説明

半導体製造装置及びその表示方法

【課題】 ウエハの有無と、ウエハのプロセス進捗状況とを対応させて表示し、装置が停止した場合にも、操作者にウエハの処理状況を正確に知らせて、良品を廃棄するのを防ぎ、歩留りを向上させることができる半導体製造装置を提供する。
【解決手段】 ウエハ毎に搬送レシピを指定した搬送テーブル29と、搬送レシピ毎にウエハの位置情報を格納する位置管理テーブル22a〜22cと、ウエハNo.毎に位置情報とプロセス状況を格納する状況テーブル25´を設け、位置情報監視手段21´が、個々のウエハについて位置及びプロセス状況を監視し、ウエハ毎に異なる搬送レシピを設定した場合にも、ウエハ毎のプロセス進捗状況を表示する半導体製造装置である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、CVD装置等の半導体製造装置の中で、ウエハを1枚ずつ処理する枚葉式の半導体製造装置に係り、特に、装置内部にあるウエハの有無とウエハのプロセス進捗状況を表示し、装置が停止した場合にも、オペレータにウエハの処理状況を正確に知らせることができ、良品を廃棄処理とするのを防ぎ、歩留りを向上させることができる半導体製造装置及びその表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ウエハを1枚ずつ処理する枚葉式のCVD装置としては、従来、図19に示すようなものがあった。図19は、従来の枚葉式CVD装置の構成を示す平面図である。図19に示すように、従来の枚葉式CVD装置は、ウエハカセットを格納するカセット室(カセットチャンバ、CC)5a(CC1)及び5b(CC2)と、処理を行う反応炉(プロセスチャンバ、PC)6a(PC1)及び6b(PC2)と、搬送室(ロードロックチャンバ、LC)7とから構成されている。また、上記構成に加えて、反応炉6cとしてPC3を接続することもある。
【0003】
搬送室7には、カセット室5からのウエハの出し入れを行うCCアーム71と、反応炉6に対するウエハの出し入れを行うPCアーム72と、ウエハを待機させておくストレージカセット(SC)73と、ウエハの位置合わせを行うアライメントユニット(AU)74とが設けられている。
【0004】
上記構成の従来のCVD装置では、CCアーム71によってカセット室5aから搬送室7に取り込まれたウエハは、ストレージカセット73を介してPCアーム72に移載される。PCアーム72は、予め指定されたレシピに従ってウエハを反応炉6a又は6bに搬送し、指定された処理が終了すると、ウエハは、PCアーム72によってストレージカセット73に移され、CCアーム71によって別のカセットがセットされているカセット室5bに搬出されるようになっている。
【0005】
そして、枚葉式CVD装置の前面には、装置の状況を表示するCRT等の表示部が設けられており(図示せず)、装置の運転状況や、プロセスレシピを表示するようになっている。
【0006】
ここで、従来の枚葉式CVD装置における表示方法について図20を用いて説明する。図20は、従来の枚葉式CVD装置における表示例を示す説明図である。従来の枚葉式CVD装置では、予め装置内部にウエハの位置検出を行うための検出ポイントを設け、検出ポイント毎にウエハの有無を検出し、検出したウエハ位置をモニタ画面上に表示するようになっていた。図20に示すように、モニタ画面に上から見た装置イメージを描画し、装置イメージの内部に各検出ポイントに対応する表示エリア9a〜9oを設け、ウエハがある場合には当該表示エリア9を赤で表示し、無い場合には白で表示するようにしていた。
【0007】
次に、従来の枚葉式CVD装置のうち、装置内部のウエハ位置の表示制御を行う制御部について図21を用いて説明する。図21は、従来の枚葉式CVD装置のウエハ位置の表示制御を行う制御部の構成ブロック図である。図21に示すように、制御部は、CVD装置内の各検出ポイントa〜o(図示せず)にウエハが存在するか否かを検出する位置検出手段1と、位置検出手段1からのデータに基づいて、各検出ポイントに対応する表示エリア9a〜9oの表示データを作成する処理制御部11と、表示データを格納する表示テーブル12と、表示テーブル12からデータを読み取って表示部8に出力する表示制御部4と、CRT等から成る表示部8とから構成されている。
【0008】
そして、上記構成において、位置検出手段1が、一定時間毎にCVD装置内の各検出ポイントa〜oにおけるウエハの有無を検出し、検出ポイント毎の検出データを処理制御部11に送出する。
【0009】
処理制御部11は、位置検出手段1からの位置情報に基づいて、各表示エリア毎に表示データを作成して表示テーブル12に格納し、表示制御部3に対して表示を行うよう指示する。ここで、処理制御部11は、各検出ポイント毎に、位置検出手段1からの情報が「ウエハ有り」の場合は対応する表示エリア9の表示色を「赤」、「ウエハ無し」の場合には表示色を「白」とするように表示データを作成する。
【0010】
表示制御部4は、処理制御部11からの表示指示を受けると、表示テーブル12から表示データを読み取って、表示部8に出力し、表示させる。このようにしてCVD装置内部のウエハの位置を表示させるようになっていた。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上記従来の枚葉式CVD装置及びそれにおける表示方法では、各検出ポイントにおけるウエハの有無のみを表示するようになっているために、装置が障害を起こして停止した場合に、装置内部にあるウエハについて、処理の進捗状況を正確に把握することができず、全て不良品扱いとなっていた。
【0012】
例えば、反応炉PC1→PC2→PC3と処理が行われるレシピにおいて、あるウエハがPC2の処理を終了した直後に装置が停止した場合、当該ウエハは不良品なのか、それともPC3を経由させれば良品として扱えるのかどうかを判断することができず、装置停止時に装置内に残ったウエハは全て不良品扱いで廃棄処理となり、歩留り低下の一因になるという問題点があった。
【0013】
本発明は上記実情に鑑みて為されたもので、装置内部にあるウエハの有無とウエハのプロセス進捗状況を表示し、装置が停止した場合にも、オペレータにウエハの処理状況を正確に知らせることができ、良品を廃棄処理とするのを防ぎ、歩留りを向上させることができる半導体製造装置及びその表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記従来例の問題点を解決するための本発明は、半導体製造装置において、少なくとも処理を行うプロセスチャンバと、搬送室とを含む半導体製造装置のモニタ画面に、上から見た半導体製造装置イメージを描画し、当該半導体製造装置イメージの内部に複数の表示エリアを設け、表示エリア毎にウエハの位置を表示エリアの輪郭で表示させ、ウエハの有無とプロセス進捗状況を色で表示させることを特徴とする。
【0015】
本発明は、半導体製造装置の表示方法において、少なくとも処理を行うプロセスチャンバと、搬送室とを含む半導体製造装置のモニタ画面に、上から見た半導体製造装置イメージを描画し、当該半導体製造装置イメージの内部に複数の表示エリアを設け、表示エリア毎にウエハの位置を表示エリアの輪郭で表示し、ウエハの有無とプロセス進捗状況を色で表示することを特徴とする。
【0016】
本発明は、半導体製造装置において、少なくとも処理を行うプロセスチャンバと、搬送室とを含む半導体製造装置のモニタ画面に、上から見た半導体製造装置イメージを描画し、当該半導体製造装置イメージの内部に複数の表示エリアを設け、表示エリア毎にウエハの有無と当該ウエハのプロセス進捗状況を色で表示させることを特徴とする。
【0017】
本発明は、半導体製造装置の表示方法において、少なくとも処理を行うプロセスチャンバと、搬送室とを含む半導体製造装置のモニタ画面に、上から見た半導体製造装置イメージを描画し、当該半導体製造装置イメージの内部に複数の表示エリアを設け、表示エリア毎にウエハの有無と当該ウエハのプロセス進捗状況を色で表示することを特徴とする。
【0018】
本発明は、半導体製造装置において、少なくとも処理を行うプロセスチャンバと、搬送室とを含む半導体製造装置のモニタ画面に、複数の表示エリアを設け、表示エリア毎にウエハの位置を表示エリアの輪郭で表示させ、ウエハのプロセス進捗状況を色で表示させることを特徴とする。
【0019】
本発明は、半導体製造装置の表示方法において、少なくとも処理を行うプロセスチャンバと、搬送室とを含む半導体製造装置のモニタ画面に、複数の表示エリアを設け、表示エリア毎にウエハの位置を表示エリアの輪郭で表示し、ウエハのプロセス進捗状況を色で表示することを特徴とする。
【0020】
本発明は、半導体製造装置において、少なくとも処理を行うプロセスチャンバと、搬送室とを含む半導体製造装置のモニタ画面に、複数の表示エリアを設け、表示エリア毎にウエハの有無と当該ウエハのプロセス進捗状況を色で表示させることを特徴とする。
【0021】
本発明は、半導体製造装置の表示方法において、少なくとも処理を行うプロセスチャンバと、搬送室とを含む半導体製造装置のモニタ画面に、複数の表示エリアを設け、表示エリア毎にウエハの有無と当該ウエハのプロセス進捗状況を色で表示することを特徴とする。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、少なくとも処理を行うプロセスチャンバと、搬送室とを含む半導体製造装置のモニタ画面に、上から見た半導体製造装置イメージを描画し、当該半導体製造装置イメージの内部に複数の表示エリアを設け、表示エリア毎にウエハの位置を表示エリアの輪郭で表示させ、ウエハの有無とプロセス進捗状況を色で表示させる半導体製造装置及びその表示方法としているので、装置内のウエハの位置、ウエハの有無とウエハのプロセス進捗状況をオペレータは得ることができ、装置停止時の良品・不良品を正確に判断して歩留りを向上させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施の形態に係る半導体製造装置である枚葉式CVD装置の概略構成説明図である。
【図2】本実施の形態のCVD装置における表示例を示す説明図である。
【図3】個々の表示エリア9の表示方法を示す説明図である。
【図4】本実施の形態の半導体製造装置の制御部の構成ブロック図である。
【図5】本実施の形態の位置管理テーブル22の概念説明図である。
【図6】状況テーブル25の概念説明図である。
【図7】プロセス対応テーブル28の概念説明図である。
【図8】図6の状況テーブル25に対応する表示テーブル27の概念説明図である。
【図9】位置情報監視手段21におけるウエハNo. 指定処理を示すフローチャート図である。
【図10】位置情報監視手段21における位置情報書き込み処理を示すフローチャート図である。
【図11】本実施の形態のプロセス情報監視手段24における処理を示すフローチャート図である。
【図12】表示処理手段26における処理を示すフローチャート図である。
【図13】別の実施の形態の制御部の構成ブロック図である。
【図14】別の実施の形態の搬送テーブル29の概念説明図である。
【図15】別の実施の形態の位置管理テーブル22a〜22cの概念説明図である。
【図16】別の実施の形態の状況テーブル25´の概念説明図である。
【図17】別の実施の形態の位置情報監視手段21´がローダ監視手段10からデータを受信した場合の処理を示すフローチャート図である。
【図18】別の実施の形態の位置情報監視手段21´が位置検出手段1からデータを受信した場合の処理を示すフローチャート図である。
【図19】従来の枚葉式CVD装置の構成を示す平面図である。
【図20】従来の枚葉式CVD装置における表示例を示す説明図である。
【図21】従来の枚葉式CVD装置のウエハ位置の表示制御を行う制御部の構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
本発明の実施の形態に係る枚葉式CVD装置は、モニタ画面に装置イメージを描画し、装置イメージの内部に、ウエハの搬送路上に設けられた各検出ポイントに対応する複数の表示エリアを設け、更に、表示エリアを各プロセスに対応するように分割し、各検出ポイントにおけるウエハの有無だけでなく、ウエハ毎のプロセス進捗状況を色によって分かりやすく表示するようにしたものである。
【0025】
図1は、本発明の実施の形態に係る半導体製造装置である枚葉式CVD装置の概略構成説明図である。図1に示すように、本実施の形態の枚葉式CVD装置の基本的な構成は、図19に示した従来の枚葉式CVD装置とほぼ同様であり、カセット室5a及び5bと、反応炉6a(PC1)及び6b(PC2)と、搬送室7と、反応炉6から取り出したウエハを冷却する冷却室15a及び15bとから構成されており、各カセット室5には、ウエハカセットを出し入れするカセットローダ13と、ウエハカセットを上下するカセットエレベータ14とが設けられている。更に、反応炉6にガスを供給する配管部や、各反応炉6の制御系が設けられ、装置前面のパネルには、表示部8が設けられている。
【0026】
そして、本実施の形態のCVD装置では、1回装置内に搬入したウエハについて、反応炉6及び冷却室15での処理を、最大4処理(4プロセス:P1〜P4)まで連続して行うことができるものである。従来と同様に、どのような搬送順で反応炉6や冷却室15の処理室に搬送するかは、予め搬送レシピによって設定されており、また、各々の処理室でどのような処理を施すかは、プロセスレシピによって設定され、それに従って各反応炉6等を制御して、処理を行うようにしている。そして、オペレータがカセット毎にプロセスを指定することにより、制御部が、搬送レシピ及びプロセスレシピを選択して、処理を行うようになっている。このような制御方法は従来と同様である。
【0027】
また、装置内部には、従来と同様にウエハの有無を検出する検出ポイントA〜T(図示せず)が設けられており、装置内におけるウエハの位置状況を監視するようになっている。
【0028】
ここで、本実施の形態のCVD装置における表示例について図2及び図3を用いて説明する。図2は、本実施の形態のCVD装置における表示例を示す説明図であり、図3は、個々の表示エリア9の表示方法を示す説明図である。図2に示すように、本実施の形態では、従来例と同様に装置イメージを描画し、その内部にウエハの位置とプロセスの進捗状況を表示させるようにしている。すなわち、画面下部に2つのカセット室、左に冷却室15a、左上部に反応炉6a、右上部に反応炉6b、右に冷却室15bのイメージを表示している。各反応炉及び冷却室を接続している中央部が搬送室7のイメージである。
【0029】
そして、装置内部に設けられたウエハの有無を検出する検出ポイントA〜T(図示せず)に対応した表示エリア9A〜9Tを設定し、各検出ポイントにおけるウエハの有無や、プロセスの進捗状況を表示させるものである。例えば、表示エリア9Aは、検出ポイントAにおけるウエハの有無及びプロセス進捗状況を示すものである。
【0030】
次に、本実施の形態の特徴部分である個々の表示エリア9における表示例について、図3を用いて具体的に説明する。図3に示すように、表示エリア9は、9a、9b、9c、9dの4つの分割エリアから構成されており、各分割エリアは、それぞれ、プロセス1〜4(P1〜P4)に対応して、各プロセスの状況を色によって表示するようにしている。すなわち、分割エリア9aはプロセス1に対応し、分割エリア9bはプロセス2に対応し、分割エリア9cはプロセス3に対応し、分割エリア9dはプロセス4に対応している。
【0031】
本実施の形態では、対応する検出ポイントにウエハがある場合には表示エリアの輪郭を丸く表示し、更に、分割エリア毎に対応するプロセスの進捗状況を色で表示する。ここでは、黄色がプロセス実行中、青色がプロセス正常終了、赤色がプロセス異常終了、緑色がプロセス途中終了、黒色がプロセス無しを表すよう、予め制御部に設定されている。尚、この表示色は、ユーザによって変更することが可能である。
【0032】
例えば、表示エリア9Nの輪郭が表示されており、分割エリア9Naが青色で、分割エリア9Nbが黄色に表示されている場合、「ウエハが検出ポイントNにあり、そのウエハは、プロセス1は正常に終了して、現在プロセス2を実行中である」ことを示すものである。
【0033】
これにより、装置内で複数の処理を行う場合でも、オペレータは装置内の各ウエハについて、処理毎の進捗状況を正確に把握することができ、装置に異常が発生して、停止した場合にも全て不良品とするのではなく、個々のウエハについて適確な判断を行った上でその後の処理を行うことができるものである。
【0034】
次に、上記表示方法を実現する本実施の形態のCVD装置の制御部について図4を用いて説明する。図4は、本実施の形態の半導体製造装置の制御部の構成ブロック図である。図4に示すように、本実施の形態の制御部は、ウエハの位置を検出する位置検出手段1と、ウエハの搬入を監視するローダ監視手段10と、モニタ画面に出力する表示データを作成するモニタ画面制御部2と、反応炉6及び冷却室15におけるプロセスの監視を行うプロセス監視部3と、表示部8(図示せず)における表示の制御を行う表示制御部4とから構成されている。
【0035】
更に、モニタ画面制御部2は、装置内のウエハの位置情報を監視する位置情報監視手段21と、位置情報を格納する位置管理テーブル22と、装置内部にあるウエハについて個別の番号(ウエハNo. )を付与するためのウエハNo. カウンタ23と、プロセス監視部3からのプロセス情報を受け取ってプロセス情報を監視するプロセス情報監視手段24と、プロセス毎の処理室名を格納するプロセス対応テーブル28と、ウエハNo. 毎に位置情報とプロセス情報とを格納しておく状況テーブル25と、表示データを作成する表示処理手段26と、表示データを格納する表示テーブル27とから構成されている。
【0036】
また、プロセス監視部3は、反応炉6a(PC1)での処理を監視するプロセス監視手段31と、反応炉6b(PC2)での処理を監視するプロセス監視手段32と、冷却室15aでの処理を監視するプロセス監視手段33と、冷却室15bでの処理を監視するプロセス監視手段34とから構成されている。
【0037】
次に、図4に示した制御部の各構成部分について具体的に説明する。ローダ監視手段10は、カセット室5からウエハが搬送室7に搬入されたかどうかを監視するものであり、ウエハが搬入された場合に、位置情報監視手段21に、「ウエハ搬入」のデータを送出するものである。
【0038】
位置検出手段1は、図21に示した従来の位置検出手段1と同様のものであり、装置内部のウエハの搬送路上に設けられた検出ポイントA〜Tのそれぞれについて、一定時間毎にウエハが存在するか否かを検出して、検出ポイント毎の検出データを位置情報としてモニタ画面制御部2の位置情報監視手段21に送出するものである。
【0039】
モニタ画面制御部2の位置情報監視手段21は、搬送室内に搬入されたウエハに処理に必要なウエハNo. を与えるウエハNo. 指定処理と、位置検出手段1から受け取った検出ポイント毎の位置情報を、位置管理テーブル22と、状況テーブル25に格納する位置情報書き込み処理を行うものである。
【0040】
ここで、位置管理テーブル22について図5を用いて説明する。図5は、位置管理テーブル22の概念説明図である。位置管理テーブル22は、図5に示すように、搬送レシピに従って搬送順に並べた「検出ポイント」と、それに対応するウエハの有無の「検出データ」と、ウエハ有りの場合はそのウエハの「ウエハNo. 」とを格納するものであり、「検出データ」としては、前回の検出結果を格納する「前回」と今回の検出結果を格納する「今回」とが設けられている。
【0041】
「検出ポイント」の先頭として、「ローダ」が設けられており、これは、ウエハカセットからウエハが出されたことを示すポイントである。位置情報監視手段21が、ローダ監視手段10からウエハ搬入のデータを受信した場合に、位置管理テーブル22の検出ポイント「ローダ」に対応するウエハNo. として、ウエハNo. カウンタ23の値を書き込むようにしている。また、各検出ポイントに対応する「検出データ」は、「1」が「ウエハ有り」を「0」が「ウエハ無し」を示している。
【0042】
図5の例では、例えば、検出ポイントJにおいては、前回の検出結果が「ウエハ無し」で、今回の検出結果が「ウエハ有り」で、そのウエハのウエハNo. は「2」であることを示している。
【0043】
位置管理テーブル22では、検出ポイントは搬送順に並んでいるので、1枚のウエハに着目すれば、ウエハはテーブルの先頭の検出ポイント(ローダ)から搬送室7に搬入され、順次、下のポイントに移動し、末尾の検出ポイントから搬出される、ということになる。従って、複数の搬送レシピがある場合には、それぞれに対応する位置管理テーブル22が設けられているが、ここでは説明を簡単にするために搬送レシピは1種類とする。
【0044】
そして、位置情報監視手段21の動作について図4及び図5を用いて説明する。位置情報監視手段21は、ローダ監視手段10からウエハ搬入のデータを受信した場合に、ウエハNo. 指定処理として、ウエハNo. カウンタ23を+1とし、位置管理テーブル22の「ローダ」に対応する「ウエハNo. 」としてカウンタ23の値を書き込み、装置内(搬送室内)に搬入されたウエハにウエハNo. を与えるようにしている。
【0045】
また、位置情報監視手段21は、位置検出手段1から位置情報を受信すると、位置情報書き込み処理として、当該検出ポイントに対応する「前回」を「今回」で更新しておき、受信した検出データを「今回」に格納する。特に、検出データが「0」から「1」に変化した場合には、1つ前の検出ポイントにあったウエハのウエハNo. を当該ポイントのウエハNo. に格納して、ウエハの位置情報を更新し、表示処理手段26に表示データの作成処理を指示するものである。尚、位置情報監視手段21におけるウエハNo. 指定処理及び位置情報書き込み処理の詳細については後述するものとする。
【0046】
ウエハNo. カウンタ23は、装置内に搬入された個々のウエハに、処理に必要な固有番号を与えるものであり、本実施の形態では、最大4枚のウエハが装置内(搬送室及び各処理室)に存在し得るものとし、ウエハNo. として、No. 1〜4を与えるようにしている。つまり、新しいウエハが搬送室に取り込まれる度に、すなわち、ローダ監視手段10からウエハ搬入のデータを受信した場合に、ウエハNo. カウンタ23の値を+1して、該ウエハに装置内における固有番号を与えるものである。ウエハNo. カウンタ23は、No. 4の次はまたNo. 1に戻るように位置情報監視手段21によって制御されている。
【0047】
また、プロセス監視部3は、プロセス監視手段31〜34によって、それぞれ、反応炉6a(PC1)、反応炉6b(PC2)と、冷却室15a及び15bの各処理室におけるプロセス状況を監視し、プロセス情報として、処理室名(各処理室に固有のID)とそれにおけるプロセスデータをモニタ画面制御部2のプロセス情報監視手段24に送出するものである。プロセスデータとしては、処理の開始時は「処理開始」、処理が正常に終了した場合には「正常終了」、何等かの異常があってプロセスが途中で停止した場合は「異常終了」、当該反応炉以外の原因によりプロセス途中で停止した場合は「途中終了」の4種類のデータがある。
【0048】
プロセス情報監視手段24は、プロセス監視部3からプロセス情報(処理室名とプロセスデータ)を受け取って、プロセス対応テーブル28を参照して当該処理室に対応するプロセスを特定して、プロセス情報を状況テーブル25に格納するものである。
【0049】
ここで、状況テーブル25について図6を用いて説明する。図6は、状況テーブルの概念説明図である。状況テーブル25は、装置内に取り込まれているウエハの位置情報とプロセス状況のデータ(プロセスデータ)を格納するものであり、図6に示すように、位置情報監視手段21により設定されたウエハNo. 毎に、現在の位置を検出ポイントで表す「位置」と、「プロセス状況」として、プロセス1の状況を示す「P1」と、プロセス2の状況を示す「P2」と、プロセス3の状況を示す「P3」と、プロセス4の状況を示す「P4」とを格納するようになっている。この状況テーブル25により、装置内にある最大4枚のウエハそれぞれについて、位置及びプロセス進捗状況を管理することができるものである。
【0050】
そして、状況テーブル25の「位置」は、位置検出手段1からのデータに基づいて情報監視手段21が書き込み、「プロセス状況」は、プロセス監視部3からのデータに基づいてプロセス情報監視手段24が書き込むようになっている。
【0051】
次に、プロセス対応テーブル28について図7を用いて説明する。図7は、プロセス対応テーブル28の概念説明図である。図7に示すように、プロセス対応テーブル28は、プロセスレシピ等により設定された各「プロセス」(プロセス1〜プロセス4)と「処理室名」とを対応させて格納するものである。実行しないプロセスが設定されている場合には、この対応テーブルに、プロセスに対応する処理室名の替わりに「プロセス無し」が設定されている。これにより、プロセス情報監視手段24は、処理室名が与えられると、その処理室で行われているプロセスを特定することができるようになっている。
【0052】
次に、プロセス情報監視手段24の動作について図4、図6、図7を用いて説明する。プロセス情報監視手段24は、プロセス監視部3からプロセス情報(処理室名とプロセスデータ)を受け取って、図7に示したプロセス対応テーブル28を参照して、当該処理室に対応するプロセスを特定し、更に、図6に示した状況テーブル25を参照して、当該処理室に位置するウエハNo. を特定する。そして、プロセス情報監視手段24は、該ウエハNo. の、プロセス対応テーブル28によって特定されたプロセスに対して、状況テーブル25のプロセス状況のエリア(「P1」、「P2」、「P3」、「P4」)に、受信したプロセスデータを書き込むものである。この時、プロセスデータ「処理開始」を受信した場合には、状況テーブルには「実行中」のデータを書き込むようにしている。また、プロセス対応テーブル28により「プロセス無し」となっているプロセスについては、状況テーブル25に予め「プロセス無し」を書き込んでおくものとする。
【0053】
図6、図7の例を用いて具体的に説明すると、更に、反応炉6aの位置が検出ポイントNで表される場合、プロセス情報監視手段24がプロセス監視部3から「反応炉6a、処理開始」のデータを受信すると、プロセス情報監視手段24は、図7に示したプロセス対応テーブル28から「反応炉6a」に対応するプロセスとして、「プロセス2」を読み取り、更に、図6の状況テーブル25を参照して、「位置」が反応炉6aを示す「N」となっているウエハNo. として「ウエハNo. 1」を特定し、ウエハNo. 1の、「P2」のエリアに「実行中」を書き込むものである。そして、プロセス情報監視手段24は、状況テーブル25にデータを書き込むと、表示処理手段26に表示データ作成の指示を送出する。プロセス情報監視手段24の処理については、後で詳細に述べるものとする。
【0054】
また、表示処理手段26は、表示データを作成するものであり、位置情報監視手段21またはプロセス情報監視手段24から表示データ作成指示を受け取ると、状況テーブル25を参照して表示データを作成して、表示テーブル27に格納し、表示制御部4に表示指示を送出するものである。
【0055】
上述したように、本実施の形態のCVD装置では、検出ポイントA〜Tに対応する表示エリア9A〜9Tを設け、ウエハの有無を表示エリアの丸い輪郭の有無で表し、更に、各表示エリア9を構成する4つの分割エリア9a〜9dにプロセスを1対1に対応させて、各分割エリア9a〜9dにウエハのプロセス進捗状況を色によって表示するようにしているため、表示処理手段26は、各表示エリア9毎に、輪郭と4つの分割エリア9a〜9dの表示データを作成して、表示テーブル27に格納するようになっている。表示処理手段26の処理については、後で詳細に説明する。
【0056】
ここで、表示テーブル27について図8を用いて説明する。図8は、図6の状況テーブル25に対応する表示テーブル27の概念説明図である。図7に示すように、表示テーブル27は、各表示エリア9毎に、表示処理手段26で作成された表示データを格納するものであり、各表示エリア9に対応して、「輪郭」、「エリアa」、「エリアb」、「エリアc」、「エリアd」の各表示データを格納している。
【0057】
「輪郭」は、輪郭を表示するかしないかを指定するものであり、表示処理手段26は、状況テーブル25の「位置」を参照して、ウエハのある検出ポイントに対応する表示エリア9について、輪郭表示を行うように表示データを作成する。ここでは、「1」が「輪郭表示有り」を示し、「0」は「輪郭表示無し」を示す。
【0058】
また、「エリアa」〜「エリアd」は、分割エリア9a〜9dにおける表示色を指定するものであり、表示処理手段26が、状況テーブル25の「プロセス状況」を参照して、ウエハが位置する検出ポイントに対応するプロセス状況のデータを読み取り、「エリアa」にプロセス1、「エリアb」にプロセス2、「エリアc」にプロセス3、「エリアd」にプロセス4の各プロセスデータに対応した表示色を格納する。表示色は、プロセス状況に対応して表示処理手段26内に予め設定されており、「実行中」は黄色、「正常終了」は青、「異常終了」は赤、「途中終了」は緑、「プロセス無し」は黒で表すように設定されている。
【0059】
尚、これから実行する予定のプロセスに対応する分割エリアと、輪郭表示無しの場合には、表示色は背景と同一の色に設定するものとし、表示テーブル27にはブランクを格納する。また、表示処理手段26における設定内容を変更することにより、プロセス状況に対応する表示色を自由に変更することができるものである。
【0060】
例えば、図8に示した表示テーブル27では、表示エリアNの表示データとして、図6の状況テーブル25より、検出ポイントNにウエハがあるので「輪郭」は「1」、「エリアa」は状況テーブル25の「P1」の「正常終了(OK)」に対応して「青」、「エリアb」は「P2」の「実行中」に対応して「黄色」、「エリアc」は「P3」の「未処理」に対応してブランク、「エリアd」は「P4」の「プロセス無し」に対応して「黒」を格納している。
【0061】
また、表示制御部4は従来と同様であり、表示処理手段26から表示指示を受信すると、表示テーブル27から表示データを読み取って、表示部8(図示せず)へ出力して表示させるようになっている。
【0062】
次に、位置情報監視手段21と、プロセス情報監視手段24と、表示処理手段26における処理について具体的に説明する。まず、モニタ画面制御部2の位置情報監視手段21の処理について、図9、図10を用いて説明する。図9は、位置情報監視手段21のウエハNo. 指定処理を示すフローチャート図であり、図10は、位置情報監視手段21の位置情報書き込み処理を示すフローチャート図である。
【0063】
上述したように、位置情報監視手段21は、ローダ監視手段10からウエハ搬入のデータを受信すると、ウエハNo. 指定処理を行い、また、位置検出手段10から検出ポイントと検出データを受信すると、位置情報書き込み処理を行うようになっているが、初めに、ウエハNo. 指定処理について図9を用いて説明する。
【0064】
図9に示すように、ローダ監視手段10から「ウエハ搬入」のデータを受信する(100)と、位置情報監視手段21は、ウエハNo. カウンタ23の値nをn+1で更新する(n←n+1)(102)。
【0065】
そして、n=5かどうかを判断し(104)、n=5でなければ(NOの場合)、位置管理テーブル22の「ローダ」に対応する「ウエハNo. 」にnを格納し(108)、処理を終わる。また、処理104でn=5であれば(YESの場合)、nを1に設定(n←1)し(106)、処理108に移行する。これにより、ウエハNo. カウンタ23は、4までカウントしたら、次は、1に戻るようにしている。このようにして、ウエハNo. 指定処理を行うものである。
【0066】
次に、位置情報書き込み処理について図10を用いて説明する。図10に示すように、位置情報監視手段21が、位置検出手段1から位置情報として検出ポイントと、それに対応するウエハの有無を示す検出データを受信する(120)と、位置管理テーブル22の当該検出ポイントに対応する「前回の検出結果(前回)」を「今回の検出結果(今回)」で更新する(122)。
【0067】
そして、位置情報監視手段21は、受信したウエハの検出データを、位置管理テーブル22の当該検出ポイントに対応する「今回」に格納する(124)。そして、「今回」が「1」であるかどうかを判断し(126)、「1」でなければ(NOの場合)、処理を終了する。また、「今回」が「1」であれば(YESの場合)、更に、「前回」が「0」であるかどうかを判断し(128)、「前回」が「0」でなければ(NOの場合)、処理を終了する。
【0068】
処理128で、「前回」が「0」である場合(YESの場合)には、位置情報監視手段21は、位置管理テーブル22から、当該検出ポイントの1つ前の検出ポイントに対応する「ウエハNo. 」を読み取り、当該検出ポイントの「ウエハNo. 」に読み取ったウエハNo. を書き込む(130)。そして、1つ前の検出ポイントの「ウエハNo. 」をブランクに設定し(132)、状況テーブル25の当該ウエハNo. に対応する「位置」に当該検出ポイントを書き込み(134)、表示処理手段26に表示データ作成指示を送出して(136)、処理を終わる。このようにして位置情報監視手段21における位置情報書き込み処理が行われるものである。
【0069】
次に、プロセス情報監視手段24における処理について図11を用いて説明する。図11は、本実施の形態のプロセス情報監視手段24における処理を示すフローチャート図である。プロセス情報監視手段24は、プロセス監視部3からプロセス情報として、処理室名とプロセスデータを受信する(200)と、プロセス対応テーブル28から受信した処理室名に対応するプロセスNo. i(i=1〜4)を読み取り(202)、状況テーブル25の「位置」を参照して、当該処理室に位置するウエハNo. を特定する(204)。
【0070】
そして、当該ウエハNo. の、プロセス状況「Pi」に、受信したプロセスデータを書き込む(206)。つまり、当該ウエハNo. に対応する「P1」「P2」「P3」「P4」のいずれかに、「実行中」「正常終了」「異常終了」「途中終了」のいずれかを書き込む。そして、表示処理手段26に対して表示データ作成指示を送出して(208)、処理を終了する。このようにして、プロセス情報監視手段24の処理が行われるようになっている。
【0071】
次に、表示処理手段26における処理について図12を用いて説明する。図12は、表示処理手段26における処理を示すフローチャート図である。表示処理手段26は、位置情報監視手段21またはプロセス情報監視手段24から表示データ作成指示を受信する(300)と、まず、表示テーブル27から先頭の表示エリアを読み取る(302)。そして、状況テーブル25を参照して、当該表示エリアに対応する検出ポイントが、状況テーブル25の「位置」に記載されているかどうかを判断する(304)。
【0072】
記載されている場合(YESの場合)には、表示処理手段26は、状況テーブル25から当該検出ポイントに位置するウエハのプロセス状況「P1」、「P2」、「P3」、「P4」を読み取り(310)、表示テーブル27の当該表示エリアの「輪郭」を「1」に設定する(312)。
【0073】
更に、表示処理手段26は、表示テーブル27の当該表示エリアの「エリアa」〜「エリアd」に、状況テーブル25から読み取ったプロセスデータ「P1」、「P2」、「P3」、「P4」に対応する表示色を格納し(314)、全ての表示エリアについて表示データを作成したかどうかを判断する(320)。全ての表示エリアについて終わっていない場合には、処理302に戻って、次の表示エリアについて同様の処理を行う。終わっている場合には、表示制御部4に対して表示指示を出力し(322)、処理を終わる。
【0074】
また、処理304で、当該表示エリアに対応する検出ポイントが、状況テーブル25の「位置」に記載されていない場合(NOの場合)には、表示テーブル27の当該表示エリアの「輪郭」を「0」に設定する(316)。そして、表示テーブル27の当該表示エリアの「エリアa」〜「エリアd」に背景色を格納し(318)、処理320に移行する。このようにして、表示処理手段26の処理が行われるものである。
【0075】
本実施の形態の半導体製造装置及びそれにおける表示方法によれば、モニタ画面の制御を行うモニタ画面制御部2に、装置内に搬入されている個々のウエハについて、位置と、プロセス状況を格納する状況テーブル25を設け、モニタ画面制御部2の位置情報監視手段21が、装置内にあるウエハに固有のウエハNo. を付与し、各ウエハ毎に位置を監視して状況テーブル25に書き込み、プロセス情報監視手段24がプロセス状況を監視して状況テーブル25にウエハ毎のプロセスデータを書き込み、表示処理手段26が、状況テーブル25を参照して、検出ポイントに対応した表示エリア9に、ウエハの有無と、ウエハがある場合には、分割エリア9a〜9d毎に該ウエハのプロセス状況に対応した色を表示する表示データを作成するようにしているので、ウエハの位置と該ウエハのプロセス状況を対応させて監視して、装置内部にあるウエハの位置だけでなく、各ウエハの処理の進捗状況を逐次表示することができ、装置が停止した場合にも、オペレータにウエハ毎の処理状況を正確に知らせて、良品を廃棄処理とするのを防ぎ、歩留りを向上させることができる効果がある。
【0076】
また、本実施の形態(第1の実施の形態)では、搬送レシピは1種類として説明したが、次に、別の実施の形態(第2の実施の形態)として、ウエハ毎に搬送レシピを変える場合について図13を用いて説明する。図13は、別の実施の形態の制御部の構成ブロック図である。別の実施の形態(第2の実施の形態)は、1個のウエハカセットに格納し得る25枚程度のウエハ1枚1枚について、ウエハ毎に異なる搬送レシピを設定した場合に、ウエハの位置及びプロセス状況を表示するものであり、図2及び図3に示した第1の実施の形態と同様の表示を実現するものである。
【0077】
ここでは、ウエハ毎に3種類の異なった搬送レシピを設定し、カセット内のウエハが25枚であるものとして説明する。図13に示すように、別の実施の形態では、本実施の形態の構成に加えて、ウエハNo. と搬送レシピとを対応させる搬送テーブル29と、各搬送レシピに対応する位置管理テーブル22a、22b、22cを設けている。また、状況テーブル25の代わりに状況テーブル25´を設けている。
【0078】
ここで、別の実施の形態の特徴部分である搬送テーブル29と、位置管理テーブル22a〜22cと、状況テーブル25´について図14、図15、図16を用いて説明する。図14は、搬送テーブル29の概念説明図であり、図15は、位置管理テーブル22a〜22cの概念説明図であり、図16は、状況テーブル25´の概念説明図である。
【0079】
図14に示すように、搬送テーブル29は、ウエハカセットに格納されている25枚程度のウエハについて、各ウエハをどの搬送レシピに従って搬送するかを指定するものであり、予め、各ウエハNo. と、搬送レシピとを対応させて格納しているものである。
【0080】
また、図15に示すように、位置管理テーブル22a〜22cは、それぞれ、搬送レシピa、b、cに対応した位置管理テーブルであり、図5に示した第1の実施の形態の位置管理テーブル22と同様の構成となっている。
【0081】
図16に示すように、状況テーブル25´は、図6に示した第1の実施の形態の状況テーブル25とほぼ同様の構成であるが、別の実施の形態では、カセット内のウエハ全てに個別に番号を与えるので、ウエハNo. 1〜25について、位置とプロセス状況を格納するようになっている。
【0082】
次に、別の実施の形態の位置情報監視手段21´の処理について図17及び図18を用いて説明する。図17は、位置情報監視手段21´がローダ監視手段10からデータを受信した場合の処理を示すフローチャート図であり、図18は、位置検出手段1からデータを受信した場合の処理を示すフローチャート図である。別の実施の形態(第2の実施の形態)では、位置情報監視手段21´は、ローダ監視手段10からデータを受信すると第1の実施の形態と同様にウエハの番号を指定するが、別の実施の形態の特徴として、その後、搬送テーブル29を参照して、当該ウエハの搬送レシピを読み取り、搬送レシピに対応した位置管理テーブル22を特定する処理を行う。また、位置検出手段1から位置情報を受信した場合にも、位置管理テーブル22を特定してから、ウエハの位置情報を書き込む処理を行うものである。
【0083】
図17に示すように、ローダ監視手段10から「ウエハ搬入」のデータを受信する(400)と、位置情報監視手段21´は、ウエハNo. カウンタ23の値nをn+1に設定する(402)。そして、搬送テーブル29から、ウエハNo. nに対応する搬送レシピを読み取り(404)、読み取った搬送レシピに対応する位置管理テーブル22を特定し(406)、当該位置管理テーブル22の「ローダ」に対応する「ウエハNo. 」として、ウエハNo. nを書き込み(408)、処理を終了する。
【0084】
また、図18に示すように、位置検出手段1から検出ポイントと検出データを受信すると(500)、位置情報監視手段21´は、位置管理テーブル22a〜22cの当該検出ポイントに対応する「前回」を「今回」で更新する(502)。そして、検出データが「0」か「1」かを判断し(504)、「0」であれば、「今回」に「0」を格納し(506)、処理を終わる。
【0085】
また、処理504で検出データが「1」であれば、位置情報監視手段21´は、位置管理テーブル22a〜22cの内、当該検出ポイントまたは1つ前の検出ポイントの「今回」が「1」となっている位置管理テーブル22を選択する(510)。そして、選択した位置管理テーブル22の当該検出ポイントに対応する「今回」に「1」を格納し(512)、その他の位置管理テーブル22の当該検出ポイントに対応する「今回」に「0」を格納する(514)。
【0086】
そして、選択した位置管理テーブル22の当該検出ポイントに対応する「前回」は「0」か「1」かを判断し(516)、「1」であれば処理を終了する。また、「0」であれば、選択した位置管理テーブル22において、1つ前の検出ポイントの「ウエハNo. 」を読み取り、当該検出ポイントの「ウエハNo. 」に書き込み(518)、1つ前の検出ポイントの「ウエハNo. 」をブランクに設定する(520)。
【0087】
そして、状況テーブル25´の当該ウエハNo. に対応する「位置」に当該検出ポイントを書き込み(522)、表示処理手段26に表示データ作成指示を送出する(524)。このようにして別の実施の形態の位置検出手段21´の処理が行われるものである。
【0088】
別の実施の形態(第2の実施の形態)の半導体製造装置及びそれにおける表示方法によれば、ウエハ毎に搬送レシピを指定した搬送テーブル29と、搬送レシピ毎にウエハの位置情報を格納する位置管理テーブル22a〜22cと、ウエハNo. 毎に位置情報とプロセス状況を格納する状況テーブル25´を設け、個々のウエハについて位置及びプロセス状況を監視するようにしているので、ウエハ毎に異なる搬送レシピを設定した場合にもウエハ毎のプロセス進捗状況を表示させることができ、第1の実施の形態と同様の効果を得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明は、装置内部にあるウエハの有無とウエハのプロセス進捗状況を表示し、装置が停止した場合にも、オペレータにウエハの処理状況を正確に知らせることができ、良品を廃棄処理とするのを防ぎ、歩留りを向上させることができる半導体製造装置に好適である。
【符号の説明】
【0090】
1...位置検出手段、 2...モニタ画面制御部、 3...プロセス監視部、 4...表示制御部、 5...カセット室、 6...反応炉、 7...搬送室、 8...表示部、 9...表示エリア、 10...ローダ監視手段、 13...カセットローダ、 14...カセットエレベータ、 15...冷却室、 21...位置情報監視手段、 22...位置管理テーブル、 23...ウエハNo. カウンタ、 24...プロセス情報監視手段、 25...状況テーブル、 26...表示処理手段、 27...表示テーブル、 28...プロセス対応テーブル、 29...搬送テーブル、 31〜34...プロセス監視手段、 71...CCアーム、 72...PCアーム、 73...ストレージカセット、 74...アライメントユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも処理を行うプロセスチャンバと、搬送室とを含む半導体製造装置のモニタ画面に、
上から見た半導体製造装置イメージを描画し、当該半導体製造装置イメージの内部に複数の表示エリアを設け、前記表示エリア毎にウエハの位置を前記表示エリアの輪郭で表示させ、前記ウエハの有無とプロセス進捗状況を色で表示させることを特徴とする半導体製造装置。
【請求項2】
少なくとも処理を行うプロセスチャンバと、搬送室とを含む半導体製造装置のモニタ画面に、
上から見た半導体製造装置イメージを描画し、当該半導体製造装置イメージの内部に複数の表示エリアを設け、前記表示エリア毎にウエハの位置を前記表示エリアの輪郭で表示し、前記ウエハの有無とプロセス進捗状況を色で表示することを特徴とする半導体製造装置の表示方法。
【請求項3】
少なくとも処理を行うプロセスチャンバと、搬送室とを含む半導体製造装置のモニタ画面に、
上から見た半導体製造装置イメージを描画し、当該半導体製造装置イメージの内部に複数の表示エリアを設け、前記表示エリア毎にウエハの有無と当該ウエハのプロセス進捗状況を色で表示させることを特徴とする半導体製造装置。
【請求項4】
少なくとも処理を行うプロセスチャンバと、搬送室とを含む半導体製造装置のモニタ画面に、
上から見た半導体製造装置イメージを描画し、当該半導体製造装置イメージの内部に複数の表示エリアを設け、前記表示エリア毎にウエハの有無と当該ウエハのプロセス進捗状況を色で表示することを特徴とする半導体製造装置の表示方法。
【請求項5】
少なくとも処理を行うプロセスチャンバと、搬送室とを含む半導体製造装置のモニタ画面に、
複数の表示エリアを設け、前記表示エリア毎にウエハの位置を前記表示エリアの輪郭で表示させ、前記ウエハのプロセス進捗状況を色で表示させることを特徴とする半導体製造装置。
【請求項6】
少なくとも処理を行うプロセスチャンバと、搬送室とを含む半導体製造装置のモニタ画面に、
複数の表示エリアを設け、前記表示エリア毎にウエハの位置を前記表示エリアの輪郭で表示し、前記ウエハのプロセス進捗状況を色で表示することを特徴とする半導体製造装置の表示方法。
【請求項7】
少なくとも処理を行うプロセスチャンバと、搬送室とを含む半導体製造装置のモニタ画面に、
複数の表示エリアを設け、前記表示エリア毎にウエハの有無と当該ウエハのプロセス進捗状況を色で表示させることを特徴とする半導体製造装置。
【請求項8】
少なくとも処理を行うプロセスチャンバと、搬送室とを含む半導体製造装置のモニタ画面に、
複数の表示エリアを設け、前記表示エリア毎にウエハの有無と当該ウエハのプロセス進捗状況を色で表示することを特徴とする半導体製造装置の表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公開番号】特開2012−23401(P2012−23401A)
【公開日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−229886(P2011−229886)
【出願日】平成23年10月19日(2011.10.19)
【分割の表示】特願2009−257821(P2009−257821)の分割
【原出願日】平成7年1月9日(1995.1.9)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】