説明

半導体装置

【課題】ユーザの要求に出来る限り対応しつつも、チップサイズを増大させないようにすることが重要となる。
【解決手段】本発明の半導体装置は、基板上の外周に沿って配置される第1乃至第4内部端子と、第1内部端子に接続される回路と、第2内部端子と接続される第1外部端子と、第3内部端子と接続される第2外部端子と、第4内部端子と接続される第3外部端子と、を備え、回路は、第1内部端子と第1外部端子との接続状態に応じた信号を出力し、第1及び第2内部端子は、第1外部端子が対応する基板の1辺に平行な方向における第1及び第2内部端子の中心間の距離がL1となるように配置され、第3及び第4内部端子は、第2及び第3外部端子が対応する基板の1辺に平行な方向における第3及び第4内部端子の中心間の距離がL2となるように配置され、距離L1は、距離L2よりも小さいことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は半導体装置に関し、特にボンディングの有無で動作モードの切り替えを行う半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
基板(チップ)上に予め複数の機能を実現するための回路を形成しておき、半導体装置の組立ての際にユーザの要求に応じて特定の機能を選択し、この選択した機能に該当する回路を活性化させてカスタマイズすることが行われている。これにより、汎用的に利用できるチップを製造することでトータル的な製造コストを下げつつ、ユーザの個別要求を満たすことが可能となる半導体装置を製造することができる。
【0003】
特許文献1には、外部端子(電源外部端子、接地外部端子、リセット外部端子)とチップ上に設けられた動作モード選択用の内部端子(モードパッド)とのボンディングの有無に基づいて、複数の動作モードのうちの任意の動作モードを選択する技術が記載されている。この技術は、動作モードを選択するための特別な信号を供給するための外部端子を新たに設けること無しに、ボンディングの有無だけで動作モードの選択を可能とするものである。
【0004】
【特許文献1】米国特許5754879号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
チップの外周には、チップ外部との入出力の端子となる内部端子(パッド)が配置され、チップの内部には、パッドに取り囲まれるように種々の回路が形成される。近年の更なる微細化及び配線層の多層化により、チップには沢山の回路が搭載できるようになってきたが、それに伴いチップの外周に配置しなければならないパッドの数も多くなってきた。すなわち、製品によっては、チップの外周に配置しなければならないパッドの数によって、チップサイズが決定してしまうものがでてきた。
【0006】
ここで、ユーザの個別要求を満たすための回路と動作モードの選択のためのモードパッドをチップに搭載することを考えると、モードパッドの追加により、チップサイズが大きくなってしまう問題が生じてくる。つまり、複数の機能を実現するための回路を搭載し、ユーザの要求に出来る限り対応しつつも、なるべくチップサイズを増大させないようにすることが重要となってくる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る半導体装置は、基板と、前記基板上の外周に沿って配置される第1乃至第4内部端子と、前記基板上に形成され、前記第1内部端子に接続される回路と、前記第2内部端子と接続される第1外部端子と、前記第3内部端子と接続される第2外部端子と、前記第4内部端子と接続され、前記第2外部端子と同じ前記基板の1辺に対応して配置される第3外部端子と、を備える。前記回路は、前記第1内部端子と前記第1外部端子との接続状態に応じた信号を出力する。前記第1及び第2内部端子は、前記第1外部端子が対応する前記基板の1辺に平行な方向における前記第1及び第2内部端子の中心間の距離がL1となるように配置される。前記第3及び第4内部端子は、前記第2及び第3外部端子が対応する前記基板の1辺に平行な方向における前記第3及び第4内部端子の中心間の距離がL2となるように配置される。このとき、距離L1は、距離L2よりも小さく設定される。
【0008】
このような構成により、全ての内部端子間の端子間隔を距離L1で配置する場合に比べて、内部端子の数によって決められる基板の外周の長さをL2−L1だけ短くすることができる。
【0009】
本発明に係る半導体装置は、基板と、前記基板上の外周に沿って配置される第1乃至第4内部端子と、前記基板上に形成され、前記第1内部端子に接続される回路と、を備える。前記第1及び第2内部端子は、第1外部端子と接続可能である。前記第3内部端子は、第2外部端子と接続可能である。前記第4内部端子は、第3外部端子と接続可能である。前記回路は、前記第1内部端子と前記第1外部端子との接続状態に応じた信号を出力する。前記第1及び第2内部端子は、前記第1又は第2内部端子が配置される前記基板の外周の1辺に平行な方向における前記第1及び第2内部端子の中心間の距離がL1となるように配置される。前記第3及び第4内部端子は、前記第3及び第4内部端子が配置される前記基板の外周の1辺に平行な方向における前記第3及び第4内部端子の中心間の距離がL2となるように配置される。このとき、距離L1は、距離L2よりも小さく設定される。
【0010】
このような構成により、一部の内部端子間の端子間隔を距離L2よりも小さい距離L1としたので、内部端子の数によって決められる基板の外周の長さをその分短くすることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、基板の外周に配置しなければならない内部端子の数により基板のサイズが決定してしまうような製品に対してユーザの個別要求を満たすために動作モード選択用の内部端子を追加する場合において、動作モード選択用の内部端子と当該内部端子が接続される可能性のある外部端子に接続されている内部端子とを距離L2の間隔で配置する本発明に係る基板は、これらの内部端子を距離L1で配置する基板よりもその面積を小さくすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0013】
図1は、本発明の実施の形態に係る半導体装置1の構成図である。図1に示されるように、半導体装置1は、基板(チップ)2と、複数のボンディングワイヤ6と、チップ2と複数のボンディングワイヤ6によってそれぞれ接続される複数の外部端子(リード)5と、モールド樹脂3と、を備える。
【0014】
チップ2の外周には、複数の内部端子(パッド)4が配置される。チップ2上のパッド4の内側には、内部回路7が形成される。内部回路7には、動作モード選択回路の他、機能ブロック(例えば、中央演算装置(CPU)、メモリ、周辺回路(入出力回路や保護回路など))が含まれている。
【0015】
パッド4の中には、電源電位が供給されるパッド、接地電位と接続されるパッド、リセット信号を入力するパッド、入出力信号を伝達するためのパッドというような所謂通常のパッドの他に、動作モード選択用のパッド(モードパッド)が含まれている。モードパッドは、内部回路7内の動作モード選択回路に接続されており、動作モード選択回路は、モードパッドへのボンディングの有無に基づいて、複数の動作モードから特定の動作モードを選択する。なお、図1にも示されているように、モードパッドにボンディングされる場合には、1本のリード5にボンディングワイヤ6が2本接続される構成となる。また、モードパッドの詳細については、図2以降を参照して後述するが、モードパッドと当該モードパッドに隣接する通常のパッドとの間隔は、これら以外の通常のパッド同士の間隔とは異なっている。
【0016】
動作モードの選択によって、バスプロトコルの設定(例えば、1ビットでデータを出力する動作モードか、4ビットでデータを出力する動作モードかを設定)、信頼性レベルの設定(例えば、エラー訂正機能を有効とする動作モードか、エラー訂正機能を無効にする動作モードかを設定)などが可能となる。これにより、半導体装置1は、当該設定された動作モードによって、ユーザの要求に沿った動作をすることができる。
【0017】
図2は、図1の点線で囲われた部分Aの詳細を示したものである。リード5には、次の4種類のリード5a〜5dが含まれている。リード5aは、外部からのリセット信号をチップ2へ入力するためのリセット外部端子である。リード5bは、外部とチップ2との間の入出力信号を伝達するための信号外部端子である。リード5cは、電源電位をチップ2へ供給するための電源外部端子である。リード5dは、外部の接地電位に接続される接地外部端子である。
【0018】
パッド4には、次の5種類のパッド4a〜4eが含まれている。パッド4aは、ボンディングワイヤ6aでリード5aと接続され、リセット信号を受けるリセット内部端子(リセットパッド)である。また、パッド4aは、プルアップ抵抗10によってプルアップ(lowアクティブのため)され、リセット信号を動作モード選択回路8と機能ブロック9へ出力する。
【0019】
パッド4bは、ボンディングワイヤ6bでリード5bと接続され、入出力信号の伝達を行うための信号内部端子(信号パッド)である。また、パッド4bは、プルダウン抵抗11(プルアップ抵抗でも可)によってプルダウンされると共に、機能ブロック9に接続される。
【0020】
パッド4cは、ボンディングワイヤ6cでリード5cと接続され、電源電位を受ける電源内部端子(電源パッド)である。また、パッド4cは、外部から供給された電源電位を動作モード選択回路8と機能ブロック9へ出力する。
【0021】
パッド4dは、動作モード選択用の内部端子(モードパッド)であり、動作モード選択回路8と接続される。パッド4dとリード5cは、ボンディングされる場合と、ボンディングされない場合があり、このボンディングの有無によって、動作モードの選択が行われる。なお、図では、リード5cとパッド4dがボンディングされる場合とボンディングされない場合とがあることから、ボンディングワイヤ6dを点線にて表示することにした。
【0022】
パッド4eは、ボンディングワイヤ6eでリード5dと接続され、接地電位に接続される接地内部端子(接地パッド)である。また、パッド4eは、動作モード選択回路8と機能ブロック9に接続される。
【0023】
機能ブロック9は、パッド4(パッド4a、4b、4c、4e)と接続され、動作モード選択回路8からの出力(動作モード切替信号)を入力する。機能ブロック9は、入力された動作モード切替信号に応じて選択された動作モードで回路を動作させる。
【0024】
図2に示されるように、通常のパッド同士の間隔、具体的には、パッド4aの中心から隣接するパッド4bの中心までの距離、又は、隣接するパッド4b同士の中心から中心までの距離をL1とする。また、モードパッドと当該モードパッドと同じリードにボンディングされる可能性のある通常のパッドとの間隔、具体的には、パッド4cの中心からパッド4dの中心までの距離をL2とする。但し、これらの距離L1とL2は、パッド4とボンディングされる(ボンディングされる可能性がある)リードが対応するチップ2の1辺(図2のH1)に対して平行な方向の成分のみを対象とする。本発明では、これらの距離L1とL2は、L1>L2の関係になる。なお、パッド4はチップ2の外周に沿って配置されるので、図2のH1に平行な方向は、パッド4が配置されるチップ2の外周の1辺に平行な方向という表現でも表すことができる。
【0025】
続いて、図3乃至図10を用いて、距離L1及び距離L2の詳細について説明する。ここでは、距離L1を説明するためのパッドとして、パッド4a及びパッド4bを例にあげる。
【0026】
距離L1は、隣接するボンディングワイヤ6同士が接触しない距離、若しくは、接触してしまう確率が低い距離である。ボンディングワイヤ6同士の接触には、以下の2つのケースが考えられる。
【0027】
1つ目は、モールド樹脂3の封入時において、ボンディングワイヤ6が樹脂によって流れ、隣接するボンディングワイヤ6に接触してしまうケースが考えられる。隣接するパッド4同士の間隔が狭すぎると、これらのパッド4に接続するボンディングワイヤ6同士の距離もそれだけ接近することになり、樹脂封入時のボンディングワイヤ6のちょっとした移動によっても、ボンディングワイヤ6同士の接触不良が引き起こされる可能性が高くなってくる。
【0028】
図3は、このようなボンディングワイヤ6同士の接触不良が生じる確率を十分低いものとする距離L1にパッド間隔を設定した場合を示す。図3に示されるように、適切な距離L1にパッド間隔が設定されているために、ボンディングワイヤ6aとボンディングワイヤ6bにおいては、モールド樹脂3の封入時の接触不良は発生しない。なお、このときの距離L1は、ボンディングワイヤ6の長さ及びリード5とパッド4間の距離との関係(ボンディングワイヤ6の弛み具合)や、モールド樹脂3の封入時の樹脂の流量などを総合して決められる距離である。
【0029】
一方、図4は、このようなボンディングワイヤ6同士の接触不良が生じる確率を十分低いものとする距離L1にパッド間隔を設定しなかった場合を示す。図4に示されるように、パッド4aの中心からパッド4bの中心までの距離はL1aとなっている。L1aは、L1a<L1の関係となるため、ボンディングワイヤ6aとボンディングワイヤ6bは、モールド樹脂3の封入時において接触不良を起こしてしまう。図4では、ボンディングワイヤ6aが流れてしまい、ボンディングワイヤ6bに接触している例を示している。
【0030】
2つ目は、ボンディング位置の機械的なずれによって生じるボンディングワイヤ6同士の接触が考えられる。ボンディングワイヤ6のパッド4への接着の際には、ある程度のずれが生じるものである。図5には、ボンディングワイヤ6のパッド4への接続位置のずれの範囲を含めた領域として、接続範囲12が示されている。ここでは、ボンディングワイヤ6aのパッド4aに対する接続範囲を接続範囲12a、ボンディングワイヤ6bのパッド4bに対する接続範囲を12bとする。図5に示されるように、接続範囲12aと接続範囲12bとは、オーバーラップしないような位置にパッド4aとパッド4bとが配置されている。このようにパッド4aの中心からパッド4bの中心までの距離が適切な距離L1に設定されているため、チップ2上において、ボンディングワイヤ6aとボンディングワイヤ6bとが接触して接着されてしまうことはない。なお、好ましくは、図3のように、ボンディングワイヤ6の先(ボール)がパッド4の中に完全に含まれて接着されている方がいいが、図5のように、ボンディングワイヤ6のボールとパッド4とがずれて接着されてしまっていても、電気的な接続が確保されていれば問題はない。
【0031】
一方、図6は、接続範囲12aと接続範囲12bとがオーバーラップしてしまっている状態を示す。この場合には、パッド4aの中心からパッド4bの中心までの距離L1bがL1b<L1の関係となるため、チップ2上において、ボンディングワイヤ6aとボンディングワイヤ6bとが接触して接着されてしまう場合が考えられる。図6では、ボンディングワイヤ6aのボールとボンディングワイヤ6bのボールが接続範囲12a及び接続範囲12bのオーバーラップ領域にて接着しているために、ボンディングワイヤ6aとボンディングワイヤ6bとが接続不良を起こしている例を示している。
【0032】
ボンディングワイヤのボールが完全にパッドの中に含まれて接着させることを考えると、パッドの大きさは、ボンディングワイヤのボールの直径まで小さくすることができる。このとき、樹脂封入時のボンディングワイヤ同士の接触不良の可能性を考慮せず、かつ、ボンディングワイヤとパッドの接続の際の位置ずれが生じないと仮定した場合には、パッド間隔は、パッドの材質(例えば、メタル)の最小形成寸法となる。図7には、パッド4a及びパッド4bから内部回路7に接続される金属配線13と、金属配線13の配線幅Z1が示されている。図7に示されるように、パッド4aとパッド4bの間隔は、Z1まで狭めることが可能である。
【0033】
次に、距離L2について説明する。距離L1との大きな違いは、距離L2はボンディングワイヤ6の接触不良を考慮せずに決められる点にある。図8に示されるように、ボンディングワイヤ6cとボンディングワイヤ6dは同じリード5cに接続されるため、樹脂封入時にボンディングワイヤ6cとボンディングワイヤ6dの接触が起こったとしても問題はない。すなわち、樹脂封入時のボンディングワイヤ6同士の接触不良を考慮しなければならない距離L1の場合と異なり、パッド4cの中心からパッド4dの中心までの距離L2はより短い距離に設定することができる。
【0034】
続いて、距離L1の場合と同様に、接続範囲12について考察する。図9に示されるように、ボンディングワイヤ6cのパッド4cに対する接続範囲12cがパッド4dにかからない程度、若しくは、ボンディングワイヤ6dのパッド4dに対する接続範囲12dがパッド4cにかからない程度まで、パッド4cの接続範囲12cとパッド4dの接続範囲12dをオーバーラップさせることができる。ボンディングワイヤ6cとボンディングワイヤ6dは同じリード5cに接続されるため、ボンディングワイヤ6cのボールとボンディングワイヤ6dのボールが接触してパッド4c及びパッド4dに接着してしまっても問題はない。このため、図9に示されるように、ボンディングワイヤ6cのボールの一部がボンディングワイヤ6dのボールの一部に接続するような状態、すなわち、接続範囲12cと接続範囲12dとがオーバーラップするような状態であっても構わない。
【0035】
前述のように、オーバーラップ量は、接続範囲12cがパッド4dにかからない程度、若しくは、接続範囲12dがパッド4cにかからない程度までにする必要がある。もし、接続範囲12cがパッド4dにかかってしまうようなことがあると、ボンディングワイヤ6cがボンディングワイヤ6dを介さずに直接パッド4dにボンディングしてしまう恐れが出てくるからである。接続範囲12dとパッド4cの間にも同様のことが言える。
【0036】
ここで、図5において、パッド列の方向(縦方向)に対するパッド4a及びパッド4bの各々の大きさをY1、パッド4aの端から隣接するパッド4bの端までの距離をX1とする。図9では、パッド4c及びパッド4dの各々の大きさを図5と同様のY1とした場合を示している。オーバーラップ量だけパッド4cとパッド4dを接近して配置することが可能となるため、パッド4cの端から隣接するパッド4dの端までの距離X2は、X2<X1の関係が成り立つ。すなわち、図9においては、L2=Y1/2+X2+Y1/2=Y1+X2となり、図5においては、L1=Y1/2+X1+Y1/2=Y1+X1となる。そのため、距離L2は、X1−X2(接続範囲12cと接続範囲12dのオーバーラップ量に相当)だけ、距離L1よりも小さくすることができる。
【0037】
また、図10では、図5におけるパッドよりも小さいパッドを適用した場合を示している。図10に示されるように、パッド列の方向(縦方向)に対するパッド4c及びパッド4dの各々の大きさをY2、パッド4cの端から隣接するパッド4dの端までの距離をX1とする。Y2は、Y1との間に、Y2<Y1の関係が成り立つ。また、パッド4cの端から隣接するパッド4dの端までの距離は、図5と図9とで同じX1である。従って、パッド4c及びパッド4dが小さくなった分、接続範囲12cと接続範囲12dにオーバーラップする領域が形成されることになり、そのオーバーラップ量だけ、パッド4cとパッド4dを接近して配置することが可能となる。すなわち、図10においては、L2=Y2/2+X1+Y2/2=Y2+X1となり、図5においては、L1=Y1+X1となる。そのため、距離L2は、Y1−Y2(接続範囲12cと接続範囲12dのオーバーラップ量に相当)だけ、距離L1よりも小さくすることができる。
【0038】
ボンディングワイヤ6cとボンディングワイヤ6dは、同じリード5cに接続される(可能性がある)ため、図10に示されるように、オーバーラップしている領域において、互いのボールが接続してパッド4c及びパッド4dに接着することになっても構わない。但し、ボンディングワイヤ6cとパッド4cとは、電気的に接続する必要があるため、ボンディングワイヤ6cのボールが完全にパッド4cから外れてしまうまでパッド4cの大きさを小さくすることはできない。パッド4dについても同様である。
【0039】
このように、パッド4cの中心からパッド4dの中心までの距離L2は、パッド4aの中心からパッド4bの中心までの距離L1よりも、接続範囲12cと接続範囲12dのオーバーラップ量だけ小さくすることができる。すなわち、少なくともパッド4cの中心からパッド4dの中心までの距離L2<パッド4aの中心からパッド4bの中心までの距離L1の関係を満たすように、パッド4c及びパッド4dは互いに配置される。
【0040】
次に、動作モード選択回路8について説明する。図11乃至図14を用いて、2種類の回路構成を例としてあげる。
【0041】
図11は、動作モード選択回路8aの回路図を示したものである。ここでは、電源関係(パッド4cやパッド4eとの接続)については省略する。また、動作モード選択回路8aでは、リセット信号は必ずしも必要とするものではないため、リセット信号の配線は省かれている。
【0042】
動作モード選択回路8aは、プルダウン抵抗14から構成される。プルダウン抵抗14は、パッド4dに接続される。動作モード選択回路8aは、パッド4dからの電位を入力し、動作モード切替信号を機能ブロック9へ出力する。
【0043】
動作モード選択回路8aは、パッド4dとリード5cを接続するボンディングワイヤ6dの有無に基づいて、動作モード切替信号を生成する。すなわち、パッド4dとリード5cとがボンディングワイヤ6dによってボンディングされているときには、パッド4dは、リード5cから電源電位を受け、Hレベルの論理レベルを示す電圧となる。動作モード選択回路8aは、このHレベルの論理レベルを示す信号に基づいて、Hレベルの動作モード切替信号を出力する。
【0044】
一方、パッド4dとリード5cとがボンディングワイヤ6dによってボンディングされていないときには、パッド4dは、プルダウン抵抗14によってLレベルの論理レベルを示す電位となる。動作モード選択回路8aは、このLレベルの論理レベルを示す信号に基づいて、Lレベルの動作モード切替信号を出力する。
【0045】
このようにして、機能ブロック9は、ボンディングワイヤ6dの有無に対応したHレベル若しくはLレベルの動作モード切替信号を動作モード選択回路8aから受けることにより、選択された動作モードに応じた特定の機能を実現するための回路を活性化させる。
【0046】
続いて、図12乃至図14を用いて、図11とは異なる動作モード選択回路8及びその動作について説明する。図12は、動作モード選択回路8bの回路図を示したものである。ここでは、電源関係(パッド4cやパッド4eとの接続)については省略する。
【0047】
動作モード選択回路8bは、プルダウン抵抗14と、インバータ15と、スイッチ回路(Nchトランジスタ)16と、論理回路(論理和ゲート)17と、保持回路18から構成される。プルダウン抵抗14は、Nchトランジスタ16を介してパッド4dに接続される。インバータ15は、パッド4aと、論理和ゲート17と、保持回路18に接続され、パッド4aからのリセット信号を受けて、リセット信号を論理反転した信号を論理和ゲート17及び保持回路18に出力する。論理和ゲート17には、インバータ15の出力と、保持回路18の出力の論理反転した信号がそれぞれ入力され、論理和ゲート17の出力は、Nchトランジスタ16のゲートに接続される。保持回路18の入力は、パッド4dが接続され、保持回路18の出力は、機能ブロック9に接続される。保持回路18は、Lレベルのインバータ15の出力を受けて出力を保持し(ラッチし)、Hレベルのインバータ15の出力を受けて入力の値をそのまま出力する(スルーする)。機能ブロック9は、保持回路18からの出力を動作モード切替信号として受け取る。
【0048】
次に、動作モード選択回路8bの動作について説明する。図13及び図14は、動作モード選択回路8bの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【0049】
図13は、リード5cとパッド4dがボンディングワイヤ6dでボンディングされている場合の動作タイミングを示したものである。パッド4dは、ボンディングワイヤ6dによってリード5cに接続されているため、パッド4d(N1)は、全期間(t0〜t3)にわたってHレベルを示す電位となる。
【0050】
t0〜t1の期間は、リセット信号(N2)がHレベルであるため、インバータ15の出力(N3)は、Lレベルとなり、保持回路18の出力(N4)は、保持(不定値)となる。このため、保持回路18の出力を論理反転した信号(N5)及び論理和ゲート17の出力(N6)は、不定値となる。
【0051】
t1になると、リセット信号(N2)がHレベルからLレベルに変化する。それに伴い、保持回路18は、Hレベルのインバータ15の出力(N3)を受け、保持回路18の出力(N4)はHレベルと、保持回路の出力を論理反転した信号(N5)はLレベルとなる。また、論理和ゲート17は、Hレベルのインバータ15の出力(N3)を受けて、論理和ゲート17の出力(N6)は、Hレベルに変化する。このとき、Nchトランジスタ16はONとなるが、パッド4dにはボンディングワイヤ6dがボンディングされているので、パッド4d(N1)は、Hレベルを示す電位のままである。
【0052】
t2において、リセット信号(N2)がLレベルからHレベルに変化すると、インバータ15の出力(N3)がHレベルからLレベルに変化し、その結果、保持回路18の出力(N4)は、保持となる。すなわち、t1〜t2までの期間は、パッド4dにプルダウン抵抗14が接続される動作モード選択期間であり、t2のタイミングで動作モードが確定する。例えば、Hレベルの動作モード切替信号を動作モード1と、Lレベルの動作モード切替信号を動作モード2とすれば、t2以降は、動作モード1で動作モードが確定することになる。
【0053】
また、t2のタイミングにおいて、インバータ15の出力(N3)及び保持回路の出力を論理反転した信号(N5)が共にLレベルとなる。そのため、論理和ゲート17の出力(N6)は、Lレベルとなり、Nchトランジスタ16がOFFとなる。すなわち、パッド4dがボンディングワイヤ6dによってリード5cとボンディングされている場合には、動作モードが確定したt2以降において、パッド4dからプルダウン抵抗14が切断された状態となる。
【0054】
ボンディングワイヤ6dがボンディングされている場合には、リード5cからパッド4dへ電源電位が供給されることになる。そのため、プルダウン抵抗14が接続されたままであると、パッド4dからプルダウン抵抗14に消費電流が流れつづけることになる。プルダウン抵抗14は、ノイズ耐性の関係から、ある程度以上の大きな抵抗値にすることはできない。すなわち、動作モード選択回路8bによれば、ボンディングワイヤ6dがパッド4dにボンディングされている際の無駄な電力の消費を抑えることが可能である。
【0055】
図14は、リード5cとパッド4dがボンディングワイヤ6dでボンディングされていない場合の動作タイミングを示したものである。図13の場合と異なり、パッド4d(N1)は、全期間(t0〜t3)にわたって同じ論理レベルを示す電位になるとは限らない。
【0056】
t0〜t1の期間は、リセット信号(N2)がHレベルであるため、インバータ15の出力は、Lレベルとなり、保持回路18の出力(N4)は、保持(不定値)となる。このため、保持回路18の出力を論理反転した信号(N5)及び論理和ゲート17の出力(N6)は、不定値となる。
【0057】
t1になると、リセット信号(N2)がHレベルからLレベルに変化する。それに伴い、保持回路18は、Hレベルのインバータ15の出力(N3)を受け、保持回路18の出力(N4)はLレベルと、保持回路18の出力を論理反転した信号(N5)はHレベルとなる。また、論理和ゲート17は、Hレベルのインバータ15の出力(N3)を受けて、論理和ゲート17の出力(N6)は、Hレベルに変化する。このとき、Nchトランジスタ16はONとなり、パッド4dにはボンディングワイヤ6dがボンディングされていないため、パッド4d(N1)は、プルダウンされ、Lレベルを示す電位となる。
【0058】
t2において、リセット信号(N2)がLレベルからHレベルに変化すると、インバータ15の出力(N3)がHレベルからLレベルに変化し、その結果、保持回路18の出力(N4)は、保持となる。すなわち、t1〜t2までの期間は、パッド4dにプルダウン抵抗14が接続される動作モード選択期間であり、t2のタイミングで動作モードが確定する。例えば、Hレベルの動作モード切替信号を動作モード1と、Lレベルの動作モード切替信号を動作モード2とすれば、t2以降は、動作モード2で動作モードが確定することになる。
【0059】
また、t2のタイミングにおいて、インバータ15の出力(N3)は、HレベルからLレベルに変化するが、保持回路18の出力を論理反転した信号(N5)はHレベルのまま維持される。このため、論理和ゲート17の出力(N6)は、Hレベルのまま維持され、Nchトランジスタ16も、ONのままとなる。すなわち、パッド4dがボンディングワイヤ6dによってリード5cとボンディングされていない場合には、動作モードが確定したt2以降において、パッド4dにプルダウン抵抗14が接続された状態で維持される。
【0060】
ボンディングワイヤ6dがボンディングされていない場合には、パッド4dがオープンの状態となってしまい、誤動作の原因となる。しかしながら、動作モード選択回路8bによれば、ボンディングワイヤ6dがパッド4dにボンディングされていない場合には、プルダウン抵抗14によって、パッド4dがオープンとなることを防止することができる。但し、パッド4dから保持回路18の入力までの間の電位が不安定になることを許容できるのであれば、保持回路18の出力を論理反転した信号の論理和ゲート17へのフィードバック経路は不要となる。
【0061】
このようにして、機能ブロック9は、ボンディングワイヤ6dの有無に対応したHレベル若しくはLレベルの動作モード切替信号を動作モード選択回路8bから受けることにより、選択された動作モードに応じた特定の機能を実現するための回路を活性化させる。
【0062】
以上のように、本発明の実施の形態によれば、動作モード選択用のパッド4dの中心からバッド4dに接続される可能性のあるリード5cに接続されているパッド4cの中心までの距離L2が、これら以外の通常のパッド、例えば、パッド4aの中心からパッド4bの中心までの距離L1よりも小さくなるように、パッド4cとパッド4dを互いに配置するようにする。このようにパッドをチップ外周に配置させることにより、パッドの数によって決められるチップの外周の長さを、L1−L2だけ短くすることができる。すなわち、チップの外周に配置しなければならないパッドの数によりチップサイズが決定してしまうような製品に対してユーザの個別要求を満たすためにモードパッドを追加する場合において、モードパッド(パッド4d)と当該モードパッドに接続される可能性のあるリードに接続されている隣接パッド(パッド4c)を距離L2で互いに配置する本発明に係るチップは、これらのパッドを距離L1で配置するチップよりも、その面積を小さくすることができる。
【0063】
前述の本発明の実施の形態では、所謂通常パッド同士のパッドの中心から中心までの距離を全て距離L1として説明したが、均一である必要はない。少なくとも距離L2よりも長く、接触不良を起こさない距離であれば良い。
【0064】
また、例えば図2において、パッド4bの中心からとパッド4cの中心までの距離、パッド4dの中心からパッド4eの中心までの距離を明示していないが、これらのパッドに接続されるボンディングワイヤ6同士の接触は問題となる。従って、距離L1と同じ距離が必要である。
【0065】
前述の本発明の実施の形態では、例えば図2に示されるように、リード5cに接続するパッド4をパッド4cとパッド4dとして説明したが、これらの組み合わせに限定されない。また、パッド4cとパッド4dをリード5cが対応するチップ2の1辺(図2のH1)に対して平行な方向において整列して配置する例を示したが、このような配置に限定されない。すなわち、本発明の趣旨に反しない限り、様々な変形例が考えられる。そこで、図15乃至図24を用いて、代表的な変形例につき、説明する。
【0066】
図15は、パッド4cとパッド4dが千鳥配置となる場合を示している。図15に示されるように、パッド4dがパッド4cよりもチップの内側に配置される。この場合のパッド4cの中心からパッド4dの中心までの距離は、例えば図2の場合よりも、さらに小さくすることができる。そのため、図15の配置は、パッドの数によって決められるチップの外周の長さにおいて、図2の配置よりも更に短くすることができる。また、図15の場合とは逆に、パッド4cがパッド4dよりもチップの内側に配置されていてもよい。なお、リード5cが対応するチップ2の1辺(図15のH1)に対して垂直な方向(図15のチップの1辺であるH2に水平な方向)におけるパッド4cの中心からパッド4dの中心までの距離は、距離L2であってもよい。
【0067】
図16は、パッド4cとパッド4dが、リード5cが対応するチップ2の1辺(図16のH1)に対して水平な方向において、完全に2列に配置される場合を示している。この場合には、図16に示されるように、リード5cが対応するチップ2の1辺(図16のH1)に対して平行な方向の成分のみを考慮すると、L2=0となる。従って、距離L2は、0≦L2<L1であればよい。なお、図16の配置は、L2=0となるため、パッドの数によって決められるチップの外周の長さにおいて、図15の配置よりも更に短くすることができる。
【0068】
図17は、リード5cにボンディングされるパッド4dが2個配置される場合を示している。図17に示されるように、パッド4cの中心からパッド4dの中心まで、及び、パッド4dの中心からパッド4dの中心までの距離が、距離L2となる。パッド4d(モードパッド)が2個あるため、最大4通りの動作モードの選択が可能となる。なお、パッド4dは、3個以上であってもよく、また図17のような千鳥配置になっていなくてもよい。
【0069】
図18は、パッド4d(モードパッド)がチップ2上の複数の箇所に存在する例を示している。図18に示されるように、パッド4dは、点線で囲われた領域BとCの各々に存在する。領域Bには、リード5cにボンディングされる(若しくはボンディングされる可能性のある)パッド4c及びパッド4dが含まれている。領域Cには、リード5bにボンディングされる(若しくはボンディングされる可能性のある)パッド4b及びパッド4d(2個)が含まれている。このように、複数のモードパッドが配置される場合には、異なるリードに対して、それぞれボンディングされる構成であっても構わない。また、領域Bにはモードパッド(パッド4d)が1個含まれているため、2通りの動作モードの選択が可能である。一方、領域Cにはモードパッド(パッド4d)が2個含まれているため、4通りの動作モードの選択が可能である。従って、図18の例では、合計6通りの動作モードの選択が可能となる。
【0070】
領域Bに対しては、パッド4cの中心からパッド4dの中心までの距離L2は、リード5cに対応するチップ2の1辺(図18のH1)に水平な方向となる。しかし、領域Cに対しては、パッド4bの中心からパッド4dの中心までの距離L2は、リード5bに対応するチップ2の1辺(図18のH2)に水平な方向となる。このように、距離L2はチップ2上に配置される場所によって、対象となる方向であるボンディングワイヤで接続されるリード5の位置に対応するチップ2の1辺に水平な方向、換言すれば、パッド4c又はパッド4dが配置されるチップ2上の外周に対応するチップ2の1辺に水平な方向が変わる。図18では、領域Bに含まれるリードやパッドは、図18のH1に対応して位置しており、領域Cに含まれるリードやパッドは、図18のH2に対応して位置している。
【0071】
また、領域Cにおいては、モードパッド(パッド4d)に接続される可能性のあるリードが、電源電位を供給するためのリード5cではなく、入出力信号を伝達するためのリード5bとなっている。すなわち、これまでの説明においては、モードパッド(パッド4d)に接続される可能性のあるリードをリード5cとして説明してきたが、これに限定されることはない。
【0072】
モードパッド(パッド4d)に接続される可能性のあるリードが入出力信号を伝達するためのリード5bである場合には、動作モードを選択するための期間において、リード5bから入力される信号の論理レベルの変化に留意する必要がある。すなわち、Hレベルで動作モードの選択を行うのか、それともLレベルで動作モードの選択を行うのかを、予め決めておく必要がある。Hレベルで動作モードの選択を行う場合には、動作モード選択回路8は、電源パッド(パッド4c)の場合と同じ構成(図11、図12)で問題はない。しかし、Lレベルで動作モードの選択を行う場合には、例えば、図11及び図12のプルダウン抵抗14をプルアップ抵抗に変更すると共に、回路動作の論理を逆にさせる等の変更が必要となる。
【0073】
上記の説明では、動作モードを選択する際には、リード5bが入力端子として機能する、すなわち、領域Cに含まれるパッド4b(信号パッド)が入力端子として機能する説明したが、パッド4bが出力端子として機能しても構わない。その場合には、パッド4bに対して、内部回路7から所定の論理レベルを示す信号を出力するようにすればよい。また、モードパッド(パッド4d)に接続される可能性のあるリードは、この他にも、リード5a若しくはリード5dであっても構わない。
【0074】
図19は、リード5cに接続される(若しくは接続される可能性のある)パッド4c及びパッド4dのうちの一部のパッドの大きさを小さくした場合を示している。図19に示されるように、パッド4c及び1個のパッド4dの各々のパッドの大きさは、その他の所謂通常のパッド(例えば、図19のパッド4b)の大きさよりも小さくなっている。但し、1個のパッド4dは、その他の所謂通常のパッドの大きさと同じになっている。なお、図19のように、パッド4cと2個のパッド4dが千鳥配置になっていても構わない。
【0075】
図20は、Y字型のリードを適用し、モードパッド(パッド4d)がチップ2の角部に配置される場合を示している。これまでの説明においては、全てのリード5の形状は、直線形状であり、互いに等間隔でリード5は配置されていたが、例えば、図20のようなY字形状のリードを使用しても構わない。図20に示されるように、Y字型リード5cは、チップの角に対応するように配置される。そのため、Y字型リード5cとボンディングされるパッド4cとY字型リード5cとボンディングされる可能性のあるパッド4dとが、チップ2の外周の2辺(角部を構成するチップ2の2辺)に対応して分散するように配置されている。この場合には、チップ2の一方の1辺である図20のH1に水平な方向、及び、チップの他方の1辺である図20のH2に水平な方向の各々に対して距離L2の間隔となるように、パッド4cとパッド4dが配置される。なお、このようにパッド4c及びパッド4dがチップ2の角部に配置される場合には、パッド4c及びパッド4dの各々は、角部を構成する2辺のそれぞれに対応して、チップ2上の外周に沿って配置されていると考える。
【0076】
図21及び図22は、本発明をワイヤ接続形式のBall Grid Array(BGA)パッケージに適用した場合を示している。図21は、チップ2の上方からの平面図であり、図22は、図21のD−D’における断面図である。前述までの説明においては、外部端子をリードとして説明してきたが、図21及び図22に示されるように、外部端子は、プリント基板19上に配置された導電体パターンであってもよい。
【0077】
図21及び図22に示されるように、半導体装置1は、プリント基板19上にマウントされたチップ2を覆うように、プリント基板19の片側がモールド樹脂3で覆われて構成されている。プリント基板19上には、導電体パターン(外部端子)20が配置され、導電体パターン20は、ボンディングワイヤ6によってチップ2上のパッド4とボンディングされている。特に、動作モードの選択に関連するパッドであるパッド4cとパッド4dは、導電体パターン20cに接続される。また、導電体パターン20は、プリント配線21を介して半田ボール22と接続されている。
【0078】
図23及び図24は、本発明をフリップチップ接続形式のBGAパッケージに適用した場合を示している。図23は、チップ2とプリント基板19(+バンプ23)とを別々にして示した平面図であり、図24は、図23のE−E’における断面図である。なお、図23において、チップ2とプリント基板19は、それぞれのEとE、E’とE’が一致するようにして、バンプ23を介して貼り合される。前述までの説明においては、外部端子(リード5、導電体パターン20)と内部端子(パッド4)をボンディングワイヤ6を用いてボンディングしているが、図23及び図24に示されるように、内部端子と外部端子を接続するものは、ワイヤでなくてもよい。
【0079】
図23及び図24に示されるように、半導体装置1は、チップ2がプリント基板19にフリップチップ実装されて構成されている。バンプ23は、チップ2上のパッド4とプリント基板19上の導電体パターン20との間に挟まれ、両者を電気的に接続している。チップ2とプリント基板19の間は、モールド樹脂3が充填されている。導電体パターン20は、プリント配線21を介して半田ボール22と接続されている。
【0080】
図23及び図24に示されるように、パッド4cはバンプ23aによって導電体パターン20cと接続される。モードパッドであるパッド4dは、バンプ23bによって導電体パターン20cと接続される。すなわち、パッド4dに対するボンディングが有る場合には、バンプ23bが存在し、一方パッド4dに対するボンディングが無い場合には、バンプ23bが存在しない。これにより、動作モードの選択が可能となる。なお、パッド4cとパッド4dは、距離L2で配置されるため、バンプ23bが存在する場合には、バンプ23aとバンプ23bとが接触する可能性があるが、問題はない。
【0081】
以上のように、本発明の実施の形態に基づいて詳細に説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されることはない。本発明は、本発明の趣旨及び範囲から逸脱しない限り、種々の変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】本発明の実施の形態に係る半導体装置1の構成図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る半導体装置1の詳細な構成図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る距離L1及び距離L2を説明するための図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る距離L1及び距離L2を説明するための図である。
【図5】本発明の実施の形態に係る距離L1及び距離L2を説明するための図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る距離L1及び距離L2を説明するための図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る距離L1及び距離L2を説明するための図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る距離L1及び距離L2を説明するための図である。
【図9】本発明の実施の形態に係る距離L1及び距離L2を説明するための図である。
【図10】本発明の実施の形態に係る距離L1及び距離L2を説明するための図である。
【図11】本発明の実施の形態に係る動作モード選択回路8aの回路図である。
【図12】本発明の実施の形態に係る動作モード選択回路8bの回路図である。
【図13】本発明の実施の形態に係る動作モード選択回路8bの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図14】本発明の実施の形態に係る動作モード選択回路8bの動作を説明するためのタイミングチャートである。
【図15】本発明の変形例を説明するための図である。
【図16】本発明の変形例を説明するための図である。
【図17】本発明の変形例を説明するための図である。
【図18】本発明の変形例を説明するための図である。
【図19】本発明の変形例を説明するための図である。
【図20】本発明の変形例を説明するための図である。
【図21】本発明の変形例を説明するための図である。
【図22】本発明の変形例を説明するための図である。
【図23】本発明の変形例を説明するための図である。
【図24】本発明の変形例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0083】
1 半導体装置
2 チップ(基板)
3 モールド樹脂
4、4a、4b、4c、4d、4e パッド(内部端子)
5、5a、5b、5c、5d リード(外部端子)
6、6a、6b、6c、6d、6e ボンディングワイヤ
7 内部回路
8、8a、8b 動作モード選択回路
9 機能ブロック
10 プルアップ抵抗
11、14 プルダウン抵抗
12a、12b、12c、12d 接続範囲
13 金属配線
15 インバータ
16 スイッチ回路(Nchトランジスタ)
17 論理回路(論理和ゲート)
18 保持回路
19 プリント基板
20、20c 導電体パターン(外部端子)
21 プリント配線
22 半田ボール
23、23a、23b バンプ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板と、
前記基板上の外周に沿って配置される第1乃至第4内部端子と、
前記基板上に形成され、前記第1内部端子に接続される回路と、
前記第2内部端子と接続される第1外部端子と、
前記第3内部端子と接続される第2外部端子と、
前記第4内部端子と接続され、前記第2外部端子と同じ前記基板の1辺に対応して配置される第3外部端子と、を備える半導体装置であって、
前記回路は、前記第1内部端子と前記第1外部端子との接続状態に応じた信号を出力し、
前記第1及び第2内部端子は、前記第1外部端子が対応する前記基板の1辺に平行な方向における前記第1及び第2内部端子の中心間の距離がL1となるように配置され、
前記第3及び第4内部端子は、前記第2及び第3外部端子が対応する前記基板の1辺に平行な方向における前記第3及び第4内部端子の中心間の距離がL2となるように配置され、
距離L1は、距離L2よりも小さい
半導体装置。
【請求項2】
請求項1に記載の半導体装置であって、
前記第1乃至第4内部端子の各々は、パッドを含み、
前記第1及び第2内部端子のパッドの各々は、前記第1外部端子が対応する前記基板の1辺に平行な方向において、幅W1を有し、
前記第3及び第4内部端子のパッドの各々は、前記第2及び第3外部端子が対応する前記基板の1辺に平行な方向において、幅W2を有し、
前記第1内部端子のパッドの端から隣接する前記第2内部端子のパッドの端までの距離は、前記第1外部端子が対応する前記基板の1辺に平行な方向において、D1であり、
前記第3内部端子のパッドの端から隣接する前記第4内部端子のパッドの端までの距離は、前記第2及び第3外部端子が対応する前記基板の1辺に平行な方向において、D2であり、
W1=W2のときには、D1<D2となる
半導体装置。
【請求項3】
請求項1に記載の半導体装置であって、
前記第1乃至第4内部端子の各々は、パッドを含み、
前記第1及び第2内部端子のパッドの各々は、前記第1外部端子が対応する前記基板の1辺に平行な方向において、幅W1を有し、
前記第3及び第4内部端子のパッドの各々は、前記第2及び第3外部端子が対応する前記基板の1辺に平行な方向において、幅W2を有し、
前記第1内部端子のパッドの端から隣接する前記第2内部端子のパッドの端までの距離は、前記第1外部端子が対応する前記基板の1辺に平行な方向において、D1であり、
前記第3内部端子のパッドの端から隣接する前記第4内部端子のパッドの端までの距離は、前記第2及び第3外部端子が対応する前記基板の1辺に平行な方向において、D2であり、
D1=D2のときには、W1<W2となる
半導体装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置であって、
前記第1及び第2内部端子は、前記第1外部端子が対応する前記基板の1辺に垂直な方向において2列となるように配置される
半導体装置。
【請求項5】
請求項4に記載の半導体装置であって、
前記第1及び第2内部端子は、千鳥配置となるように配置される
半導体装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置であって、
前記半導体装置は、
前記基板上に形成され、前記回路に接続される第5内部端子を備え、
前記回路は、前記第5内部端子と前記第1外部端子との接続状態に応じた信号を出力し、
前記第5内部端子は、前記第1外部端子が対応する前記基板の1辺に平行な方向における前記第1及び第5内部端子の中心間の距離、又は、前記第2及び第5内部端子の中心間の距離がL3となるように配置され、
距離L3は、距離L2よりも小さい
半導体装置。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれか1項に記載の半導体装置であって、
前記半導体装置は、
第4外部端子と、
前記基板上に形成され、前記回路に接続される第5内部端子と、
前記基板上に形成され、前記第4外部端子と接続される第6内部端子と、を備え、
前記回路は、前記第5内部端子と前記第4外部端子との接続状態に応じた信号を出力し、
前記第5及び第6内部端子は、前記第4外部端子が対応する前記基板の1辺に平行な方向における前記第5及び第6内部端子の中心間の距離がL3となるように配置され、
距離L3は、距離L2よりも小さい
半導体装置。
【請求項8】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の半導体装置であって、
前記第1及び第2内部端子が前記基板上の角部に配置されるときには、前記第1及び第2内部端子は、前記角部を構成する前記基板の2辺の各々に対してL1<L2の関係が成立するように配置される
半導体装置。
【請求項9】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の半導体装置であって、
前記第1外部端子は、前記第2内部端子と第1ワイヤで接続される第1リードフレームを含み、
前記第2外部端子は、前記第3内部端子と第2ワイヤで接続される第2リードフレームを含み、
前記第3外部端子は、前記第4内部端子と第3ワイヤで接続される第3リードフレームを含む
半導体装置。
【請求項10】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の半導体装置であって、
前記基板は、第1基板であり、
前記半導体装置は、
第2基板を備え、
前記第1基板は、前記第2基板上に積層して配置され、
前記第1外部端子は、前記第2基板上に配置され、前記第2内部端子と第1ワイヤで接続される第1導電体パターンを含み、
前記第2外部端子は、前記第2基板上に配置され、前記第3内部端子と第2ワイヤで接続される第2導電体パターンを含み、
前記第3外部端子は、前記第2基板上に配置され、前記第4内部端子と第3ワイヤで接続される第3導電体パターンを含む
半導体装置。
【請求項11】
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の半導体装置であって、
前記基板は、第1基板であり、
前記半導体装置は、
第2基板を備え、
前記第1基板は、前記第2基板とフリップチップ接続され、
前記第1外部端子は、前記第2基板上に配置され、前記第2内部端子と第1バンプで接続される第1導電体パターンを含み、
前記第2外部端子は、前記第2基板上に配置され、前記第3内部端子と第2バンプで接続される第2導電体パターンを含み、
前記第3外部端子は、前記第2基板上に配置され、前記第4内部端子と第3バンプで接続される第3導電体パターンを含む
半導体装置。
【請求項12】
基板と、
前記基板上の外周に沿って配置される第1乃至第4内部端子と、
前記基板上に形成され、前記第1内部端子に接続される回路と、を備える半導体装置であって、
前記第1及び第2内部端子は、第1外部端子と接続可能であり、
前記第3内部端子は、第2外部端子と接続可能であり、
前記第4内部端子は、第3外部端子と接続可能であり、
前記回路は、前記第1内部端子と前記第1外部端子との接続状態に応じた信号を出力し、
前記第1及び第2内部端子は、前記第1又は第2内部端子が配置される前記基板の外周の1辺に平行な方向における前記第1及び第2内部端子の中心間の距離がL1となるように配置され、
前記第3及び第4内部端子は、前記第3及び第4内部端子が配置される前記基板の外周の1辺に平行な方向における前記第3及び第4内部端子の中心間の距離がL2となるように配置され、
距離L1は、距離L2よりも小さい
半導体装置。
【請求項13】
請求項12に記載の半導体装置であって、
前記第1乃至第4内部端子の各々は、パッドを含み、
前記第1及び第2内部端子のパッドの各々は、前記第1又は第2内部端子が配置される前記基板の外周の1辺に平行な方向において、幅W1を有し、
前記第3及び第4内部端子のパッドの各々は、前記第3及び第4内部端子が配置される前記基板の外周の1辺に平行な方向において、幅W2を有し、
前記第1内部端子のパッドの端から隣接する前記第2内部端子のパッドの端までの距離は、前記第1又は第2内部端子が配置される前記基板の外周の1辺に平行な方向において、D1であり、
前記第3内部端子のパッドの端から隣接する前記第4内部端子のパッドの端までの距離は、前記第3及び第4内部端子が配置される前記基板の外周の1辺に平行な方向において、D2であり、
W1=W2のときには、D1<D2となる
半導体装置。
【請求項14】
請求項12に記載の半導体装置であって、
前記第1乃至第4内部端子の各々は、パッドを含み、
前記第1及び第2内部端子のパッドの各々は、前記第1又は第2内部端子が配置される前記基板の外周の1辺に平行な方向において、幅W1を有し、
前記第3及び第4内部端子のパッドの各々は、前記第3及び第4内部端子が配置される前記基板の外周の1辺に平行な方向において、幅W2を有し、
前記第1内部端子のパッドの端から隣接する前記第2内部端子のパッドの端までの距離は、前記第1又は第2内部端子が配置される前記基板の外周の1辺に平行な方向において、D1であり、
前記第3内部端子のパッドの端から隣接する前記第4内部端子のパッドの端までの距離は、前記第3及び第4内部端子が配置される前記基板の外周の1辺に平行な方向において、D2であり、
D1=D2のときには、W1<W2となる
半導体装置。
【請求項15】
請求項12乃至14のいずれか1項に記載の半導体装置であって、
前記第1及び第2内部端子は、前記第1又は第2内部端子が配置される前記基板の外周の1辺に垂直な方向において2列となるように配置される
半導体装置。
【請求項16】
請求項15に記載の半導体装置であって、
前記第1及び第2内部端子は、千鳥配置となるように配置される
半導体装置。
【請求項17】
請求項12乃至16のいずれか1項に記載の半導体装置であって、
前記半導体装置は、
前記基板上に形成され、前記第1外部端子と接続可能な第5内部端子を備え、
前記回路は、前記第5内部端子と前記第1外部端子との接続状態に応じた信号を出力し、
前記第5内部端子は、前記第1又は第2内部端子が配置される前記基板の外周の1辺に平行な方向における前記第1及び第5内部端子の中心間の距離、又は、前記第2及び第5内部端子の中心間の距離がL3となるように配置され、
距離L3は、距離L2よりも小さい
半導体装置。
【請求項18】
請求項12乃至16のいずれか1項に記載の半導体装置であって、
前記半導体装置は、
前記基板上に形成され、第4外部端子と接続可能な第5内部端子と、
前記基板上に形成され、前記第4外部端子と接続可能な第6内部端子と、を備え、
前記回路は、前記第5内部端子と前記第4外部端子との接続状態に応じた信号を出力し、
前記第5及び第6内部端子は、前記第5又は第6内部端子が配置される前記基板の外周の1辺に平行な方向における前記第5及び第6内部端子の中心間の距離がL3となるように配置され、
距離L3は、距離L2よりも小さい
半導体装置。
【請求項19】
請求項12乃至14のいずれか1項に記載の半導体装置であって、
前記第1及び第2内部端子が前記基板上の角部に配置されるときには、前記第1及び第2内部端子は、前記角部を構成する前記基板の2辺の各々に対してL1<L2の関係が成立するように配置される
半導体装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【公開番号】特開2009−246086(P2009−246086A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−89789(P2008−89789)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(302062931)NECエレクトロニクス株式会社 (8,021)
【Fターム(参考)】