説明

半田加熱装置及び方法

【課題】装置の小型化及び省エネルギー化を実現する半田加熱装置及び方法を提供する。
【解決手段】基板搬入口と基板搬出口とを有して半田予熱工程とリフロー工程とを選択的に実施可能な1つの半田加熱室より構成される半田加熱部と、基板搬入口から半田加熱室内に基板を搬入するとともに、半田予熱工程とリフロー工程では基板を基板搬入口と基板搬出口との間で移動させる一方、半田加熱後の基板を基板搬出口から半田加熱室外に搬出する基板搬送装置と、半田加熱室内に搬入された基板の上面側に半田融点以上の熱風をリフロー工程で供給する上側熱風供給装置と、半田加熱室内に搬入された基板の下面側に熱風を半田予熱工程及びリフロー工程で供給する下側熱風供給装置と、半田加熱室内に搬入された基板の下面側に対して、半田予熱工程での熱風の熱量がリフロー工程での熱風の熱量より多くなるように下側熱風供給装置を制御可能な制御装置とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品が半田を介して装着された基板に、熱風を供給することによって上記半田を溶融させ、上記電子部品を上記基板に半田付けする半田加熱装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の半田加熱装置においては、図12及び図13(図12のA1−A1方向から見た図)に示すような装置が一般的に知られている。すなわち、従来例の半田加熱装置は、内部に半田加熱室103を形成する筐体102と、電子部品(図示していない)が半田を介して装着された基板101を、一定速度で半田加熱室103内を通過させる基板搬送装置105とを備えている。半田加熱室103は、基板101を予め設定された温度まで昇温させる半田予熱工程を行う予熱ゾーン103aと、半田を溶融させるリフロー工程を行うリフローゾーン103bとに、仕切板104によって物理的に区画されている。
【0003】
従来例の半田加熱装置は、基板搬送装置105によって基板101を、予熱ゾーン103a、リフローゾーン103bの順に通過するように搬送することにより、半田の温度を徐々に上昇させて、半田融点(例えば210℃)以上に加熱し、半田を溶融させて半田付けを行う(特許文献1及び2参照)。
【0004】
しかしながら、従来例の半田加熱装置においては、半田予熱工程とリフロー工程を行うために、それぞれ専用のゾーン103a,103bを設けているので、必然的に基板搬送方向106の長さを長くする必要がある。つまり、装置が大型化する。
【0005】
また、従来例の半田加熱装置においては、予熱ゾーン103aとリフローゾーン103bとが仕切板104によって物理的に区画されているので、予熱ゾーン103a、リフローゾーン103bの温度雰囲気を形成する夫々の熱源は、通常常温から夫々に対応した温度雰囲気まで加熱しなければならず、装置全体としてのエネルギーの消費量が多くかかる。
【0006】
【特許文献1】特開平5−208260号公報
【特許文献2】特開平6−45745号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
したがって、本発明の目的は、上記問題を解決することにあって、装置の小型化及び省エネルギー化を実現する半田加熱装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の第1態様によれば、基板が搬入される基板搬入口と、半田が加熱された基板が搬出される基板搬出口とを有して半田予熱工程とリフロー工程とを選択的に実施可能な1つの半田加熱室より構成される半田加熱部と、
上記基板搬入口から上記半田加熱室内に上記基板を搬入し、上記半田予熱工程と上記リフロー工程とを行ったのち、半田加熱後の上記基板を上記基板搬出口から上記半田加熱室外に搬出する基板搬送装置と、
上記半田加熱室内に搬入された上記基板の上面側に、半田融点以上の温度の半田溶融用の熱風を上記リフロー工程で供給して上記半田を溶融する上側熱風供給装置と、
上記半田加熱室内に搬入された上記基板の下面側に、基板加熱用の熱風を上記半田予熱工程及び上記リフロー工程で供給する下側熱風供給装置と、
上記半田加熱室内に搬入された上記基板の下面側に対して、上記半田予熱工程での熱風の熱量が、上記リフロー工程での熱風の熱量より多くなるように、上記下側熱風供給装置から供給される熱風の熱量を制御可能な制御装置と、
を備える、半田加熱装置を提供する。
【0009】
なお、熱風の熱量は、熱風の風量及び熱風の温度と相関関係のあるものである。また、熱風の風量は、熱風の風速と相関関係にあるものである。したがって、熱風の風速、熱風の風量、及び熱風の温度のうちいずれか1つを変化させることで、熱風の熱量を変化させることができる。
【0010】
本発明の第2態様によれば、上記制御装置は、上記半田予熱工程での熱風の風量が、上記リフロー工程での熱風の風量より多くなるように、上記下側熱風供給装置から供給される熱風の風量を制御することで上記半田予熱工程での熱風の熱量が、上記リフロー工程での熱風の熱量より多くなるように制御し、
上記上側熱風供給装置の上記熱風の温度は、半田融点よりも5℃以上高く設定され、
上記下側熱風供給装置の上記熱風の温度は、半田融点よりも25℃以上高く設定されていることを特徴とする第1態様に記載の半田加熱装置を提供する。
【0011】
本発明の第3態様によれば、上記基板は、パレットに載置され、
上記基板搬送装置は、上記パレットを介して上記基板を搬送し、
上記制御装置は、上記半田予熱工程での熱風の風量が、上記リフロー工程での熱風の風量より多くなるように、上記下側熱風供給装置から供給される熱風の風量を制御することで上記半田予熱工程での熱風の熱量が、上記リフロー工程での熱風の熱量より多くなるように制御し、
上記上側熱風供給装置の上記熱風の温度は、半田融点よりも5℃以上高く設定され、
上記下側熱風供給装置の上記熱風の温度は、半田融点よりも60℃以上高く設定されていることを特徴とする第1態様に記載の半田加熱装置を提供する。
【0012】
本発明の第4態様によれば、上記制御装置は、上記半田予熱工程での熱風の風量が、上記リフロー工程での熱風の風量より多くなるように、上記下側熱風供給装置から供給される熱風の風量を制御することで上記半田予熱工程での熱風の熱量が、上記リフロー工程での熱風の熱量より多くなるように制御し、
上記上側熱風供給装置の上記熱風の温度は、半田融点よりも5℃以上高く設定され、
上記下側熱風供給装置の上記熱風の温度は、半田融点よりも低く設定されることを特徴とする第1態様に記載の半田加熱装置を提供する。
【0013】
本発明の第5態様によれば、上記制御装置は、上記リフロー工程での熱風の風量が、上記半田予熱工程での熱風の風量より、30%〜50%少なくなるように、上記下側熱風供給装置から供給される熱風の風量を制御することを特徴とする第2態様〜第4態様のいずれか1つに記載の半田加熱装置を提供する。
【0014】
本発明の第6態様によれば、上記制御装置は、上記半田予熱工程での熱風の温度が、上記リフロー工程での熱風の温度より高くなるように、上記下側熱風供給装置から供給される熱風の温度を制御することで、上記半田予熱工程での熱風の熱量が、上記リフロー工程での熱風の熱量より多くなるように制御することを特徴とする第1態様に記載の半田加熱装置を提供する。
【0015】
本発明の第7態様によれば、上記半田加熱室内の上記基板の処理基準位置よりも上側には、上記上側熱風供給装置から供給される熱風と上記下側熱風供給装置から供給される熱風とが互いに干渉しないように、熱風遮蔽部材が設けられていることを特徴とする第1態様〜第6態様のいずれか1つに記載の半田加熱装置を提供する。
【0016】
本発明の第8態様によれば、上記基板搬送装置は、上記半田予熱工程と上記リフロー工程では上記基板を、上記基板搬入口から上記基板搬出口に、定速で移動させることを特徴とする第1態様〜第7態様のいずれか1つに記載の半田加熱装置を提供する。
【0017】
本発明の第9態様によれば、半田予熱工程とリフロー工程とを選択的に実施可能な1つの半田加熱室に形成された基板搬入口から、上記半田加熱室内に基板を搬入し、
上記半田加熱室内に搬入された上記基板の下面側に、基板加熱用の熱風を供給して上記半田予熱工程を行い、
上記半田加熱室内に搬入された上記基板の上面側に、半田融点以上の温度の熱風を供給して、上記基板の半田を溶融するとともに、上記半田加熱室内に搬入された上記基板の下面側に、上記半田予熱工程での上記熱風よりも熱量の多い熱風を供給して上記リフロー工程を行い、
上記リフロー工程により半田が加熱された上記基板を上記基板搬出口から上記半田加熱室外に搬出することを特徴とする半田加熱方法を提供する。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、半田予熱工程とリフロー工程とを選択的に実施可能な1つの半田加熱室より構成される半田加熱部を備えて、半田予熱工程では、下側熱風供給装置より半田加熱室内に搬入された基板の下面側にリフロー工程で供給する基板加熱用の熱風よりも熱量の多い熱風を供給し、リフロー工程では、上側熱風供給装置より半田加熱室内に搬入された基板の上面側に半田融点以上の温度の半田溶融用の熱風を供給するとともに、下側熱風供給装置より半田加熱室内に搬入された基板の下面側に基板加熱用の熱風を供給するように構成されているので、半田加熱室を半田予熱ゾーンとリフローゾーンとに区画することなく、制御装置によって半田加熱室内の温度雰囲気を切り替えることができ、半田予熱工程とリフロー工程とを1つの半田加熱室で選択的に実施することができる。すなわち、半田予熱ゾーン及びリフローゾーンの両方の機能を1つの半田加熱室で果たすことが可能となる。したがって、半田加熱室の基板搬送方向の長さを従来例の半田加熱装置よりも短くすることができ、装置の小型化を実現することができる。また、リフロー工程では、予熱工程での温度雰囲気を引き継ぐことができるので、従来例の半田加熱装置のように常温からリフロー工程に対応する温度雰囲気まで温度を上昇させる必要がなく、省エネルギー化を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
本発明の記述を続ける前に、添付図面において同じ部品については同じ参照符号を付している。
以下、本発明の最良の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
《第1実施形態》
本発明の第1実施形態にかかる半田加熱装置の構成を、図1〜図3を参照しながら説明する。図1は、本発明の第1実施形態にかかる半田加熱装置を上面側から見た模式説明図である。図2は、本発明の第1実施形態にかかる半田加熱装置を、基板搬送方向Xと直交する方向から見た模式説明図である。図3は、本発明の第1実施形態にかかる半田加熱装置を、基板搬送方向Xの上流側から下流側を見た模式説明図である。
【0021】
本発明の第1実施形態にかかる半田加熱装置は、上面1aに電子部品1cが半田(図示していない)を介して装着されている基板1が搬入される基板搬入口2aと、半田が加熱された基板1が搬出される基板搬出口2bとを有して、基板1を予熱する半田予熱工程と、基板1の半田を溶融させるリフロー工程とを選択的に実施可能な1つの半田加熱室2Aより構成されている半田加熱部2と、基板搬入口2aから半田加熱室2A内の基板処理基準位置2Bに基板1を搬入するとともに、半田予熱工程とリフロー工程では基板処理基準位置2Bに位置する基板1を基板搬入口2aと基板搬出口2bとの間で進退させる一方、半田加熱後の基板1を基板搬出口2aから半田加熱室2A外に搬出する基板搬送装置3を備えている。また、本発明の第1実施形態にかかる半田加熱装置は、半田加熱室2A内に搬入された基板1の上面1a側に半田融点(例えば210℃〜220℃)以上の温度の半田溶融用の熱風4Aをリフロー工程で供給して半田を溶融する上側熱風供給装置4と、半田加熱室2A内に搬入された基板1の下面1b側に基板加熱用の熱風5Aを半田予熱工程及びリフロー工程で供給する下側熱風供給装置5と、上側熱風供給装置4及び下側熱風供給装置5の熱風供給動作を制御可能な制御装置6とを備えている。
【0022】
半田加熱部2は、直方体形状の箱体で形成され、その内部に半田加熱室2Aが形成されている。半田加熱部2の対向する一対の面には、基板搬入口2a又は基板搬出口2bが夫々設けられており、基板搬入口2a及び基板搬出口2bと、半田加熱室2Aの中央部とを通るように基板搬送装置3が設けられている。半田加熱部2内の基板搬送装置3より上側には、上側熱風供給装置4が設けられており、半田加熱部2内の基板搬送装置3より下側には、下側熱風供給装置5が設けられている。
【0023】
基板搬送装置3は、一例としてチェーンコンベア方式の搬送装置である。基板搬送装置3は、図2に示すように、4つのガイドローラ3aと、駆動用モータ3bの回転軸に設けられたスプロケット3cとに一対のエンドレスチェーン3d,3dが架け渡されて、駆動用モータ3bが正方向に駆動することにより、一対のエンドレスチェーン3d,3dをスプロケット3cと4つのガイドローラ3aとに案内させて同期回転させ、基板1を基板搬送方向Xに搬送できるように構成されている。また、基板搬送装置3は、駆動用モータ3bが逆方向に駆動することにより、一対のエンドレスチェーン3d,3dをスプロケット3cと4つのガイドローラ3aとに案内させて同期回転させ、基板1を基板搬送方向Xと逆方向に搬送できるように構成されている。なお、駆動用モータ3bの駆動動作は制御装置6により制御される。基板搬送装置3が基板1を基板搬入口2aから半田加熱室2A内に搬入させる速度、及び基板搬送装置3が半田加熱後の基板1を半田加熱室2A内から基板搬出口2bを通過させて半田加熱室2A外に搬出させる速度は、例えば100mm/s程度に設定されている。
【0024】
また、基板搬送装置3は、基板処理基準位置2Bに搬送した基板1を、半田予熱工程とリフロー工程とを行う間、基板搬入口2aと基板搬出口2bとの間で進退(往復)させる。すなわち、基板搬送装置3は、基板処理基準位置2Bに搬送した基板1を基板搬送方向Xに揺動させる。この基板1の揺動速度は、例えば30mm/s程度に設定されている。また、基板1の揺動範囲は、基板処理基準位置2Bから基板搬送方向Xに±20mm程度の範囲に設定されている。基板搬送装置3は、このようにして、基板処理基準位置2Bに搬送した基板1を基板搬送方向Xに揺動させることによって上側熱風供給装置4の熱風4A及び下側熱風供給装置5の熱風5Aにより、基板1の全体を均一に加熱するように作用する。
【0025】
なお、基板1は、例えば炭素鋼等の金属で形成されたパレットに載置され、このパレットを介して基板搬送装置3により搬送されてもよい。この場合には、例えばパレットの大きさは基板1と同じ大きさで構成し、図1の点線で示す大きさの基板1Aを載置すればよい。
【0026】
上側熱風供給装置4は、上側ヒータ4aと上側ブロア4bとで構成されている。上側熱風供給装置4は、リフロー工程において、上側ヒータ4aの周囲の気体を、半田融点(例えば210℃〜220℃)以上の温度に上側ヒータ4aで加熱し、上側ブロア4bで半田加熱室2A内に搬入された基板1の上面1a側に供給することで、半田融点以上の温度の半田溶融用の熱風4Aを形成する。上側ヒータ4aの設定温度は、低すぎると長い加熱時間が必要になるため、半田融点よりも5℃以上高く設定することが好ましく、半田融点よりも10℃以上高く設定するとさらに好ましい。なお、上側熱風供給装置4は、半田予熱工程においても、半田融点以上の温度の半田溶融用の熱風4Aを形成するよう構成されてもよい。上側熱風供給装置4は、上側ブロア4bの周波数の設定を切り変えることにより、熱風4Aを任意の風速で供給することができる。
【0027】
なお、図2及び図3においては、上側ヒータ4aを上側ブロア4bよりも基板1に近い側に配置し、上側ブロア4bが上側ヒータ4aに向けて風を吹き付けて、半田加熱室2A内に搬入された基板1の上面1a側に熱風4Aを供給するように構成したが、上側ヒータ4aと上側ブロア4bとの配置が入れ替わってもよい。すなわち、上側ブロア4bは、上側ヒータ4aが加熱した上側ヒータ4aの周囲の気体を、吸引し攪拌して均一化したのち、半田加熱室2A内に搬入された基板1の上面1a側に供給することで、熱風4Aを形成するように構成されてもよい。
【0028】
下側熱風供給装置5は、下側ヒータ5aと下側ブロア5bとで構成されている。下側熱風供給装置5は、リフロー工程において、下側ヒータ5aの周囲の気体を、半田融点以上の温度に下側ヒータ5aで加熱し、下側ブロア5bで半田加熱室2A内に搬入された基板1の下面1b側に供給することで、半田融点以上の温度の基板加熱用の熱風5Aを形成する。下側ヒータ5aの設定温度は、基板1がパレットに載置されず、下側熱風供給装置5の熱風5Aが直接、基板1の下面1bに供給される場合には、上側熱風供給装置4の熱風4Aの温度、つまり上側ヒータ4aの設定温度よりも高く設定することが好ましく、半田融点よりも25℃以上高く設定すると加熱時間を短くできるためさらに好ましい。また、下側ヒータ5aの設定温度は、基板1がパレットに載置され、下側熱風供給装置5の熱風5Aがパレットを介して基板1の下面1bに供給される場合には、パレットの厚みや材質にもよるが、少なくとも上側ヒータ4aの設定温度よりも高く設定することが好ましく、半田融点よりも60℃以上高く設定すると加熱時間を短くできるためさらに好ましい。また、下側ヒータ5aの設定温度は、基板1が下面1bに電子部品1cを実装状態で半田付け接合し、上面1aに電子部品を装着した両面基板である場合には、下面1bの電子部品1cを接合している半田が溶融しないように、半田融点よりも低く設定することが好ましい。なお、下側熱風供給装置5は、半田予熱工程においても、基板加熱用の熱風5Aを形成するよう構成されてもよい。下側熱風供給装置5は、下側ブロア5bの周波数の設定を切り変えることにより、熱風5Aを任意の風速で供給することができる。
【0029】
なお、図2及び図3においては、下側ヒータ5aを下側ブロア5bよりも基板1に近い側に配置し、下側ブロア5bが下側ヒータ5aに向けて風を吹き付けることで、半田加熱室2A内に搬入された基板1の上面1a側に熱風5Aを供給するように構成したが、下側ヒータ5aと下側ブロア5bとの配置が入れ替わってもよい。すなわち、下側ブロア5bは、下側ヒータ5aが加熱した下側ヒータ5aの周囲の気体を、吸引し攪拌して均一化したのち、半田加熱室2A内に搬入された基板1の上面1a側に供給することで、熱風5Aを形成するように構成されてもよい。
【0030】
制御装置6は、加熱処理する対象となる基板1や半田の材料等に応じた温度プロファイルが記憶された記憶テーブルを有する記憶部(図示していない)を備えている。制御装置6は、その記憶部の記憶テーブルに基づいて、上側熱風供給装置4の上側ブロア4b及び下側熱風供給装置5の下側ブロア5bを制御して、半田予熱工程及びリフロー工程の切り替えを行う。より具体的には、制御装置6は、上側熱風供給装置4の上側ブロア4bを制御して、半田加熱室2A内に搬入された基板1の上面1a側に対して、リフロー工程で熱風4Aを供給するよう制御するとともに、下側熱風供給装置5の下側ブロア5bを制御して、半田加熱室2A内に搬入された基板1の下面1b側に対して、半田予熱工程で供給する熱風5Aの風量が、リフロー工程での熱風5Aの風量より多くなるように制御する。なお、半田予熱工程で供給する熱風5Aの風量は、リフロー工程での熱風5Aの風量より30%〜50%程度多くなるように制御されるのが好ましい。このように設定されることで、基板1の半田の加熱処理時間を効果的に短縮することができる。
【0031】
また、制御装置6には、各装置の動作状況や半田加熱室2A内の温度などを表示する表示部6aと、上側熱風供給装置4の熱風4Aの温度や風速などの設定条件を外部から入力指示可能な入力部6bと、半田加熱工程やリフロー工程等の時間を管理するための計時部(図示していない)とが設けられている。また、制御装置6には、点灯や点滅可能な警告灯15が接続されている。制御装置6は、各装置の動作状況等にエラーが生じた場合に、警告灯15を点灯や点滅させたりして周囲に、そのエラーを知らせることができるように構成されている。
【0032】
半田加熱室2A内には、基板搬送装置3より基板処理基準位置2Bに搬入された基板1よりも上側に、板状の熱風遮蔽部材7が設けられている。熱風遮蔽部材7には、基板処理基準位置2Bに位置する基板1と対向する位置に、基板1と大略同じ大きさの開口が設けられている。つまり、熱風遮蔽部材7はロの字形状を有している。熱風遮蔽部材7は、このように構成されることにより、基板1が基板処理基準位置2Bに位置するときに、上側熱風供給装置4の熱風4Aに下側熱風供給装置5の熱風5Aが干渉するのを妨げることができる。これにより、基板1上の電子部品1cが急激に加熱されることを防ぐことができる。なお、熱風遮蔽部材7は、基板1が基板処理基準位置2Bに位置するときにできる限り、基板1の近傍に位置するように設けられるのが好ましい。また、熱風遮蔽部材7は、半田加熱室2Aに一体的に形成されてもよい。
【0033】
なお、熱風遮蔽部材7は、上記構成に限定されるものではなく、基板1が基板処理基準位置2Bに位置するときに、上側熱風供給装置4の熱風4Aに下側熱風供給装置5の熱風5Aが干渉するのを妨げることができればよい。例えば、熱風遮蔽部材7は、複数の部材で構成されてもよい。
【0034】
半田加熱室2Aの外側で且つ基板搬送方向Xの上流側には、図1に示すように、基板1の先端部のエッジ1dを検出する第1のエッジ検出器10aが設けられている。基板処理基準位置2B近傍で且つ基板搬送方向Xの下流側には、基板1の先端部のエッジ1dを検出する第2のエッジ検出器10bが設けられている。半田加熱室2Aの外側で且つ基板搬送方向Xの下流側には、基板1の後端部のエッジ1eを検出する第3のエッジ検出器10cが設けられている。なお、第1のエッジ検出器10a、第2のエッジ検出器10b及び第3のエッジ検出器10cは、基板1のエッジ1d又はエッジ1eを検出するように構成したが、基板1がパレットに載置されて搬送される場合には、パレットのエッジを検出するように構成されてもよい。
【0035】
半田加熱室2Aの外側で且つ基板搬入口2a近傍には、基板搬入口2aを開閉可能な搬入口シャッター8が設けられている。搬入口シャッター8は、第1のエッジ検出器10aが先端部のエッジ1dを検出したとき、基板搬入口2aを開け、第2の検出器10bが先端部のエッジ1dを検出したとき、基板搬入口2aを閉じるように構成されている。
【0036】
半田加熱室2Aの外側で且つ基板搬出口2b近傍には、基板搬出口2bを開閉可能な搬出口シャッター9が設けられている。搬出口シャッター9は、第2の検出器10bが先端部のエッジ10bを検出してから一定時間経過したとき、基板搬出口2bを開け、第3の検出器10cが後端部のエッジ1eを検出したとき、基板搬出口2eを閉じるように構成されている。搬入口シャッター8及び搬出口シャッター9の開閉動作は、制御装置6により制御される。
【0037】
半田加熱部2の上部側には、半田加熱部2の上部の周りに所定の空間12が形成されるように外側カバー11が設けられている。外側カバー11と基板搬入口2a側の半田加熱部2の上部との間、及び外側カバー11と基板搬出口2b側の半田加熱部2の上部との間には夫々、図2に示すように、フィルタ13が設けられている。また、半田加熱部2の上面中央部2cには、外側カバー11を貫通して、基板1の搬送経路から離れた装置上方の空間と連通するようにフラックス吸引部14が取り付けられている。基板1の半田に含まれるフラックスは、加熱されることにより気化して、基板搬入口2a又は基板搬出口2bが開けられたときに、基板搬入口2a又は基板搬出口2bから半田加熱室2A外に排出される。半田加熱室2A外に排出されたフラックスは、半田加熱室2A内の温度より半田加熱室2A外の温度が低い(通常、常温)ために、急速に自然冷却されて他の基板に付着するなどの不具合を起こす原因となる。このため、フラックス吸引部14は、半田加熱室2A外に排出されたフラックスを吸引するための吸引力を発生させ、フィルタ13を介して所定の空間12にフラックスを吸引したのち、基板1の搬送経路から離れた装置上方の空間にフラックスを排出するように構成されている。
【0038】
本発明の第1実施形態の半田加熱装置は以上のように構成されている。
次に、本発明の第1実施形態の半田加熱装置の動作を、図1〜図5を参照しながら説明する。図4は、本発明の第1実施形態の半田加熱装置のタイミング動作の説明図である。図4のグラフは、基板1の温度変化を示している。図5は、上側及び下側熱風供給装置4,5のそれぞれのブロア4b,5bのインバータの周波数と熱風4A,5Aの風速との関係を示すグラフである。ここでは、二枚の基板の半田を加熱するときの各装置のタイミング動作について説明する。
【0039】
なお、本発明の第1実施形態においては、一例として、上側ブロア4aを、インバータ(周波数可変電源装置)で周波数5Hzに設定したときの風速を「弱1」とし、周波数12Hzに設定したときの風速を「弱2」としている。また、一例として、下側ブロア5aを、インバータで周波数32Hzに設定したときの風速を「弱」とし、周波数53Hzに設定したときの風速を「強」としている。つまり、図5より、風速「弱1」は風速約1m/sを示し、風速「弱2」は風速約2m/sを示し、風速「弱」は風速約5.5m/sを示し、風速「強」は風速約9m/sを示している。
また、本発明の第1実施形態において加熱処理される基板1は、デジタルカメラやDVDレコーダ等に用いられる小型のフレキシブル基板である。
【0040】
初期状態において、上側熱風供給装置4の上側ヒータ4aは、一例として、235℃の温度に設定され、上側ブロア4bは基板1の上面1a側に風速「弱1」の熱風4Aを供給している。また、下側熱風供給装置5の下側ヒータ5aは、一例として、280℃の温度に設定され、下側ブロア5bは基板1の下面1b側に風速「弱」の熱風5Aを供給している。また、基板1を搬送する基板搬送装置3の駆動用モータ3bは駆動しており、搬入口シャッター8、搬出口シャッター9は夫々、基板搬入口2a、基板搬出口2bを閉じている。
【0041】
この初期状態より、まず、基板搬送装置3に載置された1枚目の基板1が、基板搬送装置3により基板搬入口2aに向けて基板搬送方向Xに搬送される。
1枚目の基板1が基板搬送方向Xに搬送され、第1のエッジ検出部10aが1枚目の基板1の先端部のエッジ1dを検出すると、制御装置6は搬入口シャッター8を駆動して基板搬入口2aを開けるとともに、下側熱風供給装置5の下側ブロア5aを制御して、計時部(図示していない)の計時時間をリセットする。このとき同時に、1枚目の基板1の加熱処理の準備のために、熱風5Aの風速を「弱」から「強」に切り替え、半田加熱室2Aの温度を上昇させる。
【0042】
この状態で1枚目の基板1がさらに基板搬送方向Xに搬送されると、1枚目の基板1は基板搬入口2aを通過して半田加熱室2A内に搬送される。そして、1枚目の基板1が基板処理基準位置2Bまで搬送され、第2のエッジ検出部10bが1枚目の基板1の先端部のエッジ1dを検出すると、制御装置6は、搬入口シャッター8を駆動して基板搬入口2aを閉じる。
【0043】
次いで、制御装置6は、基板搬送装置3の駆動用モータ3bを正方向又は逆方向に交互に駆動させて、1枚目の基板1を基板搬入口2aと基板搬出口2bとの間の揺動範囲内で往復(進退)させる。
次いで、制御装置6は、計時部の計時時間が、第1のエッジ検出部10aが1枚目の基板1の先端部のエッジ1dを検出してリセットされてから予め設定された予熱時間(例えば15秒〜30秒)の間、上側熱風供給装置4の上側ブロア4aを制御して、風速「弱1」の熱風4Aを基板1の上面1aに供給するとともに、下側熱風供給装置5の下側ブロア5aを制御して、風速「強」の熱風5Aを基板1の下面1bに供給して、電子部品1c及び半田を含めた基板1全体を予熱する。このとき、基板1の温度は、図4に示すように、なだらかなカーブで上昇する。上記予熱時間が終了すると、制御装置6は、上側熱風供給装置4の上側ブロア4aを制御して、熱風4Aの風速を「弱1」から「弱2」に切り替えるとともに、下側熱風供給装置5の下側ブロア5aを制御して、熱風5Aの風速を「強」から「弱」に切り替える。このとき同時に、制御装置6は計時部(図示していない)の計時時間をリセットする。
【0044】
次いで、制御装置6は、上記予熱時間が終了して計時部の計時時間をリセットしてから予め設定されたリフロー時間(例えば15〜30秒)の間、上側熱風供給装置4の上側ブロア4aを制御して、風速「弱2」の熱風4Aを基板1の上面1aに供給するとともに、下側熱風供給装置5の下側ブロア5aを制御して、風速「弱」の熱風5Aを基板1の下面1bに供給して、基板1の半田を溶融させる。このとき、基板1の温度は、上記予熱時よりもなだらかなカーブで上昇し、約240℃の温度でキープされる。上記リフロー時間が終了すると、制御装置6は、基板搬送装置3の駆動用モータ3bを制御して、1枚目の基板1の上記往復動作を停止し、再び1枚目の基板1を搬送方向Xに搬送する。このとき同時に、制御装置6は、上側熱風供給装置4の上側ブロア4aを制御して、熱風4Aの風速を「弱2」から「弱1」に切り替えるとともに、搬出口シャッター9を駆動して基板搬出口2bを開ける。
【0045】
この状態で1枚目の基板1がさらに基板搬送方向Xに搬送されると、1枚目の基板1は基板搬出口2bを通過して半田加熱室2A外に搬送される。そして、第3のエッジ検出部10cが1枚目の基板1の後端部のエッジ1eを検出すると、制御装置6は、搬出口シャッター9を駆動して基板搬入口2bを閉じる。なおこのとき、加熱され溶融した一枚目の基板1の半田は、半田加熱室2A内から半田加熱室2A外に搬送されることにより、自然冷却されて固まって、基板1と電子部品1cとを接合する。
【0046】
この状態で基板搬送装置3の駆動用モータ3bがさらに駆動され続けると、基板搬送方向Xの上流側で基板搬送装置3に載置された2枚目の基板1が基板搬送方向Xに搬送される。そして、第1のエッジ検出部10aが2枚目の基板1の先端部のエッジ1dを検出すると、制御装置6は、搬入口シャッター8を駆動して基板搬入口2aを開けるとともに、計時部の計時時間をリセットする。このとき同時に、制御装置6は、下側熱風供給装置5の下側ブロア5aを制御して、2枚目の基板1の加熱処理の準備のために、熱風5Aの風速を「弱」から「強」に切り替え、半田加熱室2Aの温度を上昇させる。
【0047】
この状態で2枚目の基板1がさらに基板搬送方向Xに搬送されると、2枚目の基板1は基板搬入口2aを通過して半田加熱室2A内に搬送される。
以下、本発明の第1実施形態の半田加熱装置は、上述した1枚目の基板1の加熱処理動作と同様に動作して、2枚目の基板1を加熱処理する。
以上のように本発明の第1実施形態の半田加熱装置は動作して、基板1の半田を加熱して溶融する。
【0048】
本発明の第1実施形態の半田加熱装置によれば、半田予熱工程では、下側熱風供給装置5より半田加熱室2A内に搬入された基板1の下面1b側にリフロー工程で供給する基板加熱用の熱風5Aよりも風速の速い熱風5Aを供給し、リフロー工程では、上側熱風供給装置4より半田加熱室2A内に搬入された基板1の上面1a側に半田融点以上の温度の半田溶融用の熱風4Aを供給するとともに、下側熱風供給装置5より半田加熱室2A内に搬入された基板1の下面1b側に基板加熱用の熱風5Aを供給するように構成され、半田予熱工程及びリフロー工程での、熱風4A及び熱風5Aの温度が一定に構成されている(すなわち、半田予熱工程で基板1の下面1b側に供給される熱量が、リフロー工程で基板1の下面1b側に供給される熱量よりも多くなるように構成されている)ので、半田加熱室2Aを半田予熱ゾーンとリフローゾーンとに区画することなく、制御装置6によって半田加熱室2A内の温度雰囲気を切り替えることができ、半田予熱工程とリフロー工程とを1つの半田加熱室2Aで選択的に実施することができる。すなわち、半田予熱ゾーン及びリフローゾーンの両方の機能を1つの半田加熱室2Aで果たすことが可能となる。したがって、半田加熱室2Aの基板搬送方向Xの長さ(幅)を従来例の半田加熱装置よりも短くすることができ、装置の小型化を実現することができる。
【0049】
また、本発明の第1実施形態の半田加熱装置によれば、半田予熱工程とリフロー工程では基板1を基板搬入口2aと基板搬出口2bとの間で進退させるように基板搬送装置3が構成されているので、上側熱風供給装置4より基板1の上面1a側に供給される熱風4A及び下側熱風供給装置5より基板1の下面1b側に供給される熱風5Aにムラが有っても上記進退動作によって、基板1の位置を変えることができるので、基板1全体を均一に加熱することができる。したがって、半田加熱室2Aの基板搬送方向Xの長さ(幅)を従来例の半田加熱装置よりも短くすることができ、装置を小型化することができる。より具体的には、例えば、従来例の半田加熱装置が、幅300cm(〜700cm)×奥行き100cm×高さ160cm程度のサイズであるのに対して、本発明の第1実施形態の半田加熱装置は、幅75cm×奥行き100cm×高さ160cm程度のサイズまで小型化することができる。つまり、従来例の半田加熱装置の1/4以下のサイズにすることができる。
【0050】
また、本発明の第1実施形態の半田加熱装置によれば、リフロー工程では、予熱工程での温度雰囲気を引き継ぐことができるので、従来例の半田加熱装置のように常温からリフロー工程に対応する温度雰囲気まで温度を上昇させる必要がなく、省エネルギー化を実現することができる。また、1枚の基板を加熱処理しようとすれば、従来例の半田加熱装置であれば予熱ゾーンとリフローゾーンの少なくとも2つのゾーンを同時に加熱しなければならないのに対して、上記第1実施形態の半田加熱装置によれば、1つの半田加熱室2Aを加熱すればよいので、省エネルギー化を実現することができる。
【0051】
また、本発明の第1実施形態の半田加熱装置によれば、半田加熱室2A内の、基板搬送装置3より基板処理基準位置2Bに搬入された基板1の周囲よりも上側に、熱風遮蔽部材7を設けているので、基板1が基板処理基準位置2Bに位置するときに、上側熱風供給装置4の熱風4Aに下側熱風供給装置5の熱風5Aが干渉するのを妨げることができる。つまり、基板1の上面1bには、下側熱風供給装置5の熱風5Aが当たり難くなっている。したがって、下側熱風供給装置5の熱風5Aを上側熱風供給装置4の熱風4Aよりも温度を高くしたり風速を速くすることなどによって生じる、基板1上の電子部品1cの急激な温度変化を防ぐことができる。
【0052】
また、本発明の第1実施形態の半田加熱装置によれば、下側熱風供給装置5の熱風5Aの設定温度を適宜変更することで、基板1がパレットに載置されて搬送される場合、基板1が直接搬送される場合、基板1が両面基板である場合等、様々な条件下においても1つの半田加熱室2Aで半田予熱工程及びリフロー工程を行うことができる。
【0053】
また、従来例の半田加熱装置においては、一枚の基板を加熱処理するのに、例えば上記サイズの装置では3分30秒程度の処理時間を要する。これに対して、本発明の第1実施形態の半田加熱装置によれば、1つの半田加熱室2A内で半田予熱工程及びリフロー工程を行うことができるので、半田加熱室2A内には1枚の基板だけ位置すればよく、つまり1個流し生産が可能であり、工程在庫を削減することができるとともに一枚の基板を加熱処理するまでに要する時間を大幅に短縮できる。例えば上記サイズの装置では一枚当たりの加熱処理時間を1分程度にすることができる。
【0054】
また、従来例の半田加熱装置においては、一枚当たりの処理時間を短縮させるために、複数の基板を連続的に半田加熱室内に搬送して、複数の基板を同時並行して加熱する方法が一般的に採られている。例えば、7枚の基板を連続的に半田加熱室内に搬送した場合には、一枚当たりの処理時間は30秒程度に短縮される。しかしながら、この方法においては、半田加熱室内に位置する基板が多いため、工程在庫が多く、エラー等が発生した場合に無駄になる基板が多く発生するという課題がある。これに対して、本発明の第1実施形態の半田加熱装置においては、一例として上述したように従来例の半田加熱装置の1/4以下のサイズとすることが可能であるので、従来例の半田加熱装置1台のスペースで本装置が4台以上設置可能となり、一枚当たりの加熱処理時間を15秒以下に短縮することが可能となる。
【0055】
なお、本発明の第1実施形態においては、搬入口シャッター8及び搬出口シャッター9を設けて、熱風4A及び熱風5Aが半田加熱室2A外に漏れるのを防ぐことが好ましいが、無くても構わない。また、図6に示すように、基板搬入口2a(及び基板搬出口2b)の近傍に、複数の板体を所定の間隔を持って立設させたラビリンス部2bを設けても同様の効果を得ることができる。
また、本発明の第1実施形態においては、半田加熱室2A内に第2のエッジ検出部10bを設けて、第2のエッジ検出部10bが基板1の先端部のエッジ1dを検出することで、制御装置6が、搬入口シャッター10bを駆動して基板搬入口2aを閉じ、基板搬送装置3の駆動用モータ3bを正方向又は逆方向に交互に駆動させて、1枚目の基板1を基板搬入口2aと基板搬出口2bとの間の揺動範囲内で往復させるように構成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、基板1を一定速度で基板搬送方向Xに搬送し、第1のエッジ検出部10aが基板1の先端部のエッジ1dを検出してから、基板1が基板処理基準位置2Bに到着するまでの時間の経過後、制御装置6が、搬入口シャッター10bを駆動して基板搬入口2aを閉じ、基板搬送装置3の駆動用モータ3bを正方向又は逆方向に交互に駆動させて、1枚目の基板1を基板搬入口2aと基板搬出口2bとの間の揺動範囲内で往復させるように構成してもよい。
【0056】
また、本発明の第1実施形態においては、熱風4A及び熱風5Aの、風速及び温度を、具体的に数値を挙げて説明したが、本発明はこれには限定されない。風速と温度とは相関関係にあり、例えば、上記の条件において、風速を上げて温度を下げたい場合や、風速を下げて温度を上げたい場合には、下記の式により導くことができる。
【0057】
Re=uL/v ・・・・・・(1)
Nu=0.664Pr1/3×Re1/2・・・・・・(2)
α=Nu×k/l ・・・・・・(3)
Q=α×S(T−Tpcb) ・・・・・・(4)
【0058】
ここで、αは平均強制対流熱伝達率(W/(mK))を示し、Nuは平均ヌッセルト数を示し、kは流体の熱伝導率(W/(mK))を示し、lは基板長さ(m)を示し、Prは流体のプラントル数(250℃の空気は0.71)を示し、uは流体の風速(m/s)を示し、vは動粘性係数(m/s)を示し、Reはレイノルズ数を示し、Lは流路の代表長さ(m)を示し、Qは基板が受け取る熱量(kg/m)を示し、αは熱伝達率を示し、Sは基板表面積(m)を示し、Tは、雰囲気温度、つまり熱風の温度(℃)を示し、Tpcbは基板の温度(℃)を示す。
【0059】
例えば、熱風5Aを風速2m/sに設定した場合、基板1の半田に十分な熱量Qが供給するためには、温度を345℃以上に設定しなければならない。しかしながら、このように高い設定温度ではウィッキングなどの不具合を起こす可能性がある。このような不具合を防ぐためには、風速を上げて、温度を下げることが有効である。
【0060】
そこで、例えば、熱風5Aの風速を1.5倍にした場合、(1)式より、レイノルズ数Reが1.5倍になり、(2)式より、レイノルズ数Reの2乗根に比例する平均ヌッセルト数Nuが約1.2倍になる。平均ヌッセルト数Nuが約1.2倍になると、(3)式より、平均ヌッセルト数Nuに比例する熱伝達率αも約1.2倍になる。基板1が受け取る熱量Qが上記条件と同じである場合、(4)式より、熱風5Aの温度Taは熱伝達率αに反比例するので約0.83倍となる。すなわち、熱風5Aの風速を1.5倍にすると、温度を約83%に下げることができ、上記の条件下では、風速3m/sにすることにより、温度を286℃に下げることが可能となる。
【0061】
《第2実施形態》
本発明の第2実施形態にかかる半田加熱装置を、図1〜図3及び図7を参照しながら説明する。図7は、本発明の第2実施形態にかかる半田加熱装置のタイミング動作の説明図である。図7のグラフは基板1の温度変化を示している。本発明の第2実施形態にかかる半田加熱装置は、半田予熱工程及びリフロー工程における制御装置6の上側熱風供給装置4及び下側熱風供給装置5の制御動作が異なる点(基板に応じて供給する熱量を異ならせる点)で、本発明の第1実施形態にかかる半田加熱装置と異なる。その他の点においては、本発明の第1実施形態と同様であるので重複する説明は省略する。
【0062】
本発明の第2実施形態において加熱処理される基板1は、パーソナルコンピュータ等に用いられているFR4(Flame Retardant Type 4)プリント基板等の中型基板である。ここで、FR4とは、ガラス繊維とエポキシ樹脂の複合材料からなる難燃性のプリント基板材料をいう。FR4プリント基板等の中型の基板は、大きさや耐熱温度の異なった電子部品が多数搭載されるため、半田予熱工程において、第1実施形態で示した小型基板のように一様に温度を上げると、基板1面内に温度のバラツキが生じる。
【0063】
このため、本発明の第2実施形態においては、基板1の温度が、図7に示すように変化するように、制御装置6が上側熱風供給装置4及び下側熱風供給装置5を制御している。以下、本発明の第2実施形態にかかる半田加熱装置の動作を説明する。
なお、本発明の第2実施形態において、上側熱風供給装置4の熱風4Aの風速「弱1」,「弱2」、及び温度の設定、下側熱風供給装置5の熱風5Aの風速「弱」,「強」、及び温度の設定は、本発明の第1実施形態と同様である。また、搬入口シャッター8及び搬出口シャッター9の動作については説明を省略する。また、第1のエッジ検出部10aが基板1の先端部のエッジ1dを検出し、計時部の計時時間をリセットした時点を初期状態として説明する。
【0064】
初期状態において、上側ブロア4bは基板1の上面1a側に風速「弱1」の熱風4Aを供給しており、下側ブロア5bは基板1の下面1b側に風速「強」の熱風5Aを供給している。また、基板1を搬送する基板搬送装置3の駆動用モータ3bは駆動している。
【0065】
この初期状態より、まず、基板搬送装置3により、基板1が基板搬送方向Xに搬送されると、基板1は基板搬入口2aを通過して半田加熱室2A内に搬送される。そして、基板1が基板処理基準位置2Bまで搬送され、第2のエッジ検出部10bが基板1の先端部のエッジ1dを検出すると、制御装置6は、基板搬送装置3の駆動用モータ3bを正方向又は逆方向に交互に駆動させて、基板1を基板搬入口2aと基板搬出口2bとの間の揺動範囲内で往復(進退)させる。
【0066】
次いで、制御装置6は、計時部の計時時間が、第1のエッジ検出部10aが基板1の先端部のエッジ1dを検出してリセットされてから予め設定された第1予熱時間(例えば10〜15秒)の間、上側熱風供給装置4の上側ブロア4aを制御して、風速「弱1」の熱風4Aを基板1の上面1aに供給するとともに、下側熱風供給装置5の下側ブロア5aを制御して、風速「強」の熱風5Aを基板1の下面1bに供給して、電子部品1a及び半田を含めた基板1全体を予熱する。このとき、基板1の温度は、比較的急な勾配で上昇する。上記第1予熱時間が終了すると、制御装置6は、上側熱風供給装置4の上側ブロア4aを制御して、熱風4Aの風速を「弱1」から「弱2」に切り替えるとともに、下側熱風供給装置5の下側ブロア5aを制御して、熱風5Aの風速を「強」から「弱」に切り替える。このとき同時に、制御装置6は計時部の計時時間をリセットする。
【0067】
次いで、制御装置6は、計時部の計時時間が、第1予熱時間が終了してリセットされてから予め設定された第2予熱時間(例えば10〜30秒)の間に達すると、上側熱風供給装置4の上側ブロア4aを制御して、風速「弱2」の熱風4Aを基板1の上面1aに供給するとともに、下側熱風供給装置5の下側ブロア5aを制御して、風速「弱」の熱風5Aを基板1の下面1bに供給して、電子部品1a及び半田を含めた基板1全体を予熱する。このとき、基板1の温度は、なだらか勾配で上昇する。上記第2予熱時間が終了すると、制御装置6は、上側熱風供給装置4の上側ブロア4aを制御して、熱風4Aの風速を「弱2」から「弱1」に切り替えるとともに、下側熱風供給装置5の下側ブロア5aを制御して、熱風5Aの風速を「弱」から「強」に切り替える。このとき同時に、制御装置6は計時部の計時時間をリセットする。
【0068】
次いで、制御装置6は、計時部の計時時間が、第2予熱時間が終了してリセットされてから予め設定された第3予熱時間(例えば5〜10秒)の間、上側熱風供給装置4の上側ブロア4aを制御して、風速「弱1」の熱風4Aを基板1の上面1aに供給するとともに、下側熱風供給装置5の下側ブロア5aを制御して、風速「強」の熱風5Aを基板1の下面1bに供給して、電子部品1a及び半田を含めた基板1全体を予熱する。このとき、基板1の温度は、比較的急な勾配で上昇する。上記第3予熱時間が終了すると、上側熱風供給装置4の上側ブロア4aを制御して、熱風4Aの風速を「弱1」から「弱2」に切り替えるとともに、下側熱風供給装置5の下側ブロア5aを制御して、熱風5Aの風速を「強」から「弱」に切り替える。このとき同時に、制御装置6は計時部の計時時間をリセットする。
【0069】
次いで、制御装置6は、計時部の計時時間が、第3予熱時間が終了してリセットされてから予め設定されたリフロー時間(例えば5〜10秒)の間、上側熱風供給装置4の上側ブロア4aを制御して、風速「弱2」の熱風4Aを基板1の上面1aに供給するとともに、下側熱風供給装置5の下側ブロア5aを制御して、風速「弱」の熱風5Aを基板1の下面1bに供給して、基板1の半田を溶融する。このとき、基板1の温度は、なだらか勾配で上昇し、約240℃の温度でキープされる。上記リフロー時間が終了すると、制御装置6は、上側熱風供給装置4の上側ブロア4aを制御して、熱風4Aの風速を「弱2」から「弱1」に切り替えるとともに、基板搬送装置3の駆動用モータ3bを制御して、基板1の上記往復動作を停止し、再び基板1を搬送方向Xに搬送して、基板搬出口2bを通過させて半田加熱室2A外に搬出する。このとき、加熱され溶融した基板1の半田は、半田加熱室2A内から半田加熱室2A外に搬送されることにより、自然冷却されて固まって、基板1と電子部品1cとを接合する。
【0070】
以上のように本発明の第2実施形態にかかる半田加熱装置は動作する。
なお、上記第2実施形態では、上側熱風供給装置4の熱風4Aの風速を「弱1」→「弱2」→「弱1」→「弱2」と切り替えるとともに、下側熱風供給装置5の熱風5Aの風速を「強」→「弱」→「強」→「弱」と切り替えることにより、半田加熱室2A内で基板1の温度を、2段階で上昇させる例を説明したがこれには限定されない。例えば、図8に示すように基板1の温度が徐々に上昇するように、制御装置6が上側熱風供給装置4及び下側熱風供給装置5を制御してもよい。このときの本発明の第2実施形態にかかる半田加熱装置の動作について以下に説明する。
【0071】
なお、図8において、「弱3」は、一例として、「弱」より約20%ダウンさせた周波数に設定され、「弱4」は、一例として、「弱3」より約20%ダウンさせた周波数に設定されている。つまり、「弱3」は、周波数26Hz、風速約4.5m/sの熱風5Aを示し、「弱4」は、周波数21Hz、風速約3.5m/sの熱風5Aを示している。
【0072】
初期状態において、上側ブロア4bは基板1の上面1a側に風速「弱1」の熱風4Aを供給しており、下側ブロア5bは基板1の下面1b側に風速「強」の熱風5Aを供給している。また、基板1を搬送する基板搬送装置3の駆動用モータ3bは駆動している。
【0073】
この初期状態より、まず、基板搬送装置3により、基板1が基板搬送方向Xに搬送されると、基板1は基板搬入口2aを通過して半田加熱室2A内に搬送される。そして、基板1が基板処理基準位置2Bまで搬送され、第2のエッジ検出部10bが基板1の先端部のエッジ1dを検出すると、制御装置6は、基板搬送装置3の駆動用モータ3bを正方向又は逆方向に交互に駆動させて、基板1を基板搬入口2aと基板搬出口2bとの間で往復(進退)させる。
【0074】
次いで、制御装置6は、計時部の計時時間が、第1のエッジ検出部10aが基板1の先端部のエッジ1dを検出してリセットされてから予め設定された第1予熱時間(例えば10〜15秒)間、上側熱風供給装置4の上側ブロア4aを制御して、風速「弱1」の熱風4Aを基板1の上面1aに供給するとともに、下側熱風供給装置5の下側ブロア5aを制御して、風速「強」の熱風5Aを基板1の下面1bに供給して、電子部品1a及び半田を含めた基板1全体を予熱する。このとき、基板1の温度は、比較的急な勾配で上昇する。上記第1予熱時間が終了すると、制御装置6は、下側熱風供給装置5の下側ブロア5aを制御して、熱風5Aの風速を「強」から「弱3」に切り替える。このとき同時に、制御装置6は計時部の計時時間をリセットする。
【0075】
次いで、制御装置6は、計時部の計時時間が、第1予熱時間が終了してリセットされてから予め設定された第2予熱時間(例えば10〜20秒)の間、上側熱風供給装置4の上側ブロア4aを制御して、風速「弱1」の熱風4Aを基板1の上面1aに供給するとともに、下側熱風供給装置5の下側ブロア5aを制御して、風速「弱3」の熱風5Aを基板1の下面1bに供給して、電子部品1a及び半田を含めた基板1全体を予熱する。このとき、基板1の温度は、上記第1予熱時間での基板1の温度の勾配よりもなだらかな勾配で上昇する。上記第2予熱時間が終了すると、制御装置6は、下側熱風供給装置5の下側ブロア5aを制御して、熱風5Aの風速を「弱3」から「弱4」に切り替える。このとき同時に、制御装置6は計時部の計時時間をリセットする。
【0076】
次いで、制御装置6は、計時部の計時時間が予め設定された第3予熱時間(例えば10〜20秒)の間、上側熱風供給装置4の上側ブロア4aを制御して、風速「弱1」の熱風4Aを基板1の上面1aに供給するとともに、下側熱風供給装置5の下側ブロア5aを制御して、風速「弱4」の熱風5Aを基板1の下面1bに供給して、電子部品1a及び半田を含めた基板1全体を予熱する。このとき、基板1の温度は、上記第2予熱時間での基板1の温度の勾配よりもなだらかな勾配で上昇する。上記第3予熱時間が終了すると、制御装置6は、上側熱風供給装置4の上側ブロア4aを制御して、熱風4Aの風速を「弱1」から「弱2」に切り替えるとともに、下側熱風供給装置5の下側ブロア5aを制御して、熱風5Aの風速を「弱4」から「弱」に切り替える。このとき同時に、制御装置6は計時部の計時時間をリセットする。
【0077】
次いで、制御装置6は、計時部の計時時間が予め設定されたリフロー時間(例えば5〜10秒)の間、上側熱風供給装置4の上側ブロア4aを制御して、風速「弱1」の熱風4Aを基板1の上面1aに供給するとともに、下側熱風供給装置5の下側ブロア5aを制御して、風速「弱」の熱風5Aを基板1の下面1bに供給して、電子部品1a及び半田を含めた基板1全体を予熱する。このとき、基板1の温度は、上記第3予熱時間での基板1の温度の勾配よりもなだらかな勾配で上昇する。上記第リフロー時間が終了すると、制御装置6は、上側熱風供給装置4の上側ブロア4aを制御して、熱風4Aの風速を「弱2」から「弱1」に切り替えるとともに、基板搬送装置3の駆動用モータ3bを制御して、基板1の上記往復動作を停止し、再び基板1を搬送方向Xに搬送して、基板搬出口2bを通過させて半田加熱室2A外に搬出する。このとき、加熱され溶融した基板1の半田は、半田加熱室2A内から半田加熱室2A外に搬送されることにより、自然冷却されて固まって、基板1と電子部品1cとを接合する。
【0078】
以上のように本発明の第2実施形態にかかる半田加熱装置は動作する。
このように動作することにより、本発明の第2実施形態にかかる半田加熱装置は、FR4プリント基板等の中型基板を、基板1面内に温度のバラツキを生じさせることなく、加熱処理することができる。
【0079】
なお、上記第2実施形態では計時部の計時時間により熱風の切り替えを制御するように構成したが、基板1の温度を検知する温度センサを設けて、この温度センサの検知温度に基づいて熱風の切り替えを制御するように構成してもよい。
【0080】
《第3実施形態》
本発明の第3実施形態にかかる半田加熱装置の構成を、図9を参照しながら説明する。図9は、本発明の第3実施形態にかかる半田加熱装置を上面側より見た模式説明図である。本発明の第3実施形態にかかる半田加熱装置は、半田加熱部2の基板搬送方向2Aの長さと、基板搬送装置3の半田加熱室2A内における搬送方法及び搬送速度とが異なるで、本発明の第1実施形態にかかる半田加熱装置と異なる。その他の点においては、本発明の第1実施形態と同様であるので重複する説明は省略する。
【0081】
制御装置6は、基板1を、基板搬入口2aを通過させて基板処理基準位置2Bに搬送して第2のエッジ検出器10bが基板1の先端部のエッジ1dを検出すると、速度を落として、低速で且つ一定速度で基板搬出口2bまで搬送し、第2のエッジ検出器10bが基板1の先端部のエッジ1dを検出してから所定の時間経過すると、速度を速めて基板搬出口2bから半田加熱室2外に排出するように基板搬送装置3を制御する。第2のエッジ検出器10bが基板1の先端部のエッジ1dを検出してから第4のエッジ検出器10dが基板1の先端部のエッジ1dを検出するまでの、基板搬送装置3が基板1を搬送する速度は、遅すぎると基板1全体に均一に熱風4A及び熱風5Aを供給できず、速すぎると半田予熱工程及びリフロー工程を行えないので、例えば、3.5mm/s〜10.0mm/sの範囲内の定速に設定されることが好ましい。また、上記速度が速いと、半田予熱工程及びリフロー工程を行う時間を確保するために、半田加熱室2の基板搬送方向2Aの長さを長くしなければならず、装置が大型化してしまうので、7.0mm/s以下に設定されることがさらに好ましい。なお、上記速度は、半田予熱工程とリフロー工程とで低速の速度を異ならせてもよい。
【0082】
また、半田加熱部2の半田加熱室2Aは、第2のエッジ検出器10bから基板搬出口2dまでの距離が、本発明の第1実施形態よりも長く構成されている。つまり、半田加熱部2の半田加熱室2Aの基板搬送方向Xの長さが、本発明の第1実施形態よりも長く構成されている。例えば上記速度が3.5mm/sであり、リフロー工程におけるリフロー時間が60秒である場合には、約210mm程度長くなるように構成されている。
【0083】
本発明の第3実施形態の半田加熱装置は以上のように構成されている。
次に、本発明の第3実施形態の半田加熱装置の動作を、図10を参照しながら説明する。図10は、本発明の第3実施形態にかかる半田加熱装置のタイミング動作の説明図である。図10のグラフは、基板1の温度変化を示している。ここでは、二枚の基板の半田を加熱するときの各装置のタイミング動作について説明する。なお、搬入口シャッター8及び搬出口シャッター9の動作は省略する。
【0084】
初期状態において、上側熱風供給装置4の上側ヒータ4aは、一例として、235℃に温度設定され、上側ブロア4bは基板1の上面1a側に風速「弱1」の熱風4Aを供給している。また、下側熱風供給装置5の下側ヒータ5aは、一例として、280℃に温度設定され、下側ブロア5bは基板1の下面1b側に風速「弱」の熱風5Aを供給している。また、基板搬送装置3の駆動用モータ3bは、一例として、基板1を100mm/sの速度で移動させるように駆動している。
【0085】
この初期状態より、まず、基板搬送装置3に載置された1枚目の基板1が基板搬送装置3により基板搬入口2aに向けて基板搬送方向Xに搬送される。
1枚目の基板1が基板搬送方向Xに搬送され、第1のエッジ検出部10aが1枚目の基板1の先端部のエッジ1dを検出すると、制御装置6は計時部(図示していない)の計時時間をリセットするとともに、下側熱風供給装置5の下側ブロア5aを制御して、1枚目の基板1の加熱処理の準備のために、熱風5Aの風速を「弱」から「強」に切り替え、半田加熱室2Aの温度を上昇させる。
【0086】
この状態で1枚目の基板1がさらに基板搬送方向Xに搬送されると、1枚目の基板1は基板搬入口2aを通過して半田加熱室2A内に搬送される。そして、1枚目の基板1が基板処理基準位置2Bまで搬送され、第2のエッジ検出部10bが1枚目の基板1の先端部のエッジ1dを検出すると、制御装置6は、基板搬送装置3の駆動用モータ3bの駆動を遅くして、1枚目の基板1を基板搬入口2aと基板搬出口2bとの間で、例えば3.5mm/sの低速で且つ一定速度で移動させる。
【0087】
次いで、制御装置6は、計時部の計時時間が、第1のエッジ検出部10aが1枚目の基板1の先端部のエッジ1dを検出してから予め設定された予熱時間(例えば15〜30秒)の間、上側熱風供給装置4の上側ブロア4aを制御して、風速「弱1」の熱風4Aを基板1の上面1aに供給するとともに、下側熱風供給装置5の下側ブロア5aを制御して、風速「強」の熱風5Aを基板1の下面1bに供給して、電子部品1a及び半田を含めた基板1全体を予熱する。このとき、基板1の温度は、図10に示すように、なだらかなカーブで上昇する。上記予熱時間が終了すると、制御装置6は、上側熱風供給装置4の上側ブロア4aを制御して、熱風4Aの風速を「弱1」から「弱2」に切り替えるとともに、下側熱風供給装置5の下側ブロア5aを制御して、熱風5Aの風速を「強」から「弱」に切り替える。このとき同時に、制御装置6は計時部(図示していない)の計時時間をリセットする。
【0088】
次いで、制御装置6は、計時部の計時時間が、上記予熱時間が終了してリセットされてから予め設定されたリフロー時間(例えば15〜30秒)の間、上側熱風供給装置4の上側ブロア4aを制御して、風速「弱2」の熱風4Aを基板1の上面1aに供給するとともに、下側熱風供給装置5の下側ブロア5aを制御して、風速「弱」の熱風5Aを基板1の下面1bに供給して、基板1の半田を溶融させる。このとき、基板1の温度は、上記予熱時よりもなだらかなカーブで上昇し、約240℃の温度でキープされる。上記リフロー時間が終了すると、制御装置6は、上側熱風供給装置4の上側ブロア4aを制御して、熱風4Aの風速を「弱2」から「弱1」に切り替えるとともに、基板搬送装置3の駆動用モータ3bを制御して、再び搬送速度を100mm/sの速度に速めて、1枚目の基板1を搬送方向Xに搬送し、基板搬出口2bを通過させて半田加熱室2A外に搬送する。
【0089】
なおこのとき、加熱され溶融した1枚目の基板1の半田は、半田加熱室2A内から半田加熱室2A外に搬送されることにより、自然冷却されて固まって、基板1と電子部品1cとを接合する。
【0090】
この状態で基板搬送装置3の駆動用モータ3bがさらに駆動され続けると、基板搬送方向Xの上流側で基板搬送装置3に載置された2枚目の基板1が基板搬送方向Xに搬送される。そして、第1のエッジ検出部10aが2枚目の基板1の先端部のエッジ1dを検出すると、制御装置6は計時部の計時時間をリセットする。このとき同時に、制御装置6は、下側熱風供給装置5の下側ブロア5aを制御して、2枚目の基板1の加熱処理の準備のために、熱風5Aの風速を「弱」から「強」に切り替え、半田加熱室2Aの温度を上昇させる。
【0091】
この状態で2枚目の基板1がさらに基板搬送方向Xに搬送されると、2枚目の基板1は基板搬入口2aを通過して半田加熱室2A内に搬送される。
以下、本発明の第3実施形態の半田加熱装置は、上述した1枚目の基板1の加熱処理動作と同様に動作して、2枚目の基板1を加熱処理する。
以上のように本発明の第3実施形態の半田加熱装置は動作して、基板1の半田を加熱する。
【0092】
本発明の第3実施形態にかかる半田加熱装置によれば、半田予熱工程では、下側熱風供給装置5より半田加熱室2A内に搬入された基板1の下面1b側にリフロー工程で供給する基板加熱用の熱風5Aよりも風速の速い熱風5Aを供給し、リフロー工程では、上側熱風供給装置4より半田加熱室2A内に搬入された基板1の上面1a側に半田融点以上の温度の半田溶融用の熱風4Aを供給するとともに、下側熱風供給装置5より半田加熱室2A内に搬入された基板1の下面1b側に基板加熱用の熱風5Aを供給するように構成され、半田予熱工程及びリフロー工程での、熱風4A及び熱風5Aの温度が一定に構成されている(すなわち、半田予熱工程で基板1の下面1b側に供給される熱量が、リフロー工程で基板1の下面1b側に供給される熱量よりも多くなるように構成されている)ので、半田加熱室2Aを半田予熱ゾーンとリフローゾーンとに区画することなく、制御装置6によって半田加熱室2A内の温度雰囲気を切り替えることができ、半田予熱工程とリフロー工程とを1つの半田加熱室2Aで選択的に実施することができる。すなわち、半田予熱ゾーン及びリフローゾーンの両方の機能を1つの半田加熱室2Aで果たすことが可能となる。したがって、半田加熱室2Aの基板搬送方向Xの長さ(幅)を従来例の半田加熱装置よりも短くすることができ、装置の小型化を実現することができる。より具体的には、例えば、従来例の半田加熱装置が、幅300cm(〜700cm)×奥行き100cm×高さ160cm程度のサイズであるのに対して、本発明の第3実施形態の半田加熱装置は、一例として、幅90(〜100cm)×奥行き100cm×高さ160cm程度のサイズまで小型化することができる。つまり、従来例の半田加熱装置の1/3以下のサイズにすることができる。
【0093】
また、本発明の第3実施形態の半田加熱装置によれば、リフロー工程では、予熱工程での温度雰囲気を引き継ぐことができるので、従来例の半田加熱装置のように常温からリフロー工程に対応する温度雰囲気まで温度を上昇させる必要がなく、省エネルギー化を実現することができる。また、1枚の基板を加熱処理しようとすれば、従来例の半田加熱装置であれば予熱ゾーンとリフローゾーンの少なくとも2つのゾーンを同時に加熱しなければならないのに対して、上記第1実施形態の半田加熱装置によれば、1つの半田加熱室2Aを加熱すればよいので、省エネルギー化を実現することができる。
【0094】
以上、本発明の実施形態について説明してきたが、本発明は上記各実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。
例えば、上記各実施形態では、制御装置6は計時部(図示していない)の計時時間に基づいて半田予熱工程及びリフロー工程を行うようにしていたが、半田加熱室2A内に別途、温度センサを設けて、この温度センサの検知温度に基づいて半田予熱工程及びリフロー工程を行うようにしてもよい。
【0095】
また、上記各実施形態では、制御装置6は下側熱風供給装置5の下側ブロア5bを制御して、半田予熱工程での熱風5Aの風量がリフロー工程での熱風5Aの風量よりも多くなるようにしているが、本発明はこれに限定されず、少なくとも、制御装置6は半田予熱工程での熱風5Aの熱量がリフロー工程での熱風5Aの熱量よりも多くなるように制御すればよい。つまり、熱量は、風速だけでなく風量や温度とも相関関係にあるので、例えば、半田予熱工程とリフロー工程で風量を同一にした場合、半田予熱工程での熱風5Aの温度がリフロー工程での熱風5Aの温度より高くなるように構成されてもよい。そのような構成を有する半田加熱装置としては、例えば、図11に示すような装置が挙げられる。
【0096】
すなわち、下側ヒータ5aは、下側予熱用ヒータ51aと下側リフロー用ヒータ51bとで構成され、下側ブロア5bは、下側予熱用ヒータ51a又は下側リフロー用ヒータ51bが加熱した下側予熱用ヒータ51a又は下側リフロー用ヒータ51bの気体を半田加熱室2A内に搬入された基板1の下面1b側に一定の風速で供給することで、熱風4Aを形成するように構成されている。この場合、制御装置6は、半田予熱工程においては、下側予熱用ヒータ51aをONにするとともに下側リフロー用ヒータ51bをOFFにして、下側予熱用ヒータ51aが加熱した下側予熱用ヒータ51aの周囲の気体を、半田加熱室2A内に搬入された基板1の下面1b側に一定の風速で供給するように下側ブロア5bを制御し、リフロー工程においては、下側予熱用ヒータ51aをOFFにするとともに下側リフロー用ヒータ51bをONにして、下側リフロー用ヒータ51bが加熱した下側リフロー用ヒータ51bの周囲の気体を、半田加熱室2A内に搬入された基板1の下面1b側に一定の風速で供給するように下側ブロア5bを制御するように構成されている。なお、半田予熱工程とリフロー工程で風量を同一にしている。
このように構成されても、上記装置と同様の効果を得ることができる。
【0097】
また、上記各実施形態では、制御装置6は、基板搬送装置3の駆動を制御して、基板1を基板搬入口2aと基板搬出口2bとの間で、進退又は定速で移動させながら、半田予熱工程及びリフロー工程を行うように構成したが、本発明はこれに限定されない。例えば、制御装置6は、基板搬送装置3の駆動を制御して、基板1を基板搬入口2aと基板搬出口2bとの間で一旦停止させ、その停止状態で半田予熱工程及びリフロー工程を行うように構成してもよい。このように構成することで、半田加熱室2A内に、基板1を進退させるスペースを必要とせず、又、定速で移動させるスペースも必要としないので、半田加熱室2Aの基板搬送方向Xの長さ(幅)を上記各実施形態の半田加熱装置よりも短くすることができ、装置の小型化を実現することができる。
また、上記各実施形態のうちの任意の実施形態を適宜組み合わせることにより、それぞれの有する効果を奏するようにすることができる。
なお、上記各実施形態では具体的な数値を挙げて、熱風4A及び熱風5Aの温度や風速等を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、装置のサイズ、基板の大きさ等により適宜設定すればよいものである。
【産業上の利用可能性】
【0098】
本発明の半田加熱装置及び方法は、更なる装置の小型化及び省エネルギー化が実現できるので、電子部品が半田を介して装着された基板に、熱風を供給することによって上記半田を溶融させ、上記電子部品を上記基板に半田付けする半田加熱装置及び方法に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる半田加熱装置を上面側より見た模式説明図
【図2】本発明の第1実施形態にかかる半田加熱装置を基板搬送方向と交差する方向から見た模式説明図
【図3】本発明の第1実施形態にかかる半田加熱装置を基板搬送方向の上流側から下流側を見た模式説明図
【図4】本発明の第1実施形態にかかる半田加熱装置のタイミング動作の説明図
【図5】本発明の第1実施形態にかかる半田加熱装置の上側及び下側熱風供給装置のそれぞれのブロアのインバータの周波数と風速との関係を示すグラフ
【図6】本発明の第1実施形態にかかる半田加熱装置の変形例を示す一部断面図
【図7】本発明の第2実施形態にかかる半田加熱装置のタイミング動作の説明図
【図8】本発明の第3実施形態にかかる半田加熱装置のタイミング動作の説明図
【図9】本発明の第3実施形態にかかる半田加熱装置を上面側より見た模式説明図
【図10】本発明の第4実施形態にかかる半田加熱装置のタイミング動作の説明図
【図11】本発明の下側熱風供給装置の変形例を示す図
【図12】従来例の半田加熱装置の、搬送方向と直交する方向から見た模式説明図
【図13】図11のA1−A1方向から見た図
【符号の説明】
【0100】
1 基板
2 半田加熱部
2A 半田加熱室
2a 基板搬入口
2b 基板搬出口
2c 上面中央部
2d ラビリンス部
3 基板搬送装置
3a ガイドローラ
3b 駆動用モータ
3c エンドレスチェーン
3d スプロケット
4 上側熱風供給装置
4a 上側ヒータ
4b 上側ブロア
5 下側熱風供給装置
5a 下側ヒータ
5b 下側ブロア
6 制御装置
7 熱風遮蔽部材
8 搬入口シャッター
9 搬出口シャッター
10a 第1のエッジ検出器
10b 第2のエッジ検出器
10c 第3のエッジ検出器
11 外側カバー
12 空間
13 フィルタ
14 フラックス吸引部
15 警告灯

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板が搬入される基板搬入口と、半田が加熱された基板が搬出される基板搬出口とを有して半田予熱工程とリフロー工程とを選択的に実施可能な1つの半田加熱室より構成される半田加熱部と、
上記基板搬入口から上記半田加熱室内に上記基板を搬入し、上記半田予熱工程と上記リフロー工程とを行ったのち、半田加熱後の上記基板を上記基板搬出口から上記半田加熱室外に搬出する基板搬送装置と、
上記半田加熱室内に搬入された上記基板の上面側に、半田融点以上の温度の半田溶融用の熱風を上記リフロー工程で供給して上記半田を溶融する上側熱風供給装置と、
上記半田加熱室内に搬入された上記基板の下面側に、基板加熱用の熱風を上記半田予熱工程及び上記リフロー工程で供給する下側熱風供給装置と、
上記半田加熱室内に搬入された上記基板の下面側に対して、上記半田予熱工程での熱風の熱量が、上記リフロー工程での熱風の熱量より多くなるように、上記下側熱風供給装置から供給される熱風の熱量を制御可能な制御装置と、
を備える、半田加熱装置。
【請求項2】
上記制御装置は、上記半田予熱工程での熱風の風量が、上記リフロー工程での熱風の風量より多くなるように、上記下側熱風供給装置から供給される熱風の風量を制御することで上記半田予熱工程での熱風の熱量が、上記リフロー工程での熱風の熱量より多くなるように制御し、
上記上側熱風供給装置の上記熱風の温度は、半田融点よりも5℃以上高く設定され、
上記下側熱風供給装置の上記熱風の温度は、上記上側熱風供給装置の上記熱風の温度よりも高く設定されていることを特徴とする請求項1に記載の半田加熱装置。
【請求項3】
上記基板は、パレットに載置され、
上記基板搬送装置は、上記パレットを介して上記基板を搬送し、
上記制御装置は、上記半田予熱工程での熱風の風量が、上記リフロー工程での熱風の風量より多くなるように、上記下側熱風供給装置から供給される熱風の風量を制御することで上記半田予熱工程での熱風の熱量が、上記リフロー工程での熱風の熱量より多くなるように制御し、
上記上側熱風供給装置の上記熱風の温度は、半田融点よりも5℃以上高く設定され、
上記下側熱風供給装置の上記熱風の温度は、上記上側熱風供給装置の上記熱風の温度よりも高く設定されていることを特徴とする請求項1に記載の半田加熱装置。
【請求項4】
上記制御装置は、上記半田予熱工程での熱風の風量が、上記リフロー工程での熱風の風量より多くなるように、上記下側熱風供給装置から供給される熱風の風量を制御することで上記半田予熱工程での熱風の熱量が、上記リフロー工程での熱風の熱量より多くなるように制御し、
上記上側熱風供給装置の上記熱風の温度は、半田融点よりも5℃以上高く設定され、
上記下側熱風供給装置の上記熱風の温度は、半田融点よりも低く設定されることを特徴とする請求項1に記載の半田加熱装置。
【請求項5】
上記制御装置は、上記リフロー工程での熱風の風量が、上記半田予熱工程での熱風の風量より、30%〜50%少なくなるように、上記下側熱風供給装置から供給される熱風の風量を制御することを特徴とする請求項2〜請求項4のいずれか1つに記載の半田加熱装置。
【請求項6】
上記制御装置は、上記半田予熱工程での熱風の温度が、上記リフロー工程での熱風の温度より高くなるように、上記下側熱風供給装置から供給される熱風の温度を制御することで、上記半田予熱工程での熱風の熱量が、上記リフロー工程での熱風の熱量より多くなるように制御することを特徴とする請求項1に記載の半田加熱装置。
【請求項7】
上記半田加熱室内の上記基板の処理基準位置よりも上側には、上記上側熱風供給装置から供給される熱風と上記下側熱風供給装置から供給される熱風とが互いに干渉しないように、熱風遮蔽部材が設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1つに記載の半田加熱装置。
【請求項8】
上記基板搬送装置は、上記半田予熱工程と上記リフロー工程では上記基板を、上記基板搬入口から上記基板搬出口に、定速で移動させることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1つに記載の半田加熱装置。
【請求項9】
半田予熱工程とリフロー工程とを選択的に実施可能な1つの半田加熱室に形成された基板搬入口から、上記半田加熱室内に基板を搬入し、
上記半田加熱室内に搬入された上記基板の下面側に、基板加熱用の熱風を供給して上記半田予熱工程を行い、
上記半田加熱室内に搬入された上記基板の上面側に、半田融点以上の温度の熱風を供給して、上記基板の半田を溶融するとともに、上記半田加熱室内に搬入された上記基板の下面側に、上記半田予熱工程での上記熱風よりも熱量の多い熱風を供給して上記リフロー工程を行い、
上記リフロー工程により半田が加熱された上記基板を上記基板搬出口から上記半田加熱室外に搬出することを特徴とする半田加熱方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−281271(P2007−281271A)
【公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−107134(P2006−107134)
【出願日】平成18年4月10日(2006.4.10)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】