説明

単一の光トラックを用いる3チャネルエンコーダ

【課題】より小型で簡素な3チャネルエンコーダの提供
【解決手段】
光エンコーダが開示される。特に、3つのチャネルの全てに関して単一のトラックを利用する3チャネルエンコーダが開示される。インデックスチャネルは、増分的角度位置を求めるために使用される第1及び第2のチャネルと同じ光トラックで提供される。かくして、より小型で簡素な3チャネルエンコーダが提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、エンコーダを対象とし、より具体的には光学エンコーダを対象とする。
【背景技術】
【0002】
シャフトエンコーダとも呼ばれるロータリエンコーダは、シャフト又は軸の角度位置をアナログ符号またはデジタル符号に変換する電気機械装置であり、それを角変換器にする。ロータリエンコーダは、工業用制御、ロボット工学、特殊用途写真レンズ、コンピュータ入力装置(例えば、光機械マウス及びトラックボール)、プリンタ、及び回転レーダーステーションを含む、シャフトの無制限の精密な回転を必要とする多くの用途で使用される。ロータリエンコーダの主なタイプには2つあり、即ちアブソリュート型とインクリメンタル(相対)型である。
【0003】
直交エンコーダ又は相対ロータリエンコーダとしても知られているインクリメンタル型ロータリエンコーダは従来、直交出力(クォドラチャー出力)と呼ばれる2つの出力を有する。これら2つの出力は、機械的または光学的とすることができる。光学タイプでは従来、2つのバー/ウィンドウ符号化(コーディング)トラックがある一方で、機械タイプは、回転シャフト上のカムにより付勢される2つのコンタクトを有する。光学インクリメンタル型エンコーダは従来、A&Bと呼ばれる2つの出力を利用し、それらは90度位相がずれていることから直交出力と呼ばれる。
【0004】
インクリメンタル型エンコーダの変化形は、正弦波エンコーダである。2つの直交方形波を生成する代わりに、出力は直交正弦波(サイン(正弦)とコサイン(余弦))である。逆正接関数を実行することにより、任意のレベルの分解能が達成され得る。
【0005】
一般的な2チャネルのインクリメンタル型エンコーダは、その出力において90度だけずれた2つの一連のパルスを生成する。パルスをカウントしてパルス間(第2のチャネルに先行する第1のチャネル又はその逆も同じ)の位相を検査することにより、コードホイールの増分的位置、並びに回転速度および回転方向を求めることができる。2チャネルのインクリメンタル型エンコーダに対する大幅な改良は、3チャネルのインクリメンタル型エンコーダである。追加のチャネルはインデックス(指標)であり、即ち1回転毎に1回、パルスが生成され、その結果、絶対角度位置(定位置)が較正され得る。
【特許文献1】米国特許第4,451,731号明細書
【特許文献2】米国特許第4,691,101号明細書
【特許文献3】米国特許第5,241,172号明細書
【特許文献4】米国特許第7,400,269号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
コードホイール上の1つのトラック(バーとウィンドウのパターン)だけで十分であるという事実により、2チャネルのインクリメンタル型エンコーダの光学的システムは簡略化される。3チャネルのエンコーダの簡単な具現化形態は、コードホイール上にインデックスを示す第2のトラックを必要とする。残念ながら、第2のトラックを導入することは、センサ領域上でコードホイールパターンを投影する光学的システムを複雑にし制限する。これは、反射型エンコーダにおいて特に問題である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態によれば、光エンコーディングシステムに使用するためのエンコーダが提供され、そのエンコーダは、光を放出するように構成された放出器と、放出器により放出された光の少なくとも一部を受光して、3つの出力チャネルを生成するために使用される1つ又は複数の電気信号へ受光した光を変換するように構成された検出器とを含み、単一の光トラックを通過した又は単一の光トラックにより反射された少なくとも一方の光を用いて、前記3つの出力チャネルが生成される。
【0008】
本発明の別の実施形態によれば、装置の物理的な動きを電気信号に変換するためのシステムが提供され、そのシステムは、インクリメンタルフォトダイオードのアレイ及びインデックスフォトダイオードを含むセンサ領域を含むエンコーダを含み、そのセンサ領域は、装置に機械的に結合された符号化要素の単一の光トラックに近接して配置されるように構成され、インクリメンタルフォトダイオードのアレイが、符号化要素の増分的位置を求めるために使用され得る電気信号を生成するために使用され、インデックスフォトダイオードが、符号化要素の定位置を求めるために使用され得る電気信号を生成するために使用される。
【0009】
本発明の更に別の実施形態によれば、光エンコーディングシステムが提供され、その光エンコーディングシステムは、絶対位置の標識により割り込まれた複数の光学的に区別可能なセクションの繰り返しからなるトラックパターンを備えるトラックを有する符号化要素と、符号化要素のトラックに入射する光信号を生成するように構成された放出器と、放出器からの光信号を検出するように配置された複数のフォトダイオードを有する光センサ領域を含む検出器とを含み、複数のフォトダイオードが、インクリメンタルフォトダイオードのアレイ及び少なくとも1つのインデックスフォトダイオードを含む。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、より小型で簡素な3チャネルエンコーダを提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施形態による、反射型光エンコーディングシステムの構成要素を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態による、コードホイールの部分的な略図である。
【図3】本発明の実施形態による、コードホイールのトラックに対するフォトダイオードアレイの第1の略レイアウトを示す図である。
【図4】図3のフォトダイオードアレイにより生成されるアナログ出力信号の波形図である。
【図5】本発明の実施形態による、コードホイールのトラックに対するフォトダイオードアレイの第2の略レイアウトを示す図である。
【図6】図5のフォトダイオードアレイにより生成されるアナログ出力信号の波形図である。
【図7】本発明の実施形態による、コードホイールのトラックに対するフォトダイオードアレイの第3の略レイアウトを示す図である。
【図8】図7のフォトダイオードアレイにより生成されるアナログ出力信号の波形図である。
【図9】本発明の実施形態による、コードホイールのトラックに対するフォトダイオードアレイの第4の略レイアウトを示す図である。
【図10】図9のフォトダイオードアレイにより生成される、正規化アナログインデックス出力およびその対応するデジタル出力の波形図である。
【図11】図9のフォトダイオードアレイにより生成されるアナログ出力信号の波形図である。
【図12】本発明の実施形態による、第1の代替のコードホイールトラックの構成を示す図である。
【図13】本発明の実施形態による、第2の代替のコードホイールトラックの構成を示す図である。
【図14】本発明の実施形態による、第1の代替のフォトダイオードアレイを示す図である。
【図15】本発明の実施形態による、第2の代替のフォトダイオードアレイを示す図である。
【図16】本発明の実施形態による、第3の代替のフォトダイオードアレイを示す図である。
【図17】本発明の実施形態による、3チャネルエンコーダを動作させる方法を示す流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は添付図面に関連して説明される。
【0013】
以下の説明は、単なる実施形態を提供し、特許請求の範囲の範囲、適用可能性、又は構成を制限することは意図されていない。むしろ、以下の説明は、説明された実施形態を実施することを可能にする説明を当業者に提供する。理解されるように、様々な変更が、添付の特許請求の範囲の思想および範囲から逸脱せずに、要素の機能および構成に行うことができる。
【0014】
ここで図1を参照すると、本発明の実施形態による、反射型光エンコーディングシステム100の構成要素が示される。図示された反射型光エンコーディングシステム100は、反射材料102、コードホイール104、エンコーダ106、デコーダ108、及びマイクロプロセッサ110を含む。一実施形態において、反射材料102は、コードホイール104に物理的に結合されるコーティング(被覆)又は基板である。幾つかの実施形態において、反射材料102の反射面は、エンコーダ106の反対側でコードホイール104に結合される。幾つかの実施形態において、反射材料102は、任意のタイプの既知の材料堆積技術を用いてコードホイール104上に堆積される。
【0015】
コードホイール104のより詳細な図が図2に提供されるが、図1に示された反射型光エンコーディングシステム100の動作の文脈として、簡単な説明がここで提供される。一般に、コードホイール104は、非反射セクション142(バー142とも呼ばれ得る)と反射セクション144(ウィンドウ144とも呼ばれ得る)からなる光トラック140を含む。光トラック140は、非反射性とすることもできるけれども非反射セクション142よりも面積が大きいインデックスセクション146を更に含むことができる。
【0016】
エンコーダ106の放出器(エミッタ)120は、コードホイールのトラック140に入射する光を生成する。コードホイール104が、例えば回転シャフト(図示せず)により回転する場合、入射光はトラック140の反射セクション142、146により反射されるが、トラック140の非反射セクション144により反射されない。かくして、光は、トラック140により変調パターン(即ち、オン−オフ−オン−オフ・・など)で反射される。エンコーダ106の検出器130は、変調された反射光信号を検出し、それに応じて1つ又は複数の周期的チャネル信号(例えば、CH及びCH)、並びにインデックスセクション146がエンコーダ106上を通過した際にインデックス信号(CH)を生成する。一実施形態において、これらチャネル信号およびインデックス信号は次いで、デコーダ108に伝達され、デコーダ108はカウント信号および場合によってはインデックス信号を生成し、当該生成された信号をマイクロプロセッサ110に伝達する。
【0017】
マイクロプロセッサ110はカウント信号を用いて、例えば、コードホイール104が結合されたモータシャフト又は他の可動部の増分的(インクリメンタル)な動きを求める。インデックス信号は、コードホイール104が結合されたモータシャフト又は他の可動部の完全な回転を求めるために使用される。インクリメンタル信号出力およびインデックス出力の利用によって、より正確な光エンコーディングシステム100が実現されることが可能になる。
【0018】
幾つかの実施形態において、エンコーダ106は、放出器120及びデコーダ130を含む。放出器120は、発光ダイオード(LED)のような光源122を含む。便宜上、光源122は、本明細書においてLEDとして説明されるが、他の光源または複数の光源が実施されてもよい。一実施形態において、LED122は、電流制限抵抗Rを介してドライバ信号VLEDにより駆動される。係るドライバ回路の詳細はよく知られている。また、放出器120の幾つかの実施形態は、投影される光を特定の経路またはパターンに方向付けるために、LED122と位置合わせされたレンズ124を含むことができる。例えば、レンズ124は、光をコードホイールのトラック140上に集束することができる。
【0019】
一実施形態において、検出器130は、フォトダイオードのような1つ又は複数の光検出器132を含む。光検出器は、例えば集積回路(IC)で実現され得る。便宜上、光検出器132は、本明細書においてフォトダイオードとして説明されるが、他のタイプの光検出器が実施されてもよい。一実施形態において、フォトダイオード132は、反射光の特定のパターン又は波長を検出するように一意に構成される。また、フォトダイオード132は、コードホイール104の半径および設計に対応するパターンに構成され得る。フォトダイオード132の様々なパターンは、本明細書においてフォトダイオードアレイと呼ばれる。
【0020】
フォトダイオード132により生成された信号は、チャネル信号CH、CH、及びCHを生成する信号処理回路134により処理される。一実施形態において、検出器130は、チャネル信号およびインデックス信号を生成するために1つ又は複数の比較器(図示せず)も含む。例えば、フォトダイオード132からのアナログ信号は、比較器により、トランジスタ−トランジスタ論理回路(TTL)に適合したデジタル出力信号に変換され得る。一実施形態において、これら出力チャネル信号は、変調された反射光信号のカウント及び方向の情報を示すことができる。更に、検出器130は、反射光信号をフォトダイオード132の方へ向けるためにレンズ136を含むことができる。
【0021】
放出器、検出器、及び光エンコーダの更なる詳細は概して、特許文献1〜4に言及されており、これらの全ては、参照により全体として本明細書に組み込まれる。
【0022】
更に、本発明の実施形態は特に反射型光エンコーダを対象としているが、理解されるべきは、類似したフォトダイオードアレイ及び/又はコードホイールの構成は、本発明の範囲から逸脱せずに、透過型光エンコーディングシステムで利用され得る。
【0023】
図2は、コードホイール104の一実施形態の部分的な略図を示す。特に、図2は、円板形状の円形コードホイール104の一部を示す。幾つかの実施形態において、コードホイール104は、円板(ディスク)ではなくてリングの形状にすることができる。図示されたコードホイール104は、コードホイール104と同心である円形トラックすることができるトラック140を含む。一実施形態において、トラック140は、コードホイール104をぐるりと廻り、且つ単一のインデックスバー146により割り込まれた、バー142とウィンドウ144の連続した繰り返しパターンを含む。図示されたパターンは、交互になっているバー142とウィンドウ144を含み、1つのインデックスバー146は、バー142とウィンドウ144の厳密に交互になっているパターンが利用される場合に、少なくとも1つのバー142とウィンドウ144が一般に配置されている場所に配置される。幾つかの実施形態において、インデックスバー146は、2つのバー142及び1つのウィンドウ144により一般に占有されているスペースの量を少なくとも占有する。幾つかの実施形態において、インデックスバー146は、コードディスクの周りで少なくとも1回現れる。インデックスバー146がコードディスク(又はストライプ)上で1回よりも多く現れる場合、エンコーダは擬似アブソリュート型エンコーダとして働く。
【0024】
また、非反射セクション142及び反射セクション144は、位置セクションとも呼ばれ得る。一実施形態において、非反射セクション142は、コードホイール14の透明なセクションであり、又は代案としてコードホイール104の空隙(例えば、穴)である。反射セクションは、例えばコードホイール104の不透明なセクション(反射性である)である。一実施形態において、反射セクション144に対応する表面領域は、反射材料で被覆される。別の実施形態において、図1に示された具現化形態に類似して、コードホイール104の反射セクション144は透明とすることができ、この場合、コードホイール104の反対側に反射コーティング102を備える。この実施形態において、非反射セクション142は、それらがLED122からの光を吸収するように不透明とすることができる。
【0025】
幾つかの実施形態において、透過型符号化要素は、反射型符号化要素の代わりに実施される。コードホイール又はコードストリップのような透過型符号化要素は、反射および非反射セクション144及び142ではなくて、透過および非透過セクションからなるトラック140を含む。一実施形態において、透過型符号化要素は、透過型符号化要素が反射材料102を含まないことを除いて、実質的に反射型符号化要素に類似する。このように、透過セクション144はコードホイール104を介して光を透過し、不透明セクション142はコードホイール104を介して光を透過しない。
【0026】
また、留意すべきは、幾つかの実施形態において、円形コードホイール104は、円形でない符号化(コーディング)要素と置き換えられ得る。例えば、コードストリップ180のような線形符号化要素が使用されてもよい。また、反射型または透過型符号化要素104の代わりに、イメージング符号化要素が使用されてもよい。
【0027】
上述したように、コードホイール104の回転、ひいてはトラック140は、コードホイール104の位置変化を測定するための検出器130において、反射光信号の変調という結果になる。従来技術のコードホイールが独立したインデックストラックを含むことに反して、本発明の実施形態は、光トラック140にインデックスバー146を組み込んで、単一のトラック140のみを利用する3チャネルエンコーダを達成する。これは、エンコーダ106のサイズ及び複雑性を著しく低減する。
【0028】
図2に示された実施形態において、位置トラックセクション142及び144は、同じ円周寸法(スパン「X」により示されるように幅寸法とも呼ばれる)を有する。言い換えれば、中間の非反射トラックセクション142は、反射トラックセクション144と同じ幅寸法を有する。コードホイール104の分解能は、位置トラックセクション142と144の幅寸法の関数である。一実施形態において、非反射トラックセクション142の幅寸法は、連続的な反射光パルス間に検出可能なギャップ(間隙)を生成するのに必要な面積の量の関数である。
【0029】
幾つかの実施形態において、インデックスバー146は、位置トラック142及び144よりも大きな幅寸法(スパン「X’」により示されるように)を有する。幾つかの実施形態において、インデックスバー146は、位置トラックセクション142及び144の幅の整数倍である幅を有する。例えば、インデックスバー146は、0.5ピッチ(P)の整数倍(例えば、1.5P、2.5P、3.5P、4.5Pなど)である幅を有することができ、ここでPはバー142又はウィンドウ144の幅に対応する。言い換えれば、インデックスバー146の幅は、「X」よりも少なくとも1.5倍大きくするべきであり、それは、任意の整数値に1.5を加えたものを「X」に掛けたものとすることができる。他の実施形態は、インデックスバー146に様々な幅を実施することができる。また、図示されたコードホイール104は単一のインデックスバー146を含むが、本発明の実施形態はそのように制限されない。更に、インデックスバー146が非反射セクションとして具現化されるように説明されているが、理解されるべきは、インデックスバー146は実際に、本明細書で説明されたインデックスバー146に類似した寸法を有するウィンドウとして実施され得る。
【0030】
光トラック140の高さ「Y」は、全コードホイール104にわたって均一または不均一とすることができる。従って、光トラック140のバー142、ウィンドウ144、及びインデックスバー146のそれぞれの高さ「Y」は、実質的に同じにすることができ、バー142、ウィンドウ144、及びインデックスバー146の全てが同じフォトダイオード132の上を通過するように同じ光トラック140に実質的に配列され得る。
【0031】
図3は、エンコーダ106のセンサ領域148におけるフォトダイオード132の第1の構成を示す。特に、図3は、単一の光トラック140を使用する3チャネルエンコーダの比較的簡単な具現化形態を示す。センサ領域148は、コードホイール104がアレイ150の方向(又は反対の方向)に回転する際に、バー142、ウィンドウ144、及びインデックスバー146の全てがセンサ領域148のフォトダイオード132の上を通過するように、光トラック140に対して位置合わせされ得る。
【0032】
センサ領域148は、インクリメンタルフォトダイオード152及びインデックスフォトダイオード154のアレイを含むことができる。インデックスフォトダイオード154はセンサ領域148の特定の領域に広がる単一のフォトダイオードとして示されているが、当業者ならば理解されるように、インデックスフォトダイオード154はフォトダイオードのアレイとして実施され得る。しかしながら、説明を簡単にするために、インデックスフォトダイオード154は単一のフォトダイオードとして言及されるが、本発明の実施形態はそのように制限されない。インクリメンタルフォトダイオード152のアレイは、出力信号CH及びCH(又は、サイン及びコサイン出力信号)を生成するために使用されるが、インデックスフォトダイオード154は出力信号CHを生成するために使用される。
【0033】
また、図3は、コードホイールのトラック140に対するセンサ領域148の略レイアウトも示す。コードホイールのトラック140のAの表示は、センサ領域148と重ね合わされて、コードホイールのトラック140のセクションに対する個々のフォトダイオードアレイの素子の可能な寸法を示す。センサ領域148は円形コードホイールのトラック140に対応するが、他の実施形態は、線形コードストリップのトラックと位置合わせされるように構成されたセンサ領域148及びフォトダイオードアレイ152、154を実現することができる。
【0034】
図示されたインクリメンタルフォトダイオード152のアレイは、幾つかの個別のフォトダイオードを含み、係る個別のフォトダイオードは、A信号を生成するA信号フォトダイオード、B信号を生成するB信号フォトダイオード、AB信号を生成するAB信号フォトダイオード、及びBB信号を生成するBB信号フォトダイオードを含む。明確化のために、「AB」は「Aバー」として読み替えられ、「BB」は「Bバー」として読み替えられる。位置フォトダイオードA、B、AB、及びBBのこの呼称、及び位置フォトダイオードにより生成される対応する電気信号は当該技術においてよく知られている。位置フォトダイオードA、B、AB、及びBBの円周寸法(幅寸法とも呼ばれる)は、対応するコードホイールのトラック140の位置トラックセクション142、144、及び146の幅寸法に関連する。図3の実施形態において、インクリメンタルフォトダイオード152のアレイにおける各フォトダイオードA、B、AB、及びBBは、対応する位置トラック140のバー142又はウィンドウ144の幅の2分の1である幅を有する(即ち、各フォトダイオードの幅は「X/2」に等しい)。
【0035】
更に、図3の実施形態において、インデックスフォトダイオード154の幅は、バー142又はウィンドウ144の幅の2倍である幅を有する。言い換えれば、インデックスフォトダイオード154の幅は、「X」の2倍に等しい。これは、インデックスフォトダイオード154の幅がインクリメンタルフォトダイオード152のアレイにおける単一のフォトダイオードの幅の約4倍であることも意味するが、インクリメンタルフォトダイオード152のアレイの全幅は実質的に、インデックスフォトダイオード154の幅に等しい。
【0036】
フォトダイオードからの信号は、電流領域または電圧領域で表されることができ、一方から他方へ変換され得る。また、スケーリングおよび加算または減算を含む信号の線形結合も実施され得る。本発明は、これら信号の任意の特定の物理的表現に制限されず、従って、信号は、具現化形態に依存せずにこれらの信号を線形的に組み合わせて比較を行うための方法が存在するということを前提として、抽象的な方法で処理される。
【0037】
図3の具現化形態は、単一の光トラック140を有する3チャネルエンコーダを獲得する目標を達成するが、2つの具現化の問題が対処されるべきである。
【0038】
第1に、図4で看取され得るように、インデックスバー146(又はウィンドウ)がフォトダイオードA、B、AB、及びBBの上を通過する場合、そこから生成されたインクリメンタル信号は乱される。より具体的には、CH及びCHは、インクリメンタルフォトダイオード152のアレイの上をインデックスバー146が通過することにより、歪む可能性がある。この歪みは、エンコーダにより測定される角度位置の精度に悪影響を与える可能性がある。
【0039】
第2に、デジタルインデックスパルスを生成するために、基準信号Refが必要とされ、そのためI−Refの符号が比較器により検出されることができ、その出力がデジタルインデックスパルスである。CHからの信号が迷光により大幅にオフセットされている可能性があり且つその絶対振幅が光源の強度、光学ギャップなどのような、光システム100の他のパラメータに依存することがわかった結果として、Refの生成は簡単ではない。迷光は、光システムの不完全性により生じる、センサ領域上に投影された半均一な(コードホイールの位置に依存しない)光である。
【0040】
従って、図3に示されたセンサ領域148に対する1つ又は複数の変更を実施して、インクリメンタルフォトダイオード152のアレイの上をインデックスバー146が通過することにより生じる歪みの量を低減することができる。図5は、インデックスバー146により生じる歪みを低減することができるセンサ領域148に対する第1の変更態様を示す。特に、インクリメンタルフォトダイオード152のアレイは、複数の繰り返されたA、B、AB、BBフォトダイオードセクション156a−Nで補われる。各フォトダイオードセクション156a−Nは、Aフォトダイオード、Bフォトダイオード、ABフォトダイオード、及びBBフォトダイオードからなることができる。
【0041】
図6で看取され得るように、比較的大きな数のセクション(例えば、4つ又はそれ以上)がインクリメンタルフォトダイオード152のアレイに組み込まれる場合、信号CH及びCHの歪みは、大幅に低減され得る。しかしながら、セクションの数は、センサ領域148の全幅により、エンコーダ106の必要な寸法により、及び全センサ領域148の上にコードホイールのパターンを正確に投影するためのエンコーダの光学部分の能力により、制約される。これらの制約により、インクリメンタルフォトダイオード152の複数のセクションのアレイだけを用いることは、インデックスバー146により生じる歪みの問題に対処するのに十分でない可能性がある。
【0042】
従って、インクリメンタルフォトダイオード152のアレイにおけるフォトダイオードの形状を変更することにより、インデックスバー146がインクリメンタルフォトダイオード152のアレイの上を通過する際にインデックスバー146の移行を緩和することも望ましいかもしれない。幾つかの実施形態において、インクリメンタルフォトダイオード152のアレイの形状は、第1及び第2の移行部分158a、158bのそれぞれにより対称的に取り囲まれた中間部分160を含む六角形の外形を有するように変更され得る。
【0043】
しかしながら、理解されるべきは、第1の移行部分158aは、第2の移行部分158bの鏡の反対側にする必要がない。むしろ、移行部分158a、158bにおけるフォトダイオードのサイズ、形状、及び/又は数は、第2の移行部分158bに比べて、第1の移行部分158aで異なっていてもよい。
【0044】
また、理解されるべきは、第1の移行部分158a及び第2の移行部分158bは、繰り返されたA、B、AB、BBフォトダイオードセクションの2つのセットを有するように示されているが、より多くの数またはより少ない数の繰り返されたA、B、AB、BBフォトダイオードセクションが、本発明の範囲から逸脱せずに移行部分158a、158bに組み込まれ得る。同様に、中間部分160がA、B、AB、BBフォトダイオードの1つのセットだけを有するように示されているが、中間部分160は、複数の繰り返されたA、B、AB、BBフォトダイオードセクションを有するように構成されてもよい。更に、中間部分160及び/又は移行部分158a、158bは、A、B、AB、BBフォトダイオードの完全なセットを必ずしも有さなくてもよい。むしろ、中間部分160及び/又は移行部分158a、158bは、A、B、AB、及びBBフォトダイオードのサブセットを有するだけでもよい。制限しない例として、第1の移行部分158aがA及びBフォトダイオードだけを有することができる一方で、第2の移行部分158bはAB及びBBフォトダイオードだけを有することができる。
【0045】
図7に示された変形形態は、角度位置測定の歪みの核心が同時に発生しない信号振幅の急激な変化から生じることがわかった後に明らかになる。例えば、インデックスバー146が右手側からインクリメンタルフォトダイオード152のアレイに近づき、左側に移動している場合、インデックスバー146は、最初にフォトダイオードBBを妨害し、次いでフォトダイオードAB、次いでフォトダイオードB、次いでフォトダイオードAを妨害する。この現象は、図8でより明確に示される。提示された六角形の外形によって、インデックスバー146により生じる歪みの急激性は、図6に示された歪みに比べてより少なくなる。
【0046】
図9は、センサ領域148に対する別の可能な変形形態を示す。特に、センサ領域148は、インデックスフォトダイオード154からインクリメンタルフォトダイオード152のアレイの反対側にレプリカ(複製)のインデックスフォトダイオード162を組み込むように変更され得る。言い換えれば、インクリメンタルフォトダイオード152のアレイをインデックスフォトダイオードで取り囲むことが望ましいかもしれない。レプリカのインデックスフォトダイオード162の追加は、上述した迷光の問題に対する解決策を提供する。レプリカのインデックスフォトダイオード162がインデックスフォトダイオード154に対してインクリメンタルフォトダイオード152のアレイを中心として対称的に配置され且つ迷光の強度もセンサ領域148の垂直中心軸に対して対称的である場合、インデックスフォトダイオード154及びレプリカのインデックスフォトダイオード162により生じる信号間の差(即ち、IマイナスM)は、インデックスバー146がインデックスフォトダイオード154又はレプリカのインデックスフォトダイオード162の上を通過する時を除いて、ほぼゼロになるはずである。
【0047】
図10で看取され得るように、IマイナスMの値は、インデックスバー146がインデックスフォトダイオード154、162の一方の上を通過しない限り、ほぼゼロである(又は少なくとも正規化される)。しかしながら、インデックスフォトダイオード154上のインデックスバー146の通過は、レプリカのインデックスフォトダイオード162上のインデックスバー146の通過と区別され得る。その理由は、一方の事象によりIマイナスMの値が急激に減少し(即ち、比較的大きな負の数へ)、他方の事象によりIマイナスMの値が急激に増加(即ち、比較的大きな正の数へ)するからである。
【0048】
従って、閾値THが計算されてIマイナスMの値と比較され、コードホイール104の完全な回転に対応し且つインデックスバー146がインデックスフォトダイオード154、162の何れかの上を通過することによる発生に対応しないインデックスパルスが生成される。
【0049】
図11は、インデックスフォトダイオード154と162の出力間の差と比較するための有用な閾値THを計算する1つの方法を示す。閾値THに関して、最初に注意されるべきは、THが非常に小さい場合、複数のインデックスが発生し又はインデックスパルスが非常に大きくなるが、THが非常に大きい場合、インデックスが無いという結果になる。従って、閾値THは理想的には、Iの振幅(即ち、インデックスフォトダイオード154により出力された信号の振幅)の約0.5倍とするべきである。この目標を達成するために、TH信号は、センサ領域148の照射の振幅に比例的にスケーリングするべきである。そのため、最大値および最小値セレクタを通過した後で、A、B、AB、BB信号、並びに補間された信号(例えば、0.7A+0.7B)(S1、S2、・・として示される)は、光強度の標識(indicator:尺度)として使用され得る。
【0050】
より具体的には、最大値および最小値セレクタの設計は、以下に注意される場合、即ち、エンコーダ106がA、B、AB、BBに基づいたデジタル信号を生成し、その組み合わせが補間のために使用される場合、これらのデジタル信号は、どの信号(A、B、AB、BB、又は組み合わせ)が最大値または最小値に選択されなければならないかをあらゆる時点で決定するために使用され得るということに注意される場合、簡略化され得る。このように、最大値/最小値セレクタは、比較器のデジタル出力の組み合わせにより制御されるスイッチを含む。従って、閾値THは、(A、B、AB、及びBBの最大値)−(A、B、AB、及びBBの最小値)として選択され得る。IマイナスMの値は、閾値THと比較されることができ、IマイナスMの値が閾値THより小さい場合、デジタルインデックス出力パルスが生成され得る。そうでない場合には、デジタルインデックス出力パルスは生成されない。
【0051】
理解され得るように、最大値および最小値セレクタ、並びに比較器の機能は、信号処理回路134及び/又はマイクロプロセッサ110で実行され得る。これらの構成要素の任意の1つが、本明細書で説明されたようなインデックス出力を生成することに関係した処理ステップの全てを実行する必要はない。
【0052】
ここで、図12を参照すると、第1の代替の光トラック140の構成が、本発明の少なくとも幾つかの実施形態に従って、説明される。上述されたように、インデックスバー146の寸法は、本発明の範囲から逸脱せずに変更され得る。ここで、インデックスバー146の幅「X’」は約2.5Pである(即ち、バー142又はウィンドウ144の幅の2.5倍)。
【0053】
図13は、本発明の実施形態による、第2の代替の光トラック140の構成を示す。特に、インデックスバー146として拡大されたバーを用いるのではなくて、拡大されたウィンドウ164が、インデックスバー146として働くように使用され得る。ここで、センサ領域148の上の拡大されたウィンドウ164の通過の結果は、非対称の光検出がないことによりインデックスフォトダイオード154、162の一方または双方により検出される。拡張されたウィンドウ164は、それが0.5Pの任意の倍数(例えば、「X」の1.5倍、「X」の2.5倍、「X」の3.5倍など)とすることができる点でインデックスバー146と類似した大きさに作られ得る。
【0054】
また、理解されるべきは、バー142及びウィンドウ144の半分のサイズは、インデックスバー146又はその等価物に使用される必要はない。むしろ、インデックスバー146(又は等価な拡張されたウィンドウ164)は、ピッチ(P)の任意の小数値倍(例えば、2.1P、1.2Pなど)のような大きさに作られ得る。
【0055】
図14は、本発明の実施形態による、インクリメンタルフォトダイオード152のアレイに関する第1の代替の構成を示す。第1の代替の構成は、テーパ状にされる代わりに厚さが一様である移行部分158a、158bを実施する。また、中間部分160は、A、B、AB、BBフォトダイオードセクションの複数の繰り返しで構成され得る。
【0056】
インクリメンタルフォトダイオード152のアレイの最も大きい厚さ「H」は、インデックスの移行の間でのインクリメンタル信号に対する妨害を最小限にするように設計され得る。更に、移行部分158a、158bの厚さは、Hの小数値α倍の高さとすることができる。αの適切な値は、0と1との間の任意の値であり、0と1は含まれない。一例として、αの値は0.5に等しくすることができる。
【0057】
図15は、本発明の実施形態による、インクリメンタルフォトダイオード152のアレイに関する第2の代替の構成を示す。第2の代替の構成は、移行部分158a、158bを異なる高さの複数のセグメント164a、164bに分割する。2つのセグメント164a、164bだけが移行部分158a、158bに含まれているように示されているが、2つ、3つ、4つ又はそれ以上のセグメントが使用され得ることは理解されるべきである。各セグメントは、A、B、AB、及びBBフォトダイオードの完全なセット、係るフォトダイオードの複数のセット、又はこれらフォトダイオードのサブセットのみを含むことができる。幾つかの実施形態において、第1のセグメント164aは移行部分の最も外側の部分に対応し、第2のセグメント164bは移行部分の最も内側の部分に対応する。幾つかの実施形態において、第1のセグメント164aは、「H」の第1の小数値α倍である高さからなり、第2のセグメント164bは、「H」の第2の小数値β倍である高さからなる。1つの制限しない例として、第1の小数値αは0.5に等しくすることができ、第2の小数値βは0.75に等しくすることができる。
【0058】
別の可能な構成は、図示されないが、中間部分160を完全に取り除くことができる。むしろ、インクリメンタルフォトダイオード152のアレイは、移行部分158a、158bだけを含むことができる。
【0059】
ここで、図16を参照すると、インクリメンタルフォトダイオード152のアレイに関する別の代替の構成が、本発明の少なくとも幾つかの実施形態に従って説明される。ここで、移行部分はそれぞれ、第1及び第2の湾曲した移行部分166a、166bと置き換えられる。移行部分166a、166bの外形(プロファイル)は、図9に示された線形の外形とは対照的に多項式の線または曲線に追従する。更に、湾曲した移行部分166a、166bは、A、B、AB、及びBBフォトダイオードの2つのセットからなり、中間部分160は、A、B、AB、及びBBフォトダイオードの3つのセットからなる。やはり、インクリメンタルフォトダイオード152のアレイの各部分におけるA、B、AB、及びBBフォトダイオードの数は、本発明の範囲から逸脱せずに変更され得る。
【0060】
光トラック140及びセンサ領域148に対する多数の可能な変形形態が本明細書で説明されたが、本発明の範囲から逸脱せずに、可能な変形形態の組み合わせも実現され得ることは理解されるべきである。従って、本明細書で説明された光トラック140及び/又はセンサ領域148の1つ又は複数の特徴を組み込む任意の光エンコーディングシステム100は、本発明の範囲内にある。
【0061】
更に、センサ領域148及びその中のフォトダイオードの寸法は、光エンコーダシステム100が使用される応用形態に依存して変化することができる。1つの制限しない例として、センサ領域148の高さは、約300μm〜400μmにすることができる。センサ領域148の長さは、約1200μmにすることができる。A、B、AB、及びBBフォトダイオードのそれぞれの幅は、約40μmとすることができる。インデックスフォトダイオード154又はレプリカのインデックスフォトダイオード162の幅は、約160μmとすることができる。しかしながら、理解されるように、本明細書で説明された構成要素のサイズは、任意の数の応用形態に適応するように変化することができる。
【0062】
実施形態の完全な理解を提供するために、説明において特定の細部が与えられた。しかしながら、当業者ならば理解されるように、実施形態はこれら特定の細部を用いずに実施され得る。例えば、回路は、不要な細部で実施形態を不明瞭にしないために、ブロック図で示され得る。また、よく知られた回路、プロセッサ、アルゴリズム、構造、及び技術は、実施形態を不明瞭にすることを避けるために、不要な細部なしで示され得る。
【0063】
本発明の例示的な実施形態が本明細書で詳細に説明されたが、発明の概念は、様々に具現化されて使用され得ることは理解されるべきである。添付の特許請求の範囲は、従来技術により制限されることを除いて、係る変更態様を含むように解釈されることが意図されている。
【符号の説明】
【0064】
100 反射型光エンコーディングシステム
102 反射材料
104 コードホイール
106 エンコーダ
108 デコーダ
110 マイクロプロセッサ
120 放出器
122 LED
130 検出器
132 光検出器(フォトダイオード)
134 信号処理回路
140 光トラック
142 非反射セクション
144 反射セクション
146 インデックスセクション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光エンコーディングシステムに使用するためのエンコーダであって、
光を放出するように構成された放出器と、
前記放出器により放出された光の少なくとも一部を受光して、3つの出力チャネルを生成するために使用される1つ又は複数の電気信号へ前記受光した光を変換するように構成された検出器とを含み、単一の光トラックを通過した又は単一の光トラックにより反射された少なくとも一方の光を用いて、前記3つの出力チャネルが生成される、エンコーダ。
【請求項2】
前記検出器が、インクリメンタルフォトダイオードのアレイ及びインデックスフォトダイオードを含むセンサ領域を含む、請求項1に記載のエンコーダ。
【請求項3】
前記センサ領域が、レプリカのインデックスフォトダイオードを更に含む、請求項2に記載のエンコーダ。
【請求項4】
前記インクリメンタルフォトダイオードのアレイが、前記インデックスフォトダイオードと前記レプリカのインデックスフォトダイオードとの間に配置される、請求項3に記載のエンコーダ。
【請求項5】
前記インクリメンタルフォトダイオードのアレイが、第1の高さの少なくとも1つのフォトダイオードを含む第1の移行部分、前記第1の高さの少なくとも1つのフォトダイオードを含む第2の移行部分、及び前記第1と第2の移行部分の間に配置された中間部分を含み、前記中間部分が、前記第1の高さより大きい第2の高さの少なくとも1つのフォトダイオードを含む、請求項2に記載のエンコーダ。
【請求項6】
前記インデックスフォトダイオードが、前記インクリメンタルフォトダイオードのアレイにおける1つのフォトダイオードの幅の約4倍の幅である、請求項2に記載のエンコーダ。
【請求項7】
前記3つの出力チャネルが、増分的角度位置を求めるために使用される第1及び第2のチャネル、及び絶対角度位置を求めるために使用される第3のチャネルを含み、前記インクリメンタルフォトダイオードのアレイが、前記第1及び第2のチャネル出力を生成するために使用される電気信号を生成し、前記インデックスフォトダイオードが、前記第3のチャネル出力を生成するために使用される電気信号を生成する、請求項2に記載のエンコーダ。
【請求項8】
前記検出器が、六角形の外形に構成されたインクリメンタルフォトダイオードのアレイを含むセンサ領域を含む、請求項1に記載のエンコーダ。
【請求項9】
前記放出器がLEDからなる、請求項1に記載のエンコーダ。
【請求項10】
前記単一の光トラックが、トラックパターンを備えるトラックを有する符号化要素で提供され、前記トラックパターンが、複数の光学的に区別できるセクションからなり、前記複数の光学的に区別できるセクションが、インデックスバー及び拡張されたウィンドウの少なくとも1つを含む、請求項1に記載のエンコーダ。
【請求項11】
装置の物理的な動きを電気信号に変換するためのシステムであって、
インクリメンタルフォトダイオードのアレイ及びインデックスフォトダイオードを含むセンサ領域を含むエンコーダを含み、前記センサ領域は、前記装置に機械的に結合された符号化要素の単一の光トラックに近接して配置されるように構成され、前記インクリメンタルフォトダイオードのアレイが、前記符号化要素の増分的位置を求めるために使用され得る電気信号を生成するために使用され、前記インデックスフォトダイオードが、前記符号化要素の定位置を求めるために使用され得る電気信号を生成するために使用される、システム。
【請求項12】
前記インクリメンタルフォトダイオードのアレイが、中間部分により分離された第1及び第2の移行部分を含む、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記第1及び第2の移行部分が、直線的にテーパ状にされている、請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記第1及び第2の移行部分が、湾曲している、請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記インクリメンタルフォトダイオードのアレイから受け取った電気信号を、第1及び第2のチャネルで出力される信号に変換するように構成された信号処理回路を更に含み、前記信号処理回路が、前記インデックスフォトダイオードから受け取った電気信号を、第3のチャネルで出力される信号に変換するように更に構成されている、請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記第1及び第2のチャネルが、前記符号化要素の増分的位置を求めるために使用され、前記第3のチャネルが、前記符号化要素の定位置を求めるために使用される、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記センサ領域が、レプリカのインデックスフォトダイオードを更に含み、前記インデックスフォトダイオードから受け取った電気信号が、前記レプリカのインデックスフォトダイオードから受け取った電気信号から減算されて、前記インクリメンタルフォトダイオードのアレイから受け取った前記信号に基づいて求められる閾値と比較され、前記閾値との比較が、インデックスパルスを生成するか否かを決定するために使用される、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
光エンコーディングシステムであって、
絶対位置の標識により割り込まれた複数の光学的に区別可能なセクションの繰り返しからなるトラックパターンを備えるトラックを有する符号化要素と、
前記符号化要素の前記トラックに入射する光信号を生成するように構成された放出器と、
前記放出器からの光信号を検出するように配置された複数のフォトダイオードを有する光センサ領域を含む検出器とを含み、
前記複数のフォトダイオードが、インクリメンタルフォトダイオードのアレイ及び少なくとも1つのインデックスフォトダイオードを含む、光エンコーディングシステム。
【請求項19】
前記複数の光学的に区別可能なセクションの繰り返しが、拡張された反射セクション及び拡張された非反射セクションの少なくとも一方により割り込まれた、交互になっている反射セクションと非反射セクションからなる、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記少なくとも1つのインデックスフォトダイオードが、インデックスフォトダイオードとレプリカのインデックスフォトダイオードからなり、前記インデックスフォトダイオードが第1のインデックス出力信号を生成し、前記レプリカのインデックスフォトダイオードが第2のインデックス出力信号を生成し、前記第1のインデックス出力信号と前記第2のインデックス出力信号との差が、閾値と比較されて、インデックスパルスを生成するか否かが決定され、前記閾値が、前記インクリメンタルフォトダイオードのアレイにより生成された信号の最大強度と最小強度を求めることにより計算される、請求項18に記載のシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2012−168177(P2012−168177A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−28181(P2012−28181)
【出願日】平成24年2月13日(2012.2.13)
【出願人】(506200186)アバゴ・テクノロジーズ・イーシービーユー・アイピー(シンガポール)プライベート・リミテッド (154)
【Fターム(参考)】