説明

印刷システム、印刷装置、端末及び印刷方法

【課題】印刷装置の処理能力を高め、印刷動作の稼働効率が向上可能な印刷システム、印刷装置、端末及び印刷方法を提供する。
【解決手段】印刷システム1において、印刷データに基づき印刷動作を実行する印刷部21と、印刷可能枚数から印刷済み枚数を差し引いた印刷枚数の制限値を随時生成し、制限値の範囲内において印刷部21の印刷動作を制御するコントローラユニット23と、印刷データを受信し、制限値を送信する第1の通信部24とを備えた印刷装置2と、印刷データを生成する印刷データ生成ユニット31と、印刷データが制限値の範囲内であれば印刷データの送信を行い、制限値の範囲外であれば印刷データの送信を行わないプリンタドライバユニット32と、印刷データを送信し、制限値を受信する第2の通信部33と、を備えた端末3A−3Dと、第1の通信部24と第2の通信部33との間において印刷データ及び制限値の送受信を行う通信手段4とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷システム、印刷装置、端末及び印刷方法に関する。特に、本発明は、複数の端末に通信手段を用いて印刷装置が接続される印刷システム、この印刷システムを構築する印刷装置及び端末、更にこの印刷システムにおける印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オフィスにおいては、複数のパーソナルコンピュータ(印刷用端末)とプリンタ(印刷装置)との間をローカルエリアネットワーク(LAN:local area network)を用いて接続し、印刷システムが構築されている。印刷装置が複数のユーザ、複数のグループ、又はそれらの双方により共用され、印刷装置を有効に活用することができる。
【0003】
このような印刷システムにおいては、印刷用紙、インク、トナー等の消耗品の使用量を制限し、システム維持費を可能な限り削減することが望まれている。特に、カラー印刷に使用されるインクやトナーの価格はモノクロ印刷に使用されるインクやトナーの価格に対して3倍−5倍ほど高く、カラー印刷の無制限の使用はシステム維持費を増大させる。
【0004】
一般的には、ユーザ毎、グループ毎又は全体の例えば1日の印刷枚数、1週間の印刷枚数、1ヶ月の印刷枚数等が制限され、システム維持費の増大が抑制されている。ユーザ毎等の印刷枚数の管理は印刷装置のコントローラ内のジョブ管理部によって行われている。
【0005】
つまり、最初に、複数のユーザや複数のグループが使用するパーソナルコンピュータにおいて作成された印刷データがネットを通して印刷装置のジョブ管理に送信される。ジョブ管理部においては、送信された印刷データが印刷可能であるか否かを判断し、印刷可能であると判断した場合には印刷データがジョブとして管理される。このジョブとして管理された印刷データに基づき印刷装置において印刷がなされる。一方、ジョブ管理部において、印刷データが印刷枚数の制限値(限定印刷枚数)を超えて印刷不可能であると判断された場合には、この印刷データは削除される。
【0006】
なお、この種の印刷システムに関しては、例えば下記特許文献1に開示されている。
【特許文献1】特開2004−102356号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、前述の印刷システム並びに印刷方法においては、以下の点について配慮がなされていなかった。すなわち、複数のユーザや複数のグループからの印刷データが印刷装置にランダムに送信され、印刷装置においては印刷データの受信毎にこの印刷データとユーザ毎或いはグループ毎の印刷枚数の制限値との比較判断を行い、印刷するか削除するかの処理を実行しなくてはならない。印刷データの受信タイミングが複数のユーザや複数のグループにおいて重なる場合には、印刷するか削除するかの処理に膨大な能力が必要となる。このため、ジョブ管理部の処理に膨大な能力が費やされ、印刷データに基づく印刷動作の稼動効率が低下してしまう。
【0008】
本発明は上記課題を解決するためになされたものである。従って、本発明は、印刷装置の処理能力を高め、印刷動作の稼働効率を向上することができる印刷システム、印刷装置、端末及び印刷方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の実施の形態に係る第1の特徴は、印刷システムにおいて、印刷データに基づき印刷動作を実行する印刷部と、印刷可能枚数から印刷済み枚数を差し引いた印刷枚数の制限値を随時生成し、制限値の範囲内において印刷部の印刷動作を制御するコントローラユニットと、印刷データを受信し、制限値を送信する第1の通信部と、を備えた印刷装置と、印刷データを記憶する記憶装置と、この記憶装置に記憶された印刷データが制限値の範囲内であれば印刷データの送信を行い、制限値の範囲外であれば印刷データの送信を行わないプリンタドライバユニットと、印刷データを送信し、制限値を受信する第2の通信部と、を備えた端末と、第1の通信部と第2の通信部との間において印刷データ及び制限値の送受信を行う通信手段とを備える。
【0010】
本発明の実施の形態に係る第2の特徴は、印刷システムにおいて、印刷枚数データ及び色データを有する印刷データに基づき印刷動作を実行する印刷部と、印刷可能枚数から印刷済み枚数を差し引いたカラー印刷枚数の第1の制限値を随時生成するとともに、第1の制限値に対応するモノクロ印刷枚数の第2の制限値を生成し、第1の制限値又は第2の制限値の範囲内において印刷部の印刷動作を制御するコントローラユニットと、印刷データを受信し、第1の制限値又は第2の制限値を送信する第1の通信部と、を備えた印刷装置と、印刷データを記憶する記憶装置と、この記憶された印刷データが第1の制限値の範囲内であれば、又は第1の制限値の範囲外であって第2の制限値の範囲内であれば印刷データの送信を行い、第1の制限値の範囲外及び第2の制限値の範囲外であれば印刷データの送信を行わないプリンタドライバユニットと、印刷データを送信し、第1の制限値及び第2の制限値を受信する第2の通信部と、を備えた端末と、第1の通信部と第2の通信部との間において印刷データ及び制限値の送受信を行う通信手段とを備える。
【0011】
第1の特徴に係る印刷システムにおいて、端末のプリンタドライバユニットは印刷データを暗号化した暗号化印刷データを生成し、第2の通信部は暗号化印刷データを送信し、印刷装置の第1の通信部は暗号化印刷データを受信し、コントローラユニットは、制限値の範囲内であれば暗号化印刷データを印刷データに復号化し、制限値の範囲内であれば復号化された印刷データに基づき印刷部に印刷動作を実行させ、制限値の範囲外であれば復号化された印刷データに基づき不足分の印刷枚数を借用し印刷部に印刷動作を実行させることが好ましい。
【0012】
本発明の実施の形態に係る第3の特徴は、印刷装置において、印刷データに基づき印刷動作を実行する印刷部と、印刷可能枚数から印刷済み枚数を差し引いた印刷枚数の制限値を随時生成し、制限値の範囲内において印刷部の印刷動作を制御するコントローラユニットと、印刷データを受信し、制限値を送信する第1の通信部とを備える。
【0013】
本発明の実施の形態に係る第4の特徴は、印刷装置において、印刷枚数データ及び色データを有する印刷データに基づき印刷動作を実行する印刷部と、印刷可能枚数から印刷済み枚数を差し引いたカラー印刷枚数の第1の制限値を随時生成するとともに、第1の制限値に対応するモノクロ印刷枚数の第2の制限値を生成し、第1の制限値又は第2の制限値の範囲内において印刷部の印刷動作を制御するコントローラユニットと、印刷データを受信し、第1の制限値又は第2の制限値を送信する第1の通信部とを備える。
【0014】
第3の特徴に係る印刷装置において、第1の通信部は印刷データを暗号化した暗号化印刷データを受信し、コントローラユニットは、制限値の範囲内であれば暗号化印刷データを印刷データに復号化し、制限値の範囲内であれば復号化された印刷データに基づき印刷部に印刷動作を実行させ、制限値の範囲外であれば復号化された印刷データに基づき不足分の印刷枚数を借用し印刷部に印刷動作を実行させることが好ましい。
【0015】
本発明の実施の形態に係る第5の特徴は、端末において、印刷データ生成ユニットにより生成された印刷データを記憶する記憶装置と、この記憶装置に記憶された印刷データを送信し、印刷装置において随時生成される、印刷可能枚数から印刷済み枚数を差し引いた印刷枚数の制限値を受信する第2の通信部と、印刷データが制限値の範囲内であれば印刷データの送信を行い、制限値の範囲外であれば印刷データの送信を行わないプリンタドライバユニットとを備える。
【0016】
本発明の実施の形態に係る第6の特徴は、端末において、印刷枚数データ及び色データを有する印刷データを記憶する記憶装置と、この記憶装置に記憶された印刷データを送信し、印刷装置において随時生成される、印刷可能枚数から印刷済み枚数を差し引いたカラー印刷枚数の第1の制限値及び印刷装置において生成される、第1の制限値に対応するモノクロ印刷枚数の第2の制限値を受信する第2の通信部と、印刷データが第1の制限値の範囲内であれば、又は第1の制限値の範囲外であって第2の制限値の範囲内であれば印刷データの送信を行い、第1の制限値の範囲外及び第2の制限値の範囲外であれば印刷データの送信を行わないプリンタドライバユニットとを備える。
【0017】
第5の特徴に係る端末において、プリンタドライバユニットは印刷データを暗号化した暗号化印刷データを生成し、第2の通信部は暗号化印刷データを送信することが好ましい。
【0018】
本発明の実施の形態に係る第7の特徴は、印刷方法において、端末において印刷データを記憶する段階と、印刷装置において印刷可能枚数から印刷済み枚数を差し引いた印刷枚数の制限値を随時生成し端末に送信する段階と、端末において、印刷データが制限値の範囲内であれば印刷データを印刷装置に送信し、制限値の範囲外であれば印刷データの送信を行わない段階と、印刷装置において端末から送信され受信された印刷データに基づき印刷動作を実行する段階とを備える。
【0019】
本発明の実施の形態に係る第8の特徴は、印刷方法において、端末において印刷枚数データ及び色データを有する印刷データを記憶する段階と、印刷装置において印刷可能枚数から印刷済み枚数を差し引いたカラー印刷枚数の第1の制限値を随時生成し端末に送信する段階と、印刷装置において第1の制限値に対応するモノクロ印刷枚数の第2の制限値を生成する段階と、端末において、印刷データが第1の制限値の範囲内であれば、又は第1の制限値の範囲外であって第2の制限値の範囲内であれば印刷データを印刷装置に送信し、第1の制限値の範囲外及び第2の制限値の範囲外であれば印刷データを印刷装置に送信しない段階と、印刷装置において端末から送信され受信された印刷データに基づき印刷動作を実行する段階とを備える。
【0020】
本発明の実施の形態に係る第9の特徴は、印刷方法において、端末において、印刷データを記憶し、この印刷データを暗号化した暗号化印刷データを生成する段階と、印刷装置において印刷可能枚数から印刷済み枚数を差し引いた印刷枚数の制限値を随時生成し端末に送信する段階と、端末において、暗号化印刷データが制限値の範囲内であれば暗号化印刷データを印刷装置に送信し、制限値の範囲外であれば暗号化印刷データの送信を行わない段階と、印刷装置において端末から送信され受信された暗号化印刷データを印刷データに復号化する段階と、印刷装置において復号化された印刷データが制限値の範囲内であればこの復号化された印刷データに基づき印刷動作を実行する段階と、印刷装置において、復号化された印刷データが制限値の範囲外であれば不足分の印刷枚数を借用し、この復号化された印刷データに基づき印刷動作を実行する段階とを備える。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、印刷装置の処理能力を高め、印刷動作の稼働効率を向上することができる印刷システム、印刷装置、端末及び印刷方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、図面を参照して、本発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、現実のものとは異なる。
【0023】
また、以下に示す実施の形態はこの発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、この発明の技術的思想は各構成部品の配置等を下記のものに特定するものでない。この発明の技術的思想は、特許請求の範囲において、種々の変更を加えることができる。
【0024】
(第1の実施の形態)
本発明の第1の実施の形態は、例えばLANを用いてオフィスに構築される印刷システム、印刷装置、端末、印刷方法に本発明を適用した例を説明するものである。
【0025】
[印刷システムの構成]
図2に示すように、第1の実施の形態に係る印刷システム(プリントワークシステム)1は、印刷装置2と、端末3A−3Dと、印刷装置2と端末3A−3Dとの間を接続する通信手段4とを備えて構築される。
【0026】
印刷装置2は、第1の実施の形態において、大量印刷に適した孔版方式の印刷装置である。また、印刷装置2は、孔版方式に必ずしも限定されるものではなく、レーザ方式、インクジェット方式等の他の方式を採用する印刷装置であってもよい。印刷装置2は、単に端末3A−3Dから送信される印刷データを印刷する場合だけに限られるものではなく、それ自体にスキャナ機能、ファクシミリ機能等を有する複合印刷装置であってもよい。更に、第1の実施の形態において、印刷装置2は、カラー印刷装置、モノクロ印刷装置のいずれであってもよい。
【0027】
端末3A−3Dは、印刷データを生成し、この印刷データを印刷装置2に送信する機能を少なくとも有する。第1の実施の形態において、端末3A及び3Bはデスクトップ型パーソナルコンピュータであり、端末3C及び3Dはノート型パーソナルコンピュータである。なお、端末3A−3Dはパーソナルコンピュータの機種に限定されるものではなく、又端末3A−3Dの接続台数に限定されるものではない。例えば、端末3A−3Dの少なくとも1つは携帯端末(PDA:personal digital assistants)に置き代えてもよい。1台、2台、3台又は5台以上の端末が通信手段4に接続されていてもよい。
【0028】
通信手段4は、例えばオフィス内、家庭内、複数のオフィス間、家庭間、オフィスと家庭との間、オフィスと外出先との間、家庭と外出先との間等において、印刷装置2と端末3A−3Dとの間を接続するデータ転送経路である。この通信手段4には、有線LAN、無線LAN、インターネット、電話回線、光ケーブル、USB(universal serial bus)、SCSI(small computer system interface)規格に基づく例えばIEEE1394等の少なくともいずれか1つのデータ転送経路やデータ転送技術が含まれる。
【0029】
[印刷装置の構成]
第1の実施の形態に係る前述の印刷システム1を構築する印刷装置2は、図1に示すように、印刷データに基づき印刷動作を実行する印刷部21と、印刷可能枚数から印刷済み枚数を差し引いた印刷枚数の制限値を随時生成し、制限値の範囲内において印刷部21の印刷動作を制御するコントローラユニット23と、印刷データを受信し、制限値を送信する第1の通信部24とを備える。更に、第1の実施の形態に係る印刷装置2は、製版部22と、操作部25と、記憶装置261と、可搬型メモリ用スロット262と、給排紙部27と、給排版部28と、読み取り装置29とを備える。
【0030】
操作部25は例えばタッチパネル式の表示装置を有し、この操作部25において印刷装置2の基本的操作を入力することができ、又操作状態や動作状態を表示することができる。例えば、印刷装置2の操作者、例えば印刷システム1の管理者、ユーザ、メンテナンス作業者等は、印刷操作、スキャナ操作、ファクシミリ操作、又は印刷システム1に関するユーザ登録操作(印刷装置2にアクセスし印刷操作をするための登録操作)等を操作部25から行える。
【0031】
製版部22は印刷データ(画像データ)に基づき孔版原紙に製版処理を行う。この印刷データには、通信手段4を通じて第1の通信部24において受信した印刷データ、読み取り装置(スキャナ部)29によって取得した印刷データ、記憶装置261に保存されている印刷データ、可搬型メモリ用スロット262を通じて可搬型メモリから取得した印刷データ等である。印刷部21は、製版部22において製版された孔版原紙を用いて印刷用紙に印刷を行う。
【0032】
給排紙部27は、印刷部21に印刷用紙を供給し、印刷部21から印刷済みの印刷用紙を排紙する。給排版部28は、製版部22により生成された孔版原紙を印刷部21に給版し、印刷済み孔版原紙を印刷部21から排版する。
【0033】
記憶装置261は、印刷装置2の制御に必要なプログラム等のデータ、印刷データ等を記憶する。記憶装置261には例えばハードディスクが使用される。また、記憶装置261は、プログラム等のデータ、印刷データ等を一時的に記憶するRAM(random access memory)やROM(read only memory:例えば電気的消去型ROMが好ましい。)であってもよいし、これらのRAMやROMとハードディスクとを併せ持ってもよい。可搬型メモリ用スロット262には図示しない可搬型メモリが装着される。この可搬型メモリには例えばデジタルカメラ等を用いて撮影され記憶された印刷データ(例えば写真データ)が記憶される。可搬型メモリは例えばUSBフラッシュメモリ、メモリカード等である。
【0034】
コントローラユニット23は、印刷装置2を使用する管理者、ユーザ等の情報を管理し、かつ印刷装置2の制御に関する管理を行うジョブ管理部(ユーザ管理部)231と、製版部22、印刷部21等の動作制御を行う製版印刷制御部232とを備える。第1の通信部24は、通信手段4に接続され、この通信手段4を通して端末3A−3Dに接続される。第1の通信部24においては、端末3A−3Dのいずれから送信される印刷データを通信手段4を通して受信するとともに、ジョブ管理部231において生成された制限値を通信手段4を通して端末3A−3Dのいずれかに送信する。
【0035】
[端末の構成]
第1の実施の形態に係る前述の印刷システム1を構築する端末3A−3Dは、図1に示すように、印刷データを生成する印刷データ生成ユニット31と、この印刷データ生成ユニット31により生成された印刷データを一時的に若しくは半永久的に記憶する記憶装置34と、記憶装置34に記憶された印刷データが制限値の範囲内であれば印刷データの送信を行い、制限値の範囲外であれば印刷データの送信を行わないプリンタドライバユニット32と、印刷データを送信し、制限値を受信する第2の通信部33とを備える。更に、端末3A−3Dは、記憶メディアドライブ35と、可搬型メモリ用スロット36と、表示装置37と、入力装置38とを備える。
【0036】
印刷データ生成ユニット31は、端末3A−3Dの基本操作を行うソフトウエアを有するオペレーションシステム(OS)部311と、文章作成処理、画像作成処理、通信処理等を行い、文書、画像等の印刷データを生成するソフトウエアを有する管理アプリケーション部312とを備える。印刷データは、この管理アプリケーション部312を有する印刷データ生成ユニット31によって主に生成される。
【0037】
プリンタドライバユニット32は、印刷装置2に関する印刷操作画面、印刷設定画面、メンテナンス設定画面等の表示を行い、ユーザから印刷の設定を受け、又印刷に関する設定情報や印刷状態をユーザに通知する。更に、プリンタドライバユニット32は、このようにユーザによって設定された印刷データを第2の通信部33、通信手段4のそれぞれを通じて印刷装置2に出力する。
【0038】
第1の実施の形態に係る端末3A−3Dにおいては、印刷装置2により生成され随時更新される制限値が第2の通信部33を通してプリンタドライバユニット32に受信される。この制限値の受信タイミングは、ここでは端末3A−3Dのいずれかから印刷装置2に印刷データが送信される直前であることが好ましい。なお、制限値は印刷装置2から定期的に通信手段4を用いて端末3A−3Dのそれぞれに流すようにしてもよい。プリンタドライバユニット32は、印刷データが制限値の範囲内であれば、第2の通信部33、通信手段4のそれぞれを通して印刷装置2に印刷データを送信する。プリンタドライバユニット32は、印刷データが制限値の範囲外であれば、第2の通信部33、通信手段4のそれぞれを通して印刷装置2への印刷データの送信を行わない。送信されない印刷データは、端末3A−3Dの記憶装置34、記憶メディアドライブ35に装着された図示しない記憶メディア、可搬型メモリ用スロット36に装着された図示しない可搬型メモリに保存されるか、又は破棄される。第2の通信部33は、印刷データ生成ユニット31により生成され、プリンタドライバユニット32により印刷設定がなされた印刷データを通信手段4を通して印刷装置2に送信し、又印刷装置2から通信手段4を通して制限値を受信する。
【0039】
端末3A−3Dの記憶装置34は、オペレーションシステム部311のソフトウエア、管理アプリケーション部312のソフトウエア、プリンタドライバユニット32のソフトウエア等のソフトウエアや、印刷データ等の生成されたデータを保存する。この記憶装置34には例えばハードディスクが使用される。また、印刷装置2の記憶装置261と同様に、記憶装置34は、プログラム等のデータ、印刷データ等を一時的に記憶するRAMやROMであってもよいし、これらのRAMやROMとハードディスクとを併せ持ってもよい。
【0040】
記憶メディアドライブ35には例えばコンパクトディスク(CD)、デジタルビデオディスク(DVD)等の記憶媒体が装着され、記憶メディアドライブ35においてデータの書き込み及び読み出しが行える。可搬型メモリ用スロット36は前述の印刷装置2の可搬型メモリ用スロット262と同様である。
【0041】
表示装置37は例えば液晶表示モニター、CRTモニター等である。入力装置38にはキーボード、マウス、タッチパネル、ペン入力デバイス等が含まれる。
【0042】
[印刷方法]
前述の第1の実施の形態に係る印刷システム1の印刷方法は図3に示す通りである。
【0043】
まず最初に、端末3A(又は端末3B−3Dのいずれか)の印刷データ生成ユニット31において、印刷データが生成される(S1)。印刷データには、文章データ、画像データ又は文章データ及び画像データの双方を含むデータと、印刷枚数のデータと、印刷部数のデータとが少なくとも含まれる。そして、端末3Aのプリンタドライバユニット32において、印刷データの印刷設定が行われ、印刷装置2に対して制限値が請求される(S2)。制限値の請求は第2の通信部33、通信手段4のそれぞれを通して印刷装置2に送信される。
【0044】
印刷装置2のコントローラユニット23のジョブ管理部231においては、印刷可能枚数(限定印刷枚数)から印刷済み枚数(実際の印刷枚数)を差し引いた制限値(印刷可能枚数)が印刷動作の完了毎に随時生成される(S21)。また、ジョブ管理部231においては、印刷動作が予定された印刷データを記憶装置261に記憶した段階において、制限値が更新される。制限値は、この印刷システム1の全体の制限値、この印刷システム1のユーザ毎に設定される制限値、この印刷システム1のグループ毎に設定される制限値、この印刷システム1の端末3A−3D毎に設定される制限値のいずれであってもよい。ここで、例えばグループ毎に制限値が設定される場合、グループ内の1人のユーザが印刷している最中に、同一グループ内の他の1人のユーザが印刷動作を開始することがあり、このような状況においては印刷中に随時制限値が更新される。印刷装置2は、通信手段4を通して送信された制限値の請求を第1の通信部24において受信する(S22)。印刷装置2において、制限値の請求がなされると、ジョブ管理部231において生成された制限値が第1の通信部24から通信手段4を通して端末3Aに送信される(S23)。
【0045】
端末3Aにおいては、印刷装置2から送信された制限値が第2の通信部33において受信される(S3)。この制限値はプリンタドライバユニット32に送信される。プリンタドライバユニット32においては、印刷データ生成ユニット31により既に生成され記憶装置34に記憶された印刷データ(例えば、印刷データ(色データを含む)内に含まれる印刷枚数と印刷部数とから算出される総印刷枚数値)と印刷装置2から送信された制限値との比較が行われる(S4)。ここで、印刷データが制限値の範囲内(印刷データ<制限値)であれば、プリンタドライバユニット32は、印刷装置2において印刷データの印刷が可能であると判断し、第2の通信部33を通して印刷装置2に印刷データを送信する(S5)。逆に、印刷データが制限値の範囲外(印刷データ>制限値)であれば、プリンタドライバユニット32は、印刷装置2において印刷データの印刷が不可能であると判断し、印刷データの印刷装置2への送信を行わない(S6)。結果的に、印刷は中止される(S7)。印刷データを送信しない場合には、プリンタドライバユニット32は、例えば端末3Aの表示装置37に「送信拒否通知」を表示する。未送信の印刷データは、端末3Aの記憶装置34等に保存されるか、又は必要に応じて破棄される。
【0046】
端末3Aから送信された印刷データは通信手段4を通じて印刷装置2の第1の通信部24において受信される(S24)。受信された印刷データはコントローラユニット23のジョブ管理部231に送信される。ジョブ管理部231においては、印刷データの受信後に制限値に変化がないか(制限値の減少があるかないか)が判定される(S25)。制限値に変化がない場合には、受信された印刷データのジョブ登録が実行され(S26)、受信された印刷データは記憶装置261に保存される。ジョブ管理部231において、記憶装置261に保存された印刷データに基づき印刷部21に印刷動作を指示した後に、印刷データが制限値の範囲内であるか、制限値の範囲外であるかが判定される(S27)。制限値の範囲内である場合には、ジョブ管理部231から製版印刷制御部232を通して印刷部21を稼働させ、記憶装置261に保存された印刷データの印刷が実行される(S28)。制限値の範囲外である場合には、ジョブ管理部231は、印刷動作を中止する旨の「ジョブ登録拒否通知」を操作部25及び端末3Aに送信し(S32)、印刷動作を中止する(S33)。なお、ステップS27は、印刷データが制限値の範囲内であるか、制限値の範囲外であるかが判定された後に、印刷部21に印刷動作を指示するようにしてもよい。
【0047】
前述のステップS25において、印刷データの受信後に制限値に変化がある場合には、この印刷データが制限値の範囲内であるか、制限値の範囲外であるかが判定される(S29)。受信後の印刷データが制限値の範囲内である場合には、印刷データのジョブ登録が実行される(S26)。受信後の印刷データが制限値の範囲外である場合には、ジョブ管理部231は、ジョブ登録動作を中止する旨の「ジョブ登録拒否通知」を操作部25及び端末3Aに送信し(S30)、印刷動作を中止する(S31)。
【0048】
以上説明したように、第1の実施の形態に係る印刷システム1、印刷装置2、端末3A−3D並びに印刷方法においては、印刷装置2において印刷可能枚数から印刷済み枚数を差し引いた印刷枚数の制限値が随時生成され、端末3A−3Dにおいて印刷データを生成し記憶した後にこの印刷データと制限値との比較結果から印刷データが印刷装置2に送信されるか否かを行っているので、印刷装置2のジョブ管理部231の処理を端末3A−3Dに分散し、ジョブ管理部231の処理能力を減少することができる。逆に、印刷装置2のジョブ管理部231の処理能力を高めることができ、印刷装置2の印刷動作の稼働効率を向上することができる。
【0049】
なお、第1の実施の形態に係る印刷システム1において、印刷装置2のジョブ管理部231はハードウエアにより構成されているが、印刷装置2の内部に配設されたマイクロコンピュータ(図示しない)を用いて稼働されるソフトウエアであってもよい。同様に、印刷システム1において、端末3A−Dのプリンタドライバユニット32はハードウエアにより構成されているが、端末3A−Dの内部に配設されたマイクロコンピュータ(図示しない)を用いて稼働されるソフトウエアであってもよい。
【0050】
(第2の実施の形態)
本発明の第2の実施の形態は、前述の第1の実施の形態に係る印刷システム1、印刷装置2、端末3A−3D並びに印刷方法において、カラー印刷では制限値をクリアすることができない場合にモノクロ印刷又はグレースケール印刷に移行できるようにした例を説明するものである。
【0051】
[印刷システム、印刷装置及び端末の構成]
第2の実施の形態に係る印刷システム1、印刷装置2、端末3A−3Dは、基本的には前述の図1並びに図2に示す第1の実施の形態に係る印刷システム1、印刷装置2、端末3A−3Dと同様であるが、以下の点が相違する。
【0052】
端末3A−3Dの印刷データ生成ユニット31においては、印刷枚数データ及び色データを有する印刷データが生成される。これは、第1の実施の形態において特に説明していないが、第1の実施の形態に係る端末3A−3Dの印刷データ生成ユニット31も同様に印刷枚数データ及び色データを有する印刷データが生成される。
【0053】
印刷装置2のジョブ管理部231においては、印刷可能枚数から印刷済み枚数を差し引いたカラー印刷枚数の第1の制限値が随時生成される。更に、ジョブ管理部231においては、第1の制限値に対応するモノクロ印刷枚数(又はグレースケール印刷枚数)の第2の制限値が生成される。一般的に、カラー印刷のランニングコストはモノクロ印刷(又はグレースケール印刷)のランニングコストに対して3倍−5倍も高い。印刷費用の増大を抑制するために、ユーザ毎、グループ毎等にカラー印刷枚数が制限されている場合において、カラー印刷では第1の制限値の範囲外になってしまうが、モノクロ印刷では制限されている印刷費用の範囲内になる可能性がある。第2の制限値は、第1の制限値に対してモノクロ印刷(又はグレースケール印刷)に代用した場合のモノクロ印刷枚数の制限値である。第2の制限値は、第1の制限値が生成される(更新される)毎に、又は端末3A−3Dから第2の制限値の請求があった場合に生成される。第2の制限値は、予め定められた第1の制限値と第2の制限値との対応関係を示すデータ、例えばテーブルとして記憶装置261に記憶されたデータに基づき生成される(取得される)。テーブルには、例えば第1の制限値において100枚のカラー印刷を許容するデータに対応させて、第2の制限値においては300枚のモノクロ印刷を許容するデータが格納されている。
【0054】
また、端末3A−3Dのプリンタドライバユニット32は、印刷データが第1の制限値の範囲内であるか範囲外であるかを判断するとともに、印刷データが第1の制限値の範囲外である場合に印刷データが第2の制限値の範囲内であるか範囲外であるかを判断する機能を備える。
【0055】
[印刷方法]
前述の第2の実施の形態に係る印刷システム1の印刷方法は図4に示す通りである。
【0056】
まず最初に、端末3A(又は端末3B−3Dのいずれか)の印刷データ生成ユニット31において、印刷枚数データ及び色データを有する印刷データが生成され(S1)、この印刷データは記憶装置34に一時的に又は半永久的に記憶される。印刷データには、カラー文章データ、カラー画像データ又は双方を含むデータのカラー印刷枚数のデータと、印刷部数のデータとが少なくとも含まれる。そして、端末3Aのプリンタドライバユニット32において、印刷データの印刷設定が行われ、印刷装置2に対して第1の制限値が請求される(S2)。第1の制限値の請求は第2の通信部33、通信手段4のそれぞれを通して印刷装置2に送信される。
【0057】
印刷装置2のコントローラユニット23のジョブ管理部231においては、印刷可能枚数(限定印刷枚数)から印刷済み枚数(実際の印刷枚数)を差し引いた第1の制限値(印刷可能枚数)が印刷動作の完了毎に随時生成される(S21)。また、ジョブ管理部231においては、印刷動作が予定された印刷データを記憶装置261に記憶した段階において、第1の制限値が更新される。印刷装置2は、通信手段4を通して送信された第1の制限値の請求を第1の通信部24において受信する(S22)。印刷装置2において、第1の制限値の請求がなされると、ジョブ管理部231において生成された第1の制限値が第1の通信部24から通信手段4を通して端末3Aに送信される(S23)。
【0058】
端末3Aにおいては、印刷装置2から送信された第1の制限値が第2の通信部33において受信される(S3)。この第1の制限値はプリンタドライバユニット32に送信される。プリンタドライバユニット32においては、既に生成された印刷データと印刷装置2から送信された第1の制限値との比較が行われる(S4)。ここで、印刷データが第1の制限値の範囲内(印刷データ<第1の制限値)であれば、プリンタドライバユニット32は、印刷装置2においてカラー印刷データの印刷が可能であると判断し、第2の通信部33を通して印刷装置2に印刷データを送信する(S5)。
【0059】
ここで、印刷データが第1の制限値の範囲外(印刷データ>制限値)であれば、プリンタドライバユニット32は、印刷装置2において印刷データのカラー印刷が不可能であると判断し、ユーザに対してモノクロ印刷(又はグレースケール印刷)に代用するか否の判断を請求する(S8)。ユーザがモノクロ印刷への代用を拒否した場合には、印刷データの印刷装置2への送信を行わない(S6)。結果的に、印刷は中止される(S7)。印刷データを送信しない場合には、プリンタドライバユニット32は、例えば端末3Aの表示装置37に「送信拒否通知」を表示する。未送信の印刷データは、端末3Aの記憶装置34等に保存されるか、又は必要に応じて破棄される。
【0060】
ユーザがモノクロ印刷への代用を許可した場合には、端末3Aのプリンタドライバユニット32は、印刷装置2に対して第2の制限値を請求する(S9)。第2の制限値の請求は第2の通信部33、通信手段4のそれぞれを通して印刷装置2に送信される。印刷装置2のコントローラユニット23のジョブ管理部231においては、第1の制限値を生成した後(更新した後)第2の制限値の請求がなされる前、又は第2の制限値の請求がなされた後に、カラー印刷からモノクロ印刷(又はグレースケール印刷)に代用した場合の第2の制限値が生成される(S21)。第2の制限値がその請求がなされた後に生成される場合には、第1の制限値の更新が伴うので、第2の制限値は最新の更新状態にある。印刷装置2は、通信手段4を通して送信された第2の制限値の請求を第1の通信部24において受信する(S22)。印刷装置2において、第2の制限値の請求がなされると、ジョブ管理部231において生成された第2の制限値が第1の通信部24から通信手段4を通して端末3Aに送信される(S23)。
【0061】
端末3Aにおいては、印刷装置2から送信された第2の制限値が第2の通信部33において受信される(S10)。この第2の制限値はプリンタドライバユニット32に送信される。プリンタドライバユニット32においては、カラー印刷データから変換されたモノクロ印刷データと印刷装置2から送信された第2の制限値との比較が行われる(S11)。ここで、印刷データが第2の制限値の範囲内(印刷データ<第2の制限値)であれば、プリンタドライバユニット32は、印刷装置2においてモノクロ印刷データの印刷が可能であると判断し、第2の通信部33を通して印刷装置2に印刷データを送信する(S5)。
【0062】
逆に、印刷データが第2の制限値の範囲外(印刷データ>第2の制限値)であれば、プリンタドライバユニット32は、印刷装置2においてモノクロ印刷データの印刷が不可能であると判断し、印刷データの印刷装置2への送信を行わない(S6)。結果的に、印刷は中止される(S7)。印刷データを送信しない場合には、プリンタドライバユニット32は、例えば端末3Aの表示装置37に「送信拒否通知」を表示する。
【0063】
端末3Aから送信されたカラー印刷データ又はモノクロ印刷データは通信手段4を通じて印刷装置2の第1の通信部24において受信される(S24)。受信された印刷データはコントローラユニット23のジョブ管理部231に送信される。ジョブ管理部231においては、印刷データの受信後に第1の制限値又は第2の制限値に変化がないか(第1の制限値又は第2の制限値の減少があるかないか)が判定される(S25)。第1の制限値又は第2の制限値に変化がない場合には、受信された印刷データのジョブ登録が実行され(S26)、受信された印刷データは記憶装置261に保存される。ジョブ管理部231において、記憶装置261に保存された印刷データに基づき印刷部21に印刷動作を指示した後に、印刷データが第1の制限値又は第2の制限値の範囲内であるか、第1の制限値又は第2の制限値の範囲外であるかが判定される(S27)。第1の制限値又は第2の制限値の範囲内である場合には、ジョブ管理部231から製版印刷制御部232を通して印刷部21を稼働させ、記憶装置261に保存された印刷データのカラー印刷又はモノクロ印刷が実行される(S28)。第1の制限値又は第2の制限値の範囲外である場合には、ジョブ管理部231は、印刷動作を中止する旨の「ジョブ登録拒否通知」を操作部25及び端末3Aに送信し(S32)、印刷動作を中止する(S33)。
【0064】
前述のステップS25において、印刷データの受信後に第1の制限値又は第2の制限値に変化がある場合には、この印刷データが第1の制限値又は第2の制限値の範囲内であるか、第1の制限値又は第2の制限値の範囲外であるかが判定される(S29)。受信後の印刷データが第1の制限値又は第2の制限値の範囲内である場合には、印刷データのジョブ登録が実行される(S26)。受信後の印刷データが第1の制限値又は第2の制限値の範囲外である場合には、ジョブ管理部231は、ジョブ登録動作を中止する旨の「ジョブ登録拒否通知」を操作部25及び端末3Aに送信し(S30)、印刷動作を中止する(S31)。
【0065】
以上説明したように、第2の実施の形態に係る印刷システム1、印刷装置2、端末3A−3D並びに印刷方法においては、第1の実施の形態に係る印刷システム1、印刷装置2、端末3A−3D並びに印刷方法により得られる作用効果と同様の作用効果を奏することができる。
【0066】
更に、第2の実施の形態に係る印刷システム1、印刷装置2、端末3A−3D並びに印刷方法においては、印刷装置2においてカラー印刷枚数の第1の制限値に対応したモノクロ印刷枚数(又はグレースケール印刷枚数)の第2の制限値が生成され、端末3A−3Dにおいてカラー印刷データを生成した後にこのカラー印刷データと第1の制限値との比較を行い、カラー印刷データが第1の制限値の範囲外である場合にモノクロ印刷データと第2の制限値との比較を行い、それらの比較結果から印刷データが印刷装置2に送信されるか否かを行っているので、カラー印刷の場合もモノクロ印刷の場合も印刷装置2のジョブ管理部231の処理を端末3A−3Dに分散し、ジョブ管理部231の処理能力を減少することができる。逆に、印刷装置2のジョブ管理部231の処理能力を高めることができ、印刷装置2の印刷動作の稼働効率を向上することができる。加えて、第2の実施の形態に係る印刷システム1、印刷装置2、端末3A−3D並びに印刷方法においては、カラー印刷が制限される場合でもモノクロ印刷を実行することができる。
【0067】
(第3の実施の形態)
本発明の第3の実施の形態は、前述の第1の実施の形態に係る印刷システム1、印刷装置2、端末3A−3D並びに印刷方法において、印刷データのセキュリティを高めた例を説明するものである。
【0068】
[印刷システム、印刷装置及び端末の構成]
第3の実施の形態に係る印刷システム1、印刷装置2、端末3A−3Dは、基本的には前述の図1並びに図2に示す第1の実施の形態に係る印刷システム1、印刷装置2、端末3A−3Dと同様であるが、以下の点が相違する。
【0069】
端末3A−3Dの印刷データ生成ユニット31において生成され記憶装置34において記憶された印刷データは、プリンタドライバユニット32において暗号化される。すなわち、端末3A−3Dには印刷データの暗号化を行う機能を備える。印刷データの暗号化には例えばSSL(secure socket layer)通信暗号化方法を実用的に使用することができる。
【0070】
印刷装置2のジョブ管理部231においては、暗号化された印刷データを復号化する機能を備える。更に、印刷装置2のジョブ管理部231は、制限値の範囲内であれば復号化された印刷データに基づき印刷部21に印刷動作を実行させ、制限値の範囲外であれば復号化された印刷データに基づき不足分の印刷枚数を借用し印刷部21に印刷動作を実行させる機能を有する。ここで、「不足分の印刷枚数を借用する」とは、ユーザ毎、グループ毎に設定された印刷枚数を越えた場合に、少なくとも越えた分の印刷枚数を次回の割り当て分から前倒しで借用するという意味で使用される。例えば、ユーザの当日の印刷枚数が100枚に制限されている場合、印刷枚数が105枚に達すると、翌日に制限されている印刷枚数から超過分の5枚が前倒しで借用される。セキュリティ性の高い印刷データは周囲のユーザにその存在を知られることなく出来る限り即座に印刷を完了させ、印刷データは印刷装置2から消去され、セキュリティ性が保持される。
【0071】
[印刷方法]
第3の実施の形態に係る印刷システム1の印刷方法は図5に示す通りである。
【0072】
まず最初に、端末3A(又は端末3B−3Dのいずれか)の印刷データ生成ユニット31において、印刷データが生成され(S1)、この印刷データは記憶装置34に一時的に又は半永久的に記憶される。印刷データには、文章データ、画像データ又は双方を含むデータの印刷枚数のデータと、印刷部数のデータとが少なくとも含まれる。そして、端末3Aのプリンタドライバユニット32において、印刷データの印刷設定が行われ、印刷装置2に対して制限値が請求される(S2)。制限値の請求は第2の通信部33、通信手段4のそれぞれを通して印刷装置2に送信される。
【0073】
印刷装置2のコントローラユニット23のジョブ管理部231においては、印刷可能枚数(限定印刷枚数)から印刷済み枚数(実際の印刷枚数)を差し引いた制限値(印刷可能枚数)が印刷動作の完了毎に随時生成される(S21)。また、ジョブ管理部231においては、印刷動作が予定された印刷データを記憶装置261に記憶した段階において、制限値が更新される。印刷装置2は、通信手段4を通して送信された制限値の請求を第1の通信部24において受信する(S22)。印刷装置2において、制限値の請求がなされると、ジョブ管理部231において生成された制限値が第1の通信部24から通信手段4を通して端末3Aに送信される(S23)。
【0074】
端末3Aにおいては、印刷装置2から送信された制限値が第2の通信部33において受信される(S3)。この制限値はプリンタドライバユニット32に送信される。プリンタドライバユニット32においては、既に生成された印刷データと印刷装置2から送信された制限値との比較が行われる(S4)。ここで、印刷データが制限値の範囲内(印刷データ<制限値)であれば、プリンタドライバユニット32は、印刷装置2において印刷データの印刷が可能であると判断し、この印刷データをセキュリティ性を高めて暗号化するか暗号化しないかをユーザに求める(S15)。印刷データを暗号化しない場合は第2の通信部33を通して印刷装置2に印刷データを送信する(S5)。印刷データを暗号化する場合は、プリンタドライバユニット32において印刷データが暗号化され(S16)、この暗号化された印刷データ(以下、単に「暗号化印刷データ」という。)は端末3Aのユーザの個人保管場所となる記憶装置34に保存される(S17)。保存された後、暗号化印刷データは第2の通信部33を通して印刷装置2に送信される(S5)。
【0075】
ステップS4において、印刷データが制限値の範囲外(印刷データ>制限値)であれば、プリンタドライバユニット32は、印刷装置2において印刷データの印刷が不可能であると判断し、印刷データの印刷装置2への送信を行わない(S6)。結果的に、印刷は中止される(S7)。印刷データを送信しない場合には、プリンタドライバユニット32は、例えば端末3Aの表示装置37に「送信拒否通知」を表示する。未送信の印刷データは、端末3Aの記憶装置34等に保存されるか、又は必要に応じて破棄される。
【0076】
端末3Aから送信された印刷データ又は暗号化印刷データは通信手段4を通じて印刷装置2の第1の通信部24において受信される(S24)。受信された印刷データ又は暗号化印刷データはコントローラユニット23のジョブ管理部231に送信される。ジョブ管理部231においては、印刷データ又は暗号化印刷データの受信後に制限値に変化がないか(制限値の減少があるかないか)が判定される(S25)。制限値に変化がない場合には、ここで端末3Aから印刷データが送信されてきたのか、暗号化印刷データが送信されてきたのかが判断される(S40)。印刷データである場合には、受信された印刷データのジョブ登録が実行され(S26)、受信された印刷データは記憶装置261に保存される。ジョブ管理部231において、記憶装置261に保存された印刷データに基づき印刷部21に印刷動作を指示した後に、印刷データが制限値の範囲内であるか、制限値の範囲外であるかが判定される(S27)。制限値の範囲内である場合には、ジョブ管理部231から製版印刷制御部232を通して印刷部21を稼働させ、記憶装置261に保存された印刷データの印刷が実行される(S28)。制限値の範囲外である場合には、ジョブ管理部231は、印刷動作を中止する旨の「ジョブ登録拒否通知」を操作部25及び端末3Aに送信し(S32)、印刷動作を中止する(S33)。
【0077】
ステップS40において、暗号化印刷データであると判断された場合には、印刷装置2のジョブ管理部231は暗号化印刷データを送信してきた端末3A(ユーザ)に対して認証を請求する(S41)。端末3Aからの認証が得られると、暗号化印刷データは復号化される(S42)。認証が得られない場合には、暗号化印刷データの復号化並びに印刷動作そのものが中止される(S47)。復号化された印刷データにおいて、復号化後の印刷データと随時更新される制限値との比較が再度行われる(S43)。これは、印刷装置2において、暗号化印刷データを受信してからこの暗号化印刷データを復号化して印刷データに変換するまでに時間を必要とし、この時間内に制限値が変動してもこの制限値を考慮した印刷動作を実現するためである。復号化された印刷データが制限値の範囲内である場合には、印刷データのジョブ登録が実行され(S44)、印刷データは記憶装置261に保存される。ジョブ管理部231において、記憶装置261に保存された印刷データに基づき印刷部21に印刷動作を指示し、印刷部21はこの復号化された印刷データの印刷を実行する(S45)。印刷が終了した復号化された印刷データはセキュリティを維持するために消去される(S46)。
【0078】
ステップS43において、復号化された印刷データが制限値の範囲外である場合には、この印刷データの印刷に不足する印刷枚数を次回に割り当てられる印刷枚数から借用する前倒処理が実行される(S48)。この後、印刷データのジョブ登録を実行するステップS44以降の処理が実行される。
【0079】
前述のステップS25において、印刷データ又は暗号化印刷データの受信後に制限値に変化が生じた場合には、この印刷データ又は暗号化印刷データが新たに更新された制限値の範囲内であるか制限値の範囲外であるかが判断される(S29)。制限値の範囲内である場合には、印刷データであるか暗号化印刷データであるかを判断するステップS40以降の処理が実行される。制限値の範囲外である場合においても、印刷データであるか暗号化印刷データであるかが判断される(S49)。ここで、暗号化印刷データであると判断された場合には、暗号化印刷データを復号化し印刷するためのステップS41以降の動作が実行される。印刷データであると判断された場合には、ジョブ管理部231は、ジョブ登録動作を中止する旨の「ジョブ登録拒否通知」を操作部25及び端末3Aに送信し(S30)、印刷動作を中止する(S31)。
【0080】
以上説明したように、第3の実施の形態に係る印刷システム1、印刷装置2、端末3A−3D並びに印刷方法においては、第1の実施の形態に係る印刷システム1、印刷装置2、端末3A−3D並びに印刷方法により得られる作用効果と同様の作用効果を奏することができる。更に、第3の実施の形態に係る印刷システム1、印刷装置2、端末3A−3D並びに印刷方法においては、印刷装置2の印刷動作の稼働効率を向上しつつ、セキュリティ性の高い印刷動作を実現することができる。
【0081】
なお、第3の実施の形態に係る印刷システム1、印刷装置2、端末3A−3D並びに印刷方法は前述の第2の実施の形態に係る印刷システム1、印刷装置2、端末3A−3D並びに印刷方法と組み合わせることができる。
【0082】
(その他の実施の形態)
上記のように、本発明を第1の実施の形態乃至第3の実施の形態によって記載したが、この開示の一部をなす論述及び図面はこの発明を限定するものでない。本発明は様々な代替実施の形態、実施例及び運用技術に適用することができる。
【0083】
例えば、前述の第1の実施の形態乃至第3の実施の形態においては、印刷システム1に1つの印刷装置2しか配設していないが、この配設数に限定されるものではなく、本発明は2つ以上の印刷装置2が通信手段4に接続されていてもよい。
【0084】
更に、前述の第1の実施の形態乃至第3の実施の形態においては、印刷システム1に組み込んだ印刷装置2として主に孔版印刷装置の例を説明したが、前述のように、本発明は、印刷装置2にインクジェットプリンタを使用してもよい。この場合、図1に示す印刷装置2は、製版部2及び給排版部28を省略し、製版印刷制御部232を印刷制御部232に置き換え、製版に関する制御を行わない。
【0085】
更に、前述の第1の実施の形態乃至第3の実施の形態においては、印刷システム1に組み込んだ端末3A−3Dとして主にパーソナルコンピュータの例を説明したが、本発明は、端末に、前述の可搬型メモリ用スロット36、262に直接接続でき、又はUSBケーブルやIEEE1394ケーブルを介して間接接続できる(通信手段を介して接続できる)可搬型メモリを使用してもよい。可搬型メモリとしては、前述のUSBフラッシュメモリ、カードメモリ等を実用的に使用することができる。この場合、可搬型メモリは、印刷データを記憶する記憶装置と、プリンタドライバユニットと、第2の通信部とを少なくとも備える。プリンタドライバユニットは、印刷装置2から送信され受信された制限値に基づき、記憶装置に記憶された印刷データを印刷装置2に送信するか否かを判断する。可搬型メモリ自体に表示機能を備えてもよいが、印刷するか否かの情報は印刷装置2の操作部25において表示させる。勿論、可搬型メモリは、前述の第1の実施の形態乃至第3の実施の形態のいずれにも応用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0086】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る印刷装置及び端末の構成を示すブロック図である。
【図2】第1の実施の形態に係る印刷システムの構成図である。
【図3】第1の実施の形態に係る印刷方法を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る印刷方法を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の第3の実施の形態に係る印刷方法を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
【0087】
1…印刷システム、2…印刷装置、21…印刷部、22…製版部、23…コントローラユニットと、231…ジョブ管理部、232…製版印刷制御部、24…第1の通信部、25…操作部、261、34…記憶装置、262、36…可搬型メモリ用スロット、27…給排紙部、28…給排版部、29…
読取装置、3A−3D…端子、31…印刷データ生成ユニットと、311…管理アプリケーション部、312…オペレーションシステム部、32…プリンタドライバユニット、33…第2の通信部、35…記憶メディアドライブ、37…表示装置、38…入力装置、4…通信手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷データに基づき印刷動作を実行する印刷部と、
印刷可能枚数から印刷済み枚数を差し引いた印刷枚数の制限値を随時生成し、前記制限値の範囲内において前記印刷部の印刷動作を制御するコントローラユニットと、
前記印刷データを受信し、前記制限値を送信する第1の通信部と、を備えた印刷装置と、
前記印刷データを記憶する記憶装置と、
前記記憶装置に記憶された前記印刷データが前記制限値の範囲内であれば前記印刷データの送信を行い、前記制限値の範囲外であれば前記印刷データの送信を行わないプリンタドライバユニットと、
前記印刷データを送信し、前記制限値を受信する第2の通信部と、を備えた端末と、
前記第1の通信部と前記第2の通信部との間において前記印刷データ及び前記制限値の送受信を行う通信手段と、
を備えたことを特徴とする印刷システム。
【請求項2】
印刷枚数データ及び色データを有する印刷データに基づき印刷動作を実行する印刷部と、
印刷可能枚数から印刷済み枚数を差し引いたカラー印刷枚数の第1の制限値を随時生成するとともに、前記第1の制限値に対応するモノクロ印刷枚数の第2の制限値を生成し、前記第1の制限値又は前記第2の制限値の範囲内において前記印刷部の印刷動作を制御するコントローラユニットと、
前記印刷データを受信し、前記第1の制限値又は前記第2の制限値を送信する第1の通信部と、を備えた印刷装置と、
前記印刷データを記憶する記憶装置と、
前記印刷データが前記第1の制限値の範囲内であれば、又は前記第1の制限値の範囲外であって前記第2の制限値の範囲内であれば前記印刷データの送信を行い、
前記第1の制限値の範囲外及び前記第2の制限値の範囲外であれば前記印刷データの送信を行わないプリンタドライバユニットと、
前記印刷データを送信し、前記第1の制限値及び前記第2の制限値を受信する第2の通信部と、を備えた端末と、
前記第1の通信部と前記第2の通信部との間において前記印刷データ及び前記制限値の送受信を行う通信手段と、
を備えたことを特徴とする印刷システム。
【請求項3】
前記端末の前記プリンタドライバユニットは前記印刷データを暗号化した暗号化印刷データを生成し、前記第2の通信部は前記暗号化印刷データを送信し、
前記印刷装置の前記第1の通信部は前記暗号化印刷データを受信し、前記コントローラユニットは、前記制限値の範囲内であれば前記暗号化印刷データを前記印刷データに復号化し、前記制限値の範囲内であれば復号化された前記印刷データに基づき前記印刷部に印刷動作を実行させ、前記制限値の範囲外であれば復号化された前記印刷データに基づき不足分の印刷枚数を借用し前記印刷部に印刷動作を実行させることを特徴とする請求項1に記載の印刷システム。
【請求項4】
印刷データに基づき印刷動作を実行する印刷部と、
印刷可能枚数から印刷済み枚数を差し引いた印刷枚数の制限値を随時生成し、前記制限値の範囲内において前記印刷部の印刷動作を制御するコントローラユニットと、
前記印刷データを受信し、前記制限値を送信する第1の通信部と、を備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項5】
印刷枚数データ及び色データを有する印刷データに基づき印刷動作を実行する印刷部と、
印刷可能枚数から印刷済み枚数を差し引いたカラー印刷枚数の第1の制限値を随時生成するとともに、前記第1の制限値に対応するモノクロ印刷枚数の第2の制限値を生成し、前記第1の制限値又は前記第2の制限値の範囲内において前記印刷部の印刷動作を制御するコントローラユニットと、
前記印刷データを受信し、前記第1の制限値又は前記第2の制限値を送信する第1の通信部と、を備えたことを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
前記第1の通信部は前記印刷データを暗号化した暗号化印刷データを受信し、前記コントローラユニットは、前記制限値の範囲内であれば前記暗号化印刷データを前記印刷データに復号化し、前記制限値の範囲内であれば復号化された前記印刷データに基づき前記印刷部に印刷動作を実行させ、前記制限値の範囲外であれば復号化された前記印刷データに基づき不足分の印刷枚数を借用し前記印刷部に印刷動作を実行させることを特徴とする請求項4に記載の印刷装置。
【請求項7】
印刷データ生成ユニットにより生成された印刷データを記憶する記憶装置と、
前記記憶装置に記憶された前記印刷データを送信し、印刷装置において随時生成される、印刷可能枚数から印刷済み枚数を差し引いた印刷枚数の制限値を受信する第2の通信部と、
前記印刷データが前記制限値の範囲内であれば前記印刷データの送信を行い、前記制限値の範囲外であれば前記印刷データの送信を行わないプリンタドライバユニットと、
を備えたことを特徴とする端末。
【請求項8】
印刷枚数データ及び色データを有する印刷データを記憶する記憶装置と、
前記記憶装置に記憶された前記印刷データを送信し、印刷装置において随時生成される、印刷可能枚数から印刷済み枚数を差し引いたカラー印刷枚数の第1の制限値及び前記印刷装置において生成される、前記第1の制限値に対応するモノクロ印刷枚数の第2の制限値を受信する第2の通信部と、
前記印刷データが前記第1の制限値の範囲内であれば、又は前記第1の制限値の範囲外であって前記第2の制限値の範囲内であれば前記印刷データの送信を行い、前記第1の制限値の範囲外及び前記第2の制限値の範囲外であれば前記印刷データの送信を行わないプリンタドライバユニットと、
を備えたことを特徴とする端末。
【請求項9】
前記プリンタドライバユニットは前記印刷データを暗号化した暗号化印刷データを生成し、前記第2の通信部は前記暗号化印刷データを送信することを特徴とする請求項7に記載の端末。
【請求項10】
端末において生成された印刷データを記憶する段階と、
印刷装置において印刷可能枚数から印刷済み枚数を差し引いた印刷枚数の制限値を随時生成し前記端末に送信する段階と、
前記端末において、前記印刷データが前記制限値の範囲内であれば前記印刷データを前記印刷装置に送信し、前記制限値の範囲外であれば前記印刷データの送信を行わない段階と、
前記印刷装置において前記端末から送信され受信された前記印刷データに基づき印刷動作を実行する段階と、
を備えたことを特徴とする印刷方法。
【請求項11】
端末において印刷枚数データ及び色データを有する印刷データを記憶する段階と、
印刷装置において印刷可能枚数から印刷済み枚数を差し引いたカラー印刷枚数の第1の制限値を随時生成し前記端末に送信する段階と、
前記印刷装置において前記第1の制限値に対応するモノクロ印刷枚数の第2の制限値を生成し前記端末に送信する段階と、
前記端末において、前記印刷データが前記第1の制限値の範囲内であれば、又は前記第1の制限値の範囲外であって前記第2の制限値の範囲内であれば前記印刷データを前記印刷装置に送信し、前記第1の制限値の範囲外及び前記第2の制限値の範囲外であれば前記印刷データを前記印刷装置に送信しない段階と、
前記印刷装置において前記端末から送信され受信された前記印刷データに基づき印刷動作を実行する段階と、
を備えたことを特徴とする印刷方法。
【請求項12】
端末において、生成された印刷データを暗号化した暗号化印刷データを記憶する段階と、
印刷装置において印刷可能枚数から印刷済み枚数を差し引いた印刷枚数の制限値を随時生成し前記端末に送信する段階と、
前記端末において、前記暗号化印刷データが前記制限値の範囲内であれば前記暗号化印刷データを前記印刷装置に送信し、前記制限値の範囲外であれば前記暗号化印刷データの送信を行わない段階と、
前記印刷装置において前記端末から送信され受信された前記暗号化印刷データを前記印刷データに復号化する段階と、
前記印刷装置において復号化された前記印刷データが前記制限値の範囲内であればこの復号化された印刷データに基づき印刷動作を実行する段階と、
前記印刷装置において、復号化された前記印刷データが前記制限値の範囲外であれば不足分の印刷枚数を借用し、この復号化された印刷データに基づき印刷動作を実行する段階と、
を備えたことを特徴とする印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−122822(P2010−122822A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−294762(P2008−294762)
【出願日】平成20年11月18日(2008.11.18)
【出願人】(000250502)理想科学工業株式会社 (1,191)
【Fターム(参考)】