍には配置しない。図3に示す例では、上部チップ30の辺から距離Lx/5、Ly/5内には金属バンプを配置していない。
【0076】
なお、図3(B)に示す金属バンプの配置を使用して、図2(C)に示す例と同様に、金属バンプを上部チップ30の辺の近傍の領域まで配置することもでき、接続不良となり易い位置(例えば、チップのコーナー(角)部分)において、同じ信号が流れる金属バンプを複数配置することによって、接合部品の歩留りを向上させることができる。
【0077】
以上の説明では、図1、図3に示すように、上下の各チップの信号線と複数の並列線路との接続を、これら並列線路の各線路に繋がる金属バンプのごく近傍において行っており、ほぼ同じ長さをもつ複数の並列線路によって、信号線と金属バンプの間が接続されている。従って、配線間の容量が増大することもなく、配線間の容量のばらつきが生じることもない。なお、上下の各チップの信号線と複数の並列線路との接続を、これら並列線路の各線路に繋がる金属バンプの近傍で行わず、遠く離れた位置で行うこともできる。
【0078】
図4は、本発明の第1の実施の形態の変形例であり、信号線の並列分岐を金属バンプから遠い位置で行っている例を説明する図であり、図4(A)は、図1(C)に対応する部分拡大断面図、図4(B)は上部チップと下部チップの電気的接続を説明する模式図である。
【0079】
図4(A)に示す例では、上部チップ30の内部配線(信号線)42aは金属バンプ40A、40aから遠い位置で、上部チップの信号線の第1及び第2分岐線42a−1、42a−2に分岐し、下部チップ35の内部配線(信号線)44aは金属バンプ40A、40aから遠い位置で、下部チップの信号線の第1及び第2分岐線44a−1、44a−2に分岐している。そして、第1及び第2の分岐線42a−1、42a−2、44a−1、44a−2が信号線として金属バンプ40A、40aまで配線されている。
【0080】
上部チップ30の信号線42aの第1分岐線42a−1と下部チップ35の信号線44aの第1分岐線44a−1とが、金属バンプ40Aによって電気的に接続され、上部チップ30の信号線42aの第2分岐線42a−2と下部チップ35の信号線44aの第2分岐線44a−2とが、金属バンプ40aによって電気的に接続される。
【0081】
図1(D)に示す模式図では、上下の各チップのi番目の信号線(ここで、i=1、2、3、…、であり、異なるi番目の信号線には異なる信号が流れている。)は、隣接する金属バンプiZ、izの近傍で2つの並列線路に接続されているのに対して、本変形例では、図4(B)の模式図に示すように、上下の各チップのi番目の信号線(ここで、i=1、2、3、…、であり、異なるi番目の信号線には異なる信号が流れている。)は、隣接する金属バンプiZ、izから遠い位置で、第1及び第2分岐線に分岐しており、この第1及び第2の分岐線が信号線として金属バンプiZ、izまで配線されている。
【0082】
以上説明したように、本実施の形態では、上下の各チップの同じ信号が流れる信号線に繋がる金属バンプの2つ以上を、隣接させて配置、又は、遠く離れた位置に配置することによって、金属バンプによる接続不良が生じても何れか1つの金属バンプが正常に接続され、上下のチップの接合部品を正常に機能させることができ、接合部品の歩留りを向上させることができる。
【0083】
第2の実施の形態
第1の実施の形態では、上下の各チップの同一の信号が流れる複数の金属バンプを隣接させて配置する構成について説明したが、本実施の形態では同一の信号が流れる複数の金属バンプを隣接させないで配置する構成について説明する。
【0084】
第2の実施の形態に係る半導体装置は、第1の導体線路及びこれに接続された複数の第1の並列導体線路を具備する第1の部品と、第1の導体線路と同一機能をなす第2の導体線路及びこれに接続された複数の第2の並列導体線路を具備する第2の部品と、第1の並列導体線路と第2の並列導体線路とを電気的に接続する複数のバン電極とを有し、異なる機能をなす第1及び第2の導体線路の複数個が第1の部品と第2の部品とにそれぞれ設けられており、第1の部品と第2の部品とが複数のバンプ電極によって接合された構成をもっている。
【0085】
上記構成において、異なる機能をなす第1及び第2の導体線路に繋がるバンプ電極は隣接して配置されている。第1及び第2の導体線路に繋がるバンプ電極とは、第1及び第2の導体線路がバンプ電極に電気的に接続されていることをいう。
【0086】
また、同じ機能をなす第1及び第2の導体線路に繋がるバンプ電極は隣接しないように配置されている。
【0087】
また、同じ機能をなす第1及び第2の導体線路に繋がるバンプ電極の少なくとも一部は、第1の部品の側端から所定の距離以内にある領域を除いた領域に配置されている。第1の部品の側端から所定の距離以内の領域は、第1の部品と第2の部品との接合不良が生じ易い領域であり、第1の部品の側端の近傍の領域である。第1の部品の側端から所定の距離以内にある領域を除いた領域は、第1の部品の中心部を含む領域である。
【0088】
また、第1の部品の接合領域が複数の異なる領域に分割され、同じ機能をなす第1及び第2の導体線路に繋がる複数のバンプ電極が、分割された異なる領域に分けて配置されている。
【0089】
また、第1の部品の接合領域が第1及び第2の領域を含む領域に分割され、同じ機能をなす第1及び第2の導体線路に繋がる複数のバンプ電極の少なくとも一部が第1の領域に、残りが第2の領域にそれぞれ配置されている。第1の領域は、第1の部品の側端から第1の所定の距離以内にある領域を除いた領域であり、第1の部品の中心部を含む領域である。第2の領域は第1の部品の中心部を含まない領域であり、第2の領域は、第1の部品の側端から第2の所定の距離以内にある領域と第1の領域との間の領域である。第1の部品の側端から第2の所定の距離以内にある領域は、第1の部品と第2の部品との接合不良が生じ易い領域であり、第1の部品の側端の近傍の領域である。第1の領域におけるバンプ電極の配列密度は第2の領域におけるバンプ電極の配列密度より大きい構成とすることができる。また、第1の領域に配置されたバンプ電極の総数と第2の領域に配置されたバンプ電極の総数とを同数とする構成とすることができる。さらに、第1の領域に配置されたバンプ電極の総数を第2の領域に配置されたバンプ電極の総数よりも多い構成とすることができる。
【0090】
なお、バンプ電極の配列密度は、単位面積当たりに配置されるバンプ電極の数として定義する。
【0091】
図5は、本発明の第2の実施の形態において、上下の各チップの同一の信号が流れる2つの金属バンプを隣接させないように配置して、上下のチップをチップオンチップ接続する構成を説明する図であり、図5(A)は平面図、図5(B)はY−Y部の断面図、図5(C)は上部チップ及び下部チップの内部配線の金属バンプによる接続を説明する、図5(B)の部分拡大断面図であり、図5(D)は上部チップと下部チップの電気的接続を説明する模式図である。
【0092】
本実施の形態の半導体装置では、図5(D)の模式図に示すように、上下のチップは、上下の各チップのi番目の内部配線(信号線)に接続される2つの並列線路の各線路が繋がる電極端子(図示せず。)の間の2つの金属バンプiZ、izによって、接合されている。ここで、i=1、2、3、…、であり、異なるi番目の信号線には異なる信号が流れており、2つの金属バンプiZ、izは隣接せず、異なる信号が流れる金属バンプを挟んで配置されている。
【0093】
図5(A)、図5(B)、図5(C)に示すように、図2に示す第1の実施の形態の構成と同様に、上部チップ30の内部配線(信号線)42aに接続される2つの並列線路の各線路が繋がる電極端子と、下部チップ35の内部配線(信号線)44aに接続される2つの並列線路の各線路が繋がる電極端子とは、金属バンプ40A、40aによって接続されて、また、上部チップ30の内部配線(信号線)42bに接続される2つの並列線路の各線路が繋がる電極端子と、下部チップ35の内部配線(信号線)44bに接続される2つの並列線路の各線路が繋がる電極端子とは、金属バンプ40B、40bによって接続されている。内部配線42a、内部配線42bにはそれぞれ、異なる信号が流れる。
【0094】
即ち、本実施の形態では、図1、図2に示す第1の実施の形態の構成と同様に、上部チップ30と下部チップ35の各チップの1つ信号線は2つの金属バンプによって電気的に接続される構成をとるが、各チップの同じ信号が流れる金属バンプは隣接していない構成をとっている。
【0095】
なお、図5に示す上部チップ30の大きさは5mm×5mm、厚さ0.15mm、下部チップ35の大きさは10mm×10mm、厚さ0.15mmであり、直径30μmφの金属バンプ40を2000個用いて、チップ間を接合している(図5では、一部の金属バンプのみを示している。)。
【0096】
図6は、本発明の第2の実施の形態において、上部チップ30と下部チップ35とを接合する金属バンプが均一な密度(単位面積当たりに配置される金属バンプ数)で配列される場合を説明する図であり、図6(A)は金属バンプの配列例を説明する図、図6(B)は各チップの各信号線に繋がる金属バンプの具体的な配置例を説明する図である。
【0097】
図6に示す例では、金属バンプが配置される上部チップの接合領域が4等分に分画され各分画(金属バンプ群領域31、32、33、34)に50個の金属バンプが配置され、チップには合計200個の金属バンプが配置されている。上下の各チップにおける100個の信号線の各信号線に接続する2つの並列線路に繋がる電極端子が形成されており、上下のチップの接合によって上下の各チップにおける100個の信号線が200個の金属バンプによって接続されている。100個の信号線にはそれぞれ、異なる信号が流れる。
【0098】
各分画(金属バンプ群領域31、32、33、34)にそれぞれ、例えば、異なる信号処理に関連する信号が流れる金属バンプを対応させて配置しておく。後述するように、各分画の大きさを異ならせる構成としてもよい。
【0099】
図6に示す例では、200個の金属バンプの全体が配列される領域(接合領域)を4等分して分画を形成し、100個の信号線を4群に分けて、これらの群と分画とを対応させて、各群の信号線のそれぞれに繋がる金属バンプを配置する。
【0100】
図6において、接合面を対向させた上部チップ30及び下部チップ35を接合する金属バンプが上下いずれか一方のチップに配列される。上部チップ30及び下部チップ35の各接合面において、第1金属バンプ群領域(xy座標の第1象限)31には金属バンプ1A〜25A、金属バンプ1a〜25aによって接続される電極端子が形成され、同上の第2金属バンプ群領域(xy座標の第2象限)32には金属バンプ1B〜25B、金属バンプ1b〜25bによって接続される電極端子が形成され、同上の第3金属バンプ群領域(xy座標の第3象限)33には金属バンプ1C〜25C、金属バンプ1c〜25cによって接続される電極端子が形成され、同上の第4金属バンプ群領域(xy座標の第4象限)34には金属バンプ1D〜25D、金属バンプ1d〜25dによって接続される電極端子が形成されている。
【0101】
n=1〜25とし、上部チップ30とチップ35とが接合され、上部チップ30とチップ35との接合体が動作する時、同じnに対して、金属バンプnAと金属バンプnaはチップの同じ内部配線(信号線)に繋がっており同じ信号が流れ、金属バンプnBと金属バンプnbはチップの同じ内部配線(信号線)に繋がっており同じ信号が流れ、金属バンプnCと金属バンプncはチップの同じ内部配線(信号線)に繋がっており同じ信号が流れ、金属バンプnDと金属バンプndはチップの同じ内部配線(信号線)に繋がっており同じ信号が流れる。金属バンプnA、金属バンプnB、金属バンプnC、金属バンプnDにはそれぞれ異なる信号が流れる。
【0102】
第1金属バンプ群領域31、第2金属バンプ群領域32、第3金属バンプ群領域33、第4金属バンプ群領域34の各領域内において、1つの信号線に対して2つの金属バンプが配置されている。この2つの金属バンプは、異なる信号が流れる他の信号線に繋がる金属バンプを挟んで配置され、互いに隣接しない位置に配置されている。各チップの各信号線に繋がる2つの金属バンプについては、可能な限り、一方の金属バンプはチップの中心に近い位置に、他方の金属バンプはチップの中心から離れたチップの辺に近い位置に配置されている。
【0103】
図6(B)に示すように、例えば、金属バンプ1a、1b、1c、1d、25A、25B、25C、25Dはチップの中心近傍に、金属バンプ25a、25b、25c、25d、1A、1B、1C、1Dはチップの角部の近傍に配置されている。
【0104】
図6に示す例では、各チップの各信号線に繋がる2つの金属バンプについては、可能な限り、チップの中心に近い位置に一方の金属バンプを配置し、チップの中心から離れたチップの辺に近い位置に他方の金属バンプを配置する。
【0105】
例えば、一方の金属バンプの位置とチップの角部との間の距離が小さいほど、対応する他方の金属バンプをチップの中心から近い位置に配置し、一方の金属バンプの位置とチップの角部との間の距離が大きいほど、対応する他方の金属バンプをチップの中心から遠い位置に配置する、或いは、一方の金属バンプの位置とチップの辺との間の最短距離が小さいほど、対応する他方の金属バンプをチップの中心から近い位置に配置し、一方の金属バンプの位置とチップの辺との間の最短距離が大きいほど、対応する他方の金属バンプをチップの中心から遠い位置に配置する。
【0106】
この結果、チップが反っている場合でも、各チップの各信号線に繋がる2つの金属バンプの少なくとも1つの金属バンプによって、上下のチップが正常な状態で接合される可能性が大きくなるので、上下のチップが、図14(A)に示すような接続が不良な状態で接合されるような場合でも、正常な電気的接続を保持できる可能性が大きくなる。
【0107】
また、チップの製造工程でチップの内部配線の形成不良(断線)が生じているような場合でも、この形成不良が、チップの内部配線(信号線)に接続される2つの並列線路(この各線路は電極端子に繋がっている。)の何れか一方に生じている場合には、何れか一方の並列線路に繋がる電極端子を通して金属バンプによって、上下のチップ間での正常な電気的接続を保持することができる。
【0108】
更に、上下の各チップの同じ信号が流れる信号線に繋がる複数の金属バンプを空間的に離れた位置に形成するので、静電破壊が並列線路の何れかに生じている場合にも、残る何れかの並列線路に繋がる電極端子を通して金属バンプによって、上下のチップ間での正常な電気的接続を確保することができる。
【0109】
このように、上下の各チップの同じ信号が流れる信号線に繋がる金属バンプを2つ以上配置することによって、金属バンプによる接続不良生じても何れか1つの金属バンプが正常に接続され、上下のチップの接合部品を正常に機能させることができ、接合部品の歩留りを向上させることができる。
【0110】
図7は、本発明の第2の実施の形態において、上部チップ30と下部チップ35とを接合する金属バンプが均一な密度で配列される他の例を説明する図であり、図7(A)は金属バンプの配列例を説明する図、図7(B)は各チップの各信号線に繋がる金属バンプの具体的な配置例を説明する図、図7(C)は各チップの各信号線に繋がる金属バンプの具体的な他の配置例を説明する図である。
【0111】
図7に示す例は、基本的に図6に示す例と同じであり、金属バンプが配置される上部チップの接合領域が4等分に分画され各分画(金属バンプ群領域31、32、33、34)に50個の金属バンプが配置され、チップには合計200個の金属バンプが配置されている。上下の各チップにおける100個の信号線の各信号線に接続する2つの並列線路に繋がる電極端子が形成されており、上下のチップの接合によって上下の各チップにおける100個の信号線が200個の金属バンプによって接続されている。
【0112】
図6に示す例と同様に、2つのチップが接合され動作する時、n=1〜25とすると、同じnに対して、金属バンプnAと金属バンプnaはチップの同じ信号線に繋がっており同じ信号が流れ、金属バンプnBと金属バンプnbはチップの同じ信号線に繋がっており同じ信号が流れ、金属バンプnCと金属バンプncはチップの同じ信号線に繋がっており同じ信号が流れ、金属バンプnDと金属バンプndはチップの同じ信号線に繋がっており同じ信号が流れる。金属バンプnA、金属バンプnB、金属バンプnC、金属バンプnDにはそれぞれ異なる信号が流れる。
【0113】
図6に示す例では、各チップの各信号線に繋がる2つの金属バンプは同じ分画内に配置されているが、図7に示す例では、各チップの各信号線に繋がる2つの金属バンプは異なる分画内に配置されている。
【0114】
図7(B)に示す例では、第1金属バンプ群領域31には、金属バンプ1A〜25A、金属バンプ1b〜25bが配列され、第2金属バンプ群領域32には、金属バンプ1a〜25a、金属バンプ1B〜25Bが配列され、第3金属バンプ群領域33には、金属バンプ1C〜25C、金属バンプ1d〜25dが配列され、第4金属バンプ群領域34には、金属バンプ1c〜25c、金属バンプ1D〜25Dが配列されている。
【0115】
図7(C)に示す例では、第1金属バンプ群領域31には、金属バンプ1A〜25A、金属バンプ1c〜25cが配列され、第2金属バンプ群領域32には、金属バンプ1B〜25B、金属バンプ1d〜25dが配列され、第3金属バンプ群領域33には、金属バンプ1a〜25a、金属バンプ1C〜25Cが配列され、第4金属バンプ群領域34には、金属バンプ1b〜25b、金属バンプ1D〜25Dが配列されている。
【0116】
図6に示す例と同様に、各チップの各信号線に繋がる2つの金属バンプについては、可能な限り、一方の金属バンプはチップの中心に近い位置に、他方の金属バンプはチップの中心から離れたチップの辺に近い位置に配置されている。図7(B)、図7(C)に示すように、例えば、金属バンプ1a、1b、1c、1d、25A、25B、25C、25Dはチップの中心近傍に、金属バンプ25a、25b、25c、25d、1A、1B、1C、1Dはチップの角部の近傍に配置されている。
【0117】
図7で示す例においても、図6に示す例と同様に、上下のチップ間での正常な電気的接続を保持することができる。
【0118】
図8は、本発明の第2の実施の形態において、上部チップ30と下部チップ35とを接合する金属バンプが均一な密度で配列される他の例を説明する図であり、図8(A)は金属バンプの配列例を説明する図、図8(B)は各チップの各信号線に繋がる金属バンプの具体的な配置例を説明する図、図8(C)は各チップの各信号線に繋がる金属バンプの具体的な他の配置例を説明する図である。
【0119】
図8に示す例では、図6、図7に示す例と異なり、金属バンプが配置される上部チップの接合領域が、異なる面積をもつ4つに分画されている。即ち、図6、図7に示す例では、200個の金属バンプの全体が配列される領域(接合領域)を4等分して分画を形成したが、図8に示す例では、異なる面積をもつ分画(金属バンプ群領域31、32、33、34)を形成する。
【0120】
第1金属バンプ群領域31には、金属バンプ1A〜16Aが配置され、第2金属バンプ群領域32には、金属バンプ1B〜24Bが配置され、第3金属バンプ群領域33には、金属バンプ1C〜36Cが配置され、第4金属バンプ群領域34には、金属バンプ1D〜24Dが配置されている。
【0121】
金属バンプ1A〜16Aと金属バンプ1a〜16aは基本的に異なる分画に配置され、金属バンプ1B〜24Bと金属バンプ1b〜24bは基本的に異なる分画に配置され、金属バンプ1C〜36Cと金属バンプ1c〜36cは基本的に異なる分画に配置され、金属バンプ1D〜24Dと金属バンプ1d〜24dは基本的に異なる分画に配置され、異なる分画に配置が困難又は不可能な場合には、図6と同様に、同じ分画内に配置される。
【0122】
図7に示す例では、各チップの各信号線に繋がる2つの金属バンプは厳密に異なる分画内に配置されているが、図8に示す例では、各チップの各信号線に繋がる2つの金属バンプは基本的に異なる分画内に配置し、異なる分画内に配置することが不可能な場合には、図6と同様に、同じ分画内に配置される。
【0123】
このように、第1金属バンプ群領域31には32個の金属バンプが配置され、第2金属バンプ群領域32には48個の金属バンプが配置され、第3金属バンプ群領域33には72個の金属バンプが配置され、第4金属バンプ群領域34には48個の金属バンプが配置されており、チップには合計200個の金属バンプが配置されている。上下の各チップにおける100個の信号線の各信号線に接続する2つの並列線路に繋がる電極端子が、上下のチップの接合の際に200個の金属バンプによって接続され、上下の各チップにおける100個の信号線が200個の金属バンプによって接続されている。
【0124】
2つのチップが接合され動作する時、k=1〜16、m=1〜24、n=1〜36とすると、同じk、同じm、同じnに対して、金属バンプkAと金属バンプkaはチップの同じ信号線に繋がっており同じ信号が流れ、金属バンプmBと金属バンプmbはチップの同じ信号線に繋がっており同じ信号が流れ、金属バンプnCと金属バンプncはチップの同じ信号線に繋がっており同じ信号が流れ、金属バンプmDと金属バンプmdはチップの同じ信号線に繋がっており同じ信号が流れる。金属バンプkA、金属バンプmB、金属バンプnC、金属バンプmDにはそれぞれ異なる信号が流れる。
【0125】
図8(B)に示す金属バンプの配置の例は、図7(B)に示す金属バンプの配置の例に類似し、図8(C)に示す金属バンプの配置の例は、図7(C)に示す金属バンプの配置の例に類似しているが、厳密には異なる配置である。
【0126】
図6、図7に示す例と同様に、各チップの各信号線に繋がる2つの金属バンプについては、可能な限り、一方の金属バンプはチップの中心に近い位置に、他方の金属バンプはチップの中心から離れたチップの辺に近い位置に配置されている。図8(B)、図8(C)に示すように、例えば、金属バンプ1a、1b、1c、1d、29C、30C、35C、36Cはチップの中心近傍に、金属バンプ1A、1B、1C、1D、29c、30c、35c、36cはチップの角部の近傍に配置されている。
【0127】
図8に示す例においても、図6、図7に示す例と同様に、上下のチップ間での正常な電気的接続を保持することができる。
【0128】
図9は、本発明の第2の実施の形態において、上部チップ30と下部チップ35とを接合する金属バンプが均一な密度で配列される他の例を説明する図であり、図9(A)は金属バンプの配列例を説明する図、図9(B)は各チップの各信号線に繋がる金属バンプの具体的な配置例を説明する図、図9(C)は各チップの各信号線に繋がる金属バンプの具体的な他の配置例を説明する図である。
【0129】
図9に示す例では、金属バンプが配置される上部チップの接合領域を分画に分割することなく、チップには合計200個の金属バンプが配置されている。上下の各チップにおける100個の信号線の各信号線に接続する2つの並列線路に繋がる電極端子が形成されており、上下のチップの接合によって上下の各チップにおける100個の信号線が200個の金属バンプによって接続されている。
【0130】
2つのチップが接合され動作する時、n=1〜100とすると、同じnに対して、金属バンプnXと金属バンプnYはチップの同じ信号線に繋がっており同じ信号が流れる。100個の金属バンプnXのそれぞれには、異なる信号が流れる。
【0131】
金属バンプの具体的な配置は、図9(B)、図9(C)に示す例の他に多数の配置が可能である。図9に示す例は、図8に示す例と同様に、チップの反りが2つのチップの電気的な接続に実質的に影響しない場合に有効であり、図6、図7、図8に示す例と同様に、チップの製造工程でチップの内部配線の形成不良(断線)が、チップの信号線に接続される2つの並列線路の何れか一方に生じている場合、静電破壊が、2つの並列線路の何れか一方に生じている場合にも、何れか一方の並列線路に繋がる電極端子を通して金属バンプによって、上下のチップ間での正常な電気的接続を保持することができる。
【0132】
図10は、本発明の第2の実施の形態において、上部チップ30と下部チップ35とを接合する金属バンプが不均一な密度で配列される例を説明する図であり、図10(A)はチップ面積を9個の分画に等分割して金属バンプを配置する例を説明する図、図10(B)はチップ面積を16個の分画に等分割して金属バンプを配置する例を説明する図、図10(C)はチップ面積を49個の分画に等分割して金属バンプを配置する例を説明する図である。
【0133】
図10に示す例では、図5、図6、図7、図9に示す例と異なり、金属バンプを不均一な密度で配置する構成をとっている。図10に示す例では、チップの面積を等分割して複数の分画を形成して、チップの中心部を含みチップの辺(側端)を含まない1又は複数の分画によって、金属バンプを密に配列する密配列金属バンプ群領域47を形成し、チップの中心部を含まずチップの辺(側端)を含む分画を含む複数の分画によって、金属バンプを粗配列する粗配列金属バンプ群領域48を形成する。
【0134】
以下の説明では、1個の分画の面積をSとする。そして、密配列金属バンプ群領域47、及び、粗配列金属バンプ群領域48にはそれぞれ、同数の金属バンプが配置される。以下の説明では、これら領域47、48に配置される金属バンプの数をNとする。
【0135】
各チップの各信号線に繋がる2つの金属バンプの一方の金属バンプは、密配列金属バンプ群領域47に配置され、他方の金属バンプは、粗配列金属バンプ群領域48に配列される。従って、各チップの各信号線に繋がる2つの金属バンプの一方の金属バンプは、反りの生じにくいチップの内部の領域に配置され、他方の金属バンプは、反りの生じる可能性の大きいチップの辺の近傍に配置されることになる。
【0136】
図10に示す例では、図6に示す例と同様に、各チップの各信号線に繋がる2つの金属バンプについては、可能な限り、チップの中心に近い位置に一方の金属バンプを配置し、チップの中心から離れたチップの辺に近い位置に他方の金属バンプを配置する。
【0137】
例えば、一方の金属バンプの位置とチップの角部との間の距離が小さいほど、対応する他方の金属バンプをチップの中心から近い位置に配置し、一方の金属バンプの位置とチップの角部との間の距離が大きいほど、対応する他方の金属バンプをチップの中心から遠い位置に配置する、或いは、一方の金属バンプの位置とチップの辺との間の最短距離が小さいほど、対応する他方の金属バンプをチップの中心から近い位置に配置し、一方の金属バンプの位置とチップの辺との間の最短距離が大きいほど、対応する他方の金属バンプをチップの中心から遠い位置に配置する。
【0138】
このような金属バンプの配置によって、図10に示す例においても、図6、図7に示す例と同様に、上下のチップ間での正常な電気的接続を保持することができる。
【0139】
図10(A)に示す例では、チップの各辺を3等分してチップ面積を9個の分画に等分割して、チップの中心を含む1個の分画を密配列金属バンプ群領域47とし、チップの辺を含む8個の分画を粗配列金属バンプ群領域48とする。この時、密配列金属バンプ群領域47に配列される内部の密な配列密度はN/S、粗配列金属バンプ群領域48に配列されるチップの辺の近傍の粗な配列密度はN/(8S)となり、密度比は8となる。
【0140】
N=96とすると、密配列金属バンプ群領域47には96個の金属バンプが配置され、粗配列金属バンプ群領域48の各分画には12個の金属バンプが配置され、上下のチップの信号線は、合計192個の金属バンプによって接続される。
【0141】
N=480とすると、密配列金属バンプ群領域47には480個の金属バンプが配置され、粗配列金属バンプ群領域48の各分画には60個の金属バンプが配置され、上下のチップの信号線は、合計960個の金属バンプによって接続される。
【0142】
N=960とすると、密配列金属バンプ群領域47には960個の金属バンプが配置され、粗配列金属バンプ群領域48の各分画には120個の金属バンプが配置され、上下のチップの信号線は、合計1920個の金属バンプによって接続される。
【0143】
図10(B)に示す例では、チップの各辺を4等分してチップ面積を16個の分画に等分割して、チップの中心を含む4個の分画を密配列金属バンプ群領域47とし、チップの辺を含む12個の分画を粗配列金属バンプ群領域48とする。この時、密配列金属バンプ群領域47に配列される内部の密な配列密度はN/(4S)、粗配列金属バンプ群領域48に配列されるチップの辺の近傍の粗な配列密度はN/(12S)となり、密度比は3となる。
【0144】
N=96とすると、密配列金属バンプ群領域47の各分画には24個の金属バンプが配置され、粗配列金属バンプ群領域48の各分画には8個の金属バンプが配置され、上下のチップの信号線は、合計192個の金属バンプによって接続される。
【0145】
N=480とすると、密配列金属バンプ群領域47の各分画には120個の金属バンプが配置され、粗配列金属バンプ群領域48の各分画には40個の金属バンプが配置され、上下のチップの信号線は、合計960個の金属バンプによって接続される。
【0146】
N=960とすると、密配列金属バンプ群領域47の各分画には240個の金属バンプが配置され、粗配列金属バンプ群領域48の各分画には80個の金属バンプが配置され、上下のチップの信号線は、合計1920個の金属バンプによって接続される。
【0147】
図10(C)に示す例では、チップの各辺を7等分してチップ面積を49個の分画に等分割して、チップの中心を含む9個の分画を密配列金属バンプ群領域47とし、チップの辺を含む分画を含む40個の分画を粗配列金属バンプ群領域48とする。この時、密配列金属バンプ群領域47に配列される内部の密な配列密度はN/(9S)、粗配列金属バンプ群領域48に配列されるチップの辺の近傍の粗な配列密度はN/(40S)となり、密度比は4.4となる。
【0148】
N=360とすると、密配列金属バンプ群領域47の各分画には40個の金属バンプが配置され、粗配列金属バンプ群領域48の各分画には9個の金属バンプが配置され、上下のチップの信号線は、合計720個の金属バンプによって接続される。
【0149】
N=720とすると、密配列金属バンプ群領域47の各分画には80個の金属バンプが配置され、粗配列金属バンプ群領域48の各分画には18個の金属バンプが配置され、上下のチップの信号線は、合計1440個の金属バンプによって接続される。
【0150】
以上では、部チップ面積を9、16、49個の分画に等分割して金属バンプを配置する例を説明したが、チップ面積を任意の数に等分割して、上記で説明したようにして、金属バンプを配置してもよいことは言うまでもない。
【0151】
また、K、m、nを整数、(m/n)を整数として、密配列金属バンプ群領域47を等分割され面積AをもつK個の分画によって形成し、チップの辺を含む/又は含まない粗配列金属バンプ群領域48を等分割され面積Bをもつ(nK)個の分画によって形成し、密配列金属バンプ群領域47の各分画に配置する金属バンプの数をmとし、粗配列金属バンプ群領域48の各分画に配置する金属バンプの数を(m/n)としてもよい。このようにすることによって、密配列金属バンプ群領域47に配置される金属バンプの数を(mK)とし、粗配列金属バンプ群領域48に配置される金属バンプの数を(nK)×(m/n)=(mK)として、上下のチップの信号線を、合計(2mK)個の金属バンプによって接続することができる。
【0152】
例えば、K=48、m=10、n=2又は5とすることによって、上下のチップの信号線を、合計960個の金属バンプによって接続することができる。K=96、m=20、n=2又は5又は10とすることによって、上下のチップの信号線を、合計1920個の金属バンプによって接続することができる。
【0153】
このような金属バンプの配置によって、図6、図7、図10に示す例と同様に、上下のチップ間での正常な電気的接続を保持することができる。
【0154】
図11は、本発明の第2の実施の形態において、上部チップ30と下部チップ35とを接合する金属バンプが不均一な密度で配列される例を説明する図であり、図11(A)はチップの辺近傍まで金属バンプを配置する例を説明する図、図11(B)はチップの辺近傍に金属バンプを配置しないでチップの中心の近くに金属バンプを配置する例を説明する図である。
【0155】
図11(A)に示す例では、チップの長辺を8等分、短辺を6等分してチップ面積を48個の分画に等分割して、チップの中心を含む24個の分画を密配列金属バンプ群領域47とし、チップの辺を含む8個の分画を粗配列金属バンプ群領域48とする。密配列金属バンプ群領域47には、192個の金属バンプが配置され、粗配列金属バンプ群領域48には96個の金属バンプが配置されている。合計288個の金属バンプによって、上下のチップの144個の信号線を接続している。
【0156】
各チップの各信号線に繋がる第1の金属バンプ(合計144個)及び第2の金属バンプ(合計144個)について説明する。第1の金属バンプは密配列金属バンプ群領域47に配置され、第2の金属バンプは密配列金属バンプ群領域47及び粗配列金属バンプ群領域48に配列される。このように第2の金属バンプは、2種類の異なる配列密度で配置される。
【0157】
図11(A)に示す例において、金属バンプの配列密度を5倍にすると、即ち、密配列金属バンプ群領域47に960個の金属バンプを配置し、粗配列金属バンプ群領域48に480個の金属バンプを配置する場合、合計1440個の金属バンプによって、上下のチップの720個の信号線を接続することができる。金属バンプの配列密度を10倍にすると、合計2880個の金属バンプによって、上下のチップの1440個の信号線を接続することができる。
【0158】
図11(A)に示すような例では、図6に示す例と同様に、各チップの各信号線に繋がる2つの金属バンプについては、可能な限りチップの中心に近い位置に一方の金属バンプを配置し、チップの中心から離れたチップの辺に近い位置に他方の金属バンプを配置する。
【0159】
例えば、一方の金属バンプの位置とチップの角部との間の距離が小さいほど、対応する他方の金属バンプをチップの中心から近い位置に配置し、一方の金属バンプの位置とチップの角部との間の距離が大きいほど、対応する他方の金属バンプをチップの中心から遠い位置に配置する、或いは、一方の金属バンプの位置とチップの辺との間の最短距離が小さいほど、対応する他方の金属バンプをチップの中心から近い位置に配置し、一方の金属バンプの位置とチップの辺との間の最短距離が大きいほど、対応する他方の金属バンプをチップの中心から遠い位置に配置する。
【0160】
以上説明した金属バンプの配置によって、図11(A)に示すような例においても、図6、図7、図10に示す例と同様に、上下のチップ間での正常な電気的接続を保持することができる。
【0161】
図11(B)に示す例は、上記で説明した図11(A)に示すような例において、反りが発生する可能性の大きいチップの辺近傍に金属バンプを配置しないで、反りの発生の可能性の小さいチップの中心の近い領域に金属バンプを配置する例である。チップの辺近傍に金属バンプを配置しない構成とするためには、図11(A)に示す金属バンプの配置パターンを約2分の1(より正確には約1.9分の1)にx方向及びy方向に同じ縮小率(0.725)で縮小して、図11(A)に示すチップと同じ大きさのチップに配置すればよい。
【0162】
なお、x方向及びy方向に異なる縮小率で縮小して、図11(A)に示すチップと同じ大きさのチップに配置することもできる。即ち、図11(A)に示す例よりも金属バンプを密に配列することによって、チップの辺の近傍に金属バンプを配置しない構成とする。
【0163】
なお、図10に示す例及びこれに関連する例を、図11(B)に示す例に適用することができ、反りが生じ易いチップの辺の近傍に金属バンプを配置しない構成とすることもできる。
【0164】
また、図6、図7、図8、図9、図10に示すような金属バンプの配置例を、x方向及びy方向に同じ縮小率(x方向及びy方向に異なる縮小率してもよい。)で縮小して、図6、図7、図8、図9、図10に示すチップと同じ大きさのチップに配置することによって、反りが生じ易いチップの辺の近傍に金属バンプを配置しない構成とすることもできる。
【0165】
以上説明した金属バンプの配置によって、図11(B)に示すような例においても、図6、図7、図10に示す例と同様に、上下のチップ間での正常な電気的接続を保持することができる。
【0166】
以上の説明では、図5(D)に示すように、上下のチップが、上下の各チップの信号線に接続される2つの並列線路の各線路が繋がる電極端子の間の金属バンプによって、接合されている半導体装置を例にとって説明したが、次に、より多数の並列線路が信号線に接続されている場合について説明する。
【0167】
図12は、本発明の第2の実施の形態において、同じ信号線に繋がる4個の金属バンプをもつ上部チップと下部チップとを接合するチップオンチップ接続おける金属バンプの配置(均一な密度での配置)の例を説明する図であり、図12(A)は上部チップと下部チップの電気的接続を説明する模式図、図12(B)は同じ信号が流れる金属バンプの配置の一例を説明する図である。
【0168】
図12(A)の模式図に示すように、上下のチップが、上下の各チップのi番目の信号線に接続される4つの並列線路の各線路が繋がる電極端子(図示せず。)の間の4つの金属バンプiA、iB、iC、iDによって、接合されている半導体装置を例にとって説明する(ここで、i=1、2、3、…25、である。)。
【0169】
図12(B)は、金属バンプiA、iB、iC、iD(i=1、2、3、…25)の配置例の1つを示す。金属バンプが配置される上部チップの面積が4等分に分画され各分画(金属バンプ群領域31、32、33、34)に25個の金属バンプが配置され、チップには合計100個の金属バンプが配置されている。上下の各チップにおける25個の信号線の各信号線に接続する4つの並列線路に繋がる電極端子が形成されており、上下のチップの接合によって上下の各チップにおける25個の信号線が100個の金属バンプによって接続されている。
【0170】
上下のチップが接合され動作する時、金属バンプiA(i=1、2、3、…、25)、金属バンプiB(i=1、2、3、…、25)、金属バンプiC(i=1、2、3、…、25)、金属バンプiD(i=1、2、3、…、25)は同じi番目の信号線に繋がっており同じ信号が流れる。iが同じである金属バンプiA、金属バンプiB、金属バンプiC、金属バンプiDが、隣接して配置されないように互いに遠い距離を置いて配置される。
【0171】
図12(B)に示すように、金属バンプの全体が配列される領域(接合領域)を4等分して分画(金属バンプ群領域31、32、33、34)を形成、第1金属バンプ群領域31には、金属バンプ1A〜25Aが配置され、第2金属バンプ群領域32には、金属バンプ1B〜25Bが配置され、第3金属バンプ群領域33には、金属バンプ1C〜25Cが配置され、第4金属バンプ群領域34には、金属バンプ1D〜24Dが配置されている。
【0172】
なお、図12(B)に示すような金属バンプの配置例を、x方向及びy方向に同じ縮小率(x方向及びy方向に異なる縮小率してもよい。)で縮小して、図12(B)に示すチップと同じ大きさのチップに配置することによって、反りが生じ易いチップの辺の近傍に金属バンプを配置しない構成とすることもできる。
【0173】
一般的に説明すると、異なる信号が流れるI個の信号線を扱い、上下のチップが、上下の各チップのi番目の信号線に接続されるJ個の並列線路の各線路が繋がる電極端子の間の金属バンプZ(ij)(i=1、2、…、I;j=1、2、…、J)によって、接合されている半導体装置の場合には、金属バンプの全体(I×J個)が配列される領域(接合領域)をJ等分して分画を形成し、j番目の分画に、金属バンプZ(ij)(i=1、2、…、I)を配置する。iが同じである金属バンプZ(ij)(j=1、2、…、J)が、隣接して配置されないようにする。
【0174】
このように、同じ信号が流れる金属バンプを、チップの異なる領域に配置するので、同じ信号線に繋がるJ個の金属バンプのうち少なくとも1個によって、上下のチップの対応する同じ信号が流れる信号線が電気的に正常に接続されることになるので、図12に示すような例においても、図6、図7、図10、図11(B)に示す例と同様に、上下のチップ間での正常な電気的接続を保持することができ、上下のチップの電気的接続の信頼度を向上させることができる。
【0175】
以上説明したように、本発明では、同じ信号が流れる信号線に接続される複数の並列線路のそれぞれに繋がる金属バンプを介して上下のチップを接続する構成とすることによって、チップに反りを生じ易い場合に対応することができ、上下のチップの電気的接続の信頼性を向上させることができる。とくに、大きな反りはチップの外辺の近傍で生じ易いので、この外辺の近傍に金属バンプを配置しない構成とすることによって、上下のチップの電気的接続の信頼性を向上させることができる。
【0176】
また、同上の構成によって、静電絶縁破壊による信号線の断線、チップの製造工程で生じる信号線の形成不良等のランダムに発生する事象に対して、信号線に接続される複数の並列線路の何れかが断線を生じても、信号線そのものに断線がない限り、同じ信号が流れる金属バンプの少なくとの1つが正常に接合されていれば、上下のチップの電気的接続は正常に保持することができる。
【0177】
チップオンチップ接続の信頼性をより向上させるためには、第1及び第2の実施の形態において説明したような、所定の大きさのチップの辺の近傍まで金属バンプを所定の方法によって配置する場合において、金属バンプの配置位置を指定するxy座標値を、x方向及びy方向に同じ縮小率(x方向及びy方向に異なる縮小率してもよい。)で縮小して、上記の所定の大きさのチップと同じ大きさのチップに、縮小後のxy座標位置の値を用いて金属バンプを配置することによって、反りが生じ易いチップの辺の近傍に金属バンプを配置しないで、反りを生じ難いチップの中心を含む領域に金属バンプを配置する構成とすればよい。これによって、チップオンチップ接続の信頼性を向上させることができる。
【0178】
第1及び第2の実施の形態において、金属バンプは、Sn、Au、Al等によって形成され、材料はとくに問わない。2つのチップを接合する金属バンプの数は任意でよい。金属バンプは上部チップ又は/及び下部チップに配置されてもよい。チップの接合領域又はチップの面積を分割して分画を形成する場合は、チップの外形と相似形をもつ任意の数に分割してよい。
【0179】
第1及び第2の実施の形態において、各チップの各信号線に接続される並列線路の数は任意の複数でよい。また、各チップの信号線の全てに複数の並列線路を接続してもよいし、各チップの信号線のうちの一部の信号線に複数の並列線路を接続する構成としてもよい。更に、各チップの電源ライン及び/又はアースラインに複数の並列線路を接続する構成としてもよい。
【0180】
以上、本発明を実施の形態について説明したが、本発明は、上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
【0181】
先述したように、下部チップの代わりに実装基板を用いる構成にも本発明は適用可能である。また、第1及び第2の実施の形態において説明した、上下の各チップの大きさ及び厚さ、金属バンプの大きさ及び数等は、必要に応じて任意に変更可能である。
【産業上の利用可能性】
【0182】
以上説明したように、本発明は、小型化、集積化されたモバイル機器等に好適であって、部品間の接合の信頼性及び歩留りを向上させた半導体装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0183】
【図1】本発明の第1の実施の形態において、チップオンチップ接続を説明する、(A)平面図、(B)Y−Y部の断面図、(C)(B)の部分拡大断面図、(D)上部チップと下部チップの電気的接続を説明する模式図である。
【図2】同上、上部チップと下部チップとを接合する金属バンプの配置を説明する図である。
【図3】同上、上部チップと下部チップとを接合する金属バンプの配置の他の例を説明する図である。
【図4】同上、変形例を説明する図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態において、チップオンチップ接続を説明する、(A)平面図、(B)Y−Y部の断面図、(C)(B)の部分拡大断面図、(D)上部チップと下部チップの電気的接続を説明する模式図である。
【図6】同上、上部チップと下部チップとを接合する金属バンプの配置を説明する図である。
【図7】同上、金属バンプの配置の他の例を説明する図である。
【図8】同上、金属バンプの配置の他の例を説明する図である。
【図9】同上、金属バンプの配置の他の例を説明する図である。
【図10】同上、金属バンプの配置の例を説明する図である。
【図11】同上、金属バンプの配置の他の例を説明する図である。
【図12】同上、金属バンプの配置の他の例を説明する図である。
【図13】従来技術における、チップオンチップ接続を説明する図である。
【図14】同上、チップオンチップ接続の不良に関する説明図である。
【図15】同上、フリップチップボンディング方法による接合を示図である。
【符号の説明】
【0184】
1A〜100A、1a〜100a、1B〜100B、1C〜100C、
1D〜100D、1b〜25b、1c〜36c、1d〜25d、1X〜100X、
1Y〜100Y、40、40b、40c、40d、40e、40f、40E、40F
…金属バンプ、30…上部チップ、31…第1金属バンプ群領域、
32…第2金属バンプ群領域、33…第3金属バンプ群領域、
34…第4金属バンプ群領域、35…下部チップ、
42a、42b…上部チップの内部配線、
42a−1…上部チップの信号線の第1分岐線、
42a−2…上部チップの信号線の第2分岐線、
44a、44b…下部チップの内部配線、
44a−1…下部チップの信号線の第1分岐線、
44a−2…下部チップの信号線の第2分岐線、46…絶縁膜、
47…密配列金属バンプ群領域、48…粗配列金属バンプ群領域
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の導体線路及びこれに接続された複数の第1の並列導体線路を具備する第1の部
品と、
前記第1の導体線路と同一機能をなす第2の導体線路及びこれに接続された複数の第
2の並列導体線路を具備する第2の部品と、
前記第1の並列導体線路と前記第2の並列導体線路とを電気的に接続する複数のバン
プ電極と
を有し、前記第1の部品と前記第2の部品とが前記バンプ電極によって接合された半導体装置。
【請求項2】
複数の前記バンプ電極は隣接して配置される、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
複数の前記バンプ電極の少なくとも一部が、前記第1の部品の側端から所定の距離以内にある領域を除いた領域に配置される、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1の導体線路及び前記第2の導体線路は、信号ライン、電源ライン又はアースラインである、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
異なる信号が流れる前記第1及び第2の導体線路の複数個が前記第1の部品と前記第2の部品とにそれぞれ設けられている、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記所定の距離以内にある領域は、前記第1の部品と前記第2の部品との接合不良が生じ易い領域である、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1の部品及び前記第2の部品が半導体チップである、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1の部品が半導体チップであり、前記第2の部品が実装基板である、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項1】
第1の導体線路及びこれに接続された複数の第1の並列導体線路を具備する第1の部
品と、
前記第1の導体線路と同一機能をなす第2の導体線路及びこれに接続された複数の第
2の並列導体線路を具備する第2の部品と、
前記第1の並列導体線路と前記第2の並列導体線路とを電気的に接続する複数のバン
プ電極と
を有し、前記第1の部品と前記第2の部品とが前記バンプ電極によって接合された半導体装置。
【請求項2】
複数の前記バンプ電極は隣接して配置される、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項3】
複数の前記バンプ電極の少なくとも一部が、前記第1の部品の側端から所定の距離以内にある領域を除いた領域に配置される、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項4】
前記第1の導体線路及び前記第2の導体線路は、信号ライン、電源ライン又はアースラインである、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項5】
異なる信号が流れる前記第1及び第2の導体線路の複数個が前記第1の部品と前記第2の部品とにそれぞれ設けられている、請求項4に記載の半導体装置。
【請求項6】
前記所定の距離以内にある領域は、前記第1の部品と前記第2の部品との接合不良が生じ易い領域である、請求項3に記載の半導体装置。
【請求項7】
前記第1の部品及び前記第2の部品が半導体チップである、請求項1に記載の半導体装置。
【請求項8】
前記第1の部品が半導体チップであり、前記第2の部品が実装基板である、請求項1に記載の半導体装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2007−220866(P2007−220866A)
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−39089(P2006−39089)
【出願日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】
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