説明

半田付け不良除去装置および半田付け不良除去方法

【課題】電子部品の半田付け部における半田付け不良を容易にかつ確実に除去する。
【解決手段】高周波部品1を保持する製品固定部が下降することにより高周波部品1の金属脚2や端子3が半田除去ピン8と接触し、金属脚2や端子3および半田除去ピン8が互いに接触した状態で半田槽6に対して下降することにより、金属脚2や端子3が溶融半田7に浸され、金属脚2や端子3および半田除去ピン8が互いに接触した状態で半田槽6に対して上昇することにより、溶融半田7に浸された金属脚2や端子3が溶融半田7外に脱出し、金属脚2や端子3および半田除去ピン8のうち金属脚2や端子3のみがさらに上昇することにより金属脚2や端子3と半田除去ピン8とが離間する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半田付け不良除去装置および半田付け不良除去方法に関し、特に、電子部品の半田付け部における半田付け不良を除去する半田付け不良除去装置および半田付け不良除去方法に関する。
【背景技術】
【0002】
高周波部品の金属ケース、基板、端子等を半田付けすることが従来から行なわれている。ここで、半田ツララや半田ブリッジなどの不良(不具合)が発生する場合がある。従来から、上記不良が発生したとき、半田コテ、半田修正装置等により半田除去を行なっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−280717号公報
【特許文献2】特開2002−1523号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
含鉛半田の代替品として、鉛を含まない無鉛半田の開発、普及が進められている。含鉛半田から無鉛半田へと置き換えが進むことにより、半田の粘性が高くなり、半田付けした時の半田の切れが悪く、半田ツララ、半田ブリッジなどの不良が発生しやすい状況にある。
【0005】
しかし、上記不具合が発生する都度に、半田コテ、半田修正装置等により半田除去を行なっていたのでは、作業が煩雑になり、生産効率が低下することが懸念される。
【0006】
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、電子部品の半田付け部における半田付け不良を容易にかつ確実に除去することが可能な半田付け不良除去装置および半田付け不良除去方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る半田付け不良除去装置は、電子部品の半田付け部における半田付け不良を除去する半田付け不良除去装置である。
【0008】
1つの局面では、上記半田付け不良除去装置は、電子部品を保持する保持部と、溶融半田を収容する半田槽と、半田槽に対して上下方向に移動可能に半田槽内に設けられ、電子部品の半田付け部と接触可能な半田除去部とを備える。上記保持部と半田槽とが相対的に近づくことにより電子部品の半田付け部が半田除去部と接触し、半田付け部および半田除去部が互いに接触した状態で半田付け部および半田除去部が半田槽に対して相対的に下降することにより、半田付け部が溶融半田に浸され、半田付け部および半田除去部が互いに接触した状態で半田付け部および半田除去部が半田槽に対して相対的に上昇することにより、溶融半田に浸された半田付け部が溶融半田外に脱出し、保持部と半田槽とが相対的に遠ざかることにより半田付け部と半田除去部とが離間する。
【0009】
他の局面では、上記半田付け不良除去装置は、電子部品を保持しながら上下方向に移動可能な保持部と、溶融半田を収容する半田槽と、半田槽に対して上下方向に移動可能に半田槽内に設けられ、電子部品の半田付け部と接触可能な半田除去部とを備える。上記保持部が下降することにより電子部品の半田付け部が半田除去部と接触し、半田付け部および半田除去部が互いに接触した状態で半田槽に対して下降することにより、半田付け部が溶融半田に浸され、半田付け部および半田除去部が互いに接触した状態で半田槽に対して上昇することにより、溶融半田に浸された半田付け部が溶融半田外に脱出し、半田付け部および半田除去部のうち半田付け部のみがさらに上昇することにより半田付け部と半田除去部とが離間する。
【0010】
1つの実施態様では、上記半田付け不良除去装置において、半田除去部は、上下方向に延びる複数のピンを含む。
【0011】
1つの実施態様では、上記半田付け不良除去装置において、半田除去部は、ステンレス鋼または耐熱性樹脂からなる。
【0012】
1つの実施態様では、上記半田付け不良除去装置において、ステンレス鋼に焼き入れを行なう。
【0013】
1つの実施態様では、上記半田付け不良除去装置は、保持部を上下方向に駆動する駆動部と、駆動部の動作を自動制御する制御部とをさらに備える。
【0014】
1つの実施態様では、上記半田付け不良除去装置において、半田槽は、第1半田槽と、該第1半田槽に収容され、かつ第1半田槽に対して上下方向に移動可能な第2半田槽とを含み、第2半田槽が第1半田槽に収容されることにより、第2半田槽に溶融半田が供給され、半田付け部は、溶融半田が供給された後に第1半田槽内から上昇した第2半田槽に浸される。
【0015】
1つの実施態様では、上記半田付け不良除去装置は、フラックスを収容するフラックス槽をさらに備える。上記フラックス槽は、第1フラックス槽と、該第1フラックス槽に収容され、かつ第1フラックス槽に対して上下方向に移動可能な第2フラックス槽とを含み、第2フラックス槽が第1フラックス槽に収容されることにより、第2フラックス槽にフラックスが供給され、半田付け部は、フラックスが供給された後に第1フラックス槽内から上昇した第2フラックス槽に浸される。
【0016】
本発明に係る半田付け不良除去方法は、電子部品の半田付け部における半田付け不良を除去する半田付け不良除去方法である。
【0017】
1つの局面では、上記半田付け不良除去方法は、電子部品を保持する保持部と溶融半田を収容する半田槽とを相対的に近づけることにより、電子部品の半田付け部を、半田槽内に設けられた半田除去部と接触させる工程と、半田付け部および半田除去部を互いに接触させた状態で半田付け部および半田除去部を半田槽に対して相対的に下降させることにより、半田付け部を溶融半田に浸す工程と、半田付け部および半田除去部を互いに接触させた状態で半田付け部および半田除去部を半田槽に対して相対的に上昇させることにより、溶融半田に浸された半田付け部を溶融半田外に脱出させる工程と、保持部と半田槽とを相対的に遠ざけることにより半田付け部と半田除去部とを離間させる工程とを備える。
【0018】
他の局面では、上記半田付け不良除去方法は、電子部品を保持する保持部を下降させることにより、電子部品の半田付け部を、溶融半田を収容する半田槽内に設けられた半田除去部と接触させる工程と、半田付け部および半田除去部を互いに接触させた状態で半田槽に対して下降させることにより、半田付け部を溶融半田に浸す工程と、半田付け部および半田除去部を互いに接触させた状態で半田槽に対して上昇させることにより、溶融半田に浸された半田付け部が溶融半田外に脱出させる工程と、半田付け部および半田除去部のうち半田付け部のみをさらに上昇させることにより半田付け部と半田除去部とを離間させる工程とを備える。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、電子部品の半田付け部における半田付け不良を容易にかつ確実に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】電子部品(高周波部品)の平面図である。
【図2】電子部品(高周波部品)の正面図である。
【図3】図1、図2に示す高周波部品の半田付け不良の状況を示す図(その1)である。
【図4】図1、図2に示す高周波部品の半田付け不良の状況を示す図(その2)である。
【図5】図1、図2に示す高周波部品の半田付け不良の状況を示す図(その3)である。
【図6】図1、図2に示す高周波部品の半田付け不良の状況を示す図(その4)である。
【図7】本発明の1つの実施の形態に係る半田付け不良除去装置の側面図である。
【図8】本発明の1つの実施の形態に係る半田付け不良除去装置の正面図であり、作動の第一段階(原点位置)を示す図である。
【図9】本発明の1つの実施の形態に係る半田付け不良除去装置の正面図であり、作動の第二段階(可動中間位置)を示す図である。
【図10】本発明の1つの実施の形態に係る半田付け不良除去装置の正面図であり、作動の第三段階(下降点位置)を示す図である。
【図11】本発明の1つの実施の形態に係る半田付け不良除去装置を用いた半田付け不良除去方法(その1)の第1ステップを示す図である。
【図12】本発明の1つの実施の形態に係る半田付け不良除去装置を用いた半田付け不良除去方法(その1)の第2ステップを示す図である。
【図13】本発明の1つの実施の形態に係る半田付け不良除去装置を用いた半田付け不良除去方法(その1)の第3ステップを示す図である。
【図14】本発明の1つの実施の形態に係る半田付け不良除去装置を用いた半田付け不良除去方法(その1)の第4ステップを示す図である。
【図15】本発明の1つの実施の形態に係る半田付け不良除去装置を用いた半田付け不良除去方法(その2)の第1ステップを示す図である。
【図16】本発明の1つの実施の形態に係る半田付け不良除去装置を用いた半田付け不良除去方法(その2)の第2ステップを示す図である。
【図17】本発明の1つの実施の形態に係る半田付け不良除去装置を用いた半田付け不良除去方法(その2)の第3ステップを示す図である。
【図18】本発明の1つの実施の形態に係る半田付け不良除去装置を用いた半田付け不良除去方法(その2)の第4ステップを示す図である。
【図19】図16における「A」部詳細図である。
【図20】図16における「B」部詳細図(正面)である。
【図21】図16における「B」部詳細図(側面)である。
【図22】本発明の1つの実施の形態に係る半田付け不良除去装置の全体を示す上面図である。
【図23】図22に示す不良除去装置の正面図である。
【図24】図22に示す不良除去装置の左側面図である。
【図25】図22に示す不良除去装置の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の実施の形態について説明する。なお、同一または相当する部分に同一の参照符号を付し、その説明を繰返さない場合がある。
【0022】
なお、以下に説明する実施の形態において、個数、量などに言及する場合、特に記載がある場合を除き、本発明の範囲は必ずしもその個数、量などに限定されない。また、以下の実施の形態において、各々の構成要素は、特に記載がある場合を除き、本発明にとって必ずしも必須のものではない。
【0023】
図1、図2は、「電子部品」としての高周波部品を示す図(図1:平面図、図2:正面図)である。図1、図2を参照して、高周波部品1は、金属脚2と、端子3とを含む。高周波部品1を基板上に実装するとき等に、金属脚2および端子3に半田付けを行なう。
【0024】
図3〜図6は、高周波部品1の半田付け不良の状況を示す図である。図3〜図6に示すように、各端子3の下端に半田ツララ4が形成されたり、複数の端子3に跨って半田ブリッジ5が形成されたりする。半田ツララ4や半田ブリッジ5は、高周波部品1の動作不良等に繋がるため、これらを除去する必要がある。
【0025】
次に、図7〜図10を用いて、本実施の形態に係る半田付け不良除去装置について説明する。
【0026】
図7〜図10に示すように、半田付け不良除去装置は、半田槽6を有する。半田槽6内には、溶融半田7が貯留されている。半田槽6に対して上下方向に移動可能に半田除去ピン8が設けられている。半田除去ピン8は、高周波部品1における半田付け不良を除去したい位置(金属脚2および端子3)の直下に設けられている。半田除去ピン8は、半田除去ユニット9を構成する。
【0027】
レバー10を倒すことにより、高周波部品1を取り付けた製品固定部11が下降する。具体的には、製品固定部11は、原点位置(図8)から、可動中間位置(図9)を経て、下降点位置(図10)にまで下降する。図8の状態では、高周波部品1の端子3は、半田除去ピン8と離間している。その後、高周波部品1が図9の状態にまで下降すると、半田除去ピン8は端子3と接触する。さらに、高周波部品1が図10の状態にまで下降すると、高周波部品1および半田除去ピン8はバネ12の付勢力に抗して押し下げられる。これにより、高周波部品1の端子3は、半田除去ピン8に接触した状態で溶融半田7に浸される。その後、レバー10を押し下げる力を解放すると、バネ12の付勢力により、高周波部品1の端子3は溶融半田7から脱出する。
【0028】
なお、製品固定部11の原点位置(図8)および下降点位置(図10)は、原点位置ストッパー13および下降点ストッパー14により規定される。
【0029】
次に、上記半田付け不良除去装置を用いた半田不良除去のプロセスについて説明する。図11〜図14は、端子3の半田付け不良を除去する半田付け不良除去方法の各ステップを示す図であり、図15〜図18は、金属脚2および端子3の半田付け不良を除去する半田付け不良除去方法の各ステップを示す図である。
【0030】
図11に示す状態では、端子3の先端に半田ツララ4および半田ブリッジ5が形成されている。図11では、端子3と半田除去ピン8とは離間している。
【0031】
図11に示す状態から、製品固定部11がさらに下降する。その結果、各端子3の先端は、各半田除去ピン8の先端に接触する。端子3が半田除去ピン8に接触した状態で、製品固定部11はさらに下降し、端子3の下端は、溶融半田7に浸される。これが図12に示す状態である。図12に示す状態では、半田除去ピン8は、端子3に押されて下方に移動し、端子3とともに溶融半田7に浸されている。
【0032】
図12に示す状態では、半田ツララ4や半田ブリッジ5が溶融半田7に浸されることにより溶融する。これにより、半田付け不良が解消する。
【0033】
その後、製品固定部11を引き上げ、図13に示すように、端子3を溶融半田7から脱出させる。半田除去ピン8は、バネ12(図7〜図10参照)の付勢力により、端子3とともに上昇する。この時、余分な半田は、端子3から半田除去ピン8に引っ張られ、余分な半田が端子3に付着することがない。これにより、半田付け不良が再度生じることが抑制される(図14の状態)。
【0034】
半田除去ピン8は、端子3と接触した状態で上昇したときに、端子3に余分な半田を付着させることがないように余分な半田を引っ張れるように、ステンレス鋼または耐熱性樹脂からなることが好ましい。また、ステンレス鋼に焼き入れを行なうことが好ましい。
【0035】
また、製品固定部11の上下方向の移動は、「駆動部」としてのモータ、エアシリンダなどを用いて、自動制御により行なうことが好ましい。このようにすることで、安定した半田付け不良除去を効率よく行なうことができる。
【0036】
図15〜図18は、端子3とともに、金属脚2における半田付け不良の除去を行なうプロセスを示すものであるが、その内容は、図11〜図14に示すプロセスと実質的に同じである。
【0037】
図19は、図16における「A」部詳細図であり、図20、図21は、図16における「B」部詳細図(図20:正面、図21:側面)である。
【0038】
図19を参照して、端子3に接触する半田除去ピン8の先端の幅(a’)は、端子3の幅(a)よりも、0.4〜0.6mm程度大きいことが好ましい。また、端子3に接触する半田除去ピン8の先端に設けられるテーパ部のテーパ角度は、45〜60度であることが好ましい。このようにすることで、端子3と半田除去ピン8とが接触したときに、半田のキレおよび流れがよく、半田付け不良を確実に除去することが可能となる。
【0039】
図20、図21を参照して、金属脚2に接触する半田除去ピン8についても同様である。すなわち、金属脚2に接触する半田除去ピン8の先端の幅(a’,b’)は、金属脚2の幅(a,b)よりも、0.4〜0.6mm程度大きいことが好ましい。また、金属脚2に接触する半田除去ピン8の先端に設けられるテーパ部のテーパ角度は、45〜60度であることが好ましい。
【0040】
次に、図22〜図25を用いて、半田付け不良除去装置の全体構成について説明する。図22に示すように、半田付け不良除去装置は、ワーク挿入位置100とワーク取り出し位置200とを有する。半田付け不良を有する高周波部品1がワーク挿入位置100に載置され、半田付け不良が除去された後、ワーク取り出し位置200から取り出される。高周波部品1がワーク取り出し位置200から取り出された後、ワークを保持するワーク吸着ユニット150(製品固定部11)は、ワーク挿入位置100に戻る。
【0041】
半田付け不良除去装置は、フラックス槽ユニット110と、半田槽ユニット120と、LMガイド130と、ワーク吸着ユニット150を移動させる移動用サーボ140とを含む。フラックス槽ユニット110は、大きい槽であるフラックス槽111と、フラックス槽111に収容されるフラックス槽バケット112と、フラックス槽バケット112を上下動させるフラックス上昇ユニット113と、フラックス上昇ユニット113を駆動する一軸サーボ114とを含む。半田槽ユニット120は、大きい槽である半田槽121と、半田槽121に収容される半田槽バケット122と、半田槽バケット122を上下動させる半田上昇ユニット123と、半田上昇ユニット123を駆動する一軸サーボ124とを含む。
【0042】
フラックス槽バケット112がフラックス槽111に収容されることにより、フラックス槽バケット112にフラックスが供給され、半田付け部は、フラックスが供給された後にフラックス槽111内から上昇したフラックス槽バケット112に浸される。
【0043】
半田槽バケット122が半田槽121に収容されることにより、半田槽バケット122に溶融半田7が供給される。金属脚2や端子3は、溶融半田7が供給された後に半田槽121内から上昇した半田槽バケット122に浸される。
【0044】
このようにすることで、大きな槽であるフラックス槽111や半田槽121のフラックスや溶融半田の液面が変動しない限り、フラックス槽バケット112や半田槽バケット122のフラックス量や溶融半田量が変動することはなく、常に安定した状態で金属脚2や端子3を浸すことができるので、安定したフラックス塗布や半田除去を行なうことが可能となる。
【0045】
本実施の形態に係る半田付け不良除去装置は、高周波部品1を保持しながら上下方向に移動可能な「保持部」としての製品固定部11と、溶融半田7を収容する半田槽6と、半田槽6に対して上下方向に移動可能に半田槽6内に設けられ、高周波部品1の金属脚2や端子3(半田付け部)と接触可能な「半田除去部」としての半田除去ピン8とを備える。製品固定部11が下降することにより高周波部品1の金属脚2や端子3が半田除去ピン8と接触し、金属脚2や端子3および半田除去ピン8が互いに接触した状態で半田槽6に対して下降することにより、金属脚2や端子3が溶融半田7に浸され、金属脚2や端子3および半田除去ピン8が互いに接触した状態で半田槽6に対して上昇することにより、溶融半田7に浸された金属脚2や端子3が溶融半田7外に脱出し、金属脚2や端子3および半田除去ピン8のうち金属脚2や端子3のみがさらに上昇することにより金属脚2や端子3と半田除去ピン8とが離間する。
【0046】
本実施の形態に係る半田付け不良除去装置によれば、高周波部品1の金属脚2や端子3における半田付け不良を容易にかつ確実に除去することができる。
【0047】
なお、本実施の形態では、半田槽6に対して製品固定部11が上下動する例について説明したが、これとは逆に、製品固定部11に対して半田槽6が上下動する場合も、上記と同様の思想が実現可能である。
【0048】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0049】
1 高周波部品、2 金属脚、3 端子、4 半田ツララ、5 半田ブリッジ、6 半田槽、7 溶融半田、8 半田除去ピン、9 半田除去ユニット、10 レバー、11 製品固定部、12 バネ、13 原点位置ストッパー、14 下降点ストッパー、100 ワーク挿入位置、110 フラックス槽ユニット、111 フラックス槽、112 フラックス槽バケット、113 フラックス上昇ユニット、114 一軸サーボ、120 半田槽ユニット、121 半田槽、122 半田槽バケット、123 半田上昇ユニット、124 一軸サーボ、130 LMガイド、140 移動用サーボ、150 ワーク吸着ユニット、200 ワーク取り出し位置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品の半田付け部における半田付け不良を除去する半田付け不良除去装置であって、
前記電子部品を保持する保持部と、
溶融半田を収容する半田槽と、
前記半田槽に対して上下方向に移動可能に前記半田槽内に設けられ、前記電子部品の半田付け部と接触可能な半田除去部とを備え、
前記保持部と前記半田槽とが相対的に近づくことにより前記電子部品の半田付け部が前記半田除去部と接触し、
前記半田付け部および前記半田除去部が互いに接触した状態で前記半田付け部および前記半田除去部が前記半田槽に対して相対的に下降することにより、前記半田付け部が前記溶融半田に浸され、
前記半田付け部および前記半田除去部が互いに接触した状態で前記半田付け部および前記半田除去部が前記半田槽に対して相対的に上昇することにより、前記溶融半田に浸された前記半田付け部が前記溶融半田外に脱出し、
前記保持部と前記半田槽とが相対的に遠ざかることにより前記半田付け部と前記半田除去部とが離間する、半田付け不良除去装置。
【請求項2】
電子部品の半田付け部における半田付け不良を除去する半田付け不良除去装置であって、
前記電子部品を保持しながら上下方向に移動可能な保持部と、
溶融半田を収容する半田槽と、
前記半田槽に対して上下方向に移動可能に前記半田槽内に設けられ、前記電子部品の半田付け部と接触可能な半田除去部とを備え、
前記保持部が下降することにより前記電子部品の半田付け部が前記半田除去部と接触し、
前記半田付け部および前記半田除去部が互いに接触した状態で前記半田槽に対して下降することにより、前記半田付け部が前記溶融半田に浸され、
前記半田付け部および前記半田除去部が互いに接触した状態で前記半田槽に対して上昇することにより、前記溶融半田に浸された前記半田付け部が前記溶融半田外に脱出し、
前記半田付け部および前記半田除去部のうち前記半田付け部のみがさらに上昇することにより前記半田付け部と前記半田除去部とが離間する、半田付け不良除去装置。
【請求項3】
前記半田除去部は、上下方向に延びる複数のピンを含む、請求項1または請求項2に記載の半田付け不良除去装置。
【請求項4】
前記半田除去部は、ステンレス鋼または耐熱性樹脂からなる、請求項1から請求項3のいずれかに記載の半田付け不良除去装置。
【請求項5】
前記ステンレス鋼に焼き入れを行なう、請求項4に記載の半田付け不良除去装置。
【請求項6】
前記保持部を上下方向に駆動する駆動部と、
前記駆動部の動作を自動制御する制御部とをさらに備えた、請求項1から請求項5のいずれかに記載の半田付け不良除去装置。
【請求項7】
前記半田槽は、第1半田槽と、該第1半田槽に収容され、かつ前記第1半田槽に対して上下方向に移動可能な第2半田槽とを含み、
前記第2半田槽が前記第1半田槽に収容されることにより、前記第2半田槽に溶融半田が供給され、
前記半田付け部は、前記溶融半田が供給された後に前記第1半田槽内から上昇した前記第2半田槽に浸される、請求項1から請求項6のいずれかに記載の半田付け不良除去装置。
【請求項8】
フラックスを収容するフラックス槽をさらに備え、
前記フラックス槽は、第1フラックス槽と、該第1フラックス槽に収容され、かつ前記第1フラックス槽に対して上下方向に移動可能な第2フラックス槽とを含み、
前記第2フラックス槽が前記第1フラックス槽に収容されることにより、前記第2フラックス槽にフラックスが供給され、
前記半田付け部は、前記フラックスが供給された後に前記第1フラックス槽内から上昇した前記第2フラックス槽に浸される、請求項1から請求項7のいずれかに記載の半田付け不良除去装置。
【請求項9】
電子部品の半田付け部における半田付け不良を除去する半田付け不良除去方法であって、
前記電子部品を保持する保持部と溶融半田を収容する半田槽とを相対的に近づけることにより、前記電子部品の半田付け部を、前記半田槽内に設けられた前記半田除去部と接触させる工程と、
前記半田付け部および前記半田除去部を互いに接触させた状態で前記半田付け部および前記半田除去部を前記半田槽に対して相対的に下降させることにより、前記半田付け部を前記溶融半田に浸す工程と、
前記半田付け部および前記半田除去部を互いに接触させた状態で前記半田付け部および前記半田除去部を前記半田槽に対して相対的に上昇させることにより、前記溶融半田に浸された前記半田付け部を前記溶融半田外に脱出させる工程と、
前記保持部と前記半田槽とを相対的に遠ざけることにより前記半田付け部と前記半田除去部とを離間させる工程とを備えた、半田付け不良除去方法。
【請求項10】
電子部品の半田付け部における半田付け不良を除去する半田付け不良除去方法であって、
前記電子部品を保持する保持部を下降させることにより、前記電子部品の半田付け部を、溶融半田を収容する半田槽内に設けられた前記半田除去部と接触させる工程と、
前記半田付け部および前記半田除去部を互いに接触させた状態で前記半田槽に対して下降させることにより、前記半田付け部を前記溶融半田に浸す工程と、
前記半田付け部および前記半田除去部を互いに接触させた状態で前記半田槽に対して上昇させることにより、前記溶融半田に浸された前記半田付け部が前記溶融半田外に脱出させる工程と、
前記半田付け部および前記半田除去部のうち前記半田付け部のみをさらに上昇させることにより前記半田付け部と前記半田除去部とを離間させる工程とを備えた、半田付け不良除去方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【公開番号】特開2012−125794(P2012−125794A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−279266(P2010−279266)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】