印刷システム、印刷制御装置およびプログラム
【課題】用紙上の余白領域を印刷領域として容易に割り付けることを可能にする。
【解決手段】印刷される文書の文書データを受け付けて、受け付けた文書データが印刷される用紙の余白領域を余白領域抽出部522により抽出し、さらに、印刷開始位置制御部524により抽出された余白領域に文書データを割り付け、余白領域に割り付けられた文書データをプリンタ70にて用紙に印刷する。
【解決手段】印刷される文書の文書データを受け付けて、受け付けた文書データが印刷される用紙の余白領域を余白領域抽出部522により抽出し、さらに、印刷開始位置制御部524により抽出された余白領域に文書データを割り付け、余白領域に割り付けられた文書データをプリンタ70にて用紙に印刷する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体上にて印刷領域を割り付けて文書印刷を行う印刷システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ等の画像形成装置を用いて用紙等に文書を印刷する際には、画像形成装置に接続された例えばパーソナルコンピュータ(PC)等の端末装置から用紙上での印刷位置や印刷方向を設定することにより、文書を用紙上に自由に割り付けることが可能である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−132369号公報(第2−3頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで一般に、用紙上の一部領域にはすでに文書が印刷されてはいるが、それ以外の領域に印刷可能な余白が存在する際には、用紙を有効利用する観点から、その余白部分に新たな印刷を行う場合がある。例えば、試し印刷する場合には、このような余白を利用する場合も多い。
しかしながら、その場合に、ユーザ自身が用紙上の余白領域の位置を把握して、その余白領域を印刷領域として正確に割り付けることは極めて煩わしい操作を伴うものであった。
【0005】
そこで本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、用紙上の余白領域を印刷領域として容易に割り付けることを可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的のもと、本発明の印刷システムは、印刷される文書の文書データを受け付ける文書受付手段と、文書データが印刷される媒体の余白領域を抽出する余白領域抽出手段と、余白領域抽出手段にて抽出された余白領域に文書データを割り付ける文書割付手段と、文書割付手段にて割り付けられた文書データを媒体に印刷する印刷手段とを備えたことを特徴としている。
【0007】
ここで、媒体上の文書データが印刷された領域に関する情報を印刷履歴情報として記憶する印刷履歴記憶手段をさらに備え、余白領域抽出手段は、印刷履歴記憶手段にて記憶された印刷履歴情報に基づいて、媒体の余白領域を抽出することを特徴とすることができる。
特に、媒体を識別する識別情報を生成し、印刷手段に対して識別情報の印刷を指示する識別情報生成手段と、媒体に印刷された識別情報の入力を受け付ける識別情報受付手段とをさらに備え、印刷履歴記憶手段は、印刷履歴情報を識別情報に対応付けて記憶し、余白領域抽出手段は、印刷履歴記憶手段に記憶された印刷履歴情報であって、識別情報受付手段にて受け付けた識別情報に対応する印刷履歴情報に基づいて余白領域を抽出することを特徴とすることができる。また、印刷手段にて媒体に文書データが新たに印刷された場合に、新たな文書データが印刷された領域に関する情報を印刷履歴情報に追加して印刷履歴情報の更新を行う印刷履歴情報更新手段をさらに備えたことを特徴とすることができる。
【0008】
また、媒体上の文書画像を読み取る画像読取手段をさらに備え、余白領域抽出手段は、画像読取手段にて読み取られた文書画像に基づいて、媒体の余白領域を抽出することを特徴とすることができる。
さらに、文書割付手段は、文書受付手段に受け付けられた文書データを、余白領域抽出手段にて抽出された余白領域に座標移動させる座標変換処理を行うことを特徴とすることができる。
【0009】
また、本発明の印刷システムは、印刷される文書の文書データを受け付ける文書受付手段と、文書のサイズの入力を受け付ける文書サイズ受付手段と、文書データが印刷される媒体のサイズの入力を受け付ける媒体サイズ受付手段と、文書サイズ受付手段にて受け付けた文書のサイズと媒体サイズ受付手段にて受け付けた媒体のサイズとに基づいて、媒体上の文書を印刷可能な領域を抽出する印刷可能領域抽出手段と、印刷可能領域抽出手段にて抽出された領域に文書データを割り付ける文書割付手段と、文書割付手段にて割り付けられた文書データを媒体に印刷する印刷手段とを備えたことを特徴としている。
【0010】
また、本発明を印刷制御装置として捉え、本発明の印刷制御装置は、印刷される文書の文書データを受け付ける文書受付手段と、文書データが印刷される媒体の余白領域を抽出する余白領域抽出手段と、余白領域抽出手段にて抽出された余白領域に文書データを割り付ける文書割付手段とを備えたことを特徴としている。
【0011】
ここで、印刷される文書のサイズの入力を受け付ける文書サイズ受付手段と、余白領域抽出手段にて抽出された余白領域に、文書サイズ受付手段にて受け付けられたサイズの文書が割り付け可能か否かを判定する印刷可否判定手段とをさらに備え、文書割付手段は、印刷可否判定手段にて文書の割り付けが可能であると判断された場合に、かかる文書の文書データを余白領域に割り付けることを特徴とすることができる。また、余白領域抽出手段にて複数の余白領域が抽出された場合に、ユーザによる一または複数の余白領域の指定を受け付ける余白領域指定手段をさらに備え、文書割付手段は、余白領域指定手段にて指定された余白領域に文書データを割り付けることを特徴とすることができる。さらに、文書受付手段は、文書データを受け付けたのち文書データをビットマップデータに変換し、余白領域抽出手段は、文書受付手段にて変換されたビットマップデータに基づいて余白領域を抽出することを特徴とすることができる。
【0012】
また、本発明をプログラムとして捉え、本発明のプログラムは、コンピュータに、印刷される文書の文書データを受け付ける機能と、文書データが印刷される媒体の余白領域を抽出する機能と、抽出された余白領域に文書データを割り付ける機能とを実現させることを特徴としている。
ここで、かかるプログラムは、媒体上の文書データが印刷された領域に関する情報を印刷履歴情報としてメモリに記憶する機能をさらに実現することを特徴とすることができる。また、抽出された余白領域に文書データが割り付け可能か否かを判定する機能をさらに実現することを特徴とすることができる。
【0013】
なお、このプログラムは、例えば、ハードディスク等の予約領域に格納されたプログラムを、RAMにロードして実行される場合がある。また、予めROMに格納された状態にて、CPUで実行される形態がある。さらに、EEPROM等の書き換え可能なROMを備えている場合には、機器がアッセンブリされた後に、プログラムだけが提供されてROMにインストールされる場合がある。このプログラムの提供に際しては、インターネット等のネットワークを介してデータ記録装置を備えたコンピュータにプログラムが伝送され、データ記録装置の有するROMにインストールされる形態も考えられる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1によれば、用紙上の余白領域を印刷領域として容易に割り付けることが可能となる。
また、本発明の請求項2によれば、すでに印刷が行われた用紙上の余白領域を把握することが可能となる。
また、本発明の請求項3によれば、識別情報によりすでに印刷が行われた用紙を容易に特定し、迅速に用紙上の余白領域を把握することができる。
【0015】
また、本発明の請求項4によれば、複数回印刷が行われた用紙上の余白領域を把握することができる。
また、本発明の請求項5によれば、過去に印刷が行われた際の印刷履歴が記録されていない用紙上での余白領域を容易に把握することができる。
また、本発明の請求項6によれば、文書を自動的に余白領域に割り付けることができる。
【0016】
本発明の請求項7によれば、ユーザは、使用する出力用紙を目視して印刷済みの領域の位置を把握しながら、ユーザの所望する余白領域に印刷を行うことが可能となる。
【0017】
本発明の請求項8によれば、用紙上の余白領域を印刷領域として容易に割り付けることが可能となる。
また、本発明の請求項9によれば、ユーザは余白領域に文書の印刷が可能か否かを容易に把握でき、適切な用紙を選択することができる。
また、本発明の請求項10によれば、文書のサイズ等に対応した余白領域を自由に設定することができる。
また、本発明の請求項11によれば、余白領域を細分化して設定することができ、用紙の使用効率をさらに高めることができる。
【0018】
本発明の請求項12によれば、用紙上の余白領域を印刷領域として容易に割り付けることが可能となる。
また、本発明の請求項13によれば、すでに印刷が行われた用紙上の余白領域を把握することが可能となる。
また、本発明の請求項14によれば、ユーザは余白領域に文書の印刷が可能か否かを容易に把握でき、適切な用紙を選択することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[実施の形態1]
図1は、本実施の形態が適用される印刷システム1の全体構成を示す図である。図1に示す印刷システム1は、ユーザからの文書(ドキュメント)等の印刷指示を受け付けて、これを印刷ジョブとして送信する端末装置10と、端末装置10からの印刷ジョブを受信して媒体である用紙に印刷を行う画像形成装置(印刷手段)としてのプリンタ70とが通信ケーブル60を介して相互に接続されて構成されている。
【0020】
端末装置10は、装置全体の動作を制御する制御部20、所定のアプリケーションソフトに従って文書(ドキュメント)等の文書データを生成したり、生成された文書データや保存された文書データについて印刷指示等を行う文書データ生成部30、文書データやプログラム等が記憶される例えばハードディスク(Hard Disk Drive)にて実現される記憶部40、文書データ生成部30からの文書データの印刷指示をプリンタ70に対する印刷命令に変換し、印刷ジョブとしての印刷データの生成等を行うプリンタドライバ50を含んで構成されている。ここで、端末装置10としては、例えばパーソナルコンピュータ(PC)が用いられる。
ここで、本明細書では、「文書」の文言を用いるが、この「文書」は、テキストの他に、例えば、写真、図形等の画像をも含むものである。
【0021】
なお、端末装置10の上記した機能部は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。具体的には、端末装置10の図示しないCPUが、所定のプログラムを記憶部40から主記憶装置(例えば、ROM)に読み込み、制御部20、文書データ生成部30、プリンタドライバ50の各機能を実現する処理を行う。
【0022】
プリンタ70は、例えば電子写真方式からなる画像形成機構(プリンタエンジン)により構成され、文書データを用紙に印刷する。なお、プリンタ70には、インクジェット方式等のその他の如何なる方式のプリンタエンジンを用いてもよい。
【0023】
次いで、本実施の形態の端末装置10に備えられたプリンタドライバ50の構成について説明する。
図2は、プリンタドライバ50の機能構成を示すブロック図である。図2に示したように、プリンタドライバ50は、ユーザからの各種の指示入力を受け付けたり、ユーザに対して所定の情報を表示するユーザインタフェイス(UI)部51、印刷ジョブとしての印刷データを生成する印刷処理部52を含んで構成されている。
【0024】
UI部51は、文書データ生成部30にて作成された文書のサイズについて、ユーザからの指定を受け付ける文書サイズ入力部(文書サイズ受付手段)511、プリンタ70での印刷に使用される特定の用紙に付された用紙識別情報(用紙識別情報に関しては後述する)のユーザからの指定を受け付ける用紙識別情報入力部(識別情報受付手段)512、文書サイズ入力部511にて指定されたサイズの文書を、用紙識別情報入力部512にて指定された用紙上で割り付けることが可能な領域(複数のかかる領域が存在する場合には、その複数の領域のすべて)を表示する印刷可能領域表示部513、指定されたサイズの文書を割り付けることが可能な用紙上の領域が複数ある場合に、ユーザから文書を割り付ける領域(印刷領域)の指定を受け付ける余白領域指定手段の一例としての印刷領域入力部514を備えている。
なお、UI部51は、例えば端末装置10に設けられた液晶ディスプレイにて実現される。
【0025】
ここで、用紙識別情報(出力用紙識別情報とも記す)は、本実施の形態の印刷システム1において、プリンタ70にて新たな用紙(何も印刷されていない未使用の用紙)に文書が印刷された際に、例えばその用紙の右下隅に印刷される、その用紙を個別に特定するための識別情報である。したがって、プリンタ70にて印刷された用紙には、その用紙を他の用紙から識別するための一の用紙識別情報が印刷されることとなる。
【0026】
印刷処理部52は、用紙上にて文書が印刷された領域の座標データや用紙識別情報を印刷履歴データ(印刷履歴情報)として記憶する印刷履歴記憶部(印刷履歴記憶手段)521、用紙識別情報入力部512にてユーザが指定した用紙識別情報に対応する用紙の印刷履歴データを印刷履歴記憶部521から読み取り、余白領域に関する情報を抽出する余白領域抽出部(余白領域抽出手段)522、文書サイズ入力部511にて指定されたサイズの文書が、余白領域抽出部522にて抽出された余白領域内に印刷可能であるか否かを判断する印刷可否判定部(印刷可否判定手段)523を備えている。
【0027】
さらに、印刷処理部52は、印刷領域入力部514での印刷領域の指定に対応して、印刷を開始する位置座標を決定し、指定された印刷領域に文書を割り付ける文書割付手段の一例としての印刷開始位置制御部524、文書データ生成部30からの印刷指示と、印刷開始位置制御部524にて決定された印刷を開始する位置座標情報とに基づいて、印刷データを生成する印刷出力部525を備えている。
また、印刷出力部525にて生成された印刷データに基づいて、印刷された用紙についての印刷履歴記憶部521に記憶されている印刷履歴データを更新する印刷履歴データ更新部(印刷履歴情報更新手段)526を備えている。
【0028】
続いて、本実施の形態の印刷システム1での印刷処理について説明する。
図3は、実施の形態の印刷システム1での印刷処理の手順の一例を示すフローチャートである。図3に示したように、端末装置10のプリンタドライバ50では、まず、文書データ生成部30から、文書データ生成部30にて生成された文書または記憶部40に記憶されている文書の印刷指示を受ける(S101)。そして、文書の印刷指示を受けると、プリンタドライバ50のUI部51は、図4に示した表示画面を表示する(S102)。
図4に示した表示画面には、印刷する際の部数を入力する欄(部数入力欄)、文書を拡大/縮小して印刷する際のズーム比率(拡縮率)を指定する欄(ズーム指定欄)、文書(原稿)のサイズを入力する欄(文書サイズ入力欄:文書サイズ入力部511)、出力用紙として使用する用紙の出力用紙識別情報を入力する欄(用紙識別情報入力欄:用紙識別情報入力部512)、出力用紙として使用する用紙のサイズを入力する欄(出力用紙サイズ入力欄:媒体サイズ受付手段)等といった印刷設定情報に関する入力欄を備えている。
【0029】
ここで、図4(a)は、未使用の用紙を使用する際の各入力欄への印刷設定情報(プロパティ)の入力例を示したものであり、図4(b)は、すでに使用済みの用紙を使用する際の各入力欄への印刷設定情報の入力例を示したものである。例えば、図4(a)では、文書サイズ入力欄(文書サイズ入力部511)には「はがき」(A6サイズ)、用紙識別情報入力欄(用紙識別情報入力部512)には未使用の用紙を意味する「新しい用紙」、用紙サイズ入力欄には「A4」がそれぞれ入力されている。また、例えば、図4(b)では、文書サイズ入力欄(文書サイズ入力部511)には「はがき」(A6サイズ)、用紙識別情報入力欄(用紙識別情報入力部512)には出力用紙として使用する用紙の出力用紙識別情報の一例である「ID−00008−1」がそれぞれ入力されている。なお、出力用紙識別情報が入力された場合には、出力用紙識別情報により使用される用紙が特定されるので、用紙のサイズを入力する必要はなく、用紙サイズ入力欄は入力不能に設定される。なお、ここでは、出力用紙識別情報「ID−00008−1」にて特定される用紙のサイズもA4であると想定する。
そして、図4に示した表示画面の各入力欄への入力が完了した際には、ユーザにより「OK」がクリックされる。「OK」がクリックされると、プリンタドライバ50のUI部51は、表示画面にて入力された各種印刷設定情報を印刷処理部52に送る(S103)。
【0030】
UI部51から表示画面にて入力された各種印刷設定情報を受け付けた印刷処理部52は、以下の印刷処理を実行する。
印刷処理部52では、文書サイズ入力欄(文書サイズ入力部511)から入力された文書サイズ情報とズーム指定欄から入力されたズーム比率(拡縮率)とに基づいて、印刷対象である文書を印刷するのに必要な領域(印刷領域)のサイズを算出する(S104)。ここで、印刷領域のサイズの算出は、印刷可否判定部523が行い、印刷領域のサイズ情報を保持する。
例えば、図4に示した文書サイズ入力欄(文書サイズ入力部511)からは「はがき」(A6サイズ)が入力され、ズーム指定欄には100%が指定されているので、印刷可否判定部523では、印刷領域のサイズ情報として、100mm×148mmの領域が算出され、保持される。
【0031】
次に、印刷処理部52は、印刷に使用される用紙の余白領域情報を生成する(S105)。
用紙の余白領域情報の生成は、余白領域抽出部522にて行われる。以下、余白領域抽出部522にて行われる余白領域情報の生成について述べる。
余白領域抽出部522は、図4に示した用紙識別情報入力欄(用紙識別情報入力部512)にて入力された情報を取得する。そして、例えば、図4(a)に示したように、用紙識別情報入力欄(用紙識別情報入力部512)にて未使用の用紙を意味する「新しい用紙」が指定された場合には、余白領域抽出部522は、印刷履歴記憶部521に記憶されている印刷履歴データを参照せずに、用紙サイズ入力欄にて指定されたサイズの用紙全体の領域を余白領域として設定し、余白領域情報を生成する。例えば図4(a)の場合には「A4」が指定されているので、A4サイズの用紙全体の領域からなる余白領域情報が生成される。
【0032】
ここで、図5は、(a)がA4サイズの用紙全体が余白領域として設定された場合の余白領域情報の元となる座標位置を示す図であり、(b)がこの場合の余白領域情報を示した図である。図5(a)に示したように、A4サイズの用紙の4つのエッジ位置を左上のエッジ位置を原点(0,0)とした座標(x,y)で表す。そして、図5(b)に示したように、4つのエッジ位置の座標を例えば時計周りに順に並べた1組の座標により余白領域情報を生成する。
具体的には、図5(a)に示したように、A4サイズの用紙では、第1エッジの座標(原点)が(0,0)、第2エッジの座標が(210,0)、第3エッジの座標が(210,297)、第4エッジの座標が(0,297)であるので、図5(b)に示したように、余白領域情報は、時計周りに、1:(0,0)、2:(210,0)、3:(210,297)、4:(0,297)となる。
【0033】
一方、余白領域抽出部522は、用紙識別情報入力欄(用紙識別情報入力部512)にて入力された情報が出力用紙識別情報の一例である「ID−00008−1」である場合には、余白領域抽出部522は、印刷履歴記憶部521に記憶されている用紙識別情報「ID−00008−1」の印刷履歴データを参照して、「ID−00008−1」の用紙の印字済み領域情報を取得する。そして、取得した印刷済み領域情報に基づいて、余白領域情報を生成する。
【0034】
ここで、図6は、(a)がA4サイズの用紙の中の印刷済みの領域の座標位置を示す図であり、(b)がこの用紙の印刷履歴記憶部521に記憶されている印刷履歴データを示した図である。図6(a)に示したように、A4サイズの用紙の中の印刷済みの領域は、4つのエッジ位置の座標(x,y)にて特定される。ここで、座標(x,y)は、同様に左上のエッジ位置が原点とされる。そして、図6(b)に示したように、印刷済みの領域の4つのエッジ位置の座標を例えば時計周りに順に並べた1組の座標により印刷済み領域情報が形成されている。
具体的には、図6(a)に示したように、A4サイズの用紙の左上部にA6サイズの印刷済みの領域が存在する場合には、印刷済みの領域の第1エッジの座標(原点)が(0,0)、第2エッジの座標が(100,0)、第3エッジの座標が(100,148)、第4エッジの座標が(0,148)であるので、図6(b)に示したように、印刷済み領域情報は、時計周りに、1:(0,0)、2:(100,0)、3:(100,148)、4:(0,148)となる。なお、印刷履歴データは、用紙識別情報「ID−00008−1」を含めて構成される。
【0035】
余白領域抽出部522は、取得した印刷済み領域情報に基づき、A4サイズの用紙領域から左上部のA6サイズの印刷済みの領域を除いた領域、すなわち図6に示したA領域とB領域とを余白領域として設定し、それぞれA領域およびB領域に関する余白領域情報を生成する。
なお、図6での例では、縦方向(y方向)に大きな寸法を取れることを優先して余白領域を設定した場合を示したが、横方向(x方向)に大きな寸法を取れることを優先して余白領域を設定する等といったように、余白領域の設定に際して優先するファクターは、印刷する文書の形状や用途等に応じて自由に設定することができる。
【0036】
図7は、(a)が図6に示したA領域とB領域とが余白領域として設定された場合の余白領域情報の元となる座標位置を示す図であり、(b)がこの場合の余白領域情報を示した図である。図7(a)に示したように、A領域の余白領域では、第1エッジの座標が(100,0)、第2エッジの座標が(210,0)、第3エッジの座標が(210,297)、第4エッジの座標が(100,297)である。また、B領域の余白領域では、第1エッジの座標が(0,148)、第2エッジの座標が(100,148)、第3エッジの座標が(100,297)、第4エッジの座標が(0,297)である。したがって、図7(b)に示したように、余白領域抽出部522により生成される余白領域情報は、A領域に関しては、時計周りに順に並べた1組の座標である、1:(100,0)、2:(210,0)、3:(210,297)、4:(100,297)となる。また、B領域に関しては、同様に、1:(0,148)、2:(100,148)、3:(100,297)、4:(0,297)となる。
【0037】
引き続いて、印刷処理部52の印刷可否判定部523においては、ステップ104にて算出された印刷領域のサイズ情報と、ステップ105にて生成された余白領域情報とに基づいて、印刷対象である文書が、指定した用紙の余白領域に印刷可能か否かを判定する(S106)。
【0038】
ステップ106において、印刷対象である文書が指定した用紙の余白領域に印刷することができないと判定された場合(S107)には、例えば図8に示したメッセージをUI部51に表示した後、図4の表示画面にて指定されたプロパティを再度表示する(S108)。それにより、ユーザに対して、ズーム指定欄のプロパティを調整して文書のサイズを小さく設定するか、または、用紙サイズ入力欄にて充分に大きな余白領域を有する別の用紙を指定することを促す。
そして、ユーザが再度図4の表示画面にて新たな印刷設定情報を入力した場合(S109)には、入力された各種印刷設定情報は、印刷処理部52に送られ(S103)、ステップ104以下の処理が再び実行される。
【0039】
一方、ステップ106において、印刷対象である文書が指定した用紙の余白領域に印刷することが可能であると判定された場合(S107)には、例えば図9に示したように、指定した用紙の余白領域内における印刷可能な余白領域(図中、印字位置1〜3)をUI部51に表示する(S110)。ここでは、印刷処理部52の印刷開始位置制御部524が、印刷可否判定部523から余白領域情報を取得して、UI部51の印刷可能領域表示部513に送る。そして、UI部51の印刷可能領域表示部513が、印刷可能な余白領域を表示する。
そして、ユーザは、表示された印刷可能な余白領域の中の一に、例えばカーソルを合わせてクリックすることでその一の余白領域を選択して、「OK」をクリックする。それにより、印刷対象である文書が印刷される余白領域が指定される(S111)。ここでは、UI部51の印刷領域入力部514が、余白領域の指定を受け付けて、その指定された余白領域に関する情報を印刷開始位置制御部524に送る。
なお、この場合に、印刷領域入力部514によるユーザからの余白領域の指定を行わせずに、自動的に印刷処理部52が印刷される余白領域を決定するように構成してもよい。
【0040】
ステップ111にて余白領域が指定されると、印刷処理が開始され、印刷処理部52の印刷出力部525は、文書データ生成部30からの印刷指示に基づいて、印刷ジョブとしての印刷データを生成する(S112)。印刷データは、文書データや各種属性データを含んで構成される。なお、ここでの印刷出力部525は、文書受付手段として機能する。
ここで、ステップ112にて印刷データを生成する際には、印刷開始位置制御部524は、ステップ111にて指定された余白領域に関する情報に基づいて、印刷対象である文書の印刷開始位置を設定し、指定された余白領域への文書の割り付けを行う(S113)。すなわち、文書データ生成部30がテキスト、グラフィックス、イメージ等といった描画オブジェクトの印刷指示を行う際には、用紙の印刷原点(ここでは用紙左上のエッジ位置が印刷原点(0,0)に設定される)を基準として印刷位置の座標が設定されている。そのため、印刷開始位置制御部524は、ステップ112にて生成された印刷データ(文書データ)に対して、ステップ111にて指定された余白領域の左上のエッジ位置を印刷原点に設定する座標変換処理を行う。それにより、指定された余白領域への文書の割り付けが行われる。
【0041】
図10は、印刷開始位置制御部524が行う、ステップ111にて指定された余白領域の左上のエッジ位置を印刷原点に設定する座標変換処理を説明する図である。図10に示すように、文書データ生成部30が印刷指示する印刷位置が、用紙の印刷原点(0,0)を基準として、例えば座標(20,20)、(60,20)、(60,70)、(20,70)で囲まれた領域であると想定する。
一方、ステップ111にて指定された余白領域の左上のエッジ位置の座標は(100,148)であるとする。そうすると、印刷開始位置制御部524は、用紙の印刷原点(0,0)を余白領域の左上のエッジ位置の座標(100,148)に平行移動する座標変換処理を行う。具体的には、文書データ生成部30が印刷指示する印刷位置(x,y)に対して、(x+100,y+148)に座標変換する処理を行う。したがって、文書データ生成部30により印刷指示された領域である座標(20,20)、(60,20)、(60,70)、(20,70)で囲まれた領域は、ステップ111にて指定された余白領域を加味することにより、座標(120,168)、(160,168)、(160,218)、(120,218)で囲まれた領域に印刷されることとなる。
【0042】
そして、ステップ113での座標変換処理が施された印刷データは、通信ケーブル60を介してプリンタ70に送信される(S114)。
それと同時に、ステップ113での座標変換処理が施された印刷データが印刷された用紙上の領域(印刷済み領域)に関する情報は、印刷済み領域情報として印刷履歴データ更新部526に送られる。そして、印刷履歴データ更新部526は、印刷済み領域情報を新たに印刷履歴データに追加して印刷履歴記憶部521に記憶する(S115)。
【0043】
図11は、(a)が図6に示したすでに印刷済み領域であったA領域に、新たに印刷が行われて印刷済み領域となったB領域が追加された場合の印刷済み領域情報の元となる座標位置を示す図であり、(b)がこの場合の印刷済み領域情報を示した図である。図11(a)に示したように、B領域の印刷済み領域では、実際に印刷が行われた領域(斜線で示した領域)は、B領域内の一部であり、余白領域も残存する。しかし、残存した余白領域(格子で示した領域)がプリンタ70にサポートされる最小用紙サイズよりも小さい場合には、ステップ106での印刷可否判定の効率の低下を回避するため、残存した余白領域を含めたB領域の全体を印刷済み領域として記憶する。
したがって、図11(b)に示したように、印刷履歴記憶部521に記憶される印刷履歴データには、印刷済み領域情報として、A領域に関する、時計周りに順に並べた1組の座標である、1:(0,0)、2:(100,0)、3:(100,148)、4:(0,148)と、B領域に関する、同様の1:(100,148)、2:(210,148)、3:(210,297)、4:(100,297)とが含まれることとなる。
【0044】
また、ステップ103にてUI部51から印刷処理部52に、用紙識別情報入力欄(用紙識別情報入力部512)にて指定された「新しい用紙」のプロパティが送られ、未使用の用紙に印刷が行われる場合には、印刷出力部525は、印刷される未使用の用紙を特定する新たな用紙識別情報を生成し、用紙のヘッダーまたはフッターとしてプリンタ70に送信する(S116)。ここで、新たな用紙識別情報は、乱数や印刷日時等を用いて用紙を唯一のものとして特定することができるように設定される。なお、ここでの印刷出力部525は、識別情報生成手段として機能する。
さらに、印刷出力部525は、生成した新たな用紙識別情報を印刷履歴データ更新部526に送り、印刷履歴データ更新部526は、印刷済み領域情報を新たに生成された用紙識別情報に対応付けて印刷履歴記憶部521に記憶する(S117)。
したがって、ユーザは、次回この用紙を使用する場合には、図4に示した表示画面にて、用紙識別情報入力欄(用紙識別情報入力部512)に用紙のヘッダーまたはフッターに印刷された用紙識別情報を入力する。それにより、上記したステップ103〜115の処理が実行され、余白領域に印刷が行われることとなる。
【0045】
以上説明したように、本実施の形態の印刷システム1では、用紙に文書が印刷された場合には、その用紙上で印刷に使用された領域を印刷履歴データとして記憶しておく。そして、再度その用紙に印刷する際には、記憶された印刷履歴データから余白領域情報を生成する。さらには、生成された余白領域情報に基づいて用紙の余白領域を指定する。そして、指定された余白領域に文書を割り付けて印刷を行うように構成されている。それにより、用紙の利用効率を高めることができるので、用紙の有効利用を図ることが可能となる。
【0046】
例えば、A4サイズの用紙に、年賀状(A6サイズ)等の試し刷りを行う場合には、印刷位置が文書データ生成部30からの印刷指示により例えば用紙の左上のエッジ位置を基準として定まるため、従来は、1回の印刷が終了する毎に用紙の搬送方向を変え、さらには表裏を変えて印刷を行っていた。そのため、表裏各々2つのA6サイズ領域の合計4つのA6サイズ領域での試し刷りしかできなかった。しかし、本実施の形態の印刷システム1においては、A4サイズの用紙の表裏の全領域を使用できるので、表裏各々4つのA6サイズ領域の合計8つのA6サイズ領域での試し刷りを行うことが可能となる。
【0047】
[実施の形態2]
実施の形態1の印刷システム1では、用紙に文書が印刷される場合に、その用紙上で印刷に使用された印刷済み領域を印刷履歴データとして記憶しておき、印刷履歴データを参照することで用紙の余白領域を把握して、余白領域への印刷を行う構成について説明した。本実施の形態の印刷システムでは、実施の形態1のように印刷履歴データを管理せず、ユーザに対して用紙を複数に分割した領域を提示し、提示された領域の中の一または複数をユーザが指定することで、その指定された領域への印刷を行う構成について説明する。なお、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
【0048】
本実施の形態の印刷システムは、図1と同様のシステム構成を有する。
以下に、本実施の形態の印刷システムにおける端末装置10のプリンタドライバ50について説明する。図12は、本実施の形態の端末装置10のプリンタドライバ50の機能構成を示すブロック図である。
図12に示したプリンタドライバ50では、実施の形態1のプリンタドライバ50とは異なり、印刷履歴記憶部521、印刷可否判定部523および印刷履歴データ更新部526が配置されていない。
このような構成のプリンタドライバ50においては、余白領域抽出部522は、UI部51にて表示される図4の表示画面における文書サイズ入力欄(文書サイズ入力部511)から入力された文書サイズと、用紙サイズ入力欄(用紙サイズ入力部515)から入力された出力用紙として使用する用紙のサイズとに関する印刷設定情報を取得する。そして、余白領域抽出部522は、取得した文書サイズおよび使用する出力用紙のサイズに関する印刷設定情報に基づいて、出力用紙上での過去の印刷履歴に関係なく、出力用紙について、印刷対象である文書が印刷可能なサイズに分割された領域に関する情報を生成する。
なお、本実施の形態の印刷システムでは、図4の表示画面には、出力用紙として使用する用紙の出力用紙識別情報を入力する欄(用紙識別情報入力欄)は必要なく、表示されない。
【0049】
図13は、本実施の形態の印刷システムでの印刷処理の手順の一例を示すフローチャートである。図13に示したように、本実施の形態の印刷システムでは、ステップ201〜ステップ204での処理は、実施の形態1の印刷システム1での処理フロー(図3参照)のステップ101〜ステップ104と同様の処理を行う。
ここで、本実施の形態のプリンタドライバ50では、ステップ204での印刷領域のサイズの算出は、余白領域抽出部522が行う。すなわち、図4に示した文書サイズ入力欄(文書サイズ入力部511)から入力された文書サイズと、ズーム指定欄から入力されたズーム比率(拡縮率)とに基づいて、余白領域抽出部522では、印刷対象である文書を印刷するのに必要な領域(印刷領域)のサイズ情報が算出され、保持される。
次に、余白領域抽出部522は、ステップ204にて算出された印刷領域のサイズ情報と、用紙サイズ入力欄(用紙サイズ入力部515)から入力された出力用紙として使用する用紙のサイズに関する情報とに基づいて、出力用紙上で文書が印刷可能な最小限のサイズに分割された領域(印刷可能領域)に関する情報(印刷可能領域情報)を生成する(S205)。ここでは、印刷可能領域情報を生成するに際して、余白領域抽出部522は、出力用紙上での過去の印刷履歴を一切考慮することはない。
なお、ここでの余白領域抽出部522は、印刷可能領域抽出手段として機能する。
【0050】
そして、余白領域抽出部522は、UI部51の印刷可能領域表示部513に印刷可能領域情報を送る。印刷可能領域表示部513は、取得した印刷可能領域情報に基づいて、出力用紙上に印刷可能領域を表示する(S206)。
ここで、図14は、出力用紙としてA4サイズの用紙を使用し、文書サイズをA6サイズとした場合に、印刷可能領域表示部513にて表示される出力用紙の印刷可能領域を示した図である。本実施の形態の余白領域抽出部522は、使用する用紙上の如何なる領域に印刷がすでに行われているかに拘わらず、図14に示したように、出力用紙としてのA4サイズの用紙を、文書サイズであるA6サイズの領域(印刷可能領域A〜D)に分割した状態で表示する。
【0051】
それにより、ユーザは、使用する用紙(出力用紙)を目視して印刷済みの領域の位置を把握し、UI部51の印刷可能領域表示部513に表示された例えば図14に示した印刷可能領域A〜Dから、印刷に利用する一または複数の印刷可能領域を指定する(S207)。例えば、利用する印刷可能領域をクリックすることで、その一または複数の印刷可能領域を指定する。
指定された出力用紙上の印刷可能領域に関する情報は、UI部51の印刷領域入力部514から印刷開始位置制御部524に送られる。その後、実施の形態1の図3で示した処理フローのステップ112〜ステップ114と同様の処理である、本実施の形態の処理フローにおけるステップ208〜ステップ210の処理が行われる。それにより、ユーザが指定した出力用紙上の印刷可能領域に、文書が印刷される。
【0052】
このように、本実施の形態の印刷システムでは、印刷履歴データを管理せずに、出力用紙を文書が印刷可能なサイズという観点のみにより分割した一または複数の領域をユーザに対して提示し、提示された領域の中の一または複数をユーザが指定することで、その指定された領域への印刷を行うように構成している。それにより、ユーザは、使用する出力用紙を目視して印刷済みの領域の位置を把握しながら、ユーザの所望する余白領域に印刷を行うことができる。また、複雑な処理を行うことがないので、装置を簡便に構成することもできる。
【0053】
[実施の形態3]
実施の形態1の印刷システム1では、印刷領域のサイズの算出および印刷履歴データの生成に際して、文書の文書データをページ単位で扱う構成について説明した。本実施の形態の印刷システムでは、印刷領域のサイズの算出および印刷履歴データの生成に際して、文書の文書データをビットマップデータにて扱う構成について説明する。なお、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
【0054】
本実施の形態の印刷システムは、図1と同様のシステム構成を有する。
以下に、本実施の形態の印刷システムにおける端末装置10のプリンタドライバ50について説明する。まず、本実施の形態のプリンタドライバ50は、デコンポーズ機能を有するように構成されており、文書データ生成部30からプリンタドライバ50に対して出力された文書データは、文書データを受け付けた印刷出力部525にてビットマップデータに変換される。ここで、印刷出力部525は文書受付手段として機能する。
そして、本実施の形態のプリンタドライバ50は、実施の形態1での処理フロー(図3参照)のステップ115にて、印刷済み領域情報を印刷履歴データとして印刷履歴記憶部521に追加する場合、または、ステップ117にて、未使用の用紙に印刷が行われる場合において、印刷済み領域情報を新たに生成された用紙識別情報に対応付けて印刷履歴記憶部521に記憶する場合には、ビットマップデータで構成された印刷済み領域情報を用いる。
【0055】
それにより、実施の形態1での処理フローのステップ105での余白領域情報の生成時には、余白領域情報をビットマップデータにより生成することができる。そのため、ページの単位に制限されずに余白領域情報を生成できることとなるので、余白領域を細分化して設定することができる。その結果、用紙の使用効率をさらに高めることができる。
同様に、実施の形態1での処理フローのステップ104での印刷領域のサイズの算出に際して、ビットマップデータを用いることもできる。それにより、印刷領域をより細かく設定でき、ページの単位に制限されずに余白領域を選択できることが可能となるので、余白領域の選択の幅が広がる。その結果、用紙の使用効率をさらに高めることができる。
【0056】
[実施の形態4]
実施の形態1の印刷システム1では、用紙に文書が印刷される場合に、その用紙上で印刷に使用された印刷済み領域を印刷履歴データとして記憶しておき、印刷履歴データを参照することで用紙の余白領域を把握して、余白領域への印刷を行う構成について説明した。本実施の形態の印刷システム2では、スキャナ等の画像読取装置により文書が印刷された用紙を読み取り、読み取られた画像から印字済み領域情報を生成する構成について説明する。なお、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
【0057】
図15は、本実施の形態が適用される印刷システム2の全体構成を示す図である。図15に示す印刷システム2は、ユーザからの文書(ドキュメント)等の印刷指示を受け付けて、これを印刷ジョブとして送信する端末装置10と、端末装置10からの印刷ジョブを受信して媒体である用紙に印刷を行う画像形成装置としてのプリンタ70とが通信ケーブル60により相互に接続されて構成されている。さらに、端末装置10には、文書を読み込むことが可能な画像読取装置(画像読取手段)としてのイメージスキャナ80が通信ケーブル90を介して接続されている。
【0058】
図16は、本実施の形態のプリンタドライバ50の機能構成を示すブロック図である。図16に示したように、本実施の形態のプリンタドライバ50では、実施の形態1のプリンタドライバ50とは異なり、印刷履歴記憶部521および印刷履歴データ更新部526を備えていない。
このような構成のプリンタドライバ50においては、余白領域抽出部522は、イメージスキャナ80により読み込まれた画像データを取得し、取得した画像データに基づいて印刷に使用される用紙の余白領域情報を生成する。
【0059】
以下に、本実施の形態の印刷システム2での印刷処理について説明する。本実施の形態の印刷システム2では、図3に示した実施の形態1の印刷システム1と同様の処理フローによる処理が行われる。
ここで、本実施の形態の印刷システム2では、実施の形態1の処理フロー(図3参照)のステップ105において、余白領域抽出部522により余白領域情報を生成する際には、イメージスキャナ80により読み込まれた画像データを用いる。すなわち、実施の形態1のように印刷履歴記憶部521に記憶された印刷履歴データを用いず、イメージスキャナ80により直接的に出力用紙上の画像を読み込み、出力用紙にてすでに印刷された印刷済み領域を読み込まれた画像データから検出する。
【0060】
すなわち、まず、ユーザは、出力用紙として使用する用紙をイメージスキャナ80に載置する。そして、イメージスキャナ80を作動させる。それにより、イメージスキャナ80は、出力用紙上の画像を読み取り、ラスタデータとしての画像データを生成する。生成された画像データは余白領域抽出部522に送られる。
余白領域抽出部522は、取得した画像データを解析して、画像が形成されている領域(画像データが存在する領域)と画像が形成されていない領域(画像データが存在しない領域)とを分離する。そして、画像が形成されていない領域を余白領域として設定し、その余白領域の座標データからなる余白領域情報を生成する。
【0061】
上記のように生成された余白領域情報が用いられて、図3の処理フローにおけるその他の処理が実行される。その際に、イメージスキャナ80に載置された用紙は、プリンタ70に設置されて、文書の印刷に使用される。
このように、本実施の形態の印刷システム2では、イメージスキャナ80により用紙の印刷に使用された領域を読み込み、余白領域情報を生成する。そして、その用紙に文書を印刷するに際して、生成された余白領域情報に基づいて用紙の余白領域を指定し、指定された余白領域に印刷を行うように構成されている。それにより、印刷履歴データが記憶されていない用紙に関しても、用紙の有効利用を図ることが可能となる。
【0062】
なお、本実施の形態の印刷システム2においては、イメージスキャナ80およびプリンタ70と、端末装置10のプリンタドライバ50とを一体的に構成することで、複写機として構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の印刷システムの全体構成を示す図である。
【図2】プリンタドライバの機能構成を示すブロック図である。
【図3】印刷システムでの印刷処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】プリンタドライバのUI部にて表示する表示画面の一例を示す図である。
【図5】(a)はA4サイズの用紙全体が余白領域として設定された場合の余白領域情報の元となる座標位置を示す図であり、(b)はこの場合の余白領域情報を示した図である。
【図6】(a)はA4サイズの用紙の中の印刷済みの領域の座標位置を示す図であり、(b)はこの用紙の印刷履歴記憶部に記憶されている印刷履歴データを示した図である。
【図7】(a)は図6に示したA領域とB領域とが余白領域として設定された場合の余白領域情報の元となる座標位置を示す図であり、(b)はこの場合の余白領域情報を示した図である。
【図8】文書が指定した用紙の余白領域に印刷することができないと判定された場合に表示されるメッセージ画面の一例を示す図である。
【図9】指定した用紙の余白領域内における印刷可能な余白領域を表示する表示画面の一例を示す図である。
【図10】印刷開始位置制御部にて行われる座標変換処理を説明する図である。
【図11】(a)は図6に示したすでに印刷済み領域であったA領域に、新たに印刷が行われて印刷済み領域となったB領域が追加された場合の印刷済み領域情報の元となる座標位置を示す図であり、(b)はこの場合の印刷済み領域情報を示した図である。
【図12】プリンタドライバの機能構成を示すブロック図である。
【図13】印刷システムでの印刷処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】出力用紙としてA4サイズの用紙を使用し、文書サイズをA6サイズとした場合に、印刷可能領域表示部にて表示される出力用紙の印刷可能領域を示した図である。
【図15】本発明の他の印刷システムの全体構成を示す図である。
【図16】プリンタドライバの機能構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0064】
1,2…印刷システム、10…端末装置、20…制御部、30…文書データ生成部、40…記憶部、50…プリンタドライバ、51…ユーザインタフェイス(UI)部、52…印刷処理部、60,90…通信ケーブル、70…プリンタ、80…イメージスキャナ、521…印刷履歴記憶部、522…余白領域抽出部、523…印刷可否判定部、524…印刷開始位置制御部、525…印刷出力部、526…印刷履歴データ更新部
【技術分野】
【0001】
本発明は、媒体上にて印刷領域を割り付けて文書印刷を行う印刷システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタ等の画像形成装置を用いて用紙等に文書を印刷する際には、画像形成装置に接続された例えばパーソナルコンピュータ(PC)等の端末装置から用紙上での印刷位置や印刷方向を設定することにより、文書を用紙上に自由に割り付けることが可能である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】特開2000−132369号公報(第2−3頁)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで一般に、用紙上の一部領域にはすでに文書が印刷されてはいるが、それ以外の領域に印刷可能な余白が存在する際には、用紙を有効利用する観点から、その余白部分に新たな印刷を行う場合がある。例えば、試し印刷する場合には、このような余白を利用する場合も多い。
しかしながら、その場合に、ユーザ自身が用紙上の余白領域の位置を把握して、その余白領域を印刷領域として正確に割り付けることは極めて煩わしい操作を伴うものであった。
【0005】
そこで本発明は、以上のような技術的課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、用紙上の余白領域を印刷領域として容易に割り付けることを可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
かかる目的のもと、本発明の印刷システムは、印刷される文書の文書データを受け付ける文書受付手段と、文書データが印刷される媒体の余白領域を抽出する余白領域抽出手段と、余白領域抽出手段にて抽出された余白領域に文書データを割り付ける文書割付手段と、文書割付手段にて割り付けられた文書データを媒体に印刷する印刷手段とを備えたことを特徴としている。
【0007】
ここで、媒体上の文書データが印刷された領域に関する情報を印刷履歴情報として記憶する印刷履歴記憶手段をさらに備え、余白領域抽出手段は、印刷履歴記憶手段にて記憶された印刷履歴情報に基づいて、媒体の余白領域を抽出することを特徴とすることができる。
特に、媒体を識別する識別情報を生成し、印刷手段に対して識別情報の印刷を指示する識別情報生成手段と、媒体に印刷された識別情報の入力を受け付ける識別情報受付手段とをさらに備え、印刷履歴記憶手段は、印刷履歴情報を識別情報に対応付けて記憶し、余白領域抽出手段は、印刷履歴記憶手段に記憶された印刷履歴情報であって、識別情報受付手段にて受け付けた識別情報に対応する印刷履歴情報に基づいて余白領域を抽出することを特徴とすることができる。また、印刷手段にて媒体に文書データが新たに印刷された場合に、新たな文書データが印刷された領域に関する情報を印刷履歴情報に追加して印刷履歴情報の更新を行う印刷履歴情報更新手段をさらに備えたことを特徴とすることができる。
【0008】
また、媒体上の文書画像を読み取る画像読取手段をさらに備え、余白領域抽出手段は、画像読取手段にて読み取られた文書画像に基づいて、媒体の余白領域を抽出することを特徴とすることができる。
さらに、文書割付手段は、文書受付手段に受け付けられた文書データを、余白領域抽出手段にて抽出された余白領域に座標移動させる座標変換処理を行うことを特徴とすることができる。
【0009】
また、本発明の印刷システムは、印刷される文書の文書データを受け付ける文書受付手段と、文書のサイズの入力を受け付ける文書サイズ受付手段と、文書データが印刷される媒体のサイズの入力を受け付ける媒体サイズ受付手段と、文書サイズ受付手段にて受け付けた文書のサイズと媒体サイズ受付手段にて受け付けた媒体のサイズとに基づいて、媒体上の文書を印刷可能な領域を抽出する印刷可能領域抽出手段と、印刷可能領域抽出手段にて抽出された領域に文書データを割り付ける文書割付手段と、文書割付手段にて割り付けられた文書データを媒体に印刷する印刷手段とを備えたことを特徴としている。
【0010】
また、本発明を印刷制御装置として捉え、本発明の印刷制御装置は、印刷される文書の文書データを受け付ける文書受付手段と、文書データが印刷される媒体の余白領域を抽出する余白領域抽出手段と、余白領域抽出手段にて抽出された余白領域に文書データを割り付ける文書割付手段とを備えたことを特徴としている。
【0011】
ここで、印刷される文書のサイズの入力を受け付ける文書サイズ受付手段と、余白領域抽出手段にて抽出された余白領域に、文書サイズ受付手段にて受け付けられたサイズの文書が割り付け可能か否かを判定する印刷可否判定手段とをさらに備え、文書割付手段は、印刷可否判定手段にて文書の割り付けが可能であると判断された場合に、かかる文書の文書データを余白領域に割り付けることを特徴とすることができる。また、余白領域抽出手段にて複数の余白領域が抽出された場合に、ユーザによる一または複数の余白領域の指定を受け付ける余白領域指定手段をさらに備え、文書割付手段は、余白領域指定手段にて指定された余白領域に文書データを割り付けることを特徴とすることができる。さらに、文書受付手段は、文書データを受け付けたのち文書データをビットマップデータに変換し、余白領域抽出手段は、文書受付手段にて変換されたビットマップデータに基づいて余白領域を抽出することを特徴とすることができる。
【0012】
また、本発明をプログラムとして捉え、本発明のプログラムは、コンピュータに、印刷される文書の文書データを受け付ける機能と、文書データが印刷される媒体の余白領域を抽出する機能と、抽出された余白領域に文書データを割り付ける機能とを実現させることを特徴としている。
ここで、かかるプログラムは、媒体上の文書データが印刷された領域に関する情報を印刷履歴情報としてメモリに記憶する機能をさらに実現することを特徴とすることができる。また、抽出された余白領域に文書データが割り付け可能か否かを判定する機能をさらに実現することを特徴とすることができる。
【0013】
なお、このプログラムは、例えば、ハードディスク等の予約領域に格納されたプログラムを、RAMにロードして実行される場合がある。また、予めROMに格納された状態にて、CPUで実行される形態がある。さらに、EEPROM等の書き換え可能なROMを備えている場合には、機器がアッセンブリされた後に、プログラムだけが提供されてROMにインストールされる場合がある。このプログラムの提供に際しては、インターネット等のネットワークを介してデータ記録装置を備えたコンピュータにプログラムが伝送され、データ記録装置の有するROMにインストールされる形態も考えられる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の請求項1によれば、用紙上の余白領域を印刷領域として容易に割り付けることが可能となる。
また、本発明の請求項2によれば、すでに印刷が行われた用紙上の余白領域を把握することが可能となる。
また、本発明の請求項3によれば、識別情報によりすでに印刷が行われた用紙を容易に特定し、迅速に用紙上の余白領域を把握することができる。
【0015】
また、本発明の請求項4によれば、複数回印刷が行われた用紙上の余白領域を把握することができる。
また、本発明の請求項5によれば、過去に印刷が行われた際の印刷履歴が記録されていない用紙上での余白領域を容易に把握することができる。
また、本発明の請求項6によれば、文書を自動的に余白領域に割り付けることができる。
【0016】
本発明の請求項7によれば、ユーザは、使用する出力用紙を目視して印刷済みの領域の位置を把握しながら、ユーザの所望する余白領域に印刷を行うことが可能となる。
【0017】
本発明の請求項8によれば、用紙上の余白領域を印刷領域として容易に割り付けることが可能となる。
また、本発明の請求項9によれば、ユーザは余白領域に文書の印刷が可能か否かを容易に把握でき、適切な用紙を選択することができる。
また、本発明の請求項10によれば、文書のサイズ等に対応した余白領域を自由に設定することができる。
また、本発明の請求項11によれば、余白領域を細分化して設定することができ、用紙の使用効率をさらに高めることができる。
【0018】
本発明の請求項12によれば、用紙上の余白領域を印刷領域として容易に割り付けることが可能となる。
また、本発明の請求項13によれば、すでに印刷が行われた用紙上の余白領域を把握することが可能となる。
また、本発明の請求項14によれば、ユーザは余白領域に文書の印刷が可能か否かを容易に把握でき、適切な用紙を選択することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
[実施の形態1]
図1は、本実施の形態が適用される印刷システム1の全体構成を示す図である。図1に示す印刷システム1は、ユーザからの文書(ドキュメント)等の印刷指示を受け付けて、これを印刷ジョブとして送信する端末装置10と、端末装置10からの印刷ジョブを受信して媒体である用紙に印刷を行う画像形成装置(印刷手段)としてのプリンタ70とが通信ケーブル60を介して相互に接続されて構成されている。
【0020】
端末装置10は、装置全体の動作を制御する制御部20、所定のアプリケーションソフトに従って文書(ドキュメント)等の文書データを生成したり、生成された文書データや保存された文書データについて印刷指示等を行う文書データ生成部30、文書データやプログラム等が記憶される例えばハードディスク(Hard Disk Drive)にて実現される記憶部40、文書データ生成部30からの文書データの印刷指示をプリンタ70に対する印刷命令に変換し、印刷ジョブとしての印刷データの生成等を行うプリンタドライバ50を含んで構成されている。ここで、端末装置10としては、例えばパーソナルコンピュータ(PC)が用いられる。
ここで、本明細書では、「文書」の文言を用いるが、この「文書」は、テキストの他に、例えば、写真、図形等の画像をも含むものである。
【0021】
なお、端末装置10の上記した機能部は、ソフトウェアとハードウェア資源とが協働することにより実現される。具体的には、端末装置10の図示しないCPUが、所定のプログラムを記憶部40から主記憶装置(例えば、ROM)に読み込み、制御部20、文書データ生成部30、プリンタドライバ50の各機能を実現する処理を行う。
【0022】
プリンタ70は、例えば電子写真方式からなる画像形成機構(プリンタエンジン)により構成され、文書データを用紙に印刷する。なお、プリンタ70には、インクジェット方式等のその他の如何なる方式のプリンタエンジンを用いてもよい。
【0023】
次いで、本実施の形態の端末装置10に備えられたプリンタドライバ50の構成について説明する。
図2は、プリンタドライバ50の機能構成を示すブロック図である。図2に示したように、プリンタドライバ50は、ユーザからの各種の指示入力を受け付けたり、ユーザに対して所定の情報を表示するユーザインタフェイス(UI)部51、印刷ジョブとしての印刷データを生成する印刷処理部52を含んで構成されている。
【0024】
UI部51は、文書データ生成部30にて作成された文書のサイズについて、ユーザからの指定を受け付ける文書サイズ入力部(文書サイズ受付手段)511、プリンタ70での印刷に使用される特定の用紙に付された用紙識別情報(用紙識別情報に関しては後述する)のユーザからの指定を受け付ける用紙識別情報入力部(識別情報受付手段)512、文書サイズ入力部511にて指定されたサイズの文書を、用紙識別情報入力部512にて指定された用紙上で割り付けることが可能な領域(複数のかかる領域が存在する場合には、その複数の領域のすべて)を表示する印刷可能領域表示部513、指定されたサイズの文書を割り付けることが可能な用紙上の領域が複数ある場合に、ユーザから文書を割り付ける領域(印刷領域)の指定を受け付ける余白領域指定手段の一例としての印刷領域入力部514を備えている。
なお、UI部51は、例えば端末装置10に設けられた液晶ディスプレイにて実現される。
【0025】
ここで、用紙識別情報(出力用紙識別情報とも記す)は、本実施の形態の印刷システム1において、プリンタ70にて新たな用紙(何も印刷されていない未使用の用紙)に文書が印刷された際に、例えばその用紙の右下隅に印刷される、その用紙を個別に特定するための識別情報である。したがって、プリンタ70にて印刷された用紙には、その用紙を他の用紙から識別するための一の用紙識別情報が印刷されることとなる。
【0026】
印刷処理部52は、用紙上にて文書が印刷された領域の座標データや用紙識別情報を印刷履歴データ(印刷履歴情報)として記憶する印刷履歴記憶部(印刷履歴記憶手段)521、用紙識別情報入力部512にてユーザが指定した用紙識別情報に対応する用紙の印刷履歴データを印刷履歴記憶部521から読み取り、余白領域に関する情報を抽出する余白領域抽出部(余白領域抽出手段)522、文書サイズ入力部511にて指定されたサイズの文書が、余白領域抽出部522にて抽出された余白領域内に印刷可能であるか否かを判断する印刷可否判定部(印刷可否判定手段)523を備えている。
【0027】
さらに、印刷処理部52は、印刷領域入力部514での印刷領域の指定に対応して、印刷を開始する位置座標を決定し、指定された印刷領域に文書を割り付ける文書割付手段の一例としての印刷開始位置制御部524、文書データ生成部30からの印刷指示と、印刷開始位置制御部524にて決定された印刷を開始する位置座標情報とに基づいて、印刷データを生成する印刷出力部525を備えている。
また、印刷出力部525にて生成された印刷データに基づいて、印刷された用紙についての印刷履歴記憶部521に記憶されている印刷履歴データを更新する印刷履歴データ更新部(印刷履歴情報更新手段)526を備えている。
【0028】
続いて、本実施の形態の印刷システム1での印刷処理について説明する。
図3は、実施の形態の印刷システム1での印刷処理の手順の一例を示すフローチャートである。図3に示したように、端末装置10のプリンタドライバ50では、まず、文書データ生成部30から、文書データ生成部30にて生成された文書または記憶部40に記憶されている文書の印刷指示を受ける(S101)。そして、文書の印刷指示を受けると、プリンタドライバ50のUI部51は、図4に示した表示画面を表示する(S102)。
図4に示した表示画面には、印刷する際の部数を入力する欄(部数入力欄)、文書を拡大/縮小して印刷する際のズーム比率(拡縮率)を指定する欄(ズーム指定欄)、文書(原稿)のサイズを入力する欄(文書サイズ入力欄:文書サイズ入力部511)、出力用紙として使用する用紙の出力用紙識別情報を入力する欄(用紙識別情報入力欄:用紙識別情報入力部512)、出力用紙として使用する用紙のサイズを入力する欄(出力用紙サイズ入力欄:媒体サイズ受付手段)等といった印刷設定情報に関する入力欄を備えている。
【0029】
ここで、図4(a)は、未使用の用紙を使用する際の各入力欄への印刷設定情報(プロパティ)の入力例を示したものであり、図4(b)は、すでに使用済みの用紙を使用する際の各入力欄への印刷設定情報の入力例を示したものである。例えば、図4(a)では、文書サイズ入力欄(文書サイズ入力部511)には「はがき」(A6サイズ)、用紙識別情報入力欄(用紙識別情報入力部512)には未使用の用紙を意味する「新しい用紙」、用紙サイズ入力欄には「A4」がそれぞれ入力されている。また、例えば、図4(b)では、文書サイズ入力欄(文書サイズ入力部511)には「はがき」(A6サイズ)、用紙識別情報入力欄(用紙識別情報入力部512)には出力用紙として使用する用紙の出力用紙識別情報の一例である「ID−00008−1」がそれぞれ入力されている。なお、出力用紙識別情報が入力された場合には、出力用紙識別情報により使用される用紙が特定されるので、用紙のサイズを入力する必要はなく、用紙サイズ入力欄は入力不能に設定される。なお、ここでは、出力用紙識別情報「ID−00008−1」にて特定される用紙のサイズもA4であると想定する。
そして、図4に示した表示画面の各入力欄への入力が完了した際には、ユーザにより「OK」がクリックされる。「OK」がクリックされると、プリンタドライバ50のUI部51は、表示画面にて入力された各種印刷設定情報を印刷処理部52に送る(S103)。
【0030】
UI部51から表示画面にて入力された各種印刷設定情報を受け付けた印刷処理部52は、以下の印刷処理を実行する。
印刷処理部52では、文書サイズ入力欄(文書サイズ入力部511)から入力された文書サイズ情報とズーム指定欄から入力されたズーム比率(拡縮率)とに基づいて、印刷対象である文書を印刷するのに必要な領域(印刷領域)のサイズを算出する(S104)。ここで、印刷領域のサイズの算出は、印刷可否判定部523が行い、印刷領域のサイズ情報を保持する。
例えば、図4に示した文書サイズ入力欄(文書サイズ入力部511)からは「はがき」(A6サイズ)が入力され、ズーム指定欄には100%が指定されているので、印刷可否判定部523では、印刷領域のサイズ情報として、100mm×148mmの領域が算出され、保持される。
【0031】
次に、印刷処理部52は、印刷に使用される用紙の余白領域情報を生成する(S105)。
用紙の余白領域情報の生成は、余白領域抽出部522にて行われる。以下、余白領域抽出部522にて行われる余白領域情報の生成について述べる。
余白領域抽出部522は、図4に示した用紙識別情報入力欄(用紙識別情報入力部512)にて入力された情報を取得する。そして、例えば、図4(a)に示したように、用紙識別情報入力欄(用紙識別情報入力部512)にて未使用の用紙を意味する「新しい用紙」が指定された場合には、余白領域抽出部522は、印刷履歴記憶部521に記憶されている印刷履歴データを参照せずに、用紙サイズ入力欄にて指定されたサイズの用紙全体の領域を余白領域として設定し、余白領域情報を生成する。例えば図4(a)の場合には「A4」が指定されているので、A4サイズの用紙全体の領域からなる余白領域情報が生成される。
【0032】
ここで、図5は、(a)がA4サイズの用紙全体が余白領域として設定された場合の余白領域情報の元となる座標位置を示す図であり、(b)がこの場合の余白領域情報を示した図である。図5(a)に示したように、A4サイズの用紙の4つのエッジ位置を左上のエッジ位置を原点(0,0)とした座標(x,y)で表す。そして、図5(b)に示したように、4つのエッジ位置の座標を例えば時計周りに順に並べた1組の座標により余白領域情報を生成する。
具体的には、図5(a)に示したように、A4サイズの用紙では、第1エッジの座標(原点)が(0,0)、第2エッジの座標が(210,0)、第3エッジの座標が(210,297)、第4エッジの座標が(0,297)であるので、図5(b)に示したように、余白領域情報は、時計周りに、1:(0,0)、2:(210,0)、3:(210,297)、4:(0,297)となる。
【0033】
一方、余白領域抽出部522は、用紙識別情報入力欄(用紙識別情報入力部512)にて入力された情報が出力用紙識別情報の一例である「ID−00008−1」である場合には、余白領域抽出部522は、印刷履歴記憶部521に記憶されている用紙識別情報「ID−00008−1」の印刷履歴データを参照して、「ID−00008−1」の用紙の印字済み領域情報を取得する。そして、取得した印刷済み領域情報に基づいて、余白領域情報を生成する。
【0034】
ここで、図6は、(a)がA4サイズの用紙の中の印刷済みの領域の座標位置を示す図であり、(b)がこの用紙の印刷履歴記憶部521に記憶されている印刷履歴データを示した図である。図6(a)に示したように、A4サイズの用紙の中の印刷済みの領域は、4つのエッジ位置の座標(x,y)にて特定される。ここで、座標(x,y)は、同様に左上のエッジ位置が原点とされる。そして、図6(b)に示したように、印刷済みの領域の4つのエッジ位置の座標を例えば時計周りに順に並べた1組の座標により印刷済み領域情報が形成されている。
具体的には、図6(a)に示したように、A4サイズの用紙の左上部にA6サイズの印刷済みの領域が存在する場合には、印刷済みの領域の第1エッジの座標(原点)が(0,0)、第2エッジの座標が(100,0)、第3エッジの座標が(100,148)、第4エッジの座標が(0,148)であるので、図6(b)に示したように、印刷済み領域情報は、時計周りに、1:(0,0)、2:(100,0)、3:(100,148)、4:(0,148)となる。なお、印刷履歴データは、用紙識別情報「ID−00008−1」を含めて構成される。
【0035】
余白領域抽出部522は、取得した印刷済み領域情報に基づき、A4サイズの用紙領域から左上部のA6サイズの印刷済みの領域を除いた領域、すなわち図6に示したA領域とB領域とを余白領域として設定し、それぞれA領域およびB領域に関する余白領域情報を生成する。
なお、図6での例では、縦方向(y方向)に大きな寸法を取れることを優先して余白領域を設定した場合を示したが、横方向(x方向)に大きな寸法を取れることを優先して余白領域を設定する等といったように、余白領域の設定に際して優先するファクターは、印刷する文書の形状や用途等に応じて自由に設定することができる。
【0036】
図7は、(a)が図6に示したA領域とB領域とが余白領域として設定された場合の余白領域情報の元となる座標位置を示す図であり、(b)がこの場合の余白領域情報を示した図である。図7(a)に示したように、A領域の余白領域では、第1エッジの座標が(100,0)、第2エッジの座標が(210,0)、第3エッジの座標が(210,297)、第4エッジの座標が(100,297)である。また、B領域の余白領域では、第1エッジの座標が(0,148)、第2エッジの座標が(100,148)、第3エッジの座標が(100,297)、第4エッジの座標が(0,297)である。したがって、図7(b)に示したように、余白領域抽出部522により生成される余白領域情報は、A領域に関しては、時計周りに順に並べた1組の座標である、1:(100,0)、2:(210,0)、3:(210,297)、4:(100,297)となる。また、B領域に関しては、同様に、1:(0,148)、2:(100,148)、3:(100,297)、4:(0,297)となる。
【0037】
引き続いて、印刷処理部52の印刷可否判定部523においては、ステップ104にて算出された印刷領域のサイズ情報と、ステップ105にて生成された余白領域情報とに基づいて、印刷対象である文書が、指定した用紙の余白領域に印刷可能か否かを判定する(S106)。
【0038】
ステップ106において、印刷対象である文書が指定した用紙の余白領域に印刷することができないと判定された場合(S107)には、例えば図8に示したメッセージをUI部51に表示した後、図4の表示画面にて指定されたプロパティを再度表示する(S108)。それにより、ユーザに対して、ズーム指定欄のプロパティを調整して文書のサイズを小さく設定するか、または、用紙サイズ入力欄にて充分に大きな余白領域を有する別の用紙を指定することを促す。
そして、ユーザが再度図4の表示画面にて新たな印刷設定情報を入力した場合(S109)には、入力された各種印刷設定情報は、印刷処理部52に送られ(S103)、ステップ104以下の処理が再び実行される。
【0039】
一方、ステップ106において、印刷対象である文書が指定した用紙の余白領域に印刷することが可能であると判定された場合(S107)には、例えば図9に示したように、指定した用紙の余白領域内における印刷可能な余白領域(図中、印字位置1〜3)をUI部51に表示する(S110)。ここでは、印刷処理部52の印刷開始位置制御部524が、印刷可否判定部523から余白領域情報を取得して、UI部51の印刷可能領域表示部513に送る。そして、UI部51の印刷可能領域表示部513が、印刷可能な余白領域を表示する。
そして、ユーザは、表示された印刷可能な余白領域の中の一に、例えばカーソルを合わせてクリックすることでその一の余白領域を選択して、「OK」をクリックする。それにより、印刷対象である文書が印刷される余白領域が指定される(S111)。ここでは、UI部51の印刷領域入力部514が、余白領域の指定を受け付けて、その指定された余白領域に関する情報を印刷開始位置制御部524に送る。
なお、この場合に、印刷領域入力部514によるユーザからの余白領域の指定を行わせずに、自動的に印刷処理部52が印刷される余白領域を決定するように構成してもよい。
【0040】
ステップ111にて余白領域が指定されると、印刷処理が開始され、印刷処理部52の印刷出力部525は、文書データ生成部30からの印刷指示に基づいて、印刷ジョブとしての印刷データを生成する(S112)。印刷データは、文書データや各種属性データを含んで構成される。なお、ここでの印刷出力部525は、文書受付手段として機能する。
ここで、ステップ112にて印刷データを生成する際には、印刷開始位置制御部524は、ステップ111にて指定された余白領域に関する情報に基づいて、印刷対象である文書の印刷開始位置を設定し、指定された余白領域への文書の割り付けを行う(S113)。すなわち、文書データ生成部30がテキスト、グラフィックス、イメージ等といった描画オブジェクトの印刷指示を行う際には、用紙の印刷原点(ここでは用紙左上のエッジ位置が印刷原点(0,0)に設定される)を基準として印刷位置の座標が設定されている。そのため、印刷開始位置制御部524は、ステップ112にて生成された印刷データ(文書データ)に対して、ステップ111にて指定された余白領域の左上のエッジ位置を印刷原点に設定する座標変換処理を行う。それにより、指定された余白領域への文書の割り付けが行われる。
【0041】
図10は、印刷開始位置制御部524が行う、ステップ111にて指定された余白領域の左上のエッジ位置を印刷原点に設定する座標変換処理を説明する図である。図10に示すように、文書データ生成部30が印刷指示する印刷位置が、用紙の印刷原点(0,0)を基準として、例えば座標(20,20)、(60,20)、(60,70)、(20,70)で囲まれた領域であると想定する。
一方、ステップ111にて指定された余白領域の左上のエッジ位置の座標は(100,148)であるとする。そうすると、印刷開始位置制御部524は、用紙の印刷原点(0,0)を余白領域の左上のエッジ位置の座標(100,148)に平行移動する座標変換処理を行う。具体的には、文書データ生成部30が印刷指示する印刷位置(x,y)に対して、(x+100,y+148)に座標変換する処理を行う。したがって、文書データ生成部30により印刷指示された領域である座標(20,20)、(60,20)、(60,70)、(20,70)で囲まれた領域は、ステップ111にて指定された余白領域を加味することにより、座標(120,168)、(160,168)、(160,218)、(120,218)で囲まれた領域に印刷されることとなる。
【0042】
そして、ステップ113での座標変換処理が施された印刷データは、通信ケーブル60を介してプリンタ70に送信される(S114)。
それと同時に、ステップ113での座標変換処理が施された印刷データが印刷された用紙上の領域(印刷済み領域)に関する情報は、印刷済み領域情報として印刷履歴データ更新部526に送られる。そして、印刷履歴データ更新部526は、印刷済み領域情報を新たに印刷履歴データに追加して印刷履歴記憶部521に記憶する(S115)。
【0043】
図11は、(a)が図6に示したすでに印刷済み領域であったA領域に、新たに印刷が行われて印刷済み領域となったB領域が追加された場合の印刷済み領域情報の元となる座標位置を示す図であり、(b)がこの場合の印刷済み領域情報を示した図である。図11(a)に示したように、B領域の印刷済み領域では、実際に印刷が行われた領域(斜線で示した領域)は、B領域内の一部であり、余白領域も残存する。しかし、残存した余白領域(格子で示した領域)がプリンタ70にサポートされる最小用紙サイズよりも小さい場合には、ステップ106での印刷可否判定の効率の低下を回避するため、残存した余白領域を含めたB領域の全体を印刷済み領域として記憶する。
したがって、図11(b)に示したように、印刷履歴記憶部521に記憶される印刷履歴データには、印刷済み領域情報として、A領域に関する、時計周りに順に並べた1組の座標である、1:(0,0)、2:(100,0)、3:(100,148)、4:(0,148)と、B領域に関する、同様の1:(100,148)、2:(210,148)、3:(210,297)、4:(100,297)とが含まれることとなる。
【0044】
また、ステップ103にてUI部51から印刷処理部52に、用紙識別情報入力欄(用紙識別情報入力部512)にて指定された「新しい用紙」のプロパティが送られ、未使用の用紙に印刷が行われる場合には、印刷出力部525は、印刷される未使用の用紙を特定する新たな用紙識別情報を生成し、用紙のヘッダーまたはフッターとしてプリンタ70に送信する(S116)。ここで、新たな用紙識別情報は、乱数や印刷日時等を用いて用紙を唯一のものとして特定することができるように設定される。なお、ここでの印刷出力部525は、識別情報生成手段として機能する。
さらに、印刷出力部525は、生成した新たな用紙識別情報を印刷履歴データ更新部526に送り、印刷履歴データ更新部526は、印刷済み領域情報を新たに生成された用紙識別情報に対応付けて印刷履歴記憶部521に記憶する(S117)。
したがって、ユーザは、次回この用紙を使用する場合には、図4に示した表示画面にて、用紙識別情報入力欄(用紙識別情報入力部512)に用紙のヘッダーまたはフッターに印刷された用紙識別情報を入力する。それにより、上記したステップ103〜115の処理が実行され、余白領域に印刷が行われることとなる。
【0045】
以上説明したように、本実施の形態の印刷システム1では、用紙に文書が印刷された場合には、その用紙上で印刷に使用された領域を印刷履歴データとして記憶しておく。そして、再度その用紙に印刷する際には、記憶された印刷履歴データから余白領域情報を生成する。さらには、生成された余白領域情報に基づいて用紙の余白領域を指定する。そして、指定された余白領域に文書を割り付けて印刷を行うように構成されている。それにより、用紙の利用効率を高めることができるので、用紙の有効利用を図ることが可能となる。
【0046】
例えば、A4サイズの用紙に、年賀状(A6サイズ)等の試し刷りを行う場合には、印刷位置が文書データ生成部30からの印刷指示により例えば用紙の左上のエッジ位置を基準として定まるため、従来は、1回の印刷が終了する毎に用紙の搬送方向を変え、さらには表裏を変えて印刷を行っていた。そのため、表裏各々2つのA6サイズ領域の合計4つのA6サイズ領域での試し刷りしかできなかった。しかし、本実施の形態の印刷システム1においては、A4サイズの用紙の表裏の全領域を使用できるので、表裏各々4つのA6サイズ領域の合計8つのA6サイズ領域での試し刷りを行うことが可能となる。
【0047】
[実施の形態2]
実施の形態1の印刷システム1では、用紙に文書が印刷される場合に、その用紙上で印刷に使用された印刷済み領域を印刷履歴データとして記憶しておき、印刷履歴データを参照することで用紙の余白領域を把握して、余白領域への印刷を行う構成について説明した。本実施の形態の印刷システムでは、実施の形態1のように印刷履歴データを管理せず、ユーザに対して用紙を複数に分割した領域を提示し、提示された領域の中の一または複数をユーザが指定することで、その指定された領域への印刷を行う構成について説明する。なお、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
【0048】
本実施の形態の印刷システムは、図1と同様のシステム構成を有する。
以下に、本実施の形態の印刷システムにおける端末装置10のプリンタドライバ50について説明する。図12は、本実施の形態の端末装置10のプリンタドライバ50の機能構成を示すブロック図である。
図12に示したプリンタドライバ50では、実施の形態1のプリンタドライバ50とは異なり、印刷履歴記憶部521、印刷可否判定部523および印刷履歴データ更新部526が配置されていない。
このような構成のプリンタドライバ50においては、余白領域抽出部522は、UI部51にて表示される図4の表示画面における文書サイズ入力欄(文書サイズ入力部511)から入力された文書サイズと、用紙サイズ入力欄(用紙サイズ入力部515)から入力された出力用紙として使用する用紙のサイズとに関する印刷設定情報を取得する。そして、余白領域抽出部522は、取得した文書サイズおよび使用する出力用紙のサイズに関する印刷設定情報に基づいて、出力用紙上での過去の印刷履歴に関係なく、出力用紙について、印刷対象である文書が印刷可能なサイズに分割された領域に関する情報を生成する。
なお、本実施の形態の印刷システムでは、図4の表示画面には、出力用紙として使用する用紙の出力用紙識別情報を入力する欄(用紙識別情報入力欄)は必要なく、表示されない。
【0049】
図13は、本実施の形態の印刷システムでの印刷処理の手順の一例を示すフローチャートである。図13に示したように、本実施の形態の印刷システムでは、ステップ201〜ステップ204での処理は、実施の形態1の印刷システム1での処理フロー(図3参照)のステップ101〜ステップ104と同様の処理を行う。
ここで、本実施の形態のプリンタドライバ50では、ステップ204での印刷領域のサイズの算出は、余白領域抽出部522が行う。すなわち、図4に示した文書サイズ入力欄(文書サイズ入力部511)から入力された文書サイズと、ズーム指定欄から入力されたズーム比率(拡縮率)とに基づいて、余白領域抽出部522では、印刷対象である文書を印刷するのに必要な領域(印刷領域)のサイズ情報が算出され、保持される。
次に、余白領域抽出部522は、ステップ204にて算出された印刷領域のサイズ情報と、用紙サイズ入力欄(用紙サイズ入力部515)から入力された出力用紙として使用する用紙のサイズに関する情報とに基づいて、出力用紙上で文書が印刷可能な最小限のサイズに分割された領域(印刷可能領域)に関する情報(印刷可能領域情報)を生成する(S205)。ここでは、印刷可能領域情報を生成するに際して、余白領域抽出部522は、出力用紙上での過去の印刷履歴を一切考慮することはない。
なお、ここでの余白領域抽出部522は、印刷可能領域抽出手段として機能する。
【0050】
そして、余白領域抽出部522は、UI部51の印刷可能領域表示部513に印刷可能領域情報を送る。印刷可能領域表示部513は、取得した印刷可能領域情報に基づいて、出力用紙上に印刷可能領域を表示する(S206)。
ここで、図14は、出力用紙としてA4サイズの用紙を使用し、文書サイズをA6サイズとした場合に、印刷可能領域表示部513にて表示される出力用紙の印刷可能領域を示した図である。本実施の形態の余白領域抽出部522は、使用する用紙上の如何なる領域に印刷がすでに行われているかに拘わらず、図14に示したように、出力用紙としてのA4サイズの用紙を、文書サイズであるA6サイズの領域(印刷可能領域A〜D)に分割した状態で表示する。
【0051】
それにより、ユーザは、使用する用紙(出力用紙)を目視して印刷済みの領域の位置を把握し、UI部51の印刷可能領域表示部513に表示された例えば図14に示した印刷可能領域A〜Dから、印刷に利用する一または複数の印刷可能領域を指定する(S207)。例えば、利用する印刷可能領域をクリックすることで、その一または複数の印刷可能領域を指定する。
指定された出力用紙上の印刷可能領域に関する情報は、UI部51の印刷領域入力部514から印刷開始位置制御部524に送られる。その後、実施の形態1の図3で示した処理フローのステップ112〜ステップ114と同様の処理である、本実施の形態の処理フローにおけるステップ208〜ステップ210の処理が行われる。それにより、ユーザが指定した出力用紙上の印刷可能領域に、文書が印刷される。
【0052】
このように、本実施の形態の印刷システムでは、印刷履歴データを管理せずに、出力用紙を文書が印刷可能なサイズという観点のみにより分割した一または複数の領域をユーザに対して提示し、提示された領域の中の一または複数をユーザが指定することで、その指定された領域への印刷を行うように構成している。それにより、ユーザは、使用する出力用紙を目視して印刷済みの領域の位置を把握しながら、ユーザの所望する余白領域に印刷を行うことができる。また、複雑な処理を行うことがないので、装置を簡便に構成することもできる。
【0053】
[実施の形態3]
実施の形態1の印刷システム1では、印刷領域のサイズの算出および印刷履歴データの生成に際して、文書の文書データをページ単位で扱う構成について説明した。本実施の形態の印刷システムでは、印刷領域のサイズの算出および印刷履歴データの生成に際して、文書の文書データをビットマップデータにて扱う構成について説明する。なお、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
【0054】
本実施の形態の印刷システムは、図1と同様のシステム構成を有する。
以下に、本実施の形態の印刷システムにおける端末装置10のプリンタドライバ50について説明する。まず、本実施の形態のプリンタドライバ50は、デコンポーズ機能を有するように構成されており、文書データ生成部30からプリンタドライバ50に対して出力された文書データは、文書データを受け付けた印刷出力部525にてビットマップデータに変換される。ここで、印刷出力部525は文書受付手段として機能する。
そして、本実施の形態のプリンタドライバ50は、実施の形態1での処理フロー(図3参照)のステップ115にて、印刷済み領域情報を印刷履歴データとして印刷履歴記憶部521に追加する場合、または、ステップ117にて、未使用の用紙に印刷が行われる場合において、印刷済み領域情報を新たに生成された用紙識別情報に対応付けて印刷履歴記憶部521に記憶する場合には、ビットマップデータで構成された印刷済み領域情報を用いる。
【0055】
それにより、実施の形態1での処理フローのステップ105での余白領域情報の生成時には、余白領域情報をビットマップデータにより生成することができる。そのため、ページの単位に制限されずに余白領域情報を生成できることとなるので、余白領域を細分化して設定することができる。その結果、用紙の使用効率をさらに高めることができる。
同様に、実施の形態1での処理フローのステップ104での印刷領域のサイズの算出に際して、ビットマップデータを用いることもできる。それにより、印刷領域をより細かく設定でき、ページの単位に制限されずに余白領域を選択できることが可能となるので、余白領域の選択の幅が広がる。その結果、用紙の使用効率をさらに高めることができる。
【0056】
[実施の形態4]
実施の形態1の印刷システム1では、用紙に文書が印刷される場合に、その用紙上で印刷に使用された印刷済み領域を印刷履歴データとして記憶しておき、印刷履歴データを参照することで用紙の余白領域を把握して、余白領域への印刷を行う構成について説明した。本実施の形態の印刷システム2では、スキャナ等の画像読取装置により文書が印刷された用紙を読み取り、読み取られた画像から印字済み領域情報を生成する構成について説明する。なお、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
【0057】
図15は、本実施の形態が適用される印刷システム2の全体構成を示す図である。図15に示す印刷システム2は、ユーザからの文書(ドキュメント)等の印刷指示を受け付けて、これを印刷ジョブとして送信する端末装置10と、端末装置10からの印刷ジョブを受信して媒体である用紙に印刷を行う画像形成装置としてのプリンタ70とが通信ケーブル60により相互に接続されて構成されている。さらに、端末装置10には、文書を読み込むことが可能な画像読取装置(画像読取手段)としてのイメージスキャナ80が通信ケーブル90を介して接続されている。
【0058】
図16は、本実施の形態のプリンタドライバ50の機能構成を示すブロック図である。図16に示したように、本実施の形態のプリンタドライバ50では、実施の形態1のプリンタドライバ50とは異なり、印刷履歴記憶部521および印刷履歴データ更新部526を備えていない。
このような構成のプリンタドライバ50においては、余白領域抽出部522は、イメージスキャナ80により読み込まれた画像データを取得し、取得した画像データに基づいて印刷に使用される用紙の余白領域情報を生成する。
【0059】
以下に、本実施の形態の印刷システム2での印刷処理について説明する。本実施の形態の印刷システム2では、図3に示した実施の形態1の印刷システム1と同様の処理フローによる処理が行われる。
ここで、本実施の形態の印刷システム2では、実施の形態1の処理フロー(図3参照)のステップ105において、余白領域抽出部522により余白領域情報を生成する際には、イメージスキャナ80により読み込まれた画像データを用いる。すなわち、実施の形態1のように印刷履歴記憶部521に記憶された印刷履歴データを用いず、イメージスキャナ80により直接的に出力用紙上の画像を読み込み、出力用紙にてすでに印刷された印刷済み領域を読み込まれた画像データから検出する。
【0060】
すなわち、まず、ユーザは、出力用紙として使用する用紙をイメージスキャナ80に載置する。そして、イメージスキャナ80を作動させる。それにより、イメージスキャナ80は、出力用紙上の画像を読み取り、ラスタデータとしての画像データを生成する。生成された画像データは余白領域抽出部522に送られる。
余白領域抽出部522は、取得した画像データを解析して、画像が形成されている領域(画像データが存在する領域)と画像が形成されていない領域(画像データが存在しない領域)とを分離する。そして、画像が形成されていない領域を余白領域として設定し、その余白領域の座標データからなる余白領域情報を生成する。
【0061】
上記のように生成された余白領域情報が用いられて、図3の処理フローにおけるその他の処理が実行される。その際に、イメージスキャナ80に載置された用紙は、プリンタ70に設置されて、文書の印刷に使用される。
このように、本実施の形態の印刷システム2では、イメージスキャナ80により用紙の印刷に使用された領域を読み込み、余白領域情報を生成する。そして、その用紙に文書を印刷するに際して、生成された余白領域情報に基づいて用紙の余白領域を指定し、指定された余白領域に印刷を行うように構成されている。それにより、印刷履歴データが記憶されていない用紙に関しても、用紙の有効利用を図ることが可能となる。
【0062】
なお、本実施の形態の印刷システム2においては、イメージスキャナ80およびプリンタ70と、端末装置10のプリンタドライバ50とを一体的に構成することで、複写機として構成することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明の印刷システムの全体構成を示す図である。
【図2】プリンタドライバの機能構成を示すブロック図である。
【図3】印刷システムでの印刷処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図4】プリンタドライバのUI部にて表示する表示画面の一例を示す図である。
【図5】(a)はA4サイズの用紙全体が余白領域として設定された場合の余白領域情報の元となる座標位置を示す図であり、(b)はこの場合の余白領域情報を示した図である。
【図6】(a)はA4サイズの用紙の中の印刷済みの領域の座標位置を示す図であり、(b)はこの用紙の印刷履歴記憶部に記憶されている印刷履歴データを示した図である。
【図7】(a)は図6に示したA領域とB領域とが余白領域として設定された場合の余白領域情報の元となる座標位置を示す図であり、(b)はこの場合の余白領域情報を示した図である。
【図8】文書が指定した用紙の余白領域に印刷することができないと判定された場合に表示されるメッセージ画面の一例を示す図である。
【図9】指定した用紙の余白領域内における印刷可能な余白領域を表示する表示画面の一例を示す図である。
【図10】印刷開始位置制御部にて行われる座標変換処理を説明する図である。
【図11】(a)は図6に示したすでに印刷済み領域であったA領域に、新たに印刷が行われて印刷済み領域となったB領域が追加された場合の印刷済み領域情報の元となる座標位置を示す図であり、(b)はこの場合の印刷済み領域情報を示した図である。
【図12】プリンタドライバの機能構成を示すブロック図である。
【図13】印刷システムでの印刷処理の手順の一例を示すフローチャートである。
【図14】出力用紙としてA4サイズの用紙を使用し、文書サイズをA6サイズとした場合に、印刷可能領域表示部にて表示される出力用紙の印刷可能領域を示した図である。
【図15】本発明の他の印刷システムの全体構成を示す図である。
【図16】プリンタドライバの機能構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0064】
1,2…印刷システム、10…端末装置、20…制御部、30…文書データ生成部、40…記憶部、50…プリンタドライバ、51…ユーザインタフェイス(UI)部、52…印刷処理部、60,90…通信ケーブル、70…プリンタ、80…イメージスキャナ、521…印刷履歴記憶部、522…余白領域抽出部、523…印刷可否判定部、524…印刷開始位置制御部、525…印刷出力部、526…印刷履歴データ更新部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷される文書の文書データを受け付ける文書受付手段と、
前記文書データが印刷される媒体の余白領域を抽出する余白領域抽出手段と、
前記余白領域抽出手段にて抽出された前記余白領域に前記文書データを割り付ける文書割付手段と、
前記文書割付手段にて割り付けられた前記文書データを前記媒体に印刷する印刷手段と
を備えたことを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記媒体上の文書データが印刷された領域に関する情報を印刷履歴情報として記憶する印刷履歴記憶手段をさらに備え、
前記余白領域抽出手段は、前記印刷履歴記憶手段にて記憶された前記印刷履歴情報に基づいて、前記媒体の前記余白領域を抽出することを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
【請求項3】
前記媒体を識別する識別情報を生成し、前記印刷手段に対して当該識別情報の印刷を指示する識別情報生成手段と、
前記媒体に印刷された前記識別情報の入力を受け付ける識別情報受付手段とをさらに備え、
前記印刷履歴記憶手段は、前記印刷履歴情報を前記識別情報に対応付けて記憶し、前記余白領域抽出手段は、当該印刷履歴記憶手段に記憶された当該印刷履歴情報であって、前記識別情報受付手段にて受け付けた当該識別情報に対応する当該印刷履歴情報に基づいて前記余白領域を抽出することを特徴とする請求項2記載の印刷システム。
【請求項4】
前記印刷手段にて前記媒体に前記文書データが新たに印刷された場合に、当該新たな文書データが印刷された領域に関する情報を前記印刷履歴情報に追加して当該印刷履歴情報の更新を行う印刷履歴情報更新手段をさらに備えたことを特徴とする請求項2記載の印刷システム。
【請求項5】
前記媒体上の文書画像を読み取る画像読取手段をさらに備え、
前記余白領域抽出手段は、前記画像読取手段にて読み取られた前記文書画像に基づいて、前記媒体の前記余白領域を抽出することを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
【請求項6】
前記文書割付手段は、前記文書受付手段に受け付けられた前記文書データを、前記余白領域抽出手段にて抽出された前記余白領域に座標移動させる座標変換処理を行うことを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
【請求項7】
印刷される文書の文書データを受け付ける文書受付手段と、
前記文書のサイズの入力を受け付ける文書サイズ受付手段と、
前記文書データが印刷される媒体のサイズの入力を受け付ける媒体サイズ受付手段と、
前記文書サイズ受付手段にて受け付けた前記文書のサイズと前記媒体サイズ受付手段にて受け付けた前記媒体のサイズとに基づいて、当該媒体上の前記文書を印刷可能な領域を抽出する印刷可能領域抽出手段と、
前記印刷可能領域抽出手段にて抽出された前記領域に前記文書データを割り付ける文書割付手段と、
前記文書割付手段にて割り付けられた前記文書データを前記媒体に印刷する印刷手段と
を備えたことを特徴とする印刷システム。
【請求項8】
印刷される文書の文書データを受け付ける文書受付手段と、
前記文書データが印刷される媒体の余白領域を抽出する余白領域抽出手段と、
前記余白領域抽出手段にて抽出された前記余白領域に前記文書データを割り付ける文書割付手段と
を備えたことを特徴とする印刷制御装置。
【請求項9】
印刷される前記文書のサイズの入力を受け付ける文書サイズ受付手段と、
前記余白領域抽出手段にて抽出された前記余白領域に、前記文書サイズ受付手段にて受け付けられたサイズの前記文書が割り付け可能か否かを判定する印刷可否判定手段とをさらに備え、
前記文書割付手段は、前記印刷可否判定手段にて前記文書の割り付けが可能であると判断された場合に、当該文書の前記文書データを前記余白領域に割り付けることを特徴とする請求項8記載の印刷制御装置。
【請求項10】
前記余白領域抽出手段にて複数の前記余白領域が抽出された場合に、ユーザによる一または複数の当該余白領域の指定を受け付ける余白領域指定手段をさらに備え、
前記文書割付手段は、前記余白領域指定手段にて指定された前記余白領域に前記文書データを割り付けることを特徴とする請求項8記載の印刷制御装置。
【請求項11】
前記文書受付手段は、前記文書データを受け付けたのち当該文書データをビットマップデータに変換し、前記余白領域抽出手段は、当該文書受付手段にて変換された当該ビットマップデータに基づいて前記余白領域を抽出することを特徴とする請求項8記載の印刷制御装置。
【請求項12】
コンピュータに、
印刷される文書の文書データを受け付ける機能と、
前記文書データが印刷される媒体の余白領域を抽出する機能と、
抽出された前記余白領域に前記文書データを割り付ける機能と
を実現させるプログラム。
【請求項13】
媒体上の前記文書データが印刷された領域に関する情報を印刷履歴情報としてメモリに記憶する機能をさらに実現する請求項12記載のプログラム。
【請求項14】
抽出された前記余白領域に前記文書データが割り付け可能か否かを判定する機能をさらに実現する請求項12記載のプログラム。
【請求項1】
印刷される文書の文書データを受け付ける文書受付手段と、
前記文書データが印刷される媒体の余白領域を抽出する余白領域抽出手段と、
前記余白領域抽出手段にて抽出された前記余白領域に前記文書データを割り付ける文書割付手段と、
前記文書割付手段にて割り付けられた前記文書データを前記媒体に印刷する印刷手段と
を備えたことを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
前記媒体上の文書データが印刷された領域に関する情報を印刷履歴情報として記憶する印刷履歴記憶手段をさらに備え、
前記余白領域抽出手段は、前記印刷履歴記憶手段にて記憶された前記印刷履歴情報に基づいて、前記媒体の前記余白領域を抽出することを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
【請求項3】
前記媒体を識別する識別情報を生成し、前記印刷手段に対して当該識別情報の印刷を指示する識別情報生成手段と、
前記媒体に印刷された前記識別情報の入力を受け付ける識別情報受付手段とをさらに備え、
前記印刷履歴記憶手段は、前記印刷履歴情報を前記識別情報に対応付けて記憶し、前記余白領域抽出手段は、当該印刷履歴記憶手段に記憶された当該印刷履歴情報であって、前記識別情報受付手段にて受け付けた当該識別情報に対応する当該印刷履歴情報に基づいて前記余白領域を抽出することを特徴とする請求項2記載の印刷システム。
【請求項4】
前記印刷手段にて前記媒体に前記文書データが新たに印刷された場合に、当該新たな文書データが印刷された領域に関する情報を前記印刷履歴情報に追加して当該印刷履歴情報の更新を行う印刷履歴情報更新手段をさらに備えたことを特徴とする請求項2記載の印刷システム。
【請求項5】
前記媒体上の文書画像を読み取る画像読取手段をさらに備え、
前記余白領域抽出手段は、前記画像読取手段にて読み取られた前記文書画像に基づいて、前記媒体の前記余白領域を抽出することを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
【請求項6】
前記文書割付手段は、前記文書受付手段に受け付けられた前記文書データを、前記余白領域抽出手段にて抽出された前記余白領域に座標移動させる座標変換処理を行うことを特徴とする請求項1記載の印刷システム。
【請求項7】
印刷される文書の文書データを受け付ける文書受付手段と、
前記文書のサイズの入力を受け付ける文書サイズ受付手段と、
前記文書データが印刷される媒体のサイズの入力を受け付ける媒体サイズ受付手段と、
前記文書サイズ受付手段にて受け付けた前記文書のサイズと前記媒体サイズ受付手段にて受け付けた前記媒体のサイズとに基づいて、当該媒体上の前記文書を印刷可能な領域を抽出する印刷可能領域抽出手段と、
前記印刷可能領域抽出手段にて抽出された前記領域に前記文書データを割り付ける文書割付手段と、
前記文書割付手段にて割り付けられた前記文書データを前記媒体に印刷する印刷手段と
を備えたことを特徴とする印刷システム。
【請求項8】
印刷される文書の文書データを受け付ける文書受付手段と、
前記文書データが印刷される媒体の余白領域を抽出する余白領域抽出手段と、
前記余白領域抽出手段にて抽出された前記余白領域に前記文書データを割り付ける文書割付手段と
を備えたことを特徴とする印刷制御装置。
【請求項9】
印刷される前記文書のサイズの入力を受け付ける文書サイズ受付手段と、
前記余白領域抽出手段にて抽出された前記余白領域に、前記文書サイズ受付手段にて受け付けられたサイズの前記文書が割り付け可能か否かを判定する印刷可否判定手段とをさらに備え、
前記文書割付手段は、前記印刷可否判定手段にて前記文書の割り付けが可能であると判断された場合に、当該文書の前記文書データを前記余白領域に割り付けることを特徴とする請求項8記載の印刷制御装置。
【請求項10】
前記余白領域抽出手段にて複数の前記余白領域が抽出された場合に、ユーザによる一または複数の当該余白領域の指定を受け付ける余白領域指定手段をさらに備え、
前記文書割付手段は、前記余白領域指定手段にて指定された前記余白領域に前記文書データを割り付けることを特徴とする請求項8記載の印刷制御装置。
【請求項11】
前記文書受付手段は、前記文書データを受け付けたのち当該文書データをビットマップデータに変換し、前記余白領域抽出手段は、当該文書受付手段にて変換された当該ビットマップデータに基づいて前記余白領域を抽出することを特徴とする請求項8記載の印刷制御装置。
【請求項12】
コンピュータに、
印刷される文書の文書データを受け付ける機能と、
前記文書データが印刷される媒体の余白領域を抽出する機能と、
抽出された前記余白領域に前記文書データを割り付ける機能と
を実現させるプログラム。
【請求項13】
媒体上の前記文書データが印刷された領域に関する情報を印刷履歴情報としてメモリに記憶する機能をさらに実現する請求項12記載のプログラム。
【請求項14】
抽出された前記余白領域に前記文書データが割り付け可能か否かを判定する機能をさらに実現する請求項12記載のプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【公開番号】特開2008−90356(P2008−90356A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−267246(P2006−267246)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】
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